起床。手探りで枕元を探すと、携帯の時計は六時だった。クローゼットの扉を閉めてるから、自分の勘だけじゃわかんねぇ。意外と暗いから何にも見えないし。隙間から漏れている微かな光源が、微妙に幻想的な光を醸し出す。自分専用の観光スポットになりそう。
しゃがみながらクローゼットの扉を開こうとしたがストップ。二人が着替えていたらどうしようと、頭を過ぎる。うん。殴られたくないから携帯でも見て、時間を潰そう。
俺を巡って三人が争ってるんだがwwwww
1 名無しがお送りします
男一人に女の子二人が俺を取り合って幸せで超楽しい
2 名無しがお送りします
嘘乙
3 名無しがお送りします
寝言は寝て言え
4 名無しがお送りします
今クローゼットで起床したばっか
5 名無しがお送りします
青狸かよ
布団かベッドで寝ろよ
6 名無しがお送りします
kwsk
7 名無しがお送りします
遂に二次元に到達した猛者が現れたのか
8 名無しがお送りします
詳細はよ!はよ!
9 名無しがお送りします
三人から刺されてお前の人生終われ
10 名無しがお送りします
まあまあ落ち着け
まずは説明からだ
俺はハウスにいた
そこで突然出会ったのが一人の美少女
両親公認の女性で一つ年上
つよい
11 名無しがお送りします
踏んでください
12 名無しがお送りします
さくらちゃん?
13 名無しがお送りします
羨まし壁壊れた
14 名無しがお送りします
床ドンしたら下の階の人から苦情が
15 名無しがお送りします
ころころされろ
16 名無しがお送りします
もげろ
17 名無しがお送りします
爆発しろ
18 名無しがお送りします
男一人って事は……あっ……
19 名無しがお送りします
もう一人の女の子は幼なじみ
先日キスされた
20 名無しがお送りします
はい解散
21 名無しがお送りします
そんなのあるわけないじゃない!
22 名無しがお送りします
男も俺の幼なじみ
正確にはつよい美少女から俺を守ってくれる存在
女の子の幼なじみを応援してる
23 名無しがお送りします
男がラスボスか
24 名無しがお送りします
シールドビット展開!
25 名無しがお送りします
そいつイケメン?
26 名無しがお送りします
くそ! くそ!
27 名無しがお送りします
俺は女の子二人と同棲中
イケメンな男の方も別の幼なじみと同棲中
つまり俺には男一人と女二人
合わせると三人の幼なじみがいる
28 名無しがお送りします
なんやて工藤!?
29 名無しがお送りします
ほんまか工藤!?
30 名無しがお送りします
せやかて工藤!?
31 名無しがお送りします
ちなみに現在俺のベッドで二人が寝てる
だからクローゼット
32 名無しがお送りします
そこのベッドに寝るお二人さん
ちょっとそこ代われ
33 名無しがお送りします
修羅場と思っていたら案外仲良いんだな
34 名無しがお送りします
ラッキースケベは!?
35 名無しがお送りします
リトさん展開はさすがにないだろ
36 名無しがお送りします
つよい美少女が俺の上半身裸姿を見た
37 名無しがお送りします
逆か
38 名無しがお送りします
フル・フロンタルじゃないのか
39 名無しがお送りします
なんというご褒美
40 名無しがお送りします
お前とイケメンの奴電柱さんで事故れ
41 名無しがお送りします
なんでや! 今電柱さん関係ないやろ!
42 名無しがお送りします
下手したら電柱よりヤバい死に方しそう
43 名無しがお送りします
神の天罰だ
44 名無しがお送りします
髪の話……
45 名無しがお送りします
わ た し だ
46 名無しがお送りします
お前だったのか
47 名無しがお送りします
具体的に言え
48 名無しがお送りします
バラバラか踊らなければ風穴ができちゃう
49 名無しがお送りします
どんな死に方だよwww
50 名無しがお送りします
パラパラで踊るって空目した
51 名無しがお送りします
パラパラ懐かしい
52 名無しがお送りします
ま、俺が死んでも代わりはいるもの
53 名無しがお送りします
お前も男だろうからな
代わりぐらいたくさんいるだろうよ
54 名無しがお送りします
女二人そこ代われ
55 名無しがお送りします
ただ俺の両親の会社があるから死なせたらヤバい
56 名無しがお送りします
イケメンでボンボンとかマジで主人公だな
57 名無しがお送りします
二次元だけの話だと思ってたわ
実際にあるんだね
58 名無しがお送りします
俺も実際にあるとは
まあ嫌じゃないけどやる事たくさんあるからそこが面倒かな
59 名無しがお送りします
キャッキャウフフか
60 名無しがお送りします
たった今お前は全世界の男達を敵に回した
61 名無しがお送りします
実体験をラノベにしちゃえ
62 名無しがお送りします
うらやまけしからん
63 名無しがお送りします
俺が選んだんじゃないぞ?
64 名無しがお送りします
だけど、あなたはその道を選択したんだ!
65 名無しがお送りします
なんか出たぞ
66 名無しがお送りします
しゃべるなぁぁぁぁぁぁぁ!!
67 名無しがお送りします
やめるんだ
このままでは私達が虚しくなるだけだ
68 名無しがお送りします
こんな感じかな?
何か質問ある?
69 名無しがお送りします
お前は三人の中で誰が一番好き?
70 名無しがお送りします
親友で家族な男が好き
二番は家族で幼なじみの女の子が好き
最後につよい人
71 名無しがお送りします
ほもぉ……
72 名無しがお送りします
お前ホモかよ!
73 名無しがお送りします
ホモじゃないか!
74 名無しがお送りします
パンツ脱いだ
75 名無しがお送りします
同性だから気が楽なんだよ
76 名無しがお送りします
わ か る わ
77 名無しがお送りします
これはいけませんねぇ
78 名無しがお送りします
お前の腰がトランザム
79 名無しがお送りします
お前の腰がクロックアップ
80 名無しがお送りします
見つけた
81 名無しがお送りします
う、うわああああああああ
82 名無しがお送りします
逃げるんだ……勝てるわけがない……
83 名無しがお送りします
クローゼットがある部屋で二人は寝てるんだからホラー展開は無い
84 名無しがお送りします
その二人以外の人物だったら……?
85 名無しがお送りします
無い無い
一人だけ心当たりがあってもその人病んでないから
カラっとしてる人だから
86 名無しがお送りします
なんだびっくりしたわ
久しぶりに椅子から転げ落ちた
87 名無しがお送りします
次の質問
やっぱり同棲すると緊張するか?
88 名無しがお送りします
いや
家族にドキドキするか?
89 名無しがお送りします
しない
90 名無しがお送りします
しない
91 名無しがお送りします
する
92 名無しがお送りします
ヤバい奴がでたぞぉぉぉぉぉぉ!
93 名無しがお送りします
そろそろ準備しないとダメだからまたね
楽しかったよ
94 名無しがお送りします
続報待ってるわ
95 名無しがお送りします
またな
96 名無しがお送りします
ノシ
97 名無しがお送りします
釣り宣言は?
98 名無しがお送りします
釣りじゃないのかよ
99 名無しがお送りします
フィッシングフィッシング
100 名無しがお送りします
釣り臭いな
プンプン匂うぜ
俺は携帯をポケットに入れてゆっくり立ち上がる。
そしてクローゼット越しに音を聴く。大丈夫そうかな?
ゆっくりクローゼットを開けながら二人の姿を確認するが、二人は俺のベッドでまだ寝ていた。かわいい。
何事も無く、俺は着替えを持って脱衣所で制服を着た。
一組二組三茄子。二クラス合同でのISの授業だ。アリーナで皆綺麗に整列している。
「今日は今までのおさらいだ。一つ一つの動作を確認しろ。わからない事があったら付きっ切りの専用機持ちに聞け。我々教師でも構わん。白雪は遅れているから自主練だ」
ジャージ姿の千冬さんが、声を全体に行き渡らせる。俺だけ名指しとかひどぅい。
千冬さんがホイッスルを鳴らして、各自ISの前に並ばせた。
「おい、白雪。ここへ来い」
他の教師は皆の場所へ。千冬さんだけがその場に残り、俺を手招いた。
俺は千冬さんの元に駆け寄った。
「何でしょうか?」
「お前はまだ、ISの動きに慣れてないだろ?」
「はい。ちょっとは動けるようになりましたが、専用機持ちやクラスの皆よりは確実に遅れています」
数日で歩行、走行、飛行、武器の扱いが出来る訳がない。一夏との勝負は、俺があまり動かないから可能だっただけだ。皆すげー。
「だろうな。いいか? 専用機持ちは国の顔でもあるから、このままでいてもらっては我々も色々と困る。お前もバカにされたくないだろう?」
腕を組んで俺を見据える千冬さん。
「はい」
「お前は普通にやればいい。専用機持ちの織斑が化け物なんだ。指導した物をすぐに吸収して糧にしてしまうからな。もちろん他の者達がISを簡単に操縦出来るとは思っていない。だが、皆は比較的飲み込みが早いと考えているだけだ」
それをあなたが言いますか? そして思うと考えの部分の違いが、あまりわかりません。
「だから私が直々にその体に教え込む」
「はい! ありがとうございます!」
礼を言いながら俺は頭を下げた。マンツーマンだぁ。頑張るぞ!
「まずは確認だ。どこまでやった?」
「歩行と走行に少し浮いただけです。後は一夏と手合わせですね。俺は不動で一夏が攻めでした」
「そうか。お前のISはフォームシフトは完了しているのか?」
「再現のために一回一回フォームシフトをさせないとダメなんですよ」
「再現?」
「はい。これは博士の大志です」
「博士か。わかった。ISを起動しろ」
「わかりました」
俺は千冬さんから数歩下がって目を閉じる。
さっきから俺の周りをうろうろするバンシィを起動。
一旦装甲が開いたまま展開したが、いつもと同様に装甲が閉じる。装備は背中のアームド・アーマーだけらしい。今は使用しなさそうだし問題無い。
「なかなか見栄えがするじゃないか。いいバンシィだ」
眩しくて腕をかざしていたらしい千冬さんが腕を下ろした。
「ありがとうございます」
千冬さんに近付きながら軽く会釈。
「まずは体操をやれ。ゆっくりでいい」
腕を組んで命令された。
「はい」
千冬さんから少しだけ離れて、体操のメニューを一つ一つ行う。あれ? 今までのやつより、かなりよさげな気がする。さすが千冬さんや!
ぐいぐいと体を伸ばしたり縮めたりする。
「終了したら次は足踏みだ。これもゆっくりでいい」
「はい」
膝を交互に高く上げる。体操の時もだが、意外と他のパーツに干渉しない。触れたとしても、動作に支障は無いレベル。さすが束さんや!
「どうだ? 少し動きやすくなったか?」
千冬さんの指示をこなしてから尋ねられた。
「はい! 今までのやり方もよかったんですけど、織斑先生が断トツです!」
媚びてる訳じゃない。事実そう感じたからだ。何だこのフィット感。
「まぁ、教え方は人それぞれだ。どうしても合う合わないの個人差が出てしまうが、私のやり方がお前に合っただけさ」
「はい」
「次は空だ。飛べるか?」
「やってみます」
次はぴょんぴょん跳ねて準備。
(行くぞ、バンシィ)
俺は軽く浮いた。
(ありがとう)
「飛行の仕方は……水中を泳ぐようにやってみろ。これも少しずつでいい。勢い余って飛びすぎるなよ」
一瞬悩んでから方法を教えてくれた。そして優しく微笑む千冬さん。何だこの母性。俺と結婚しよ。優しいィィィィィィィ!
「はい」
両手両足を動かさないよう、意識して空を進んでみる。
おー、ゆっくりだが飛べてる。イヤッホーと叫びたい所だが、授業中だからアウト。怒られちゃう。
スピードを少しずつ出していき、狭いルートを飛行した。いや、皆のいる向こう側まで行くのは邪魔になるからな。
「白雪。下りてこい」
千冬さんの声に反応して飛行を中断してから、俺は地面に着地した。
「このメニューが理解しやすいなら、今度からこれを反復しろ。まだ時間はある。代表じゃないから、クラスリーグマッチに出場しないし出られないだろう?」
「はい」
「何ならデモンストレーションとして、こちらで相手を探すが?」
やめてください。しんでしまいます。
「無理です。確かに戦いたい気持ちは少し、ほんの少しだけありますが、まだまだ難しいです」
サーベルしか扱ってないのに。
「戦闘で経験を積むのもありだぞ?」
まるで悪役みたいな笑みを浮かべて、こちらを見つめてくる。やだ、似合っててかっこいい。
「戦うなら万全な状態で迎えたいです。見世物にすらなりませんよ」
「織斑は敗北したが、やってのけたぞ?」
「一夏と一緒にしないで下さい。彼はスペシャルですから」
「そうか……残念だ。冗談はここまでにして、そろそろ私は生徒達の所へ向かうから、時間一杯まで自由にやっててくれ」
暗い表情から真面目な目つきになり、千冬さんは告げた。
「はい」
「またな」
別れの挨拶をして、皆の所に戻っていった。ちょっと贔屓しすぎじゃありませんかねぇ? まぁ、仕方が無いよね。遅れているんだし。いつまでも放置していたら、それはそれで問題になりそう。
俺は授業が終わるまで、千冬さんの教えに従って練習していた。全部とまではいかないが、今回で結構進んだかな? 基本動作が。
男性用更衣室で、俺と一夏は制服に着替える。
「今日はどこまで進んだ?」
「まだまだだが、基本的な動きは覚えられたかな」
一夏と共に服を着る。
「なるほど。もう少ししたら、また模擬戦しようぜ。今度は空でな」
一夏は着替えが終わってロッカーを閉めた。
「おう。結構先になりそうだけど」
「そんなに慌てなくていいって。少しずつ歩いてけ」
「あいよ」
俺も着替え完了。
「行くか」
一夏の言葉に無言で頷いた。
俺って覚え悪いのかな? そんな事無いよね? 普通ぐらいだよね?
俺の疑問の声は、誰にも届かなかった。喋ってないからね。