魔法少女リリカルなのはA`s?あれ、なんか原作と違うんですけど!! 作:ユーリ・ローウェル
「あ…生きてるって素晴らしいな…」
あれから毎日、無人世界に行って剣の稽古をしているのだが高確率でグレードレッドに遭遇してしまい、そのたびに全員で挑むやられると言うサイクルを繰り返している。
まだ一週間ちょいだがその間に俺は二十回は死にそうな目に会っている。よく隠しボスクラスと戦って生きてるよな俺。
「ふぅ…暑い…」
夏も中頃で本格的な暑さになって来た。今日は珍しく他の全員は家にいない、アニキとシグナムさんは元々仕事をしているからそうだがその他の奴らが居ないのは本当に珍しい。そのお陰で今日は死ぬ目に会わず済んでいるだぜ。
「………」
暑さで参りながら歩いていると自販機の目の前に黒いゴスロリ服を着た小さい女の子がポツンと立っていた。綺麗な長い黒髪だったもんでちょっと見とれているとゴスロリ少女がとことこと俺のところにやってきて。
「……暑い、喉が渇いた」
「へっ?」
あれ?俺に言ってるの?一応周りを見渡すが俺以外に人はいなかった。なので該当するのは俺のようだが…
「暑い。お前、どうにかしろ?」
「いやいや、夏なんだから暑いのはしょうがないだろ?」
「夏…と言うのは?」
「いや、あれだ…四季って奴だよ?」
「四季…とは?」
あれ?四季を知らないと言うことは外国の人なのか。それなら知らないかも知れないな。それにしてもこの炎天下で立ち話はそろそろやばくなってきた。主に俺が。
「えっと…君の保護者はどこにいるのかな?」
「我、一人」
oh~これはどうしたもんだ…ふむしかたない。
「こんな暑いところで立ち話もなんだし…俺の家に来る?」
ゴスロリ少女に尋ねると少女は首を縦に振るい俺の後ろをとことこと着いて来る。この間の会話はゼロ。そして家に着くと少女をソファに座らせてクーラーの電源を入て暑いのとお別れをして冷たい麦茶を少女に渡す。
「どうだ、ちょっとは涼しくなっただろ?」
「うむ…」
首を小さくコクリと頷きながら麦茶を飲む少女。こうして見るとはやてやチヴィ子と同じくらいだと感じた。
「そう言えばまだ名前言ってなかったな、俺は夜神祐介だ」
「我、オーフィス」
「オーフィスか。で、何であんな所にいたんだ?」
「我、白龍皇を探していた」
「それで迷子になったってことか?」
「うむ」
白龍皇って確か、こないだアニキが言っていた伝説のドラゴンの白い方だったな。ってこの娘なんでそんな伝説のドラゴンの事知ってるんだろう?
「その白龍皇って伝説の二天龍って奴だよな?」
「そう。お前、人間なのに知っているのか?」
「俺自身はつい最近知った事なんだが、知り合いに一人昔赤白ドラゴンと戦ったことある人がいてな、その人から聞いたんだ」
「そう」
オーフィスは簡素に答えると麦茶をコクコクと飲む。その姿、やっぱ子供ですはな。
「なぁオーフィス。それならグレートレッドって言うドラゴン知ってる?」
「知っている、我、あれ倒したい」
ゑ…知ってるんですか…ってあれを倒したい?
「いやいやいやいやいや、あれを倒したいって無理だからね!?」
「戦ったことがあるのか?」
「最近毎日よ、もう生きてるのが不思議って位だからね!!」
そしたら急にオーフィスが俺のことをじっーと見つめてくる。うん、見た目俺の好みにドストライクなんだけどな、あとこれが+10歳なら良かったんだがな、残念。
「それでオーフィス、これからどうするんだ?行く宛てとかあるのか?」
オーフィスは首を横に振るう、どうやら行き宛はないようだ。さてと、そうなるとどうするかな…ザッフィーのアニキに話を聞きたいからそれまでは居てもらいたいしな…
「しょうがねぇ、アニキが帰ってくるまで暇だから俺の部屋で暇つぶしでもするがオーフィスはそれでいいか?」
「構わない」
家の階段に上がり俺の部屋に向かう、後ろからトコトコと足音が聞こえてくる。中に入ると散らかってはいないが邪魔な物を物置にしまう。するとオーフィスは部屋の端にちょこんと座る。
「そんな端でいいのか?」
「構わない」
一応、お客さんだから座布団を渡すとオーフィスは「これは何だ?」的に首を傾げたので簡単に説明するとオーフィスは座布団を敷いてその上に座る。俺は本棚からスラムダンクを適当に取り出して壁に寄りかかって漫画を読み始める。
「…」
「……」
「………」
「…………」
湘北対陸南戦の所を読んでいるのだが、端でちょこんと座ってるオーフィスがめっちゃこっちを見てきて集中して読めん。ああ、黒い瞳が俺を見つめてるよ。
「…お前も読みたいのか?」
何気なくオーフィスに聞くと首を縦に振るう。結構意外だなこの子、やっぱ外国の人はこういうのに興味があるんだな。
「そうだな…はいこれどうぞ」
本棚から取り出した漫画をオーフィスに渡す。タイトルは『鋼の錬金術師』だ。手渡した一巻以外の物をすべてオーフィスの横に置いて俺は続きを読み始める。もうオーフィスの視線を感じないしこれでゆっくり読めそうだ…
なんだかんだで山王戦まで読み終えた俺は時計を見るよ五時を回っていた。ずっと同じ体勢で漫画を読んでいたため体中あちこち痛い。体を伸ばしながらオーフィスの方を見ると彼女はまだ読んでいる最中だった。巻数は15巻、結構読んでるな。
そういえば。今日アニキ帰ってくるの早いって行ってたな。もしかしたらもう家にいるかもしれない。
「オーフィス、さっき言った赤白龍ドラゴンの事を教えてくれた人に会いに行くんだけど、お前も行く?」
オーフィスは首を俺の方に向けるが同時に手に持ってる本も見せてくる。あ、まだ続きが読みたいのね。
「続きは後で読めばいいさ」
「わかった」
俺が言うとオーフィスは漫画を置いて二人ではやての家に向かう。案の定、ザッフィーのアニキは帰っていた。それでアニキにオーフィスの事を説明するとアニキは信じられんと言った感じでオーフィスを見る。
「無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)、まさか生で出会えるとは…」
「それってどれ位の凄さ?」
「一説によると神すら凌駕していると言われている」
ゑ…神様より上って何じゃそれはって叫びたくなるのを必死に我慢してもう一つ質問。
「もしかして……グレートレッドも」
「おそらくはな」
わぉ…俺達、神以上の奴と戦っていたのかよ…
「それより祐介、このオーフィスをこれからどうするのだ?」
「そうだな…」
俺がこれからのことを考えているとオーフィスが俺の方を見て。
「我、ユウスケを見ていたい」
「それって、ここにいたいって事?」
「そう」
オーフィスは首をコクリと縦に振るう。
「そうだな、俺は別にいいけどアニキは?」
「俺も生の神龍には興味あるから構わん」
「そんじゃ、後はオーフィスを何処に置くかって事だが…俺の家だな」
はやての家は既にプラス4人になってるしな、これでこのままいけばウチもプラス3人になるかもしれない。そう考えているとオーフィスがいつの間にか俺の前に立っていて服を引っ張りながら。
「さっきの続き」
と言ってきた。さっきと言えば…漫画ですね。にしても本当に神龍なのかねこのゴスロリ少女は。まぁ、感じがちょっとグレートレッドに似てるし。そこは本当なんだろうな。まぁ、子犬のように「はやくはやく」と言いたげそうな顔をしてるオーフィスを見て本当に強いの?って思っちゃったよ。
一旦オーフィスと共に家に帰ると親父以外帰っているようでリビングに行くと三人共晩御飯の準備をしていた所だった。俺の帰りに気づいた三人はやっぱりオーフィスの方に視線を移した。
「祐介…あなたどうしたのその娘?」
「ああ、ちょっとな…それより母さん?」
オーフィスをここに暫く置いていいか聞いてみると案の定、セイバーとリィンフォースと同じ反応をしてオーフィスを抱きかかえ始めた。
「いいわよいいわよ。ああ私今とっても幸せ~」
母さんの顔がとても幸せそうだ。そんなに娘が欲しかったのかよ、それにしてもオーフィスは相変わらずボーとしてますね。
「ユウスケ、あの子は…」
「私もだ…」
セイバーとリィンフォースはやっぱ何となく分かるか。そんな二人に説明した後やっぱり驚いたよ。ちょうど説明が終わったタイミングで自室にいた祐司もやってきて簡単に説明してやる。
「凄~いあの子、ラスボスなんだ!!」
ラスボスのところで喜んでるよまったく。
「我、続き読みたい」
「そうだったな…母さん。オーフィスを一旦離してくれないか、部屋に連れて行きたいんだけど」
「ええ~しょうがないわね」
母さんは名残惜しさを残しながらオーフィスを離すとトテトテと俺の部屋に向かっていく。
「さぁ二人とも、新しい娘が出来たお祝いよ。美味しいのを作りましょう」
母さんとセイバーとリィンフォースは台所に戻って晩御飯作りの続きを始める。
「えへへ、これで僕もお兄さんになったね」
祐司のやつ妹が出来たからって喜んでやがる。あれ?オーフィスって歳何歳なんだ?絶対見た目の歳じゃないだろうあれ。龍神なんだぜ、ラスボスなんだぜ。
「ま、これから適当に相手してやってくれよ」
「うん。それは兄さんもね」
「へいへい」
こうして我が家にラスボスさんが加わりました。
ここまでの家族要覧
八神家
長女、シャマル
次女、シグナム
三女、はやて
四女、ヴィータ
長男、ザフィーラ
夜神家
長男、祐介
次男、祐司
長女、セイバー
次女、リィンフォース
三女、オーフィス
うん、戦力的に異常な気がしてきた。