「お前を・・・」
「あなたを・・・」
「救う!!」
「解放してあげる!!」
カエデが四鎌童子の鬼呪の技を展開。鬼を再び飛ばしてくる。カタナは、阿朱羅丸を構え、切り裂く。その隙を狙って、カエデが鎌を降り下ろす。
「クッ」
カタナは、それを刀で上手く受け流し、後ろに下がる。
「へえ。やるじゃない」
カエデが四鎌童子を構える。ヴォヴォヴォヴォという音が聴こえてくる。
「じゃあ、私も、本気で行くわね」
鬼を4体出してくる。
「なっ!?」
鬼呪帝具[四鎌童子]。確かに、この帝具は、鬼を具現化する能力を持っている。しかし、具現化出来る限界が、1体だったのだ。それが、4体。
「ヤバい!!」
後ろから、チェルシーの悲鳴が聞こえてくる。
ー仕方ないね。奥の手を使う。言う通りにして。
カタナは、阿朱羅丸を改めて構えると、
「阿朱羅丸。奥の手!!」
次の瞬間、カタナの後ろに、8つの刀が出現する。
「阿朱羅観音!!」
その8つの刀が、鬼に向かっていき、その鬼を相殺した。
ー奥の手、阿朱羅観音。無数の刀を作り出し、その刀で敵を切り裂く、阿朱羅丸の奥の手。作り出す刀の量によって、消費する精神が変わり、それこそ、最大限で解放すれば、百個の刀を作り出す事も可能だー
「なっ!?」
さすがに驚いたらしい。カエデの動きが鈍る。追撃しようとするが、
「あはっ♪」
鎌を構え、突っ込んでくる。ガギィンと、強烈な音がする。そのまま、カタナが押され、刀が飛んでいってしまう。ヤバい。そう思った時。また鎌が止まった。
「な、また!?」
「残念、ね。鬼を、出して、くれて、助かった、わ。お陰、で、あなたから、体を、取り返す、事が、出来た」
「クッ・・・。ふざ、けるな・・・。私が、こんな、所で・・・!!」
「良いから、消えなさい。鬼」
カエデが目をこちらに向ける。
「お久し振りね。カタナ」
「カエデ、なのか・・・?」
「ええ。悪かったわね。私のせいで。でも」
カエデが構える。
「カタナ。約束、覚えてるわね?」
「ああ」
「なら、決着、着けましょう?」
「・・・ああ」
カタナとカエデが持てる全てを展開する。そこに、殺気の様な物は、一切無かった。
「は、ああああ!!」
「っ。う、おおお!!」
カタナが刀を突き刺す様に、前に出す。普通なら、簡単に止められる一撃。それを、カエデは・・・、
グサッ。
・・・受けた。胸から、血が流れる。
「カ、エデ・・・」
「ふふっ。何?その顔」
ゴフッと血を吐き出す。カタナに何かを渡してくる。それを受けとると・・・、
「四鎌、童子?」
「ええ。きっと、あなたの、助けに・・・」
遺跡の奥を指す。カタナが目を向けると、その向こうには、一つのマントがあった。
「帝具。[熾天憑依]セラフィム。阿朱羅丸の適合者、専用の、帝具」
「セラフィム?」
帝具2つの適合など、聞いた事が無い。
「最後に。もう一度、あなたに会えて、良かった・・・・・」
カエデはそう言うと、息絶えた。
ーカエデが、死んだ。
泣きたいのに、泣けない。自身に絶望していると、チェルシーが近づいて来る。すると、カタナを抱き締めた。
「チェ、ルシー?」
「カタナ。我慢しなくても良いの。今は、気が済むまで、泣きなさい」
その言葉をトリガーにする様に、カタナの目から、涙が出てきた。
「う、ううう」
チェルシーに抱かれながら、カタナは、嗚咽を漏らし始めた。
「う、ううう、うああああ」
静かな遺跡の中、カタナの嗚咽のみが、流れ続けた・・・。
どうでしたか?皆さん。
次回から、再び、ショウヤの話に移ります。
それでは!!
次回 第33話 誘拐!?