IS 一夏の彼女は副担任   作:陸のトリントン

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今回は山田先生ではなく、例の四人をピックアップした話になります。


第39話

「おりむー大丈夫?」

 

「あ、ああ・・・だ、大丈夫・・・」

 

千冬姉による公開処刑が終わり、俺はノックアウト寸前であった。まさか風呂場での出来事まで細かに報告するなんて思いもしなかった。

 

「織斑君、山田先生にあそこまでの事をしてたなんて・・・」

 

「織斑先生が心配するのも無理はないね」

 

相川さんと谷本さんが千冬姉に同情するも、俺と真耶の熱愛ぶりに少し顔を赤くしている。

 

「これで兄さんと山田先生の付き合いが改善されれば、妹として安心できる」

 

「何でマドカが安心するんだ・・・」

 

「これ以上、睡眠を妨げられたくないからだ」

 

とりあえず、マドカに下心は無いみたいだ。

 

「そういえばマドカは彼氏と上手く付き合ってるのか?」

 

「その事だが、夏祭りの時に姉さんに成敗されてそれっきりなんだ」

 

弾・・・お前の事は忘れないからな。

 

「それにしても、このクラスだけで三組もカップルがいるなんて。私も恋人が欲しいよ」

 

「でも、織斑君とボーデヴィッヒさんの付き合いはちょっとね・・・」

 

相川さんの愚痴に谷本さんは俺とラウラのを引き合いに出したが、そんなに淫らだったのか?

 

「おりむーは知らないと思うけど、学園内で一番熱いカップルはラウランとおりむーのどっちなのか議論されてるんだよ~」

 

「私がどうした?」

 

「ラウラ・・・」

 

噂をすれば影だ。

 

「一夏。実は相談がある」

 

「相談?」

 

ラウラが俺に相談事なんて、一体何だ?

 

「おお~!ラウランがおりむーにお悩み相談とは~!」

 

「一体どんな相談何だろう?」

 

「何か・・・嫌な予感しかしない」

 

のほほんさんと相川さんとマドカは物凄く期待を寄せているが、谷本さんはあまり良い顔をしてなかった。

 

「この相談はお前だから出来る相談だ。だから、真剣に答えてもらう」

 

「俺でよければいいけど。相談って?」

 

「ああ・・・」

 

 

 

 

 

 

「どうすれば、恋人と一線を越えることができる?」

 

 

 

 

 

 

その質問はさすがに答えたくない。

 

「ラウラ、それって・・・」

 

「お前は夏休みの間に何度も恋人と一線を超えている。そんなお前だからこそ聞きたいんだ。私はどうすれば簪と一線を越えることが・・・」

 

「する必要はない」

 

「教官!」

 

こういう話をすると、決まって千冬姉がどこからか現れる。

 

「ボーデヴィッヒ。恋人同士の付き合い方を愚弟に聞くな」

 

「ですが、恋人との一線を越えている二人から・・・」

 

「お前は先の授業で何を聞いていた?あんな付き合いをすれば、破局が待っているぞ」

 

「愛というものは時に奇跡を・・・」

 

「ふんっ!」

 

「ごふっ!」

 

ラウラの世間ズレの発言に千冬姉はお得意のボディーブローをかました。完全に体罰ですよ。

 

「こいつは口で言っても分からないからな。こうでもしなければ」

 

喋りが教師の口調じゃないよ、千冬姉。

 

「それと織斑。お前の新しいルームメイトが決まった」

 

「新しいルームメイト?」

 

そういえば、臨海学校から一人で生活してたから何だか嬉しいな。

 

「一応言っておくが、山田先生ではないからな」

 

知ってても、それを言われると心が傷つくよ。

 

「お前の新しいルームメイトはマドカだ。ちゃんとした生活を送れ」

 

「最後の一言は余計だと思うんだが・・・」

 

「返事は?」

 

「は、はい・・・」

 

完全に俺の話を聞く気が無いよ。

 

「それと、ISの訓練はマドカと相川と谷本と布仏の四人で行え」

 

訓練はマドカと相川と谷本と布仏の四人で・・・え?

 

「ちょっと待ってくれ!真耶は・・・」

 

「山田先生だ。これ以上、名前で言うと口を縫い合わすぞ」

 

「脅迫ですよ、織斑先生・・・」

 

おまけに剣狼を構え始めないで。

 

「山田先生との特訓でお前が技術面と精神面で著しい成長を遂げたのは誰の目で見ても分かる。そろそろ、独り立ちする時ではないか?」

 

「山田先生に一度も勝っていない俺が独り立ちって・・・」

 

「言っておくが、山田先生は教師の中でもトップクラスの実力を持っている。山田先生の特訓を受けたから、彼女に勝てるなど思うな」

 

とりあえず、千冬姉に勝てる人は地球にいないと思う。

 

「それに、山田先生の所を離れてISの訓練をすれば何か新たな成長に繋がるヒントが見つかると思ってな」

 

「本当は?」

 

「教員の暴動を未然に防ぐための処置だ。教員達によって、学園がいつ崩壊してもおかしくない状態だからな」

 

どんな状態なんですかそれ・・・

 

「とにかく、山田先生の特訓は終わりだ。いい加減学園内で山田先生に甘えるのをやめろ。他の教員達がいつ暴走するのか分からない状況なんだ。」

 

「いや、夏休みに・・・」

 

「夏休みの合コンでカップルが成立した教員は、ほんの一握りだ。このままだと学園の風紀が崩壊し、『恋愛パンデミック』になりかねない」

 

何、ゾンビ映画でも採用されない名称は。

 

「それを防ぐためにも、織斑はマドカを含めた三人と訓練をしろ」

 

言うのが面倒になって纏めちゃったよ。

 

「姉さん。流石に私を含めた三人と言うのはどうかと・・・」

 

「そうだな。SHINOBIの・・・」

 

「それはやめてくれ」

 

結局、「千冬四天王」と言う訳の分からない名称で落ち着き、今日の放課後から四人と一緒に訓練を始めることにした。真耶はその事を千冬姉に言われ、大粒の涙を流しながら千冬姉に抗議したと言う。千冬姉・・・真耶を泣かさないでよ。

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

放課後

 

第一アリーナ

 

「おりむー、よろしく~!」

 

「織斑君、やさしくしてね?」

 

「最初からハードなのはやめてね?」

 

真耶と一緒に夜を過ごしたのかどうか分からないが、三人(布仏、相川、谷本)の台詞がいやらしく聞こえてしまう。

 

「どうやら兄さんは山田先生と一緒にいたせいで、三人の台詞がいやらしく聞こえてしまうみたいだ」

 

「どうして、考えてる事が分かるんだ?」

 

「出まかせで言ってみたが、どうやら本当の事みたいだ」

 

はめられた!?

 

「そうなの~。ちょっぴりショック・・・」

 

「仕方がないよ本音。織斑君が強いのは、山田先生の特訓のお陰なんだから」

 

「それに山田先生の愛の力で、織斑君の専用機は白騎士になったし・・・」

 

「まさに、まーやんだけの白い騎士なんだよねおりむーは・・・」

 

三人が物凄く落ち込んでるよ。うわぁ、大丈夫かな?

 

「だから兄さんに、ちゃんとした学園生活を送らせるために織斑先生に託されたのではないか」

 

マドカ・・・ちゃんとした学園生活を送ってない生徒なら一組だけで三人はいるよ。

 

「でもねマドっち。まーやんの愛で作られた白騎士を駆けるおりむーに戦えって言われても勝てる気がしないよ~」

 

「では、兄さんに三人で戦ってみればいい」

 

「マドカ、いくら何でも・・・」

 

「兄さんはお前達三人を見下してるぞ。姉さんは三人の連携を高く評価していたが・・・何かの間違いか?」

 

マドカは三人を鼓舞させるために、敢えて挑発をしてるけど効果は・・・

 

 

 

「そうだね・・・ここで諦めてどうするの!」

 

「ハンドボールでの特訓の成果を見せないと!」

 

「何だか分からないけど、力が込み上がって来る様な気がするぞ~!」

 

 

 

物凄くあるようだ。

 

「兄さんは一人で三人を相手してくれ」

 

「マドカはどうするんだ?」

 

「私はラファールに乗って、試合鑑賞でもする。どうも、昔の癖が出てしまうんだ」

 

ISに乗ったまま、指で切り裂こうとするんですね。分かります。

 

「さあ、三人揃えば文珠の知恵!織斑君、覚悟してよね!」

 

相川さんの掛け声と共に打鉄を纏った三人が武器を構え始めた。

 

「のほほんさん以外はライフルか・・・」

 

「私ね~射撃は全然ダメなの~。でもね、手加減しようとすると痛い目を見るよ~」

 

つまり、最初から全力で向かってくるという事か。

 

「なら、こっちは全力で行かせてもらうからな」

 

俺は雪片弐型を握り、スラスターを強く吹かせた。

 

「うおぉぉぉ!」

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

「いや~負けちゃったよ~」

 

「ぶっつけ本番での連携攻撃はちょっと無理があったかな」

 

「それにしても白騎士は強いよ。打鉄の攻撃が当たっても全然ビクともしないよ」

 

戦いの結果は俺の圧勝だった。

 

俺の実力以前に性能に大きな差がありすぎた。機動力や火力など、特殊兵装を持たない打鉄では荷電粒子砲とバリアシールドを兼ね備えた白騎士には敵わないことが分かった。

 

それでも、性能差を埋めようとジェットストリームアタックもどきを繰り出して、俺に一撃を与えたのは素直に凄い事だと思う。

 

「三人共、よく頑張った」

 

「マドカは何をしてるんだ?」

 

「決まってるだろ。ISに馴染むよう、体を動かしてるだけだ」

 

だからと言って、ISを装着したまま逆立ち腕立てをするのはどうかと思う。

 

「俺の特訓より、マドカをどうにかした方がいいな」

 

三人も俺の言葉に無言で頷いてくれた。

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

その後、四人の訓練は夕食の時間帯になるまで続けた。のほほんさんと相川さんと谷本さんの連携はたった二、三時間でかなり良くなった。3on3の対戦が無いのが悔やまれるが、三人の連携攻撃は意外と侮れない。のほほんさんは近距離での戦いに、相川さんは中距離、谷本さんは遠距離に長けており、この三人の息の合った連携攻撃が繰り出された時は避けるので精一杯だった。確かに、千冬姉が目に置くのも納得がいく。

 

だけどマドカ。武器を持たずに、素手で戦うのはやめてくれないか。兄として一抹の不安を感じるから。

 

「ふぅ・・・疲れたな」

 

「兄さん。そんなので疲れたと言うが、私は疲れてないぞ」

 

「マドカ、これが普通だと思うんだが・・・」

 

「これが普通なら、周りは体を鍛えなさすぎだ」

 

いや、マドカの方が鍛えすぎだと思う。

 

「それにしても、お腹が空いたよ。冷蔵庫に何かあったか?」

 

「ナポリタン二人前なら何とか作れるから」

 

「そうか。今更だが、今日からよろしく」

 

そうだった。今日から俺の部屋にマドカが来るんだった。忘れてたよ・・・

 

「そういえば、マドカの荷物はどうするんだ?」

 

「後で部屋から持って来る。その前にお腹が空いたから、食べてからにするよ」

 

「分かった。早急に運べるよう、直ぐに作り始めるから」

 

「ありがとう」

 

マドカに感謝されつつ、俺達は部屋の前に着いた。

 

「二学期初日から騒がしがったけど、何とかなるか」

 

あの四人が何をしでかすか分からないが、俺はドアを開け・・・

 

 

 

「お帰りなさい。ご飯にします?お風呂にします?それともわ・た・し?」

 

 

 

裸エプロンをした・・・

 

 

 

「兄さん。こいつは『自称最強の生徒会長』を名乗る、負け犬の楯無だ」

 

「負け犬じゃないから!」

 

 

 

マドカの台詞で額に怒りマークが浮かんでいる生徒会長が目の前にいた。




次回は「IS 一夏の彼女は副担任」を中断し、

「インフィニット・ストラトス ブリュンヒルデの大逆襲」

を、お送りします。

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