インフィニット・ストラトスー歪みの零 作:ライアス・レガルト
いやはや先週は「細菌性胃腸炎」なるものでぶっ倒れてしまいまして、
一週勝手にお休みさせていただきました(笑)
はい、というわけでね
今回も楽しんでいってね!
五歳になった零治は、束の中学の友人の紹介で自らが絶賛居候中である篠ノ之神社のすぐ隣、
とある剣道の道場に通わされる事となった。
もちろん篠ノ之箒も一緒である。
運動神経が極端に悪く、同時に要領が悪い零治と、
我が弟を是が非でも守りたいという箒。
そんな二人の為に、束が一つ気を利かせたのである。
因みにどうでも良いが、箒は零治の事を「弟」と言ってるが、実際に箒と零治の間には年齢差がない。
そんなこんなで、今日は箒と零治の初めての剣道教室である。
「零治、うしろは任せた・・・! 私から離れてはダメだぞ!」
「う、うん!」
自宅からたった数十メートルの移動を、お互いにピッタリ背面を預けて進む二人。
いやはや、すっかり仲良くなったものだ。
もし束がこれを見たとしたら、確実に「してやったり」とでも言いたげな醜いドヤ顔を浮かべることだろう。
考えただけでイライラする。
二人は暫く進行し、とある門の前にたどり着いた。
零治達の背丈に比べると門はとても高い。
しかも古く年期が入っているのも合わさって、門は凄まじい存在感を放っている。
そのプレッシャーを余すところなく直に感じている二人は、それはもう緊張しまくっているところであろう。
その証拠に、二人はお互いの手をガッチリ握っている。
「間違いない。ここがお姉さまの言っていた道場だ。」
「ついに来たね・・・・・。」
そう言ったきり、動きだす勇気が出ない二人。
なにも起きない時間が、何かの圧力をもって二人をせかしている。
(ここでいつまでも震えていては、埒があかない・・・!)
と、この状況についに箒がしびれをきらした。
「我々の背後に逃げ道はない、どのみち前に進むしかないのだ! 腹をくくれ!」
ちなみに背面20メートルほどの距離では、自宅の玄関と束が二人を見守っている。
・・・・・・・・
・・・・
・・。
「行くぞ!」
「行こう!」
バーン、と勢いよく扉を開け放ち、道場に侵入。
そのまま道場内の稽古場に乗り込んだ。
箒は稽古場の中央に一人の女性が立っているのを確認すると、
「私が篠ノ之箒だ! 織村千冬はどこにいる!!」
と、その女性に対して大きな声で叫んだ。
虚勢丸出しなその声に反応し、どこかを見ていた女性がこちらに視点を合わせる。
その目は鋭く、立ち姿には一切の隙がない。
一瞬でも動いたら、目を逸らしたら、即座に手にもつ竹刀が降りかかってくるような・・・。
そんなプレッシャーが訪問者に降りかかる。
「・・・っ!!」
何故か何も言わずにこちらを見ている女性に、思わず息を飲む零治。
今にも逃げ出したい一心だが、二人の体はすっかり怯んでしまい、地面に足が縫い付けられたかのように動かない。
取り敢えず、今何かされたら抵抗できずに死んでしまう気がする。
圧倒的な殺気の前にし、腰が抜けてしまっている二人。
そんな彼らに向けて、女はゆっくりと口を開いた。
「土足で踏み入るなよ? 馬鹿どもが。」
言うまでもないが、逃げ帰った。
「あれぇ?早かったねぇ。今日はちーちゃんいなかったのかなぁ?」
「うむ・・・・・そうと思われる人物はいなかったです、お姉さま。」
「違う人しかいなかったよ・・・」
「零くんまで・・・・・。おっかしぃなぁ、今日見てくれるって約束したのに・・・。」
あまりにも怯えきっている様子の二人を見て
あれ? と束が何かに気付いた。
「ねぇねぇ、違う人がいたって言ったけど、それってどんな人だった?」
う~ん・・・と、その問いに暫く考えた零治はだったが。彼は少し渋い顔でこう言った。
「アマゾネスみたいな人?」
次の日、束からその話を聞いた千冬は、小一時間啜り泣いたらしい。
彼女は当分お嫁に行けそうにないだろう。
と、学校帰りの束から聞いた零治は、酷いことを考えているのだ。
彼女は今傷心中。
チャンスだ、読者諸君。
さて、そんなこともあってか、
その日からの剣道の稽古は、
以後ドイツ軍での「地獄の訓練」の元になる程、辛く、苦しいものであった。
千冬も開き直ったのであろう。ここは女性でありながらもアマゾネスとして生きることを選択した、そんな哀れな勇気を称えねばならない。
来世がんばれ!
・・・と他人事のように語っているが、これによって被害を被ったのは主に零治であったことは言うまでもない。
そして始まった地獄の道場生活。
「アマゾネス」こと織村千冬は、零治への指導を一層厳しく行っていた
「甘いな。力に頼ろうとするな。あくまで自分の体を自然に使うんだ。」
そう言われ零治は数メートル以上吹っ飛ばされる。
現在零治は千冬と稽古中であるのだが、全く手加減のくそもない。
正直に言う、痛いわこの野郎。
因みに今は体術の練習をしているので、剣道の道場の割には竹刀も使わず素手で組み合っている。
千冬の体勢を少しでも崩せばアイスをくれると言うので、子供ながら喜んだはいいものの・・・
「どうした?私とて20キロの重りにあてられたら体勢ぐらい崩すぞ。」
「・・・・・どうして少しも動かせないんだ・・・。」
どれだけ力を入れても動かない。
いわゆる古武術的な体の動かし方とかいうあれだろう。
剣道でも、武道というからにはそういった基本的な体の運用法などもマスターするべきだ。であれば当然、武道を極めつつある千冬がこのようなメニューを練習に組み込まないわけがない。
当然といえば当然であるのだが、これが意外に難しいのだ。
何故なら人は、何かの稼働目的を持った時、
例えば人を押したりダンベルを持ち上げたりする時、必ず力の作用点や使用する体の部位の筋肉を意識してしまう。
したがってどうしても筋肉に頼ってしまうのだ。
しかし武道ではそれはとても非効率な事なのである。
例えば自然に体を立ち上げる時、どこかの筋肉を意識するだろうか?
恐らく何も意識しないまま、体全体を使って体を動かすだろう。
勿論筋肉を頼ってはいるが、体全体という点が大きく異なる。
人を押すとき、もしくは負荷の中で立ち上がる時、
部位的な筋肉を意識して一部の筋肉だけの力でそれを行うのと、
体の自然的な動きを意識して体全体の力を一つの作用点に作用させる事と、
この二つでは力の効率が全く違う。
少ない消費で大きな結果を生むことになる。
つまるところ、人間の潜在的な力の鱗片に触れる事も可能になるのだ。
「頭では分かっていても!」
そう言って力を抜きながらどついてみるも、全く千冬は動かない。
「技を受けながら感じろ、こうするんだ。」
直後再び数メートル吹っ飛ばされる零治。
見事な児童虐待だと思う。
「今日はこれを覚えるまで帰さんぞ!!」
「うおおおぉぉ!!」
・・・・・・
・・・・
・・
結局その日はボロボロになるまで練習をしたが、技の習得には至らなかった。
何故か、千冬は零治にかなり厳しい。
理由は知らないが、箒や織村一夏という千冬の弟は、割と放任主義的に扱われているのに対し、零治に関してはどこか厳しい学校の部活動のようなものを感じる。
色々と憶測はできるが、恐らく束が何か言ったのだろう。
ここ最近の彼女は零治に色々なものをやらせようとし過ぎている。
学校にも入学してもないのにすごいペースで勉強を教えられ、
鬼のような道場に通わされる上に、毎日ニュースや新聞などを読むことを義務付けられる。
束は、要領の悪い零治に対して中々ハードに教育という教育を叩き込んでいるが、
零治はそんな束の教育ママぶりに対して、ただ戸惑いを覚える事しかできなかったのだ。
他にやりたいことも現れず、明確な反抗心が生まれなかったからなのだろう。
ただその過密なスケジュールをこなし、日々が流れているのを感じながら、
結局は何も反発することはなかった。
そんな調子で、辛い日々を平坦に過ごしていたのだ。
が、そんな平坦な毎日をぶち壊す者があらわれる。
「そんな毎日じゃあ面白くもないだろ、零治くんよぉ。」
いや、厳密には現れていないのか、あたりには誰も見当たらない。
「ったく、愉快にキョロキョロしやがって・・・・・」
いや、違う。
これは、声が頭に直接響いている感覚がある。
「もうわかってんだろうが、俺はここだ。」
零治は薄々ながらも感づいた。恐らくこれは・・・
「よぉ、主人格様。」
この世界に生を受けて早2年目の6月14日。
今日、自分に第二人格が発現した。
僕は彼の事を「もう一人の僕」と呼ぶことにする。
「いいぜぇ、相棒☆」
「ごめん、今のくだりは無しで。」
やっぱり普通に指示代名詞を駆使していく事にしよう。
前回より若干ボリュームあったとは思うけど、
文体大丈夫だったか不安だわ(笑)
なんか苦情あったら感想欄にでもオナシャス!
一応会員じゃなくてもかけるように設定したと思うので(笑)
はい、じゃあ今週もこんな雑な文章を読んでくれて有難うございました!
来週もよろしくね~。
ばいちゃ!