『クロノ・ハラオウン』
「これが如斗のカートリッジだ」
場所はアースラ艦内とある個室、ユーノと別れた後電話したら文字通りに跳んで来た人物、東条如斗が目の前にいた。
「おぉ!? リボルバー専用のカートリッジだぁ~なんか・・・地道?」
人がせっかく用意したのにいきなり不満を呟く・・・また殴ってやろうかコイツ?
「で? これをガンブレードさんに、入れればいいのか?」
不満を吐きそして、瞬時に笑顔で使用方法を聞いてくる。
「そうだ、これにはな・・・」
「123・・・6っとセットOK!」
「プレシーー」
「他の予備カートリッジはひい、ふう、みい・・・」
「話を聞け!!」
如斗の顔に渾身の一撃が決まった。
「ーークロノン痛いよ」
「もう一発逝くか?」
如斗が首を左右に振る・・・やれやれ。
「話を真面目に聞いてくれ、これはプレシア・テスタロッサが発案して作ったカートリッジなんだ」
「プレシアって・・・あぁ、フェイトの"元"母ちゃんね」
「"今"でも母親だ、このカートリッジはな特別製で、如斗の中の『ジュエルシード』を媒介としてカートリッジに貯め置きができる」
「なにそれ? エネループ? 自家発電でもするの?」
「馬鹿! ジュエルシード程の魔力を溜め込めるだぞ? 普通のカートリッジじゃあまず無理だ! そして、これは悪魔でも対策だが『闇の書』は相手の魔導師のリンカーコアつまり魔力の元を蒐集する奴等だ」
「つまり、蒐集されたらカートリッジ使って戦えと? なんつうブラック管理局だ」
「逆だ、逃げろって話だ」
まったくコイツは世話が焼ける・・・
「ってか何でそれを俺に? なのはとフェイトには?」
「2人は既にヤられている、お前はされる前に何とか回収できたから今回は免れたが、次に狙われる可能性が一番高い」
「じゃあカス野郎は?」
「カス・・・あぁ、風見悠は高熱を出して今は自宅待機中だ。」
「まだお手付きでは無いってことは、狙われる可能性アリってことでいいんだな?」
「一応護衛は着いてるが心配ではある」
「まともに動けるのは俺だけか・・・よし分かった」
如斗のあの笑み、何か悪いことを企んでる顔だ・・・まさか
「如斗まさかだと思うが、風見を囮になんか・・・」
「糞野郎を囮にして敵を釣ろうっと♪」
本日2発目の渾身の一撃が如斗の腹をえぐった。
『東条如斗』
「う~痛てて、クロノンの
えぐられた腹を擦りながら海鳴市に、戻って来たが家には誰も居ないし、高町家にまた転がり込むのは遠慮したので俺は1人都市部をブラブラしていた。
後、1週間近くでクリスマス『今年』はどうしようか・・・
去年は高町家にお世話になったけど、頻繁には通いたくはない。
そんな考えをしながら周りを見渡す、クリスマスが近いせいか町はクリスマスツリーや飾りで雰囲気が明るく、カップルに楽しそうな家族、子供に渡すプレゼントを考えてるサラリーマンが視界に入る。
とても、4.5日前にビルが半壊や火災がしたとは思えない・・・あ、結界の中だから問題ないのか。
そんな、ことを考えると不思議なことが起こった。
その場にいた人達が一斉に消えたのだ、しかもありとあらゆるライトが全て消灯した。
町は一瞬でゴーストタウンに成り変わった。
「つい最近、同じ様なことを経験したような・・・」
その疑問は直ぐに確信にいたった。
コツリ、コツリと誰かが歩いてくる足音が聞こえる。
振り向くとロングコートを着た女が立っていた。
「あの時は逃げられたが、今度は逃がさないぞ」
女はゆっくりと近付き、そして手には俺を斬ったあの『剣』を握っていた。
「私は『ヴォルケンリッターの烈火の将』剣の騎士『シグナム』・・・名を聞こうか」
名乗りそして、あの時対立した時の姿に変わった。
「ーーー東条如斗・・・小学生」
内心焦りながらも、名乗りガンブレード構えバリアジャケットを展開させる。
「東条・・・如斗か、・・・では尋常に勝負!!」
先手はシグナムが取った、シグナムが手にする剣は曲線を描き、如斗の胴体に迫ってくる・・・が、如斗はかろうじて目で捉えそれをガンブレードでガードする。
ぶつかった瞬間、火花が飛び散り2人の周りは強風が吹き荒れ回りの店のガラスに亀裂が入る。
お互い剣をぶつけ合いながら動かないが、誰がどう見ても如斗が不利なのがわかる。
それは体格の差もあるが何よりも経験差がモノを言っていた。
如斗が傀儡兵を無双出来たのは相手が『人間』ではないからだ。
だが今回は『人』、人が相手だ、対人戦は精々模擬戦までの経験、ならいくつもの戦場を潜り抜けてきた、このシグナムと名乗る騎士には東条如斗と言う存在は少し訓練をしたヒヨッコにしか見えなかった。
如斗はシグナムの発するプレッシャーに気圧され怯んでいるのをシグナムは見逃さなかった。
不意打ちの蹴りが鳩尾に当たり、如斗は数メートル飛ばされ2回3回とバウンドをして、ようやく止まる。
鳩尾を蹴られた如斗は全ての空気を吐き出し、新たに空気を取り込もうとしている。
騎士シグナムは半ば諦めかけていた、彼なら騎士らしく堂々と闘いを望めると何処かで願っていた。だが現実は厳しく残酷だ、空気を吸い呼吸を整えながら少しずつシグナムから距離を取っている。
『これでは弱いもの虐めだ』シグナムは悪態をつき如斗に近づく。
ビルの壁に背にして動きを止める如斗、まるで全てを諦めたかの様だった。
シグナムは安堵した、これで弱いもの虐めを終えることが出来ることに・・・。シグナムは手を伸ばした、彼には戦う気力が感じられず、まるで怯える犬の様だった。
だが、そのシグナムの甘さが全てを狂わした。
「今だぁぁぁ!!」
シグナムと如斗の回りが小爆発を起こした。
如斗はシグナムと距離を取りながらギリギリまで策を考えていた。
『この強敵にはどうすればいいのか?』
それは『試合で勝つ出はなく勝負に勝つこと』に頭を切り替えた考えだったのだ。
そして如斗は逃げる『演技』をして体を引きずり壁に寄り掛かり
シグナムを待った、そして・・・シグナムが手を伸ばした瞬間、彼の呪文『イオ』を自分とシグナムの回りに爆発させた。
爆風の中先に姿を現したのはシグナムであった。
「ゴホッ最後の悪足掻きか・・・」
『下らん』と吐き捨て如斗が腰掛けていた場所に手を伸ばす・・・すると。
伸ばした手を『誰か』に掴まれた。 如斗かと思ったが違った。
その手は、子供手にしては大きく、そして握る握力は強かった。
「あぁ、死ぬかと思った・・・」
その声は先程の声変わりが終えてない、子供声では無く、大人の様な低くドスの効いた声だった。
「さて、悪いがここからは第2ラウンドだ!!」
騎士シグナムの前には大人の姿に変わった東条如斗が鋭い目付きで睨んでいた。