大手町地底。「へえ・・ここがウワサの。」「そや、摩倶荼羅教総本山・勝宮寺や。ワテら芸能関係者にとって、
摩倶荼羅教は最も信仰されとる宗教なんや。」「話は聞いたことはありましたが、まさか大手町の地底とは・・」
「摩倶荼羅教の発祥は島原の乱で山中に逃げおおせたキリシタンと、異端の仏教・立川流の出会いにあるんや。」
「真言立川流・・淫祀邪教の?」「いや、本来は男女平等の当時としては画期的な教義やったんやが、なにせ時代が
男尊女卑やったもんで異端とされたんや。また大半の信者もそこに根本思想があったんで、教義を誤ったんや。」
「なるほど・・」「そして摩倶荼羅教はその思想をさらに進め、女性原理としたんや。本尊は摩倶荼羅菩薩、つまり
いわゆるマグダラのマリア。穢れから身を起こし、キリスト第一の側近にまでなった女性・・穢れを知るからこそ、
世の真実を見抜ける。転じて、身分制度の埒外にあった女芸人たちの信仰の対象となったんや。」「それで芸能界や
花柳界に信者が多いんですね。」「そや。舞妓や女優、そして女性アイドルも、ここで洗礼を受けることが一流への
ステップなんや。」「しつもん。なんでミーアはしないんですか?」「宗旨違いや。ミーアは古神道の巫女やから、
そっちの洗礼をもう受けとる。」「で、メイリンを連れてきたわけですね。」「・・なんか緊張してきた。」
「ま、成人式くらいの感覚でええんやないか。おかしな儀式とかやないし。教主に洗礼を受けるだけや。」
カツカツ・・「開門。」ギギギギ・・「バルドフェルド様、お待ちしておりました。」「お世話になります。」
「本堂は男子禁制ですので、男性の皆さんはどうぞこちらの東屋でお待ちください。」「え?・・だって住職は
男性ですよね?」「私はこの職に就いたときに去勢しております。」『!・・宦官。』「そういうことです。」
「行きや。」「は、はい。」ツカツカ・・ギィィィ・・ゴォン。「・・軽くヤバいかも。」「こちらです。」
本堂。「教主様、洗礼を授かりたき者をお連れしました。」『・・どうぞ。』ギギィィ・・「失礼します。」ギッ。
『・・そちらの座へ。』「は、はい・・」すとっ。『・・ようやく来られましたね、メイリンさん。』「え?」
くい。「あ!・・あなたはガブ女の!」「はい・・黒薔薇会『アカシアの花』志摩子です。」「あなたが・・」
「現摩倶荼羅教主に就いて二年になります・・」「なぜ教主様がガブ女に?」「年相応の学生ですし、この素性で
何の問題も無く受け入れてくれる唯一の学校ですから・・」「それで・・驚いた。」「では洗礼の儀を始めます。
乃梨子。」「ははっ。」すすっ・・「この白衣にお着替えください。」「は、はい。」バサバサ・・きゅっ。
「結跏趺坐に・・そうです。準備、整いました。」こく。「手を合わせてください。・・それでいいです。」
すっ・・「アルト・イスク・ダー・ヤルンデン・・」キィィィ・・(?!・・志摩子さんが光る!)「ゼクト。」
ゴオオオオーッ!「光が・・まとわりつく!」「だいじょうぶ、害はありません。」「で、でも・・」スゥゥゥ・・
「・・メイリンさんは、正しき心をお持ちですね。これほど霊光になじむ方はそういません・・」「は、はあ・・」
「では鏡をご覧ください。」すっ。「あ、どうも・・ええっ?!」「どうです?」「・・お肌がツルツルに!
シミやソバカスがきれいさっぱり無くなってる!」「教主の御光は身体の新陳代謝を調整します。よく実年齢より
かなり若く見える方がいますよね。」「ああ・・たしかに。」「ダイエットやエステより効果ありますよ。」
「メイリンさんは生地が良いので、当分は若いままです・・」「年を重ねると、より効果は明確になります。」
ギィィィ・・「済んだか。」「メイリン、どうだった?・・おおっ!」「どうよどうよ?」「・・きれいだ。」
「さすが噂に名高い教主の洗礼や、霊験あらたかやろ。」「うん、来てよかった。」「これほどとは・・」
「お疲れ様でした。」「住職、これお布施でやす。」すっ。「ありがたく頂戴いたします。南無阿弥陀・・」
カツカツ・・「社長、あのお布施ってかなり厚そうでしたけど。」「ここの相場はあんなもんやで。」「ちなみに?」
「基本は500万からやな。」ぎょっ!『ご、ごひゃくまん?!』「あ、ちっとイロつけたけどな。」「そんなお金
あの事務所のどこに?」「ゼニっちゅーんは、こーゆーときこそポンと出すもんや。出し惜しみはあかん。」
「たしかにそれだけの価値はありますね。」「ここは芸能界だけやのうてセレブ界からも参拝客が絶えんのや。
今日のも、普通やったら二年待ちのとこを特別にまわしてもろたんや。こっちのそれなりの誠意みせんと。」
「・・じっさい、いくら包んだんですか?」「んなこた気にせんでええ。これが投資というもんや。そんだけ
メイリンには期待しとるということやで。」はっ。『あ・・』「それに応えないとね。」「うん、そうだね。」
「今日の予定参拝客はこれまでです。お疲れ様でした、教主。」「住職もご苦労様でした・・お仕事終わり。」
『ふう。』とんとん。「あ~・・肩こる。この衣装重いし。」「揉みましょう。按摩は腕におぼえあります。」
ぎゅっぎゅっ。「はぁ~・・本当にうまいわ。」「乃梨子くん、こっちも次たのむよ。」「おまかせを。」
「いえ、・・お父様は私が。」「そうですね、愛娘に揉んでもらったほうが霊験あらたか。」「はははは。」
「それにしても、住職ってブッツリやってたんですね。」「志摩子が生まれてすぐにな。これ以上子を設ける気が
なかったのと・・」「・・お母様。」「そうだ。教主の宿命とはいえ、あまりにも・・」「・・いったい?」
「・・乃梨子くんは知っておくべきだろう。」こく。「ええ。行きましょう・・」すっ。「・・どちらへ?」
カンカン・・「・・まだ地下があったなんて。」「ここの存在を知るのは限られた者だけだ。檀家といえども
口外無用としておる。」「・・沈黙は守ります。」「・・着きます。」カツッ。カツカツ・・「開門。」
ギギギギ・・ぬっ。「わっ?!」「旦那様、お嬢様、ようこそ。・・こちらは?」「志摩子のスールだ。」
はっ。「・・そうですか、それなら。私はここの管理人、蒼華と申します。」「の、乃梨子です。」「様子は?」
「落ち着いておられます。お二人が見えられれば、さぞやお喜びになるでしょう。ささ、中へどうぞ。」
カツカツ・・ぱっ!「うっ?!・・ここにも陽光が?」「・・此処こそ勝宮寺の奥宮・『夢幻殿』よ。」
サクサク・・『♪アハハハ。』「?・・人が。」「晶光院さま、旦那様と志摩子様がお目見えです。」「ん?」
くるっ。「あ!・・おじさん、おねえちゃん!」「元気そうだね、晶。」「こんにちは。」「こんにちはー。」
「こっちが乃梨子ちゃん、新しいお友達よ。」「わー!のりこおねえちゃん、はじめまして。あきらです。」
「こ、こんにちは・・」たじっ。「さあ晶光院さま、あちらでおやつにしましょう。」「うん、おばさま。」
タタタタ・・「・・お姉さま、あのご婦人は?」「・・お母様。」「えっ?!」「そうだ、私の妻にして志摩子の
母親の晶だ。」「で、でもあの言動は?」「・・お母様は先代の教主。けど、あまたの霊を浄化しているうちに、
精神の限界を越えてしまい・・」「精神が幼児退行化し、今では私も志摩子も認識できなくなっている・・」
「これが・・教主の呪い。・・あの女性は?」「・・お母様のプティ・スールだった方。」はっ!「それって!」
「晶も十数年前はガブ女生だった。蒼華さんは晶の発狂を知ると、世話係を買って出たのだ・・一生懸けて。」
「・・それほどお姉さまを。」「・・乃梨ちゃんはあそこまでしなくていいわ。私もそれは望まない・・」
「いえ、もしお姉さまがああなったら、私も。」「ダメ。・・私のために乃梨子の人生を捨てちゃだめよ。」
「それは私の勝手です。あの蒼華さんも同じ気持ちでああしているはずです。」「でも・・」「・・志摩子、
乃梨子くんの言い分はある意味正しい。なぜなら・・あれを。」「え?」きゃっきゃっ。「ほらほら、お口の周りが
汚れてますよ。」にこにこ。「む~。」ふきふき。「・・とても楽しそう。」「そうだ、彼女はいま幸福なのだよ。
常に最愛の人のそばにいられるのだから。幸せの形は人それぞれ、それは誰にも決めつけられないことだ。」
(・・私はあそこまでお姉さまを愛せるのだろうか・・いえ。)ぐっ。(できる。だって私もお姉さまを・・)
ガンダム長屋・屋外共同テーブル。「学生さん・・ですか?」「チーム『黒薔薇会』二号生、『アカシアの花』
志摩子。普通に言えば二年生ね。」「となると16か17くらいか。若いな。」「ドモン、あのチームの強さを
知らないわけじゃないでしょ。一年生ですらプロ顔負けなんだから。」「わかってる。エリス、さっきビデオで
見せたとおり、学生だからといって決して油断ならないぞ。」「はい。対戦相手が誰であろうと関係なし、ただ
打ち倒すべき対象です。」じーっ・・・「?・・レンちゃん、だいじょうぶよ。そんなに不安そうな顔しなくても。」
「そういえばレンちゃんのドレス、変わったわね。」「けどどっかで見たような・・」「これは私が決勝リーグ時に
使ってた仕事着を、レンちゃん用に仕立て直したんです。」「ああ・・あのときのか。」「へ~、サイズかなり
違うのに、うまく直してるわ。」「腕のいい仕立て屋さんがネオ浅草にいたので。新しい仕事着もそこで作りました。」
「ね、どんなの?」「ちょっと待っててください、着替えてきます。」ぱたぱた・・ぱたぱた。「これです。」
『おおっ!』「これは・・すごい!」「なんて発色なの?!布地とは思えないわ。」「それにこのデザイン・・
ハデだが、きわめて動きやすく配慮されている。前のドレスよりも動きやすいはずだ。」「そのとおりです。
おかげで踊りのグレードもアップしたのが自分でもわかります。」「こんなすごい仕立て屋さんがいたのね・・」
「で、ドモンさん、新技の受け手をお願いしたいんですが。」「ほう、いいぞ。フレンチキッスを上回るものが
できたんだな。」「はい。なんとか工夫がつきました。」「それは楽しみだ。さっそく受けてみよう。」ガタッ。
ザッ。「ツインダークの代わりに、このバナナでやります。」「それが当たれば俺の負けだな。よかろう。」
グッ。「あの構えは?・・フレンチキッスと違う。」「・・はっ!」シャッ!「下段?」「あんなに低く?!」
ゴオッ!「おおっ!」ドガガガガッ!ズガガガガーン!「うおおおおーっ!」ボゴオオオオーン!「すごい!
ドック壁にめりこむなんて!」シュゥゥゥ・・「・・これぞ新必殺技です。」「・・バナナでこの威力か。」
グッ、ボゴッ!「ふう・・硬気功が無ければ即死だったぞ。エリス、見事だ。」「ありがとうございました。」
「レイン、見えたか?」「・・いえ、あまりにも速くて何がどうなったのかさっぱり。」「だろうな。・・俺も
半分くらいしか認識できなかった。」「ドモンが見切れない速さ・・」「さすが大会一のスプリンターだ。」
「・・・・。」「?・・レンちゃん、どうしたの?」ぐいっ。「え?・・あ、ちょっと、どこへ?」タタタタ・・
日比谷公園・アーネンエルベ城。・・タタタタ。「ここは・・真祖の城。あ。」ギィィィ・・「・・メイドさん?」
「レン様、何か火急の用ですか?」こくこく。「・・わかりました。エリス様、ご同道を。」「は、はい。」
カツカツ・・「うわ~・・お城の中ってこうなってたんだ。」「まもなく主たちがおられる居間でございます。」
ギギイ・・「アルクエイド様、レン様が火急の用件と。」「へえ、レンがそういう行動をとるのは初めてね。
察するに、そちらのエリスのこと?」こく。「あ、こんにちは。」「ようこそアーネンエルベ城に。まずはどうぞ。」
コトン。「ティーでございます。」「あ、すみません。」「・・なるほど、レンはあなたの新技に重大な欠陥を
見つけたそうよ。」「欠陥?!・・レンちゃん、そうなの?」こくこく。「けどその場にキング・オブ・ハートも
いたのでしょ?ならそこで言って直せばよかったのでは。」ふるふる。「・・なるほど、真祖でなければ直せない
欠陥というわけですね。」こくこく。「エリスちゃん、その技とやらを見せて。」「あ、はい。」「さっちん、
受け手やって。」「はい師匠。」ザッ。「あの、真剣では危ないので、何かダークの代わりになるものを。」
「いえ、真剣でやって。」「えっ?!それでは殺してしまいます!」「かまわないわ。さっちん、いいね?」
「はい。」「コハク。」「はいはーい♪目盛り3と。」ぷす。「・・注射?」「はい、これでだいじょうぶですよ。」
「・・いいんですか?」「真剣じゃないと、本当の技は出ませんよ。」「・・わかりました。いきます!」シャッ!
ズガガガガッ!ズドドドドーン!「ぐはあっ!」ズザザザザーッ!・・「・・なるほど。レンの言いたいことが
わかったわ。」「そ、それよりこの方を!」すっ。ぴた。「・・即死です。けど。」・・むっくり。「えっ?!」
「あいたたた・・たしかに殺人技だね。」「・・なぜ?!」「まあ生きてるから問題なし。それより・・」すっ。
ツカツカ・・「あなた、この技いままで何回発動した?」「え?・・これで二回目ですけど。」「二回・・か。
ならまだ間に合うわね。」「・・どういうことです?」「はっきり言うわ。この技あと一回使ったら、あなた
再起不能になるわ。」「えっ?!」「具体的には、全身の筋肉がズタズタに裂ける。その証拠に。」すっ、ぽん。
ズキイッ!「あぐっ!」ガクッ!「!・・」「ちょっと触れただけで激痛が走る。人としての筋力限界ぎりぎりまで
酷使してるの。」「普通はそこまでできないよう、本能的セーフティがかかるはずですわね。」「それすら凌駕して
しまう技量はさすがアルカナですが、この場合はやりすぎでしょう。」「かといって、この子がセーブかけるはずも
ないわ。・・おそらく壊れても全力を出すでしょう。」「・・そのとおりです。それがファイター・・」ググ・・
じーっ。「・・わかった、レンがそこまで頼むなら。預かっててもらったお礼もあるしね。みんな、いい?」こく。
ぐっ、ぴっ。ドロ・・「・・血?」「確認。・・引退するか、少しだけ人であることを捨てるか・・どっち?」
「・・心まで変わらなければ。」「よし。手だして。」ぴっ、ドロッ。わしっ。「・・なぐっ?!」ビクン!
「苦しいだろうけど我慢して。私の血であなたの身体が変成しているの。」「あ!・・が!・・」ガクガク!
タタタ・・ひしっ。「レン・・ちゃん・・・だいじょうぶ・・っ!」メキメキメキ!「あと少し・・」シュゥゥ・・
「はあっ、はあっ・・」「変成完了。筋肉の痛みは?」「・・あ、痛くなくなってる。」もみもみ。「成功ね。
これで新技をいくら発動してもだいじょうぶよ。」「・・あの、それでデメリットは?」「ん~、老化が少し
遅くなるくらいかな。」「・・その程度ですか?」「ちょっとジャンプしてみて。」「え?はい。」ぐっ、シャッ!
「うわっ!」ぱしっ!「・・びっくりした~。天井にぶつかるとこだった・・」『だいぶ勝手が違うから、よく
練習しておいてね。』「はい。・・ええっ?!な、なんで落ちないの?」『だって天井の桟つかんでるじゃん。
それじゃ落ちっこないって。』はっ。「つまんでるだけなのに・・これが真祖の血の力・・」ぱっ。・・すとっ。
「着地もまったく衝撃が無い・・すごい。」「『転成人』、ひさびさにできましたわね。20世紀以来ですか。」
「なかなか血の相性が良い方っていませんしねー。アルカナやシャッフルなら文句なしです。」「けど問題は、
この力をどう使うかですわ。前回は幸いに正しい心の新聞記者で、母国の平和のために尽力しましたけど。」
「けど、ある特定放射性物質にアレルギーがあったのは想定外でしたが。」「・・クラーク・ケント?」
「ま、そのへんは大丈夫じゃない?エリスならどう転んでも変な道には走らないよ。」「変な道・・ですか?」
「悪用するってこと。悪く使えばどうなるか、想像できるでしょ。」「たしかに・・まあ私にはそういう野心とか
ありませんから。」「だから使ったのよ。・・明日の試合、楽しみにしてるわ。」「ありがとうございました。」
だが・・カーン財閥日本支社。「・・すごいものだな、真祖の血というものは。」「やっと解析できたと思えば、
これじゃ効能が激しすぎて使えませんね。」「相性が問題だな。それと変成に耐えうる資質・・やはりあいつしか
いないか。」「とはいえ、使えばどのような事態が起きるか、まったく見当がつきません。悪くすると・・」
「いま以上の怪物になるな。さて、いかにすべきか・・」『試してみればいい。」パシュッ。はっ!『マスター。』
「その真祖の血の超人化の力、ぜひ見てみたい。なに、あやつならば、多少の拒絶反応は克服できるだろう。
ウォルター、あいつを呼べ。」「かしこまりました、マイマスター。」すっ。「さてどうなるか・・」ニヤッ。
ズズズズ・・「呼んだか?」「この真祖の血より抽出した超人化エキスを試してもらいたい。」「ほう、面白い。
さっそくやってみよう。」「では注射を」「必要ない。試験管ごとよこせ。」ぱしっ。ぐいっ、ゴクッ。
「飲用なのか?」「いえ、注射が前提でしたが・・」「・・ぐっ!」ガクッ!「ぐおおおお!」メキメキメキ!
「・・予想したとおりの激しい反応だな。」「多少の毒なぞ効きもしないはずのこやつがこうなるとは・・」
ズズズズ・・ゴバアッ!『おおっ!』「不定形に?!」「原形が保てないほどの苦しみ・・のりきれるか。」
ゴボゴボゴボ!メコメコッ、ウゴオオオオーッ!・・パシュ。「何事だ!・・これは?!」「・・うげえっ!」
「神父と婦警か。いま重要な実験中だ。」「・・なんという光景だ。」「い、いったいなにが?!」ゴボゴボ!
「・・落ちついてきましたぞ。」ズズズズ・・シュゥゥ・・「はあっ、はあっ・・これほどきつい薬とはな。」
『・・・・。』「む?・・どうした、みんな。」「お、お前、その姿は・・」「?・・おや、これはこれは。」
「・・少女、いえ、幼女!」「ど、どういうことだ?!」「・・想像でしかないが、真祖の血が変なふうに
作用し、性別や容貌が激変したとしか。」「説明になっとらん。」「ですが、これはこれで興味深いですな。」
「能力はどうですか?」「・・だいじょうぶだ。外見以外は特に変わった様子は無い。」すっ、ゴボワッ!
ガルルル!「内なる獣も使えるしな。」シュン・・「どうにかして戻そう。」「いや、これはこれで気に入った。
しばらくこれでいってみよう。」「う~、愛くるしい外見とオヤジ口調のギャップが~。」「いえ、こういうのは
むしろ最近のトレンドですよ。」「オヤジ口調なら私も同じだが。」「マスターの場合は内外一致してますから。」
「いかにも。もともと鉄の女でございますし。」「ミスター悪役ヅラってカンジ?」「・・お前らな。(-_-メ」
大戦艦ヴァルハラ。「ほう、あの怪物が真祖の血を取り込んだか。」「『HELL-THING』細胞だけでも驚異なのに、
さらに不滅の血を・・キング、これはきわめて危険かもしれません。」「明確な敵やのうてよかったわ。けどな・・」
『いつこちらに牙を剥いてもおかしくない。ことにアイツは。』「戦いそのものを存在意義としている戦鬼だ、
娯しくさえあれば敵は選ばないだろう。」ぱしっ。「そうなったら始末しちゃえばいいよ。けど・・どうやって?」
「突いても切っても無意味だろう。また気撃といえども、今の彼奴に効くとはとうてい思えん。」『うむ・・』
「そのときは何とかするわ。」はっ。『エルフィール。』ツカツカ・・「ハインケルめ、とうとうやったわね。
パンドラの箱を開くに等しい暴挙を・・あいつはヘタするとデビルガンダム以上のバケモノになるわ。そう、
私たちすら脅かすほどの・・」「ほう、危惧を持つか。」「自分の守備範囲内で好き勝手されるのがイヤなの。」
「ならばどうするのです?」「試させてもらうわ。私の新作・・デスボーグで。」『・・デスボーグ。』
黒薔薇の館。「明日が志摩子の試合か。」「相手は『ウィンディー・ラヴァーズ』エリス。決勝リーグ・・いえ、
世界でも随一のスプリンターね。」「プロファイターですら捕捉できないスピードか・・どう戦うか、ね。」
「・・それについては、乃梨子が作戦を立ててくれました。」「たしかにガンダムミストラルの速さは脅威です。
ほとんどの相手は、その速さになんとか追随しようとして、かえってスキを造り、墓穴を掘りました。」
「わずかに追随できたのはカムイくらいだったね。」「レイジングデュエルもたしかに軽量級ガンダムですけど、
とてもあれほどのダッシュ力はありませんわ。」「わかってます。だからスピードでは対抗しません。」『え?』
「名づけて『風林火山』戦法。アサルトシュラウドで前半戦を耐えぬき、スタミナ切れによる速度低下のスキを
伺います。」「なるほど、『動かざること山の如し』ね。」「『静かなること林の如く』で体力を温存し、ここぞと
いうときに『疾きこと風の如く、侵略すること火の如く』反撃するんだね。」「それで『風林火山』戦法か。」
「・・疑問です。相手もそれを読み、先制攻撃を手控える可能性があります。」「いいえ、自分が有利なときは
意外とそういうことには気づかない・・これが人間の心理。」「さすが策士・乃梨子さん。名伯楽ですわ。」
「けどミストラルには、破壊力は大会一ともいわれる必殺技・フレンチキッスがある。これへの対抗策は?」
「フレンチキッスはもはや無敵の必殺技ではありません。構えから攻撃行動に移るまで、かなりの硬直時間が
あることはもはやファイター間では常識です。だから使ってはこない・・改良された新必殺技があるはずです。」
『新必殺技・・』「それは?」「不明です。ならばこそ。」ガタッ。「ガンダム長屋へ行ってきます・・」すっ。
ガンダム長屋。「ただいまー。」『エリス。』「いきなりどこかへ行っちゃうんだもの、心配したわ。」
「レンちゃんの紹介で、真祖の城で教えを受けてきました。」『お~。』「どうやら工夫は為ったようだな。」
ガラガラ。「さてと、夕食のカレーを作りますか・・?!」びくん!「・・まさか!」ダダダッ!『シエルさん?』
ザザザーッ!「未確認怪奇生命体、いえ、アルクエイドは?!」「?・・今日は来てないぞ。」「あら?・・
おかしいですねー、たしかに彼女のニオイがしたのですが・・」「・・わかるの?」「もちろんです。そうでなきゃ
代行者なんて務まりませんよ。」「ちなみにどんなニオイだ?」「ん~・・言葉で表現するのは難しいですね。
しいていうなら、濃厚なバニラとでもいうんでしょうか。」「おいしそうなニオイなのね♪」「いや、俺にも
シエルさんのニオイくらいならわかるぞ。」「・・あ~、それなら私だってわかるわ。それは・・」『カレー。』
「・・そんなに匂いますか?」「自覚以前の問題だろ。」「毎日三食カレーだもの、匂わないほうがおかしいわ。」
「この長屋、いつもカレーの匂いがしますね。」「・・シエル様がおられるんですもの、むしろ当然ね・・」
「さてと・・おっ、いたいた。」『ん?』くるっ。「あんたたちは。」『ごきげんよう。』「エリスさんですね。」
「あ、はい。」「・・明日お相手いただく志摩子です・・」「あなたが・・こちらこそよろしくお願いします。」
「・・その前に、私の手の内をお見せしておきたく・・」「それはわざわざご足労を。」「どなたか受け手を
お願いいたします。」「私が受けましょう。」「シエル様?」「摩倶荼羅教の技、ぜひ見てみたいですね。」
ザッ。「どこからでもいらっしゃい。」「では・・」すっ、シュシュッ。パン!「・・扇?」「銀杏扇・・」
しゅぱぱぱっ!ヒュォォォ・・「これは?!」「・・軌道が読めないわ!」「これは・・詩篇シールド!」
バササッ!バシバシバシッ!「黒衣聖母!」ジャジャッ!ヒュババババッ!「鉄扇子・・」バサアッ!キキキン!
「巨大扇のシールド!」「天晴扇・旋風裂斬・・」バササアッ!ビュゴオオオオーッ!「真空刃の嵐だ!」
「くっ!」シュパパパッ!「この法衣は切れませんが、これでは攻撃も・・はっ?!」ボオッ!ヒュン!
「はあっ!」ガキイイイーン!「・・さすがの反応です。」「・・強いですね。頼もしい後輩で安心しました。」
すっ、シュン。「ありがとうございました・・」「いえいえ、新鮮な技に触れるは、何よりの修行ですよ。」
「やるな・・」「あれで二年生・・黒薔薇会、さすがにすごいわ。エリスちゃん、どう見た?」「・・いいですね。
戦いがいのある相手です・・」『?!』ゴォォォ・・「やる気まんまんか。」「・・ちょっと性格変わった?」
ネオ横浜「メビウス重工」。「・・というわけ。」「なるほど、キャンベルガンダムに使われてるPS塗装はやはり
マルローネの発明でしたか。」「これはすごいな・・装甲板がディスプレイになるのか。」「それだけじゃねえな。
こないだのファイトだと装甲特性まで変わるようだぜ。」「塗るだけで特性まで変化させるとはすごいですね。」
「塗料は入手できたが、これを再現するとなると・・」「どうやりゃ造れんだ、これ?」「分析してみたけど、
未知の成分だらけでわけわかんないわ。」「これではルナマリアのスパイ大作戦もあまり効果ありませんね。」
「いえ、何もやらなければゼロはゼロのままですが、やればコンマ1でも十回積み重ねれば、それは1になります。」
「と、いうことは。」「引き続き情報収集をお願いします。」「やっぱそうなるか・・いいわ、できるとこまで
やってみましょう。」「できうればマルローネの超技術の深奥までもわかればな。」「いえ、深入りするとかえって
危険です。ヨーロッパで『地獄の錬金術士』と呼ばれていたのは、敵対者に対する容赦ない対処がゆえです。」
「例えばどんなんだ?」「マルローネを利用しようとしたマフィアは壊滅、いえ、消滅しました。アジトのビルごと
消えてなくなったんです。」「爆破か。」「いえ・・目撃者の話では、地底に引きずり込まれたと。」『!』
「暗殺者も数えきれないほど狙いましたが、やはり行方不明や自爆・事故で失敗してます。」「・・すげえな。」
「そういうのはニコルに任せるわ。こっちはあくまで地道に収集しましょ。」すっ。「がんばってくださいね。」
三時、お茶の時間。「おやつはサイサイシーお手製の肉まんよ。」『おー。』「あいかわらずツケ届け多いですね。」
「ほう、餡は豆板醤が効いててうまい。」「さすが本職はだしね。」「・・おいしい。」「辛いけど味がありますね。」
「・・?」じーっ。「あら、レンちゃんは初めてなのね。」こくこく。「だいじょうぶよ。」・・ぱく、にこっ。
ぱく。「・・?!ゲホゲホゲホッ!」「エリス、どうした?」「な、なぜか急に吐き気が・・」「痛んでたの?・・
だいじょうぶみたいだけど。」「なんか口の中にムワッっと・・ニンニク?」「ダメだったのか?」「いえ、前は
そんなことなかったんですけど・・ダメです、ニンニクの臭いがどうしても・・」「いきなりアレルギーというのは
無くはないけど。」「コロニー育ちに多いとは聞くが、エリスはそうじゃないよな。」「・・よくわかりません。」
「・・?」ぴくっ。「・・エリス様、何かありましたか?」「え?」「・・霊気に異変がみられます。」「異常?」
「いえ・・異変です。通常の方とはまったく異なる霊気を感じます・・それが悪いとかでなく、ただ異なるものを。」
「??・・よくわからないけど。」「・・見に覚えがなければそれで。そういう方も稀におられますから・・」
「はあ・・(もしや真祖の血の影響・・)」「・・乃梨子、おいとましましょう。」「あ、はい。」ばくばく。
「では・・明日に。」「はい、リングで。」『ごきげんよう。』ツカツカ・・(よかった・・気づかれなかった。)
ツカツカ・・「・・乃梨子、わかった?」「はい。・・エリスさん、明らかに変質してます。あの霊気パターンは
真祖の一族のものに酷似してます。」「真祖の血を受けし相手。強敵ね・・」・・はっ!「お姉さま、もしや!」
こく。「・・使うかもしれないわ。」「『死魔子』を・・ついに。」「乃梨子、いざとなったらよろしく・・」
「・・わかりました。コトが終わったら必ず鎮めます。」「多少手荒でもいいわ・・なんとかして止めてね。」
浜松町「エターナル」。「ただいまー。」「お帰りなさい、お姉ちゃん。」「うん・・ええっ?!」ピカピカ。
「メイリン、そ、その肌どしたの?!」「えへへー、やっぱわかる?」「すごい・・どこの化粧水使ったの?」
「残念ながら、市販やありまへん。」「かくかくしかじかです。」「・・お祓いだけでこんなに?!」ぺたぺた。
「いいでしょいいでしょー。お化粧の乗りも良くって。」「芸能界の七不思議とかで聞いたことあるけど・・」
「もっと不思議なんがミーアや。こやつ肌ケアとかまったくせえへんのに、このツヤの良さや。」ばりぼり。
「お風呂上りにメイリンさんやルナマリアさんがやってる、あの何か塗ったり貼ったりするやつですかー?」
「・・そういえばミーアがそういうことしてるの、見たことないわね。」「ドライヤーさえ使ってなかったね・・」
「生まれながらのものですか?」「あと食い物やな。ミーア基本的に和食党やきん、妙な添加物とか少ないんや。」
「でも今だってお菓子バリバリ食べて・・あ。」「・・せんべいにおかき。ポテトチップとかには手をつけてない。」
「コーラやジュースもまったく・・基本的にお茶だけ。」「甘いのや油っこいの、ダメダメなんですよねー。」
「それと歯ごたえやな。堅いものを噛むことで身体の血流が活性化し、いわゆる血の巡りが良うなるんや。」
『・・うん!』さっ、ばりぼり!「あらら・・」「いきなりは効かへんでー。日々の積み重ねが大事やで。」
ガブ女・ガンダムドック。といっても黒薔薇の館に隣接したでっけえプレハブである。カンカン。ガガガガ!
「オーライオーライ!」ガラガラガラ・・ガシャン!「オッケー!」「爆発ボルトの確認を忘れないで!」
「おっ、仕上げに入ってます。」「これがアサルトシュラウド・・」「あら、志摩子さんと乃梨子ちゃん。」
「三奈子さま、どんな具合ですか?」「あとはもう固定だけよ。しかし和服風追加アーマーってはじめて見たわ。」
「元は地味な増加装甲でしたので、改造発注時にデザインしなおしたんです。」「素材は『サント・シンドーネ』に
よく似てるけど、防御力はケタちがい。さすがマルローネ様、見事ね。」『固定よーし!』「オッケイ、上がってー!」
ガヤガヤ。「これ整備チームへ差し入れです。」ガサッ。「おっ、サンドイッチ!」「・・ドリンクもあります。」
『いただきまーす。』「うん、うまい!」「これ市販のじゃないですね。」「私と志摩子さんの手造りです。」
「さすが二号生筆頭の志摩子さんね。」「え?・・」「そうなんですか?」「知らぬは本人ばかりなり。祐巳さんも
由乃さんも、そのことは認めてるわ。」「ちなみに私も真美も桂もね。」「そうですよね。美貌・知性・気品、
どれをとっても志摩子さんは超一流ですよね!」「乃梨子、言い過ぎよ・・」「いいのいいの、スールというのは
そのくらいじゃないと。」「・・真美はきびしいけどね。」「お姉様が志摩子さんほどなら、私も苦労しません。」
『あはははは!』「三奈子様と真美さんはこれでいいのよ。」「スールのあり方もいろいろ、一義的じゃないわ。」
「・・皆さん、お願いがあります。」「なに?志摩子さん。」「・・例のSEEDシステム、デュエルに付けてください。」
はっ!「・・本気?」こく。「言うまでもないけど、あれは危険よ。由乃さんは本番で使いどころ失したけど。」
「発動時の加速度は殺人的なもの。それはこないだのトライアルで実証されてます。」「志摩子さんのことだから
そのへんはよくわかってると思うけど・・それでも。」こく。「使いどころの当てがありますので・・」はっ!
「まさか・・あのときに!」「そう・・そうなったら今のデュエルでは対応しきれないかもしれないから・・」
「・・わかったわ。桂さん、システム本体を持ってきて。」「はい!」「蔦子さんとで取り付けと立ち上げを。
MTS補正値は私と真美で発動シミュレーションから出します。」「了解。」「やりましょう。」「お二人は今日は
もうお帰りください。搭乗微調整は朝イチで間に合うから。」「・・よろしくお願いします。」「それでは。」
その夜、ガンダム長屋。「ニラおっけい、タマネギよし。・・今のところはニンニクだけか。」ハラハラ・・
「ん?・・だいじょうぶよレンちゃん。こんなの普通だって好き嫌いあるんだし。」じーっ。「心配ないない。
さてと・・問題は力の使い方ね。よっと。」ふわっ、ぴたっ。「重力は・・感じるけど弱い。あまり強く飛ぶと
飛びすぎるのね。」ふわり。「俊敏性はどうかな?・・はっ!」シャシャシャッ!「?!」きょろきょろ。
シュタッ。「・・だいぶわかった。次は握力。」さっ。「このリンゴを・・」ぐっ、ジャーッ!「!・・」
「はい、生しぼりリンゴジュースできあがり。」ぺらぺら。「次は器用さ。よっ。」シャッ、クルクル。
「よっはっと。」キュルルルッ、ぴたっ。「ダーク回しよし。目合わせはじゅうぶんね。」シュン、パチン。
「これで明日の試合に使えるわ。さ、寝ましょう。」こく。ばさばさ(フトン)。「電気消すよ。」パチッ・・
「・・うわ~、夜目もすごい利くわ。真っ暗なのに昼間みたい。」ひしっ。「だいじょうぶ、慣れればこれが
普通になるから。・・真祖の一族って、こんな目で世界を見てたのね・・ま、目つぶりゃ一緒か・・おやすみ。」
ワーワー!「さて今日の第二試合は、黒薔薇会第五の戦士「アカシアの花」志摩子のレイジングデュエルと、
決勝リーグ一のスプリンター、疾風の踊り子・エリスのミストラル!」「実況と解説はおなじみ以下略や。」
「エリスもご承知のとおりなので以下略として、志摩子さんのことを。」「摩倶荼羅教主やて。ほらこないだの
仏像スタンドの。」「ああ~。となると、その教主となれば強そうね。」「日本カソリック教徒・影の守護者や。
幕府や朝廷・仏教勢力の執拗な弾圧から隠れキリシタン達を護っとったらしいな。」「一般には知られてない
影の日本史ね。裏宗教界と暗黒街では周知の事実だけど。」「お庭番も隠密同心も歯が立たんかったそうや。
そういう意味では黒薔薇会にあるべき存在ともいえるな。」「代行者の日本版ね。・・戦闘スタイルは戦扇舞術。
これって鉄扇?」「うんにゃ。いわゆる鉄扇ちゅーんは閉じた扇に似せた鉄棒やが、こっちは開いた扇自体が
強力な武器らしいで。これ参考にもらった扇や。」ぱしっ。「あら、意外と軽いのね・・骨は鋼鉄じゃなく竹の
まんまか。」ぱらり。ぴっ。「いたっ!・・扇の外周が鋭利な刃になってる!指で触れちゃった。」ぺろっ。
「扇の部分は和紙を繊維が交錯するよう貼り重ねたもんか。これならヤットウでも、ちょいと抜きにくいわ。」
「よっと。」くるくるっ。「おっ、さくらはん、うまいやないか。」「いちおう日舞の名取とってるしね。
でも・・これ重いわ。生半可な腕じゃ手首くじくよ。」「むろん志摩子はんは、これを軽々と使うんやろな・・」
「ガンダムを見てみましょうか。」「和服風の増加装甲とはおもろいな。しかもあら布製か?えらく柔らかい素材で
できとるようや。」「袖口から戦闘扇が出てきそうね。」「そして・・いつあれを排除するか。」「そこからね。」
ザッ。「いよいよ、ですね。」「・・エリス様、よろしくお願いします。」「こちらこそ。・・では!」すっ。
「・・摩倶荼羅の摩利亜の加護のもと、デュエル降臨・・AMEN。」「風と共に来たれ、ミストラル!」♪パチン!
ギン!ドドドド・・『バーニング・ガンダムファイト!レディー、ゴー!』「まずは先手をとる!」シャッ!
「ミストラル、猛ダッシュで間合いを詰める!」「・・。」「?・・デュエルはピクリとも動かんで?」
「もらった!」シャッ!ズドオッ!「ダークの一撃がヒット!」「・・いや!」「・・これは?!」ぴたり。
「ダークが・・通らない!」「あの装甲、刃を通さないだけじゃなく、ミストラルの突進力さえ軽く止めたわ!」
「・・衝撃緩衝素材。たとえ至近距離で大砲ぶちこまれようが、運動エネルギーすら分散緩衝してまう新素材か。」
「・・反撃いきます。」シュッ、パン!ヒュン!「くっ!」ババッ!「銀杏扇・紅葉舞・・」ヒュバババッ。
「無数の扇が?!」ゴォォォ・・「デュエルの姿が・・見えん!」「まるでフェイロンフラッグね・・」
「・・迷ってはダメ。こういうときこそ・・」すっ・・「・・見える、いえ、感じる。・・そこ!」ばっ!『はっ?!」
「とおっ!」ブン!ズドオッ!「ミストラル、振り向きざまの回し蹴り!」「やが和服装甲に止められとるで。」
「・・うりゃああああーっ!」グン!『なっ!』ドバアアアアーン!「きゃあっ!」ズガガガガーッ!クルルルッ、
ザシャッ!「はぁっ・・」「な・・なんと全身のバネを使ってはじきとばした!」「最軽量級ガンダムやのにヘビー級
並みのパワーやないか!」「くっ・・はっ?!」ゴオッ!「装甲の無い頭部なら!」シャッ!「鉄扇子!」バサッ!
ガキイイイーン!「ダークはもう一本あるよ!」ビュッ!「扇を回りこんでの第二撃!」「あかん、あら避けられん!」
「・・除装!」バババン!バサッ!『なっ?装甲服が!』「いま!」ダン!バサアッ!「・・逃がしたか。」
「デュエル、増加装甲を脱ぎ捨てた!」「ほう、まさに超軽量級やな。ところどころ内部フレームがむき出しや。」
「あれじゃ一撃当たればおしまいね。」「その代わり、スピードがあるで。・・本格的な反撃はこれからや。」
ゴォォォ・・「防御を最小限まで切り詰め、機体を軽くする工夫ね。でもそれでも私のスピードには及ばない。」
「承知のうえです・・」すっ・・「ん?・・なに?」「あの手の組み方は・・呪印や。」「呪術でも使うの?」
キィィィ・・「・・摩倶荼羅の摩利亜よ、敵対者に打ち勝つため、我の内なる本性を呼び覚ましたまえ・・」
「・・なんのまじないか知らないけど。」ぐっ。「そのスキもらう!」シャアッ!「ミストラル、すさまじい速度で
急襲です!」「呪文を唱えてるデュエルは無防備や、むしろ当然やな。」「・・死魔子!」カアッ!「なっ?」
ゴオッ!ガキイイイイーン!『ぐはっ!』「な、なんとデュエル、ミストラルを片腕一本で押しとどめた!」
メキメキ!『ぐうっ!・・この力は!』「・・ミストラルの頭部に指が食い込んでいく!」『ぐうううーっ!』
ググッ・・「片手一本でアイアンクローリフトやて?!」「あ・・ありえない!あの機体のどこにそんなパワーが!」
【・・イッペン、シンデミル?】『?!』クッ・・ギラアッ!『なっ!・・この異様な威圧感は!』ボゴオッ!
『ぎゃあっ!』「頭部外装が・・破れた!」「はよギブアップせんと頭部に致命的なダメージがくるで!」
「チェック!ギブアップか?」『・・ノー!』【ナラ、コロシテアゲル・・】ガギギギ!『・・これだあっ!』
ブン!ズドズドオッ!【クッ!】ぱっ。「つかみ手にツインダークを!」「ブレイク攻撃や!」ザザザーッ!・・
「はあっ、はあっ!・・あと少しで圧潰してた。なんて握力・・」【・・マダタノシメルネ・・】ユラリ・・
ゴオオオ・・「・・さっきまでとまるで違う。」【イクヨ・・】ヒュッ!「速い?!くっ!」シャッ!ビュン!
シャシャシャッ!「ミストラルも高速機動に!」「デュエルも速いが、こら追いつけんな。」【SEEDハツドウ・・】
サァァァ・・「・・なに?」「デュエルの機体から・・光の粒が?」「な、なんや?」ボオッ。『消えた!』
「・・はっ?!」ばっ!ゴオッ!「うわっ!」さっ、ガキイイイーン!【アマイネ。】グン!ドバアアアーン!
「きゃあっ!」ズダダダダーン!「デュエルの蹴りであそこまで!」「・・異常なまでパワーや!」「く・・はっ?!」
ゴオッ!「!」バン!くるっ、ドゴシャアッ!「じ・・地面がニードロップで爆発!」「直撃なら大破やったで!」
「・・これが摩倶荼羅教主の力。」ググッ・・ザン!「ミストラルをも軽く上回るスピードに圧倒的なパワー・・
まさかバーサーカー?!」「いや、デュエルの動きは完全に理性をもって制御されとる・・これに近いのはむしろ
ハイパーモードやが・・それやない。」「さっきのが発動現象とすれば、そろそろ解除されるころだけど・・」
【カリョウピン。】シャシャッ、パン!ビュッ!ヒュババババッ!「デュエル、ダブル扇の連撃!」「くっ!」
キキキキィン!「速すぎてダークで受けるのが精一杯や!」「・・反撃のスキが無い!」【オワリニスルネ。】
パン!「しまった!」「ダークが跳ね上げられた!」「あかん!」ぱしっ。ドボオッ!「なぐっ!・・」
『決まった!』「閉じた扇での突きがボディを貫いた!」「先端はビーム刃になっとる・・動力中枢直撃か。」
【オワッタネ。・・ン?】ユラ・・ヒュバッ!【ナッ!】ばばっ!ズバアッ!【バ・・バカナ?!】バヂバヂ!
「反撃のダークが直撃!」「アホな・・あのダメージでまだ動けるんか!」ユラリ・・ギーン!【コ・・コレハ!】
『ハイパーモード!』「・・見せてあげる、本当のハイパーモードを!」フッ・・【エッ?・・ドコ?!】「上よ!」
ハッ!ギュオオオオーッ!「ミストラル、空中で高速スピン!」「シュトゥルム・ウント・ドランク系かや?」
「フレンチキッス・ウインドミル!」ズゴオオオオーッ!『竜巻!』【ナラバコチラモ!】シャッ、バン!
【センプウレツザン!】バササアッ!ドゴオオオオーッ!「デュエルも旋風を!」「風の激突や!」バリバリバリ!
【トマッタ・・ハッ?!】・・ドバアアアーン!「竜巻は単なる副次現象、本命はこっちよ!」ギュオオオオーッ!
ズガガガガッ!【ウワアアアッ!】「グッナイ・ベイビー!」ズガガガガーン!【キャアアアーッ!】ズダダーン!
「新必殺技が決まったあああーっ!」「旧フレンチキッスよか、ケタ違いのスピードと破壊力や!スキも無いで!」
くるくるっ、ザシャッ!「死魔子が・・破れるなんて・・」「ブーストは必要なだけ、すなわち相手を確実に仕留める
ときだけあればいい・・遊びすぎよ。」「お見事・・でした・・」ガクッ。「勝負あり、ガンダムミストラル!」
「志摩子さん!」タタタタ!「ハッチ強制開放!」パシュッ!「・・乃梨子。」「だいじょうぶですか?!」
「・・うふふふふっ。」「え?・・」「あははははっ!」「・・どっか打ちました?」「だっておかしいよね?
死魔子が負けたの、いえ、負けを認めたの!」「?・・よくわかりませんが。」「死魔子は私のペルソナのひとつ。
私と完全に独立していた、いわば二重人格。でも今の敗北で気づいてくれたの・・一人だけじゃだめだって。」
「どういう意味です?」「単純な計算よ。1足す1は2。」「・・あ、もしや!」こく。「人格融合したの。」
「たしかに、セリフの前後の『・・』が少なくなってます。」「それは以前の私の引っ込み思案な性格のせい。
でも感情を露にする死魔子と融合したことで、わりと普通の口調になったわ。」「・・いえ、そうじゃないですね。
もともと志摩子さんはこういった性格だったんじゃ。それが二つに分かれていたとするほうが自然です。」
「まあどっちでもいいわ。」「・・フフッ、前の志摩子さんならけっこう悩んでたでしょうね。」「そうね。」
パシュッ。「よっと。」フワッ・・ストッ。タタタタ・・「レンちゃん?」バッ!「おっと。」ぽすっ。ニャア。
「そう、勝ったよ。レンちゃんのおかげ。」ペロペロ。「あはははっ、くすぐったい!・・っと。」ザッザッ。
「エリス様、ありがとうございました。」「そちらも手ごわかったわ。次またやったら、今度は負けるかもね。」
「いえ、私もまだまだです。・・力は必要なときに必要なだけでいい・・そのお言葉、身に沁みました。」
「一線級のプロファイターはみんなそうよ。また緩急をつけることで、相手にパターンをつかませないのもある。
あなたの動きも終盤はさすがに慣れたので、あの一撃は半歩ずれることで致命点を外したの。」「さすがです。
で、明日お時間とれます?」「?・・いいけど、なに?」「お礼にあることをしてあげたいので。」「?・・はあ。」
翌日、勝宮寺。コポコポ・・「タダで洗礼してくれるなんて大奮発ね。」「さすがに元が良いので効きました。」
「おかげでナコちゃんなみの肌になったわ。」つるつる。「ナコルルさんって、ホントに肌がきれいですよね。
こないだ長屋で見てビックリしました。」「天性の資質ですね。あれでは私の出番はありません。」スス~。
「問題はレインさんかな。これ見たら問い詰められるだろうな~。」「そのレベルなら800万からですね。」
「えーと、美容院800回ぶんか・・これ一生ものだっけ?」「死ぬまでだいじょうぶです。」「月いちとして・・
採算は微妙か。」「100%成功するこっちがお得ですよ。」「・・レインさんには、どうにかごまそうっと。」
ガンダム長屋。「ええっ?!エリスちゃん、この肌どうしたの?!」つるつる。「知り合いにやってもらいました。
でも研究段階ということで効果は五分五分、いえ、それ以下だそうです。」「そうなの・・いいないいな~。」
「レインさん、お肌に心配が?」「そろそろ気をつけなきゃね。」「そうやってオバサンになっていくんだね。」
ガン!「あいたー!」「リムルル、そういうことは思っても口に出しちゃいけないのよ。」「・・あんたもね。」
君たちに最新情報を公開しよう。
第六の花は一号生「スカイ・ハイ」可南子、対するは魔人アンデルセン。
運命の父娘対決。情け無用のゴングが鳴る。
実の娘に喜々として襲い掛かるアンデルセン。その笑顔の意味は?
必殺の結界・デスクロスフォーメーション、破れたり!
窮地に立ったドレッドノートは、ついに最終聖典を発動する。
次回、バーニングガンダムファイト激闘編 第21話
「スカイ・ハイ!父よ十字架に眠れ」へ、バーニング・ガンダムファイト!レディー、ゴー!!
これが勝利のカギだ!(エレナの聖釘)
第21話「スカイ・ハイ!父よ十字架に眠れ」
新宿魔天楼。グオオオーッ!「シャアッ!」ヒュバババッ!ドカドカッ!グギャアッ!「デスクロス!」ズドドドッ!
ドガアアアアーン!グオオオオオーッ!・・すたっ。「AMEN。」「可南子ちゃん・・すごい!」「まさかこんな場所で
特訓していたとはね・・しかも怪獣相手に。」「ここなら全力で技を使えますので・・」「たしかに私たち相手じゃ
こうはいかないよね。」「しかし・・ここはこんな大魔境だったのね。」ギャアギャア・・「多数の行方不明者を
出して立ち入り禁止になってるのも当然ですね。ほとんど怪獣ランドだし。」「おかげで相手には事欠きません。
ほとんどの怪獣は見たら襲ってきますし。」「命がけのトレーニングか・・なるほど可南子ちゃんが強いわけね。」
ギュアアアーッ!ズシーン!「言ってるそばから次のお客さんです。」ジャッ。「あ・・ペギラ?」「いいえ、
耳をよく見なさい。あれはチャンドラーよ。」「・・お姉さま、よく知ってますねー。」「祐巳たちの話について
いけるよう猛勉強したのよ。」「どういう勉強ですか・・来ます!」ズシーン!ズシーン!・・ゴバアアアッ!
『なっ?!』「黒いアメーバ?」「いえ・・無数の目が!」「あ・・あれはもしや!」グオオオオーッ!・・
「チャンドラーが・・食われていく。」ゴボゴボ・・シュゥゥゥ。「・・何かの形をとるわ。」「やはり・・」
ズズズズ・・スゥッ。「悪いな、私が最初に見つけた獲物だ。」『・・女の子?』「またここで会ったか。たしか
アンデルセンの娘。」「・・あなたなのですか?」『えっ?』「そうだ。外見はさほど問題ではない・・だろ?」
「・・もとが不定形でしたね。ならば納得です。」「可南子ちゃん、知ってる?」「祐巳さまも一度お会いになった
はずです・・チーム『HELL-THING』の。」「・・ええっ?!あ、あのカッコいいおにーさん!」「驚くのも無理はない。
ちょっと食当たりした副作用だ。」「?・・祐巳、説明して。」「あ、はい。かくかくしかじか。」「ああ・・あの
ガンダムファイターの。」「今日もお昼ですか?」「今のはデザートだな。手ごわいのを奥地で食ってきた帰りだ。」
「怪獣食べてるんですか~。」「なんて方でしょう・・」「けっこううまいぞ。分けようか?」『遠慮します。』
大戦艦ヴァルハラ。「おやおや、あの二人がひとつ所にいるとはね。」「このうえない好機ね。仕掛けるわよ。」
「二つほどまとめてよろしく。」「てごろなのを待機させてるわ。けど余計なのが二人ほどいるね。どうする?」
「巻き添えになるくらいなら、いてもいなくてもいっしょだよ。」「おっけい。・・カブト、ツルギ、出撃!」
ゴゴゴゴ・・『ん?』「・・あれは?!」ドドドド!「・・超巨大戦艦!」「ほう、あいつらか。」「知ってます?」
「うむ。デビル軍団旗艦・大戦艦ヴァルハラ。」『なっ!』「あ・・あれが敵の中枢!」「・・何か来るわ!」
ゴオオオオーッ!ズズーン!・・「人・・二人?」ザッ。【命令・目標第一の撃破】【目標第二の撃破】
「殺る気なら名乗っていただくのが礼儀ですわよ。」【カブト】【ツルギ】【我らデスボーグ】「・・デスボーグ?」
「どうやら単なるDGゾンビではないな。」「いまひとつ。目標とは?」【その存在と】【その娘】はっ。
「・・祐巳?」「祐巳さまを?」「・・お姉さま、可南子ちゃん、下がっててください。敵の狙いは私、二人は
対象外です。」「いえ・・護り合うがスールの絆。」ジャッ!「黒薔薇会諸法度・第二条。戦うときはみんなで戦う。
はいそうですかと下がるわたくしたちだと思って?」ピッ。「フッ・・社交辞令ですよ。」シャキーン!
「敵戦力を分散させる。俺が一人を引き付けるから、もう一人に三人でかかれ。」『了解。AMEN!』シャシャッ!
「さて、どんな芸を見せてくれるのかな?」ザザザザ!(?・・おかしい、こいつら動きがシロウトだ。)
すっ、【飛拳】ドボオッ!「なに?!」さっ、ビュゴオオッ!「腕を撃ち出すとはまた予想外の・・?!」ばっ!
ゴオオオオーッ!「・・戻ってくる!」ズドオッ!・・ボゴオオオーンッ!・・ビチャッ!【第一任務完了】
「いいや、終わってない。」ぴくっ。【・・目標いまだ生存 理由不明】「データが足りんぞ。」ズズズ・・
【攻撃続行 双飛拳】ドボドボオッ!「同じ手が二度も通じるか。」すっ、ゴボワッ!ガブシュッ!モグモグ。
「DG細胞の味か。いや、だいぶいじられてるな。」【両腕再生】シュルルルッ、ギシイッ。「続けようか。」
「祐巳、可南子ちゃん、フォーメーションDでいくわ。まずは敵を見極める。」『了解!』ザザザザーッ!
【双斧飛拳】ジャキッ!ドボドボオッ!「当たるわけないでしょ。」『はっ!』スカカッ!「流れ弾処理。」
ピッ。「百人一首!」シュパパパッ!ズパパパッ!「輪切りにすれば再生もできないわ。」「さすがお姉さま。」
【毒針弾】シュパパパッ!「腕の付け根から?!」「詩篇シールド!」バサササッ!バシバシバシッ!
「祐巳さま!」「おう!」ダッ!「バヨネット!」ヒュバババッ!【投剣多数 回避行動・・】「させないよ!」
ヒュゴッ!【第二目標近接 任務遂行】「だよね。」ヒュン・・【・・目標喪失】ドカカカカッ!「全弾命中。」
「フェイントに引っかかったわ。」【・・ダメージ20%。任務続】ズシッ!【・・異常荷重 両肩部 推定45kg】
「堕天落とし!」グン!ゴキゴキイッ!ズドオオオーン!「決まった!」グン、すたっ。「正解は43.5だよ。」
「足で頭部を挟み捻りながらのフランケンシュタイナー。普通なら頸部骨折・頭蓋骨陥没で100%即死だけど・・」
ぴくっ。「やっぱり効いてませんか。」「祐巳。」ピッ。わしっ。「Laβ ihn kreuzigen(十字架につくべし)。」
ぐっ、シュバアッ!ぶらぶら・・「とどめよ。」ぴっ。「ほいっと。」ぽい。シパッ!カツッ、ボオオオーンッ!
「ん?・・ほう、やるものだ。」【・・ツルギ大破 作戦変更通達】ズムズム・・「む?・・これはもしや。」
ズムズム・・「胴体が?」「・・うごめいてる?」・・グボオオオオーッ!『なっ!』「・・DG自己進化!」
グモモモモ!「でっかくなってる!」「・・まさか?!」「・・なるほど、そういうことか。」ニイッ。
ズズズズ・・ズシーン!「・・ガンダムに!」・・ギン!【マジンガンダムZ】【マジンガンダムG】
「クハハハハ!お楽しみはこれから本番か。」「・・めっちゃ冷静ですね?」「私には珍しくもないからな。」
【攻撃開始】グワッ!「フフ・・第一・第二解除。」ゴバアッ!「不定形に!」ズモモモ!「・・まさか!」
【第一目標 変成】ズズズズ・・ギン!『クロムウェル、発動。』「・・ガンダムが内蔵されてたなんて!」
『下がってろ、私がなんとかする。』「そうはいきませんわ。」『なに?』「戦闘を人任せにする代行者はいません。」
「見敵必殺・・でなければ、こんな商売勤まりません。」すっ。「主の名において、来たれダーク・レイダー!」
「ビーストガイア、我は此処に!」「覚醒せよ、デスクロス・ドレッドノート!」『ガンダアアアームッ!』♪パチン!
黒薔薇の館。ズズズズ・・「なに?」・・ドカドカッ!バタン!「一大事です!レイダー・ガイア・ドレッドノートが
起動、北東方面へ飛び立ちました!」『ええっ!』「瞳子ちゃん、追跡!」「了解ですわ!」カタカタカタ、タン!
ぱっ。「座標確認。新宿方面へ移動中ですわ。」「新宿?なんでそんなところに。」「・・もしや。」『乃梨子?』
「可南子から聞いたことあります。旧新宿副都心に理想的な訓練場があると。」「ちょっと待て!・・それって。」
「三人のケータイ所在地情報を学園機密サーバーより入手しましたわ。・・西口公園内!」「やはり新宿魔天楼!」
「第一級戦闘態勢!真美さん、ガンダムは?」「全機いつでも出せます。」「よろしい。全力出撃!」『AMEN!』ザッ!
【腐蝕嵐】ゴオオオオーッ!『ほう、ガンダリウム合金をも蝕む強酸風か。』ぽりぽり。【・・効果認められず】
『この程度のものが効くわけあるまい。お次はなんだ?』【腹部大型ミサイル】ドブオオオーッ!『なるほど、
胴体の幅より長いミサイルか。さすが自己増殖。』ドボオッ!【直撃・・炸裂見られず】ズズズズ・・シュゥ。
『あまり美味くないな。ではこちらのターンだ。牙林。』・・ズボボボボッ!ズドドドドッ!【地中より攻撃
ダメージレベル20%】『計算ミスだ。正解は・・』ゴボワッ!【武器変成 ダメージ40%】『単位はやらんぞ。』
【敵組織排除】ぐっ、ベリベリベリッ!ビシャアッ!ズズズズ・・シュゥ。『半分削れてまだ生きてるか。』
【最大攻撃 胸部マイクロ波照射】カッ!ビィィィ!『?・・これは!』ブスブス・・『組織が・・燃える!』
ズシーン!ズシーン!シャシャシャッ!「時間を稼ぐのよ。」「片方と引き離して連携も分断できますね。」
「・・戦力を分断すれば、どんな強敵も倒せる。」「でかくなったせいで、かえって小回りきかないわ。」
【魔神剣】ズボオッ!ジャキッ!「!・・でかい剣を!」ゴオッ!「散って!」ババッ!ズドオオオーン!
「しまった!」「祐巳さまが分断された!」【目標分断 追撃続行】ズーン!ズーン!「・・逃げるよりも!」
くるっ、シャッ!「?!・・突っ込んでいく!」「いえ、あれで正解よ。」【?!・・目標反転 攻撃開始】
ブオッ!「!」ボッ!・・ズドオオオーン!「そこ!」タンタンタン!「・・剣を伝って登る?」【排除】
ブン!「当たらないよ。」さっ、バシーン!シャシャッ・・タッ。「・・あっという間に後頭部まで!」
「ビーストセイバー!」ジャキーン!「狙いは・・そこ!」ズドオッ!【?!・・キノウ・・ショウガイ・・】
「うまい!」「延髄部の制御系統を!」「これでしばらくは動けません。でも自己修復は時間の問題です。」
「今のうちにガンダムへ・・!」ぴくっ。「・・来ました!」・・ゴオオオオーッ!「搭乗!」『はっ!』
ターン!・・スパスパスパッ!「ダーク・レイダー!」「ビーストガイア!」「デスクロス・ドレッドノート!」
ズズーン!【・・再起動 ガンダム三機確認】「まずは連携攻撃で削るわ。フォーメーションI!」『応!』
ザザザッ!【一直線布陣 迎撃体勢】ザッ。「トリプル!」「スール!」「アタック!」ヒュィィ・・ドン!
【魔神剣】グワッ!「沖つ白波!」ヒュン!パキイイイーン!【・・魔神剣、破損】「祐巳!」ヒュン!
「ビーストチェンジ!」ジャキン!「ホーンランサー!」ビィン!ガキン!「いっけええええーっ!」ズドォン!
「うりゃああああーっ!」グン!ドバアアアアーン!「可南子ちゃん!」「バヨネット!」ヒュババババッ!
ドカカカカッ!「・・爆発!」♪パチン!ズガガガガーン!ヒュルルル・・ドドーン!ザシャアッ!『AMEN!』
【・・G大破】ぴくっ。「・・スキあり。」はっ!グワアッ!ガブウッ!グチャグチャ・・「まずいぞ。」
「そちらも終わりましたか?」「見てのとおり、消化中だ。」「うへ~、でっかい口でガブリですか。」
「こいつらDG三大理論のうち、自己進化を強化されたものだな。」「それでガンダム化とかできたんですね。」
はっ!「・・まずい!」「お姉さま、何か?」「Gはまだとどめきれてないわ!」『・・えっ!』ばっ!
ズズズズ・・【再生】ズオオオオーッ!「・・再生してる!」「やはり学生、まだまだツメが甘いな。」ニイッ。
【高電圧放射】ズババババッ!『しょうがない。』グワアアッ!「えっ?!」バリバリバリ!「・・自ら楯に!」
『簡単に滅びはせん、今のうちに倒せ。』「・・わかりましたわ!祐巳、フォーメーションT!」「はいお姉さま!」
ダダッ!ターン!「チェンジ・ヒュッケバイン!」ジャキン!ドーン!「お邪魔します!」ババババッ!・・スタッ。
ゴオオオオーッ!「いくわよ!」「ダブルホーンサーベル!」グッ、シュバァッ!「ジョイント!」ガキン!
「グレートホーン!はああああーっ!」ブンブンブン!『ゴルゴダクロス!』カッ!・・ドバアアアアーン!
『おお!Gが十文字に切られた!』「可南子ちゃん!」「今度こそ!デスクロスフォーメーション!」ヒュドドドッ!
ドカドカドカッ!「燃え尽きろ!」ボオオオーン!グオオオオーッ!『この火力ならだいじょうぶだ。』『AMEN。』
プスプス・・「灰まで燃え尽きたな、これで再生もできぬ・・む?」くい。「・・お迎えのようだ。」『え?』
・・ゴオオオオーッ!「みんなのガンダムだわ。」「心配して駆けつけてきたんですね。」「・・おっとり刀は
さすがに失礼ですね。」ドドーン!・・パシュ。「みんな大丈夫!」「どうにか四人で片付けましたわ、お姉さま。」
「そう・・よかった。」「ところでそちらのお嬢さんは?」「かくかくしかじか。」『ああ・・』「HELL-THINGの。」
「・・そうだ、いいこと思いついた。」ターン・・スタッ。「あなた、何歳?」「実年齢なら一年半くらいか。」
じーっ。「・・大人びてるし、高校生で通じないこともないわね。ね、ガブ女に入らない?」『江利子さま?!』
「ほほう、それは面白い。」「みんなも見てみたくない?この娘の制服姿。」「あ、わかった。由乃のスール候補か。」
「ええっ?!」「あっ、なるほど。その手があるか。」ぽん。「れ、令ちゃんまで!」「ん~、魅力的な提案だ。」
「蓉子、聖、どうよ?」「問題その一、今のチームはどうするの?」「在学のままでも特に問題ないだろう。」
「その二、由乃のおかもち。」「・・お姉さま、それ私のネタです。」「詳しくはセルDVD特典をご覧ください。」
「う~・・今の時点じゃなんともいえない。中身が物体Xなのはまあいいとして。」「いいんだ・・(^^;;」
「では恒例の仮採用ということでどうかな?」『異議なし。』「入学手続はこちらで手配するわ。」「よろしく。」
大戦艦ヴァルハラ。「む~、対象外の二人の存在をあまく見すぎてたわ。」「あれほどチームワークがいいとは、
スールはダテじゃないね。」「今回はしくじったな~。・・ま、しょせんはプロトタイプ。欠点も見えたことだし
次のはもっともっと強力に造るわ。」「期待してるよ。・・という以前に、ヘルファイターどうなってるの?
旧版だとそっちが先じゃない。」「そうだったそうだった。真祖とか超強力キャラが出たもんで、出す機会まったく
とれなかったのよね~・・よし、黒薔薇会に何人か差し向けますか。」「ああ、それいいね。ちょっとは外の風に
当たらせなくちゃ。」「・・あれ?ガブ女は擁護するんじゃ?」「ちょっと方針変更。やっぱり少しは波風立てないと
ファイトだけじゃ面白くないよ。しっかり本業にも励んでもらいましょ。」「方針了解。さて・・誰にすっかな~♪」
数時間後、カーン財閥日本支社。『女子高生?!』「少し青春を謳歌してみようかなと。」「・・ふははははは!」
『マスター?』「おもしろい、おもしろいぞ。私は承認する。」「で、でも、いくらなんでも無理ありすぎじゃ?」
「婦警や由美子に比べりゃマシだ。お前たちではどうやってもイメクラだろ。」「あ、ひどいですマスター。」
「ウォルター、入学手続を手伝ってやれ。」「こんなこともあろうかと、ここに制服を用意しております。」すっ。
「?・・やけに手回しがいいな。」「わたくしの趣味の領域でして。」「・・まさか、制服マニア?」「いえいえ、
それはほんの一端。体操服からスク水まで、ご希望とあらば全国の」「待てー!・・スク水は見てみたいな。」
「ほう、これか。ちょっと着替えてくる。」カツカツ・・バタン。ゴソゴソ・・ガチャ。「どうだ?」『おおっ!』
「に・・似合ってる!」「タカビー風な容貌に、シックな制服がよくマッチしてます。」「次はスク水でございます。」
ゴソゴソ・・ガチャ。「・・これはさすがに恥ずかしいな。」『おおお~っ!』「うむうむ、適度な膨らみから
流れるようなボディーライン。でかけりゃいいというものではございません。これぞ天然自然の美でございます。」
『おいおい。』「ウォルターがそのスジとは思わなかったな・・よく由美子は無事だな?」「あ、たしかに・・」
「ハタチ過ぎれば対象外でございます。」「由美子ならギリギリ女子高生に見えんこともないと思うが。」
「いえ、やはりお肌の輝きが落ちますな。」『あー、そうですか・・』「・・ウォルター、敵を増やしたぞ。」
「ときに、学校へ行くとなれば名前が必要だろう。」「たしかに無いとちょっと困りますね。」「そうか?」
「なんかいいの考えましょうよ。」わいわい。「アルクエイドは使用済みか。」「アルカードもいまいちですね。」
「やはり日本名が良いのでは。」「モトネタ尊重なら『奈々』ですな。」「芸が無い。もちっとヒネろう。」
「・・くだらんことで盛り上がるものだ。」「ヒト事ではないぞ神父。なにせお前の娘の同級生になるんだから。」
「む?」「なかなかいい子じゃないか。じっくりつきあいたいものだ。」くわっ!「キサマ!あの子に手を出せば」
「ほほう、やはり、な。」ニイッ。「く・・」「心配するな。基本的に人間は食わんよ、まずいからな。」
「結論が出たぞ。『たゆたう混沌の』名無。」「結局名無しには変わりないか。」「『なな』って読ませるんです。」
「まあいいだろう。二つ名も味がある。」「『メイム』とも読めますね。」「そりゃ作者も覚えとらんくらい古いぞ。」
ガブ女・学園長室。「よろしいでしょう。入学を許可いたします。」ポン。『ありがとうございます、学園長。』
「しかしあのDGモンスターを入れようというのは、正直ビックリしました。」「私たちとさほど変わりませんて。」
「たしかに教師からして人外ですものね。」「これで学園がまた賑やかになりますね。」「はい。・・さて、もっと
深刻な次の件ですが・・」「・・デビル軍団がいよいよ本腰を入れてきましたね。いずれ我が校が標的になります。」
「そのためにも、彼女を取り込んでおくのは有用です。」「わかっています。・・技術科長を呼んでください。」
ガチャ。「技術科長「神の手」三奈子、お呼びにより参上いたしました。」「おかけください。」「ははっ。」
「・・では、これより四人に、我が校の大秘事を伝えます。この話は時期が来るまで忘れてください。」『はい。』
黒薔薇の館。「お姉さま方、遅いですわね。」「・・お戻りになられました!」ガチャ。トントン・・ガチャ。
「お姉さま、首尾は?」「・・ああ、そっちはOKよ。」ニヤニヤ。「?・・何かありましたか?」「まあね・・」
「・・蓉子、江利子、ヒントだけならいいかい?」「・・いいでしょう。」「横でチェックするからどうぞ。」
「学園長は、今回の事件を契機に、デビル軍団との全面対決を決定した。」ザワザワ!「敵は明らかにうちを
ターゲットにしていた。そして先に伝えたように、敵本拠は超巨大戦艦・・今の私たちでは手すら出ない。」
「特に決定的なのが、対艦火力。いくらがんばっても、ガンダム十機程度じゃ、あれは落とせっこないわ。」
「うちにも戦艦とかあればな~。」「それはいくらなんでもムリでしょ。使い物になる宇宙戦艦ともなると、
ガンダム単価の比じゃないわ。」「ですよね・・あ、アルク先生たちのお城って移動要塞でもありましたね。」
「そこまで先生たちに頼れませんよ。」「となると、やっぱ自前か~・・まさか?!」ドヨッ!「・・もしや!」
「まあその時が来たら、イヤでもわかるさ・・」ニヤリ。「普通に期待しててね。」「今日はここまでよ。」
一階・技術科詰所。『・・ええっ!』「シーッ!」『あ・・』「・・というわけで、忙しくなるわよ。」こく。
「ガンダム整備との両立はきついですね・・」「技術科の総力を結集するわ。真美、ガンダム整備チームと
もう一方の準備チームに技術科を分けて。」「了解しました。」「蔦子さん、準備チームの主任を。」「おっけい。
こんなやりがいある大任、全力でお受けするわ。」「整備チーム主任は桂さん。」「まかせてください!」
「私と真美で両者のサポートおよびバックアップをします。真美、会計は全面的に任せるわ。」「お姉さまは
技術面に傾注してください。」「ではこれよりプロジェクト『リザレクション』、発動します。」『AMEN!』
ガンダム長屋。「・・というわけで、デビル軍団の動きが激しくなってきてます。」「状況了解しました。法皇庁も
警戒レベルを上げました。これまでターゲットが不明確でしたが、ガブ女に照準を定めたとなると、敵の動静も
把握しやすくなるでしょう。」「大戦艦ヴァルハラか~。バカでかいくせに、なかなか実体を見せないのよね。」
「アルク先生、ご存知ですか?」「うん。たまにギアナに来てたし。」「ええっ!・・あなたどういう関係ですか!」
「幽音とは古くからの知り合い。もう五千年にもなるかな。」「・・その幽音とは、どういう存在なのですか?」
「人類の歴史、特に暗黒史を影から造ってきた黒幕ね。戦乱・動乱・大虐殺。そして常にその種を蒔き育てる。
古くはナザレの大工の息子から、最近はちょびひげの伍長やテキサスのドラ息子もね。」「ちょっ!あなた!」
「んじゃシエルに聞くけど、神の救済っていつ?もう何千年も経ってるよ。」「う・・」「それともうひとつ。
これは言わないでおこうと思ったんだけど、こうなったらしょうがないね。祥子、幽音とカソリックの関係を。」
はっ。「・・シエル様はご存じないのですか?」「・・なんのことです?」「実は・・」「・・なっ!・・幽音が
カソリックの・・創設者ですって?!」「補足するよ。イスラムも仏教も、みんなあいつの造ったシステムさ。」
「そ・・そんな!」「なぜ?・・と言いたいんでしょ。いえ・・シエルなら言わずともわかってるはず。」こく・・
「・・宗教対立を起こし、争乱・戦乱への引き金となる・・踊らされてるだけですか、人類は!」「そのとおり。
でも踊らせてるのが神なんだから、文句なしね。」「・・神。神ってなんですか!」「客観的にいえば幽音のこと。
主観的にいえば・・あなた自身。」「・・ならば聞きます。あなたの神とは。」「あたし自身。あたしは自分に
正直に生きる。それが教義よ。」「・・神は己が内にあり。」「パラダイムの違いによって、その定義は各人によって
異なるわ。・・考えてみれば宗教ってのは、それの最小公倍数なのかもね。」「イエスやアッラーは最小公倍数・・
ふふっ。」「シエル様?」「うふふふ・・あはははは!」「シエル先輩が・・壊れた。」「いえいえ、私はそれほど
信心深くありません。・・ありがとうございますアルクエイド。これで長年の宗教的疑問が解決しました。」
「信仰はほどほどでちょうどいいの。ハマりすぎると原理主義過激派みたくなっちゃうから。」「いえ、あの連中も
しょせんは権力と金の亡者に過ぎません。純粋な信者を惑わし、自爆テロの走狗とする悪魔どもです。」ひゅ~♪
「わかってるじゃん。やっぱシエルは賢明ね。」『・・はぁ~。』「一時はどうなるかと思いましたわ。」
「・・でも、こうなると私たちの信仰はいったいどうすれば・・」「今のまま、でいいんじゃない?」「祐巳さま?」
「正直、私も信仰心けっこう薄いんだ。代行者になるのは信仰というよりも、闘争欲を満足させるためかな。」
「そんな・・」「祐巳の考え方は、ある意味正しいわ。教義を口実にせず、まず己が業を認める。だいたい狂信者で
いい代行者になれたものなどいないのよ。代行者はテロリストじゃない、冷静で客観的なプロでなければならないの。」
「そうそう。殺し合いで大事なのは、どれだけ醒めてるかということ。熱狂は確実な死を招く・・常にウサギのように
臆病でいなさい。そうすれば生き残れる。」「アルクエイドのいうとおり、恐怖を忘れず、それを力としてください。」
「恐怖こそ生きる力・・ん?」ガヤガヤ・・「お客さんかな?」「・・あら、『エターナル』の皆様ですわ。」
「おっ、黒バラのみなはんもおったんか。」『ごきげんよう。』「仕事無いので出稽古に来ましたー。」『おいおい。』
「・・じっさい、おヒマなんですの?」「んー、ぼちぼちやね。目ぇ回るほど忙しゅうはない現状や。」「その代わり
訓練や勉強あるので、ヒマってこともないわ。」「?・・訓練はわかりますが、勉強って?」「クイズ番組で稼ぐため、
雑学もろもろをね。」「・・でも、あまり荒らすと出入禁止になるのでは?」「シロウトさんに変装してますよー。」
「それはともかく、誰か稽古しておくんなまし。」「やるやる!」さっ。『アルク先生?』「その娘とやりたい。」
ぴっ。「・・はえ?」『ミーアと?』「いい。・・その子、一目で気に入ったわ。」「私はオッケイですよー。」
「メイリンさん、お願いします。」『可南子ちゃん?』「明日のファイトに備えておきたいので。」「いいでしょう。」
「ほな前座は可南子はん対メイリン。」ザッ。「得物は?」「使います。」ジャキッ。「ではこちらも。」ジャキッ。
ぴく。「・・ブレードトンファー。」「始め!」「シィッ!」ビュバババッ!「はっ!」キキキィン!カラカラーン。
「お姉さま、あの武器は・・」「ええ、祐巳のビーストセイバーによく似てるわ。けど。」「ブレードが翼のように
巨大ですね。」「軽合金やきん見た目ほど重うないんや。トンファーとはいうけんど、主力はあのブレードやね。」
ダッ!「はあっ!」ビュン!「!」キィン!「それはあまいよ!」グン!ジャリッ!「なっ?!」「受けが弾かれた!」
「くっ!」グン!スカアッ!プチプチッ。「スウェイでギリギリかわした!」「はあっ・・」「髪数本で済むとは、
やるね。」チャッ。「・・予想外に重い。」「ブレードもさることながら、体重をかけることで跳ね除けたのね。」
「投剣は幅広のブレードで防がれ、接近戦でも重い斬撃が来る。けっこう手ごわいですね。」「・・攻めるのみ!」
ダッ!「迎撃!」ブン!「・・。」ユラリ・・スカッ!『見切った!』「下段がら空き!」ビュッ!「そうかな?」
ガクン。キィン!「なっ!・・ブレードが下りた!」「もらった!」バッ!バキイイイーン!「ぐっ!」ザザザーッ!
「ウイングブレードはトンファー基部から上下90度折ることもでき、どんな角度からでも守ってくれるの。」
「あんな使い方まで・・まさに攻防一体。」「あれで前面を覆われると鉄壁ですね・・どう攻める?可南子ちゃん。」
「・・ならば!」シャバババッ!「投剣はもう通じない!」キキキィン!『わかってます。』・・はっ?!「上!」
ババババッ!「けど上方も守れる!」バッ!「ブレードを上方に!」「あれじゃ通じない!」「いいえ。」タン!
『蹴った?!』くるっ、「後方なら!」シュバババッ!「ちいっ!」バッ!スカカッ!「とっさに前転でかわした!」
ザザザーッ!「ふう・・死角を見抜かれたか。」「いえ・・二度は通じないでしょう。次は背後を取ったとたん、
振り向きざまの斬撃がとんできます。」「まあね・・これまでかな。」「ありがとうございました。」すっ。
「ほなメーンエベント。ミーア対アルクエイドはん。」ザッ。「よろしくお願いしまーす。」「・・あんた、軽薄を
装ってるけど、かなりできるね。」「いえいえ、真祖に比べればカス以下ですよー。」「似たようなタイプが身内に
いてね・・あんた、同じニオイがするわ。」キラリ。「あー、果心居士ですね。いえ、当時は鬼一法眼でしたか。」
ぴく。「・・琥珀の当時の名を知ってるとは。やはりあんたは・・」「まー、どうでもいいことです。では・・」
すっ・・「!」さっ。「?・・アルクエイドが構えた?」スゥゥ・・「・・なんて流麗な動きなの。」「練気舞・・
これほどのものは、さすがに初めて見たわ・・」タラ・・ぎょっ!「アルクエイドが一手も交わさないうちから
汗を?!・・いったい彼女は?」「単なるアイドルですねん。」「く・・!」シャッ!『アルク先生から動いた!』
「秋柳。」ヒュイッ!「なっ?!」・・バゴオオオーン!「くっ!・・」『ドックの壁に!』「・・当て身投げ。
攻撃の勢いをそのまま流し、投げにつなげたんですね。」「あ、あのバケモノがいとも簡単に・・信じられません!」
ぐっ、ボコオッ!「よっと。・・なるほどいい腕ね。こりゃー、本気入れてかからないとまずいね・・」・・ギン!
『金色の目?!』「そんな?私でもめったにならないのに!」「次は受けきる自信がないので攻撃します。」
「どうぞ。」ヒュルッ。「?・・遅い蹴りね。」ひょい。・・ガゴオッ!「なぶっ!・・」ドバアアアアーン!
「ちいっ!」クルッ、ザザザーッ!「さすが、ですね。普通なら今ので終わってました。」「・・なるほど、あえて
遅い蹴り出しで回避を誘い、そこへ腰を入れた真の蹴りを叩き込む。かわしたと思ってるから、その威力は数倍・・」
「恐るべき技術ですわね。」「・・アルクエイド!なに遊んでるんですか!」『シエル様?』「そんなのに負けたら、
私の最強ライバル認定を取り消しますよ!」「・・あ~。」ぽりぽり。「ふっ・・シエルにバカにされるくらいなら、
ちょっとがんばってみよっか。」ヒュッ・・『消えた?』「・・はっ!」パシイイイーン!「くうっ!」ガクン!
「?!・・完璧に止めやがった!」「そんな?今の超高速肘打ちはガンダムをも吹き飛ばすほどの威力のはず!」
「わずかにあとずさっただけで・・」「・・やる。」「・・あいたたたたーっ!」ぱっ。「え?っと!」ブンブン!
「お水、おみずーっ!」「そこに水道あるで。」ジャーッ!「いたたた・・手が腫れちゃったよ~。」ジンジン・・
「うわ~、真っ赤っか。」「受けたはええが、毛細血管みんな破裂したんやな。アスラン、軟膏でも塗ったり。」
「あ、はい。」ぬりぬり。「・・ふう、なんか納得いかないけど、これ以上は無理か。」「ミーアのTKO負けやね。」
「この手じゃもうダメです~。」「・・あんた、わざとそうなるように受けなかった?」「なんでですか~。」
「・・いえ、考えすぎ。忘れて。」「・・ミーアさん、相当の策士ですね。」「可南子ちゃん、どういうこと?」
「あれ以上長引くと、二人だけじゃなく長屋ごと巻き込みかねない大惨事になると見抜き、あえて決着させた・・」
「たしかに・・あれ以上アルクエイドを本気にさせると、この一帯は廃墟になりますしね。じっさい、今の肘打ちも
ヘタに受けたら三区画くらいぶち抜いてました。」「・・ドモンさんが師範代認定するのも納得ですわね。」
「・・いつか。」「・・メイリン、まだあきらめてないのか。」「当然。ライバルはでかいほどいいの。」ニヤッ。
「さてと、今日はドモンもレインもお出かけなんで、恒例のおやつはシエルに頼もうか。」「カレーしかないですよ。」
「はーい!それでいいでーす!」「ミーアに同意や。」「・・やっぱ食い物目当てなのね。」「たくましいな~。」
「はいどうぞ。」コトン。『いただきまーす!』ハグハグハグ!「おー、いい食いっぷり。」「・・これは美味です。」
「レインさんに習った秘伝のスパイスを使ってますから。」「・・このコクはどうやって?」「あ、これ海水浴場の
カレーに似てますね。」「さすが祐巳ちゃん、いいとこに気づきましたね。」「・・もしや、そば屋のカレー?」
「あ、それそれ。となると・・なるほど、アレか。」「わかるの?祐巳。」「しょうゆダシです。」『しょうゆ?』
「50点ですね。たしかにそばつゆによく似てますが、そんな単純なスパイスではありませんよ。」チッチッチ。
「おかわりー!」さっ。「うわ、シエルよか速いんじゃ?」「いえいえ、私はもう四杯めですよ。」『速っ!』
「でもこれだけの人数ですと、あっという間に無くなりません?」「その心配はありません。ご飯は業務用の
超特大釜でまとめて五升炊いてますし、カレーも常にズンドウに三つほどキープしてますから。」『うへ~。』
「どうりで長屋がカレーくさいわけだ。」「ま、ミーアでも五合くらいが限度やな。」「それでも食べすぎです。」
「・・・・」「ん?・・可南子ちゃん、なに悩んでるの?」・・はっ。「あ、いえ・・ちょっと。」「・・今ので
明日のファイトに不安が生じたね。」ぎくっ!「デスクロスは確かに強い、けど結界技は段取りがひとつ狂うと、
全てがムダになる。」「そこです、その不安が・・何かもうひとつ、確実な手が・・」・・はっ?!「あった!」
『ん?』くるっ。「どうかしたの?」「お姉さま方、急用を思い出したのでこれで失礼したします。」『あ、はい。』
「ごきげんよう。」タタタタ・・「祐巳、どうしたの?」「勝つために、あらゆる手を打つ・・そういうことです。」
汐留・ガブ女子寮。ガタガタ・・「・・あった。」ゴトッ、ぱかっ。オォォォ・・「・・お母様の形見、いまこそ
使わせていただきます。」すっ・・ビリッ!「つっ!・・なんて霊力。でも・・確実に滅するには。」・・がしっ!
ビリビリビリ!「くうっ!・・この霊力に耐えきらないと!」グッ!「・・十年の怨念を、捨てられて独りで死んだ
お母様の哀しみ、そして独りで生き抜いた私の怨みを・・この釘に!」ギュッ!タラ・・「主の血を吸いし聖なる釘よ、
我が血を捧げ、求め訴えたり!」ギーン!スゥ・・「はぁっ、はぁっ・・聞き届けてくれた・・」オォォォ・・
「使い方はお母様のを見ておぼえている・・主よ、教義に背き復讐に奔る我に、せめて悲願成就の慈悲を・・AMEN。」
向かいのビル屋上。ヒュゥゥ・・「・・やはり使うか、『エレナの聖釘』。」『娘を出歯亀とはシュミ悪いね。』
はっ!「シェアッ!」ヒュバババッ!パキパキィーン!カラカラン。「!・・お前は!」バサァ・・「・・天使?!」
「いいえ、正しくは天使のできそこない。」「・・たしか可南子のグラン・スール。」「やっぱり来ると思ったよ。
試合前にもう一度だけ・・父親として当然の心理。」「・・ふん。」「というより、あの聖典を使わせたくない・・
でしょ?」ぴく。「知っているのか、あれを。」「ミッションスクールじゃ常識以前、ましてや機関所有の聖典は
必修項目よ。・・十年前に失われたはずの聖典。」「・・もともとの所有者は可南子の母だ。しかし十年前に
敵組織に囚われたあの子を救うために・・」「神力を得る釘・・けど使ったが最後、その超絶の力に耐えきれず
肉体は砕け散る・・別名、玉砕の聖典。」こく。「・・本気で私を滅するつもりだ。」「・・わざと負ける気ね。
あの聖典を使わせず。」はっ。「ダメだよ。全力で戦わないと、あの子は一生苦しむ。いえ、私としては、あなたに
ぜひ勝ってほしい。」「?・・どういうことだ?」「可南子ちゃんの勝利は、同時に自らの敗北と同じこと。だって
堕ちたりとはいえ実の父を殺すのは、主に対する重大な背信行為。・・生きてる間も、死後すらも苦しみ続ける。」
「・・・・」「いままでの事実をみるに、あの怨念は完全な逆恨みに等しい。娘が誤った道を行かないよう正すのは、
父親の責任と義務だよ。」「・・わかっている。」「なら安心した・・応援してますから。」バサアッ!ゴォォォ・・
「・・有翅種とはな。可南子もえらいグラン・スールを持ったものだ。」くるっ。「・・勝つとも、必ずな。」
ワーワー!「さて今日の第二試合は、チーム『HELL-THING』パラディンガンダムと、チーム黒薔薇会『スカイ-ハイ』
可南子のデスクロス・ドレッドノート!」「長っ!なして黒薔薇ガンダムはこない寿偈無な名前ばっかなんやろ。」
「なんでもガンダム素体のリース契約に、必ず元の機体名を盛り込むという項目があったそうね。」「あー、なるほど。
スポンサーの要求としてはしごく当然やな。んでそのメーカーって?」「メビウス重工。」ぴく。「・・あそこか。
企業乗っ取りの成功例として有名な。ま、元が傾きまくっとったのもあるけどな。」「うんうん、旧経営陣はみんな
特別背任でぶちこまれたしね。」「・・噂によると、あれも退職金無しで追い出すための方便やったらしいな。」
「うまいやりくちね・・ラクス会長が『メビウスの女王』と経済界から畏怖されるわけだ。ときに機体のほうは?」
「素体からの改造ポイントを押さえとくで。ドレッドノートの特徴である四連大型ドラグーンがまるごと変わっとる。」
「・・十字架?」「に見えるな。けどバックパックぶち抜いてるわけもなし、あら単に四方から刺さっとるだけやろ。」
「高機動バーニアやプロペラントのはずはなし、バインダーにしては太すぎるわ。」「やっぱドラグーンかいな?」
「次はファイターの考察ね。・・おや、まあ。」「なんや?」「・・未確認情報だけど、アンデルセンの娘だって。」
「なんやて?!いつの間にあないな大きい子供を?」「若かった頃、同僚だった女性代行者との間にできたみたい。
でも十年前に母親は殉教・・アンデルセンはその子を引き取らず、施設に入れたそうよ。」「・・ま、あないな稼業
やっとったら無理もないかもな。」「その子を守るにも最善の処置とは思うけど・・彼女は父親を憎んだ。」
「わからんでもない。・・いかなる理由があろうとも、全ては言い訳に過ぎん。ウチでもそう思うかもしれん。」
「となると、打つ手はひとつね。」こく。「思う存分やってもらおやないか。・・拳は百万言よか雄弁や。」
ザッ。「・・ついにこのときが。」「恨み言は今のうちに言っておけ。ファイト中だと舌を噛むぞ。」「いえ・・
もはや言葉は無用、ただ滅べばいい・・AMEN。」「それもよかろう。・・む?」チラッ。「・・やはりいるか。」
「?・・何のこと。」「お前のグラン・スールだ。・・そうか、知らぬか。」「祐巳さま?・・いったい何の」
「話せば長くなる・・試合後に教えてやろう。」「・・それは無理。試合後など無い。」「どうかな?」ニイッ。
すっ、「来たれ、デスクロス!」「パラディン、降臨!」『ガンダアアアームッ!』♪パチン!ギン!ドドドド・・
『バーニング・ガンダムファイト!レディー、ゴー!』「バヨネット!」ジャキッ!「よかろう!」ジャキッ!
「シャアッ!」「シェアッ!」ヒュババババッ!パキパキパキーン!「ビーム投剣の応酬!」「どっちも同じかや!」
ダッ!「はあっ!」ビュッ!「なんの!」キィン!ゴッ!「なにっ?!」ズガアアアーン!「ぐっ!」グラッ。
「時間差蹴りが即頭部にヒット!」「突きはフェイントか。やるわ!」「もらった!」「・・あまいな。」ギン!
「なっ?!」ズバアアアーン!「くうっ!」ザザザーッ!「わざとスキを見せて引き込むのも技だ。おぼえとけ。」
「ち・・」バヂバヂ!「かなりの深手よ。」「長くはもたんな・・プロとアマの技術差が出たで。したたかさも
立派な技のうちや。」ググ・・「お前はガブ女で何を学んだのか?それではエレナの仇も討てんぞ。」「うるさい!」
ダッ!ビュッ!「代行者心得その一、戦闘中は激情に捉われてはならぬ!」ヒュッ、カイイイーン!「くっ!」
「激情は技を粗くする。今のように!」バゴオッ!「ぶっ!」「殴った?」「剣使うスキは余裕であったはずやで。」
「常に冷静であれ。燃やすは魂だけでよい!」バゴバゴッ!「はぶぶぶっ!」「そう習ったはずだ!」バゴオオーン!
「ぶはあああーっ!」ズガガガーッ!ゴォォォ・・「さあ立て。まだ始まったばかりだぞ。」「・・うるさいと
言ったはず!」グググッ!ザン!「いけっ!デスクロス!」ヒュンヒュンヒュンヒュン!「ほう・・」ニイッ。
ドガガガッ!ジャキン!「パラディンの四方に十字架が?」「地獄の業火に滅べ!」キュドドドッ!ズガガガーン!
『うわっ!』「・・結界攻撃や!」「十字架からの・・一斉砲火!」「四方からクレイモア食らうようなもんや。
あら回避も防御も不可能や!」ゴオオオ!・・「・・終わった。」すっ・・『・・代行者心得その二。』ぎょっ!
「・・バカな?!」『相手が完全に息絶えるまで・・」はっ!「・・上!」ゴオッ!「けっして油断せぬこと!」
ドオンッ!ズドオンッ!「うああっ!」「直撃!」「わかったで!パラディンはあのハルバードの長い柄を利用して、
棒高飛びの要領で十字砲火を飛び越えたんや!」ズダダダーン!・・ザシャアッ!「あんなオモチャが通じるとでも?」
「ま・・まだ!」ギン!(・・やはり使うしかない、あの釘を!)すっ・・キラッ。(これで・・勝つ!)ぐっ!
「・・エレナはスゴ腕の代行者だった。」「?!」ぴたっ!「所有の聖釘を使うまでもなく、己が力のみで数々の
危機を切り抜けてきた。・・ある日、俺は尋ねた。なぜ釘を使わないのかと。」「・・・」「彼女は答えた。
この釘は一番大事な人を助けるときに使う。そう、命を賭しても惜しくない・・私たちの娘のために。」ガーン!
「母さん・・」「そしてエレナはその誓いを果たした・・私が駆けつけたときは、もう・・だが・・」「・・?」
「・・その顔は穏やかだった。達成感に満ちて・・」「・・父さん。」「本当はお前には代行者になってほしくは
なかった。だが、血は争えぬか・・ならば私のなすべきことはただ一つ。」ザッ。「お前を全力で打ち倒す。そう、
手加減抜きに完膚無きまで。・・これが俺の愛だ。」ぱっ・・チリィーン♪「・・わかったわ、父さん。」すっ。
「もう釘なんかいらない。バヨネットも!」ブン!カラカラーン!「そうでなくてはな!」ブン!カラカラーン。
「双方、武装を捨てた?」「・・始まるで、本当の闘いが。」『はあっ!』ダッ!ズドドドドドッ!バキバキバキッ!
「くっ!」「むっ!」ブン!バシイイイーン!『ぐっ!』ザザザーッ!「・・いい蹴りだ。」「さすが父さん・・」
ダッ!『はああああーっ!』バキバキバキイッ!「・・壮絶な殴り合い!」「技も駆け引きもあらへん、これぞ
まことの拳の会話や。」「・・会話?」「聞こえんか、父と娘の魂の共鳴が!」「はあっ!」「どりゃあっ!」
ズガアアアーン!「ぶっ!・・(熱い・・そして愛のこもった拳。)」「ぐっ・・(よくぞここまで成長した、娘よ。)」
「・・聞こえる。二人は語らってるのね、拳という偽らざる言葉で。」「そう、これぞガンダムファイトや。」
ヨロヨロ・・「はあっ、はあっ・・」「・・よく効く。」「双方、死力を尽くしボロボロです。」「次でしまいやな。」
「と・・父さん・・」ググッ・・「娘よ・・」グッ。ダン!バキイイイーン!・・『・・終わった。』グラ・・
ズズーン・・「勝負あり!パラディンガンダム!」「・・これが父親としての・・意地だ。」ヨロッ・・ガクッ。
タタタタ・・「可南子!」「ハッチ強制開放ですわ!」パシュ!「可南子ちゃん・・うわっ!」「・・顔が!」
「あんなに変形してるなんて・・」「・・乃梨子ちゃん、瞳子ちゃん、ちょっと席外して。」「・・え?」
「わかりました祐巳さま。ほら瞳子。」ずるずる。「あ、ちょっと巻毛を引っぱらないでくださいませ!・・」
「さすが乃梨子ちゃん、察しがいい。さてと・・」バサアッ!「天つ光。」サァァァ・・「う・・」「よし。」
「・・祐巳さまはいったい何を?」「瞳子、世の中には知らないほうがいいことってあるんだよ。ましてや
黒薔薇会メンバーともなると、誰でもそういうものの一つや二つはあるさ。」「・・祐巳さまにも?」こく。
「もうひとつ。・・これは瞳子には釈迦に説法かもしれないけど、いちおう言っとく。・・知ることはときに
身を滅ぼす。そういった情報は避けるのが本当の情報屋というもの・・ちがう?」「・・いえ、真実ですわ。」
ひょい。「もういいよー。」タタタタ・・「可南子!・・おお。」「顔が元に?」ゴン!「いたっ!」「忘れろ。」
「う・・あ。」ぱちっ。「気がついた。他にどこか痛いとこある?」「いえ、特には・・あれ?・・なぜ?」
ぽん。「可南子、それ以上考えなくていいから。」「そうそう。とにかく無事でよかったですわ。」「うん・・?」
「立てる?」「なんとか。」むくっ。「とりあえずコクピットから出ましょう。」「四人はさすがにせまいですわ。」
タッ。「・・父さん。」「?・・思ったほどダメージ無いな。」「・・うちは人材揃ってますので。」ちらっ。
「なるほど。・・いい姉を持ったな。」ぴく。「・・先ほどもそうでしたが、祐巳さまの何をご存知です?」
「・・聞きたい、か?」「・・・・いえ、その必要はありません。必要ならば自分で。」「賢明な判断だ。」
「それはともかく・・これからどうします?」「現状維持ではいかんか?」「先送りというんです、それは。」
「誰に迷惑かかるでもなし、問題無し。」「・・ですね。次の日曜に買い物でも?」「いいだろう。私もヒマだ。」
「・・会話がぎこちないな~。」「親子とも不器用なんですよ。ま、おいおい慣れてくでしょう。」「そういえば、
明日は一号生に転校生が来るという情報を聞きましたわ。」(?・・瞳子ちゃん知らないの?)(たまたま不在で。)
「普通の高校ならいざ知らず、中途転入というのは珍しいケースですわ。いったいどんな方が来られるんでしょ。」
(・・オメルタでいく?)(沈黙の掟、ですね。特に瞳子は知らないほうがいいです。)(・・驚かせるのも一興です。)
で、次の日。「みなさん、新しいお友達を紹介します。どうぞ。」ガラガラ。オオッ!ツカツカ・・ザワザワ。
『うわ~、すっごいキレイな子。』『見ようでは美少年にも・・』『あの深紅の瞳・・ゾクゾクするわ~。』
「ごきげんよう。『たゆたう混沌』名無です。みなさんよろしくお願いします。」『ごきげんよう、名無さん。』
「では自己紹介代わりに、あなたの異能をご披露ください。これは始業式の日に全員がやっている慣行儀礼です。」
「わかりました。私の異能は・・『怪獣ランド』。」すっ、ゴボワッ!ギュワアアアアーッ!『うわわわわっ!』
「へえ、さすが。」「・・あれはネロンガ。わざと顔の怖いの出したわね・・」「はわわわっ!な、なんて異能を
持ってるんですの!」キャアアアアーッ!「お~、大パニック。」「・・つかみはOKね。これで転入生いじめも
する奴はいないでしょう・・」「乃梨子さん、可南子さん、な、なんで平然としていられるんですの!(机の下)」
「あんなのでビビる黒薔薇はいないって。」「・・黒薔薇としての修養が足りないわよ、瞳子・・」ニヤッ。
君たちに最新情報を公開しよう。
第七の花は「オルレアンの剣」令。対するは服部半蔵。
伝説の神聖抜刀術と伝統の伊賀忍法の激突。
だが試合を前に、再び襲い来るデビル軍団の刺客。
ヘルファイターの大群に囲まれ、絶体絶命の令と由乃。
だが敵を切り裂く黄金の一閃。そう、彼女がふたたび!
次回、バーニングガンダムファイト激闘編 第22話
「オルレアンの剣!黄金の好敵手」へ、バーニング・ガンダムファイト!レディー、ゴー!!
これが勝利のカギだ!(支倉家神聖抜刀術奥義・天地創造)
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第22話「オルレアンの剣!黄金の好敵手」
黒薔薇の館。「ようこそ『たゆたう混沌』名無さん。」「ごきげんよう、黒薔薇会の皆様。」「・・いいのよ、
いつもの声と口調で。」「そうか。・・慣れない言葉遣いは疲れる。」「声質まで変えるとは、さすがだね。」
「やっぱダブルキャスト?」「となると・・斎藤千和?」「そりゃパヤたんよ。」「というわけで、名無さんには
黒薔薇会に入っていただきたいの。」「黒薔薇会は美貌・気品・知性が必須と聞く。私みたいな者でいいのか?」
「それは風聞に過ぎないわ。最も大事なのは異能、すなわち絶対的な強さよ。」「そうでなきゃ、この戦闘機関の
統治組織なんかできないって。」「納得した。」「で、スールのことだけど・・由乃ちゃん、どう?」「む~・・」
さっ。「意見です。」「はい祐巳ちゃん。」「名無さんの実力は皆さんご存知のはずです。ぶっちゃけ正直なところ、
由乃さんより強いはず。」「そこなのよ。・・自分より強いプティ・スールを持つのは、なんだかな~と。」
「いえ、実力は関係ないわ。大事なのは互いの信頼でなくて?」「祥子が正しいわ。むしろ強いプティ・スールは
姉にもプラスとなるはず。・・志摩子さん、そうよね?」「はい・・乃梨子の強さに、私もたびたび救われてます。」
「ここでポイントなのが名無さんの気持ち。どう、由乃をグラン・スールとして信頼できる?」「現段階では何とも
回答できん。第一、私は由乃のことをよく知らん。」「まずはそこからね。・・恒例の仮免から始めましょうか。」
午後の修行時限。「まずは見ていて。・・由乃、来い。」「いくよ令ちゃん!」『はあっ!』ダッ!キィン!
「はいはいはいっ!」ビュンビュン!「よし、剣スジが良くなってるぞ!」「ほう・・あの巨剣をよくも自在に。
サイボーグのハードスペック以上を引き出してるか。」「大車輪!」ギュン!「・・。」すっ、ズドオオオーン!
「紙一重の見切りか。」「まだまだ!」ビュンビュン!「・・。」スススッ、スカカカッ!「最小限の動きのみで
回避か。美しい。」「・・!」シュピィッ!「うっ!・・」ぴたり。「なんと・・抜き手が見えなかった。」
「由乃、だいぶよくなったが、まだまだムダな動きが多い。特に振りかぶり時に大きなスキがある・・今のように。」
くるっ。「名無さん、どう見た?」「私は剣はシロウトだが、まだ腕で振ってる部分が多いように見える。もっと
脇を締めて、振り出すのではなく、引き込む形にすれば速くなるのでは。」「お見事。そう、鎌のように引き込む
つもりで。」「鎌のように・・!」ビュン!「刃を全部使う感じで。せっかくの巨刀、まんべんなく使わないと。」
「なるほど、これがスールか。悪くない・・」「名無さん。」「ん?」「由乃の相手をしてあげて。」「わかった。」
ザッ。「得物は?」「これでどうかな。」ズルルル~ッ!わしっ。「獣骨剣。」「・・体内から骨の剣を。さすが。」
「じゃあいくよ!」ビュン!ガキイイイーン!「むっ!・・重い。」「はいはいはいっ!」ビュンビュンビュン!
キンキンキン!「くっ・・見た目よりはるかに速く重い。令さまはこんなのを軽々とかわしていたのか・・ならば!」
ガキイイイーン!「そこ!」ダン!ギャリリリッ!「受け手を滑らせて間合いを詰めるか。」「もらったぞ!」
「そうはいかない!」グン!ふわっ。「なに?!」「うりゃああああーっ!」ドバアアアアーン!「うおおおっ!」
ズザザザザーッ!「よし。うまいぞ由乃。」「な・・なんという膂力。」「サイボーグパワーをなめんなよ♪」
大戦艦ヴァルハラ。「へえ、あのバケモノがガブ女にね。」「予想外とはこのことよ。よくまあ合格したものね。」
「というより、あれを異能とするならイッパツ合格だね。やるね、学園長。」「で、どうすんのよ幽音。」
「方針に変更なし、むしろ手間が省けたね。ヘルファイターを適当に差し向けていいよ。」「御心のままに。」
「で、どんなの送る?」「前回の反省もあるし、数で攻めてみようかなと。張り込んで五人。」「いいね。」
すっ・・(・・ヘルファイターを五人も?確実に殺る気か・・させない。令は私の獲物だ・・)フッ・・
夕刻。カァカァ・・「はあっ、はあっ・・私はこれほど未熟だったか。」「名無さんはえらいわ。あの怪獣ランド、
ついに使わなかったんだもの。」「あれは修練に出すものじゃない。使わずとも戦える基礎戦闘力・・私にそれが
無いことに、ようやく気づいた。」「基礎戦闘力を上げることで、異能もより有効に使えるようになるものさ。」
「・・由乃さま。」「は、はい?」「声色が変わった?」「妹にしてください。」「・・いいわ。」「では儀式を。」
すっ。「我、『たゆたう混沌』名無は『ゴモラの怒り』由乃をグラン・スールとす。」「我、『ゴモラの怒り』由乃は
『たゆたう混沌』名無をプティ・スールとす。」「契りの短剣にてわが血を示す。」ぴっ、ツツ・・「わが血を」
「はいそこ省略。」『え?』「名無さんの血はかなりヤバいんでしょ?」「・・たしかに。ならばこうします。」
すっ・・つつーっ。「あ・・」ピチャ。「・・姉の血を取り込み、誓いとなす。」「・・いいでしょう。続きを。」
「我は誓う、肉親よりも高き尊敬を姉に。」「我は誓う、肉親よりも深き慈愛を妹に。」「短剣授受。」チャッ。
「この短剣はわが分身。」「絆の短剣、お預かりします。」はしっ。「よろしい。新たなスールの誕生よ。」
「さて、これからガンダム長屋へ行って、明後日の対戦相手の服部半蔵さんに挨拶してくる。由乃と名無ちゃんは
先に帰っていいよ。」「水くさいよ令ちゃん。付き合うわ。」「ちょうど帰り道なので以下同文です。」
「そう・・?!」ばっ!『この気は?!』「・・来ます、敵が!」ピィィィーッ、キィン!「これは?!」
「巨大なバリアー?」「救援が入らないよう結界を張ったか・・確実に殺る気だ。」「・・来ます、五人。」ザッ。
ザッザッザッ。『天馬。』『緑龍。』『白鳥。』『鎖姫。』『鳳凰。』『我らヘルファイター「五連星」。』
「二つ多いわね。」「油断するな由乃・・こいつら暗器使いだ。」「暗器?」「ちょうど授業で習いました。忍具から
発展した携行武器。」チャッ。「天馬は鉄拳。」ビュン。「緑龍はあられ鉄棍。」キュルルルッ。「白鳥は娥眉刺ね。」
ジャラッ。「鎖姫は金剛鎖。」ジャッ。「そして鳳凰は鉄の爪・・面白いわ。」「三人引き付けます。お姉さま方は
タイマンで。」ズズズズ・・「わかった。」チャッ。「さっさと片付けて合流するから。」ジャキッ!『では!』ダッ!
ザザザザッ!「鉄拳使いか。」すっ・・『流星。』ボッ!「!」シュピィッ!・・ドドーン!「・・気拳とはな。」
『流星雨。』ボボボボッ!「黄昏・・』スゥゥ・・スカカカッ・・ドドドーン!『全弾回避?・・!』ボオッ!
「一陣!」シュピィッ!『拳壁。』ガキィィーン!「なにっ?鉄拳で!」『鐘割。』ブン!「裏拳!」ストッ、
ビュン!「胴体ガラ空き!」ダン!シュピィッ!ガキィィーン!「・・着込み鎧!」ブン!「ちっ!」ババッ!
ザザーッ!・・「ふう・・あそこまで防御が硬いとは。」『全力攻撃・・』キィィィ・・「!・・来るか。」
『彗星。』ドオオオオーンッ!「聖剣『独眼竜』、疾れ!」ピカアッ!・・シュバアッ!『気塊弾、切断?!』
ズバアアアアーン!『!・・』・・タッ、パチン。「手の内がわかれば、斬りようもある。」ユラ・・どさあっ!
「コブ付き棍棒とは、緑竜というより緑鬼ね。」ビュンビュン!「よっ、はっ、とっ。」ひょいひょい。ダン!
「鬼平!」ブン!ガキィィン!「・・左手に鎧通し?!」ブン!「しまった!」ボゴォンッ!「ぐっ!・・」
『右上腕部直撃。』ザザザーッ!バヂバヂ!「右腕が・・動かない!」『頭部破砕。』ビュン!「・・そこ!」
ダン!ガゴオッ!・・ゴトン!『・・右手首、頭部直撃により破損。』「あえて踏み込むことで、勢いが逆に
アダになったね。サイボーグの鉄頭をなめんなよ。」グイッ!「うりゃあっ!」ボゴオッ!『・・頭蓋骨、陥没。
前頭葉ソシキ・・』グラッ・・「まだまだ。殺し針。」すっ、シュピィン!チャリッ、ズドオッ!「延髄破壊。」
グリッ、ズボッ!・・どさあっ!「自らのパワーで自滅してちゃ、ヘルファイターも店じまいね。」♪ピィン。
ビュン!「おっと。」ひょい、ジャラララーッ!「分銅に当たるとでも・・?!」ヒュン!「娥眉刺?」さっ、
ズドッ!わしっ。「つかまえた。・・食らえ。」ガブウッ!ボギュッ!『!・・右手首、消失。』ムシャムシャ。
「DG細胞はもう食い飽きたわ・・!」はっ!ヒュオッ!ズバシャアアアーッ!・・ザシャッ!『致命打、直撃。』
「・・鉄の爪をすっかり忘れてた。」ぎょっ!『・・生存?!』シュゥゥ・・「物理攻撃は私には無意味よ。」
大戦艦ヴァルハラ。「うわ、けっこー強い。」「あっという間に二体死亡、一体重傷・・五体じゃ足りないか。」
「また失敗?」「いいえ、増援を出すわ。」「なりふりかまわないね~。」「何とでも。デスアーミィ出撃!」
ゴゴゴゴ・・「・・なに?」「・・地下に何かいる!」ゴバアアアアーッ!「デスアーミィ!」「しかも三機も!」
『搭乗。』シャシャッ、ぱしっ。「残り三人がコクピットに!」「こんなものまで持ち出しやがって。令ちゃん!」
「ガンダムを!」すっ、パチン!・・「・・あれ?すぐ近くなのに反応が無い?」「そうか、この結界のせいだ。
コールシグナルが妨害されてる。」「となると、私だけでなんとかします。・・第二、第一開放。」ゴボワァッ!
ズズズズ・・ギン!『クロムウェル、発動。』「これが!・・」「怪獣だけじゃなくガンダムまで同化とは・・」
チャキッ、ゴオオオオーッ!『これは・・火炎放射器?!』「いけない、弱点を見抜かれてる!」「ちっ!」
ズンズン!「一体こっちに来る!」「一体くらいなら生身でも!」ジャキッ!「なっ!・・対人榴散弾銃!」
「対人武装もちゃんと準備しておいたわ。」「なるほど、あれなら面で撃つから避けようがないね。でも生身で
しかも刀相手に、大人げないんじゃ?」「バイ・オール・ミーンズ。戦争の定石よ。」「そりゃ米軍だって。ま、
雑音要素は取り除いておくのも、一つの考え方だね。」「ではそゆことで、攻撃続行。」「ま、てきとーに。」
チャッ。「・・由乃、散布界は?」「口径と絞りから概算して・・半径20m。」「・・逃げきれないか。」タラ・・
「・・令ちゃん、私が初弾を引き付けるから、そのスキに。」「却下。一発でも当たればいかなサイボーグでも
無事じゃすまないぞ。」「私なら直しがきくから、あとで修理して。」「そんなヒマはないと思うぞ。」ググッ。
シュピィィーン!『え?』ピキッ、パラパラ・・「・・結界が!」【?・・結界崩壊。】ぴくっ。「今だ!」
「踏み込んで!長物は振り下ろしが弱い!」ダッ!【発射。】ドォンッ!パパパパーン!「よしっ、抜けた!」
パチン!『ガンダアアアームッ!』・・ゴオオオオーッ!『はっ!』ターン・・スパッ!「サムライ・カラミティ!」
「ハガクレバスター!」ドドーン!【攻撃。】ドォンッ!『当たるか!』バッ!バスバスッ!「こっちはまかせろ!」
「わかった!」ゴオッ!【一機離脱。追撃】「させるか!十塊斬!」シュピィィーン!・・ズルッ、バラバラ・・
チン。「はぁっ・・十個に輪切りにすれば、自己再生もないだろう。さて次だ・・ん?」ぴくっ。ゴォォォ・・
「・・ガンダム?」ズン。「『オルレアンの剣』、いま一度勝負。」「その声は・・如月刹那。」チキッ。
「そう、アポクリファガンダム。」シャン!「いいだろう。では。」『ガンダムファイト!レディー、ゴー!』
「でやあああーっ!」ズバアアアアーン!「・・由乃お姉さま!」ザシャアッ!「お待たせ。まだ残ってる?」
「20%ほど燃やされましたが健在です。」「よかった。・・ん?!」ばっ!「・・あのガンダムは?」「令ちゃん!」
ダッ!「動くな由乃!」はっ?!ぴたっ。「これは正々堂々の勝負、手出しまかりならん。」「・・そいつは?」
「どうも。」ぎょっ!「・・闇クィーン・ザ・スペード、刹那!」「あれが話に聞いた・・見守るしかないですか。」
ゴォォォ・・「さっきの結界を破ったのは、もしや・・」「どうでもいいこと。大事なのは、今この瞬間・・」ジリッ。
(・・すさまじい闘気。まともにぶつかって勝ち目は無いか・・ならば。)スゥッ・・「?・・無防備?!」
「あれはさすがにまずいのでは?」「いえ・・令ちゃんの考えがあってのこと。」(・・誘いは確実。だが、どう動くか
読めない・・はっ?!)ぴくっ!・・ふっ。「思い出したね、前の戦いを。」「そう・・迷いを生じるところでした。
その瞬間を狙われては、いかな達人でも無防備。」「同じ手が二度通じるとは思ってないよ。そして、いま話してる
私も実体とは思わないことだ。」うっ!・・ふるふる。「その手には乗りません。振り向いたところを突く手ですね。」
「そう思うもよし。けど・・あの二人の視線をよく見れば?」「?・・!」ヒュン!カィィーン!「ぅぅふっ!・・」
「見事。すばらしい反応速度だ。」はぁっ、はぁっ・・「・・あと千分の一秒遅ければ。はっ!」キィン!ババッ!
「はあっ!」シャン!「・・。」すっ、スカッ!「?・・当たらない!」シュパァッ!「くっ!」キィンッ!
「連撃!」ヒュドドドドッ!「・・。」すすすっ、ボボボボッ!「・・なんという神業の見切り。」「あれこそ
令ちゃんの異能『神一重』。たとえ銃弾の嵐でも見切るわ。」「異常な動体視力と神経速度・・さすが黒薔薇。」
「あらら、戦況ヤバげね。」「乱入してこれじゃあね・・エリーちゃん、『あの子たち』は使える?」はっ。
「・・いま出すの?」「ハニーこのままじゃ負けちゃうよ。どうにか水を入れないと。」「・・わかった。
オニキス!」『・・お呼びぃ?」スッ・・「あなたのマスターを助けに行ってきて。」「了解ですわぁ。でも
弱いマスターならいらないかもぉ。」「じゃなくて、相手が予想外に強いの。まだまだ未熟なだけよ。」
「ならマスターの成長をお助けするのも私たちのお仕事ねぇ・・フフッ。」「そゆこと。」「ではぁ・・』
ザザーッ!「はぁっ、はぁっ・・」「霊体融合は長期戦には向かないようだ。」(・・刹那、これ以上は不利です。
ここは一気に必殺技で。)「・・はっ!」ギーン!「ハイパーモード・・いいだろう。」すっ・・「来なさい。」
ダッ!「はあああああーっ!」「・・。」チキッ。ヒュババババッ!『なにっ?!』ババッ!ドカカカカッ!
「黒い・・羽根?」「・・木の上よ!」バッ!・・「うふふふ・・」バサアッ。「黒い羽根の・・天使?」
「マイマスター、幽音さまがすぐに戻ってこいってさぁ。」「・・何者?」「それはまたあとでねぇ。とにかく、
幽音さまの命令よぉ。」「・・わかった。華燐。」ピカアッ!『うっ!・・消えた?』「逃げ足は速いわねぇ。」
「・・あなた、何者?」「うふふふ・・いずれわかるわぁ。じゃ、アデュー♪」ちゅっ。バサアッ!ゴォォォ・・
「・・黒い天使。あんなものまでデビル軍団に。」「令ちゃん。」「・・何か、恐ろしい予感がします。」
大戦艦ヴァルハラ。「幽音、全員を集めて何の用だ?」「ちょっとした人事異動をね。」「人事?・・もしや、
先ほどの黒い天使のことですか。」「もあるけどね。エリーちゃん。」「以前から私と幽音で密かに進めてた
計画があるの。その名も『ジュエルズ』。」「?・・詳しく説明してもらおう。」「みんなも知ってのとおり、
ガブ女には幽音のクローンがいるわ。あれは法皇庁の急進派の暴走で生み出された奇跡の産物だけど、幽音自身が
認めるように、かなりの能力を有するわ。・・そこで考えた。私なら、もっとましなクローンを造れると。」
『まさか!』「幽音、賛同したんか!」「うん、面白そうだからね。」「なんという・・じゃあ、あの天使が!」
「そう。全部で七人。」「みんな、出番だよ。」「・・あんまり待たせるので、お茶がさめてしまうのだわ。」
はっ!ズズ~。「・・いつの間に。」「ルビーですわ、よろしくマイマスター。」「ルビーはキングの補佐だよ。」
「なにっ?幽音、勝手に」「そう設定されたのだから、しょうがないのだわ。」ズズ~。「そこで茶をすするな。」
『まったく、ルビーは番茶が好きなオバンですぅ。」はっ。「エメラルドですぅ。」「マスターはレディー。」
「はーん?・・ほう、なかなかふてぶてしい顔つきしとんな。」「トウのたったオバンに言われたくないですぅ。」
ぴしいっ!(青スジ)「・・ええ度胸や、あんさん嫌いやないで。」「まあ主従関係はいちおう尊重いたしますぅ。」
『すみません、エメラルドはこういう性分でして。」はっ。「うわ、美少年・・」「サファイアです。よろしく。」
「マスターはゲッツ。念のために、女の子だよ。」『ほう・・俺はあまり干渉せんぞ。』「こちらでかまいますので。」
『うにゅ~、みんなもっと仲良くなの~。」はっ。「マーガレットなの~。」「マスターは李兄妹ね。」「うわ~、
可愛い~!」「・・これで役に立つのか?」「歯をよく見るの~。」キラッ。「!・・獣のような鋭い歯。」
「言い忘れてたけど、みんな特殊な能力を持ってるから。」「ルビーは?」「・・!」シャッ!「むっ!」パシイイーン!
「・・杖術か。」「まだまだですの。」ヒュン!「速い!」ビュンビュン!パパパパン!『はっ!』パンッ!
「・・やるな。」ジィ~ン・・「お気に召して?」「いいだろう、しばらくつきあってやろう。」「充分ですの。」
「エメラルドは毒舌だけかいな?」「ノンノン、こういうものも・・」ヒュルルルッ!「・・蔦?!」ばっ!
「緑よ、我が槍となれ!」ヒュドドドッ!「おととととっ!・・やるやないか。」「幽音の血はダテじゃないですぅ。」
『となると、サファイアも。』「はい。僕の場合は・・」シャリーン!『・・双剣、いや、二丁鎌。』グッ。
「はいっ!」タン!ヒュゴオオッ!『受け!』ガキイイーン!ズサッ!『!・・俺が押されるほどの剣圧とは。』
「体重でなく、重心とタイミングの問題です。」『気に入った。パートナーと認定してもいい。』「感謝の極み。」
「マーガレットは・・」「見せてもいいの~。」「いえ、いい。」「・・だいたい想像はついた。見かけによらず、
恐ろしい子だ。」「だから幽音の血族なの~。」「可愛いだけじゃないんだね・・それでこそふさわしいわ。」
「残るはハニーね。」「・・まさか。」『やだなぁ、ゆったじゃない。マイマスター。」ばっ!「・・あなたが。」
「オニキス。物覚えが悪いのは老化の兆候よぉ・・ウフフフ。」『ちょっとあなた、仮にもマスターに対して、
その口のききかたはなんですか。』「?・・はて、何か聞こえたような。ソラ耳かなぁ?」ぽりぽり。
『ぐ・・あくまでシカトきめこむ気ですね。ならばこちらも考えがあります!霊破弾!』キュオン!バシイイーン!
『・・なっ?!』パリパリ・・バサアッ!「ん~、天気よくないのかなぁ?カミナリどっかに落ちたらしいけど。」
『てめえ・・』ワナワナ・・「華燐もオニキスもやめなさい。そんなことしてても何の意味もないでしょうに!」
『はーい・・』「わかればよろしい。・・やれやれ、こりゃ頭痛のタネが増えただけかも・・」ズキズキ・・
「そういえば七人と言っていたが、あと二人は?」「おっと忘れてた。トパーズ。」『お呼びかしら、マイマスター。』
♪カラコロカラコロ・・「傘で・・飛んでる?」「メリーポピンズかいな。」「でも飛行音はガラガラにしか・・」
「エリーちゃんのトパーズ。得意技は兵器開発。」「にしても、あんたの作る兵器はとにかくケッタイなのよね~。」
「独創性に富んでるのかしら。天才はなかなか理解されないのかしら。」「ありゃ理解以前の問題でしょーが。」
「ほう、エルフィールを惑わせる存在とは面白い。」「輪をかけたマッドサイエンティストですか・・頭イタ~。」
「そして最後の一人・・アメジスト。」『・・はい。』ユラリ・・『おおっ!』オォォ・・「・・なんだこの気は。」
「狂気・・いえ、凶気。」「私の補佐、アメジスト。どうも私は手を抜くクセがあるので、そこんとこをしっかり
やってくれるように造ったの。」『・・敵は完全殲滅あるのみ。ガブ女も全力攻撃で滅ぼしましょう・・』ニイ・・
「・・右眼の眼帯は何だ?」「ああ、これ?・・アメジストの最終兵器。普段は危ないから封印してるの。」
「封印?・・」「それほどの威力というわけか。」『・・右眼が開くとき・・地獄の門が開く。フフフフ・・』
翌日、黒薔薇の館。ジィィィ・・「ヘルファイター、闇シャッフルのガンダム、そして黒い天使・・デビル軍団も
本腰を入れてきたわね。」「先の二つはともかく、問題はこの黒い天使ね。」「はい。・・まるで幽音の代理人の
ような口調でした。」「もうひとつ。コイツは刹那をマイマスターと呼んだんだね?」「間違いありません。」
「聖、何かわかる?」「・・これは予想以上に深刻な事態かもしれないよ。まずコイツだが、可能性として考えうる
正体がある・・幽音のクローン。」『ええっ!』ザワザワ!「静粛に。・・聖、根拠を。」「よく見ればわかるが、
顔形・動作・言動・言質に幽音と共通するものが多数伺える。瞳子ちゃん、モンタージュ照合解析できる?」
「やってみますわ。」カタカタカタ・・「照合率53.2%。姉妹の全国平均33.6%よりはるかに高い数値ですわ。」
「データ評価を。」「一卵性双生児、もしくは、ほとんど同じ遺伝子を持つクローン。・・この二つだけですわ。」
「そして二つめの仮説。・・コイツはこれ一人じゃない。おそらくは五人、いえ、それ以上いるはず。」ザワザワ!
「根拠を聞きたいわ。」「如月刹那をマイマスターと呼んだこと。これは刹那のみを主と定義している表現だ。
ならば闇シャッフルそれぞれに同様の存在がいる・・と考えられる。いえ、デビル軍団幹部全員にかもしれない。
そして当の刹那も困惑していたことから、秘密裏に造られていたんだろう。もし幽音のクローンとすれば、幹部たる
闇シャッフルにさえ秘匿されていた理由になる。・・異論は?」シーン・・「さすがお姉さま・・すさまじい頭脳。」
「・・敵の戦術も変わってくるかもね。今まではどうも中途半端な印象があったけど、新編成になったことで、
もっと積極的に攻めてくるかもしれない・・」「戦いはより激化するということね。・・みんな、今まで以上に
身辺には注意して。スールはできるだけ一緒に。孤立は敵の望むところよ。」『はい。』「今日はこれで解散。」
ガヤガヤ・・「瞳子ちゃん。」「はい、祐巳さま。」「さっきの黒い天使、イメージコピーくれない?」
「かしこまりましたわ。祐巳さまのケータイへ送信・・よし。」タン。チャッ。「・・いま来た。ありがとう。」
「どういたしまし・・?!」ぞくっ!(・・なに?祐巳さまの今の一瞬の表情は?!・・背筋まで凍るほどの・・)
「祐巳、帰りましょう。」「あ、はい。お姉さま。可南子ちゃん。」「はい、お姉さま・・」ツカツカ・・
ガクガク・・(祐巳さま・・わからない。私たちの知らない、もう一人の恐ろしい祐巳さまがいる・・)ばん!
「あいた!・・乃梨子さん?」がばっ!「えっ?」(・・前にも言ったはず、それ以上踏み込むな。さもないと、
瞳子自身が滅ぶよ・・)「え・・ええ。」「よし。」ぱっ。「・・乃梨子、帰りましょう。」「はい、お姉さま。」
「令ちゃんは今日こそ?」「行くよ、ガンダム長屋。遅くなったけど仁義は通しておかないとね。」「そういえば、
神父ばかりで長屋へは行ったことなかったな~。」「すっかり女子高生モードが定着したね。」「だいぶ慣れて、
なんかこっちが前よりラクになってきました。」「でもたまにはあのシブい声も聞きたかったり。」『アハハハハ!』
ガヤガヤ・・パタン。「・・・・」「・・瞳子ちゃん。」はっ!「・・四号生のお姉さま方。」「・・見た、のね。」
「う・・」「いい機会だから、全てを話すわ。・・もしかすると、聞いたことで黒薔薇を脱けたくなるかもしれない。」
「そ、そんな?!」「それほどの内容だということさ。・・それでも聞く勇気はあるかい?」ゴク・・「・・はい!」
五分後・・バタン!ダダダッ!「うっ!・・うげええええーっ!」ダバダバ!「うげえっ!うげえっ!」ツカツカ・・
すっ・・さすりさすり。「・・聖さま。」「そこまで衝撃的だったか・・よっぽど祐巳が好きだったんだね。」
「・・うわああああーっ!」がばっ!「知らなければよかった!こんな・・こんなひどいこと!」「乃梨子ちゃんが
言ったろ。・・世の中には知らないほうが幸せなことがあるんだ。」「うぐううううーっ!・・」ガクガク!
「けど、知ってしまったからには、それに立ち向かわなければならない。」ぴたっ。「・・わかってますわ。」
ぴっ、ちーん!「ふう・・この大秘事、そのときまで私の内に封印しますわ。」「うん、見込んだとおりだ。
どり子はやっぱり強いね。」「瞳子です!・・ふふっ。」「安心したわ。」「瞳子ちゃんなら、立派な黒薔薇の
カナメになれるわ。」すっ。「お姉さま方。」「では今夜は飲もー。」『おいおい。』「カラオケBOXまでよ。」
「あ、それと大事なことをもう一つ。・・祥子には絶対に。」こく。「わかりますわ・・祥子さまは弱い。
この真実にはおそらく耐えきれない・・確実に乱心いたしますわ。」「それが一番心配なの・・ならばこそ、
少しづつ小出しに見せていき、衝撃を和らげる。」「BGFはそのためでもあるのですね。」「わかってるね。」
「・・それに、昨今のデビル軍団とのケンカも、考えようでは・・」「さすがよく見てるわ。そう、私たちは
基本的に大歓迎。場数を踏めば、それだけみんなのレベルも上がるわ。」「・・死をも恐れず、ですか?」
「我らが命、主の御手にあり。」「なんぞ死に臨んで悔いありや。」「代行者は、死ぬことと見つけたり。」
「捨ててこそ、浮かぶ瀬もあれ・・ですわね。」「そう、死んだ気ならば却って生き残る・・それが戦場よ。」
ネオ横浜・メビウス重工。「会長、ちょっと気づいたことがあるのですが・・」「ニコル、なに?」「発注品で
奇妙な共通点がありまして。」「見せて。・・地上施設用高出力核融合炉・1ギガワットレーザー発振器・
自己誘導型対空ミサイルポッド・レーザー照準式CIWS・・なるほど。」「ご覧のように、同時期に十数社から
似たような発注がありました。」「顧客の素性は?」「ごく普通の中小商社ばかり。特に共通点はありません。」
「・・でも、何かひっかかるのですね。」「はい。ここからは推測ですが・・元顧客は同じではないかと。」
「分散して発注をかけ、大量発注による注目を避ける・・よくある手ですね。どこかの国で要塞でも造ろうと
してるのでしょうか。」「国家レベルでそういう動きがあれば、海外情報筋が見逃すはずはないですが。」
「国家でなければ・・国家に匹敵する組織。」「最大勢力のネオナチスはとうの昔に壊滅しています。残るは、
それほどの財力を持たない中小組織ばかりです。」「となると・・!」♪ピン。「宗教団体の可能性は?」
「あ・・そこまで考えていませんでした。それに宗教系はガードが堅く、容易には実態を把握できません。」
「・・ひょっとすると。」「・・まさか。」こく。「確かめる必要がありますね。ちょっと出かけてきます。」
ガンダム長屋。「明日はよろしくお願いいたします。」すっ。「うむ。丁寧な挨拶、痛み入る。さすがは名門
ガブリエル女学園の生徒でござる。」「もちろん両方の意味でですよ。」「・・やはりご存知ですか。」
「日本暗黒街で知らないのはモグリね。江戸時代に発祥した摩倶荼羅教が母体となり、明治維新と同じくして
表向きミッションスクールとして開校。帝國陸軍および海軍にも優秀な人材を輩出し、明治・大正に亘って
影の軍隊として活躍するも、2・26事件を契機に一時閉校した・・」「そして終戦後に再開校。国内のみならず
海外にも活躍の場を広げ、カソリックの守護天使として数々のアンサング・ウォーを戦い抜き、現在に至る。」
「さすが伊賀忍群・・」「歴史の講義はさておき・・昨日は大変であったな。」はっ。「そこまでもう・・」
「ネオ東京シティー内での事だ、その日のうちに耳に入る。・・襲撃はこれからも続くぞ。しかもより激しく。」
『・・・・』「最新情報を教えましょう。黒い天使、あれだけではありません。全部で七人。」「七人も・・」
「どうやら敵もそろそろ本気を入れてくるようだ。だが。」こく。「守りぬきます、黒薔薇の誇りにかけて。」
「その意気やよし。だが意気だけで切り抜けられるほど現実は甘くない。・・知らぬのか?」『?・・』
「・・父上、まだ知らされてないようですね。」「おお、そうか・・」「あの・・何の話でしょうか?」
「暗黒街の掟ゆえ、拙者の口からは言えぬが・・」「キーワードだけ教えましょう。・・ローゼンクロイツ。」
「・・薔薇十字?」「あの秘密結社の?」「いえ、そのまんまの意味ですよ。」「・・薔薇の十字架?」
ガブ女・学園長室。「やはり来ましたね、『無限の輪廻』。」「やはりこちらでしたか・・いったい何が。」
「・・我が校の伝説、ご存知ですか?」「はて、いろんな伝説がありますが・・まさか・・『沈める聖堂』?」
こく。「この下に、江戸時代に造られた隠れ切支丹の地下大聖堂がある・・という伝説です。むろんそれは
摩倶荼羅教総本山・勝宮寺の話に尾鰭がついて流布したもの・・ですね。」「はい、そう聞きましたが・・」
「・・わざとそうさせたとしたら?」「え?・・本当なのですか?」「真実はその程度ではありません。
そもそもここが設立されたのは、それを隠蔽するためが本来の目的です。」「・・そこまでして隠されたもの。」
「あれから数百年・・目覚めぬまま終わればそれでよかったのですが、時代がそれを必要としています。」すっ。
「ついてらっしゃい。・・お見せするわ、真の薔薇の学び舎を。」「・・お供いたします、大司教睨下。」
夕刻、メビウス重工。バタン!『会長?』「ちょうどいいわ、みんな揃ってますね。これより第一級生産体制を
発動します。これが注文書です。」バサッ。『・・これは!』「なんて大口注文だ・・」「こりゃ工場のキャパ
最大限に動かさなきゃおっつかねえぜ。」「必要な人員は補充します。ニコル、派遣から腕のいいの根こそぎ
雇ってきて。言い値でかまいません。」「わかりました。」「イザークとディアッガ、生産計画を一時間で作って、
必要人員をニコルに。」「30分でやるぞ。」「お仕事おしごと。」「ルナマリア、これとこれとこれは新規設計だけど、
どのくらいで仕上がります?」「ざっと二日。」「24時間。」「やろうじゃん。仕様書もらうよ!」バサッ!
「だからここのポジに五人欲しい。」「いやこっちを強化すべきだ。」「おーい!みんなまだ帰るな~!・・』
「五時から仕事は技術屋の運命ですが、帰りかけた社員を引き戻すのは骨ですよ。」「これで帰るような社員なら
いりません。」「だいじょうぶですよ、大仕事に燃えるタイプばかりですから。」「設計部に寿司の差し入れを。」
「出前とります。梅ですか?」「松。こういうとこケチっては社員はついてきません。」「わかってますね。」
ワーワー!「さて、今日の第二試合はチーム黒薔薇会「オルレアンの剣」令のサムライカラミティと、服部半蔵の
コーガガンダム!」「ひさびさの登場やな、半蔵はん。いまだモズ落とし命かいな?」「どうもそうみたいよ。
日々工夫して完成度を高めてるそうよ。」「む~、一つの技を極める・・それもまた美学やな。対する令はんは?」
「前に紹介した由乃選手のグラン・スール。流派は例の支倉流抜刀術。」「居合いか。・・忍者対剣士、これはこれで
興味深い対戦やな。専門家の意見は?」「なんともいえないわ。リーチは剣が圧倒的に勝るけど、忍者にはそれを
補って余りあるスピードと機動性、そして戦術がある。」「最初の二つはわかるが、戦術?」「忍者に武士道なし。
ぶっちゃけルール無用、目的のためには手段を問わない。剣士よりはるかに自由度が高いわ。」「・・さくらはん、
あんたもいちおー剣士やで。」「客観的事実よ。その現実を乗り越えて勝ってこそ、本当の意味でのサムライなの。」
ザッ。「ここがリング・・!」ボン!「左様、我らの桧舞台でござる。忘れるな、全世界数十億の眼が今こそ我らに
集中しておることを。」こく。「そして、それを承知で無人の野の如く・・です。」「うむ、見事な領解でござる。
いざ。」すっ。「いくよ、サムライカラミティ!」「臨兵闘者皆陣列在前!来たれコーガ!」ギン!ドドドド・・
『バーニング・ガンダムファイト!レディー、ゴー!』「まずは・・なんと?」スッ・・チャッ、コトッ。
「カラミティ、いきなり正座して刀を置いた?」「どうぞお先に。」「むう・・」「こないな展開は前代未聞や・・」
「・・そうか、間者打ち。」「なんやそれ?」「忍びが襲うは夜、刀を外しているとき。」「そらま、マトモに挑む
忍びはおらんやろな。」「あえてその不利な体勢から反撃する・・これがどれだけ難しいかわかるでしょ。」こく。
「そしてそれは精神を研ぎ澄まし、万全の状態よりさらに己を高められる・・やな。」「・・恐ろしいまでの覚悟。」
「・・その意気、見事なり。だが忍びに武士道なし。爆炎龍!」ドン!ゴオオオーッ!「飛び道具で来た!」
ゴオオオーッ!「・・・・」『・・動かない?!』「ば、バカな!」ドカアアアーン!「直撃!」「な、なんでや?!」
ゴォォォ・・「なんと・・ううむ、わからぬ・・?!」ぞくうっ!シュピィィーン!ボオッ。『な、なに?!』
「・・これをかわすとは、さすが。」・・ザッ。「はぁっ・・そうでもござらぬ。ほとんど条件反射でござった。」
「そうか、着弾の一瞬にかわし、爆炎に気をとられているうちに背後をとったのね。」「・・まるでマジックや。」
「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ・・支倉流抜刀術恐るべし。だが。」グッ。「拙者にも道はござる。武士道ならぬ
忍道という道が。」シャッ!「コーガ、真正面から仕掛けた!」「あれでは居合いのええマトや!」「・・!」
シュピィィーン!「?!・・この手ごたえは!」ボオッ・・「うつせみや!」「天?それとも地?」「・・天!」
ゴオオオオーッ!「御免!」「まだ!白疾風!」シュパパパッ!「対空居合い?!」「見えんほどの連撃か!」
「烈風!」シュパパパッ!キキキィン!「しまった、手裏剣を受けさせられた!」ザン!ダッ!「もらった!」
「間に合う!」シュパァッ!「む、いかん!」さっ、ガキイイイーン!「くっ!」ザザザーッ!・・「・・速い。」
「防御も鉄壁よ・・」「あかん、スキがまったくあらへん。どないしてあの防衛陣を突破するんや・・?」
「・・やってみるか。」シュルッ、ドスッ。「?・・忍者刀を?」「もはや刀は無用。ただこの腕のみで・・勝負!」
シャッ!「・・支倉流抜刀術奥義・天地創造!」シュパァッ!ズバシャアアアーッ!『あれは!』「巨大な斬波が
大地を裂いてコーガに迫る!」ズガガガガーッ!「・・むん!」グイッ、ズボッ!ギュイイイーン!『忍者刀が!』
パキイイイーン!「なにっ?!・・忍者刀を砕かせて斬波を無効化した!」「これぞ乾坤一擲の!」がしっ!
「コーガ、ついに掴んだ!」「モズ落とし!」ダーン!・・ゴオオオオーッ!「このくらい受身をとれば・・?!」
ググッ!「・・動かない?!」「あ・・あれは!」ギシイッ!「下げ緒や!忍者刀の長い下げ緒で捕縛しとる!」
「しまった、あれは捕縛から目を逸らすためも!」「そのとおり。名づけてモズ落とし・黒縄!」ズドオオオーン!
「うわああああーっ!」・・ヒュッ、スタッ。ユラ・・ドドーン!「勝負あり、コーガ!」「闇に滅せよ。」
「令ちゃん!」「令さま!」タタタタ・・パシュッ。「あいたたた・・」「だいじょうぶ?!」「・・ちょっと
脳震盪・・」「お姉さま、ここはやはり。」「え?」「にぶいな~。」コショコショ・・「・・え?!そ、そんな!」
「ほらさっさと行く!」げしっ!「とととっ!」どさっ!「あいたた・・名無、あんたね!」「ほらほら。」
「・・はぁ、しょうがないな~。」そっ、スッ。ふわっ。「あ・・気持ちいい・・」「れ、令ちゃん、左にだけは
向かないでよ!」「ん?」くるっ。「あ!・・(真っ赤)」「・・なるほどね。めくっていい?」ニッ。かあっ!
ばきいいいーん!♪ぴよぴよ・・「あ~らら・・とどめさしちゃった。」「れ、令ちゃんのスケベ!・・」どきどき!
わいわい!「・・なにか取り込み中のようだの。」さっ、ザッ。「半蔵さま、申し訳ございませんが、令さまは
よんどころない事情により、ご挨拶はのちほどお伺いいたします。」「あいわかった。丁寧なご返答、痛みいる。
それにしてもだ・・」じーっ・・「何か?」「いや。・・ガブ女は面白いところでござるな。」「御意。」にこっ。
数日後、三号生教室。「令、まだ包帯とれないの?」「あと三日かな。・・ファイトよりも、由乃の一発のほうが
ダメージでかかったな。」「うふふふっ。強い妹持つとタイヘンね。そこいくと祐巳は安心だわ。」「・・そうかな?」
「?・・どういうこと?」「・・いや、祥子がそう思ってるんならそれでいい。」「?・・どういう意味?」
♪リンゴーン。「おっと、二時限めだ。」「今日は特別講義という話だけど・・」ボン!『なっ?!』モクモク・・
「では特別講義『忍法の現代的応用』を始めるでござる。」『・・半蔵さま?』「いつの間に非常勤講師に?」
ガンダム長屋。「ほう、半蔵さんが女子高の講師を。」「学園長が古くからの知り合いで、そのツテなの。にしても、
あんなに喜びいさんで行くなんて。」ぷんぷん。「母上にいつも絞られてるんで、命の洗濯ですよ。」ぷっ!
『あはははは!』「笑いごとですか!・・まあ、若い子と浮気なんかする甲斐性は無いのは安心材料だけど。」
「たしかに、父上もそこまでの度胸はありませんね。」「えらい言われようだな。」「ドモンも似たようなもんよ。
むしろ浮気するくらいの甲斐性が欲しいかも。」「レインさん、あまいわよ。男ってのはいくつもの仮面を持つの。
家庭では模範的夫であろうと、外でどうだかはわからないわよ~。」「・・そうなの?」「俺に聞かれても困るが。」
「いえ、むしろ表裏の無いドモンさんみたいな方のほうが、けっこうもてるものですよ。ただ問題は、本人がそれを
自覚してないことですが。」「考えてみれば損な性分かもね。」「若いわね・・だからいいの。」「・・なのか?」
君たちに最新情報を公開しよう。
第八の花は「バベルの雷」聖。対するは「雷鳴の塔」マコ。
電気対電気。数億ボルトの激闘が始まる。
だがガブ女に迫る「ジュエルズ」の影。
大車輪MA『パンジャンドラム』が黒薔薇の館に迫る!
しかし館崩壊の危機に現れる、伝説の薔薇たち!
次回、バーニングガンダムファイト激闘編 第23話
「バベルの雷!嵐の予兆」へ、バーニング・ガンダムファイト!レディー、ゴー!!
これが勝利のカギだ!(ボルテッカ・サブマリン)
第23話「バベルの雷!嵐の予兆」
宇宙某所。パシュッ。「♪今日もお仕事ご苦労さん・・と。ん?」ぴくっ。「・・黒い封筒。誰がいつ置いた?」
ぴっ。「差出人は・・?!」ぎょっ!「・・この校章は!」ビリッ!ばさばさ・・「・・!」ダダッ!♪ピッ。
『はい、こちらオーダールームです。司令?』「このみ、大和撫子を呼び出せ。艦長だ。」『わかりました・・
どうぞ。』ぱっ。「幽璃華、そっちもか?」『やっぱりそっちにも?』「・・みなみは?」『いま確認したわ。』
「今どこにいる?」『「斧」に停泊中。亜光速連絡船を使うわ。』「よし、あっちで会おう。」♪ピッ。
「このみ、急用ができた。三日ほど有給取るど。」『は、はい。デュプティは?』「るーこいるか?」『ただいま。』
『るー。』「るー。るーこ、デュプティ頼む。」『うーの留守番だな。わかった、るーはうーの代わりをする。』
『司令!』「なんだ、ささら。」『なぜ私を指名しないんですか?!』「おめーはトップに立ったら舞い上がる
タイプだろが。そんなんにデュプティやらせんぜ。」『う・・』「けど具体的指示は、おめーが一番。」はっ。
「わかるな、おめーがいちばんよく動けるポジはそこだ。上意方針なんかは、あたしや、るーこにやらせとけ。」
『了解しました。るーこ司令代理を補佐します。』「よっしゃ。しっかり留守まもってくれよ。」『は、はい♪』
「このみ、一番近い連絡艇は?」カタカタ・・『一時間後です、空席あり。』「確保しといてくれ。」『了解。』
木星・都市戦艦「斧」。「ルリちゃんデュプティ。地球行きの空席ある?」「いま確保しました。出発は一時間後、
『シェークスピア』ゲートです。」「急がなくっちゃ。それじゃ行ってきまーす!」ばたばた。「よい航海を。」
「また慌ただしく出かけたものね。」「巡回任務を中断するほどの用件なの?」「らしいです。でも巡回は出ます。」
『え~!』「ねえルリルリ、かんちょ戻るまで半舷上陸伸ばそうよ~。」「ダメです、お仕事ですから。」
「あ、そーだ!木星ラーメンおごっちゃお。」「・・何杯?」「二杯。」「三杯。」「それでのった。」
「本艦は艦長が戻るまでここで待機します。半舷上陸は交替スケジュールを守ってください。」『やったー!』
大戦艦ヴァルハラ。「それでは私の開発した新兵器を紹介するかしら。点灯!」ぱぱっ『お~。』「でかいのだわ。」
「なんですのこのタイヤのオバケは?」「陸戦型MA『パンジャンドラム』かしら。」『モビルアーマー?』
「・・単に巨大な車輪にしか見えないけど。」「この大車輪で、行く手のものを轢き潰すのかしら。計算では
ガンダムが束になっても止められないかしら。」「へえ・・トパーズ、面白いもの考えたわねぇ。」「で、どこに
使うつもりだ?」「・・いい目標があるわ。」はっ。『アメジスト・・』「ガブ女の主戦力が集中する大本営・・
黒薔薇の館。」ぱっ。「なるほど・・」「名づけて『薔薇の園ローラー作戦』・・」「これは楽しみなの~。」
「でと、今回はジュエルズだけで作戦を進めるからよろしく。」『なに?!』「なんでや!」「どういうことだ幽音。」
「デモンストレーション。ジュエルズの実力を一度ちゃんと見せておきたいから。」「それにマスターたちと学生では
ハンデありすぎなのだわ。」「セーガクごとき、私たちで余裕ですぅ。」「まあ観戦しててください。」「なの~。」
「フフッ、ひょっとすると一発で終わるかもねぇ。」「この程度でやられるようじゃ、敵として問題外かしら。」
「・・戦いは非情。代行者ならなおさらね・・」「・・わかった、ジュエルズの実力、見せてもらおう。」『では。』
ツカツカ・・「・・黒薔薇会はそんな簡単な相手ではありません。」「ハニーは手合わせしとったな。どないや?」
「BGFで確実に経験値を積んでます。会うたびに強くなってる・・また学生ゆえの思い切りのよさもあります。」
「いまひとつ。」ぱしっ。「ガブ女の上部機関である紳罰代行機関には、怪物クラスの代行者がゴロゴロいるよ。
あの真祖のライバルだけでなく、ウワサでは生身で戦車や戦艦に匹敵するのとか。」『ほう、それは面白い。』
「そういや聞いたことあんな~。ホンマかどうか知らんが、何もせんで十人まとめてミンチにするヤツとか。」
「?・・どういうことです?」「やからウワサやて。やけど話半分でも・・もしホンマなら正真正銘のバケモンや。」
「幽音、本当にいいのか?」「いいんじゃない?勝てばよし、よしんば皆の危惧どおりなら、手痛い返り討ち。
それはそれであの子たちのためになるわ。」はっ。「・・そこまで考えて。」「子供の教育はしっかりやらないとね。」
黒薔薇の館。「明日はいよいよ聖の出番ね。」「相手は『落雷の塔』マコ・トライデント中尉。しかし同じ電気使いを
ぶつけるとは、委員会もやることがにくいわ。」「望むところさ。ウワサに聞く『緑の魔女』は憧れだったからね。」
「中尉は実戦経験も豊富だそうです。」「知ってる。・・いい経験になるね。」「やる気まんまんですね。」
「ほんじゃ、梁山泊に仁義切りに行ってくる。」「・・同行いたします。」「同じく。」「いいよ、挨拶だけだし。」
「それでは私が。」『静さま?』「うん、静ならいいだろ。行こう。あと祐巳ちゃん。」「は、はい?!」
「祥子、借りていい?」「・・祐巳、行くことないのよ。」ぴくぴく。「で、でも・・」「祥子、私からお願いするわ。」
「静?」「聖さまの毒牙から私を守るために、ね♪」「襲っちゃうよ?」「・・はぁ、静の頼みとあらば仕方ないわ。」
「悪いね、それじゃ。」『ごきげんよう。』パタン。トントン・・「・・なんですかあれは。実のスールをさしおいて
静さまと祐巳さまだけ。」「・・乃梨子、口を慎みなさい。」「お姉さま?」「・・お姉さまは、本当に大事な人と
ベタベタするのは得意でないの・・」「でも祐巳さまや静さまにはあんなに」「だから。・・本当に大事な人には。」
「あ・・」「乃梨子ちゃん、志摩子のいうとおりよ。聖はあれでもシャイで、特に志摩子にはあえて距離を置いてるの。」
「大切な宝石こそ、やたらにいじくらない。でも一旦事あらば、何をおいてもそれを守る・・そういう子なの。」
「・・わかったような、よくわからないような。」「いいのよ、無理に納得しなくても。パラダイムは人それぞれ、
乃梨子ちゃんが聖の生き方に賛同する必要はまったくないの。聖は聖の、あなたはあなたの道を行けばいいだけ。」
「はあ・・」「・・乃梨子は知らないだろうけど、私とお姉さまは十年前からの縁なの。」「・・十年前?!」
「・・生まれてから一歩も外へ出なかった私をときどき訪ねてくださり、外界の話をしてくださったり、基礎教育を
お手伝いいただいたりしたわ・・」「でも、私は勝宮寺で見たことありませんが?」「それは乃梨子がいたから・・
乃梨子がいれば、もう安心。そう思ったのでしょう・・」「・・でも、やっぱり私は聖さまとは合いません。」
「それでいいのよ。あの祐巳ちゃんだって、けっこう聖には噛み付いてるのよ。」「あったあった。半年前かな、
あんまり聖さまのオイタが過ぎるんで祐巳ちゃんブチ切れて、ぶっとばしたっけ。」「ええっ?お姉さまが?!」
「そうよ可南子ちゃん。めったにないけど、祐巳はいったんキレたら、その爆発力はすさまじいわ。」「へえ・・」
「あれから聖もちょっとはおとなしくなったわ。」「あれでですか・・前はよほどすごかったんですわね。」
「・・聞いた話では、指を・・」『ええっ!』「そりゃキレますよ、誰でも。」「セクハラどころじゃないですわ。」
「でも不思議なのは、聖さまがそういうことするのは祐巳限定なこと。どこがそんなに気に入ってるのかしら?」
「いじりやすい、のかなー?」「・・リアクションがいいから?」「・・祐巳さまに思い出を残すため?」はっ!
「あ!・・」「?・・瞳子ちゃん、それどういう意味?」「い、いえ、単なるひとりごとですわ。」ちらっ。
こく。「あ、思い出した。職員室へ書類取りに行かなきゃ。瞳子、手伝え。」「は、はい乃梨子さん。」どかどか。
館の外。「はぁっ、はぁっ・・」「・・迂闊者。祥子さまにだけは最後まで伏せるんだろ。」「・・乃梨子さん、
みんなご存知ですの?」「いいや。でもだいたい想像はつく・・推理材料はそろってるし。」「さすが・・」
「本来なら祥子さまも気づくほどだけど、心の弱さが無意識に真実から目を逸らさせてる。そのくらいは私でも
横で見ててわかる。」「・・実は」「何も言うな、聞きたくない。・・私は意識的にシカトしてるんだ。」
「・・ごめん。」「五分したら戻るよ。書類は教室に置いてきた・・いいね。」「わかりましたわ。」
キュィン!『なにっ?!』「・・結界を張ったのだわ。これで邪魔は入らないのだわ。」はっ!「・・誰?」
「ジュエルズが一人、ルビー。黒薔薇会、お命ちょうだいするのだわ。」「・・幽音クローンか。」すっ・・
「瞳子、下がってなさい。」「乃梨子さん・・」「黒薔薇会『色即是空』乃梨子。お相手つかまつる。」ザッ。
チャッ。「?・・独鈷杵?」「吽発多!」キリッ、シャキーン!「!・・六方輪鈷杵に!」ビュン!「いざ!」
黒薔薇の館。『ごめんくださいですぅ。』『失礼します。』『ん?』「・・ちょっと見てきます。」ガタン。
ツカツカ・・ガチャ。「はーい・・どなたです?」ひょい。「あ、ども。ジュエルズのエメラルドですぅ。」
「右に同じくサファイアです。」ぎょっ!『・・えっ?!』ダダダッ!「用件は・・ケンカを売りに来たですぅ。」
ニヤッ。「できれば外でのほうがいいんですけど。」「・・いいでしょう。みんな、外へ。」『・・はい。』
築地・梁山泊。ゴォォォ・・『うわ~・・』「でかっ!」「さすがアルカナの母艦として造られただけあるわね。」
「アポは入れてる、行くよ。」カンカン・・「・・あれがウワサのガブリエル女学園生ね。」「対戦したアリシア、
どう見た?」「・・学生と思わないほうがいいよ。プロ、いえ、決勝ファイター以上に手ごわいよ。」「そう・・
さすがカソリックの剣ね。」『マコ・トライデント中尉。お客様がお見えです。第四応接室へおいでください。』
「ほらきた。さってと。」ぱしぱし!「マコちゃん、挨拶だけだってば。」「いきなり殴り合いしそうな勢いね。」
応接室。『マコ・トライデント、入ります。』「どうぞ。」すっ。パシュッ、カツッ、ぴしっ。「はじめまして。」
「お初にお目にかかります。明日お相手いただく『バベルの雷』聖と申します。」ぴくっ。「・・その二つ名は。」
「電気系の異能を持ちますので。」「・・なるほど。私のことは?」こく。「存じております。・・『落雷の塔』。」
ふっ。「さすが代行者、調査済みか。・・電圧点検?」ニヤッ。「しましょうか。」すっ。(・・人差し指を?)
パリパリ・・『通電。』バリバリバリ!「・・学生にしては、やるね。」「・・さすがプロです。」バチッ!・・
「明日を楽しみにしてます。」「こちらこそ・・ではこれで。」すっ。『・・ごきげんよう。』バチバチバチ!
(うわ~、文字通り火花が・・)(互いに強敵と認め合ったのね。・・聖さまがあれほど燃えるのも久しぶりね。)
館の外。「・・あなた達が幽音のクローンなのね。」「正々堂々、真正面からとは敵ながらあっぱれね。」
「しょうがないですぅ。皆さん外へ引っぱり出すには、これが一番ですぅ。」「ま、これで予定どおりです。」
「?・・どういうこと?」キュィン!『なっ?!』「・・あの結界!」「はい、これでジャマは入らないですぅ。」
「トパーズ、いいですよ。」『出番かしら。』・・ドドーン!「なに?!」ゴォォォ・・「あれは?!」
「モビルアーマー『パンジャンドラム』かしら。では強制代執行かしら。」・・ギャガガガッ!「・・まさか!」
「黒薔薇の館を!」「まったく、こんなボロ家とっとと壊すにかぎるですぅ。」「♪解体 解体 一役買いたい・・
ですね。」「なんでそんな歌知ってんの。」「ふう。・・どうやら、まずあなた達を何とかしないと出れないようね。」
「怒ったお姉さんは好きですか?・・と。蓉子。」ぺきぺき。「わかってるわ江利子。・・祥子、手を出さないで。」
「令もね。」『お姉さま?』「たまには愉しませて♪」「十秒でケリつけるわ。」ザッザッ。「カモーン!ですぅ。」
「エメラルド、油断大敵ですよ。」ジャキジャキッ。「江利子は青いのを。」「緑はまかせるわ。」ザザザッ。
「いくですぅ!」ザワザワ。「あら?」「緑よ貫け!」ビュルルルッ!ズドズドッ!「串刺しですぅ!」「なにが?」
「え?・・あっ!」ギシィッ。「・・枝にツタが?!」「あなたも植物使いなのね。親近感が湧くわ。」ビュルッ!
「イバラ蔦?!」ギリギリッ!「くうっ!・・痛っ!」「はーい動かないで。ヘタに動くとトゲが刺さるわよ。」
「く・・これは・・薔薇?」「ゴルゴダの薔薇。その気になれば吸血も可能よ。血ぃ吸うたろか?・・なんてね。」
ザザッ。「あっら~。よく見りゃ女の子じゃない。ボーイッシュで可愛いわ。」「いきます。」シャッ!・・ボオッ!
「お、速い。」「もらいます!」ビュッ!「・・アルミューレ・リュミエール。」ピカッ!ガキイイイーン!
「?!・・そんな!」ザシャッ!「反撃ターンね。ライトセーバー。」ついっ、シュピィッ。「よっと。」ヒュン。
「?・・あっ!」ぽろぽろっ。「これがホントの鎌切り・・なんちゃって♪」「強い・・えっ?」ぐいっ。
「や~ん!ホントに可愛い~!」「は、放してください!」「残念、男の子だったらソッコーで童貞食いなのに。」
「え・・」ぽっ。「ま、いっか。ちょっと味見しちゃお♪」「え?あ?」「んふふふ~。いただきます。」ジュルッ。
『ああああ~っ!』「・・サファイア?」「あらら、江利子ったらまたダイタンなことを。」「・・そ、そーだ!
抵抗するとガンダムがパアですぅ!」「?・・どういうこと?」「ふふふふ・・すでに手がまわってますぅ。」
「なになにー?ガンダムがどうしたの?」つかつか。「あぅぅぅ・・(キスマークだらけ)」「実はぁ・・」
ガンダムドック。ゴゴゴゴ!「敵襲!全ガンダムをいつでも出せるように・・ん?」ばっ!・・トコトコ。
「ふーん、これがガンダムなの~。」「・・誰?」「ジュエルズのマーガレット。ガンダム壊しにきたの~。」
「!・・あの幽音クローン。」「ケガするからどいてるの~。」「・・そうはいかない。私はここの責任者、
ガンダムを守るのが任務よ。」「わかったの~。では死ぬの~。」ターン・・グワアッ!「!・・鋭い歯が!」
「というわけで、いまごろガンダムはおじゃんですぅ。」『・・ふふふふっ。』「?・・その笑いは何です?」
「あなたたち、ガブ女を舐めすぎてるわ。」「いい?黒薔薇会だけが全戦力じゃないの。私たちは単に代表に
過ぎないわ。」「・・どういう意味ですぅ。」「ここは黒き薔薇の園・・さまざまな薔薇がいるわ。それは別に
武闘科だけじゃない。」「そう。技術科にも薔薇はいる・・『ロサ・カツーラ』がね。」「ロサ・・薔薇?」
「二つ名に薔薇の名を冠することが許された数少ない存在。なぜなら。」「彼女こそガブ女最強の城だから。」
「喉を食い破るの~!」「それは無理ね。」キラッ。バシイイイイーン!「きゃああああーっ!」ズガガガーッ!
ゴォォォ・・「あいたたた・・な、なんなの~?!」「ゆったでしょ、無理だって。」「・・もう一回!」
ダーン!・・ゴオオオオオーッ!「・・何度やっても。」ゴボオッ!「なぐっ!・・」「同じことよ。」
ボゴオオオーン!「うきゃあああーっ!」くるくるっ、ザザザザーッ!・・「ふう・・不可視バリヤー?」
「半分はずれ。50点ね。」「・・何者なの~。」「『ロサ・カツーラ』桂。・・またの名を『薔薇の城塞』。」
「城塞・・?」「私の異能は『因果応報』。念の壁は触れたものの運動・攻撃エネルギーを正反射する。
すなわち、あなたは自分自身を攻撃していたの。」「・・こんなの想定外なの~。」「で・・どうする?」
同じころ、隅田川畔。「梁山泊って大きかったな~。」「あれほどの基地が欲しいわね。」「あー、と・・」
『?』「聖さま、何かおっしゃりたいのでは?」「言いよどむと気になります。」「んーと・・」じーっ。
「・・わかった。静と祐巳ちゃんに睨まれちゃあ降参だ。」『で?』「実はね・・?!」はっ!『この気は!』
キュィン!『・・デスマッチゾーン、できましたわぁ。」バササ・・「・・あの黒い天使!」「ジュエルズが一人
オニキスよぉ。お見知りおきを・・お姉さま。」ぴく。「・・聖さま、静さまは?」「たいがい知ってる。」
「ええ。」「・・なら遠慮は無用ですね。」「三対一でもいいのよぉ。」「いーや・・祐巳ちゃん、まかせた。」
「聖さまに同じ。」ザッザッ。「?・・あら、助け合うのがスールじゃないのぉ?」「勘違いしてるね。祐巳ちゃんは
私たちのスールじゃない。それに。」「あなたごときに三人も不要、祐巳ちゃんだけでじゅうぶんよ。」むかっ!
「・・その言葉、すぐに後悔させてあげるわ!」「・・それはこっちのセリフだよ、この劣化コピー野郎。」
「なに?」くいっ、シュルッ。「・・お下げを解いた?」ぱさっ。「・・封印解除。」バサアッ!「なっ!・・
巨大な羽根が!」ゴゴゴゴ・・カッ!「ジュエルズだって?はん、あんた駄菓子屋のガラス玉がいいとこよ。」
「爆裂羽根手裏剣!」シュパパパッ!「・・!」パキパキパキーン!「ば・・バカな?!」「しつけの時間よ。」
乃梨子Vsルビー。ガキガキーン!「はっ!」ギャルルルッ!ガキイイーン!「くっ!・・」ザザザーッ!
「・・回転エネルギーが。」ビュンビュン!「乃梨子さん・・すごい!あんな複雑な武器を自由自在に!」
「まだまだ。これだけじゃないよ・・天輪!」ビュン!ビュビュビュッ!「投擲?!・・回避!」ばっ!
ビュオオオーッ!・・「いま!」ダッ!「投げてしまえば無手なのだわ!」ゴオッ!「そうかな?」ニヤッ。
はっ?・・ゴオオオオーッ!「戻ってくる?!くっ!」ばっ!ビュゴオオオッ!・・ぱしっ。「おや残念。」
「・・ブーメランのように。」「おバカ、投擲武器は戻ってくるのが常識でしょーが。さて、もう飽きたから
そろそろ失礼するよ。」「?・・この結界は破れはしないのだわ。」「呪法師に言うセリフか?よっと。」
ヒュッ!「輪鈷杵を真上に?」「光車よ、まわれ!」ピカアッ!シャイイイーン!「なっ!」パリイイイーン!
「結界が!」ヒュルルルッ、ぱしっ。「瞳子、行くよ。」「は、はい。」ザッザッ・・「待って!・・なぜ?」
「あんたは正々堂々と挑んできた。そういう相手を私は尊敬する・・またやろうね。」ぴっ。ザッザッ・・
「・・負けたな、ルビー。」はっ。「マイマスター・・」「いい経験になったな。・・世の中にはいくらでも
強い連中がいる。そして、それはお前にも可能なことだ。」「・・。」ぽん。「近くにいい茶店を知ってる。」
「茶店?」「茶受けの菓子がうまい。」ぴく。「・・おごってくれる?」「男が払うが作法だ。」「のだわ。」
ヒソヒソ・・こく。「やってみる。・・サーチアイ。」♪ピィィ・・ピッ。「あった。・・結界のほころび。」
「ここね。」ぴっ、ぺたっ。「令。」「独眼竜!」シュピィィーン!・・ピキッ。「よしっ、結界に亀裂が。」
「札を媒介として空間に干渉できたわ。あとよろしくね。」「鬼平!」「・・銀杏扇。」「バヨネット!」
『一斉攻撃!』ビュオッ!シュパパパッ!ヒュバババッ!パリイイイーン!「破れた!」「脱出成功!」
パチン!『ガンダアアアームッ!』・・ゴオオオオオーッ!「ガンダム?!」「週刊マーガレットめ、やっぱり
しくじりやがったですぅ!」「こっちもだよ。」「・・戦術的後退ですぅ。」「素直に退却って言えば?」
すぅっ・・「逃げた、わね。」「あー、面白かった。あの娘いい味してたわよ。」「私も嘗めとくんだった。
さて、あのタイヤーマを止めるわよ。」「いくらオンボロとはいえ、愛着あるしね。」すっ。♪パチン!
桂Vsマーガレット。ギン!ドドドド・・ゴオオオオーッ!「よし、いった!」「ガンダムが!・・ダメなの~。」
「作戦失敗。・・どうする?」「・・あなただけでも倒さなきゃメンツが立たないの~。」とことこ。「歩く?」
「エネルギーを出さずに近づけばいいの~。」「・・見抜かれた。」タラ・・ヒュン!「えっ?」「うにゅ?」
ズババババッ!「きゃああああーっ!」「なっ?いきなり無数の斬線が!」『よく守ったわ、立派よ。」はっ。
カツカツ・・「さすが一号生にして『薔薇の名前』を許された逸材ね。・・もっとも、専守防衛異能なので、
武闘科じゃなく技術科に入ったのは残念だったけど。」はっ!「・・『冥王の吐息』みなみ様!」「ごきげんよう。
さて・・」「く・・」「今のはちょっと距離があったから切りきれなかったけど、この間合いなら輪切りにできるわ。
どうする?」「・・退却なの~。」フウッ・・「まずは賢明な選択ね。」「ご助力、ありがとうございました。」
「攻撃が黒薔薇の使命よ。・・さてと、お二人ももう来られてるかしら。」「お二人?・・ま、まさかあの!」
祐巳Vsオニキス。「黒翼剣!」ビュン!「ビーストセイバー!」シャキーン!『はっ!』ガキイイーン!
「千刃翼!」ビュン!「よっと。」ひょい、スカッ!・・ヒュゴオッ!「はっ?・・延髄斬り!」さっ。ビュオッ!
「おしい!決まってたら即死だったのに。でもね。」クン、ガキッ!「なぐっ?!」バターン!ギシイッ!「ぐっ!」
「絞殺技・ユダの贖罪。」「決まったね、首四の字。」「もって三分かしら。」ギシギシ!「かはっ!・・」
「正しい絞殺とは、気管をつぶすのでなく、頸動脈の閉塞にあるわ。・・血液が通わなくなった脳細胞は急激に
壊死を始める。窒息よりも速く、いったん壊死した細胞は再生しない・・運が良くても廃人よ。」ギリッ。
「短いつきあいだったけど、とても楽しかったよ。・・さよなら、かりそめの妹♪」「が・・」ピクピク・・
『そこまで。』・・ゴオッ!「なっ!」ぱっ。ばばっ!ズドオオオーン!「巨大な水晶?」「ゲホゲホゲホッ!」
「・・無様ね、オニキス。」ツカツカ・・「・・アメジスト。」「二人目か。」「・・あの子、危険よ。」タラ・・
「・・へえ、今度はデキよさそうね。」「はじめまして、お姉さま。アメジストとお見知りおきを。」すっ。
「こちらこそ。・・で、殺る?」「いえ、今日のところは退きます。・・いずれ、また。」「・・いいでしょう。
いつでもお相手するわ。」「失礼いたします・・ほら、帰るわよ。」「・・次は無いから。」パーン!「くっ!」
『おっ。』「負け犬が吠えるな、みっともない。その元気があるのは手抜きの証拠よ。恥を知りなさい。」
「・・・・」「では・・また。」フゥ・・「また、ね。」「・・恐ろしいのもいるもんだ。」「凶気の天使・・」
シュン・・「ふう、ディアクティブモードと。」きゅきゅっ。「お疲れさん、祐巳ちゃん。」「初めて見たわ。」
「これで静さまにも知られましたね・・あとは。」「姉妹と同級生か。」「ばらしにくい相手ではあるわね。」
「ま、ぼちぼち小出しにしていけば、最後の衝撃もいくらか和らぐだろうね。」「特に心配なのが祥子ね・・
繊細なガラス細工みたいな子だから、そのときどうなるか想像もつかないわ。」「いや、きっと大丈夫さ。だって
祥子には最高の妹がいるんだもの♪」がばっ!「わきゃあっ!・・聖さま~。」「うふふふっ。たしかにね。」
ゴゴゴゴ!「なんなのかしら?みんな逃げちゃったかしら。こうなったらあたしががんばるかしら。・・ん?」
ドドーン!「ガンダムいっぱいかしら。でもこのパンジャンドラムは止められないかしら。」ゴゴゴゴ!
「みんな、総がかりで止めるわよ。」『そーれ!』ガキイッ!ギャルルルッ!ザザザーッ!「・・止まらない!」
「江利子、レーザーでブツ切りに!」「ほいっと。」シュピィッ!パキイイーン!「あれ?・・偏光処理してる。」
「令、居合い!」「はっ!」シュピィィーン!ギィン!「なっ!・・高速回転で切りきれない!」「わたしがやる!
鬼平!」ダーン!・・「走行面に平行に切れば!でやあああーっ!」バチィン!「うわっ!・・弾かれる!」
ズズズズ・・「館まであと30m!」「・・死魔子!」カッ!ガギギギーッ!・・バチィン!「くっ!・・ダメ!」
「百牙林!」ズドッ!・・ゴバアアアッ!ガギガギッ!「可南子さん、いま!」「デスクロスフォーメーション!」
ドカドカドカッ!ジャキッ、キュドドドッ!ドカドカドカーン!「どう?」・・ギャガガガッ!「なんて装甲だ!」
「あと20m!」「あはははは!もう止まらないかしら、峠最速かしら!」ギャガガガガッ!「・・あと10m!」
スッ。「ん?・・館の上に誰かいるかしら?」・・はっ。「あれは?!」「・・二人?」『蓉子、みんなどかせろ。』
ぎょっ!「・・その声は!」『えりりんも下がりなさい。』「や・・やはり!」「そのとおり。」ザン!ゴゴゴゴ!
「誰かしら!」「黒薔薇会OG『パンツァーフィスト』まーりゃん!」「同じく『デウス・マキナ』幽璃華!」
『出たあああーっ!』『あ、あの!』「というわけで、こんなの、あたしらだけでじゅうぶんだ!」「とばっちり
食らわないよう下がっててね。」『は、はい!』ザザザーッ・・「なんなのかしら?まさか生身でこのパンジャン
ドラムを止めようとでもいうのかしら。」「そのとおり。」ぐっ、ギュオオオオーッ!『・・あれは?!』
「拳の周りの・・空間が歪む!」「な、なにかしら?!」グッ、ダーン!「ひいっ!」「重力拳・アハトアハト!
うおりゃああああーっ!」バドオオオオーン!グシャアッ!ドバアアアアーン!「きゃあああああーっ!」
『うわ~・・』ヒュルルル・・ドッシャアアアーン!「グラウンドまで・・殴りとばした!」「これが伝説の!」
「幽璃華、とどめ。」「はいな。」すっ、ボオッ!「なっ?!いきなり巨大なミサイルポッドが!」♪ピピッ。
「ロックオン。重粒子ミサイル全弾発射!」ヒュドドドッ!ヒュルルル・・ズドドドーン!「脱出かしら!」
シュパッ!ゴォォォ・・「状況終了。」ぴっ、シュボッ。フゥゥ~。「校内禁煙でしょ、まーりゃん。」
黒薔薇の館。ズラッ。「ティーをどうぞ。」コトン。「おっ、あたしのマイカップまだ残ってたか。」
「歴代卒業生のは大切に保管してます。」ス~。「うん、なつかしい味だね。」「この味、ひさしぶり・・」
「聖、元気そうね。」「お姉さま、おひさしゅうございます。」『?!』(聖さまが・・あんなお顔を。)
(・・すごいね。)(まーりゃん様、幽璃華さま、みなみ様・・伝説の薔薇たちが一同に。)「・・以上が現状です。」
「うちもデビル軍団に目をつけられるほど強くなったとみるべきか?」「いえ、むしろ遊び相手にちょうどいい、
そのくらいじゃない?」「両方ですね。ほどよく強くて、なおかつこれ以上強くなってもらっては困る存在・・」
「けど受けるほうはたまったもんじゃねえ。あたしらが学園長に呼ばれたのは、ガブ女強化会議が目的だ。」
ザワザワ・・「襲撃はよりエスカレートしていくわ。いずれ学校中が戦場となる・・そのときに備えての。」
トントン・・ガチャ。「・・お姉さま、幽璃華さま!」「シエル、ひさしぶり。」「やほ。」「シエルさま。」
「みなみも元気でなによりです。」「悪いね、二人に機関を押し付けた形になって。」「いいえ、お姉さま方が
ご壮健でいらっしゃるのが何より心強いのです。」「そろそろ時間です。」「おし、行きますか。」ガタッ。
「四号生も同席しろ。大事な会議になる・・革命的にな。」『はい。』「黒薔薇会は議場の警護を。」『AMEN!』
大戦艦ヴァルハラ。「惨敗・・だね。」「はい。・・いえ、むしろ成果はあったかと。己が未熟さと自分がいかに
井の中の蛙かと思い知らされたかの。」「前向きだね、アメジスト。」「まだ一回の表裏です。要は最後に勝てば
それでいい・・それだけのことです。」「うん。さしあたっての問題は・・」どかすかぼかすか!「てめこの
週刊マーガレット!ガンダム出させるなってゆったですぅ!」「そっちこそ呼べないはずじゃなかったの~!」
『こらこら。』「やめんかいエメラルド。失敗はお互いさまや。」「マーガレットも。」「次でがんばればいい。」
「はあ・・」ぴとっ。「冷っ!・・マスター?」『まあ飲め、缶コーヒーだ。』「・・ありがとうございます。」
「・・・・」どよ~ん。「ほらほら、ブルーにならないの。」【敗北は勝利より得るものが多い・・徳川家康。】
「そうなの?華燐。」「・・家康は三方ヶ原で惨敗した自分の姿を絵師に写させ、生涯手元に置いて戒めにした・・
でもその名言は言ってない。」【あらそうでした?】「なんだ、でまかせなの?」「・・でも、名言ね。」ふっ。
「ぷんぷん、あんなの事前に聞いてないかしら。次はもっと奇抜な兵器を作るかしら。」「あんたもこりないわね。
もちっと堅実なのにしたら?」「正を合し奇をもって勝つのかしら。」「前半がすっぽり抜けてるでしょーが。」
「まあまあ立ち直りは早そうだね。」「・・あれ?ルビーがいませんね。」「そういえばキングも・・どこに?」
ネオ浅草・骨董茶房「五月雨堂」。ズズ~。「いいお茶なのだわ。」「気に入ったか。」「贔屓にするのだわ。」
その夜、ネオ浅草・料亭「月歌十夜」。ザワザワ・・「うわ~・・すごいごちそう。」「伊勢エビ・タラバ蟹に
松坂牛。焼きマツタケまである!」「・・さすがにお酒は無いのね。」「志摩子さん、飲む気?」ぱんぱん!はっ。
「それでは、新旧黒薔薇懇親会を始めます。この席は『パンツァー・フィスト』マリアンヌ様の特別のご厚意で
用意されました。」『ありがとうございます!』「まあまあ、いちおう給料取りだし。乾杯の音頭は・・おし、
そこのタヌキ顔のチョビ下げ。」「は、はい?!」「ぷっ。・・いちおう自覚してるのね。」「は、はあ・・
では僭越ながら乾杯の音頭をとらせていただきます。」さっ。(ウーロン茶)「素敵な薔薇様方に、そして黒薔薇会と
ガブ女の繁栄を祈って・・イタリア語でいいですか?」『それはダメー!』「あ、やっぱし。ではドイツ語で・・
プロージット!」『プロージット!』カチンカチン!パチパチパチ!「ほほっ、あの娘なかなかやるねー。」
ガヤガヤ。「まーりゃん、もしや接待費で落とす気?」「そーだ(きっぱり)。使えるものはとことん使う主義だ。
なに、内部で使わんかぎり横領にはならんよ。」「あいかわらず悪党ですね。」「こうでなきゃあの濃いメンツは
ひっぱれないよね。」「そういえば・・お姉さまの今の職業を聞いてませんでした。」「あー、そういや忘れてた。」
「まーりゃんは特務機関の総司令なのよ。」「そういう幽璃華も宇宙艦隊率いてるんだぜ。」『へえ~。』
「もう立ち上がりましたか?」「なんとかな。今は最終調整しつつお座敷待ちってとこ。」「みなみは知ってるの?」
「お姉さまがよくメールくだされるので。・・でも、あの内容は機密漏洩モノですよ。」「そう思われるならいいね。」
「・・どういうことです?」「書いてることが本当かどうかは保証のかぎりじゃないってこと。」「あ・・さすが。」
「あ、蓉子、ちょっと。」「あ、はい。・・なにか?」(あの娘か。)ぴくっ。「はい。」「いいね。・・さっきの
連中とは段違いだ。」「聖によると、あちらにも骨のあるのがいるそうです。」「ほう・・現役復帰したくなるよ。」
「カンベンしてください。」「ま、それはそれとして・・今の黒薔薇会に不可欠の戦力だな。」「・・はい。」
「とはいえ、変に特別扱いするなよ。あの子は繊細だ・・ま、蓉子ならその心配は無いか。」「光栄の至り。」
(・・さすが。一瞥で見抜くとは・・)「おーい!さっきのタヌキ、こちゃ来い!」「は、はい!」とてとて。
「お、お呼びでしょうかマリアンヌ様。」「まーりゃんでいいよ、その方がなじんでるし。・・名前は?」
「『獣の数字』祐巳です。」「みなみー、祐巳ちゃんてどんな子?」「まず第一にオタク。そして庶民派ですね。」
「ほほう、そりゃ気が合いそーだ。ときに得意分野は?」「60年代特撮です。」ぱん!「しぶい!いいね~。
ならばウルトラQと怪奇大作戦について語りあかそうや。」「どっちもLDボックス持ってます。」「やるやる。
となると・・」ずずいっ。(『O鬼人間』は?)(発売日未回収分ですから。)(おお・・キャプれる?)(環境あります。)
「聖は明日に試合なのね。」「はい、お姉さま。」「応援に行くわ。」ぎょっ!「いえいえいえ!そ、それは・・」
「だって可愛い妹の晴れ舞台だもの。」すっ・・「あ・・」「うん、一年前よりさらに綺麗になったわ。どうやら
心の壁が取り払われたみたいね。」「はい・・よき後輩に恵まれまして。」「志摩子ちゃんもそうだけど・・そっか、
祐巳ちゃんね。あの子はいいわ。年度の後半で入ったきたけど、由乃ちゃんとも志摩子ちゃんとも違う独特の味が
あったわね。」「天性の明るさですね。」「・・いえ、心の奥に途方もない闇を抱えてるが故よ。」はっ。
「・・お気づきでしたか。」「伊達に薔薇様やってないわ。・・聖が法皇庁の密名により祐巳ちゃんの陰の後見人で
あることもね。・・聖の実家は敬虔な摩倶荼羅教徒の家系で、また法皇庁上層部に親族がいる。・・その関係ね。」
「・・さすがお姉さま、見事な洞察眼です。」「聖のことなら何でもお見通しよ。だって大事な妹ですもの。」
「・・聖さまが、あんな表情を。」「・・みなみ様は、お姉さまの全てを受け止めてくれる大きなお方なの。
歴代で最も高貴な薔薇様とまで言われたほど・・」「・・それだけではないですね。あの方から恐ろしいほどの
気を感じます。」こく。「・・『冥王の吐息』。指一本動かさず数十人を一撃で殺戮する、悪夢の異能よ・・」
『乃梨子ちゃーん、ちょっと。」「あ、はい。・・なにか?」「あなたが志摩子ちゃんのスールなのね。」
「は、はい・・(・・なんて美しいお方。)」「ちょっと引っ込み思案な志摩子ちゃんには、あなたみたいな
真っ直ぐで前向きな妹が一番よ。・・不真面目な聖とは合わないかもしれないけど♪」ちらっ。『あ、はは・・』
「志摩子ちゃん。」「・・はい、みなみ様。」ぐいっ。『あ。』「あ、あの・・」「一年前にはよくこうやって
いじったわね。聖がしないから。」「え~と・・」「な・・なんて大胆な。」「・・でも、腹が立たないだろ?」
「・・はい。むしろ微笑ましいかと。」「そう。お姉さまは本当にああいうのは上手・・不器用な私にはできない。」
はっ。「聖さま・・」「祐巳ちゃんや静でいろいろ試してるけど、どうも志摩子の喜ぶような接し方がわからない。」
「・・考えすぎですよ。」「え?」「志摩子さんが必要なときに、そこにおられるだけでいいんです。それで充分。」
「それでいいのかな?」「志摩子さんは強いけど、たまにとても弱くなる・・そのときこそ、聖さまの出番です。」
ワーワー!「さて!今日の第三試合はチーム・ワルキューレ、マコ・トライデント中尉のジュピターガンダム対、
チーム黒薔薇会、『バベルの雷』聖のジェネリック・フォビドゥンガンダム~!・・はぁっ、はぁっ。」
「クソ長い機体名ごくろーはん。略してフォビドゥンでいくで。」「マコ中尉はおなじみなので以下略として、
聖さんは最上級生ね。」「・・強大な黒薔薇会の三巨頭が一角。前の江利子はんと同等かそれ以上とみるべきやな。」
「戦闘スタイルは・・電気?これって!」こく。「マコ中尉と同じ属性・・ビットカメラ、予備を立ち上げとくで。」
「落雷でかなりやられそうね・・編集室、空電フィルターを用意しておいて。」「電気系は報道屋泣かせやな。」
「機体を見てみましょうか。・・変わった構成ね?」「背部の巨大な円盤状のパーツは、もともとは対ビーム偏向
システムやったらしいな。むろん改造されて別モンになっとるはずやが・・」「どう使うかが勝負のミソね。」
ザッ。「昨日はタイヘンだったそうね。」「ご存知ですか。」「あれだけの騒ぎだもの、報道管制されていても
イヤでも耳に入るわ。・・けど。」「そんなことはこの場ではどうでもいいこと・・だね。」「そのとおり。
ひとたびリングに上がったからには、ここが世界の全て。」こく。「では始めようか。」すっ、「ジュピター、
メイクアップ!」「フォビドゥン、いってみようか!」『ガンダアアアームッ!』パチン!ギン!ドドドド・・
『バーニング・ガンダムファイト!レディー、ゴー!』バリッ!「小手調べのサンダーショット!」シュババッ!
「ジュピター、多数の雷球を放った!」「おっと。サブ・ローザ(薔薇の下で)起動。」グィーン、ガシャン。
「フォビドゥンが防衛システムをかぶったで!」「対ビーム偏向板が何になるの?」「いいや。」ピシャアアアーン!
ズバババッ!「直撃!・・いえ!」ズバババーッ!・・「残念でした。」「・・無傷?!あの高電圧雷球をまともに
受けて!」「いや・・あの三度笠や。あら電磁障壁を展開し、攻撃エネルギーをみんな地面にアースしよった。」
「これでそちらの電撃攻撃は無効化できるよ。」「・・なるほど。けど、一系統だけに頼るとでも?はっ!」ダッ!
「ジュピター、間合いを詰めた!」「中距離戦をあきらめ格闘戦に移行しよったな。まずは順当な方針や。」
「そうこなくっちゃ。サブ・ローザ開放!」ガシャン。『はあっ!』バシイイーン!ビュッ!パシッ!「あまい!」
ダン!「なんの!」バシッ!「そうくるよね。」くるっ、ドン!「まだ!」さっ、スカッ!ババッ!「やる・・」
「エルボー三段!あの格闘技は・・」「軍隊式マーシャル・アーツや。最小の動きで相手に反撃のスキを与えず
連続攻撃を叩きこむ。エルボーは少ない動きで相手と密着しながら大ダメージを与える、きわめて効果的な攻撃や。」
「ふうっ・・さすがプロ軍人、ムダが無いね。」「戦場ではどこから弾が飛んでくるかわからない。ゆえに敵に密着し
なおかつ速攻で倒す技が必須。」「勉強になるね・・こっちもいくよ!」グッ、ダッ!「フォビドゥンも突撃!」
「・・そこ!」ダン!「ジュピター、カウンターを狙った!」「だよね。」バッ、パンッ!「なっ?!・・両腕で
跳ね上げガード!」「あれじゃフォビドゥンも攻撃できないわ!」「いや!一つだけ手があんで!」キラリ。
ドンッ!くるっ、「はっ!」ドゴオオオーン!「ぐはあっ!」ゴオッ!・・ズガガガガーッ!ゴォォォ・・「く・・」
「今の技は?ジュピターが吹っ飛ばされた!」「・・ブラインドエルボー。截拳道の技や。」「それって・・
ブルース・リーの?」「代行機関もいわば実戦組織、なら合理性を追求した截拳道を導入しとるのは、むしろ当然や。」
「く・・まさかこんな技を。」ググッ。「なに、一号生の必修科目さ。入学して半年もすれば、みんなカンフー映画に
出演できるくらいになってる。」「・・ふっ、いい学校ね。私も入りたいわ。」ググッ・・ザン。「中尉にはもう
教えることはありませんよ・・むしろ教える立場です。」「フッ・・それいいわね。この試合後に考えてみましょう。」
ぐっ、バリバリバリ!「ジュピター、拳に雷をまとった!」ダッ!「ブルージェットパンチ!」「雷掌。」すっ、
バシイイイーン!バリバリバリ!「・・これは?!」「拳が・・触れてない!」「磁気反撥や!掌に高電圧で強力な
磁場を形成しおった!」「ちいっ!・・」「反撃いくよ。・・磁場反転。」グン!「なっ?!」トトッ。「雷槍。」
ズドォンッ!「はぐっ!・・」「引き込んでの電撃貫手が腹部直撃!」「むん!」ググッ!「片手でリフティング!」
「なんちゅう膂力や!」「AMEN。」ズババババッ!「がはあああっ!」ボンボンボン!「ジュピター各部で爆発!」
「あかん、もう無理や!レフェリー、TKO取るんや!」「・・いいや、まだだ。」「なんで?!」「よく見よ!」ビッ!
「ま・・まだ!」ガツッ!ズボッ!「ちっ!」「うまい!フォビドゥンの肩を蹴って脱出!」ザザザーッ!・・
「はぁっ、はぁっ・・二次回路切り替え、損傷部切断・・よし。」「あれを抜けるとは・・」「ダテに地獄の戦場を
生業にしてるわけじゃないよ・・最後の一片になろうとも絶対にあきらめない、それがプロのソルジャーさ!」
ギーン!「ハイパーモード!」ぐっ、「ボルテッカ!」バリバリッ!「雷球を形成!」「むっ、サブ・ローザ!」
ガシャン、ヴン。「電磁フィールドを展開!」「・・どう抜く気や?」「いくよ!」ザッ、グン!「・・なに?」
『あの投球フォームは!』「・・アンダースロー?」ザンッ!「ボルテッカ・サブマリン!」ドビュウウッ!
「地を削るようなアンダースローで投球!」ズガガガガーッ!「雷球も地面を削っとるで!」「・・まさか?!」
バシイイイーン!「止まった?」「・・なにいっ!」グググ・・ズボオッ!『抜けた!』グィン!「ホップした!」
バリバリバリッ!『うわああああっ!』「電磁フィールド内が!」「高電圧の嵐に!」「電磁フィールドは距離に
反比例して弱くなる。すなわち、直撃は止められるが、地面スレスレのは止めきれない・・読みどおりだったね。」
プスプス・・「・・さすがプロ、見事な攻撃だったよ・・」・・ズズーン。「勝負あり、ジュピターガンダム!」
タタタタ・・「お姉さま!」「聖さま!」「うわ~・・黒コゲ。」パシュッ。モクモク・・「ゲホゲホ。」ひょい。
「大丈夫ですか?!」「おー、たいがいは。」「真っ黒けですけど・・」「乃梨子ちゃん、濡れタオル。」
「あ、はい。」ごしごし。「ふう・・まるで悪役キャラだね。」「ご無事でよかった・・」「♪・・志摩子。」
「え?」ぺたっ。「あっ!なんてこと!」「いいのよ、乃梨ちゃん・・」にこっ。「うん、志摩子はちょっと汚すと
また違った美しさがあるね。」「・・そうですか?」ぽっ。「・・わっかんないな~。この関係って・・」ぽん。
「人と人のあり方はそれぞれよ。聖さまはそれを巧みに使い分けてる・・ちょっと極端だけどね。」「はあ・・」
「乃梨子。」「あ、はい。」くるっ。ぺたっ。「うわっ!」「うふふふっ!乃梨子も真っ黒!」「あ・・はは。」
「静もどう?」「え?」ぬりぬり。「あはははっ、こーゆーのもいいね♪」「泥パックはお肌にいいんですよ。」
「おーい、生きてる?・・って・・なに?」きょとん。「いやいや、単なる土俗風習でして。(全員真っ黒)」
「・・ま、まあいいけど。さすがガブ女、充実した内容だったわ。」「うーん、やっぱ装備に頼っちゃダメだな。
信ずるに足るは己が腕のみ。・・勉強になりました。」「いえいえ、こちらこそ自分の特性の盲点を再認識したわ。」
「?・・えーと、親戚?」「?・・何のこと?」「いえ、声がどうも聞き覚えのある誰かさんによく似てるなーと。」
「ああ・・よくある話よ。いわゆる『中の人が同じ』ってやつね。」「あ、なーるほど。」『??・・なんだろ?』
翌日、羽田空港。ゴォォォ・・「ほんじゃ、またな。」「みんながんばってね。」『ごきげんよう、薔薇さま方。』
「お姉さま・・」「ほらほら、そんな顔しないの。ガブ女は機関本部でもあるから、また会う機会も多いわよ。」
「・・はい。」「それじゃ、また。」『ごきげんよう、みなみ様。』「ごきげんよう、お姉さま・・」キラッ・・
帰りのモノレール内。「・・聖も、みなみ様の前では子猫同然なのね。」「蓉子だって、まーりゃん様の前じゃ、
おびえた子犬じゃないか。」「お姉さまの健在な二人はタイヘンね。うちの姉は失踪だから気が楽だわ。」
「・・あのさ、聞いた話なんだけど。」「聖も知ってる?・・あの四名以外の生徒は、シエル様とみなみ様に
粛清されたという話。」「あら、そうなの。死んでるんだったら、もっと安心かな。」「・・江利子、あなたね。」
「だいたい、シエル様とみなみ様以外って、ろくなもんじゃなかったし。」「・・そだね。黒薔薇会の権威のみで
満足して、自分でなんとかしようとしない日和見な人たちばっかりだったな。」「聖まで・・おそらくは四号生も
それを感じてて、いなくなってもほとんど無関心だったのね。」「恐ろしいとこだよ、黒薔薇会は・・」こく。
君たちに最新情報を公開しよう。
第九の花は黒薔薇筆頭『ゴルゴダの棘』蓉子。対するはジョルジュ・ド・サンド。
薔薇と薔薇、ロサ・キネンシス対ローゼスビット。
だが一方、ジュエルズの侵攻はついにガブ女全域を席巻。
「デス・ボンバー」大編隊の猛爆撃で炎上する校舎。
しかし、瓦礫の中から迸る燭光。光あれ!
次回、バーニングガンダムファイト激闘編 第24話
「ゴルゴダの棘!よみがえる学園」へ、バーニング・ガンダムファイト!レディー、ゴー!!
これが勝利のカギだ!(大聖塔ローゼンクロイツ)