ナイトレイドアジト・病室。
タツミ達が病室に入ると、イエヤスがボーッと、外を見つめていた。もう、サヨの事はとっくに知ってるのだろう。すると、イエヤスがタツミ達に気付いた。
「ああ、タツミか」
「・・・イエヤス」
タツミがイエヤスの名前を呼ぶ。イエヤスは、悲しそうな声で言う。
「サヨは死んじまったのによ・・・。俺だけ生き残っちまった」
「イエヤス・・・」
「ごめん。話の途中だが、イエヤス。聞きたいことがある。帝都に、真っ向から歯向かう気はあるか?」
「帝都に?」
「おい、カタナ。それは・・・」
タツミがその話を止めさせようとするが、
「タツミ、ごめん。でもこれは、必要な事なんだ。答えてくれ、イエヤス。イエスか、ノーか」
「俺は・・・」
イエヤスが目を閉じる。そうすると浮かぶのは、目の前でなぶられ、悲鳴を上げる少女と、それを笑いながら見物する護衛達。イエヤスの答えは決まった。
「イエスだ!」
「よし。ボス!!鬼籍王って、まだ適合者居なかったよな!」
「ああ・・・ってまさか!!こいつを適合者にする気か!?」
ナジェンダが驚愕の声を上げる。当たり前だろう。鬼呪帝具のシリーズは、普通の帝具より暴走する確率が高い。そして、暴走した場合、[鬼]に喰われて人の皮を被った鬼、[鬼人]と化す。
「決めるのは、イエヤスだ。無理やり適合させたりしたら、失敗する可能性が高いし、何より、そんなことはしたくない]
「なあ。鬼呪帝具って言ったか。そいつに適合すれば、強くなれるのか?」
「ああ」
カタナがそう答えると、
「じゃあ、それに適合させてくれ!!」
了承した。
「じゃあ、イエヤス、君は暫く体力を付けよう。それから、適合試験をする」
「了解!!」
「鬼呪帝具に一番必要な物は、心の強さだ。それさえ有れば、大体は適合できる」
「おう!!。わかった!!」
すると、ブラートが、
「なら、俺がタツミのついでに見てやるぜ!!」
と言う。特に問題は無いと判断したのだろう。ナジェンダが許可を出す。そうすると、ブラートが握手をしようと、手を出してきた。
「俺は、ブラート。兄貴って呼んでくれ!!よろしくな!!」
「応!!兄貴!!」
そう言って握手をする。これ、言っといた方が良いのかな、と思ってると、タツミがイエヤスに教える。
「イエヤス。兄貴はゲイだぞ」
「!!」
バッ、と物凄い勢いで、手を放した。なんかデジャブだ。
「ハッハッハッ!!。止してくれよ。誤解されちまうだろう、なあ?」
・・・・・なんか、デジャブだ。
イエヤス、ナイトレイドに入りました。しかし!、まだ前線には出ません。彼が活躍するのはもう少し後になります。