勇者神ガオガイガーG   作:風雲再起

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♪ザン!
「ねえねえルリちゃん、あかりちゃん。こんなの考えてみたんだけど?」「はい?・・これは面白いですね。」
「これいいですね~。ぜひやりましょうよ。」「ヒトの料理をさんざかマズイってゆーなら、作ってみせてもらおー
じゃないのね。」「でも事実です。・・それはヌキにしても、楽しい企画になりそーですね。」フッ。「町会長さんに
電子メールで連絡をとりますね。ん~と・・[email protected]か。」カタカタカタッ。「艦長、企画書ファイルを。」

「あら~、お手紙だわ~。え~と・・これはいいわね~。さっそく町内会委員の方にかけあいましょう~。
え~・・これとこれとこれね~。文面は~・・」カタカタカタッ。・・意外と機械に強いママさんであった。

記録外ミッション14「料理は心だ!」

「なに?クッキングバトルだと?」「しかも男性限定です。」ポリポリ。「GGGにも出場のオファーが届いてますが、
どうします長官?」「・・よおおおーしっ!」ゴオオオッ!「な、なんですか?(^^;;」「ふっふっふ・・この
機会をどれほど待ちこがれたことか。」「ちょ、長官?」「いままで誰にも言わなかったが、私はフランス料理を
作らせれば天下一!ついに腕をふるうときがきたっ!」「はい、長官は出場ですね。」カタカタカタ。「猿頭寺!
俺を忘れちゃ困るぜ!」「さ、参謀?」「フランス外人部隊で野戦料理の雄といわれた俺さま!チャラチャラした
見てくれだけの幸ちゃんの料理なんかにゃ負けないぜ!」「ぬわんだと激!ならば勝負だ!」「はい、参謀も参加。」
「うっわ~・・すごいことになっちゃった。」「これはおもしろそーデース。」「凱は出ないの?」「そうだな・・
いつも夜食作ってるのは俺だしな。・・よし、出てみようか。」「そうこなくっちゃ!」「獅子王凱と・・登録。」

「なに?料理対決だと?」【ウチに出場依頼がきてるが、どうする?】「出場予定・・獅子王凱だと!よし!
私も出る!」「ジェイ、お料理作れるの?」「ふふふ・・心配するな。ピッツア時代に持ち回りで食事当番を
していた。けっこうウケてたんだぞ。」「・・外道なゾンダリアンだったのね。」【ちなみに私もした。なかなか
面白いものだったぞ。】「じゃ、出場手続きするわね。」「フランソワーズ、ぼくもだ。」「えっ?・・ジョーも?」
「どういうことだ?」「こう見えても赤の星では名シェフで通ってたんだぞ。」「そーだっけ?・・ま、いーか。
あんまし目立たないジョーが珍しく積極的になってるんだから。」「これは面白いものになりそうだな。」

「うわっは~!料理対決か~。」「マモルくん、出てみたら?」「え~?ボク料理作れないよ。」「お母さんに教えて
もらえばいいじゃない。私だって教えてあげるから。」「そう?・・じゃあやってみようかな。」「やりい!」
「・・料理か。」「戒道くんは出ないの?」「う~ん・・母さんの手伝いでたまには作るけど。」「私・・戒道くんの
料理って食べてみたいな。」「すみれちゃん・・よし、出てみよう。うまく優勝できれば賞金ももらえるし、君や
母さんに何かプレゼントできるだろう・・」「ふふっ、優しいのね・・そういうところが好きよ。」「・・」ぽっ。

「ただいま。」「あっ、ンドゥーネ様。面白いメールが来てますよ。」「なんですか?・・審査員?」「町内会からの
要請です。今度の日曜日、Gパークでやる料理大会で私たちに審査員をしてくれと。」「・・なんでウチに?」
「知らないんですか?私とンドゥーネ様、ネオGアイランドシティーでは超有名人ですよ。」「・・えっ?」
「あちこちの大会に欠かさず出場しては上位に食いこんでますから。今日も街頭で女子高生にサインをねだられ
ましたよ。」「あらあら・・情報収集が目的でやってたつもりですが。」「・・ホントにそれだけですか?」「う"・・」
「・・まあ顔が売れてるってのはいい面もあります。おかげで仕事もバンバン入ってきますし・・どうします?」
「やりましょう。ここまできたら、毒食らわば皿まで。」「刹那的ですが賛成です。では返信を。」カタカタ。

GGG大食堂。「なんだって?練習したいっていうのかい?」「たのむよメイ。カンを戻したくってよ。」「へえ・・
ゲキの料理ってのは味わってみたいもんだね。いいよ、好きなネタ使いな。」「ありがとよ!まずはメイに味見を
してもらわなくっちゃな!」「ふふっ、あたしのエプロン貸そうか?」「持参してきたぜ。」バサッ。「わはははは!
迷彩エプロンとはね。」「そんじゃいくぜ!」ズダダダダッ!ジャンジャンジャン!「お~お~、やるやる!まさに
軍人料理だね。雑だけど野生味あふれるフライパンさばき!」ジャーッ!「ほれできた!」「どれ・・」パクッ。
「・・うん!文句なし!あたしが嫁さんにもらいたいくらいだよ!」「そうかぁ?わっはははは!」

天海家。ジャーッ。「できた!」「さて~、どうかしらね~。いただきま~す。」ぱく。「・・おっけ~い!お塩も
コショウもいい具合~。」「うわっは~!」「どれどれボクにも。」ぱく。「・・うおっほ~!ママの次にうまい!」

大河家。(をや?)ジャーッ!「パパ、できましたの?」「うむ。さっそく試食してみてくれ。」「おっし!んじゃ
ダイニングへ運ぶぜ。」カチャカチャ。「うわ~、すごいすごい!」「・・おいしそう。」「どうだ?いつもは
お前たちにまかせっきりだが、たまにはこういうのもいいものだろう。」『いただきま~す!』ぱく。「・・うん!
これはおいしいですね。」「オヤジ、なかなかやるじゃん。」「・・おいしい。」「パパにこんな才能があったなんて。」
「昔ママと一緒にESA(欧州宇宙機関)へ行ったときにだいぶ食べ歩いたからな・・」「・・パパ、まだ未練が
あるのね。」「・・ああ、少しはな。だが今はお前たちがいる。ママはすばらしい宝物を残してくれたよ・・」
「再婚はまだしねえのか?」「さ、再婚?!」「知ってるぜ・・総裁秘書の桜さん。」「桜さんなら私も賛成です。
私たちはもう自立できるからだいじょうぶ。パパも自分の幸せを求めるべきですわ。」『さんせー!』「四人とも
もうGGGで働いてるから心配しなくていいよ。」「艦攻部だったな。直接戦闘する部署ではないから親としては
安心できるが。」「前部長のユリカさんがいなくなったんで大変なんですから。あの方はふだんは頼りないですけど
いざというときの対応の早さと的確さはGGGでも指折りでしたわ。」「ぶちょーがいねえと、ホント大変だぜ。
オヤジ、ぶちょー戻すかおねえを部長につけるか、はたまた人材入れるか、考えてくれよ。」「ふむ・・しかし
あれほどの人材はそうそうな・・」「・・ひとりいます。」「なにかね?」「シティで有名な経営コンサルタントの
御堂音かすみさん・・かなりの方だと。」「むっ!・・彼女か。」「パパ、知ってる?」「うむ・・ちょっとな。」

「さて!今日はお日柄もよく、スッキリ日本晴れ!いよいよ世紀の決戦、ネオGアイランド杯クッキングバトルが
始まります!実況は私、もうすっかりおなじみの御統ユリカと」「猫田ルリでお送りします。さて、今日のゲスト
解説者は」「ジェイだ!ソルダートJ!・・でしょ?」「ちがいます。ジェイさんは今回は選手ですのでダメです。」
「じゃあだれ?」「私の友人を本場フランスからお呼びしました。どーぞ。」「おっす!ルリルリおひさ!」
「えっ?・・あなたはリオン・レーヌさん!」「そのとーり!ヨーロッパの守護月天・・じゃなくて守護神!
リオン・レーヌここに参上!」「ようこそ獅子王ルネ子さん。」「ちがーう!リオン・レーヌよ!それにルネ子じゃ
ないってば!」「おっとそろそろ時間のようです!」「それでは選手にゅーじょー。」「人の話を聞けぇぇぇーっ!」

♪ザンザカザンザカザン!「「料理のO人」のテーマ曲に乗って入場してきたのは、まずは大河長官!ウワサに
よれば、フランス料理の腕は四つ星シェフに匹敵するとか!」「あの人はヨーロッパ長かったそうだからね。」
「次に火麻参謀。戦場で培った野戦料理のエキスパートと聞いております。その腕はホウメイさんも認めるほどと
もっぱらのウワサ。」「へぇ~、あの参謀がね。人は見かけにはよらないってことね。」「そういやさ、ホウメイさん
とのウワサって知ってる?」『・・ええっ?!』「かんちょ、それホントですか?」「だって参謀もホウメイさんも
独身でしょ。年令的にも近いし。」『・・う~ん。』「・・ありえますね。」「あのモヒカンゴジラとホウメイさんか・・
案外いい組み合わせかも。」すぱこーん!x3『あいた!』「バカタレ!実況放送でミョーなこと言うんじゃないよ!」
『すんませんすんません!m--m』「で、ホントのところはホウメイさん?」「そーだね~・・想像にまかせるよ。」
「・・それって肯定的発言と取っていいんでしょうか?」「ふふっ・・ノーコメント。」『う~む・・』

「さて!次は獅子王凱さん!」「でも命さんがアレですから、ある面でけっこー不幸な方かも。」「そうかもね~。
けど愛する人と一緒になれたことでじゅうぶんじゃない?」「・・リオンさん、意外とロマンチストなんですね。」
「あら知らなかった?これでも心情派なのよ。」「ポルコが聞いたら卒倒しそうですね。」「ケンカ売ってんのか!」
「さて次は天海護くんです。(聞いてない)」「きゃーっ!マモルく~ん!」『え"っ?!(びっくり)』「う~ん、
マモルくんはいつ見てもカワイイわ~。」「・・ねえルリちゃん、リオンさんて・・」「・・ショタコンです。」
「しかしこないだはもったいないことしちゃったな~。一晩泊めてあげればよかった。そしたらあーしてこーして
ひさびさに楽しめたのにな~。」「・・護くん、けっこーピンチかも。」「この場合ってやっぱ児童福祉法違反かな?」
「それよりいんこー罪が適用されますね。」「そんなヘマしませんって。キモチよくしてあげるんだもの。」
「それちょーヤバいってば~!(^^;;」「・・(ちょっと想像)・・いーかも。」ぽっ。「ルリちゃんまで~!」
「もーそーはこれくらいにして、次は戒道くんです。」「うくっ!・・これもいーかも。」「リオンさんってば~。」
「マモルくんとはタイプちがうけど、それはそれでXXしてYYして・・」すぱーん!「放送禁止ですよ。」
「あいた~・・ごめんごめん。最近ごぶさたでさ~。」「あとでシティのいいボーイスポット紹介したげますから。」
「ホント?!じゃ、ガマンする。」「ルリちゃん・・知ってるの?」「はい。ボルフォッグさんに聞きました。」

「さて次はみなさんお待ちかねの!」「ジェイだ!ソルダートJ!」「お約束のツッコミ口調とともにジェイさんの
入場です・・かんちょもわざわざ一拍置くあたり、イキピッタリですね。」「そりゃもう!だって付き合い長いもの。」
「ウワサではジェイさんに積極的にモーションかけてるようですけど。」「えっ?!ユリカってあんなのが好み?
シュミわる~。」「ショタコンさんに言われたくないわよ!」『ギギギギ!』「・・この二人、相性よくないですね。
最後はジョーさんです。」『・・だれ?』「カゲがとってもうすい方ですが、Jカイザーになくてはならぬ方です。
彼の参戦によって反中間子砲とメーザー砲の的中率が90%を切ることはありえないとか。」「へぇ~、けっこう
ハンサムなのにね。」「他のみなさんが個性強すぎだもんね~。」「とゆーわけで、今回はがんばれるでしょうか?」

「さて、審査員を紹介しましょう。今回は私たち三人と、シティー代表として御堂音シスターズに来ていただき
ました。」ワアアアーッ!『すみれっ、ちゃ~ん!』『かすみおねえさま~!』「・・この人気はなんなの?」
「リオンさんは知らないか・・あの姉妹ってシティーのトップアイドルですよ。」「とゆーよりバラドルですね。
シティのほとんどのイベントに参加し、つねに上位に食いこむ健闘をみせています。」「それでいつの間にか市民に
顔をおぼえられちゃったってわけ。」「へぇ~。たしかにそこらへんのガキンチョやバカOLとは雰囲気が違うわね。
いい目をしてるわ。」「・・リオンさん、それって・・」「・・私たちのこと?」ぴくぴく。「さあね~♪少なくとも
ルリはちがうのはたしかね。」ぺろっ。「ぬわんですってえ!」「かんちょ、本番中です。」「わかってるわよ・・
暗い夜道には気をつけなさいよ。」「暗視システムつけてっからだいじょーぶ!」「ヤなやつ~!」「バカばっか。」

「それでは試合を開始します!「テーマ素材は自由。制限時間60分で一品作っていただきます。」「それでは!
アッレ・クイジーヌ!(本場の発音)」ワァァァーッ!「ついに調理開始となりました!はたしてどのような
料理ができてくるのでしょうか?」「はやくも凱さんがさばきに入ったよーです。」「でりゃああーっ!」
ズドドドドッ!「やるな獅子王凱!だが私も後れはとらず!はあああーっ!」ドルルルルッ!「ジェイさんも
エンジンがかかったあっ!」「二人ともなんて包丁さばきなの!」「まるで8000マグナムですね。」「あめえぜ!
戦場の料理はこうだ!」ゴッ!ズドオオオーン!「おーっと!ここで参謀がコンロに火を入れたあっ!」
「すさまじい火力ね。まさに料理は火力というのを実践してるわ。」「ここで長官が追い込みに入ったよーです。」
「火麻くんもなかなかだな!だが!本場で培った私の技を見よ!」グワッ!「ディバイディング・ミート!」
シュパッ!ズバババーン!「肉の塊があっという間にたべやすいサイズに切られたあっ!」「見事な腕だわ!」
「うわっは~!こりゃスゴイや!」「・・これは圧倒されるな。」「対して小学生二人はおとなしいもんです。」
「いいのよいいのよ~!カワイけりゃなんでもおっけい!」「・・そして一番地味なジョーさんですが。」
「懐かしいな・・昔はこうして料理してたっけ。」ちゃっちゃっ。ジュゥゥゥ~!「動きにムダがないわね・・
かれ経験者みたいよ。ユリカ、彼の経歴ある?」「え~と・・あったあった。フランソワーズさんからもらった
プロフィールが・・ええっ?!」「な、なに?」「彼って・・赤の星一番のシェフだったんだって!」『ええっ?!』
「・・これは意外な伏兵ですね。」「おもしろくなったわね・・大穴がいると盛りあがるってもんよ。」

「ぬおおおおーっ!」ジャンジャンジャン!「ふはははは!どうだ私のフライパンさばきは!」「やるなジェイ!
ならば!ハイパァーモォードッ!」し~ん・・「あれ?・・しまったあっ!人間に戻ったからハイパーモードが
できなくなったんだあっ!」どんがらがっしゃーん!「あいたたた・・凱さん勇者なのに大ボケかますわね~。」
「甘いわよ・・獅子王家の血にはもともとボケ体質あるみたいだから。」「ならリオンさんもそーですか。」
「やめてよ。あたしゃツッコミ体質。」「あ、マモルくんのズボンが落ちた。」「え~っ!どこどこ~!」カァ~・・
『・・やっぱボケ体質。(一_一』「う・・ふ、ふふん。ショタコンは高貴なシュミなのよ。」『はいはい。』
「どうした獅子王凱!サイボーグでなければ手も足も出ぬか!」「なんの!」スッ・・「むっ?・・この気は!」
「・・目の前の食材に全力集中!」ゴゴゴゴゴ!「・・見えた!しょう油のひとしずく!」ピチョーン。
ドーン!「なんと!」「できた!明鏡止水のXモード!」ドドドドド!「料理人心得その一!料理人の敵は自分!
味に限界などない!ただお客さんのために一品入魂!塩の一粒まで魂と心を込めよ!はああああーっ!」
ズドーン!「獅子王家秘伝!魂のさしすせそ!」「味つけに入ったあああーっ!」「・・このノリはなに?」

「そろそろ時間です・・そこまで。」『できたあああーっ!』パチパチパチ!「それでは試食にはいります。
審査員のみなさん、テーブルへどうぞ。」「やっと出番だわ~。」「今回はあまり目立たない役ですね。」「いえ・・
これから私たちが目立つ番ですよ、かすみ姉さん。」「ふふっ・・食に関してはちょっとうるさいですから。」

「一番手は私だ。それっ!」ドドーン!『おおっ!』キラキラ・・「いかがかな?プロバンス風・鹿のソテーだ。」
「わ~、肉が輝いてる!」「これは・・見事です。」「見た目は本格的だけど・・味はどうかな。」「む~。これは
見たことがない肉ですね。」「何でも高級なお肉らしいです。」「勉強になりますね・・」『いただきます!』ぱく。
「・・うっ、うまああああーいっ!」ちゅどーん!「・・すばらしい味です。」「うん!こりゃ文句のつけようが
ないわ!」「・・ビーフよりコシがあって味も深い。それにこのソースのマッチングが絶妙です。」「もうひとつ。
付け合わせのホウレン草ソテーにも技が生きているわ・・苦みをごくわずかだけ残し、濃厚なシカの脂に合わせて
マイルドなうす塩味・・テーマを壊さず、ひきたたせる名脇役ね。」『・・すごい分析力。』「こりゃ負けそ・・」

「では二番手は俺さまだ!」ズドーン!「・・これはなに?」「ゴッタ煮みたいね~。」「ブイヤベース・・違うわ。」
「・・この香りは寄せ鍋風ですね。」「む~・・これは良さそうですね。」『いただきます!』ぱく。「どうだ?」
『・・うっ!うまああああーいっ!』ズドドドーン!「なんて深い味わいなの!」「・・絶品です。」「すごい!
五つ星でもこれほどの味はないわ!」「なるほど・・数十種類の素材から取ったスープにショウガのアクセント。
さらに隠し味に酒カスですか。」「でも・・変ね?メインの食材は普通の肉ではありません。」「ぎくっ!」
「後学のために教えていただけませんか・・この肉はなんですか?」「え、え~と、それは・・逃げる!」ダッ!
「えっ?なんで逃げたの?」ごそごそ。「・・わかりました。これです。」スッ。『・・トカゲ~!』「さらに。」
「ぶっ!カブトムシの幼虫!」「そして。」「ぐっ!・・吸血ヒル!」ダダダッ!「あれ?みなさんどちらへ?」
『ゲロゲロゲロ~!』「わかりませんね・・こんなにおいしいのに。」「そうですよね。」もぐもぐ。

「三番手は俺だが・・ちゃんと審査できるのか?」「口直しになんでもいーから。」「では。」ズダーン!『おおっ!』
「ちゃ、チャーハン!」「獅子王家伝統の焼きメシだ。」「ぐったいみ!ご飯もの欲しかったの!」「もらいます。」
「日本はこーでなくっちゃ!」「へえ・・ふつうのチャーハンとは何かちがいますね・・」「香ばしいですね・・」
『いただきます!』ぱく。もぐもぐ・・『こ!これは!まさに日本の味!』「ご飯の一粒まで味がしみこんでる!」
「まるでご飯粒そのものがひとつの完成された料理のようです。」「いままで食べたチャーハンでもダントツよ!」
「これは・・火力ですね。米粒すべてに充分に火が通ってます。それで余計な水分をとばし、代わりにコショウと
しょう油で味を引き出す・・シンプルながら奥深い逸品です。」「このしょう油・・そうか!チャーシューを作った
ときの余りしょう油を使ったのね!材料をあますことなく使いきるこの心・・まさに素材に対する最高の敬意!」
「しかも、これには最高のスパイスが効いています・・そう、食べる人への愛情!」「これは俺がよく妻に作って
やるレシピだ。そのときと同じ心で今回も作った・・みんなが俺の愛する人だと思って。」『・・ステキ~!』

「四番手は私だ!」ドーン!「わっ!一転して豪快なカツオのステーキ!」「ビーフを使わずカツオとは・・
できますね。」「ほう・・珍しい料理のしかたね。」「これはユニークですね。」「タタキにせずにステーキとは。」
『いただきます!』ぱく。「うん!悪くない!」「・・火が強すぎましたね。持ち味が損なわれてます。」
「シロウトなら調味料でごまかされるとこだけど、本場の味を知ってる者にはバレバレね。」「・・いけませんね。
カツオが泣いています。」「素材に合った火加減・・極めるのは難しいけど、それができてこそ。」「むうっ!・・
私が精魂込めた料理をマズイというか!」「その「心」がありません。ジェイさんは凱さんと競うことだけを
考えてこの料理を作った・・ちがいますか?」「・・そうだ。」「その時点であなたは料理人の心、すなわち
食べる人への愛情を失い、いたずらにカツオを焼き殺した・・言ってる意味わかります?」「・・うむ。」
「・・わかっているならまだ見込みがあります。またいずれ食べさせてください・・ジェイさんの本当の料理を。」
「わかった・・感謝する。よくぞ私の心の乱れを見抜いてくれた。」「ルリちゃん、すっごい・・」「やるね~。」

「五番手はボクと」「僕だ。」『えっ?』「共同製作・・ですか?」「途中で同じものを作ってることに気づいたんで。」
「それなら二人で作ればよりよいものになるだろうということだ。」「ルールには共闘してはいけないなどとは
書いてありません。」「で、レシピはなに?」ドン!『ジャンボハンバーグ?!』「二人ぶんの材料を合わせて
作った特大ハンバーグです。」「む~ん・・こんなにゴツいハンバーグははじめて。」「火が通ってるんでしょうか?」
「芯が生だったらヤだな~。」「お肉が新鮮ならそれもいいんですけど・・」「・・いわばバクチですね。」
『いただきます!』ぱく。・・『こ!これは!』「えっ?!・・ハンバーグの中心は!」「・・ソースが入ってる。」
「しかもこのソースはあとから入れたものじゃないね。」「・・そうか!湯葉がカギね!」「まさに。焼く前に
パテの中心に湯葉で包んだソースを入れ、成型。焼きの間に液体のソースは容易に煮つまり、湯葉が吸い取る
肉汁と融合し、絶品のソースへと変貌する・・これは天才的な発想!」「うちのお母さんのアイデアです。」
「う~ん・・マモルくんのお母さんにお料理習いにいっちゃおーかな~。」「リオンさん、目的は別件よね?」

「最後は僕だね。はいどうぞ。」ドン!「・・ソーセージ?」「かわいい・・一口サイズですね。」「てことは、
一口で食えということだね。」「・・見た目はふつうのソーセージですね。」「わからない・・これの謎が。」
『いただきます!』ぱく。・・『むっ!むむむむっ!』「むぅぅぅ・・ごっくん。・・ふぅ、すごいよこれ!」
「びっくりしました。」「いや~・・これは驚きだわ。」「噛むとソーセージの中身がはじけて、おいしい肉汁が
口の中いっぱいに・・」「ふう・・かなりの圧力で詰め、なおかつ中心の汁気をわざと多くしていたんですんね。
それで炒めたときに中の汁が沸騰し、気化膨張・・あとは封を切られるのを待てばいい。」「斬新なアイデアですね。」
「これぞ僕の得意料理、爆弾ソーセージ。いかがでしたか?」『おみごと~!』パチパチパチ!

「さて、審査結果がまとまりました。優勝は・・」♪ザザザザ・・ザン!「ジョーさん!」パチパチパチ!
「リオンさん、講評を。」「やっぱアイデアだね。爆発するソーセージなんてとんでもない料理を思いつき、
しかも味は絶品。味だけなら大河長官の料理もいいセンだったけど、食べる人を楽しませるというサービス心をも
料理にもりこむジョーさんに軍配が上がったわ。」「ジョーさんには賞金100万円をお送りします。」「光栄です。」
「次に特別賞の発表です。」『特別賞?』「まずは「また食べさせてください」賞。獅子王凱さん!」「俺か?」
「アイデア点を除けばダントツの評価でした。ホント、また食べてみたい焼きメシでした。」「賞品は秋田小町
100キロ引き換え券です。」「これでまたおいしい焼きメシを作ってください。」「いつでもいいとも!」
「次は「教えてください」賞。天海愛さん。」「・・ええっ?!お母さんに!」「主婦ながら創意工夫に富んだ
すばらしい方です。賞品は本仕込みの生しょう油セットです。封を切ったら冷蔵してください。腐ります。」
「うわっは~!戒道は半分持って帰ってあげてよ。」「・・そうだな。どっこいしょ。」「それではこれで終わります。」
「次はどんなイベントで会えるかな?」「それは読者さんのリクエストしだいね。」『また会いましょう~!』

「はい放送終了!」『おつかれさまでした~!』ガヤガヤ・・「あまった素材はみんなでお持ち帰りしてください。」
「かんちょ、急がないといいものとられちゃいますよ。」「ぬかりなし!CMの間にちょろまかしてきてるわ。」
「マ・モ・ル・くん。」「はい、なんですかリオンおねーさん?」「あのさ~、今度の日曜日、おねーさんと
デートしない?」「すみません、その日は華ちゃんとお出かけなので。」「あらら・・先約済みか~。ならば!
かいどーくんっ!」「・・なにか?」「あのさ~。」「戒道くん、帰りましょ。」「ああ、すみれ・・ご用件は?」
「・・いえ、いいの。」「?・・失礼します。」「なによなによ~!いまどきの小学生はみんなカップルじゃない!」
「だから言ったんです・・はいこれ。」「ん?・・よし!ちょっと凱、GGGの端末貸して~!」「・・バカばっか。」

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♪ザン!
「ガンイーグル・ガンパンサー、起動します。」「おっし、起動。」ビィィィ・・「・・接続良好。」「・・クリアー。」
「おはよ、イーグル、パンサー。」「・・あなたは・・志保隊員。」「・・私たちの教師。」「ついに完成よ。たった
三ヶ月の教育期間だったけど、調子はどう?」「全回路良好です。」「全機能チェック完了。問題ありません。」
「よろしい。ボス、これで神種にも対抗できるようになるわよ。」「ご苦労さまでした。・・私をおぼえてますか?
ガングルー、ガンドーベル・・いえ、イーグル、パンサー。」「・・ボス。」「おぼえています・・私たちの過去の
メモリーを。」「あなた達には苦労をかけました。いままでは独立意志を持たぬAIでしたが、ついに超AIへの
グレードアップが完了しましたね。」「機体も装備も一新。旧ガンマシンの三倍増し程度のパワーはあるわよ。」
「そして超AIになったことで、あなたたちは私の指令がなくとも独立意志で戦えるようになりました。」
「独自の・・意志?」「・・いままで経験したことがありませんが。」「ま、おいおい馴れてきゃいいわよ。さて、
トレーニング場で稼動テストよ。」『了解しました。』「私が見守っております。ご安心を。」

記録外ミッション15「心」

ブロロロ・・「パンサー、調子はどう?」「バイクモード、全機能良好です。」「イーグルはどうなの?」『はい。
ヘリモードでの支障はありません。』パラララ。「それじゃいくよ。システムチェンジ!」『システムチェーンジ!』
ジャキーン!「ガンイーグル!」「ガンパンサー!」ザザーッ!「標的を出すわよ。まずは無反撃ターゲット。」
シュパッ!「攻撃開始!」「羽根手裏剣!」シュパパパッ!カカカカッ!「ワイルドクロー!」ジャキン!
「とおーりゃああーっ!」ズバァァーン!「おっけい!次は攻性ターゲットよ!」シュバッ!ズガガガガガッ!
『回避!』スカカカッ!「爆裂羽根手裏剣!」カカカッ、ズガーン!「てりゃあっ!」ズパーン!ズドドーン!
「よろしい!ボス、どう?」「まあまあです。だが実際の戦闘でどう動けるのか・・そこが未知数ですね。」

ザパーン。・・『・・上陸成功。』『ヲイル様の指令は緑の力を探知し処理すること・・いくぞオツ・ヘイ。』
『了解だ、コウ。』ササササ・・『これでは目立つ。人間に化けるぞ。』『ははっ。』グニュゥゥ~・・「・これでよし。」
「コウ、さっそく探知してくれ。」「待っておれ・・探査開始。」ビィィィ・・「・・地上と地下深くに二つか。」

♪ビーッ。『市内監視網が不審な三人組を発見。市民該当者なし、アクセスルート通過者に該当なし。』「むっ?
もしやゾンダリアンか?」「ボス、二人の実戦力を試す絶好のチャンスじゃない?」「そうですね。いちおう
メインオーダールームに確認しておきましょう。」・・『ボルフォッグ、現在機動部隊は最終調整に入っている。
できうれば諜報部だけで処理してほしい。また、敵が人間大の場合は機動部隊では無用な被害が出るおそれが
あるため、諜報部を優先させる方針だ。』「了解しました大河長官どの。それでは出動いたします。」
『ゾンダリアン識別のため、凱も同行させよう。凱、いいな?』『わかりました。「弁天」に向かいます。』
『志保くん、君は不慣れな二体を援護してくれ。』「りょーかい。諜報部忍者部隊も出しておきます。」

ササササ・・「コウ、地下のほうは警戒厳重で潜入は困難と判断します。」「わかった。では地上の方の目標を・・」
『そこまでです。』ハッ!『こちらはGGG諜報部です。所属と氏名を明らかにしてください。』「GGGだと?!」
「何かの間違いでは?」『おとぼけはなしにしましょう・・凱隊長。』『反応があるぜ。こいつらはゾンダリアン!』
「・・ばれたか。戦闘態勢!」グニュ~、ビシッ!『正体見たり。さあ何を話していただきましょうか?』
『何も話すことはない!』シュッ!『逃しはしません!』スゥ。「スカーレットムーン!」シュバッ!『おっと!』
ターン!スカッ!『三方へ散れ!』シャシャッ!「良い逃げ方です。各隊へ。行きましたよ!」『了解!』

シャシャシャッ!『・・まいたか。』「そうはいかないぜ!」ゴッ!『なにっ!』バキィィーン!『ぐおっ!』
ダダーン!『・・きさまは!』「獅子王凱!」ピカッ!『むうっ、それはカインの力!ならば好都合、このコウが
この場で消し去ってくれる!』「それはどうかな?いくぜ!」ダッ!『参る!』ダッ!バキィィーン!

シュシュッ!『・・あれは?!』ザッ!「ガンイーグル!」「ガンパンサー!」『突破するまで!』ダッ!
「羽根手裏剣!」シュバババッ!『この程度!湾曲刀!』ジャッ!キキキーン!「なにっ?!」『遅い!』ゴッ!
ズバァァァーン!「うわぁっ!」ダダーン!「イーグル!このお!ワイルドクロー!」ゴッ!『甘い!』キーン!
「止められた?!」『未熟なり!』ズバァァーン!「きゃあっ!」ダダーン!『その機体ポテンシャルでこの程度
しか力を出せないとは未熟千万!きさまらの技には魂が足りぬ!それでは私の敵ではない!ならば!』グワッ!
『さらばだ!』ビュッ!キィィーン!『なにっ?!』「ちょっと待ちなよ、あんた。」ギギギギ・・『むうっ!
人間の身で私の剣撃を受けきるとは・・何者だ!』「GGG諜報部副長、早耳の志保。おぼえといてね。はっ!」
キィィーン!『むっ!・・その棒は?』「あたし得意の七節棍。受けてみるかい?」チャキッ。『むう・・かなり
できるな、おぬし。」「あたしだけじゃないよ。」パチン!ザザッ!『ぬうっ!これは!』「あたしの配下、諜報部
忍者部隊「烈風衆」。いずれもあたしと同等のツワモノさ。さてどうする?」『むう・・爆煙!』ボーン!
『このオツ、また推参する・・さらばだ!』「・・逃げられたか。ま、いーか。」「志保隊員・・」「ありがとう
ございました・・」「・・たく、二人ともまだまだ未熟だね~。いい?実戦では相手がどう動くかなんて決まって
ないのよ。だから攻撃しつつも油断しちゃダメ。いつどこから反撃が来ても対処できるよう、常にセンシングを
忘れちゃダメよ。」『・・わかりました。』「さ、ボスを応援に行くよ!」シャシャッ!

「ブラッディークロス!」シュババババッ!『当たるか!』スカッ!「いい動きです。だが!ジェットワッパー改!」
シャッ!『回避!』「それはムダです!」ギュン!カシィィーン!『なんとおっ!ホーミングするとは!』
「これでおしまいですね。」『まだだ!』ギニュゥゥゥ~!「むっ!巨大化したか!ガンマシン集結!」『ははっ!』
「イーグルはここに!」「ドーベル参上!」「新三身一体はシンパレートを上げる必要があります。二人とも私と
シンクロさせてください。」「は・・はい!」「やってみます!」「まいります!」ダーン!『三身一体!』
バキィィーン!『うわああああーっ!』ダダーン!「くっ・・シンパレート82%。失敗です。」「もう一度!」
「今度こそ!」「いえ、今度失敗すれば三者ともバラバラになります。このままで敵を倒します!」チャキッ!
「ボス!私たちも!」「お供いたします!」「いえ、下がっていてください。あなたたちはまだ不慣れ。ここは私が
なんとかいたします。とおっ!」ダーン!『そんな小さい機体でこのヘイに勝てるとおもうか!』「大きさは
問題ではありません。要は頭!新フォッグガス!」ブシュゥゥゥ~!『むっ、霧か・・こんなものセンサーを
使えば・・なにっ!』ザザザッ!『電磁波撹乱物入りか!』「そのとーり。そしてあたしにはそんなもの関係ない。」
ビュッ!バキィィーン!『ぶはあっ!』ダダーン!『なんだ今のは?!』ビュッ!ズドオオオーン!『がはっ!』
「ふふふふ・・伊賀霞谷流、七節棍の味はどう?」シュルルルッ、パチン!『・・人間だと?』「ロボットだけが
GGGじゃないのさ。ボス!」「もらいます!」ゴッ!『頭上だと!』「ゾンダー核をいただきます!」『させるか!
ヘルサイズ!」ジャッ!「腕から鎌状の刃物が?!」『ぶった切る!』ビュッ!「そうはさせないよ!はあっ!」
シャッ!ガラガラッ!『バカめ、仲間にからみつかせるとは!』「これでいいのよ。はいっ!」グイッ!グン!
『なにいっ?!落下軌道が変わった!』スカッ!「覚悟!」ドスゥッ!『ぐはっ!』「おおおおおーっ!」グイッ!
ボコオオオーン!「核摘出!」「回収するわ!」シャッ!ガラガラッ!「それっ!」グイッ!ドスン!「おっけい!」
「志保隊員、協力を感謝します。」「なら猿頭寺部長に昇給推薦よろしくね。」「うっ!・・まあいいでしょう。」
「さて・・問題は」ちらっ。「お役に立てず・・」「恥辱の至り・・」「気にしなくていーのよ。誰だって最初は
初心者なんだから。おいおい馴れてきゃいいのよ。」「そのとおりです。凱隊長の応援に行きますよ。」

『むっ、ヘイが・・ここは退こう!』ダッ!「逃げるか!」『戦術的退却だ・・またすぐに会おうぞ!』・・
「・・逃げられたか。」「凱隊長、戦果は一つのみ、もう一体も逃しました。」「こちらも体勢を立て直す必要が
あるな・・いったん戻るぞ。」「ははっ。」「・・しかし、あいつが言ったセリフ・・カインの力を消す・・か。」

多次元隠密諜報艦「弁天」オペレーションルーム。「ゾンダリアンあと二体・・何が目的で侵入したんだ?」
「超推理AI「シャーロック」に聞いてみましょう。」『答えは簡単だよ。暗殺だ。』「暗殺だと?!」
『そのターゲットは緑の力を持つ者。すなわち凱隊長と』「・・護か!」「これはいけません!すぐに護隊員の
入院しているGアイランド総合病院へ行かねば!」「もし残りのゾンダリアンが護に気づいたら・・!」

「この建物か・・緑の力を持つ者がいるのは。」「いかがします?ヘイがやられた以上、長居は無用かと。」
「いや・・二つのうちどちらか一つでも消せば敵の戦力は半減する。我らの任務はそれで充分達成される。」
「そうですな・・ならば。」「一気に決める。合体するぞ!」「おう!」ギニュゥゥゥ~!グモモモモッ!ドドーン!

ブロロロロ!「・・あれは!」「ひとあし遅かった!全高40m!どうやら残った二体の融合体のようです!」
「いかん!やはり狙いは病院だ!」「間にあわない!」『この建物ごとつぶしてやる!』「そうはさせないよ!」
ザッ!『むっ?キサマは!』「あれは?・・病院の隣のビルに人影が!」「あれは志保隊員!」「おにーさん、
ちょいとあたしと遊びなよ。タイクツさせないからさ。」『さっきは世話になったな。』『オツ、どういうことだ?』
『少し借りがあってな・・こやつを先に倒さぬと致命打を浴びるぞ。』『・・わかった。』ズーン!「ふふっ・・
かかったかかった。」「いまのうちに接近します!」ブロロロ!「今度こそ!」「逃げちゃダメ!」パラララッ!
「さて、いくよ!」ダーン!『衝撃波!』ドン!「おっと!」スカッ!「狙いが甘すぎ!はいっ!」シュバッ!
バキィィーン!『くっ!だが効かぬ!』「やっぱ融合体ともなると、防御力も上がってるね。」シュルルッ、カチン。
『もはや人間ごときでは倒せぬわ!湾曲刀!』ジャキーン!『死ねいっ!』ブン!「いかん!」「あれはムリです!」
カキィィィーン!『なにっ!』ギギギギ・・「ガンパンサー!」「生身の志保隊員ががんばってるのに・・私たちが
がんばらなくてどうするの!」「そのとおりです!」シュバババッ!カカカッ!『ぐわっ!目が!』「ボクたちは
人間を守るために造られたのです。人間に守ってもらうなどボクたちの存在意義に反します!」「ガンイーグル!」
『ならばこそ我々は闘う!人々を守るために!』ダーン!「羽根隠れ!」シュババババッ!『見えぬ!』「影獣斬!」
ズババーン!『ぐはあっ!攻撃線が読めぬ!』「いまですボス!」「いまこそ三身一体を!」「イーグル、パンサー・・
わかりました!」ピピピピ・・「シンパレート100!」『三身一体!』ジャキーン!「キングボルフォーッグ!」
「やったね!忍者王キングボルフォッグ、完成よ!」「ここは彼にまかせてみよう。」「うん、凱あんちゃん。」

『むむうっ!これは!』「私が相手です。8000マグナム!」バリバリバリッ!『バリアー!』キキキーン!
「スクランブルサイレン!」♪ヒュウヒュウヒュウ!『なにっ?!バリアーが分解する!』「ムラマサブレード!」
ヒュルルルルッ!『なんの!湾曲刀!』ジャキーン!『とおっ!』カキィィィーン!ギギギギッ!『ふふ・・
衝撃波!』ブン!『砕け散れ!』ドン!「それはあなたです!ミラーコーティング!」キン!ポーン!『なにっ!
私に戻って・・』ズガアアアーン!『ぐはあっ!』ダダーン!「とどめます!必殺!大回転斬魔弾!」グッ、
ズゴゴゴゴゴッ!「おりゃあああああーっ!」『ぬおおおーっ!』ズバババババーン!「分離!」シュバッ!
「核捕獲!」パシッ!「二つめもよ!」パシッ!「イーグル、パンサー、お手柄です。」「合格だね。」

「やーれやれ。幸いに一気に合わせこめたわね。」「お手数をおかけしました。あのとき志保隊員が敵の前に
立ちはだかってくれなければ、かなりの被害が出たでしょう。」「ちょいとアイツの半分にインネンつけといたのが
うまく効いてくれたわ。おかげで注意がこっちに向き、ボスたちが来る時間を稼げたから。」「さすがは猿頭寺さん
の直下だけあるな。若いのにすごい戦闘力と頭脳だ。」「いや~、凱あんちゃんに誉められるとこそばゆいね~。」
「凱隊長、志保にはだまされないように。たしかに諜報部一のスゴ腕なのですが、とにかくゴシップの発生源で
あることないこと言いふらすのですから。」「あら、そんなこと言っていいのかな~。ボスのデバカメの決定的写真、
あるんだけどな~。」「なにっ?!どこから仕入れたのですか!」「忘れたの?あたしは旧GGGからのつきあいよ。
ガンマシンにちょっと細工すればたちまち・・」「本当ですかイーグル、パンサー!」「さあ?戦闘以外の記録は
バックアップ入ってますが。」「あの頃の日常データはぜんぶレストアしちゃったもんね。」「むむむ・・(-_-;;」
「あ、これよ凱あんちゃん。」「なっ?!・・おいおい、これヤバイよ。」「なんならスワンさんの入浴写真、
一万円で。」「・・できれば参謀部の」「ニヒ。これで凱あんちゃんの弱みげっとお!」「・・しまったあっ!」


外伝14-25話

♪ジャーン!(ドラの音)

「うわっは~!ここが香港か!」「うわ~、すっごい看板がいっぱい!」「・・さすが香港だな。」

(ンドゥーネ様、なんでこういう人選なんですか?初野さんはともかく、ラティオにアルマとは・・)

(しょうがないでしょ。商店街福引き一等の香港グルメツアー、五名さまなんですから。ならば気心の知れた

この三人が最良の選択です。)(まあ私がいるから親御さんたちも安心して送り出されましたが・・むっ?)

(なんですか?)(・・尾行されてますね。)(ボルフォッグですか?)(それもありますが・・人間もいます。)

(ほう・・全方位スキャン・・いました。)(あれは・・リオン・レーヌ?)(ヨーロッパ防衛担当がなぜここに?)

「現在のところ異常なし・・」「ボルフォッグ、ホントにあの二人が敵の首魁かい?」「はい、確率100%です。」

「それにしちゃ・・けっこう大胆な連中だね。」「あれほど大胆にやられては、かえって手出しが出来ません。

あの二人、かなりのキレ者です。」「こそこそするより、か・・確かにてごわい。・・面白い連中ね。」

 

記録外ミッション16「香港颱風」

 

「ときにヨーロッパ担当のあなたがなぜ私と同行を?」「ESトレインの便を間違えただけよ。しょーがないんで

たまたま一緒だったアンタの仕事のお手伝い。」「・・了解しました。(志保隊員の情報が真実なら・・護隊員が

あぶない。今回見張るべきは・・この方かもしれませんね。)「おっ、レストランに入るみたいよ。」「予約を

しておいた店ですね。どうやら昼の飲茶のようです。」「・・ねえ、これって経費で落ちる?」「大河長官と

猿頭寺チーフの了承は得ております。どうぞ中へ入ってください。」「ほんじゃ、行くか。」カチャ。

 

ガヤガヤ・・「ハフハフ・・小龍包がおいし~い。」「口の中があっついけどね~。」「おっとっと、汁がこぼれる。」

「つぶさないようにスプーンですくって食べるのが正解ですね。」「次は焼餃子と包頭にしましょうか。」

「いまんとこおかしな動きはないね・・フカヒレ焼売とアワビ蒸し焼き、それに金華豚包頭をちょうだい。」

 

「・・ただいま。」バタン。「おかえりなさい。特に異常がなかったようでなによりです。」「はい領収書。」

「さっそく転送して経理処理を・・なにっ?!」「ん?」「なんですかこの金額は!」「必要経費でしょ。」

「しかし飲茶だけでこれほど・・」「高級料理店だったからね~♪」ペロッ。「・・いちおう送っておきます。」

 

「さて、これからどうしよう?」「夕食まで自由時間にします。6時にホテルのロビーに集合です。」

「華ちゃん、どっか行きたいところは?」「んとね、信和中心。」「ああ・・旺角のあそこね。(^^;;」

「すみれちゃんはどこへ?」「え~と・・チムシャツイプロムナードかな。」「ほう・・風流だね。」「私は女人街で

いろいろ買うものがあるから、ごゆっくり~。」「あら、三方に分かれちゃった。」「いかがいたします?」

「そうね・・護くんの方はあたしが追うわ。ボルフォッグは戒道くんのほうを。」「いえ、護隊員のほうを私が。」

「あのね、あの方向なら護くんが行く先はおそらくは旺角。あそこに何があるか知ってる?」「・・信和中心です。」

「はい正解。あんた、ビルに入れないでしょ?」「う・・;;」「対して戒道くんは恋人たちのプロムナード。

あんたの図体じゃどっちを追えばいいのかは自明の理よね?」「・・了解しました。」「ほんじゃね~。」

 

ガヤガヤ・・「うわっは~!すごい人だ!」「え~と、たしかここのコーナーの・・あった!」「ん?・・華ちゃん

それって・・」「やOい本。好きな作家のヤツがシティのマニアショップになかったの。見てみる?」パラ。

「・・なっ!ななな・・」「うふふっ、キレイな絵でしょ?」「あの~・・ばっちり書かれてるんだけど。(^^;;」

「だって同人誌だもの。クラスの女の子でこーゆーの好きな子いっぱいいるんだよ。」「あ~・・そうなの・・」

「・・あそこか。ん?・・ここはショタ本コーナー!これは物色しなきゃ!え~と、これとこれとこれと・・」

「バカ者!」どきっ!「はい~っ!・・あれ?」「うわはははは!奇遇じゃのう。」「来音おじさま?!な、なんで?」

「いやさ、混沌のに付き合って降りてきたんじゃ。」「イヤベスのおじさまもいるの?」「ほれ、ビデオ売り場じゃ。」

「う~む・・おおっ!若山富三郎の「子連れ狼」全巻あった!むうっ、これは「サンゲリア」ノーカット版!」

「・・ああ、なるほど。」「そうじゃ。あやつの時代劇とスプラッタ映画好きは病気じゃからの~。ときにお前は

何を買ったんじゃ?」「え?いやその、」「むっ?・・ほほう、おぬしも好きじゃの~。」どさっ!「あれ?」

「むむっ!」「・・ロOコン本ですか~。おじさまも好きね。」「血は争えんかの・・」『わははははは!』

 

ポンポンポン・・「・・いい天気だね。」「ええ・・日差しが気持ちいい。」「シティで浴びる陽は人工的に調整

された日差しだからな・・とうてい自然には及ばないさ。」「自然が一番・・か。」プゥァ~・・「・・最近ね、

どうもおかしいの。」「・・おかしいって?」「・・私って誰なんだろうな・・って。」「・・なるほど。僕も前から

変な感じを受けていた。・・君やかすみさんはどうも機界生命体らしくない。いままで会ったどんなゾンダリアン

や原種よりも非常に人間くさい・・」「・・そんなバカな。私はしょせん機界聖書の一紙片にすぎない・・」

「それはどうやら誤認識のようだ。なぜなら、機界生命体に特有の感情・・すなわち有機生命体に対する徹底した

蔑視感・・それがとても希薄だ。」「色メガネをかけない主義なだけです。客観的な解析こそ有用なのです。」

「もうひとつ。・・なぜ総攻撃をしない?」「・・えっ?」「機怪十二神を出すまでもない。神種の10体も一斉に

かからせれば、GGGなど30分ももたない。そのくらいは僕にだってわかる。」「・・たしかにそうです。けど、

それをすれば多くの生命が失われます。私は無用の殺戮は好みません。」「少数の犠牲を払うだけだ・・気にする

必要はない。」「私は気にするんです。」「・・ふっ、君はやはり機界生命体とは根本的に異なるな。あのピッツアや

ペンチノンでさえ巻き添えを厭わなかったというのに。」「・・・・」「他の神種と君たち・・何か根本的な違和感

を感じたことはないのか?」「ありません。みんなよく私に仕えてくれてます。」「ひとつ聞きたい。物心ついた

ときから君は女王だったのか?」「・・そうだったような気がします。」「ならばその時点から君の優しさは存在

していたわけだ。そして神種たちもそれに多少なりとも感化された・・」「・・そう、数多くの星を昇華しながら、

私は達成と同時に痛みを感じていました・・私とヲイルは主を憎悪しました。なぜにこのようなことまでして

星々を昇華しなければならないのか。自分たちこそ理想と考えるのはよいとしても、それを他の者にまで強要する

権利などありません。ものの考え方は十者十様。理念はよい。だがそれは絶対なものではありません・・それが

なぜわからないのか。主の幽閉という挙に走ったのは必然です・・でも、私たちの予想を超えてGGGとあなた達

は強かった。・・うれしい誤算と言うべきでしょうかね、うふふふっ。」「これではっきりした・・君たちはやはり

前世のある存在だ。しかもかなり強い精神力を持っている。昇華されてなおそれだけの冷静な視点と優しさを

有しているのがその証拠だ。・・はっ!」「なに?」「・・僕の記憶の奥底にわずかに残っている・・そうか!」「?」

「そうか・・そうだったのか。」「はっきり言って。何に気づいたの?」「・・いや、まだ確定できることじゃない。

ただひとつだけ言えるのは・・決して君たちは詩編などではないということだ。」「・・戻りましょう。」「・・うん。」

カツカツ・・スゥ。「・・むむう、すごい話を聞いてしまいました。これは最重要情報として報告しましょう。」

 

「さて、夕食へ行きましょうかね。」『はーい!』・・「どうやら夕餉に出かけるようです。」「おし、追うわよ。」

「ほほう、あれがウワサの御堂音姉妹か。」「むう・・なかなかに高貴な気をまとっておるな。まさしく機界神種の

頂点に立つ者だけのことはある。」「・・なぜにお二人も増えたのですか?」「いや、いろいろあってさ~。(^^;;」

「気にするなボルフォッグ。ちょいと面白そうなので同行させてもらっただけじゃ。」「しかしこれでは任務に

支障が・・」「ああ、それなら心配はない。私の見るところ、あの姉妹は今日は何もせぬよ。」「イヤベス教授、

その根拠は?」「諜報部のくせに情報の解析が甘いぞ。うまい食い物のあるところは襲撃はさせぬということだ。」

「・・なるほど。」「それに万一何かあった場合は九龍湾に停泊させとるあやつが役に立つ。」「・・さすがです。」

 

『うわ~!』どどーん!「うわっは~!みたことない料理ばっか!」「テレビで見たことはあるけど~。」

「・・これはすごいな。」「ああ・・夢にまで見た満漢全席・・(きらきら)」「あれ?ツアーのセットにこんな

豪華なセットあったかしら?」「何かの間違いなの?」『心配はいらんぞ!』『えっ?』くるっ。「・・ええっ?!

マスター来音とドクターイヤベス!それに」「リオン・レーヌよ。おひさ~。」「・・天海くんのお知り合い?」

「な、なんでここに?」「たまたま見かけての~。それでちょいと小細工したんじゃ。」「えっ?!・・それじゃ

この料理は!」「そう!あたしらのオ・ゴ・リ。」「(正確には諜報部のツケじゃがな。)」「とゆーわけでご一緒して

いい?」「幹事のかすみさん?」「世界十大頭脳とヨーロッパの牝獅子が相手では断るわけにはいかないでしょ?」

「さっすが話がわかる。んじゃ、あたしは護くんのとなり!」「すみれくんかすみさん、ちょっと詰めてくだされ。」

「私はかすみさんの隣でいいだろう。」ガタガタ。「え~と、お仲間も増えたことですし、にぎやかにやりましょう。」

『いただきまーす!』ガヤガヤ・・(ふふ・・さすがに心臓が強いの。)(なっ?!・・テレパシーまで使えるの

ですか!)(驚くことはないぞ。私はサイキッカーだし、マスターは修行で念話くらいこなせる。)(・・さすがは

世界十大頭脳。)(・・で、私たちの正体を知りつつ野放しですか。)(具体的な破壊工作とかしておるのなら

その限りではないが、貴女たちはさすがにボロを出さぬ・・これでも人間には法律というものがあっての。)

(それだけですか?)(いや、もうひとつ。・・とても興味深い。ゾンダリアンやゾンダーはゲップがするほど

見てきておるが、貴女たちのようなタイプは初めてだ。まさか敵の最高司令が懐深く入ってくるとは。)

(灯台もと暗し。実に見事な度胸だ・・それゆえに敬意を払う。それに・・)(それに?)(・・いや、やめて

おこう。いずれはわかること。)(・・?)(大したことではない。さ、食おうぞ。食文化も立派な情報であるぞ。)

 

「ねえねえマモルくん、今夜はホテルでしょ?」「はい。明日の昼の便で帰ります。」「そう・・一人部屋?」

「そうですけど・・」「・・ひそひそ(今夜遊びに行くからね。)」「えっ?(^^;;」「ふふ・・乾杯。」

 

「むう・・あの三人に任せて良かったのでしょうか?特にリオン・レーヌ・・危険です。今夜は護隊員の部屋を

集中監視する必要がありますね。・・志保隊員。」ピッ。『なんなのよ、こんな夜中に。』「すぐに「弁天」で香港へ

来てください。任務は護隊員の護衛です。今夜襲撃の可能性が大です。」『え~と・・ありゃ、リオンがいるの。

たしかに護くんピンチだわこりゃ・・了解しました。インドアバトルの承認を。』「やむを得ない場合は。」

 

『ごちそうさま~!』「謝々~。」「さて、私とマスターは自分の足があるのでそれで帰る。」「車ですか?」

「まあ車といえば車だが・・来たな。」・・ドドドドドド!『・・ええっ?!』キキキィィ~ッ!

「お待たせしました。」「うっわ~!でっかいバイク!」「デガンジャですか・・(^^;;」「ご苦労。それでは

「曼荼羅」まで頼む。」スタッ。「了解いたしました。ごめん!」ドドドドド!・・「・・看板なぎ倒してますよ。」

 

***********************************************************

 

♪ザン!

「阿弥陀」。「主任、これを。」「ほい?・・有休届けかいな。・・ハワイ旅行やて?」「はい。師匠のお誘いで。」

「ええな~。よっしゃ、承認するわ。楽しんでき。」「ありがとうございます!」「みやげはアロハシャツでええで。」

「はーい!」「・・ふふっ、ウチもあやめはんに追い越されんよう、きばらんとな。・・そこ!気ぃつけんかい!」

 

「ンドゥーネ様、またまたまた耳寄りな情報が。」「このパターン飽きてきましたけど・・黄昏のアーティミーが

単独行動?」「どうやらワイハとかいうリゾート地へ。」「どこですそれ?・・海のど真ん中か。現地資料を。」

「はい、「るるぶハワイ」。」「ん~・・言うまでもありませんが」「旅支度はできております。水着もほら。」

 

記録外ミッション17「キラウェアより熱く」

 

ネオGアイランドステーション。『まもなくハワイ行きオルディオア、発車します。』「師匠!はやくはやく!」

「まいったな~。いきなり寝坊するとはね。」「夕べ遅かったものね。なんとか間にあった~。」トトトッ。

♪プルルルル。「すべりこみセーフですね・・おや?」ドドドドッ!『ドアが閉まります。』『まって~!』シュッ、

「おっと。」ガシッ。「そこのお二人、急いで!」『セーフ!』ドカドカッ!シューッ。♪プアアア~ッ!

「ふぅはぁ・・助かりました。」「おっかしいですね~。目覚しはちゃんとセットしたはずだったんですが。」

「かすみ姉さんが叩いて止めちゃったからです。」「ふふっ、よくあることですね。間にあってよかったですね。」

「え?・・あっ、失礼しました。」「いいのいいの。困ったときはおたがいさまですし。」「お二人もハワイ旅行

ですか?」「カップルでいいですね~。」「仕事が忙しくってようやく休みがとれたんですよ。」「そうでしょうね。

なにせ整備は・・」「しっ!」「ご存じですか?」「あ、いえ、技術系じゃないかと。」「当たりです。僕らは整備士

やってます。」「どのような機械でしょうか?」「ん~と・・精密機械ですね。」「まあ重機なとこもあるけどね。」

 

オアフ島、ワイキキビーチ。ザザーン・・「ん~、やっぱビーチで日光浴がいいわね~。」「ずっと「阿弥陀」に

こもってましたからね。たまにはこうやってリフレッシュしないと。」「そうね~。おっと、オイルオイル。」

「これどうです?」「これは?」「僕の作った特製オイル。紫外線100%カット、自然な焼きかげんにします。」

「へえ、使ってみよ・・師匠、塗って~。」「はいはい。」ぬりぬり・・「ふぅぅ~ん・・」「変な声出すなって。」

「だあって気持ちいいんだも~ん・・前もする?」「おいおい・・」「ジョーダン。自分でするから。」

 

同じくワイキキビーチ。「ンドゥーネさま、どこ行ったんだろ・・ん?」ザザザザザーッ!「・・なにあれ?」

「よっと!」ザパーン!「ンドゥーネさま?!」ザプーン!ザザザザーッ!・・「・・まるでイルカね、ありゃ。

しょーがないな~・・よし。」ザパーン!ザザザーッ!(ん?ヲイルも速いのね。)(こんな人間離れした速度で

泳いでたら目立ちますって。)(じゃ、もうちょっと落としましょうか。超電導推進、解除。)ザプン。「・・あれ?

ここはどこ?」「太陽の位置からみて・・島から50キロは離れちゃいましたね。あっちです。」「じゃ、戻ろうか。」

ススーッ・・コツン。「ん?・・あっ、大きなおサカナ!」「え?・・これはホオジロザメ!」「なんですか?」

「肉食の魚です!」グワッ!ザパーン!「ンドゥーネさま!」・・ドパーン!ボタボタボタッ!「あれ?」

「こっちこっち。」ザプン。「だいじょうぶ・・でしたね。」「私をランチにしようなんておこがましいです。

お仕置き程度で済ますつもりでしたが意外とヤワでした。これ食べられます?」「生モノはお腹こわしますよ。」

 

お昼どき。ビーチサイドレストラン。「はむはむ・・オイスターがおいしい~。」「2ダースじゃ足りませんね。」

「ロブスターお待たせ。」ドン。『お~、でっかい!』「いっただきまーす。」バリバリ!「ンドゥーネさま、それは

カラをむいて食べるんです・・(^^;;」「へ?どーりで固いと思いました。」「ものすごい破砕音でみんな注目

してますよ・・」『・・・・(宇宙人を見る目つき)』「でもカラもおいしいですよ。もったいないから残さず

食べちゃいましょう。」バリバリバリ!「あ~あ・・知らないっと。」『うわ~、食ってるくってる・・』

パリパリ・・ごくん。「ごちそーさま。」パチパチパチ!「ブラボー!」「グレート!」「スーパーガール!」

「あ、サンキューサンキュー!」「大道芸人ですかあんたわ。」「ヘーイ!ユアアンビリーバボ!チェックフリー!

プリーズカムアゲイン!」「なんですか?」「お代はかまいませんから、また来てくださいって。」「やりい。」

 

「で、午後はどこ行きます?」「ちょっとはお仕事しましょう。え~と、二人の位置は・・あっちです。」

ドキューン!ガガーン!「・・なんですかここ?」「どうやら射撃場のようですね。・・あっ、いました。」

ブオオオオーッ!バリバリバリッ!「いや~、キモチいいね~。一度バルカン砲を撃ってみたかったの!」

「正確には7.62mmミニガン。本来はチョッパーに搭載して使うものを改造して手持ちにしたものです。」

「映画で使ってるの見て、あこがれてたんだ~。」「20キロはあるんですが、よくコントロールできてますね。」

「そりゃ整備で筋肉ついたもの。この程度ならラクチン。」「では次はどうです?」ドン!「わっ!スウェーデンの

対戦車ライフル!」「標的はあのスクラップ戦車です。」「やるやる!え~と、ボルトを引いて装填と。」ジャコン!

「さすがに伏せ撃ちじゃないとね。」バッ。「・・よし。」ズドーン!ボコッ!「う~ん、強烈な反動がステキ!

もう一発!」ジャキン!カラカラン。「・・すっごい銃ですね。」「ものすごい発射音で耳がキンキンしました。」

「さて、今度はこれでどうです?」「これって・・まさか象撃ち銃!」「当たり。ホーランド・ホーランドライフル。

史上最大の50口径弾を使う。」「うわ~・・でっかい銃口。単発二連なんですね。」「モノがモノだけに、構造を

単純にしないと銃自体が壊れちゃうからね。これが弾だ。」「ビッグサイズの口紅ですね・・撃ってみよ。」カチン。

チャキッ。ズシッ!「この重量感・・いいわ~。」「肩づけをしっかり。ゆるいと脱臼しますよ。」「りょーかい。」

ギュッ。「わくわく・・」ズドオオオーン!「うわっ!」ズズズーッ!「・・ふう。すげえ反動。うまく逃がした

つもりでも、1mも押されちゃった。」「戦車に当たりませんでしたが、うまい撃ち方でした。次は当たるでしょう。」

「だいたいフィーリングはわかった・・いくよ!」チャキッ。ズドオオオーン!ボコオオオーン!「ヒット!」

「うわ~・・なんですかあのバケモノ銃は!」「・・これは危険です。あの二人、早めに始末しないと。」

 

キラウェア火山。「うわ~、噴いてるふいてる!」「今日はマグマの量がすごいですね。」「・・ヲイル、ここなら。」

「では仕掛けます。」ピィッ!ゴバアアアーッ!「なっ?!ゾンダリアン!」「しかも10体もか!」『世界十大頭脳、

黄昏のアーティミーだな。ここを墓場と覚悟してもらおう。』「僕はいいから、この娘は逃がしてくれ。」「師匠!」

『GGG整備部員、初野あやめ。逃がすわけにはいかんな。』「だって。」「言ってみただけです・・やるよ!」

「はい!こい!ガンダァァーラッ!」パチン!ゴゴゴゴゴッ!『なんだ?!』ボコオオーン!『地底戦車だと!』

「僕の愛車「ガンダーラ」さ。装備射出!」ドン!『装着!』パシパシーン!『むうっ!これはパワードスーツ!』

「ちょっとちがうね。個人要塞「マチュピチュ」。携帯要塞「パレンケ」のパワーアップバージョンさ!」

「同じく個人要塞「オルメカ」!こっちは防御力重視よ。」『かかれ!』バッ!「あまい!」ダッ!ドン!

『体当たり?』ズドーン!『ぐはあっ!』ダダーン!「どうかな?大口径無銃身銃「デスルージュ」の味は。」

「こっちもお忘れなく!」『なに!』ズドーン!『ぐはあっ!』「スペイン・サラスケータ社製オートバグラー。

短銃身だけど、至近戦では戦車砲なみの威力を誇る!人間の武器をなめんじゃないよ!」『距離をとれ!』ババッ!

「あら?いーのかね~。ホーランドライフル!」チャキッ、ズドオオオーン!『ぐはあっ!』ボコオオオーン!

「こっちはミニガンです!」ドルルルルッ!ボボボボッ!『ぬおおおーっ!』「文字どおりハチの巣です。」

「とどめはM71グレネードランチャー!」ポン!ドカアアアーン!『どわぁぁぁーっ!』「ゾンダリアンの急所は

額のゾンダー中枢です。レーザーサイト付ハードボウラー!」ピッ。ドキュン!ビシッ!『ぐはあっ!』

『おのれ!巨大化!』グニュ~、ドドーン!「うっひゃ~。マトがでかくなったね。」「ならばこちらも遠慮は

しません。重MAT!」ポン!ヒュルルル・・ドカーン!『なにいっ!』「こっちもよ!モーターカノン!」

ジャキン!ドンドンドン!ズドドドーン!『なんのこれしき!レーザー!』シュパッ!「ミラーコーティング!」

キン!シュパーン!『なにっ!湾曲された!』「光学兵器は無効です!」「こっちの番よ!スラスター!」ドーン!

『飛んだ?!』「ゾンダー中枢いただき!エレファントガン二連同時発射!」ズドドオオーン!バコオオオーン!

『ぐわはああああーっ!』「おっとっと!反動で空中バランスが!」「おっと!」ガシッ!「ふう。どーも!」

「それでは浄解要員を呼びよせましょう。メインオーダールーム、聞こえますか?」『受信良好です。』

 

「・・あ~・・全滅・・ですか?」「・・そのようです。」「・・がっくし。今回ばかりはうまくいくと思ったけど。」

「う~ん・・相手が悪すぎた・・としか。」「やめやめ。世界十大頭脳に対するテロ作戦は打ち切ります。これじゃ

どっちが被害者なのかわかりません。」「戦略的には同感です。でも・・」「でも?」「尾行と偵察は続けましょう。」

「・・そうですね。そのくらいなら被害は被らないし。」「仕事の名目であちこち食べ歩けますしね。」「う"・・

そういうことははっきり言わないの。」「あら、私はそっちがメインだと思ってました。」「・・そのとおりです。」

「正直でよろしいです。・・さて、帰りますか?」「いえ、もう少し情報収集しましょう。だってまだ免税店で

お買い物してませんよ。」「あ、そーでした。」「では、お仕事おしごと。」「はいは~い。さて、何買おうかな?」

 

カモメ第一小学校。「アロハ~!」『・・ええっ?!』「す、すみれちゃん・・そのカッコウは?」「家族旅行で

ハワイ行ってきました。」「うわっは~。こんがりキツネ色・・」「それにドハデなアロハシャツにグラサンか~。」

「はいおみやげ。」どさっ!『おおっ!』「定番のマカダミアナッツチョコ。みんなのぶんあるから。」

それから元の白い肌にもどるまで、「2Pすみれ」と呼ばれたことはいうまでもない・・♪チャンチャン。

 

君たちに最新情報を公開しよう。

時は戦国、嵐の時代。 日本制覇を狙う魔人泥眼邪と獣戦機四人衆に捕らわれたすみれ姫!

いまこそ立ちあがれ、かすみ衆の五人のくノ一たち! 天を翔け、地を走り、海をゆけ!獅子の双拳が悪を討つ!

忍び砦「軍荼利」出撃!魔忍城「餓霊怨」を曼荼羅ヶ原に打ち砕け!

勇者神ガオガイガーG外伝、ネクスト 「戦国勇者忍伝・牙王凱我」に、ゴッドフュージョン、承認!

これが勝利のカギだ!(霧狼忍群)

 

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♪チョンチョンチョンチョーン!

「ンドゥーネさま、このようなメールが。」「なんですか?・・ドラマ出演依頼?」「GアイランドTV製作の

スペシャル時代劇ですって。配役は・・ええっ?!」「獣戦機部隊、南米三姉妹、獅子の姉妹にデガンジャ!

これは・・おもしろいですね。」「肝心の私たちは・・私が司令官でンドゥーネ様はお姫さまですか。いかがします?」

「受けましょう。うまくすれば世界勇者ロボの情報も入手できますし。」「では返答のメールを。」

 

マンモスオーダールーム。「ほう、俺たちが時代劇ねえ。」「君たちは市民への知名度がいまひとつだからな。

いい機会だと思う。」「ふむふむ・・獣戦機部隊とデガンジャが悪役か~。」「悪役には演技力が要求されます。

これは名誉とすべきでしょう。」「かえって悪役のほうがカッコよくて人気が出たりするケースも多いわね。」

「製作スタッフもその演出方針だそうだ。」「おもしろ~い。人気の取り合いにもなるわけじゃん。」「感想は

TV局HPのBBSに書き込まれるわ。すぐに反応見られるわよ。」「そりゃ楽しみじゃの~。」「ところで、

この司令役とお姫さん役の二人は市民から募るんですね。」「それですが・・ちょっとイタズラしてみました。」

「どういうことですのボルフォッグさま?」「あなたたちも知っているあの御堂音姉妹に出演依頼をしました。」

『ほう~。』「・・・・」「悪党・・ですね。ということです。」「あの二人がどう動くか・・楽しみです。」

 

記録外ミッション18「戦国勇者忍法帖 牙王凱餓」

 

時は戦国、嵐の時代。海を渡ってきた奇怪な忍者の群れが各地を襲撃した。日本制覇を狙う南蛮忍群である。

事態を重くみた慈意之国のすみれ姫に仕える上忍かすみは優秀なくノ一を集め、勇者忍者隊を結成。

南蛮忍群の野望を阻止すべく、敵主力の獣忍四天王と激しい戦いをくりひろげていた。だが・・

 

チチチチ・・「すみれ姫、予定より早く合流地点に来てしまったようです。」「国内視察が順調に運びましたからね。

ちょっと用をたしてきます。」「紙あります?」「ちゃんと持ってます。」ガサガサ・・「あ~れ~!(ぼーよみ)」

キィィーン!「しまった!あれは南蛮忍者・鉄鷹!油断したか!」「すみれ姫はいただいたぜ!」キィィーン・・

 

南蛮忍者の本拠、「餓霊怨」。「ふふふふ・・ようこそすみれ姫。私は泥眼邪。」「・・」「だいぶ我らのジャマをして

くれましたが、ここまでです。貴女をエサに勇者忍びどもを一掃いたしましょう。」「それはいいですけど、ひとつ

お願いがあります。」「命乞いですかな?」「厠はどこですか?もうもれそうです~!」ぴく。「・・あっちです。」

「どーも!」ぱたぱた・・バタン!ジャーッ・・「ふう。・・さて、なんのお話でしたっけ?」「・・」ぴくぴく。

 

勇者忍者隊本拠、「軍荼利」。「というわけで、すみれ姫救出作戦を討議します。」「あんまし急がなくていいんじゃ

ねえか?あの人間破壊兵器なら放っときゃ「餓霊怨」ぶちこわしてくれるぜ。」「そーそー。この「軍荼利」も

三回ほど大改修したしね~。」「かすみ司令が側にいれば大丈夫なんですけどね。」「いえ!囚われの姫を救出に

敢然と敵の牙城にのりこむ!燃える展開じゃないですか!」「・・・・」「そっだな。かすみさんの意見は?」

「う~ん・・みんなの言うことももっともだけど、やっぱさっさと助けに行かないと、あとで姫に何されるか・・」

『ゾゾ~・・(^^;;行こう!』「全員一致ね。いちおう敵さんの様子を見てから、突入の時期を決めましょう。」

 

そのころ「餓霊怨」。「これなんですか?」「勝手にいじらないでください。」ぼかーん!「あら?こわれちゃった。」

「なあっ!」「こっちはなにかな?」どかーん!「もろいカラクリ使ってますね~。」「こわすな~!空牙さん、

座敷牢に入れておいてください。ほっとくとなにされるかわかりません。」「りょーかい。こっちきな!」ひょい。

ポン。ガシャン!「おとなしくしてな!」カツカツ・・「くすん、閉じ込められちゃいました・・でも、虎穴に

いらずんば虎児を得ず。なんとか脱出して活路を開きましょう。」ぐっ。「えい。」バキッ!「すみれ、がんばる!」

 

「泥眼邪さま、連中が接近してきます。」「ふっふっふ・・かかったな。みなさん、歓迎してあげてください。」

 

「ふ~む・・まだ火の手は上がってねえな。」「もうちょっと待とうか。」「あちらさまは待ってくれないみたいよ。」

キィィーン!「よくきたぜ!この鳥忍・鉄鷹、いの一番に歓迎するぜ!」「あたしにまかせろ!」ダーン!

「姐留芭龍か!おめえとは長いつきあいだったが、これまでだぜ!」「うっせえよ、鳥かぶと野郎が!」

「と・・鳥かぶとだと!ヒトが気にしてることを!てめえだって鳥かぶとじゃねえか!」「あたしゃほかにも

背部翼と手という大事なとこを担当してんだ!模洲の上にのっかってるだけのアンタとは重みがちがうのよ!」

「あ~あ、口ゲンカになっちゃった。」「あの二人、性格似てるからね~。」「姐留ねえが引きつけてる間に

先に行きましょう。」こく。「・・ありゃしばらく続くわね~。ほっとこほっとこ。」「xxxxx!」「yyyyy!」

 

ザザザザ・・「森か・・はっ!」ゴッ!「黒忍・空牙ね!」「もらうよ!烈空爪!」ビュッ!「はいっ!」ガキィッ!

「受けた?!・・あんたは乙瀞洲!」「はいっ!」バコオオーン!「ぶはあっ!」バキバキバキッ!ダダーン!

「ちっ・・いい拳だね。」「空牙さん。あなたとは何度も拳を交えましたね。」「そうだね・・そろそろ決着の

つけどきだね。」ザッ!「とことんやりましょう!」グッ!『いざ勝負!』ダーン!「斬岩爪!」「焼甲拳!」

ズバアアアーン!「百裂閃!」「竜虎連撃!」『おおおおおーっ!』ズバババババッ!「実力伯仲・・すぐには決着

つかないわね。」「・・・・」「そーね、ここは任せて先を急ごうよ。」「賛成。」こく。シュッ!『たたたたーっ!』

 

ヒュゥゥ・・「ひらけたところに出ちゃったね。」「・・いるわ。」ズーン・・ズーン・・「あの足音は・・そうか!」

「ええ。・・重忍・模洲。」ズーン!「俺の相手は誰だ?」「わたしいこうか?」スッ・・「蹴部炉西さん?」こく。

「・・・・」「わかったわ・・行きましょう、依子。」「うん・・負けないでね。」・・こく。シュッ!「ゆかせぬ!」

ザシャッ!「むっ!・・よかろう、相手をしてやろう。重突撃!」ドドドドドッ!「・・」スッ・・「砕けろ!」

ゴオッ!・・キラッ!シュパッ!「なんと!勢いを利用して俺に取りつくとは!」クイッ、ボキィィィーン!

「ぐわあっ!」ズーン!・・シュタッ。「くっ・・忘れてたよ、君が関節技を使うことを・・」ググググッ!

「だがこのくらいでへこたれる俺ではない!ゆくぞ!」「・・・・」スッ。ビュォォォォ・・

 

ザザザザッ!「もうすぐ「餓霊怨」ね。」「いえ・・最後の障害が待ってるわ。そこ!」シュバッ!「おっとっと!」

ズガーン!「ほいほい、あぶなかったの~。」「老忍・来我さん。そろそろだと思いましたわ。」「やっぱトシかの~。

まあよい、どっちが相手してくれるのかの?」「あたしが。」スッ。「理美?」「依子、ここは私にまかせて。

来我さんには少し貸しがあってね・・」「そうじゃったの。・・ではやるかの。」「冥途のミヤゲをお渡ししますわ。」

「引導わたされるにはちと早いがの。・・そこの若いの、さっさとゆけい。お楽しみのジャマをするでない。」

「理美・・行くね!」シュッ!「さて・・どうしましょうか?」「やりあうのもいいかげん疲れたの・・これで

終わりにしようぞ。」「そうですわね。では・・」ズズッ・・「ふむ、得意の土遁の術か・・」・・シュパババッ!

「地下から手裏剣かい!ほいっと!」キキキーン!「地下をすばやく移動しとるか・・見事じゃの。だが!」

キラッ。「そこじゃい!」ズドッ!「気配察知用の竹筒が丸見えじゃい!ほれいっ!」ズボォッ!「どうじゃ!・・

なんじゃと!」バン!「代わり身・・しくじった!」『ふふふ・・竹筒はいくらでもあるわよ。』ボボボボッ!

 

ゴゴゴゴ・・「ここが正門ね。」ギィィィ・・「下忍はいないのね・・一気に天守閣まで!」シャシャシャッ!

「そこまで。」ビュルルルッ!「はっ!」シャッ!ズガガガガッ!「ふう。あぶないあぶない。」「ふふふふ・・

この魔人泥眼邪の混沌のマント、破れますかな?」バサァァァ・・「・・ついに首領のお出ましね。」「姫は天守の

座敷牢だ。私をみごと倒せば返してあげましょう。」「ならば破ってあげるわ!いけい!蟲たち!」ゴオオオーッ!

「むうっ!これは蟲術!」「あたしが手塩にかけて育てた忍び蟲の群れ。その気になればあっという間にあなたは

骨だけよ!」ブオオオオーッ!「どうかな?フライハンター!」シュバッ!ギュルルルッ!「マントが高速回転?!」

「それいっ!」シュババババッ!・・ポトポトポトッ。「なっ!・・蟲たちが真っ二つに!」「こちらの番ですね。

ゴルゴダ・クロス!」ビュルルルッ!ズガガガガッ!「きゃあああーっ!」バシィィーン!「磔はいかがですか?」

「くうっ!」「それでは終わらせていただきます。アイアンカイザー!」ブルン!ブィィィーン!「機械の・・鋸!」

「なるべく痛くないよう、すぐに真っ二つにしてあげます!」ブワッ!ゴウッ!「くっ!」『月光!』シュバッ!

キーン!「むうっ?!」『連発銃!』ドドキューン!『高原刀!』シャッ!スパパパパッ!「しめた!」シャッ!

「むっ、マントの槍が!」「麗しき女性を三枚におろすなど、感心しませんね。」シュルルル・・パシッ。「ぬう・・

何者だ!」「忍者、霧狼!」「同じく朧月!」「そして主水。」「・・あっ!あのウワサのスゴ腕の傭われ忍群!」

「かすみ殿からの依頼で、みなさんの後詰めをしておりました。」「司令の?」「むう・・獣忍四天王を防衛に

出したのは失策だったか。」「魔人泥眼邪、野望もこれまでです。」「四人相手じゃあ、勝てないよね。」

「・・ふふっ、どうかな!」ダーン!ギュルルルッ!『なにっ?!天守閣へ飛んだ!』「「餓霊怨」、起動!」

ゴゴゴゴゴゴッ、ゴバアアアーッ!「なんと!」「城が・・浮上してる!」「どうだ!これぞ南蛮からくり城!」

 

ドドドドド・・「なにっ?!城が・・動いてる!」「ちっ!本丸まで達しやがったか!こうしちゃいられねえ!」

キィィーン!「逃げるなテメエ!・・あたしも飛ぶか!」ゴオッ!キィィーン・・

 

「ふぅ、ふぅ・・」「はぁ、はぁ・・強いね、あんた。」「空牙さんもさすがです・・ん?」キィィーン!「鉄鷹?」

「空牙、お遊びは終わりだ!城へ戻るぜ!つかまれ!」「はっ!」パシッ!キュゥゥーン!・・「・・決着は当分

つきそうにないかもね・・私も急がなくっちゃ。」ダッ!「お姉・・だいじょうぶかな?」

 

ズズズズ・・「・・?」「むっ!・・ついに発動したか。・・これで引かせてもらう。」「・・・・」スッ。

「感謝する。それでは!」ズーン!ズーン・・「・・」くるっ。「お姉~!」タタタタ・・「無事でしたか?」

こく。「・・・・」「右腕一本、アバラ三枚やりましたか・・どうやら決戦のときが来たようです。」・・こく。

 

ゴゴゴゴ!「ほう、ついに動かしよったか。・・隠れんぼはこれまでじゃな。ワシは城へ戻らねば。」シャッ!・・

ズズッ。「あら、いなくなっちゃってる・・なるほど、あれね。・・私も急ごう。」ズズゥゥ~・・

 

『ただいま戻りました。』「泥眼邪さま、ついに動かしましたか。」「うむ。これでいっきに決着をつけましょう。

各自、持ち場へ。」『ははっ!』スタッ。「やつらは集結しつつあります。」「一網打尽にしてあげましょう。

武狼君幕南無、発射!」ズドオオーン!ドカーン!『うわっ!』パラパラ・・「ちっ!なんて大砲だい!」

「これじゃ話にならないよ~!」「これはいけません。火力がちがいすぎます。」「・・このおっさんたち、だれ?」

「え~と、かくかくしかじか。」「納得。けど、このヤバい状況じゃちょっとね・・」「依子、狼煙だ!」「はいな!」

ぽん!ヒュルルル・・ポーン!「むっ?狼煙です。」「何の合図だ?」「泥眼邪さま・・あれを!」「なんだ?」

ヒュルルル・・ドーン!「花火?」「漢字の爆煙だと?あれは・・「牙」?」ヒュルルル・・ドーン!「「王」ね。」

ヒュルルル・・ドーン!「次は「凱」だ。」ヒュルルル・・ドーン!「そして「餓」じゃ!」『牙王凱餓!』

ゴゴゴゴゴ・・「前方に「軍荼利」出現!」「ついに来ましたか!曼荼羅ヶ原を決戦場といたします!」

 

「きたきた!「軍荼利」よ!」『みんなお待たせ。はやく入って。』「かすみ司令!」「けど、すみれ姫は?」

『それなら心配はありません。流れ砲弾にやられるようなタマではありませんから。』「・・そうですね。」

『「餓霊怨」が移動しはじめてるわ。どうやら曼荼羅ヶ原で迎え撃つようね。』「よっしゃ、いくぜみんな!」

 

ゴゴゴゴ・・「敵より通信です。」『「軍荼利」の諸君。いいのかね?こちらには人質がいることを忘れてるのでは。』

「主砲、一斉射。」ズドーン!・・ドカーン!『なんとおっ!』グラグラッ!『もしもし!聞こえてるのか!』

「返答する必要なし。続けて砲撃!」ズドーン!ドカーン!『ええい、しかたない!人質を連れてこい!・・なに?

座敷牢はもぬけのカラだと!』「こりゃ決まったね・・」「そろそろかな?」「ふふっ・・通信開け。「餓霊怨」へ。

命が惜しかったら、姫を引き取りに行かせなさい。」『なにをわからんこと・・ををっ!』グラッ!『泥眼邪さま!

動力部に重損害!』『格納庫で大爆発!』『二の丸、吹っ飛びました!』『な、なんだなんだ?!』「説明するわ。

姫はモノこわす天才なの。ほっとくと「餓霊怨」落ちちゃうわよ。」『バカな!たかが娘ひとりに・・おわっ!』

「ありゃりゃ・・あちこちから火の手が上がってるわ。」「むう。ウワサに聞いたすみれ姫のオテンバぶり・・

すさまじいものですね。」「これほどのものとは驚きですな。」ぷか~。「主水どの、ここは禁煙です。」

 

どかーん!ぼかーん!「な、なんということだ!私のカラクリ城が!」『わが慈之国が他国に恐れられる理由が

わかった?ほとんど姫のせいなのよ。』『そもそもオレたちは姫の守り役。そこへあんたらが攻めてきたわけ。』

『はやくなんとかしないと、取り返しつかないよ~。』『今までの経験からいうと、あと四半刻かからないですわ。』

「泥眼邪さま・・」「・・わかりました。引き取りにきてください。」『よかった・・ただちに参ります。』

 

ズズズズ・・「いたいた!火薬庫にいたぜ。」「もう少しで城ごとドカン!でしたね。」「ぶ~。もうちょっとで

灰燼に帰してやったのに~。」「なんつーオテンバじゃ。」「さ、戻りましょうね。」「は~い。」「やれやれだぜ。」

「ご迷惑かけました。こんなのでよければ、また遊んでやってくださいね。」『二度とかどわかすかい!』

 

「クランクアップ!」ぱちぱちぱち!ガヤガヤ・・「ハードなシナリオかと思いきや、とんでもねえオチだぜ。」

「ハードなのは現実だけでたくさんよ。劇くらいお気楽でいかなきゃね。」「ほっほっほ、そうじゃの。さて、

マンモスオーダールームへ帰ろうぞい。」「デガンジャどの、いかがでしたか?」「なかなか楽しゅうございました。

悪役も面白いものであります。」「すみれちゃん、なかなかいい演技してたよ。」「もっとおしとやかな役かと思えば、

フタあけたらとんでもないお姫さまでしたけど、おもしろかったです。」「かすみさんはいかがでした?」「なんか

いつもと同じような役なので、違和感なかったですね。」「ふふっ・・なるほどね。同じような役でしたか・・」

 

そして放送日。「夜七時のゴールデンタイムですね。」「そろそろですね。」『♪ポッ、ポッ、ポッ、ピーン。

この時間はスペシャルドラマ「戦国勇者忍法帖 牙王凱餓」お送りする予定でしたが、ゾンダリアンがバンコクに

出現しましたので、予定を変更して特別報道番組をお送りします。』「・・をいるうう~っ!」「私じゃないです~!」

 

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♪ザン!

汎用支援戦闘艦「金剛」は非戦闘時は参謀部のオフィスになっている。出撃時は操縦の三人以外は全員退艦する

システムである。参謀部で一番えらいのは火麻参謀だが、主にメインオーダールームに詰め、戦闘時も「軍荼利」

の戦闘指揮をとることが多いため、実質的には参謀部副部長である火麻あかりが実権を掌握している。

その若い参謀副長を支える両腕が計算の猫田ルリと直感の御統ユリカ。この三人がいてこそ、参謀部は機能する。

午後三時のティータイム。「・・ユリカさん、年下の私が上司というのはやりにくくありませんか?」「そんなの

カンケーないない。あかりちゃんは立派な参謀部の重鎮よ、ねえルリちゃん。」「かんちょに同感です。あかりさん

はどんどん私たちを使ってください。それが私たちの喜びです。」スス・・「それにもし、年功序列とやらで

私が参謀部のトップに立ったりしたら、二人ともタイヘンよ。なんせ私は直感で生きてるんだから。」「それは

そうですが、かんちょの直感はピタリ的中するんですから大したものです。」「でもそれだけじゃ作戦にはならない。

ルリちゃんの現実的な戦力算定や、あかりちゃんの調整能力がなければ、とうの昔にGGGは壊滅してるわ。」

「私は二人の意見をまとめるだけですから・・」「それ。簡単なようでいてそれが一番難しいの。」「結局私たちは

勝手なことを言いあってるだけ。あかりさんはそれを作戦案としてメインオーダールームに上げなきゃいけないん

ですから、苦労はお察しします。」「それほどじゃないけど・・二人が良い作戦案を出してくれるので、そんなに

苦労は感じたことはないわ。」「はた目には重責に見えますが。」「そう感じないあかりちゃんはやっぱエラい!」

 

記録外ミッション19「イケてるカップル:参謀部にて」

 

「ところでユリカさん、最近彼氏が出来たって聞きましたけど?」「もうバレちゃった?そのとおり!」

「あっさり肯定するとは思いませんでしたが・・志保ちゃんニュースもあながちデマではないんですね。」

「なにそれ?」「知らないんですか?諜報部の志保ちゃんが不定期に隠しホームページに書いてるゴシップです。」

「へえ~、そんなのがあるんだ。」「アドレスを知ってるのはごく親しい私たちや女性隊員だけです。男子禁制。」

「志保ちゃんとはあんまり付き合いないから知らないな~。ね、どう書かれてるの?」「お見せします。」パッ。

「『命さん語る!凱さんのベッドテク』・・『GGG逸物ランキング』・・『スワンさん激白!スタリオンさん不参加の

真相・禁断の近親ラブの行方は?』・・『長官と桜さん、関係の進展は?ヤったのか?』・・あいかわらず下ネタが

多いですね。」「ホント・・でも面白そう。」「あ、ありました。『ユリカさんに恋人?劇写スクープ!』です。」

「ふむふむ・・ほとんど真実じゃない。」「Cまでいってるんですか?!」「Cってなに?」どんがらがっしゃ~ん!

「あいたたた・・お約束の天然ボケですね。」「で、相手はシティの方ですか?それともGGGの?」「ぶ~っ。

どっちでもありません。」「・・どういうことです?」「だってジェイさんだもの。」『・・ええ~っ?!』

「あ、あのソルダートJさんですか?!」「そうよ。」「どうりで鼻が長い人だと思いました。」「どういうなれそめ

ですか?」「それはね、今をさること本編30話・・」『おいおい。(^^;;』「私が街にでかけたとき・・」

 

ガヤガヤ・・「さってと、戦闘後はやっぱウインドショッピングよね!初陣にしてはうまくいったし」ドン!

「きゃっ!」ステン!「大丈夫か?」「あいたた・・あれ?」「あなたは・・どこかでお会いしたな。」「・・あっ!

ソルダートJさん!」「しっ!・・声が大きい。」「いつもの戦闘装甲服と違うんで、わかんなかったわ・・」

「オフの時まであの格好はしておらぬ。・・たしかユリカどのだったか。私服なのですぐにわからなかった。」

「で、今日はどんな用事ですか?」「特に用はないのだが、ジョーとフランソワーズに骨休めをしてこいと強引に

追い出されたのだ。」「ジェイさん働きすぎですよ。たまには休みも取らないとサイボーグでも疲れますよ。」

「肉体的疲労は感じたことはないが。メンテナンスもしている。」「精神的疲労ですよ。こればっかりはどんな

優秀なメンテナンスマシンでも癒せません。」「精神の疲労か・・心当たりもある。」「・・そーだ!今日は私と

つきあいません?最高の治療をしてあげるから。」「特に行くあてもないしな・・つきあおう。」「やりぃ!」

 

「それからどうしたんですか?」どきどき。「茶店に映画にゲーセン・カラオケ。」「・・それだけですか?夜は?」

「ディナーご一緒して、おしまい。」『な~んだ。』がっくし。「何を期待してたの?」「ナニを期待してたんです。」

「でも、それからもたびたびおつきあいしてるんですよね?」「まあ週イチくらいね。最近はメールのやりとりも

始めたわ。」「メール?どんなんですか?」「見たい?」「いいんですか?」ピピッ。「こんなカンジ。」『どれどれ。』

【混戦時における機動戦艦の役割とは?・・敵主力を制圧するため、機動部隊の突破口を開くこと。敵防衛陣を

こちらに引きつけ、防御網にスキを作らせる。この際大事なことは主力を自分だと敵に錯覚させること。ゆえに

ハデに動いて敵にアピールする術が必要である。】【だがそれには多大なリスクをも伴います。命はひとつ。

むやみな行動で部下を危険にさらすことは指揮官として失格です。勝って生き残る・・それこそが指揮官の使命

ではないでしょうか?私はあなたのよくやる捨て身の作戦は好きではありません。虎穴に入らずんば虎児を得ずと

反論なさるでしょうけど、親虎の行動パターンを読み、外出して安全になった時に虎児を得る・・指揮官とは

それだけのしたたかさを持つべきではないでしょうか?世に名将と呼ばれる人は、数千・数万の兵士を死なせて

その賞賛を得た・・これはおかしいです。真の名将とは最小損害で最大効果を出す者。私はそう信じます。】

【思想としては立派だが、現実はそうはいかぬ・・戦争とは血で贖われるもの。GGGの勇者ロボたちこそまさに

血を流さない兵士ではないのか?】【たしかに人類の欺瞞ゆえに生み出されたものなのは認めましょう・・だが

彼らは心を持っている。機械が持つ心などあなたは否定するかもしれませんけど、私は彼らを尊敬しています。

勇者たちはその役割に誇りを持っています。はたして人間にそれだけの誇りを持つ者がいるでしょうか?いません。

ゆえに私・・いや、GGG隊員たちは勇者たちを尊敬するのです。これこそ現実。夢物語ではありません。】

 

『・・へえ~。』「かんちょ・・失礼ですが、意外としっかりした思想してるんですね。」「見直しました。・・でも、

これって戦略論ばっかりじゃないですか。」「けっこう面白いけど?」「・・まさかデートのときもこんな会話を

してるんですか?」「あとは用兵論や戦術論、あ、四次元空間戦術論もかな?」「デートの話題じゃありませんね。」

 

残業時。「・・不健康ね。」「不健康です。」「あんな関係は不健康よ・・なんとか普通のカップルにしてあげたいな。」

「諜報部の志保さんに相談してみます?」「志保ちゃんが介入して、うまくいくと思う?」「・・思いません。」

「明日は休みだけど・・ルリちゃん用事ある?」「特にないですけど・・やりますか?」「やりましょう。作戦名

「春嵐」。さっそく作戦計画作成よ。」「了解。重鐘、二人のデータを。」【了解。】「さて・・どう攻略しようかな?」

 

そして次の日、シティー中央広場。「いました。重鐘の予測どおりです。」「あそこで待ち合わせね・・きた!」

「諜報部装備、超指向性マイク「聞き耳頭巾」を使います。」『待たせてしまったか?』『いえ、ジャストよ。』

『今日はどこへ?』『いいとこ見つけたの。こっちよ。』「移動します。」「追跡開始よ。」こそこそ。

 

「・・ここって、」「将棋クラブ・・ですか?」「なんて場所を・・入ってくわ。」「向かいの喫茶店で張りましょう。」

ガヤガヤ・・「窓際だと目立つから、ひとつ奥にしましょう。」「はい、諜報部装備「やぶにらみサングラス」。

正面を向いたままで真横を見られます。」カチャ。「網膜投影式HUDね。ズームも効くのね・・いた。」

「・・熱心に打ってますね。会話は・・」ピッ。『ほう、取った駒を自分のものとして使えるとは・・面白い。』

『あともうひとつ。駒は敵陣に入ると能力が向上するの。こうきて・・こう。』『これは見事な発想だな。要は

敵の駒をいかに自陣に入れないかだな。』『立ち往生させるって手もあるけど、基本はそうね。敵の王将をいかに

詰めるかが勝敗よ。』『やってみようか・・これはこうしか動けないんだな。』『達人だと歩だけでシロウトに勝つ

技術を持ってるわ。残念ながら私はまだ三段。その域には達してないけど。』『かなりやるということか・・』

パチン、パチン・・「長くなりそーですね。どうします?」「・・ここは直接戦法でいきましょう。」スッ。

 

「・・あれ?あかりちゃんとルリちゃん?」「ユリカさんですか?奇遇ですね~。」「まさか将棋クラブで会うとは

思いませんでした(ぼーよみ)。」「む?知り合いか?」「私の仕事仲間。ルリちゃんはもうご存知ね。こちらが

参謀部の重鎮、あかりちゃん。」「はじめまして。」「ほう・・あの火麻参謀の親族か。」「二人ともここに来てると

いうことは、いい腕してるのね。ね、やってみない?」「では私はジェイさんと。」「私はかんちょと。」

パチン、パチン・・「むう・・若いのになかなかの腕だ。」「実際に勇者ロボたちを動かすよりは簡単ですから。」

「ルリちゃんもやるやる~。手堅い指し手ね。」「かんちょの手・・読みにくいですね。セオリー無視ですし・・」

 

パーラー「Atelier de Marie」。チーズケーキがおいしい女性に人気の店である。「何になさいますか?」

「シャリオチーズケーキとミスティカティー。」「同じです。」「チョコパフェください。」「ケーキとコーヒーで。」

「いや~、二人ともやっぱ強かったわね。」「かんちょもすごく強かったです・・苦戦しました。」「ジェイさんも

ほとんど初心者なのに強かったですね。」「実戦に比べれば楽なものだ。」「でもせっかくのお休みなのに、ずっと

将棋なんてのはおかしいですよ。」「そう?」「そうなのか?」「どーせならもっと楽しいとことか。」「どこ?」

 

アミューズメントパーク「GGGワールド」。『それでは機界神種との戦場へしゅっぱーつ!』ドーン!

「おおおおーっ!」ゴオオオーッ!「ぶつかる~!」グン!ぐきっ!「あいた!首が~!」「かんちょ、アゴを

引いとかないとあぶないですよ・・(蒼い顔)」ゴオオオーッ!「きゃあああーっ!ガオガイガーにぶつかる~!」

ビュン!「これは・・実戦よりエキサイティングだ!どおおおーっ!」『ゴルディオンハンマーがあああ~っ!』

ゴオッ!ズドオオオオーン!グラグラグラッ!『きゃああああーっ!』シュゥゥゥ・・「お疲れさまでした!」

『はー、ふー、・・』「さすが・・ウワサの超絶叫マシーンでしたね・・」「でもこれほどのものとは・・すごい

迫力でした。」「シミュレーション・ライドなのに実戦より疲れた~。」「Jカイザーでもこれほどの激しさは

経験したことがないぞ・・戦闘シミュレーションにもってこいだ。」「一般向けには強すぎるんじゃないですか?」

 

ヴァーチャル格闘「君も勇者だ!」。「どれにしようかな?・・爆龍神にしよう。」「当然私はキングジェイダーだな。」

「えっと~、デガンジャ!」「そうですね・・ガオガイガーGでいいですか?」「ではバトル開始よ!」

『ゴッドフュージョン、承認!』「ふはははは!爆龍神ごときでこのキングジェイダーの巨体に傷ひとつ」

「レギオン・スウォーム!」ガリガリガリッ!「あいたたた!・・しまった!バランスをとってるのでサイズは

変わらんのか!」「ならば重量級パワー型のキングジェイダーでは機動型の爆龍神には不利ですね。」

「いきますよかんちょ。ぶろーくん・ふぁんとむ(ぼーよみ)。」ズドーン!「ケイオスマント防御!」バシッ!

「お返しよ!デモンクレイドル!」「技名ちがいます。」「内容は一緒でしょ。バルキリーターン!」「だから~。」

 

「いや~、なかなか楽しかったね!」「うむ、こういうのも悪くない。」「やっとデートらしくなりましたね。」

「まったく世話がやけるカップルなんだから・・さて、もう遅くなりますから帰ります。あかりさん。」

「それではまた明日。」「じゃ~ね~!・・あの子たち、心配して尾けてきてくれたんだ。」「ふふ・・いい仲間を

持っているな。」「まあね。戦闘では互いに命を預けあう大事なパートナーだしね・・さ、帰ろうか。」「ああ。」

 

******************************************************

 

♪ザン!

「ミユーキ、どうでスカ?ミーとレミィはちょっとホームへ戻るので、いっしょにアメーリカ来ませんカ?」

「え~?でも・・」「心配ないヨ。ミーもいっしょダシ。レミィのフレンド、招待したいネ。」「う~ん・・

スワンさんとレミィさんがそういうなら・・」「ドクターライガ、オッケイですよネ?」「オッケーじゃ!

ミユキくんは有休がだいぶたまっておるでの、ここらでパーッと使えばいいぞい!みやげはビーフジャーキーな。」

「ザ・13th借りていいでスカ?」「出動がかかればトンボ返りじゃからの。まあいいじゃろ。」「やったネ!」

 

記録外ミッション20「大荒野の大きな家:科学部にて」

 

キーン・・「このあたりだもんね。」「・・あっ、あそこデース。」「むむっ、確認したもんね。バリバリーン降下!」

ヒュゥゥ~ン・・ガーッ。「到着だもんね。」「うわあああ~・・」ヒュゥゥゥ・・「西部劇で見た西部そのまんま

ですぅ~。」「隣のウチまで120マイルありマース。」「さっすがアメリカ・・スケールでかいですぅぅ~。」

「ヘイ!マイシスターズ!」「オー!スタリーも戻ってまシータ!」「マイブラザー!」チュッチュッ。

「よく戻ってきましたネ!」「オ~、マイドーターズ、よく戻ったゾイ。」「おかえりなさい、二人とも。」

『ダディ!マミー!』チュッチュッ。「大きくなったもんジャ。バストもこんなにの~。」ぷよぷよ。ドキューン!

『どひゃっ!』「ダーリン!実の娘になにしてんの!」「だからっていきなりウィンチェスターぶっ放すヤツが

あるか!」「なんならガトリングガンのほうがいいの?」ドサッ!「・・いや、遠慮しとくゾイ。(^^;;」

「マミーはあいかわらずネ!」「うわ~・・さすがアメリカですぅ~。いきなり銃撃ちますぅ~(超誤解)。」

「おや?そちらのジャパニーズガールは?」「マイフレンドのミユーキネ!」「はじめまして~。」ぺこっ。

「ほうほう。オリエンタル・ガールは肌がきれいでええのう~。」グラタタタタッ!『オマイガー!』「お客さんに

色目使うとは、フロンティア・スピリットが泣きます!」「その前にハチの巣にされるゾイ!」プスプス・・

 

「ここがマイホームネ!」「ふわぁぁぁ~・・おっきいお家ですぅぅ~。」「ミユーキはこのルームに泊まれば

いいデース。」ガチャ。「・・ここロビーですかぁ?」「ゲスト・ルームネ。ジャパネスクにいえば50畳くらいかな?」

「こんな広いお部屋、ひとりじゃ使いきれないですぅぅ~。」「ラビットハウスのジャパニーズにはちょっと

フィーリング合わないかナ?」「まあアメリカン・スタイルでいきまショ!」「なんとかしてみますぅ~。」

♪ピンポーン。『エブリバディ、サパーよ。』「すぐ行きマース!さ、ゴハンにしましょ。」「はいぃぃ~。」

 

ジュージュー!「はいドゾ!」ドン!「・・グレートなステーキですぅぅ~。」「うちではこれがスタンダードな

サイズなのよ。」「では、いただきますぅぅ~。」バクバク!『グレート!』「忘れてたネ。ミユーキはやせの大食い

だったネ。」「もう一枚いく?」「いただきますぅぅ~。」「これはたのもしいゾイ、焼きがいがあるゾイ!」

「ビールはどう?」ドン!「いただきますぅぅ~。んぐんぐ・・」ゴッゴッゴ・・カラッ。「・・ふう。もう一杯。」

「ヨッホ~!スタリー、倉庫からビールをバレルで持ってくるゾイ!」「わかりました、ダディ。」「こんなに

ガンガン食べてくれると、嬉しくなるわね。」「マイフレンドはグレートネ!「人は見かけによらぬもの。」まさに

コトワザは真実を語るネ!」「さ、マイドーターズも食え、飲め!今夜はパーティーぞい!」『ラジャー!』

「ミュージックが欲しいわね・・ザ13th!カモン!」「マミーのお呼びだもんね~!」ドスドス。「ひとつ景気の

いい曲をお願いね。」「オッケーだもんね!やっぱウエスタンがいいもんね。ミュージック、スタート!」

♪ベンベロベンベロ・・「おっ、ザ13thが始めましたね。ミーもバンジョーを弾かなくては。」「マイソンの

バンジョーは絶品じゃからの~。そこらの酒場のバンジョー弾きなんかより、よっぽど上手だぞい!」

 

ワイワイ・・「スタリーさんのほうはいかがですか~?」「NASAの技術部長ってのも悪い仕事じゃないけど、

やっぱりGGG時代がなつかしいな。大統領命令がなければ、飛んで帰ってるよ。」「でもプレジデントに

引き止められるなんて光栄デース。」「まあレミィが僕以上に働いてくれてるんで、完全に戻る所がなくなって

しまったけどね。」「じゃ、ミーがGGG辞めればスタリーは戻れるネ。」「いや、さすがにそうはいかない。

今となってはNASAの部下たちも見捨てられないしね・・」「やっぱりスタリーは優しいデース。」

 

そして豪快な夕食も佳境に入り・・「・・夕日がきれいですぅぅ~。」「この大自然に囲まれたマイホームこそ、

マイファミリーの最高の財産デース。」「それでもこんなにビューティーな夕日はめったにお目にかかれません。

ヒューストンから駆けつけた甲斐があったというものです。」「子供たちよ、科学の最先端にあるお前たちだが、

決してこのマザープレーンを忘れるではないぞ。これこそ我らファミリーの故郷なのだから。」『はい!』

「さ、片づけて中へ入りましょう。日が落ちれば気温が下がるので、カゼひきますよ。」

 

サロンにて。「うわぁぁ~、すっごいウェポン・コレクションですぅぅ~。」「ホー、ウェポンに興味があるとはな。」

「ミユーキはGGGきってのガンスミスなんデース。」「整備部のドクター・アーティミーやあやめサンと、

GGGガンクラブ作ってるネ。」「そうかそうか。これはわかるかな?」「ん~と・・南北戦争のアームストロング砲

ですね~。」「さすがじゃ。これは?」「ナバホのトマホーク。」「これは?」「弓はアパッチですけど、矢がコマンチ

になってますぅぅ~。」「マーベラス!若いのによく知っとるゾイ。」「フロンティア時代は興味あるので、よく

調べました~。」「そーいやミユーキの部屋には古今東西のウェポンのファイルや手製のレプリカがいっぱいネ。」

「ホー!ならばこれはわかるかな?」「ウィンチェスター初期型ですね~。あれ?・・」カチャカチャ。

「カムがへたってます。これではハンマー起こせませんね。レミィ、ヘアピンくれない?」「オッケーね。・・

ミユーキが本気モードになったネ。」「壊れてる機械は直したくなるタチなの・・これでよし。」カチン。

「これでハンマーロックは直ったわね。銃身内は・・きれい。マガジンスプリング・・よし。撃ってみて

いいですか?」「ブレットはこれだゾイ。」チャッチャッ。「表へ失礼。」ガチャ。シャキン!「装填よし。」スッ。

ドキューン!シャキン!ドキューン!シャキン!「これで大丈夫です。」「グレート!そこらのガンスミスでは

部品がないだのと直してくれなかったんじゃゾイ!」「部品は代用がいくらでもききます。要は職人の腕です。」

「さっすがミユーキ!「MITのカラミティ・ジェーン」の名はダテじゃないネ!」

 

次の朝。「グッモーニン、ミユーキ!よく眠れました?」「はいぃぃ~。ビールが効いたようですぅぅ~。」

「さ、ブレックファストよ。」ドン。「・・でっかいオムレツですぅぅ~。」「ハラペーニョ入ってるから、一発で

目さめるネ。」「いただきま~す。」モグモグ・・ツーン!「ぷはぁ!一気に目がさめたですぅぅ~。・・みなさんは?」

「もう済ませたネ。ミユーキはゲストだから起こさなかったネ。顔洗ったらホース・ライドに行きましょネ。」

 

「ハイヨ!」パカッパカッパカッ!「ミユーキ、馬もうまいネ!」「馬も立派な兵器だから、私の守備範囲。

レミィもさすがね!」「揺りかご代わりに馬乗ってたネ!」パカッパカッパカッ!「どうどう!」ヒヒーン!

ブルルル・・「ここが目的地ネ。」「うわ~・・ツームストーンだ。」ゴォォォ・・「昔は西部劇とかのロケや

観光で賑わってたそうだけど、今は訪れる人はほとんどいないネ。」「そのほうがいいかもね・・この偉大な

自然のモニュメントはやたらといじりまわすものじゃないわよね。」「同感ネ・・」ゴォォォォ・・

 

♪ピピピッ!「ハイ、スワンスピーキング・・ホワット!・・ジーザス!」ダダッ!「スタリー!ザ・13th!」

「どうしたね?」「血相かえてどうした?」「ゾンダリアンがツームストーンに降下しまシータ!」「ジーザス!」

「オマイガー!あそこにはレミィとミユキがいってるもんね!」「13th、すぐに発進準備だ!」「バリバリーン!」

「スタリー、アレを!」「ダディー!アレを借りていいですか?」「ワシもいくゾイ!ガレージから出せ!」

 

ゴゴゴゴ・・「ホワット?」「なに?」ドドーン!『うわっ!』ヒヒヒーン!ズズズズ・・ゴバアッ!「あれは!」

「ゾンダリアンロボね!」『むっ?このような地に人間がいるとは・・見られてしまったからにはしょうがない。

秘密拠点の建設予定場所を知られては困るので、口を封じさせてもらう。』「逃げるのよ!」ガガッ!パカッパカッ!

『のがすか!』「待つんだ、ゼ!」♪ビビーン!ドーン!『なにいっ!・・サウンドウェーブとは!』「マイク!」

「ザ・13thネ!」「イェイ!あとはマイクにまかせるんだ、ゼ!」『なんの!一体だけで何ができる!』

「ひとりだけじゃないゾイ!」グラタタタタッ!『なにっ?!』ブゥゥーン!・・「どうじゃ!我が家秘蔵の

P-38ライトニングは!」「ダディー?!」「僕もいますよ!」ギュララララッ!「戦車?!あれはシャーマン!」

「イエース!そして砲手はミーでーす!」「スワンさん?」「撃てスワン!」「オッケー!」ズドーン!

『そのような弾でバリアを抜けるものか!』「俺が外してやる、ゼ!ディスクM!」シュパッ!パシーン!

「ギラギラーン・VVV!」シュパッ!ジャキーン!「カモン・ロックンロール!」♪ザンザカザンザカ・・

『むうっ!・・バリアが消える!』「いまだゾイ!機銃発射!」グラタタタタッ!「応急ブースターセット完了!

これでゾンダリアンにでも効くはずです!」「サンキュ、ミユーキ!シュートッ!」ズドーン!ズガーン!

『なにぃぃーっ!』グラッ。「効いてる、ゼ!・・おっと、真打ち登場だ、ゼ!」ギュゥゥゥ~。「えっ?・・

あれは「降三世」のESウィンドウ!」・・シュバッ!「お待たせしました!ソルレオン、ただいま参戦!」

ドドーン!『機動部隊まで出てくるとは!』「これまでです、ゾンダリアン。おとなしく投降してください。」

『ミサイル発射!』シュドドドドッ!「・・しかたないですね。はああああーっ!」ギーン!「なんじゃ?!

あのロボットが黄金に!」「Xモード!」「獅王応報撃!どりゃあああーっ!」バシバシバシッ!『なんと!

ミサイルを蹴り返した!』ズドドドーン!『くっ!・・はっ?!』ヌッ。「獅王天道拳!」『しまっ・・』

ズドオオオーン!・・ゴォォォォ・・「ああ・・ありがとう。」「浄解完了。「曼荼羅」へお連れします。」

 

「ホ~、はじめて生で見たゾイ。あれがGGGのロボットか~。」「マイクも一応そうですけど・・(^^;;」

「13thはウチの家族みたいなもんじゃ。勘定には入れとらんかったゾイ。」「オー!パパさん、嬉しいもんね!」

「しっかし・・戦車や戦闘機までコレクションしてたんですね~。」「なに、グランパの形見じゃゾイ。」

「整備はちゃんとしてるので、今でもちゃんと動いてるんですよ。まあウチのリムジンと自家用機みたいな

ものです。」「・・すっごいですね~。」「さて、そろそろ「曼荼羅」に戻りマース。」「次はいつかいの?」

「ダーリン、いいかげん子離れしなさいな。」「いつもお前の顔ばっかし見とるとあきるんじゃい。」

「なんですって~!」ちゃきっ。ズドーン!ドカーン!「今度はバズーカ砲ですか・・(^^;;」

「まあ日課みたいなものデース。」「あれで老化を防いでるネ。」「たしかに毎日がエキサイティングなほうが

いいですね。」「反撃じゃい!トンプソンマシンガン!」ガガガガッ!「なんの!シュマイザーのほうが格上よ!」

ズガガガガッ!「ならば携帯式核弾頭ロケット・・」『それはダメでーす!』どがががっ!

 

**********

 

♪ザン!

ザワザワ・・GGG医療部は毎日が大忙しである。戦闘による負傷や疾病に加えて、浄解された異星人の治療と

カウンセリングも担当しているからである。神種配下には多数のゾンダリアンがいることもあり、戦闘のたびに

数十人単位、時には100人近い異星人が運びこまれてくる。ゾンダーならばゾンダー化されてるときの記憶は

ないのだが、ゾンダリアンはそのときの記憶が残っているため、人によっては罪悪感に苛まれる者がいるため、

カウンセリングが必要とされるのである。幸いにヒューマノイド型異星人がほとんどで、思考パターンも多少の

差異を除けばほとんど共通しているのが救いである。カウンセリングは医療部長のイネス・サンジェルマンと

配下の心理治療チームが当たっている。「はい、次の方。」ガチャ。「お願いします。」「え~と、ガンマ星系出身ね。

で、どういった悩みごと?」「私は多くの人にひどいことをしてきました・・その記憶が夜ごとに悪夢となって

私を責め、眠るのが恐ろしいのです・・」「あなたと同じケースの方は大勢います・・こう考えてはどうでしょう?

それは自分の行なったことから逃げようとするから。なら、その事実を認識しては?」「でも・・私はあのような

ことをしたかったんじゃない。全てはゾンダーメタルの・・」「そこ。そうやって責任転嫁する限り、悪夢は

消えないでしょう。・・逆にそれらは自分の心の奥底にあった願望が具現化したもの・・そう思わない?」

「そんな!」「恥じることはないのよ・・誰だってそんな暗い自分は持ってる。この私もね。ゾンダーメタルは

普通は抑圧されてるそんな暗黒面を引き出すもの・・わかる?」「・・なんとなく。」「そして浄解されることで

暗黒面は払拭される・・一旦はね。」「・・ということは、またその暗黒面はよみがえる・・のですか?」

「それが業というもの。これは持論だけど、いかなる生物も光と闇の二つの面を持っている。そしてその二つの

バランスをとりつつ生きる・・まるで天秤みたいにね。光は心、闇は力・・どちらに傾いても種は亡ぶわ。

ゾンダリアンはマイナス面とか言ってるけど、どちらも必要なの。力なき心は脆弱、心なき力は邪悪・・」

 

記録外ミッション21「心と力:医療部にて」

 

「ふう・・今日はこんなもんか。」「お疲れさま、イネス。」「ニルヴァーナ・・あなたもヒマじゃないでしょうに。」

「まあね。でもカウンセリングは私も専門家よ。「弥勒」のほうも一段落してるので、助っ人してるわけ。」

「正直、助かるわ。カウンセラーが何人いても足りやしない・・下手なのだとミイラ取りがミイラになっちゃう

ケースもあるしね。」「心理治療はそこが難しいのよね・・ときには鬼にならなきゃいけないし。」「そうね・・

ところであの人たちはこれからどうなるの?」「母星まるごと昇華されちゃってるのがほとんどだからね。

一時的にアベルの人工惑星に居住してるそうよ。」「そんなものがあったの?」「ソルダート師団の補給・整備用に

銀河各地に放たれたものらしいわ。そのいくつかがまだ稼動してたみたい。一惑星に数十万人が居住可能だって。」

「宇宙の難民キャンプか・・大変ね。」「地球のそれに比べればはるかにマシだけどね。食糧もあるし。」

「まあね。でも、早いとこ神種の元凶をつぶさないと、いろいろ問題でてくるでしょうね・・」「こればかりは

どんな事象でも変わらないからね~。」「それにね・・母星に帰りたくない人たちだっているでしょうね。実際、

地球もしくは「曼荼羅」に永住を希望する者も少なくないわ。まあ外見や生活習慣が似てればなんとかなるで

しょうけど・・」「苦労するわね、いずれにしても・・異邦人はつらいわよ。」「・・そっか、ニルヴァーナも・・」

「ええ・・私は難民キャンプで生まれた。母はクロアチア人だけど・・父は顔も知らないセルビア人。そんな

望まれない生を受けたせいで、どこでも人間扱いはされなかったわ。よっぽど死んでやろうかとも何度も思った

けど、ただ一人、恩師であるドクターだけは私を見捨てなかった・・そのおかげで私は医学の道に進み、ついに

世界十大頭脳とまで呼ばれるようになった・・」「・・月並みなことしか言えないけど、あなたも苦労したのね。」

「だから私はカウンセリングした相手には必ず言ってる。母星があるのは幸せだ。帰るところがあるんだから。

それさえ失った人たちにくらべたら・・」「・・強いのね、ニルヴァーナは。」「いえ、ぜんぜん強くなんかないわ。

自分が弱い人間だということを知ってるだけ。」「そこが偉いのよ。自分の弱さを認識すること・・そしてその

弱さこそが強さになるということがわかってる。」「ふふっ・・まるで私がカウンセリング受けてるみたいね。

イネスはどうなの?」「そうね・・私は出自さえ知らない。気がついたときは見知らぬ荒野で泣いていた・・

それ以前の記憶は事故かなにかでスッポリ無くなってたわ。まさしく白紙の状態だった・・だからニルヴァーナの

ような苦しみは私にはわからない。それどころか、自分が何者なのかさえわからないんだから。よくもまあ

今ここに私がいるもんだなってつくづく感じることがあるわ・・」「・・イネスも私とはまた違う苦労をしたのね。」

「さて・・知っているゆえのと知らないゆえの苦しみ・・どっちがつらいのかな?」「わからないわ・・けど、

大事なのは過去じゃなくて現在。そしてこれから・・そうじゃない?」「同感ね。いま私たちはここにいる。

そしてこれからも・・それが最も大事なことね。」「そういうこと・・さ、明日も忙しくなるわ。休みましょう。」

 

次の日。「次の方、どうぞ。」ガチャ。「・・あら?あなたは・・」「フランソワーズです。」「へえ・・なんでまた

あなたみたいな人が?」「・・私って、人間になれないんでしょうか?」「・・くわしく聞かせて。」・・・・

「なるほどね・・サイボーグであることに疲れた・・か。」「この機械の身体を嫌ってるわけではありません。

むしろ、神種と戦える力を与えてくれるすばらしい身体です。けど・・」「普通の生き方もしてみたい・・か。」

「そうです。お化粧して、男の子と遊んで、恋愛して、結婚して、子供を・・そういう生き方もいいなって・・」

「わかるけど・・今の生き方ってのもすばらしい生き方じゃない?普通の女の子ではとうていできないけど、

あなただからできる生き方・・逆にあなたが私にはうらやましいわ。」「そう・・ですか?」「そうよ。あなたは

神種に対抗できるだけの能力を持っている。機界生命体に立ち向かえるスーパーヒロインなの。それは私たち

女性にとっては憧れの勇者なのよ。」「勇者・・私が・・」「そう。たしかにGGGには女性隊員は多いけど、

最前線で実際に戦う者はほとんどいないわ。あの命さんやスワンさんだって、戦闘サポートに過ぎないのよ。

でも、あなたはちがう。Jカイザーのクルーとして、戦場で実際に戦っている・・その差は大きいわ。」「う~ん・・」

「・・リオン・レーヌは知ってるわね?」「はい、三機のビークルロボを伴い、ヨーロッパの治安を守る女性

サイボーグの方ですね。」「彼女はとても気が強いわ。たとえ大河長官や凱隊長にだろうと、納得がいかなければ

噛みつくほど。でも、子供にはとても優しい・・だからこそ彼女はヨーロッパでは人気が高いのよ。いつか彼女が

言ってたわ。「自分は地球のため、人類のためとかは知らない。ただ子供たちの笑顔が見れればそれでいい。

自分はそのために戦ってるんだ。」・・」「・・ステキですね。」「なかなか言えることじゃないわ・・さて、

あなたの戦う理由は?」「うっ!・・」「それが原因ね。明解な理由がないがゆえに揺れる心・・そこが根源。」

「・・考えてもみませんでした、戦う理由なんて・・」「面白い解答例をいくつか教えてあげるわ。凱隊長は

「人の心の弱みにつけこむ奴は許せない」から。護くんは「自分の母星の悲劇を繰り返させないため」。そして

命さんは「凱と共に生きるため」。・・気がついた?」「・・え?」「誰も「機界生命体が悪者だから」とは言わない。

善悪の概念なんて、とても曖昧なものだしね。それに、以前のパスダーや31原種と神種はまた異なった種族・・

前に比べてもその境界はさらに曖昧になってるわ。」「・・それは感じてました。神種は己に誇りをもって挑んで

きます。相手が下等な種だから見くびるということがありません。常に全力で仕掛けてきてます。」「ならばこそ、

私たちもそれ相応の覚悟をもって迎え討たなければいけない・・さて、あなたはどうなの?」「・・ひとつだけ。

アルマ、ジェイ、トモロ、そして・・ジョーといたいから。」「立派な理由よ。恥じることはないわ・・特に好きな

男性といたいってのはね。」「えっ?!わ、わかっちゃいました?!」「バレバレよ・・最後のとこで熱入ってたし。

では治療方法を告げます。・・ジョーさんとデートしなさい。」「え?そ、その・・」「それが最良の治療よ。」

「で、でも・・」「なんなら私が仲人したげよか?いえ、遣り手ババアというべきかしらね、うふふふふっ。」

 

「次の人どうぞ。」シーン・・「・・あら?」「ニルヴァーナさん、次はモニターのほうへ。」「モニター?」ピッ。

『お願いします。』「ボルフォッグ?・・話を聞きましょうか。」『は・・実は部下のことで悩んでいるのです。』

「部下ね・・察するところ、志保かミスティーかな?」『当たりです。・・両方です。』「やっぱり。そーいや

ミスティーの超AI人格モデルは志保だったわよね~。」『優秀な人材なのは間違いないのですが・・素行にかなり

問題がありまして。』「完全な人間なんていやしないわよ。むしろ偏ってるほうが個性があっていいんじゃない?」

『そうともいえますが・・』「私の考え方では、そういったヤツのほうが杓子定規なのよりよっぽど信頼できるな。

セオリーどおりにしか動けないヤツなんて、ロボット以下・・いえ、人間失格ね。」『なるほど・・』「ねえ、

なんでGGGの超AIロボットが個性的なヤツばっかりなのかわかる?」『・・わかりません。』「わざとそうした

のよ。パラメータをランダムに偏調させることで、設計者も思いもよらないキャラクターになる。たとえば

氷竜と炎竜が同じ教育を受けてあれだけ正反対の性格に仕上がった理由はそこにあるの。」『質問です。そのような

無意味とも思える性格分けはどういう意図のもとになされたのでしょうか?』「あんた、仕事楽しんでる?」

『・・よくわかりません。』「もし仮に、仲間の勇者ロボがみ~んな同じ性格・・というより、同一個性しか持って

いなかったら、どう感じる?」『・・能率は向上するでしょうが・・画一的な行動パターンで無味乾燥なものに

なるでしょう。』「はい正解。工業用量産ロボットならまだしも、あんたたちは常に変動する状況において、

臨機応変に対処していく汎用マシン・・いえ、人工知性体なの。しかも人間と共に行動するという点で、

あなたたちにはキャラクターが必要なの。無味乾燥な連中じゃ、人間のほうだってリキ入んないわよ。」

『・・主に人間の都合ですか。』「もう一度聞くけど、あなた今の状況に不満ある?」『不満というより・・

どうしてこうも不必要な雑事に悩まされなければならないのかと。』「それが人間よ。」『は?』「だから、誰でも

そんなめんどくさい雑事ってのは抱えてるわけ。冠婚葬祭ないだけマシと思ってね。」『冠婚葬祭・・ですか?』

「ものの例えよ。世の中にムダなんてものは何もないの。必ずメリットはある・・まあデメリットも多いけどね。

そういったものを経験することが「生きる」ってことじゃないの?」『・・少しわかってきました。』「それに、

そういったドタバタがなければ、実のある繋がりなんてできっこない。ミスティーと志保の性格って、そこから

だいぶつかんできてるんじゃない?」『そのとおりです。』「では結論よ。いままでどおり、ドタバタやりなさい。

それが諜報部のチームワークの源泉なんだから・・これでいいかな?」『ありがとうございました。とても勉強に

なりました。』プツッ。「・・ふう。ロボットまでカウンセリングしなきゃなんないんだから、タイヘンよこれは・・」

 

***********************************************

 

♪ザン!

「さて、いよいよ明後日は恒例のバイアスロン大会だな。出場選手は?」「はい。腕におぼえのある隊員が

集まりました。さらにJカイザーの面々も参加を表明しました。」「むっ?バイアスロンを知っているのか?」

「どうやらテレビで見ておぼえたようです。基礎能力は持ってますから、習得は容易だったんでしょう。」

「まあサイボーグだしな・・心配なのは神種の動きだが。」「出場者には競技用ライフルに加えて護身用武器の

携帯を義務づけてます。またビーコンを装備し、緊急コールも可能にしてあります。」「ならばよし。もしも

万が一の事態となっても即時対応できるように。」「競技場には諜報部を、機動部隊は「降三世」で待機します。」

 

「ほう・・アルペン競技ですか。」「見物しましょうか?」「寒いところはヤです。・・ヲイル、襲撃部隊を

編成してください。おそらくGGGは我らの干渉も計算しているでしょう。ならば、」「応えてあげましょう。」

 

記録外ミッション22「ただ栄光のためでなく」

 

「さて!いよいよGGG恒例のバイアスロン大会が始まります!実況はもうすっかりおなじみの参謀部コンビで」

「お送りします。今回のゲスト解説者はまたもや」「は~い。リオン・レーヌよ。競技会場であるこのリンツの

山麓は私のナワバリ。よく知ってるわ。」「今大会の開催にあたっては多大なご協力をいただきました。」

「できれば私も出たかったけどね~。ちょっとカゼ気味でさ。」「サイボーグでもカゼひくの?」「呼吸器官は

生身のまんまだもの。どうもこないだ香港でやられたみたい。」「ああ。志保さんと大ゲンカしたんですね。」

「たく、護くんがおムコに行けなくなるわけじゃないってのに。」すぱーん!「そういう思考がアブないんです。」

「さて、そろそろ試合開始です!」「あれ?出場選手の紹介は?」「数多いんで実況中に紹介します。」「でと。

レースクィーンの御堂音かすみさんが競技開始のシグナルを出しました。」「おいおい・・外は氷点下だってのに、

あのねーちゃんは水着かぁ?」「かすみさんなら大丈夫です、たぶん。」「ああ・・そうだったわね。」

 

ビュウウウ!「なにが悲しゅーてこの寒空にレースクィーンやんなきゃいけないのよ!ジェームズ!」

「他に引き受け手がおりませんでしたから。」「誰が引き受けるか!凍死してまうわ!おいしいスイス料理を

食べさせてくれるとゆー口車に乗った私らもバカだけどね・・」「はい、かすみ姉さん。きりばいです。」

「いらんわ!・・すみれは毛ダルマ状態なのね。」ころっ。「基本的に寒いのキライですから。」

 

「まずは第一走者のソルダートJさんです。」♪ポッポッポッ、ピーン。「いくぞ!」シャーッ!「いきなり

スタートからとばしています・・これ持久モノだって自覚してないよーです。」「あのあんちゃんが先のこと

考えるタイプだと思う?」「第二走者、獅子王凱さん。」♪ピーン。「よっしゃ!」シャーッ!「こちらは序盤は

ゆっくりスタートしました。」「これが正解です。」「第三走者は命さんです。」♪ピーン。「いくわよ!」シャーッ!

「続いてフランソワーズさん、ジョーさん、ミユキさん、アーティミーさん、あやめさんと出ていきます。」

「はしょるわね。」「いちいちやってられませんから。」「あれ?ミユキちゃんも出てたの?」「そうですね・・

ちょっとキャライメージと違うかも。」「知らないの?ミユキは元オリンピック選手よ。」『ええっ?』

「体操の日本代表として出場することが決まってたんだけど、GGGにスカウトされて出場を断念したのよ。」

「初耳ね・・」「リオンさん、よく知ってますね。」「スポーツ関係は得意なの。」「ミユキちゃん、そういうことは

話さないタチだもんな~。」「天然ボケのようでいて、中身はしっかりしてますからね。」「そういう娘よ・・」

 

シャーッ!「スキーがこれほどスタミナを使うとは・・誤算だった。」「まもなく第一走者のJさんが第一射撃

ポイントに到着します。」「だいぶペースおちてるね・・おっと!凱さんが追いついてきた!」シャーッ!

「見えたぞピッツア!」「まだ言うか!ピッツアではない!」「お?すまん、どうもJってのが呼びにくくて。」

「わざとやっとるな・・射撃ポイントで勝負!」「おう!」ザザーッ!チャキッ、ドキューン!「両者同時に

射撃に入った!」「さすがに序盤ですから命中率はいいですね。」「ここで外してたら先がないわよ。」

『全弾命中!』ジャッ!シャーッ!「またも同時にスタート!」「やるな獅子王凱!」「そちらもな。」

 

「続いて命さんが来ました。」「ここでイッキに差をつめるわ!」シャーッ!チャキッ、ドキュドキュン!

『ええっ?!』「な、なんと滑りながら止まらず撃った!」パシパシッ!「よし!全弾命中!」シャーッ!

「・・すごいです。」「こりゃオリンピックなんてレベルじゃないね・・」「ほとんどプロシューターよね・・」

「おっと、フランソワーズさんです。」「あれを撃てばいいのね。」チャキッ、ドキュン!「はずれ。」「あれ?」

ドキュン!「またはずれ。」「なんでよ!」ドキュドキュドキュン!「全部ハズレです。」「照準おかしいわよ!」

「銃のせいにしないよーに。」「もう!次でがんばろ!」シャーッ!「・・銃、ヘタだったんですね。」

しかし・・『くくっ!気づかれていたとは・・』『隊長、五人が射殺されました。』『さすがはソルダートの戦士・・

しょうがない、第二ポイントで体勢を建て直す。』『ははっ。』・・ムダ弾ではなかったよーである。(^^;;

 

「ジョーさんは難なく通過。次はミユキさんです。」シャーッ!「はいっ!」チャキッ!ドドドドドッ!

パシパシパシパシパシッ!『なんと!』シャーッ!・・「・・あっという間に全弾クリアでした。」「なんなの・・

ほとんどマシンガンなみじゃない!」「ミユキちゃんて銃うまかったんだ~。」「・・へえ。パーソナルデータに

よると、ミユキさん体操だけじゃなくて全米射撃大会も総ナメしてます。」『へぇ~。』「ついた名前が「MITの

カラミティ・ジェーン」。または「ミユキ13」だそーです。」「GGGらしい人材ではあるわね~。」

 

「アーティミーさんとあやめさんが同時にやってきました。」『発射!』ズドーン!ヒュルルル・・ドッカーン!

「こら~!誰がバズーカ砲で撃っていいって言ったの!」「いきなり失格ですね。・・あれ?」シャーッ!

「・・行っちゃいました。」「あ~あ・・標的なくなっちゃったじゃない。」「でもあの二人が最後ですから、

後片付けの手間が省けました。」「それ狙ってゆっくり行ってるんじゃないの、あの二人・・」

 

「途中経過です。第三ポイントでついに命さんが先頭集団に追いつきました。」「もっとすごいのはミユキちゃん!

なんと二人抜きで先頭集団まであと少し!」「これはすごいレースになったわね!」「まもなく先頭集団は第四

ポイントです。」「なんということだ!凱どころか他の選手にまで追い上げられるとは!」「命がこれほどの腕とは

思わなかったぜ。」「縁日の射的では女王と言われてたものよ!」シャーッ!チャキッ!『発射!』ドキュドキュン!

「しまった!二発外した!」「ちっ!一発外したか!」「おっし!全中!」シャーッ!「三人とも止まらずに

撃ったせいで、ミスが出はじめました。」「命に追い上げられて精確さを失ったわね。」「続いてミユキちゃんだ!」

「はいっ!」ドドドドドッ!「またも全中!しかもロスタイムなし!さらに差をつめました!」「・・いけない。」

『えっ?』「ミユキ、疲れてきたわ。・・的中ポイントをよく見て。」『・・あっ!』「的枠ギリギリのとこ。

精確さが少しづつ落ちてるわ。」「「重鐘」、ミユキさんのバイオ状況を。・・飛ばしすぎで急激にパラメーターが

落ちてきてます。」「ラップ順位は現在はダントツだから、少しペース落としてもいいわね・・インカム貸して。」

 

シャーッ。「はあっ、はあっ・・やっぱり練習不足かな。・・見えた!先頭集団!」シャーッ!シュパッ!

『なにっ?!』「抜かれただと!」「ミユキか?」「ミユキちゃん?」シャーッ!・・「・・なんだあの気迫は?」

♪ピッ。『ミユキ、オーバーペースよ。』「リオンさん?」『少し落としなさい。ラップ順位ではぶっちぎりだから、

少々落としてもだいじょうぶよ。』「いえ、私は自分の限界を知りたいんです。だから納得いくようにやらせて

ください。」『・・わかった。でも、無理と限界はちがうわ。そのことを忘れないで。』「・・はい。」(そう・・

半年前、私はオリンピック・北京大会に出ることが決定していた。けど、開催の一週間前・・)

「・・獅子王雷牙博士?!世界十大頭脳の方がなぜ?」「星深雪くん。君にGGGへ来て欲しいんじゃ。」

「GGGへ?」「知ってのとおり、機界神種が地球を狙っておる。彼らの力は強大じゃ。そこで君にはMITで

培った鉱物学で、これを研究してほしいんじゃ。」カチッ。「これは!」「そうじゃ・・Gストーンじゃ。」

「未知のエネルギー結晶体・・」「君の卒業論文はすばらしかった。結晶を超高集積メモリーとして応用する研究・・

それは正にGストーンの基礎をなす理論じゃ。あそこまでGストーンの本質を追求した者はおらん。もし来て

くれるなら、君をGストーンの主任研究員としよう。」「でも・・私は」「わかっておる。君が金メダル確実の

逸材だということも・・無理じいはせぬ。」「・・いえ、オリンピックの栄光は一時的なもの。けどこの研究は

人類の明日を開くものです。・・私は行きます。」「・・すまん。本当にすまない。」「いいんです・・」

(そして私はGGG科学部員となった・・でも、幻と消えた金メダルに悔いはあったのは事実。だからこそ、

自分がどこまでやれるのか知りたい。はたして自分がどれほどのものなのか。だから!)シャーッ!

 

ビュウウウ!「ボス、「弁天」より気象情報。気圧低下、荒れてきたわ。」「ふむ・・これなら競技終了予定時間

まではもちそうですね。こちら保安指揮のボルフォッグ。天候が悪くなってきましたので各人状況報告を。」

『こちら上空追尾中のガンイーグル。風向きがあやしくなってきたので、一時撤収します。』『並走班ガンパンサー。

路面状態悪化のためチェンジします。』『最後尾担当ジェームズ。同じく路面悪化のためロボ型態で追尾する。』

「これはいけません。せっかくの警備フォーメーションが崩れます。」「あたしならここで狙うな、やっぱ・・」

 

『来たぞ。』『先頭は人間か・・後方のソルダートJを狙え。』チャキッ・・バサッ!『なにっ?』ドキューン!

バシッ!「うあっ!」ザザーッ!「ミユキちゃん!」「狙撃だ!」「あそこだ、凱!」『しまった!雪で照準が!』

「命はミユキを!」「はい!」「私と凱で倒す!」「いくぞJ!」「おおっ!」シュバババッ!『直接戦闘だ!』

「やかましい!」ゴッ!バコオオーン!『ぶおっ!』『速い!』「さしもの私も怒る!ラディアント・リッパー!」

ズバアアーン!『ぐおっ!』『一斉にかかれ!』ザザッ!「なにっ!これだけの数が!」「くっ、伏兵か!」

「ストリング!」シュルルルッ、ズババババッ!『なにぃぃぃーっ!』「単分子チェンソー!フランソワーズか!」

「こんなことで追いつくとはね!」シュルルルッ、パシッ。「Jショット!」ドキュドキュン!『うおっ!』

「ジョーか!」「うまく不意をつく形になったな。」チャキッ。『おのれ!巨大化!』「そうはさせません!」

ズドン!ドカーン!『なんとおっ!』「礼を言うわよ、追いつかせてくれて!」ドシュドシュッ!ガガーン!

『どおおおーっ!』ズザザザーッ!「アーティミー教授!あやめちゃん!」「ミサイルなんか持ってたのか?」

「護身用にね。」「おかげで重量オーバーで遅れました。」『あたりまえだ!』「命、ミユキのケガは?」

「右脚の大腿部。致命傷じゃないわ。」「ガンイーグルを呼ぼう。」「待ってください!」『えっ?』「このまま競技を

続けさせてください。」「ムチャよ!その傷で!」「ほんのカスリ傷です・・その証拠に!」ザン!『なにっ?!』

『せめて一人だけでも・・はっ!』ゴッ!「ムーンサルトキィィーック!」ズドオオオーン!『おうわああーっ!』

「す・・すごい!」「大ジャンプからの回転飛び蹴りで谷へ蹴り飛ばすとは!」ザシャアッ!「見てのとおりです。」

「・・わかった。行くぞ、みんな。」『・・うん。』「ミユキちゃん、いこ。」「先にどうぞ。すぐに追いつきます。」

「・・待ってるからね。」シャーッ・・「これでいい・・くうっ!」ザン!ポタッ、ポタッ・・「盲貫銃創か・・

摘出しかないわね・・」チャキッ。「まずは消毒・・ライター。」ボッ。「ナイフの刃を焼く・・」シュゥゥ・・

「これでよし。・・マウスピースは手袋でいいか。」ガブッ。『・・・・』ザスッ!ジュゥゥゥ!『ぐっ!・・』

グリグリ・・ボコッ!「はあっ、はあっ・・最後の仕上げ。カートリッジ装薬で傷口を焼却・・」パキッ。

トントン・・「せーの・・」ボッ!シュバババッ!「うあっ!」ジュゥゥゥ・・「くぅ・・急がなくちゃ。」ザッ。

 

『なんという連中だ・・こうなれば必ず仕留めてやる。』「二度はありません。」ザッ。『なに?』「よくもまあ私の

顔にドロをぬってくれましたね・・」ズズズズ・・『人間の・・小娘?』「襲撃しろとはたしかに命じました。

けど狙撃などという姑息な手段を使い、あまつさえ誤射するとは。この恥さらしが!」ゴオッ!『なにぃっ!』

「塵となってこのンドゥーネに詫びよ!攻性重力衝撃波!」ドンッ!『ま!まさかああああーっ!』シュバッ!

キラキラ・・「処刑完了・・償いをしなければ、ね・・ミユキさん・・」サクサク・・シュッ。

 

「さて、ゴール地点にようやく選手の姿が見えました!」「先頭は・・獅子王凱さんです。」シャーッ!

「続くはソルダートJさん。デッドヒートです!」シャーッ!「まもなくゴールね!」ザザーッ!『えっ?!』

「どうしたことでしょう?二人ともゴール手前1mで止まってしまいました!」「・・どういうこと?」

「ちょっと聞いてくるわ。・・どういうつもり?」「これは俺たちのゴールじゃない。」「そうだ。このゴールを

一番先にくぐるべき者が来るまで待つ。」「・・まさか!」ピッ。「ミユキ!応答して!」ザザザザ・・

「通信不能・・諜報部!捜索を」『その必要はない!』ビクッ!「ミユキは必ず帰ってくる!」「そうだ!」

 

ビュオオオーッ!「ブリザードか・・ちょっとキツいな・・」ポタッ、ポタッ・・「止血効果もなくなった・・」

ガクッ。「意地・・はりすぎたかな・・」『その程度ですか?』「・・えっ?」『あなたの力は・・その程度ですか?』

「・・だれ・・」ピタッ。「ブリザードが・・止んだ・・」スッ。キラキラ・・「・・神さま?」『ゴールまで

もう少しです。私にできることはここまで・・あとはあなた次第です・・』「・・わかりました。」ググッ・・

 

「競技終了予定時間を一時間過ぎました。」「選手はすべてゴール前で待っています・・あれ?」ヒュォォォ・・

「ブリザードが・・やみました。」「どういうこと?・・気圧が急激に戻ってる。」「視界回復。これは・・不自然な

晴れかたです。」「まるで神様が晴らしてくださったようね・・」『こちらジェームズ!ミユキ確認!』『えっ!』

『ゴールまで500m!』「・・ということは!」シャーッ!『ミユキ!』「帰ってきた!ホントに帰ってきた!」

シャッ!シャッ!「力強いストライドでやってきます!」「ミユキ!こっちだ!」「もう少しだ!」「200mよ!」

「がんばって!あと150!」「あと100だ!」「50です!」「あと10よ!」『ゴール!』ザシャアアアーッ!

「ゴールと同時に転倒!」『ミユキ!』ザザザッ!「・・タイムは?」「3時間25分12秒よ。」「ふっ・・

ワーストレコードね・・」「ああ・・世界新記録のワースト優勝タイムだ。」「ギネスには・・載りたくないな・・」

ガクッ。「医療班急いで!ユングフラウのCICカプセルに収納して!」「輸血だ!急げ!」

 

「・・ンドゥーネさま、どちらへ行かれてたんですか?」「ちょっとね。・・ヲイル、特殊部隊の人選には以後

気をつけてください。」「は?」「あとでゆっくり説明するわ・・」「・・怒ってますね。」「かなりね・・」

 

山麓ロッジ、打ち上げ会場。「それで~、あのとき~、勝利の女神が見えたんですぅ~。」「なんなのそれ?」

「そしたら~、ブリザードが止まって~、あったかくなって~、力が出てきたんですぅ~。」「その女神さまって

どんな人?」「え~とぉ~・・」きょろきょろ。「・・あ、あの子がそっくりですぅ~。」『えっ?』「ほえ?」

「すみれちゃん?」「そういえばしばらくいなかったよーな・・」『じ~。』「あ、やだな~。私寒いの苦手だから、

そんな山奥に行きませんよ~!あはははは!(^^;;」『・・そりゃそーか。』「う~ん・・よく似た他人の

そら似ですぅ~。」「そう、そら似よそら似・・このフォンデュ、おいしいですね~。」「おお、忘れていた。

ドタバタで渡すヒマがなかったからな。」キラッ。「金メダル・・ですかぁ~?」「優勝はミユキくんだ。」

「う~ん・・」「どうしたね?」「・・それ来年の大会まで保留してくださ~い。そのときに二つまとめて私が

もらっちゃうから~。」『おおっ!』「うむ!見事な意気だ。」「今はなにより丸焼きとビールですぅ~。」モグモグ。

グーッ!『おおおおお~っ!』「大ジョッキをイッキで!」「ぷう。・・シュワルツヘルガー、くださぁい。」

「何だそれは?」「いわゆるイモ焼酎だ。飲んでみるか?」「いただこう。」ちょっぴり。「これだけか?」

「それで充分。」「どれ・・」クイッ・・バターン!「ジェイ、意外と下戸なのよね~。」「これですこれですぅ。」

ゴッゴッゴッ・・『なああああ~っ!』「あの超強力酒をラッパ飲み!」「良い子はマネしないでね。(^^;;」

「ぷう~・・やっと飲んだ気になったですぅ~。」「・・かんちょ、今度利き酒大会でも企画しますか?」

「あ、あたし出るそれ。」「リオンさんは強そうね~。あとは参謀と長官かな。」「私も。」「かすみさんも?」

「お酒はけっこー好きなの。」「あの、私もいいですか?」『小学生はダメ!』「え~ん。(;_;)」




♪ザン!
カァカァカァ!ワォーン・・「リオン、間違いないわ。ここが目標ポイントよ。」「いかにもってカンジの廃館ね・・
ゾンビか吸血鬼でもいそうじゃない。」「そのほうがまだマシね。ここはバイオネットの生体兵器生産拠点。
どんなバケモノがいたって不思議じゃないわ。」「そりゃそーか。お蝶、このGキャリバーってホントに使える
のかい?ちょっと変わった日本刀にしかみえないけど。」「使い方と威力は教えたでしょ。獣人には銃器があまり
有効じゃないんで、直接攻撃力が欲しいって言ったのはリオンじゃない。」「そりゃそーだけど・・まあいいわ。
お蝶はここで待ってて。あたしがぶっ潰してくるから。」「一人じゃムリよ。それに私がいなけりゃどこに何が
あるのかわからないでしょ。」「・・足手まといになったら見捨てるからね。」「お互いにね。」チャキッ。

記録外ミッション23「私は・・だれ?」

コポコポ・・「ククク・・お前はワシの最高傑作じゃ。完全無欠の遺伝子を持った新人類。そしてあらゆる情報を
瞬時に解析するその処理能力は超AIに優る。お前が覚醒すれば、GGGだろうがシャッセールだろうが敵ではない!
そしていずれがお前がバイオネットを掌握し、世界を支配するのじゃ!」♪ビーッ!『侵入者あり!戦闘獣部隊は
迎撃せ・・ぐわっ!(ドンガラガッシャーン!)』「ちっ!ついに嗅ぎつけおったか!三獣士!」『ははっ!』ザッ!
「侵入者を排除せい!」『かしこまりました!』ヒュッ!

「もう!リオンたら真っ正面から殴りこむんだから!」「こそこそするよりハデでいいじゃない!それっ!」
ズバァァーン!「どうすんのよ!獣人の団体さんがお越しよ!」ドドドドッ!「計算どおりさ。」♪ピッ。
「用意はいいね?・・やれ!」ドカァァァーン!『グオオオオーッ!』「あらら・・一網打尽。」「ごくろーさん、
やーみん、ひかりん。」『うまくいきましたね。』『名づけて逆フクロのネズミ戦法!』「これで一気に敵の8割は
やっつけられたよ。ポルコ、こい!」『はいただいま!』ドカァァーン!ブロロロッ、キキーッ!「おまたせ。」
「お蝶は中入ってな!あたしはボンネット!」ダン!「あの~、ワックスかけたばっかしなんですけど(;;)」
「あらそう?」キキィィィ~ッ!「あ、こすっちゃったカモ~。」「あ"ぁぁぁ~っ!刃物はやめてぇぇ~! (TT)」
「マンザイしてる場合じゃないでしょ!」すぱーん!「そりゃそーだ。いけいポルコ!」「はいぃぃ~!」

『来たぞ・・車ごととはな。』『俺がまず仕掛ける。シャークとタイガーは時間差で。』『わかった、ヴァルチュア。』
ブロロロ!「リオン、上に三匹ほど臭うよ。」「おっけい。・・アンブッシュだぁ?ナマイキな。それっ!」ダン!
『なにっ?!』「先手必勝!」ズバアアアーン!『なんだとぉぉぉーっ!』「ちっ!一匹外した!」「クケーッ!
オレの爪でえぐってやる!」ドカアアアーン!「グゲエエエ~ッ!」「あらら・・焼きトリ。」「だいじょうぶ?」
「お蝶!どっからスティンガーなんか引っぱり出してきたのよ!」「後部座席にドガチャカある武器はなに?」
「あ・・この刀あるからコートの内側の火器、とっちゃったの忘れてた。」「なんで核バズーカまであるのよ・・」

「え~と・・ここで止めて。」キキーッ!「ここに何があるって?」「・・あなたは見ないほうがいいかも。」
「なんで?」「刺激が強すぎると思うから・・」「そう言われると見たくなるな~。」「・・知らないわよ。」シュッ。
「・・なっ!」「やっぱり・・情報は本当だったのね。」「お蝶・・こりゃなんだ!このカプセル内の子たちは
何なんだ!」「遺伝子操作による優生種計画・・その実験により生まれた・・失敗作よ。」「・・料理作ってんじゃ
ねえぞ・・こんなことするヤツは人間じゃねえ!」「リオン、完全に破壊して。この子たちを弔ってあげて・・」
「・・ああ。ひかりん!メーサー砲でこのブロックを完全焼却しろ!灰も残すんじゃねえ!」『・・了解!』
「出ようぜ・・」「ええ・・」バタン。「ポルコ・・出せ。」「・・うん。」ブロロロ・・カアアアアーッ!
「お蝶・・あれを造ったヤツは?」「メンゲル教授・・バイオネットの大幹部でもあるマッドサイエンティストよ。」
「顔写真あるか?」「これよ。」スッ。「・・わかった。ここにいるのか?」「いるわ・・この奥に。」「そうか・・」

ドカアアアーン!「なにっ!」キキィィィーッ!「もう来たか!」ザシャッ!スタスタ・・「ちょっとリオン!
待ってよ!」「キサマがリオン・レーヌか。だが・・」シュパッ!ズバアアアアーン!「死にくされ!」「・・・・」
ドサッ!ブシャァァァ・・「あたしのキライなものはグダグダ言う悪党。好きなのは死んで静かな悪党さ・・」
「うわ~・・一刀両断。」「カタキはとったぜ・・ん?」コポコポ・・「お蝶、これは?」「・・完成してたのね。」
「こんなモノを造るために・・ぶった斬る!」チャキッ!「待ってリオン!この子はいけない!」「なにっ?」
「この子はまったくの白紙、無垢な存在・・赤ん坊と同じよ。」「・・だが!」「こう考えて。・・あの子たちの魂は
全てこの子に宿ってる。だから、この子を生かすことこそまさにあの子たちの願い・・」「く・・ちっ。」パチン。

「・・私は・・だれ?」「おはよう。」「・・あなたは?」「・・ママよ。」「・・まま。」「あたしはリオン。」
「りおん・・」「ちょっとリオン、いまはダメ。」「ちょっといじゃねーかよ。」「リオンの下品なことばを覚えたら
どーすんの。」「あたしのどこが下品だ!このイOドのエロ本!」「ぬわんですって~!この単細胞バカ!」
「・・ばか?」ハッ!「しまった・・変なことば覚えちゃった。」「・・バカ。」「カワイイじゃんか。」「あんたね!」

カタカタカタ・・「すっごい速度ね。お蝶より上でないかい?」「ものすごいスピードで学習していくわ・・
通常の数千倍ね。」「・・ママ、終わりました。」「はい今日はこれまで。お疲れさまでした。」「おつかれさまでした。」
ぺこっ。「マナーはいいんだけど、口調がぼーよみってのはどういうこと?」「う~ん、どうやら遺伝子に感情を
司るジーンが入ってないみたいなの。」「ほんじゃ笑うことも怒ることもできないのか?」「そう。まあ経験積んで
いけば少しはマシになるでしょ。」「そっだな・・情操教育は大事だからな。」「あなたは情操教育がうまく
いかなかった反面教師だものね。」「いや~、そんなに誉められても・・なんだとてめえ!」ピューッ!
「逃げ足が早くなったか・・」「リオンおねえちゃん、怒ると身体に良くないよ。」「ん?・・だいじょうぶよ。
あたしにとってはオイルを循環させる日常行為だから。」「ふ~ん・・よくわかんないけど・・」「ま、そんなこた
どーでもいいって。さ、メシ食いに行こ。何にする?」「チキンライス、グリーンピース抜きで。」「おっけい。」

夜、お蝶の部屋。「ママ・・質問があります。」「なあに?」「ママはホントのママ?」「・・どうして?」
「ママの年令と私の年令・・計算が合いません。」「・・あなたが目覚めたとき、はじめて見たものは?」
「・・ママです。」「だからなの・・あなたは目覚めたとき生まれた。普通の子とはちょっとだけ生まれかたと
目覚めが違っただけ。そしてそれを見届けた私が・・ママよ。」「・・わかった。」「たしかに私は生みの親じゃない・・
けど、自分の娘以上に慈しんでるわ。人は育ちが大事なの。どう生まれたなんてあまり関係ないわ。」
「先天的個質より教育と環境・・ですね。」「あとは本人の心がけかな。」「・・わかんない。」「いい子だってことよ。
さ、もう寝ましょう。」「うん。・・おやすみなさい、ママ・・」

「リオン、方位156、距離720に敵集団がいるわ。」『蹴散らしてやるさ!』「待ってください。敵集団戦闘力は
リオンの最大攻撃力を上回ります。直にぶつかればリオンも無傷では済みません。」『ならどうすんだ?』
「方位94、距離530に廃工場があります。敵をそこへ引き込み、やーみんのミサイルで吹っ飛ばせば敵戦力は
推定28%まで削れます。」『おっけい!その作戦、いただき!』「その工場は引火性化学薬品を生産してたようです
から、かなり爆弾代りに有効です。とばっちりは食らわないよーに。」『状況了解。さんきゅ。』♪ピッ。
「いい作戦よ。」「ママの教えのおかげ。「天の利、地の利を生かせ」って。」「孫子ね。・・よし、敵集団が
誘いこまれたわ。」「リオンは工場脱出。やーみん、やっちゃえ。」『発射!・・命中!』「敵、20%まで減少。」
「これで勝ったわね・・」「このミッションは・・です。バイオネットはまだ健在です。」「そうね・・」

「おっす!ひさしぶりだな!」「フランスくんだりまで何の用?」「フランスは俺の第二の故郷。外人部隊時代の
思い出の場所さ。」「任務の合間にパリで暴れてたんでしょ。で、用件は?」「シャッセールにすごい人材が
いるってんで見にきたのさ。実は今度新しい部が設立されるんだが、作戦立案に必要な素養を持ったのがあんまし
いなくてな。」「ああ・・そりゃ難しいだろうね。」「俺の姪はなんとか引き込んだんだが、女一人ってのはどうも
頼りねえ。そこでだ。」「うちの子に目を付けた・・てわけかい。」「そうだ。」「バカいってんじゃねえ!彼女は
うちでも大事なブレイン。それをヘッドハントするたぁいい度胸じゃん!」「判断すんのはおめえじゃねえ。
まずは本人に打診してからだ。」「・・わかったわよ。作戦室はこっちよ。」

「・・てえわけだ。その頭脳がGGGには必要なんだ。」「ご用件はわかりました。」「GGGの興亡はその部の
作戦次第。その作戦で機動部隊・諜報部のビークルロボたち、そしてガオガイガーGも動く。もちろん関連する
要塞群もだ。いわばこの部はGGGのブレインであり、勝利のカギを握るもの・・かなりの重責だ。だから
無理にとはいわねえ。だが、おめえ以上の人材もいねえこともまた事実だ。」「ちょっと重過ぎるんじゃねえか?」
「・・ママ。」「いいのよ、あなた自身で決めなさい。」「ちょいと聞くけど手当と待遇は?」「これだ。」パラ。
「見せて。・・へえ、はりこんだもんだね~。」「人件費は惜しまねえのがGGGの方針だ。」「シャッセールも
来期から国連秘密部隊に移籍しちゃうから、ただでさえ安い給料がまた目減りするしね~。転職先には
もってこいじゃねえか?」「リオン、決めるのはあくまで本人よ。」「へいへい。」「でも・・ママと離れることに
なっちゃうな。」「・・あなたもそろそろ一人立ちしないとね。親離れはいつかは来ること・・今がそれかもね。」
「・・条件があります。この設計図にある戦略AI、作れますか?」「どれ・・ほう、こりゃおもしれえ。長官と
猿頭寺に打診してみよう。予算は心配すんな、俺がなんとかすらあ。回答は明日する。」「ではその時に。」

「・・ママ。」「まだ迷ってるのね・・あなたが目覚めてから一年。もうあなたは一人でも生きていけるわ。
巣立ちの日がついに来たのよ・・行きなさい、GGGに。」「でも・・」「私はだいじょうぶ。子の巣立ちを見守る
母親の役目、させてね。」「・・さようなら、そして・・ありがとう、ママ・・」「里帰りは大歓迎よ・・」

「回答だ。ゴーサインが出た。」「では契約書です。」「わかった。一週間後に梁山泊で会おうぜ!」

新羽田空港。ガヤガヤ・・「荷物はOKです。ようこそ日本へ。」ガーッ。「よいしょっと・・え?」「こっちこっち!」
「待ってたぜ!」「こんにちは。・・この方は?」「おめえの同僚だ。」「はじめまして。」「ようこそ日本へ、そして
GGGへ。仲良くやりましょうね。」「はい。」「荷物はオレが持ってやる。おら貸せ。」ズシッ!「おっとお!
けっこー重いな。」「女の子はいっぱい荷物がいるんですよ、おじさま。」「そんなもんか?・・どっこいしょ。」

「ここがあなたの部屋よ。」「・・繋がってます?」「端末ね。オープンしてるわ。」「失礼します。」ブン・・
カタカタカタ。「・・もう出来てるんですか?」「猿頭寺によると、設計図がしっかりしてたから、ものの三日で
組み上がったとさ。」「アクセス・・パスコード・・オンライン。」【ようこそGGGへ。】「はじめまして、「重鐘」。」
「荷物を整理したら梁山泊内を案内してやってくれ。」「はいおじさま。荷ほどき手伝うわ。」「すみません。」

「ここがメインオーダールームです。」シュッ。「・・おっ?期待の新人のお出ましです。」「ようこそGGGへ。
これからの活躍、期待してるわ。」「はじめましてみなさん。参謀部の新入り、猫田ルリです。」ぺこっ。

*******************************************

♪ザン!
『皆様、日頃のお引き立てありがとうございます。この度、縁により獅子王凱・卯都木命の婚姻が決まりました。
ついては結婚式及び披露宴のご案内をいたします。
日時:O月X日(大安吉日)13:00~
場所:オービットベース・ビッグオーダールーム特設会場
多数のご出席を賜わりますようお願いいたします。

世話人 大河幸太郎』

記録外ミッション24「ウェディングベルは聞こえない」

ピコピコ。「式は明日だぞ!カーペンターズA部隊、会場設営急げ!」「B部隊は機動部隊および諜報部の洗浄、
正装のアクセサリーを作業中。」「式次第、スケジューリング完了しました。」「よろしい。スワンくんのほうは?」
『ミコートの衣装合わせ、オッケイデース!』「式場設営、いいぜ!あとはこのメインオーダールームだけだ。」
シュッ。「よいしょっと。飾り付け持ってきまシータ。」「さっそく始めるぞい!」「それでは全員で作業開始!」

その夜、命のプライベートルーム。♪ピンポーン。「はーい。どなた?」『俺だ。』「凱?」シュッ。「よっ。」
「明日まで待てないの?ふふっ。」「そういうわけじゃないんだが・・ついに明日だな。」「・・ええ。」
「随分と待たせちまった・・ごめんな。」「・・ホントはね、私、凱がサイボーグのままでもよかったの。」
「・・そうか。この肉体はいわば偶然戻ったものだしな。」「でもね、これで凱と同じ時間を生きれるんだ・・って
喜びはあるの。だって、私が年をとっても凱がサイボーグだったら・・」「たとえそうだったとしても、俺は命と
生きたさ。」「・・ねえ、フライングは反則かな?」「明日だしな・・反則しようか。」「・・消すね。」パチッ・・

さて次の朝(オービットベース標準時間)。「・・ん?ああっ!」ガバッ!「・・えっ?・・ええっ!」ガバッ!
「もうこんな時間なの!」「寝過ごしたぜ!急がないと気づかれるぞ!」「凱、ぱんつぱんつ!」ドタバタ!
シュッ。・・そーっ。「・・おっけ。誰もいないわ。」「それじゃ、式場で。」「ん・・」チュッ。トテテテ・・
「さ~てと!花嫁衣装、急いで着なきゃ!・・とその前に。」くんくん。「・・シャワーが先!」トトト・・バタン!
♪ピンポーン。シャッ。「ミコート!そろそろ時間ですヨ!・・ホワット?」シャァァァ・・「シャワーですカ?
ア~ンド、このベッドの乱れようは・・」ごそごそ・・ネトッ。「・・オー!それでお寝坊したんデスネ。」
キュッ。・・バタン。「あ、スワンさん。」「フフ~ン。・・」「な、なに?・・(^^;」「コレ何ですーカ?」ネパッ。
「う"っ!・・な、納豆こぼしちゃって!・・って、苦しい言いわけ・・」「詮索は後回しデース。」ふきふき。
「あと一時間で式デース。着付け急ぎまショ。ワターシも着替えなきゃなんないんデ。」「は、はーい。(^^;;」

ガヤガヤ・・式に参列するメンバーがメインオーダールーム特設祭場に集まりつつある。「どうも正装ってのは
窮屈でいけねえな・・」「ほんの30分だ、ガマンしたまえ。」「よっ、来たよ。」「おっ、やっぱり来おったな。」
「いちおうは親族だからね。冠婚葬祭くらいは出てやんないと。」「ボクちゃんの葬式じゃなくて残念じゃの~。」
「まあね・・しっかしこの和服ってのは動きにくいね~。お蝶がどうしてもこれにしろってうるさくてさ。」
「お前さんは普段が落ち着きなさすぎなんじゃ。こういう機会も慣れておくことじゃな。」「あんたに言われたか
なかったね!」「でも、うまく作れましたね長官。」「うむ。オーダールームの後半分のスペースを利用して
式場にするというアイデアはよかったな。」「後方の庭園がいい背景になりました。」「牛山くんのアイデアは
見事だな。」「そこの最前列に5つほど席が空いてるのはなんで?」「麗雄と絆さん、命くんの両親、そして
護くんの席じゃ・・」「ああ・・それで遺影が置いてあるんだ。」「護くんだけは黒枠ではないがの・・」
「そろそろ時間か・・おっ、猿頭寺のお出ましだ。」シャッ。しずしず・・「えっ?あれがあの猿頭寺さん?!」
「馬子にも衣装じゃの~。」「立派な宮司姿ですね。」「まさか免許を持ってるとは私も知らなかったぞ・・」
「ではこれより式を始めます。新郎新婦、入場。」シャッ。スッ・・『・・おお。』介添えは新郎・凱がスタリオン、
新婦・命がスワンである。「きれいね・・白ムクの角隠し。」「まさかスワンちゃんが着付けを知ってるとはな。」
「凱の紋付き袴ってのもなかなかピシッっとしてんな。」「滅多に見れない姿ではありますね。」「うむ。二人とも
見事だ。」式が始まる・・中略。「かしこみかしこみ・・」パッパッ。「では三三九度の盃を。」ツ・・クイッ。
「新婦へ。」ツ・・キラッ。命の目に一筋の涙。「二人に幸あらんことを・・式、滞りなく終了しました。」
「ご苦労さまでした・・それではただちに披露宴に移ります。新郎新婦は長官席へ、他の者はデスクに。」
ゾロゾロ・・「これでいいな・・スワンくん。」「オッケイ。リフトダウン、ゴーッ!」ガコン!ズズズズズ・・
♪ピッ。「ザ・13th。ミュージックスタートだ。」『オッケーだもんね!システムチェーンジ!』ズズズズズ・・
パチパチパチ!「レッツ、ウェディングロック!」♪ジャーンジャーカジャーン。マイクによる「結婚行進曲」
ハードロックバージョン。ビッグオーダールームにはすでに出席者が勢揃いしている。勇者ロボたち、華ちゃん、
ウッシー、狐森、あやめちゃん、桜さん、そして全GGG隊員たち。「うわ~!命さん、きれい~。」「凱兄ちゃん
もカッコいいぜ!」「チョベリカチョロンさま~。なんでアタシが待てなかったのよ~!」「それはムリなんじゃ
ないかな?」「うっさいわね数納!」「こーゆー場は苦手なんだけど、勇者ロボが見れるからまあいっか。」
「いいわね・・私もいつか・・いえ、かなわぬ夢かも。」「まあまあ。まだ希望はあるって!」「・・そうですね。」
ガコン。「みなさま、本日はようこそおいで下さいました。晴れて獅子王凱と卯都木命は結ばれました。
これからのいっそうのお引き立て、よろしくお願い申し上げます。」パチパチパチ!「それでは乾杯を。火麻くん。」
「おう。全員コップを持て!」カチャカチャ・・「では、乾杯!」『カンパーイ!』カチカチカチン!
「新郎新婦は衣替えに入りますので、しばし退場します。」長官席のみリフトアップする。「どうぞお楽しみを。」

「これが結婚式というものですか。なかなか貴重な経験です。」「氷竜にはいいかもしれんが、僕はちょっと
こういう場は苦手だぜ。だいたい何で蝶ネクタイしなきゃなんないんだ?」「炎竜センパイ、これが礼式と
いうものだそうです。」「オレもセンパイに同感だな・・窮屈ったらありゃしない。」「俺さまもだ。どーも
固っくるしいのは性に合わねえ。」「まあこれが最初で最後かもしれませんし、雰囲気を楽しむのも良いかと。」
「ボルフォッグが一番正装が決まってるな・・姿勢もいいし。」「これがわたくしの普通ですから。」

新婦着替え中。「あ~重かった・・首が疲れるのなんの。」コキコキ。「まだあと1回衣替えありマース。
まあゆっくりやりまショ。はい、ビール。」「あ、どーも。」グーッ。「ふう・・凱は?」「お隣りで着替え中デス。」
「結婚式ってこんなに大変なもんだなんて・・戦闘より疲れるわ。」「まあ一生に一回だと思って辛抱デース。
それじゃ、ウェディングドレスいってみまショ。」ガチャ。「命、できたか?・・おおっ!」ぼふっ!
「女性は着替えに時間かかるの!ゆっくり待ってなさい!」「わ、わかった・・ほい角隠し。」ポイ、シュパッ。
まあ現実はこんなもんである・・(T_T)

『それではお色直しが終わりました。新郎新婦入場!』グィィィーン。パチパチパチ!『オオオオーッ!』
「すげえ!あれが卯都木かぁ?」「すごくキレイですね。」『ヴェールを持つは初野華さん、狐森レイコさん。』
「いつか私もマモルくんと・・」「ちょっとムカつくけど、まっいーでしょ・・」『それではケーキ入刀。炎竜。』
「どっこいしょ。」ズズン!『うわあああ~・・』「でっけーケーキ!」「10mはあるね~!」「では入刀!」
『ウィルナイフ!』ズバァァァーン!「真っ二つ?!・・あっ!」ギィィィ・・「中から・・天使?」
「ありゃガングルーとガンドーベルじゃない。」『二人の天使が新郎新婦にユリの花を渡し、祝福しました。
それではまたお色直しです。新郎新婦、退場!』グィィィ~ン。パチパチパチ!「命さんもタイヘンですね・・」

新婦着替え中。「ハイ、次は動きやすいキモノでーす。」コンコン。「はーい。」シュッ。「凱・・なに?」
「ちょっとな・・スワンさん、30分ほどいいかな?」「ホワット?・・オーケイ!せっかくですからネ!そんじゃ
ミーも飲み食いしてきマース。」「すんません。」「あ、ワンモア。貸し衣装ですカーラあんまし汚さないヨーニ。」
「わかってます。」カツカツ・・「凱・・」「きれいだぜ、命・・」スッ・・シュッ。カチャッ。
(こっから30分はオトナの時間。読者で想像(もーそー?)してください。)

『それではキャンドルサービスを始めます。新郎新婦入場!』パチパチパチ!『最後はシックに大正ルック。
これより各テーブルを回り、キャンドルに点火していきます。』「おっ、まずはここだな。」「細工はりゅうりゅう。」
「おら点火しな。」「・・なんかミョーな仕掛けしてません?」「しねえと面白くねえだろ。」「では・・」ボッ。
ポーン!『おっとお!』「花火を仕掛けておきました、ニョホホホホ。」ポリポリ。「やっぱり・・」

「次はここね。」「さて、どんな仕掛けかな?」ボッ。シュゥゥゥ~パチパチパチ!「導火線?・・まさか!」
「ほらよ。」ポイ。「おっとっと!それっ!」ポイ。「こっちはダメ~!」ポイ。『こっちへ回すな~!』ポイポイ。
「ゴル、たのむ!」「おう!」ポイ。パシッ。「手のひら爆弾処理!」・・ドン!シュゥゥ~。「だれだマジに
ダイナマイト仕掛けたのは!」「ちっ、惜しかったな~。」パチン。『やっぱしお前かリオン!(^^;;』

「次はこっち!」「護の友達たちか。」「ここなら安心ね。」ボッ。ゴオオオオーッ!『どわああああ~っ!』
「やったやった!」「ロウの代りにナパーム使ったのよ。」『小学生がそんなもの作るな~!』「あらカンタンよ。
ガソリンと洗剤とセッケンと・・」「・・なんで製造方法知ってるのよ。」「古本屋で見つけた「腹O時計」よ。」
『え"?』パラパラ・・「これ日本O軍のテロ教本・・」「そんな激ヤバ本小学生に売るなぁぁ~っ!」「没収!」
「これ隣りのテーブルにまわして。」「・・なんだ?」「プラスチック爆薬ローソク。」『まわすなあああ~っ!』

『え~、あちこちで爆発やらなんやらしましたが、なんとか終わりました。(^^;;』「ケガ人が出なかったのが
不思議なくらいね~。」「真っ黒になったのは何人かいるがな・・」『それでは披露宴を終わります。これより
二人は新婚旅行・・といきたいとこですが、知ってのとおりGGGは今週で散開です。全隊員は新しい就職先へ
散っていきます。凱くんも命くんもNASAへ出向が決まっており、来週にはアメリカへ旅立ちます。それが
新婚旅行となります。今回の披露宴はGGG散開パーティーの意味もありました・・諸君、これをもってGGGの
全職務を終了する。ご苦労だった!そしてまたいつか、機界生命体が地球にやってきたとき、GGGはよみがえる。
その時まで壮健に!私はさようならは言わない・・また会おう!GGG万歳!」バンザーイ!バンザーイ!・・

機界神種の襲来によりGGGが再び活動を開始するのがそれから一年後だったとは、誰も予測すべくもなかった・・
数人を除いては。「リオンくん・・「プロジェクトG」、よろしくたのむ・・」「まかしとき。世界10大頭脳は
全員一致でプロジェクト推進に賛成してるわ・・国連事務総長・各国首脳の了解もとれてる。あとは・・」
「カナヤゴから予備のカーペンターズを失敬しておいたぞい。これで「梁山泊」建造は可能じゃ・・」
「フランス・イギリス・ドイツ・カナダ・スイス・ロシア・南米・アフリカでも新ビークルロボの開発が
始まってるわ。アメリカ・中国にも因果をふくめておいたし・・」「遅くとも一年後には。」『・・うん。』

**************

♪ザン!
オービットベース、開発室。「それじゃ始めるぞい。」「いつでもどうぞ・・って、ちょっと不安・・」
「火麻くんで成功しておるからの。」「麗雄博士、ほんっとにだいじょうぶ?」「往生際が悪いぞ、志保くん。
諜報部のエースの名が泣くぞ。」「だって~。」「リラックスせんとデータにブレが生じるぞ。覚悟せい。」
「は~い・・どうにでもなれ。」「どうにもならんっちゅーに。・・思考パターンダウンロード開始。」ビィィィ・・
「博士、このデータが新たな諜報部ビークルロボに生かされるのですね。」「そうじゃボルフォッグ。優秀な
諜報エキスパートである志保くんのデータならば、初期状態でお前さんに匹敵する能力を持つ諜報ロボが
できるじゃろうて。」「それはわかりますが・・」「なんじゃ?」「はあ・・志保隊員は確かに優秀なのですが、
素行に少々問題がありまして・・」「問題ない。火麻くんのデータを使ったゴルディーマーグの例があるしな。
かえってステロタイプの性格より使えるものになるもんじゃて。」「・・どうもイヤな予感がしますが。」

スサノオ。「あ~頭いた・・」「脳波を通常よりも発するそうですから、多少負担がかかるそうです。」
「こりゃ普通人じゃ半年は寝込むわね・・ゴルがなんで参謀だったのか真の理由がわかったわ。」「精神力・・
ですか。」「そう。常人以上の精神力じゃないとね・・あたしも参謀並みに見られたわけか。」「志保隊員は
伊賀忍者の中でも最優秀でしたね。」「別にテストあるわけじゃないけどね・・神経の太さじゃ負ける気は
しないわね。」「それはよくわかっております。」「ボス、その新ビークルロボってのはいつできるの?」
「博士によれば、これから本体を構成するとのことですから、早くとも数ヶ月先かと。」「ゴルほど急いじゃ
いないし、さらに複雑な構成になるだろうからね・・そんなもんか。」「志保隊員の苦労が報われれば良いですね。」
「まあね。・・まだいてえな~。こーゆーときはこれでも見るかね。」さっ。「何ですか?・・これは!」
「ボスの覗きシーン。これは天海家のお風呂場ね。となると・・」「ど、どこでそれを!」「ひ・み・つ。
あたしの情報網にかかりゃチョロイものよ。」「没収します!」「はいこれ。」さっ。「・・なんとおおおーっ!
こんな写真まで!」「護くんのぬうど・・正確には入浴シーンね。後ろの窓に見えてるのは誰かな~?」
「ふ、不可能なアングルです!合成写真に決まってます!」「志保ちゃんをなめんじゃないって。お風呂場の
ドアに超小型カメラ仕込んどいたのよ。」「・・いつの間に。」「さて、GGGかわら版にでも投稿するかね♪」
「やめてください!シルバームーン!」シュバッ!「おっと!」キィーン!「むっ!・・七節棍ですか。」スパッ。
「ストレス解消にはこれが一番ね!」ビュンビュン!ピタッ。「ではお付き合いしましょう・・お覚悟!」キラッ。

記録外ミッション25「朧月秘話」

木星上空。「総員退艦!」「ボスは?!」「私は最後までがんばります!」ズズーン!「くっ!・・あたしも残る!」
「いけません!志保隊員もはやく脱出を!」「ボスだけ置いてけるわけないでしょ!」「わかってください!
私がもし倒れたら、諜報部を支えるのは志保隊員です!」「ボス・・わかりました。」「生き残ったら、またケンカ
しましょう。」フッ。「そのときのために、またネタ仕込んどくから死なないでよ、ボス!」「楽しみにしてます。」

新種戦後、開発室。「博士が死んじゃったから、これも未完のままだね・・」「超AIはすでに完成してますが、
GGGがこの状態ではもはや作業再開は望めませんね・・」「アマテラスもなくなっちゃったし、GGGも散開。
見込みなしか・・」「私たちも転職してしまいますから・・」「警視庁特捜部か・・ブレイブポリスとか名乗る?」
「どこかで聞いたようですが。」シュッ。「おお、ここにいたか二人とも。」「・・高之橋博士?」「じっちゃん?」
「いいニュースがあるぞ。この未完成ビークルロボ、警視庁から開発再開予算がおりた。」『ええっ!』
「今期の警察長官がボクの後輩での、ちょっと因果入れたら許可をくれたんじゃ。」「それ脅迫って言わない?」
「とにかくウチで開発することになった。麗雄博士の設計図は残ってたので製作は難しくはないぞ。」
「これであたしの分身も陽の目をみれるのね!」「・・そうでした、すっかり忘れておりました・・」サーッ。
「・・ボス、顔が青いよーな気がするんだけど?」「・・気のせいです。」「ふふっ。覚悟しなさいよ・・」

数ヶ月後、警視庁特捜部・・とはいえ、埋め立て地のバラックである。裏は東京湾で、ハゼがよく釣れる。
ポンポンポン・・「ふわあああ~っ。・・」「大きなアクビですね、志保隊員・・」「だあってヒマなんだも~ん。
前の出動から一週間・・ずぇんぜんお声かかんないしさ~。」「こちらに回ってくる事件が無いのは良いことです。」
「そうだけどね・・まあこーやって日がな一日ハゼ釣りすんのもいいか・・ボス、かかってるよ。」「おっと。」
ピシャッ。ぴちぴち。「これで晩メシのオカズは確保ね。」「精神持久力を養うには良いですね、これは。」
そう、ボルフォッグと志保は裏の土手に座ってハゼ釣りの真っ最中。志保手製のボル用特大麦わら帽子が柔らかな
影を落としている。ボル内蔵ラジオからはFMステレオの歌謡曲が流れている・・はっきしいって超ヒマである。
♪ピピピッ。「電話?」「私とリンクさせてます・・もしもし、こちら特捜部です。・・高之橋博士?」「なに?
ボス、外部出力。」『出来たぞできた!新諜報ビークルロボが完成したぞ。』「それは吉報!」「さっそく行くわ!」

東京郊外、高之橋研究所。「これがそうだ。」「・・ミニパト?」「日本の道路に合わせてコンパクトにした。
それに女性型だしな。」「女性型ですか?!」「何をいまさら。志保のデータ使ったんだからそうだろうが。」
「は・・そうでした。」「よかったね、ボス。」にかっ。「う"・・頭痛のタネが増えそうな予感が・・」

「そういや名前は?」「・・おお!忘れとった!ここでインプットするから考えろ。」『えっ?!う~ん・・』
「志保隊員は何かないですか?」「そうね~・・ボスがWOLF+FOG=WOLFOGでしょ。だったらそれに準じた
名前がいいかも。」「ふむ・・FOGに対してMISTは?」「あ、それいい。MISTY・・WOLFじゃゴロ悪いね。」
「ボルが「狼」なら、「月」はどうじゃな?」「月ですか・・狼に月は必須ですね。」「女性の名らしいわね・・
霧に朧に霞む月・・MISTYMOON・・ミスティムーン!これがいいわ!」「おぼえやすいですね。賛成です。」
「ではインプットするぞ。MISTYMOON・・と。起動!」ブン。・・『・・ふわああああ~!・・』『え"?』
『あ~よく寝た・・あれ?ここどこ?』「目覚めたかの、ミスティームーン。」『・・あんただれ?』ずてーん!
「おいおい・・生みの親を忘れてもらっては困るの~。」『な~にいってんの。あたしの生みの親は・・あれ?』
「どうした?」『・・忘れちゃった~♪』どんがらがっしゃ~ん!『まあ細かいことはどうでもいーじゃん。』
「・・なんか志保隊員とそっくりですね。」「あたしってばあそこまでスゴいもんなの?」『あっ!志保ねえ!』
「志保ねえ?!」『だってあたしの人格モデルだもの。だからおねえ。』「そりゃそーだ・・んじゃ、ミスティは
あたしの妹なわけだ。」『そうだね。そして・・ボス。』ぎくっ!「は、はじめまして。・・でいいのですか?」
『あたしはボスのこと覚えてるから。おねえ、よっぽどボスが』「わーっ!わーっ!(真っ赤)」「・・最後の
ところがよく聞えませんでしたが。」「い、いーのよ。ねっ、ねっ!(^^;;」『・・ま、いっか~。』
「ミスティ、まだ我々はあなたのロボ型態を見ておりませんが。」『あっ!そーか!道理で声が変だったんだ。
システムチェーンジ!』♪ウゥゥゥ~!ジャキーン!『おおっ!』「ボスとパターンはいっしょね。」
「ミスティームーン!」ビシッ!「月に代わっておしおきよ!」ドテテテッ!「あいたた・・やると思った。」
「いきなりトばしてくれますね・・さすが志保隊員の妹です。」「こりゃ孫をモデルにしたの大失敗かの~。」
「でも、スマートでキレイじゃない。」「顔にはリキ入ったぞ。白目じゃアレなので、ロシアの友人が造った
人工瞳を使った。」「まるで生身のようですね・・」「なんか「超O速のMS少女」みたいね。(^^;;」
「それを言うならマOンロボのレOナでしょう。(^^;」「どっちもとことん古いぞ、おまえら・・」

「んで、あたしはこれから?」「私たちと共に警視庁特捜部隊に入っていただきます。」「しつも~ん!」「どうぞ。」
「給与体系は?」「・・はっ?」「だってあたしだって洗車したいしワックスだって上等なのかけたいし。それに
アクセサリーだって付けたいもん。それにはお金いるでしょ?」「それなら心配ないわよ。部の予算で好きなの
買ってあげるわ。」「え"。」「やった~!まずは室内香水でしょ、それから電飾のイヤリングでしょ、それから・・」
(志保隊員!そのような予算など)(あたしにまっかせなさい~。稼ぐ手はいくらでもあるわよ・・)

♪ウゥゥゥゥ~!『はいそこの八王子ナンバーのレヴィン!路肩に寄せて止まりなさい!』「ミニパトごときに
捕まるかよ!」ブロロロ!『止まんない?あっそ、ほんじゃウルテクエンジン!』ヒュゥゥーン!「どうだ!・・
なにいっ!」キキィィィーッ!チャッ。「はいここまで。抵抗するなら遠慮なく撃つわよ。免許証出しな!」
「マッポが撃てるもんかよ!」ドン!バシッ!「ひえっ!」「そうね・・犯人は車をぶつけて警官を殺そうと
したんで、やむなく射殺・・いいシナリオでしょ?」チャッ。「い、命ばかりは!」「だったらおとなしく
赤キップ受け取りなさい。・・あら、こりゃ免停だね~。車はレッカー呼ぶから心配しないでね。けっこー傷つく
けど、知ったこっちゃないね。」「そ、それは!」「・・でもね、お上も情けってものがあるわ。罰金払えば今回は
なかったことにしたげる。」「払います払います!」「持ち合わせあってよかったね。じゃ、安全運転で。」チュッ。
「これで30万くらいかな?」『おねえ、悪党だね~。』「昔からの慣習よ。魚心あれば水心ってね。さ、もすこし
稼ごうかね。」『500m先に30キロオーバーみっけ!車種はクラウン!』「おっしエモノだ!いけミスティー!」

ポンポンポン・・「情報によりますと、所属不明のミニパトが手荒な取り締まりをしてるそうですが・・」
「へぇ~、最近には珍しい気合いの入った婦警がいるもんだ。な、ミスティー。」「うんうん。警察ロボたる
あたしも見習わなくちゃね。」「・・ミスティー、ボディーの光沢がよくなってますね。」「あ、わかった~?
いいワックスを志保ねえが塗ってくれてね。」「ちょっと張りこんだわけ。あたしの愛車だしね。」「・・・・」
(このコンビは優秀ですが・・危険度もそうとう高いですね。だが他に選択の余地はなし・・AIが痛い。)
♪ビーッ!『渋谷で550発生。特捜部隊は出動してください。』「550・・武装ギャングね!」「ただちに出動!」

ブロロロ・・『最新情報によると犯人グループのトラックは追跡するパトカーをバズーカ砲で吹っ飛ばし、
横浜方面へ逃走中。』「人的被害は?」『警官一名死亡、三名重傷。射殺もやむをえないとのことです。』
「わかった・・ボス、あたしはガンドーベルに乗り換えて近道してトラックを止めるわ。」『了解しました。』
「ガンドーベル!」ブロロロッ!「よいしょっと!」スタッ!「近道はこっち!」ギュィィーン!『へえ!
おねえ、高速から飛び降りちゃった!』『すばらしい操縦技術です。急ぎますよミスティー。』『おっけ!』

ブロロロ!「あのトラックか。周りに民家はなし・・七節棍!」シュバッ!カカカカーン!ズバーン!
「タイヤ破壊!」キキキーッ!バラバラッ!グラタタタタ!「マシンガンごとき!ほれほれっ!」キキーン!
チャキッ、ズドン!「バズーカ?こんなもの!」ビュッ!ガラガラッ!「返すよ!」ジャッ!ズドドドーン!
「とどめの4000マグナム!」ギュン!ズドドドドッ!・・「これで全滅・・かな?」バサッ!ギィィィ!
「トラックの荷台にタクティカルアーマー?!こりゃヤバい!」ザシャッ!ジャキッ!「オートキャノン?!」
「シルバームーン!」ゴオオオーッ!スパーン!「・・ボス!」「志保隊員、ここからは私たちが!」「おねえ!
あとはまかせて!」ゴオッ!「スタンスティック!」ガキィィーン!バリバリバリッ!「機能停止。さあ!
出てこないと黒コゲにしちゃうよ!」ギィッ。チャッ!「バズーカ砲を!」カカカカン!ズドン!ブシャァッ!
「・・おねえ?」「往生際が悪いね~。地獄へ落ちな!」ジャッ!ヒュルッ、カシカシカシーン!「任務完了。
犯人は抵抗の末全員死亡。銀行から奪った金塊は無事・・ね。」「お見事でした。みなさん、ご苦労さまでした。」

ポンポンポン・・「今日もお座敷はなしか・・ミスティー、釣れる?」「よっと。・・これで五匹めね。ボスは?」
「Gアイランドシティーまでパトロール・・やっぱ未練あるんだね。」「そっか・・GGG散開してからちょうど
一年になるんだ。」「長いようで短かったな~。・・ん?」キラッ。「・・流れ星?」「いや・・近い。」ヒュゥゥ・・
「Gアイランドの方に・・」・・ズズーン・・「落ちた・・ね。・・まさか?!」バッ!「志保ねえ?」
「まさか・・ギャレオンが戻ってきたの?!ミスティー!Gアイランドへ急ぐよ!」「え・・りょーかい!」

Gアイランド総合病院前。「ボス!」「ミスティーと志保隊員ですか。・・見ましたね。」「・・やっぱりそうか!」
「護くんとかが帰ってきたの?」「そのとおりです・・最悪のシナリオが現実のものとなりました。」「じゃ・・
機界亜種が!」「・・なんてこったい。」「おそらく遠からず我々にも召集がかかるでしょう。・・私たちは
この時のために待っていたのです。」「・・うん。」「ちょっと!あたしはどうなるの?!」「ミスティーは警視庁
警備部に移籍、特捜部隊は解散です。」「そんな・・あたし一人だけ残されるの・・」「わかってミスティー・・
あなたの性能では機界亜種とは戦えないわ。攻撃力はあるけど・・」「装甲が薄すぎますし、フレームも過酷な
機界生命体との戦闘に耐えられません・・私たちはミスティーを死なせたくないのです。」「でも・・ひどいよ。
あたしだけ残して行っちゃうなんて・・」「また会えるわよ。短い間だったけど、楽しかった・・」「おねえ・・」
「すみませんミスティー・・志保隊員、行きましょう!」「・・うん!」シャッ!「・・あたしも行く!ぜったい
GGGに入ってやる!・・そのために!」ザッ!「強くならなきゃ・・なんとしても強くなってやる!」

高之橋研究所。「はかせ!」「ミスティーか?・・どうした?」「あたしを強くしてください!GGGで戦えるほど!」
「ムリをいうでない。ミスティーの機体ポテンシャルでは・・」「これを使ってください。」ガラン!「これは・・
クロムモリブデン鋼!」「志保ねえと稼いだお金をはたいて買ってきました。」「・・わかった。その意気やよし!
中へ入れ。さっそくフレーム構造材の差し替えからだ。そしてこないだ供与されたミラクルエンジンに換装する!」
「ありがとうございます!」「だがおぼえとくのだ。いかに改良しようとも、機体キャパは絶対的に不足だ。
いわば普通車にF1エンジンを積むようなもの。無理すれば一発でスクラップになる。」「わかってます・・けど、
それを承知でやらなければならない理由があたしにはある!」「うむ!・・それでは作業にかかる。」

ミスティーがGGGに合流するのはそれからしばらくしてからのことだった・・
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