妖精さんが合流してから、3日後。 私はとある場所へと出向く事にした。
まだ海兵学校を卒業したばかりで個人的にもお金も無いし、本部からの支給も上司に横領されて無い。 しかし、提督として着任したからには戦果を挙げ、本部に定期報告をしなくてはならない。
私はどうすればいいのか……必死に考えた。 脳味噌が沸騰するくらい考えた。 そして、ある物を使って工廠を作ろうと閃いたのだった。
ある物、それは段ボール。
何言ってんだ?って思われるかもしれないが、もうこのくらいしか思いつかないの。 段ボールなら近くのデパートとかコンビニに行けば貰えるし、何より無料!! 無料!! である。 一応、妖精さんに段ボールで工廠を作りたいと提案したら、最初こそなんとも言えない表情をしていたけど、最後には了解をもらえた。
そんな訳で私は現在、段ボールを大量に確保するために近場のデパート(片道1時間)とコンビニ(片道45分)へ向かっている最中である、もちろん徒歩。
「そうだ、布テープと接着剤も買わなきゃね!!」
なんだか、自作するって考えたら心が少しだけどワクワクして軽くなってきた。 うん、なんだか明るい未来が見える!!
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「お、重い……ひぐっ……」
舐めてた……段ボール、重いし運び難いし、何より持てる量が少ない。 車なんて文明的な物は無いから、徒歩できたのが失敗だった。
台車を貸してもらおうって思ってたけど、さすがに片道1時間も掛かるうえに翌日以降しか返しに来れないのと、面識も無い新顔の私には貸しもらえなかった。
「ひぃ……重い重い重い」
店の人が見兼ねて、段ボールをビニール紐で纏めてくれたけど、私の細腕では持ち運ぶのが厳しそうだったから、ビニール紐で輪っかを二つ作ってもらってバックみたいに背負ってから運んでいる。 段ボールの重さでビニール紐が両肩にめり込み非常に痛い、泣きたいくらいに痛い。
半泣きで大量の段ボールを背負って歩く私、一歩進むたびにめり込みが酷くなる。 そんな私がよほど可哀想に見えたのか、店の人が自分の軽トラを貸してあげるから!! と言ってくれた。 本当、店員さんが神様に見えた。
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軽トラを借り帰宅後。 早速、段ボールで工廠を作り始めた。
まずは、ビニールシートを地面に敷いてから、飛ばないように四隅に杭を打ち固定。 そして更に段ボールをビニールシートの上に敷く。
次に、段ボールに接着剤を塗ってから二重に重ねて布テープでガッチリと固定し壁を作成し、二重段ボールを複数製作してから上に重ねて布テープで固定を繰り返し壁の完成。
天井はビニールシートをかぶせて終わり。 製作時間、約4時間半。 うん、我ながら良い出来事なのでは!? って思って見てたら突然、強い突風が吹き。 段ボール工廠を倒壊させてしまった。
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苦労して作った段ボール工廠が倒壊した後、私はその場にへたり込んでしまった。
しばらくして、泣きべそをかきながら執務室へと向かって歩いた。
「せっかく作ったのに……力作だった、のに」
トボトボと落ち込みながら歩き、妖精さんになんて言おうと考え、暗い気持ちのまま執務室の扉を開けた。
「ただいま……あの、ね……工廠なんだけ……ふぁ?」
妖精さんに謝ろうと顔を上げた私の目に映ったのは、研修先で見た工廠と同じ景色だった。
目を見開き絶句する私に気づいた妖精さんが、トコトコと走り寄ってきて一枚の書類を見せてくれた。
工廠資材の空輸配送を行いました。 受け取り印を後日、返送して下さい。
本部長
「えーー!?な、んで!?え??」
あれほど資材及び資金は出さないって言ってたのに!? 混乱する私、そんな私の肩によじ登ってきた妖精さんが(・∀・)b ってウインクした。 そして声がした。
『カイグンホンブ二、ジキソシテオクッテモラッタヨ。 チャクニンイワイダヨー』
(^ー^)b
「よ、妖精さぁぁああん!!」
本日の戦果
・段ボール(大量)
・ビニールシート
・ビニール紐
・布テープ
・人の優しさ
・最新の工廠資材
総評
・妖精さんは神様
妖精さん1
:段ボールで工廠作るなんて……
妖精さん2
:可哀想!
妖精さん1
:直訴しようー!
妖精さん2
:直訴ー!直訴ー!