勇者神ガオガイガーG   作:風雲再起

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♪ザン!
パリ、第十三部隊基地。「なんか最近いそがしいな~。」「GGGのイベントに続けざまに顔出してるからでしょ。
たく、お祭り好きなんだから。やっぱ血かしら。」「かもな。でもビリケンが来てくれたから、けっこうヒマが
できたのは事実だね。」「そういうつもりでいてもらってるわけじゃないわよ。・・ま、たしかに私も他のことに
時間をとれる余裕ができたけどね。」「アイツの唯一悪いとこはしょっちゅうツーリングに出かけることかな。」
「仕事はちゃんとやってるし、休暇中は給料無しでいいって言ってるからいいじゃない。」「あの~。」『どきっ!』
「かつを節削り器の改造終ったんで、ちょいとコロがしてきますねん。」「あ、ごくろうさま。今日はどこまで?」
「今回はベルリンあたりまで足のばしてみますん。ヨーロッパは景色に変化があって走るの楽しいねん。」
「GGGにいた間よっぽどたまってたんだな。」「いそがしゅーてコロがすヒマあらへんもん。明日には戻ります。」
「楽しんでこいな。」ぽん。ビリッ!「!?・・」「ほな行ってきます。」ブロロロロ!・・「いってらっしゃーい。・・
リオン、どうしたの?」「・・ビリケンの身体、細身にみえてもすげえ筋肉だ・・さわっただけでわかった。」
「そりゃ整備士だから自然と筋肉がつくんじゃない。」「そんなんじゃねえ。あの感触は・・ユキノや綾香に似てる。」
「・・武闘家スジってこと?GGG隊員は武術修得が義務づけられてるのは事実だけど・・」「いや・・あの筋肉の
付き方はハンパじゃねえ。しなやかさと強靭さを兼ねた全身バネのような筋肉だ。」「リオンがそこまで言うの・・」
「お蝶、ビリケンのプロフィール閲覧できるか?」「GGGデータベースはアクセス権もらってるから可能よ。」
カタカタ・・ピッ。「出たわ。・・氏名:京極あゆみ 本籍:日本・京都府・・特に変わったとこはないわよ。」
「・・待て、そこの病歴を。」「これ?・・あ、5歳のときに大病を患ってNYの国連病院に入院してるわね。」
「いまビリケンはハタチだから・・15年前か。」「それがなにか?」「・・よくわからないけど、なんかひっかかる。
GGG入隊は結成時からか・・ん?この学歴は?」「幼稚園から高校まで同じ名前の学校ね。日本じゃ珍しくは
ないと聞いたけど。」「草薙学館か・・待てよ。高卒のビリケンがどうやってGGGに入れた?学歴的に不足じゃ?」
「能力主義だから学歴は関係ないでしょ。ルリなんて学歴ゼロよ。」「となると卓越した能力があったから入れたと
いうことだな。」「そういうことでしょうね。」「その能力をどこで示したのかプロフィールに一言も書かれてない
のはどういうこった?」とん。「あ・・たしかに。そういういいことは真っ先に記録されるのが普通よね。それが
何も記述がない・・これは妙ね。」「やはりビリケンには何かある・・あたしの歴戦のカンがそういってる。」

大要塞エゼキエル。「・・ユキノ、最近妙なのが跳梁してるらしいな。」「ああ、エボニー・ナイトのことね。」
「いったいどういう奴なのか?」「どこの誰だか知らないけれど、わたしらや秘密部隊が賢人会議の手先と
ドンパチやってるところに疾風のように現れて、疾風のように去っていく・・まるで月光仮面みたいなやつ。」
「変ですね、世界のどこでも即座に駆けつけるというのは。」「・・ミヤビ、「記録」には無いのか?」「いいえ。
たしかに「概略」にはそれらしい記述はあるけど、あまりにも出現期間が短いため「詳細」までは不明なの。」
「期間が短いか。となると考えられることはひとつ。」「あたしたちや秘密部隊に関係しない第三勢力だね。
しかも賢人会議のみにターゲットが限定されていると。」「アルエットが正解ね。どうやら賢人会議に深い因縁が
あるヤツみたいね。」「気になるのは「八尺瓊」を使うことね。あれから調べたけど、「八尺瓊」を伝承している
家系はたしかにあるわ。家名まではわからなかったけど・・」「・・なに?みやびん。」「・・実家でかつて聞いた
ある組織が関係してるみたいなの。その名は「草薙」。」『!』びくうっ!「・・ん?」くるっ。『・・・・』
「いま誰かビックリした?」『いいや。』「・・?で、どういう組織?」「古代から存在する影の組織よ。その使命は
諜報や非合法活動などにより皇家を護り存続させること。創設者は聖徳太子ともいわれてるわ。」「くだいていえば
天皇のお庭番てとこね。」「第二の芹香様と桜と知世、それに第四の刹羅もかつてそこに属してたらしいわ。
あの顔ぶれから察するに、秘密部隊クラスかそれ以上の実力を持つ組織なんでしょうね。」「それとナイトがどう
つながってるの?」「「草薙」にスカウトされるのは皇家に代々仕えた家だけ。それでもその数は数百に達するわ。
その中に「八尺瓊」使いがいてもおかしくはない、いえ、「草薙」が放ってはおかないでしょ。」「なるほど・・ん?
みやびんはスカウトされなかったの?」「めんどくさいから断ったの。あのころは世間がおもしろくて。」ふっ。
「となると芹香様や刹羅はそいつのことを知ってる可能性が高いということね。」「聞き出すのはまず無理よ。
「草薙」は存在しないことになっているから、聞いても何も答えてはくれないでしょうね。」「あらそう・・
ところで三幹部のみなさん。」ぴくっ。「さっきから発言がひかえめになったのはどういう仕儀かしら?」
『・・』「ユキノさん、それは聞かない約束だよね。答えはわかってるし。」「ふふっ、そういうことね。」

漂流要塞シャンバラ。『トレーズ様、トングランタールの出動準備が整いました。』「よろしい。第二機動隊長、
必ずや作戦を成功させてきてください。」「第一目標はシドニーだ。思う存分破壊せよ。」『おまかせください。
この陸上戦艦をもってすれば、シドニーごとき半日で廃墟にできます。では出動します!』「成功を祈ります。」
プツッ・・「・・とはいえ、艦内に殴りこまれたら為す術はない・・色。」「はっ・・」「敵が突入しないように
援護に行ってください。」「・・手数が要りますが。」「親衛隊の「アルテミスターズ」を連れていってよいです。
もともとあなたの弟子たちですし。」「・・ここのところ出動がかからなかったので、さぞや喜ぶことでしょう。」
「そういえばかつては特戦隊とは何度もやりあってたな。永遠のライバルというところか。」「はい・・」
「色、謎の黒いライダーがまた出現するかもしれん。注意したまえ。」「ブンドルでも正体が突き止められない
のですか?」「うむ。だが、いまになって突然わいて出てきたところに何か意味があると読める。」「・・意味?」
「我らの邪魔をするならば、どうして今まで出てこなかったのか・・そこがな。」「出たくても出られない事情が
あったが、その束縛が無くなった・・というところでしょうか。」「まさしく。それが何なのかがわかれば・・」

プロジェクト38「色 - Lifeforce - 」

アバドン。『シャンバラに動きあり。』「動いたか。赤外線映像。」ぱっ。「何か巨大な物体が出撃したようです。」
「全長200m、幅30m。どうやら戦艦かそれに類するメカです。」「推定到達地点は?」『オーストラリア方面。』
「また都市攻撃でしょうか?」「狙うとすれば・・シドニーか。GAGA、編成案。」『第三および第十三部隊。
陽動と破壊工作の二面作戦を推奨する。』「よし。ナミは発破屋、キャナルはパリへ。」『ラジャー、ビッグワン!』
「素子は別任務がある。耳を貸せ。」「はい?」ひそひそ・・「・・!・・ついに!」「お待ちかねだったぜ。」

大要塞エゼキエル。『魔神獣発進用意!』『「神行太保」、設定開始。転送目標、シドニー。』『SSSは搭乗を急げ!』
タタタタ!「ひさびさの出動ね!」「・・敵は戦艦メカと推定。」「海戦になるのかな?」「アイアンロックスも
出てくれるからだいじょうぶよ。それじゃ!」タタッ、スパッ。カチャカチャ。「フルオロカーボン液注入。」
ドロドロ・・ゴポッ。「・・メイン起動。始業点検開始・・」「制御系・火器管制・フィードバック回路オーケー。」
「魔神獣、出撃準備完了。」『ザンボラー、プラットフォームへ。』「了解。ガントリーロック解除。」ババン!
ズーン!『ESウインドウ安定。発進よろし。』「サンボラー、サード、いっきまーす!」シュバッ!・・フッ。

東京・埋め立て地。ズズズズズ・・「「玉屋鍵屋」発進よーし。目標はシドニーね。」「いいかみんな、今回仕掛ける
目標は戦艦だ。」「最新情報が入りました。陸上戦艦「トングランタール」と呼称します。」『陸上戦艦?!』
「ふつう戦艦は海に浮かぶものだけど、これは上陸して巨大なキャタピラで行く手を蹂躪しながら進撃するわ。
さらに戦艦の名に恥じない重武装と重装甲。まともに戦うと痛い目にあうのは確実ね。」「戦艦相手ならば
航空爆撃が有効なはずだ。」「ウィル、そのとおりよ。でもね・・」「あ、「ナイトウイング」は活動休止中か。」
「そこで俺たちの出番てわけだ。」「・・そうか、機雷か!」「そのとおりよケータくん。戦車も戦艦も同じこと、
上と下が弱い。」「でもハンパな火薬量では効かないと思いますけど。」「それにぃ、水中とちがってぇ、エネルギー
損失が大きいですよぉ。」「まあ指向性爆薬を使えばそのへんは克服できやすが、問題は装甲の厚さでやんす。」
「たしかにな。読みを誤ると取り返しのつかない事態になるな・・」「足払いかければ?」『え?』「りっちゃん、
いまなんつった?」「だからさ、いつもの発破と同じに考えればいいのよ。」「・・あっ!そうか!」『それだ!』
「あやうく統制爆破屋としての本分を忘れるとこだったぜ。プリム、どう読む?」「・・この外観を崩すなら、
「天狗倒し」がいいね。」『天狗倒し・・』「なるほど。それなら最小限の発破で最大効果が期待できますね。」
「シプリー、メイプル、異存はあるか?」「ありません。」「文句なしねぇ。」「では準備に入ってくれ。」『はい!』

パリ。「ひかりん、やーみん。出動だ。」『ウィ!リオン・レーヌ!』「じきに「汽神号」が来るわ。最新情報では
敵は陸上戦艦だそうよ。」「ほほう、そりゃマトがでかくていいね。トコロ天に入るのか?」「ちょっとオーバー
サイズみたいね。」「となると、地味にドンパチやるっきゃねえか。」「ひさびさに私のミサイルが活躍できますね。」
「あたしのメーサーなら戦艦だってぶった切ってやるもん!」『リオンはいつものヤットウ持っていかないの?』
「持ってるさ、Gザンパーをな。」ちゃっ。「そんな短い刃でだいじょうぶなの?」「まあ見てのお楽しみさ。で、
あとは発破屋だって?」「そう。テキがでかいから適任ね。しっかり援護してあげてよ。」「まっかせなさーい!」
「あ、忘れてた。」♪ピッ。「ちよちゃん、チョコ持ってきて。」『はいー。』「う"~・・あんまし使いたくないな。」
「それは現場の判断にまかせるわ。」とてとて。「持ってきましたー。三種類セットですー。」「・・もらっとくわ。」

シドニー港。・・ゴバアアアーッ!「あれはなんだ?」「湾に巨大な戦艦が!」ウィィン・・ズドオオーン!
ドカアアアーン!「オペラハウスが!」ゴゴゴゴゴ!・・ギュラギュラギュラッ!「戦艦が・・上陸してくる!」
「なんてでかいキャタピラなんだ!」ドドドドド!「こっちへ来るぞ!」「逃げろ!」キャアアアーッ!
「ぬはははは!どうだこのトングランタールのすごさは!」「オーストラリア軍の航空機隊が接近します。」
「ふん。ターターミサイル発射!」ウィィーン・・ガコン。シュドドドドッ!・・パパパパッ。「全機撃墜。」
「第一第二主砲、航空基地へ砲弾をぶちこんでやれ!」ズドオオオーン!「あと5秒で到達・・的中しました。
基地は完全に破壊されました。」「正面に戦車隊です。」「ふみつぶせ!」ドンドン!カンカン!「120mm程度の
砲弾ではトングランタールの重装甲はビクともせぬぞ!」ギャガガガガ!ドカドカーン!「うわはははは!」

ポオオオーッ!・・「でけえ~、あれが陸上戦艦か。」『まるで動く要塞だね。』『・・ん?未確認物体が急接近!』
「なんだ?」・・ゴオオオーッ!ドドドーン!・・『なんか落ちたよ。』「あれは・・もしや?」ググッ・・ザン!
「オメガの魔神獣!陸上戦艦を叩きにきたな。」『これは助かるね。』「ああ。あたしらもいこうか。」『出動!』
ブロロロロ!「ひかりんとやーみんは敵の左翼へ。魔神獣と連係して戦艦をたたけ!」『わかった!』『了解です。』
『リオン、「玉屋鍵屋」から入電だよ。』「もしもーし。こちらプリティ・キャット。」【なんだそのコードネームは。】
「軽いジョークさ。連係はひさしぶりね、叔父さま。」【ああ。さっそくだがこちらの作戦案はこうだ。・・】
「・・な~る。それならテキを誘導する必要があるわね。まかせて、ちゃんと追い込んでみせるわ。」【たのんだぜ。】
♪ピッ。「ひかりん、やーみん。これから作戦を伝達するよ。SSSには接触通信で知らせてやって。」【りょーかい。】

ブロロロロ・・『ナイト、ジェネラルから通信です。』「出して。」【・・シドニーに賢人の陸上戦艦が出現した。
ただちに向かってくれ。】「了解しました、閣下。」【うむ・・】「PAT、いくよ!エヴォリューション!」シュバッ!
ギュルルルッ、ギシィッ!『ナイト・スタッド装着現象確認。バッド・アムール型態チェンジ。』シャキーン!
『GSターボ起動。ミラクルエンジン切り替え完了。』ヒュィィィーン!「ESハイウェイ!」ヒュオォン!・・

「全砲門、魔神獣を近づけさせるな!」バリバリバリッ!チュンチュンチュン!「ひょええ~っ!バカスカ撃って
くるわね。」「・・さすが戦艦。」「大型シールド持ってきてよかったね。」「反撃よ!200mmマグナム!」ドンドン!
ドガガガーン!「うまい、サード!」「・・火器設置部は構造上比較的もろい所。さすが・・」「どんなもんよ!」
バリバリバリ!「おっとっと!・・もう、火力あんまし減ってないわね。」「・・セカンド、ダモクレスで。」
「やってみる。」ジャキッ!ビィィィ・・「ダモクレス・カノン!」ズドオオオーン!・・パキィィーン!
「なに?!」「はじかれた!」「・・対エネルギーシールド。」「それじゃ質量兵器しか効かないってことじゃない!」
「なら光学兵器はどうかしら?」『えっ?』「メーサー!」ピィィィーッ!パシィィーン!「あら、全然ダメか。」
「天竜神?!」「ならばダーク・ミサイル!」ガコガコン、シュドドドドドッ!「うわっ!ものすごい数!」
「9時よりミサイル多数接近!」「左舷CIWS群、弾幕を張れ!」ブオオオオオーッ!ガガガガーン!「失中3!」
ドドドーン!「やった?」ゴォォォ・・「・・だめだ、三発くらいじゃビクともしない。」「・・まさに移動要塞。」
「あ、やぱし。で、ちょっと相談があるんだけど、機体を接触させて。」「・・相談?」「いいでしょ。」ひそひそ・・
「・・それはいい手。」「ユキノさんにも知らせとく?」「特戦隊いるの?」「もうじき浮上するわ・・きた。」
ゴバアアアアーッ!「なに?!・・あれはアイアンロックス!」キュィィン・・ドオンッ!「主砲が!」
ヒュルルルル・・ドドドーン!グラグラッ!「なにごとだ?!」「湾にアイアンロックス出現!主砲で撃ってます!」
「やはり来たか・・気にするな。やつらが出た場合の備えはこちらにもある。第二射はもう撃てぬわ!うわははは!」

アイアンロックス。「砲術の死羽姫、どう?」『補正はとれたのだ。第二射は外さないのだ。』「この角度ならテキの
主砲は撃てないよ。」「タコ殴りにするチャンス!」「今回はあっさり終わるかもね。」「・・いや、あまいでござる。」
ウィィン・・ドカーン!「なに?!」「第一主砲、大破!」ドカーン!「第二もやられた!」「これは・・色か!」
「そう・・」シュタッ。『色!』「私だけではない・・出でよ我が弟子たち。」シュタタタッ。『あっ!あれは!』
「月のアルテア!」「氷のアニー!」「炎のレイラ!」「雷のジュリア!」「光のローラ!」『われら、色さまの
直弟子五人衆・アルテミスターズ!』「ひっさびさに出てきたわね。」「これを待ってたんだ。」「賢人会議最強の
暗殺部隊。相手にとって不足なしよ。」「ほう、これはひさびさに楽しめそうでござるな。」「ユキノ・・今日こそ
決着をつけましょう。」「いいでしょう。みんな、誰かだれを相手にするかは言うまでもないよね・・負けるんじゃ
ないよ。」『うおおっす!』ザァァァ・・『・・・・』ぴくっ。・・ザパアアアーン!『はっ!』シャシャッ!

「あれ?・・第二射が来ないわね。」『こちらエゼキエル。どうやら特戦隊は敵と白兵戦に入ったらしい。よって
アイアンロックスはあてにしないでくれ。』「・・それならリオンさんの作戦が最適。」「やっぱそうなるのね・・」
「それじゃさっきの作戦のとおりにお願いしますね。」「・・了解。」「やってみよう。」「しかし、こんな作戦あり?」

「魔神獣と天竜神が前方に回りこみました。」「バカめわざわざ正面とは。踏みつぶしてミンチだ!」ドドドドド!
くるっ、ドスドスドス!「あっ?・・逃げるだと!」「追いますか?」「当然!・・待て、大事な要素を忘れてる。
ヨーロッパの牝獅子を捜せ!このスキに艦内に殴りこまれるとやっかいだぞ!」『右舷12番副砲、発見しました!』
キィィーン!『敵艦まであと8000m・・動きあり!』「急げポルコ!どんな要塞だろうが中に入れば倒せる!」
「撃てうてーっ!」ドドドドドッ!「やっぱ気づかれたか。」『気づかれないと思ったの?』「突破するよ!」
ドガガガガ!チュンチュンチュン!『うわっ!敵の弾幕が濃すぎるよ~!』「あと1500mだ!・・はっ?!」
キュィィーン・・ぴたっ。『主砲が!』「死ねい!撃てっ!」ドガアアアーン!「なにいっ!」「第二主砲、大破!」
『・・主砲が爆発しちゃったよ。』「ラッキー。いまのうちに突っこめ!」ゴオオオーッ!ドボオオオーン!
「敵は第14デッキに侵入しました!」「くっ!艦内警戒態勢!第二主砲の爆発原因はなんだ!」「それが・・」

「いまの爆発はなに?」「・・解析。ものすごいエネルギーの質量弾による攻撃。」「質量弾だって?」「どこから?」
ヒュィィィーン・・「・・なに?」「ジェットエンジン音?」「ん?・・これはミラクルエンジン音に似てるよ!」
「まさかGGG?」「来るはずないんだけど・・あれはなに?!」ヒュィィィーン!「・・バイクですって?!」
『マグナ・カルタ!』ジャキン!ドオオオンッ!・・ドガアアアアーン!『なあっ!』「手持ち銃で主砲塔を爆裂
させたですって!」「あれはお姉のキングギドラより強力だよ!」「・・口径がとてつもなくでかいわ。まるで
グレネードランチャーなみ。」「キングギドラの三本銃身がスッポリ入っちゃうよ、あれは!」「まさに大砲ね・・
あれはいったい誰なの?秘密部隊でもあんなの知らないわよ。」ザザッ・・『ついに現れたか、エボニー・ナイト。』
「ドクター?」『SSSに告げる。あれは敵ではない。』「といわれても・・」『とにかく干渉せず、好きにやらせろ。』
『PAT、アサルト・シールド!』【了解。攻性空間障壁、形成。】キィン!ヒュィィーン!・・ドゴオオオオーン!
「戦艦内へ突入しちゃったよ!」「また?・・リオンさんと中でかち合ったらどーすんだろ。」「とにかく!今は
できるだけ外からドンパチやって敵の注意を分散させるのよ!カルネアデス、敵外装火器をもぎとれ!」
シュバババッ!・・ギシイッ!「それえっ!」ボキボキッ!ドンドン!「・・サードに賛成。ロンギヌス。」
シャンッ!・・ザンッ!「そうだね、できることをやらなくちゃ。ダモクレス、いけいっ!」ブオオオンッ!
ドコドコドコーン!「まけてらんない!リーテ・ウン・ノワール!」ピィィィーッ!シュドドドドッ!
ズズズーン!「敵の攻撃で外装火器がひとつづつ剥ぎとられていきます!」「うろたえるな!応戦しろ!」
「主砲二門が大破したので火力が不足です!」「量で圧倒しろ!・・艦内の迎撃状況はどうなっとる!」

そのころアイアンロックス。シャシャッ!「ひさしぶりね、氷の。」「ムーンも生きててよかったわ。なにせ
あなたを倒すのはこの私ですもの。凍結氷弾!」シュバババッ!「おっと!」ターン!チュンチュンチュン!
「銀月!」シュバッ!「真空刃の蹴りね!はいっ!」ターン!ジャババーッ!「まだよ!虹月!」シュバババッ!
「無数の真空刃が!」ザキザキザキイッ!「?・・そこ!裏月!」シュバッ!「樹氷刀!」キィン!「ふう・・
さすがムーン。氷の変わり身をよく見破ったわ。」「これだけ戦ってると、打ちっぱなし技でも手応えというものを
感じるのよ。」「なるほど・・では続けましょうか。結晶縛!」シュバッ!パリパリパリッ!「これは?!・・氷の
結晶のワイヤー!」「触れるものを凍結させる死のワイヤーよ。包囲!」パリパリパリッ!「・・囲まれた!」
「一歩でも動くとあっという間に凍結するわよ・・つらら槍。」ジャキッ。「これで私の勝ちね!」シュバッ!

「火炎放射!」ゴオオオーッ!「消火液!」シュバアアアーッ!バリバリバリッ!「レイラ、そんなんじゃダメよ。
あたしの消火液を上回る火力じゃないとね。」「今のはほんのあいさつよ。火輪陣!」シュババババッ!「なに?」
ゴオオオーッ!「炎の包囲陣か。消火液!」ブシャアアアーッ!・・「・・消えない?!」「ナパームを使ってあり、
なまじっかな消火液で消すことは不可能!」「くうっ!」「化学プラントはよく燃えるでしょうね、あはははは!」

「雷の、ひさしぶりなのだ。」「死羽姫・・今日こそ倒す!」「返り討ちにしてやるのだ。」「雷王指!」バリバリッ!
「おっとっと。」ピシャアアアーン!「五本の指からの電撃、キングギドラも真っ青なのだ。」「これならどうだ!
轟雷網!」バリバリバリッ!「ふふん。」ピシャピシャアアアーン!「バカな?!一発も当たらないなんて!」
「落雷跡をよく見るのだ。」「・・はっ?!円形に落ちてる!」「あたしの周囲の空気に波紋を流し、空気密度を
変えているのだ。その界面に沿ってしか落雷しないのだ。」「・・ふっ、ならばその結界を打ち抜くパワーがあれば
いいというわけね。」「なに?」「最大攻撃!雷神槍!」ドオオオーン!「これは!・・まるで荷電粒子砲・・」

「アルテア殿、また会えたでござるな。」「・・彩、前のようにはいかないわよ。」「お手並み拝見いたそう。」
「いけっ、月光!」シュパッ!「三日月刀でござるな。メル!」キュイン、キィン!「その手は前に拝見済みで
ござる。新手をご披露あれ。」「そうね。新月!」シャッ!「・・ぬっ?」シュバッ!「なにっ!」スカアッ!
「へえ、うまくよけたじゃない。」「・・剣が見えなかったでござる。」「でもいつまでかわしきれるかしら?
それっ!」シャッ!「・・!」ザッ。シュバアッ!ドロ・・「ちょっとよけそこねたわね。」パシッ。キラッ。
「そうか!・・ガラスの三日月刀!」「そのとおり。透明度があるからなかなか見えないわよ。それに!」シャッ!
ズババババッ!「くうっ!」「一本じゃないのよね、これが。」ポタポタ・・「これは・・楽しめそうでござるな。」

「ローラ、あなたもしつこい人ね。」「問答無用!黄金鎖!」シャララン!「由良由良都、古留部。」ヒュヒュン!
キキキーン!「だから届かないっていったでしょ。」「そうかしら?・・地龍!」ズボッ!「・・地面に?」
ゴゴゴゴ・・「・・まさか!」ゴバアッ!ジャラララッ!ギシイッ!「くうっ!・・地中を走らせるとは!」
「珠振で近づけないけど、ここからでもあなたを絞め殺すことは可能よ!」ギリリリ!「ぐっ!・・古留部!」
ヒュヒュン!「霊破光!」シャアアアーッ!ポトポト・・「霊珠が・・!」「あらゆる精神エネルギーを打ち消す
この眼光にかかればね。」「なるほど・・目くらまし専用から少しは進歩したということね。おめでとう。」
「その状態でよくそんなへらず口がきけるわね!」ギリリリ!「ぐあっ!」「もうすぐ全身の骨が砕けるわよ!」

キィン!カキィィン!「・・特戦隊もこれで終わりだ。」「ちったあパワーアップしてきたということね。でもね!」
ヒュッ!「むっ!」ビュオオオッ!「・・剣技と蹴りを同時に使うとは。」タラ・・「刀が三本あると思ってね。
そしてわたしの特戦隊もそんなにヤワじゃない。数えきれぬ戦火をくぐってきたのはダテじゃないわよ。」きっ。
「遊ぶのはそれくらいにして仕上げに入りな!ユキノ特戦隊は最強無敵、どんな敵でも全力でたたきつぶせ!」

「そうだね。」ズドオオオン!・・「・・ムーンが消えた?!」『ここよここ。』「えっ?・・」ピチャ・・ザバン!
「これは・・足元がいきなり池に!」『失礼ね。これでもちゃんとした海よ。』「ムーン・・どうやって!」
『簡単なこと。液化して地面に染み込んだのよ。』「・・しまった!くうっ!」ガボオッ!ゴボゴボ・・
(水に・・ひきこまれる!)『心配しないで、あなたは殺さない。ちょっと水を飲んでもらうだけよ。』

ゴォォォ・・「それそろケシ炭になったころね。はいっ!」パン!ボォッ・・「黒いカタマリ・・原形もとどめずか。
骨が残ってたら拾ってあげるわ。」『ごめんこうむるわ。』「なっ?!」『双花剣!』シュババッ!ドスドスッ!
「がはっ!・・バカ・・な・・」『あたしのプラントをあまくみたわね。』パキ・・ピキピキピキッ、ガラガラッ!
「・・殻?!」「発泡樹脂。どんな高熱も無数の気泡が遮断してくれる。それでも表面から燃えていくけど、
その分は下からどんどん樹脂を供給して補えばいい。」どさっ。「内臓は外してるわ。全治一ヶ月というとこね。」
「なぜ・・外した?」「あなたけっこう嫌いじゃないもの。ライバルは同時に親友でもあるのよ。」「・・負けたわ。」

ゴォォォ・・「跡形もなく・・か。いなくなったらなったで、ちょっと寂しいかな。」『それはうれしいことなのだ。』
「・・まさか?!」くるっ。ドオンッ!「あ!・・」ぴたっ。「・・あたしの波紋掌の直撃を受けたらどうなるか、
知らんジュリアでもないよね?」こくこく・・「それでいいのだ。」ドンッ!「ぐふうっ!」ドザザザーッ!・・
ググ・・(身体が・・動かない・・)「一時間で許してやるのだ。」「・・」「なぜ手加減するかって?・・特戦隊は
無益な殺生はしないのだ。今回は勝てばよし、それだけの話なのだ。それと・・」「・・?」「前の戦いのとき、
子供を巻き込みそうになったら撤退した・・それが理由なのだ。」「・・」フ・・「人間、日ごろの行いなのだ。」

すっ・・「・・目を閉じた?」「・・ヴァイエイト・迎!」シュバッ!キキキキーン!「バカな!全部はじいた!」
シュバババッ!「・・新月が!」ドカカカカカッ!「きゃああああっ!・・あれ?」「動くと切れるでござるよ。」
「え?・・げっ!」キラキラ・・「みんなキワキワで・・まさかここまで計算して?!」「しーっ。」「あう・・」
キラキラ・・「でも・・なんで?」「お主ら職を間違えてござるよ・・無理はせぬほうが美容にもよいでござる。」

「由良由良都、古留部!」ヒュヒュン!「ムダだと・・なっ?!」バキバキバキーン!カラカラ・・「まさか・・
自分に当てて鎖を砕くなんて!」「そう難しくはないわ。人間には意外と強い個所がいくつもあるの。そこなら
たいして痛くもなく鎖くらい砕けるわ。さて・・」ぱらっ。「・・呪符?」「記念に私の最大奥義を披露するわ。」
「最大・・奥義?」「「・・ソノメハアカカガチノゴトクシテミヒトツニヤカシラヤヲアリ・・」「この祝詞は・・
まさか!」「マタソノミニコケチヒスギトヲヒソノタケハタニヤタニヲヤヲヲワタリテ・・」ゴオオオオッ!
「いきなり大火炎が!」「ソノハラヲミレバコトゴトニツネニチタダレタリ!」ドンッ!キュオオオオーン!
「炎の・・八頭竜?!」「土御門流古神道奥義・八岐大蛇!」キュオオオーン!「霊破光!」シャアアアーッ!
キュアアアーッ!「・・消えない?!」「そんなヤワな力じゃオロチは消せないわよ!」ドゴオオオーン!
「きゃああああーっ!」・・ズザザザザーッ!プスプス・・「く・・」「ほんの軽いヤケドで済ませてあげるわ。
ちなみに顔は避けといたから。」「な・・ぜ・・」「だって私も女ですもの、気持ちはよくわかりますわ。」

キィン!「アルテミスターズが・・」「だから言ったでしょ。特戦隊は無敵よ!」ブン!ドン!「くっ!」
「うなれガリアンソード!刃竜!」ジャラララッ!ダギュルルルルッ!カラーン!「太刀が!・・」
「はいごくろうさま。」ひょい、ガシャン。「?・・なぜソードを置く?」「あんたの小刀とわたしの拳でやっと
イーブンというわけ。」「・・いえ、まだイーブンじゃない。」カラン。「色?」「もう武器なんかいらない。
ユキノとは素手で決着をつける!」ザッ!「気に入った!」ダッ!『おりゃああああーっ!』バキィィーン!

「あれを!」「ゲホゲホ!・・色さま?!」「ユキ姉と」「・・色さまが!」「武器を持ってないのだ。」「・・!」
「ほう、これは・・」「色さまが・・あんなに。」「輝いてる・・わね。」「・・あんな色さま、はじめて見た・・」
「せりゃあっ!」「はいっ!」バシバシバシッ!「素手でもけっこーやるじゃない。」ゴオッ!「ダテに長生きは
してないわ。格闘技ならひととおりはこなせる!」パシーン!「ならなぜ今まで使わなかったの?」ビュン!
「暗殺にはけっして使わない。本当に強い相手と闘うときだけ!」シュパッ!「それは光栄ね!」スパーン!
「色どのも悟ったようでござるな。」「・・なにを?」「みんなもうわかってるはずよ。・・あれこそ真の闘い。
持てる技の限りを尽くしての打ち合いこそ、魂がもっとも輝くとき・・」「闘いは魂の輝き・・」「色はおそらくは
今までああやって全力で闘える相手がいなかったのだ。だから技を封印し、暗殺者に甘んじていたのだ。」
「けど・・ついに出会えたんですね。」「そう、ユキ姉こそ色が求めていた史上最高の相手。そしてそれは・・」
「数万年の生を賭けても悔いのない相手・・」「命を託すに足る最高の友なのね。」「ここで死しても悔いなし、
この瞬間のために生きてきた・・それが色さまの真の御心だったのね・・」「見届けましょう、この神聖な闘いを。」

そのころ、トングランタール艦内。ワアワア!「敵は第三ブロックに!」『第五ブロックにも侵入者あり!
迎撃隊は急行せよ!』「Gザンパー!」ドゴン!「こりゃいいね~。せまい艦内ではもってこいだわ。」
『リオン、前方に敵兵多数。』「まかしとけ。」チャッ。「キングギドラ!」ドオンッ!ドカアアアーン!「つっこめ!」
ブロロロロ!ドガドガッ!「ポルコ、弾薬庫はまだか?」『嗅覚センサーによると、あと200mくらいだね。』
「そこを叩けばコイツはデクの坊さ。」『考えることは同じだな。』「・・なにっ!」ヒュィィィーン!『バイク?!
いつの間に!』「新手か!キングギドラ!」ドオンッ!『おっと。』キキーッ!シュッ、ドゴオオン!『さすが
リオン、問答無用か。』「もう一発!」『PAT、七番。』【了解。】シュパッ!パシッ!「マグナ・カルタ!」ジャキッ!
「うっ!・・(なんてでけえ銃だ!)」『このまま互いにトリガーを引いてみるか?』「・・それもいいわね。」
『リオン、隔壁が!』くるっ。ドドドオオンッ!ドカアアアーン!「あんたと遊ぶのはあと。今はお仕事中。」
『同感だ。』ドンドオンッ!ドカドカーン!「名前を聞いてなかったわね。」『エボニー・ナイトと呼べばいい。』
【そして私がPAT。このバッド・アムールの管制AIです。】「なんでここにいる?」『君と同じ理由だ。どんな
要塞も内側から崩せばもろい。そして内部でかきまわすことで進路を維持させる。あとは地雷原に一直線だ。』
「そこまで読んでるか・・?ちょっと待って。・・あんた最近どこかで会ってない?」『さて。』「う~ん・・
どうも雰囲気が知ってる誰かにそっくりなんだよな~。誰だっけ・・」『リオン!前方に』「やかましい!三連打!」
ドドドオオオンッ!ズガガガガーン!「ヒトが珍しく考えごとしてるときにジャマすんじゃないよ!」ブロロロロ!

第三部隊。「テキさんは順調にこっちに向かってるよ。」「おっしゃ。「火星人」「タイラント」のほうはどうだ?」
『ポイント12までセット完了してます。』『こっちはあと2ポイントですよぉ。』「順調だな。プリム、評価は?」
「・・だいじょうぶ。計画どおりにいくよ。」「バニシングポイントまであと7分です。」「さあ、まっすぐ来いよ!」

『おりゃあああーっ!』バキイイイーン!『ぶはあっ!』ズザザザーッ!「す、すごい!」「ユキ姉と同等!」
「はあっ、はあっ・・ここまで苦戦させてくれるのはビッグ4以外は初めてよ。」「やはりユキノは強い・・
ならば。」シャッ!「高速移動?・・はっ!」タン!シュパッ!「なにあのスピードは!」シャシャシャッ!
「これは!」「色さまが・・分身?!」「高速移動による残像現象ね。」シャアッ!「おっとっと!」ビュビュッ!
「全方向からの同時攻撃なのだ。」「あれならよけきれないわ!」「いずれヒットを食らい、そこにとどめの連打が
打ち込まれるでござる。」「ユキ姉、どう対処するの・・?」『反撃のヒマなど与えないわよ。』シャシャシャッ!
「べつにくれなくてもけっこうよ。・・そこ!」ビュッ!ドゴオオーンッ!『・・ああっ!』ブハアッ!・・
「しゃがんだユキノのヒジが色のミゾオチに!」「な・・ぜ・・」「交差法って知ってる?相手の攻撃の勢いを
利用して防御と反撃を同時におこなう高等テクニック。」「そうか!色の攻撃パターンを見切ったユキノはその
軌道にあわせて交差法を!」わしっ。「そりゃあっ!」ブン!バシイイイーン!「ぐはっ!・・」「勝負あったわ。」

ゴホゴホ!タラタラ・・「・・ユキノ、私のゾンダー核をえぐりとれ。」「・・それがあなたの望みなのね。」
「そう・・これで・・ゆっくり休める・・」「・・わかった。」すっ・・「色さま!」「おやめください!」
「生きていればいいこともあります!」「はやまったことはしないでください!」「・・みんな、やめなさい!」
『アルテア?』「・・あなたたちに色さまの苦しみはわからない。不老不死・・それがどんな地獄なのか!
色さまだって恋をしたことが一度くらいあるはず。でも・・その相手が老いて死んでいく様を前にしても、ずっと
変わらぬ姿で生き続ける・・それがどんなに悲しいことかわかる?地より生まれしものは再び地に還る、それが
自然というもの。永遠の時を生きるのは永劫の彷徨の呪い・・色さまはそんな無間地獄をずっと見てきたのよ。」
『う・・』「だから・・もう休ませてあげようよ。もういいよ、もう・・」ポロポロ・・「・・ユキノ、お願い。」
「・・あの世で待っててね。わたしもじきに行くから・・!」ビュッ!『待った!』「なにっ?!」ビタアッ!
バサササッ、スタッ。「・・ケン?!」「あんたクルドに戻ったんじゃ?」「大事なものを忘れていた。・・色、
おまえには守るべきものがまだあったはずだ。」「・・それはもういい。私の役目は終わった・・」「ちがうな。」
バサッ。「色おねえちゃん!」「・・蛍ちゃん?!」「「曼荼羅」からつれてきた。」「ケン、コマンダーにはちゃんと
ことわったんでしょうね。」「無論だ。快く許してくれた。」「死んじゃやだよ!いっしょにいこう!」「・・だめ。
私の手は無数の人の血で汚れている・・だから私は滅びなくてはならないの。」「別に今死なずとも、もうじき
「ある事」が起きる。その時に審判が下るだろう。」「なにそれ?」「すぐにわかる・・それまで待つことだ。
早まって取り返しのつかんことにならぬようにな。」「でも・・」「ほれ。」ぺち。「はいおしまい。」「・・ユキノ?」
「わたしの執行は終わったわ。あとはその「最後の審判」とやらを待ちましょう。・・ケン、さっさと連行して。」
ふっ。「色、おぶされ。」すっ。「・・え?」ぽっ。「そのダメージでは立つこともままなるまい。遠慮するな。」
「・・うん。」すっ。「よいしょ。」ざっ。「蛍、行こう。」「はい。ではみなさん・・」すっ・・シャッ。

陸上戦艦。「敵は合流しました!35番通路です!」「よし。一点集中で迎撃せよ!35番に集結!」ドカドカッ!
ジャキジャキッ!「・・来ました!」ヒュィィィーン!「撃てっ!」ズガガガガガッ!キキキィィン!「なにっ!」
「銃弾が通りません!」『PAT、六番!』【ナイトランサー出します。】ジャコン!グン!チャッ。『全速力!』
ヒュイイイイーン!「突っ込んでくるぞ!」ドゴオオオオーン!『うわあああっ!』『失礼。』ヒュィィーン・・

そのころ弾薬庫。カチャカチャ。「これでよし。傾斜設定は予定どおりな。」『リオン、ほんっとこういう器用な
工作は得意だよね。』「小細工ってのはミョ~に燃えるタチなんだよね。さ、ナイトとやらがひっかきまわして
くれてる間にトンズラだ。」すとっ。『巻き添えくって転倒したくないもんね。』「そういうこった。」ブロロロロ!

SSSと天竜神。バリバリバリッ!「こっちよこっち!」「そろそろ予定ポイントだね。」『・・これでホントに
周波数あってんのか?』『聞えてるはずでやんす。』「・・なに?」「あっ、この声は社長さんだ。」『こちら発破屋。
そのままあと200mでポイントに入る。合図したら散ってくれよ。念のためにいっとくが、右舷側には逃げるなよ。』
「どういうこと?」「うーん・・よくわからないけど、そっちから攻撃するんじゃないかな。」「・・とにかく右舷
は避けましょう。」ギュラギュラギュラ!『あと50m!』「・・40よ!」「・・30。」「・・20だ!」「・・10だよ!」
『ぶっとばせ!』「点火!」「点火ぁ。」ズドドドドーン!「なんだ?」「右舷前方で巨大爆発です。損害なし。」
「タイミングをしくじったな。」グラッ!『うわっ!』「なにっ?!」「隊長!右舷の地面が・・なくなってます!」
「バックで立て直せ!」「慣性で直ぐには止まりません!」グラアッ!『うわあっ!』「こんな手があったとは!」
「転倒します!」「・・こうなったら最終手段を使う!」グッ。オォォォ・・「安全カバー破壊!」パリィィーン!
「これで逆転だ・・賢人会議に栄光あれ!」わしっ!カアッ!『賢人会議に栄光あれ!』ザン!オオオオ・・

グラッ!「はじまったか!」『傾斜度3度!どんどん傾くよ!』「急げポルコ!」ブロロロロ!『20m先に最外殻
隔壁が見えたよ!』「キングギドラ三斉射!」ドドドオンッ!ドガアアアーン!『脱出!』ズボオオオーン!
『飛行モードで全力離脱!』ゴオオオーッ!くるっ。「・・倒れるぞ!」グオオオオオーッ!ドドドオオオオーン!
『やったよ!』「起爆するぞ!」カッ!ドンドンドン!ドガアアアアーン!「陸上戦艦、撃破成功!」『やったね!』
「ああ。・・なにっ?!」ピカッ!『Gストーンが?!』「・・これはゾンダー反応!」ばっ!「・・まさか!」

メラメラメラ・・「やったわ!」「芸術的な発破だったな、シプリー!」「ウィル、うまくいったね~。」「そうだな。」
『・・待って!』「プリム、どうした?」『・・まだ死んでないよ!』「なにっ?!」ゴォォォ・・ズボオオーン!
『ゾォンダアアアア~ッ!』「あれは!」「ちいっ!」ダン!「・・陸上戦艦がゾンダーロボ化しやがった!」

「ちょっと!あんなのあり?!」「・・賢人会議はメタルプラントを持ってる。予想しえた事態ではあるわ。」
「なんて巨大なロボなんだ!」ジャキジャキッ!「全身から砲塔が!」ドンドンドン!ヒュルルル・・
ドカドカーン!「きゃあっ!」「・・なんて火力!」「モトの戦艦以上じゃないか!」「どうしよう・・ん?」
♪ピピッ。『こちらリオン。テン子、だいじょうぶか?』「まだなんとか。でもあのバケモノをどうにかして
倒さないと。」『トコロ天じゃ合わないんだよな・・よし。ひさびさにカツオ節削り器を使うぞ!』「ええっ?!
モレキュール・プラーナを!」『お蝶!仕込みを頼む!』『わかったわ。到着は約300秒後になるから。』
「それじゃ、決戦兵器が届くまで足止めでもやっておきますか!」ドンドン!「・・なるべく動かさない。」
ドキューン!「あの巨体には効かなくても、注意をひきつけておくことくらいは可能さ!」ズドオオーン!
「・・みんな待って!・・あれ!」「・・あれは?」「ポルコ・ロッソと・・あの仮面のライダーだ!」

「Gザンパー!」ズバアアアーン!『PAT、一番!』【宝剣・ナイトブリンガー。】ジャキッ!グッ、ズラアッ!
『百五十四!』ザキイイイーン!ブシュウウウーッ!「?!・・そりゃXカートリッジシステムじゃねえか!
なんであんたが持ってる!」『そんなことはどうでもいい。時間をかせぐんだ!』「いわれずとも!」ドゴオッ!
『ゾォンダアアアア~ッ!』ブワッ!『リオン!』「!・・よけられない!」ゴオッ!ドガアアアアーン!
「?!・・今の攻撃は!」『私ではない。・・あれは?!』ゴゴゴゴ・・「Jカイザー?いや・・はるかにでけえ!」
♪ピピッ。「通信?・・こちらリオン。」【ひさびさに声が聞けて嬉しいよ。】「その声は・・キャプテンか!」
【そのとおり。そして見たまえ。これが私の新たな翼、大戦艦「ザウバーフレーテ」!】ドドドドド!
『でかい!』【GGG要塞艦技術とJアークのメタ技術の結晶だ。82センチ主砲、斉射!】ズドオオオーン!

アイアンロックス。「なにあれ?!」「あんな超巨大戦艦みたことないよ!」「あれこそ秘密部隊の切り札、
大戦艦「ザウバーフレーテ」さ。」はっ!♪ジャジャン!『ビッグワン!』「いつの間に?」「いましがたさ。」
「これが・・秘密部隊総司令・ビッグワン!」「トレーズ様から1億ドルの賞金がかけられた賞金首!」ダッ!
「あっ、こらバカ!」「アルテミスターズが!」「ほう、元気がいい娘らは好きだぜ。」『お命、頂戴!』ゴオッ!
バキイイイイーン!『きゃあああーっ!』ズダダダダーッ!チッチッチッ。「だが、世界じゃあ二番目だな。」
「な・・なにがあったの?!」「攻撃が・・見えなかった!」「私たちが・・一撃で!」「これが・・ビッグワン!」
「ほらいわんこっちゃない。あのオヤジむっちゃ強いんだから。」「では本題に入らせてもらおう。どうだい、
あの戦艦に乗ってみないか?」『・・えっ?』「まさかアルテミスターズを?」「乗務員を新規募集しているのさ。
あんたらならピッタリだ。」「・・でも私たちは敵なんですけど。」「んなこた関係ない。」「・・けっこういいかもね。」
『ユキノ?』「だってこのまま戻ったら処刑は間違いないわよ。」ぎくっ!『しょけい?!』「賢人会議は失敗した
者を許さないはずでしょ。賢人でさえ抹殺されるんだから。」『・・うん。』「だったら抜けてこっちへ来いよ。」
「・・処刑されるくらいならシャンバラには戻らないわ。」「抜け忍も悪くないわね。」「どーせ討手がかかっても、
あたしたち以上のヤツなんかいないしね。」「しいていうなら老師だけど、もう辞めちゃったしね。」「それじゃあ、
抜けてビッグワンにお世話になるというセンでいいかな、みんな?」『意義なーし!』「そいつはよかった。」
「まああっさりと・・いーけどね。」「それではさっそく仕事場に案内しよう。艦内に船室はいくらでもあるから
自由に使ってくれ。カモン、ダブルタイフーン!」ゴオオオーッ!キキィッ。「さ、乗ってくれ。」『はーい。』
ドヤドヤ。バタン。「では特戦隊のみなさん、失礼。」ぴっ。ゴオオオーッ!・・「がんばってお勤めしてね。」

『ゾンダアアアア~ッ!』「だいぶ弱ってきたね。」『大口径砲弾をあれだけ浴びてはな。』「得物もそろそろ・・
おっ、来たきた!」・・ゴオオオーッ!「テン子、いけっ!」「ツール・コネクトッ!」ガキィィーン!
「なにあれ?でかっ!」「・・メガトンツール、モレキュール・プラーナね。」「ウワサの超巨大カンナだ!」
「ポルコ、いくぜ!」『わかった!』ゴオオーッ!『ドッキング!』ジャキーン!「おし、接続ケーブルだ。」
ビュルルルッ、カシカシン。『Gストーンパワー抽出開始。Xブースター増幅率220%。最充填まであと2秒!』
「ポルコがカンナにドッキングした?」『説明しよう。』はっ!「エボニー・ナイト?」『ああやってポルコが
変型合体することにより、迅速にリオンがコネクトできるよう改良されたのだ。」「なんであんたが知ってるの?」
『見ろ、さらなる改良点が始まるぞ。』「あ、韜晦した。」「・・あの外付けされてるアンバランスな部品はなに?」
「テン子、チャージだ!」「うん!インプラントハンマー!」グッ、ズズーッ!「チャージ!」ガキーン!ビーン!
「玄翁での刃出し?!」『Gパワーを高効率で使用するため、付属ハンマーでエネルギーを叩き込むシステムだ。』
「モレキュール・プラーナ起動!」ブン!ガシャーン!「二次元ブレード稼動!いけっ!」・・キュィィィィーン!
シャアアアアアーッ!「ゾンダーロボが!」「・・まるでカツオ節のように削られていく。」「これが・・GGGの
メガトンツールの力!」「切削度35%、きわめて順調!」『切断片厚さ10オングストロームで安定だよ!』
「いけいけいけーっ!命のダシはたんまり削り節がいるんだ!」キュィィィーン!「80・・90・・100!終了!」
「停止!」キュゥゥゥーン・・「うわ~・・あとかたもなく削られちゃった。」「・・正確には山のような削り節が
あるけど。」「さすがにあれでダシ取るのはイヤだな~。」『うむ、この薄さはまさに職人芸の境地。』『はいはい・・』

戦い終わって・・「おいナイト、顔みせろや。」『急がずともいずれ見せる。近いうちにな。』「・・いつのこと?」
『すぐにわかる。・・さて、失礼しよう。』スタッ。「あ、ひとつだけ聞きたいんだけど。」『・・なにか、リオン?』
「あんたエヴォリューターだね。」『えっ?!』「まさか、ひばりたちと同じ?」「どうもあたしのGストーンが
今日はとても調子よくてさ。・・ひばりたちと会うときと同じなんでね。」『・・そのとおりだ。』シャキン。キラッ。
『ああっ!』「左手にGの紋章が!」「やっぱり・・いきさつを聞かせてくれないかい?」『・・10歳のとき天から
落ちてきたGストーンを拾った。あとは知ってのとおりだ。」「その力の使い方を開眼したんだね。でも10歳とも
なると、巨大化まではいかなかったわけだ。」『ニルヴァーナ女史の論文のとおり、後天性エヴリューターはいつ
融合したかでその進化度は異なってくる。私は少し遅かったわけだ。』「それが装甲化現象か・・よくGGGの
全世界調査でひっかからなかったもんだね。」『ふ・・そう思うか?』「なに?」『さらばだ!』ヒュィィーン!・・
「・・どういう意味だ?」『リオン、全世界エヴォリューター調査は雷牙博士と諜報部がやったんだよね。』
「そうだが、結局エヴォリューターはひばりたちだけだったという結果だったね・・」『これは推論なんだけど、
もし見つかっても公表したのかな?』「・・ポルコ?」『ボクなら伏せておいて隠し玉にするけどね。』「・・そうか。」



オメガ戦記 プロジェクト38~40-2

 

GGG科学部。「ヘロー!おお、リオンか。」『じじい、ひとつ聞きたいんだけどさ。全世界にエヴォリューターは

何人いる?』ぴくっ。「・・何をいっとるか。ひばりたち五人と凱の六人にきまっておろう。」『・・わかった。

ありがと。』プツッ・・「・・気取られたか。」♪ピッ。『博士、なにか?』「長官、話がある・・第六線のことじゃ。」

 

大要塞エゼキエル。「敵もあせってきたな。」「そうね・・手駒がこれだけ少なくなっては苦しいでしょうね。」

「・・どんな組織も人材は何よりも大切だ。処刑はもちろんゾンダー化させるなどもってのほか。」「ゆえに

賢人会議も末期症状にはいってきたということです。・・攻めるなら今でしょう。」「そうだね。全員に命令します。

シャンバラ攻撃作戦の準備に入ってください。」『了解、アルエット総帥。』「まずは第一幕を降ろしましょう。」

 

「曼荼羅」内、機密会議室「無明」・・「・・やはり気づかれましたな。」「いつまでも隠してはおけん。考えよう

では頃合いかもしれん。」「やけど、ナイトの正体はまだ気づかれとらんで。もっとも時間の問題やろうけど・・」

「アイリスくん、シャンバラ所在情報は?」「すでに「アバドン」は追跡をはじめてます。オメガも構造情報を

得たことで具体的作戦プランニングに入れるでしょう。」「ユリカくん、最新情報を。」「ジェネラルの報告によると、

オメガも準備に入りました。ただ「マリア」の運用方法がまだ明確でないようです。」「あれは難しい・・「弥勒」

と同じで、取り返しのつかない事態を引き起こす危険性をひめておる。」「ドクターがおればなんとかなるやろう。

秘密部隊のほうは?」「ザウバーフレーテの試験運用結果は良好です。運用クルーのめどもつきました。」

「あとは・・β-MAXか。」「あれこそ不確定要因やな・・どうにかコントロールできるようになったが、あれやと

まだ「シャンバラ」には通じんやろう・・」「やはりOrbisか・・いつどうやってその段階になるかじゃな。」

「芹香様の予言によれば、決戦で必ず覚醒するということですが。」「とにかく現状は「ロイヤル」に報告しておく。

あの方もナイトの件はお気にかけておいでだしな。では諸君、連絡を絶やさぬように・・解散。」ガタガタ・・

 

パリ。「ただいま。」「ごくろうさまでしたー。」「おかえりなさい、リオン。」「うちがおらん間に削り器使こたて。

どやった?」「ああ、さすがビリケン。あたしのリクエストどおりに仕上げてくれたね。」「しっかし玄翁まで

付けるとは思わなかったわ。ゴルディオンハンマーの技術をうまく応用したものね。」「それもこれも勇者ロボを

すみずみまで知り尽くしてるビリケンさんあってのことですー。」「いやー、そないにホメてもろても何も出んで。

ほなウチはビークルロボの点検整備いきますわ。」「おねがいね。」「あ、ビリケン。ちょいと聞きたいんだけど。」

「なんやのん?」「ベルリンまでの道は空いてたか?」「そらもう。スキスキでしたねん。」「そりゃよかったな。」

「ほな。」カツカツ・・「妙な質問するものね?」「・・新聞見な。」バサッ。「え?・・アウトバーンで大事故?」

「渋滞200kmだと。いまだに復旧してねえ。」「ということは・・」「・・ベルリンには行ってないんですかー?」

「・・なぜそんなウソをつく必要があるのかしら。」「さあな・・考えうる可能性はないこたないけどな。」

 

『これからのあらすじー!』「いよいよ佳境にはいってきたね。」「とゆーわけで次回は大忙し!決戦にむけて

いろいろ準備しなくちゃ。」「でも賢人会議もまだまだ仕掛けてくるみたい。いよいよトレーズ自ら出馬だ!」

「なんと某国を焚きつけてエゼキエルへ核ミサイルを射ちこむ!しかもワシントンDC照準で!」

「やり口が汚い!エゼキエルが逃げればワシントンは消滅する。そうなったら確実に世界大戦よ!どうする?」

「そのとき!オメガや秘密部隊はもちろん、GGGや賢人会議をも上回る力が動きだす!」「それってなに?」

「知らない。作者に渡された原稿読んでるだけだもん。」「あらそう・・ま、賢明な読者の皆さんはわかるよね。」

『次回!「王 - Kingdom -」うおおっす!』「結局あたしたちってお釈迦様の掌で踊ってるにすぎないのかもね。」

 

*******************

 

♪ザン!

ドドドド!「ザウバーフレーテ、大気圏を抜けます。」「秘密衛星アバドンまであと200km。」「ミラクルエンジン

宇宙空間モードへ切換え完了。Gパワー出力15.38%へ。」「各砲門点検完了。火器コンデンサー充填率92%。」

「艦載機ナハトムジーク隊、テスト飛行終了。着艦管制に入ります。」『うむ。はじめてにしては上出来だな。』

「だから言ったろキャプテン、ちゃんと優秀な人材をつれてくるって。ヘルムズ(操舵士)はジュリア、

コパイ(副操舵士)およびナビゲーター(航海士)はアニー、エンジニア(機関)はローラ、ウェポン(火器)は

レイラ、そしてエアボス(航空管制)はアルテアだ。」「キャプテンのバックアップあってこそです、こんな大きさ

でも動かしやすいのは。」「システムがとても見やすく設計されてますから。どこに何があるかすぐわかるんです。」

「ボタンやスイッチ類が最小限に押さえられてて、モニターもマルチウィンドウ方式で自動的に優先情報が表示

されるのはすごいですね。」「照準もセミオートである程度の精度までは自動なのもよくできてるわ。ターレット

速度も精度も最高。」「艦載機もよ。無人機だからそうとうムチャな機動かけてもへっちゃら。そのくせ着艦は

すごくデリケートにこなしてくれる・・収納よし。」『みんな経験があったのかね?』「戦略メカのテストで試乗

する機会が多くて、必要技能としておぼえたんです。」「なるほど、それでマニュアル一瞥しただけでこれだけ

使えるか。」「実際にいじりたおしておぼえるのが一番ね。」『前回の反省でやはり私だけではまかないきれない

事態があるので、サポートクルーを置く案は正解だな。』「メイドさんだって若い子がいいだろ?」『ちがいない。』

 

「まもなくアバドンが視界内にはいります。」ボボボボ・・「あれ?・・アバドンって意外とちっちゃいんだ。」

「定員四名だからな。素子、聞えるか?」『こちらアバドン、受入れ準備できてます。余剰ブロック排除。』

ボボボン!『ソーラーパネル・スペースドック・倉庫ブロックおよび旧生活ブロックすべて排除完了。』

「ちゃんと大気圏突入して燃え尽きるような外しかたをしてる。スペースジョッキーにはならないさ。」

「ドッキングシークエンスに入ります。」「アライメントレーザー捕捉。微調整バーニア管制、キャプテンへ。」

『微調はたのむぞ。』ズズズズ・・「3・・2・・コンタクト。」ズズゥゥン・・『ロック確認。パワー系統接続よし。

データネット接続良好。アバドンはこれよりザウバーフレーテ作戦司令室として機能します。』ゴゴゴゴ・・

「へぇ~、まさかホントにアバドンと合体しちゃうなんて。」「そうか、アバドンはいわば小型のヘキサゴンね。」

「正解だぜ。あっちはいままでどおり秘密部隊の管制をおこなう。フネ自体はこちらにまかせるぜ。」

 

プロジェクト39「王 - Kingdom -」

 

シュッ。・・きょろきょろ。「これがザウバーフレーテ艦内か~。・・」「うわ~・・とっても広いですね。」

「まるで宇宙のプレハブ事務所だったアバドンとちがって、新しいオフィスビルってカンジですね。」カツカツ。

「おっ、来たか。」『ビッグワン。』「こっちがお前たちの新しい個室だ。見てみな。」シュッ。『うわ~!』

「ひと部屋で3DKもあるんだ!」「アバドンの八畳一間に比べたら夢のよう・・」「バス・トイレも専用だよ!」

「ザウバーフレーテはとにかくでかいんで、生活空間は余裕をもたせてある。荷物を運びこみな。」『はーい!』

「その他に全自動の食堂や無人コンビニやゲーセンもある。今までの学生寮から高級マンションに格上げだ。」

「ほいナミ。」「よいしょ、キャナルさん。」「おっけーナミさん。どっこいしょ。」ひょいひょい。「さすがに

女の子は荷物がいっぱいあるな。」「前の部屋に入りきらずカーゴルームを物置がわりにしてましたしね。」

「管制室内はいま足の踏み場ないですよ。」「どれ・・ありゃ、こりゃあ大所帯だ。片づくまで当分かかるな。」

 

♪ピピピピ。『ん?』「GAGA、なんだ?」【オメガから通信が入ってるが。】「こんなときに・・俺が出よう。

よっとっと・・おおっと!」どんがらがっしゃーん!『あ~!』「足もと気をつけてくださいね。」「あいたたた・・」

ぱっ。『・・夜逃げでもするのか?』「まあ似たようなもんだ。で、なんだドクター?」『単刀直入に言おう。

シャンバラの現在位置はつかんでいるか?』「・・ああ。」『ならばよし。データを送信する。』ピーッ。

【エゼキエルから圧縮ファイルが送られてきたぞ。】「内容は?」『シャンバラの内部構造だ。』「なんだそれなら

うちももう持ってるぜ。レニが読み取ってた。」『ならば問う。座標S-0055の空白部分がわかるか?』「なに?・・

GAGA、うちのデータ出せ。」【了解。】ぱっ。「・・たしかに空白だな。しかもここはシャンバラの最深部か。」

『そう、構造上は中枢区画になるところだ。だが・・』「何があるのかわからない中枢部か・・何だと思う?」

『そちらの考えているものと同じだ。』「ふん・・黒幕というやつだな。」『いかにも。・・私はトレーズをよく

知っている。あやつは何か考えがないかぎり今のようなことはせぬ。』「同感だな。十賢人筆頭としての務めを

おろそかにしていないのも生真面目な奴らしい。」『そうすることで黒幕の信頼を勝ち取る・・その目的は。』

「近づくこと、だな。」『そうだ。黒幕・・世界史を闇で動かしてきたその本質を見極めるために。原生魔人でない

トレーズが筆頭に立つには、かなりいろんなことをやっただろうとは容易に想像がつく。』ぴく。「・・そうだな。

血に手を染めもしただろう・・人の心を捨てさらなければならぬほど。」『そこが違う。人だからこそ人を殺める

ことができる。人間とはこの世で一番残酷になれる生き物だ。そこを取り違えているのが人の傲慢というものだ。』

「ああ・・その黒幕はみずから動かずして人の運命を弄ぶ。俺はそういう奴が一番嫌いだ。」『それは同感だな。

自分の手を血に染める者は悪、人をして染めさせる者を外道という。』「黒幕は本当の意味での外道かもな・・

GAGA、シャンバラの所在データをオメガへ送信しろ。」【了解。】『感謝する。』「それはアイツに言いな。発見して

移動パターンを解明したのはアイツのメンツだ。」『ほう・・そうか。』「まあ本人は絶対に認めないだろうがな。」

 

漂流要塞シャンバラ。「さて・・そろそろ潮時だな。」「そうですね。その前にもう一つ作戦指示が出てますけど。」

パサッ。「ふん、この期におよんでまだこのようなことを。」「所詮は使い捨てと思ってるのでしょう。なくなれば

また作ればよい・・その程度のこと。」「なんという醜い思想だ・・この作戦、やるつもりかトレーズ。」

「そうしないと次は私が処分されます。それはまだ困ります。」「・・よし、手配は私も手伝う。人手不足だしな。」

 

パリ。「・・というわけでアバドンはなくなったわ。」「ふ~ん、あのでけえ戦艦どうもバランス悪いと思ったが、

こういうことだったんか。」「アバドンはもともと管制ユニットとしての機能を持っとったのん。ちょうどあの

国際宇宙ステーションみたくいろんなユニット寄せ集めやったんよ。」「は~、ビリケンさんくわしいですねー。」

「オービットベース建造のどさくさにまぎれてGGGの有志が協力して造ったんよ。やから一般どころかGGG

でも存在を知らんヒト多いのん。」「それをなぜビリケンが知ってる?」「人の口に戸は立てられまへん。ましてや

整備部内ではみんな知っとりまんねん。」「あそこは結束強いからね。逆にそれ以上外へは出ないからいいけど。」

 

【臨時ニュースです。某国が突然オメガに対し宣戦布告を表明しました。】ブーッ!『なにいっ!』ばっ!

【表明によると、世界の敵オメガを討伐し世界平和を守るのが目的とのことです。具体的にどういう行動を

起こすかはまだ不明ですが・・ただいま最新情報が入りました。・・戦略核ミサイルを使うとのことです!】

『戦略核?!』「バカな!んなもん使ったら自殺行為だぞ!」【某国の公式声明が出ました。戦略核ミサイルの

照準は・・ワシントンDCです!】「なっ?!なんでワシントンなの!」【公式声明です。もし24時間以内に

オメガが大西洋上、グランド・バンクに姿を見せなければワシントンDCを核攻撃するとのことです。】

「なんてムチャクチャな要求を・・」「いや・・やるぞ。やつらのホンネはオメガなんかどうでもいいのさ。

要はアメリカへ攻撃する口実が欲しいのさ。」「・・そうか!オメガほどの巨大組織を運営できるのは大国の

アメリカしかないと思ってるんですー!」「でもいの一番どころか一番オメガに叩かれたのはアメリカでしょ?」

「そこさ。装備の一新と軍事費のつり上げを図った狂言という見方をしたとしたら?」「・・なるほど、ありえる。」

「えらいこっちゃ。キューバ危機より深刻な状況や。」「それ以前にあの国にICBMなんかあるんですかー?」

「核は保有してるかもしれないけど、ICBMはちょっと考えにくいわね。」『SLBMですよ。』はっ。「・・刹羅?!」

すっ。「おひさしぶりです。」「どうしてここに?」「最重要情報ですので、こちらの上級スクランブル回線を貸して

いただきたくて参りました。」「SLBMって言ったな?戦略ミサイル原潜を持ってるなんて聞いたことねえぞ。」

「正確に言いましょう。・・賢人会議が貸与したのです。」『賢人会議?!』「その実体と所在は知られていませんが、

保有の事実だけはアメリカも把握してます。」「だから最近某国に対して不思議とおとなしかったのね。」

「つかんだところでは旧ソ連のタイフーン級を秘密裏に払い下げ、それを徹底改造したものだということです。

その名を「バベル」。」『バベル・・』「改良ってどんなんの?」「エンジンは核融合炉、超電導推進、ステルス皮膜、

対艦巡航ミサイルおよびサブロック装備。」「ちょっと待ちい!・・そらおおごっちゃで・・」「はい。「バベル」は

まさしく見えない潜水艦。某国の自信もそこに由来するのでしょう。」「まずいわね・・米軍はZG-20にICBMを、

オメガに通常戦力をほとんどそぎ落とされてるけど、SLBMは無傷で残ってるわ。ワシントンDC核攻撃という

事態になったら間違いなく戦略ミサイル原潜を使ってくるわね。」「それまでに「バベル」の所在をあぶり出し、

撃沈しなくてはなりません。猶予はおよそ12時間。」「そんな短い時間で発見しなくちゃならないんですかー!」

「お蝶、ビッグワンと相談しよう。あたしらだけじゃどうしようもねえ。」「そうね。通信機お貸しするわ。」

 

そのころ、希望峰沖。「艦長、米ロサンゼルス級、気づかずに通過しました。」「よろしい。予定の航路を進め。」

「アイサー、18時間後に発射地点に到達します。」「ふふ・・この「バベル」ならすれちがっても気づかれん。

我々の行く手を阻むものはない。オメガなどダシにすぎぬ。もし万が一のこのこ出てきたらワシントンDC、いや

アメリカ主要都市ごとまとめて核のエジキにしてくれる。ふははははは!」『シーッ!』「あ・・すまんすまん。」

「いくらステルスでも艦長みたいなバカ笑いされたら気づかれます。お静かに!」「わかってるわかってる。」

 

イタリア・ミラノ、第六部隊基地。「わかりましたビッグワン。僕だけでいいんですね?」『今回はチャンバラは

なさそうだからな。すぐに迎えの「汽神号」をまわす。』「了解しました。・・ということで行ってきます。」

「今回はレニだけなのね。」「白兵戦がないのではしょうがないですな。」「オリヴィエどの、レニ隊長に同行して

護衛したほうが良いのでは?」「隊長ひとりだけでは賢人の暗殺者の格好のマトです。」「そうね・・レニ、いい?」

「はい。ではオリヴィエに同行ねがいましょう。」「大戦艦ザウバーフレーテか・・いよいよ本格的に活用ですな。」

 

大要塞エゼキエル。「さてさて、お座敷かかっちゃったけど、どうするの?」「アルエット、グランド・バンクと

ワシントンDCとを狙うのに最適な大西洋上の座標を算出してくれ。」「ざっと一秒だね。・・こうかな。」ぱっ。

「核攻撃のトバッチリを食らわない最短安全距離とSLBMの最大有効射程の間だからけっこうハバあるよ。」

「・・役にたたんな。」「ミヤビさんの「記録」でも運動体の位置まで記述されていないでしょうね。」

「それ以前にグランド・バンクに行く気あるの?アメリカには恩も義理もないわ。ましてやワシントンDCは

以前に半壊させたしね。」「・・そうもいかん。核ミサイルの応酬となれば非戦闘員まで巻き込む大惨事になる・・」

「はっきりいって世界大戦になります。一度タガが外れると取り返しがつきません。」「オメガとしてそのような

事態はなんとしても回避せねばならん。」「んなことわかってるわよ。要はその「バベル」とやらを探し出して

沈めればいいんでしょ。」「・・簡単ではない。賢人の科学力を結集したステルス艦だ。」「それについては

秘密部隊になにやら妙案があるらしい。ユキノ、例の戦艦へ死羽姫の付き添いで行ってくれ。」「なんで死羽姫が?」

「彼女の野生のカンと嗅覚が欲しいそうだ。」「・・??まあいいけど。後学のためにも見物がてら行ってくるわ。」

 

パリ。「今回は出番なしかよ。」「相手が海中じゃどうしようもないわね。オリヴィーとレニがお座敷だって。」

「そこがわかんねえ・・どういう理由で呼んだんだろ?」「・・あー、そらアレやな。」『ビリケン?』

「ザウバーフレーテにはレニはん専用の特殊設備があるんよ。てゆーか、レニはんしか使えんもんが。」

「レニさんしか使えない?・・どういうことですー?」「かくかくしかじか・・」『・・あ~、なるほど。』

「おめえよく知ってるな~。」「ザウバーフレーテはGGG製ゆーたやん。整備員のウチは知ってて当然ですねん。」

「それがうまくいけば、あとは撃沈するだけですね。」「そーゆーことや。ま、万能戦艦の本領発揮とゆーとこやね。」

「ふ~ん・・今回はさすがに例のナイトも出る幕ねえよな。」ちらっ。「それではデートにさそってもいいですね。

いこうか、あゆみくん。」「はあ?」『えっ?』「・・どういう関係だ?」「同級生でした。」「・・そうなんよ。」

「へぇ~!そういや伊賀と京都なら近いな。」「世界はせまいものね。」「というわけで、さ、行きましょうか。」

「ちょ、ちょう待ち。心の準備が・・」「あの陸王でいきましょう。ほらほら。」「あいかわらず強引やな~。」

ずるずる・・「はー、刹羅さんてウワサどおりの方ですねー。」「ったく、万年発情期オトコが。」「いえてる・・」

 

ポオオオーッ!・・「大戦艦ザウバーフレーテ艦内駅~。ご利用ありがとうございました。」「すごいのだ。艦内に

駅があるのだ。」「さすがに大戦艦というだけあるわね。」「全長1500m、最大幅128m。GGG世界艦隊最大の

「阿弥陀」に次ぐ超巨艦だということです。」「うちのエゼキエルに対抗できる図体ね。そのときのために

しっかり見学させてもらわなくちゃ。」「ユキノ、途中であなたが乗ってきたのは驚いたわ。秘密部隊でもまだ

入ったことがない人が多いのに。」「招待したのはビッグワン、文句はそちらへどうぞ。」「降りますよ。」

オォォン・・『うわ~・・』「想像以上にでかいわ・・これが戦艦の中とはね。」「まるで無人の地下鉄駅なのだ。」

『諸君、ようこそザウバーフレーテに。』「ビッグワンの声?」『そこにあるターボリフトに乗ってくれ。艦橋と

指示すれば自動で行ってくれる。』「これですね。」ドカドカ。「艦橋へ。」『了解。』ヒュィィーン・・「うわ・・

見てこのディスプレイの艦内図。」「艦首部は電子機器と武器弾薬のカタマリか~。中央が生活ブロックで、

後部は艦載機ハンガーや機関部やら。」「生活ブロックだけでも大型ホテル一個ぶんくらいあるのだ。」

「タイタニックも真っ青ね、こりゃ。」ヒュィィーン・・『艦橋です。』シュッ。「よお、来たな。」ゾロゾロ。

「ここが艦橋ですか・・」『ユキノ、死羽姫!』「はお、がんばってるみたいね。」「あれ?ユキノ知り合い?」

「くされ縁なのだ。」「ではさっそく打ち合せだ。そこの作戦室でやろう。」ぞろぞろ・・パタン。「・・ねえねえ、

ウワサに聞いたレニくんってのがあの子なんだ。」「ほんとカワイイよね~。どうみても美少年だし。」「やっぱ

男装の麗人てのはいいわね。」「お姉さんゴコロをくすぐるね。」「あれがあの指パッチンの娘というのがビックリ。

トンビがタカを生むとはこーゆーことね。」「それがさ、養子なんだけど実の親子以上に仲いいらしいよ。」

「いいな・・あたしたちは戦災孤児だったのを色さまに拾われてプロとして育てられたから、父親って知らないし。」

「でも母親はいるから・・色さまという強くてステキな母が。」「色さま・・いまごろどうしてるのかな・・」

 

ネオGシティ・無国籍料理「サイレンス」。ガヤガヤ。「マスター、洋風お好みセット3つ、キムチサラダ2つ、

イカスミおじや1つ。」『まいど!』ジャンジャン!「最近お客が増えたね~。」「少し前までカンコ鳥がカンコ

カンコと鳴いてた店とは思えませんですますわ。」「・・やっぱあの二人のおかげ。」「蛍ちゃん、三番にコーラ三つ。」

「うん、色おねえちゃん。」「二人とも器量いいし、よく働くしな。ボランティアだったあたしらとは雲泥の差さ。」

「かもめちゃんもキッチンが忙しくてタイヘンみたいだね。」「かもめは料理のアイアンウーマンですますもの。

ジャンジャカ作れるのが嬉しいのですますわ。ほら。」『料理はハートや!ソウルや!ヘビメタや!』ジャンジャン!

「・・ヘビメタはちがうと思う。」「こないだのクッキングバトルの影響うけてんじゃねえか?」『ありうる・・』

 

『ありがとうございましたー!』カランカラン♪「ふう・・戦闘より疲れる。」「ウエイトレスはけっこうハードな

職業だよ。」「・・蛍ちゃんは平気なの?」「お姉ちゃんより長くやってるし。おかげで体力ついたんだよ。」

「二人とも休憩にし。ひばりちゃんたちの分のケーキもあるで。」『はーい。』カチャカチャ・・「それでや、色はん、

ホタルちゃん、これ。」さっ。『・・えっ?』「バイト代や。」「でも・・」「ここにいさせてもらってるだけで

じゅうぶん・・もらえません。」「あほ。報酬とは働いてるもんに対する当然の権利や。」「でもお昼もここで

いただいてて、そのうえ・・」「人はパンのみで生きるにあらずや。ましてや女の子はいろいろ入り用やろ。

ええからとっとき。」「そうだよ。二人ともそれだけのことをやってるんだから。」「あたくしたちはこのオヤツで

じゅうぶんな働きしかしてませんけど、そちらは一日じゅうでしょ?もらって当然あたりまえでございますです。」

「・・では遠慮なく。」「頂戴します。」「ところで早乙女のおじさんはお元気?」「うん。前よりも元気になって

喜びいさんで働いてる。」「休日には蛍ちゃんとGパークへ行ったり、お買い物したり・・私もおつきあいして。」

「すっかりいいパパさんになっちゃいましたわね。」「ケンさんはクルドに戻っちゃったの?」「・・え、ええ。

でも・・」「月二くらい様子を見にきてるんだよ。」「でも店には顔出さんな?」「カタギの店には入りにくいって。」

「アホやな~、わて自身がカタギやないっちゅーに。」「それ以前にこの店のどこがカタギだ?」「・・どうみても

イシャーの武器店かボルタックの店。」「幽霊ダンジョンなら裏にあるけどな。こないだ崩落事故あったけど。」

 

♪カラーン。「こんちは。」「失礼します。」「おっ、アイリスとセリオやないか。ひっさしぶりやな~。」「えっ?」

くるっ。「こちらがウワサの美人ウエイトレスね。」「・・諜報部・捜査課長、アイリス・・」「心配しないで。

あなたたちのことは諜報部は先刻承知よ。」「住民登録番号0305601、早乙女色さん。いまのところ最も新しい

転居者です。」「それじゃ、オリジナルチャイを。」「ブレンドコーヒーをください。」「あ・・はい。」「ねえねえ

アイリスさん、セリオさんって食事できるの?(ひばりたちはアイリスの事情を知っている)」「そうなのよ

ひばりちゃん。こいつナマイキにもサイホンで煎れたコーヒーしか飲まないのよ。」「ちがいがわかるロボットを

めざしてます。」「ま、ウィットに富んだ会話もできるようになったのですます。」「・・よほどいろんな経験を

したんだね。」「アイリスさんに世界中つれていかれて、各地のおいしいものをいただいております。」『ほほ~。』

「やーね、仕事だってば。」「そーゆーの役得っていうんだな。」「えーなー。ウチも諜報部に就職しよか?」

「・・?アイリス、緊急通信です。」「外部音声。」「セキュリティ指定「K」です。」ブハッ!「ゲホゲホ!・・

わかった。」「どうぞ。」ぴと。「小指で耳セン?」「小指の先が指向性イヤホンになってます。」「・・ホントの

指向性だね。」「・・いいわ。」すっ。「おあいそ。」「もう行くんか?」「仕事入っちゃったから。千円でおつり。」

「まいど。750円ですねん。」「じゃあおつりは12円ね。」「250円やろ。」チャリン。「あら計算ミスっちゃった♪

それじゃまた来るから。」「失礼します。」♪カラーン。・・「・・変ね。」「色さん、なにか?」「いえ・・なぜ

あんな露骨な計算ミスをしたのかと。」「たしかに・・何か変だったね。」「わざと間違えた・・そんな気が

しましたわ。」「・・12円という言葉に何かの意味が?」「マスター、なんか知ってるのか?」「うんにゃ。

単なる計算ちがいやろ。さ、休憩もおしまいや。ブイヨンとドミグラスソースの仕込みをしよか。」『・・・・』

 

「さ、これで「Q」は準備できたわ。セリオ、運航主任の初音ちゃんに連絡。」「チャーター便を要請します。」

空間補給艦「示現」・ES鉄道運航管制室。「ビオナス緊急発車準備。ポッポ、ダイヤを変更するよ。」『しかし

緊急のチャーター便は艦攻部長代理の承認が必要だが。』「運航規定未公開版・第十二条を適用、コード「Q」よ。」

『参照確認。・・適用例はこれが最初になるな。』「こんなのしょっちゅうあったらこっちが困るよ。」『同感。』

 

ザウバーフレーテ。「ここがウチの自慢のひとつ、特殊探査室「神眼」だ。」ゴォォォ・・「球形の部屋?」

「中心部に伸びた橋の先にコンソールがあるだけで他に何も無いのね。」カンカン・・「レニ、そこへ座ってくれ。」

「はい。」すとっ。「システム稼動。」キィィィ・・『・・あっ!』「全球モニターに地球の映像が!」「お目当ては

戦略ミサイル原潜「バベル」だ。」「・・見えます。とりあえず大西洋に「見える」潜水艦を表示します。」ぱっ。

「大西洋のあの表示がみんな潜水艦なの?!」「すごいのだ・・これでは潜水艦の意味がなくなるのだ。」

「レニのサイコメトラー能力を増幅し、世界どころか宇宙でも望む対象の居場所を見つけることができる。まさに

神の眼といえるシステムさ。」「これって・・まさか製作は。」「いかにもイヤベスのおっさんさ。使用者が誰かを

承知の上で造ってもらった。その証拠にシステムとのシンクロが早かったろ。」「そっか・・レニの精神データに

あらかじめ合わせてあるのね。」「でもざっと数えただけで50隻以上いるわよ。どれが「バベル」なの?」

「そこまでは僕にも・・」「ここで死羽姫くんの出番だ。」「あたしか?」「その野生のカンと嗅覚で「バベル」を

特定してほしい。「神の眼」はそういう使い方も可能なのさ。」「・・ユキノ?」「やってみて。」「わかったのだ。」

キィィィ・・「・・わかるのだ。潜水艦の「ニオイ」が・・これはちがう。」フッ・・「これもこれもちがうのだ。」

パパパッ。「ポイントがどんどん消えていく?」「ちがうものを消していくのだ・・いた!こいつなのだ!」ぱっ。

『・・なっ!』「な・・なにあれ!」「あれが「バベル」・・なんて巨大な潜水艦なの!」「どうやらタイフーン級

二隻をつなげて一つの艦体を造ってるみたいですね。となると搭載SLBMは48基。多弾頭なのでおよそ600発

近い核弾頭を持つ計算になります。」「これ一隻でアメリカまるごと壊滅させられるぞ・・なんてえバケモノだ。」

「この図体でステルス・・冗談じゃないわ。その気になればコイツだけで世界を征服することだって可能よ。」

「魚雷管も16本・・これだけの容量があれば、巡航ミサイルだろうがアスロックだろうが何でも搭載できます。」

「本来の戦略艦としての機能に加えて、攻撃艦としても火力は充実ということなのだ。」「まさに海の魔王ね・・」

「GAGA。」ひょこっ。『なにか?』「あ、ひさびさに出たのだ。」「手乗り文鳥型の機動端末ね。」「バベルの未来

到達位置を。」『現在の針路と速力、それに各種条件を検討・・バミューダ沖北東200km地点と推定。』ピピピ・・

ぴたっ。「キャプテン。」『聞いていた。』「先回りしよう。」『了解だ。針路006、出力80%へ。対潜水艦戦準備。』

 

航海艦橋。「よーそろ!針路006!」グイッ。「出力80%!」♪ジリリリン!「目的ポイントまで120分です。

海底地形検索終了。ナビシステムにアップロード。」「対潜兵装、点検よし。自導魚雷「オルカ」、魚雷管に装填。」

「水空戦闘機「ラ・メール」兵装を開始します。」『よろしい。ザウバーフレーテの初陣だ、たのむぞ。』『了解!』

作戦司令室。シャッ、ドカドカ。「素子、第12部隊はいまどこだ?」「バルセロナです。ファミリア・ファミリア

教会の観光をしてるはずです。」「すぐに連絡をとってバルセロナ駅へ向かわせろ。そこで汽神号と合流だ。」

「了解。行ってきます。」ズボッ!「エゼキエルに連絡とれる?」「こちらへ回線を開きます。・・どうぞ。」

「こちらユキノ。うちに深海戦闘できる戦力あったっけ?」『・・魔神獣のガイロスかヴォータンだな。』

「両方よこして。座標とタイミングはこちらで指示するわ。」『わかった。ファーストとシュウを待機させる。』

 

大要塞エゼキエル・展望サロン。作戦時にはパイロットの待機所(ガンルーム)となり、戦況はリアルタイムで

3Dディスプレイに表示されている。『ガイロスとヴォータン、出撃指令。』「ひさびさの出番か。」タッ。

「・・いってきます。」すっ。「今回ファーストだけ?」「深海戦闘だもの。ロダンとザンボラーじゃね。」

「う~・・そうだ!ファースト、なんとか海上まで追い出して。そうすりゃこっちのモン!」「・・難しいと

思うわ。かえって海上に上げたら核ミサイルを使われるわ・・」「あ・・そっか、その要素があったか。」

「今回は俺とファーストにまかせろ。情報によれば「螺旋」も来てくれる。いかに「バベル」が巨大でも所詮は

潜水艦、一撃で勝負はつくだろう。」「そうは思えません。」『セカン?』「相手は賢人の造ったバケモノ。おそらく

弱点であるガラスの顎には何らかの手を打ってると思います。」「・・セカンは兵器関係に詳しかったな、たしか。

考えうる可能性は?」「ZTフィールドおよび二重船殻、そして古典的ですけど多層隔壁による防御です。」

「たしかにZTフィールドを忘れてたわね・・」「・・いままでの戦略メカを相手にするつもりで対するなら、

戦力的には互角とみるべきでしょう・・」「・・わかった。そのつもりで油断せずにかかろう・・ありがとう。」

 

スペイン・バルセロナ。「うわ~、すごいね!」「これでまだ30%だというのか・・人間とはこのような物も

造れるのだな。」『チャクラちゃん、マニプーラさん、出動ですよ~!』『えっ?』「いまのはだれなの?」

「サイバーソウルのキャナルくんの声だが、どこから?」『左の上です~!』「・・あっ、あんなとこに。」

「街頭ビジョンか。またハデなことを。」『ふう~、見つかってよかった。すぐにバルセロナ駅6番ホームへ。

お迎えの汽神号が到着します。』「わかった・・チャクラ。」「うん、いこう、まにぷーら。」タタッ。

 

大西洋上空。「高度1000、巡航速度です。」「半径200kmに船影なし。」『よし、潜航モードへ移行する。』

「了解。全エアロック点検よし。全エアインテーク閉鎖、艦内通気循環モードへ切換え。空気還元器作動確認。」

「突入します。降下。」グイッ。・・ザパアアアーン!ゴボアアッ!「艦体点検・・ダメージありません。」

『予定ポイントまで来たら停止。敵さんを待ち伏せる。』「キャプテン、「ラ・メール」を出しておきます?

いま出しておけば戦闘時に有利です。」『よろしい。ではそちらへも移ろう・・出撃準備よし。いつでもいいぞ。』

「ちょっと待った!」『えっ?・・その声はユキノさん?』「あたしもいるのだ。」『むっ?・・有人型にいるのか。』

「ここまで来て観戦なんてつまんないもの。一機借りるわね。」『・・有人型機なんてありましたっけ?』

『非常時用だが、乗り心地まで保証しないぞ。』「旅客機じゃあるまいしそこまでゼイタクいわないわ。それに

「バベル」にソナーは役にたたないはずだから、死羽姫の嗅覚が必要でしょ。」「あたしなら見つけられるのだ。」

『・・わかった。貸そう。』「やりぃ!壊してもカンベンしてね♪」「ユキノ運転荒いからちょっと不安なのだ。」

『水空両用戦闘機「ラ・メール」七機出撃!』シュバババッ!『半径50kmまで散開し母艦に追随してください。』

『了解。』「りょーかい。」『・・といいつつ千鳥足ですか、ユキノ機。』ふらふら。「運動性を確かめてるのよ。」

「・・ぶええ~。ゲロ袋ない?」『やめてくれ~!あとの掃除がタイヘンなんだぞ~!』「ジョーダンなのだ。」

『たったいま「螺旋」が到着したぜ。敵が接近してきたら出撃してもらう。』「うちの連中は?」『予定ポイントへ

直接降下し待機するとのことです。』「了解。さて、急ぎますか。」グッ。『ほう・・もう自在にあやつれるか。』

予定ポイント。「・・来たな。」・・ゴゴゴゴゴ。「あれがザウバーフレーテ・・大きい。」『おっ、いたいた。

シュウ、ファースト、ごくろうさん。』「ユキノか。」「・・いま来たところ。」『こちらザウバーフレーテ。バベルは

あと10分で探知域に入ります。』『全機エンジン停止。無音待機に入る。以後無線は封鎖、発光信号のみとする。』

 

そのころ、北米大陸上空、エア・フォース1。「大統領は交渉する気はなし、か・・ブラックボックスを。」

「はっ、大統領閣下。」パチン。「これを使うときが来ようとはな・・」『お待ちください。』「むっ?」すっ。

「何者だ!」「いつの間にエア・フォース1に!」「静まれ!この紋章が目に入らぬか!」さっ。『・・それは!』

「そうか・・人払いを。」「しかし・・」「大統領命令である!」『ははっ!』「・・これでよい。では話をお聞き

いたしましょう、「クィーン」。」「感謝します。では「ロイヤル」のお言葉を伝えます・・実際に核攻撃により

貴国に被害が出た場合はやむをえません、が、それ以前には決して早まらなきよう・・被害者にはこちらからも

充分な補償を約束いたします。またあちらに対しての説得は無意味です。なぜならバベルを実際に動かしている

のは賢人会議ですから。おそらくは名目だけの傀儡でしょう。」「最悪のシナリオが想定されるわけですな・・

オメガによる米軍壊滅の責をとらされ前大統領は辞任。その後継者候補もまた賢人の息のかかったものだったが、

「キングダム」の助力により私が当選できた。しかしそれで賢人会議を敵にまわすことになった・・「草薙」が

防諜要員「ルーク」を派遣してくださったおかげで、暗殺されることもなくここまでこれましたが・・」

「この事態を打開すべく「ナイト」も出動してます。また他にも危機を阻止する有志が今まさに活動中です。」

「わかりました。その約定、たしかに遵守いたしましょう。」「ありがとうございます・・それでは私はこれで。」

すっ。「空中からどうやって?」ふっ。「来たときと同じ方法ですわ。」「なるほど・・「ジェネラル」によろしく。」

「はい。・・」♪ピッ。「もうよいぞ。」・・ドカドカ。「大統領、ご無事で?」「心配ない。・・誰かに会ったか?」

「いいえ。」「さきほどの娘はどこに?」きょろきょろ。「少女などいなかった・・そうだな?」『・・はっ。』

 

ゴォォォーッ!・・「高度1000フィート。寒くないですかアイリス?」「だいじょうぶよセリオ。そのために

諜報部装備、迷彩コート「ファサーデ」をもってきたんだから。」「まもなくビオナスとの会合地点に着陸します。」

「しかしセリオに飛行能力があるとまでは知らなかったわ。」『高之橋博士が先日改造してくださいました。

なんでもアトムが夢だったとか。」「あー、なるほど・・背丈からいうとコバルトかもね。」「よくわかりません。」

 

大西洋・グランドバンク上空。「こちらCNNの報道機です。あと数時間で某国の指定した刻限となります。

はたしてエゼキエルは現れるのでしょうか?」『こちら操縦席。レーダーに巨大な反応が・・西の方向だ。』

「えっ?」・・ゴゴゴゴゴ!「なっ?!・・き、来ました!オメガの大要塞エゼキエルが出現しました!」

ドドドド!【そこのCNN機に告ぐ。ただちに安全圏まで避難したまえ。核攻撃のトバッチリをくらうぞ。】

「エゼキエルからか?」『そのようだ。話してみるか?』「こちらCNNです。なぜここに現れたのですか?」

【アメリカがどうなろうと犯罪組織の我らの知ったことではないが、民間人を巻き込むのは忸怩たるものがある。

また国家を相手に戦うのがオメガの本義。売られたケンカは買うのがポリシーだ。】「では某国に対して反撃に

出る用意もあるということですか?」【その質問は無意味だ。芸能レポーターでもあるまいし、もう少しうがった

質問はできないのかね?】「ではズバリ聞きます。オメガは悪をもって巨悪を叩く組織、そうではないですか?」

【そういう質問は意味がある。では答えよう。我らには守るべき国も家族も無い。この世界で全くの無一物だ。

ゆえに何のしがらみも無く、何をしても自由。そのような存在は世間一般に何と呼ばれるかわかるか?】

「・・アウトサイダー、または悪ですね。」【正しい表現だ。では次の質問だ。明らかに悪いヤツがいると

わかっているのに手出しできない、これはなぜだ?】「・・自分や家族に累が及ぶのを恐れて。」【個人レベルは

そのとおり。ならば国家レベルで見てみよう。なぜ争乱や戦争はいつまで経ってもなくならないのか?】

「この世に悪のタネは尽きまじ・・ですか。」【皮相的な解答だな。もっと本質的なところに言及してほしい。】

「それは・・人は戦いが好きだから。」【それが根源的な誤認識だ。戦いというものは自分がやらなければこれほど

楽しいものはない。だが、いざ自分自身が戦場にあれば話はちがってくる。君は従軍経験があるはずだが。】

「・・ええ、ユーゴ紛争に。」【戦場は楽しかったかね?】「とんでもない・・あそこは地獄だ。人間のあらゆる

罪悪があふれていた・・あんな光景は二度とふたたび起こしてはいけない。」【そう言いながら二千年、いや

紀元前も数えると数千年か。なぜできないのか?】「・・それが質問に対する答えですね。」【そのとおり。答えは

すべての人がもうわかっているはずだ。だがわからない連中もまたいる。オメガの存在理由はそこにある。】

「・・取材を終わります。ありがとうございました。」【早く退避したまえ。ウロチョロされるとジャマだ。】

「機長、離脱してくれ。」『了解。』ゴォォォォ・・「・・ご武運をお祈りします。」【誰に祈るか、それも問題だな。】

 

そして・・くんくん。(・・ユキノ。)(来た?・・発光信号よ。)チカチカッ。(方位134、距離2000。深度差50m。)

(あちらのほうか・・見えた。)・・ズズズズズ。(大きい・・なんて潜水艦。)(フトコロに入るまで待て・・)

ズズズズズ・・(本艦と接触しそうです!)(いや・・ぎりぎりだ。)ズズズズズ!(あたらないでよ・・)

(あと少し・・)(もうちょっと・・)ズズズズ・・「・・いまよ!」『全機攻撃開始!』ゴオオオーッ!

「なにっ?!いきなり複数の反応が!」「待ち伏せか!全速反転、後部魚雷発射!時間をかせげ!」「発射!」

 

シュゴオオオーッ!「艦尾魚雷が四発も!」「まかせて!キャプテン、いくよ!」『おお!』ゴオオオーッ!

「水中機銃!」シュバババッ!ビスビスッ、バチバチッ!フラフラ・・「回路を狂わせる電磁弾頭でオシャカね。」

『あと三発も無力化したぞ。』『自導魚雷「オルカ」三発射出!』シュゴオオオーッ!「さてZTフィールドが

あるかどうか・・」・・ズズズゥン!「あ、やっぱし。」「シュウ、出番よ!」『おお!』ゴゴゴゴゴーッ!

『ピアシング・ミサイル!』ジャキジャキッ!シュババババッ!ガギギギーン!『なにっ?!ZTフィールドが

強化されてるか!』『まかせて・・ロンギヌス。』ビュオッ!・・カィィーン!『ロンギヌスでも通らない?!』

『こっちでやってみる。』『いけーっ!』ゴオオオーッ!「螺旋ね!あのドリルならあるいは!」キュィィーン!

バリバリバリッ!『くっ!・・なんという強力なフィールドだ!』『あのふね、すごいちからをためてるよ。』

『・・そうか、主動力に核融合炉といったな。ありあまるエネルギーをぜんぶ防御にぶちこんでやがるな。』

「予想以上に守りがカタいわね。」『バベル、回頭しました!』シュゴゴゴゴゴッ!「なんて数の魚雷なのだ!」

『全機、回避もしくは迎撃してください!』バキィィーン!『これじゃ防戦一方だ!』シュパーン!『・・なぜ

こちらの魚雷は通らなくて、むこうのだけ?』「・・ファースト!いいとこ気づいた!」『えっ?』「魚雷管よ!

おそらく発射管の前だけはフィールドが無いはず!」『確認しました。発射管まわりに端子らしきものがあります。

どうやらそれがフィールドを干渉し開口部を形成しています!』『だが直径はわずかに1m。とても突破できる

大きさじゃない。』「う~ん・・針のひと突きがあれば。」『ロンギヌスでも太すぎて通らないわ・・』

 

『・・ん?未確認潜航物体感知!こちらへ高速で接近中!』「なに?」「敵なのか?」・・ヒュィィィーン!

『あれは?!』「まさか・・エボニー・ナイト!」「なんでバイクが水中に?!」『待て。あれはバイクというより

超小型潜水艇だ。』『・・あのバイク、水中型にも変型可能なのね。』ヒュイイイーン!『PAT、六番!』【了解。】

ジャキッ!『ナイトランサー、バッド・グランバス先端装着!』シャキン!【ラミング・チャージ。】ゴオオーッ!

「・・まさか!」ドゴオオオーン!「発射管からバイクごと突入したのだ!」「・・いくよ死羽姫!」シャアーッ!

「ユキノ、いくのか?」「ナイトだけにまかせといちゃ寝覚めが悪いでしょ。それに複数のほうが破壊工作も楽よ。」

「でも今は深度200mなのだ。ここでムチャすると潜水病は確実なのだ。」「こうすりゃいいのよ!アゴひいて!」

ゴオッ!ドガシャアアーン!『うわ~、破壊口につっこんじゃった。』『下ろしたての新品だったのに~!(ToT)』

『泣くなキャプテン。貸した時点で覚悟しとくべきだったな。』『だから有人機などいらんとゆーたのだ・・』

「・・シュウ、いく?」『・・よし、いこう。』「・・魔装鎧・サキエル装着。」シュバッ!ビチャビチャッ!

ゴボゴボ・・「この発射管を破る。でえいっ!」ドゴン!ゴバアアアーッ!『・・いきましょう。』

 

♪ヒュイヒュイ!「敵が艦内に侵入!武装兵は司令室を死守せよ!」ジャキジャキッ!「潜水艦で白兵戦とは!

大航海時代じゃないんだぞ!」「・・副長、ARSの準備を。」ぎょっ!「艦長?!」「最悪の事態を想定しておく。」

「・・わかりました。」チャリッ。「同時に回すぞ。1、2。」『3。』カチッ。【ARS作動しました。3分後に取り消し

不可能となります。】「これでいい。どう転んでも我らの勝ちだ、うわはははは!」「地獄の門が開きましたな・・」

 

ヒュイイイーン!『うわあっ!』ドガドガドガッ!『狭い通路に立ってるとひっかけるぞ。』「はお、やってる?」

『ん?』シャシャシャッ!「おいついたのだ。」『ユキノと死羽姫?・・走っておいつくとはさすがだな。』

「右舷のほうにはシュウとファーストが殴りこんだみたいよ。こっちは左舷をつぶしましょう。」『私は核ミサイル

発射管制システムをたたく。できれば陽動をたのみたい。』「その前に発令室をたたいてやるわよ。じゃ!」シャッ!

『さすが特戦隊、行動判断がすばやい。』【ナイト、前方に武装兵。】ドガガガッ!チュンチュン!『PAT、四番!』

【了解。ツイン・カタール。】シャキン。グッ、シャリン!「つっこんでくるぞ!」「船室へかわせ!」さっ。

『四百三拾二!』シュピィィーン!ヒュィィーン!・・「バカ・・な・・」ズル・・「壁ごと・・」ブシャアアーッ!

 

右舷。「いたぞ!」「こっちだ!」チャッ。ズガガガガッ!チュンチュンチュン!「サイボーグの俺に機関銃など

効くわけもない。」「・・右に同じ。」「反撃だ。ZENガン!」さっ。シャキン!「左腕が一瞬に銃に?!」「隠れろ!」

ささっ。「ムダだ。」ドシュドシュン!ギュイン!ドゴドゴッ!『ぐはあっ!』「・・弾道が曲がった?!」

ドサドサッ。「シュウ・・その銃は?」「ドクターの傑作だ。気の力を弾丸とするため自由自在。」「すごい・・」

ドキュドキュン!「まだいるか。」「・・ロンギヌス。」シュパッ!ドゴドゴドゴッ!『ぎゃあっ!』・・パシン。

「壁をぶち抜いて串刺しか。さすがは魔槍。」「・・前進しましょう。」「急がないと一緒に沈んでしまうしな。」

 

『第二ブロック突破されました!』『通信室全壊!』『ソナー室、破壊されました!』「・・戦況は不利だな。」

「そのとおり!」バゴオオーン!『ぐわあっ!』ズダダダーッ!「ごめんください♪」「失礼しますのだ。」

「ついにここまで・・だがもう遅・・いいっ?!」ガブッ!「あいたたたた!」カジカジ!「あんたが艦長ね。」

「くせものめ!」チャキッ。「ん、拳銃?・・撃てば?」「死ね!」ドキュン!キィン!「・・なにっ?!」

「この距離で当たらないの?ヘたっぴ~。」「バカな!」ドドキュン!キキィン!「ほれほれ、一発くらいちゃんと

当てなさいよ。」「なぜだ?なぜ当らん!」ドキュン!キィン!「ちょっとした手品よ。仕掛けはこれ。」ぴこぴこ。

「人差し指?・・ま、まさか・・」「そのとおり。弾丸はみんなこの指ではじいてたわけ。わかった?」

「バ・・バケモノ!」ドキュン!ビシイッ!「ぐはっ!・・」・・どさっ。「だからはじき返すこともできるわけ。

これぞユキノ暗殺拳秘技・鉄壁指。さてと、死羽姫どう?」「いいかげんまずい脳ミソには飽きたのだ。」

『こちらナイト。管制システムは破壊したぞ。』『こちらシュウとファースト。艦内は完全に沈黙した。』チャッ。

「はいみなさんご苦労さま。爆弾で10分後にぶっとばすから、ちゃっちゃと退艦して。」『・・了解。』

「ユキノ、これはなんなのだ?」「なに?」チカチカ。「・・ARS?」はっ!チャッ。「こちらバベル艦内のユキノ!

全員に告ぐ!ただちにバベルを完全破壊して!」『どういうことだ?!』「ARSが作動してるわ!急いで!」

 

「なんだと!」「ビッグワン、ARSってなんですか?」「Auto Revenge System・・自動報復装置。」『・・ええっ!』

「総攻撃だ!ミサイルサイロに集中しろ!一発も撃たせるな!」「しかしユキノさんたちがまだ!」『もう脱出に

かかってるわ!かまわないから攻撃して!』『ゆきのおねえさんたちはこっちでひろったよ。』『ひきつづき左舷

サイロ破壊にとりかかる。』キュィィーン!バリバリバリッ!『こちらヴォータン。右舷サイロを破壊中。』

ドゴオオーン!グシャアッ!『・・ガイロス、同じく破壊中。』ザキイッ!『ラ・メール部隊、左舷をつぶす!』

シュバババッ!ドガガガーン!・・ガココココン!『ミサイルハッチが!』『SLBMが発射されるわ!急いで!』

『右舷は完全に沈黙!』『左舷・・間に合わない!』ドドドドドド!「しまった!四発が!」「だめええーっ!」

 

ドパアアアアーン!ドドドドド!「くそうっ!」バン!「遅かった・・もうとどかない!」『いいえ・・まだ

希望はあるわ。』「・・ファースト?」『いまこそ私の力を使うとき・・』キィィィィ・・「あれは・・なに?!」

「ガイロスが・・光ってるのだ!」バンバンバン!「外部装甲がはじけた?!」「あ・・あれは!」バサアッ!

「なっ!・・装甲の下から巨大な・・ファーストが!」「つばさがあるよ・・まるでてんし。」『これはいったい?』

バサアッ!ドパアアアーン!「海中から飛び出した!」「・・みんなザウバーフレーテに乗って!追うのよ!」

 

シュパアアアーン!『・・ミサイルは散開。各設定軌道にのったのね・・ならば。』バサアッ!ピィィィィ・・

『・・光あれ!』カアッ!『聖なる光よ、邪悪なる火箭を消し去れ!プロメテウス!』シュババババーッ!

ドドドド!「・・あの光は?」「四方に散っていくよ!」「・・これは?!」「どうしたアニー。」「SLBMが・・

消滅しました!」『なにいっ!』ダダダッ!「レーダーから突然消えました・・信じられない。」「GAGA!」

ひょこっ。「サテライトネットワークでミサイルの行方はわかるか?」【第145衛星の映像情報がある。メインに

再生する。】ぱっ。「・・ミサイルだ!」「・・光が貫いた!・・消えた・・」「・・ということは!」「ああ。

危機は去った。」『いやったああああーっ!』キラキラ・・「ファーストが戻ってくるよ!」「出迎えだ!」ダダッ!

バサアッ!・・すとっ。『うわ~・・』「まさに大天使・・」シュゥゥゥ・・「・・小さくなっていく?」シュウ・・

「ふう・・疲れた。」『ファースト~!』ドドドドッ!がしいっ!「あんたよくやった!よくやったわ!」

バンバン!「ユキノさん、痛いいたい!」「すごかったのだ!まさに奇跡だったのだ!」カジカジ。「いたたた!

死羽姫さんかじらないで~!」「軽くだから血は出ないのだ。これはお祝いのカジカジなのだ。血行が良くなって

パゲなくなるのだ。」「いりませんって~!」「ビッグワン!さっそく祝勝会よ!」「わかってる。俺のオゴリだ。」

 

大要塞エゼキエル。「・・発動したか。」「「マリア」がついに目覚めました。これで勝ったも同然です。」

「いよいよ最終決戦の時がきたということだな。アルエット。」「わかってる。でもその前に・・」キラッ。

 

で、大食堂。「では世界の危機を救ったファーストを祝って。」『カンパーイ!』カチンカチン!ぐーっ・・ダン!

「ぷはああーっ!こういう酒はいちだんとうまいねえ~っ!」「・・ユキノさん、とばしすぎ。」くいっ。

「ファーストもウーロン茶なんかじゃなくって、飲んだら?」「・・いちおう未成年ですから。」「あ、そ~。

ほんじゃコーラならオッケイね♪」ドン。「・・まあコーラなら。」トクトク・・ぐいっ。・・コトン。

「じ~っ。」「・・にゃははは!勝ったときのコーラはおいしいよね~!」「よしよし、作戦どおり。」

「ところであの現象は何だったんですか?」「そうそう。「神の眼」で見ててビックリしたわよ。ファーストって

まさかエヴォリューター?」「ん~・・シュウ、たっち。」ぺん。「俺にか?!・・知ってるかぎりではドクターと

フォルスト様がファーストに何かしたらしい。」『ああ・・』「その二人がそろえば何が起こっても不思議ではない

ですけど。」「人造エヴォリューターか。あいかわらずわけわかんないことやってるわね。」「おかげでファーストは

コーラで酔っぱらう体質になったのだな。」「ビッグワン!ここカラオケないの?」「歌うのかファースト?!」

「もち!飲んだらカラオケは王道っしょ!」「・・あれは意図したものではないと思いますけど。(^^;;」

 

そのころ、大統領府・地下大本営。『バベルは沈みました。これは乗組員に原因があるのではないですか?』

「そ、そのようなことはございません。すべて激しい訓練を経て選り抜かれたエリートばかりでした。」

『では上司に問題があったということですね。』ぎくっ!『ARSも役に立たなかったというのが附に落ちません。

あれがあって失敗ということはありえないことです。』「た、たしかに・・」・・ズズズズ。「・・地震?」

ズズズズズ!『地震ですか?そのあたりでは珍しいですね。』ドドドドド!「これは?!・・大きい!」ゴバアッ!

「なにいっ!」キュイイイイーン!『・・ドリル?なるほど、私が手を下すまでもなかったようですね。』

「トレーズ様、お助けを!」『失敗には死をもって償う。それが掟です。ではご健康を祈ります・・』ブツッ・・

「トレーズさまあああーっ!」キュイイイイーン!「くるな!くるなあああーっ!」キュイイイイーン!

 

「ぐーりぐりっと。こんなもんかなミヤビねえ。」「ムーン、地下エリアを隅々まできっちりミンチにするのよ。

大統領は必ずここに隠れてるはずだから。」「ついでに首脳部もいるはずだから、まとめてつぶしちゃえば。」

「報復でござるか・・あまり気乗りはしないでござったが、ピンポイントならば。」「どこぞの連合軍みたく

ムヤミに爆弾バラまくのは愚の骨頂。確実に目標をしとめるのが一番効率的なの。さて、帰りましょう。」

「ジェットモゲラ降下しまっす!」「あ、この地下1000mに未知の油田があるから穴掘っとく?」「いいわね。

大統領府が油田になるのも一興。再建のためにもなるわ。」「油井の噴出事故ということで片付くでござろう。」

 

パリ。「ふ~、戻りましたん。」「あれ?泊まってくるんじゃなかったのか?」「ジョーダンやない。あのオトコと

一晩すごした日にゃイッパツでご懐妊やもん。」ぎくうっ!「リオン・・何ヶ月?」「お、お蝶!(真っ赤)」

「冗談はともかく・・例のナイト、また出たって。」「えっ?!・・そんなバカな。」「なんで?」「・・??」

「あー、あの黒い月光仮面のおっちゃんな。いっぺん会うてみたいなー。」「月光仮面は真っ白だろ・・」

「白黒やからわからんで~。ひょっとするとまっ黄色やったのかもしれへんで~。」「あのー、月光仮面って

見たことないんですけどー。」「ちよちゃん見たことないんか?リオンはんそのテのDVDいっぱい持ってる

はずやろ?」「さすがにそこまで見せてねえよ。」「あかんて。月光仮面ゆーたら基礎の基礎やないか。最低でも

初代ゴジラと月光仮面と悪魔くんはおさえとかなあかん。」「濃すぎるって。」「欲をいえばスーパージャイアンツと

実写版黄金バットもね。」「おっ!お蝶はんもか!」「少しはね♪」「ほならハリマオも!」「それは必修よね!」

ぺちゃくちゃ。「あーあ・・ありゃ一晩でも話尽きねえぞ。」「はー・・わたしの知らない世界ですー。」

 

『これからのあらすじ~!』ぐで~。「あれ?作者どうしたの?」「今回すっごく長かったんで死んでる。」

「このくらいでまいってたら次回はどうすんのよ。せっかくの山場なのに。」「また四部作だろうしね~。」

「そう!いよいよ賢人会議の本拠、漂流要塞シャンバラ攻略のとき来たる!」「ついに悲願の達成だね!」

「ザウバーフレーテに集結する全秘密部隊、もちろんオメガも全戦力を投入!」「対する賢人会議も秘策あり!」

「おそらく四部にわたって最終決戦をじっくり語っていく予定。活目して待て!燃える展開はお約束!」

『次回!「魔 - Shambara - 」第一部「甦 - Primal Evil -」うおおっす!』「黒幕もいよいよ登場だよ。」

 

************************************

 

♪ザン!

アァァァ・・【トレーズ、なにゆえ作戦がことごとく失敗に終わるのだ。】「すべて私たちの不徳のいたすところ。

ボスの作戦は完璧でした。しかし誰も予想し得なかったマイナス要因の発生によりこのような仕儀に。」

【マイナス要因とは?】「さる敵対組織の出現です。」【それについては何度も抹殺を命じたはずだが。】

「その結果、十賢人がうち八人までも失うことになりました。」【いなくなれば補充するまで。さいわいに

全データは私の内にあり。復元は難しくはなかろう。】「さすがはボス。では・・」【・・復元開始。】

 

パリ・早朝。「ぐ~・・」・・ドーン・・ドーン・・ドーン・・グラグラッ。「・・ん~?・・地震か?・・」

ドーン!ガタガタッ!「なにっ?!」がばっ!ゴバアアアッ!「うおっとお!」くるっ、ドガシャアアアーン!

「な・・なんなんだいったい!」バタン!「リオン!だいじょうぶ?」「お蝶・・っ?!これは!」ゴォォ・・

アエエエエーッ!「バカ・・な!」「まさか?!・・呉呪羅!」ボオッ。「あぶねえ!」ダッ!「あっ!」

シュゴオオオオーッ!『うわっ!』ボオオオーン!ごろごろっ、すっく。「消火装置!」バン!ブシャアアーッ!

「間一髪で放射火炎に丸焼きにされるとこだったぜ・・」「でもなぜ呉呪羅が?」「詮索はあとだ。」♪ピッ。

「ひかりん、やーみん、迎撃だ!」『了解!』「お蝶はちよとビリケンの様子を。」「わかったわ。」タッ。

「その必要はない。」「マニプーラ?」「ちよおねえさんとびりけんさんはぶじだよ。」「おはようございますー。」

「朝もはよからニギヤカやな~。なんかあったん?」「ノンキなこと言ってる場合じゃねえ!呉呪羅が・・」

「リオンねえ!・・消えちゃったよ?」「なんだと?」「今のいままでいた呉呪羅が、あっという間に消えて

しまいました・・」「・・どういうことなの?」「ヤロウ・・「おっはー」言いに来ただけか。」『なんやそれは!』

 

バサササ・・「ククク・・モーニングコールはこのくらいでよかろう。また会おう、獅子の女王。」バサッ!

 

プラハ・錬金術師街。同じく早朝。四人はまだ寝ている。余談だが寝室はひとつ、ベッドは四畳もある超大型で、

四人が寝てもまだ余裕がある。とはいえザコ寝状態にはちがいない。これは芹香さまのたっての希望でこうなった。

「くか~。」「す~。」「スヤスヤ・・」「・・(寝てるみたい)」・・ぴくっ、ばさっ。「・・」ゆさゆさ。「ん~?・・

あによ芹香さま・・っ?!」ばさっ!「・・この邪気は。」こく。「・・ん?なに?!」ばさっ!「この妖気は

ただごとではないですわ・・」「・・まだ様子をみてる感じだね。」「今のうちに着替えよ。」こく。さささ・・

シュワシュワシュワ・・「・・きた!」フォッフォッフォッ!バリイイイーン!「ほえええーっ、でっかいハサミ!」「まさか・・原生魔人、バルタン!」フォッフォッフォッフォッ!カパッ。キュドドドッ!ドカドカドカーン!

「・・ふう~、危機一髪。」「とっさに魔法バリアを張らなかったら黒コゲだったよ~。」「それでは反撃ですわね。」

「hrwn。」ボッ!ドオオオーン!スウ・・スカッ!『消える?!』フォッフォッフォッフォッ!・・「・・・・」

「・・消えちゃった。」「隊長、いまのはいったい?」「まさか・・起こしにきただけでしょうか?」・・こく。

 

「さすがは対応がすばやい。まあアジトを壊しただけでよしとしよう。さて、コーウェンくんはどうかな?」

 

同時刻・ギアナ高地。こちらはもう朝も遅い。『はっ!はっ!はっはっ!』ダン!綾香と葵は朝の日課である

獅王機甲拳・練丹体操をおこなっている。とはいっても並みの体操ではなく、鋭く激しい動きがふんだんに入り、

常人なら筋肉裂断まちがいなしの荒行である。『はいっ!』ザン!「お嬢さまがた、コーヒーが入りました。」

「ありがとセバスチャン。」「いい香りですね~。」「野生の豆から作った自家製でございます。朝食はピラニアの

テリーヌとドクイモリのフライ・毒ソース和えでございます。」「このイモリの姿そのまんまなのがまた・・ん?」

「この気は?」「はて、尋常なものではございませんな。」・・ズン。・・ズン。ズン。「・・来たわ。」すくっ。

メリメリッ、ドドーン!ダダダダ!『こいつは!』「そんな?・・原生魔人ダダ!」「バカな、死んだはずよ!」

くるっ、カシーン!「笑い面?」ピイイイ!『うわっ!』「これは・・毒電波!」「くうっ!・・頭が!」ガクッ!

「これはいけませんぞ・・電装!」♪ピピッ。【コールサイン確認。鉄火スーツ電送開始。】バリバリバリッ!

ジャキィィーン!『鉄火モードでございます。相転移キャンセラー!』ピイイイ!「・・ふう、電波が消えたわ。」

「ではいきます!はああーっ!」ダーン!「獅王破砕蹴!」ゴオッ!ダダダダ・・「・・消える?!」スカッ!

「ダダが消えちゃった?」くるくるっ、スタッ。「逃げたようですね。」「いえ・・あいさつだけだったみたいね。」

 

「あぶないあぶない。今日のところはこのくらいで引くのがいいね。まあこれで挑発にはなっただろうね。」

 

ザウバーフレーテ。「ビッグワン、現在のところ襲撃されたのは三つだけのようです。」「第一・第二・第十三を

呼び出せ。」「了解。マルチモードでどうぞ。」ぱぱぱっ。「お蝶、状況は?」『基地は半壊状態ね。修理はけっこう

手間ヒマかかりそうよ。』「芹香のほうはどうだ。」『・・・・』「屋敷もボロボロか・・綾香のほうは?」『うちは

建物なんか無いから、そのへんは無事ね。』「では修理が済むまではこちらに来てくれ。空きスペースは山ほど

あるから。」『ザウバーフレーテに?』「全館冷暖房完備、三食昼寝付きで家賃はタダ。これ以上の物件はないぜ。」

『といったって戦艦の中でしょーが。・・ま、これからのことを考えたらそれも都合がいいかもしれないわね。』

「そういうこった。引越しの荷造りが済んだら連絡してくれ。汽神号を迎えにいかせよう。」『・・』こく。

 

大要塞エゼキエル。「・・まさか生きていたとは。」「加藤にコーウェンにスティンガー。いずれもかつて倒した

原生魔人がいま再び現れたか。」「おそらくは賢人会議の黒幕の仕業かと思われます。」『黒幕・・』「いよいよ

本領をあらわしてきたようね。復活怪人軍団の登場は最終回が近いってことかな?」「ここが決めどきか。」

「そうね。・・アルエット。」くるっ。「わかってる。・・これよりオメガは賢人会議の本拠、シャンバラ攻略作戦を

開始します。ユキノ特戦隊・SSS・ヴォータンはいうにおよばすオメガの全戦力を動員。準備を始めてください。」

『了解、アルエット総帥。』「秘密部隊はどうします?」「・・黙ってても向こうから声をかけてくる。問題はない。」

「それがいつかだな。」『今だ。』ぱっ。「ビッグワン?」「ほう、よいタイミングで。」『考えてることは同じだな。』

 

プロジェクト40「魔 - Shambara -」 第一部「甦 - Primal Evil -」

 

大戦艦ザウバーフレーテ。ポオオオーッ!シュゥゥ~ッ・・ぞろぞろ。「これが艦内か・・」「はじめて来たけど、

この巨大さにはビックリね。」「・・」こく。「すごいとこね・・」「はー、とても船の中とは思えないですー。」

「うわ~、秘密部隊ってすごいんですね・・」「聞いた話ではかなり大きなスポンサーがおられるそうです。」

「こないだみにいったところほどきれいじゃないね。」「サン・ピエトロ大聖堂と比べるのはどうかと思うが。」

「こりゃマジですごいわ・・」「ほえええ~、通路の先が霞んで見えないよ。」「これは記録のし甲斐がありますわ。」

「オーライ、オーライ。ひかりん、やーみん、ゆっくり降りたってや。」ブロロロ。『うわ~、これロボ形態でも

ゆうゆう動けるくらい広いや。』『このプラットホームエリアでさえ天井まで25mはありますね。』『しかも通路は

二車線道路くらいあるよ。すごいな~。』「みんなの整備および待機エリアはあっちにあるんや。ほないこか。」

「送ってきた案内図によると、居住ブロックにはこのターボリフトで行けばいいんだな。」「この通路をえんえん

歩いていけじゃなくてよかったわ。」「えーと、こうこう・・わかった。じゃ、あたしたちは徒歩で行くわ。葵、

セバスチャン、荷物はもった?」「はい、いきましょう。」「それでは失礼いたします。」シャッ!タタタタ・・

「はー、もう見えなくなりましたー。」「綾香たちは元気だねえ・・」「あれならこちらと同着くらいでしょ。」

 

居住ブロック。カツカツ・・「お、ここか。」「『第十三部隊様』って・・楽屋じゃないって。」「綾香さん、うちは

こちらのようです。」「・・あっ、芹香さま、うちのお部屋あったよー。」「まにぷーら、うちはこっちみたいだよ。」

「ここでいったん解散ね。」「それじゃ一時間後に大会議室で。」「・・」こく。「さ、荷物を運びこみましょ。」

♪ピッ、シュッ。『うわ~・・』「さすがに新築、きれいですー。」「生活調度も完備か。」「各部屋にマルチシステム

が付いてますー。これ一つでテレビもゲームもネットもできますねー。」「えーと・・4LDKね。リオンそっち、

ちよちゃんはそっち、私がこっちでビリケンさんがこっちの和室かな。」「あ、あたし和室がいい。寝相わりいから。」

 

「ふーん、うちはひと部屋がトレーニング室になってるのか。」「これってはじめからうち専用にデザインされた

みたいですね。」「考えてみれば客船でもなし、ここに入るのは秘密部隊だけでしょうからむしろ当然かと。」

「ほええ~、芹香さまのお部屋、実験室みたい・・」カタン。「・・・・」「必要な素材、みんなそろってます?」

「まあ、わたしの部屋のシステムは8mm再生も可能ですわ。」「これなに?・・げ、血液合成器・・バレてら。」

「わー、このべっどふかふか~。」ぽむぽむ。「本棚・・ほう、世界の旅行ガイドか。これは読みごたえがある。」

 

「「玉屋鍵屋」、第三ハンガーに収納完了。」「「ナイチンゲール」ドッキングまであと12秒。」「汽神号、ミラノで

第六と合流中。次は「曼荼羅」に向かいます。」「キャナル、第七は見つかったか?」『いました。ちょうど

ベネツィアにいたので汽神号を。』「こちらザウバーフレーテ管制室。汽神号はベネツィアへ向かってください。」

 

ガヤガヤ・・「外がにぎやかになったわね?」「団体客でも来たんか?どれ・・なにっ?!」「あ、おばさま~!」

「ひばり?!なんでここに?」「汽神号が迎えに来たんだよ。」「第五の新しい船の見学とクルージングにご招待

されましたのですますわ。」「・・三泊四日で学校も欠席届け出してきた。」「ま、クルージングは表向きだろうな。」

「ホンネはもっとどでかいミッションやちゅーこた、中坊でもわかりまっせ。」「・・そうか、やっぱりな。」

「え~と・・あ、あったあった!」「ここが船室ですの?一等船室じゃないとプンプンですわ。」「じゃ、あとで。」

「お蝶・・会議って。」「決ってるでしょ。なにボケたこといってんの。」「ここまできたら覚悟かんりょーですー。」

 

大会議室。シュッ。「おっ、ようこそ諸君。」『・・ええっ?!』ザワザワ。「いつの間に秘密部隊全部を?!」

「まあ座ってくれ。席はそこが空いてる。」ガタガタ・・「では、これよりシャンバラ攻略作戦会議を始める。

刹羅、概要をたのむ。」「はい。ではまずこれをご覧ください。」ぱっ。「これが賢人会議の本拠、漂流要塞

シャンバラの外見です。」ザワザワ・・「でけえな・・」「全長1000m、最大幅300mの塔状構造物です。では次に

内部構造の詳細を。」ぱぱっ。「上部が戦闘および出撃ブロック。戦略メカ群の工場もここにあります。その下が

居住ブロック。規模からいってのべ数千人の人員がいるものと推定されます。さらに下が動力ブロック、そして

最深部が十賢人のいる中枢ブロックです。ここの出入りはきびしく制限され、人によっては賢人の姿を見たことが

ない者さえいるようです。」「保安はバッチリということね。」「ちょっと待って。・・その中枢ブロックのさらに

中心部はどうなってるの?その図面だとまったくの白紙だけど。」「いい質問です。・・ここが今回の作戦目標と

心得てください。」ザワザワ・・「ここに何があるのかを知っているのはおそらくトレーズだけだろう。それを

暴き、必要なら叩くのが作戦の最終目標だ。・・素子。」「ご存知のとおりシャンバラは太平洋大環流に乗って

常に移動しています。それゆえに所在の特定がきわめて困難だったのですが、ついに捕捉と追尾に成功しました。

現在シャンバラは西経145度50分・北緯40度22分。毎時30ノットで西北西に流れています。」ぱぱっ。

「あそこに・・敵の本拠が。」「ちなみにこのザウバーフレーテは現在ハワイの北300km、深度150mにある。

これ以上近づくとシャンバラに感知されるので一定距離を保ちつつ追跡している。」「肝心の作戦の概要は?」

「まずこのザウバーフレーテで陽動をかけ、そのスキに強襲揚陸筒でシャンバラに突入してもらう。最初に

ビーストフォースは防衛戦力を沈黙させてくれ。」「わかったぜ。」「私たちの目標はこの防衛センターの制圧ね。」

「その後は自由裁量で暴れまわっていいんだな。」「インドアなら私たちの本領発揮よ。」「うん、うまくいくよ。」

 

「おっと、その前に大事なことを忘れてた。シャンバラの外部戦力として原生魔人が確実に出てくるだろう。

Gエンジェルズはその迎撃を」「そっちはうちにまかせて。」『えっ?』「魔神獣とヴォーダンで何とかなる。」

シャッ。『ユキノとドクター!』「会議にまにあったな。ちょうどいいタイミングだ。」「Gエンジェルズと牙命霊は

切り札として温存しておくべきだ。」「万が一シュウとSSSがヤバくなったときに乱入ねがうわ。そのほうが

戦力の維持ができるので勝率は高くなる。」「ではわたくしたちに見物してろというんですの!」「・・すずめ。

私たちは変身時間が制限されてる。この大事な作戦でムダに使うわけにはいかない・・」「いいんじゃねえの?

いざとなったらアルヴァタールだってあるんだし。」「あかんでつぐみ。アルヴァタールは変身時間がさらに

短いんや。ヘタしたら全員がおっ死ぬことになる・・諸刃の剣や。」「それでも必要なときは使うべきだと思うな。

使わずに後悔するよりもマシだよ。」「あたしもユキノに賛成だ。」「おばさま?」「あたしたちは確実に勝って、

全員生きて帰還する。もし一人でも死人が出たら、作戦は失敗というべきだろうな。」「ここはリオンが正しい。

犠牲の上に成り立つ勝利など無意味。勝利は完全でなければならない。」「そのためにもしっかりと作戦を決めて

おくべきさ。では原生魔人はオメガに任せることにしよう。さらに「螺旋」とビークルロボはシャンバラ外部

防衛設備の破壊で間接的に援護してくれ。」「うん、わかった。」「必要とあらば助太刀もしよう。」「わかりました。

ひかりんとやーみんは私が指揮します。メガトンツールはビリケンさんがカタパルト室に搬入してくれてるわ。」

 

「第一・第二・第六・第十三は敵中枢に侵攻。第四は斥候として最前線の情報収集をやってくれ。」「いつもの

必勝フォーメーションね。」「・・」こく。「要塞内では奇襲がありえるので、伏兵はうちがダウジングします。」

「こっちはポルコで乱入するぜ。揚陸筒は直径あるんだろ。」「いいだろう。ユキノ特戦隊、そちらの作戦は?」

「ムーンとフレイアはアイアンロックスで外から攻め、その他のメンバーは内部侵攻よ。ペロペロは砲台として

運用するわ。」「外の敵が片付いたらSSSも魔装鎧モードで内部侵攻に加わる。シュウも同様だ。」「おや?・・

シュウはともかくSSSまでが侵攻に加わるのは珍しいな。」「そうか?別に不思議でも何でもないと思うが。」

「・・まあいい。さて第三だが、シャンバラ爆破をたのむ。作戦目標攻略後、シャンバラは沈める・・深海にな。」

「わかったぜ。」「あとでシャンバラの構造データをください。」「浮力を無くせば水圧がカタをつけてくれるな。」

「バラストタンクがあるはずよ。そこを壊せば・・」「となると内部よりも外部へのセットが主体になるか。」

「火星人とタイラントって泳げたっけ~?」「水中発破用に推進ユニットはあるよー。」「爆薬も水中仕様のモンを

準備しなきゃならないッス。」「・・海のマニトウが怒ってる。・・邪悪の塔は滅ぼさないといけない・・」

 

「第九は防衛システム電子破壊および指揮管制ラインの分断をたのむ。」「おまかせを。情報を制するものは戦局

をも制す。兵法の基礎よ。」「ついでに敵データベースから使えそうな情報を引き出してきましょう。」「それなら

アルエットちゃんも手伝ってほしいですね。」「こちらに否やはない。伝えておく。」「第十はこの艦の病院センター

として機能してくれ。」「うむ、わかった。」「そのために艦後部に専用ドッキングベイが作ってあるんですね。」

「どうりで後部甲板がヤケに広いと思いました。」「残るは第十一だが、サウバーフレーテの砲手を頼めるか?

レイラだけでは乱戦での全火器管制は無理がある。」「今回はもう出番がないと思っていたが、みんないいな?」

「おっし。あの主砲はいっぺん撃ってみたかったんでさ。」「再装填もあっしにかかりゃ自動の三倍は早いですぜ。」

「ミサイル管制はまかせて。蚊にだって当ててみせるわ。」「あとは・・美鈴、海上の天候を制御してくれ。」

「その必要はありませんね。気象配置によると決戦海上は晴天です。」「そうじゃなくて、こちらの話だ。この艦の

接近をギリギリまで気取られぬ良い方法はあるか?」「あ、なるほど・・ならば電磁気バリバリの積乱雲を進撃

ルートに配置しましょう。対空レーダーでは雲しか見えなくなります。」「異議あり。」「ユキノ、なんだ?」

「相手は賢人会議よ。不自然な気象はかえって敵の警戒を強めるわ。ましてや今回は手ぐすねひいて待ちまかえて

いるでしょうね。」「原生魔人三体をわざわざ顔見せさせた理由を考えるがいい。これは間違いなく誘いだ。」

ザワッ・・「たしかに・・」「こちらをその気にさせるためか・・」「かといって真っ正面から突っ込むのもな・・」

「そこで作戦があるわ。・・こういうのはどう?」♪ピッピッ・・ぱっ。「・・なるほど。この手でいこうか。」

 

その頃、大要塞エゼキエル。♪ビーッ!『こちら防空センター。レーダーに多数の未確認飛行物体確認。』

「・・敵襲か。映像を。」ぱっ。「あら、なつかしい。ダコーダの大群に戦略メカのアグニとグロイザーだね。」

「ユキノとドクターの不在を狙ったかのように・・アルエット。」「SSSは魔装鎧で発進。ヴォータンも出して。」

 

『エゼキエルより緊急入電。敵の空襲です。』「なにっ!」『敵はダコーダ多数・アグニとグロイザーとのことです。』

「戦略メカまで再生してたのか!」「キャプテン、エゼキエルに急行だ。」『わかった。おもかじいっぱい全速力!』

「第十一はただちに。」ザッ。「さっそくの見せ場か。」「やってやろうじゃねえか!」「腕が鳴りますぜ!」ダッ!

「リオン、ひかりんとやーみんに対空援護をたのみたい。」「いいぜ。上部デッキへ上げればいいな?」♪ピッ。

『はいな、こちらハンガー。』「ビリケン、かくかくしかじかで上げてくれ。」『大型エレベーターのありかはよう

知っとります。戦闘速度まで落ちたら外へ出るよう指示しときますねん。さもないと風圧で飛ばされまっせ~。』

「それでいい。・・ビリケン、あんたはその間どこにいる?」『このハンガーに決まっとりますが?』「・・そだな。」

 

シュバアアアーッ!「アグニが撃ったぞ。」「二度も同じ手でやられないもん。浮遊防壁「バキュラ」、展開。」

シュパパパッ!キュルキュル・・パシイイイーン!「ミラーコーティングだからエネルギー兵器はとどかないよ。」

「回転でパワーはすべて逸らせる・・そしてこういう使い方も可能だ。角度制御を。」「こうだね。」チキチキ。

シュバアアアーッ!パシイイーン!・・ボゴオオオーン!「反射・収束してお返しね。自分のポジトロン砲の

お味はどう?」「原理はGGG「弁天」のFFミラーと同じだ・・こちらは攻防一体。」ゴォォォォ・・ドドーン!

 

ダコーダ!ダコーダ!「なによこの気色わるいバケモノは!」「・・加藤の式神獣、ダコーダ。能力は突風と

ゾンビガスだけのはず・・」ボーン!「マグマ弾だ!」『おっと!』くるっ、スカッ!「あっぶな~。ファースト!

どこがゾンビガスよ!」「・・強化されてる。おそらく巨獣人ドローメと融合させたのね。」「とにかく倒そうよ。

トーロイド、いけっ!」ヒュイイイーン!チャッ。「ダモクレス!」ブゥン!ヒュヒュヒュッ、ブシャアアッ!

「ロンギヌス!」シュパッ!・・ズボオオーン!「カルネアデス、いって!」シュババババッ!ギリギリッ、

「ちぎれろ!」グイッ!グチャグチャッ!「もう、キモチ悪いんだから~!ナマコつぶしたみたいじゃない!」

 

「あれがかつて「フライング・ダッチマン」を落とした空爆メカ、グロイザーか。」シュドドドッ!ドカドカーン!

「ザカートならともかく、ヴォータンに対空ミサイルなど効くか。ザコ機はどけ!」ゴオオオーッ!バキバキッ!

「トルネードパンチ!」ブオッ!ガキイイイーン!「ZTバリアなどが今さら何になる!ブースト!」ドオンッ!

ググググッ・・ボゴオッ!「バリアー消滅!くらえグロイザー!おおおーっ!」ドゴオッ!・・ズボオオオーン!

 

エゼキエル・展望喫茶室。「この状況だと特戦隊には出番ないわね。」「たまにはいいんじゃない?こんなときは

空戦ショーを見ながらお茶するのがゼイタクだね。」カタン・・「そうね、今回はラクさせてもらいましょう。」

「お、また敵機が落ちたでござる。」「敵が少なすぎるのだ。あたしならあと一隊くらい・・ん?」キラッ・・

「・・どうやらカンが当ったみたいなのだ。」「死羽姫、なに?」「敵の増援が着いたみたいなのだ。」『あっ!』

 

『緊急情報。新たな敵機編隊確認。第一陣の倍の戦力です。』「えっ?」「・・増援か。」『えっ、まだ来るの?!』

『まだ第一陣がかたづいてないってのに!』『・・ちょっと苦戦しそうね。』『数で押されると少しつらいな。』

「こっちも数を出すよ。高機動戦闘機タルケン・突撃機カピ・高速爆撃機テラージ出動。」シュパパパパッ!

『三時の方向にヘルメス集団。対艦ミサイル多数!』「・・ゼピュロス作動。」ビュオオオオーッ!パラパラ・・

「お返しだ・・対空爆弾ガル・ザカート。」ボン!ヒュルルル・・ドドーン!チュンチュンチュン、ズガガガーン!

「おお、あれが新防衛装備の。」「でっかい花火ってカンジね。」「無指向弾と誘導弾のクラスター構造なんだね。」

『敵直上急降下!』「なにっ!」「風の障壁を越えたのね!」ゴオオオーッ!・・シュバッ!ドカアアアアーン!

「・・爆発しちゃった?」「・・間に合ったか。」『六時の方向よりザウバーフレーテです!』・・ゴオオオオーッ!

 

ブリッジ。「なんとかまだ健在だな。」『さすが「朧車」、この速度と距離でよく当てる。』「主砲の最大有効射程を

越えてたんですけど・・」「そこがあの連中のすごいところさ。キャプテン、こちらも戦闘機だ。」『アルテア。』

「リボルバーカタパルト露出。」ガコン!ギュルルル・・「超戦闘機「ナハトムジーク」六機中隊、連続射出!」

シュバババババッ!ヒィィィーン!「レイラ、あとはおまかせ。」「おっけい。ローディングユニット上昇。」

ズズズ・・ガコン。ヒュルルル・・「目標ダコーダ大編隊。ガトリング・リニアキャノン、発射!」ブオオオーッ!

ドガガガガーン!「・・これはすごい。」「バルカン砲のように速射できるリニア砲?文字どおり一掃だね。」

「対空メーサーだい!」ピィィィーッ!ガガーン!「いきます、ダークネスミサイル!」シュドドドドッ!

 

「残るはグロイザー型二機とアグニ型一機!」「うっとうしいヘルメスはナイトウイングが落としてくれたわ!」

ラァ、ラァ・・キィィィ・・「ポジトロン砲が!」「いけない!」カッ!・・ドカーン!「・・なに?暴発?」

ズズズズ・・ボコオオオーン!『・・あれは?』ヒュイイイーン!『・・ああっ!あれはエボニー・ナイト!』

 

大会議室。「なんだと!」♪ピッ。「ビリケン!」『呼びましたん?』「あ?・・あんた今どこに・・」『いややな~。

さっきハンガーにおるゆーたやん。』ザザッ・・「あ、ああ、そうだったな・・外を見てみろ。お目当てのナイトだ。」

『ホンマ?ほな見てくるさかい。』ガリッ。・・「・・あたしの勘違いか?」「リオン、なんのこと?」「いや・・?!」

ばっ!・・「・・そうか、そういうことかい・・」「通信機がどうかしましたー?」「・・カラクリが見えたよ。」

 

『PAT、七番!』【了解。巨銃マグナ・カルタ。】ジャッ。ズラアッ!チャッ。『バッド・ビートル、敵正面に!』

【フルオート操縦に移行します。】ヒュイイイーン!『グロイザーの弱点は艦首センサーにあり。そこだけは

ZTフィールドも装甲もうすい!』ドゴオオオオーンッ!・・ビシッ!・・ズボオオオーン!ドガガガーン!

『おおっ!』「す、すごい!銃弾一発でグロイザーを撃沈するとは!」『これで全滅だな・・また会おう!』

ヒュイイイーン!・・『アルテア、レーダーで追尾だ。』「はい。・・ええっ?!」『どうした?』「・・反応消失!

一瞬であとかたもなく消えてしまいました!」『記録を再生してみよう。』ツーッ・・フッ・・『たしかに・・』

「急降下もなし、ステルス装置でも何らかのシグネチャーが発するはずですがそれもなし・・まるで空間の穴に

消えてしまったようです。」『・・アニー、重力場変動は?』「センサー記録を調べてみます・・あっ、十数秒前に

わずかですが時空震が記録されてます。」『やはり・・小型のESウィンドウを発生させたな。』「ESウィンドウ?」

 

しばらくのち、ハンガー。「魔神獣とヴォータンもここに入れていくのか・・」「ペロペロもよ。」「さすがに

アイアンロックスは入らないから、ムーンとフレイアが現地までもっていくわ。」「ユキノ、さっきムリヤリ

入れようとして断念したのだ。」「いくらここが広いからといって、それはちと無理でござる。」ガヤガヤ。

「ふーん、これが大戦艦の中か。」「すっごく広いね。」「・・魔神獣を悠々収められるなんて。」「すごいな・・」

『特戦隊とSSSのみなさんとシュウさんにはお部屋を用意してあります。ターボリフトで居住区三番とご指定

ください。そこからは一本道です。』「部屋まで用意してくれるのね。」「一戦まじえて疲れたので休もうか。」

 

「ひかりん、やーみん、ごくろさんやったな~。」「けっこうラクだったけどね。」「大空戦を見れて役得でしたわ。」

「整備もこれでよしと。予備の収束レンズ持ってくるわ。」カツカツ・・すっ。「・・ビリケン。」「リオンはん?」

「技術上で質問があってな。・・通信でノイズが入るのはどんな要因が考えられる?」「いろいろありまっせ。

混線や空電、太陽黒点もそやな。」「道具と場所を限定しよう。・・いつも使ってる通信機で、この艦内では?」

「これはGGG製をベースに秘密部隊でアレンジしたプロ用カスタムやから、距離が短いときはダイレクトに

通信がとどくようになってますねん。基本的にこの艦内ならノイズは入らんはずです。」「だよな。・・そこが

奇妙なんだよな。」「なんですのん?」「さっきのあたしとアンタの通信、えらくノイズ入ってたから。」「・・」

「リオン、ちょっとちょっと!突入班の打ち合せやるんでしょ!」「いま行くよユキノ!・・忙しいこった。

じゃ、あとでな。」タッ。「リオンはん・・」ピタッ。・・「・・まあ、ムダ死にだけはするんじゃねえぞ。」

 

シャンバラ。「エゼキエルとザウバーフレーテが合流したな。」「いよいよこちらへ向かうということですね。」

「ククク・・大歓迎してやろう。」「そのために挑発までしたのだからな。そうだね、スティンガーくん♪」

「うん、そうだよコーウェンくん♪ せっかくの招待状をフイにする連中じゃないよね。」「要塞内に入ってきたら

私が相手をしてやろう。・・連中の血はうまかろう。」「よろしくお願いします、甦りし原生魔人のみなさん。」

 

『これからのあらすじ~!』「次はいよいよシャンバラ攻略戦の開始!」「やっぱり現れる原生魔人とその配下!

まずは外堀から埋めなくちゃね。」「でも前より強くなってるらしいよ、あの連中。」「ふつーは戦闘員なみに

弱っちくなるもんだけどね~。」「巨大戦力の激突!さらに熾烈な砲撃戦も!」「温存されたGエンジェルズは

おとなしくしているのか?SSSがピンチだよ。」「まあファーストいるから何とかなるんでないかい?」

「次回!第二章「襲 - Strikes Back -」うおおっす!」「作戦と友情、どっちをとるか?」「難しいとこだね~。」

 

 

 




♪ザン!
「おや?出遅れましたか。」「「闇」どの、どこにおられた?」「・・前回はまったく出ておりませんでしたな。」
「もうしわけありません、ついラボにこもってしまいました。」「作者が出し忘れたという説もあるけどね。」
「でも一回休みの甲斐はありました。ついに開発に成功しました。」すっ。「・・小瓶?」「魔法薬ですな。」
「いったい何の薬なの?」「それはじきにわかります。さて、エゼキエル内がやけに静かですが?」
「みんな出払っている。」「・・シャンバラ攻略作戦のため、ザウバーフレーテに移乗した。」「そうですか。
ならば私が届けるしかないようですね。」「どうやって?すでにエゼキエルを離れて五時間になる。現在位置も
通信統制をかけているため不明だ。」「何とかなるでしょう。では、行ってきます。」「・・フォルスト殿ならな。」

シャンバラ。『エゼキエル動きません。ザウバーフレーテは三時間前にロストしたままです。』「予定ではそろそろ
攻撃をかけてくるはずですが。」『レーダーおよびソナーに反応なし。布陣滞空中の各戦略メカも感知してません。』
「さすがは秘密部隊、もののみごとに所在をくらましたね。」「あれほどの巨艦が動けば、なにがしかの反応が
感知されるはずだが。」「ということは動いていない。・・シャンバラの漂流コースと速度を読んでの待ち伏せの
公算が高いですね。進路前方の探査は?」「もちろんやっている。だが、いまだ発見できてはいない。」

ゴゴゴゴ・・『第二セクター探査終了。太平洋戦争時の戦艦の残骸の他は感知なし。』『第四セクターへ移動せよ。』
「・・行ったね。」「けっこうこまかく調べるね。」「まさか沈没戦艦に偽装してるとまでは思わなかったようね。」
「アイアンロックスはもともと戦艦のパーツを寄せ集めて造ったようなもんだし。ちょっと汚せばわからないよ。」
「さて、予定作戦時間まではまだしばらくあるわね。」「今のうちにゆっくり休んどこうよ。作戦はじまったらいつ
終わるのかわからないし。」「同感。待ち伏せ用にキッチンやベッド、映画のビデオまで持ち込んだんだから。」

ザウバーフレーテ、「ユキノ特戦隊様」ビジタールーム。「あら、カクテルバーがあるじゃない。酒盛りね♪」
「みやびんカクテル作れるの?」「若いころちょっと勉強したからね。彩は何がいい?」「よくわからぬので、
まかせるでござる。」「じゃあ「サムライ」で。日本酒とウメボシと・・ユキノは?」「マンハッタンで。」
「おっ、けっこう通ね。ライムは・・あった。あら?このグラス、ベネチアンじゃない。さすが。」カラカラン。
シャカシャカ。「お~、慣れた手つき。」トクトク・・「はいどうぞ。彩も。」「みやびんは?」「ラムにクワントロー、
オレンジジュースで・・」シャカシャカ。トクトク・・「XYZね。」「では。」「作戦の成功を祈って。」チーン♪

「しかしビッグワンには驚かせられたわね。30時間の休憩ののち攻撃開始とは。」「敵さんはいつ来るかと神経
ピリピリさせてるでござる。それをまる一日も続けたら・・」「上層部はともかく兵はたまんないでしょうね。
冷静さを失い、判断にもミスが生じるわ。」くいっ。「武蔵の兵法ね。わざと刻限に遅れることで動揺を誘う・・
でもあまり待たせすぎても頭の血が下がってしまう。30時間というのはいいキリだわ。」「あのような奇態な
性分をしてても、やはり秘密部隊総司令というところでござるな。」「それにつけてもわからないのがナイトよ。
いったい何が目的で現れたのかな。」「今までの動向からみると、賢人会議に相当な恨みを持ってるようね。」
「復讐・・たしかにそれがいちばん自然な動機でござるな。」「問題はその正体よ。・・どうもわたしの知ってる
誰かのような気がしてならないのね。」「秘密部隊メンバーは論外として、あと知ってるキャラといえば・・?」

「ところで死羽姫はどこいったの?」「なんでも艦内を探険してくるって、数時間前から出てったまんまよ。
迷子になってんじゃないかしら?」「戻ったのだ。」シュッ。「お、ちょうど。なんか面白いものあった?」
「食事はダイニングに置いてあるわよ。」「むちゃくちゃ広くて時間かかったのだ・・で、意外な発見をしたのだ。」
「なに?」くいっ。「・・バッド=アムールを見つけたのだ。」ブウウウーッ!『ゲホゲホ!・・なんですって!』
「じゃあエボニー・ナイトがここに?!」「となると・・秘密部隊に?」「それはおかしいでござる。わざわざ
顔を隠してまで出没する理由がつかないでござる。」「死羽姫、くわしく話して。どこで見つけたの?」

30分ほど前・・とことこ。「う~ん、めっちゃ広くて探険もタイヘンなのだ。ほとんど無人だし・・おや?」
カンカンカン。「誰かいるのか?・・」そっ・・カチャカチャ。「PAT、どう?」【順調だよ、ナイト。】ぎくっ!
(ナイト・・まさかエボニー・ナイト?・・物陰で顔が見えないのだ。)じり・・(あれは・・まちがいない、
バッド=アムールなのだ。)【ナイト・・いよいよだね。】「ええ・・あれから15年。待ちに待ったときがついに・・」
【あのとき明日香様がかばってくれたから、今のナイトがあるんだね・・】「今でも夢に見るわ、あの光景は・・
だから仇を討つために私は生きてきたの。」【でも・・明日香様はそれを望んではいないと思うな。】ふふっ。
「そうでしょうね・・これは私のひとりよがり。あの深い傷を消し去りたいからかもしれない。・・それでもいい。
私は歩んできた道を振り返らない。」(・・顔が見えないのだ。)「部屋に戻るわ。PATも除装しておいて。」【了解。】
カツカツ・・(はっ?!気配消去・・)カツカツ・・(・・顔を見たら気づかれるのだ。)ガチャン・・

「・・というわけなのだ。」「顔は見れずじまいなのね。」「ここにいようとは思いもよらなかったでござるな。」
「・・・・」「みやびん、なに考えこんでるの?」「ここの端末はネットもできるのよね。」「そう聞いたけど?」
「調べてみるか・・」ピッ。カタカタカタ・・「新聞社・・NYタイムズ・・ライブラリ検索・・あった。」ぱっ。
「これは?」「15年前の2月2日、国連病院で起きた「ニューヨークの惨劇」の記事よ。」「なんなのだそれは?」
「ユキノはおぼえてるはずよ。世界的大ニュースになったから。」「ええ・・よくおぼえてるわ。国連平和大使の
明日香・アプロヴァール様が殺された事件だったからね。」「あたしは知らないのだ。」「拙者もさすがに。」
「現国連事務総長の実の娘だった明日香様は、国連平和大使として対立関係にあった国々を民間レベルから対話に
導き、最終的に和平に導いた大功労者だったの。」「あれで戦争にならずに助かった人はのべ数百万人におよぶわ。
ノーベル平和賞まちがいなしだったけど・・」「国連病院に入院してる子供たちを見舞ってたとき、突如乱入した
武装テログループの銃が子供たちに向けられた・・明日香様はそれをかばって凶弾に倒れた。」「即死だった・・
犯人たちはそのまま逃走。どうやら最初から明日香様の暗殺が目的だったみたいね。」「子供を狙えば必ずかばう
ことを計算に入れての卑劣な犯行だった。世界中が喪に服したわ・・」「FBI・ICPO総力で世界中で犯人を
捜したけど、迷宮入り・・その悲劇が今の強い国連と秘密部隊発祥の遠因になってるのは間違いないわね。」
「そうね。・・ビッグワンの奥さんで、芹香さまと綾香のお母さんだったもの。」「そうでござったか・・いわば
公的機関を復讐の道具として利用しているのでござるな。」「意地悪い見方すればそうね。でも現実なんて理念より
冷徹な目の前の事実で決まるもの。逆にいうと秘密部隊がなかったら今の世界はどうなってるのかしら?」
「・・何も変わらなかったでござろう、一般レベルは。」「のべ数百万人の命のあるなしが一般じゃないならね。」
「それは・・!」「彼らがテロや戦乱を未然につぶしてくれてるおかげ・・一般はまったく知らないけど。」
「・・だから「秘密部隊」なのでござるな。」「絶対に表に出ちゃいけないのよ、あの連中は・・私たちのように。」

「で、それとナイトとどう結びつくのだ。」「この写真よ。・・同行カメラマンが凶行直後を撮影したもの。」
「血に染まったベッドと・・あれは?」「・・子供?返り血を浴びて真っ赤になってる・・」「あの目は・・」
「彩、なに?」「・・あの子の目、すでに常人のものではござらぬ・・」「それは当然でしょ。あんなのを
見せられたら・・あ。」「まちがいなく強烈な精神的外傷になってるわ・・地獄を見てしまったのだから。」
「それじゃ、あの子供が・・ナイトか?」「ミヤビ、あの子についての情報は?」カタカタ・・「・・ないわ。
あの騒ぎじゃそこまでフォローできなかったでしょうね。」「無理もござらぬ。」「む~・・黒髪ね。性別までは
わかんないけど。」「でもひとつだけはっきりしたことがあるのだ。」「なに?」「あれは・・女性の声だったのだ。」

プロジェクト40・第二章「襲 - Strikes Back -」

ラウンジ。「・・いよいよだな。」「ええ・・長かった。」「・・」こく。「あれから15年か・・昨日のことのようだ。」
「無我夢中の15年だったわ・・あたしはマスター来音のもとで修行にはげみ、姉さんは「闇」フォルスト様の
薫陶を受けて魔導師に・・それもすべてこの時のために。」「めざす仇はシャンバラにあり。おそらくは・・」
「・・」「そうね・・こうなったらアイツしかいないでしょ。」「そして「真の」黒幕もだ。こいつを倒さないと
仇を討ったことにはならん。」「賢人会議を、いえ、歴史を闇であやつってきたものか・・」「・・・・」
「なあ、全てが終わったら・・どうする?」「あたしたち家族はあの日で消滅した・・もう元には戻れないわ。」
「・・・・」「そうか・・今の生き方も悪くないか。」「あたしたちもハタチを越えたわ。オヤジもそろそろ子離れ
しなきゃ。」「娘はいくつになっても可愛いもんさ、父親にとってはな。そしていずれウェディングドレス姿を
おがんで、娘を奪っていくやつに祝いに一発くらわすのも楽しみだ。」「その時はまだまだ先だと思うけどね~。」

シュッ。「あら?オジャマだったかしら。」「いや、父娘差し向かいで飲んでたとこだ。いっしょにどうだい?」
「でもせっかく水入らずのとこを・・」「いいのいいの。リネンは家族もいっしょだから、ね?」こく。
「・・うれしいわ、今でもそう言ってくれると。」「明日香がやられたのはリネンのせいじゃねえってあれほど
言ってるのによ。」「・・あのとき私はまだ駆け出しの新米秘書だった。それが明日香様の専属秘書に抜擢されて
有頂天だったわ・・自分だけおめおめ生き残って。」「だから誰も責めてないって。自分で自分を責めなくても。」
「いえ・・いっそ誰かに責められたほうがまだマシだったわ。あの後、事務総長秘書室長としてがんばったのも、
この心の痛みを紛らわすため。でもそれでも不足だった・・もっと激しい現場に身を置きたい。あのときを
思い出すヒマがないほど激しいところに・・」「それで中小企業の事務会計にまで身を落としたんだからな。」
「いい職場よ。とても家庭的で温かくて。おかげでだいぶ癒されたわ。」「ババアはそこまで狙ったかもな。」
「・・あっ、いーこと思いついた。オヤジ、リネンと再婚したら?」『えっ?』ぽん。「・・」「芹香までなにが
「それは名案です」だ。俺は再婚する気はないっての。」「45と39だからそんなにおかしくないって。だいたい
リネンくらいしっかりした嫁さんつけとかないと、オヤジみたいな風来坊は心配でしょうがないわ。」こくこく。
「えらい言われようだな~。」「これだけは何年たっても変わりませんね、ふふっ。」「ちっ・・まあ飲め。」

ブリッジ。『そろそろ時間だな・・』シュッ。「キャプテン、おはようございまーす。」「ただちに任務につきます。」
「全システム点検開始。」ピッピッ。「シャンバラ座標確認・・ハワイ東北東沖1200km。」「全システム順調!」
『よし。ザウバーフレーテ発進。』「微速前進。」ズズズズ・・「海底洞窟を抜けます。」「海上全方位探査・・周囲
50kmに船舶なし。」『念を入れよう。潜望鏡深度へ。』「よーそろ。」ゴゴゴゴ・・「全周カメラを上げます。」ゴポッ。
ザパン。「スキャン開始・・クリアー。」『よろしい。浮上し飛行モードへ。』「はい!」グイッ。・・ドパアアーン!
ドドドドドッ!「出力80%。巡航高度まであと200。」ドドドド・・「・・ありがとう、ハワイ島海底洞窟基地。」
「見事に敵から身を隠してくれたね。」「あんな大きな洞窟がハワイ島の水面下にあったなんて知らなかったわ。」
『キラウエアの溶岩が穿ったものを加工した。地球上での本艦の拠点だ。』「隠すのも苦労するわ、この図体じゃ。」

『こちらビッグワン。あと60分でシャンバラ防空域に到達する。全秘密部隊とオメガメンバーは出撃準備に。』
ポンポン。「・・いよいよね。」キュキュッ。「ゆっくり休んで鋭気じゅうぶん!」ペタペタ。「こんなときに
ファーストもサードもお化粧するの?」「あったりまえでしょセカン。ブザマな死に顔さらさないよう、ちゃんと
お手入れするのが戦う女性のしきたりなの!」「・・戦国武将も戦場に赴くときは鎧に香を焚きこめたそうよ。」
「そうなんだ・・僕もオーデコロンくらいつけとこうか。」「下着も新しいのにしときなさいよ。できれば白。」
「なんで?」「・・白は覚悟完了、無心の意味。」「そして人間最後に残るのはフンドシだけ。だからこそ下着は
まっサラなものをつけておくべきなの。」「うん、わかった。」「あ、忘れてた。・・ほい。」ひょい、ぱしっ。
「・・栗?」「勝ちグリよ。食べといて。」「・・ゲンかつぎに過ぎないけど、大事なこと。」「・・そうだね。」

作戦艦橋。「アバドンはこうなっちゃったのね。」「すごくコンパクトにできてますねー。」「サイバーソウルも
作戦開始時には出払うので、お蝶とちよちゃんはここで管制をたのむ。今回は助っ人をやとうヒマがなかったが、
そのぶんは質でカバーだ。エゼキエル、そっちの準備はいいか?」ぱっ。『回線のセキュリティは完璧だよ。』
『・・これで離れていてもリアルタイムでリンクできる。』『そこにいるのとほぼ同等に連動管制できるだろう。』
「オメガ幹部?!」「今回は二元連動管制方式でいく。エゼキエルを空っぽにするわけにもいかないしな。
ところでもう一人いたはずだが?」「ビリケンさんですかー?ドックで各メカの出撃前点検をしてますー。」

メカドック。カチャカチャ。「ヴォータンごっつうええキカイやな~。構造がシンプルで変型機構あらへんし。
ビークルロボやガオガイガーの複雑怪奇さに比べたら整備がラクチンや。」「はじめてのマシンでもわかるのか?」
「ロボットは基本はいっしょやもん。それにヴォータンは基本だけでできとるようなキカイやから問題あらへん。」
パタン。「これでトレース反応速度は0.0005secほど向上したはずや。シンクロ率も0.08%程度は上がるで。」
「さすがだな・・」「基本の整備がしっかりしとるおかげや。整備長のまるヨはんとやら、ええ腕しとるで。」
「おーいビリケン、トコロテンの改良は?」「もう済んどりますで。空間プログラムは科学部から預かってきた
バージョンアップ版に上書きしといたきん、ローレンツ面の空間係数は三倍増しで迷宮化しとります。世界中の
コンピュータ総動員しても、脱出に三万年はかかるはずですねん。」「もう破られる心配はねえわけだな。」

タッ。ゴオオオーッ!「美鈴さん、甲板上へ出ました・・って?!」「マッハ2で飛んでるのに!」「普通なら
出た瞬間に風圧で吹っ飛ばされてるはずなのに・・」「そんな・・そよ風をうけてるみたいに平然と!」
「美鈴さんて・・人間?」『君たちは雨師というものを知らないのだな。』「雨師?」「さすがに第十とかち合った
経験はありませんが・・」『考えようでは美鈴くんは部隊で最も恐ろしい存在かもしれん・・まあ見たまえ。』
シャン!「タイフーンの8x10の十八乗ジュール!」・・モクモクモク。「これは?!・・急激に気圧が!」
ゴロゴロゴロ・・「雲が・・どんどん成長していく!」「低気圧・・いえ、これは台風になるわ!」ピシャーン!
「まさかミリィさんが?!」『そうだ。雨師・美鈴は気象を自在にあやつる。台風や竜巻も例外ではない。』
「気圧852ヘクトパスカル・最大瞬間風速120mの大暴風雨よ!」『本艦ほど巨大だとビクともせんが・・』
ビュオオオーッ!「これでシャンバラ上空は暴風雨。強風と落雷による磁場撹乱で空中戦力は半減するわ。」

『トレーズ様、上空の天候が荒れてきました。』「きましたね。」「全防衛戦力は第一級戦闘態勢へ。始まるぞ。」
♪ビーッ!『総員第一級戦闘態勢!哨戒中のアグニとグロイザーはシャンバラ上空に集結せよ。原生魔人は
海上防衛のため出動。上部ドーム浮上!』・・ザザザザアーッ!『幽霊艦隊、出撃!』ガコン。ゴゴゴゴ・・
『つづいて原生魔人、出動!』ズシンズシン!フォッフォッフォッフォッ!ダダダダ!アエエエエーン!
「ブンドル、君ならどう攻めます?」「荒天に乗じて接近するとみせかけて注意を空に引き付け、そのスキに
海中から忍び寄るな。」「と、あちらも考えているでしょう・・だからその案はありません。」「さすれば?」
「目的を考えましょう。何をもって作戦成功とすべきかを。」「・・シャンバラ内部への侵攻か。」「そのとおり。
それにはでかい戦艦など無用の長物、その身ひとつあればいいことです。となると・・」「・・戦艦は陽動か。」
『私の出番のようだな。』カツカツ・・「そのとおりです伯爵。内部の守り、お願いします。」「承知。」キラッ。

ザウバーフレーテ。「GAGA、敵の陣容は?」『サテライトによると幽霊艦隊・アグニ2・グロイザー3・それに
バルタン・ダダ・呉呪羅の原生魔人だ。』「ではこれより作戦を開始する。全員戦闘配置!」♪ビーッ!ビーッ!
「こちらヘルムズマンのジュリア。全員マイナスGおよび急激なプラスGに備えてください。そんじょそこらの
絶叫マシンじゃ味わえないキツいやつなので、最初にごめんなさいしておきます。降下まであと5秒!」
「全砲門発射準備よし!ターゲット、ロックオン!」「全巨大戦力と航空部隊、発進準備完了!」「秘密部隊および
特戦隊、出動配置!」「いよいよ決戦だ!」『ザウバーフレーテ降下。』「よーそろ!」グン!・・ゴオオオーッ!

ゴオオオオーッ!『ひどい嵐だね、ダダくん。』『そうだねバルタンくん。これに乗じて敵はまちがいなく来るよ。』
『この程度で目くらましのつもりか。ムダなことだ・・ん?』ヒュオオオ・・シーン・・『台風の目に入ったか。』
ゴゴゴ・・『・・なんだ?』・・ボゴオオオーン!グラグラッ!『なにっ?!グロイザー3号機が!』『敵襲か!』
『敵はどこだ?』ボゴオオッ!ドドオオオーン!『グロイザー2号機まで!・・そうか、真上か!』・・ドドドドド!
『やりおる、真上から垂直降下でやってくるとは。』『全ヘルメス戦闘機隊はグロイザー1号機の管制に従え!』
『さらに増援だ。』クワッ。『ゆけい、マグマ・ダコーダ軍団!』ボオオオーッ!・・ダコーダ!ダコーダ!

「ダコーダの増援です!」『かまうな!作戦どおりに!』「よーそろ!」「海面まであと1000・・800・・いまよ!」
「上げ舵いっぱい!艦首姿勢制御スラスターおよび垂直ブースター全開!」ググッ!ピピピピピッ、バシン!
ドドドドドーン!ドパアアアアーン!・・ズザザザザーッ!『あの巨体でなんというムチャな機動をかけるか!』
「前方に幽霊艦隊!」『このまま蹴散らせ!』「ザウバーフレーテがダテにでかくないことを思い知りなさい!」
ドドドド!『幽霊艦隊に突撃するコースだよ!』『いかん退避しろ!いや、迎撃だ!』『もはや間に合わん!』
ゴオッ!・・ドパアアアアーン!『やられた!転覆だよ!』『まさか巨体によるウエーキを武器にするとは!』
「40%を壊滅!」『第二段階だ。降下部隊!』「海面まで5m。強襲揚陸艦、投下!」ガコン!ザパアアーン!
「巨大戦力班、後部ハッチより降下してくださいー。あと12秒ですー!」『了解。降下準備態勢で待機中。』

『突っ込んでくるよ!』『残存艦は体勢を立て直して攻撃に』ドドーン!ゴゴゴゴ・・『なにっ?!撃沈だと!』
ドカーン!ドドーン!『バカな!・・あれは?』ゴバアアアアーッ!『ぬう!オメガのアイアンロックス!』
「ドンピシャ計算どおりに到着!」「ザウバーフレーテがブリッジかすめたときはさすがにコワかったけどね。」
「幽霊艦隊の残りはまっかせなさーい!フレイア!」「方位・射角よし!ていっ!」ドドーン!・・ドカーン!
『そうか!あのムチャな降下はアイアンロックスの接近音を撹乱するためもあったか!』『なかなか切れるね。』
ドドドドド!『体当たりか!伏せろ!』ババッ!ゴオオオオーッ!・・『・・む?行き過ぎたのか?』
「そうではない。」グワシャアッ!「・・これが目的。」ズズーン!「僕たちを降ろすためにね。」ザシャッ!
「再生怪人はあっさりやられちゃうのがお約束よ!」ドドーン!『なんと?!ヴォータンと三魔神獣か!』
「それだけじゃないよ!」ガキィィーン!『天竜神だって?』『まあいい。まとめて葬れば手間もかからん。』
「俺はダダをやる。天竜神はバルタンを、SSSは対空!」『了解!』『なに?!・・この俺をシカトするとは
いい度胸だ!』アエエエーン!【そちらの相手はこちらだ。ドリルロッド!】ザパアアーン!ドスドスッ!
『なにいっ?!ドリル鞭・・螺旋か!』グン!ズズズーッ!『なんと!海へ引き込むつもりか!』ドパーン!
『呉呪羅が海に!』『分断されたか。・・まあいい、どうせあやつとの連係は考えてはおらんかったしな。』

『敵巨大戦力、シャンバラ上部甲板に降下!陸戦開始!』『呉呪羅と螺旋は水中戦に。』「おかしいですね・・
他の戦力は降下しなかったのですか?」「敵艦の映像をスロー再生せよ。」ジジジジ・・「幽霊艦隊を蹴散らして、
接近・・水面下が波で見えぬか。」「巨大戦力は離水と同時に発進してますね。となると、やはり水面滑走中に。」
「各部署、異常はないか?」『こちら保安センター。現在異常は感知していません。』「・・静かすぎますね。」

カツカツ・・バッ、わしっ!「?!」ゴキュッ!・・ドサッ。『第八ブロック、状況を知らせ。』「はいこちら
第八ブロック、異常ありません。」『了解。ひきつづき警戒を。』♪ピッ。「な~んてね。・・葵、そっちは?」
「制圧しました。」「オリヴィー、他には?」「・・だいじょうぶ。この区域に生体反応はないわ。」「監視カメラの
所在と配線は判明しました。」「ここの壁面端末から入れるわね・・ナミ。」「まかせて。」タン!ズボッ!・・
『よし。全監視カメラ映像を通常のものに固定しました。首振式も周期映像にしたから、しばらく気づかれる
心配はないです。』「全員降りるぞ。」ゾロゾロ。「ポルコ、出るぞ。」ブロロロ。「火星人とタイラント、ゆっくり!」
ガキョンガキョン。「管制システムはこのジェットモゲラのユニットに接続させてもらえます。」カチャカチャ。
「ついでにモゲラの留守番たのむわ。強襲揚陸艦モードだと他に使い道ないから。」「護衛は「無名」がします。」
「帰り道はちゃんと確保しておくから安心してくれ!」「・・」こく。「ここが本陣だ・・敵は近づけさせん。」
「しかしよく気づかれずに入れたわね。」「これだけでっかい穴を開ければ、普通は気づかれると思うが。」
「芹香さまの「サイレンス」の魔法のおかげでですわ。」こく。「くわえて今回は振動の無い特殊ドリル付よ。」
「各部隊はそれぞれのターゲットを攻略してください。やり方はまかせますが、なるべく気取られないように。」
「それなら陽動かけたほうがいいんじゃねえか?敵の目もそっちヘ向いて、他の連中もやりやすくなるだろ。」
「やってくれますか、リオン?」「あたしに静かにやれってのがハナから無理難題でしょ。」「リオンらしいわね。」
「ではこれから三分後に花火を打ち上げてください。ナミ、リオンのところだけカメラを復帰させられますか?」
『その他が欺瞞映像だって気づかせないためにもいい手です。』「では成功を。・・散開。」こく。シュッ!・・

「・・ロンギヌス。」シュバッ!・・ズドドドドーン!・・パシッ。「ヘルメス六機撃墜・・つぎ!」シュバッ!
「ダモクレス、いけっ!」ブン!ビュンビュンビュン!ドカドカドカーン!・・ガキッ「これで三機!あとは」
「セカン!直上にアグニよ!」はっ。ラァ・・ラァ・・シュバッ!「ポジトロン砲など!ミラー・クロス!」
ばっ!ピキピキ・・シュドンッ!「ぐううっ!・・いけえええーっ!」グググッ!・・シュバアアアーン!
ドゴオッ!・・ドンドンドン!ドカアアアアーン!「ミラーコーティングしたダモクレスで反射して撃墜?
セカンやるじゃん!」「ドクターが機能追加してくれたおかげだよ。」「負けてらんないね。カルネアデス!」
シュバババッ!ドカドカーン!「対空誘導ミサイルよか精確でしょ?次はそこのグロイザーよ!捕縛!」
シュバッ!ギリギリッ、ギシイッ!「切り裂け!」キュイイイイーン!バリバリバリッ!・・ドカアアアーン!
「・・残りはわずか。」「あとひといきね!」「ザコはザウバーフレーテが片づけてくれてる。ケリをつけよう!」

「対空ミサイル!」シュドドドドッ!・・ドカドカーン!「後方に敵機!対艦ミサイルを撃つ気よ!」ドカーン!
「あれ?・・落ちちゃった。」キュオオオーン!「恐竜戦車のお手柄よ!」「後甲板に配備しといてよかった~。」
「火器管制から独立して自己判断で迎撃してくれるから助かるわ。ちゃんと死角を守ってくれてるし。」
『残る航空戦力は多くない。艦載機を。』「無人戦闘機ナハトムジーク発進!目標はマグマ・ダコーダ編隊!」
タタタタ・・「よいしょ!炊き出し持ってきました。」「・・おかかと炊き込みおにぎりとお茶。」ゴトン。
「ひばりちゃん、つばめちゃん?!なんであなたたちが?」「Gエンジェルズは出動態勢で待機のはずでしょ。」
「待ってるのもつらいんで、少しでも役に立てたらと思って。」「・・ヒマだったからジャンヌさんに頼みこんで。」
「えらいね。」「近頃にない出来た子たちだわ。」「作戦艦橋にも持ってった?」「すずめちゃんたちが行ってます。」
作戦艦橋。「戦況はどうですの?」「原生魔人とのバトルが始まるところだ。ちょうどいい、見てけや。」もぐもぐ。
「ヴォータン対バルタン、天ちゃん対ダダ、マニプーラ対呉呪羅か。初顔合わせだな。」「相撲やあらへんて。」
「これが戦力比較算定の結果、最適の組み合わせですー。」「人事はここまでね。あとは天命にまかせましょう。」

『いくよボロロボット!』「単純こそ最強と教えてやろう。」ガキイッ!ギギギギ・・「トルネードナックル!」
ギュルッ!ゴキイッ!『ぎゃあっ!手首が!』バッ!「ほう、脱臼する関節があったのか。」『ぐうう・・怒り面!』
ガキン!『憤怒火炎!』ゴオオオオーッ!「この程度の炎で・・なにっ?!」ドロドロ・・『五万度の火炎だよ!』
「いかん!ヴォータンの装甲は二万度までだ!」ダッ!『ロボットごと鎔かしてやるよ!』ゴオオオオーッ!
「くうっ!このままでは内蔵ミサイルが誘爆する・・そうか、その手があった!ミサイル全弾発射!」バカッ!
ヒュドドドッ!『ミサイルなど高熱火炎でイチコロさ!』「どうかな?全弾頭自爆!」カッ!ドカドカアアアーン!
『なにいっ!・・自爆で火炎を吹き飛ばした?!』「ブーストダッシュ!」ヒュィィーン・・ドグオオオーッ!
ブワアッ!『爆煙の中から?!・・うわっ!』ガキイイーンッ!「頭部ヒット!」ギギギギ!『ぎゃあああーっ!』
メキメキ・・「・・必殺!トルネードフィンガー!」ギュイン!『ほげえっ!・・』ゴキゴキイッ!・・ガクッ。
ぱっ。・・ユラッ・・ズズゥゥーン!「首を三回転もさせられては、いかなダダとてくたばるだろう。」

『ビークルロボごとき!シザーズバルカン!』フォフォフォフォ!ズドドドドッ!「防衛光壁!」グィーン。
ピカッ!シュバババッ!『なにっ?!・・電磁防壁か!』「こっちも経験積んで応用が効くんだい!烈光斬!」
ピィィィーッ!『スペルゲン防壁!』バカッ!シュゥゥゥ・・「やるね。ならばこれはどう?スパローミサイル!」
ガチャガチャッ、ドヒュヒュヒュッ!『ミサイルなどシザーズバルカンで撃ち落としてくれる!』ズドドドドッ!
ドカカカカーン!『どうだ!全部・・』ドドドドオオオーン!『ぐおおおっ!』ダダダーン!「ミサイルは前から
だけとは限らない。自己誘導式は後ろからも来るよ。」『ぬおお・・ぬかった!』ダン!キイイイーン!『飛んだ?
逃がさない!スクランブルダッシュ!」シャキーン!ドオオオーン!『なにっ?!飛行能力まで追加されてたか!』
「ちよちゃんトコロテンを!」『わかりましたー。座標合わせよし。上甲板大型ミラーカタパルト、シュート!』
シュバアアーン!「座標軸固定。」ゴォォォ・・「ツール・コネクトッ!」ガキィィーン!『あれは・・まさか!』
「ローレンツ・キューブ改!ターゲット測定よし。グリッド展開!空間キューブ形成開始!」シャキシャキーン!
ズズズズ・・「磁場急速移動!キューブ射出!」シュバッ!『なんだ?!』ガギイイイーン!『ぐおおおーっ!』
「新型は射出してキャプチャーも可能なんだよ。」『これは!・・抜けられん!』ドンドン!「改良点その二!」
グッ、ジャキッ!「メーサー砲塔・電磁フィールド形成!」ヴン!ボォォォ・・「これでローレンツ面を突けば
空間縮退速度は数十倍になる。・・虹と散れ!オーヴァー・ザ・レインボオオオオーッ!」ドコオオオオーン!
ブオオオオオーッ!『そんなバカなあああーっ!・・』ゴオオオオーッ!・・フッ・・「素粒子還元完了。」

そのころ海中。ゴポゴポ・・『この呉呪羅に水中はハンデにならぬ。』【そんな姑息なことは考えてなかったな。】
ゴオオオーッ!【あっ、いぐあなさんだ。】【海イグアナにしてはちょっと肥満体かな。】『ええいうるさい!
放射火炎!』シュゴオオオーッ!ボシュッ!『どうだ!・・なに?』ぽんぽん。【やはり水中では熱量がかなり
落ちるな。】【いいゆかげんだね。】『これでも数千度はあるはずなのに?!』【ではこちらもいくぞ。回転!】
キュイイイーン!ズゴゴゴゴッ!『潮流が?!・・ドリルか!』【受けよ創世の渦!】【びしゅぬ・じぇねしす!】
ドゴゴゴゴーッ!『ぐおおおおーっ!・・この手がある!』くるっ。シュルルルッ、ズボオッ!【抜けただと?】
『スキあり!シッポ攻撃!』ゴオッ!バシイイイーン!【くうっ!】【きゃああっ!】『渦を脱出するには身体を
丸めれば、あとは遠心力で抜け出せる!』ガキイッ!【しまった!】【つかまっちゃった。】『この近距離からなら
熱量の減衰もなかろう。死ね!』カッ!ボオッ!【・・これだ!頭部ドリル!】キュイイイーン!【でりゃあっ!】
グボオッ!『ふごおおおっ!口の中に!』【チャクラ、決めるぞ!】【うん。さいこばーすと!】キィィイイイッ!
【必殺、シヴァの輝き!】『バカな・・!』グモモモモッ、ボゴオオオオーン!・・クタクタッ・・【頭部ドリルに
チャクラのサイコ・バーストを収束して叩きこむ隠し技だ・・皮は残ったか。】【おっきいさいふがつくれるね。】

作戦艦橋。「敵表面戦力、掃討完了です。」『巨大戦力を引き上げさせてくれ。』『・・全員収容および休憩後、
SSSは魔装鎧モードで内部侵攻第二隊に加わる。』「では俺たちといっしょだな。」「ボクたちも行くんですよね。」
すっ・・ひょい。「そこで少し作戦の変更をしたいのですが。」はっ。ぱくぱく。「ほう、オカカですね。」
『・・ええっ?!「闇」フォルスト導師!』「すみません。おいしそうなのでついつい手が出てしまいました。」
「あ、あの、お茶です。」「ひばりさん、これはどうも。」ズズ~ッ。「ふう・・つばめさん、もう一ついいですか?
ここに来るのにけっこう手間かかりましたのでペコペコです。」「え?・・はい、どうぞ。」ひょい。ぱくぱく。
「・・どうやってここに?」「その気になればいろんな手があります。」『「闇」どの、変更といわれたが?』
「私も同行します。」「フォルスト殿が?!」「いま一つ用事がありますので。お蝶さん、リオンさんに伝言か
何かありますか?」「え?いえ別に・・まさかリオンに?」「ちょっと渡さなければいけないものがあります。」

『これからのあらすじ~!』「ねえ、前の予告と内容ぜんっぜん違うじゃない。」「書いてるうちにピンチにさせる
タイミング逸したんだって。」「まあよくあることだけどね~。ジャ*プの予告みたいね。」「こらこら。(^^;;」
「次はインドアバトルだ!」「あたしたちも第二次侵攻隊としてユキ姉たちと合流するよ。」「部隊ごとに目標が
ちがうから多元中継は必至!・・作者の頭上に暗雲たちこめてるんですけど~。」「書くの想像してコワい考えに
なったんだって。」「均等に書くのが最低条件だからね。ひのふの・・あう~、こりゃ神様が降りてきてくれないと
地獄みるよ。」「字書きの神様って、立ての貝のあのヒト?」「茶川さんかも。」「誤変換で遊ぶな!」すぱああーん!
『あいとわ!・・ミヤビねえ?』「物書きの神様はジャンルによってちがうのよ。」「じゃあミヤビ姉のは?」
「ん~、文車妖妃かな。」「それミヤビ姉のことじゃ・・」「由良由良都古留部!」ドゴドゴッ!「はわ、はわ・・」
「次回第三章「攻 - Terminator -」フレイア、いっしょに。」「は、はい!」『うおおっす!』「む、ムーン姉は?」
「打撃で死ぬタマじゃないでしょ。」「あいた~・・え?もう次回予告終わっちゃったの!」「ほらね♪」
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