妖精さん視点のみ、読みにくいので普通の会話っぽく書いてます。普段はカタコトに聞こえます。
「では!これから記念すべき初めての建造を始めたいと思います!!」
私と妖精さんの3人しかいないけど、初めての建造なので私と妖精さんはビシッと正装に身を包み、まるで海軍の正式な式典を行うかのように仰々しい態度で始めた。
「すぅ……妖精さん、建造をお願いします!」
ビシッと背筋を真っ直ぐ伸ばし、真面目な面持ちで私を見つめる妖精さん達と見つめ合うように向き合い。私は一度、瞳を閉じて小さく息を吐いた後、妖精さんに建造の開始をお願いした。
「リョーカイリョーカイ!ケンゾウカイシ!!」
私の指令に親方妖精さんが大きな声を上げた。それに呼応する様に一番弟子の妖精さんが手慣れた手付きでどこからか取り出した大きなハンマーと、私が唯一貰えた最低値分の資材を親方の前に手早く並べだす。
そして、親方妖精さんはフンッ!!と声を出し力強く槌を振り下ろし、建造が始まった。
そこからの光景を、私は一生忘れまいと深く記憶に刻みつけようと思った。
本来、妖精さん達は建造の様子は見せてはくれない。 妖精さん達が建造の様子を見学させてくれるという事は、真に私を提督と認めてくれた結果であり、仲間と認めてくれたのである。
◯◯妖精さん視点◯◯
私は初期組の妖精である。 艦娘達が初めてこの海に生まれ落ちた時から存在した、一桁数字の妖精なのだ。
初期組妖精は9人からなる親方妖精で、人々に海を護り、海を取り返す為に人に艦娘を与えた存在。
1〜5番は艦娘の建造を専門とし、6〜9は兵器等を専門としている。 私は2番妖精で、建造を専門としている。 一桁数字の妖精は、他の妖精とは色の違う工具を使う。
見る角度で色んな色に見え、まるで虹色に見えると人々は驚いている。 この虹色工具から作り出された量産型の工具が現在、数多居る妖精達が使う工具を作り出し、量産型の工具でも建造と開発が可能となっている。
「今回の建造はコレを使う」
私が何重にも鎖で巻かれ強固な鍵を付けられたケースを取り出してみせると、弟子は一瞬だが目を見開いたがすぐにわかりましたと頷いた後、丁寧にケースを受け取り準備のため、先に工廠へと向かい歩いて行った。
どうもこの虹色工具を使う事に驚いたのだろうが、弟子もあの新米提督は気に入っているみたいで文句は言わなかった。
ーーさぁて、あの可哀想で優しい頑張り屋の新米の少女のために槌を振るうとするか。
グビリとコーヒーを一口飲み、 私も弟子の後を追い工廠へと足を向け歩き出した。
○○○
「す、ごい……」
今、私の目の前で妖精さん達が建造を行なっている。
弟子妖精さんが手慣れた様子で、親方妖精さんが土を振るい振り上げると同時に資材を追加し軽めに叩く。 弟子妖精さんが叩き手を引くと同時に親方妖精さんが力強く地鳴りがする程、槌を振るい下ろす。 この作業が既に3時間も続いている。
建造を始める前、親方妖精さんが私の肩によじ登ってきた。 そして、今回の建造は普段の建造とは違うやり方でやらせてもらいたいと言ってきた。
もちろん私はすぐに了解し、親方妖精さんを両手で優しく包むようにして下ろしてあげた。
ーー上手く言えないけど……きっと妖精さんは私のために特別な方法で建造をしてくれるんだろう、嬉しいな。
上司から酷い仕打ちを受け、草むしりとか色々と苦労したけれど。 私、幸せだなぁ。 こんなにも優しい妖精さん達と出会え、優秀でもないどちらかと言えば落ちこぼれの私のために特別な建造をしてくれるなんて。
妖精さんの優しさに胸がギュッとなり、嬉しくてポロポロと涙がでちゃう。 服の袖で涙を拭い、真っ赤になったウサギのような瞳を輝かせながら妖精さんの作業を見続けた。
次回もなるべく早く投稿したいと思います。