あぁ……空ってこんなに青いんだー。
私は目の前での出来事に現実逃避をした。 いや、現実逃避するしかできない。
だって……だって、受け入れられないもん……。
「司令官、大丈夫??」
現実逃避して空ばかり見上げる私を、心配そうに上目遣いで見上げてくる
天使な
クリクリのお目々にほんのりと赤らんだプニプニの頬。 あぁ……可愛い、可愛すぎてツラい。
など、更に私は現実逃避を加速させるしかできない。
「あぁ……綺麗な青空」
なぜこうなったか、それは皐月ちゃんの性能テストのせいだった。
大和のオリジナル核を使って建造された
まずは速力、機動性は駆逐艦でパワーは超弩級戦艦のためか最高速度100ノット(おおよそ185キロくらい?)という艦ではあり得ない速力を叩き出した。
更に武装もとんでもないものだった。 見た目は他の駆逐艦と同様に見えるけども……実は小型化された51cm三連装砲とおかしな反則武器となっていた。
更に更に……練度が上がれば改装も可能らしく、壊→壊ニ(妖精曰くブッ壊れ改装の略らしい……なにそれ?)となるらしい。 既にとんでもない性能なのにまだあと二段階もパワーアップできるらしいと聞いた瞬間……私はお空を見上げるしかできなくなっていた。
やりすぎ。 やりすぎだよ、妖精さん(泣)
とんでもなく強いうえに……こんなに可愛いなんて許されないよ、それに私のお嫁さんになってくれるとか……反則、反則だよぉ!!
「司令官……もしかして……ボク、迷惑??」
反応しない私が皐月ちゃんに不満を抱いていると勘違いでもしたのか、皐月ちゃんはおっきな瞳を潤ませ今にも泣きそうな顔をしている。
(何してるの!木乃香!!)
惚けていた自分に喝をいれるべく、思いっきり両頬を叩いた。
「っう!?……痛、ぃい」
ヒリヒリとした痛みでやっと我にかえり、私は皐月ちゃんを抱き締めた。
「迷惑なんかじゃないよ、皐月ちゃんがあんまりにもすごいからびっくりしちゃっただけだよ」
頭を撫でながら優しくあやすように慰めると、皐月ちゃんは鼻を大きく啜ってから口を開いた。
「本当に?私を嫌いになってない?司令官のお役にたてる??」
あぁ……なんていじらしいんだろう。 とんでもない性能でも、この子は私の初めての艦娘で私のお嫁さんじゃない。
抱きしめる力を強くしながら、私は皐月ちゃん語りかける。
「えぇ、皐月ちゃんはとってもすごい子だってわかってビックリしちゃったの。これからたくさん頼りにしちゃうからね?頼りない私を支えてほしいの」
情け無い提督でごめんね、と内心で侘びながらもここはキ、キスの一つでもするべきかな? と私は愚行していると、さっきまで泣いてた皐月ちゃんはパァと花開いたような笑顔になった。
「うん!たくさん頼りにしてよ!司令官、大好き!」
そして私の唇を激しく奪い、突然のおキスに呆然としている私を駆逐艦とは思えない妖艶な笑みを浮かべながら見つめる皐月ちゃん。
次の瞬間、私はキスを認識すると同時に感情が爆発して失神してしまった。
意識が飛ぶ瞬間、私は思った。
あぁ〜私のお嫁さんは色々とんでもないって。
遠いちのお父さん、お母さん。
木乃香はまた一つ、大人になりました。