初めての建造を終えた翌日、皐月ちゃんと妖精達からの提案で性能テストを兼ねた初航海をする事になった。
まだ建造で産まれたばかりの皐月ちゃんを海に出すのはちょっと……って渋る私に、皐月ちゃんはニッコリと笑い慎ましい胸をトンッ! っと叩きながら任せてよ♪ の笑顔に押し切られる形で許可を出した。
私が許可を出してからは早かった。 夜中だと言うのに親方妖精さん達は少しだけ余っていた資材を工廠(仮)に運び込み、2人でニヤニヤしながらカンカンとハンマーを叩き始めた。
正直、ハンマーの音がうるさいから作業は明日にしてほしかったけど、楽しそうに作業する姿を見て私は何も言わずに外のテントへと向かった。
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「ぷぎゃあ!?」
テントに入ると皐月ちゃんが下着姿で三つ指をつきながら頭を下げていた。 そのあまりの可愛さと衝撃で変な声が出た。
「フフン♪今日は……し、初夜だから、ね♪」
アァァァァァァァァァァ!! アアァァァァァァァァァァ!!
頬を赤らめながら少し照れている皐月ちゃんを見て、私は内心に大絶叫を上げていた。
え? なに? え? 初夜? 初夜ってなんだっけ!? え? SYOYA? 待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って!!
ドクンドクンっと心臓がはち切れんばかりに脈動する。 今、私の目の前にいる天使のような可愛い少女は私のお嫁さんで、今夜は私達の初☆夜! 落ち着け私!! 落ち着けぇ!! 餅つけ私ぃい!!
あ、良い匂いする。 って、何を考えてるんだ私!!
ダメよ!? ダメだよ! は、犯罪だから!! こんなに可愛い娘に手をぉ!?
「うっ……ぐぬにゅぅ!!」
必死に抱きしめたい感情に抗いながらも体は素直で、目の前に居る天使のように愛らしい幼妻に視線が釘付けとなってしまう。
ダメ、ダメ、ダメだぁがぁらぁあ!! 必死に何か対応をしようとするのだけど動けない。
私の中に居る悪魔が囁くのだ。 抱きしめろ!! くんかくんかしろ!! 愛でろ!! 建造しちゃえYo☆
あ、悪魔めぇ!! 私の中の悪魔めぇ!! 去れ去れ去れ去れ!! 必死に抗う。
「司令官?大丈夫?ねぇ、司令か……あ、そうか……んっ……ご、ご主人様って呼ばなきゃダメ、かな?」
内なる悪魔との戦いで、フリーズする私に皐月ちゃんは戸惑っていたが、自分の呼び方が悪かったのだろうと勘違いしたのか、恥じらいながらご主人様と言った。
その瞬間、私の脳は危険を感じたのか強制的に意識をシャットダウンさせた。
意識が飛ぶ最後の瞬間、皐月ちゃんの悲鳴のような声と何か柔らかいモノに包まれる感触がした。
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困った。
ボクは、初日からやらかしてしまった。 司令官に喜んでもらおうとしただけなのに……どうしてこんな事に。
今、ボクの膝の上には鼻血を出しながらグッタリと失神してしまった愛しい司令官が横たわっている。
ボクの中に居る大和から教わった通りに、下着姿で三つ指をつき初夜の挨拶をしたのに……司令官は何も反応を返してくれないばかりか、変な声を上げて何かブツブツと呟くだけで何もしてくれなかった。
大和からは指示通りやれば後は、司令官がしっかりとリードしてくれるって言っていたのに、大和の嘘つき。
ボクはプクッと頬を膨らませ、内に居る大和に向けてぼやいた。
「ご主人様って呼んだのがダメだったのかな?それとも、旦那様か木乃香さんって呼んだ方がよかったのかな……ハァ」
ピクピクと白目を剥いて痙攣している愛しい司令官を撫でながら小さく溜息を吐いた。
「まったくもう……司令官、次からはこんなに無防備な姿を見せちゃダメだよ?ボク、次は食べちゃうかもしれないよ?フフッ♪」
ネジネジと鼻に止血用のティッシュを詰めながら、ボクは司令官の温もりを堪能した。
その後は鼻血で汚れた司令官の服を脱がせて、綺麗に畳んだ後、少しだけ小さなイタズラしてから近くにあったジャージに着替えさせてから寝袋に一緒に入り、そのまま就寝した。
「フフッ、ボクだけの司令官……おやすみなさい、チュッ」
今日はとても良い夢が見れそうだよ、司令官。
長らく更新できておらず、かなり書き方が変わったかもしれませんが……頑張って完結までいきたいと思います。
ウマ娘始めました。もしかしたら、ウマ娘のお話を投下するかもしれません。