チェルシーの報告が終わると、ナジェンダが任務の話をし出した。
「さて、安寧道は知っているか?」
「ああ。村長から村を出る時に貰ったのも、その像だった」
ナジェンダの問いに、タツミが答える。
「この安寧道が、近々武装蜂起、つまり宗教反乱を起こす。私達はそれを利用する考えだ」
「ちょ、ちょっと待て!!」
タツミが反論する。
「そうなったら、どれだけの民が死ぬんだ!?むしろ反乱は止めた方が良いんじゃ」
「それは・・・無理だ、タツミ」
「無理って、どういうことだよ、カタナ!!」
カタナの代わりに、レオンが答える。
「腐敗政治は、民を虐げ過ぎたんだ。ここで反乱を止めても、また別の反乱が起きる・・・もう、ここまで末期に来てるんだよ、この帝国は・・・・」
レオンが悔しそうな顔をしながら、そう言う。カタナもレオンも、出来るだけ犠牲は出したくない。だが・・・・。
「そんな・・・」
タツミが呟く。
「まあ、話しは最後まで聞いた方が良いよ」
「なあタツミ。前に話した、バン族の反乱や、北の移民族については、覚えているか?」
ラバックがタツミに聞く。
「ああ。どちらもエスデスに鎮圧されたやつだろ」
「実は、三年前の革命についてもそうだけど、あれらの失敗は、単独で帝国に楯突いてしまった事にある」
するとそこからカタナが話始める。
「帝都の力は増大だしな・・・。安寧道の反乱だって、いつか鎮圧されるだろうさ。そして、多くの血が流れる・・・・」
カタナの言葉をトリガーに、ナジェンダが机を叩く。
「そこで、いよいよ我ら、革命軍の出番だ」
地図の上に置いたコマを動かしながら、
「安寧道の反乱と同時に、私達と同盟関係にある、西の移民族、及びティターンズに攻めいって貰う。良いよな、レオン」
「ああ。革命を成功させる為なら、あいつらも喜ぶだろうさ」
「よし、これで帝都は・・・」
「内外に敵を抱えた状態になる・・・・」
チェルシーの言葉に、ナジェンダが頷く。
「それでも持ちこたえるだろう。そこで、革命軍が蜂起開始帝都へと進軍し、帝国を打倒する」
カタナが手を上げる。
「関所とかはどうするんだ?ここは外れの方にあるし、かなり時間掛かるんじゃ」
「ああ。それについては、心配入らない。行くぞ」
コマを動かし、
「帝国は我々を嘗めている。反乱分子を一点に集めているし、有難いとすら思っている。確かに普通なら、時間が掛かるだろうが、我々は何人もの城の大使と内通している。真面目にやってていて罰せられたケースも多かったからな。話は通し易かった」
ナジェンダは、ニヤリと笑うと、
「驚くぞ。革命軍が無欠解除を繰り返しながら、凄まじい速さで帝都に向かってくるのだから!!だが、それでもブドー大将軍と、その近衛兵が迎撃してくるだろう」
「・・・・・ブドー・・・・」
レオンが苦虫を噛み潰した様な顔をする。
「・・・・迅速に任務を遂行すれば、流れる血も少なくなる。どうだ?納得いったか、タツミ?」
「ああ。突っ掛かってゴメン」
「だが、その鍵を握る安寧道の内部で揉めているらしい。教祖の補佐にボリックという男がいるのだが、こいつが大臣が送り込んだスパイだったんだ」
カタナが気づく。
「なら・・・・」
「ああ。これが今回の任務。私達は安寧道の本部まで行き、ボリックを撃つ。やつは一部の信者に薬を飲ませ、中毒にしている外道だ。遠慮はいらん」
ナジェンダの言葉に、ラバックとスサノオが反応する。
「きっと女をとっかえして遊んでるんだろうな・・・・!!」
「食材に毒を盛るとは、食材に対する侮辱だ・・・!!」
「「絶対に許せん!!」」
「お前たち怒る所が違う気がするが・・・・」
ナジェンダが突っ込む。そして、
「イエーガーズについてだが、あいつらはエスデスが率いている以上、大臣の私兵であることに変わりはない。そこで、今回の任務を円滑に進める為、先に潰しておくべきだ。あいつらは今、全力で狩ろうとしているからな。帝都の外まで誘き寄せ、奴らを撃つ!!」
「いよいよ全面対決って訳ね!!」
マインがやる気に道溢れている。
「中でも、クロメとボルスは機会が有ったら消してくれ、と本部から来てるしな。見知った相手でも戦えるな、タツミ」
タツミが考え込む。そして、
「ああ。標的以外でも戦うことになれば全力でいく!迷いは、ない!!」
皆が微笑む。そしてナジェンダは、次にカタナを見る。
「カタナ。相手にはショウヤも居るらしい。奴は鬼呪帝具の使い手だ。私達では太刀打ち出来ん。恐らく、イエヤスもだ。そこで、もしショウヤがいた場合、お前に任せようと思う。お前が、今回の作戦のキーパーソンだ。いけるか」
カタナは頷くと、
「ああ。奴には借りがあるんだ。全力で殺す!!」
帝都。セリューの部屋。セリューとショウヤが対峙していた。
「何故止めたんです、ショウヤさん!あいつらは罪を犯したんだ。罪人は、殺さなきゃ!」
「お前は、あいつらがどうして、あんなことをしたのか、まだ分からないのか?」
質問の答えになっていない!とセリューが怒る。ショウヤは、秘密を喋ることにした。何故なのか、ショウヤにも分からない。彼女なら、受け入れてくれる。何故かそう思った。
「帝都でこんな事が続いてるのは、大臣のせいだ。俺がここに居るのは、この世界の人の均衡を保つ為だ。そして、[セラフ]を殺す為」
「大臣のせい?それに、セラフって?」
「・・・・いつか、分かるさ」
スッとセリューに手を伸ばす。
「目的を達する為に、俺に、力を貸してくれないか?セリュー」
「・・・・・いいんですか?裏切るかも知れませんよ?」
「構わないよ。今は、信じて、付いてきてほしい」
「・・・・・・・」
セリューが考え込む。ショウヤに付くべきか。いや、答えは決まっている。私は、彼の事が・・・
「分かりました。ショウヤさん」
ショウヤとセリューが和解する。ランの声が聞こえる。収集がかかったらしい。
「よし、セリュー、行くぞ!」
「はい!!」
-人がいずれ朽ちゆく様に
-国またいずれ滅びゆく。
-新国家の誕生を望む者達と、
-国を守る者達
-思想、理念、目的、全てを違えた彼らは、
-避けられぬ運命によって、衝突の日を迎える。
-鬼呪、セラフ・・・
-謎が深まるなか、
-必殺の武具をその身に纏い、
-決戦に挑む!!
-革命の物語が、遂に始まった・・・・!!