IS 一夏の彼女は副担任   作:陸のトリントン

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皆さん、お待たせしてすみません。

個人的な事情が無いにも関わらず、一か月半以上かかってしまいました。

それでも執筆し続けますので、応援よろしくお願いします。


第56話

食欲の秋(?)を妹に見せしめられた朝食を終え、授業を受けたが・・・

 

「織斑先生。腹痛を起こしたので保健室に行きます」

 

「食い過ぎだ!馬鹿者!」

 

マドカは千冬姉の鉄拳を早々に喰らいました。

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

午前 教室

 

「いやぁ。授業開始早々、織斑先生の雷におりむーが巻き込まれるなんてねぇ」

 

「痛ぇ・・・」

 

机でうつ伏せになっている俺を横で他人事のように千冬姉の鉄拳制裁をのほほんさんは語っているが、本当に落雷に巻き込まれて、ちょっとの間だけ気を失ってしまった。気を取り戻した時にはマドカの姿はなかったけど、一体どうやって天井から雷が降って来るんだ。

 

「マドカは保健室送りになったけど、これで少しは『普通の女の子』に戻ってくれたらいいけどね」

 

「それで戻ったら何の苦労もしないんだが・・・」

 

「そういう所は私達に任せて。織斑君より女心は理解してるつもりだから」

 

相川さんと谷本さんは自信気に言っているが、俺にはマドカが普通の女の子に戻る姿が想像できない。

 

「次は山田先生の授業だったね」

 

真耶の名前を聞いた途端、落雷による体の痛みが消え去るかのように体を起こした。

 

「え?真耶の授業は明日じゃないのか?」

 

「先生の体調不良で急遽、山田先生の授業に変更になったって織斑先生が・・・って、先生の落雷で気を失ってる間に言ってたんだっけ」

 

相川さんが苦笑いしつつ説明をしてくれたけど、真耶の授業と聞くだけで気分が高まる。

 

「それにしてもあの落雷を受けても山田先生の名前を聞いた途端、元気になるね」

 

「おりむーにとってまーやんは、心と体の癒しみたいなものだからね~」

 

「そういうのが愛の力というものなか」

 

三者三様に俺と真耶の恋仲について語っているけど、聞いている方は恥ずかしいけど。

 

「マドカがいない教室って・・・何か不自然さを感じるな」

 

「「「え?」」」

 

三人は開いた口が塞がず、俺を見つめ返した。

 

「何で三人の口が揃うんだ・・・」

 

「いや、だって・・・」

 

「今まで不自然な事なんて・・・」

 

「たくさん起こってたのになぁ・・・」

 

本音の言う通りだけど、不自然な事を起こす姉と妹を持ってると慣れてしまうんだ。

 

「皆さん、授業を始めますよ」

 

「真耶!」

 

そんな事を忘れ飛ばすかのように真耶が教室に入って来た。

 

「い、一夏くん!?どうしたの、突然立ち上がって私を呼ぶなんて?」

 

「あ・・・いや、あはは」

 

我ながら恥ずかしい事をしてしまったと反省と後悔をしている。

 

「授業が始まるから席について。後、授業が終わったら少し話があるから」

 

「分かりました」

 

「それじゃあ、授業を始めます。教科書の・・・」

 

その後は何事もなく授業は進んで行った。いつもならマドカと千冬姉の組手(?)が授業内に行われてしまうのだが、マドカが教室にいないので平穏である。そのお陰で真耶の授業に真剣に取り組めて、真耶の笑顔をいつも以上に見れる。

 

「一夏君、どうしたの?」

 

「真耶の顔をずっと見れて幸せだなって」

 

「ふふ。そう思ってくれるなんて私は嬉しいよ。じゃあ、この問題解いてみて」

 

「ああ・・・って、え?」

 

真耶の笑顔から視線を移し、黒板に書かれた問題を読み上げた。

 

「えっと・・・瞬時加速(イグニッションブースト)を使用した際、ISで最も負荷が掛かる部分と理由を。また、その負荷を軽減するにはどのようにすればよいのか」

 

真耶の笑顔で見惚れてたせいで、足元をすくわれることになるなんて・・・というより、真耶が厳しいのは気のせいか?

 

「専用機を持って、私の特訓を受けてるから大丈夫でしょ?」

 

気のせいじゃない。とにかく問題には答えたいけど・・・

 

「えっと・・・」

 

真耶の笑顔に目が奪われてしまう。

 

「一夏君?」

 

笑顔で詰め寄って来るけど・・・

 

「真耶・・・」

 

自然と顔が真耶の顔に・・・

 

「織斑、少し寝てもらおうか」

 

俺の頭上に鋭く鈍い衝撃走り、目の前が真っ暗になった。

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

昼休み 食堂

 

「兄さん。その頭はどうしたんだ?」

 

「授業中に頭に強い衝撃が走ったんだけど・・・その辺りの記憶があやふやなんだ。気付いた時には、授業は終わってたんだ」

 

「全く持って原因が分からない。兄妹揃って今日は不思議な事が起こる」

 

「ああ。全くだ」

 

原因が兄妹自身である事に気付かず、二人は食事をするのであった。

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

午後 第一アリーナ

 

午後の授業はアリーナでISの実技授業を行っているが、真耶の様子がおかしい。朝はいつものように明るかったのに、授業が始まってから俺から遠ざかろうとしている。授業までの間に真耶の身に何かあったのか?うかうか考えても仕方がない。今は千冬姉の授業に集中して取り組まないといけない。

 

「これより、実戦形式での訓練を行う。誰か立候補はいないか?」

 

今回から実戦形式での訓練が始まる。打鉄とラファールで3分間戦い、エネルギーシールドの残量で勝敗を決するというルールで行われる。専用機持っている俺達は、エネルギーシールドが50消費したら負けというハンデ付き。流石に専用機持ちにハンデを付けないと・・・

 

「「はい!」」

 

「ボーデヴィッヒ、マドカの二人か。他に立候補はいないか?」

 

ハンデが無意味な試合が始まろうとしているよ。

 

「ボーデヴィッヒ。分かっているだろうが、シールドエネルギーが50消費された時点でお前の負けだ」

 

「はっ!」

 

別の意味で分かっていない気がする。

 

「二人共、ISを装着しアリーナ上空で待機しろ」

 

マドカは打鉄を装着し、黙々と手足を動かして調子を見ていた。

 

「マドカ、頑張って!」

 

「ボーデヴィッヒさんに負けないでね!」

 

「ああ」

 

生徒達の応援に笑みをこぼすマドカを見て、娘の成長に感動する父親の気持ちが少しだけ分かった。

 

「ラウラ様、ご武運を!」

 

「勝利の女神はラウラ様に微笑んでくれるに違いありません!」

 

「ふっ・・・良い仲間を持ったものだ」

 

生徒達の応援に笑みをこぼすラウラを見て、何かとんでもないことが起こりそうな予感が・・・って、ISを装着していない。

 

「優秀な副官の手により強化された、シュバルツェア・レーゲンの実力を見るがいい!」

 

とんでもないことが起こりそうじゃなくて、今から起こるのかよ。

 

「出ろおぉぉぉぉぉ!レーゲエェェェェェン!」

 

ラウラは高らかに専用機の名前を叫びながら指を鳴らす。上を向くと、空から黒い何かが落ちてきている。

 

「いや・・・流石にヤバいだろ!」

 

俺達は全速力でラウラの所から離れ、観客席に向かって行った。黒い何かはアリーナの遮断シールドを突き破り、ラウラの前に落ちた。あまりの速度に落ちた時に凄まじい衝撃と砂塵が舞い、アリーナは砂塵で周りが見えない状態になった。

 

「ラウラ・・・一体、何を?」

 

しかし砂塵は風で消し去られ、次第に視界が晴れていく。そして黒い何かがあった所には・・・

 

「あれは・・・シュバルツェア・レーゲン」

 

シュバルツェア・レーゲンである。強化されたといっても見た目は何の変化も・・・

 

「ふんっ!はぁっ!てやぁ!」

 

すると、突然正拳突きや回し蹴り、肘打ち等を始めた。途中、手首を回し調子を見ているようであったけど・・・

 

「えっと・・・IS・・・だよな?」

 

どこぞのロボットアニメを見てるような気がする。周囲の戸惑いを気にともせずラウラはマドカのいる上空へと舞った。

 

「待たせたな」

 

「どうやら、それなりの改良が施されているようだな」

 

「それなりに考えていると、痛い目を見る事になるぞ?」

 

「そう傲慢になっていると、死ぬことになるぞ?」

 

二人の会話が実戦形式の訓練と思わせてくれない。

 

「それでは、試合を始めるとするか!優秀な副官と・・・!」

 

「仲間の為に勝利を取らせてもらう!ISファイトォ!」

 

「レディー・・・」

 

「「ゴー!」」

 

二人共、ちゃんとしたISの戦闘をしてくれよ・・・

 

『ISデノ戦闘ヲ確認。コレヨリ、ISファイトヲスタートシマス』

 

そんな希望を打ち砕くかのように謎のアナウンスが入り、俺は頭を抱える事しかできなかった。




次回も日常と言う名の非日常は続きます。
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