流星のロックマン Record Of Pleiades 作:中佐
というわけで遅くなりました。
また中途半端なところで終わります。
改めて奴の姿を見る。
紫のボディに映える銀色のアーマー。
それは特に背面をびっしりと覆っており、背後からの攻撃は全て跳ね退けられてしまうだろう。
正面や腕にもそれなりの数はあるがそれ程密ではない。
鋭く研ぎ澄まされた刃のような眼光が俺を射抜く。
だが、左目には大きな傷痕が残っている。
中学に入り、身長が伸びたはずの俺の倍ほどの背丈で見下ろす。
顔を見た限り黄色人種ではないようだ。
ガタイも良く、どこからどう見ても成人した男であることに間違いはない。
「お前の名はなんだ。覚えておこう。」
「は?人の名前を聞くときは、まず自分の名前を名乗れって教わらなかったのか?」
「・・・残念だが、俺が教わったのはお前達の非道さだけだな。」
なに言ってるんだこいつ。
「俺達がお前の親に何をしたっていうんだよ。」
ああでも、俺個人に恨みがある奴なら五万といるか。
2年前の自分を思い出す。
「それを話す義務はない。」
「そうかよ。なら何故スバルを狙ったんだ。本当にムーメタルってやつが目的なのかよ。」
すると、ムーメタルという言葉に反応し、驚きの色をみせる。
「何故そのことを!」
「さあな。」
隠し事が苦手か?
それじゃあそれが本当だと言っているようなもんだ。
「まあいい。ならば叩きのめして吐かせてやる。」
「ああそうかよ。で、俺の名前はジャック・コーヴァス。こっちから名乗ったんださっさと言え。」
「俺の名はアーマー・バルドゥール。我等が正義の裁きを受けるがいい!」
「はっ、てめえらが正義だと?ふざけんな!」
双方再び戦闘態勢に移る。
俺はウェーブロードを離れ空中へ。
見たところバルドゥールの攻撃方法は打撃だ。
槍を使うような体躯ではないし、あれは電波変換を解かせる為に使ったのか。
殴打するよりも、銃撃するよりも、貫いた方が変身は解きやすい。
身体を構成する電波が乱れやすいからだ。
でも、なんだ。
あいつを見てると何かが頭の奥でちらつく。
似たような姿のものをどこかで見た気がするのだ。
俺は空から奴の頭上に火の玉を落とす。
何度も同じ手が通じるとは思わないが、また目くらましだ。
「コーヴァス!」
「わかってるぜ!」
事前に伝えておいた配置に移動する。
コーヴァスは敵の正面。
俺は敵の左斜め下。
バルドゥールは隻眼、ということは左側が死角。
その上前にはコーヴァスがいる。
囮に使うのは申し訳ないが、まず最初に奴はコーヴァスを攻撃するだろう。
その隙を狙う。
煙が晴れ、コーヴァスが翼を広げ突進する。
バルドゥールは俺の思っていたよりも冷静だった。
そんなの、瞳を見ればわかる。
これはまずい。
そう直感的に感じた俺とコーヴァスは、素早く再び炎を撃つ姿勢に入る。
正面と斜め下から広い範囲で攻撃をしかければ、少しは怯む筈だ。
これで体勢を立て直す時間を稼ぐ。
放たれた弾は全てバルドゥールに命中し、また奴の周囲が見えなくなる。
「へっ!さっきから動かねえがどうした!」
コーヴァスが笑うように言う。
「残念だが動く必要がないのでな。」
「!?」
煙の中から突然火の塊が飛んできた。
驚いたが、咄嗟に体をそらし直撃は免れる。
だが、ほんの少し下へ下降した途端、先ほどとは別のエネルギー弾が飛んできて、さすがに避けれずに直撃した。
「うあっ!」
射撃も使えたのか!
翼は一瞬感覚を失い、俺はやむを得ず地上へ急降下する。
それと同時に、無傷のバルドゥールが降りてきた。
そして、頭のメットが開き、そこからさっきのエネルギー弾を放ってきた。
「どこからかと思ったらそこか!」
地面を転がるようにそれを避け、建物の陰に入り立ち上がる。
「さあ、今からここは戦場だ。」
ウェーブロードを離れ、下へ降りたということは、周りは市街地だ。
すでに先ほどの銃撃で逃げ始めている一般人もいる。
ここを戦いの場にしようって、正気かよこいつ。
いや、テロリストだから当然なのか?
こいつは昔の俺のように、他人なんてどうでもいいってことか。
「させるかよ!って、うおっ!」
俺はウェーブロードへ戻ろうと空を目指したが、強い衝撃にまた地面へと落ちた。
ぶつかってきたのはバルドゥール。
だが、その姿は丸い球体のようだった。
ああ、そうだ、どこかで見たことあるかと思ったら、こいつアルマジロか!!
「言っただろうここが戦場だと。」
「ちっ。」
お前みたいなやつが転がり回ってたら、それこそ戦場みたいに廃墟ばっかりになっちまう。
俺は今度こそ上へ戻る為に、炎の弾を一つに絞って当てる。
それはバルドゥールに命中したが、体を丸めたあいつに当たった瞬間、こっちに向かって跳ね返ってきた。
そうか、さっきの火の塊は俺のか!
「俺のアーマーはその程度の弾など弾く。さあ、このままでは町が大変なことになるな。」
「くそっ!」
奴のアーマーを翼でなら切り裂けるという保障はない。
下手をすると飛行すら不可能な状態に追い込まれるし、打撃は悪手だ。
なら、どうする?
結局戦い終わらず。
基本2000字と少しでおさめたいのでだいぶ話数かさみそうです。
うーん、長くなりそうだなあこの作品。
まだ前座の前座なのに。
あ、読み返してないので前の話と繋がりおかしくないか不安。
5/8 後書き脱字修正