IS 一夏の彼女は副担任   作:陸のトリントン

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ラウラと簪のデート回です。

中々モチベーションが上がらず、書くのに苦戦しています。


第48話

揺れる電車の中、私は一泊二日と書かれている旅行チケットを眺めている。そう・・・このラウラ・ボーデヴィッヒは簪と「お泊りデート」の最中だ!

 

山田先生から頂いたチケット。一夏と一緒に行きたかったであるにも関わらず、私に譲ってくれた寛大な処置に感謝しなければならない。

 

「ラウラ、どうしたの?」

 

「いや、お前と二人きりで泊まりに行けるのが嬉しくてな。少し、気持ちが高ぶってしまった」

 

「私も・・・同じ気持ちだから、その・・・いっぱい楽しもう」

 

「ああ」

 

それにしても、嫁の服のセンスには脱帽する。

 

デニムのショートパンツに黒のシャツ。灰色の上着に黒のキャリーバックの私に対し、嫁の服はオレンジに白の花柄ワンピースと赤いリボンが巻かれている麦わら帽子と旅行カバン・・・・・・これが女子力というものなのか。

 

「ラウラ・・・暑くないの?」

 

「いかなる環境でも最大限の活動をするのがプロの軍人だ」

 

「でも・・・」

 

「安心しろ。旅館に着いたら、お前と一緒に着たい服がある」

 

「一緒に着たい服?」

 

「それは旅館に着いてからのお楽しみだ」

 

そうだ。クラリッサに協力を仰いぎ、通常の流通ルートでは入手できない服を手に入れた。これで、二人で思い出の夜を作り上げる!

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

「さて、目的の駅に辿り着いた」

 

「日差しが強い・・・」

 

目的の駅に辿り着いたが、かなり殺風景だ。車はそこそこ走っているが、町並みは古いと言ったものだ。都心みたいな最先端技術が使われているわけでもなく、建物が建っているだけ。人の通りは少なく、遠い所では畑らしきものが見える。これが日本の田舎というものか。だが、都心や基地で生活していた私には新鮮な風景だ。

 

「ラウラはこういう場所・・・初めてなの?」

 

「初めてだ。だから、全てが目新しく見える。それに、都心と違って空気が少し綺麗な感じがする」

 

「確かに・・・」

 

こういうのも含めて日本の田舎は目新しいモノが多いな。

 

「ラウラ・・・その・・・お腹が空いちゃった」

 

「ちょうど近くに店がある。そこで食べるとしよう」

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

店に入って「SOBA」と言うものを頼んで食べているが・・・

 

「どうしたの?」

 

「簪、何故音を立ててSOBAを食べる?」

 

私は麺を噛んで食べているが、周りは音を立てながらすすって食べている。学食でもそうだが、音を立てて食べるのはマナー違反ではないのか?軍のパーティーで音を立ててパスタを食べる人など見た事ない。いたら、白い目で見られるからな。

 

「そういう食べ物だけど・・・」

 

「そういう食べ物なのか!?」

 

「うん」

 

音を立てて食べても良いモノがあるとは・・・恐るべし、SOBA!

 

「音を立てずに食べるのは・・・変じゃないから」

 

「そ、そうか・・・」

 

茶道部に入っているにもかかわらず、この様な事も分からなかったとは!

 

「そ、そんなに落ち込まなくて・・・いいから。誰だって分からない事はあるから。わ、私だってラウラに・・・されて・・・気持ちの良いものだなんて・・・し、知らなかったから」

 

「そう・・・なのか?」

 

「う、うん。だから・・・旅館に着いたら・・・また、やって欲しい。お姉ちゃんもいな・・・」

 

「分かった。それは約束する」

 

嫁の言葉で立ち上がった私は即座にSOBAに口を運んだ。

 

「あ!あんまり早く食べたら・・・」

 

「んぐっ!?」

 

早々に喉を詰まらせた。

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

「ラウラ、大丈夫?」

 

「ああ。私としたことが少し早急になっていた」

 

お店を出たのは良いが、嫁に二度も失態を晒すとは。

 

「大丈夫だから。まだ・・・お昼だし」

 

「そうだったな。旅館はそれほど遠くないから、少し・・・ん?」

 

私は商店街に向かおうとした時、あるモノが目に映った。

 

「にゃー」

 

白猫と黒猫だ。

 

「こんな所に猫が二匹いるとはな。簪、猫は好きか?」

 

私は軽い気持ちで猫の好みを聞いたが・・・

 

「その、私・・・猫アレルギーなの」

 

愚かな事をしてしまった。私は嫁の弱点を知らずに突いてしまった。これでは、クラリッサに頼んでおいた服が着れないではないか!

 

「ら、ラウラ!?」

 

「だ、大丈夫だ。ただ、猫アレルギーである事に驚いて」

 

「ご、ごめん。ラウラに教えてなくて」

 

「いや、嫁が謝る事ではない。これは事前に情報収集をしなかった私に問題がある」

 

もっと簪の事を調べるべきであったかもしれない。

 

「そんなに落ち込む必要は無いから。それに猫アレルギーだけで、猫が嫌いと言う訳じゃないから」

 

「そうなのか?」

 

「う、うん。だから、ラウラが用意してた猫の衣装・・・楽しみにしてるから」

 

「な、何故知っている!?」

 

あれは嫁に気付かれぬよう極秘裏で行っていたはずなのに!?

 

「前日の夜、キャリーバックから猫耳が出てたから」

 

「な、何・・・だと!?」

 

何たる不覚!

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

今日の私は多くの失態をしている。

 

SOBAに衣装。旅館ではタンスに小指をぶつけるなど、軍人として恥じるべき事をしている。どうしたんだ私。いつも通りの行動ができないのはどういうことだ?

 

「ふう・・・」

 

と、風呂で考えても答えが浮かばない。このままだと夜も何かやらかすのではないかと思うと落ち着かない。どうすればいい?

 

「少しのぼせたか・・・あがるか」

 

私は夜風を浴びようと風呂からあがり、浴衣を着ようと居間に向かった。まだ、ここのディナーを食べていなかったな。それに猫の衣装は簪が風呂に入ってる間に厳重に保管してあるから問題は無い。

 

「簪。今、風呂からあが・・・」

 

 

 

「にゃ・・・にゃあ・・・」

 

 

 

そこにいたのは、猫耳を付けた嫁だ。隠すべき所は最小限の面積しかない水着で隠し、見えそうで見えないギリギリのラインを表現。手足には肉球グローブを装着。猫の尻尾は水着に装着されている。そして嫁の首には、鈴の付いた首輪がある!クラリッサが何故か息を荒げながら説明してくれた猫の首輪。

 

ば、馬鹿な!?あれらの衣装は厳重に保管していたはずだ!

 

「な、なぜ・・・それを・・・」

 

「鍵が開いてたから・・・にゃあ」

 

「うおぉぉぉ!」

 

「ラウラ!?」

 

私は両ひざを着き、己の不甲斐なさを後悔していた。この様な初歩的なミスを犯してしまうとは!

 

「私は・・・軍人失格だ・・・こんな初歩的なミスをしてしまうとは・・・」

 

「そんなことない。だから・・・」

 

「慰めなくていい。認めたくないものだな・・・自分自身の若さゆ・・・」

 

「分かった・・・もう、慰めない」

 

ああ、慰めなくていい。今の私に慰めは・・・

 

「その代わりに私を頼って」

 

「・・・何?」

 

「ラウラ・・・いつも一人でこなそうとする。だから・・・私を頼って欲しい」

 

「しかし・・・」

 

「何でもいい。何でもいいから・・・」

 

確か、クラリッサの情報だとそういう言葉にはこう返すんだったな。

 

「今、何でもと言ったか?」

 

「うん」

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

「ふぅー。たまには、こういう静かな所でリフレッシュするのも悪くないわね」

 

「そうだね。かんちゃんも来ればよかったのにね。かいちょ~」

 

「簪ちゃんはラウラちゃんと一緒に朝からどこかに行っちゃてそれっきりなの」

 

「じゃあ、かんちゃんの分ものんびりしないとね~」

 

本音と一緒に温泉旅行は、初めてだったけど結構楽しいものね。簪ちゃんはラウラちゃんと一緒にどこかに言ったのが気がかりだけど、今はのんびりしないと。

 

「そういえば本音。織斑君のマッサージが物凄く良いって聞いたけど」

 

「うん。おりむーのマッサージは凄く良いよ。プロ顔負けの腕前を持ってるって断言できるよ~」

 

「あら、そうなの。なら今度、マッサージしてもらおうかしら?」

 

「良いと思うよ~。マッサージしてもらうと・・・」

 

『はぁ・・・にゃっ!』

 

「・・・みたいに~」

 

何か色っぽい声が聞こえたような・・・

 

『にゃ・・・にゃあんむっ!』

 

「・・・でね~」

 

「本音待って」

 

「どうしたの?」

 

「静かにして」

 

会話を打ち切られて首を傾げる本音を静かにさせた後に聞こえた音は・・・

 

『ラウラ・・・はぁ・・・もっと・・・躾けて・・・』

 

「「!?」」

 

その後、女将を呼んでラウラちゃんと簪ちゃんを別離させるのに10分も掛からなかったけど・・・

 

 

 

「ラウラのマッサージ・・・はぁ・・・最初痛かったけど・・・はぁ・・・段々・・・頭がぽわぽわして・・・体がきゅんきゅんするの・・・はぁ・・・はぁ・・・本音も受ける?」

 

 

 

汗だくで意識がもうろうとしている簪ちゃんを見て、私と本音は中々寝付けませんでした。




この話を書き終えて気付きました。

この二人で甘く書くのは無理があると。

どんなに構想を練っても、アブナイ展開しか思いつかない。

次回は、学食での出来事を書く予定です。

ご意見、ご感想、お待ちしております。
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