皆さんもコロナにはお気をつけ下さい。本当に辛く苦しいです。
性能テストから数日。
木乃香は悩んでいた。 悩みの原因は大本営から送られてきている任務である。
現在、木乃香提督が運営する鎮守府(未完成)には木乃香、皐月、妖精さん2名の4人しか居らず、艦娘は皐月一人しかいないため遠方への任務に行けない状態となっている。
皐月一人でも戦力的に問題ないのだが、皐月を任務出してしまうと鎮守府の警備がほぼ無力化してしまうし、鎮守府を建築する人手も足りなくなってしまうのも問題だった。
「せめてあと何人か人手があればなぁ……」
建造しようにも資材は無いし、資材を確保しようにも皐月を遠征に出してしまうと上記の問題が起こってしまうため無理。
どんなに考えても詰んでいる。
「うわぁぁあん!!どうにもならないよぉ(泣)」
木乃香はどうにもならない詰みの状態に陥り、嫁の皐月に泣きじゃくりながら抱きつくくらいしかできなかった。
「よしよし、司令官泣かないで」
自分よりも一回り以上も小さい皐月にあやされ、木乃香はなんとか落ち着きを取り戻すが、やはり時間と共に積み重なる大本営からの任務表の束が増えるし任務の経過報告を求められる。
「うわぁぁぁぁあん、こんな未完成の鎮守府に資材もくれないし……妖精さんと皐月ちゃんが居ない何にも無いのにどうしろって言うのさぁぁぁぁあ……もうヤダぁぁああん(泣)」
普通の鎮守府なら、初期艦が居て、鎮守府はちゃんと機能していて、建造を出来る程度の資材が用意されているはずなのだ。
しかし、木乃香の鎮守府は未完成! まともに機能していないだけでなく、最初に貰えるはずの資材はほぼ無し。 初期艦も無し、妖精さんも偶然にやってきただけで初期には居なかった。
歴戦の提督でもどうにもならない現状が今の木乃香提督の鎮守府であった。
「ゔえぇぇぇん(泣)」
軍学校をあまり良い成績とは言えないレベルでなんとか卒業できた木乃香にらあまりにも過酷な環境である。
「よしよし、司令官泣かないで!ボクに任せてよ!」
子供のように泣きじゃくる木乃香をあやし慰めながら、皐月は慎ましい胸をトンっと叩いてみせた。
「とりあえず近場でできる任務を消化していこうよ、ボクが出撃している間は司令官は隠れててね」
皐月は優しげに微笑み、木乃香のオデコに小さな唇でキスをした。
そして任務表をパラパラと確認し、近海の撃滅任務を数件ファイルから引き抜くと港に向かい歩き出した。
「さ、皐月ちゃん!?」
木乃香は皐月の後を慌てて追いかけた。
未完成の出撃用のドックから海に飛び降り、皐月は儀装を展開し海に立つ。
「皐月ちゃん、本当大丈夫??」
皐月の桁外れの実力は性能テストでしっかりと確認したが、木乃香はどうしても単艦での撃滅任務に向かわせるのは心配でたまらなかった。
「大丈夫だよ、司令官。すぐに戻って来るからね、ちゃんと隠れててよ?」
オロオロと心配して泣きそうな木乃香とは対照的に、皐月はニッコリと笑い海へと駆けて行った。
「気をつけて行ってくるんだよー!!ケガしちゃダメだからねー!」
未完成の鎮守府には通信機も無いため、一度海に出て行くともう連絡手段は無くなってしまう。
木乃香は遠くなって行く皐月を見つめながら、通信機買わなきゃねと小さく漏らした。