IS 一夏の彼女は副担任   作:陸のトリントン

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今回は真耶が奮闘すると思いきや・・・日常回です。


第20話

「えっと・・・織斑先生は所用でいませんので、今日は私がこのクラスの担任です!」

 

千冬姉がフランスに行ってるため、真耶の「一日クラス担任」が始まった。

 

一日中真耶の授業を聞いて、真耶のサポートをして、真耶の仕事を手伝えて、真耶の教師姿を堪能できる一日・・・悪くない!

 

「先生。織斑君には厳しく指導してください!」

 

・・・え?

 

「は、はい!織斑君、わ、私の恋人であっても、あ、甘えたりしませんから!」

 

顔を赤くしながらも注意する真耶はかわいいなぁ・・・

 

「いや、いつも通りに授業を進めても・・・」

 

「兄さん・・・顔がにやけてるぞ」

 

マドカ・・・俺の後ろ姿でよく分かるな・・・

 

「と、とにかく!授業を始めます!」

 

その後は・・・まあ、いつも通りと変わらない授業風景だった。

 

 

 

「次の授業は数学ですが、他の先生だからといって怠けてはいけませんよ!」

 

なんか今日の真耶は活き活きとしてる。

 

授業が終わり真耶が職員室へ戻ろうとする。何か、手伝わなければならない使命感が湧いてくる・・・

 

「真耶、手伝おうか?」

 

真耶にはいつもお世話になってるからな。俺が出来る範囲で負担を軽くしないと。

 

「ありが・・・んんっ!織斑君!ここでは山田先生と呼んでください!」

 

一瞬嬉しそうな顔をしたけど・・・

 

「それに、これくらいの荷物は大丈夫です」

 

「すいません。というより、山田先生の事をさっき何て言いました?」

 

「名前で・・・呼んでましたよ」

 

ええっ!?無意識に名前で呼んでたのかよ!

 

「織斑君。名前で呼んでくれるのは嬉しいけど、ここでは教師と生徒の関係です!」

 

「わ・・・分かりました山田先生」

 

もうちょっとで『分かったよ真耶』って言いそうになった。

 

「では私は職員室に戻りますので、織斑君はクラスメイトとの交流を深めてください」

 

「は・・・はい」

 

笑顔で真耶は職員室に戻ったけど・・・

 

 

 

「一夏、お前とは久しく喋ってなかったな」

 

「一夏さん、わたくし達と優雅な会話を楽しみましょう」

 

 

 

この二人(箒とセシリア)が牙を見せ始めました。

 

 

 

「一夏君と箒さんは幼馴染だったの・・・」

 

「ああ。だが一夏は何故か私から遠ざかるんだ」

 

「一夏君、どうして箒さんとの交流を拒むの?」

 

俺は今、箒とセシリアとシャルルと愉快なクラスメイト達に囲まれて会話をしてるんだが、二人(箒とセシリア)の溜まりに溜まった邪気が放出されて、他のクラスメイト達が話しかけにくい状態になってるんだが・・・

 

「お、落ち着けよ箒。皆が心配そうに見ているからさ」

 

「すまない。だが、どうして私を拒む?」

 

それは暴力で物事を解決させようとするからだよ。おかげで俺は女性恐怖症になりかかったんだから・・・

 

「昔と随分雰囲気が変わったから、声をかけづらかったんだ」

 

「そうなのか。私は無理に変わる必要がないと思い、ありのままに生きていたんだが」

 

できれば変わってほしかった・・・

 

「箒さん事については理解できますが、なぜわたくしからも遠ざかるのですか?」

 

まずセシリア、君が俺に惚れた理由が分からない。

 

「気のせいだと思うが・・・」

 

「気のせいではございません!昼食の誘いを何度も断られたのですよ!」

 

「一夏君、いくらなんでも・・・」

 

シャルル、お前は知らないんだ。セシリアが俺と真耶のデートを盗撮したことを・・・

 

「とにかく兄さんは女性との接触を避けてることが分かった」

 

マドカ、いつの間に・・・

 

「兄さん、どうして真耶以外の女性との関わりを作らないんだ?」

 

「いや・・・」

 

 

 

「その理由、アタシが話すわよ!」

 

 

 

その声は・・・

 

「鈴!?」

 

「はぁ。やっぱりアタシがいないとダメなんだから・・・」

 

「何がだよ!?」

 

「何って、アタシがいなければその質問に答えられないってことよ!」

 

「いなくても答えられ・・・」

 

「さっきの質問、この凰鈴音が答えるわよ!」

 

俺の話を聞けぇ!

 

俺の心の叫びなど無視して鈴は俺の中学時代の事を話した。

 

話の内容は鈴が喧嘩の仲裁に入って終わる。それだけの内容だったけど・・・

 

 

 

「そんな織斑君をここまで変えた山田先生って凄いんだね!」

 

「私、山田先生の事見直しちゃった!」

 

 

 

皆、真耶の凄さを改めて実感している。鈴・・・口が開いてるぞ。

 

「ま、まあ、山田先生が凄かったけど、アタシがいなければ二人が付き合うことなんてなかったんだから」

 

ただの威張りだぞ、鈴。

 

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

 

授業開始のチャイムが鳴り響き、数学の授業が始まったんだが・・・

 

「今日は特別授業で、織斑君から山田先生の同居話を聞きましょう!」

 

どうしてそうなる・・・

 

「先生、授業は・・・」

 

「ん?聞こえなかったかしら?今日は特別授業ですよ」

 

先生が邪悪な笑みを浮かべてるんですが・・・

 

「どうして、俺と山田先生の同居話を・・・」

 

「決まってるじゃない・・・」

 

先生・・・教科書が原型を留めない程握り締めないでください。

 

「どうして山田先生に彼氏ができるのよぉ!」

 

うわぁ、先生が血の涙を流している。

 

「スタイル抜群だけど、おっちょこちょいの天然女にどうして超絶イケメンの彼氏ができるの!?いつもいつもおっちょこちょいなことをやって職員会議が遅れて、ISだっておっちょこちょいが災いして実力が発揮できずに、おっちょこちょいが原因で・・・」

 

 

 

こうして、独り身の愚痴は授業が終わるまで続いた・・・

 

 

 

「何だったんだ、あの授業は・・・」

 

「ただの愚痴を聞かされただけだな」

 

「マドカは平気みたいだな」

 

「愚痴をこぼす暇があるなら、次の行動を起こしている」

 

そういう所はしっかりしてるな。兄としては嬉しい限りだ。

 

「さて、次の授業は・・・」

 

 

 

そして俺達は昼休みになるまで、先生達の「特別授業」という名の愚痴こぼしを聞く羽目になった。

 

 

 

「もう・・・駄目だ・・・」

 

「兄さん、気をしっかりしろ!」

 

昼休みの食堂。俺は若干意識が朦朧とした状態で日替わり定食を食べている。真耶のスタイルとか天然な性格に関する愚痴を聞かされて、疲労困憊なのだが・・・

 

 

 

「一夏、大丈夫か?私のから揚げ弁当でも食べて、元気になれ」

 

「一夏さん。私の手作りサンドイッチで元気になってください」

 

「一夏!アタシの酢豚を食べて元気になりなさい!」

 

 

 

この三人(箒とセシリアと鈴)で失神寸前に追い込まれているんだ。

 

「いや・・・三人の弁当を食べるのはちょっと多くないか?」

 

「確かにな。なら一夏、誰の弁当が食べたいのか選べ」

 

箒、俺が食べるのを断りにくくするために手を打って来たか。仕方ない・・・アレを試してみるか。

 

「一夏さん、わたくしの・・・」

 

「セシリア、本当に大丈夫なんだよな?」

 

「え・・・」

 

俺は覚えてるよ。セシリアが自分の料理を食べて気絶したのを。

 

「だ、大丈夫ですわ!あれから練習に練習を重ねてきましたので・・・」

 

「だったら箒と鈴に食べさせたらどうだ?」

 

「なっ!?」

 

「へぇ、おもしろそうじゃない・・・」

 

箒は固まり、鈴は何かの挑戦と受け取り、セシリアのサンドイッチを食べることになったが・・・

 

「いや!私は・・・その・・・」

 

箒が駄々をこねないように・・・

 

「そういえば、箒はまだセシリアの料理食べてなかったんだな。遠慮せずに食べたらどうだ?」

 

「・・・わ、分かった」

 

箒は覚悟を決め、鈴はセシリアの腕前を確かめるべく、サンドイッチを口にした。

 

結果は言うまでもないけど。

 

 

 

「あの・・・篠ノ之さんは・・・」

 

「体調不良で保健室にいます」

 

「そうですか・・・篠ノ之さんには補習を行わせるとして、授業を始めましょう!」

 

午後の授業は、真耶の分かりやすいIS座学が始まった。

 

それにしても真耶の授業は分かりやすい。ちゃんと授業を受けてる実感がある。というより、午前は先生達の愚痴を聞かされてただけだからな。

 

「織斑君!」

 

「はい!?」

 

何で真耶が怒ってるんだ?

 

「ずっと私の顔を見てないで、ちゃんと授業に参加してください!」

 

「すいません。ずっと先生達の愚痴を聞かされてたので」

 

「・・・え?」

 

俺は真耶に特別授業の事について話した。

 

「そんな事が・・・」

 

「だから、ちゃんと授業をしてる真耶を見て安心してるんだ」

 

「一夏君・・・」

 

顔を赤くしながらも、俺の言葉に真耶は安心している。朝から気を張り詰め過ぎていたんだな。

 

「だから真耶、俺を頼っても・・・」

 

 

 

「待った!」

 

 

 

突然マドカが席を立ち、何処かの逆転する弁護士のように叫んだ。

 

「ここは教室だ!こんな所でイチャイチャしてはいけない!」

 

と、ショウゲンのムジュンを指摘しそうな弁護士のように俺を指した。

 

「織斑君、山田先生を心配する気持ちは分かるけど、イチャイチャするのは・・・」

 

「おりむー。まーやんだけじゃなくて、私達を頼って欲しいな〜」

 

「織斑君から見て、私達の存在って・・・」

 

皆が、俺に対する不満(?)をこぼし始めた。皆・・・すみません。

 

後、セシリアから殺気が溢れて来てるんだが。

 

「お、織斑君!先生をからかわないでください!」

 

「い、いや!俺はただ、真耶の負担を・・・」

 

「山田先生です!」

 

「すいません・・・」

 

「でも・・・放課後、私の部屋だったら・・・」

 

「「「「「異議あり!」」」」」

 

周りの先生達が嫉妬する原因が分かった気がする・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、いつものようにシャルルと一緒に特訓をしようと第一アリーナに行ったけど・・・

 

「一夏、そんなに山田先生が恋しいのか?」

 

「それなら、一夏さんには特別特訓を差し上げますわ」

 

「一夏、今度こそ逃げないでよね!」

 

「いや・・・なんで三人が・・・」

 

「「「心配だから来たのです!」」」

 

心配の種が目の前に三つもあるんですが・・・

 

「俺はシャルルと一緒に特訓するから、三人も・・・」

 

「一夏!貴様はそうやって私達の交流を拒むのか!」

 

「そうですわ!山田先生が仰ったように、わたくし達の交流を深めるべきですわ!」

 

「一夏・・・アンタって奴は・・・」

 

もう・・・この三人を相手するのも疲れたよ。

 

「だったら三人が戦って、勝ち残った一人が俺と練習することでいいか?」

 

「「「駄目だ!」」」

 

もう・・・どうすればいいんだ。

 

「何をしている貴様ら」

 

この声は・・・

 

「ラウラ・・・ボーデヴィッヒ・・・」

 

あと、ラウラの背後にいる水色のセミロングの少女もいる。

 

「ちょうどいい。貴様ら、練習に付き合ってもらうぞ」

 

「ちょっと待って!アンタ、一夏を殴った転校生でしょ!」

 

鈴が突然ラウラを睨みつけたが、そんな事はお構いなしと俺に近寄ってきて・・・

 

「あの時、貴様をぶったことについては申し訳ないことをした。すまない」

 

丁寧に謝罪をした。

 

「あ・・・いや、分かってくれたらいいよ」

 

「そうか」

 

ラウラって、意外と正直な所があるんだな。というより、あの時より顔が活き活きしているな。

 

「ちょっと!アタシの話を聞きなさいって!」

 

「いいだろう・・・貴様が私の練習相手か」

 

「・・・え?」

 

あの時より、ラウラのオーラが千冬姉に似てきたんだが・・・

 

「セシリア。貴様は鈴とタッグを組め。私は簪とタッグを組み、貴様らを倒す」

 

勝手に話が進んでるんだけど。後、簪って誰?

 

「上等じゃない・・・アタシの甲龍を舐めたら痛い目を見るわよ!」

 

「不本意ではありますが、ブルーティアーズの力を見せしめるには問題はありません」

 

うわぁ・・・二人の目が殺す気満々だ。

 

「簪、お前の専用機は大丈夫か?」

 

「だ、大丈夫・・・」

 

「まずは私の動きについてこれればいい。誰だって、初めての専用機を使った戦闘は緊張する」

 

「で、でも・・・」

 

「安心しろ。何があっても、私がお前を守る。それにお前は私の特訓を耐え抜いた力があるんだ。自分に自信を持ってもバチは当たらない」

 

「う、うん!」

 

ラウラと簪という女の子の二人は応援したいな。何だか、先輩後輩の部活練習を見てる気分だ。

 

「シャルル、俺達はアリーナの隅で練習しようか」

 

「そうだね。ラウラさん、何だか変わったね」

 

「ああ、随分変わったな」

 

ラウラに関しては俺が口出しする必要は無いな。

 

 

 

 

 

 

「一夏!私を忘れるな!」

 

箒は変わって欲しかった・・・




次回は、「真耶の一日クラス担任」後編です。

ご意見、ご感想、お待ちしております。



オマケ

※このお話は、更識簪、ラウラ・ボーデヴィッヒ視点のお話です。このお話を読まなくても、次の話に支障はありませんが、キャラへの理解が深まる・・・はずです。

この話は19話と20話の間の話です。



私の名前は更識簪。私は今、整備室にいます。なぜなら・・・

「やっと出来上がったな」

「・・・うん。私の・・・専用機」

打鉄弐式が完成したからです。

最初は私一人で作り上げようと奮闘していましたが、ラウラとの出会いで私の世界がガラリと変わりました。

人との支え合い、互いに気付いた自分の弱さと強さ、そして何より・・・

「よし。今すぐ起動実験に移りたい。簪、今すぐ実験の用意をしろ」

「・・・」

「どうした簪?顔が赤いぞ?」

「へぇっ!?」

「具合でも悪いのか?」

「だ、大丈夫だから!い、今すぐ用意するから・・・待ってて!」

私はラウラに恋をした。

最初は友達をづくりが上手くいかなくてイライラしていたと思っていました。

だけど・・・



「お前を縛りつけている、呪われた運命の鎖から解放させるのが私のすべきことだ」



その言葉を聞いて、私の心はときめいた。

その後、そのセリフは優秀な副官からの受け売りだと知りました。それでも、私の恋心が揺らぐことはありません。

だって、ラウラはそうまでもして私を助けたかったんだと思う。自分で対処する方法を知らなかったから副官に聞いただけだと私は思う。

そこまで真摯に心配してくれる人は、幼馴染(布仏本音)以外いなかった私にとってラウラはヒーロー以上の存在になっていた。



打鉄弐式の起動実験は無事に成功したけど・・・

「ふむ、打鉄弐式には問題はないが・・・」

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

「操縦者の体力づくりが次の課題か・・・」

私の体力の無さが問題になった。ISと言えど、操縦者の体力が無くてはただの鉄屑となってしまう。

「だったら・・・明日の朝から・・・」

「いや、体力作りは明後日の朝からだ。明日は体を休ませた方が良い」

お姉ちゃんはこれぐらいやれるんだから、私だって・・・

「大丈夫・・・明日の朝から・・・」

突然眼帯を外し、私の顔に近づいた。

「簪、無理をするな。お前はここ数日睡眠を十分にとっていない。昼休みに仮眠をとっても、疲れは抜け切れない。その証拠に目に隈ができている。それを化粧等で誤魔化すのはやめてくれ。」

「でも・・・そうしないとお姉ちゃんに・・・」

「お前は戦うために生まれた存在ではない。これ以上無理をしてはいけない。それに姉がどうした。お前は・・・」

突然、ラウラは私に背を向け眼帯を付けた。

「すまない。姉がいない私が偉そうに言うべき事ではないな」

「ラウラ・・・」

そういってラウラは整備室をあとにした。






私、ラウラ・ボーデヴィッヒは部屋のベットで考えていた。

姉という存在は一体どういう物なのか?

織斑一夏みたいに憧れの存在であったり、簪みたいに脅威の存在であったり、肉親という存在がいまいち理解できない。

どうすればいい?姉の問題が解決できない限り、簪の心は永遠に救われないぞ。

考えろ、考えろ、考えるのを止めるな、ラウラ・ボーデヴィッヒ!

そんな事をしていたらドアのノック音が響いた。客人?

「ラ、ラウラ・・・起きてる?」

簪だ。だが、どうしたんだ?そわそわして、落ち着きがない。

「どうした?もうすぐ消灯時間だぞ」

「いや・・・その・・・嫌じゃなかったら・・・」

意を決したのか、私の横に座った。

「今日一緒に・・・寝てくれる?」

「構わん」

これぐらいの事は大したことではないと思い、私は簪と同じベットで寝ることにした。

ただ一つ疑問があるとすれば・・・

「簪、何故私と一緒に寝たいと言った?」

私と一緒に寝ることに何かしらのメリットはあるものなのか?確かに私のルームメイトはいない。一人ぼっちだ。この部屋にルームメイトがいれば少しは賑やかになるだろう。だが、何故簪はわざわざ私の所まで来た?ルームメイトもいる彼女が・・・

「その・・・整備室の事で・・・謝らないといけないと思って・・・」

「そのことか、別に気にする必要は無い。私が不用意な発言をしたまでの事だ」

「そうじゃないの」

・・・どういうことだ?

「ラウラは私の事を一生懸命理解しようとしてたのに・・・私はそんな事に気付かなくてワガママを言ったから・・・」

「別にそれを謝る必要は無い」

「でも・・・」

どうやら、自分の事についてまだ気づいてない所があるか。

「簪、お前は全てを自分で解決しようとする癖がある。誰かに頼ることを極端に嫌っている傾向がある。別に私を頼っても構わん」

「そんなことしたら・・・」

「姉に追いつけないと言いたいだろうが、あんな奴を姉と思いたいのか?」

「・・・え?」

「全てを一人で解決できるほど、世の中は甘くは無い。いや、そんなものが世界は望んではいない。そうだと言い切る奴はナルシストか独裁者だ。簪、楯無を姉と思いたいなら、私は止めはしない。だが少しでも疑問を感じたなら、楯無を姉と呼ばない方が良い。姉の呪縛で苦しむ姿など、私は見たくない」

とんでもない失言をしたな私は。もう後戻りはできない。自らの首を死神の鎌にかけた気分だ。

「私・・・ラウラの言う事なら・・・何でも聞くから・・・」

「体力作りは明後日の朝だ」

「そうじゃなくて・・・」

「何だ?」

「ラウラの・・・ルームメイトになりたい・・・」

どうやら、明日の夜は修羅場になりそうだな。

「いいのか?お前にはルームメイトがいたはずだ」

「話せばちゃんと分かってくれる。それに私・・・ラウラと一緒に・・・いろんなことを学びたい・・・」

「物好きな奴だな」

「私は・・・本気だよ」

「では明日の夜、寮長と一戦交えることになるが、良いな?」

「・・・うん!」

こうして私と簪は同じベットの中で眠りについた。

ただ一つだけ疑問がある。



簪と一緒にいると緊張するのは何故だ?
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