甘々に書こうとしたら、中途半端にシリアスが入ってしまいました。
ここ最近、話が甘く書けないです。
まあ、お見舞いを甘く書こうとするのがおかしいと思いますが。
私、山田真耶はオルコットさんとの試合で怪我をしてしまい、入院をしています。
4日後に退院を控えていますが・・・
「うーん・・・これかな?」
入院生活は退屈です。クロスワードで時間を潰してはいますが、一夏君が傍にいないのかすごく寂しいです。オルコットさんや一組の皆がお見舞いに来てる中、一夏君は来てない。
「一夏君・・・ちゃんと授業受けてるかな?って、昔の一夏君じゃないから大丈夫かな」
授業をサボって喧嘩や修行に明け暮れて、何度も学校から呼び出された事があったな。
「でも今は、授業をサボってでも私の傍にいて欲しいな」
最近は仕事で一緒にいられなかったり、織斑先生やマドカさんが止めに入ったりして一緒にいる時間が1学期より少なくなっている。確かに、私と一夏君の付き合い方にはちょっと問題はあるけど・・・
「一夏君に会いたいよぉ」
枕に顔をうずめる程、一夏君に会いたい。
・・・・・・
お昼になり、病院食を食べながらワイドショーを見てるけど・・・
「一夏君・・・」
一夏君のお弁当が食べたい・・・
「ダメダメ!こんな暗い考えを持ってはダメ!今は体を休めて、治療に専念しないと・・・でも寝たきりなのはツライかな」
点滴は打たれてないし、傷もそんなに深くないから、クリームパンでも買いに行こう。そう思い、ベットから降りようとした時だった。
「よいしょっと・・・きゃあっ!」
寝たきりだったのか、うっかりバランスを崩してしまった。私はこのまま顔を床にぶつける・・・
「真耶、大丈夫!?」
ことは無かった。一夏君が私を支えてくれたお陰で床に・・・一夏君?
「え!?一夏君!」
「何で驚くの!?」
「だって、さっきまでいなかったから・・・」
「今さっき入って来たら、真耶が倒れそうになったから駆けつけただけだよ。それより怪我の方は大丈夫?」
「大丈夫。一夏君が・・・私の胸を掴んで支えてくれたお陰で・・・」
私は顔を赤くしながらお礼を言った。何度も一夏君に胸を触られたり、掴まれてるのにドキドキしちゃう。恋人だからかな?
「えっ!?ああっ!ご、ごめん!」
「謝らなくていいよ。一夏君に胸を掴まれるのは嫌じゃないし。好きにして良いぐらい触ったり、揉んでもいいから・・・」
「い、良いの?」
「恋人と肌を触れ合えるの嫌いじゃないから」
自分でも何を言ってるのか分からない。でも、一夏君と二人きりの時はそんな事をされたいな。
「じゃ、じゃあ・・・」
「それは二人きりになれたらね。病院だから、他の人達の迷惑になるし」
「あ、ああ。じゃ、じゃあ、退院したら真耶と一緒に行きたい所があるからその時で良いかな?」
「いいよ」
デートの約束はできたけど、ちょっと慌ててる一夏君って可愛いな。
「そういえば、真耶はどこに行くんだ?」
「ちょっと甘いものが食べたくて、クリームパンを買いに行こうかと」
「一緒に行こうか?」
「断る理由があると思う?」
「無い!じゃあ一緒に行こう」
「うん」
一夏君と久々のお買い物。病院だけど二人きりでいられるのは嬉しいな。
・・・・・・
二人で手を繋ぎ、売店に向かってるけど・・・
「ねえ、一夏君」
「どうしたんだい?」
「どうして、私を見て落ち込んでるの?」
一夏君が何か隠してる。
「真耶には何もかもお見通しなんだな。困ったよ、ははは・・・」
「一夏君・・・」
明るかった一夏君は表情が少し暗くなり、心の内を明かしてくれた。
「真耶を二度も入院させて、俺はちゃんと強くなってるのかな。臨海学校の時に真耶を守れて凄く嬉しかった。俺はちゃんと強くなったんだ。真耶を守れる力を手に入れたんだって。でもセシリアとの決闘の時、俺は何も出来なかった。いや、心のどこかで真耶が勝つと思っていた。でも、現実は・・・」
「一夏君、それは違うわよ」
「・・・真耶?」
「オルコットさんは自分の気持ちにケジメを着けたかっただけなの。決闘の勝ち負けじゃなくて、自分の気持ちを一夏君に見せたかっただけなの。だから今回の戦いの怪我は一夏君のせいじゃないの。それに昔のことは振り返らなくて大丈夫よ。私は大丈夫だから」
「真耶・・・」
私は髪をあげて額を一夏君に見せつけた。
「怪我の痕はないから、心配しなくていいよ」
「ありがとう」
二年前、一夏君が誘拐犯に止めを刺そうとした時、私が誘拐犯を庇って頭に怪我をしてしまった。その時の傷は無いけど、一夏君は今でもその傷の事を気にしている。二度とそんなことが無いよう戒めるためにだと思う。でも、一夏君はそんなことをしなくて良いと思う。自分と向き合って、笑って、楽しんで、恋をして、成長する。そういうのが人を強くさせると信じてるから。
・・・・・・
「良かったね一夏君。クリームパンが残ってて」
「ああ。クリームパン以外のパンが売り切れてたのは残念だったけど」
売店にあったクリームパンを買って病室に戻った私は袋から取り出し、クリームパンのクリーム部分に張られているフィルムを剥がして食べる準備ができたけど・・・
「ねえ、一夏君」
「どうしたんだい?」
「私、一夏君に食べさせて欲しいな」
そう言って、私はクリームパンを一夏君に渡した。
「どうやって食べさせて欲しい?」
「何でもいいよ」
「じゃあ、あーん」
一夏君は綺麗にクリームパンをちぎり、その欠片を私の口に近づけた。
「あーん」
私はドキドキしながらそのクリームパンを・・・
「「「「じーーーー」」」」
「「うわっ!」」
味わえませんでした。
「おりむーとまーやんからは目が離せないな~」
「いやぁ。二人の熱々な昼食が見れそうだったのになー」
布仏さんと相川さんが物凄く悔しい表情で私を見ている。
「こーら、二人共。それを見るために来たわけじゃないでしょ」
「兄さん・・・こんな所で破廉恥な事をするようになったのか」
谷本さんとマドカさんは呆れた表情で私達を見ている。
「あの・・・どうして皆さんが?」
「織斑君が山田先生といると何か良からぬ事をすると織斑先生が言うので・・・
「尾行したら案の定、兄さんは淫らな事を・・・」
「ちょっと待てマドカ!俺は淫らな事なんて一つもしてないぞ!」
「しようとしてた所か」
「だがらしないって!」
「織斑君。マドカがそこまで言う理由分かるかな?」
「え?・・・いや、分からないけど」
一夏君の答えに谷本さんは何故かため息を吐き、マドカさんが心配する理由を話した。
「山田先生が入院してから物凄く落ち着きがなくて、授業中も上の空。放課後もISの練習を中止して、山田先生の所に行こうとしてマドカに懲らしめられる」
「恋人が入院したと聞いて慌てる気持ちは分かるけど、もうちょっと周りの事を気にして欲しいよ」
「恋は盲目。だけど限度を知って欲しいな〜」
「・・・すいません」
谷本さん、相川さん、布仏さんの言葉に一夏君は謝る事しかできなかった。でも、そこまで私を心配してくれたのは嬉しい。
「兄さんが謝罪した所で帰るか。もうすぐ予鈴が鳴る頃だ」
「もうそんな時間か?まだ三十分も・・・」
「ここから教室まで三十分は掛かる。全速力で走って行くわけにもいかないだろ。もしや、授業をサボる訳ではないだろ?」
マドカさんの言葉に、一夏君は図星を突かれたのか視線を斜め上に逸らす。
「一夏君。私を心配してくれるのは嬉しいけど、授業にはちゃんと参加して」
「分かってるさ。ただ、真耶ともう少し一緒に・・・」
「兄さんはずっと山田先生と一緒にいるだろ。ここまでくると、兄さんの尊厳を無視しても武力鎮圧をしないといけないな」
「マドカは落ち着いて。織斑君が暴走しない様に私達四人がいるじゃない。山田先生、早く体を治して元気な姿で戻って来てください」
相川さんの言葉で落ち着いたマドカさんは、一夏君を引っ張る形で部屋を出て行った。
「一夏君。四人と仲良く学園生活を送ってて良かった」
弾君と鈴音さん以外に仲の良い生徒がいなかった昔とは違って、四人と仲良く学園生活を送っていて嬉しいけど・・・
「クリームパンの所は見て欲しくなかった」
私は顔を赤くしながらクリームパンをかじり、その日のお昼を過ごした。
次回は、ラウラと簪の宿泊デートを執筆する予定です。
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