インフィニット・ストラトスー歪みの零   作:ライアス・レガルト

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遅くなって申し訳ない。

Δ-でございます。

今回もちょっくら長めですので我慢してね!w



時代の動いた日

突然道場に侵入してきた武装集団を無力化し、無事道場の外にでた零治達だが、そこで彼らは信じられないものを目にした。

 

 

「みなさん!!今すぐシェルターに避難してください!」

 

 

そこには、道路を埋め尽くさんばかりの大勢の住民達が大行進をしている光景が広がっていた。

家族連れの人が多く、家主と思われる男性達は大きなバックを背負っている。

これから家族で野宿でもできそうな勢いのそれを、こうも大勢の男たちが背負っているのを見ると違和感を感じざるをえない。

 

町内会のキャンプ大会でもするのか?

 

 

≪な、なんなんだこれは。≫

 

「取り敢えずウチに避難しよう!」

 

 

そういって零治達は人ごみに中に紛れ始めた。しかしあまりの人の量でなかなか前に進めない。

しかも彼らは人の流れに対して逆送している形で進んでいたので、流れに逆らって人の間を割ろうとするたびに、大人たちの舌打ちが耳につく。

 

心も折れそうになる反面、その状況から逆に、たった今起きている緊急事態の重大さと、それに直面した人々の不安が伝わってくる。

 

零治はその光景に焦りを覚えながら、ただひたすらに足を前に進める事しかできなかった。  

 

 

数分後、無事に篠ノ之家に避難した零治達は、頼りのお姉さんが家にいないのに気付いた。

自分たちを置いて逃げていまったのかと思いもしたが、零治はその可能性を極力考えないように必死に姉の不在の理由を考える。

 

 

「そうだ、テレビ局にいくとか言ってたような……。」

 

「ち、千冬ねぇも今日は用事があるっていってた。」

 

 

なけなしの記憶からやっとのことで絞り出した零治であったが、

そんな事実が明らかになった所で、頼りになる人がいないというこの現状が好転するわけでもない。

 

 

「ど、どうすればいいのだ。」

 

 

異常事態の中、孤立無援になってしまった不安感は、若干6歳になる子供達には辛過ぎるのであろう。箒はもう涙目で縮こまってしまっている。

 

 

「とにかく、いまは何がおきているのか知っておこう。」

 

 

なんの励ましか、取り敢えず沈み切った空気から打開しようと、一夏がテレビの電源を入れる。

同時にチャンネルを回し始めるが、

 

 

「チャンネルは全部同じだね……。」

 

 

テレビの画面には日本の内閣のナントカ大臣とやらが、険しい表情で何かを叫び続けているのがうつされているだけだ。

そのナントカ大臣曰く、只今日本は壊滅の危機に瀕しているだとかなんとか。

 

しばらくその声に耳を傾けていると、信じがたい事実が明らかになった。

 

 

「全世界の軍事サーバーがハックされて、世界中の核ミサイルが日本に向けて一斉発射された……?」

 

「んな馬鹿な!」

 

「ど、どうしたのだ二人とも!核ミサイルとはなんなのだ!!」

 

 

最悪の事態に気が動転する男二人と、

そんな状況を自分だけ理解できていない不安感で気が動転する女の子一人。

 

暫く情報に耳を傾けてみた所によると、ミサイルが発射されてからすでに30分が経過しているそうだ。

しかしミサイルはかなり垂直軌道をたどっているらしく、それはいまだに空を飛んでいるのだという。

 

だが着弾まで長く見積もってあと5分。

段数にしておよそ500発。

命中すれば日本の土地という土地が焼野原になるだろう。

 

 

≪首謀者はよっぽど日本がお嫌いなみたいだぜ?≫

 

 

あくまでお気楽な第二人格様だが、三人の空気はもう絶望に染まっていた。

五分だなんて、もう逃げられる訳ないじゃないか。

 

と、

 

顔いっぱいにあきらめを写したような表情で、テレビの電源を落とそうとしたその時、

 

 

『はいはい、皆こんにちはぁ!天才科学者篠ノ之束先生だよ~!』

 

 

チャンネルが急に変わり、画面には今この瞬間日本で一番元気な女性がテレビに映し出された。

 

 

『今日は束先生の発明品最新作をご紹介しちゃうぞおおお! 注目の発明品は~~~~! これじゃ!!』

 

 

直後またしても画面が変わり、

 

 

「千冬ねぇ!?」

「千冬さん?」

「師匠!」

 

 

そこには太平洋の広大な海の上空に浮かぶ千冬の姿があった。

が、その体には随所随所に機械仕掛けの小さな白い防具なようなものが沢山くっ付いている。

パワードスーツというべきか、追加装甲というべきか……。

背中には純白の羽がついていて、その姿はまるで天使のような何かを彷彿とさせるものだった。

 

 

『画面の女の人が装着しているパワードスーツ、これこそが束先生の集大成!!』

 

 

千冬の頭上数千メートル、そこには高高度から垂直に落ちてくる核ミサイルの群れが映っている。

対峙する彼女は右腕に大きな大剣を持ちながら、完全に重力に逆らい上空のミサイルを正面にとらえる向きで静止している。

 

 

『開発品名はインフィニット・ストラトス! 最新型の宇宙服なのだぁ~!』

 

(インフィニット……ストラトス………?)

 

 

呆然とテレビの前で佇む三人とは対照的に、テレビの中の束はここぞとばかりのハイテンションを見せる。

 

 

『このインフィニット・ストラトスは! 厳しい宇宙環境に人間が完全に対応する為……、そして人間のポテンシャルを何十倍にも発揮させる為! 開発されたものなのです!』

 

 

そのインフィニット・ストラトスなるものを身にまとった千冬は、

零治たちでさえ見たことのないような険しい表情をしている。

 

まるで一睨みで人一人をも退けそうな圧倒的な殺気。

そしてその気迫こそまさに、千冬の目指した武道の完成系。

 

今太平洋に浮いているのは、日本を誇る一人の武士であった。

そしてそんな彼女の尋常ではない気迫と殺気が、画面前にいる自分たちにもしっかりと伝わってくるのを感じる。

 

 

『まずは基本スペックから紹介させていただくよー!! メイン装備はこちら! マスドライバー無しでの大気圏突破をコンセプトに置いた超出力スラスター!』

 

 

千冬は纏っていた殺気を解放し、ミサイルに向けて突進を見せる。

そのスピードは人間が視覚できる速度を軽く超越し、画面に映っていたのは青白い光線が空に向かって伸び続けている様子だけであった。

 

まるでそれは打ち上げ花火が上空に上がっていくような光景である。

 

 

『そして! ≪宇宙空間においての人の探索能力拡張≫を目的とした、ハイパーセンサーを装備!』

 

 

青白い閃光の先にいらっしゃる天使は、手の平から荷電粒子砲を連続で放ち、的確にミサイルを打ち抜いてゆく。

 

打ち上げ花火が太平洋の空に咲き誇った瞬間であったが、その花から放たれた炎が容赦なく千冬を包む。

 

 

「千冬ねぇ!」

 

 

だだっ広い太平洋にいる姉に向けた一夏の悲痛な叫びが、狭苦しいリビングにこだまする。

 

しかしそれと同時に、炎にのまれたはずの天使はその炎を一瞬で振り払う。

 

 

『加えましてはこの防御力! 実はこれ! 宇宙の真空空間でも活動できるように、搭乗者と装甲の周りには外部のいかなる影響を受け付けない強力なエネルギーシールドが張られているのです!!』

 

 

人類史上もっとも強力な炎にあてられても、なお純白を保つ天使に、日本中の人間たちは大いなる期待を寄せたのかもしれない。

そしてその期待は、一人の女性が背負うにはあまりにも大きすぎるものなのかもしれなかった。

しかし、それでもやはり、天使はひたすらに人の期待に応え続けた。

 

 

音速などとうに超えた速度で、けれど正確に、攻撃の一切を無効化しながら、

 

だだひたすら右腕の大剣でミサイル切り刻み、切り逃したミサイルを粒子砲が貫く。

 

それの繰り返し。

 

 

『この発明で、人類の文明がソラに近づくことを切に願うよ! みんな!』

 

 

彼女の言葉の意味を、この時の人間たちに理解する余裕などなかったのかもしれない。

 

そしてそのどちらにせよ、その言葉の真意が人類に届くことはなかったのである。

 

 

 

 

 

千冬の猛攻はそれはもう凄まじいものだった。

 

日本にせまるミサイルの半数以上が上空で落とされているだけでなく、その内一発たりとも日本に落ちていない。

 

自身の発明品の性能もそうだが、初見であそこまで乗り回せる千冬のほうにも、驚きを隠しえないというものだろう。

 

 

それにしても今日に至るまで本当に疲れた。

公共電波のジャックと、そこからの生放送を終えた束は、まるで物置のような自前の研究室のど真ん中で、少し未来的なデザインの回転椅子に腰かける。

 

彼女が疲れている理由だが、今日になにか特別なことがあったわけでもなんでもなく、

インフィニット・ストラトスの開発が急ピッチで行われたから……というわけだ。

 

 

「まったく英治の奴、あんたが余計な事してくれたから、二年も予定が早まったじゃない。」

 

 

疲れ切った彼女の口からは、普段誰にも聞かせたことのなさそうな口調が零れる。

ふと壁に取り付けられたモニターをみると、そこには今でも奮闘してる親友の姿があった。

次々とミサイルが切り刻まれてゆく光景は、実に頼もしいの一言に表現がつきる。

 

 

「まぁでも、これで時系列は動き始めたね、英治。」

 

 

そういって束は立ち上がる。

 

 

「さぁ、いきなさい千冬。あなたのその剣が、次の時代の開幕を告げる狼煙だってね!!」

 

 

 

 

そしてそれと同時刻、アメリカのとある研究所では、一人の天才がモニターをみながら葉巻を吸っていた。

 

 

「相変わらず元気なこったなぁ、零華。」

 

 

後に白騎士事件と呼ばれた日。

たったその一日で、人類の文明は数十年単位で進んだといわれているのだが、

そんな日の裏では、太平洋の向こう側でもう一人の天才が動き始めたのである。

 

その男は十数年前に突如現れた、アメリカの誇る天才科学者。

 

アメリカ籍ではあるのだが、彼のネームプレートには達筆な筆記体で日本名が書かれているのだ。

 

 

Doctor.Fuziwara

 

 

「さて、零治は元気にしているのかな。」

 

 

藤原と呼ばれるその男は、テレビの電源を落とし葉巻を床に放り捨てその場をさった。

 

 

 

 

翌日、

とある研究所が全焼し、一人の科学者が行方をくらましたそうだ。




前回程多くはなかったかな?

いやはやそれにしても今回は書きづらかった(笑)

なんというか緊迫した雰囲気に読者をのめりこませる文章が全くかけなくて辛かったっす泣

まぁ僕小説家じゃないんで妥協しましたけど←

しかしそんな読みにくい文章でもここまで読んでいただいて本当にありがとうございます。

さて!
次からは晴れてIS学園編がはじまるぞ!
次回をお楽しみに!
っというわけで、宜しければ次の話も読んでくれるとありがたいです。

ばいちゃっ!
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