全てが噛み合わない   作:OFA様《疲労》

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いっやほう


どうしてこうなった?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうしてこうなったのは分からない。

考えたくもないが…

 

 

 

 

 

 

 

 

どうやら俺は第二の人生を送ることになってしまうみたいだ。

 

 

「どうしてこうなった…」

 

 

前世、28歳という若さで妻と子供を残し過労死

勤めていた会社は電気職で、高校時代に必死に勉強し電気工事士の免許を取得、その後専門大学へ進学

ある程度の会社へ入る事は出来た。しかし、やはり時代の流れと言うべきか労働基準法をぶっちぎりで無視した俗にいう『ブラック企業』であったのは誤算であった。

日々の労働は朝から晩まで、休日にも呼び出され新築の工事の毎日。

 

それはもう終わったことだし、もういい。

しかし、何故俺は生まれ変わり再び人生を歩むことになっているんだ?

 

季節は夏なのだろうか、茹だるような暑さと顔の上を歩く虫の感触で目が覚め、辺りを見渡してみれば自宅の中では無い。それどころか山の中だ。

何故俺が過労死だと分かるのかと言われると、なんとも言えないが数日前から血を吐き出すようになっていたし、医者にも何度も休むように言われていたからね。

それに就寝前に何だか、いつもと体の感覚がおかしかったし、眠るというより暗くなるという感覚が相応しいように闇に落ちていった。

 

まぁネガティブな事ばかり言っていても仕方がない。

それよりも重要な事は、手に握りしめていたスマホの画面を覗いた時に映った自分の顔である。

 

黒くサラサラの綺麗な髪に、前世の数倍以上は整っている顔

俺はこの顔を生前、見たことがある。

 

「ルルーシュ…だったかな?」

 

生前にかなりの人気を博したアニメ、コードギアス反逆のルルーシュ。

俺はコードギアスを見ていないが、確か主人公のルルーシュの顔にそっくりなのだ、否そのままである。

イケメンになったのは非常に嬉しいが、アニメを見ていないので訳分からん能力とか付いてきたらどうしよ…。

まぁ、大丈夫だろう。

 

さて服装は、カッターシャツに黒のチノパン…?なんだか変な服装だが、さすがにイケメン何でも似合うな。

おっと自画自賛みたいになってしまった。

ポッケには何か入ってないかな、と…お?

 

「鍵…?車か何かの鍵か?」

 

ポッケに入っていたのは、紫色の鍵のようなものだったが…一体何の鍵だ?

それにどちらかと言うと鍵と言うよりUSBのような形をしているが…

まぁ考えていても仕様がないし、山を下るか…。

 

 

 

 

 

 

 

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織斑一夏

 

 

 

 

 

 

 

「よしッ!!ついに手に入れたぞ!!」

俺、織斑一夏にとって今日は特別な日だ…

なんせ今、俺の手の中で神々しく光るこの…ゲームを手に入れたからな!!

 

タイトルは『コードギアス反逆のルルーシュlost colorsR2』随分と前から日本で大人気のアニメ、コードギアスのゲームだ。

コードギアスは俺が小学5年の頃に放送を開始し、俺が小学6年の前期にコードギアス反逆のルルーシュR2という続編がスタート。

一期から全て見ているし、ゲームも全て購入しているのだ。今回も買わざるを得なかった。

現在俺は新高校一年生だが、ISに触れてしまいIS学園…有体にいえば女子高に入学させられてしまった…のだが、IS学園の女子達は何と!!

 

「ほぼ全員がコードギアス愛好家という天国ッ!!」

 

おっと一人で跳ねてしまった。千冬姉に怒られちまう…って此処では織斑先生か。

まぁいい、独自ルートで学園の外からこのゲームを取り寄せてくれた、のほほんさんには感謝しなければ…。

そういえば、のほほんさんは俺や専用機持ちの奴らと同じでルルーシュ派だったかな?正直、スザクも好きだがやっぱりルルーシュだろ…。あの頭の良さにダークヒーロー的ポジション、妹の為に世界を変えた根性…素晴らしい。ゼロレクイエムは泣いちまったし…思い出すだけでも泣けてくるぜ。

 

「と、その前に明日から夏休みか…家に帰ってゲームだな!」

 

早くルルーシュとC.C.(シーツー)に会いたいなぁ…早く明日になれ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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結局山を下る決意をした昨日は、山を下りなかった。

何となしに自分の戸籍とかどうなっているのか分からなかったし、あのまま山を下りてもし職質でもされたら終わってたところだ。

さて…とは言っても山で一生を終えるわけにもいかない。

今日こそは勇気をもって下りて、すぐ戻ってこよう…

 

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

山を下りたのはいいけど、何かやけに文明発展してね?

俺の時と比べてテレビの画質が半端じゃなく上がってるし、ニュースの内容が…IS?とかいう機械の話ばかりだ。

電気を専門とする俺としては気になる物だが…なんか女性にしか扱えないらしいし俺には縁のないものだろう。

それにしても…さっきから視線と声をかけてくる女が鬱陶しい…さすがにルルーシュの見た目だと逆ナンパが多いな…。

なんだか悲しくなってきたが、まあいい。取り敢えずは落ち着いて情報を見れる所へ行きたいものだ。

 

「あ、あの!!」

 

ん?

突然男性に声を掛けられ振り向いてみると、美青年が立っていた。

なにやら顔が赤く興奮しているようだ、が君その赤面を沈めないと勘違いされてしまうぞ?

主に腐った人たちに…。

 

「なにか?」

 

ここは陳腐に返しとくのが無難だろう。

しかし、俺(ルルーシュ)の声を聞いて余計に顔が赤くなった気がするんだが…気のせいか?

まぁ確かにルルーシュっていい声しているもんなぁ

 

「い、いや初対面の人にこんな事を聞くのもアレなんですが…お名前を伺っても宜しいですか?」

 

「私…ですか?」

 

 

どうしよう…名前を聞かれてしまった。

見た所この国は日本だし…ルルーシュっているわけないか?でも他に名乗る事は出来ないし…ルルーシュしかないか。

 

「ルルーシュですが…それが何か?」

 

困った問いに俺も眉目が下がり不機嫌そうになってしまったが仕方がない。

男の子の方も少しビビったのか余計に顔の赤さが増したけど…申し訳ない事をしたかな?

いきなり名前を聞いてくるこの子も悪いだろうという事でお相子だ。

 

「や、やっぱり!…あの、少し俺あ、いや僕の家でお茶でも飲んで行きませんか?」

 

「は…?」

 

この子やばいんじゃないか…?

初対面の奴を普通家に招待するかね?俺は絶対しないけど。

しかし情報が欲しいのも事実…でも家に行くってのは訳が分からないぜ…。

新手のナンパなんじゃないのだろうか?なんかこの子、ホ○っぽいし。

 

「お断りします。初対面ですよ?貴方も少しは警戒心を持った方が賢明かと…では失礼。」

 

これが一番当たり障りがないんじゃないだろうか?

また結構強めに言ってしまったけれど…ま、大丈夫だろう。

俺は少年に背中を向け歩き出したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

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織斑一夏

 

 

 

 

 

 

「そ、そんな馬鹿な…あのお方は、まさか…?」

 

家へ一度帰宅でき、後はスーパーでお菓子でも買おうと外へ出た。

そして目当ての菓子を購入し、外へ出てみると何故だか人だかりが出来ているではないか?

俺は好奇心のままに人混みを掻き分け、中心にいる渦中の人物を目にした、瞬間身体中に電撃が走ったのだ。

男性にしては綺麗な黒のサラサラヘアーに神が作ったのではないかという程の顔の造形…若干気怠そうにしているが、あれは間違いない…ルルーシュだ。

いやしかし、あくまでもアニメの人物…でも身体中を駆け巡った衝撃に、あの完璧なヴィジュアルは絶対にルルーシュ本人、これは声を掛けろと神が言っている。

 

「あ、あの!!」

 

勇気を出してその場から立ち去ろうとしていたルルーシュ…いやルルーシュ様に声をかけると振り向いてくれた。

若干驚いた顔をし此方を見ているが、それはどうでもいい。

何か会話を…あぁそうだ名前を聞こう!

 

俺は若干テンパりつつ名前を聞いてみた。

すると

 

 

「私…ですか?」

 

 

 

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!

生ルルーシュ様のお声だあああああああああぁぁぁ!!

なんというイケメンボイス!!これが…これが生ルルーシュ様だとでもいうのか!?

するとルルーシュ様は再び息を吸い、こちらを警戒するかのように眉を潜めつつ声を発した。

 

「ルルーシュですが…それが何か?」

 

ゲームで見た!!こういう感じの顔!!

何という事だ、これは神が俺にくださったご褒美!!

いや落ち着くんだ、織斑一夏ここでしくじったら御仕舞だ…慎重に言葉を選んで…

 

テンパりすぎてお茶のお誘いをしてしまった…警戒心の高いルルーシュ様の事だ、絶対に来ないだろう。

いやむしろ来たらニセモノだ、間違いない。

 

「お断りします。初対面ですよ?貴方も少しは警戒心を持った方が賢明かと…では失礼。」

 

やっぱり…この人は本物のルルーシュ様だ!

くそぅ…このまま行かせてしまっていいのか!?折角生きる意味に出会えたというのに…また会える保証なんてどこにもない。

ここは専用気持ちに協力を依頼するしかないようだ…。

 

 

町の雑踏に消えていくルルーシュ様の背中を見ながら俺はそう決めたのだった---




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