『東条如斗』
「で? 図書館でいいのが見つかって、それで、遅れているのか?」
『そうなんや、今バスを降りた所やから、もう少しで着くで』
「わかったよ、夕飯の下準備も終わったから、待ってるよ」
『6月4日』、今日は『はやての誕生日』だ。
はやてを外に行かせて、今日1日使って作ったご馳走は主役は遅れてるらしく俺は待つことにした。
鍋に入っている、シチューをとろ火でじっくり煮てリビングに腰を掛けた。
居候生活、2週間目を突入したが、記憶は全く戻らない。
はやての担当医、『石田先生』のツテでカウンセラーに通ってみたが、効果は全く駄目だった。
だが、最近『少しだけ』記憶を思い出したことがある。
それはどこかの家族の記憶だ。 幸せそうな夫婦に仲良しな兄妹と末っ子。
多分、俺は余所者だが、この家族はそんな俺を、受け入れてくれた。
末っ子はいつも、俺に気にかけて話題を持ってくる。
末っ子の名前は・・・な、な、ナガト?
あれ? あの子、眼鏡っ子だっけ? 何か段々記憶が曖昧になってきたぞ?
そんな、ことを考えてたら、インターホンが鳴った。
はやてなら鍵を持ってるから普通に入って来る筈なんだが・・・と疑問を持ちながらドアを開ける。
そこには『筋肉ムキムキの褐色ボディ』をして、『いぬ耳』ピコピコとしていた変態が、はやてを抱き抱えていた。
一瞬、頭がフリーズする。
何この変態? 警察に連絡すればいいのかな? てか、何で
はやてを抱き抱えているんだよ!!
と、とにかく何とかしないと、と頭をフル回転して、ようやく声を出す。
「あ、宅配の人ですね。 はやてを預かりますね」
自然な動きではやてを奪還し変態の手に、八神印の判子を押す。
「では、こんな時間までご苦労様でした~」
そして、ゆっくりドア閉め。今、自分が持てる速度で鍵を掛けチェーンを閉めて、はやてを寝室に寝かせ、警察に連絡をした。
そして、リビングの窓からゆっくりと玄関口を覗きこむ。
どうやら、変態には仲間がいるらしく、『ピンクの髪をしたナイスなお乳している女性』と『金髪優しげな顔立ちしているおねえさん?』と『ロリロリな女の子』がみんな顔を合わせて、何か喋っていた。
警察を待つか、声を掛けるか・・・究極の選択だな。
しばらく考えて俺は・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「今夜だけだからな!」
先程の変態達を家の中には招き入れ、全員をテーブルに着かす。 そして、できたてのご馳走を振る舞った。
「いや、私は・・・」
ナイスお乳(改名)は何か言おうとしたが隣の、ロリロリ(改名)の腹からF1並みの騒音を鳴らしていた。
「そんな、暴走族見たいな騒音を立てられたら、近所迷惑だ、さっさと食べちまえよ」
はやてのご馳走であるが、明日、朝イチで材料を買えば問題ないと思い、盛大に出す。
ロリロリはスプーンでシチューを『ふぅふぅ』と冷ましてから、一口食べた。
すると相当腹が減ってたのか、皿の中のシチューは一瞬で消えた。
ロリロリの食べっぷりを見てた他の奴らもおずおずと口を付ける。
後は・・・もう分かるよね?
食べ終わった、奴らはソファーなどで眠っていた。
後から来た警察には謝って、お帰り戴いた。
そして俺は後片付けをしていた。
ロリロリやナイスお乳達におかわりを要求されて盛ってやったが・・・。
まさか、明日の分まで無くなるとは・・・とほほ。
念のために冷蔵庫を確認して明日の献立を考える・・・目玉焼きベーコンとパンだな後は、オマケで・・・。
こうして、はやて誕生日は訳の分からない介入者達によりご馳走は、彼らの胃の中へと消えてった。
あ、ソファー所占領されてるんだ・・・何処で寝ようかな?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『八神はやて』
ウチは夢を見てるのであろうか? 気がつくと、家のベットで寝ていた・・・けど、そんなのはどうでもいい
如斗が・・・私と同じベットで寝てたんや。
なんや? デレが来たのか? 如斗のデレ期が舞い降りたのか? ハッ!? まさかドッキリ? カメラはカメラは何処や!?
ベットから見える範囲でカメラを探すが見当たらない・・・やはりこれは・・・。
『誕生日おめでとうプレゼントは・・・俺だよ(はーと)』
ってなことに違いない!! あ~~ん! もう間違えてもかまへん、いっそ過ちに行ってしまってもうか!
顔を両手で隠し頭を左右に振って夢見る乙女、はやての『乙女ギア』はトップアクセルのフルスロットルを迎え。
もう、顔は乙女ってか、危ない顔になっていた。
とりあえず、如斗の上に被さる様に乗る。如斗のぬくもりを体全体で感じ・・・アカン、今、私、凄く幸せだ。
ぬっふふふ、プレゼントならウチが好きにしてもえぇんやろ? むしろ好きにさせて貰うで~
如斗の頭をガッチリ手でロックして、唇を如斗の唇に急接近する。
「ん~~」
唇が触れる僅か距離で、何やら視線が・・・
「「「「じ~~」」」」
片膝ついて、視線を送っていたのは、謎の4人の人達だった。
・・・・・・・・・・・・・・・
『東条如斗』
「で? 私は『闇の書』の主で、シグナム?達が私と闇の書を守ってくれると?」
「はい、守護騎士『ヴォルケンリッター』の名に懸けて・・・モグモグ」
「こら! 食うか喋るかどちらかにしろよ!」
「モグモグ、これ旨いな!!」
「それは、たこさんウィンナーな」
はやてに起こされた、俺は全員に朝食を作り、それを食べていた。
朝食はパンと目玉焼きと、たこさんウィンナー、デザートにヨーグルトを用意していた。
昨日の今日だが、シグナム達の食欲が凄すぎて、ちょっとドン引きをしてる。
「なるほど、なら闇の書の主としてみんなの衣食住の面倒見ないとな!」
はやてが胸を張って言う。
「はぁ・・・はやて1人では無理だろ? 手伝うよ」
当然だ、車イス生活で、ただでさえ苦労してるのに、これ以上の負担は掛けさせねぇよ
「ありがとうなぁ如斗」
「気にするなよ、いつものことだろ?」
「・・・(なんだ? この居づらい空気は・・・)」
「・・・(ムカつくけど邪魔したいけど)」
「・・・(ヴィータ駄目です邪魔はいけません!)」
「・・・(わん)」
「さて・・・後で、みんなの服とか色々買い物しないと行けないからな・・・」
笑顔のはやては何処からかメジャーを取り出して。
「みんなのサイズ・・・測るで?」
満面な笑みでヴォルケンリッターを見ていた。
あ、これ色々とイタズラする顔だ。
俺はパンを口に入れながら、シグナムに合掌をした。