『少女』
私はいつもの様に目を覚ます。
ベットから車イスまで、体を引きずりながら動き、車イス乗り込み寝室からリビングに移動をして、リビングのソファーに近づく。
ソファーを覗くと、黒い髪の毛があっちこっちに跳ねている男の子が寝ている。
私はその、男の子を揺すって起こすのが日課だ。
「如斗起きてな~」
「んー」
いつものことだけど、彼はこの程度では目を覚まさない・・・
つまり、彼にイタズラし放題って話や♪
寝顔を眺めたり、指で如斗の頬をぷにぷにしたり、耳元でフーって息を吹き掛けたりして遊ぶ。
・・・多分、この時間だけは、私の特権だと思う。
「如斗~起きないと・・・チュウしちゃうで?」
彼に警告をして、私のイタズラ最終科目『如斗にチュウ』をすることを始める。
唇に狙いを済まし、恥ずかしいから目を閉じてゆっくり如斗に顔を合わせる・・・
『チュウ』と私の唇が触れる感触がした。
ゆっくりと目を開けると・・・
唇では無く、寝相が悪い、如斗の゛ほっぺた゛にチュウをしていた。
「ちぇ、また失敗か~」
これ以上のイタズラは本当にバレてしまうから、私はソファーから離れ、キッチンに向かい朝食の準備を始める。
これが私『八神はやて』朝である。
『東条如斗』
「む~」
「如斗? どうしたんや?」
心配するかの様に、はやてが尋ねてくる。
「いや・・・ね、とても恐ろしい悪夢を見たんだがな・・・」
「見て、どうしたんや?」
「それが、内容を忘れてしまってな、今、凄く気になってるんだ」
俺の発言に、はやては笑い出した。
「プッ!? アハハハ!! そんなん気にしなくて、別にえぇやないか?」
「いやでも、一度気にするとさ、どんどん・・・とな?」
「そんなもんえぇから、ご飯食べようや、冷めてしまうで?」
それもそうだなと言い、俺は、はやての手作りの朝食を戴くことにする。
ホカホカの白いご飯に、豆腐とワカメの味噌汁、鮭の切り身
何時もながらはやては料理が上手だ。
「はやては、きっと、いいお嫁さんになるな」
「そんな当たり前のこと言う?」
「え? 言って欲しくないの?」
「・・・言って欲しいわ」
俺とはやては何時も、こんな感じに会話しながら朝食を食べる。
出会いは5月の半ば、どうやら、俺は、はやての家の敷地内で倒れてたらしく。はやての手厚い看病されたのがキッカケだった。
俺は名前と知識はあるが、他の何か大事な?記憶が抜けていた、それは今も思い出せていない。
気にはするけど、別に大したことは無いと思う。
それから俺は、はやての居候としてココで暮らしている。
最初は迷惑か?と尋ねたら『両親が先に逝ってしまったから、だ~れも迷惑は掛からんし別に何時までも居てもかまへんよ』と笑って言われた。
こうして、申し訳ないが、ダラダラと紐な生活をしていた。
だが、居候の身、家の中では基本はやての手伝いと風呂の掃除とはやてが苦労する仕事を、俺が徹底的にやることにしている。
はやては足が悪く『車イス』が無いと、動くことがままらないので俺は自主的に、『はやて専属の介護』をやってる。
介護って言ったって、はやてをお姫様抱っこしての移動が、主な仕事である。
トイレや風呂の時は色々と大変だが、それでもはやての介護は俺がやると心の中で決意していた。
「で? 今日はどちらへ行かれますか、お姫様?」
片付けと掃除を終わらせた俺は、おとぎ話に出てくる、騎士の様に片膝をつき、はやてに行き先を聞く。
騎士・・・何か引っ掛かるなぁ・・・何だっけ?
「そうやな・・・図書館に行きたいなぁ」
「かしこまりでは、はやて号出陣じゃあ!!」
はやての車イスに勝手に命名して、俺は、はやての車イスを押しながら家を出た。
『クロノ・ハラオウン』
『東条如斗レポートその2』
東条如斗、彼は、前回提出した書類の通り『最優先保護対象』である。
体に21個の『ジュエルシード』と呼ばれる『ロストロギア』をその身に宿してる。
この『ロストロギア』は前回にも提出した書類にも書いたが『PT事件』の重要な『証拠物』にもなる。
体から抜き取ることは不可能で、無理矢理でも回収しようとすると暴走する恐れがあるので現状を維持している。
だが、今回は『別件』である。
保護は無事完了したが、今月『東条如斗』は複数の人の前で姿を消失。
何かしらのエネルギーが働いたと考え、捜索を開始し。
そして、本日で捜索1週間となる。
この捜索には『高町なのは』と『風見悠』と『フェイト・テスタロッサ』『ユーノ・スクライア』以下の者が協力を望み現在も参加中、捜索中。
詳しい詳細は、後に提出する。
時空管理局執務官 クロノ・ハラオウン
記憶喪失になった主人公が女の家に転がり込む・・・薄い本が(以下略)