シャシャッ、ザザッ!「・・囲まれたか。」「マニプーラ、どういうこと?その子を機界城へ連れてくるのが
あなたの任務だったはず。なのに連れて逃げるなんて。」「ヲイル様・・申し訳ないが、それはできません。」
「・・私の命令を拒むとは。しょうがない、あまりやりたくなかったのですが・・」ギン!「くっ!」
「ゾンダリアンは神種の支配から逃れることはできません・・従いなさい。」「だめだよ。」「むっ?」
「まにぷーらはあたしのだいじなおともだち。おねえさん、いじめないで。」シィィィ・・キン!
「これは?!・・黄金の・・瞳が・・」「ひとりをみんなでいじめるのはよくないよ。なかよくしようよ。」
「・・そうね・・あなたのいうとおりね・・みんな、退きましょう・・」『はい・・ヲイル様・・』シュッ。
「チャクラ・・」「いこ、まにぷーら。あたらしいところに。ここはもういすぎたから。」「ああ・・」
♪ジャンジャカジャン。「ん?・・びっぐわんのおじちゃん。」「よっ、チャクラ。マニプーラも無事か。」
「チャクラのおかげで助かりました。」「神種をも魅了するとはな。だがじきに覚めるんだろ?」「うん。
もってよっかってとこだね。」「それじゃあ一つところには長居できねえな・・例外はマニプーラだけか。」
「まにぷーらはおともだちだもの。」「私はチャクラを守護する・・それが私の存在理由。」「・・えらいな。
神種を裏切ってまで守るか。だが「螺旋」としての仕事は危険がつきまとうが、いいのか?」「いいよ。
びっぐわんのおしごとはたのしいもの。」「チャクラには生活資金が必要。固定職につけない我らにとって、
「螺旋」の任務は好都合・・それだけです。」「そうか・・声をかけて正解だったな。」「新しい仕事で?」
「イスラエルへ行ってくれ。仕事代だ。」ヒュッ、パシッ。「たしかに。任務内容は?」「オメガの迎撃だ。」
火星、機界大城塞リンヴォ。「ただいま戻りました。」「ご苦労。で、その娘は?」「マニプーラの妨害で
取り逃がしました。」「なに?・・情報局戦隊をもってもか。マニプーラが強いといってもそれほどは・・」
「申し訳ありません。」「・・ん?」じ~っ。「・・ヲイル、術にかかってますね。」「はっ?」すぱぁぁーん!
「あいた!・・あれ?ンドゥーネ様?」「やはり・・ヲイルほどの者が幻惑されるとは。」「・・しまった!」
「もういいです。そのチャクラとやら、なかなかの力をもっているようですね・・しばらくマニプーラに
委ねてみましょう。どうも「巫女」とは別もののようですし。」「しかしゾンダーメタルを受けつけない
人間など、いままで前例がありません。」「ええ・・マイナス思念がゼロの人間が存在するなんて。せいぜい
生まれたての幼児くらいのはず。」「そういえば・・チャクラと少し話しましたが、妙な印象を受けました。
まるで・・」「・・無垢の幼児みたいだった、と?」「そのとおりです。」「・・いずれまた調べましょう。
ヲイル、同行したゾンダリアンもしばいておきなさい。」「わかりました。でも便所スリッパですか~。」
「これが一番いいんです。買ってきてくれたのヲイルでしょ?」「映像情報で見て興味持ったのですが。」
プロジェクト12「闇 - Dark Folst -」
大要塞エゼキエル。「今回の任務はきわめて困難よ。ユキノ、やれる?」「お荷物あるわ、壊しても殺すなとか
けっこう要求きびしいけど、なんとかなるっしょ。」「・・イスラエル軍はユーゲントが引き受ける。
特戦隊はパレスチナ軍を相手に。」「サード、今回は殺すんじゃないよ。」「わかってますって。それより
ファーストよろしく。」「無傷で返すわよ・・とは保証できないけどね。」「「闇」どの、補足事項は?」
「本命は「岩のドーム」です。それと発見したらファースト以外は触らないように。危険ですから。」
「三つの神魔器ねえ・・どんなもんなんだろ?」「ギヤマンの鐘だったら知ってるけどね。」「卍党なのだ。」
「みやびん、出動準備は・・ええっ?!」「いつでもいいわ。」「ちょっとその巫女さん風和服はなんなのよ!
なんで軽戦闘スーツにしないの?」「私って典型的日本人ズンドウ体型だから恥ずかしくって。それにこれが
私の戦い方に合ってるし。」「あ・・そーか。基本的戦法がまったくちがうね、たしかに。」「ほう・・古神道の
巫女には初めて会いますね、私も。」「フォルスト様にはとうてい及びませんけど。」「陰陽術はさくらさんに
多少教えてもらいましたが、古神道はさらに古い・・勉強させていただきます。」「もったいないお言葉です。」
出撃デッキ。「よーし!まずはコットスだ。セカンド、射出位置へ!」『わかりました。』ズシーン!ガチッ。
『リニアカタパルト、ロック確認。』ググッ。「目標、エルサレム旧市街「嘆きの壁」。亜空間ジャンプ設定よし。
「神行太保」起動!」ズズズズ・・「亜空間ホール開口。射出!」シュバッ!ドーン!「続いてブリアレオス!」
エルサレム旧市街。ここにはユダヤ教の聖地「嘆きの壁」とイスラム教聖地「岩のドーム」があり、領有権を
めぐって争いが絶えない。この二つはごく近くにあり、現在は中立地帯としてかりそめの平穏を得ているが、
両勢力の強硬派による争いは絶えない・・ドドーン!「きょ、巨人だ!」『キャアアアーッ!』ドドーン!
「もう一体も!」「サード、踏んじゃだめだよ今回は。」「わかってるわよ。さて、さっそくやりますか。」
ズーン!「これが名高い「嘆きの壁」か。」「さっさとぶち壊しましょうか。」「サード、壊すのはボクらじゃない。
作戦どおりに待つんだ。」「・・セカン、珍しくいうじゃない。わかったわ、壁を背に待機ね。」ザッ。
「次は特戦隊だ。狼駆車、位置につけ!」「ファースト、固定はいい?」カチャッ。「・・確認いいです。」
「ユキノとファースト「雪狼」、いいわよ!」「ムーンとミヤビ姉「月狼」、いいよー!」「フレイアおよび
死羽姫「華狼」、レディー!」「まとめてぶっとばすぞ!目標「岩のドーム」、ロック!射出!」ドン!
「オメガ巨人は「嘆きの壁」前方にあり!」「第二機甲師団および第五ヘリ団、出撃!巨人を倒せ!」
ギュラギュラギュラ!「来たきた。さっさと撃ちなさい。」「上空に戦闘ヘリもきたよ。まずは空からだね。」
ダバドゥデダバドゥデ!(戦闘ヘリはホントにこういう音)「対戦車有線ミサイル、一斉射!」シュドドドッ!
「ミサイル接近。」「バ~カ。ほいっと。」ひょい。シュルルル・・ドガーン!「なにっ!「嘆きの壁」が!」
ガラガラガラ!「あ~あ、やっちゃった。しーらないっと。」「これで目的達成。あとは陽動だね。」
「では少し遊んであげましょうかね!」グッ、ドン!「巨人が跳んだ?!」グワッ!ブン!ドガーン!
『うわああーっ!』シュボッ!・・バサッ!「さすがイスラエル、脱出装備はちゃんとしてるわね~。」
「よくコクピット直撃しなかったね。」ドドーン!「いちおうはプロだもの。本当のプロには敬意はらうわよ。」
岩のドーム。・・ゴオオオーッ!「イヤッホ~!」「・・フリーフォールみたい。」「減速するからアゴひいて!
逆噴射!」ブオオオオーッ!「体感モノは苦手なのよ~!」「着地するから舌かまないでよ!」ドン!
ギャギャギャッ!「うへ~、心臓ノドから飛び出しそうなのだ。」ヒュィィーン!「あれが岩のドームね。」
「警備兵がいるけど。」「挨拶しましょ。」「・・ん?何者だ!」チャッ!「ごめんくださいラリアット!」
ドカーン!「どおっ!」「失礼しますヒザ蹴り!」ドコーン!「おわっ!」ダダーン!「これでクリア。」
キキーッ、ザッ。「これか・・イスラムの聖なる岩。」「・・この中に神魔器のひとつが。」「そこまでだ。」
ザザッ!「パレスチナ軍?さすがね~。」「巨人が「嘆きの壁」を目標にしているのを見て、すぐに察しがついた。
おとなしく退けばよし。オメガにはいささか共感するところもあるからな。」「・・ふふっ、笑わせるじゃない。
オメガはいかなる主義・宗教にも加担しない。ただ信じるのは己のみ!けどパレスチナにはいささか感じるとこが
あるから、命だけはとらないであげるわ。」「やはりそうなるか・・仕方がない。射撃開始!」ドガガガガッ!
ゴォォォ・・「できれば殺したくはなかったが・・」「勝手に殺すんじゃないわよ。」「なにっ?!」ゴォォ・・
「・・無傷だと?!」「機関銃なんか通用しないって。」ぽい、パラパラ。「銃弾を・・つかみとった?!」
「銃に頼るのが軍人の悪いクセよね~。」ひょい、パシッ!ボコッ!「蹴りで銃弾を?!」「これな~んだ?」
キラッ。「・・弾丸が真っ二つに?!」「この程度じゃ霊珠には役不足よね。」「・・周囲に弾丸が落ちてる?」
「ペッペッ。ナマリ弾はマズイのだ。」ぷっ、コロコロン。「食い止めただと?!」「ミヤビ、人数調整!」
「おっけい。」バサッ。「頼むね、娘たち。」ばっ!ヒラヒラ・・ポポポン!「紙人形が人間に?!」ザザッ!
「反魂法。遊んであげなさい。」ダダッ!「くるな!」ガガガガッ!パスパスッ。「銃弾が突き抜ける?!」
ガシッ!『うわっ!』ギリギリ・・「ふふっ、美女に抱きしめられる気分はいいでしょ。ちょっと力が強いけど。」
メキメキッ!『ぐわああーっ!』「だいじょうぶ、骨を折る程度で済ませてあげる。命まではとらないから。」
「バケモノめ!あの女を撃て!」ガガガガッ!「ムダだってのに。」パシパシッ!パラパラ・・「通らない?!」
ヒュンヒュン・・「・・なにかが周囲を取り巻いてる?」「土御門流古神道・珠振。反撃いくわね。」ヒュン!
バキバキッ!『ぐはあっ!』「なんだ?!・・これはビー玉?」「失礼な。「霊珠」と言ってね。手加減は
じゅうぶんしておいたから、ヘビー級パンチくらいよ。それでも骨は砕けるけどね。」「さて、残るはあなた。
特別にわたしとタイマンさせてあげるわ。」「・・よかろう。」シャッ。「さすがアラブ系。いいナイフね~。」
「そちらも武器を使え。」「いいわ。ハンデつけてあげる。」「ほう・・後悔するぞ!」シャッ!ドスッ!
「なにっ?!・・掌で刺して止めた!」「これがハンデよ。・・はああああーっ!」ドン!バシィィーン!
「ぶわあああーっ!」ゴオオーッ、ズダダダーン!「クルド流暗殺拳、天雷掌破・・アバラ八本ね。」
「ユキ姉ちゃん、あんなの簡単によけられたのに。」「プロに対する敬意よ。でも・・いてーのなんの。」
「さて、やっとお仕事ね。」「ぶち割るしかないわね・・フレイア!」「双花剣!」シャン!「はいっ!」ターン!
「華山断空撃!」ズパーン!・・スタッ!ピキッ、ピキピキ・・ピカッ!『これは?!』サァァァ・・
「輝く・・なにあれ?」「まるでワイヤーを捻じった槍だね・・」「ファースト。」「・・はい。」カツカツ・・すっ。
オォォォ・・「なんて気なの。普通なら近づくだけで衰弱死するわこりゃ。」「ファーストは無事だね・・」
「槍よ・・神の血に染まりし槍よ・・私を認めるか?」オォォォ・・ウォン!『なっ?!』スゥゥゥ・・
「光が消えた・・いえ、ファーストに吸い込まれた?」「・・ありがとう、ロンギヌス。」『ええっ?!』
「あれが・・凶槍・・ロンギヌス!」「キリストにとどめをさした・・伝説の槍!」「三つの神魔器って・・
まさか!」「そう・・神の子を屠った三つの凶器。」「となると・・あと二つって・・」「・・あれなのだ。」
「・・とにかく任務完了よ。引き上げるわよ。」「はい・・槍よ、収まれ・・」シュルルッ、パシッ。
「槍の捻じれがほどけてファーストの腕に?!」「まるで形状記憶合金ね・・便利な槍だこと。さて、いこうか。」
「・・お客さんなのだ。」「死羽姫、なに?」「戦車やなんかがいっぱいやってくるのだ。」「パレスチナ軍ね・・
やっと本腰を入れたってか。」・・ギュラギュラギュラ!「お~お~、旧ソ連製ばっかだ。」「性能はともかく、
タフなだけが取り柄ってやつだね。ちょっと厄介かな?」「ねえ、なんか拡声器でわめいてるわよ。」
『オメガの者ども聞こえるか!ロンギヌスを渡せばよし、さもなくば全員射殺する!』「あら知ってたみたい。」
「ふっ、漁夫の利を得ようたってそうはいくものですか。特戦隊、戦闘開始よ!ただし、兵士は殺さないように。」
「・・私も戦えますが。」「ファーストはまだその槍に慣れてないはずよ。今回はお客さんだし、観戦してて。」
「・・お心づかい、ありがとうございます。」「ふっ・・ちゃんとお礼言えるじゃない。安心したよ。」
そのころユーゲント。「よいしょ!」ガキッ!ボキーン!「これでメルカバ12個め!」「砲身だけ折るなんて、
サードもイキだね。」「戦車ダメにして乗員助けるんなら、これがイチバンよ!ほれっ!」ボキーン!
「メルカバか~、カッコいいから一つ持って帰りたいな~。」「セカン、プラモじゃないっちゅーに!」
「空のほうは・・あれ?」ゴォォォ・・「・・戦闘爆撃機群?!レーザー照準爆撃されたらヤバいわよ!」
「ここまでは予想してなかったな~。サード、どうする?」「ケツまくって逃げるのが早いけどね・・」ピッ。
「エゼキエルどうぞ。ヤなのがいっぱい来るけど、逃げていい?」『いま航空支援に「ザカート」を送った。
もう少し辛抱してくれたまえ。』「ザカート?・・あの無人戦闘機群?!」「・・ついに投入するのね。」
ゴォォォ・・「敵巨人、爆撃有効射程に入ります。」「レーザー照射機、目標をロックせよ。」『ラジ・・なにっ?!』
「どうした!」『アンノウン、多数!』「なにっ?・・あれは!」・・ヒュオオオオーッ!「なんだあれは?!
あんな戦闘機はみたこともないぞ!」ヒュルルルッ!「突撃してきます!」「ブレイク!」キィィーン!ドカーン!
「三番照準機がやられました!」「敵機は・・バカな?壊れてもいない!」「まさか・・突撃専用機だと?!」
「そんなムチャクチャな戦闘機がこの世に・・いや待てよ・・まさか?!」「・・オメガの戦闘機!」
「別の敵機です!」ヒュィィィ・・「・・なんだあの奇怪な動きは?」ビィィィ・・ガクガクッ!「なんだ?
くっ!・・操縦がきかん!」「計器がみんなデタラメな数値を示してます!制御不能!」「電子撹乱機か!
いいから全電子系を切れ!このクフィル3は電子回路がなくても動けるよう設計されてる!」「了解!」
パリン!バン!グッ。「よし、これで戦える。」「寮機もマニュアルに移行したようです。」「発光信号!
全機、エンゲージ!」「ラジャー!」チカチカッ。キィィーン!「このUFO野郎が!」ブオオオーッ!ガガーン!
「へえ、さすが百戦錬磨のイスラエル空軍。」「・・見事なまでの奮戦ぶりだな。尊敬に値する。」「ああなれば
電子撹乱機「ゾシー」は役にたたんな。突撃機「ジアラ」と機動戦闘機「タルケン」で勝負といこう。」
「無人AI戦闘機群「ザカート」・・さすがドクター、面白いオモチャをお作りになる。」「お恥ずかしいかぎり。」
岩のドーム。「隊長!誰か出てきました!」「・・たった六人だと?かまわん、攻撃開始!」ズドーン!
「いきなり撃つかよ~。手加減しないよ。ミヤビやっちゃえ。」「おっけい。珠振。」ヒュヒュン!バシーン!
「砲弾なんか通らないよーだ。「戦闘空母」の力、存分にお見せするわ・・布留部、由良由良都布留部。」
ビュビュッ!ボコボコッ!ズドドドドーン!『うわっ!』「・・戦車隊が一瞬で全滅だと?!ヘリ部隊!」
バドバドバド!(Mil-24なのでこの音)「ハインド?また骨董品を。」「チェーンガン掃射!」ギュラララッ!
「由良由良都布留部。」ヒュヒュッ、キキキーン!「ダメダメ、霊珠の壁は抜けないって。布留部。」
バコバコッ!「なんだ?!」「敵の対空機関砲が直撃!」「そんなものがどこにあるんだ!脱出!」ドカーン!
「さっすがミヤビ。特戦隊の弾薬庫だけのことはあるわ~。」「それキライ。「戦闘空母」って呼んでね。」
「なんという奴等だ・・こうなったら白兵戦だ!歩兵部隊、かかれ!」「あらら、ムキになっちゃって。」
「殺さず生かさずだったね。」「だったら命あればいいと。」「手足の一本くらいはだいじょうぶなのだ。」
「よかった。みやびんに出番みんな取られるとこだった・・特戦隊、戦闘開始!」『うおおっす!』ダッ!
「クルド流暗殺拳奥義・瞬光連撃!」ヒュッ!・・ザザーッ!『・・ぐはっ!』ドサドサッ!「10人!」
「蒼月流脚法奥義・嵐月!」ブオオオオーッ!ドガガガガガッ!『あびゅあ!』ズダダダダーン!
「秘剣・鋼割り!」シャシャッ!キン!ポロッ。『銃が?!』「ふ・・またつまらぬものを切ってしまった。」
「指揮官狙いなのだ。」ヒュッ、ぺた。ガブッ!カジカジ!「あいたたた!血が血があああーっ!」ダラダラ。
「あなたが指揮官ね。ちょっと聞くけど、槍のこと知ってたふうだったわね。なんで?」「・・知らんな。」
「あっそ。死羽姫。」カジカジ!「いたたたた!ラビに聞いたのだ!」「なるほど。自分たちじゃヤバくて
取り出せないんで、わたしたちをダシにか。残念でした♪」「・・・・」「出血多量で気絶してるのだ。」
「さて、そろそろ引き上げましょう。遊ぶのも飽きたし。」『それは困るな!』ハッ!「どこから声が?!」
♪ウ~ウ~ウ~ウ~!「・・サイレン?」「ユキ姉ちゃん、あそこ!」「え?・・白い大凧?」ひきっ。
「ははははは!紅影、参上!」ジャーン!「紅影のおじさんだ~!」『やっほ~!』「やあ、元気だったか!」
「くぉら!なーに手ふってんのよ!」「だって紅影のおじさんて、私らに優しいも~ん。」『ね~。』
「いちおーは敵でしょーが!」「とおっ!」ゴオオオーッ!スタッ。「ひさしぶりだな、ユキノも。」
「まあね・・どーして紅影さんてそうハデなのよ。ちっとも忍者らしくないじゃない。」「ははははは!
飛騨忍者・心得の条その三!飛騨忍者は敵を油断させるため派手に立ち回らなくてならない!そういうことだ。」
「なんつー忍者なのよ・・で、やっぱやんの?」「ほう、メンバーが増えたのか。旧バイオ時代はムーンと
フレイアしかいなかったが。ますます華やかになったものだ。」「死羽姫なのだ。」「土御門雅ともうします。」
「うむ、以後よろしく。」わいわい。「ヒトの話を聞け~!」「せっかちだな。それでは小ジワが増えるぞ。」
「ほっとけ!それより他の連中は?」「神居はここに。」ストッ。「・・・・」タッ。「お呼びですか?」スッ。
「出たな~、美形忍者軍団。」『きゃあああ~っ!』ドドドドッ!「おわ~っ!」「やあ、お元気でした?」
きゃいきゃい!「・・この連中は~。「無名」と会うと、いっつも最初はファンの集いになんだから。」
「・・」ぽんぽん。「なぐさめはいらないわよ度器さん・・あれ?みやびんまで?」「・・君がいたとはな。」
「ひさしぶりです。」「・・なぜだ?」「運命・・てやつかしら。」「・・なんかムード出てるわね。」「・・・・」
「・・え?妹さんが高校時代に友人だった?へぇ~・・世の中広いようでせまいもんね。」こく。
「さて、そろそろお仕事にしましょうか。」『え~。』「もっとお話しようよ~。」「めったに会えないんだから~。」
「君たちもプロならけじめはつけないとね。ユキノさん、おまたせ。」「いつものことだからね・・特戦隊、
戦闘準備!」『おう!』ザッ!「ムーンと死羽姫は刹羅、ミヤビは度器さん!神居さんはあたし、そしてフレイアは
紅影さん!かかれ!」シャッ!「・・やっぱり手伝いましょうか?」「相手が悪すぎるわ。彼らはベテランの忍者。
昨日今日身につけた力じゃとても追いつかないわ。そこで見てて!」シャッ!「・・退屈なんですけど。」
ヒュゥゥゥー!「別型のボギー接近!」「円盤機だと?だが撃てばいいこと!」ブオオオオーッ!カクッ、
シュパッ!「なっ!なんだあの異常な回避は!」「・・いま胴体が動きました!」「なんだと!バカな、
胴体ごと推進方向を変えるなどしたら、パイロットは即死だぞ・・そうか!無人機か!」「後方にボギー!」
♪ピピピピ・・「ブレイク!」キュィーン!「インメルマンターンで後方をとってやる!」ゴオオーッ!
「ボギー前方!」「どんぴしゃ!ロック・・」クルッ、ブオオオオーッ!「なんだと!胴体が反転した?!」
ガクガクッ!「やられました!」「くそっ!脱出!」シュボッ!・・ドガアアアーン!「オメガめ!」
「ほう、画期的なシステムですね。」「ザカート主力戦闘機「タルケン」。無人機の特性を最大限生かし、
非常識な機動と攻撃を可能にしたものです。」「・・今度は上方の敵機を胴体を90度回して撃墜か。
これなら「ナイトウイング」にもひけはとるまい。」「これで制空権はとったね。さて、地上はどうかな?」
「やれやれ、これで杞憂はしなくていいわ。」「メルカバもほとんど沈黙したよ。」「こんなもんね。さて、
戻り・・」・・ズズズズズ!「・・地震?」・・ダギュルルルッ!ドボオッ!「きゃあっ!ブリの足が!」
「ドリル?・・地下からのドリルに貫かれた!」ゴバアアアーッ!「な・・なにこれ!」ズズズズ・・
「これは・・ゾンダリアンロボ?!」「な、なんでこんなところに!」グッ、キュィィーン!「はっ?!
セカン助けて!」「わかった!」ダッ!ドガーン!・・「・・動じない?!」ブン!バガーン!「うわっ!」
ダダーン!「こいつ・・強い!コテツブレード!」ズラアッ!「とりゃあっ!」ビュッ!ピキィーン!
「くっ!ドリルの回転ではじくなんて!」ゴッ!ドボッ!「きゃっ!胴体が!」キュィィーン!
「あれはなんですか?」「ゾンダリアンロボ・・なぜユーゲントを襲う?」「いかんな・・かなりの戦闘力だ。」
「シュウ、緊急出動して。かなりヤバい状況みたい。」『了解。ヴォータン、出る。』シュバッ!ドーン!
「マシンガン!」ズガガガガッ!チュンチュン!「効かない!ならエグゼクトナイフ!」シャキッ!ダッ!
キュィィィーン!「とりゃああーっ!」ピキィィーン!・・ドスッ!「・・ドリルで刃が折られた!」
ドブオッ!メリメリメリッ!「ぐわああああーっ!」『ブースト・ナックル!』ゴオオーッ!バチィィーン!
『はじくか・・』ドドーン!「う・・ヴォータン!」『二人とも退け。あとは俺が引き受ける。』ズーン!
「わかりました。脱出!」ドキューン!「たのむわよシュウさん!」ドキューン!『・・さて、やろうか。』
グッ、ヒュィィィーン!『両腕が巨大なドリル、それに頭部にもか。珍しいタイプのゾンダリアンロボだ。』
ダッ!『それに速い・・だが!ブーストフック!』ドン!バキィィーン!ズガガガーッ!『スキがある。』
シュバババッ!『触手?!しかもドリルつきか!60mmバルカン!』ブオオオオーッ!チチチーン!
ドカドカドカッ!『ぐうっ!だが!』グッ、グン!『ふん!』ブン!ドガアアーン!『肉を切らせて骨を断つ!
おおおおーっ!』ヒュルルルルッ!『トルネード・ナックル!』ドオオオーン!ドビュルルルッ!
ググッ、ドキューン!『右腕のドリルを射出?!』ガキーン!ズボボボボッ!『ナックルが?!』ズボーン!
『なにいいいーっ!』ドゴオオオーン!グボボボボッ!『くうっ!貫通される前に!』ブン!バキィィーン!
ドシャアッ!『はあっ、はあっ・・こやつ、強い!』ビュルルルッ!ドカドカドカッ!『ぐはあっ!触手か!』
キュィィィーン!ダッ!『頭部ドリルでとどめか・・させん!』ガシッ!『サイドスープレックス!』グン!
ズダダーン!『サブミッションならばドリルも役にたつまい!』ガキィッ!『最大出力!』ドドドドドッ!
『重力稲妻落とし!』ゴオオオーッ!『これで終わりだ!』・・ドガアアアアーン!・・パラパラ・・
『勝った・・なにっ?』グボボボボッ!・・『・・頭部ドリルで地下へ逃げたか。・・戦闘終了、帰還する。』
「なんと、あのヴォータンと互角以上とは。」「どうやらただのゾンダリアンではないようですね。あれには
二つの命があるようです。」「・・二つ?」「はい。一つは異なる命の気配、そしてもうひとつは純粋な気配。」
「なるほど。2対1ならばこの結果もうなづける。」「だが・・いったい何者なのだ?」『・・・・』
「ムーン、あなたとやりあうのは初めてでしたね。」「これもお仕事なんでね。いきますよ!」ダッ!「月光!」
シュパパパッ!「回避。」グーン!「予備動作なしに真上に大ジャンプ?!」「反撃です。」シュパッ!
ギリギリッ!「これで動けません。ヘタに動くとバラバラですよ。」「あらそう?」グッ、ズババババッ!
「なんと?!バカな、力まかせに!」「心配しなくても大丈夫。」パラパラ・・「・・輪切りにならない?」
「それどころか切断面さえないでしょ?はっ!」バキィィーン!「くっ!」ザザーッ!・・「・・なぜ?」
「ひとつだけ教えとくわ・・私の別名は「ウォータームーン」。」「・・水の月?」「正解はご自分で!」
シャッ!バキイッ!「ぐっ!」「ユキ姉ちゃんが相手選んだのはそれなりの理由があるってわけ!」
「あたしも忘れてはいけないのだ。地よ、我が拳となれ!」ブン!ドコン!・・ドババババッ!「くっ!
地下から石ツブテとは!糸楯!」パシパシッ!「まだなのだ!気よ、我が拳となれ!」ドンッ!
ドバアアアーン!「うわっ!」ズダダダーッ!「これは・・大気の拳!」「そうなのだ。あたしは自然と
環境が武器なのだ。人呼んで「野生の死羽姫」!」ババーン!「特戦隊・・これほど強くなってたとは!」
「刹羅が押されてる?」「よそ見してるヒマないですよ紅影さん!ニトロ合成!」ピューッ!「おっと!」
ドガガガガーン!「やるな。忍法・影分身!」ヒュルルルッ。『どれがホンモノかわかるかな?』
「簡単なこと。トリモチ合成!」ビューッ!バシャアッ!『これは?!』「強力粘着樹脂よ。そこの
動けないのが本体ね。双花剣!」シャン!「その首もらいます!」ズパアアーン!ボトッ、ゴロゴロ・・
「・・いまの手応えは!しまった!」シャッ!ズガガガガーン!「あっぶな~、爆弾変わり身。」
『ははははは!』ゴオオオーッ!スタッ。「よく気づいたなフレイア。」「人の斬り応えくらいわかるって。
こっちも人斬りのシロウトじゃないからね。」チャッ。「では正統派といこうか。」チャッ。『はあっ!』
ダッ!キィーン!「はいはいはいっ!」「おっとっと!」キキキーン!「とりゃっ!」ビュッ!「はいっ!」
カキーン!『でりゃあっ!』ビシイッ!・・ザシャアッ!「・・やるね。」ピラッ。「そちらも。」パサッ・・
「お噂はかねがね。闇の武道、見せていただきます。」「・・」チャッ。ビュッ!カカカカカン!「布留部。」
ビシイッ!カンッカンッ!ブン!「?!」スッ、バシィィーン!「さすがに自爆とはいきませんでしたね。」
「・・」・・キラッ。こく。「そうです。霊珠で七節棍の軌道を修正させてもらいました。」「・・」じりっ。
「手控えされてはいけませんね。ではこちらから。」バサッ、バッ!「反魂法。」ひらひら・・ポポポン!
スタスタッ。「紙女たち、きれいなお兄さんと遊んでらっしゃい。」ダダッ!「・・」チャッ、カカカカン!
ドボドボッ!パラパラ・・「あら、銃弾より強かったのですね。では正攻法で。由良由良都布留部。」ビュッ!
キキキーン!ダッ!「接近すれば棍が上・・いい手ですけど。」ビュッ!「布留部。」ドカドカドカッ!
「!・・」ゴボッ!「私の珠はいかなる方位からも襲いますわ・・いかが?」グラッ・・ザザッ!「・・」
「・・強くなったな。」「わたしから目を離さないのはさすがね・・お仲間心配じゃないの?」「忍びたるもの、
いつ何時でも死ぬる覚悟はできておる・・特戦隊もそうでは?」「・・ひさびさに忍者らしいセリフを聞けたわ。
こうでなくっちゃね!ガリアン・ソード!」ビュルルルッ、シャキーン!「参る。」シャッ!タタタタ・・
「・・」すっ・・「・・目を閉じた?」ユラ・・「・・!」ぴくっ。「はあああーっ!」カキィィーン!
「見事・・よくぞ破った、飛燕抜刀霞斬り。」ギギギギ・・「視覚に頼らなければ普通の攻撃よ。それに!」
バン!「くっ!」「間合いは詰めさせない!蛇牙斬!」ビュルルルルッ!「はっ!」ターン!「上ね!」ターン!
クルッ、ガシッ!「もらった!飯綱落とし!」ゴオオオーッ!「あまい!」グン!バッ!「なにっ?!」
「飯綱返し!」「くっ!」ガスッ!「グッ!ヒザか!」パーン!・・スタスタッ。「ふう・・ちょっと痛かった。」
「飯綱落としを破るとは・・」「ホールドが甘いのよ。プロレス勉強したら?」「・・さすがはユキノだ。」
「・・ヒマ。」『ならば試してみなさい。』「?」スッ・・「・・フォレスト様?」「そのロンギヌス、熟練とは
いきませんが基本的な力は使えるはずです。ものは試し。」「・・わかりました。」スッ。「・・ロンギヌス。」
ヒュルルッ、ビシッ!「殖甲と唱えるのです。」「・・殖甲。」オォォォ・・ビュルルルルッ!『?!』
「心配しなくてもよろしい。あなたの身体にロンギヌスが鎧をまとわせてくれてるのです。」『・・鎧?』
ピキピキピキ・・シュゥゥゥ~。「成功です。魔装鎧・サキエル。」「サキエル・・これが・・」
「その能力は・・わかりますね?」「・・わかります。分体。」ズズッ・・ビチュッ。「さらに増殖できます。」
「・・なにあれ?」「まさかファーストが?!」「・・なんだあれは。」「なんと・・分身、いや分裂!」
「うそ?!あの槍にはあんな能力まであったの!」「ブキミ悪いのだ・・」「おえ・・吐き気しそう。」
「最初はそんなものでしょう。では。」『一斉攻撃・・』チャッ、ドビュビュビュッ!『おととととっ!』
ザキザキザキイッ!「うひ~!間一髪!」「よく直撃しなかったものです・・」「悪運が強いのだな。」
「こら~!わたしらまで串刺しにする気か!」「これは失礼、まだ未熟なようでしたね。では退きましょう。
「mst」。」サァァァ・・「・・霧?」『ではまたお会いしましょう、「無名」の皆さん・・』スゥゥゥ・・
「・・退いた、いや、退いてくれたか。」「特戦隊も霧とともに消えた・・あれが「闇」のフォレストか。」
「・・」こく。「さすがは大魔導士・・強大な敵になりそうですな。」「ええ・・オメガはますます強くなる。
このままではいずれは我らもあぶないですね・・」「そのとおりだ。」♪ジャジャン!はっ!『ビッグワン!』
ババッ!「わかったと思うが、オメガ各戦力は日に日にグレードアップしている。今回の凶槍ロンギヌスも
その一端にすぎん。さらに「闇」どのが加わることで、魔法戦力がこれから出てくるだろう。」「魔法・・」
「そこでだ・・お前たちは修行に行け。先生を紹介してやる。場所はチベットのラサ。」『チベット?』
「まにぷーら、だいじょうぶ?」「ああ・・なかなか手強い相手だったな。」「うん。つよいあいてはたのしいね。
わたしもまにぷーらも、けっこうかっかしちゃったね。」「・・そうだな。あれほど熱くなったのは初めてだ。」
「よくヴォータン相手にあれだけ健闘できたな。俺の目は確かだったようだ。」「びっぐわんのおじちゃん?」
「おいおいチャクラ、せめてお兄さんと呼んでくれ。」「・・ビッグワン、じっさいいくつなのだ?」
チチチチッ。「トシの話はヤボってもんだぜ、マニプーラのお兄さんよ。」「じゃあけっこーいってるんだね。」
ズデーン!「・・チャクラにはかなわんな~。」「うふふふふっ。」「・・ふふっ。」『あはははははっ!』
『これからのあらすじ~!』
「第一の神魔器「凶槍ロンギヌス」げっとお!」「さあ次の舞台はバチカン市国、サンピエトロ大聖堂だ!」
「でも世界に名だたる観光名所、どうやってゲットする?」「ふふふのふ。ユキ姉ちゃんの表稼業は?」
「・・映画女優、よね。それと何の関係が?」「名づけて「クロスカウンター」作戦~!つまりね」すぱーん!
「こら!まだ作戦内容バラしちゃダメ!読者のみなさんがガッカリするじゃないの!」『ユキ姉ちゃん?』
「コホン。・・というわけで、次回・オメガ戦記「十 - Deathcross -」ですね♪」『ああ~っ!あたしらの特権!』
「たまにはいーじゃない。最後のシメはみんなでやろ!せーの!」『うおおおっす!』「ドンパチなしだって。」
♪ザン!
ローマ市内。ブロロロ・・「ミヤビ、テープを。」「ええ。」パチッ。『おはようユキノくん。わざわざこういう形で
指令をしてほしいという理由がわからんが、まあいい。今回のターゲットはバチカン市国内のサン・ピエトロ
大聖堂にある。「闇」どのによると、ここの大祭壇にある十字架の内に第二の神魔器が封じられているという。
だが知ってのようにサン・ピエトロ大聖堂は世界有数の観光地。強行奪取はいたずらに人的被害を拡大する
危険性が高く、容認できない。そこで君の任務だが、誰にも気取られることなくこの第二の神魔器を密かに
盗み出すことにある。・・カサカサ・・(メモをめくる音)例によって君もしくは特戦隊メンバーが危機に陥っても
オメガは一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する・・成功を祈る。』パチッ。
「いや~、やっぱ秘密任務の伝達はこうでなきゃ。」「ドクターもあきれてたわね~。もっとも指令文は私が
書いたんだけど♪」「みやびんも好きね~・・ん?」シュゥゥゥ~・・ドカーン!『うきゃ!』・・ぷすぷす・・
「・・けほっ。ムーンめ、火薬の調合間違えたな・・(真っ黒)」「これじゃまるで悪玉トリオね・・ごほっ。」
プロジェクト13「十 - Deathcross -」
ローマ法王庁。「申請書類は受理されました。次の月曜日の午前6時から7時まで撮影使用を許可します。」
「ありがとうございます。」「言うまでもありませんが、聖堂内の壁や床、それに装飾物などに傷をつけないよう
注意してください。念のため司教を監察役として付けますがよろしいですね?」「そのほうが安心ですわ。」
「では月曜日に・・しかし器材のセッティングと撤去時間を含めて1時間とは厳しい条件ではないですか?」
「充分ですわ。うちのスタッフは優秀ですから、あっという間にやってしまいます。ご心配なく。」
カツカツ・・「ユキノ、おっけい。」「おっし!さすがみやびん、交渉もうまいね~。」「前法王の紹介状のおかげね。」
「けどいつの間にそんなもの偽造したの?」「偽造?・・これホンモノよ。」「・・えっ?!」「実はね、前法王とは
ヨーロッパ留学したときに知り合いになってたの。」「へぇ~、すごい!」「ユキノみたく政財界や軍関係のコネは
ないけど、王室と宗教関係はまかせてね。」「そっちはわたしもコネ薄いからね。さ、現場を下見しましょう。」
サン・ピエトロ大聖堂。オォォン・・「うわ~・・こんなに広いんだ。」「あら、ユキノは初めてだったの?」
「来る機会なかったもんな~。・・この巨大な建造物に費やされた財力と人力って・・これが宗教というものか。」
「ええ・・信仰だけでこれほどのものが出来るということ。人間って偉大なのか愚かなのか・・」「・・そうね。」
カツカツ・・「・・あれか、祭壇の大十字架。」「なかなかのデカブツね・・ビデオ撮影しておくわ。」ジィ~。
「ミヤビ、祭壇だけじゃなく周囲も多角的に撮って。あとで3DCGに起こすから。」「了解。」ジィィ~・・
スペイン広場。「さて、下見は終わったと。」「連中も器材を積んだバンを降ろしてくる頃ね。予定集合時間までは
少し時間あるから、ブランド店めぐりでもしよっか。」「あ、それナイス。」ガヤガヤ・・「さすがはイタリアね。
置いてあるものもファッショナブルだわ。」「ん~、これいいな・・」「あら、ユキノ・ディアノじゃない!」
「えっ?・・あっ!オリヴィー!」「奇遇ね~。まさかローマで会えるとは思わなかったわ。」「そ、そうね~。
(ちっ、予定外の事態が!・・まてよ?)実は明後日の早朝にサン・ピエトロ大聖堂でロケやるの。それでね。」
「えっ!・・よく許可降りたわね~。」「それはこちらのミヤビ監督の手腕よ。」「土御門雅です。はじめまして。」
「・・へぇ~。こんなに若いのに監督さん?」「わたしの知人で、まだ駆け出し。わたしは友情出演なの。」
「よろしければ明後日のロケに来られませんか?飛び入りで出演してくだされば嬉しいのですが。(すぐ察した)」
「それはいいけど、あいにく私も仕事なので。」「隊長・・おっと、オリヴィー、ここでしたか。」ぬっ。
「ん?・・ほう、マドモアゼル・ユキノがおられたとは。」「これはまた奇遇な・・」「あら、付き人のみなさん。」
にこっ。『おお~。』「おひさしぶりでございます。」「いつ見てもお美しい・・」「この幸運を大事にいたします。」
「まあ、みなさんたら。」ころころ。「・・あれ?監督さん気分が悪いようだけど。」「えっ?」くるっ・・ひきっ。
じたばた!(後ろで七転八倒してるみやびん)「ど、どうも水が合わなかったみたいね。ホテルで介抱するわ。」
「イタリアの水は良くないからね~。アクア(ミネラルウォーターのこと)とワイン以外は飲むと石になるから
気をつけてね。(マジで石灰分多い)」「ありがとう。それじゃまたね。・・さ、いきましょう監督。」ずるずる・・
路地裏。「・・ここならいいわ。」「・・ぷはははははーっ!わーっはっはっは!」「そんなに大笑いするこた
ないでしょ!」「だってさ、ふだんのゆきのん知ってるとさ、「ころころ」なんて可愛い笑い方・・ぷはははっ!」
「あんたね・・わたしの映画ぜんっぜん観てないのね。」「時代劇と特撮専門だもの。人様の好きだの嫌いだの
ゼニ払って観るシュミはありません。」「あ~、なら無理ないわね・・それでわたしの映画撮ろうっての?」
「観るのと書くのは別よ。ホンは読んだでしょ?」「まあね~・・たしかにいいホンだけどさ。・・おや?」
『へっへっへ・・』ザッ。「お嬢さんたち、遊ぼうぜい。」「ひさびさに上等のエモノだぜ・・」「ふ~ん・・
みやびん。」「おっけい。珠振。」ヒュヒュッ。「なんだ?」「由良由良都、古留部。」ドブシャアアッ!『ぐわあっ!』
ピン!「なに?」「隊長、なにか?」「・・こっちよ!」タタッ!・・ザザッ!『・・これは!』ブシャァァ・・
「・・なんという残虐な殺し方だ。」「大口径の機関銃にハチの巣にされてもこうはいかん・・そもそも発射音が
聞こえなかった。」「いったいどうやったらこんな死体を造れるのだ・・?」『これはオメガですね。』はっ!
『レニ!』「ちょっと遅れました。しかしすごいものですね。」「レニ、オメガって?」「エルサレムで目撃された
特戦隊新メンバーによる攻撃によく似ています。」「特戦隊か・・もうローマに入ってるということね。」
「狙いは間違いなくサン・ピエトロ大聖堂に隠された第二の神魔器です。オメガの今までのやり口からみて、
巨獣で陽動をかけたスキに強奪する作戦でしょう。」「つまりは巨獣が現れたタイミングで大聖堂に急行すれば
よいということだな。」「そういうことね・・レニ、タイミングは?」「月曜日なら観光客も少ないです。
そのタイミングを狙うでしょう。」「オメガは無用の被害は避ける傾向がありますからな。」「・・明後日か。」
路地の上、屋上。「ふふふ・・オメガをなめんじゃないって。」「これでサイキックアーミーの目は外に向くわね。」
「そのスキにいただきましょ。さ、ホテルに戻ってみんなと合流よ。」「ええ。」ヒュッ!シャシャッ・・
さて月曜日、5:50。ブロロロ・・キキィッ。バタン。ドカドカ。「では撮影器材を搬入する準備に入ります。」
「私が監査役のミハイル司教です。・・ほう、ゴム板をご用意ですか。」「あれで床には傷ひとつ付きませんから。」
ブロロロ・・キキィッ。「あ、女優が来ましたわ。」ガチャ。すっ。「おお・・あれがユキノ・ディアノ。」
つかつか・・「監督、おはようございます。」「こちらが監査役の司教さま。」「本日はお騒がせします。なるべく
NGを出さないよう急いで撮りますので。」「これは恐縮です。・・神のご加護のあらんことを。」「エイメン。」
6:00。「では開けます。」ガチャ。キィィィ・・「時間がないわ。セッティング急いで!」ドカドカッ!ババッ!
ガチャガチャ!「照明はそこ、1カメそこ。2カメはそこね。」「メイク、よろしく。」パタパタ。「よし、三分ね。」
「これは手早い・・」「照明オン!」ぱっ。「シーン72、カット4。本番!1カメ始め!」ジィ~。・・カチン!
「神よ・・なぜわたくしにこのような試練を課すのですか?あの方と別れるのはまさに地獄の責め苦・・いっそ
主の御許へとお召しくださいませ・・」「カット!つぎ、シーン75、カット6。・・司教さま、申し訳ありませんが
ここから先は作品のクライマックスなので、できれば・・」「わかりました。外でお待ちしましょう。終わったら
声をかけてください。」「ありがとうございます。」「主の恵みのあらんことを。」カツカツ・・ギィィ~・・バタン。
「・・よし。作戦開始。」「セカン、こっち。」「はい。」タタタタ・・「この大十字架の中だけど、わかる?」
「フォルスト様に教わった方法でやってみます・・主を磔にせし凶凶しき十字架よ。いまこそ古き契約に基づき
命じる。我が力となりて再び聖なる血を求めよ・・バルビダール・エスト・ナル・ムクル・・」キィィィ・・
「・・大十字架の中から光が?!」「ザンタン・デス・クゥラトー!」スゥゥゥ・・『おおっ!』「あれが・・
第二の神魔器!」「十字架の中から・・十字架が!」「・・鋼の十字架なのだ。ものすごい魔気なのだ。」
「あの十字架・・びっしりと細かい象形文字が彫られてるね・・」「見るからに不吉な十字架ね・・」
スゥゥ・・パシッ。「これぞ魔剣ダモクレスです。」「魔剣ですって?・・どうみても鉄の十字架だけど。」
「このダモクレスは重量でいかなるものをもつぶし切ります。そういう意味で魔剣です。」「なるほど・・」
「ダモクレス、納まれ。」シュゥゥゥ・・「・・小型の十字架に縮んじゃった。」「これで任務完了ね。」
「・・そろそろ時間ですね。」ガチャ。「司教さま、終わりました。」「おお、もうですか。」ドカドカ。
「充分に撮影できましたか?」「はい。いい映画になりますわ。どうもありがとうございました。」
「どれ、最後の点検を・・ほう、塵ひとつ残しておりませんな。」「発つ鳥あとを濁さず、ですから。」
「あ、ミス・ユキノ。最後にサインを。」「わかりましたわ。」サラサラ・・「それでは失礼いたします。」
バタバタン。ブロロロロ・・「・・おっしゃあああっ!」「大成功!」『イエーイ!』パチパチパチ!
「ムーン、フレイア、死羽姫。スタッフ役ごくろーさん。」「メイクだったからラクだったな。」「ムーンお姉は
いいよ~。あたしは照明だもの。重いわ暑いわでタイヘンだったんだから!」「照明その2なのだ。」
「まるヨさんもご苦労さま。」「カメラマンはけっこう楽しかったぜ。しかし奪取成功後も引き続き撮影した
みやびんの度胸には感心するぜ。」「あら、これ本気で上映する気だけど。」「おいおい大丈夫かよユキノ。」
「このシーンを核にハリウッドで作品にするからお楽しみに。」「ちゃんとCG処理とかしてからね。」
「さってと、サードが陽動かけるのは昼すぎね。」「ファーストは修行中とかで今回はパスだってさ。」
「ロンギヌスの扱いに完熟しなきゃいけないからね。セカンもすぐに修行でしょ?」「その予定です。」
アッピア街道。ブロロロ・・キキッ。「さて、回収地点だが・・」「・・来たよ。」ヒュィィィ・・ストッ。
「「ザカート」VTOL輸送機、「バーラ」か。まるでピラミッドね。」「ハッチが開くぞ。」ズズズズ・・ガコン。
ブロロロ・・ズズズズ・・パシッ。ヒュィィ・・「エゼキエルの現在位置は?」「北西20km。5分てとこ。」
そして昼すぎ。・・ドドーン!『巨人だあああーっ!』「ついに出たわね!」「急いで大聖堂へ!」シャシャッ!
ザザッ!『・・あれ?』ガヤガヤ・・「避難してる観光客だけ・・ですな。」「特戦隊がこの中に混じってるはず。
レニ、ダウジングを。」「わかりました。」イィィィィ・・「・・おかしい。ここにいる人はカタギばかりです。」
「神魔器は?」「情報によるとあの大十字架内だそうです。」「私が透視してみるわ。」ピィィィ・・
「・・えっ?!そんな!」「どうした隊長?」「中身はからっぽよ!」『なにいっ!』「やられましたね・・
でもいつの間に?」「・・わからない。あの容積ではかなり大きなものだし、なによりあそこでゴソゴソやれば
イヤでも人目につくはず・・」「・・たしか今朝、映画の撮影があったはずですよね。」「ああ、ユキノのね。
でもあれは違うでしょ。だいたい撮影時だってスタッフやらお目付け役やらウジャウジャいるんだから強奪は
不可能よ。」「だがタイミングがあるとすればそこしかないです。・・あ、司教さま。今朝は映画の撮影があったの
ですよね?」「はい。私が監査役をしておりました。」「ずっと付いておられたのですか?」「はい。ミス・ユキノは
すばらしい女優でありました。」「・・ありがとうございました。」「ほらみなさい。ユキノはシロだって。」
「巨人はどうやらベネチア広場を散歩しただけで引き上げたようです。」「・・ただの陽動だったのですね。」
サンタンジェロ城。♪ジャジャン。「オメガめ、第二の神魔器も手に入れたか。今回はみごとにやられたな。」
ちらっ。「・・ユキノの正体は報せないほうがおもしれえな。いずれわかるときが楽しみだ。」フッ・・
大要塞エゼキエル。「さすがだ特戦隊。よくぞ無血でダモクレスを奪取した。」「・・戦うだけではないのだな。
感心したぞ。」「戦うことより戦わないことのほうが難しい。それもこなすとは見事な部隊です。」
「ミヤビさんの頭脳の勝利ね。それにユキノの演技力と度胸が加わればまずは無敵・・かな?うふふふっ。」
「ミヤビはオメガ作戦参謀であると同時に特戦隊の頭脳でもあるわ。ゆってなかったけど、特戦隊の副長よ。」
「ほう、それは初耳だ。」「・・きわめて妥当なポジションだな。アカシック・リーダーの雅は強力な戦力だ。
それだけでなく交渉術もなかなかのもの・・法王庁を口説き落とすのは決して容易なことではないぞ。」
「あれほどあっさり撮影許可を下ろさせるなんて、さすが皇家の血筋。2000年の実績はダテじゃないね。」
「バラエティに富んだ人材に恵まれていますね・・さて次は最高難易度のミッションになるでしょう。」
「それは大歓迎です。メッカでしたっけ?」「はい。カーバ神殿の地下にある「無名都市」・・そこに。」
誰も知らない闇の邑・・名前も知らない黒い街・・
あれはなに?・・蠢く巨きなあの影は・・
誰も住んでるわけないのに・・街角に立つ人たち・・
さむいよ、熱いよ・・地の底に「虹 - Valgon -」が・・
追ってくる・・あなたを捕らえ、噛み砕く。
**********************************
♪ザン!
カタカタ・・「う~ん・・勇者と武闘家と魔法剣士と野伏と巫女さんか。やっぱ魔法使いが欲しいわね。
今回はお姫さまもいることだし・・」「みやびん、なにしてんの?」「今度の作戦のフォーメーションをね。
でもね・・予想される事態に対する特戦隊の戦力バランスがいささか不安なのよね。」「たいがいの敵なら
特戦隊だけでいけると思うけど・・何か障害が?」「うん・・ちょっとハードな障害がありそうなの。」スッ。
「ファーストとセカンはいまだ修行中だし・・モゲラは掘るしか能がないし、ペロペロはでかすぎるね。」
「・・フォルスト様が同行してくださればいいんだけど。」「呼びましたか?」ぎょっ!「フ、フォルスト様?!
いつからそこに?」「ハードな障害あたりからですが。」「・・気配も感じさせないとは。」「申し訳ありませんが、
私は二人の指導に忙しいので同行できません。その代わり、私の弟子を紹介しましょう。」「・・弟子?」
プロジェクト14「虹 - Valgon -」
チェコ・プラハ。オォォォ・・「・・ここか。「魔法兵団」の本部。」「うわ~・・すごい霊気。それに周りに
地縛霊やら怨霊やらウジャウジャいるわね。」「幽霊屋敷かここは・・みやびん、対抗策は?」「ばっちり。
はい魔除けの御札。」さっ。ヒィィィ~!・・「進路クリアー。」「さっすが霊験あらたか。」カツカツ・・
「呼び鈴はこれか・・」すっ・・パシッ!「みやびん?」「・・これはトラップよ。そのスイッチから邪悪な
霊気を感じるわ・・反魂法。」パサッ・・ポン!「ユキノ、ちょっと避難。」「?・・いいけど。」そそくさ。
「このくらい離れればだいじょうぶでしょう・・押しなさい。」こく。ピッ。キャアアアアーッ!ボシュッ!
「あっ!紙女がはじけ散った!」「・・やっぱり。バンシーの呼び鈴。押した者はあの叫びで殺されるのよ。」
「おいおい・・(真っ青)みやびんいなかったら、ああなってたわけか・・」「本命はドアノッカーよ。」
ゴンゴン・・カチャ。「どなた?」「ちぃーす、知世。」「こんにちは。」「もしや特戦隊のユキノさんですの?」
「そう。こっちは副長のミヤビ。」「はじめまして・・でよかったよね?」「・・あっ!もしやあなたさまは
土御門家の!」「あれ?・・知り合い?」「ちょっとね。」「どうぞお入りください。すぐに皆さんを呼びますわ。」
居間。「・・ユキノ、どういうつもり?こともあろうにあんた自身が。」「今回はやりあう気はないの。ちょっと
冒険のお誘いに来ただけ。」「私が同行したのが何よりの証拠よ。ね、さくら?」「はにゃぁぁ~ん。おひさしぶり
ですぅ~、ミヤビお姉さま。」「さくら、知り合い?」「うん。土御門家のミヤビお姉さんだよ。紀元家にとっては
本家筋にあたるんだ。」ぴく。「・・・・」「はい。いかにも阿倍清明が直系・・というより清明が土御門家です。
陰陽道の起源がひとつ、古神道を能くします。」「古神道・・まだ伝えている者がいたのね。西洋に黒魔術あらば
東洋に古神道ありとまで言い切る賢者がいたわ。」「陰陽道は日本古来の神道に中国伝来の風水や道教をミックス
したものですわ。でも古神道は神の業・・いわばホームビデオと業務用カメラほどの差がありますわ。」
「・・いかにも知世らしい喩えね。(^^;;」「・・・・」「はい、では本題に入ります。これを見てください。」
バサッ!『これは?!』「・・・・」「そうです・・カーバ神殿地下に封印された「無名都市」。ここが目標です。」
「・・あんたたち知ってるの?ここのもう一つの名を!」「知ってるわ・・「帰らずの街」。古来から幾多の
冒険者がこの迷宮都市に挑み、だれ一人として帰ってこなかった・・」「そこまで知っててなお挑むんですか?」
「そう。」「・・オメガの狙いは?」「第三の神魔器。」「・・あのね、そのために協力するとでも思うの?」
「紹介状です。」パサッ。『紹介状?・・ああっ!』「・・フォルスト様の書付け!」「・・隊長!フォルスト様に
よれば、「無名都市」に「無名祭祀書」があるって!」ぴくうっ!ばっ!・・「・・・・」「「無名祭祀書」・・
あらゆる禁断の魔法がしたためられた究極の魔導書!」・・こく。「そちらには我々は興味がありませんので。」
「・・・・」「了解!そうとなれば話は別よ。この冒険つきあうわ!」「おっし!出発は明後日の朝ね。」
サウジアラビア、メッカ。イスラムの大聖地であり、「黒い石」を祀るカーバ神殿には巡礼者が絶えない・・
だがその地下に呪われし古代都市が封じられていることを知るものは少ない。♪インシアラァァァ~・・
「さすがメッカね。すごい人・・」ザワザワ・・「屋根づたいに進んで正解だったね。」「さ、急ごう。魔法兵団も
そろそろ合流するはずよ。」「神殿の西北に都市に降りる隠し回廊があるわ。そこに来てるはず。」シャシャッ。
「サード、落ちてないか?」「うえ・・まるで絶叫マシンに乗ってる気分~。でも死羽姫ってあたし背負って
よくこれだけ動けるわね。」「サードくらいなら問題ないのだ。背負ってることさえ忘れそうなのだ。」ターン!
「ひえええ~っ!」ゴオオオオーッ!ストッ、シャシャシャッ・・「・・まるで猛獣に乗ってる気分。」
「お待た。」スタッ。「・・」「おっ、時間どおりね。」「ほえ?見慣れないメンバーがいるね。」「紹介しとくわ。
死羽姫とサード。サードは今回はお客さんだからあてにしないでね。」「どういう役まわりの方ですの?」
「神魔器の資格者。」「?・・」つかつか・・「な、なに・・?」じーっ・・「な、なんか怖いんですけど・・」
「・・・・」「え?・・取り込まれないか心配です?」こく。「相手は巨大な魔力を有する神魔器よ。ヘタすると
魔気にあてられてそのままレンフィールドになることもありえるってこと。」「・・レンフィールドってなに?」
「あ、知ってる。「ドラキュラ」に出てた伯爵の下僕ね。転じて魔に魅入られた人間のことをそう称するの。」
「へぇ~、さすがフレイア。読書家だけのことはあるわ。」「ディレッタントがいたとまでは気づかなかったわ。」
「さて・・ここが都市への入り口よ。」ザッ。オォォォ・・「ここからでもすさまじい妖気を感じるわ・・」こく。
「入るわよ。」ザッザッ・・オォォォン・・「うわ~・・すっごくイヤな雰囲気。」「そろそろ見通しが悪くなって
きたわね。」「・・」「はい隊長。「ライティング」!」ピカッ!「照明の魔法か・・さすが黒魔術のリナ。」
「では私も。霊珠。」ヒュヒュッ、ピカッ!「うわ~、明るい。」「まるでシャンデリアかミラーボールね~。」
カツカツ・・ピタッ。「分かれ道か・・死羽姫。」くんくん。「どっちにも同じだけ人が通ったニオイがするのだ。」
「・・」「はいたいちょー。」ぴっ。「我に道を示せ。「指南」!」パシィーン!ユラユラ・・「ほえ?どっちでも
いいって。」「どちらを選んでも行き着く先は同じか・・さらに先でまた分岐してるんでしょうね。」こく。
「・・・・」「え?10人もかたまってたらジャマでしょうがないんで、2パーティーに分かれて捜索すべきだ?」
「ミヤビ、どう?」「そのほうが合理的ね。私は同意。」「そんじゃチーム分けしようか。」「どう分かれる?」
「前衛3、後衛2が基本だけど。」「サードはNPCだから戦力外ね。」「誰がNPCよ!」「前衛できる人、手あげて。」
『はいはーい。』「知世ちゃん以外全員手あげてどーすんのよ!あ・・そういや知世ちゃんも戦力外だね。」
「失礼しますわユキノさま。わたくしだって戦えますわ。」ぷんぷん。「そーだっけ、さくら?」「ん~とね・・
実はまだ戦線投入してないんだこれが。」「え?・・なんで?」「だって知世ちゃんのは強力すぎるんだもん。」
「リナ、そうなの?」「あ~・・いろいろあってね。」ポリポリ。「・・なんかヘン。とりあえず後衛ね。」
議論の末、以下のような編成になりました。
第一パーティー: ユキノ・フレイア・ミヤビ・リナ・サード
第二パーティー: 芹香・ムーン・死羽姫・さくら・知世
「ユキノといっしょか。まあいいけど。」「同系列なんだから仲良くしましょ♪」「あたしもそうなんだけど。」
「・・あれ?どっかで会ったよーな気がするんだけど。」「・・実はあたしもどっかで聞いたことが。リナさん、
ちょっと・・」こしょこしょ。「・・え?いうの?」「ちょっとでいーから。」「う~ん・・コホン。(心がまえ)
だいじょうぶ、私には代りがいるから・・(おもいっきり作った口調)」「う~ん、似てるにてる!そっくし!」
「・・話についてけないんですけど。(―_―;;だから誰に似てるっての?」「ちょっと身近なヤツにね。」
「む~ん、見事にテO京でかたまったね。」「歴史を感じさせるわね~。似たようなのが三人も。」『なによ!』
「・・・・」「芹香さまと組めるなんて光栄です!」「ムーン、ファンなのか?」「敵味方を別にすれば、
ユキ姉・綾香さんと並んで最も尊敬してる方なの。」「はにゃああ~ん。隊長は人望厚くてステキだな~。」
「・・」ぽっ。「この合同パーティーは貴重な経験ですわ。バッチリ記録させていただきますわ。」ジ~。
「それじゃわたしらは右を、芹香さんたちは左の道を。」こく。「さて、鬼が出るか蛇が出るか・・」カツカツ・・
第一パーティー。ゴォォォ・・「・・街?」「これが・・「無名都市」か。」「地の底の街か・・フレイアとわたしで
俯瞰してみるわ。屋根の上に。」「はい!」シャッ!・・スタッ。「うわ~・・視界の届くかぎり市街地なんだ。」
「これじゃ進んでみるしかないわね・・」・・スタッ。「ミヤビ、結界を。」「いきなさい、霊珠。」ヒュヒュッ。
「これで半径100m以内のあらゆる動向は探知できるわ。」「さすが土御門ね・・センサーにもなるんだ。」
「さて、それじゃ安心して行きましょうかね。」スタスタ。「こらサード、うかつに先行しちゃ」ボコッ!
「うわっ!」「ガリアンソード!」ビュルルルッ!ガラガラッ!「それっ!」グン!ポーン・・どてっ!
「あいたたた!」「いわんこっちゃない。・・落とし穴が道路にあったとはね。」「あぶなかった~・・」
「トラップか・・考えておくべきだったね。」「消えた冒険者のいくらかはこういうトラップにハマったのね。」
「どれ・・うわ。」「底にスパイクか・・ガイコツがいくらかあるね。」「まいったな・・トラップ感知は死羽姫が
得意なんだけど。」「あら、あたしだって得意よ。」「リナが?んじゃ、やってみれ。」「ほいほい。振動弾!」
ドドドドン!ボボボン!ボコバコッ!ドサドサッ!『うわ~・・』「こんなにあったんだ・・あっぶな~。」
「どう?トラップは探すより発動させちまったほうがわかりやすいでしょ。」「そういう考え方もあるわな・・」
オォォォ・・「・・どうやらおとなしいトラップだけじゃなかったみたいね。」ザッ。「敵感知。前方より12、
後方より10・・建物の中にいたみたいね。」「この街の住人かな?」「そんなとこでしょう・・数千年も暗黒の街に
住まう者たち。」「あんましお近づきにはなりたくないね。」「さて、ゾンビかスケルトンか・・」「・・きた。」
ズシャッ、ズシャッ・・ぬっ!「あれは?!・・」フォッフォッフォッフォッ!「マタンゴよ!キノコ原人!」
「ミヤビ知ってる?」「ええ。毒キノコの菌糸に乗っ取られた人間のなれのはて。毒胞子を吐いて痺れさせ、
菌糸を植えつけて仲間にするのよ。」「毒キノコ怪人か・・フレイア出番よ!」「まかせて。アナライズ!」キン。
フォッフォッフォッ!「解析終了。カウンター・シンセサイズ!」「リナ、ほんの少しだけ守って!」「あいよ!
キノコにはこれね。火炎球!」ボッ!ドドドン!ボオオオーン!ウォォォーッ!「ナイスよ!」「対抗物質
合成完了!アルケミ弾撃!」ピュゥゥゥーッ!ジュジュジューッ!ムオォォォ・・ドロドロ・・「・・ふう。」
「な・・なにが起こったの?」「フレイアの必殺技。敵の化学組成を解析し、体内化学プラントで対抗物質を
瞬時に合成し放出する。」「今回はマタンゴの胞子を殺す物質、いわばカビキラーを造ったわけ。もちろん人体には
何の害もなし。」「へぇ~・・これが特戦隊の実力か。「錬金術のフレイア」の名はダテじゃないね・・」
ドロドロ・・「まるごと溶けちゃった・・」「全身が菌糸に食い尽くされてたのね・・ナムアミダブツ。」
第二パーティー。「・・なにあれ?」「・・石像なのだ。」「なんで道の真ん中に石像が・・」すっ・・チクッ!
「いたっ!・・いまのは?」じ~っ。「・・・・」『ええっ?!石のうぶ毛!』「てことは・・まさか!」
「これ・・石化された人?」こく。「ゴルゴンかメデューサでもいるの?」クンクン。「・・もっと厄介なのだ。
全員、左の角に注意するのだ。」ハッ!さっ。「死羽姫・・なに?」「・・ニワトリの臭いに似てるのだ。」ぴくっ!
「・・・・」「えっ?コカトリス!」ズシン、ズシン!クワアアアーッ!「ほええ~っ!ニワトリのオバケ!」
「石化ブレスを吐くモンスターですわ!みなさん気をつけて!」ジィ~。「それでもしっかりカメラは回すのね。」
「dmd。」ズガーン!クワアアアーッ!ブオオオオーッ!「九郎呪符!」ぴっ。「風ようなれ!「烈風」!」
パシィーン!ビュオオオーッ!ゴオオオオーッ!「あっぶな~。石化ガスにやられるとこだった・・はっ!」
クワアアーッ!ダン!「大ジャンプ?あぶない!」ドシャアッ!『うわっ!』「いけないのだ!ムーンが!」
ブオオオオーッ!「ぶわっ!」「石化ガスが!」ピシピシ・・「ム・・ムーンが石に!」クワアーッ!ズーン!
パリィィーン!『ああっ!』「ふ・・踏み潰されちゃった・・」「・・いや、あれはかえって好都合なのだ。」
『えっ?』バシャアアッ!クワッ?!「えっ?・・水?」ザパーン!クワワワッ!バシャバシャ!「コカトリスが?」
「いきなりできた水たまりに・・沈んだ?」「・・・・」「そうなのだ・・あれがムーンの特殊能力なのだ。」
バシャバシャ!・・シーン・・「・・溺れちゃったの?」ザザザザ・・「水が・・立ち上がりますわ?!」
ザザザザ・・シュウ。「ふう・・この技は疲れるからイヤなのよ。」『ムーンさん?!』「はい、なんとか生きてたわ。」
「いったいなにがどうなったんですの?」「あたしが説明するのだ。芹香さんは気づいたようだが・・」こく。
「ムーンの別名は「ウォータームーン」・・はやい話が液体人間なのだ。」「液体?」「人間?」「全身がコロイド状
細胞で構成され、いかなる物理的攻撃も無効なのだ。そして」「今みたいに液状になって、即席の底無し沼で
相手を溺死させることも可能なの。まあメッタに使わないけどね。」「・・コカトリスはどこいったの?」
「私のお腹ん中。特大サイズのフライドチキンだったわ。」「消化・・いえ、同化しましたのね・・」ぞ~っ。
「ほえええ~っ・・コワいお姉さんだな~。」「身体の表面が石化されたときはさすがにヤバかったけど、
コカトリスが踏み砕いてくれたから起死回生の反撃ができたわ。欠損した細胞はコカトリスを同化して補ったから
体重ももとどおり。」「かえって増えたんじゃないのか?」「余計なぶんはそこに肉ダンゴにして残してるから。」
『え?』デロデロ・・「うげ~、気味悪い色の玉・・」「こうはなりたくないですわ・・記録を。」ジィ~。
「ムーンさん・・ちょっと触ってみていいですか?」「いいけど。」すっ・・すりすり。「ほええ~・・
とても液体とは思えないよ~。」「結合力を加減してるからふだんはかわらないのよ。さ、進みましょ。」こく。
第一部隊。「さて、ようやく市街地の果てが見えてきたけど・・」ぴくっ。「移動物体感知。・・かなりでかいわ。」
「大物登場か・・戦闘準備。」ザッ。「右方向・・きた。」キキィ・・ガシャーン!「・・金属音?」ぬっ!
キィィィ!『なっ!・・青銅の巨人!』「ブロンズ・ゴーレム!」「なんでギリシャ神話の巨人がここにいるのよ!」
「古代文明がマネして作ったんでしょ。」「たしかに数千年のガーディアンにはふさわしいね・・」キキィィィ!
グワッ!「散開!」タッ!ガシャーン!「フレイア、いける?」「あれほどの質量の青銅は分解しきれないよ!」
「ならば力づくね!衝撃弾!」ドン!バシィィーン!・・「・・効かない?!」キキィィ!ガシャーン!「おっと!」
「生半可な物理攻撃は受けつけないみたいね。」「ユキノ、ブロンズ・ゴーレムの弱点は動力源よ。ひとつでも
穴を開ければ、そこからエネルギーである灼熱の血が流出して崩壊するわ。」「しかしこのゴツイ青銅の装甲を
どうやって・・ん?リナ、こういうことできる?」こしょこしょ。「・・わかった。やってみましょ。」
「フレイアも協力して。」「うおおっす!」「ではいくよ!ガリアン・ソード!」ガラララッ、シャキーン!
「双花剣!」シャン!「いくよ!「エンチャント」!」キン!「おっし!フレイア、あれをやるわ。」
「アレね、よくてよユキ姉ちゃん。」『はあああーっ!』グッ!「クルド流暗殺拳秘剣技、阿!」ダッ!
「泰山流双花剣奥義、吽!」ダッ!『合体奥義!大極鋼柱断!』ガキィィーン!「反対方向からゴーレムの
右足首に切りかかった?!」『どりゃあああーっ!』キィィーン!・・ザシャアッ!「・・どうなったの?」
キキィィィ!「ダメージ受けてないわ!」グワッ!「右足が!・・あれ?」ポロッ。「右足首が・・残ってる?」
ポタ・・ドロドロドロ!「足の切断面から真っ赤な溶岩が!」「あれがゴーレムの生命の源なのよ。」
キキィィィーッ!ガキキキキ・・グラッ、ゴオオオーッ!ガラガラーン!「・・ふう。びくとりぃ!」「やったね!」
第二部隊。「街もそろそろ終わりみたいだね。」「無事に抜けれそうでよかったですわ。」くんくん。「まだなのだ。」
『えっ?』「でかいのが近づいてくるのだ。この匂いは・・植物なのだ。」「植物?」ズルッ、ズルッ・・ぬっ!
カラカラカラ。「人型の植物?!」「まるで手招きしてるみたいですわ。」「・・・・」「・・えっ?吸血植物
グリーンモンス?!」「知ってるのだ・・南海の孤島が原産の人食い植物。自力で移動もするバケモノなのだ。」
カラカラカラ。シュゥゥゥ!「気をつけるのだ!しびれ蜜なのだ!」『おっと!』バシャッ!「あれがかかったら
動けなくなり、ヤツに食われてしまうのだ・・ここはまかせるのだ。」ザッ。「死羽姫・・どうする気?」
「あいつはどんな攻撃も樹液で無効化するのだ・・倒す手はひとつ!」ターン!ズボッ!『あっ!』
「花弁の中に!」カラカラカラ・・『樹液よ、我が剣となれ!』ボゴッ!ボゴボゴボゴッ、ブシャアアアッ!
『うわっ!』ドシャドシャッ!「グリーンモンスが・・爆発した?!」「死羽姫は?・・あっ!」グシャッ。
「ふぃ~、樹液だらけなのだ。」「ほえええ・・何が起こったの?」「・・・・」「ほえ?・・樹液の分子運動を
制御して瞬時に気化させた?」「それってオリヴィエさんの水分子振動能力と同じでないですの?」ふるふる。
「ちょっと違うね。死羽姫は体内波紋であらゆる物質に干渉できるの。だから空気を凝縮して武器にしたり、
地中の小石を弾丸のように飛ばしたりできるの。ゆえに液体はもっとも制御しやすい媒質といえるわね。
オリヴィエとの違いは水でなくてもいいってこと、それに直接触れないと制御できないってとこかな。」
「ムーンのいうとおりなのだ。わざわざ中へ入ったのは、波紋を体表で散らされないようにするためなのだ。」
「ほええ~、やっぱ特戦隊ってスゴイんだ~。」「さくら、雨が欲しいのだ。身体を洗いたいのだ。」「それでは。
「五月雨」!」パシィィーン!シャァァァ・・「ふう・・気持ちいいのだ。」「あら、私の池で洗わせたげるのに。」
「ムーンのは底無し沼だから土左衛門になりたくないのだ。」「まあね~。溺死したヤツいっぱいいるしね。」
「・・・・」「それではいきましょうか。」「そうね。死羽姫、他には?」くんくん。「もうだいじょうぶなのだ。」
「・・あれは?」「街外れに神殿が?」「いかにもここにありますって感じね・・いってみよ。」ザッザッ・・
「・・むっ?」ぴく。「なに?」「・・この壁のむこうに誰かいる。」「別働隊じゃない?」「かもね。おーい!
ムーンのネションベンタレ~!」ゴゴゴゴ・・ドガーン!「誰がネションベンタレよだれが!」「やっぱし。」
「そうか、ムーンはまだオネショしてたのだな。」「してないって!」「・・」こく。「ようやく合流できたね。」
「みなさんご無事で安心しましたわ。」「さて・・残るはあの神殿だけのようね。」「最終ステージね・・」こく。
ギギィィ・・「わりと小さい神殿ね。」「・・あっ!あった!」『おお!』「荊の冠をかぶって書を持った神像が!」
「両方とも一つところにあったのね。」「これでミッションクリアね!」ダッ!「サード、待った!」ガシッ!
「なんで止めるのよ!」「おバカ。神殿の内部をよく見なさい。」「えっ?」「・・碁盤目みたいな床だね~。」
「壁には不気味な顔の彫り物がズラリと並んでるわね。」「それに・・天井も桝目に区切られてますわ。」
「ロコツにトラップ仕掛けてありますよって意思表示よね。ミヤビ。」「わかってる。反魂法。」ふっ。ヒラヒラ・・
ポン!「紙人形?」「式神の一種だよ。」「行って。」こく。ツカツカ・・キシッ。ドビュッ!ドスドスドスッ!
『うわ~。』「毒矢くらいかと思ったら、おもいっきり三方から槍で串刺しか~。」・・ジャコジャコッ!ドサッ。
バカッ!ヒュゥゥゥ・・パタン。「槍は戻り、死体は落とし穴へ・・リサイクルも万全てわけね。さて・・」
「・・」「えっ?魔法バリアで防ぐ?」こく。「そしてあたしが浮遊の魔法で持っていくわ。」「複合魔法ね。
さすが魔法兵団。」「ここはまかせるわ。」「shld。」キン!「レビテーション。」ふわっ・・「浮いてればバリアは
必要ないのでは?」「あまいよ死羽姫。」スゥゥ・・!ドビュッ!キキキキン!「なんで?!」「壁の顔の目から
洩れてる光。あれが一種のセンサーになってるみたいね。」「ロープ使っても行けないわけか。念のいったこと。」
スゥゥ・・ストッ。「祭壇の前は安全みたいね・・神像自体にも仕掛けがあるかも。」じーっ・・キラッ。
「あるある。書を取り上げると腕が持ち上がって、あんまし面白くない事態になりそうね。」「頭のほうも
冠を取ると重量バランスが崩れて、なんか罠が発動しそうだね。」「フレイア、稼動部固められる?」
「やってみるね。速乾性樹脂!」ピュッ!バシャバシャッ!カチカチ・・「これで動かないはずだよ。」
「まずは書からいくかな。芹香さん、どうぞ。」こく。「・・」すっ・・ぐっ、ひょい。「隊長、これが?」こく。
「・・・・」「「無名祭祀書」か・・禁断の魔法がついにこの手に。」「ごっついカギがかかってるけど、開くかな?」
「持ち帰ってゆっくり解除すればいいですわ。」「さて、次は冠ね・・サード。」「うん。・・主の血を吸いし荊冠よ、
いまこそ呪われし力を我のものに。ザルタナール・イキトゥス・エル・バザール・・カント!」シュルルルルッ!
ビシビシッ!「冠からイバラが!」「サードの腕にからみつく!」パシパシパシ・・「冠がほどけて・・サードの
腕に巻きついた。」シュゥゥゥ・・「ついに・・あたしのものに。妖冠カルネアデス。」「任務完了・・かな?」ぴく。
ゴ・・ゴゴゴゴゴッ!「神像が!」「床に沈む?!」「しまった!本命は像自体の重量バランスだったのね!」
ガラガラガラッ!「神殿が崩れる!」「脱出よ!」ダダダダッ!グワラガラガラッ!ゴゴゴゴゴッ!
『よいしょ!』ダーン!ズゴゴゴゴゴッ!「・・なにっ?!神殿が地底に沈む!」「な、なんなのあの穴は?!」
ゴゴゴゴ・・シーン・・「・・見えなくなって、残るは巨大な穴だけか。」くんくん。「・・みんな、すぐにここを
離れたほうがいいのだ。」「言われずともそのつもりだけど・・なに?」「あの穴の中から、すさまじい獣の匂いが
するのだ。」「獣・・?」ギシャアアアーッ・・「・・なに?あの音。」ズシン・・ズシン・・「・・なんかすっごい
ヤバいものが穴の中から上ってくるみたいだけど。」「・・逃げよう!」『賛成!』ダダッ!ズシーン・・
タタタタ・・ギシャアアアーッ!『なに?!』くるっ。ドドーン!「・・あれは?!」「巨大トカゲ?!」
「なんて大きさ・・まるでドラゴンね。」ギシャアアアーッ!ジュルジュルジュルッ!「長い舌が!」びくっ!
「みんな脇道にとびこんで!」タン!ブシャアアアーッ!『うわっ!』「舌の先から白い煙?!」ピキピキ・・
「街が・・凍結しちゃった!」「冷凍ブレスか!」「・・思い出しましたわ!」「知世ちゃん知ってる?」
「ええ。長い舌、冷凍ブレス・・あれは魔獣バルゴンですわ。」『バルゴン!』「かつてバビロニア王国を
壊滅させた大魔獣。まさかメッカの地下に封印されていたとは・・」「「無名祭祀書」とカルネアデスは
あの怪獣を封じこめるためだったのね・・」「・・」しゅん。「芹香さん、いまさら遅いわ。ここはアイツを
ぶち倒すしか清算の手はないわね。」こく。「おっし!魔法兵団、戦闘に入ります!」「うん!知世ちゃんは
下がって。」「がんばってくださいね、さくらちゃん。」「特戦隊もパワーゲームよ!」「腕が鳴るなる!」
「食いごたえがありそうなのだ。」「さて霊珠が通るかしら?」「う~、このカルネアデスの使い方がわかれば
戦ってやるのに~。」「サードは見学してなさい、闘い方というものをね。総員!」『レディー、ゴー!』
地上、カーバ神殿。・・ズゴゴゴゴッ!ボゴオオオーン!『うわっ!神殿地下から巨大なトカゲが!』
「くそっ!地上に上げちゃったか!爆裂拳!」ドン!ガキィィーン!「こりゃ最悪の事態だ!三日月!」
カィーン!「これじゃメッカは廃虚になるよ~!溶解液!」ピューッ!シュシュン・・「相手がデカすぎて
攻撃がカエルのツラにションベンなのだ。大気よ我が拳となれ!」ブン!ドーン!「30mmバルカン砲より
強力な霊珠さえも抜けないとはね。」カカカン!「hrwn。」ドオオオーン!バシィィーン!「魔法も通じないなんて!
魔竜烈火咆!」ズドーン!バシィィーン!「さすがに伝説の魔獣だけのことはあるね!「焦熱」!」ゴオオオーッ!
ボシュッ!「これは大苦戦ですわね。」ジ~。「知世・・あんたこの期におよんでまだ撮影してるの?」
「だってこれがわたくしの任務ですから、いちおう。」ギシャアアアーッ、ブシャアアアーッ!『おっと!』
ヒュッ、カチカチ・・「市街地が氷漬けに!」ドドーン!キィィーン・・「おっ、サウジ空軍のお出ましよ。」
「空からならあの冷凍ブレスもどうにもならないでしょ。」「しばらくまかせてみましょうか・・ムダっぽいけど。」
「メッカ防衛軍は怪獣を撃破せよ!」キィィーン!ドシュドシュッ!ズガガガガーン!ギシャアアーッ!
「あ、やっぱし。ぜんっぜん効いてないわ。」「でも空からなら反撃できないね。」「いえ・・それは甘いですわ。」
「知世、どうして?」「バルゴンにはもうひとつの力があるのですわ。」ピィィ・・サァァァァーッ!「なに?!
バルゴンの背中から虹が!」シュン!ドガアアアーン!『うわっ!』「・・虹に触れた戦闘機が爆発した!」
シュンシュン!ドガドガドガーン!「な・・なにあれ?!」「バルゴン第二の武器、虹の熱線ですわ。数千度の
高熱の虹・・触れたら一瞬ですわ。」「・・なんてバケモノなのだ。」「空軍は虹に追い散らされて、もはや戦闘力は
なくなったようね・・」ギシャアアアーッ!ズーン!ズーン!「・・破滅なのだ。」「くっ!・・打つ手がない!」
「・・」くるっ。「・・えっ?隊長、よろしいのですか?」こく。「ほえええーっ!まさか知世ちゃんのアレを
呼ぶの?!」「あっちゃ~・・こりゃえらいことになったわ。」『えっ?』「・・何の話?」「まさか知世の力?」
「・・わかりましたわ。呼びます。」ごそごそ・・すっ。「・・勾玉のペンダント?」「・・深き海の底より
いまこそ来たれ、守りの神よ。大いなる甲羅を持つものよ、天を焦がしていまこそ姿を現わせ!」キィィィ・・
「勾玉が・・光る?」「・・そんなまさか!」「ミヤビ?」「あ・・あれを呼ぶというの!」「そう・・あれを。」
地中海。「こちらオライオン3。海中に異常なし。」『対潜聴音網に未知のシグネチャーを感知した。確認せよ。』
「了解。・・クジラでも迷いこんだかな?」ブロロロロ・・「・・ありゃなんだ?!」・・ゴゴゴゴゴ!
「こちらオライオン3。海中を高速で航行する未確認巨大物体を目視確認。・・直径50mの楕円型?!」
『そんな潜水艦がどこにあるか!』「しかし!・・浮上してくる?!」ゴバアアーッ!シュィィィーン!
「・・UFOだと?!未確認潜航物体が飛翔!UFOだ!高速回転しながら飛び去った!方向は・・紅海方面!」
シュィィィーン・・「・・来ましたわ。」「え?・・なっ!」『なにあれ?!』シュィィィーン!「え・・円盤?」
「ちがいますわ。まあ見ててくださいね。」「間違いない、あの霊獣だわ・・」「ミヤビさまならご存知ですわね。」
「こらミヤビ!説明しなさい!」「・・あれは知世んち、すなわち皇尊(すめらぎ)家に代々伝わる守護獣、
牙命霊。古代朝廷の守り神でもあった高貴な獣・・日本のドラゴンタートルよ。」「タートル・・亀さん?」
シュィィーン!「UFOがバルゴンに突っこんでくよ!」ドカアアーン!ギシャアアアーッ!ドガガガガーン!
「すごい!数百mはふっ飛ばされたよ!」シュルルル・・ズズン。ズボズボッ!「噴射口から手足が?!」
グワッ!キィアアアアーッ!『うわ~!ホントにカメさんだ!』「四肢を引っこめて円盤になって飛ぶとは・・
なんつー常識外れのカメよ。」ズーン!ギシャアアアーッ!「二大怪獣決戦だ~!」キィアアアアーッ!ガッ!
「爆炎火球ですわ!」ズドオオオーン!『うわっ!』ゴオオオーッ!ギシャアアーッ!ジュルジュルッ!
ブシャアアーッ!ボシュッ!「冷凍ブレスで相殺した?」ブシャアアーッ!キィアアアーッ!『牙命霊が!』
パキパキ・・「凍結しちゃった・・」「あのくらいで牙命霊は死にませんわ。でも・・」ダッ!「芹香さん?!」
「frm。」ゴオオオーッ!「牙命霊に火炎攻撃・・そうか!魔竜烈火咆!」ドドーン!ボオオーン!「わかった!
あっためて解凍するんだ!「焦熱」!」ドゴゴゴゴッ!「そういうことなら!ナパーム合成!」ブオオオーッ!
「そして炎のエネルギーは牙命霊の力の源でもありますわ!」ピシッ、ピシピシ・・パキィィィーン!
キィアアアアーッ!『やった!』ギシャアアーッ!ジュルジュルジュルッ!「そうはさせない!蒼月流脚法奥義・
円月斬!」シュバッ!ズパアアアーン!「ムーン、クリティカルヒットよ!」「快心の一撃といってね。」
「これで冷凍ブレスは吐けないわ!」ギシャアアーッ!ドスドス!バシッ!シャアアーッ・・ギエエエーッ!
「なに?壊れた消火栓の水をかぶったらバルゴンが悲鳴をあげた!」「・・わかった!バルゴンの弱点は水よ!」
「そうですわ!荒地を好む怪獣ですから水はかえって毒なのですわ!牙命霊、バルゴンを紅海へ!」こく。
キシャァァァーッ!ガブッ!ガシッ!ドオオオオーン!「バルゴンをつかんだまま飛んだ?!」「飛ぶよ!
ムーン、フレイアつかまって!「飛翔」!」『おっと!』ゴオオオオーッ!「・・」ぽん。「・・ホウキ?
ミヤビ、三人乗りよ。」「よいしょ。」「fri。」ふわっ、ヒュッ!「「白鳥」!知世ちゃん、死羽姫さん。」「ちょっと!
あたしを忘れないで!」「あら、サードさん。」「あたしにつかまるのだ。」バサッ!「うわっ!」ゴオッ!
紅海。・・ゴオオオーッ!「紅海に到達したようね。」「そのまま突っ込んでいくよ!」ゴオオオーッ!ドパーン!
ギエエエエーッ!ボゴボゴボゴ・・サアアア・・「虹が!・・消えていく・・」「バルゴンの断末魔ね。」
ザバッ!シュィィィーン!・・「牙命霊が・・飛び去る。」「また深い海で眠りに入るのですわ。」「どこの?」
「わたくしも知りませんわ。誰も知らない深い海の底・・牙命霊の故郷であり、安らぎの地ですわ・・」
「しかし・・よくわかったわ。なるほど、こういう事態でもないと使えない能力ね。」「・・・・」こく。
「さて、おたがい目的のものは手に入れたわけだけど・・秘密部隊としての立場に戻って、カルネアデスを
奪還する?」「・・・・」・・こく。「いっしょに冒険したのは楽しかったけど、これもお仕事なんでね。」ザッ。
「うらまないでくださいね・・」ザッ。「やはりこういうことになるのですね・・」ジ~。「うらみやしないわ。
これが本来のありようだし。」グッ。「やっぱやるしかないかな・・」スッ・・「いいかげん疲れてるけど、
まあお仕事だから~。」シャン。「かなり不本意だが・・しょうがないのだ。」グッ。「つくづく因果な職業に
ついちゃった気がするわね~。」ヒュヒュン。「ち、ちょっと!みんな今まで一緒に闘ってきたのに?!
なんで戦うの?!」「サード、見ておきなさい・・これがプロの戦士の非情の掟。目的が一つのときは共闘も
するけど、そうじゃないときは敵同士。そのへんのケジメはちゃんとつけないと生き残れないよ・・」ジリッ。
『両者そこまで。』♪ジャジャン!はっ!「あんたは・・ビッグ・王!」「・・?!」「第二部隊へ指令する。
このケンカ、秘密部隊総司令・ビッグワンの名のもとに預かる。拳を収めよ。」『秘密部隊総司令?!』
「言ってなかったかな?」「聞いてない!あんた・・そういうモンだったの?!」「そういうモンだ。」ふっ。
「・・・・」「芹香、そういうわけだ。現状ではお互い疲れきっている。この状態での戦闘はまちがいなく
つまらん結果になる・・わかるな?」・・こく。ざっ。「・・」「わかりました。「ミラージュ」!」ユラユラ・・
『また会いましょう特戦隊。そのときは・・』『敵同士として、死力を尽くして闘いましょう・・』『・・』
『それでは失礼いたします・・』ユラユラ・・フッ・・「・・消えた。」「幻影の魔法で退却か・・さすが。」
「今回はいろいろ世話になったな。カルネアデスは共に苦労したお前さんたちの正当な報酬ということだ。」
「ビッグワン・・理由はそれだけじゃないよね。」「ふっ・・ちょいと個人的な事情も混じってるかな。」
「個人的?」「いや、どうでもいいこった。・・じゃ、また会おうぜ。」♪ジャンジャカジャンジャカ・・
♪プルルル。「はい、綾香でーす・・姉さん?」『・・・・・・』「・・えっ?!あのクソオヤジそんなこと
やってたの!・・わかった。」♪ピッ。「セバスチャン!」「お呼びでしょうか?」スタッ。ビュッ!パシッ!
「いきなりのネリチャギとは穏やかでありませぬな。」「あんた知ってたんでしょ!うちのクソオヤジが
秘密部隊総司令だってこと!」「おや?ご存知ありませんでしたか?」「とぼけんな!・・世界放浪旅行を
してるとばかり思ってたら、いつの間に。」「旅行出発直後からですな。」「なんで黙ってたのよ!」「お父上に
口止めされてたからです。娘たちに余計な心配をかけまいと。」「・・おばあさまは?」「もちろんご存知です。」
「たく!知らぬはあたしたちだけってか。」「知ってしまえば親子の情がからむ。それが心配だったのでしょう。」
「・・でも今になって、なんで姉さんにバラしたのか。」「・・そうせざるをえない事情が生じたかと。」
「そうか・・ああみえて姉さんかなりムチャかます人だからね。黙って見てられなくなったのかもね・・ふふっ。」
「なにか?」「いえね、結局親バカのほうが強かったのかなってね・・ふふふっ。」「それが父親というものですな。」
『これからのあらすじ~!』「今回はあたしら活躍できたね~!」「ほんと目立っためだった!うれし~!」
「けどまさか非戦闘員とおもわれた知世ちゃんがガOラの巫女さんだったなんて!」「人は見かけによらないね。
で、次のお話はユーゲント中心だ!」「あら、私らお休み?」「そゆこと。三つの神魔器の実戦テストだって。
相手は、なっとお!NATO軍だ~!」「おっとお!・・自分で言ってて寒いダジャレだわ。」「あたしもちょっと
後悔してる・・」『え~、納豆はいらんかね。ナットナットオ~。』「おお!ますます寒いダジャレで死羽姫だ!」
「そんなわけでNATOを相手にあの三人が暴れるわけなのだな。場所はどこなのだ?」「ノルマンディーだって。
陸海空の敵を相手するのにちょうどいい場所なんだって。」「フランス・・獅子の女王あたり出てきそうだね。」
「来るくる、絶対くる。それにGエンジェルズもね。」「あ、それない。今回は武装巨人使わないから。」
「・・生身でNATO相手?あたしらならともかく、ユーゲントにそんなマネできるのか?」「フォルスト様は
できるといってる。ここはお手並み拝見といきましょうかね。」「でもさ・・あの三人は無差別殺戮しそうね。」
『・・ありえる。』「まあ死ぬのが商売の軍人だけならいいのだが・・」「・・民間人巻きこむね、きっと。」
『次回オメガ戦記、「凶 - Superior Soldier -」うおおっす!』「名前も出世するんだって。」
*********************************************
♪ザン!
ぼ~っ・・「・・お蝶、生きてる?」「なんとか・・でも半分死んでる。」「あたしも・・ルリがいねえと
こんなにさびしくなるとはな・・」「ルリの将来のためには最良の選択だったけど・・やっぱね~。」
「できればGGGから連れ戻してえとこだが・・」「できるわけないでしょ・・リオンだってわかってるはず。」
「こんなときゾンダリアンかオメガが攻めてきてくれりゃ、気もまぎれるんだけどな~。」「不謹慎よ。でも
まずは同感ね・・」「おーっす!元気してる?」バタン!『えっ?!ユキノ!』「てめえいつの間に!」
「あんなセキュリティ、ちょちょいのちょい。」「のりこんでくるたあいい度胸だ・・今日は機嫌がいいんで
ケンカなら買うぜ。」「あ、今日はちがうの。」『え?』「おさそい。いっしょに暴れない?」「どういうこった?」
「実はね、こないだエルサレムやらメッカやらボコボコにしたんで、原理主義の連中が怒っちゃってさ~。」
「自業自得でしょーが。」「下へ降りるとテロリストが団体さんでお出迎え。爆弾やら銃撃やら忙しくてね。」
「それでもピンピンしてるんだから、たいしたものね。」「でもさすがにうっとーしいんで、ちょっとお手伝い
してほしいな~なんてね。」「アホ。お断りだよ。自分のモメゴトは自分で始末しな。」「もう遅かったりして。」
♪ビーッ!『侵入者警報!武装集団が攻めてきたよ!』「この野郎!ひっぱってきやがったな!」「あったり~♪
そういうわけでお手伝いよろしく。」「しょうがねえ!お蝶、出入りだ!」「はいはい。気晴らしにいいかもね。」
「ひかりん、やーみん!かまわねえからかたっぱしからぶっつぶせ!メーサー砲使用を許可!」『おっけい!』
『こぼれたのはそちらでよろしく。』「まかせな。お蝶もやるか?」「ええ。おもいっきり暴れたい気分だから。」
プロジェクト15「凶 - Superior Soldier -」
「これで第13部隊はしばらく動けませんね。」「あれ?いつの間に秘密部隊に移籍したの?」「アルエットは
知らなかったのか?バチカンでドタバタやってる時期にスピード移籍したらしい。」「・・聞いたところでは
かなり以前からオファーはあったらしい。それが特戦隊によるシャッセール破壊で決定的になったようだ。」
「13部隊・・第10部隊までは知ってるけど、11と12はみたことないね。」「うむ。いまだその実体は不明だ。
まったく姿を見せておらん。」「・・気になるのはエルサレムに出現したゾンダリアンロボだ。あれがもし
秘密部隊の一つだとすれば符合する。だが・・」「ゾンダリアンが秘密部隊に協力・・考えにくいな。」
「それはいずれ判明することでしょう。では今回の作戦を実行にうつしましょう。」「はっ。では連絡を。」
NATO総司令部。「将軍!オメガから強制介入通信です!」「なにっ!」『こちらはバイオネット・オメガ。
これよりNATOに挑戦状をたたきつける。これより12時間後、ノルマンディー海岸・オマハビーチにて待つ。
できるだけの陸海空戦力をよこしてくれたまえ。さもなければパリは灰塵と帰す・・よい反応を期待している。』
「米軍と英国海軍をきりきりまいさせたオメガか・・これを倒せばNATOは世界最強となる。全加盟国に伝達!
できうるかぎりの戦力をオマハビーチに集結させろ!オメガをノルマンディーの藻屑にしてやる!」ダン!
「さて、それでは生まれ変わったユーゲントの諸君を紹介しましょう。みなさん入ってきなさい。」『はい。』
ザザッ。「まずは凶槍ロンギヌスを持つファーストのサキエル。」「・・殖甲。」ギュルルルッ!ビシッ!
『おお。』「瞬時に全身を覆う純白の鎧か。」「・・生体装甲。すばらしい能力だ。」「続いてセカンド。」
「はい。殖甲!」ギュルルッ、ビシッ!「紫の鎧のゼルエル。魔剣ダモクレスを持ちます。そしてサード。」
「アムラエル、殖甲!」ビシッ!「鮮血の鎧のアムラエル。妖冠カルネアデス。これらの鎧はいかなる攻撃も
通しはしません。核の直撃にも耐えます。さらにそれぞれの鎧は特殊能力を有します。それは今回の戦闘で
披露しましょう。」「これはおもしろいイベントになりそうね。」「こうなればもはやユーゲントという呼称は
改めるべきではないか?」「・・シュウのいうとおりだ。実はもう考えてある。Superior SoldierS。SSSだ。」
「SSS・・スリーエス。」「いい名だね。」「なんかGGGみたいだけど、カッコいいからよしとしましょう。」
「ではSSSに指令するね。これよりノルマンディー・オマハビーチに降り、NATOと遊んできてね。」『はっ!』
アバドン。「今度はNATOか・・GAGA、オメガ戦力推理だ。」『89%の確率で三神魔器を運用してくる。
武装巨獣は出撃せず。』「ほう・・なぜだ?」『神魔器の武装巨獣に対する影響を把握し正しく運用するための
予測される解析・評価期間が費やされていない。ただ資格者の教育期間は推定期間どおり完了したとおもわれる。
ゆえに導きだされる推理だ。』「なるほど・・編成案。」『第一・第十・第十三部隊を。ただし、第十三部隊は現在、
原理主義テログループと交戦中。事態収拾までは戦力外。』「わかった。素子はウィーンのBJどのの所へ。
ギアナにはキャナル・・いや、俺が行こう。」すっ。『司令が?!』「でも綾香さんは・・」「もういいのさ。
前回でばれちまったからな。それに・・ケジメはつけとかにゃいけねえ。あと頼むぜ。」『・・はい。』
シャッセール・・じゃなくて第13部隊本部。ただいま戦闘中(笑)。「アラーは偉大なり!」「やかましい!」
ズバーン!「アラーによろしく!つぎ死にたい奴、前へ出ろ!御許にいかせてやるよ!」『くっ!』ザザッ・・
「ウラー!」ダッ!「爆弾巻いたヤツ?はた迷惑よ。サイコ・バースト。」キン!シャバッ!「・・消滅した!」
「せっかく再建した基地を壊されてたまるもんですか。それに私はいま非常に機嫌が悪い・・容赦しないわ。」
「ごめんね巻き込んじゃって。斬首脚!」スパーン!「あとできっちり清算してもらうよ!」ザキィッ!
ズガガガガッ!「四つ星フルコースでどう?はいはいはい!」パシパシパシッ!「それで手を打ちましょう。」
キン!ドオオオーン!「ヴェニズン(鹿)つけるなら許す!キングギドラ!」ドオンッ!ブシャアッ!
「な・・なんという連中だ!精鋭部隊が数分で!」「これで精鋭?はん、このリオン様には役不足だね。」ぎょっ!
「まさか・・リオン・レーヌ?!」「あら、知らずにケンカ売ってたの?」「フランスの血に餓えた牝獅子!」
どげしっ!「あ~?よく聞こえなかったけど。」「い、いえ・・なんでもないです。」「・・死ね。」グシャッ!
『リオン、外の武装グループもだいたいかたづけたよ。』『メーサーでひと掃きしたら蒸発しちゃった♪』
『まあ普通は蒸発するわね~。ダークミサイルは至近距離じゃ使えないんで、私は踏みつぶし専門でした。』
「相変わらず牙むく相手に容赦ないわね~。」「もう~、こんなに汚して。ユキノ、掃除も手伝ってよ。」
「たく。取り巻きの特戦隊はどうしたのよ。」「有給休暇中。ここんとこ働きづめだったからね。」どてーん!
「たたた・・一般企業みたいなことしてんじゃねえよ、犯罪組織が!」「福祉はどこでも組織には必要よ。
でさ・・お蝶さん。」「なに?」「・・いえ、思いすごし。(・・ゲドウの能力そっくりだけど。)」「・・?」
ギアナ高地、夕刻。ギャアギャア・・「綾香さん、夕食の大トカゲを獲ってきました。」「こっちもイキのいい
ピラニアが上がったわ。」「ではさっそく調理いたしましょう。エクストリーム、厨房ユニットを。」シャッ。
「葵、できるまでに水浴びしておこうか。」「はい。」「えーと、洗濯した下着は乾燥機の中だったな。あとは
タオルと着替え。」ごそごそ。「これでよし。」「環境にやさしいセッケンも持ちました。」「どうぞごゆっくり。」
ジャバッ・・スィィ~。「ふぅ~。修行のあとの水浴びはキモチいいね・・葵、最近だいぶ胸がふくらんで
きたんじゃないの?」「そ、そうですか?綾香さんみたいになれるといいんですけど・・」「なれるって。
もしかしてあたしより大きくなったりして。」「そ、そんなことないですよ~。」「ふふっ。・・」キラッ。
『獅王波動拳!』ドドン!ドバアアアーン!「葵も気づいてた?」「はい、殺気はありませんでしたが。」
「・・さすがにいいカンだ。」♪ジャジャン。すっ。「・・オヤジ!」「よっ。だいぶ成長したようでなによりだ。」
「え?・・あっ!」ジャポッ!「ははははは。父親相手に恥ずかしいもねえだろ。」「オヤジだから恥ずかしいの!
ちょっと向こうむいててよ!」「はいはい。」くるっ。「このまま話すぞ。ノルマンディーにオメガがくる。」
「またユキノたち?」「いーや、三つの神魔器を装備したユーゲントだ。」はっ!「三つの神魔器ですか?!」
「それでNATO軍を生身でつぶすとよ。」「へぇ~、それは見モノね。・・もういいわ。」くるっ、パシーン!
「綾香さん?!」「いいビンタだ。」「いままで黙ってたぶん。では出撃するわ、「総司令」。」スタスタ・・
「綾香。」「・・なに?」「大きくなったな。・・母さんに似てきた。」「・・そう。葵、いくわよ。」「は、はい。」
「掃除も済んだし、さっそくディナーに行きますかね。」「まだ晩メシどきには早いわ。もうひとつ面白い
イベントがノルマンディーであるんだけど、見物しない?」「なんだ?」「オメガ対NATO。」『ええっ?!』
「武装巨人知ってるよね。あのパイロットたちが三つの神魔器でパワーアップしたんで実戦テスト。
NATOが相手役を引き受けてくれたってわけ。」「・・さっそく実戦に投入するのね。」「あくまでテストだって。
実戦てのは秘密部隊とやりあうときのことをいうのよ・・」「なるほど。初心者にはNATOくらいでちょうど
いいってこったな。」「そゆこと。どう?」「・・ポルコ使えば10分でいけるな。」「見物しましょうか。」
ノルマンディー海岸・オマハビーチ。かつて第二次大戦の転換点となった古戦場である。半世紀以上の歳月を
経て、ふたたび戦乱の嵐が巻き起ころうとしていた・・ギュラギュラギュラ!キィィィーン!ゴゴゴゴ・・
「第213機械化師団、配備完了。」「第八航空団、到達。」「艦隊集結完了。」「エゼキエル感知!モン・サンミシェル
方面よりオマハビーチへ進行中!まもなく視認距離!」ドドドド・・「あれか。航空団、かかれ!」キィィーン!
「対空ミサイル一斉射!」シュドドドドッ!ビュオオオオーッ!ガクガクッ!「異常な気圧変動!乱気流発生!」
「ミサイルが・・吹き飛ばされる?!気象兵器か!」ズババババッ!ボンボンボン!「計器損傷!操縦不能!」
「・・よし、SSS発進。」シュパパパッ!ヒュィィーン!「エゼキエルよりボギー3!・・人間だと?!」
「ひゃっほ~!」「これはいいね!」「・・高機動プラットホーム「トーロイド」・・使いやすい。」
ヒュィィーン!「バルカン砲だ!」ブオオオオーッ!「おっと!」ひょい、スカカカッ!「なんて機動性だ!」
「・・ロンギヌス、いって。」シュパッ!・・ズドーン!『うわっ!』ズガガーン!・・パシッ。
「やるねファースト。僕だって。ダモクレス、いけっ!」ビュン!ヒュルルルルッ・・ドグシャアッ!
「一機づつなんてうざったいわ!カルネアデス!」シュババババッ!「いきなり空中に壁が!」「イバラの壁!」
ズガガガガーン!「もどれ!」シュルルルッ、パシッ。「あーはっはっは!これは使えるわ!さて次よ!」
「NATO空軍、全滅か。あっけないこと。」「神魔器とそれを使うSSSがそれだけ強いということだな。」
「いえ、まだまだ。いかなる戦場でもその威力が発揮できませんとね。」「・・次は海戦だ。急降下開始。」
ヒュィィーン!「ファーストは戦艦を、セカンは巡洋艦!あたしは空母をやるわ!」「・・了解。」「わかった!」
「あのバケモノどもを近づけるな!対空ミサイル!」シュバーッ!「・・何を狙おうというの?」ひょい。
「目標が小さすぎて当たりません!」「CIWSだ!」ブオオオーッ!「ムダ・・ロンギヌス。」ブン。シュパッ!
ズドーン!「艦橋直下に直撃!」ギシ・・バキバキバキッ!『うわっ!艦橋が倒れる!』グシャアッ!
「ダモクレス!」ヒュンヒュンヒュン!ボゴオオオーン!「左舷に浸水!復元不能!」ドグォォォ・・
「カルネアデス!」シュバババッ!ジャリジャリッ!キュィィィーン!バリバリバリッ!「艦が輪切りに!」
「対艦ミサイル以上の精度と破壊力のロンギヌス、艦砲なみのダモクレス、それに数隻を同時に寸断する
カルネアデスのイバラのワイヤーソー。期待したとおりの能力です。」「これで特戦隊に負担をかけずにすむな。」
「ああ・・だが。」キラッ。「まだまだ未熟だな・・武器の潜在能力に使い手のレベルが追いついていない。」
「・・さすがシュウだ。よくぞ見抜いた。」「あれだけの武器です、使いこなすには実戦で経験値を上げるが
最上の方法です。しかし・・」「技術的には正解だが、精神面に不安がおありですな。」「そうです。あの三人は
潜在戦闘技量はともかく、メンタル面で若干の不安があります。それが裏目に出なければよいのですが。」
「勝ってるうちはいいでしょう・・でも、真の強敵とぶつかったときが問題ね。」「そのとおりです。」
オマハビーチ。ギュラギュラギュラ!「お~お~いるいる。」「全ヨーロッパの戦車かき集めてきたみたいだね。」
「・・チャレンジャー、レオパルド・・71式まで。」「ざっと三千台か。つぶしがいがあるわね。」コキコキ。
ズドドドドーン!ヒュルルルル!「戦車砲の一斉射・・おそい。」ヒュィィーン!「中に飛びこんじゃえば
役立たずってね!」タン!ザシャッ!「いまこそアムラエルの力を思い知れ!全砲門開放!」ジャコジャコッ!
「徹甲焼夷針、いけええーっ!」シュパパパパッ!バココココッ、ズガガガガーン!「これで50台!」
「サキエル、分裂・・」ジュブジュブ・・『伸びて・・ロンギヌス。』シュババババッ!ズドドドドドッ!
「どれにしようかな・・うん、レオパルドにしよう。」ピタッ。「ゼルエル、同化!」ギニュゥゥゥ~。
ズムズムズム!「もう一台。」ズムズムズム・・「よし。速射戦車砲、ていっ!」ドンドンドン!ドカアアーン!
「キャタピラ応用、バトルチェンソー!」ジャラララッ!グシャグシャッ!「とどめのダモクレス・プレス!」
ブン!ドゴオオーン!「これぞゼルエルの力。あらゆる兵器を同化し、それ以上の能力を引き出す!さらに!」
グッ、ジャコン!「ダモクレス・カノン!」カッ!ズドオオオーン!ズガガガガガーン!「まるで波動砲だね。」
「いかがです?魔装鎧の力は。」「ゼルエルの力・・ゾンダー能力に似てるね。」「いかにも。機械を融合し、
潜在能力以上のものを最大限発揮する。ゾンダーロボなどに典型的な現象だ・・「闇」どの、もしや・・」
「ふふっ。さすがドクター、いい点に目をつけましたね。たしかに神魔器は機界生命体のものに酷似してます。
いや、機界生命体そのものかも。」「・・つまり、太古の地球に機界生命体が存在したということか。」
「そこのところはまだ研究中です。ひとつ大胆な仮説がありはしますが、それはまたいずれお話ししましょう。」
「だいたい想像はつくな・・ちょっと考えれば子供にでもわかる仮説だ。」「わたしもわかっちゃった。たしかに
突飛な説だけど、いちばん自然な論理かもしれないね。」「さすがオメガ幹部のみなさんです。ご明察。」
『うわ~・・』ゴォォォ・・「こりゃひでえ。上陸作戦失敗した連合軍・・てなカンジだな。」「いえてる。」
「あ~あ、連中ハデにやったもんだ。」「ポルコ、NATOの損害は?」『全戦力の61.3%。事実上の壊滅だね。』
「素質はあるが経験値が低い連中でこれか~。熟練したらどうなることやら。」「今のうちにつぶしとくか?」
「リオンでも3対1じゃ分が悪いわね・・少なくとも綾香さん・芹香さま・志保ちゃんの誰かと組まないと。」
「ビッグ4・・それにわたしも入れれば、まずはいけるか。」「・・ユキノ、もしかして反発おぼえてんのか?」
「・・うん。己の技量のみを頼りとするわたしら特戦隊からみればね。道具に頼ってたら、いずれは道具に
滅ぼされる。道具は手足の延長にすぎない・・それを忘れた者には悲惨な最期しかないわ。」「・・そだな。」
メラメラ・・「だいたい終わったわね。」「まだ暴れ足りないな~。」「・・なぜか血が騒ぐ。戦えと・・ん?」
ゴオオオーッ・・「あれは?」「空飛ぶリムジン・・まさか!」「・・機動武闘團。」『SSSへ、退却しなさい。
今回はテストだけです。第一部隊が相手ではまだ荷がかちすぎます。』「・・命令無視。」ピッ。「ファースト?」
「私は・・戦いたい。」「・・そうね。つきあうわよ。」ピッ。「相手にとって不足なし。倒せばいいのさ。」ピッ。
「なんと・・命令を拒否するとは。」「いけませんね。どうやら恐れていた事態になったようです。」「神魔器の
魔気に当てられたかな?」「強大な武器を持った者にありがちな傾向だ。ちょっと勝っただけで天狗になり、
彼我の実力差を見誤る。しっかりした自制心と冷静さを持ったものでもないと、簡単に陥る心理的錯覚だな。」
「・・いかんな。まだ三人を失うわけにはいかん。強制回収しよう。」「いえ、それは戦闘経過をみてからでも
遅くありません。少しだけやらせてもらえませんか?」「・・いいだろう。ユキノが近くにいるはずだな。」
「あそこで見てるみたいだけど。」「ほう、獅子の女王も一緒か。」「もう一人・・あれがパピヨンか。・・むっ?」
「ゲドウ、なにか?」「・・まさかな。他人のそら似だ。」「あれがユキノさえ恐れた「黄金蝶」か。」ぴくっ!
「シュウ!いま何といった!」ぎょっ!「「黄金蝶」と・・どうしました?」「・・パピヨン・・黄金蝶・・」
ゴオオオーッ!ザザザーッ・・ガチャ、ザッ。「見ない顔ね。新人?」「武装巨獣がパイロットを務めてた者よ。
第一部隊とはお初ね、たしかに。」「なるほど。さて、ユキノたちより強いかしら?」「・・周りをみて言えば?」
メラメラ・・「NATOも弱いのばっかいじめてるから貧弱になんのよ。」「どこの軍隊もたいがいそうですけどね。」
「北欧諸国を見習うべきですな。」「三人でこれか・・何分かかったの?」「30分だ。」「あ、ダメダメ。これくらい
10分以内にかたさないと。」むかっ。「でかい口きくじゃない・・」「挑発してんのよ。さ、いらっしゃい。」
ザッ。ヒュオオオオ~ッ・・『・・はっ!』ダッ!「ロンギヌス!」シュバッ!「あまい!」ひょい、ガシッ!
「てりゃあっ!」グン!「なっ?!」ブン!ズドオオーン!「長物はこうさばくのよ。」「・・まだ。」ザッ。
「はじまったぜ。」「リオン、助っ人いかなくていいの?」「綾香たちに助っ人?いっしょにぶち殴られるのが
オチさ。今回は高みの見物としゃれこむわ。」「それもそうね~。」♪ピロピロ。『あれ?』「・・あ、わたしだ。」
ピッ。『ユキノか。ユーゲント改めSSSがやばくなったら回収してくれ。タイミングをみてバーラを送る。』
「了解。しばらくは様子見ね。」ピッ。「どっからだ?」「上から。仲裁してくれって。」「あら、本意じゃないの?」
「どうやらね・・考えてみれば、いきなり機動武闘團に当てるなんてムチャよ。連中、突っ走ったな・・」
「槍は接近してしまえば役たたずよ!」ダッ!「・・振り切れない!分裂!」ジュブジュブッ。「なにっ?!」
ザザザッ!「あっという間に十数体に増殖した!・・本体は?」『みんな本体よ。細胞分裂で造られた本物。』
ザッ!『ロンギヌス。』ビュッ!「全方位から?!はっ!」カカカカッ!「・・避けきれない!」ザクッ!
「ぐっ!」ドスドスドスッ!「ぐはっ!」ボタボタ・・『・・しょせん素手では武器には勝てないということ。』
「とおっ!」ブン!「おそい!」ヒュッ、ドコオオーン!「前進して回避だって?!」「そして!」ターン!
「獅王旋風脚!」ドン!バキィィーン!・・「・・動じない?!」「スキあり!」ブン!ドゴオッ!「ぐっ!」
ズダダダーン!「くっ・・アバラ三本か。」「このゼルエルには核の直撃も通じない。覚悟!」ゴッ!タン!
ドゴオオオーン!「前転?」ガッ!「ならば投げ技はどうです!」パン!「獅王一本槌打!」ふわっ・・
ズドオオーン!「・・これでよくて脳震盪のはす。」「・・ふふふ、効かないな~。」ボコッ!「そんな!」
「言ったはす。この鎧にはどんな攻撃も通じないと!」ジャキッ!「十字架の底に・・砲口?!」
「ダモクレス・キャノン!」ズドオオオーン!「こんな至近距離で!・・」ドガアアアアーン!
「カルネアデス!」シュバババッ!「ほう、イバラの蔦ですか。」バシバシッ!「その防具ごと削ってあげるわ!」
ギュルルルッ!ガリカリガリッ!「よく削れますな。だがその前に!」ガシッ!「ふん!」グイッ!「なっ?!」
トトトッ。「ベアハッグでございます。」ガシッ!メキメキ・・「・・なんと?!この鎧は!」「このエロオヤジ!
女の子抱くなら優しくやりなさい!」ジャキッ!「徹甲焼夷針!」シュバババッ!カカカッ、ボオオーン!
「ぬわっ!」パッ。ザッ!「あーはっはっは!そのまま焼け死になさい!」「ぐおおおおーっ!」ゴオオオーッ!
「おいおい、苦戦してっぞ。」「というより、三人とも大ピンチね。」「リオン!マジで助っ人いかないと大変な
ことになるよ!いいの!」『ふふっ。』「?!お蝶さんまで?」「あなた、あの三人のこと何にも知らないのね。」
「あの程度で死ぬタマかよ、あのバケモノトリオが。」「・・まだ戦えるというの?」「まあ見てな・・なぜ
機動武闘團が秘密部隊最強かという理由をよ。」「超人とはまさにあの三人のこと・・ほら。」「・・えっ!」
「・・意外とあっけなかったわ。」「いや、僕らが強すぎるのさ。」「これで特戦隊にもう大きい顔はさせないわ。」
『・・ふっ、ふははははは!』「なに?!」「あんたら、この程度で勝ったつもり?はっ!」バシーン!
「ほんと、笑っちゃいますね。ふん!」ボコッ!「亥の中の蛙に大海を教えてあげましょう。むん!」ボシュッ!
『バカな!』「あなたたちのターンはおしまい。」ポキポキ。「次はこちらの攻撃ターンです。」コキコキ。
「レベルの違いというものをお見せいたしましょう。それではお嬢さまがた、本気でまいりましょう!」
『おう!獅王明鏡止水!はあああーっ!』ギーン!「なに?!綾香と葵の身体が・・」「・・黄金に輝く!」
「わたくしも!はあああああーっ!」モコモコモコッ!「げげっ!セバスチャンの筋肉が!」「パンプアップ!」
「あれは?!」「あれこそ機動武闘團の全力戦闘モードさ。」「特殊な呼吸をすることで全生体機能をブースト。
ほとんどの重傷はふさがり、筋力および反応速度は数十倍にアップする。ああなればあの三人は世界最強。
たとえ核兵器をぶつけたところで笑って生還するでしょう。」「・・まさに超人部隊。これほどとは!」
「ではいっくよー!」ギュルルルッ!「・・なに?!」「獅王機甲拳奥義!超級獅王青嵐弾!」ドン!ズゴゴーッ!
「・・抜けるわけない。」「それがアマチュアだってのよ!おおおおおーっ!」ドゴオオオーン!「なっ!・・」
メキメキメキッ!「・・ありえない!」「この世にありえないことなんて存在しないわ!でりゃあああーっ!」
バキバキバキッ、ズガアアアアーン!「うわあああああーっ!・・」・・ズダダダダーン!「ファースト!」
「あなたの相手は私です!」はっ!ゴオッ!「獅王機甲拳奥義!獅王崩壊拳!」ドン!ドゴオオオーン!
バリィィィーン!「ぶはああああーっ!」ヒュルルルッ・・ドグシャアッ!「セカン!・・こうなったら!」
ジャコン!「徹甲焼夷針!」シュバババッ!「ふんふんふん!」パシパシパシッ!シュゥゥ・・「バカな・・
指ではさんで止めるなんて!」「心頭滅却すれば火もまた涼し。わたくしはまだちょっと熱いですが。」ぽい。
「ではまいります。ふん!」ダッ!「なっ!」「必殺!サカモト百発パンチ!ほあたたたたたたたたたたた!」
ドゴドゴドゴドゴッ!「あーたたたたたたたたたたたたたたたたたた・・何発でしたかな?」ドゴドゴドゴッ!
「では適当に。あたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたっ!」
ピシピシピシッ!「たぶん百発め!ほあったあああーっ!」ドゴオオオオーン!「ちゃんと数えろおおおーっ!」
バリィィィーン!ドサアッ!「く・・」「そんな・・魔装鎧が・・」「こなごなに・・砕け散るなんて・・」
「なかなか頑丈な鎧だったわ。けど。」「装備に頼っていては私たちには絶対勝てません。」「なぜ・・よ・・」
「後学のためお教えしましょう。最強の武器は人間なのです。」「人こそ・・最強・・」「・・そうだったのね・・」
「うひゃ~・・」「わかったろ?ユキノが綾香と互角なのは、あんたが自分の身体だけ使って闘ってるから。
強力な武器はそれだけ使う者の技量と熟練を要求される。そう、武器に負けるヤツは未熟者なのさ。」
「そして機動武闘團はその究極、すなわち自分の肉体が最強の武器という信念と実力を持つ。だからこそ
どんな強大な敵にでも笑って立ち向かい、必ず勝利する・・その自信と裏づけとなる技量を有しているの。」
「・・次にまみえたときは、わたしらも同等の自信と覚悟を持たなきゃいけないわね。」「それでいいのさ。」
「けど、今回はさすがに彼らもきつかったみたいですね。」はっ!『美鈴?!』「綾香さんは内臓いくつか破裂。
葵ちゃんは加えてアバラ8本、セバスチャンも二度の火傷と無数の傷・・よく生きてるものね。」「ジャンヌ!」
「人間の限界を超えた三人・・医学的にも実に興味深い。」「ドクター・ゴッドハンド!」「治療にかかる。
美鈴、まずは雨で冷やしてあげたまえ。」「はい。祓え串!」シャン!「春雨の2.3x10の13乗ジュール!」
ゴオッ!・・ポツッ、サァァァ・・「う~ん、気持ちいい雨・・あれ?」「あれはリオンさん?」「ほう、
お蝶さまとサウザンドアームズの皆様がたも。」「・・なんでユキノまで?」『お~い。』サクサク・・
「さすが第一部隊だ。見事な戦いだったぜ。」「それはいいけど、ユキノがなんでいるの?」「今日はお休み。
そこの三人はこっちで始末しとくから。」「・・まさか処刑するんですか?」「やーね、オメガはショッカーじゃ
ないって。いちいち処刑してたら人材不足で倒産するわよ。」「だからカタギの会社みてえな思想はやめろって。」
ゴオオオーッ・・ズズン。「回収艇が来たわね。よいしょ。」ひょいひょい。「手伝って・・くれないよね。」
『あたりまえでしょ。』「ほいほい、ゆってみただけ。・・この十字架クソ重いわね~。」ズルズル・・どさっ。
「いいよ、上げて。」ぽん。シューッ、ガコン。ゴオオオオーッ!・・「まあ、便利なシャトルだこと。」
ズズズズ・・「こちらの「ナイチンゲール」も来た。さっそくオペをおこなう。ジャンヌ、三人を手術室へ。」
「ちょ、ちょっと!あたしは注射がキライなのよ!」「心配ないです。無針高圧インジェクターですから。」
ピタッ、シュッ!「いでっ!針より痛いじゃない!」「あらゆってませんでした?」「あいた~。(TT)」
「ふふっ、綾香さんが唯一キライなのが注射でしたね。」「小さいころはそれはもう大変でしたな。ふははは!」
「美鈴、もう雨止めろや。そろそろ寒くなってきた。」「おっと。晴天の3.3x10の17乗ジュール!」シャン!
ポツポツ・・サァァァーッ!『いい天気~。』「ものの数分で濡れた服も乾きますよ。」「雨師・美鈴か・・
気象制御能力とはまた別の意味ですごいわね。」「一種のサイコキネシスね。気圧を念力で制御する・・
どれだけのエネルギーが必要か想像もできないわ。」「いちいち叫んでるじゃねーかよ、何とかジュールって。」
「ああ、これは景気づけみたいなものです。ホントはどのくらいかは私にもわかってません。」『おいおい。』
「ナイチンゲール」内、手術室。「ではオペに入る。」すっ・・ズブッ!『うわ~・・』「あれが心霊手術か・・」
「いっさい器具を使わず、二つの手のみでいかなる外科手術、はては脳手術までやってしまう・・見るのは
私も初めてよ。」「うちのドクターもやってるみたいだけど、見たこたないわね~。」「ユキノ、ケガしねえのか?」
「外科手術するほどのケガはしたこたないわね。小さいキズはドクターが指でなでるだけで完治しちゃうし。」
「あれだけムチャやって小さい傷だけ?・・マジかよ。」「よっぽど疫病神に嫌われてるみたいね、わたしって。」
ズズズズ・・ズボッ。「綾香くんはこれでいい。次は葵くんだ。」「・・たった2分?!信じられないわ・・」
「あの程度ならそのくらいです。瀕死の重傷だったら5分くらいかかりますけど。」「・・ゴッドハンドが
医学界に受け入れられないはずだわ。そんなの認めたら、商売あがったりになる医者がウジャウジャいるからね。」
「でも世界十大頭脳としては認められた・・免許が降りなかったドクターに特別ライセンスまでくださった。
直弟子のニルヴァーナ先生も感激したって。」「そのニルヴァーナさんも現世界十大頭脳・・ジャンヌはどうする
つもりかしら?」「ジャンヌも三代目を目指して修行中です。それで大手術の機会が多いここへ来たんですから。」
「よくゴッドハンドが許したわね~。」「心霊手術の素質があるので、ニルヴァーナさんがよこしたそうです。
ドクターも自分の能力の継承資格者ができて喜んでました。」「そして・・もう一人のドクターか。」「はい・・
「白い」ドクターはうちの先生のライバルであり親友でした・・いえ、総合能力では先生以上でしょう。でも・・」
「・・その過激な思想についていける者がおらず、十大頭脳を離脱・・そしてオメガか。」「まあね・・」
「さて、それじゃわたしは失礼するわ。」「こら待てユキノ。」ぎくっ!わしっ!「なんか忘れてねえか?」
「なんだっけ~♪」「とぼけんな!」ぐ~りぐり!「いてててて!・・ちっ、おぼえてたか。」「約束破ると
グルメなお蝶が黙ってねえぞ~。な。」「そのとおり・・あなたも私の黄金の瞳を見たいの?」チャッ・・
「わ、わかったわかった!・・ふえ~、殺されるとこだった。」「あら?なんかよさげな話してんじゃん。」
『綾香?!』「なにやらおいしそうな話みたいですね~。」「これはご相伴しなくてはいけませんな。」
「あんたたちベッドで寝てなきゃダメじゃん!」「どこの誰に言ってんの?もうピンピンよ。」むん!
「運動やら手術やらでだいぶエネルギー使っちゃいましたね。」「さっそく補給をしませんと。で?」
「・・今回はユキノがもつって!」ばん!「ええっ?!」『ゴチになりや~す!』「こ・・こんなに?!」
「あら、イヤとでも?」キラッ。「・・わかりましたよ~。(TT)くそ~、勘定ゲドウに回してやる・・」
大要塞エゼキエル、ゲドウの書斎。「・・パピヨン・ノワール(仮名)・・本名:不明、国籍:不明(推定:
印欧混血)、年齢:不明(推定:25~30)、目の色:黄金、別名:テロリスト「黄金蝶」(推定)、特殊能力:
サイキック一般(主に念動大気爆発衝撃波(推定)を得意とする)・・ちがうな。それは「黄金瞳」だ・・」
・・グググッ。「・・生きていたのか・・アンシー・・だがもう後戻りはできん・・すまぬ・・」
『これからのあらすじ~!』「今回は出番なかったね~。前回の反動きまくり~!」「たまにはいんじゃない?
テロリストはユキ姉がかたしてくれたし。」「でもユキ姉ちゃん、どとー泣きしてたよ。清算できなかったって。」
「まあ普通は承認されんわな。いいじゃない高給とりだし。たまの散財くらい。」「よかないわ~!」げんこつ!
「ユキ姉ちゃん?!」「ぐぞ~!新しいドレス買おうととっといたお金がパアよパア!」『お姉ちゃん、うかつ。』
「で、次回はなんだって?SSSは一回休みにしないと復帰できないわよ。」「それがね、どうやらゲドウ話だって。」
「ゲドウの?なんで?」「いわゆる親族ネタとゆーやつ。」「あ~、ネタにつまったな作者め。」うるせー!
「ネタつまるとキープしといた伏線で穴埋めするとゆー作者の十八番だね。」「しょっちゅうやってたしね。」
「・・あれ?作者からのコメントだ。なになに、「Gエンジェルいぢめる話は17話でやるから、一拍置く」って。」
「そっか、いきなりやるとつながり悪いもんね。」「で、次回はあたしら出番あるの?」「あるあるしっかりある。
アイアンロック対ゾンダリアンロボだって。」「なにそれ?機界神種に用ないけど・・あ、あれか~。」「そう、
あのドリルモロー・・もとい、ドリルゾンダリアンが相手よ。」「場所は?」「パナマ運河。」『おお~。』
「アメリカのアキレス腱だね。」「さすがオメガ、いいとこ目つけるわね~。」「さてさてどうなるかな?」
『次回オメガ戦記「瞳 - golden eye -」うおおっす!』「ゲドウって意外と人情家なんじゃない?」
♪ザン!
大要塞エゼキエル・一般隊員食堂。お昼どき。ガヤガヤ・・「ユキ姉ちゃんまたこっち?」「今日のメニューが
いいからね。やっぱとん汁は見逃せないわ・・ん?」ゾロゾロ。「よっ、ユーゲントのお三人、ケガよくなった?」
「ユーゲントじゃなくってSSS!・・あいててて。」「ドクターの治療でもホータイだらけになるケガとはね。
でも・・なんかファースト、ホータイ姿がしっくりくるね?」「包帯はけっこーおいしいアイテムかもね~。」
「そうそう、どことなくボンデージぽくってさ。そのスジはゾクゾクッとくるんじゃない?」「どこのスジよ。」
「でも災難だったわね。よりによって機動武闘團にケンカ売るなんて。」「・・変だった。いつもの自分じゃ
なかった。」「そうだね・・まるで知らない自分が出てきたようで。」「普通ならあの三人にちょっかい出すなんて、
いくらあたしがケンカ好きでも、そのくらいの判断はつくはずなんだけど・・」「・・それは呪いね、神魔器の。」
『呪い?』「あれだけの力をもつ武器よ。しかもどうみても生きてるとしか思えない性能。呪いのひとつやふたつ
あったって不思議じゃないわ。」「む~・・ユキノさん、いい手ない?」「神魔器を使いこなすには、どういった
修行をすればいいんですか?」「・・教えてください。」「そうね・・動物飼うのと同じね。まず主人が誰なのかを
しっかりわからせる。そして武器を支配するんじゃなくて、武器と共に戦う・・その心がまえが大事ね。」
「共に・・戦う。」「フレイア、剣士としてコメントどうぞ。」「武器は手の延長にすぎないわけ。だから武器を
「持つ」んじゃなくて「一体」になる。ここがポイントね。」「フレイア、そのへんを演武で教えてやれや。」
「おっけ、まるヨさん。ユキ姉ちゃん、いい?」「見物人ぶった斬らないようにね。」「みんな場所つくれ。」
ドヤドヤ・・「こんだけあればいいね。双花剣!」シャン!「はいはいはいっ!」ヒュンヒュンヒュン!
「すごい・・二本の剣をあんなに自由自在に。」「ムーン、挟撃よ!ガリアン・ソード!」「おっけ!アーミング!」
ダッ!『とおっ!』ビュッ!ゴッ!「なんの!」キキキキーン!『おおっ!』「反対方向からの同時攻撃を
双剣で防ぎきってる!」「フレイアならではの高等技術だな。ユキノもムーンも手は抜いちゃいねえぞ。」
『はいはいはいっ!』「たたたたーっ!」キキキキキーン!「地転竜!」シャッ!パシパシーン!『あいた!』
すてーん!『やった!』「二人の足首を剣で払った!」「峰打ちよ。」クルッ、スタッ。「いって~・・腕上げたね。」
「あ~、アザになっちゃった。あとでドクターの打ち身薬塗っておこ・・フレイア、お見事だったわ。」「オッス!」
「これが・・特戦隊の実力。」「・・僕らはあれだけのレベルに到達できるんだろうか?」「やるしかないわよ。」
プロジェクト16「瞳 - golden eyes -」
第13部隊秘密基地。「あんだって、「螺旋」が泊めてくれって?」「キャナル、泊めるってどういうこと?」
「はい、「螺旋」は特定の本部を持っていません。世界じゅうを常にさまよい歩き、もよりの秘密部隊の基地や
世界十大頭脳のところで泊めてもらってるんです。今日はパリにきてますので。」「素浪人みてえな部隊だな。
お蝶、いいのか?」「ゲストルームはあるからいいんじゃない?お客がいたほうがリオンと顔合わせてるより
楽しいわ。」「だとさ。」「ありがとうございます。さっそく「螺旋」をこちらに呼びますので、失礼。」カツッ。
タン!ズボッ!・・「そういや「螺旋」って会ったことなかったよな。お蝶、わかるのか?」「そうね~・・」
『あ、忘れてました。』ズッ。「人数はお二人、インド人風の少女と美青年です。」『はあ?』「それともうひとつ。
誤解を生じないように先に言っておきますが、青年のほうはゾンダリアンですので。」「なんだって?!なんで
ゾンダリアンが秘密部隊にいるんだよ!」「リオン!」・・はっ!「す、すまねえ・・」「気にしないでください、
慣れてますから・・で、彼はまだ日が浅いですから、いろいろ失礼があるかもしれませんが・・」「気にしねえよ。
変なのとつきあうのはしょっちゅうだから。」「リオンもそーとーの変人だからね。」「なにを!」「・・ぷふっ。」
大要塞エゼキエル・司令室。「・・アルエット、有休届けだ。」「ゲドウが?珍しいこともあるものね。」パサッ。
「で、どこに降りるの?」「・・パリだ。美術鑑賞をしてくる。」「となると、ルーヴル美術館か。ゲドウどの、
わかっているとは思うが。」「・・第13部隊には見つからんようにする。まさか美術鑑賞に来てるとは思うまい。」
「SSSは静養中、武装巨獣の神魔器による強化も進行中です。ここはお休みをとられてもよろしいですね。」
「パナマ運河破壊作戦は特戦隊が遂行する。戻ってくるころには米東西岸は分断されているだろう。」
「・・よい報せを期待しよう。では・・」スッ・・「・・シュウ。」「わかっている、アルエット。」すっ・・
♪ピンポーン。「はい、どなた?」ピッ、パッ。『こんにちは。「らせん」のちゃくら。』『同じくマニプーラです。』
「お待ちして・・?!」ぎょっ!「あれが「螺旋」の二人・・なっ?!・・お蝶、あれは!」「・・そんな・・」
『もしもーし。』「・・え、あ、ごめんなさい。すぐ開けます。」ピッ、カチャ。「リオン。」「・・おお。」ダダッ!
「こんにちは。こんやはとめてくれてありがとう。」「ご迷惑かと存じますが・・どうしました?」『・・・・』
「まちがいない・・お蝶と同じだ。」こく・・「?・・なんのこと?」「・・これを見て。」カチャッ。『ああっ!』
「チャクラと同じ黄金の瞳!」「そう・・おねえさんもあたしとおなじ。」「ああ・・」「・・とりあえずお茶でも。」
コポコポ・・「チャクラとかいったね・・聞かせて。あなたはどこからきたの?」「しらない。あたしはあたし。
しらないうちからあちこちあるいて、いろんなところ、いろんなひとにあった。みんなしんせつだったけど、
ほんとうにしんせつにしてくれたひとはいなかった・・みんなあたしの「め」のせい。それがわかったから、
すぐにちがうところへいった。」「私が補足します。チャクラの黄金の瞳には人を魅了する力があるようです。
本人が意識してなくても、生存本能がそれを最大限駆使してチャクラをいままで生きてこさせたと推測されます。」
「そこでわかんねえのがあんただ。どういうつながりだ?」「私は神種の情報局員として諜報活動で地球に降りて
きたとき、チャクラと出会った・・とても奇妙な出会いだった。私はチャクラを一目みて確信した。この娘は
孤独だ・・瞳の力で生きてきたが、世界のどこにも彼女を心から受け入れてくれるところはない。この黄金の瞳が
あるかぎり、永遠の異邦人・・ならばせめて自分がついていてやらなければ。」「それもチャクラの力のせい?」
「最初はそうかもしれない。だが今はちがう。」「それがどうしてあんたにわかるんだ?ずっとチャクラの魅了に
かかってないと断言できるか?」「まにぷーらをいじめないで。まにぷーらにはちからをつかってないよ。
ちからのつかいかたをおしえてくれたのは、まにぷーらだもの。」「力の使い方・・制御方法というわけね。」
「いわゆるテレパシーの特殊な形だと理解すれば制御はさほど難しくはない。チャクラはその術を知らなかった
から、いままで不本意な生き方をしてきたのだ。」「お蝶・・おめえ親類は?」「・・わからない。私もチャクラと
同じく、昔の記憶がないから・・」「・・そっか。つまんねえこと聞いたな。」「いえ・・でも、もしかしたら
チャクラは私の失われた過去と何か関係があるかもしれない。」「・・二人ともしばらくここに逗留しねえか?」
「えっ?」「しかし迷惑では。」「かまやしねえよ。空き部屋はいくらでもあるし、あたしらも日替わり炊事当番の
やりがいができるってもんさ。いいだろ、お蝶?」「・・うん。」「決まりだな。さて、今夜の当番はあたしだ。
マニプーラ、買い物つきあいな。」「私が?」「働かざるもの食うべからず。居候はさせねえからな。」にやっ。
「・・わかった。」「チャクラは私がみてるから。」「ほんじゃ、ゆっくり行ってくら。」「ではのちほど。」
カツカツ・・「・・やりますね。」「なにが?」「わざとチャクラと二人だけにしたのでしょう?」「・・へっ。」
『リオン、おでかけ?』「おう。ポルコ、市場まで買い出しだ。」『いこういこう!』バタバタン。ブロロロ・・
「・・ここか、第13部隊本部。」ぴく。「・・シュウ、なんなら手伝ってもらおうか。」「お見通しですか。」すっ。
「アルエットあたりが心配してつけさせたのだろう・・」「いかにも。それに、あなたの動向に関心がある。」
「・・気づいてたか。」「ゲドウどのほどの者が私情で動く・・実に興味深い。」「・・ジャマするつもりか?」
「いや、俺にはどうでもいいこと。好きになされるがよい。」「・・乗りこむぞ。」「つきあいましょう。」
カツッ。「なに?」「どなた?」「・・光竜と闇竜か。私はオメガ幹部、「静寂の」ゲドウ。」『オメガ!』ザッ!
「君たちに用はない・・どきたまえ。」「はいそうですかと譲るわけないでしょ。」「一歩も通しはしません。」
「・・しょうがない。」すっ、チャキッ。「・・サングラスを外した?」シィィィ・・ドンッ!『うわっ!』
ズドオオオーン!ドゴオオオーン!『ぐはあっ!』パラパラ・・「・・これ・・は・・」「まさか・・お蝶と・・」
「・・失礼する。」チャキッ。カツカツ・・「・・これがゲドウどのの力、「黄金瞳」か・・」「ビークルロボなら
しばらく動けんだけだ・・生身の人間なら消滅する。」「・・あなたとだけは敵対したくはないな。」「ふ・・」
ズズゥゥ・・ン・・「なに?」ピッ。「ひかりん、やーみん!何があったの!」『お蝶・・逃げて・・』
『オメガの・・ゲドウが・・』「・・ゲドウ?!」「なにそれ?」「全ドアロック!」ピッ。カチッ。
「これで戦車でも破れないはず。全館スキャン。」カタカタ・・「いた!」「・・ふたりいるね。」「照合・・
「静寂の」ゲドウと「破壊者」シュウ?!」チカッ、ザザッ・・「カメラがやられたわね・・まずいときに
来てくれたものだわ。」「どうするの?」「チャクラはここにいて。・・私がおっぱらってくるわ。」ザッ。
カツカツ・・「そこまでよ。」タッ。「・・パピヨン、いや、「黄金蝶」か。」「人様のうちに無断であがりこむとは
マナーがなってないようね・・」チャキッ。「・・「黄金瞳」。」「そのとおり。サイコ・バースト!」カッ!
ドオオオーン!バシィィーン!「おしまい・・えっ?!」ゴオオオオーッ!「・・届いてない?!」はっ!
キィィィ・・「まさか!」「そう・・私も「黄金瞳」を持つ。」「そんな・・」「・・いくつか質問したいが。」
「・・なに?」「・・君は過去をおぼえているか?」ぴくっ。「・・いいえ。」「やはりな・・次の質問だ。
これを見たまえ。」ピッ、パシッ。「写真?」「そこに映っている女性と子供・・わかるか?」「・・これは!」
「そう・・大きいほうの子だ。」「これは・・わたし・・?」ガクガク・・「アンシー・・それがその子の名だ。」
「アンシー・・あなたは・・だれ?」「・・もうわかってるはずだ。」「・・認めない!絶対に!」カッ!
ドオオオーン!「・・そうだな。」カッ!バシィィーン!ググググッ!「・・押されてる!」「シュウ。」「うむ。」
シャッ!「・・はっ?!」「そこまでだ。」ゴオッ!「だめだよ。」カッ!ドオオオーン!「なにいっ!」ブワッ!
バシィィーン!「?・・チャクラ?!」「おねえさんをいじめるわるいやつ。いっしょにたたかうよ。」
キィィィ・・「なんと!あの少女は!」「・・わかった!チャクラ、パワー全開よ!」「うん!」キィィーン!
『つーぷらとん・ばーすと!』ゴオオオオーッ!「むうっ!」「・・いかん、退くぞシュウ。」「賛成だ。」
ドゴゴゴゴッ!・・シュゥゥゥ・・「・・逃げられた、わね。」「いいんじゃない?とうぶんおそってくる
しんぱいないよ。」「そうね。けど・・」「さんにんめだね。」・・はっ!「この幼児・・まさか・・」「?」
「・・まさかチャンディーまでいたとは。予想外だった・・」「ゲドウどの、いきさつは大体察した・・さて
どうする?」「・・エゼキエルに戻る。とりあえず現状を維持しよう・・」「それがよろしかろう・・今はまだ。」
ブロロロ・・キキィッ。「ひかりん、やーみん!・・何があった、お蝶!」「かくかくしかじか。鬼のいぬ間に
とんでもないのが来たものよ。」「ゲドウとシュウだけで二人をぶっとばした・・どうやって?」「それは・・」
きっ!びくっ!「し、シュウのパワーで投げとばされたんだ。」「そうなの。あいつ、リオンと同じくらい強いよ。」
「そっか・・お蝶、よく撃退できたな。」「チャクラのおかげよ。」「チャクラは?」「ソファで眠ってます。」
「スー・・スー・・」「・・寝顔は天使だね。」「ああ・・いつか必ず戦い疲れてではなく、平和で安らかな眠りを
させてやりたい。」「そうだね・・マニプーラ、心の底からチャクラを愛してるんだね。」「そうだ。私はチャクラの
ためならば、どんなことでもする。たとえ神種に裏切り者よばわりされようと・・私の存在理由はこれだからだ。」
「さすがに異星人だね。聞いてるほうが恥ずかしくなるセリフをすらすら言えるわ。」「・・恥ずかしいのか?」
「いんや、あんたは立派さ。地球人にツメのアカでも飲ませてやりたいよ。」「・・?」じーっ・・「なんだ?」
「・・残念ながら清潔にしているので。」「・・真に受けんじゃねえよ。(^^;;」「?・・人間はよくわからん。」
そのころ中米、パナマ運河。太平洋と大西洋をつなぐ大動脈道である。中央の人工湖・ガツン湖を挟んで
両大洋へと通じる閘門がある。この運河がいかに重要なものであるかは、米海軍の全艦艇がここの閘門の幅に
合わせて船体を設計していることからも容易に理解できよう。現在はパナマ共和国に返還されているが、
実質はアメリカの管理が続いていることは子供でもわかることである・・「狙いはカリブ海側のガツン閘門ね。」
「うむ。水面高度差が大きく、復旧するにしても時間がかかる。」「い~え。・・狙いはここよ。」トン。
「建設中の第二パナマ運河だと?」「ユキノ、なに考えてるの?」「ふふ・・抜本的対策ってやつをね。
「覆水盆に返らず」ってコトワザ知ってる?」『・・ああ!』「なるほど。恐ろしいことを考えたものだ。」
「たしかに抜本的ね。さすがにあたしもそこまで気づかなかったね。」「そゆこと。特戦隊、出動するわ。」
巨獣メカ・出撃ハンガー。「みんな作戦要綱は理解したね?」『はい!』「ムーンとフレイアはアイアンロックス。
ガツン閘門を落として。わたし・ミヤビ・死羽姫はモゲラに搭乗。第二運河を破壊してガツン湖を使用不能に
するわ。特戦隊、作戦開始!」『うおおっす!』ガガガガガ!「アイアンロックス、ES投下ゲート上へ移動!」
ズズズズズ・・ガコン。「ガントリー確認!ESホール開口!」キュィィーン・・「投下目標、ガツン閘門前
50km海上。「神行太保」設定完了!」スッ。「・・投下!」バババババン!ゴオオオーッ・・「突入成功!」
カリブ海。・・ザバーン!「なんだ?!」ガガガガガ!「水没戦艦?」キュゥゥーン・・ドオン!『なにっ!』
ドカーン!「ガツン閘門に砲撃?!なんてことを!」「米軍に緊急連絡だ!謎の戦艦が運河を破壊してる!」
「さて米軍はどのくらいで来るかしら?」「第一艦隊が常時警戒してるから、ざっと10分だね。」
「ほんじゃ来るまで閘門をぶち壊しましょー。」「さすがに頑丈にできてるから、ちょっと時間かかるかな?」
パリ・第13部隊本部。♪ビーッ!「なんだ?」ズボッ!「緊急連絡!パナマ運河にアイアンロックス出現!
ガツン閘門を砲撃してます!」「パナマだと!」「またいいところに目をつけたものね。」「第13部隊と12部隊に
出動要請です。マニプーラさん、これ今回の報酬です。目標はアイアンロックス破壊です。」「わかった。」
「ナミ、ちょっと待て。・・敵はアイアンロックスだけか?」「えっ?」「変だとおもわねえか?パナマ運河を
破壊したところで、アメリカは突貫工事でものの数ヶ月で復旧するだろうぜ。そんな無意味な作戦をオメガが
するはずがねえ。・・真の狙いは別にある。」「・・ほう、脳まで筋肉ではないようだな。」「なにっ?!」
♪ジャジャン。「リオンの言うとおり。ガツンのアイアンロックスは囮だ。」カツッ。「・・あんただれ?」
「あ、リオンは知らなかったわね。こちらは秘密部隊総司令、ビッグワン。」「総司令だあ?このトッぽい
おっさんが?」チチチチッ。「人を見かけで判断しちゃいけねえぜ。」「その60年代スタイルのどこをどう
判断しろっちゅーんだ。」「もちろん、顔だぜ。」ぴっ。「(-_-;;・・まあいいけど。で、どうするって?」
「アイアンロックスの撃破は「螺旋」にたのむ。第13部隊は第二運河建設場へ向かってくれ。第七部隊も呼ぶ。」
「でもフランスからじゃ着いたころには手遅れかもね。」「いーや。忘れたのか?「朧車」をよ。」『あっ!』
「コールはかけた。ひかりん・やーみん・ポルコ用の輸送車輌も用意してあるぜ。」「「ビーストフォース」も
乗るのか?」「彼らはちょうどマヤの古代遺跡で修行をしてたので直行している。みんなは後詰めをたのむぜ。」
「うん、わかった。」「海戦か・・初めてだがなんとかなるだろう。」「ほんじゃ行こうか。出動だ!」
ルーヴル美術館前広場。・・ポオオオーッ・・「・・来た。」・・ガタコンガタコン!ガガガガーッ!「うわ~!
すごいすごい!」「これが「汽神号」ですか・・」『いつみてもすごい機関車だね。』「次元鉄道・・あなどれん。」
キキキキキィィーッ!シューッ・・ガコン。「諸君、お待たせ。」「中条さん、またよろしくな。」「うむ。それでは
ビークルロボは車輌搭載貨車へ乗ってくれ。スロープは降ろしてある。」ブロロロロ・・グィーン、ガコン。
「では発車オーライ!」♪ピリピリピリ!ポオオオオオーッ!・・ガチャン!・・ガタコンガタコンガタコン!
「汽神号」客車。「次はパナマ、パナマ~。到着時間は5分後。」「はええな・・駅弁食うヒマもありゃしねえ。」
もぐもぐ。「といいつつしっかり食べてますね~。(^^;;」「腹が減ってはいくさができぬ。銀麗、お茶くれ。」
「はい1フランでーす。」チャリン。「つくづく感心する。戦闘前は緊張で食えぬのが普通だと聞くが。」
「あたしゃフツーじゃないんでね。」ズズ~ッ。「うちの駅弁けっこう売れてますよ。十大頭脳や秘密部隊の
みなさんの他に、各国VIPとかも要請に応じて運んでますから。「螺旋」のお二人もアバドン経由で要請して
くだされれば、いつでもお運びします。」「チャクラ、どうだ?」「う~ん、やっぱたびはあるきがいいね。」
「ところでよ、あんたらはどういう戦い方するんだ?」「私が戦闘形態となり、チャクラが操縦する。」「操縦?」
「とゆーより、まにぷーらとひとつになるんだね。」「ガオガイガーのフュージョンみてえなもんか?」
「よくわからんが、そんなものだ。」「ふゅーじょんてなに?」「今夜GGG記録ビデオ見せてやるよ。」
「失礼。段取りだが、第13部隊は第二運河建設現場で一時停車する際に降りて、敵本命に向かってくれたまえ。」
「おう。第七部隊の連中もいれば安心だぜ。」「「螺旋」は閘門沿岸に運ぶ。我らも援護射撃をしよう。」
そのころ第二運河建設現場。「もうだいぶできてるようね。」「あの水門ね。あそこを壊せばガツン湖の水は
干上がる。失われた湖を復旧するには十数年の時が必要・・その間、米東西海岸は分断されるわ。」
「でも航空機や鉄道、それに陸路を使えばそうでもないのでは?」「死羽姫あまい。戦艦や空母をどうやって
運ぶというの?」「あ・・そっか。」「となると・・次のターゲットは決まりね。」「さすがみやびん、いいカンよ。
さて、始めましょうかね。モゲラ起動!」ゴゴゴゴゴッ!「狙いは第一閘門よ!そこさえ崩せばあとは湖の水圧が
カタをつけてくれるわ!」ズーン!ズーン!オォォォ~ン・・「なに?」ビュッ!バキィィーン!ブツッ・・
「右アイカメラ破損なのだ!」「気取られたか!自動操縦切り替え・・みやびん、死羽姫、出るよ!」ダダッ!
シャシャッ!「出てきなさいビーストフォース!お望みどおり相手したげるわよ!」・・ゴオオオーッ!
「ユキノあぶない!珠振!」ヒュヒュッ!「おっと!」バサッ!スカッ!「さすがに奇襲はムリみたいね。」
バサアッ、スタッ。「隼のソニア・・ミヤビの霊珠を避けるとは、少しは強くなったみたいね。」「まあな。」
シャッ、トッ。「お前さんたちのおかげで啓発されてな。」ズン!「♪インドの山奥で~じゃないけど、
マヤの古代遺跡で修行したのよ。」フワッ。「ほう・・みんないい目をするようになったわね。それでこそ
倒しがいがあるというものよ。」ジリッ・・「そちらの二人は初顔合わせだな。」「ビッグワンあたりから
情報もらってないの?」「いんや。「戦闘空母の雅」と「野生の死羽姫」。ちゃんとチェック済さ。」
「なら私の力も知ってるはずね。誰が相手してくれるの?」すっ。「誰でも同じ、あたしが勝つのだ。」ザッ。
「では楽しみましょう。ミヤビ!」「反魂法。」バサッ!ポポポポポン!ザザッ!「出たな紙女部隊。いくぜ!」
『おう!』ダダッ!「餓狼拳!」シャッ!シュパパパパッ!ザザーッ!パラパラ・・「ほう、超音速の爪ね。」
「一瞬で7体を切り裂いたわね・・以前のデータより戦闘力が向上してるわ。」「修行したといってたのだ。」
「ごっついタイガーバズーカじゃい!」ドン!バゴオオオーン!「ひゅ~、大砲なみの一撃じゃない。」
「怪鳥音!」キィィィーッ!シュババババッ!「超音波メス・・すごい切れ味なのだ。」「あんな技まで。」
「糸がらみ。」シャァァァーッ・・ギュルルッ!「妖操師。」くいっ、クルッ。ダダッ!「あら、返されちゃった。」
「ウェンディもレベルアップしてるってか!征乱脚!」ドン!ズババババーン!キリキリッ、ザシャアッ!
「たしかに!強くなってるわね。」「この前みてえな不覚はとらねえぜ。」「まあ命だけは残しといてやる。」
「玄真、そんなあまいこといってるとまた返りうちにあうわよ。」「特戦隊は手加減できる相手じゃないよ。」
ザザッ!「あらこわい。みやびん、死羽姫!」ダッ!「由良由良都古留部。」ヒュンヒュン!『おっと!』
スカスカッ!「この無数の霊珠は回避不能よ!」「ウェンディ!」「霞網!」シュパパパパッ!ペタペタッ。
「粘糸の網?しまった!」ゴオッ!「もらったぜ!タイガー・・」「大気よ我が拳となれ!」ドン!「なにいっ!」
バシィィーン!「ぬおおおおーっ!」ザザザーッ!「あたしを忘れてはいけないのだ。」シュゥゥゥ・・
「死羽姫、たすかったわ。」「ミヤビは下がるのだ。」「そういうこと。ここは死羽姫とわたしが。」ザッ!
「ミヤビを破ったことは誉めてあげるわ・・倒す価値のある敵として認識!だから全力で闘う!」ゴオッ!
『おおっ!』「この気迫は!」「なんという清冽な闘気だ・・」「心に一点の曇りもない究極の境地ね・・」
「ユキノさん、あなたと闘えることを誇りとします。たとえ敗れても!」「いいセリフね・・誰からくる?」
「あたしだ!」ザシャアッ!『リオン!』「ユキノ、この前みてえにはいかねえぜ。」「そうでしょうね・・
前より少しはレベルアップしたようだし。」「理屈よりゲンコツで語ろうや・・いくぜ!」ダッ!「また~。
そういう猪突猛進じゃ勝てないって!」ビュッ!ひょい、スカッ!「カウンターもらうよ!」ゴッ!
「そうはいくかい!」クイッ、ボゴッ!「なっ?!・・突き腕で肘打ち!」「そして!」ガキッ!ダン!
「うりゃあっ!」ブン!ドゴオオオーン!「ぐはあっ!・・腰投げ・・」「気づいたのさ。あたしの得意は
投げ技だったってね!」「くっ!」バーン!スタッ!「なるほど・・そいつはわたしも盲点だったわ。」
ツツ・・プッ!ビシャッ!「ユキノが・・流血!」「はじめて見たのだ・・」「やっぱりリオンは強かった。
わたしの目に狂いはなかった!」ヒュッ!「消えた?!」「ここよ!」シャッ!「ガード!」ドゴオオオーン!
「ちぃぃぃーっ!」ザザザザーッ!「受けてあれほど飛ばされるの!」「なんてえ威力の拳だ・・さすがは
クルド暗殺拳。」「わたしの技にガードは無意味!」シャッ!「たしかにな!だったら攻撃あるのみ!」ダッ!
「?!・・ノーガードで突っこんでくる?」「さあ打ってみな!」「その誘い、のった!閃光拳!」ドン!
「・・見切った!」すっ、ジャリジャリジャリーッ!ガシッ!「うらあっ!」ボキィッ!「ぐうっ!」
『ユキノ!』「やったぜ!右腕を折った!」「まだよ!」ダン!ドゴオオオーン!「ぐはああああーっ!」
ズダダダダーン!・・むくっ。「へへへ・・これで借りは返したよ。」「くっ・・関節技とは。」ブラン・・
「ビーストフォース、戦力は削いだぜ。あとはまかせ・・ぶはっ!」バシャッ!『リオン!』ボタボタ・・
「ちっ・・内臓いくつかやられちまったな。かまわずいけ!」「で・・でも!」「・・ミヤビ!」「珠振!」
ヒュンヒュンヒュン!「しまった、結界か!」「バカ野郎グズグズしてるから!」「ウェンディ、霞網よ!」
シュパパパパパッ!ペタペタッ。「・・いねえ!」「逃げられたか!」『ここは退かせてもらうわ・・リオン、
いい戦いだったよ。』「・・ああ。「また」な。」『・・「また」ね。』ゴォォォ・・「・・気配が消えた。」
パナマ湾。ズドオオーン!・・ドガァァァーン・・「ムーンねえ、米軍航空隊接近!」「FA-18ホーネットね。」
キィィーン!シュドドドッ!「ハープーン多数!」「接近せず遠距離から狙い撃ちか。フレイア、潜航!」
「アイアイサー!アイアンロックス潜航!」ゴボゴボ・・「深度20・・30。」「停止。」「・・全弾頭上を通過。」
「んなもん効くわけねーだろ。多弾頭対空ミサイル「ハミングバード」垂直発射!」ズボッ!ドパーン!
ジャジャッ!シュパパパパパパッ!「アクティブホーミングだから逃げられやしないよ!」ピカピカピカッ・・
「30機ほど撃墜ね。」「戦艦アイオワ感知!」「いよいよご本尊か。艦砲戦やる?」「それよりもいい手があるよ。」
「なに?」ひそひそ・・「あ、それナイス。エゼキエルに連絡を。」「うおおっす!」♪ピッピッピッ。
「ほう、ナイスなアイデアだ。アルエット、できるか?」「誰に言ってるの?ネットケーブルを。」「ここに。」
「後頭部プラグへ。」すっ、キラッ。カチッ。「コネクト。」「ダイブ・・アイオワ火器管制システム侵入成功。
システム乗っ取りパーフェクト。」「アイアンロックスへ。お膳立てはできたぞ。」『感謝しまっす!』びしっ!
「オメガ戦艦、接近します!」「対艦トマホークでもぶちこんでやれ。」「トマホーク発射!」シュドッ!
「飛行順調・・あれ?コースを外れます!」「なんだと!」「・・まずい!ガツン閘門に!」ズガガガーン!
「くそっ!これだからUS製電子部品はアテにならん!」「敵艦さらに接近!」「主砲だ!一斉射!」
キュゥゥン・・ズドオオオオーン!「的中まで3・2・・なにっ?!」「飛び越しただと・・閘門に!」
ドガガガガーン!ガラガラガラッ!『ああ・・』「閘門が・・」「・・いったいどうなっとるんだ?!」
『きゃははははーっ!』「♪ゆーてやろゆーてやろ。大統領にゆーてやろ。」「いや~見事なオウンゴール!
こりゃアイオワ艦長、銃殺刑ものだわ!」「フレイアの作戦、おみごと!まさか照準システムがみんな
閘門狙いに校正されてるたあ、オシャカさまでも気づくめえ!」「そんじゃ軍事法廷に座らされる前に、
あたしらで名誉の戦死させたげようか。」「全主砲発射用意!目標、アイオワ!ていっ!」「ていっ!」
ズドオオーン!・・パパパパッ!「全弾的中!」ズズズズ・・「轟沈確認・・まだ音こないね。」
ドグオオオーン!グラグラッ!『きゃあっ!』「・・なに?!」「左舷に被弾!・・どこから?!」
「レーダーには戦艦も航空機も映ってないわよ!」「そんなバカな・・」ドゴオオオーン!「うわっ!」
「第二弾、的中です!」「よく届く。さすがはロングトムだな。第三弾装填!」ガチャンガチャン!
「隊長、向こうさんはまだ気づいてませんや。」「湾岸の倉庫がジャマで見えねえんですな。こちらは倉庫の
間隙から狙いがつけられるから圧倒的に有利でさ!」「だが気づかれるのは時間の問題だ。このスキに
「螺旋」のみなさんは敵艦へ向かってくれたまえ。」「うん。まにぷーら。」「ああ。むん!」ズムズムズム・・
グモモモモッ!『おおっ!』「変形巨大化したぜ!」「他の機械と融合せずとも独自に変形できる・・神種配下の
ゾンダリアンは原種配下より進化しているということか。」『チャクラ、こい。』「うん。しゃくてぃ!」タン!
ズボッ!ズズズズ・・「チャクラちゃんが胸部核に融合していく!」「これはまさか・・タントラ?!」
グワッ!『ではいってきます。』キュゥゥーン!ズボボボボッ!・・「はりゃ~・・あっという間に地下へ。」
「ではあちらへ到着するまでもう少しひきつけよう。照準微調整!」キリキリキリ・・「全員耳をふさげ!」
ばっ!「隊長も耳栓を忘れなさんな。」「おお、鼓膜をやられるとこだった。・・ていっ!」ズドオオオーン!
ドガアアアーン!『きゃあっ!』ズダダダッ!「くっ・・この衝撃、並みの大砲じゃないよ!」「おそらくは
70センチ級・・まさか列車砲?!」「それよ!湾岸を走査して!」「・・見えた!倉庫の向こうに砲身が!」
「場所さえわかればこっちのもの!全主砲発射用意!」キュゥゥーン・・ビタッ!「照準よし!一斉・・」
ゴバアアアアーッ!『なっ!ゾンダリアンロボ!』キュィィィーン!バキバキィッ!「主砲塔が!」
「こいつはエルサレムに現れたドリルロボ!」キュィィィーン!ドゴオオーッ!『きゃああああーっ!』
「いけません、またあのドリルロボです。」「アイアンロックスじゃ勝負にならないね。」「まずったか。シュウは
いま降りている。」「・・問題ない。」シャッ。『ゲドウ?』「シュウはいま出撃した・・面白い勝負になる。」
【接近してしまえば戦艦ではどうにもならんな。】【まにぷーら、うえからなんかくるよ!】【なにっ?】
ゴオオオオーッ!ザザーン!『そこまでだゾンダリアンロボ。また会ったな。』【ヴォータンか・・】
【こないだのつよいろぼっとだね。】ズーン!『アイアンロックスは退け。あとはまかせろ。』「感謝します!
フレイア、潜航!」「りょーかい!」ズズズズ・・『さて、第二ラウンドといこうか。むん!』ギュルルルッ!
『トルネードナックル!』ズドーン!ビュオオオオーッ!【ドリルガード。】キュィィィーン!キィン!
『やはりはじかれるか。ならば!』ジャコジャコッ!【全身からミサイル?!】『いけっ!』ズドドドドッ!
【ドリルロッド!】ビュルルルッ!ズガガガガーン!【まえ!】【むっ!】『ミサイルに気をとられたな!』
ドドドドッ!ドカーン!【きゃっ!】【くうっ!体当たりか!】ザザーン!『それほど大きなドリルでは
近接戦ではとりまわせまい!』ゴオッ!【あまい!ドリルは最強の武器だ!】キュィィーン!ピキィーン!
『なっ?!遠心力でパンチも弾くか!』【でりゃあっ!】ブン!バキィィーン!『むおっ!』ドパーン!
『なるほど・・ドリルで殴るという手があったか!』【この回転力がゼロ距離でも破壊力を生み出す。
そしてこういう使いかたもある!】ザバン!『ドリルを海に?』【ビシュヌ・ジェネシス!】キュィィィーン!
グオオオオーッ!『なにっ!大渦巻が!』ドゴゴゴゴッ!メキメキッ!『な・・なんという水圧!ヴォータンの
装甲が悲鳴をあげるとは!』【これぞ海を金剛柱で攪拌し世界を創造せし大渦!】『なんのこれしき!ぬん!』
ドパアアーン!【脱出するとは!】『もらった!』ゴオッ!【まにぷーら、まかせて!いんどらのひかり!】
ピィィィ・・ズドオオオオーン!『なんだと?!』ドガアアアアーン!『胸部核から・・閃光が・・』
火星・機界大城塞リンヴォ。「あれは?!」「なんと!火星からでも観測できるほどのレーザー光とは!」
「ヲイル、マニプーラにあのような力は・・」「もちろんありません。でもあれは機怪十二神がひとつ、
ヘルレイザーの長距離ビーム砲に匹敵するパワー・・」「ヲイル、調べるのです。なにゆえマニプーラが
あれほどの力を持てるようになったのか。機界巫女に関係あるやもしれません。」「ははっ、ンドゥーネ様。」
大要塞エゼキエル。『おおっ!』「これは・・なんという閃光でしょう。」「既知のゾンダリアンロボの
平均パワー係数を遥かに上回っている。軽く神種に匹敵するな。」「・・ヴォータンは直撃だが、生きてるか?」
「蒸発してるんじゃないの?」「あのパワーなら2回までは耐えきるはずだ。そうとう頑丈に作ってある。」
プスプス・・【・・へぇ、まだかたちのこってるね。】【なかなか頑丈な作りだ・・だが。】ユラッ・・ザパーン!
『全機能停止・・俺の負けだ、殺すがいい。』【まにぷーら、でるよ。】・・ズズズッ、ズボッ!『・・少女?』
「あたしたちのかち。だからもうたたかわないよ。」パシュ!「・・君が操縦していたのか?」「はずれ。でも
はんぶんはあたりかな。」『勝負はついた。退くがいい。』「?!・・まさかゾンダリアンと人間が?!」
「まにぷーら、いこ。」『うむ。・・また会おう。』くるっ、ザザザザ・・「・・完敗というわけか。」
「ソニア、「サウザンドアームズ」を呼べ!」「間に合わないわ!「ナイチンゲール」が来るまでもたない!」
「さわぐんじゃねえよ・・この程度でくたばるあたしじゃ・・ゴホッゴホッ!」バシャッ!「いけない!
なにか手は・・」「あるよ。」はっ!バサアッ!スタッ。『エミリオ!』「なんとかしよう。聖竜光。」サァァァ・・
「エミリオの目から光が?」「・・ふぅ。」サァァァ・・「これでいい。内部損傷は治癒したよ。」すっ。
「さっすがエミリオ!」ぎゅっ!「ウェンディ?!」「つっかまえた!」「放してよ~。」「だめ!エミリオは
いっしょにいなくちゃいけないの!」「でもボクは・・」「問答無用!捕縛糸!」シュパパッ!ギリッ!
「ちょ、ちょっと!」「これで逃げられないもんね♪」「エミリオ、しばらくウェンディにつきあってくれや。
お前がいないとずっと心配してるんだから。」「たまにはお姉さんに甘えてあげなさいって。」「・・はい。」
「おいそこのホームドラマ。なんか忘れてねえか?」「なんだリオン、いいとこなのに。」「モゲラどーすんだ?」
『・・ああっ!』「たく・・ポルコ!」♪ピイッ!ブロロロッ!『呼ぶのが遅いよ~!』「あっちはおさえたか?」
『ひかりんとやーみんが向かったよ。いまごろ天ちゃんになって撃破してるころあい・・』ドガアアアーン!
「なんだ?!」♪ピピピピッ!『こちらテン子!モゲラが自爆したよ!』「自爆だと!」『その爆発で閘門が
ぶっとんじゃった!湖水が流出していくよ!』「・・しまった!ユキノめ、そこまで計算してやがったか!」
「・・してやられたな。」「ああ・・第二運河近辺に人家はねえ。いくら洪水があっても人的被害は最小。
あいつら気を使いすぎるくらい使って悪事やってやんな・・」♪ピピピッ。「はい、ビーストフォース。」
『「朧車」だ。ガツン閘門はやられたが、アイアンロックス撃退、ヴォータン大破。』「ヴォータンまでもか!」
『うむ。「螺旋」の力、すさまじいものだった。チャクラくん、代わるか?』『りおんおねーさん。かったよ。』
「こっちも勝負には勝ったが作戦負け。いつものパターンさ。」『しなりおどおりにうごかされてるみたいだね。』
「ああ・・まさしくシナリオどおり。・・ホント、誰かに踊らされてる気分だぜ。」『これより回収に向かう。』
大要塞エゼキエル・医務室。「右腕複雑骨折か。ユキノにしては珍しい重傷だな。」「まあね・・どのくらい?」
「1分だ。」ドキュ!「ぐはっ!」「呼吸を制御し、気で自己治癒させる。ちょっと荒療治だがユキノ向きだ。」
ヒュゥゥゥ・・「・・よかろう。」ズボッ!「ふぅ・・あれ?痛くない。」「骨と関節は復元した。治療完了だ。」
「さすが・・」コキコキ。「・・ドクター、いい機会だから一つ聞いておきたいんだけど。」「だいじょうぶだ。
ムーンとフレイアはその気になればいつでも「戻せる」。」「そっちも大事だけど、もうひとつ。」「アイリスか。」
「そう・・解毒剤ある?」「これだ。」ヒョイ、パシッ。「ありがと。今度会ったときに渡しとくわ。」
整備デッキ。「ヴォータンは真っ黒コゲか。これほどのダメージはひさしぶりだな。」「・・強い相手だった。」
「戦況はモニターで見てたぜ・・あのゾンダリアンロボ、ただもんじゃねえな。特にあの強力レーザー・・
ありゃ物理的に発生させたものじゃない。」「・・まるヨさん、どういうことだ?」「あんな巨大レーザーを
発振させるにゃ原子炉でもGSターボでも力不足だ。となると一つしかねえ。」「・・サイキックか。」
「だが神種や原種ならともかく、ゾンダリアンにそれだけのパワーがあるとは思えねえ・・」(・・あの子だ。)
パリ・第13部隊本部。『たっだいま~。』「お帰りリオン、チャクラ、マニプーラ。」「やれやれ疲れた~。」
「く~・・」「チャクラも疲れて寝てしまっている。」「あらあら、それじゃゲストルームへどうぞ。
マニプーラは夕食は?」「いただこう。」「へぇ・・モノ食えるんだ。」「何でもエネルギーにする主義だ。」
「お蝶、あたしゃ晩メシいらねえ。フロ入って寝るわ。」「そう?好物のテリヤキチキンなのに。」ぴく。
「しょうがないからマニプーラに食べてもらおーかしら。」「・・お蝶、やっぱ食うわ。」「はいはい。」
メキシコシティー・高級ホテル。「メシも食ったし、さて寝ましょ。」「エミリオのベッドはどーすんだ?」
「男部屋にベッド二つしかねえぞ。」「だいじょーぶ。エミリオはあたしと寝るから。」『ええっ?!』
「おフロもいっしょに入って、キレイに洗ってあげるんだ~♪」「あ、私もやりた~い!」「あの~・・」
「ウェンディ、エミリオはもう子供じゃねえぞ。」「そうとも。ちゃんとケも生えてるよな。」「え、えっ?」
「あら、それならしっかりおフロで確認しなきゃ!」『おいおい。』「さ、いきましょ♪」「えと、あの~。」
ずるずる・・「・・あいつら目がマジだったぞ。」「うらやましいつーか、ご愁傷さまとゆーか・・」
『これからのあらすじ~!』「今回はボリュームあったね~。」「作者も二元中継がタイヘンだったって。」
「で、次はSSSふたたび!今度は武装巨獣・神魔器モードでGエンジェルズと真珠湾で激闘だ!」
「え~と、設定によると「魔神獣」と認定呼称するってさ。」「♪心をもたない魔神獣~。」
「Oーレンジャーかい。・・えっ?!なんか展開がおかしくなってるよ!」「また神魔器の呪い?」
「たく~。面倒ばっか起こすんだからあの三人は。」「命令違反これで二回目。レッドカードものね。」
「で、他には?」「GGG諜報部の「闇姫」こと志保さんも出るんだって。」「おおっ!強敵!」
『次回オメガ戦記「狂 - berserker -」うおおっす!』「すごい展開は保証するってさ。」