IS 一夏の彼女は副担任   作:陸のトリントン

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今回の話はカミングアウト回です。

え?転校生が来る話じゃないのかって?

執筆してたら、いつの間にかこうなってしまいました・・・


第14話

PiPiPiPiPi!

 

「んん・・・」

 

目ざまし時計のアラームを止め、俺は朝日の光を浴びながら目を覚ました。いつも通りに制服に着替え、いつも通りに荷物を準備して、いつも通りに登校する準備はできた。

 

「真耶・・・って、いなかったんだ」

 

真耶がいないことを除けばいつも通りである。

 

 

 

 

 

 

それは三日前の夜に遡る・・・

 

 

 

「部屋が変わる?」

 

「そうだ」

 

俺と真耶の部屋で千冬姉が突然の部屋割りの変更を言ってきた。

 

「三日後に転校生が三人も入ってくる」

 

「三人も!?」

 

「ああ」

 

「ちょっと待ってよ!いくらなんでも三人はおかしくないか!?なんで他のクラスじゃなくて、一組に集中するんだ!?」

 

「その訳を今から話す。まず一人目は男だからだ」

 

「・・・え?」

 

男・・・それって・・・

 

「二人目の男性操縦者がフランスで見つかったそうだ。その保護を兼ねての転校だ」

 

「・・・」

 

「どうした?」

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおお!」

 

「静かにしろ!」

 

「うぐっ!」

 

空手とブーメランを組み合わせた拳法使いみたいな歓喜の声を、千冬姉は強烈なボディーブローで止めさせた。

 

「静かにしなかったら、サンダークロウを喰らわせるぞ」

 

「ご・・・ごめん」

 

男一人って結構肩身狭いんだよ千冬姉。

 

「だが、いろいろと不審な点はある」

 

「不審な点?」

 

「男性操縦者の捜索は5月の時に終わっている。なのに、今頃二人目の男性操縦者が来るなどおかしい話ではないか?」

 

「・・・確かにそうだな」

 

スパイなのかな?それとも、世界に公表できない理由があったのかな。

 

「とにかく、二人目の男性操縦者は様子を見ることにする。次に二人目だが・・・」

 

突然、千冬姉の顔が険しくなった。

 

「二人目は・・・私がドイツにいた頃の教え子だ」

 

「教え子?」

 

「ああ。あの時の私がどういう状態だったか分かってるはずだ」

 

心に仮面を付け己の強さに固執していた時期の千冬姉は、周りから見れば孤高の強さを持つ戦士に見えるだろう。けど本当は己の弱さから逃げるのに必死だったんだ。

 

「あいつはあの時の私を神のように崇拝し、私はそれに応えるかのごとくあいつを間違った方法で強くさせてしまった。力こそが全てであるかのように」

 

「千冬姉・・・」

 

「安心しろ一夏。私はお前の姉だ。尻拭いぐらい私自身でする」

 

千冬姉は何か覚悟を決めた表情をし、三人目の転校生について語った。

 

「三人目の転校生はお前の妹だ」

 

「・・・妹?」

 

「ああ、入って来いマドカ」

 

千冬姉の掛け声と共にドアが開き、そこにいたのはIS学園の制服を纏った小さい千冬姉だった。

 

「え・・・あ・・・」

 

俺は驚きを隠せなかった。実の妹が千冬姉そっくりだったなんて。

 

「・・・」

 

「マドカ、どうした?」

 

「人の皮をかぶ・・・」

 

「サンダーボルトパンチ!」

 

マドカが言い切る前に千冬姉がパンチで食い止めたけど、技名を叫ぶのは弟として恥ずかしい。

 

「山田君は悪魔では無い」

 

「どう見ても・・・悪魔だ」

 

マドカは真耶を睨むなり反論するが、肝心の真耶は・・・

 

 

 

「一夏君と・・・お別れ・・・」

 

 

 

俺の後で心ここに在らずだった。というより目元に涙が溜まってるんですが

 

「山田君。部屋が変わるだけで今生の別れではない」

 

千冬姉が呆れていたが、俺と真耶にとっては重要な問題なんだよ。

 

「では、どこが重要な問題なのか説明しろ一夏」

 

「だから、なんで考えてることが分かるんだ!?」

 

「家族だから当然分かる」

 

「その理屈はおかしい!」

 

「いいから答えろ」

 

「・・・分かった。その、俺が他の部屋になったら箒達が・・・」

 

「釘は刺しておいた」

 

「ホント!?」

 

「ああ。あいつらの事だ、あの手この手でお前を襲うからな手は打っておいた」

 

ああ~これで心置きなく学園生活を・・・

 

 

 

「お、織斑先生、ちょっと待ってください」

 

「真耶?」

 

真耶が突然待ったをかけた。だけどその顔はなぜか焦った表情をしていた。

 

「その、部屋の変更は・・・」

 

「残念だが決定事項だ」

 

「で、ですが!まだ一夏君は・・・」

 

「何を焦ってるんだ山田君?」

 

「あ、焦っては・・・」

 

あ、そういう事か。なぜ真耶が焦っているのか分かった俺は抱きしめた。

 

「真耶」

 

「い、一夏君!」

 

千冬姉は頭を抱え、マドカは何が起こったのか千冬姉に説明を求めてた。

 

「大丈夫だよ真耶。別に俺が学園からいなくなる訳じゃないんだ。寂しかったら真耶が俺の部屋に来ればいいだけだよ。朝の特訓だって一緒、お昼ごはんも一緒、夕食だって真耶の部屋に行けば一緒に食べられるから安心して真耶」

 

「でも・・・」

 

「寂しがる必要はないよ」

 

「うん」

 

真耶が安心したのを確かめ・・・

 

 

 

「私と妹の前でいつまでイチャイチャしてるんだ?」

 

 

 

離れた。千冬姉、足元のブラックコーヒー缶いくつあるんだ?

 

「わ、わりぃ。つい・・・」

 

「リア充を爆発させたい気持ちが少しだけ分かった」

 

「マドカ・・・ごめん」

 

マドカ、何かの拳法の構えをやめて。俺死んじゃうから。

 

「こういうのを防ぐためにも、部屋割りの変更を決めたからな。それに一夏」

 

「なんだ?」

 

ため息交じりに俺に問いかけた。

 

 

 

「お前、仲の良いクラスメイトはいるのか?」

 

仲の良いクラスメイトなんて・・・・・・

 

「いません」

 

「・・・だろうな」

 

実の事を言うと、クラスメイトとは休み時間に楽しく会話はしているが・・・

 

それ以外の時間はは全部真耶との時間に費やしていた。

 

早朝は真耶とISの特訓。昼休みは真耶と二人っきりの昼食。放課後は真耶とISの練習をしてるか、真耶の仕事の手伝い。夜は真耶と一緒に夕食したり、一緒にじゃれ合ったり、一緒にシャワー浴びたり、たまに夜の営みをしたり。とにかく真耶との思い出をたくさん作って来たけど・・・

 

「もしかして・・・」

 

「ああ。喫茶店の件で私の決心は固まった。羽目を外した罰だ」

 

「・・・やっぱり」

 

ちょっと羽目を外したかなと思っていたけど、周りから見たら結構羽目を外してたのか・・・

 

「ということだ、山田君。理解したか?」

 

「はい・・・」

 

真耶は顔を赤くし、今まで自分のやって来たことを振り返っていた。

 

「じゃあ、真耶は明日から・・・」

 

「いや、ここのルームメイトはマドカに変わる。それに今から引っ越してもらう」

 

「ええっ!今からって急じゃないか!?」

 

「明日でもと考えていたがお前達の事だ。淫行に走って事態をややこしくするに決まってる」

 

「いや、そこまで淫行に・・・」

 

「ほう・・・」

 

千冬姉のにらみつける!

 

「・・・分かりました」

 

俺は素直に引っ越しの準備を始めたが

 

「マドカ・・・」

 

「何だ?」

 

「この段ボールの山は何?」

 

俺の倍以上もある段ボールの箱の山に驚愕した。

 

「拳法の練習に必要な道具が入っている」

 

「はぁ・・・」

 

千冬姉といい、どこから謎の拳法を会得したんだ・・・ん?

 

「なあ、マドカ。この段ボールだけど」

 

「重いから気を・・・」

 

「軽いんだけど」

 

「何っ!?」

 

マドカは迅速の如く段ボールをすべて開けて中身を確認したが、必要最低限の生活用品しかなかった。

 

「何があったというのだ・・・」

 

呆然自失のマドカに千冬姉はため息交じりに説明をした。

 

「筐体機を一式持ち込むからだ。後、その筐体機は売却したから」

 

「ぐはっ!」

 

「売り飛ばした金は全額没収だ」

 

「うぐっ!」

 

「中野TRFのルートは全て閉鎖だ」

 

「アイリィィィィィ!」

 

誰かの名前を叫びながらマドカは気を失った。

 

「ということだ一夏。荷物をまとめ終わったらこの部屋に行くんだ」

 

俺にルームキーを渡した千冬姉は仕事があると言って部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

「あれから三日経ったけど、やっぱり一人は寂しいな」

 

食堂で一人、鮭定食を食べてるがやっぱ寂しいな。朝の特訓は千冬姉の監視の下やってたから、真耶は直ぐに職員室に行っちゃたし。千冬姉に真耶以外の人と特訓をしろって言われたけど・・・

 

「どうすればいいんだ・・・」

 

真耶以外の人との交流を疎かにした結果がこれだ。

 

俺の周りには誰もいない。というより皆、物珍しそうに俺を見ている。

 

それはそうだ。箒達で真耶との時間を減らされたくなかったから、食堂なんて滅多に行かなかった。

 

だからといって、箒達が今来て欲しいとは思っていない。

 

「しょうがないか」

 

諦めて食事を再開しようとした時だった。

 

「織斑君?」

 

「おりむーだ!」

 

「あっ!本当だ!」

 

ん?この明るい三つの音色は・・・

 

「「「一緒に食べていい?」」」

 

相川清香、谷本癒子、のほほんさんこと布仏本音の三人だ。

 

「ああ、いいけど」

 

この三人とは休み時間に談笑する程の仲だが、それ以外の交流が無い。真耶との時間に費やしてたからな。よくよく考えたら、この三人以外の交流は無いに等しい。

 

・・・今更だがぼっちの学園生活を送ってたのか。

 

「ねえねえ、おりむー」

 

のほほんさんが長い振袖を振りまわしながら俺を見つめてた。

 

「ん?」

 

「おりむーは、まーやんと付き合ってるの?」

 

その瞬間、俺以外の生徒達の動きが止まった。

 

相川さんと谷本さんはのほほんさんの発言を予測してたのか、ずっと俺を見てる。

 

それ以外の生徒は俺の返答を今か今かと待っている。食堂のおばちゃんも何故か手を止めて見ているし・・・

 

真耶と付き合ってるのは本当だし、隠す気なんてもうない。俺の口から言うか。その前に・・・

 

「まーやんって?」

 

「山田真耶だから、まーやん」

 

独特なあだ名だな。

 

「で、織斑君」

 

「実際付き合ってるの?」

 

相川さんと谷本さんが俺の答えをものすごく待っているし、答えるか。

 

「ああ、付き合ってるよ」

 

「「「「「・・・」」」」」

 

・・・うん。こうなることは

 

 

 

 

 

 

「「「「「きゃあああぁぁぁぁぁ!」」」」」

 

 

 

 

 

 

予想できなかった。え?なんで喜んでるの!?なんか、冷たい目で見られることを覚悟した俺が恥ずかしいよ。

 

「いつ告白したの!」

 

「どこで告白したの!」

 

「どんな台詞で告白したの!」

 

「二人の馴れ初めを教えて!」

 

「初夜は!」

 

「プロポーズは!」

 

一気に押し寄せてくる女性の質問の波。一応言うがプロポーズはされてないし、初夜は教えるつもりはない。

 

「織斑君!山田先生とお幸せに!」

 

「絶対に山田先生を幸せにしてね!」

 

「おりむー大爆発だぁ~!」

 

相川さん、谷本さん、それ結婚式に言うセリフだから。のほほんさん、冗談に聞こえないから。

 

「お前達、何を騒いでいる!」

 

「「「「「・・・・・・」」」」」

 

それを静かにさせる千冬姉って人間なの?

 

「織斑先生、織斑君が山田先生と付き合ってるのを・・・」

 

「お前達!食事の時間を今ここで終わらせたいか!」

 

千冬姉の圧倒的なプレッシャーの前に生徒達は、一目散に食事を続けた。

 

「相川、谷本、布仏」

 

「「「は、はい!」」」

 

千冬姉、三人共怖気づいてるから・・・

 

 

 

「織斑と山田先生の関係については一時限目に詳しく話す」

 

 

 

・・・え?

 

「ち・・・織斑先生、どういう意味ですか?」

 

「お前と山田先生の馴れ初めを一時限目で発表するんだ」

 

「え!?いつ決まったんだよ!?」

 

「お前が他の生徒に言った時に決定される」

 

「いや!今日の一時限目は二組との・・・」

 

「急用で中止だ」

 

千冬姉!ニヤニヤしながら死刑宣告しないで!

 

俺がそういう話をされるのが恥ずかしいって知ってるでしょ!

 

 

 

「お前達!二人の馴れ初めの詳細は一時限目で発表する!いいな!」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

なんで一致団結するんだ!

 

 

 

 

 

 

「え、えぇっと・・・その・・・」

 

朝のSHR。真耶が教壇に立っているんだが、クラスの眼差しの変化に戸惑っていた。

 

いつもなら明るく、楽しく、賑やかな雰囲気を放っているはずが、何かを待っているかのような眼差しでクラス全員が真耶を見つめていた。・・・箒とセシリアを除いて。

 

「山田先生、SHRを」

 

「は、はい!実は皆さんに嬉しいお知らせがあります。このクラスに転校生が三人も来ます!」

 

「「「「「・・・・・・」」」」」

 

「あ、あれ?」

 

真耶、ごめんね。俺が食堂でカミングアウトしなければ空回りしなくて済んだのに。

 

「山田先生、続きを」

 

「は、はい!その三人の転校生を紹介します」

 

真耶の掛け声と共にドアが開き三人の転校生が来たけど・・・

 

 

 

「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。皆さん、よろしくお願いします」

 

「「「「「・・・」」」」」

 

 

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

「「「「「・・・・・・」」」」」

 

 

 

皆、反応しよう。まるで転校生がオマケみたいな扱いはあんまりだから・・・ん?

 

「貴様が・・・!」

 

俺の目の前でラウラの腕が上がり、俺の頬に掌が・・・

 

「よせ」

 

振り下ろされなかった。マドカが止めてくれたおかげで助かった。

 

「貴様・・・」

 

「そんなことを姉さんは望んではいない」

 

「黙れ。貴様に何が分かる」

 

「少なくとも、お前は私の仲間だ」

 

「仲間だと、ふざけるな」

 

マドカの姉さん発言にクラスが若干ざわついている。

 

「姉さん?」

 

「じゃあ、あの子って・・・」

 

「静かにしないか」

 

千冬姉の一声で教室が静かになり、マドカの自己紹介が始まった。

 

「織斑マドカだ。名前の通り、織斑千冬と一夏の妹だ。よろしく頼む」

 

「「「「「・・・・・・・・・」」」」」

 

ここでも静かにされたら、兄としては辛いよ。

 

「以上で転校生の紹介を終える」

 

千冬姉!勝手に終わらせないで!マドカの学園デビューが不安じゃないの!?マドカは、のほほんさんとか睨まないで!真耶が不安がってるから!

 

 

 

「では、本日のメインイベントを始める」

 

メインイベント?あ・・・

 

「山田先生!」

 

一人の生徒が真耶を指名したって事は・・・

 

「はい」

 

「織斑君と付き合ってるって本当ですか?」

 

「ふぇっ!?いや・・・その・・・」

 

真耶がなんて答えようか悩んでいる。俺が代わりに・・・

 

「山田先生、無理に隠す必要はない。織斑が既に一部の生徒に発表したからな」

 

「ええっ!?」

 

「山田先生・・・その・・・」

 

隠すつもりはないって心の中で決めたけど、こんなシチュエーションで発表するのは流石に恥ずかしい。

 

「織斑先生、その質問の答えは・・・」

 

「分かりました・・・答えます」

 

俺が代わりに答えようと席を立ったら、真耶は顔を赤くしながらも答える決心をつけた。

 

流石に俺だけ立ってるのは恥ずかしいから、大人しく・・・

 

「織斑、お前は山田先生の隣にいろ」

 

座らせてくれ千冬姉。皆の視線が俺に集まるから。というより、箒とセシリアが俺を睨んでるんだが。

 

「山田先生、続きを」

 

「は、はい!私は・・・」

 

真耶は息を整え、皆の前で俺の手を強く握った。俺も真耶に応えるように強く握り返した。

 

そして・・・

 

 

 

「私は織斑一夏君と、恋人として付き合っています」

 

「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」

 

「あ、あの・・・」

 

あ、このパターンは・・・

 

 

 

「「「「「きゃああああああああああ!」」」」」

 

 

 

耳がぁ・・・耳がぁ!

 

「幸せになってください!」

 

「織斑君、お幸せに!」

 

「織斑君のどこが好きですか!」

 

「山田先生!爆発してください!」

 

色々とヤジみたいなのが飛んできてるけど、真耶は爆発させないからな!

 

 

 

「お前達、静かにしろ。それで、山田先生」

 

「は、はい!」

 

「確か、山田先生はクリスマスに告白されたと聞いたが」

 

「はい・・・」

 

「クラスの皆に、その日の事について話してくれないか?」

 

千冬姉!仮にも教師だから真耶に要求・・・

 

「は、はい!分かりました!」

 

飲み込んじゃったよぉ!

 

「えっと、あれはクリスマスの夜の事でした・・・」

 

 

 

 

 

 

真耶は顔を赤くしてる俺を横目にクリスマスの告白を一組全員に話していた。

 

教室の外には生徒達が群がっているし、転校生の三人はいつの間にか席についてるし、俺は苦しんでるし、千冬姉はニヤニヤしながら苦しんでる俺を見てるし、真耶は恥ずかしながらも話してるし・・・

 

 

 

 

 

 

「それが、クリスマスの告白でした」

 

教室の雰囲気は何か甘い雰囲気に包まれており、何人かの生徒は鼻血を出していた。

 

俺は・・・・・・燃え尽きた。真っ白に燃え尽きた。

 

「ごくろう山田先生。織斑、何か言うことは無いか?」

 

「・・・体調が悪いので早退していいですか?」

 

「その様子だと早退は無理だな」

 

千冬姉、俺のライフはもうゼロなんだけど・・・

 

「諸君、二人の恋バナを聞いた所で私から言いたいことがある」

 

千冬姉が恋バナを言ってる時点で違和感を感じる。

 

「二人が付き合ってる事に関して私から異論はない。だが、お前達が二人に謙遜する必要は無い。むしろ積極的になれ」

 

「ち・・・織斑先生、それって・・・」

 

「織斑。山田先生と付き合ってる事を全員に話せば、少しは羽目を外しても大丈夫だと思ってたのか?」

 

「いや・・・思っていません」

 

そう思っていた時期がありました。

 

「それに、山田先生以外の交流を疎かにしてると聞いたが・・・」

 

「うぐっ!」

 

「心当たりがあるならさっさと直せ」

 

そう言い、千冬姉はクラス一丸となって俺と真耶の恋の応援と「織斑一夏 友達百人計画」を宣言した。友達はそうやって増やすものじゃないから千冬姉。後、箒とセシリアが凄く睨んでいるから。

 

 

 

こうして、俺の波乱万丈の学園生活が始まった・・・・・・のか?




次回は、皆さんが待ってるかどうかわからないけど・・・

「中二の一夏 クリスマスの告白」

を公開する予定です。

ご期待ください。

ご意見、ご感想、お待ちしております。



オマケ

※このお話は、ラウラ・ボーデヴィッヒ視点のお話です。このお話を読まなくても、次の話に支障はありませんが、キャラへの理解が深まる・・・はずです。



私の名前はラウラ・ボーデヴィッヒ。

ドイツのIS配備特殊部隊「シュヴァルツェ・ハーゼ」の隊長だ。私は今、IS学園の総合受付所に向かっている。なぜIS学園に向かってるかって?

決まってる。我らが教官「織斑千冬」を再びドイツに赴かせることだ。シュヴァルツェ・ハーゼが多大な功績を残せたのは、教官の指導によるものだ。

あの他人を寄せ付けない孤高の強さは、ブリュンヒルデの名に相応しい。

だが、織斑一夏の存在が教官を弱くさせる。いや、殺そうとしている!

そんなことはさせない!教官がいなければ、今の私など存在しない。今度は私が教官を救うんだ!

そう張り切ってIS学園に着いたのは良いのだが・・・



「迷子だ・・・」



迷ってしまった。

パンフレットに書いてあるアクセスルートは現在工事中で通れない。仕方なく、他のルートで行ったら迷子になってしまった。

どうすればいい!クラリッサに連絡を取ろうとしても、携帯はバッテリー切れを起こしてる。周りには誰もいない。万策尽きたのか・・・

「あ、あの・・・」

「ん?」

「どうしたんですか?」

どうやら私は運がいいみたいだ。

「総合受付所を探してるんだが、案内してくれないか?」

「も、もしかして・・・転校生?」

「ああ。私の名はラウラ・ボーデヴィッヒだ」

「更識・・・簪です」

「更識、案内してくれないか?」

「わ、分かりました。後・・・」

「何だ?」

「同じ苗字の人がいるから・・・名前で呼んで・・・ください」

「分かった。簪、案内してくれ」

簪の案内で総合受付所に着いた私は手続きを済ませた。

「簪、お前のお陰で総合受付所にたどり着けた。礼を言う」

「い、いえ!・・・私は大したことなんて・・・」

「謙遜するな。道案内ができるのも素晴らしい事だ」

「ぼ、ボーデヴィッヒさん・・・」

「ラウラで構わん。では、私はこれで・・・」

更識簪か・・・更識?どこかで聞いたことがあるような・・・まあいい、今は織斑一夏を倒す事だけを考えればいい。後で整備室に行って、シュヴァルツェア・レーゲンの最終調整をしなければな。



整備室

「ここが整備室か。思っていたより綺麗だな」

さて、ちょうど近くに生徒がいる。許可をとってから整備をしないとな。

「すまないが、ここの一画を貸してくれ・・・ない・・・か・・・!」



クラリッサ、お前が言った事を信じてみよう。



「え・・・ラウラ?」

「簪・・・」



女同士でも「運命の出会い」というものがあるということを。
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