うっすらと煙の漂う箱の中からゆっくりと起き上がった人影は、寝起きのように伸びをした後に棺状の箱の中から出てきた。
綺麗な金髪に一部栗毛のような茶色が混ざった髪に二つ結びされており、大きくクリクリとした黄土色の瞳と人懐っこい様な可愛らしい幼さの残る容姿の女の子。 服装は黒いセーラー服に白のネクタイを締めておりネクタイには三日月の形をした飾りが付いている、第一印象はなんてちっちゃくて可愛い子だった。
私が見惚れていると、少女がトコトコと駆け寄ってきて口を開いた。
「初めまして!貴女がボクの司令官かな?」
突然の問いかけに一瞬、頭が真っ白になり口をパクパクさせていると、少女はまるで子犬のようにソワソワしながら上目遣いで見つめてきた。
ーーうぅ、可愛い! 余計に言葉が浮かばないよぉ!!
少女の可愛らしさに余計に言葉が浮かんでこない、しかし何か返答をしないと焦った私はとんでも無いことを口走ってしまった。
「わ、わわ、わ、私は貴女のご主人様です!!」
本当にとんでもない事を言ってしまった。 私の言葉を聞いた少女は大きく目を見開き、パチクリと何度も瞬きをして私を見つめている。
ーーあぁぁぁぁぉぁああ!? 何言ってるのぉぉ私ぃい!?
自分でもとんでもない発言に余計にパニックになり、左右をキョロキョロと見渡し何か何かない!? と縋るように探していると、不意に手を握られる感触がした。 ビクッと体を震わせて前を向くと、頬を染めながはにかむような表情の少女が私の手を胸元で掴んでいた。
ーーえ? 何? あ、手柔らかい。
びっくりし過ぎて現実逃避してしまっていると、少女が口を開いた。
「まだ出会ったばかりなのに、ご主人様だなんて……司令官はつまり、ボクと結婚したいって言いたいんだよね?ボクをお嫁さんにしてくれるんでしょ?嬉しいなぁ」
少女の発言もとんでもないモノだった。 どんな勘違いをすればそんな解釈になるの? 余計に訳がわからなくなった私はとりあえず否定しようと思い行動した。
「え、えぇ!!そうだよ!結婚しましょう」
小柄な少女を抱き締め、なぜか少女の言葉を肯定するような態度を取ってしまった。
「嬉しいよ!!ボクを幸せにしてね、約束だよ司令官」
ハッとなり我に帰った時には、もう取り返しのつかない事になっちゃってた。 どうしよう。
冷や汗がツゥーと背中を流れふと視線を感じて横を向くと、親方妖精さんと弟子妖精さんが少し呆れたような表情でコチラを見てた。
◯◯◯◯
お父さん、お母さん。
私、女なのにお嫁さんを貰いました。 遠い地に居る父と母を思い浮かべながら私は司令官室(仮)で椅子に座りながら現実逃避をしていた。
私の膝には先程やらかして口説いてしまった小柄で可愛いお嫁さん(ロリ)が、膝の上にチョコンと座りながら目を細めまるで子猫のようにスリスリと私に甘えている。
「ん〜ボクの司令官。ボクの旦那様、ボクだけの司令官♪」
マーキングかなこれ? すでに30分くらいは頬ずりをされている。 とりあえず名前を聞かなきゃと思い、頬ずりしてくる可愛い少女に声を掛けた。
「ねぇ、貴女のお名前を聞かせてもらっていいかな?」
すると少女はピタリと動きを止めると、少し考え込むような態度を取った。 10秒程の間の後、少女は少しおかしな事を言い出した。
「実はね……その、ボクはベースは睦月型五番艦の皐月なんだけど……えっとね……や、大和型の大和も混ざっててね……簡単に言うと駆逐艦の大和みたいな感じなんだ」
は? え? 何? 混ざってる? どゆこと!?
突然のカミングアウトに驚愕し、ばっと親方妖精さんと弟子妖精さんの方を見た。 すると、親方妖精さんは下手な口笛を吹きながら建造で使ってた工具の手入れをしていて、弟子妖精さんはどこか困ったような笑顔を浮かべてペコリと頭を下げた。
ーーな、な、な、何してるんですかぁああ!! 妖精さぁぁぁぁん!?
こうして初めての建造で、前代未聞の艦娘を創ってしまい幕を閉じた。
本当、どうするの!?