IS 一夏の彼女は副担任   作:陸のトリントン

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今回は千冬姉のガールズトークと言うより、千冬姉視点の臨海学校初日の夜です。


第28話

私、織斑千冬は教員室でガールズトークというものを始める。

 

「どうした?なにも喋らないのか?」

 

「「「「・・・・・・」」」」

 

この四人(箒とセシリアと鈴とシャルロット)でガールズトークをだ。

 

「私の弟の前では、あんなに威勢が良かったのに私が来た途端これか。舐められたものだな」

 

「あ、あの、どうして僕達と話したいんですか?」

 

気まずい雰囲気を脱すべく、シャルロットが先陣を切ったか。

 

「簡単な話だ、シャルロット」

 

私の発言にシャルロット以外の三人が怯え始めた。まあ、仕方がない。次に何を言うのか分ってるからな。

 

 

 

「弟の恋路を邪魔するな」

 

 

 

シャルロットの目から光が消えたな。三人はもがき苦しんでいるが、理由が分からない。

 

「一夏と山田先生は恋人同士だという事は周知の事実だ。なのに、何故一夏を我が物とせんと過激な行動を起こす?」

 

「僕は別にそんなことは・・・」

 

「市街地でISを展開することが過激でなくて何と言う?」

 

「あれは一夏が変質者に・・・」

 

「いい加減、現実を見ろ」

 

「・・・」

 

シャルロットが轟沈した。どうやら目が覚めるまではまだ時間が掛かりそうだ。

 

「三人もそうだ。いい加減、地に足の着いた学園生活を送ったらどうだ?」

 

「わ、私達は地に・・・」

 

「現実を見てないお前達が地に足なんか着いてない。どこかに浮いてるようにしか見えん」

 

「わ、わたくし達は一夏さんと交流を・・・」

 

「理想像を押し付けるお前達が弟との交流を深めようしてるとは考え難い」

 

「あ、アタシは一夏が問題を・・・」

 

「問題を起こしてるのはお前達だ」

 

残りの三人も轟沈してしまった。ガールズトークというのが少しでも続ければ良かったが仕方がない。考える時間を与えるとするか。

 

「今後、どうするかはお前達自身で考えろ。自分の理想では無く現実を見据えて部屋に戻れ」

 

この四人は度々問題を起こす。それでも私は教師としての職務を果たす。たとえ、人を超えた力を手にしてもだ。

 

 

 

 

 

 

その後、私は浴場に浸かってないことに気付き風呂場に向かってるんだが・・・

 

 

 

貸し切りにつき、現在使用できません

 

 

 

おかしい。この時間はまだ、学園の貸し切りになってるはずだ。他の人が貸し切りにしてるはずがない。

 

「もしや・・・」

 

私は一抹の不安を抱え、スーツのまま浴場に入った。

 

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・あぁっ!」

 

「簪、次はどこを攻められたい?」

 

 

 

・・・最早、言葉は不要だ。

 

「次は・・・私の・・・」

 

「簪のどこだ?」

 

「まず、お前達の頭だ」

 

「「え?」」

 

二人の声が綺麗に重なったな。だが、私は容赦しない。

 

「この・・・馬鹿弟子がぁ!」

 

「「ふぎゃあぁぁぁ!」」

 

 

 

「私はお前達が付き合ってる事には異論はない。だが、淫行を許可した覚えはない」

 

私は二人を廊下で正座させ説教をしているが、ボーデヴィッヒは何故怒られているのか理解できていない。

 

「教官。恋人や夫婦は互いの体で愛を確かめたりはしないのですか?」

 

「クラリッサの情報か?」

 

「はい。クラリッサの情報は信憑性が高く、科学的根拠・・・」

 

「あいつの情報は当てにならん」

 

「何故、当てにならないと決めつけるのですか!?」

 

お前は人の愛し方を間違えてるぞ。

 

「他人の言葉に流されてるからだ」

 

「なっ!?」

 

「逆に聞くが、お前が更織を愛してるのはクラリッサの入れ知恵か?」

 

「違います!私は自分自身の意思で告白をしました!」

 

そういう素直でまっすぐな所は羨ましい。

 

「なら何故、クラリッサの情報を頼る?自分の意思で告白をしたのなら、自分の意思で互いの愛を築き上げないのか?」

 

「はっ!」

 

ただ、素直過ぎて変わった事をするのは玉に瑕だがな。

 

「お前達は付き合い始めて日は浅い。周りの世界に呑み込まれるかもしれない。だからと言って、二人だけの世界に籠るのは良くない。その線引きを考えながら、互いの愛を築き上げるんだ」

 

「分かりました」

 

「簪、頼みがある」

 

「は、はい!」

 

自分に話が振られずに済むと安心してたな。

 

「ボーデヴィッヒを部屋まで運べ」

 

「え?」

 

「あいつは正座に慣れてない。だから自力で部屋に戻る手助けをしろ」

 

「教官!私は・・・ぎゃっ!?」

 

ボーデヴィッヒが立ち上がろうとして倒れこんだ。私の勘は的中したな。

 

「ラウラ!大丈夫!?」

 

「大丈夫だ・・・逆立ちして行けば・・・問題ない」

 

「大いに問題がある。簪、ボーデヴィッヒを部屋まで運べ」

 

「は、はい!ラウラ、今は私に任せて」

 

簪はボーデヴィッヒを背負い、ボーデヴィッヒのナビを聞きながら部屋に向かった。

 

「今回の罰は無しにするか」

 

少しばかり甘くなってしまった。誰かに甘くなるなんて昔の私からは想像もできない変化だな。

 

「先生!」

 

「どうした谷本?」

 

「実はですね・・・」

 

 

その後、私は二人(一夏と山田君)が男湯に入った事実を確認し、山田君に有り難いお言葉を聞かせるべく教員室へ連行した。

 

「山田君。君は弟と淫行しなければ死んでしまう病気にでもかかっているのか?」

 

「あれは出来心というより、恋人の性と言いますか・・・その・・・」

 

完全に教師としての自覚がない。

 

「山田君。私達はIS学園の教師だ。弟と付き合ってる事に異論はない。むしろ、助けてくれた事に感謝している。だが、今回は教師としての自覚のなさが起こした行為だ。分かっているな?」

 

「あ、あの・・・もしかして・・・」

 

山田君の顔が青ざめているがそうだ。

 

「久々にIS学園の教師というものが何なのか、きっちり教育をさせよう」

 

私は山田君にIS学園の教師に必要な事柄をもう一度学習させた。どうやって学習させたかは想像に任せる。

 

それにしてもあの三人(相川、谷本、布仏)にはSHINOBIの才能がある。特に集団での情報収集に関しては長けている。鍛えるのも悪くないな。

 

 

 

 

 

「この様子だと、随分お疲れのご様子だな」

 

「三人にマッサージするのは意外と疲れるんだよ」

 

山田君との勉強会が終わり、私は弟と自販機の前で久々の会話をしている。

 

「お前は学園の生徒という自覚を持て」

 

「うっ!肝に銘じます・・・」

 

全く、これでは姉としての示しがつかないではないか。

 

「ところで千冬姉」

 

「織斑先生だ」

 

「悪い。いや、聞きたい事があってさ」

 

私に聞きたい事があるとは珍しい。

 

「何だ。言ってみろ」

 

「俺のISのコアって、千冬姉のをそのまま使ってるのかな?」

 

「どうしてそう考える?」

 

まあ、理由は大体の見当はつく。

 

「千冬姉と同じ武器を使ってるし、フォルムも似てて・・・」

 

「まるで、私の力に頼ってると言いたいのか?」

 

「何で分かるの?」

 

「こんなのは私が姉でなくても分かる悩みだからだ。答えを言うとするなら、その可能性は高い」

 

そんな事をするのは、束ぐらいしか思いつかない。

 

「じゃあ・・・」

 

「だからと言って、お前が落ち込む必要は無い。お前は今まで自分の意思でISに乗り、強くなっている。それは紛れもなくお前自身の力だ。昔みたいに周りに流され、それに恐れて強大な力を得た私に比べればお前はつよい」

 

「千冬姉・・・」

 

「逆に聞くが、お前は白式の力でどうしたいんだ?」

 

「俺は・・・皆の笑顔とか明日を守りたいかな」

 

「ほう、昔と変わらない内容だな」

 

「そうじゃないよ。俺がこうやっていられるのは真耶に千冬姉、マドカにクラスメイト達のお陰なんだ。それに昔は孤独から逃げる為に強くなって皆を守れば、俺を頼りにしてくれるって考えてたから。でも今は、皆がいるから俺がいて、互いに頼ってるから強くなれてる感じがするんだ」

 

「だからその恩を返すべく、皆の笑顔と明日を守ると?」

 

「ああ。本当はIS抜きで皆と楽しい学園生活を送りたいんだけどな」

 

その想いがあれば、お前は迷いはしない。

 

「でも、一人じゃどうにもならない事が・・・」

 

「安心しろ。私や山田君、マドカやクラスメイト達がお前に手を貸す」

 

「千冬姉。何だか昔と比べて丸くなったか?」

 

「そうかもな」

 

どうやら、自分の道を山田君と共に歩んでいるんだな。私はその道に入る事はできない。だが、姉として二人を見守るとしよう。

 

 

 

 

 

 

弟の悩みの種が無くなった事に安堵し、部屋の見回りを始めたが・・・

 

「マドっちが気になる男性が誰なのか聞いてみたら・・・」

 

「顔を赤くして暴れ始めたので・・・」

 

「三人で何とか抑えました・・・」

 

今度は妹の可愛い悩みを聞くことになった。

 

 

 

「その男とはいつ、どこで出会った?」

 

「編入して間もなく・・・一人でレゾナンスに行った時に出会った」

 

「その男の特徴は?」

 

「赤のロングヘアーでバンダナを巻いていた。あと兄さんぐらいの長身」

 

「その男と何をした?」

 

「会話をして・・・メアドを交換した」

 

「それ以降はどうした?」

 

「メールしたり・・・たまに会いに行ってた」

 

 

 

マドカの話を聞く限り、その男には心当たりがある。まあ、その男にマドカを任せても問題ないか。

 

それにしても・・・

 

「なぜ黙ってた?」

 

「話す必要が・・・ないと感じたからだ」

 

「ほう・・・」

 

「な、何だ!?」

 

今更だが、顔を赤くしながら答えるマドカはまだ乙女だな。姉としては嬉しい限りだ。

 

「マドカ、告白したのか?」

 

「こ、告白は!・・・・・・してない」

 

「「「へえ・・・」」」

 

「何故、お前たちが関心を持つ!?」

 

「いや~、マドっちの初恋を聞いてるとね~」

 

「何だか応援したくなって」

 

「マドカ、ファイト!」

 

「よ、余計なお世話だ!」

 

拳法を使ってるマドカからは想像もできないギャップだな。

 

「まあ、何だ。私から言える事はお前が一歩踏み出せばいい」

 

「何故、アドバイスをする!?姉さん、私は・・・」

 

「そうやって臆病風を吹くな」

 

「うぐっ・・・」

 

蒸気が噴き出そうな程、顔を真っ赤にしたままマドカを見て私は安堵している。このまま、幸せになってほしいものだ。

 

「ということだ。三人とも、マドカの事を頼んだぞ」

 

「「「はい!」」」

 

後の事を三人に任せた私はそのまま教員室に戻り、眠りにつく準備をした。

 

 

 

 

 

 

(今朝のウサ耳・・・束の仕業か)

 

今朝、一夏の連絡通り廊下にあったウサ耳は全力で海投げたから多分、どこかの沖にロケットが落ちたに違いないが・・・

 

嵐の前触れか?あいつがいると碌な事がない。このまま、無事に二日目も過ごせればいいんだが。

 

そのまま私は睡魔に身を委ね眠りについた。

 

 

 

 

 

 

朝を迎え、私は浴衣からジャージに着替えようと体を起こしたら・・・

 

山田君と一夏が破廉恥な就寝をしていた。

 

 

 

・・・よし、起こそう。

 

 

 

「ん・・・千冬・・・」

 

「目覚めのライジングスマッシュ!」

 

「「ぐはぁ!」」

 

こうして、私は二日目の朝を迎えた。




次回は箒の専用機登場と銀の福音戦ですが、重要なお話があります。



銀の福音戦は、一夏が福音に倒された後の展開はオリジナル展開になります。

その理由としては・・・

・箒達を助ける理由が見当たらない

・一夏がやたら無闇に力を求めてない

・マドカがいる

・千冬が人間を辞めている

特に二つ目の理由が大部分を占めています。

原作やアニメ、漫画を見ても一夏が力に固執している感じがし、転校当初のラウラと何ら変わりが無いという印象を受けました。

雪羅になった経緯もはっきり言えば分かりません。まるで力が欲しいという願望に応えた姿が「第二形態・雪羅」という印象です。作者の偏見が入ってるかもしれませんが。

人としての苦労や苦悩、ISに対しての姿勢など、一夏の人間性を掘り下げる描写が極端に少なく、このまま原作通りに話を進めてもパッとしない終わりを迎えるので、オリジナル展開を作るという決断に至りました。

「原作通りに進んだらどうなるんだろう?」と、期待していた読者の方々の期待を裏切る形となってしまい申し訳ございません。

「このオリジナル展開、都合良すぎだな」という感想を持つ読者も現れるかもしれませんが、この作品を温かく見守っていただければ幸いです。

長文となりましたが、この作品の応援をよろしくお願いします。



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