IS 一夏がいない   作:稲穂焼き

70 / 87
九話

 日曜日。アリーナは絶賛解放中だが、俺と簪はアリーナに寄らず、今日は外出する事にした。

 出掛ける理由は単純で、ここ最近訓練ばかりだったからだ。アリーナを使えない日もあったが、その時は作戦などを練っていたりしたので、自主行動でISに関わらない日は無かった。だから今日一日はISの事から離れて、息抜きのために二人で街に出掛ける事にしたのだ。

 街へ行く事に決めた俺達は、一緒に外出申請を済ます。その時に、俺が学園の制服を着ていると必ず面倒事になるから、私服でいいですかと尋ねると普通に大丈夫だと仰る。詳しく聞けば、このIS学園では私服が許されているとの事。え?

 

「あれ? 前に簪は何も言わなかったよね? 私服でOKなら何で制服のままだったの?」

 俺の記憶が正しければ、簪は着替えをせずに制服のままだった。それなら言ってくれれば、目立つ事も無かったのに。

 

「外出用の服が無い」

 

「…………え? 一着も……?」

 堂々と言い切る簪に、俺は言葉に詰まった。中学でもおしゃれを放棄して、着れれば何でもいいという女子が数人いたけど、その数人も服を何着か持っている。

 

「一着も。おしゃれなんて興味無かったから。それよりもやるべき事があって、私はそっちを優先しただけ」

 

「マジかよ。それなら出掛けるついでに服を買いに行こう。そうしよう」

 

「夕がそう言うなら」

 

「その物言いは何なの? 嫌なの?」

 

「私は無くてもいいかなって。友達の服を借りれば済むから」

 

「友達ねぇ。着せ替え人形みたいにされまくるでしょ?」

 

「結構……」

 簪は苦痛に満ちた表情をしている。それって、男がする表情だと思うんだが。

 

「まぁ、今後そうならないために、こっちで買っとこうよ。今日は仕方ないから、ここはグッと堪えて借りてきな。俺が私服だと制服は特に浮くからさ」

 

「私は気にしない」

 

「その度胸は素晴らしいが、制服姿だと俺も一緒に目立っちゃうの。多分顔は割れてないと思うけど、情報自体は出回ってるから、必要無い注目を集めるのは困る。俺も学園もな。だからお願いします」

 俺は両手を合わせて簪に向かって拝むが、このままだと断られそうな気もするので、金の力を借りる事にする。もちろん自腹。

 

「何か欲しい物買ってあげるから」

 

「……本当?」

 簪は首を傾げながら、俺が望んでいた反応を見せてくれた。やっぱり世の中金やな。

 

「ええ、嘘じゃないです。あまり高い物は買えんがある程度なら」

 

「いくつまで?」

 どうやら一個じゃ済まないらしい。致し方無し。だが、策はある。

 

「高ければ一つ。安ければ複数」

 

「交渉成立。早速行ってくる」

 決定した所で簪はすぐに行動を開始した。廊下を進んでいき後ろ姿がどんどん小さくなっていく。俺達の集合場所をまだ決めてないが、後で携帯に連絡すればいいだろう。

 待たせちゃいけないので、俺もこの場から移動して部屋へと向かう。服は何着かあるから、それを適当に組み合わせようかな。場合によって、バナージの服を借りるのも視野に入れておこう。ちゃんと許可を貰ってだ。バナージの現在地は知らんが。

 

 思考をまとめていると部屋の前に到着した。ドアを開けて中に入り、クローゼットを開く。一回試着しただけで、まだ新品の服をクローゼットから取り出して、ベッドに並べる。種類が少ないけど、別に気合いを入れる事じゃないので、最低限合う組み合わせを考えて選ぶ。

 俺は半袖で黒いシャツ、長袖で紺色をした薄手のジャケット、青のジーパンがセットになった服に着替え始める。

 服を脱いで選んだ服を着ている途中に、部屋の扉の開閉音がした。何てタイミング。だが、下を見られなければ問題無い。ちょっと恥ずかしいけど。

 

「すぐにお茶を出しますね」

 

「お構いなくー」

 バナージが帰ってきたと思ったら、楯無さんの声も聞こえた。結構珍しい組み合わせだろう。最近バナージがラウラと一緒だし、楯無さんは俺と簪の二人と一緒だからだ。

 

「……あら、リディ少尉ったら着痩せするのね。意外」

 制服姿の楯無さんは、上半身裸の俺をじっくり眺めてから感想を漏らす。下を先に履いておいて正解だった。で、爛々としたその目は何なんですか?

 

「実は俺って脱ぐと凄いんですよ」

 俺は上を着ながら返答する。見よ、このシックスパック! 実際は割れてない。少しは鍛えているので、体脂肪自体は少ないと思う。

 

「どこかに出掛けるのか?」

 こちらに背中を向けて、台所でお茶の準備をしているバナージは尋ねてきた。

 

「うん。ちょっとね」

 

「へぇ、デートかよ」

 

「お前そのセリフ言いたいだけだろ」

 背中を向けたまま喋るバナージに、ツッコミを入れながら俺は上着を着て準備完了。

 

「でも俺からすればまだ地味すぎるぜ。もっと腕とかにシルバー巻くとかよ」

 お前こっち向いてないから、地味かどうかわからないだろ。いや、無難という意味では確かに地味だけど。後、シルバー系は何も持ってない。

 

「デートという事は、お相手は簪ちゃん?」

 

「デートでは無いですが、確かに簪と一緒です」

 

「私の許可とったの?」

 

「デートじゃないです」

 

「親しい男女が買い物に行けば、どこから見てもそれは立派なデートよ」

 

「でもデートじゃないです」

 

「頑なね。はっきり認めちゃいなさいよ。男らしくないぞ?」

 

「デートに見えるかも知れませんが、今回の場合は本当にただの息抜きですって」

 

「じゃあ、私が同行しても何の問題も無いわよね?」

 

「デートじゃないからいいと思いますよ。俺は大丈夫ですけど、簪に聞いてみなきゃわかりませんが」

 

「街に行くんだったら俺も行きたい。色々と買っておきたいものがあるんだ」

 お茶の準備をしていたバナージも、楯無さんに便乗する。

 

「AIBOはどうするんだ? 今日も訓練じゃないの?」

 

「今日は休みにしてあるから大丈夫だ。一応報告しとくから心配ご無用」

 

「なら、とっとと行ってこい。あまり待てんぞ」

 

「そういう訳なんで、お茶出せなくてすみません。楯無さん」

 バナージは準備を中断して、楯無さんに向き直ってから謝った。

 

「お姉さんも着替えてくるから、気にしなくていいわ。それじゃ、二人共また後でね」

 手をひらひらさせて、楯無さんは部屋から出ていった。

 

「俺も行ってくる」

 

「おう、いってらっしゃい」

 湯飲みなどを片付け終えたバナージも、楯無さんに続いて部屋を出ていく。そして二人がいなくなってから俺は気付いた。簪と同じで二人に集合場所を伝えてなかったと。ま、こっちも電話すればいいか。

 

 

 連絡をした十分後に、俺達四人は寮の玄関で合流した。

 

「……この服似合う?」

 友人から服を借りた簪に感想を求められた。開口一番がそれなのかと思わなくはないけど、重要な事なのでちゃんと答えよう。

 今簪が着ている服は、水色の丈が短いカーディガンに、白のカシュクールワンピース。小物を入れたりする黒くて小さなショルダーバッグ。全体的に清楚に纏まっていて、小動物のような大人しい雰囲気を感じる。かわいい。けど、一人で歩かせると絶対にナンパされるので、離れないように気を配っておこう。

 

「ばっちり」

 

「……かわいい?」

 

「おう」

 

「……そっか」

 胸に手を当てた簪は、安堵の溜め息を吐いた。その後に笑みが徐々に浮かび上がり始め、嬉しそうな表情をしている。様子から見るに、今回の服装はきっと自分で選んだのだろう。

 

「夕もその服が似合ってて、かっこいい」

 

「かっこいいか……ありがとな」

 

「リディ少尉! 私はどう?」

 簪と俺が話していると、楯無さんが感想を求めてきた。ファッション雑誌に掲載されていそうな、写真と同じようなポーズをしている。

 楯無さんの服装は、水色のインナーに白い半袖のジャケット。白いロングスカートとなっている。チキンレースでもしてるんじゃないかと言えるぐらい、ガンガン攻めてきそうな印象を持っていたが、実際は落ち着いている服装で少し驚いた。

 

「似合ってますが、意外ですね。もっと攻めてくると思ってました」

 

「普段の雰囲気から離れて選んでみました」

 手でスカートの裾を広げて、ひらひらと動かしながら楯無さんは選んだ理由を言った。その動作で減点です。

 

「そうですか。はしたないのでやめましょう」

 

「はーい」

 スカートから手を離して、楯無さんは返事をした。

 

「よし、今度は俺の番だな! リディさん、どうだ!?」

 バナージは待ってましたと言わんばかりに、伊達眼鏡をくいくいさせながらポーズを決めている。

 

「お前もか。俺は小西でも杉浦じゃないんだよ」

 

「この服はリディさんが選んだやつで今日初めて袖を通した。どうなのか気になるだろ?」

 

「そりゃわかるけど、何で俺なんだ。異性の二人がいるからそっちに聞くべきでしょ」

 

「えー」

 

「大体だな……俺が選んだ服なんだぞ? それがバナージに似合わないなんて事は無い!」

 

「それ、自分のセンスも褒めてるよね?」

 先ほどまで黙っていた楯無さんが、ここで口を挟んできた。

 

「ったりめぇです。ずっと一緒に過ごしてきたんですから」

 伊達に兄弟ごっこをしてる訳じゃない。

 

「では、どうです?」

 気を取り直して、バナージが二人に感想を尋ねた。最初から二人に対して聞いた方が、事がスムーズに運んだと思うのは俺だけ?

 バナージの衣装は、白い半袖のシャツとグレーのベスト。黒のGパンだ。やっぱり、俺のセンスって完璧だわ。飾ってあるマネキンから選んで正解だったな。

 

「ファッション雑誌に載ってそう」

 

「ぱっと見は割と大人っぽく見えるけど、よく見るとあどけなさが残ってるかな? おしゃれを堪能してる感はあるわね」

 一言だけの簪に、印象を簡潔に述べてくれた楯無さん。二人の感想に対して、バナージは頭を下げた。

 

「ありがとう、簪。楯無さんもありがとうございます」

 

「……今更だけど、二人も行くの?」

 話がちょうど終わった所で、簪は前々から思っていたであろう疑問を、バナージと楯無さんに向かって投げ掛けた。簪は邪険という顔付きをしている訳ではなく、純粋な疑問符を浮かべている。

 

「俺は日用品を買い足すついでに、二人に同行したくて。独りぼっちは寂しいからな」

 

「私は簪ちゃんと数年振りにお出掛けしたくて。こんな日を夢見てたの……!」

 それぞれの理由を告げると、理由を聞いた簪は首を縦に振った。

 

「わかった。私は構わないけど、夕は?」

 

「俺もかまへんよ。皆で遊びに行く機会って、なかなか無いからね」

 

「おし、決まりだな。早速行こう」

 とんとん拍子で話がまとまり、バナージの言葉を合図にして、俺達は街へと向かい始めた。

 

 

 前に俺と簪、その後ろにバナージと楯無さん。男女四人が綺麗に分かれて、まるでダブルデートをしているかのように街中を並んで歩く。当然凄く目立つ。

 イケメン一人と美少女が二人いるので、通行人がこちらに目を向ける様子が視界の端に見える。というか自然と見えてしまうが、別に不快な視線は含まれてなさそうなので平気だ。

 目的地まで徒歩で進むと、時折織斑一夏という名が聞こえてくる。彼は彼じゃない。命は何にだって一つだ。つまり人違いです。バナージは前みたいに、眼鏡じゃなくてウィッグを被った方がよかったと俺は思う。今更なので俺は言わないし、本人もとっくに気付いているだろうから。

 

「最初はどこに行くんだ?」

 背中からバナージの声が聞こえる。そういえば、後ろの二人にどこへ向かうのか言い忘れていた。

 

「最初は簪の服を見る予定だ。服を持ってないんだとさ」

 

「……だからクローゼットの中に一着も無かったのね。てっきりお姉ちゃんから隠してるのかと」

 

「……何で人のクローゼットを勝手に開けてるの?」

 あ、確かに。俺は今、楯無さんの言葉に何の疑問を抱かなかった。シスコンだから当然と無意識に流したらしい。常識的に考えておかしいですよ、楯無さん!

 

「え゛? えーっと……」

 

「知らずに開けたとかですか? ほら、同じ部屋に越してきた時に」

 言い訳を考えて何も出てこず困る楯無さんに、俺はフォローを入れてみた。ちょっとした暇潰しを兼ねている。

 

「ああ、それよそれ。自分の荷物をどちらに運べばいいのか確認したかったから、勝手に開けさせてもらったわ。簪ちゃんが使ってない方を使用するのは普通でしょ?」

 

「じゃあ、どうして今まで言わなかったの?」

 

「うぐぅ……」

 最初の反応で、楯無さんの誤魔化しは既にバレていただろう。短時間で見抜かれた生徒会長の姿がこちらです。しかし、何この茶番。

 

「そろそろ着きますよー」

 

「まだそんなに歩いてないのに早いな。すぐそこなのか?」

 

「今から行く場所はな。近くに数件あるけど、まずはここかなって。クラスメイト曰わく、一番オススメみたい。穴場らしいで」

 特別な興味は無いけど、向こうから話が勝手にやってくる。俺は男で女装趣味は無いので、教えてもらった情報はここで活用させてもらおう。

 

「種類が豊富みたいだから、ここで揃わなければ他の店になる」

 

「……そこでいい」

 服を買うのが面倒なのか、簪は少し投げ遣り気味に頷く。気持ちはよくわかる。

 

「ただ女性用の服しか置いてないから、お客は当然女性ばかりだ。男の俺達は凄く入りづらいし、入っても確実に肩身が狭い思いをする。なので、楯無さんに簪の服選びを頼みます」

 

「私? リディ少尉が男の子目線で、私達の服を選んでくれるんじゃないの?」

 

「場所が場所なだけに、いくら俺でも流石にアウェーすぎて入れません。空間が閉鎖的なんですよ。ショッピングモールみたいな、テナントなら大丈夫ですが。後、さり気に自分を含めないで下さい」

 

「そうかなー? 誰も気にしないと思うんだけどなー?」

 今の楯無さんは絶対にすっとぼけている。この後の状況を理解しての発言だ。間違いない。

 

「目を付けられるのが困るんです。特にバナージが。女性だけの空間だと、問題が舞い込むのは確定的に明らか」

 

「私達がいれば大丈夫。女性には女性をってね」

 

「どんだけ店内に連れ込みたいんですか。もしかして嫌がらせ?」

 

「失敬な。男目線の趣味を知りたいだけよ。これ以外に何か思惑があるとでも?」

 楯無さんは後ろから前へと移動し、簪の隣を歩き始めた。その表情を見ると、心外な言葉だと俺を睨みながら唇を尖らせている。普段の行いがあまりよくないから、疑われても仕方無いと思います。

 

「ありそうだから言ったんですよ。楽しい事は好きですよね?」

 

「もっちろん」

 

「ね?」

 

「でも、今回に関しては本当に知りたいだけ。生徒会長、更識の名に誓って嘘は無い……!」

 

「……ここで使っちゃうなんて、随分軽い肩書きッスね」

 

「言うだけなら簡単よ?」

 どうやら店内へ入らないという選択肢を、諦めるしか無いみたいだ。楯無さんがここまで言ってるんだから、これ以上の抵抗はやめておこう。別に凄く嫌だった訳じゃないし。進んで入りたい訳でもないけど。

 

「わかりました。行きますよ。その代わり、もし何かあったら全力で俺を守って下さいよ?」

 

「言われずとも。私は生徒会長だから、生徒であるリディ少尉を守る義務があるわ。任せなさい」

 始めからそう言ってくれたら、その時点で俺は頷いていたのに。

 

「バナージ、どっか行ってていいぞ。退屈だろ?」

 歩く速度を落とした俺は、姉妹の隣からバナージの隣へと移動。

 

「……え? 俺も行っちゃダメなのか? せっかくだから、オードリーのために下見しようと思ってたんだけど」

 

「寧ろ来るなと言いたかったけど、理由があるならいいよ。いや、そもそも一緒にいた方がいいのか……?」

 逆にバナージを一人にした方が、トラブルに巻き込まれる可能性が高い。たった今、その危険性に気付いた。一人にしちゃダメだ。

 

「俺のそばから離れるな」

 

「やだ、イケメン」

 

「よせやい、照れるやろ」

 アホなやり取りをしている内に、目的のお店が見えてきた。

 

「ここです」

 バナージの隣から移動して、簪と楯無さんの隣に並んだ俺は店の前で立ち止まると、三人も倣って足を止めた。

 

「へぇ、ここがそうなのね」

 

「向こうにあるかわかんないけど、一応覚えとくか」

 まず目に入ったのが、白くて綺麗な外観だ。入口の隣にショーウィンドウがあり、三つのマネキンが流行の服をそれぞれ着ている。大きな建物と思っていたが、想像とは違って小さめなお店だった。そういえば穴場と言ってたな。

 中へ入ると、店内は意外と広々としている。今日は休日ではあるが、女性客が数人と店員も数人ぐらいだ。その数人に近寄らなければ、トラブルに巻き込まれる可能性は少ないだろう。

 

「簪ちゃん、まずはあそこに行ってみましょう」

「俺は向こう見てくる」

 

「ちょいと待ちなよ、お二方」

 いきなり別行動を始めようとしたので、俺はバナージと楯無さんの手首を掴んだ。簪は止まったままだから、掴む必要は無くて助かった。腕も一本足りないし。

 

「楯無さん、さっきの言葉はどうしたんですか。それにバナージもだよ。何いきなり単独行動しようとしてるの」

 

「想像してたより混んでないから、俺一人でも平気かなって」

 

「お姉さんもバナージ君と同意見よ」

 

「見ればわかりますけど、念のため一緒に行動しましょう。何があるかわかりませんから」

 

「心配性ね」

 

「そりゃデリケートにもなりますよ。俺とバナージですから」

 もし問題を起こして警官でも呼ばれたら、身分証が無くて面倒な事になる。一応生徒手帳はあるが、出した時点でもっとヤバくなるのは明白。何事も無いのが一番だ。

 例え何かあっても一人なら走って逃げれば済むが、複数になると逃げるのは困難になる。簪と楯無さんの運動神経は悪くなくて、寧ろ普通の人よりいい方だ。だが、今日の服装が問題な訳で、あの服と靴は走るのに向いていない。服の事を抜きにしても、今度は靴がネックとなってくる。

 あれ? 外出ってこんなに危険な事だったのか? なら、今後は出来る限り控えよう。

 

「そんなに警戒しなくても、ここは世紀末じゃないんだからいきなり襲い掛かってこないわ」

 

「それはわかってますけど……」

 

「リディさんは心配しすぎなんだって。今日はどうしたんだ? 少しおかしいぞ」

 

「俺達の中で一番絡まれてる、バナージの事を心配してるんだよ。老若女性ホイホイだから」

 

「人をゴキブリホイホイみたいに言わないでくれ。ホウ酸団子の方が作ってて楽しいじゃないか」

 

「さり気なく家庭的なアピールしなくていいから。とにかく、固まって行動だ。単独行動した奴は大抵死ぬんだぞ」

 

「ある日、コナン君と金田一君がやってきました。どうしましょう?」

 

「皆死ぬしかないじゃない!」

 前門のコナン、後門の金田一とか助かる方法が皆無なんですけど。何もしてなくても殺されるし、怪しい素振りや犯人ぽく振る舞っても殺される。少年よ、これが絶望だ。

 

「そんな事より、いいから一緒に行動だ」

 

『はーい』

 二人の返事を聞いて、俺は手を離す。

 

「んじゃ、行きましょう」

 少し時間が掛かったけど、こうして俺達は一緒に動く事に決定した。

 

 

 

 

 簪の服を選んだり、楯無さんの服を選んだりしていると、時刻はお昼過ぎ。俺達は結構な時間を過ごしていたらしい。意外と退屈しなかった。

 試着で疲れて面倒になった簪は、面倒くさそうな態度で服を何着か購入。楯無さんが自分の分も含めて全て払った。太っ腹だね。

 二人の服が入った二つの紙袋を俺が持って、店を出る。バナージが持たない理由は、後々荷物が増える事を見越してだ。

 近くのファミレスで食事をして、その後簪がゲーセンに寄りたいという事で、俺達はゲーセンに向かう事にした。

 少し歩いてゲーセンに到着すると、そこである人物達と出会う。バナージの口元が一瞬弧を描いたのを、俺は見逃さなかった。俺でなきゃ見逃しちゃうね。

 

「あ、一夏さん! こんにちは!」

 店内へ入ると、俺達が知らない方の兄妹が声を掛けてきた。多分、バナージが望んでいたシチュエーションの一つだろう。正直俺も期待していたシチュの一つだ。

 

「よう、一夏じゃねぇか。お前も来てたのか」

 

「えっと……誰かと間違えてませんか? 人違いですよ」

 突然話し掛けられて、困惑した表情を見せるバナージ。内心で狂喜乱舞してそう。俺も同じ気持ち。

 

「おいおい、何の冗談だ。子供でも、もうちょいマシな嘘言うぞ」

 

「そうですよ! この人に同意したくありませんが、私もそう思います!」

 

「おい……」

 普段のバカ兄ではなく、他人行儀なこの人と呼ばれ方をした弾にダメージが入った。世界は違えど、兄は妹に虐げられる運命みたいだ。悲しいね、バナージ。

 

「知り合いの方?」

 笑みをちょっと作る楯無さんが、バナージに尋ねる。どうやら楯無さんも何となく理解しているらしく、このイベントにちょっと混ざる気だ。

 

「こっちじゃ、誰一人として俺の知り合いはいません」

 嘘は言っていない。どの人も限り無く知り合いに似た他人だ。

 

「綺麗な人……」

 

「そう? ありがとう」

 楯無さんを見た蘭ちゃんは率直にそう呟き、その言葉を楯無さんが拾って礼を言う。

 

「あ、白雪さんじゃん。こんちは」

 

「こ、こんにちは」

 弾に突然声を掛けられた簪は、頭を下げて挨拶をする。

 

「白雪さん?」

 バナージが簪を見た後、俺の方を向く。状況が混沌としてきて、楽しくなって参りました。

 

「ほら、あそこに筐体があるだろ? あれのプレイヤーネームだよ」

 

「あー、なるほどな」

 俺はゲームの方向に指を向けて、バナージに簡単な説明をした。さらっと本名じゃないとネタバレ。

 

「本名じゃなかったのか……似合いすぎてて、てっきり本名だとばかり……」

 弾が肩を落としている。何かに期待する気持ちもわからなくはないが、少なくとも知らないお前に簪はやらん。

 

「わ、私の目は誤魔化せませんよ! 先週会ったばかりなのに何か髪が伸びてますが、何度も手伝いに来た人を間違える訳ないじゃないですか!」

 実は今回に限ってイレギュラーが発生してるから、その目は間違いなんですよ。こればっかりは間違えても仕方無い。というか、違いがわかってるじゃないか。

 

「だから人違いですって。その俺に似てる人に電話してみたら、はっきりすると思いますよ?」

 

「お兄!」

 

「わかった! ちょっと待ってろ!」

 バナージの言葉に蘭ちゃんは弾を呼んで電話を掛けさせる。一夏が電話に出てくれれば、更に面白い状況に発展するが、果たして出てくれるかどうか。

 

「一夏か!? 今どこにいる!?」

 どうやら一夏は出てくれたみたいだ。バナージは笑顔で両手を見せて、電話を持ってないアピール。

 

「学園か? あのな、今お前に瓜二つな奴が俺と蘭の目の前にいるんだが……え、しぇいぷしふたー? 何だそれ? ドッペルゲンガーとどう違うんだ?」

 まさかまさかの一夏のファインプレー。俺達側の状況を咄嗟に理解して、更なる混乱を招く単語を投げ込んできてくれた。もしかして、用意していたのだろうか。しかし、何故シェイプシフター? 普通にドッペルゲンガーでよくね?

 

「へー、そうなのか。おう、わかった。お、鈴か。久し振りだな。元気にしてたか?」

 

「これで人違いだと、わかってくれましたよね?」

 弾の話し相手が鈴ちゃんに変わっているのかはさておき、確認が出来た時点でバナージは蘭ちゃんに向かって話す。

 

「しぇいぷしふたーって何ですか?」

 

「シェイプシフターというのはね、色々な姿に変身出来る妖怪の一種よ。その正体は、妖怪じゃなくて悪魔や幽霊とも囁かれてるわ」

 わからない単語を聞いた蘭ちゃんが質問すると、楯無さんが簡単に答えた。

 

「へー、そうなんですか。じゃあ、目の前の一夏さんはシェイプシフターって事ですか!?」

 

「俺はシェイプシフターじゃない!」

 

「ちなみにシェイプシフターは銀が苦手なんだよねー。だから銀製品を肌に押し付けると、火傷みたいな傷痕が出来るよ」

 二人が銀製品を持ってるかわからないが、とりあえず弱点を教えておく。

 

「えっと、これでも大丈夫ですか?」

 蘭ちゃんは左手首に身に着けているシルバーのブレスレットを取り外して、俺達に見せる。

 

「よしきた!」

「や、やめろォ! ぶっ飛ばぁすぞぅ!」

 俺がバナージを羽交い締めにすると、拘束を振り解こうともがき始めた。これはあくまで振りなので、俺もバナージも形だけで力は入れてない。

 

「し、失礼しまーす……」

 想い人に一応似てるからなのか、蘭ちゃんは緊張で手を震わせながら恐る恐る、バナージの手にブレスレットを当てた。が、何も起こらない。それを見て、俺はバナージを解放する。

 

「あれ、何の反応もしませんよ……?」

 

「さっきシェイプシフターじゃないって、俺言ったんだけど」

 

「これには深い何かがあると、私の勘がそう告げてます! 一夏さんの姿をしているあなたは、一体何者なんですか!?」

 

「……実は嘘なんだけど、俺ってさ……織斑一夏のクローンで失敗作なんだ……」

 深刻な表情で俯き、自分の出生を話し始めるバナージ。この世界だと瓜二つだから簡単に信じられてもおかしくない。

 

「さっきは騙されましたが、もう騙されませんよ! どうせクローンなんて嘘でしょ……って、嘘じゃないですか!」

 蘭ちゃんの反応が面白くて、俺は思わず笑いそうになったが何とか堪える。

 

「クローンは嘘だけど、俺は本当に織斑一夏とただ似てるだけだから。世の中には自分に似た人が三人いるって言うだろ? 写真が公開されたお陰で、有名人になっちゃったよ」

 

「ほ、本当に……?」

 

「あー、そういえば一夏も同じ事言ってたな。自分に似た顔がどうとかって」

 電話が終わった弾が話に加わってきた。

 

「蘭、この人は一夏じゃねぇ。つまり俺達の勘違いだ」

 

「百万歩譲って顔は似てるのはよくあるけど、声まで一緒ってそんな偶然があるとお兄は思ってるの!?」

 

「俺だって信じられんけど、電話に一夏が出た時点で本人じゃないって判明しちまったんだ。顔と声の他がいくら似てようと、それを認めるしかねぇんだよ」

 

「なぁ、二人にちょっと聞きたいんだけど、織斑一夏に彼女はいるのか?」

 

「あいつはそういうのに無縁だ」

「いてたまりますか!」

 二人はそれぞれ違った言葉で、バナージの質問に返した。あ、こっちもなのね。

 

「何でそんな事を聞くんだ?」

 

「俺、彼女いるから」

 

『えっ……』

 五反田兄妹は信じられない物を見た表情をしている。特に蘭ちゃんの方は顔が真っ青になっていた。二人共、目の前の一夏は一夏だけど一夏とちゃう一夏や。

 

「あー……いや、悪い。一夏の顔で彼女いますと言われて驚いちまってよ。おい、蘭。一夏じゃないんだからへこむな」

 

「そ、そうだった……心臓に悪いなぁ、もう……」

 弾も蘭ちゃんも安堵している。それほどまでに、一夏と恋は無縁だと二人は思っているのだろう。

 

「次に会う事は無いかもだけど、一応名乗っておこう。俺は天城カイト。ナンバーズハンターをやってる」

 バナージがパイロットからデュエリストになった瞬間である。あ、これってクラスの自己紹介の時に、パイロットよりデュエリストの方を名乗っといた方がよかったんじゃ? 今の名前は明らかな偽名ってわかるし。選択を間違えたかも知れない。

 

「で、こっちが弟の天城ハルト」

 バナージが俺の事をそう紹介しながら、肩に手を置く。俺もパイロットからデュエリストになってしまった。

 とりあえず、自分の肩に置かれた手を払いながら俺はお決まりのセリフを言う。

 

「馴れ馴れしく肩に手を置いてくる兄さんは嫌いだ……」

 

「いいですとも」

 違う、そっちの兄さんじゃない。

 

「そのナンバーズハンターってのは何だ?」

 

「宝くじのナンバーズを買うのが趣味なんだ。ロトとミニロトとジャンボと通常宝くじとスクラッチを買う奴は、皆等しく全てが敵だ!」

 

「へ、へぇ……」

 いきなり敵意を見せてきたバナージに、弾が引いている。当然の反応だ。

 

「これで俺が織斑一夏じゃないってわかってくれたか?」

 どうやらバナージは、二人に自分の正体を明かす気は無いみたいだ。そこら辺の線引きはしっかりしていて、俺は安心した。この状況でうっかり真名を言っちゃってもおかしくないから。

 

「あぁ、しっかりと。邪魔してごめんな、カイトにハルト。そちらの二人もすみません。ほら、蘭も」

 

「ぐっ……すみません、でした……!」

 弾と蘭ちゃんは頭を下げて謝罪をした。蘭ちゃんが嫌々な理由は、多分兄貴に促されたからだと思う。

 

「気にしてないから大丈夫だ。な?」

 

「うんうん」

 バナージの言葉に、俺も気にしてないと頷く。

 

「私達も同じよ。気にしないで」

 

「はい……って、どこかで見た事あると思えば、もしかしてIS学園の生徒会長さん……ですか?」

 このタイミングで蘭ちゃんは気付いたらしい。そういえば、受験するんだっけ? こっちも同じなら、楯無さんの顔を知っていても不思議ではない。

 

「ええ、私が生徒会長の更識楯無よ」

 

「ほ、本物!? あの! 私、五反田蘭と言います! 来年IS学園に進学する予定なんです! 簡易適性検査でAでした! 後、私も生徒会長をやっています!」

 自分を紹介していくスタイル。コネでも作る気なの?

 

「へぇ」

 楯無さんの目が輝く。どうやら興味が湧いたらしい。確か、ISに関わらない人間でAって凄いんだっけ?

 

「そうね……ちょっとお話しましょう。時間はある?」

 

「あ、はい! あります! 凄く余ってます!」

 

「おい、蘭!」

 

「お兄は黙ってて! 今は大事な時なの!」

 

「はい……」

 弱い。何か大事な用があるのなら、もう少し正論を盾にしてもいいと思うの。

 

「妹さんを借りてもいいかしら?」

 

「あ、はいっ! いくらでもどうぞッス!」

 

「ありがと。それじゃ、向こうのベンチへ行きましょうか」

 

「はい!」

 

「三人共、また後でね」

 俺達に手を振りながら歩き始めた楯無さんは、蘭ちゃんを引き連れてこの場を移動した。ふむ、俺も帰ったら蘭ちゃんを紹介しようかな。

 

「楯無さんは行っちゃったし、俺達も行こう。簪はあれがやりたいんでしょ?」

 

「うん」

 

「今回は俺も一緒にやれるから、楽しみだな」

 

「うん、私も」

 

「よーし、今日は後ろに人が並んでても、連コしちゃうぞー」

 

「ルールは守って」

 

「はい」

 当たり前だけど注意されてしまった。

 

 

 

 

 俺、バナージ、簪の三人に弾一人を交え、四人でゲームをプレイ。勝って継続、負けて後ろに並ぶを繰り返していると、話が終わった楯無さんと蘭ちゃんがやってきた。

 簪は満足したらしいので、ここで俺達はゲーセンを出て五反田兄妹と別れる。今度はバナージの買い出し付き合う事になった。これで最後だろう。

 いつも利用するショッピングモールへと向かい、店内へ入る。休日で夕方近いという事もあり、結構な人混みが出来上がっていた。これは下手したらはぐれそうだ。

 そんな事を考えていたら、バナージが別行動を提案してきた。反対する理由は何も無いので、集合場所と集合時間をさくっと決める。

 

 そうして俺達はそれぞれ行動を開始した。バナージは一人で、俺は簪と楯無さんの三人という組み合わせで。

 

「簪。欲しい物は何かある?」

 

「……………………思いつかない」

 

「あ、そう」

 特に考えて無かったらしい。お店を回りながら考えるか。

 

「何々? 何の話?」

 会話の内容が気になった楯無さんに、俺は出掛ける前の事を説明をした。

 

「ずるい! 私も何か欲しい!」

 

「俺が品を選ぶんで、楯無さんはそれを自分のお金で払って下さい」

 

「何か違う! もっとこう……気持ちが込められたやり方をお姉さんは望んでるの!」

 

「それなら俺が諭吉を渡すんで、楯無さんはその諭吉で好きな物を買って下さい。絶対俺より金持ってるのに……という負の気持ちがこもってます」

 俺は自分の財布を取り出し、中から諭吉を掴む。

 

「お姉さんの望みを絶妙なスラロームで回避していく姿は、鰻を彷彿とさせるわ」

 

「それ避けてるんじゃなくて、既に捕まってるじゃないですか。ディフェンス真っ只中」

 

「とにかく、お姉さんは簪ちゃんと同じようにしてほしいの!」

 なるほど、大体わかった。というか、楯無さんの言いたい事は最初から理解している。

 

「となると……簪の選べる金額の幅が変わっちゃうな」

 

「それは嫌。お姉ちゃん、諦めて」

 

「そんなー!」

 簪をそそのかして、楯無さんに諦めてもらう方法を実行。正直こんな事をしなくても、普通に買える余裕はある。

 

「わかりました。簪の限度額を減らさずに、楯無さんにも何か贈りますよ。お世話になってますし」

 

「やったー! ありがとう、夕君!」

 

「はい」

 ここで本名を出す辺り、感謝の気持ちの表し方をわかっている。

 楯無さんにも贈る事を決定した俺達は、探すために歩き始めた。

 

 

 姉妹に手を抱かれて歩く様は、このご時世に珍しいらしく当然注目を集めた。おう、けぇりな。俺ァ君らの見せ物ちゃうんや。

 二人はあるお店を前にして、同時に歩を止めた。アクセサリーショップだ。形に残るという意味で、アクセサリーは打ってつけだろう。今後簪と楯無さんに彼氏が出来た時、不味いんじゃないかと思わなく無いが。それに贈り物をするなら、まず最初に普段からお世話になってる俺達側の楯無さんに贈りたかった。

 俺の腕を解放した姉妹は店内に入り、目当てな物を探し始めた。狭いお店だが、色々と置いてある。ネックレス、ブレスレット、指輪などのスタンダードはもちろん、カフス、ブローチ、ベルト、キーホルダーなどもだ。これが宝石店だったらヤバかった。金銭的な意味で。そういう高価な物は将来にとっときなさい。

 

 

 商品を適当に眺めていると、二人が選んだ物を持ってきた。簪はブレスレット、楯無さんはイヤーカフス。

 素人ながら適当に分析をすると、簪の打鉄弐式の待機形態は指輪。手の指輪を見ると、必然的にブレスレットが視界に映るからだろう。多分。

 楯無さんの場合は、イヤーカフスは耳に装着する物。そして髪型はショート。つまり、一見髪の毛で隠れて目立たないように見えるが、さり気なく見える部分で自己主張も同時に行う。楯無さんの器用さが伺い知れる。多分。

 

「ありがとう、夕。大切にする」

 

「おう」

 笑顔な簪に礼を言われて、俺は頷く。これで心残りの一つは無くなった。後は、俺達がいつか帰る時にお別れを言えるかだ。前回の事を考えると、多分トーナメントが終わったらすぐだろうか。欲を言えば、臨海学校も行っときたい。また皆で遊びに行きたいんじゃ。

 

「ごめんね、私のも買ってもらっちゃって」

 

「お礼ですから気にしないで下さい。何で返すか迷ってたんで、ちょうどよかったです」

 

「ありきたりで何か寂しい」

 

「そう言われましても……これ以上の事なんて本気で思いつきません」

 

「でもIS学園に通ってて、異性からの贈り物なんてまず無い。つまり、これを見せびらかせば羨望の眼差しが…………凄くいいわ。優越感に浸れる……!」

 小さな紙袋を見つめてうっとりしている楯無さんは、もう人の話を聞いてなかった。

 

「そんなに時間は経ってないけど、そろそろ向かおうか」

 

「うん」

 ブレスレットが入った紙袋をショルダーバッグに優しく仕舞った簪に、俺は手を差し出す。意図が伝わったようで、俺達は手を繋いで集合場所へと向かう。楯無さんはあのままにしておこう。集合場所を知ってるし、別にアレを置いてきてしまっても構わんのだろう?

 という事で、俺達二人は楯無さんを放置して集合場所に向かった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。