急にカメラが起動して俺の顔が危険な
なんてフラグを立てつつも今の状況を何とかして打開しなければ、いずれ国の治安維持部隊か何かが投入されて第二の危険が現れる事になるな…。
とは言っても、今この機体から下りて自分の姿を群衆に晒した場合今後の生活に大きな支障が生じるし、何よりも恐らく下で集っている群衆の中に
機体に乗っている間ならば、少なくとも姿を見られる事は無い。
≪未確認機接近、操縦をルルーシュ様が行いますか?≫
そんな考え事をしながら、目の前のモニターに映し出される文字列をタップして弄っていると、不意に蜃気楼が機械音で不穏な事を言い出した。
未確認機って事はやっぱり、警察的な組織だよなぁ…恐らく前の世界の警察とは違って、ISに乗っているのだろうか?でもISはそういえば機体数がそんなに無いっていう情報を何処かで見たし、一々ISは使わないで何か別の物で代用しているのかもしれない。
それにしても操縦を自分で行うか、と言われてもなぁ。
この蜃気楼を動かしたことのない俺が操縦しても、事故って終わる。ならばこのままオートで進めるべきだろう。
NOを選択っと
≪では、その他の操縦方法をお選びください。≫
その他をタップすればいいのか。
≪現在扱える、操縦方法は此方です。≫
≪推進強行、戦闘形態、環境情報解析モードを現在は使用可能です。≫
うーんと…よく分からないが、取り敢えず環境情報解析モードでいいのかな?
選択
≪未確認機が百メートル圏内に入りましたので、自動的に環境情報解析体に移行します。ready?≫
もうそんな近くに来ていたのか。
いや、そんな事よりもまずは話し合いをしたい…けど今更手遅れのようだし、何とも主人のいう事を聞かない機体に当たってしまったものだな。
『其方の者に聞く、所属を申せ!!』
不意に辺りに響き渡ったのは凛とした女性の声だった。
其方の方を見れば、何やら三体の影が宙に浮いているのが見て取れる。
警察が遂に来たか…
ていうか、やっぱIS乗ってくるんかい!!
* * * * *
一夏side
「あぁー!鈴、どうすんだ?ルルーシュ様をこのまま二人で探してても見つからねぇよ……」
「うっさいわね…そんな事分かってるけど……」
ルルーシュ様が喫茶店を去ってから数分後、俺達も店を出てルルーシュ様ともう一度話をするために街中を宛も無く散策していた。
律儀な事に喫茶店の机の上にはルルーシュ様が頼んだコーヒーと、鈴の頼んだジュース分の代金が置かれており、そういう所にルルーシュ様の性格が出ている気がする。
その事も含めてルルーシュ様ともう一度会って話をしなければならないと思う…でも、流石にこんな街中で見つけるのはキツイぜ……。
「あっ!一夏、人混みを探しましょう!」
「…人混みぃ?何の意味が……って、そうか!」
そういえばそうだ、ルルーシュ様はあの甘いマスクとコードギアスの知名度のせいで目立つ。さっきもルルーシュ様を囲むように人混みが出来ていたし、その方法で探した方が早いな。
その方法と合わせて、SNSを利用すれば情報が出ているかも知れない。
「鈴、
「グイッター?やってるけど…成程、アンタにしては考えたじゃない」
guitterというのは、大手サーチ会社と大手SNS会社が協力して創り出した物凄いSNSだ。
今現在日本でグイッターを使っていない人間はいないとも言われているほどで、芸能人の出没情報を誰かが呟けば一瞬で其処へと人が殺到する…ある意味で恐ろしいサービスだ。
間違いなくルルーシュ様の情報は既に出ているだろう。
後は、他の専用機持ちにも連絡すれば…。
「あ、あった!!このグイート多分ルルーシュ様の事よねっ?」
「よしきた!」
グイートの内容はこうだ。
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らんらん@code_rann
やばい&やばい!!
ルルーシュ様いたっ!!!!何を言っているのか分からナイトオブラウンズだが!!もっと恐ろしいものの片鱗を味わったわ…。
こ、こここれ夢!?!?!!?!
ていうか、コスプレじゃ絶対にないでしょアレ!!!
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…うん、その気持ち凄い分かる。
俺も最初はこんな感じでパニックで死ぬかと思ったからなぁ……。
ていうかこの、らんらんっていう人のグイート、コードギアスの話ばっかりで凄く好感が持てる。
lost colorsR2買った!!とか、映画版コードギアス~創世のルルーシュ~見てきた!ちょ~泣いた(泣)とか中々の猛者な予感。
クソッ!!映画のチケットが秒で売り切れちまったせいで見れなかったんだよ俺は!!
あの時丁度千冬姉に買い物頼まれちまったのが運の尽きだった……鈴はもう見たらしいが、映画を見終わってから暫く部屋から出てこなかったとか。
まぁ気持ちは分かる、俺もR2のラストで必死に涙を流さないようにして耐えたけど……ナナリーのセリフは反則だった。確かあの時は三日間ぐらい部屋から出れなかったからな。
おっと、今は思い出している場合じゃない。
らんらんのグイート的にルルーシュ様を目撃したのは此処から近い所のようだ、よしっ!!
「あっ!!一夏さん!!」
「ん?おぉ、蘭か!買い物か?…っと、悪い今急いでるんだった!じゃあな、今度弾も入れて話そうな!!」
「あ、一夏さん!!見失っちゃったんですけど、さっきあっちにル――」
悪いな蘭、今マジで急いでるんだ!
何か言いかけてたけど、今は聞こえなかった事にしよう。罪悪感半端じゃないけど……。
確か蘭はコードギアスを見ていなかった筈だし、事情を話しても仕方がないだろう。
そういや、蘭と弾が一時期部屋から出ない時あったなぁ……コードギアスをあの二人は知らないから原因は違うだろうけどな。
「ッ!?い、一夏!!こ、こここれ見てッ!!!」
鈴がやけに慌てながら携帯の画面を目の前に突き出してきた。
顔に当たりそうになりながらも突き出された携帯の画面を見てみると、どうやらグイートの様だ、写真付きの。
そのグイートに添付されている写真にはビル街の真ん中で悠々と宙に浮かんでいる黒い……
「し、蜃気楼ッ!?」
写真に映っていたのはアニメコードギアスR2で登場した、ルルーシュ様専用KMF蜃気楼。
確か、この機体は環境情報解析がルルーシュ様じゃないと出来ない代わりに、圧倒的な防御力と高い攻撃力を併せ持った小型要塞とも例えられていたはずだ。
それがあるって事は、つまりルルーシュ様が乗っているという事……でもおかしな事がある。
「鈴、どうしてルルーシュ様はこんなに」
「えぇ、目立つ行動をしたのか……ね。」
あのルルーシュ様が意味も無く、目立つ行動は起こさない筈なんだ。
しかも、自らの
鈴は確か、ルルーシュ様と話した時に【女尊男卑】の話をしたら顔を歪めて、憎悪を滲ませていたらしいが……それに関係する事なのか?
「と、兎に角行くわよ一夏っ!!」
「あぁッ!!!」
ルルーシュ様の考えを知りたい。
それで何か役に立てればッ!!!
* * * * * * * * * *
ルルーシュside
『所属を言えッ!!!どうした、何か疚しい理由があって言えないのか?』
これで二度目の勧告だ。
やはり時代が変わっても日本は日本、すぐに撃ってくるような事はないようで安心した……海外じゃ速攻で蜂の巣にされているだろう。
それにしても、どうすればこの状況から逃げ出せる……?
あのISに乗っている三人を出し抜いて、尚且つ下の民衆達に姿を見られずに逃げ出す…そんな事は不可能なんじゃないだろうか?
『まさか、この状況から逃げ出す算段を立てているのか?愚かな……民衆やマスコミ、ましてや我々の目を欺きこの場から逃げ出すことは、不可能ッ!まぁ、貴様が
そう、この状況から逃げ出せればそれは正しく奇跡だ。
良く周りを見てみればテレビの中継をしているであろうヘリが何台も飛んでいるし、下の民衆は増えていくばかり……どうすればいいんだッ!?
『あと五秒だけ待ってやろう。それまでに所属を名乗るか、武器を全て捨てて戦闘の意思がない事を示すか選べ』
くっ、五秒は早すぎるッ!!
『5、4』
どうすればいいんだッ!?
戦う?おれの操縦じゃ速攻で鎮圧されて終わりだし、第一戦闘の意思を見せた時点で犯罪者の仲間入りじゃないかッ!
逃げる?この数の民衆やマスコミを振り切って、尚且つIS三人組をも振り払って?それこそ無理だ……。
『3、2』
どうすればッ?
いや、此処は話をするべきなのかもしれない。民衆は増えていくし、マスコミも増えていくが話せば通じるはずだ。
IS三人組が警戒している理由は、俺が何も言わずに黙って飛んでいるから。
攻撃をしてくるのか、それとも逃走するのか相手も何も分からないから過度に警戒しているんだ。
なら―――
『1、0.さぁ、答えを聞こう』
「……八方塞がり、か。ならば逆に問おう」
『黙れ!貴様が答えていいのは二つ!!所属を名乗るか、降伏か。その二択だッ!!!』
鋭く思わず背筋を伸ばしてしまいそうな女性の声が飛んでくるが、今は耐える。
此処からはマスコミが興味を持ちそうな事を言って、IS三人組との間にマスコミを敢えて利用し、話の場を作るんだ。
そしてやはり、俺の言葉に反応してマスコミのヘリが距離を先ほどよりも詰めてきている。
「其方のマスコミの方、今から私が言う事を中継して欲しい」
『貴様ぁッ!!』
「おっと、今あなた方が暴れてしまえばヘリコプターが墜落してしまいますよ?」
怒りに任せてか、IS三人組の隊長らしき人物が刀を何時の間にやら手に持ち動こうとした。
しかし、俺の話に興味を持ち尚且つ此方に戦意がない事を遠回しに言ったので、マスコミのヘリは既に蜃気楼の真横にまで来ている。
ヘリの側部から此方にカメラを向ける男性と、何やら興奮した様子でマイクを向けている女性がモニター越しに目に入った。
よしッ!後は更にマスコミとの話を引き延ばす。
話のネタは……女尊男卑の風潮が蔓延しているとか鈴さんが言っていたな。
それでいこう、正体不明の男が風潮に意見を述べたとなれば多少のネタになるはずだ。
「この世界に生きる男性諸君に問おう。君達は現状に満足していないか?ましてや甘んじて風潮の犠牲になっているのではないか?」
『それはどういったご意見なのでしょうか!』
ヘリの側部のマイクを持った女性記者が声を張り上げて意見について問いてくる。
相手からすれば俺が女性なのか男性なのかすら分からないが、機体に乗っている時点で女性であると思っているだろう。
そこも話に入れればとんでもない特ダネになる。
なにせ、今まで女性しか乗れなかったIS(っぽい機体)に乗っているのが男性だと分かればそれこそ、世紀の大事件レベルだ。
「ISというものが生まれ、女尊男卑の風潮が蔓延したのは紛れもない事実。それを打破しようとは考えないのか、という事だ。」
『それはつまり、ISを男性が操縦できるようにするという事でしょうか!?』
「それは違うな。私にはそんな技量は無い。」
『では一体どういった?』
そろそろか……。
この機体の総称は何て言うんだ?それが分からないと如何にも出来ない…。
機体の型番の横に書いてある此れか?ナイトメアフレーム……成程、これでISでは無い事が分かったな。
もしかしたら実演も必要になってくるかも知れないが、その場合はオート操縦に任せるしかない……。
「まず、この中継を見ている全市民に知って頂きたい事がある……。私が今乗っているこの機体はISでは無い。」
『なッ!!では一体それは何ですか!?どの様に開発を!?』
「開発したのは秘密だが、この機体やその類の総名称はKMF――ナイトメアフレーム。今乗っている機体の個別名称は蜃気楼だ。そして私は」
「――男だ」
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
「ねぇ、ラウラ」
「ん、デュノア何だ?」
ルルーシュが必死に機体の中で考えている頃、二人の見た目麗しい女性がカフェでコーヒーとスイーツを口直しにガールズトークを楽しんでいた。
コーヒーをブラックのまま飲み、偶にパフェを小さい口へと運ぶ銀髪紅眼の少女――ラウラ・ボーデヴィッヒ。
そして男性の視線を釘付けにしてしまうスタイルを持つ金髪の少女――シャルロット・デュノア。
二人は以前、共通の趣味を見つけたという事で買い物やこうしてゆっくりカフェなどに行くことがあるのだが、如何せんその趣味が余りにも二人には似合っていなかった。
「ラウラは、もう映画見た?」
「創世のルルーシュか?無論だ。デュノア、まさか見ていないのか?」
そう、二人の共通した趣味とは、一夏や鈴と同じくコードギアスについてなのだ。
只でさえ目立つ二人が、テンションをマックスにしてカフェでアニメについて語るものだから、悪い意味で目立ってしまっている。
今やアニメを放映している国では、何処でも大人気のコードギアスだがIS学園の生徒はその愛が半端じゃない事でも有名である。
その中でも専用機を持つ国家代表の生徒はコードギアスの知識に於いても、国家代表レベルなのだ。
「僕だって見たいよ……でもチケットがすぐ売り切れちゃうんだもん!!」
「ふっ、甘いなデュノア。クラリッサは前売り券を黒ウサギ隊全員分買ったぞ?」
そのラウラのドヤ顔に、ハンカチを噛みそうな勢いで悔しがるシャルロット。
クラリッサとはラウラが隊長を務める部隊で、副隊長を任されている割と凄腕の軍人だ。しかし、日本のアニメ愛は隊長のラウラを軽く凌ぐ程で、コードギアスをラウラに教えたのもこのクラリッサである。
「じ、じゃあさ!lost colorsR2はやったっ?」
「勿論だ。ルルーシュ生存endも、ナナリー最強endも全てやったぞ。」
「……ふふ。ラウラもしかして、ルルーシュがナイトオブラウンズに入隊endを見れてないんじゃない?」
な、なんだってー!?とラウラが驚愕に立ち上がると、一斉に店内の客たちがラウラたちを凝視し、驚いた様に目を開いている。
ラウラの声量が余りにも大きすぎたのだ。
しかし、当のラウラもましてやシャルロットもそれに気づかず、コードギアスの話に夢中になっている。
「そのendに行くにはね……あれ?一夏からメールだ」
「何?織斑一夏から、という事はギアスの話で何かあったのだろうか?」
一夏がメールをするときは大抵の場合、コードギアスに関する事なので二人はもうメールがくれば瞬時に携帯を開き情報を待つ。
なお、コードギアス関連で一番返信が早いのはセシリアだと一夏はよくぼやいているが真偽のほどは分からない。
しかし、専用機持ちの面々は自信を持って、『コードギアスの話題になると一番狂うのはセシリア』だと供述している。
「こ、これってっ!?!!?!?」
「何だ、見せてみろ。映画の続編でも決まったのか?……な、ななななっ!!!」
シャルロットの携帯に映っていたものそれは
紛れも無く、二人が死ぬほど見た、憧れの人物が使用する機体――蜃気楼であった。
「ら、ラウラ行くよっ!!!!」
「はっ!!あ、あぁ分かっているっ!!」
この時二人の少女は風になった――。
謎の生物G出現!!戦闘配置につけ!
駄目です睡魔が、睡魔がッ!!!