新黒薔薇の館。『ええっ!』「お姉さま、今なんと?!」「最終戦、祐巳ちゃんの相手は・・ドモン・カッシュよ。」
ザワザワ!「世界最強のキング・オブ・ハート!」「前回大会無敗のチャンピオン!」「いったい・・なぜ?!」
「理由は簡単よ。・・本人の希望。」「祐巳が?」「どうせ闘うなら最強の相手と。・・祐巳ちゃんらしいね。」
「ふう・・あの子の考えがまだわからないわ。」「あら、よく見ればけっこうわかりやすいわよ。」「静?」
「行動原理はきわめてシンプル。・・より高く。」「より・・高く。」「たしかに、そう言われるとそうね。」
「ところで祐巳さんは・・?」「今日はロケに出かけてます。」「ああ・・そういえば撮影もう始まってましたね。」
「可南子さんが付き人で同行してますわ。今日のロケ地は・・新宿魔天楼。」オオッ。「あの最高危険地帯?」
「棲息してる怪獣を使う気だな。」「そんな危険なところに?」「BGFおよびプロファイター、加えて東方不敗に
シュバルツ・ブルーダーもいるんだもの。たとえ大怪獣軍団相手でも問題ないんじゃ。」『あ~・・たしかに。』
そのころ、新宿魔天楼。アエエエーン!「ほほう、これは画になるな。」『着ぐるみやCGでも生の迫力の前には
問題外だな。経費もかからんし。』「・・あのー、怪獣さん、地団駄踏んでるんですけど。(^^;」「そりゃまあ、
これだけのガンダムが勢ぞろいしてればビビりもしますねー。」「キャンベル、セイバー、ガイアにドレッドノート、
さらにハイマスターにシュピーゲル、とどめにネーデルまでいるんだものね。」ずらあっ!「さすがに手が出んわな。」
「しかし生の怪獣ともなると、思うような動きはしてくれぬな。」『野生の動物に演技指導はできぬな。となると、
ライブ編集するしかあるまい。』「ん~・・可南子ちゃん、あの怪獣は?」「・・ゴジラ亜種・ジラースです。」
「性格は?」「比較的温和かと。よほど機嫌の悪いとき以外は襲おうとしません。」「なるほど・・監督。」「む?」
「あの怪獣が満足できるほどの肉とかあります?」「いちおう準備しとるが。」「ならなんとかなるかもしれません。
ちょっと待っててください。」シャッ。「おいどこへゆく、祐巳どの。」「祐巳さま?」シャシャシャッ、タッ。
アエッ?「怪獣の肩に?」コショコショ・・こくこく。「・・怪獣がうなずいてる?」「よしよし♪」ぽんぽん。
バッ・・スタッ。「交渉成立です。肉を報酬に協力をとりつけました。」オオッ!「・・なのか?」こくこく。
「どういう演技か教えてください。私がそのとおりに動くよう指示します。」『・・怪獣と話せるとは驚きだ。』
「ほう・・これは掘り出し物じゃのう。」「なんかペットにしたいかもカモー♪」「あんたは二階堂教授か。」
ちょっと離れたところ。「へえ・・突然変異がいいほうに転んだね。」「そうだね。数少ない成功例ってとこ。」
「ならなんで自分のクローンをけしかけるの?」「一種の試練かな。同じ血を分けた妹たちをどう扱うか。」
「最悪の事態もありえるね。」「そうなったらそうなったで、破壊天使いっちょうあがり。そうでなければ・・」
「・・昔っからだけど、あんた性格悪いよ、幽音。」「マリーに比べりゃ可愛いものだね。」「はいはい。・・けど、
暗黒に堕ちるかどうかは、あの子次第ってわけか。・・まだ望みはあるか。」「私は何も強制しない、ただあるがまま
思うままにやってくれればいいだけ。」「それで踊らされる者はたまったもんじゃないけどね・・いえ。」「ん?」
「全てわかってて、踊ってやってるのかも・・」「・・やっぱりそう思う?」「う~ん・・要経過観察ってとこか。」
「なら、お願いできる?」「なぬっ?!あんた人まかせもいーかげんにしなさいよ。」「だって興味あるんでしょ?」
「・・うん、まあ。」「じゃ、決まりね。後見人よろしく♪』スゥッ・・「こらー!・・しゃーないな、もう。」
『ついでにジュエルズも面倒みてくれるといいんだけど。」ぴく。「・・ネグレクトすんなよな。・・エリー!」
ばっ!わしいっ!「あんたよくも顔出せたわね!」「やっぱ怒ってる?」「たりまえでしょが!DG細胞だけには
手ぇ出すんじゃないってあれほど言ったのに!」「しょうがないでしょ。師匠に追いつくのにアタマ沸いてたから。」
「その結果がヒドラ原虫汚染事件か!事態収拾にメフィスト先生まで腰上げたほどの大騒ぎだったんだから。」
「まあ、あのときは心神耗弱状態にあったんで、責任能力ないってことで♪」「人間界の法律を適用すんな。」
「王立警察に突き出す?」「・・いえ、今のあなたなら警察まるごと壊滅できるでしょ。」「そのとおり。」
「やっぱその気か!・・まあいいわ。で・・目覚めてるな?』スゥ・・「ええ。・・あなた。』すっ・・ぐっ。
『・・いつから気づいてた?』『あのときだな。ベールゼベブが選ぶなら間違いないだろ。』『あのときはまだ
覚醒してなかったけど、ダーク・レネゲイドが呼び水になったのは事実ね。』『私も同様だ。・・で、なんですって?
ジュエルズどうこうって聞こえたけど。」「いえね、造ったはいいけど、もてあましちゃって。いうこときかないわ、
ワガママだわ、こっちの出番削られるわで。」「最後のはさておき、幽音モトにすりゃそうなるのは必然でしょ。」
「っかしーなー、バランス調整したはずなのに。」「生き物はこっちの思うようにならない。それも教えたはずよ。」
「造り方はホムンクルスに近いけどね。」「かといって変に里子に出したりすると、ますますそっちの影が薄くなるよ。」
「あ・・そっか。いい手ないかな?」「マスターとペアで任務につかせるようにすればいいんじゃ?それなら機会の
均等性が保てるわ。」「なるほど。・・さっそくアイアンサイドで試してみるか。」ぴく。「あの工業コロニー?」
「地味に作戦進行中。そろそろ気取られそうだけどね。」「・・なに企んでんだか。ま、てきとーにがんばってね。」
夕刻、ガンダム長屋。「ドモンさんに挨拶しなきゃね。」「・・格上の対戦相手に仁義を切るのは基本マナーですね。」
ツカツカ・・はっ。「祐巳。」「お姉さま?なぜここに?」「今日はもう館には寄らないだろうから、必ず来るここで
待ってたの。」「そうでしたか・・お待たせしました?」「いえ、ほんの30分ほどよ。さ、行きましょう。」くるっ。
(・・おそらく放課後からこっち、2時間は。)こく。(心配してくださってたんだ・・)『ごきげんよう。』「はーい。」
ガラガラ。「あら、あなたたちは。」「こんばんはレインさん。ドモンさんは?」「裏の空き地で訓練中よ。」『え?』
ぴたあっ。・・(すごい・・小指一本で倒立を。)(微動だにしないわ・・)「・・むん。」グイッ、グイッ。(まさか?!)
(あの体勢で腕屈伸を!)(これが・・超一流ファイター。)ブルブル・・「・・ん?おお、お前たちか。」つん、スタッ。
「ドモンさん、明後日はよろしくお願いいたします。」「こちらこそだ。・・聞けば、俺との対戦を望んだそうだが。」
「はい、どうせ闘うなら最強の方と。」「正直、俺も願ってもない申し出だ。・・この前の組手のときからな。」
キラッ。「どうだ、化勁練をやってみないか?これなら響くことはないだろう。」「はい、お願いします。」すっ、
ぴたっ。『・・はっ!』グッ、シュルッ、キュィッ。「・・可南子ちゃん、あれは?」「中国武術の鍛錬法です。
腕を合わせ、全身で気を練り、相手に放つ。それを対手は気で受け流し、反撃に転じます。」「・・二人とも汗が。」
「わずかな動きのようでいて、全力攻撃並みのエネルギーをぶつけ合っていますから。」「このまま擲練に入るぞ。」
「はい。」がしっ。グググ・・「・・はっ!」ブン!「よっと。」ザシャッ!「こっちの番!」ギュン!「なんの!」
クルッ、ザンッ!「あれは?」「手を組んだまま、体さばきだけで投げ、それを受け流す。これの繰り返しです。
身体の柔軟性・受け身の速さと精確さ、そして力の有効な使い方を修練する修練法のひとつです。」「なるほど・・」
「はぁっ、はぁっ・・」「このくらいでいいだろう。」「あ・・ありがとう・・ございました・・ふぅ~。」
「祐巳、だいじょうぶ?」「けっこう疲れました。・・さすがプロ、息もきらしてませんね。」「いい汗をかけた。」
「はいはい、これまでよ。みんな晩ごはんを食べていきなさい。」「いえ、そこまでお気遣いいただくわけには。」
「いいのよ。サイサイシーなんか、前日に対戦相手に手料理をふるまってるもの。」「さすがにあれほどではないが、
レインもなかなかの腕だぞ。」コトコトン。「今日はさつまとけんちん汁よ。」「それではお言葉にあまえて。」
『いただきます。』「・・これ、なんですか?」「白身魚をだし汁と味噌でのばしたぶっかけ。郷土料理よ。」
ずるずる。「おいしい!」「まあ、いい味。」「・・こんな料理があったんですか。」「うん、やはりうまい。」
じゅるる~っ。「けんちんもあっさりしてておいしいです。」「さつまが濃いから、あえて薄味で仕上げてるの。」
「基本的に俺はあまり外食せず、レインの手料理しか食わんな。」「ドモンは下戸だから、酒場とかも行かないの。」
「健康的ですねー。」「そういえば祐巳はコンビニ専門だったわね。」「いえ、お昼は可南子ちゃんと瞳子ちゃんの
日替わり弁当ですので。」「・・でも朝食はコンビニおにぎり、夕食もコンビニかホカ弁では、お体に良くないです。」
「それはいけないわ。やはり手料理を食べないと、新陳代謝までおかしくなるわよ。市販品は添加物とか多いから。」
「いえその、料理あまり上手じゃないので・・」「だいじょうぶ、サルでも作れるおいしい料理があるから。」
サラサラ。「はいこれ。」「・・なんでもいいから肉野菜を適当に切って、昆布だしで煮込み、味噌ぶっこめば
おみおつけ完成?」「おかずになる具だくさんのみそ汁。あと納豆もあればいっしょにぶっこめばなおいいわ。」
「まあ・・こんなに簡単に。」「所要時間10分ほどね。それで基本的な栄養はじゅうぶんとれるわ。」「さすがだ。」
「あとはご飯を炊いて、梅干とか添えれば立派な一膳できあがり。」「うちの朝食の定番にして王道だな。」
「それではこれで。」「ごちそうになりました。」「いい味でした。」「試合、がんばってね。」「リングで会おう。」
『ごきげんよう。』カツカツ・・「・・レイン、例の改造は?」「終わってるわ。・・まさか?」「使うことになる。」
「でも相手はアマチュアの学生よ?」「そう見えたか?」「・・いいえ。あの子・・恐ろしいほどの力を秘めてるわ。」
「そのとおりだ。・・今のゴッドでは勝てんかもしれん。」「・・ドモンを本気にさせるほどなのね。」ゴク・・
帰りの山手線。(可南子は学生寮)ガタンゴトン・・『次は田町、たまちー。』「お姉さま、ではここで失礼します。」
タッ。『ごきげんよう。』ガーッ。カツカツ・・「・・。」すっ。『ドア閉まりまーす。』タタッ、ぱしっ。
ささっ。(祐巳は・・あそこ。)すすすっ。(?・・前にも似たようなことしたような?)ガーッ。『いらっしゃいませ。』
(スーパー?)ひょいひょい。(野菜いくつか、鶏肉、昆布だし、味噌、納豆・・さっそく作る気ね。)『630円です。』
カツカツ・・(この道は・・知ってる。たしかに一度通ったことがあるわ。この先には・・)ガラガラ。(・・廃工場。)
ばばっ・・スタッ。(・・中は真っ暗ね。・・来た。)ガラガラ・・「ただい・・?!」『お帰りなさい。』ぎょっ!
ぱっ。(あれは・・ジュエルズの!)「アメジスト・・なんでここが?」「幽音さまに教えてもらったの。」「・・で?」
「いよいよ試合でしょ。その前にいちおうケリつけておこうかなと。」カツカツ・・どさっ。「・・いいでしょう。
冷蔵庫に入れるからちょっと待ってて。」「どうぞ。」ガチャ。ばさばさ。「・・あら、意外と素食なのね。」
「ハラが減ってはいくさはできぬ。・・食べとく?」「んー・・いいわね。なんなら手伝うわよ。」「お米といで。」
(まあ・・妙な展開になってきたわね。)コトコト・・ピピッ♪「炊けたみたいよ。」「こっちもできあがり。」グツグツ。
『いただきます。』ぱくぱく、ずず~っ。「・・おいしい。」「でしょ。ご飯が半分くらいになったら・・」じゃーっ。
「ぶっかけね。」じゅるるる~っ。『・・はぁ。ごちそーさま。』ガチャ。「ちょっと食休みしてから。」「ええ。」
(あらら・・ノートパソでTV見始めたわ。)『わはははは!』「あっ、そーだ。第二シーズンの第一話がもうあるんだ。」
「えっ?!・・放送は来週からでしょ?」「出演者だもの、撮影編集済みのDVDサンプルは黙っててももらえるよ。」
ぴっ、カチャッ。【♪KING OF HEART!プリペンダー、プリペンダー!】「うわ・・ホントだ。」まじまじ。・・はっ。
「すっかり韜晦されるとこだったわ。」「ありゃ、ばれたか。できればこのままウヤムヤにしたかったんだけどね~。」
「さ、やりましょう。」ザッ。「はいーはいと・・」シュルッ、ばさっ。バサアッ!(?!・・祐巳に巨大な羽根が!)
くらっ。(うっ?!・・そう、私はすでに知ってた・・けど。)クッ・・(・・思い出すことを自分自身で拒んでいた。)
「紫晶弾。」ボボボオッ。ヒュドドドッ!「こんなもの。」バサアッ!ばしばしばしっ!カラカラーン!・・
「まずは小手調べよ。・・地雷晶。」カラ・・ギュィィーン!「!・・落とした結晶が成長?!」ばっ!ガキガキン!
「やはりそう避けるよね。紫晶槍。」ピキーン。シュパッ!「しまった!」ズドオッ!「がはっ!・・」「祐巳!」
「ん?」ガシャアアアーン!・・ザシャアッ!「あら、あなたはたしか。」「?!・・お姉・・さま?・・なぜ?」
「そんなことはどうでもいいわ。沖つ白波!」ヒュン!パキィーン!「くっ!・・」ググ・・ズボオッ!バシャアッ!
がくっ!「祐巳!」「・・だいじょうぶです。この程度なら数十秒もあれば。」「そうはさせないわ。」はっ。
「再生できないほどミンチにしてあげる。」ボボボボオッ!「お姉さまはどいてなさい。あなたに用はない。」
「そうはいかないわ。護り合うがスールよ。」ザッ。「ならいっしょにあの世に行きなさい。」ヒュバババッ!
ぴっ。「♪立ち別れ 因幡の山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来む・・別山!」キュキュン、ドカドカドカッ!
「?!・・空間湾曲。思ったよりやるわね。」すっ・・ぐっ。「祐巳?」「再生完了。・・食事しといて正解でした。」
ザッ。「インターバルおしまい。・・制服破いたぶん、お返しするよ。ビーストセイバー!」くいっ、シャキーン!
「天地合晶!」シュパパパッ!ギュイイーン!「同時攻撃?でもね・・』スカカカッ!「残像?・・しまった!」
ばっ!シュピィィーン!・・ザッ。「・・!」ビチッ!「!・・眼帯が!」ぱさっ・・「何があるか見せてよ。」
「・・いいわよ、お姉さま。」はっ。「・・なっ!」ゴォォォ・・「眼窩に・・闇が!」「地獄門、開放。」
ゴバアアアーッ!ビチャビチャッ!「これは!・・」オオオオ!「地獄で苦しむ亡者の群れよ。苦しみのあまり、
私のいうことなら何でも聞くわ。」「・・なんておぞましい。」「さあ、その子を地獄へ引き込むのよ!」グワアッ!
「♪一重積んでは 父のため 二重積んでは 母のため・・」びたあっ!「その歌は?」「あなたたちはじゅうぶんに
罰を受けたわ。さあ、もう苦しみは終わり。成仏しなさい。」ばさあっ!サァァァ・・オオオオ!・・「この光は?」
『おお・・地蔵菩薩さま・・』『聖母マリア・・』キラキラ・・「・・安らかに天国の門に至らんことを。AMEN。」
「そんな?!あれだけの亡者を浄化するなんて・・」「聞いたでしょ、私は幽音クローンの中でもダントツだって。」
「く・・」「もう手が尽きたなら、お帰りなさい。・・私としても妹は殺りたくない。それにさ・・」「・・なに?」
「いま私を殺ると、第二シーズン放送中止になるよ。」ぎょっ!「・・卑劣な!」「無益な殺し合い避けれるなら、
どんなド汚い手だって使うわ。さあ、どうする。」「・・わかったわ。」くるっ。「あ、忘れ物。」ぽい。「?」
ぱしっ。「・・DVD-R?」「さっきのコピー。放送日まで門外不出でよろしく。」「・・ありがとう。」ボオッ・・
「とりあえず先送り・・か。」くるっ。「祐巳・・」「そう、これが真実の私です。羽根を持つ異形の堕天使・・」
「知ってたわ。」「え?」「かなり前から・・いえ、忘れてた・・というべきでしょう。」「どういうことです?」
・・「・・幽音か。あのヤロー、ろくなことしないわ。」「いえ・・むしろ私の弱い心が記憶を固く封印してたの。
認めたくない、信じたくないという恐怖が。」「無理もないです・・こんなバケモノでは。」「そんなことないわ。」
「お姉さま?」「その期間は私に現状認識を改めさせてもくれたわ。・・羽根くらい何よ。うちの学校にはそれ以上の
バケモノうじゃうじゃいるじゃない。名無ちゃんとか、・・お姉さまとか。」「えーと・・言っちゃいましたね。」
「というわけで、何の問題もないってこと。」「はあ・・お姉さま、強くなりましたね。」「もっぱら祐巳のおかげよ。
それはともかく、これどうするの?」「え?」ごちゃあ!「ありゃりゃ~・・もう住めませんね。」「なんなら今夜は
泊まってもいいのよ。」「ええっ!・・あの大豪邸に!」「それほどじゃないわ。」「いえ、門から玄関が見えないって、
じゅうぶんに大豪邸なんですけど~。」「だから祐巳を泊めるくらい、なんでもないってことよ♪」「はあ・・では。」
「明日に一号生を動員して、引越しさせましょ。ローゼンクロイツ学生寮への入寮手続きも。」「そうですね。」
どさっ。「貴重品は持った?じゃ、飛んで。」「・・はいぃ?!」「それが一番速いでしょ。ほら、バッグ渡して。」
「かなわないな~。じゃ、背中に乗ってください。」「よいしょ。」「いきますよ。」バサアアアアーッ!
ヒュゥゥゥ・・「夜のネオ東京って、こんなにきれいなのね。」「たまに夜間飛行しますけど、飽きませんね。」
「あ、ローゼンクロイツ。」キラキラ・・「新東京タワーより目立ってますね。上京してきた信者には、拝む人まで
いるそうですよ。」「気持ちはわからないでもないわね。カソリック史上最大のモニュメントだし。」「そろそろ
高輪です。」「ね、もうちょっといいかしら。もっと夜間飛行を楽しみたいわ。」「いいですよ。」ヒュゥゥゥ・・
大戦艦ヴァルハラ。「・・ただいま。」『アメジスト。』「・・その顔じゃ、うまくいかなかったのだわ。」ズズ~。
「そのとおり。・・あとちょっとだったのに。」「アメジストがタイマンでしくじるとは、まったく予想外ですぅ。」
「やはり一筋縄ではいかないようですね。」「あ・・眼帯がないの~。」「アレ使ってもダメだったのぉ?!」こく。
「とても強かったわ・・あ、そうだ。トパーズ、これ掛けて。」ぽい、ぱしっ。「なにかしら?」カチャ、ウィーン。
【♪KING OF HEART!】『おおおおーっ!』「こ、これはもしや!」「そう、プリペンダーの第二シーズン第一話。」
「本放送まだですぅ!」「よく手に入りましたね。」「・・あれれ?第三のプリペンダーなの~!」『なにいっ!』
ドカドカッ!「こ・・これって!」「あいつかしら!」【変身!プリペ・ゴールド!】『・・ええええーっ!』
「だって。・・どうする?」『う~む・・』『・・テーブルを替えればいいんじゃない?」はっ。『幽音さま!』
「ガブ女に対する作戦はしばらく中断。新しい作戦が始まるよ。エリーちゃん。」「それでは作戦を発表します。
タイトルは『地獄のアイアンサイド』。内容は・・」・・『ほう・・』「・・おもしろそうなのだわ。」ズズ~。
次の日、廃工場。『うわ~・・』「穴だらけ・・」「風通しがよろしいですわ。」「さ、引越し始めるよ。」『おう。』
ガチャガチャ。「祐巳さまって、こんなところに住んでたんだ・・」「・・あの巨大な羽根では、これだけの広さが
必要だったのね。」「可南子さん、詳しいいきさつ聞いてます?」こく。「・・だいたいのところは。」「手を動かし
ながらでいいから、聞かせてくださいませ。」「・・事の始めは、五年前。法皇庁科学部の恐ろしい計画から・・」
五年前。「手に入りました!」「これが・・幽音さまのジーンサンプルか。」「睨下と会談の際にお使いになった
ティーカップから採取できました。」「よし。これで『受胎告知』が始められるぞ。さっそく培養を始めろ。」
『受胎告知?』「・・幽音さまのクローンを生み出し、救世主(メシア)とする。それを押し立て、異教・異端を一掃し、
悲願の千年王国を実現する。」「・・狂ってる。」「狂信者とはそんなものだ。目的のために手段を選ばんのは何も
イスラムの専売特許ではない。」「で・・それは成功しましたのね。」「・・多数の犠牲の上にね。」『犠牲?』
「それから二年、クローンは失敗つづき。細胞分裂しないもの・わけのわからない肉塊・異形の怪物など、およそ
1000回以上も。」「・・神への冒涜だよ。」「その失敗の末、ニつの個体がどうにか成功といえるものになった。」
「一つが・・祐巳さま。」こく。「しかし・・コトは発覚した。」「やはりばれたか。」「で、どうなりました?」
三年前。ドバアアアーン!『なっ!』ゴォォォ・・「ふーん、ここだったのか。」カツカツ・・『・・幽音さま!』
「これがそうね。」コポコポ・・「・・まあまあね。データ見せて。」「は、ははっ!」さっ。「ふむふむ・・
『個体#666:身体能力・ヒーリング能力・・個体#1313:知能・感覚・超能力』・・か。」ちらっ。「ひっ!」
「だめだよ、こんな面白いこと黙ってやっちゃ。ちゃんと言えば、それなりに協力したかもしれないのに。」
「で、では、今からでも。」「わかってないね。」キラッ。ボギャアッ!「うぎゃっ!・・」バシャバシャ!
『ひいっ!』「無断でやったこと自体、極刑に値するの。みんな地獄に堕ちなさい。」『うぎゃあああーっ!』
法王の間。「というわけで、神罰を下したわ。」「私の監督不行き届きでございます。」「そこまで責めないよ。
その代わり、あの二つを頼むね。」「かしこまりました。信頼できる者に養育させます。」「よろしく。」
「どういう風の吹き回し?」「興味、だろうな。自分から造られたものが、どう育つか見てみたい気持ちはわかる。」
「そして#666は摩倶荼羅教徒の枢機卿に預けられ、その孫娘が養育係に。」『・・聖さま?!』「それで・・」
「もう一人、#1313は?」「・・わからない。祐巳さまはそこまで知らないそうよ。」「・・瞳子、調べろ。」
「わかりましたわ。」さっ、♪ピピッ。「ケータイごときで調べられるのか?」「ネットへの入り口だけですもの。」
シュルルッ、パスッ。「リンク接続。ダイヴ・・法皇庁機密サーバー侵入・・検索・・発見。」「さすが・・」
「#1313引き受け人・・『デウス・マキナ』幽璃華?!」『ええっ!』「あ・・あの!」「幽璃華さまが?!」
機動戦艦「大和撫子」。「にぇっぷし!」『うわっ!』「艦長!クシャミは手当ててください!」「ごめんごめん。
ルリちゃんかかった?」「・・すぐ前なので、おもいっきり。」ふきふき。「っかしーなー。だれか悪いウワサでも
してんのかな?」「身に覚えはぁ?」「ぜんぜん。」『・・はぁ。』(やっぱり自覚してない・・)(愚問でした。)
「ときにルリちゃん、新型『鳳仙花』の調子は?」「だいぶ慣れてきました。個別目標撃ち分けも成功率75%に向上。」
「超大型ドラグーン砲か~。まるでモビルアーマーねぇ。」「ミナトさんのコメントはいいえて妙ですね。この船は
いわば超巨大モビルアーマーですよ。」「加えてガンダム四機と主砲『重力波動砲』、そして艦長の火器創生能力か。
戦艦というより巡洋艦クラスの小ささなのに、一機動艦隊以上の攻撃力があるのねぇ。」「単艦なのに『艦隊』と
呼ばれる所以です。」「それを全て統括してるのがルリルリなのよねー。」「操縦系はミナトさんの統括ですよ。」
「通信およびガンダム管制はメグちゃん。・・艦長の仕事って?」「私は上から怒られ、下から突き上げられるのが
仕事かなー。」「そりゃ大役だ。あたしはできないわぁ。」「同感です。そんな胃潰瘍になりそうな仕事、かんちょしか
できません。」「でしょ♪」「そーゆーのは艦長にお任せしますね。」「まっかせなさーい!」(・・ムダに元気。)
♪ピピッ。【艦長。オウバード中隊、訓練飛行に出るぜ。】「了解です、リョーコちゃん。」【いってきまーす。】
【クックックッ・・】「ヒカルちゃん、イズミさんもご無事で。」【大連寺凱・グローリー、いくぜえっ!】
「いってらっしゃい山田さーん。」「・・なんで芸名使ってるんです?」「本人いわく、魂の名前だって。まあ本名が
あれじゃ無理ないかもね。」「ハンドルネームくらい認めてあげないとねぇ。」「みんな本名でしか呼んでませんが。」
ローゼンクロイツ学生寮・備品室。「よし、これでおしまい。」ぱんぱん。「みんなご苦労さま。任せちゃって
悪かったね。」「引越しといっても、軽い家具と雑貨が少々でしたから。」「電化製品も炊飯器とか電気ポットとか
軽いものばかりでしたわ。」「・・ここ、倉庫なんですね。」「普通の部屋じゃ幅が狭くて羽根がつっかえるので、
特別に許可とって備品室をもらったのよ。」「風水的にはよくないですね。悪い気が集中します。」「そうなの?」
「乃梨子ちゃん、何か手打てる?」「はい。まずこの角をつぶします。可南子、衣装ケース。」ゴトッ。「なるほど。」
「デスクはここ、テーブルはここ、ベッド・・もとい、ラフトはこう。寝るときはこちらを頭にしてください。これで
多少はマシになります。あとは・・」ぴっ。「お札?」「ララク・ルー・レード。」ぴぴぴっ、「はっ!」ぱしーん!
ふわっ・・ぴたっ。スゥゥ・・「呪符が・・壁の中に?」「これでこの部屋は霊的保護がされました。」「さすが。」
「じゃあ、お昼にしましょう。」「今日は私がおごるよ。」「黒薔薇会は無料ですわ。」「あ、ばれた。」アハハハ!
特別食堂。カチャカチャ・・「で、これで黒薔薇会みんなが祐巳ちゃんのことを知ったわけね。」「やれやれ、やっと
王様の耳をしゃべれるわ。」「けっこう手間かかったもんだね。」「ご迷惑おかけしました。」「いえいえ、むしろ
祥子に感謝したいわ。・・よく受容できたわ。」「はい、己の弱さに恥じ入るばかりです。」「・・成長したわね。」
「祐巳のおかげ、いえ、黒薔薇の仲間たちのおかげです。」「そうとも。この絆があるかぎり、私たちはどんな苦難でも
乗り越えられる。」「そういえば、こないだまーりゃん様がおっしゃってたわ。・・これほど結束の強い黒薔薇会は、
ガブ女史上初だって。」「あ・・そういえば、幽璃華さまの下に祐巳さまの妹さんがいらっしゃるそうですが。」
「ええっ?!・・はじめて聞いたよ。」「・・瞳子が割り出しました。」「幽璃華さまは現在どうされています?」
「聞いた話では、戦艦の艦長をしてるそうよ。」『戦艦?』「・・どこの?」「機密だそうで、詳しいところまでは。」
「瞳子、そのへん詳しく。」「それが~・・侵入できないんですの。」「?!・・瞳子が破れないプロテクトが?」
「私だって万能ではありませんわ。セキュレベルが異常に高いんですの。」「ほう・・それほどの組織、か。」
「幽璃華さまなら、聞けば教えてくださるんじゃないでしょうか?」「あまいわよ、由乃ちゃん。幽璃華さまは
まだ若いのに艦長職を任されるほどの実力者。ましてや機密組織所属ともなると、そうなれるのにどれだけの実力と
信用がいるか、想像つく?」「う・・」「そんなすごいお方なら、むしろ安心して任せられますね。」「だからでしょ、
法皇庁があえて託した理由は。」「・・まほろばの艦隊。」はっ。『静さま?』「小耳にはさんだことがあるの。
レーダーには一隻しか映ってないのに、まるで大艦隊が目の前にいるようにあらゆる方角から砲撃され、撃沈される・・
太陽系暗黒街の伝説『まほろばの艦隊』、またの名をナイトメア・フリートのことを。」『悪夢の・・艦隊。』ごくっ。
そのころ、宇宙空間。「艦長、敵襲です!」「おや、ま。」「奇襲かしらぁ?」「敵識別。ガニメデ海賊艦隊です。」
「こないだボコにしたの根に持ってたかな?」「根に持ちます、ふつー。・・戦2、巡4。」「リョーコちゃんたちは?」
「緊急コールかけましたが、戻ってくるのに15分かかります。」「狙ってたわねぇ。どうする、艦長?」「殺ります。
ルリちゃん、対艦砲撃まかせる。」「任されました。鳳仙花12門、離脱。フォーメーションへ。」ヴン・・ヒュヒュン!
「敵MS感知。艦隊戦は避けて直接攻撃するつもりです。」「ちょっとは利口になったようねぇ。」「それでもまだ
不足、とゆーより無意味です。・・かんちょ、どーぞ。」「いただきまーす。メグちゃん、敵座標を。」「はい艦長。」
ぱぱっ。「14機ね。・・焼夷榴弾ミサイル。」さっ。・・ボボオッ。シュドドドッ!「命中まで3・2・・コンタクト。」
ススゥ・・「敵機反応、すべて消滅しました。」「はいおしまい。」ぱんぱん。「さすが・・」「ところで敵艦隊は?」
「あ、もう全艦沈めちゃってます。」「ええっ?!・・確認。いなくなってます。」ぞ~っ・・「・・生存者は?」
「生命反応、十数個確認。」「ノーマルスーツを着てた整備士ですね、たぶん。どうします?」「楽にしてあげましょう。
重力波動砲、発射用意。」「了解。・・エネルギー充填120%。目標座標固定。艦長にトリガー渡します。」シャッ。
「発射。」カキン。・・シュドオオオオーン!・・「・・生命反応、消失。」「状況終了。通常直に戻します。」
ガンダムドック。「・・皆殺しかよ。」「艦長らしいねー。」「さすが艦長・・『悪夢の艦隊』の面目躍如ね。」
「海賊にハーグ条約は適用されん。向こうもその気はないしな。」「なにも殺さなくても、連合軍に引き渡すとか!」
「リョーコちゃんは優しいねー。」「・・この小船のどこに捕虜監禁できるスペースがあるの?」「う・・」
「リョーコ、お前の優しさはそれでいいんだ。だがここは無法の外惑星圏。艦長の非情さはむしろ当然なんだ。」
「・・アタマではわかるけどよ。・・でもわかりたくねえ。」「それでいいんだよ。・・さ、メシでも食おうぜ。」
艦長室。『悪名が一つ増えましたね。』「悪党に恐れられるのはいいことです。好かれようとも思いませんけどね。」
『それもそうね。また暗黒街に流しておくから。』「よろしく。ときにアイアンサイドの調査は進んでます?」
『GGG諜報部が潜ってるけど、まだなんともいえないってとこね。ただ、かぎりなく黒に近い灰色なのは確かよ。』
「ならコロニーごと吹き飛ばせば一件落着ですね。」『・・あなた本気でしょ。』「かくあれかしと叫んで切れば、
世界はするりと片付きもうす・・です。」『さすがもと代行者ね・・そうしたいのは山々だけど、もっと証拠がいるの。』
「世界最高の暗殺者ナイトメアも、主持ちになるとこうなるんですね。」『あなたも主持ちでしょ。』「忘れてました。
ともかく、私は殺せます。敵艦も人も、一片の躊躇なく。なぜなら私は戦艦の艦長だからです。砲を撃ち敵を倒すのが
仕事だからです。私が目標を指示し、砲弾を装填させ、ミサイルに緒元を入力させましょう。攻撃命令を下し、生存者を
一掃しましょう。悪党どもに恐怖を振り撒き、『悪夢の艦隊』の名を轟かせましょう。・・けど。」『・・けど?』
「殺すのは総帥の殺意です。私はナディア総帥の暴力装置に過ぎません。」『・・よくわかったわ。そのときは。』
「命令をお待ちしてます。・・給料分は。」『・・やはり、あなた達をスカウトして正解だったわ。』「感謝の極み。」
名出屋城、日本支社長室。♪ピッ。・・「幽璃華か・・火器創成能力だけでなく、狂犬としても超一流か。さすがは
機関内で恐れられてただけあるわ。そして・・」♪ピッ。ぱっ。「それ以上の狂犬・・いえ、魔犬・・マリアンヌ。
彼女なくしてGGGは生まれなかった。人にして人にあらざるもの・・代行機関にはもったいない人材だったわ。」
大和撫子・食堂。「そんなことがあったのかい。」「・・なんかスッキリしねえんだ。」「・・もしさ、その連中って、
捕まったらどうなるんだい?」「海賊は重大犯罪。連合軍で徹底的に尋問されて・・あ。」「結局これ、だろ。」
しゅっ。「・・たしかに。」「その間、苦しむだろうねえ・・むしろここで塵になるほうが、よほど楽じゃないかい?」
「・・そっか、それで艦長は。」「もうひとつ。波動砲のトリガーは艦長が引く・・これがどういう意味かわかるかい?」
「それは・・発動は艦長権限だから?」「そりゃそうだが、もっともっと根本的なことさ。・・波動砲は必殺兵器。
その気がなくても射線上の者は100%死ぬ・・艦長の手によって。」はっ。「・・責任。」「そう。それらの命は艦長に
よって奪われる、そこが大事なのさ。」「・・戦死者への責任は、すべて艦長が負う・・か。」「それが艦長さ。」
「・・ありがとホウメイさん、ちっとは楽になったよ。」「まあ、うまいもんでも食って気を取り直しな。あんたも
オウバード中隊長だ、それなりの責任を持たなくちゃ。」「わかった。・・艦長ほどではないにせよ。」「そうだ。」
ガヤガヤ・・「・・艦長。」「なに?ルリちゃん。」「私の姉、明日にファイトと聞きましたが。」「そう。相手は
ドモン・カッシュよ。」「連絡とれます?」「黒薔薇会メンバーのケータイはみんな押さえてるから、いつでも。」
「日本時間は・・23:00。ギリギリですね。」「じゃあ急いでかけないとね。祐巳ちゃんは・・これ。」♪ピッ。
ローゼンクロイツ学生寮・PM11:00。「明日は早いから、そろそろ寝ようかな。」♪ピルルル。「電話?・・こんな時間に
かかってくるのは、間違いかな?」さっ。「・・幽璃華さま?」♪ピッ。「もしもし、祐巳です。」『あ、祐巳ちゃん?
わたしー。ちょっと替わるね。』「はい?」『・・こんばんは。』「・・だれ?」『ルリです。・・1313。』ぎょっ!
「えっ?!・・あっと、その!・・666。」『お姉ちゃん・・で、いいですか?』「いいよ。ルリっていうんだー。
いい名前だね。」『「幽璃華」の一文字をくださいました。』「なるほど・・話をするのは始めてだったね。」
『はい・・明日にファイトと聞きましたので、今しておかないと後悔するかもしれないので。』「・・そうだね。
もしかすると、リングで死ぬかもしれないものね。」『・・終わったら、電話ください。ずっと待ってます。』
「・・わかった。必ず電話するよ。」『では今日はもう遅いだろうし、これで。』「明日は近況とか聞かせてね。」
『はい。・・では、お休みなさい、お姉ちゃん。』「お休み、ルリ。」プツツ・・♪ピッ。「・・・・!」がばっ!
「うっうっ!・・元気だった、よかった!・・」・・きっ。「明日は必ず勝つ。だって・・妹が見ているんだもの!」
「お姉ちゃん・・」ぽろぽろ・・「・・メグちゃん、いる?」『はい艦長。』「『Atelier de Marie』へつないで。」
『了解。・・どうぞ。』ぱっ。『なんなのよ、こんな夜中に~。』「悪いけど、明日いちで『扉』をひとつ注文よ。」
『・・まいどあり。料金はいつものように振込みで。艦内図はあるので、空間座標さえ送っていただければ。』
「では明日9時で。あ、それとBGF第一試合のチケット2枚も。」『用意しておきます。では、明日に・・』ぷつっ。
「艦長?・・」「その気になれば、いくらでも手はあるのよ。・・ちょっと値は張るけど、背に腹は変えられないわ。」
翌朝、新黒薔薇の館。「・・まだ七時半か。ちょっと早かったかしら。・・ん?」ぴく。「練武場に・・誰かいる?」
『はっ!はいっ!』パシュ。「・・祐巳?」「あ、お姉さま。ごきげんよう。」「ごきげんよう。・・練習なの?」
「どうも気が昂って、ほぐしておこうかなと。」「学生寮だと、さすがに早いのね。」「遅刻の心配はないですね。」
「いえいえ・・祐巳のことだから、慣れるとここでもやらかしそう。」「あ~・・見抜かれてますね。」ぽりぽり。
日本時間午前九時、大和撫子。「と、ゆーわけで。」「ルリちゃんといっしょにお出かけしてきまーす。」『え?』
「艦長・・ここ木星~土星宙域のど真ん中なんですけど。」「どこ行くってえのぉ?」「おみやげ買ってくるから。」
「おっと艦長、ついでに買出し頼むわ。」「いいですよホウメイさん。これがリストですね。」「あと2秒です。」
ボオッ・・バタン。「こんちゃーっす。」『なあっ?!』「ブリッジにいきなり扉が?!」「・・あれは、誰?」
「ご注文の扉、定刻どおり、お届けにあがりました。」「ピッタリでした、マルローネさん。」『マルローネ!』
「地獄の・・錬金術師!」「よっ、マリー。ひさしぶりだね。」「ごぶさたしてますホウメイさん。」「なんなら
お昼はうちの食堂使いな。ごちそうすっから。」「あ、いいですねー。ではご好意にあまえて。」「艦長、いいね?」
「もちろん、ぱーみっしょん・ぐらんてっどです。」「では、いってきます。」『いってらっしゃい。』ツカツカ・・
バタン。「・・向こうはどうなってんだろ?」「・・見て、みたいですね。」「見慣れた光景だと思うけどね。」
ガチャ、ギィィィ・・『・・いいっ?!』パパー!ゴォォォ・・「・・銀座?」「あれって・・東京タワー。」
ワーワー!「さて!今日の第一試合はゴッドガンダムグレート対ビーストガイア!」「黒薔薇最後の戦士やな。
けど二号生でようトリとれたもんや。」「二つ名は『獣の数字』・・666ね。」「ん?・・妙やな。ガブ女はカソリック、
なら獣の数字は禁忌のはずや。」「単なる字名だから気にしてないんじゃない?」「獣の数字は反キリストっちゅー
カソリックにとっておぞましい意味もあるんや・・日本の感覚よか、はるかにデリケートに反応するんやで。」
「・・ということは、そう呼ばれるだけの理由がある、と。」「そうや。あえてキング・オブ・ハートにぶつけた
ことからも、黒薔薇会の自信の一石・・と、考えるべきやろうな。」「・・このファイト、死闘になるかも。」
「ガンダムを見てみよか。」「モトは高機動陸戦型ね。四つ足形態への変型機構があるわ。」「ビーストウォーズかや。
なるほど、局地特化型はいちばんファイト向きかもしれんな。」「四つ足って、どうやってトレースするの?」
「意外と簡単やで。要は基本姿勢をシフトさせればええんや。ファイターは立ったままで、前足は走行時はオートに。
攻撃時だけマニュアルに切り替えることで、ビースト形態でも普通にトレースできるんや。」「なるほど。後ろ足は
通常どおりセミオートで間に合うわね。」「むろん機体に応じたアレンジは必要やが、基本はそんなもんや。」
スタンド。ワーワー!「うわ・・」「こんなところは始めてだったね。どう?」「・・なんか、熱くなってきます。」
「そう、これこそが人の業、闘争本能というやつね。このガンダムファイトも起源を辿れば、古代ローマの剣闘士よ。」
「・・人間は何千年経っても変わらないんですね。」「たった数千年じゃ、恐竜だって進化しないわ。」「あ・・」
「たかが数千年なんて、地球スケールでさえ一瞬以下よ。」「・・でも、私たちはその瞬きの中で懸命に生きてる。」
「そのとおり。ならばこそ、どうせなら美しく闘おう・・それがガンダムファイト。」「・・美しき闘いのあり方。」
『選手、入場。』ワーッ!「おっ、いよいよ始まるよ。」「!・・あれが。」ザッザッ・・「・・祐巳お姉ちゃん。」
ザッ。「いよいよだな。・・む?」バサバサ・・「そのハチマキはたしか。」「はい、以前にいただいたものです。
やはりこれを付けるが礼儀。」「フッ・・その意気やよし。では始めようか!」すっ。「いくよガイア、AMEN!」
『ガンダアアアームッ!』♪パチン!ギン!ドドドド・・『バーニング・ガンダムファイト!レディー、ゴー!』
「いきます!」ダッ!ヒュゴオッ!『疾い!』「なんだと?!」・・ボオッ。ビュオッ!「ちいっ!」さっ、シャッ!
「そこ!」スッ、パーン!「なにっ?足払い!」グラッ、「まだだ!スラスター!」ゴオオオッ!「・・なにっ!」
ゴッ!バガアアアーン!「どおおおおーっ!」ザザザーッ!『なんと!』「ゴッド頭部にすさまじい打撃ヒット!」
「・・なんちゅう恐ろしいヤツや。初撃でのけぞらせ、そこに足払い。スラスターで持ちこたえた硬直時間のスキに
有効打を入れよった・・すさまじい格闘センス。」「キング・オブ・ハートが、コンボにハメられるなんて・・」
「くっ・・さすがにやる。ゴッドスラッシュ!」ビュン!「ビーストセイバー!」ジャキーン!『あの武器は!』
『はああああーっ!』ガキイイイーン!バヂバヂバヂ!「・・はっ!」くるっ、「なにっ?!」ガクッ!「もらった!」
ゴオッ!「はっ!」ガキイイイーン!「なっ?!」「ゴッド、後頭部への一撃を左手のスラッシュで見事に受けた!」
「肘砲!」グン、ドゴオンッ!「ぐっ!」バキッ!ズガガガガーッ!・・「受けた勢いをエルボーにつなげた!」
「ぐ・・ガハッ!」ボタボタッ!「アバラ二本はいったで。」「でも・・まだ終わらないわ。」グググッ・・ザン。
「はぁっ、はぁっ・・さすがキング・オブ・ハート。」「いいセンスだが、ツメがまだあまい。それでは俺は倒せん。」
「まだまだこれからです・・!」シャッ!「ビーストモード!」ジャキン!「なんだと?!」「ガイア、四足獣形態に!」
「ウイングセイバー!」ビィン!「なんちゅう巨大なビームサーベルや!」「ウイングスラスターと一体化してるわ。」
「はっ!」ゴオッ!「うおっと!」ババッ!「・・疾い。あんなの食らったら輪切りだ。ならば!」ばっ!「ゴッド、
真正面仁王立ち!」「サーベルの死角、すなわちガイア正面で迎撃する気や。」「さあ来い!」ダーン!・・ゴオオッ!
「ビーストクロー!」ビュン!「・・そこ!」がしいっ!「うまい!ヒヅメを受け止めた!」「ビースト形態頭部に
武装は無い!バアアール」「グレートホーン!」グン、ジャキン!『なにいっ!』「首もらった!」ブン!「ちいっ!」
すっ、ジャアアアーッ!「?!・・ホーンの間隙に!」「巴投げ!」グン!バーン!「ちいっ!」クルッ、ザザザーッ!
「ふうっ!・・まさか前方に倒せるとは。」「・・あの一瞬に精確に間合いを見切るなんて・・これが超一流。」
ゴォォォ・・「すばらしい技量だ、俺の目に狂いはなかった。・・ゴッドではスピードに対応しきれんな。パージ!」
バンバンバン!ガラガラン!「外装強制排除?」「ウイングバインダーも?・・ゴッドアームまで外してる!なんで?」
「どないする気や・・あっ!」ゴォォォ・・「あ・・あの機体は!」「そないな・・アホな!」・・ググッ、ズン!
「・・伝説の機体!」ギン!『シャイニングガンダム!』「そのとおり。俺の全てはこのシャイニングから始まった・・
そして今、俺は原点に帰る!」ぶるぶる・・「・・私ごときに過分の計らい感謝します。ならば全身全霊をもって
お受けします!」シャッ!「いくぞ!」ダッ!『はああああーっ!』ズドドドドッ!バキバキバキーン!
『あああああーっ!』「す・・すさまじい打ち合い!」「フェイントも搦め手もあらへん、真正面からのガチンコや!」
観客席。ワアアアアーッ!「・・すごい歓声。」「これほどの打ち合いは昨今なかったからね。」「そうなんですか?」
「よく見ておくのよ。これぞガンダムファイト、これぞ原初の闘いよ。ならばこそ誰もが熱狂するの。」「・・単純な
殴り合いが?」「単純はすなわち無我。余計なことを考えない原始人そのもの・・」はっ。「原始の・・美しさ。」
「そう。穢れなき原初の姿そのもの。ガンダムファイトが受け入れられたのは、そういう面があったからでもあるの。」
『おりゃああああーっ!』バキバキーン!「同時にクリーンヒット!」『ぐ・・』ヨロヨロッ・・『・・!』ズザッ!
『はあっ、はあっ・・』「両者、手が止まりました。」「あの激しい打ち合いや、インターバルもやむをえんな。」
「なかなかやる・・このままでは。」「埒が開かない・・こうなったら、アレで」「流れを変える!」シュルッ、ばさっ。
「はああああーっ!」ギーン!ガキン、ジャキン!バカアッ!「・・シャイニングガンダム!」『スーパーモード!』
ゴオオオオ!「・・SEED発動。」ギン!・・バサアアアッ!『これは!』「ガイアのウイングスラスターから・・
巨大な光の羽根が!」「それがお前のスーパーモードか。」「・・主よ、我が手に祝福の光を!」キィィィ・・
「光が・・集まる!」「あら・・もしや!」「なるほど、そうくるか。ならば!」ギン!「俺のこの手が光って唸る!」
ググッ・・ギシイッ!「お前を倒せと輝き叫ぶ!」カッ!『必殺!』ダッ!「シャーイニング!」「ベツレヘム!」
『フィンガアアアーッ!』ガキイイイーン!カアッ!・・ドグオオオオーン!『うわあああああーっ!』「双方の
エネルギーの大激突!」「こら・・ランタオ島よかすごいで!」♪ピピピピッ!「スタジアムバリアー最大出力!
上はいい、横へ回して!」「エネルギー余波を上空へ逃がすんや!さもないとスタジアムごと粉微塵やで!」
衛星軌道上。ボォォォ・・ガヤガヤ・・「ここから視認できるほどの高さのエネルギー光柱とはね・・まいったわ。」
「まったくバケモンだよ、キング・オブ・ハートも『獣の数字』もさ。」「まーりゃん司令も似たようなもんでしょ。
自分で出りゃすぐに片付くのに、部下まかせだもの。」「管理職はつれえんだよ、ユキナ。そうでなきゃタマクロー
蹴倒して、あたしがGガイガーに乗ってるさね。」「環さんも気の毒に・・ま、こんなのがバックにいれば、安心して
戦えるって考え方もあるか。」「そーゆーこった。戦うより人を動かすほうが難しいのさ・・ときに幽璃華はあの
スタジアムにいるそうだな。」「ルリちゃんをお姉さんに会わせてあげるんだって。」「そか・・優しいヤツだね。」
「戦闘時はあんなに冷酷非情なのにね。」「もともとメリハリがいい性格なんだよ。基本は優しいお姉さん、だな。」
「なるほど・・ときにアイアンサイドのほうは?」「志保を潜らせた。おっつけ情報が入るだろうよ。」ぴく。
「・・GGG諜報部『不死鳥の志保』。灰になってもよみがえるってホント?」「核の直撃でも殺せねえよ、アイツは。」
ドドドドド!・・ミキッ、ミキミキメキ!「くっ!・・ガイアに亀裂が!」「よく調整されているが、しょせんは
市販の量産品、装甲強度がもろいな・・ならば、すぐに楽にしてやろう。はあっ!」グン!「くうっ!」ザザザッ!
「・・ビーストセイバー!」ジャキン!「ヘヴンズドリル!はああああーっ!」ギュルルルルッ!「これは?!」
「ガイア、高速スピン!」「巨大なビーム羽根が全身を覆って、まるでドリル突撃や!」ギャガガガガーッ!
「なにっ?!・・フィンガーのエネルギーを切り裂くだと!」「今度こそもらったあああーっ!」「・・そうかな?」
すっ・・「いまこそ見せよう、究極のシャイニングフィンガーを!」ボオッ!「左手にも光が?!」「・・まさか!」
「俺の両手が光って唸る!お前を倒せと輝き叫ぶ!究極!」カッ!「真!シャアアーイニング!フィンガアアアアーッ!」
ドオオオオーン!ズバアアアアーッ!「なっ!・・ウイングが!」「もらったあああーっ!」ガシイイイイーン!
「うわああああーっ!」「両手でガイアの頭部をつかまえた!」パアアアーン!『おおっ!』「光の羽根が!」
「完璧に決まったで!」キラキラ・・『・・まさかこんな手があったとはな。』「え?・・なっ!」「・・あれは!」
スポッ。「・・魚篭?」「・・ビークラッシャー。ひと引きでシャイニングの頭部は圧潰します・・」ググッ・・
『とっさにかぶせたか。いい反応だ。』「そこまで!両者、同体手詰まり。よってこの勝負、ドロー!」ワアアアーッ!
「同時にブレイクせいよ。・・ほれ。」ぐいっ。ぱっ。すぽっ。『・・ふう~。』「うむ、双方見事じゃった!」
「よっと。」ばばっ、スタッ。「いい試合だった。あのまま共倒れでもよかったがな。」「殺し合いじゃないですしね。」
「それにしても、あのモードは面白いな。レイン、どう見た?」「かなり使用者を選ぶシステムみたいね。ブーストの
持続時間が長いから、よほどの耐久性が無いと、乗り手自身がぶっ壊れるわ。」「そのとおりです。・・さすが。」
『祐巳~!』タタタタ・・「おっと、あとはまかせた。」「シャイニングもだいぶやられたわね。」すたすた・・
「祐巳!」ばっ!「うわわわっ!」「よくやった、よくやったわ!キング・オブ・ハートと引き分けるなんて!」
「はあ、なんとか面目は立ちました。」「あれほどの激闘でほとんどダメージ無いのがすごいわね。」「ちょっとした
ケガでも数秒で治るからね。なんならマキロン祐巳って改名しない?」ぷっ!『アハハハハハ!』「聖さま~!」
『おーい。』「え?」くるっ。「・・幽璃華さま?!」「総員、気をつけーっ!」ザザッ!「休め!・・また会ったね。」
「たしか外惑星圏でお仕事では?」「その気になれば、なんとでもなるものよ。で・・祐巳ちゃん。」「は、はい。」
すっ・・『あ。』「・・ルリ?」「お姉・・ちゃん。」「・・やっと会えたね。」ぎゅっ。「もう会えないかと・・」
「ほらほら、散ったちった。愁嘆場かぶりつきで見ようなんて虫がよすぎるよ。」『あ、はい。』シャシャッ・・
「ネオ浅草のホテルを取ってるから、一晩ゆっくり語り明かすといいわ。」「・・ありがとうございます。」
ネオ横浜、メビウス重工。カツカツ・・「黒薔薇シリーズのデータはこれですべて取れたぜ。」「加えてキャンベルと
セイバーの情報も解析済みだ。」「それでも完全コピーは不可能だけど、メタ情報としてはおおいに参考になったわ。」
「おかげで独自技術もいくつか生まれました。そういう意味では大成功に等しい成果です。」「そのとおりです。・・
いよいよ『プロジェクト・メビウス』第二段階に入りましょう。ガンダムの開発状況は?」「五機ともロールアウト済み、
あとは最終微調整だけだ。」「名称は会長の希望どおり『神曲』から付けましたぜ。」「よろしい。・・」ぴたっ。
「開門。」ゴゴゴゴ・・ズズン。「これが・・」ゴォォォ・・「・・見事です。」「ふふふ・・楽しみですね。」
翌日、「Atelier de Marie」。「・・では、またいずれ。」「うん、またおいで。いつでも歓迎するよ。」「ルリちゃん、
おみやげ持った?」「はい艦長。」カラカラ。(台車)「すっごい荷物だね・・」「ついでの買出しもあったので。」
バタン。『ミナトさん、メグちゃん。ただいまー。』『はい、おみやのナボナです。』『・・おっ?あの子だれ?』
ふっ。『・・ヒミツです。』ギギィ・・『じゃあ、また。』「またね。」バタン。・・「・・マルローネさん、今のが。」
「そうよ、戦艦『大和撫子』のブリッジ。いわば二人の職場ね。」「は~・・直通ですか。まさにどこでもドアですね。」
「それはともかく。・・幽音がらみなら、いつでも相談にのるわ。」「・・どういうご関係ですか?」「親友、悪友、
宿敵・・そのどれもね。」「・・なんとなくわかりました。」「いまひとつ。・・ラクスの動きはどう?」ぴく。
「黒薔薇ガンダムの全情報は渡してます。そういう契約ですから。」「そのくらいでマネできるほどヤワな技術じゃ
ないけど、バッタモンとか出してこられたらヤだな。」「うちよりもエターナル筋のほうが詳しいかもしれません。」
「なるほど、そのルートもあるわね。・・かといってアスランじゃ情に流されるね。バルドのおっさんしかないか。」
新黒薔薇の館。ガヤガヤ・・「BGFも顔みせローテが終わったわ。瞳子ちゃん、反響は?」「当校への入学問い合わせが
殺到してますわ。もっとも、機関はちゃんと異能者のみ内定するそうですが。」「それまでスカウトで発掘してたのを、
買い手市場か。学園長、いえ、大司教もお喜びね。」「いまひとつ、興味深い情報がありますわ。メビウス重工が
BGFに参戦登録したとのことですわ。」ザワッ。「ついに動きやがったな。」「対戦相手は・・おそらく。」こく。
名出屋城。「・・やはり、こうなるか。」「メビウスの女王、ついに牙を剥いたか。」「想定内の事態だったけど、
いざ現実になるとムカつくわ。」「対戦希望は私たち女帝のフォアカード・・これは企業戦争よ。」「マルローネの
超技術メタ情報をベースに、高性能ガンダムを投入してくるのはほぼ確実ね。」「ガンダムはハードウェアじゃなく
乗り手とのシンクロ率が大事。そのことを身をもって教育してやるさ。」「このケンカ、負けられないよ。BGFでの
成果を手土産に、軍事筋に売り込む魂胆ミエミエだし。」「・・死の商人、徹底的にたたきつぶしてあげましょう。」
君たちに最新情報を公開しよう。
メビウス重工、アレクサンドラグループに挑戦状。
四銃士第一の刺客は白兵戦仕様『地獄の渡し守』ケイロンガンダム。
間合いを選ばぬ複合兵器「アケロン」の猛攻。
一方のジャッジメントは、木刀「風林火山」一本のみ。
だがヨーコは不敵に笑う。ハジキが怖くてヤットウ使いができるか!
一方、工業コロニー「アイアンサイド」では知られざる死闘が・・
次回、バーニングガンダムファイト激闘編 第27話
「メビウスの女王!仁義なき戦い」へ、バーニング・ガンダムファイト!レディー、ゴー!!
これが勝利のカギだ!(薩摩示現流奥義・屋久島返し)
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第28話「断罪の王!これがGGGだ」
ネオ横浜・メビウス重工。「おし、間に合ったな。」「前回の反省でパンドラシステムとMTSを並列装備した。
これで前より動きはよくなるはずだ。」「あとは新機軸武装『断罪の尾』だな。」「応用はできてるのか。」
「この模型でいろいろ研究したぜ。」ガラン。「基本構造は、無指向性爆弾をロープで繋げただけのものだが・・」
「普通に考えつく使い方だけじゃ、すぐに読まれる。だがいい応用を思いついたぜ。」「ほう・・どんな?」
「名づけて『焦熱地獄』。リングは俺の思うがままの業火の地獄になる・・俺自身が断罪の王、地獄の支配者だ。」
「ふむ、ミノスの名にふさわしいな。」「相手はフォアカード筆頭、『嵐の女教皇』マリア・フォーセット。
相手にとって不足はねえ。」「風と爆炎。相性は最悪だな。」「そう、風で火は消せない。かえって煽るだけだ。」
名出屋城。「ミノスガンダムか・・ナディア、これ以上の情報はないの?」「残念ながら、最新情報までは。
十中八九、改良を加えてるのは間違いないけど、そこまで間に合わないわ。」「まあ、しょうがないか。・・
現状でベストを目指すだけ。おやっさん、トレーシィの改良は?」「済んでますぜ。地下ドックへどうぞ。」
ガガガガ!「・・これが新たなトレーシィ。」「名称も変更しやした。テンペストガンダム。」「いいね。」
「ざっと説明しやしょう。各部に二次元ウインドノズル。超音速の風を起こせ、ある程度なら飛行も可能でやす。」
「ストームブリンガーは?」「素材のグレードを上げ、さらにマリーんちで呪紋を刻印しやした。これで以前の
3倍はトレース率が向上しやしたぜ。」「私のマジックスタッフだからね。」「新たな風の魔法を期待しましょう。
さて、私はこれからクレオと姫たちを送迎に行ってくるわ。」「そっか、今日だったね。」「ナディアの戦闘団で
預かるんだったわね。たしか・・」「鉄鋼龍師団。」「ああ、それそれ。・・居心地よければいいけど。」
「まあ濃いのばっかなのは保証するわ。少なくとも退屈はしないでしょう。」「司令からして濃厚だからね~。」
数時間後、旧渋谷駅前。ゴォォォ・・「まだ復興の手は及ばす・・か。」「プランはありますけど、赤坂砂漠や
市ヶ谷怨霊大本営、さらに東口迷宮街がジャマで実行に至ってません。」「ああ・・ありゃ厄介だものね。」
ズズズズ・・「・・来た。」・・ゴバアアアアーッ!「バベルの塔・・」ゴゴゴゴ・・シュン。「お待たせしました。」
『ははーっ。』ザッ。「『夢幻の悪魔』、お世話になります。」「私の戦闘団でお迎えできること、光栄でございます。」
「聞けば強い方がいっぱいおられるそうですね。」「・・・・」「どのような組織か、楽しみでございます。」
「迎えのシャトルはまだ来ていませんので。」『いーや、とっくの昔に着いてるよ。』はっ。・・ザッザッ・・ザッ。
「GGG司令、マリアンナ・イシュタール。まーりゃんと呼びな。」「はじめまして。姫路琴音と申します。」すっ。
「聖人葵です。」「・・・・」「来栖芹香さま。わたくしはセバスチャンと申します。」「・・バベルの女帝と
三つの護衛団。会ってみたかったよ。」・・ズズズズ。「?・・この震動は。」「・・あなた、ここでやる気?」
「ここなら近所迷惑にはならないさ。」「闘争の理由をお聞かせください。」「腕試し。」「・・いいでしょう。」
ザッ。『姫!』「皆さん、下がっててください。・・百万言を費やすより、ただ一撃が雄弁です。」・・コキッ。
「そうこなくっちゃな。」「クレオ、下がって。・・とんでもない闘いになるから。」「・・そのようね。」ザザッ。
「もと代行者『パンツァーフィスト』。重力使いと聞き及びましたが。」「使うってほど応用きかないさ。ただ・・」
グッ。ギュオオオオ~ッ!「ぷっぱなすだけさ!」ドオオオオーン!「なるほど・・』フゥッ・・「消えた?」
カッ!・・ドグオオオオーン!「一区画が消し飛びましたか。」「・・・・」「人の身で、なかなかの威力ですな。」
『・・予想以上にお強いですね。」ボオッ。「・・テレポテーションか。今度はそっちの攻撃ターンだよ。」
「では。」・・シュガアアアアーッ!「断層波か。はあっ!」ドオンッ!・・バシイイイーン!ギュギュン!・・
「ほう、重力拳で空間ごと分割できますか。」「このくらいは応用のうちに入らないよ。」・・ガラガラガラ!
「!・・並列に十数の廃ビルが!」「直撃したら、真っ二つじゃすまなかった・・双方とも本気で打ってるわ。」
「いいでしょう。ではお見せしましょう・・バベルの女帝の闘争を。」キン!・・ゴバアアアッ!「ほう。」ドドーン!
「なっ!・・巨大な陥没が!」「インビジブルメテオ。巨大な気の塊を隕石のように落下させ、相手を圧潰します。」
「普通なら即死ですが・・」「・・・・」ぴっ。「ん?・・あっ!」ギュオオオオーッ!「・・つぶれてない!」
「やはり、受けきれましたね。」「おいしょ。」ドオンッ!ボシュゥン!「予想よか、ちと重かったな。」コキコキ。
「実力伯仲。姫はともかく・・」「・・これほどとはね。雇用しといてよかったわ。」「掘り出しもの、か。」
「これまでにしとくか。これ以上やると」「東京の半分は消し飛びかねないですね。」「ああ、じゅうぶんだ。・・
ようこそGGGへ。歓迎いたします。」ぴしっ。「お世話になります。」ぴしっ。『GGG司令に、敬礼!』ぴしっ!
ゴオォォ・・「・・行ったね。」「姫と三つの護衛団・・デビル軍団との戦いも、新たなる段階に入りましたね。」
「いえ、いまひとつ、どうしても欲しい戦力があるの。」「十傑集ですね。幽音に対する怒り、引き込む理由としては
じゅうぶんですけど・・」「そう、十傑集は一枚岩じゃない。・・混世魔王・樊瑞がどう始末するか次第ね。」
「最新情報ではネオ東京には入ったようです。あと数日もすればBGF参戦申請をしてくる目算。」「来たら最優先で。」
「わかってます。・・対戦相手も同盟にこだわらず、バラエティに富んだものにしましょう。」「リメイクだしね♪」
ゴォォォ・・『司令、まもなく成層圏を突破しま・・?!』・・ドドドドド!『ボギー!見たこともない超巨大戦艦が!』
「うろたえるな。・・見送りだよ。」「大戦艦ヴァルハラですね。」「・・あそこに誰かいます!」「・・・・」
「幽音さまですな。」「ふん・・笑ってやがる。」「攻撃の意思はないようですね。」ひらひら。『増速しますか?』
「ビビるな、このままだ。」『は、ははっ。』「にらめっこも面白くないですね。何か仕掛けてきませんかね?」
「姫、けっこーケンカっ早いですね・・」「・・」ずびしっ!「芹香さま、中指おっ立ては、はしたないですぞ。」
ぴしいっ。(-_-メ「あ、キレた。」バッ!・・ゴオオオオーッ!「デスアタッカーかい。」『に、逃げます!』
「ホールドだ、バカ野郎!」『はいいっ!』「策あり、ですか。」「あらゆる手を打っておくのが司令の仕事さね。」
チカッ・・ズドシャアアアアーッ!「うわっ!・・巨大な光束で集団が消滅しました。」「・・・?」「なにごとで?」
「母校の対空援護さ。人脈はこーゆーときに使うべし。」「ああ・・ローゼンクロイツですね。」「あれが・・」
『まだ数機が残ってます!』「後始末くらい、うちでやんなきゃな。」・・ヒュオオーッ!「?・・今のは?」
ヒュン!・・ポロッ、ドカアアアーン!「デスアタッカーが真っ二つに?」「おいでなすったな。」チャッ。
「遅えぞ、あかり、レミィ。」【シャラップ、ビッチ!あんな極太INSERTするほどマイプッシーはLOOSEじゃねえよ!】
【狩りデース!狩って刈ってキルしまくるデース!アハハハ!】「そうしてくれや、ファックども。オーバー。」
「・・なんかすごい会話してましたね。」「軍隊上がりなんで、口悪いのはいつものことだ。腕は文句ねえしな。」
「あれガンダムですか?」「ベオウルフガンダム。ま、ガンダムちゅーよりバルキリーに近いかな。ちなみに複座だ。」
「・・・・」「人型態より戦闘機型態が主ですな。たしかに一撃離脱戦法ならばこちらの形態のほうが有利です。」
ヒュヒュン!ズパパパパッ!「横幅の数倍のビームブレードを前面に形成し、高速体当たりで両断してます。」
「機体そのものが刀なんですね。」「・・・・」「副武装で機銃やミサイルもあるが、ま、ホントにおまけだ。」
『敵機全滅。超巨大戦艦、離れます。』ズズズズ・・「さすがに飽きたか。」ヒュィィーン。【ボス、エスコート?】
「もういらねえよ、ビッチども。ウチ帰ってあたしのシスターとファックしてよし。」【ラジャー。】ヒュィィーン・・
大戦艦ヴァルハラ。「あれが新たな敵か。」「バベルの女帝と三つの護衛団まで加わるとは・・アイアンサイドに応援に
行くべきでは。」「いいえ、その必要なし。せいぜい遊んでてもらいましょう。」「・・またなんか隠しとるな。」
『アイアンサイドは陽動、だな。』「さらに試金石か。」ぱしっ。「なるほど、敵の戦力を見極めるんだね。」
「そのとおり。この作戦はうまく成功すればそれでよし、もし失敗しても陽動とグラン・デッセ(試験気球)として
使えるように計画してたの。」「捨て石か。」「そこまでひどくないよ。そこそこの戦力は投入するしね。」
「で、真の目的とは?」「それはそのときに。今はまだエリーちゃん、がんばってるから。」『エルフィール?』
きょろきょろ。「そういや、ここ最近とんとごぶさたやな。」「前はヴァルハラ狭しと駆け回っていたが・・」
「どこで何してるの?・・あ。」「そう、その『真の目的』に関係してるの。いずれ姿を見せるからお楽しみに。」
軌道大要塞「高天原」オーダールーム。「というわけだ。」『よろしくお願いします。』『ようこそGGGへ。』
「・・と、こっからが問題だ。これから機動部隊と面通しするが、ちと荒れるかもな。」「事前にお聞きします。
どのくらいまで?」「そうさな、五体満足まで。」「わかりました。」「ささら!」「リフトダウン!」ガキン!
ガコン!ゴオオオオーッ!・・ズズン。「ここがメインオーダールームだ。」ゴォォォ・・「広いです・・」
「戦闘時には三次元マルチディスプレイが表示され、空間戦状況も正確に把握できます。」「・・おっ?」
ヒュィィィ・・「ディスク・プラットホームに・・七人?」「機動部隊、そろってるな。」『ははっ、司令。』
ゴゴゴゴ・・「ほう・・これは。」「かなりの実力者ぞろいですね。」「・・・・」「これは楽しそうですぞ。」
「事前に通達した、これが助っ人の四人だ。」(自己紹介略)「では質問タイムだ・・お待ちかねのな。」キラッ。
「・・司令、いくら司令が認めたとしても、腕もわからない相手とパートナーは組めないわ。」「もっともだ、
タマクロー。・・自己紹介ついてに、いいぜ。」くい。「ではまずは私が。」カツッ。「由真。」「ラージャッ!」
カツッ。「よろしくお願いします。」「葵さんだっけ。あたしは機動部隊・烈火の由真。」グッ、カアッ!
「発熱能力ですか。」「あたしは各部の体温を自在に調節できる。」「いいですね。ガス代が浮きます。」ぷっ!
『あはははは!』「なるほど、こらええアイデアや!」「おフロ沸かすん、これから由真さんにお願いしよか~。」
「アダ名どおり、瞬間湯沸し器ね!」「・・てめえ!」ピーッ!「なるほど、わかりやすい性格です。」すっ・・
「!・・あの構えは。」「わかるか、タマクロー。」こく・・「・・由真じゃ相手にもなりませんね。」
ダッ!「マグマショットだ!」ドドドドドッ!ぱぱぱぱっ。「どうだ、受けてもかすってもヤケドすっどぉ!」
「ならば、当たるより先に・・」キラッ。「?・・はぶうっ!」ドカアアアーン!「倒せばいいことですね。」
『お~・・』ヒュルルル・・ドシャアアアン!「勝負あり、だな。」「・・こ、これで勝ったと思うな・・」ばたっ。
♪ピッ。「医療部、急患です。」パシュッ、ドカドカ。『よいしょ。』どさっ。♪ピピピ・・『軽傷、全治2時間。
医務室に運びます。』『えっほ、えっほ。』ドカドカ・・「手慣れたものですね。」「ほぼ日課だもんな。」
「・・・・」すーっ。「芹香さま、ご出陣でございます。」「イルファ。」「はい。」カツッ。「?・・・」
「はい、私はサイバノイドです。霧氷のイルファ。」こく。「私の能力は・・」スゥゥ・・「?・・」ぞくっ。
「愛佳。」「保温フィールド起動。」サァァ・・カチカチン。「・・・・」「冷凍能力。周囲を絶対零度圏とし、
万物を凍結・崩壊させます。」「srm。」ボォォ・・ぴく。「炎をまとう?」「火精サラマンダーを召喚したな。
あれでイルファの凍結界は意味を無くす。」「・・本当の魔女ですか。」タラ・・「戦術を変更します。冷線。」
ピィィーッ。「shd。」バシイイイーン!「止められた?」「dmd。」ドカアアーン!「きゃあああーっ!」
ズダダダーン!「イルファ!」「・・・・」「峰うちです・・と申されてます。傷は浅うございます。」
「くっ・・マルチ!」「お待ちください。ここはお二人でどうぞ。」「・・セリオも。」『はい。』ザッ。
「ひさびさ老骨に鞭を入れますかな。」カツッ。「春風のマルチですぅ。」「轟雷のセリオです。」すっ。
「ほう、あなた方も。」「は、はい。サイバノイドですぅ。」「普通の人間では困難な環境でも活動できます。」
「いい仕事しておりますな。では、始めましょう。」キュキュッ、ビシッ。「どこからでも来なさい。」
「セリオ、Zフォーメーションですぅ。」「了解ですお姉さま。」ザザザザッ。「挟撃ですか。」「いきますぅ。」
ジャキッ!「腕からノズルが?」「風牙!」キュィィン!「ほほう。」ズパズパッ!「・・直撃?」ズル・・
「おっとと。」ぱしっ。くいくい。『そんな?』「輪切りにされて・・」「この程度なら、よけるまでもありません。」
「?・・セリオ!」「電極展開。」ジャキッ!「200万ボルト。」ズバババッ!バリバリバリ!「肩こりが治りますな。」
「バカな・・まったく効いてない!」「セバスチャンには弱すぎるだけです。」「そろそろ参りますぞ。ふん!」
グニュ~。『なあっ!』「・・不定形生命体!」「そのとおりです。」グニュ~・・ビシッ!シャギャアアーッ!
「か、怪獣ですぅ!」「・・識別。古代怪獣グドン。」ビュルルッ!ギリギリッ!『くっ!』「両手のムチで!」
グイッ!「はわわわっ!」「引っぱられます。」トトトッ。『ダブル巻き落としでございます。』グン!ギャルルルッ!
『うわっ!』ギュララッ!「ムチを外す勢いで二人を!」ズダダーン!「はわっ!」「・・全身打撲です。」
グニュ~・・ビシッ。「これまでにいたしましょう。」「さすがです。」「お見事!」「・・・・」ぱちぱち。
「・・最後は私よ。」「そして私です。」ザッ。「機動部隊長、獅王環。」「ああ・・それでタマクローですか。」
「もうひとつ意味があるのよ・・それは!」バッ!ガシイッ!「アイアンクローが得意だから。」ギリギリ!
「完璧にタマ姉のクローが決まったであります!」「なんや、もうおしまいかいな。」「拍子抜けですね。」
「タマキの握力はボウリングの玉すら握り砕く。頭蓋骨など造作もないわ。」「なむあみだ~、やね~。」
「司令、このままでは!」「・・おめえらみんな目は節穴か?よく見ろや。」『・・えっ?』ギギギギ・・
「るー!うーたまはちゃんとつかめてないぞ。」「ば・・バカな?」「おぼえておいてください、上級者は常に
無意識下で防御本能が働き、その気がなくてもバリアを張れるのです。そして。」すっ、とん。ボゴオオオーン!
「ぐはっ!」ザザザーッ!「どんな間合いからでも強力な攻撃を打てます。」シュゥゥ・・「・・サイキックね。」
ググッ・・ザン!「上等じゃない・・それでこそ助っ人にふさわしいわ。」「ほう・・見た目以上に頑丈ですね。」
「タマクローの柔軟な筋肉は、たいがいの攻撃を緩衝する。ちと気を入れねえと、何度でも立ち上がるよ。」
「どうやらこっちも本気入れないと失礼にあたるわね・・」ググッ。ズズズズ・・ぴく。「・・あなたも重力拳を。」
「司令とはちょっと特性ちがうわ・・はあああーっ!」ドン!がしいっ!「?・・不可視の巨大な手、ですか。」
「あれは石破天驚ゴッドフィンガーに似てます。」「・・・・」「重力場をトレースさせているのですな。」
ギギギギ!「これぞMSでも握りつぶすケーニッヒ・クロー!」「たしかにこれならプラモ同然でしょう。けど。」
すっ、トン。ずぽっ!「なっ?!・・上に抜けた!」「界面摩擦を減らせば、圧搾力が手伝ってくれます。」キン。
ヒュババババッ!「あれは真空嵐ですぅ!」「しかもマー姉ちゃんのより強力です!」「どう受けます・・隊長。」
「ディストーション・シールド!」ババッ!ヴン!キュパパパパッ!ザキザキザキイッ!『うわわわっ!』どたばた!
「タマ姉!空間湾曲は周り見て使ってくださいー!」「あ、ごめん。そこまで考えてなかったわ。」「あらまあ・・
周辺ズタズタですね。近所迷惑な防御です。」「ほっとけ。」ぱんぱん。「双方そこまでだ。これ以上新築物件に
キズつけられちゃたまんねえ。」「ですね。」「ラージャッ。」「愛佳、修繕屋だ。」「整備部施設保全課ですね。」
「ところであとのお二方は?」「あ、私たちは戦闘機乗りなのでケンカ弱いです。」「さっき会ったデスネ♪」
「ああ、ベオウルフの。」「メインパイロットのあかりです。TACネームは『ロートカプフェン』。よろしくね。」
「コパイのレミィね。TACネーム『スターウルフ』。」「赤ずきんと狼ですか。」「・・・?」「口調が先ほどと
えらく違いますな。」「戦闘時はアタマ沸いてるから、本性が出ちゃうんです。」「ミーもインザミッションには
アドレナリンやらエンドルフィンやら脳内麻薬が出てペルソナチェンジしマース。」「二人ともコロニー戦争を
宇宙戦闘機一機で戦い抜いた歴戦の強者だ。戦後はコロニー気圏空軍で冷や飯食ってたのを引っこ抜いてきた。」
「やっぱり宇宙は身が引き締まっていいね。」「空気抵抗やらグラビティやら、余計なモノないデスからネー。」
「さて挨拶はこのくらいにして本題だ。花梨、始めろ。」「このみ、戦略マップ。」「了解であります。」ぱぱっ。
「諜報部の情報を総合すると、アイアンサイドは今やデビルフリート量産プラントと成り果ててるわ。科学部の試算では
現時点で戦艦4・空母3・重巡8・軽巡10・駆逐20がロールアウトしているはず。」「二個機動艦隊相当ですか・・」
「それだけじゃないわ。アイアンサイド自体も戦力に含めて考えるべきよ。」「え?単なる工業コロニーでしょ?」
「由真、大事な要素を忘れてるよ・・DG細胞。」ドヨッ!「まさか?!」「ネオジャパンコロニーの一件があるわ。
可能性はきわめて高い、いえ、私が敵ならそうする。」「・・デビルコロニー。」「しかも今回は無人コロニー。
自国民に一抹の情が残っていたウルベと違い、コロニー全体がDG化するだろうな。」「より強力、ということね・・」
「そこで作戦よ。オペレーション『虎穴に入らずんば虎児を得ず』。」『長い!』「略して『ウィOードOィ』。」
「略になってないし伏せ字ですぅ。」「狂王のダンジョン攻略ですね。ふさわしいかと。」「ビOルO-は禁句です。」
「いちいち伏せ字はうっとーしい。『D&D』でいくぞ。」「こらまた古いな~。」「作者がTTRPG世代やしな~。」
「機動部隊はコロニー内に進撃、直衛部隊を撃滅し、デビルフリートを追いたてます。」「るー!いわば勢子だぞ。」
「それを迎撃するのがまほろば・ルフトバッフェ連合艦隊。コロニー連合はデビルフリート現出時点で問題クリア。」
「物証出されたら、連合の腐れ政治家どもも重い腰上げるわな~。」「ゲーリング准将はおかまいなしやろけどな。」
「機動部隊はそのままデビル・アイアンサイドの撃滅に移ります。」「いよいよそこで『ツール』の初陣やな。」
「つーる?」「重力兵器群だ。るーこ。」「るー。るーの狩猟機をうーが使えるようしたぞ。」「とはいえ恒星級の
生物を狩るんやから、戦略核どこやない威力や。ヘタしたら世界まで破壊しかねんわ。」「やから各国に流出せんよう、
GGGのセキュリティは鉄壁なんやで~。」「かなり攻撃的な鉄壁ですけどね。」「ギョーカイ人に人権あらへんわ~。」
「・・おもいっきり抹殺してますね。」「・・」こくこく。「珊瑚さま、見かけによらずクールな諜報部長ですな。」
♪ビーッ!「偵察艦『天ノ鳥舟』から連絡です。」「ユキナか。出せ。」ぱっ。『最新情報。アイアンサイドのDG反応、
この24時間で20%アップ。』「やはりね・・DG化進行中か。」「状況了解だ。引き続きワッチしてくれ。」『了解。』
「珊瑚、幽姫は元気か?」「死んどるモンが元気かっちゅーんはアレやけど、定期連絡はちゃんと入っとるわ~。」
「特に動きなし、か・・」「ジュエルズとヘルファイターの動向が気になるところだな。」「そういえばヘルファイターの
情報をまだ聞いてなかったわね。」「このみ、出せ。」ぱっ。「来栖綾香。前年度コロニー格闘技チャンピオンです。」
「・・あれ?来栖?」くるっ。「・・・・」こく。「いかにも、芹香さまの妹君にあらせられます。」「そして・・
私の兄弟子でもあります。」「葵さんの・・」「彼女の始末、私たちにお任せください。皆さんは本来の目的へ。」
「・・わかったわ。けど、彼女が私たちに牙を剥いたら。」「むろんです、遠慮なく攻撃してください。さもないと
倒されるのは・・」「・・それほどの実力者なんですね。」「はい、あのキング・オブ・ハートに匹敵しました。」
「?・・過去形ですぅ?」「今はちがう、のですね。」こく。「DG感染がどちらに転ばせたかは不明ですが・・」
「まあ、会ってみりゃわかるこった。14時間後に作戦を始める。各員、出撃準備にかかれ。」『ラージャッ。』
「愛佳、客人をドックに案内してやれ。」「わかりました。皆さんこちらです。」ぞろぞろ。「・・お達者で。」
ガンダムドック。ガガガガ!キュィィーン!「こちらがガンダムドックです。」ガガガガ!『・・はいー?!』
「あ、忘れてました。このイヤーマフしないと聴覚やられますよ。」がさごそ。「ふう・・すごい騒音です。」
「鼓膜破れるかと思いました。」「・・」こく。「愛佳さまは着けられないので?」「私は慣れっこですから。」
カツカツ・・「主任!」「ん?・・なんや、愛佳かいな。お客はんか?」「中略の四人さんです。」『どうも。』
「ようこそGGG整備部へや。ウチが整備部長の智子や。」「ここで機動部隊のガンダムとツール類を整備してます。」
「ざっと見せよか。まずあれがタマ吉のGガイガーや。」ガガガガ!「大きい・・」「通常型ガンダムの1.5倍は
ありますね。」「あら重戦闘装備コミや。コアは通常サイズやで。」「・・?」「ほう、アーマード方式ですな。」
「高ゲタ履かせて鎧着せるようなもんやから、システム的には意外とシンプルやで。」「あの型態でツールの運用が
可能となります。」「そのツールですが、どのようなものですか?」「何種類かあるで。超重力衝撃波で対象物を
光子にまで分解する広域殲滅型『トールハンマー』、貫徹力に特化させた『グングニルドリル』、切断特化型
『ムラマサブレード』。いずれもたやすく国ひとつ消滅させるほどの威力や・・!」チャッ。(マイナスドライバー)
「そこ!」ビシュッ!カツーン!『えっ?』・・タラタラ。「壁から・・血が!」ピリ・・ドシャアッ!「忍者?」
「なかなかの手練やが、ミクロの不良を見極めるウチの目はごまかせん。諜報部出向保安員!」『ははっ!』スタスタッ。
『我らの失態でございます。』『いかような罰も。』「ええわ、あんたらより間者が上手だっただけや、責められんわ。
ホトケさん、丁重に葬ったり。」『ははっ!』「ほな次いくで。」カンカン・・「・・すごい。」「これがGGG・・」
ワーワー!「さて!本日の第三試合は企業抗争その2、マリア・フォーセットのテンペスト対ディアッガ・ハルトマンの
ミノスガンダム!」「ほう、トレーシィは改造したんやな。」「トンファーだけじゃ戦い抜けないとわかって、機体も
能力を助長する仕様を追加したみたいね。」「それでテンペスト(嵐)か・・一方のミノスは?」「前回のケイロンと
基本はいっしょ、装備が異なるわ。」「・・えらくでかいバックパックやな?」「スラスターだけじゃないわね。
何か武装が入ってそう。」「やな。テンペストの『ストームブリンガー』に対抗できるだけのものを期待しよか。」
ザッ。「始めまして、でよかったかな?」「『兄貴』ディアッガ、お名前はかねがね。部下を動かせる上司NO.1と
経済誌にあったわ。」「本人が物臭なだけさ。」「いいえ、自分でやるより人をしてやらしめるのはもっと難しい。
その管理能力、賞賛に値します。」「そりゃどうも。」「ここで疑問。・・独立しないの?」「する理由が無いから。
今の労働環境にいっさい不満なし、いや、不満あるほど俺は立派じゃねえよ。」「ご謙遜ね・・でも、それがいい。」
「そうだ、それがいい。」「・・私が欲しくなったきたわ。」「和むとやりづれえから、とっととやろうや。」
「そうね、では!」すっ、「来たれテンペスト!」「いくぜ、ミノス!」♪パチン!ギン!ドドドド・・
『バーニングガンダムファイト!レディー、ゴー!』「先手いくわよ。ストームブリンガー!」ジャキッ!
「ブレインウェイン!」シュババッ!ザガガガガーッ!「真空刃か。よいしょっと。」ひょい、シュバババッ!
「ミノス、軽快に回避。」「前よか動きが滑らかになっとるな。いちおうシステム改良してきたみたいや。」
「まあ予想どおりね。」「こっちもいくぜ。」ぐっ。「ギルティ・テール!」シャアアアアーッ!「・・ロープ?」
「いや!先端に機動バーニアが付いとるで。いわば有線ビットや。」ビュルルルッ!「こんな骨董品で何を?」
「ビットはオマケさ。真打ちは・・」ギュルルッ!「・・え?」「You're gilty。」♪パチン。ズガガガガーン!
「きゃああっ!」『なあっ!』「ビットのケーブルが爆発!」「・・導爆線や!」「導爆線?」「MSの特殊兵装や。
敵集団に打ち込み爆発させ、線近傍の敵を榴散弾でズタズタにする・・まさか、ファイトに使こてくるとは。」
ゴォォォ・・「・・かはっ!」グラッ・・ォオン!「・・?!」ザザッ!「・・はあっ!はあっ!・・あやうく意識が
飛ぶとこだった・・ありがと、ストームブリンガー・・」オォォ・・「おー、よく持ちこたえたねぇ。普通なら一発で
戦闘不能のはずだが。」「・・お守りの効き目よ。」ユラ・・「だが大ダメージには変わりねえ。・・悪いこといわねえ、
ここでギブアップしな。」「・・冗談でも怒るわよ。闘う意志があるかぎり。」ザン!「最後の一片になっても戦う、
それがファイターよ!」「よく言った。ならば!」ビュルルルッ!「また導爆線!」ズドオッ!「なんや?地中に?」
ゴゴゴゴ・・「先端にドリルビット付きの『リンボ(辺獄)』。どこが爆発するかわかるかい?」ゴゴゴゴ・・
「・・!」はっ!ゴバアッ!ギャルルルッ!「くっ!」「テンペストに導爆線がからみついた!」「あかんで!
あないな至近距離で爆発したら即死や!」ギギギギ!「意外とあっけなかったな・・まあいいや、とっとと終わらそう。」
すっ・・「You're gilty。」♪パチン。ズガガガガーン!『やった!』ゴォォォ・・「終わった、な。」『なにが?』
ぎょっ!「・・上?!」ばっ!ヒュオオオオーッ。「な、なんとテンペスト上空にエスケープ!」「イリュージョン?」
「ば・・バカな?!」「・・勝機!」カッ!「咆えろ、ストームブリンガー!」ヒュゴオオオオーッ!「なんだ?!」
「テンペスト、最大風力!」ばっ!ビィィイイ!「デッドリーストーム!」ドゴゴゴゴゴーッ!「・・大竜巻!」
「ちいっ!ギルティ・テール!」シャアアアアーッ!『そんなものがなんになる!』ビュゴオオオーッ!「なにいっ!」
「導爆線が烈風に巻き上げられる!」ギャギャギャーッ!・・グン!「しまった!バックパックが繋がっていた!」
ズゴゴゴゴッ!「うわああああーっ!・・」ギリギリギリッ!「導爆線がミノスに巻きついた!」『因果応報!』
カッ!ズガガガガーン!・・パラパラ・・「ミノス爆散!」「あらファイターも・・あっ!」ヒュォォォー・・ザッ。
「コクピットは無事よ。」ぽい、コロコロ。『いででで!』「ファイター生存を確認。勝者、テンペストガンダム!」
「おいディアッガ!」パシュ。・・どてーん!「あいたたた・・いったい何がどうなった?」きょろきょろ。
「負けたよ、ものの見事にな。」「・・そっか、いやー、楽しかった!」「お前な・・まあこういうヤツだが。」
ザッザッ。「ハイ、生きてる?」「どうにかな。・・まさか自分の武器で吹っ飛ばされるたあ思わなかったけどね。」
「しかしどうやってあの捕縛から抜けられたのか・・マジシャンか?」「種明かしはカンタン。ストームブリンガーで
捕縛時に抜ける余裕を作り、炸裂寸前に上へ飛び抜けたのよ。」「なるほどね・・さすがは現役ファイターだ。」
「けどあの武器はてこずったわ。ちょっと間違えば一発アウトだったもの。」「ま、それでよしとしとこうか。」
「さすがはフォアカード筆頭、見事な戦いでした。」はっ。「・・メビウス会長。」「できうれば当社にヘッドハント
したいところですね。今の倍出してもいいですけど。」「あいにくと現状に不満なし。他をあたってくださいね。」
「ひとつ質問していいでしょうか?」「?・・どうぞ。」「あなたにとって仕事とは?」「・・芸術ね。」『芸術?』
「いかに美しくスタイリッシュに仕事をするか、それをいつも考えてるわ。そういう仕事ができたときの充実感は
何物にも替え難い。これを芸術といわずして何というの?」『お~。』「さすがです。私たちも見習いましょう。」
そのころアイアンサイド。「綾香さん、エルフィールから新型デスアーミィがとどいたのだわ。」「新型?どれどれ。」
ズラァッ。「ふーん。いかにもやられメカ風だった前のダサダサデザインから、ちょっとカッコよくなったですぅ。」
「集団格闘戦仕様・デスソルジャーと聞きました。」「これ使用説明書ぉ?」ぱらぱら。「あれ?火器がないの~。」
「ふむふむ、ダッシュ性が強化されてるかしら。」「・・けっこう使えそうね。」「まあ、お試し期間だしね。
とりあえず次のお客さんに使ってみましょ・・?!」ばっ!『・・え?』「綾香さん、なに?」「・・いえ。どうも
誰かが見ているような気が・・」「?・・誰もいないですぅ。」「気のせいじゃないですか。」「なの~。」
「幽霊でもいたりしてぇ。」「幽霊なんかプラズマで説明できるかしら。」「・・・・。」『・・アメジスト?』
「知ってのとおり、私は死霊使い。霊感もそれなりにある・・たしかにおかしな霊気を感じる。」「おかしいって?」
「なんというか・・生霊の執念とか死霊の怨念とか、そういう波動じゃない。しいていうなら・・無邪気?」『はあ?』
(・・あぶないあぶない、霊感体質がいたとはね。ちょっと近寄りすぎたか。)スゥゥ・・(新型デスアーミィか・・
これは重要情報。さっそく「天ノ鳥舟」のキャナルに霊界通信。)♪ピピッ。(ノックしてもしも~し。)
(・・幽姫、その入りやめて。)(えー、なんでー?)(幽霊でその軽いノリは反則ですよ。幽霊ってのはもっとこう)
(ハッ、超AIのくせに古い思考アルゴリズムね~。多様性って辞書にないの?)(単に変人、もとい変霊なだけです。)
(軽い挨拶はこのくらいで、さっそく情報よ。かくかくしかじかマルかいてチョン。)(・・グーで殴りますよ。)
君たちに最新情報を公開しよう。
すっかりオマケになったファイトは、ナディア対ニコル。
暗殺者「ナイトメア」「見えずのニコル」のインビジブルファイト。
光学迷彩のみならず気配すら消し去るプルートガンダムの恐怖。
見えず感じられない敵をどう倒す、ナイトメア。
そしてGGGはいよいよアイアンサイドへ向けて出撃。
GGG四つの要塞艦、合流するまほろば・ルフトバッフェ艦隊。
次回、バーニングガンダムファイト激闘編 第29話
「不可視の冥王!連合艦隊、魔城へ」へ、バーニング・ガンダムファイト!レディー、ゴー!!
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第29話「不可視の冥王!連合艦隊、魔城へ」
名出屋城・情報局長室。「・・はい、そうです総師。コロニー連合軍を動かすのはテキが現れてからでないと。
はい、はい・・ルフトバッフェはあくまで哨戒任務中に遭遇したという形で・・はい。ではそのように。」♪ピッ。
「シュバルツ。」・・ボオッ。『お側に。』「明日の対戦相手の情報は?」『入手済みだ。・・ニコル・アマルティア。
メビウス重工、いや、親会社のメビウス商事営業部長。ラクス・メビウス子飼いの部下だ。業績急上昇は彼の営業手腕に
よるところが大きい、まさに女王の懐刀だな。』「そのくらいは経済誌ちょっと読めばわかること。実力のほどは?」
『・・不確定情報だが、よいか?』「?・・とりあえず聞いてから判断するわ。」『この名は知っているな。・・
「見えずのニコル」。』はっ。「・・まさか!」『確証は無い。だから不確定情報と言った。』「・・なるほど。
暗黒街の伝説『見えずのニコル』。その存在自体が疑問視されてたけど・・」『わかっているのは字名のみで正体不明。
フリーランスの破壊暗殺工作員。いかな鉄壁の警備も易々と抜け、狙われた方は潜入されたことすら気づかない。
暗殺もそうだが、むしろ機密情報の入手に関する依頼を得意とする・・わかるか。』「ええ。・・経済情報も同じこと。
顧客や競合の手の内を知ってれば、常に先手が打てる。メビウス商事の急成長にさぞや貢献できたでしょうね。」
『ここでわからんのが、なぜフリーに徹していた彼がラクスに仕えるようになったかだが。』「敗北・屈服・隷従。
いずれも今までの経緯に当てはまらない。・・足を洗いたかった?」『フリーの孤独に嫌気がさしたとも考えられる。』
「いえ、それはありえないわ。あれほどのレベルになると、己の腕への誇りがある。私もそうだったからよくわかる。」
『ならばなぜナディアはクレオに従っている?』「アルカナの宿命・・いえ、それはハナからありゃしない。そうね・・
しいていうなら、仲間・・かな。」『・・それが答えだろうな。』「ラクスとの出会いも、たぶん企業情報か何かを
盗みに入ったところを感知され、召し捕られたってとこでしょうな。」『ふふっ、それこそナディアそのものだ。』
「そう・・私も前会長暗殺の依頼で襲ったところを返り討ちに。さすが先代『皇帝』、歯も立たなかったわ。」
『クレオの場合は?』「・・わからない。実力だけならフォアカードと同等、いえ、それ以下だけど、なぜか彼女には
逆らえない。・・落ち着いて考えると、たしかに変ね。なんでだろ?」『ふふ・・ナイトメアを困惑させる存在か。
それだけでもじゅうぶんに理由にはなるな。』はっ。「・・ふふっ、そうね確かに。そういえばシュバルツはなぜ
今も私に仕えてくれてるんだっけ?」『当初は助けてもらった恩義だが・・今は違う。』「・・それを聞きたいな。」
『・・言わなきゃダメか?』「一度くらい、はっきり言いなさい。二度は聞かないから。」『・・愛してるからだ。』
「・・・・もう一回。」『二度は聞かないつっただろうが!』「暗黒街では口約束は何の意味もないのよん♪」
ネオ横浜・メビウス重工近くのバー。カラン・・「・・ニコル、あなたには世話になりました。」「何をいまさら。
この二年間、僕のほうこそ楽しい人生を過ごさせてくれました。」「あなたがいたから、ここまでになれたのです。」
「僕を使いこなしてくれる会長なればこそです。」「二人だけで小さい事務所から始め、いろんなことがありました。
企業情報収集・市場操作・内部告発工作・・人には言えないことも。」「きれいごとだけでは生き残れません。それは
暗黒街だろうが経済界だろうが同じこと・・いえ、こちらはより陰湿ですね。」「・・ねえ、今の三人どう思う?」
「ああいう真っ直ぐな生き方もあるんだなって。うらやましいです。」「そうね、権謀術数などとは無縁の純粋で
無垢な生き方・・もう私たちにはできません。」「ならばこそ三人はあのままで。汚れ仕事は僕たちが担いましょう。」
♪カラーン。どやどや。『いらっしゃいませ。』「・・おや、会長とニコル。」「お先に失礼してるわ。残業終わり?」
「なんとかな。ニコルのプルートは完璧に仕上がったぜ。」「お手数かけました。」「まあ最終調整の段階で営業さんが
いてもジャマなだけだからいいわよ。」「では今日は僕の払いで。」「さすが話せるな。では遠慮なくゴチになろう。」
ガヤガヤ。「で、会長とニコルって、ヤッた?」ブーッ!『ゲホゲホ!・・ディアッガ!』「こら!そりゃあまりにも
ダイレクトすぎるだろーが!」「国語の成績悪かったんで、婉曲的表現を知らないのさ。」「まったく・・残念ながら
会長はガードかたくて。」「私もニコルはシュミじゃないですね。」「あ、やぱし。会長の好みって、どんなの?」
「ん~・・誠実で素直で繊細な人かな。」きょろきょろ。「・・該当者なし。逆タマはあきらめることね、三人とも♪」
「もう彼氏いる人には言われたくないですね。」ブホッ!『なにいっ!』「ニコル、そりゃホントか!」「はい。」
「こらー!な、何を証拠にそんなこと!」「僕は情報部ですよ。客観的事実から結論を推定するのが仕事です。」
「だ、だからその客観的事実って!」「じゃあホシは割れてんのか?」「はい。でも誰か、は企業秘ですよ♪」
「なら会長は聞く権利ありますね。」「・・たしかに。では上申。」ひそひそ・・「・・あ~、そう。へえ~。」
「そこ!何を話しとるかー!」「じゃあ公表していいのですね?」「う・・」「情報公開請求!」「グラズノフスチ!」
「だ、ダメダメダメ!個人情報保護請求よ!」「こっちを認めます。」「まあヒントはけっこうわかりやすいですよ。」
「・・ルナマリアの立ち回り先か?」「となるとだ・・芸能事務所?」ぎっくう!「あ、そーだ!かいちょ、今度の
オープンハウスに芸能人呼びましょ!」「芸能人ですか?」「ギャラかかりそうですね。かといって安いお笑いとかだと
スベったら企業イメージにも響きますし。」「今ので思いついたんです、割り引いてくれそうな芸能人いるって。」
「誰だ?・・あ、まさか。」「妹ちゃんか!」「あったり~。メイリンならなんとか。」「その手がありましたか・・
ニコル、さっそく手配を。ギャラ交渉はルナマリアに一任しましょう。」「なるべく、で。」「まっかせなさい!」
次の日、浜松町「エターナル」。「このとーり!」ぱんっ!「ん~・・ほかならぬお姉ちゃんの頼みだしねー。」
「けどギャラを値切る前例を作るのは好ましくありませんね。」「スケジュール的にはどないや?」ぱらぱら。
「その日は空いてます。」「いいじゃないですか。セイバーは重工の提供ですし、スポンサーへのお礼とすれば。」
「それもそやな。メイリン、それでええか?」「意義なし。お姉ちゃんの職場も見てみたいし。」「アスランは?」
「まあ・・今回だけですよ。」「感謝!」「はーい。私も行きたいでーす。」『ミーア?』「え?でも、その。」
「友情出演、とゆーことで。時給でいいですよ。」「交通費・・拘束時間・・」♪ピッピッ。「こんなものですが。」
「オフ扱いでえーやろ。」♪ピッピッ。「こうやな。」「ではこれで。」さっ。「・・ちょっと失礼。」ささっ。
♪ピッ。「・・そう、これでいいって。・・これなら出せる?・・オッケイ!」♪ピッ。「それでお願いするわ!」
「おっし。アスラン、会場プランや。構成はメイリンとミーアで。」「ルナマリアさん、会場の概要を。」
「30分なら4曲くらいかなー。」「3曲はメイリンさんソロ、あと1曲をデュエットがいいですね。」「いえ、ミーアの
ソロを1曲入れましょう。」「つなぎトークはパターン6ですかね。」「やっぱプリペンダー衣装もいるかな~。」
「音響設備は自前で?」「社員にオーディオマニアがいるから。」「最低でもこれくらいのセットは欲しいですね。」
「幔幕はあるんやな。照明は・・スポット二個だけ持ってこか。」「曲決まりましたー。インスト焼きます。」
・・これが後の恐るべきデスマッチの発端であったことは、今のところ誰も予測しようもなかった・・
軌道大要塞「高天原」。「作戦開始まで、あと5分であります。」「電子戦艦ヴァイシュラヴァナ(多聞天)、
艦隊防衛艦ヴルパクシャ(広目天)、転送戦艦ヴィルーダッカ(増長天)、特攻空母ダータラシュトラ(持国天)、
全要塞発進準備完了ですわ。」「よっしゃ。・・離脱。」「離脱!」「りだーつ!」ガコン!ズズズズ・・
「オーダールームが動く?」「オーダールームおよびメインオーダールームはヴァイシュラヴァナの一部ですの。」
「人呼んで『四天王艦隊』や。」「・・素直に日本語名にすればいいと思うんですけど。」「サンスクリット語では
舌を噛みそうですな。」「・・・・!」ぐっ!「!・・」ぷるぷる・・「ほら、芹香さまが試して噛みました。」
「言霊の問題だ。日本語だといまいちパッとしねえだろ。」「そういう問題ですか。」「それはともかく、四つとも
あまり聞きなれないタイプの船のようですが。」「ほやね~。パルちゃん、ざっと紹介したり~。」「パルちゃん?」
「真珠やからパール、ちづめてパルや。ただし!さんちゃん限定や。あんたら使こたら許さへんで!」『はーい。』
「ここで解説すんのもなんやから、展望ラウンジ行こか。」「作戦中ですけど?」「かまわんぞ、行ってきな。」
通路。「まずはこの旗艦・ヴァイシュラヴァナや。強力な通信・センサー・情報解析・電子戦システムのカタマリで、
最大1天文単位範囲の状況を完全に把握できるんや。また機動部隊の母艦として、整備・補給設備もあるんや。」
「この1艦だけでも間に合いそうですが?」「通常はな。やが今回のような大規模作戦ともなると、支援艦艇が
どうしても必要なんや。」「それがあとの三つですね。」「・・・・」「宇宙は状況領域が広いですからな。」
展望ラウンジ。「あら艦隊防衛艦ヴルパクシャ。ちょっと変わったカタチしとるやろ。」「・・ウニ、ですか?」
「ナマコ?」「・・・・」「ハルキゲニアはマニアックすぎますぞ。」「まー、副長好みのデザインではあんな。
あのトゲトゲはアンテナで、艦体にいっぱい貼りついとる管制ビット『天目』の制御と通信用や。」「ビット?」
「『天目』は戦闘宙域全体に分散配置され、戦場の状況を逐一報告してくれるんや。その情報は旗艦にも回され、
統合指揮管制におおいに役立っとるで。」「でも情報収集艦なら、先日聞いた『天ノ鳥舟』がもういますよね?」
「ヴルパクシャの仕事はそれだけやない。『天目』には重力フィールド発生器が装備されとって、艦隊に迫る敵攻撃を
空間歪曲で逸らすんや。」「ほう。」「展開された空間傘に触れたが最後、クラインループに巻き込まれてベクトル反転、
おまけに加速までかけて、あさっての方向にはじくんや。質量弾はもちろん、ビームもミサイルも巻き込み可能やで。」
『ほ~。』「・・これ、攻撃にも転用できますね。」「よう気づいた。あっちの転送戦艦ヴィルーダッカと組み合わせて、
おもろい運用法できるで。」「転送戦艦?・・オーソドックスな宇宙戦艦のようですけど。」「変わったところといえば、
艦首に妙に大きな発信器みたいなものがあるくらいですね?」「・・?」「あれがヴィルーダッカの得意技なんやで。
重力空間圧縮器や。」『空間圧縮?』「詳しい説明しとたら1話使こてしまうんで、簡単にゆーと『どこでもドア』や。」
「?・・はて、すなわち別空間への扉を開く・・と?」「知ってのとおり宇宙空間は広い。いくらカタパルト使こても
戦闘空間に到達するんは、かなりの時間と推進剤を浪費する。ここまではわかるけ?」「帰還のことも考慮すると、
実戦闘時間はろくに無いのが現状ですね。」「ほなら、その移動時間をほぼゼロにできれば?」「交戦可能時間が延び、
思うような戦いができますね。」「・・。」ぽん。「なるほど、そのための瞬間移送システムなのですな。」
「さらにヴィルーダッカにはリニアキャノンを搭載しとる。別空間への窓ごしに超遠距離におる敵を狙撃できるんや。」
「へえ~、それはすごく有効ですね。」「遠く離れた前線へ支援砲撃ができるのはきわめて有利ですね。さすがです。」
「そしてさっきの話や。」『・・ああ~。』「『天目』の重力フィールドを使って、相手の予想もしない角度からの
奇襲砲撃ができます。」「反射衛星砲ですね。」「今風にいえば、ゲシュマイディッヒ・パンツァー・・でしたかな?」
「最後に特攻空母ダータラシュトラや。」『・・空母?』「あの・・飛行甲板とか見えませんけど。」「いらんで。
片道キップのミサイル打つんに、別に必要ないわ。」『ミサイル?』「でもいま空母って・・」「ミサイルちゅーても
そこらの巡航ミサイルみたいなもんやないで。いわば一発一発にパイロットが乗っとるも同然やきん、空母でええんや。」
『有人ミサイル?』「正しくは自己誘導型ミサイル。打ちっぱなしで勝手に敵を探知して追尾・命中するスグレモンや。
むろん敵味方識別できるだけのアタマは持っとる。」「それで・・けどあの穴の数はむちゃくちゃ多いですけど。」
「対空・対MS小型『ダガー』が600門、対艦中型『ランサー』300門、そして対巨大建造物超巨大『グロンド』4門。
さらに艦内工場で『ダガー』『ランサー』は生産補充されるきん、実質数千発の保有量になるで。」『数千発!』
「むろんイージスは搭載しとって、他の艦からの戦場情報も統合して打ち出すんで、ムダ弾にはならへんわ。」
「・・すごい艦隊ですね。」「この4艦だけでコロニー連合宇宙艦隊に匹敵・・いえ、もっと強いかもしれません。」
「さらにご存知の高速偵察艦『天ノ鳥舟』と機動戦艦『大和撫子』で構成された『まほろば艦隊』が加われば、
超大国の宇宙艦隊まとめてガチでケンカできまっせ。」「・・・・」「これにさらにガンダム部隊までいますからな。」
そのころ、「Atelier de Marie」。「というわけで、ガンダム十機たしかにお渡しします。」「うむ、見事なものだ。」
「我らの特性を完璧に再現できる設計仕様とは・・『地獄の錬金術師』、名前に違わぬ腕前だな。」スパ~。
「でと、引き渡す前に一つだけお願いがあるんですけど。」「なにか?」「DG感染者には乗ってほしくないです。」
ザワッ!「これはガンダムスミスのプライドです。私は完璧な仕事をした、ゆえに乗り手にも同じものを求めます。」
「ほう・・ならばどうする。」「戦わせてください。私に勝てば何も言わず引き渡します。負ければDG細胞浄解処置を。」
「・・よかろう。」『樊瑞!』「精神力の強さゆえ自制しておるので敢えて何も言わなんだが、いい機会かもしれん。
レッド、十条寺、ヒッツカラルド、セルバンテス。ぬしら、そろそろ目を覚ましてもらおう。」『なんと!』
「ひとつ聞こう。殺してもよいのだな?」「DG細胞にやられるようじゃ、『地獄の錬金術師』の徒名は返上ですよ。」
ザッ。「マスク・ザ・レッド、お相手つかまつる。」「どっからでもどうぞ。」「手裏剣!」シュパパパパッ!
ドスドスドスッ!「?・・なんと、避けもしないとは。」「その必要ないからですよ。」・・ググッ、カラカラーン。
『おお・・』「このくらい十傑集なら基本以前ですよね?」ぱんぱん。「・・ならばこれはどうだ!爆炎輪!」
ヒュヒュッ、ボオオオオーン!「その業火の結界からは」てくてく。「出られましたけどなにか?」「ば・・バカな!」
「もう手が尽きたなら、攻撃ターンいきますよ。」すっ・・シャッ!『疾い!』「なんと?」・・ボオッ。「なっ!」
がきぃっ!「チョークスリーパー!」ギシイッ!「かはっ!・・」カクッ。「いっちょうあがり。」『おおっ!』
「な・・なんという速さ!」「ただの一撃でレッドを落ちさせるとは・・」「神業の如きサブミッションなり・・」
「浄解手術開始。」すっ、ズブズブ・・「手が・・めり込んでゆく?」「心霊手術か!」「・・あった。摘出!」
ズボオッ!「これがコア細胞。こいつさえ壊せば・・」くい、パキィッ!・・パラパラ。「あとは死滅する。気付け。」
グン!「ふはっ!・・不覚!拙者としたことが・・」「レッド、正気に戻ったか。」「樊瑞・・迷惑をかけた。」
「次は我輩である。」ヌチャッ。「あなたほどの道士が汚染されるとはね。ホント、DG細胞って怖いよね~。」
「我輩自身は至極快適なり。」「だからそれが感染してるっての。・・ま、まずぶちのめさなきゃ話にならん。」
「激しく同意なり。出でよ腐敗の軍団!」♪チリーン。・・ゴバアアアッ!オオオオ!「ゾンビの群れですか。」
「生きながら喰われ、仲間になるがよい!」ズゾゾゾ!「やなこった。・・!」ギン!オオッ?!「なんと?」
『下郎どもが、控えろ!』・・ザザーッ。「ど・・どういうことだ?!」「死霊どもが・・畏怖しひれ伏すとは!」
「?・・はて、この気はいつぞや・・?!」ぎょっ!「否!・・否否否!」『気づいたか生臭道士よ。頭が高い!』
「ははーっ!」ザッ。「知らぬとはいえ御前に弓引く大愚挙、万死に値せん!如何様にも御沙汰をぉぉ~っ!」
『これが罰だ。』ズブズブ・・ズボオッ!「二つめ。」パキッ。・・パラパラパラ。「これでだいじょうぶ。」
「十条寺!」「・・あな恥ずかしや。然様な汚猥なものに翻弄されしとは恥辱のかぎり。」「もうよい、もう・・」
「フン、二人ともだらしのないことだ。」「出たな、指パッチン。」「そうだ、聞かせてやろう。死の弾ける音を。」
♪パチン。ピン!・・ぱかっ。「まっぷたつだ、ヒャハハハハ!」『笑うのまだ早いけど。』「・・なにいっ!」
ぐっ、『よっと。』ビチャッ。シュゥゥ・・「ん~、ちっとずれたかな?」くいくい。「ば・・バケモノか?」
「ちょっとした手品みたいなものね。もちっと試してみる?」ちょいちょい。「・・今度こそ!」♪パチパチン!
ついっ。「ほい。」くりっ、キュキュン!「なんだと?!・・真空刃を指で巻き取った!」「それだけじゃないね。」
くるくる。ヒュルルルーッ!「真空刃が・・錐のように!「そこ!」シュパァッ!キューン・・「なっ?!・・」
がくっ。「ヒッツ!」「だいじょうぶ、サブミクロンまで圧縮した真空針で、コア細胞だけを破壊したの。」
「なんと・・」「・・はっ?俺は・・なんというブザマな!」「もうよい、ヒッツ。・・よくぞ戻ってくれた。」
「最後はバンテスおじさまね♪」「はじめに言っておくが、私の幻獣はDG汚染されておらん。生のままだぞ。」
「能書きいいから、とっとと出して。作者もいーかげん疲れてきたから。」・・ぴしいっ!「いけい、石化鳥!」
バサッ!・・バサササッ!クケェッ!「嘴には石化毒がある。砕け散れ!」「あらそう・・!」ギン!ぴたあっ!
「なんだと?・・攻撃をやめた!」バサバサッ。「はーいよしよし。いい子ね。」クケェッ!「バカな・・」
「もう一回どぞ。」「・・ベート!」バサッ!・・ゴルルルル!「おや、懐かしい。ジェヴォーダン以来ね。」
「食いちぎれ!」ダダッ!ゴオオオオーッ!「おすわり。」ぺしっ。ペたり。「お手。」ひょい、ぱしっ。
「はいよくできました♪」「・・ベートまで?!」「いかなる幻獣も御前には無意味なり。」「どういうことだ?」
「何故なら御前こそ百鬼王なる故!」「百鬼王・・?」「さすが十条寺さん、理解が早いわ。まあ精確に数えれば
740万5926匹だけどね。」『・・なんと!』「まさか・・そんな?!」ガクガク!・・「信じる信じないはご自由に。」
「・・認めぬ、私は認めぬぞ!地獄沼!」ばっ!・・ゴボゴボゴボ!「灼熱のマグマに焼かれよ!」「だれが?」
ぴたり。「なっ!・・沼の上に立っている?!」「レビテーションおよび耐熱フィールドごときで驚きなさんな。
このくらい基本っすよ。」スゥゥ・・「まさか本当に?・・」「手術開始。」ドギュッ!・・ズボッ。「終わり。」
パキィン。・・パラパラ。「う・・私の完敗だ。」「・・なんという圧倒的な強さ。」「それに多彩な能力・・
樊瑞、これは本物だぞ。」「我らを遥かに凌駕する実力者・・いや、・・魔王か。」「本気モード限定ですけどね。」
宇宙空間、電子戦艦ヴァイシュラヴァナ。「まもなく合流ポイント。」「『大和撫子』感知。通信メインに。」
ぱっ。『ちょっと早かったかな?』「時間厳守はいいこった。幽璃華、最新情報は?」『特になし。・・ねえ、
異常に静かすぎない?』「ああ。・・あたしもそれを考えてた。まるで襲ってくださいとも言いたげな静けさ。
この余裕は、なんかもう一つウラありそうだ。」ぱっ。【こちら「天ノ鳥舟」、幽姫がそっちへ戻ったみたいよ。】
ボォッ・・(ただいまー。)「ご苦労さん。なんかおいしい話あるか?」(おいしいかどうか不明だけど、ちょっとだけ
気になることが。アイアンサイド生産能力と、デビルフリート建造ペースの矛盾。)ぴく。「詳しく聞こうか。」
(めちゃ遅いの。計算では戦艦一隻あたり一日でロールアウトできるはずなのに、のべ平均三日かかってる。)
「ほう。・・やはり、な。」『当然、理由は調べたよね。』(もちろん。・・かなりのプラントが空っぽに。)
ザワッ!「ど、どういうことですか?」「んなの簡単さ、持ち出したんだよ・・どこかに。」「・・どこに?」
『どうやらデビル軍団の真の目的が見えてきたね。』「作戦中止する?」「いや、まず目の前の敵をどうにかしないと
先へは進めねえ。」『なんか聞き出せればなおよし。』「作戦の変更なし、カウント続行。」「了解であります!」
メインオーダールーム。通常は機動部隊ラウンジとして機能し、隊員は浮遊プラットフォームで移動しながら
思い思いの時間を過ごしている。琴音たちも同様のプラットフォームを各自に与えられている。フィィィ・・
「へえ~、空中にいろんな映像が出るんですね。」「映画にゲーム、ネットもありますね。」「・・・・」
「手持ちの多用途端末で、好みの映像を好みの大きさで出せるわ。」「どれ、では映画ライブラリの・・」
カチカチ。ぱっ。『あはぁん、うふぅん・・』「セバスチャン、これ日活ロマンポルノじゃないですかー!」
「いまどきのAVより上品でございますぞ。」『ほほ~。』「へえ~、昔のってけっこう見れるじゃん。」
「女優さんもきれいですぅ。」「昨今のモロ出しはいささか辟易しますが、見せずに魅せる技術は見事です。」
「ビューティホー!」「でもえっちなのはいけないと思います。」「イルファ、それ別の人のセリフだよ。」
「なるほど・・ゲームはどんなものが?」ぱぱぱっ。「アタリ・ファミ・スーファミ・ガサタ・PCE・ネオジオ・
PCエロゲーまで?」「まーりゃん司令の熱い要望があってね~。」「まあ出身地ですからやむをえないかと。」
「私たちも、そもそもの本籍はこちらでしたしね。」「妙に人気が出て一般向けになりましたが。」「・・・・」
「でも攻略不可なのは反則よ!」「そうですぅ!」「私も攻略不可だったので、そこは共感できかねますが。」
「きわめて同感でございます。わたくしも攻略可でありとうございました。」ぐすん。『それは、ないない。』
いっぽう、大和撫子・オウバード中隊待機室。こちらは六畳ほどしかなく、長イスと端末ひとつ、あとは週刊誌と
マンガくらいしか置いてない。ドリンクは通路の自販機と給茶機。畳の間があり、今はリョーコが寝転んでいる。
「GGG機動部隊か・・共闘するのは初めてだな。」ズズ~。「そもそも今回が初陣だしね。」「・・近接戦仕様
ブライスト、後方支援仕様ガロウィン、殲滅戦仕様ランスター、攪乱戦仕様オムザック。・・そして、主力の
重打撃戦仕様Gガイガー。・・いずれも優秀なガンダムだけど、実戦経験値の低さはたしかに不安材料ね。」
「そんなことはわかってる。誰でも始めは初心者だ、いきなり優秀なヤツなんていないぜ。」「そりゃそうだが。」
「むしろ俺たちの役目は、経験の浅い機動部隊の連中を導くことだろ。」「そだね、そーゆー考え方もありだね。」
「・・悪くないわ、それ。」「・・そだな、二郎のいうとおり、あたしたちゃ先輩だ。おっかなびっくりの後輩を
ちゃんと指導してやるのが本義だな。」「あ、でもベオウルフのあかりさんとレミィさんは大ベテランだよねー。」
「・・なるほど、さすがまーりゃん司令。ちゃんとバランスは考えてあるのね。」「あの二人は守備範囲自体が
他の四人と異なるのが、いい具合に間合いになってるな。ちょっと離れた位置からメンバーを見守るポジだ。」
「そう考えると、機動部隊は絶妙な構成だな。」「サイバノイドの三体が、生身のタマちゃんと由真ちゃんを
後ろから支える形なのも、うまいよねー。」「そして後方に大ベテランのお二人と、隠し球のまーりゃん司令・・
どんな事態でも対応できる最強の布陣。」「・・おっ、そういやウチも二郎と艦長が同じようなポジだな。」
「二郎さんもやっぱベテラン?」「・・過去は聞かないのがルールだけど、普段の言動から察するに、かなりの
経験を積んだベテランでしょうね。」「いいや、俺は負ける側ばっかだったから知名度はゼロに等しいのさ。」
♪ピピッ。「おっ、妖精の声だ。」【オウバード中隊、出撃一時間前です。準備にかかっちゃってください。】
「おっし。」むくっ。「ヒカル、最新状況を。」「おっけい。」「イズミはドックに最終確認を。」「・・了解。」
「あたしと二郎でフォーメーション案を組む。」「巨大建造物近傍での戦闘だ、激突だけは避けないとな。」
月面都市フォン・ブラウンシティ、コロニー宇宙軍港。「准将、補給終わりました。発進準備コンプリート。」
「よろしい、全艦傾注だ。」「了解。アハトゥング!」♪ピィィィ~ッ!「全乗組員に告ぐ。本艦はこれより
『通常の』巡回任務に出立する。今回は巡回航路Aを周る予定だ。なお最新情報によるとアイアンサイド近辺で
『状況の兆候』があるらしい。予定到達時間は12時間後。各員それまでに『いかなる状況にも』対応できるよう、
万全の体勢を整えておけ。繰り返す、『いかなる状況にも』だ。・・それが我らの『通常の』任務だからな。
ミステルおよびヴィルベルヴィントは9時間後に作戦室に集合せよ。以上。」「グラーフ・ツェッペリン、離床。」
魔女空軍「ミステル」オフィス。「隊長、今のは?」「へっ、『通常の』と、きやがった。・・12時間後に
アイアンサイド宙域で状況があるぞ。」はっ。「9時間後の集合は実質の作戦会議になる。そこから忙しくなるので
みんな今のうちに休んどけ。」「・・いったい何が?」「それは会議で明らかになるさ。ただ言えることは・・
今回、ババアは本気だ。」『・・』ゴク・・「・・アイアンサイドでの戦術研究しておこうか。」「賛成や。あそこは
正規航路以外はかなりヤバいちゅー話やしな。」「『地獄』と呼ばれるのはコロニーの外観だけじゃないですぅ。」
「聞いたことがあるわ。宙域全体があの魔の『コレヒドール暗礁空域』に匹敵する暗礁群だからとも言われてると。」
「ノンノン、ミーはそれより『リンボ』が心配デース。」「・・辺獄?なにそれ?」「これよ、華那ちゃん。」ぱっ。
魔導陸戦隊「ヴィルヴェルヴィント」オフィス。「これがアイアンサイド宙域の3Dホログラム海図ですー。」
「デブリが多いな・・」「産業廃棄物を投棄してるのね。たく、立派な公害よこれは。」「コロニー自体の万有引力で
複雑なリング状にまとまってるぜ。こりゃ空間機動戦はタイヘンだ。」「あれが名物『リンボ』ですかー。でも逆に
楯や弾に使えるネタにはなりますねー。」「偽装トーチカや遊星爆弾もね。」「あるだろうな、かなりの数が。」
「敵にとっても好都合か。近づく前にフクロにされるぜ。」「現在の状況はわかるか。」「航路定点監視衛星から
情報を得ますねー。・・あれ?」カタカタ。「どしたの、サリア?」「・・アクセスが制限されてますー。」
「どういうこった?定点衛星航路情報は無条件公開のはずだぞ。」「いや。・・有事制限規定がある。有事の際は
敵側にも情報を渡さないためにシャットダウンが許される。」「・・あ、たしかに。アイアンサイド宙域は現在、
コロニー連合航宙局によって侵入制限が出されてますー。」「理由は?」カタカタ。「・・海賊出没のため?」
「決まったな。外惑星圏ならともかく、こんな狭い地球圏で海賊なんかできっこねえ。すぐに見つかるからな。」
「・・戦場封鎖か。」「おそらく、これから起こることもアンサング・ウォーになる。全員そのつもりで。」
「はっ、傭兵部隊にゃ最適ですよ。」「マーシナリィは殺ってナンボ、名声や知名度はジャマなだけよね。」
「十傑集の先生方に鍛えてもらった私たちです、たいがいの敵には対処できますねー。」「たのもしいぞ。」
大戦艦ヴァルハラ。「へえ~、これだけ戦力が集まるとはね。」「幽音、これではデビルフリートも危ういぞ。」
「援軍を出すべきかと思われますが。」『いえ、お手を煩わせるほどのものじゃないわ。」はっ。・・カツカツ。
『エルフィールか。』「しばらく見んかったけど、どないしよった?」「ちょっと大仕事をやってたの。」
「ということは、できたんだね。」「ばっちり完成。いつでも引っ越せるわ。」『引越し?』「・・どこに?」
「いくらでかくても戦艦は戦艦、けっこう気疲れするでしょ。」『・・』「・・そりゃ確かにあるけどね。」
「以前はアガルタが基地だったけど、もうあそこは使えない。そこで新たな戦略拠点を準備してたのよ。」
「いわば本拠地か。」「たしかに、足元の定まらん戦艦をずっと根城にしとんのは、あんま好ましゅうないで。」
「それが完成したというのか。」「そのとおり。・・それがこれよ。」ぱっ。オオッ!「名づけて要塞パラノイア。」
『パラノイア・・』「直径30km。ヴァルハラを楽々収容できる巨大ドック、デスアーミィ量産工場、研究開発所、
その他もろもろ、一国に匹敵する機能を有してるわ。」「・・なんという巨大なものを。」「変です。これほどの
巨大要塞なら、太陽系のどこにあっても、いやでも人目につくはずですが。」「いいえ。パラノイアはすぐ近くにあり、
また同時にどこにも無いの。」『??』「意味わからへんで。」『・・そうか、なるほど。』「ゲッツはわかるのか。」
『うむ。・・たしかに「見えない要塞」だ。』「ちゃんと説明してよ。」「百聞は一見にしかず。今から行こうよ。」
「でもアイアンサイドは?」「心配ご無用。新型『デス・ソルジャー』と綾香のフェンリルガンダムだけでなく、
さらにジュエルズ用の道具もあるから。」『ジュエルズ用?』「初耳です。」「アイアンサイドの設備を利用して、
トパーズが作ったらしいわ。」「なるほど、その手があったか。」「どーせまたケッタイなデザインのMAなんやろ。」
「いちおう各キャラに合わせて設計したそうだけどね。」「まあ、員数合わせくらいの期待はしていいんじゃない?」
「自分の分身に冷たいね~。」「適度にきびしく育てなきゃ、のちのち後悔することになるからね。」『確かに。』
ワーワー!「さて、今日の第一試合は仁義なき企業戦争第三戦、プルートガンダム対ガンダムナイトメア!」
「うちのオーナーご登場やね。ヒイキ応援するんか?」「いえ、オーナーから実況は公平にとのお達しよ。」
「ほなそうしよか。・・とはいえ、オーナーの実力ってどんなんや?」「公式記録から推察するしかないけど、
かなりの実力者みたいね。あのヨーコさんと同等もしくはそれ以上とか。」「ほう?!そら期待してええな。」
「ここでいったんCMです。・・紅蘭、コメントが白々しい。」「しょーがないやろ。・・総帥の真の実力を放送で
明かしたら一大事や。それこそ暗殺者が団体さんで押しかけてくるで。」「ネオ東京がベイルートかバグダッドに
なっちゃうわね、たしかに。」「まー、それ以前に『タウン』とうちらが未然に撃滅・・うんにゃ、阻止すっけど。」
「二足のワラジはきついよね・・CM終わり。ではいっぽうのニコル・アマルティア選手について。」「旧ZACTやのうて、
メビウス商事から出向しとる営業部長やね。ふつー乗っ取り先では憎まれ役やが、意外と関係はええらしいで。」
「まあ営業がギスギスしてたら本末転倒だろうけど。で、実力のほどは?」「わからん。プロフィールは白紙同然や。」
「ガンダムで見てみましょうか。・・ナイトメアに似てる?」「軽量型やね。武装もそないに目立ったもんは無い。
標準装備のサーベルも、外型から見るに低出力のダガーやな。」「サーベルラックが肩や側面じゃなく、背部なのは
カムイガンダムに似てるね。」「最小限の動作で抜ける位置・・高速機動重視かや?」「そろそろ試合開始です。」
ザッ。「はじめまして、ミス・ナディア・・いえ、ナイトメア。」「そちらは『見えずのニコル』・・でいいの?」
「それはご想像におまかせします。」「そういうことにしておきましょう。」「もし仮にそうだとして、僕の能力は
先刻承知ですよね?」「どういうカラクリかはまだだけどね。」「ならば僕の勝ちは確定ですね。戦うまでもないです、
開始3秒で終わりますから。」キラリ。「さて、それはどうだか。・・能書きいいからかかってきなさい。」・・ギン!
「!・・本気になりましたね。」「ビッグマウスは基本的に嫌いよ。特に自分の能力に奢るヤツを返り討ちにするのが
何より快感だから。」「そちらもビッグマウスでないことを期待します。」すっ、パチン!「プルート、来い。」
「ナイトメア、業務開始よ。」ギン!ドドドド・・『バーニング・ガンダムファイト!レディー、ゴー!』
「先手いきます・・』スゥッ・・「光学迷彩ね。そんなもの足跡を見れば・・?!」ぎょっ!「足跡が・・無い?」
【残念ながらプルートの足裏は点接触、足跡は残りません。】「・・さすがね。でも。」・・ボオッ。ズドオッ!
『ああっ!』「ナイトメア串刺し!・・えっ?」ユラリ・・「なんと?・・変わり身!」【こっちも光学迷彩くらい
装備してるわ。】「でしたね。ではガマン比べといきましょうか・・』スゥッ・・「プルートまた光学迷彩!」
「どちらもステルス仕様や。となると、先に感知したもん勝ちやな。」「動くか、あるいは・・」「別の手か。」
ヒュゥゥ・・(・・なんてヤツ。アイドル音どころか気配すら感じさせないなんて。これが「見えずのニコル」・・)
(・・さすがに優秀な機体ですが、ひとつだけプルートに及ばないところがあります。・・サーモグラフィ。)ぱっ。
(あそこですね。)じりっ・・ぴくっ。(?!)ぴたっ。(・・気配は完全に殺してるのに、本能が警戒している・・)
チリッ。(!・・いる。後ろ6時半。向こうも気づかれたのを察知してサイレントに戻ったか・・ソウルエッジ。)
(イエス、マイマスター。)(これこれこういうことできる?)(妙案かもしれんな・・なんとかやってみよう。)
『・・・・』「・・動かないね。」「サーモ映像でどうにか両者の位置はわかるが・・どっちもすくみ合いか。」
ズズズズ・・(?・・なんだ?)ボコッ!ビュルルルッ!「なっ?!」「スキあり!」ダッ!「しまった!」
「バイアン!」キュピィン。「もらった!」「まだ!」グン!「なっ?・・!」ビュオッ!「後ろ回し蹴り?」
ビン!「!・・つま先にビーム刃!くっ!」グン!ジャリジャリッ!「かすめた!」・・ババッ!「おしい。」
「く・・ちょっと削られたか。」バヂバヂ!「ナイトメア胸部に中規模ダメージ!」「ヤバかったで・・あと数cm
深かったら内部まで抜かれとったで。」「まったくの死角への精確なまでの反撃・・すごい空間認識力ね。」
「さすがです、あの間合いでそれだけで済むとは。」「・・ふうっ。・・感謝するわ。」「え?」「今のでやっと
本気になったわ・・」スゥゥ・・「・・あの動きは?」「見せてあげる、なぜ私が『ナイトメア』と呼ばれてるか・・】
スゥゥゥ・・「・・これは?」【♪満月の夜は闇祭り カルバリ山の夜魔の宴 踊り舞い喰らい刻む 血と肉の狂宴・・】
『は~・・』「なんて優雅な動きなの・・」ぽ~っ・・「・・はっ?!さくらはん、あかん!」「んぁぁ~?」
ビビビビン!「いだだだ!・・あれ?」きょとん。「あぶなかった・・あら一種の催眠術や。」「・・催眠術?」
「あの所作・手の運び・指の流れに至るまで、心理学的に精緻に計算され尽くした催眠動作や・・プルートを見い。」
「あ・・まったく無防備に。」「完全にかかっとるわ。こうなったら煮ようが焼こうが思いのままやね。」
さっ。「あ、ここで臨時ニュースです。あの舞を見た視聴者が次々とヘタレているそうです。」「観客席でも
かなりの観客が眩惑されとるようやな。」「レフェリーは気力でどうにか正気を保っているようですが。」
「く・・これはいかぬ・・むん!」ザクッ!「つぅ・・うぅふっ!よく効くまやかしじゃのう・・さすがじゃ。」
「う・・」ぱっ。『ニコル、しっかりしろ!』『なにやってんだお前ほどの男がよ!』『幻術に惑わされないで!』
【ムダよ。彼の肉体は精神と完全に遊離してる。よほどの精神力でないかぎり、復帰は不可能よ。】「く・・」
『・・ニコル。』・・はっ。「・・社長?」ぴくっ。『信じてますよ。』「・・はい!」ググッ・・【あら?】
ググググッ!【・・なんて精神力。拒絶する肉体を強引に。】ミキミキ・・ブシィィィーッ!「ニコル選手、流血!」
「うおおおおおーっ!」グン!「な・・なんちゅう根性や。抗う肉体を無理矢理従わせよった!」「はぁっ!はぁっ!」
「・・お見事。よくぞ悪夢を打ち破ったわ。でも。」「・・。」ポタポタ・・「レフェリー、ダメージチェックを。」
「うむ。・・かなりの大流血じゃ。・・ギブ?」「勝負は、これからです!」ジャキッ!「よかろう。ファイト!」
「その根性に報いましょう。」ばっ!チリーン。「ナイトメア、主武器のニードルを捨てた?」「パージ。」バン!
どさっ。「左手のグローブもや。」「ソウルエッジ。」【イエス・マスター。】ジャキーン!ブン!・・ザスッ!
「伝家の宝刀ソウルエッジも?」「・・どういうつもりです。」「特殊武器抜き。本当の実力だけでお相手するわ。」
「サーベルも無しでどう戦うというのです!」ダッ!「プルート、ビームダガーで攻撃!」「別にいらないわ。」
すいっ、クン。「なっ?!」グラッ。「掌底で受け流した!」くるっ、ガシッ!「バックをとったで!」「しまった!」
「はああああーっ!」ダーン!『跳んだ!』「あれは・・モズ落とし?」「ここからよ。せいっ!」グン!「なっ?」
ギャギャギャッ!「な、なんと二体が空中で高速バク転、いえ、回転!」「な、なにをする気や?」「こ・・これは!」
「秘技・回転飯綱砕き!」ズドオオオーン!「ぐはああああっ!」『おおっ!』「高速スピンのまま地面に激突!」
ゴォォォ・・「・・プルートの頭部が地面に突き刺さっとる!な・・なんちゅう威力や!」ゴォォォ・・すいっ。
「ふう。・・仕事完了。」ユラ・・ドドーン!「勝負あり!ナイトメアKO勝ち!」ワアアアアーッ!「闇に滅しなさい。」
医務室。「う・・僕は?」「貧血と頭部強打で2時間だ。」「コクピット血まみれだったぜ。よくまあ、あんな状態で
戦い続けたもんだ。」「てっきりオダブツかと思いきや、さすがに丈夫ですね。」「社長・・申し訳ありません。」
「いいのです、勝敗は時の運。大事なのは全力を出せたかだけ。どう?」「・・満足でした。」「それでいいの。」
「しかし、サービス業の社長があんなに強かったとはな。」「ぱっと見は優雅な才女だけど、女はコワいねえ。」
「ディアッガがそれ言い出したらおしまいじゃないですか。」「ふふっ、たしかに。そろそろ身を固めては?」
「会長、このスケコマシに合うカミサンは、なかなか難しいぞ。」「あれ、ごくごく近くにピッタリなのが。」
「ルナマリアかぁ?!・・ジョーダン。しょっぱなから尻に敷かれるのわかってて娶るほど、俺ぁどMじゃねえよ。」
『へっくしょん!』ぎっくう!・・バタン。「ちょっと!いま悪いウワサしてなかった?」『いーえ、全然。』
「ならいいけど。ツケ届けが来てるわ。」「どっからだ?」「えーと・・ありゃ、ナディアさんだ。」『ほう?』
「いったい何を?」「さあ。それなりの大きな箱だけど・・」ばさばさ。「なんだ?・・野菜?」ひょい。
「ホウレン草か?」「あとは・・なにこれ?よいしょ。」「・・なんだ?」「ああ、それはフォアグラですね。」
『フォアグラ?!』「け、けどこれ・・数kgはあるよ?」ぽんぽん。「こんなでかいの、いくらするんだ?」
「・・なるほど。ホウレン草は鉄分、フォアグラは造血ですね。これ食べて血作れというウイットですよ。」
「なるほど・・」「・・けど、僕一人では食べきれないので、みんなで。」オオッ!「さすがニコル、わかってる!」
そのころ名出屋城。もぐもぐ。「フォアグラソテーサンド、おいしー。」『あと極上ワインとイチジクか。質素なようで
すごく贅沢な昼食だな。』「お店で頼むと5000円はとられるわね。やっぱ自炊に限るわ。」『材料だけでも高価だぞ。』
「ところであちらの状況は?」『まもなく突入開始だ。』「あらいけない。おいしいとこ見逃すとこだった。」♪ピッ。
ぱぱぱっ。「あれがアイアンサイドね。」『陣立図を五番に。』ぱっ。『連合艦隊はデブリを利用して隠形の術。
ガンダム部隊を二手に分けて突入させるようだ。』「さてさて、GGGの初仕事、まーりゃん司令のお手並み拝見。」
アイアンサイド。「そろそろ、かしら。」「感知できてる?」「まったく。でも・・」「・・もう来てるわ、近くに。」
「情報によるとテキはGGGとかいう部隊らしいですぅ。」「実力はデータ不足で未知数です。」「なんとかなるわよぉ。
今回はこの『ビンスフィト』もあるしぃ。」ゴォォォ・・「うみゅ~、これでガンダム相手でもまともに戦えるの~。」
「正面ベイに私と三人、背面ベイへ四人向かって。」「正面行くのだわ。」「つきあうわぁ。」「やっぱ主力ね。」
「背後はまっかせなさいですぅ!」「なんとかします。」「いくの~。」「なんか、むっちゃ不安なチームかしら。」
君たちに最新情報を紹介しよう。いよいよアイアンサイド侵攻開始。
突入した機動部隊を迎え撃つは、無数の新型デスアーミィと異形のMF/MAたち。
敵の実力と物量に、未熟な機動部隊はいきなり大ピンチ。
だが、歴戦の部隊が助っ人に駆けつける!
いっぽうファイト戦線も急展開。
営業先でのトラブルが、エターナルとメビウス重工の全面抗争に発展。
夢の姉妹対決がついに実現!「生きているガンダム」に勝てるかセイバー?
次回、バーニングガンダムファイト激闘編 第30話
「ルナマリア対メイリン!地獄への回廊」へ、バーニング・ガンダムファイト!レディー、ゴー!!
これが勝利のカギだ!(斉派太極拳奥義・蓬莱架橋)
第30話「ルナマリア対メイリン!地獄への回廊」
メビウス重工・オープンハウス。ワアアアーッ!『ではここで特別ゲスト。カモン、相棒!』「はいはーい!」
『えっ?』どよっ!「ふふふのふ、ばれたからにはしょーがない。」『自分でバラしてるじゃん。』「いっせーの!」
ターン。バサアッ!オオッ!すたっ。「プリペ・ホワイトことミーアでーす!」オオオオーッ!ぱちぱちぱち!
「・・観客席から登場とは、うまい演出ですね。」「お客はんに楽しんでもらう、がウチのポリシーですねん。」
「ニコル、うちもエンターテイメント事業をやってみましょうか。」「商品開発はそう簡単ではないですよ。」
「ならば即戦力を導入するのが早道ですね。」「某球団がそれ続けて、成功したためしがありませんけどね。」
「拙速な結果のみ期待し、将来を見越したビジョンが欠落してるからです。うちはその心配はありませんよ。」
「まあそうですけど・・誰か人材のアテでも?」そーっ・・「バルドフェルドさん。」ぎっくう!「なんでっか?」
「あ、なるほど。たしかに即戦力ですね。」「いやその~、ワテが決められるようなことやないんで、上にどぞ。」
名出屋城。「なるほど、『エターナル』をまるごと買いたいと。」『おいくらですか?』「まあビジネスライクに
正直なところ、50億までいきません。売れセンとはいえ実戦力2人ですし。」『その価格ならば喜んで買います。』
「とはいえ、弊社にとっても大きな財源なのは確かですので・・どうでしょう、ひとつ妙案がありますけど。」
『・・だいたい想像はつきます。』「もし御社が二勝すれば10億、一勝なら40億で。」『その策、乗りましょう。』
♪ピッ。「ったく、この忙しいときに。」『アイアンサイド戦は記録しておく。あとでゆっくり見るといい。』
「たのむわ、シュバルツ。もし事態に急変あれば、いつでも呼び出して。」『了解した。』「さて、と。まずは・・」
ふたたびメビウス重工会場。『トレードファイト?』「そや。ウチが二勝すればよし、一敗でもしたらこちらはんに
金銭トレード成立や。」「待遇は保証しますよ。」「・・でもなんかイヤ。」「わたしは食べられればどっちでも
いーですけど。」もぐもぐ。(出店でサインと引き換えにもらったタコ焼き・焼きイカその他)「社長、そんな大事なこと
なんで勝手に!」「オーナーの天の声や。それにな、ワテもこの話おもろいと思う。」「それは?!・・でも!」
「残留にせよ移籍にせよ、やっとることの本質はさほど変われへん。お客はんに楽しんでもらう、ただそれだけや。」
「できればご飯もうちょっと食べたいでーす。」もぐもぐ。「あ、二勝したらオーナーがおごってくれるそうや。」
ぴぴくうっ!「・・ファミレ?」「好きなもん何でもぜんぶ、やて。」「メイリンさん!」がしっ!「は、はいぃ?」
「この勝負、ぜったい勝ちましょう!いえ、勝たなきゃいけないんです!」グワアッ!「わ、わかってるわかってる!」
「はぁ・・この食い意地が画竜点晴なんだよな。」「んで、どなたはんと?」「ちょうどいいカードがあります。」
名出屋城。『ええっ!』「ラクス会長と合意がとれてるわ。シルビア、クレオ、悪いけど二人のカードいただくわ。」
「ナディア、なんでそんな勝手なこと!・・シルビア?」ぽりぽり。「ぶっちゃけ、願ったりかなったりだったり。」
「どーいう意味よ!」「ハナからこの抗争、乗り気ナッシング。だいたい今回の勝利条件って?」「そりゃメビウスを
全敗させて、評判を・・」「あ、悪いけどクレオ、それもうダメです。」「マリア?」「勝敗に関係なく、闘ったこと
自体が宣伝効果になってます。重工への発注は参戦前の3倍。成果はもう出てます。」「それに例のパンドラシステムも
まだ問題ありということで商品化見送り。そっちの方面の意義も消えました。」「ケンカ買った時点で勝負あり。・・
ラクス会長にまんまと乗せられたってこと。」「さすが経済界の『メビウスの女王』、心理戦は一枚も二枚も上手ね。」
「感心しとる場合か!」「まあ落ち着け。そういう意味では、今回のトレードファイト、けっこう面白くなるよ。」
「ヨーコ、どういうこと?」「シルビア、あんたの相手になるはずだった相手は?」「えーと、ルナマリアとか・・あ。」
「そう、あのメイリンの実の姉。そして第二試合は・・」「草の根アイドル対、経済界の女王・・これは売れるわ。」
「姉妹対決に階級闘争。あの黒薔薇会シリーズ以上の話題になるわね。」「・・わかった。ナディア、プロパガンダ。」
「おまかせを。既に各マスコミに大々的に取り上げるよう手配ずみ。明日の朝刊一面はえらいことになりますよ・・」
夕刻、メビウス重工玄関前。「ほな、また。」「ご苦労さまでした。そして・・また。」「ほんじゃまたねー。」
『・・・・』「・・メイリン、今から敵同士よ。」「わかってる。」「セイバーの整備はアレクサンドラグループ
事業部に引き継いだから安心して。・・アスラン、頼むね。」「万全の状態で相対するよう、全力を傾注します。」
ブロロロ・・「・・あれでよかったのか、ルナマリア。」「リングの上では姉妹だろうが倒すべき対戦相手。ましてや
メイリンも私も斉派太極拳の高位拳士、そこのところはよくわかってる。」「イザーク、ルナマリアは手を抜くような
偽りの優しさは持ってねえよ。いや、実の妹なればこそ、全力で叩きつぶすのが最高の愛情表現じゃねえのか。」
「それは・・そうだな。」「客観的にもハルピュアガンダムの性能は旧型機セイバーの性能を凌駕してます。よもやの
不覚はほぼありえないかと。」「いいえ、勝敗にハードスペックは無意味です。・・決め手は意地、になります。」
帰り道。ブロロロ・・「・・社長、中華街に寄れます?」「メシかや?」「いえ・・ちょっと会いたい人が。」ぴく。
「メイリン、まさか?」こく。「お姉ちゃんは手を抜ける相手じゃない・・打てる手はすべて打っておかなきゃ。」
横浜中華街。ガヤガヤ・・「二時間ください。」「この辺で待っとるわ。」「では僕も。」「ごめん・・私だけで。」
「・・わかった。」カツカツ・・「中華街ゆーことは・・やっぱ白老師かや。」「はい。ルナマリアさんとメイリンの
実の祖父にして、斉派太極拳が拳聖・・かつて少林寺をただ一人で壊滅に追い込んだその人です。」「となるとや、
齢100くらいか・・仙人、いや、バケモノのほうが適切な表現やな。」「年輪を重ねた技は、日々進歩しているとも。」
『しゃちょー、アスランー、ここらでご飯にしましょうよー。』ぶんぶん。「それもそやな。」「時間もあるし。」
路地裏、鍼治療『不知顔』。「・・ここだ。」ギイッ。「いらっしゃいま・・お嬢?!」「ひさしぶり、張さん。」
「珍しいですね、お嬢がここに来るとは。・・で、何用で?」「おじいちゃんいる?」「奥にどうぞ。」ばさっ。
カツカツ・・『・・明鈴か。』「はい。」ギギィ・・「おひさしゅうございます・・白老師。」ゴオオオオ・・
「明後日の月聖(ルナマリアの漢名)との対戦じゃな。」「もうお耳に。」「チャイナ・シンジケートは光より速い。」
「斉派太極拳奥義、ご教授願いたく。」「ならば、見せてみよ。」ぴっ。「ガンダリウム合金の60mm装甲板じゃ。」
「寸毫壁貫の行・・では。」すっ・・ぴっ。「・・はっ!」ドンッ!バゴオオオーン!ガラガラン!シュゥゥゥ・・
「見事じゃ、よくぞ一寸の間合いより打ち抜いた。奥義継承の資格ありと認め、これより伝授する。」「謝々。」
二時間後、ロケバス前。「・・あ、来ました。」ヨロヨロ・・「なんか変やな。」ヨロヨロ・・「お待た・・せ・・」
グラッ・・「おっと!」がしっ。「いったいどうしたんだメイリン!」「・・おなかすいた~。」『・・はあ?』
「はいメイリンさん、お持ち帰りの肉まんです。」ひょい。「ありがと!」ばくばく!「どうやら心配無用のようやな。」
「そういえば昼食以来、何も食べてなかったはずでした。」「・・ふう~。ちょっと激しい運動したもんで。」
「いったい何を?」「明日のために。・・ということで。」『はあ?』「えぐりこむよーに打つべし。」しゅしゅっ。
ブロロロ・・「す~・・」「すかぴー。」「ミーアはどこでも寝れる子やが、メイリンはよほど疲れたんやな。」
「そうですね・・白老師に教えを。」「ルナマリアはんて、どのくらい強いんや?」「男なれば確実に斉派太極拳
正統継承者になれたでしょう。」「別に女でもええやないか。」「しきたりです。・・ゆえに彼女は家を出て、
自立への道を選んだのです。」「以下同文で、メイリンもやな。」「はい。・・けど白老師は継承者候補よりも
孫娘たちを愛した。ゆえに中華街の守護となり、二人を陰ながら見守っているのです。」「たしかに白老師が来てから、
中華街の治安はいっきに良うなったらしいな。」「街を荒らす連中を次々と撃滅したそうです、たったお一人で。」
「その拳鬼の血を受け継ぐ姉妹・・どっちも血は濃いようやな。」「ひょっとすると、それ以上かも・・」ちらっ。
翌日、メビウス重工裏手の海岸。ザァァン・・「はぁぁぁ・・はっ!」ドンッ!ズバシャアアアーン!『おお・・』
「突きで海面を割るか。」「不可視の気拳だな。」「はぁっ・・」ふわっ・・ピチャッ。「海面に・・立った!」
オォォォ・・「バカな・・物理的にありえん!」「いや、足元をよく見な。」びっ!「・・あれは?」キュィィ・・
「な・・なんだあの波は?」「気功の波動だ。あれが斥力として作用してるんだろう。そして。」すっ、ひょい。
「石?」「ほいっ!」ビュッ!「・・!」パキイイイーン!『おおっ!』パラパラ・・「微動だにせず石を粉砕した!」
「これが・・斉派太極拳。」ぴちゃぴちゃ。タン・・ザッ。「・・ふぅぅ~。しばらくやってないから疲れる。」
「いけそうか。」「なんとかなりそうね。けどメイリンもかなり場数を踏んでる。正直、きびしい戦いになりそう。」
「なーに、ハルピュアガンダムの性能もあるさ。」「そういえば『生きているガンダム』と言ってましたけど?」
「そうか、ニコルは未見だったな。」「今から搭乗テストする気だったから、見るといいわ。」「じゃあドックへ。」
ゴォォォ・・「・・特に普通のガンダムですけど?」「外見はな。だが中身がちがう。」「中身?・・」ひょい。
「・・うっ?!」ドクンドクン・・「な・・なんですかこれは!」「見てのとおり、筋肉さ。」「・・筋肉?」
「正しくは人工筋肉『アダム』。原理は生身の筋肉と同じで、最先端生体高分子素材で造られてる。これで標準型
アクチュエーターの1.5倍の耐久性と2倍の反応速度を生み出す。」「これが全身に・・」「次世代MS技術をにらんで
開発していたのを試験的に導入したのさ。とはいえ品質は保証付きだ。」『じゃあ動かすわよー。』『おー。』
スッ・・ズーン。「・・駆動音がほとんど無い。」「いろいろやってみろー!」『体式でもやってみますか。』
スゥゥ・・ビュッ!『はっ!』タン!・・ザザッ!「・・まるで生身のような滑らかな動き。緩急も無理がない。」
『はいっ!』シュパッ!「掃腿があんなにきれいな弧を!」「予想以上だな、こりゃ。」「ああ。・・こいつは
パンドラより売れるかもしれんぞ。」「いえ、それは難しいと思います。」「なんでだニコル。」「整備点検です。
従来の機器では、この擬似生体駆動系は整備できません。やるなら専用整備機器も必要です。」「なるほど・・」
「セットにすると、えらいコスト高になるな。」「まだ時代が追いつかない、というわけか。」「けどこの次世代
駆動系技術は特許になります。その方面で仕込みをしておけば、おそらく数年後には莫大なライセンシーが。」
「う~ん・・そういう金儲けは好きじゃないな。」「技術独占は世界のためにならねえ。むしろ金で買えねえ伝説と
信用を俺はとりたいぜ。」「技術公開によるグローバル・スタンダード化・・それはそれで魅力的ですね。」
『気砲やってみようか。はぁぁぁ・・はっ!』ドグオオオーンッ!『なにいっ!』ズドシャアアアアーッ!・・
『な・・なに今の?あんな強力な気砲打ってないよ!』「・・ルナマリア、出力データを確認してみろ。」
『ちょっと待って・・あっ!・・およそ2倍に・・増幅されてる・・』「やはり、な。」「どういうことです?」
「予想もしてなかった副作用だ。・・『アダム』は気力増幅効果がある。」「・・あー、わかった。人工筋肉は
体液にほぼ近いエネルギー循環液を通してる。さらに筋肉自体も気を通すことで、システム全体が共鳴して、
増幅する結果となったんだ。」『・・つまり、ノーマルでもハイパー状態時のパワーを発揮できる・・のね。』
「こいつはまだまだ未知の可能性があるぞ。ディアッガ、さっそく研究だ。」「面白くなってきやしたよ。」
パシュ。カツッ。「・・メイリン、強くなってなさいよ。あっさり秒殺だなんて、ちっとも面白くないから・・」
そのころ、ローゼンクロイツ66階「博士の檻」。『ほほう、君が尋ねてくるとは思わなかったな、「無限の輪廻」。』
「在学中にはお会いできませんでしたが。」『ほとんどの生徒がそうだ、気にすることはない。・・話を聞こう。』
「お手元の資料は、私で調べられるかぎり調べたミーアの情報です。」ぱらぱら・・『ふむ・・なるほど。で?』
「心理分析をお願いしたいのです。」『優秀なプロファイラーなら金しだいでいくらでもいるのに、なぜ私に?』
「その資料を読んでて、おかしなことに気づいたからです。・・履歴と実力が合いません。たしかに出雲舞闘術の
伝承者ですが、特に過酷な鍛錬や修行をした記録がありません。」『ああ・・その答えは実に単純だ。たしかに技は
修行をして身に付けるのが普通だが、それは肉体と精神にパターンを記憶させることだ。ここはいいな?』「はい。」
『だがそのパターンが遺伝子レベルで既にプログラムされてる場合、新たに記憶させる必要はない。』「・・あ。
それは血統のことですね。」『そうだ。よく言う世襲制というものは、先祖から連綿と受け継いできたプログラムを
新たな筺体に差し替えることだ。むろん代々での修正・更新の蓄積もだ。』「・・それは高等技術ほど顕著になる。
既に基盤があれば、それは新規入力よりも格段に。さらに。」『環境だ。世襲となれば呼吸をするようにその環境に
生きることになる。・・君もそういう意味では同じだろ?』「・・はい。答えは己自身にありましたね。」ふっ。
『・・ふむ、社会に出てだいぶマシになったようだな。』「え?」『あの頃の君は憎悪と傲慢に満ちていた。しかし
プティ・スールを迎え、卒業後に世間の風に当たり、そして企業の長として人を使うことの難しさも知った。・・
もともと素養は悪くなかったので、収まるべきとこに収まりつつあるともいえる。』「・・現在進行形ですね。」
『そう、今の君に必要なもの・・それは強敵だ。』「・・ミーアが。」『はっきり言おう。今のままでは勝利は
かなり難しい。』「・・何が私に足りないのでしょうか。」『逆だよ。・・ありすぎるんだ。』「え?」『守るもの・
得たいもの・失いたくないもの・・どれもあるだろう。』「・・はい。」『さて対するミーアだが、そういったものが
いっさい無い。』「?・・でも。」『おそらく負けて移籍しようが、彼女にはどうでもいいことだろう。ただ純粋に
歌って踊って観客に喜んでもらう。ファイトも彼女にとっては、その延長線にすぎない。ついでに自分も楽しければ
何もいうことはない・・それが彼女の行動原理だ。』「・・勝敗すら眼中に無い相手。」『以上がプロファイリングだ。
ついでに君のもやったようなものだが、まあ比較対照として必要だったのでな。』「・・ありがとうございました。」
『いざリングに上がれば、もはやすべきことはただ一つ。・・もうわかるな?』「・・はい。とても勉強になりました。」
夕刻、浜松町「エターナル」。「ええか、明日の試合に向けて、晩メシは戦闘食や。ミーア。」「はいどうぞー。」
ドン。「ゲッ!・・ドンブリ飯?」「一杯で二合半ですよー。」「すごいな・・」「オカズはこっち。」どさっ。
「・・お味噌汁と花かつを?」「戦国武将は普段は素食で身体を絞り、いざいくさのときだけ山盛り飯をかっこんで
爆発力を付けたんや。そして味噌と鰹節の高タンパクは効率的にスタミナを得られる。」「低脂肪食でもありますね。」
「いただきます!」バクバク!じゅるるる~っ!「ご相伴しまーす。」ばくばく!「あの~・・いいんですか、あれ?」
「まあええんやないか、たまには。」「おっかわりおかわり♪」ぱんぱん。「・・五合は軽くいってますけど。」
「ぷは~、食ったくった!」ばたっ。「メイリン、食べてすぐ横になるのは、はしたないぞ。」「ええんやええんや。
いま食ったもんを即座に消化させて、全身にエネルギーを回すにはこれが一番なんや。」「そうなんですか?」
「ごちそーさま。」ぱんっ。ガチャガチャ。「食器は洗い桶にほりこんでと。」ぽちゃぽちゃん。「一晩水に漬けとけば、
ご飯粒も明日にはきれいに取れてると。」ぱんぱん。「ほな、風呂入って今日はとっとと寝てまえ。」『はーい。』
「す~。」「すぴ~。」「・・ここに来てから、メイリンは変わりました。」「ん?」「以前よりはるかに楽しそうに
仕事をこなし、レッスンも自分で工夫して率先してやってます。歌唱力・表現力・ダンスも劇的に上達しました。」
「ワテはなんもしとらんけどな。」「そこです。押しつけでなく、自分で考え、自分で作る・・その喜びこそが。」
「せっかくの仕事や、どうせなら楽しんでやったほうがええにきまっとる。」「それは僕たちジャーマネも、ですね。」
同時刻、横浜中華街。「やはり月聖も来たか。」「・・もうメイリンも?」「昨日にの。」「先こされたか・・老師、
メイリンは何を?」「それは秘密じゃ。手の内を知っては面白くあるまい?」「・・そうですね。では私にも奥義を。」
「攻手・守手・擲手・極手から選ぶがよい。」「もちろん攻手を。」「攻撃奥義じゃな、よかろう。」すっ・・
カツッ。「授けるは『太極覇道砲』。まずは気砲を練れ。」「はぁぁぁ・・」ゴゴゴゴ・・「ここからが通常の気砲と
異なる。生み出した気弾を両手で押しつぶせ。」「はああっ!」ググググッ!「圧縮された気弾にさらに気が加わる。
そこから気を洩らさぬよう蓮華手で放て!」「・・はっ!」ドグオオオーン!ズガガガガーッ!・・「・・うわ~、
どでかいトンネルができちゃった!」「直径3m・長さ10mくらいか・・初手にしては、たいしたものじゃな。」
「・・これなら勝てる。」「かもしれん。じゃが忘れるな、メイリンも奥義を会得しておるということを。となれば、
奥義の使いどころが明暗を分けることになろう。」「ありがとうございました。・・メイリンは何の奥義を・・?」
(・・この勝負、先は見えたか。もし明鈴があの奥義を正しく使わば、この太極覇道砲とて紙鉄砲も同然じゃ・・)
ワーワー!「さて、今日の第二試合は諸般の事情によりカード変更となりました。」「予定ではチーム『メビウス四銃士』
ハルピュアガンダムに対すんは、チーム『女帝のフォアカード』イリュージョンガンダムの試合やったけど、一昨日に
いきなりチーム『エターナル』のドラゴンセイバーガンダムになったんですわ。」「しかもプレスリリースによると、
これに始まる二連戦でエターナルがひとつでも負けた場合、メビウス商事に金銭トレードされるとのことです。まさに
事務所の未来を賭けた天王山!」「企業戦争よか、こっちのほうが盛り上がるな。しかも今回のファイトはもうひとつ
盛り上がる要素ありや。なんと姉妹対決!」「そう、ハルピュアのルナマリア選手とメイリンは実の姉妹。どちらも
斉派太極拳の高位拳士で、その実力はほぼ互角とのこと。」「普段は仲のええ姉妹やそうやが、それだけリング上では
壮絶な闘いが期待できまっせ。」「で、そのハルピュアだけど・・特に変わったところは無いね?」「お約束のバルカンは
ともかくとして、ビームサーベルすらオミットしとるな。」「純粋な格闘戦仕様というわけね・・ん?」「なんや?」
「いえ・・あのハルピュア、どっかおかしい。具体的に何かとはわからないけど・・」じーっ・・「・・たしかにな。
どっか間違ごうとるような・・あ。」「わかった?」「関節部や。お約束のアクチュエータがどこも見えんのや。」
「あ・・それだ。防塵カバーでもしてるのかな?」「局地戦用MSならともかく、ファイトにはジャマなだけやけどな・・」
ザッ。「いよいよね、メイリン。」「お姉ちゃんが上司とかなると、いろいろウザいんで、ここは勝たせてもらうよ。」
「いいでしょう。この『月聖魔伝』に勝てるものならね、『明鈴葬送』。」「なつかしー。ひさびさに糺を聞いた・・」
スッ・・「・・どっちも気合入っとる。」「仕切りでこれほどの緊迫・・」スゥゥ・・「月夜に舞え、ハルピュア!」
「天宝来々、ドラゴンセイバー!」♪パチン!ギン!ドドドド・・『バーニング・ガンダムファイト!レディー、ゴー!』
「練気!」キィィィ・・「破弾!」シュドドドッ!「おっとっと。」パパパッ、ドカドカドカーン!『おおっ!』
「なんて威力の気弾なの!」「まるで砲弾や・・しかもマシンガンなみに連射がきくとは、恐ろしいまでの気力や。」
「地斬!」ドシャアアアーッ!「うおっと!」ババッ!ズガシャアアアーッ!「まだまだ、一本じゃないよ!」
ビュビュッ!ズガガガーッ!「ハルピュア、すさまじい連続攻撃!」「いや。・・セイバーは全てお見通しや。」
シャシャッ!「・・スキあり!」ダン!「と思うよね?」ヒュルッ、わしっ。「えっ?!」グン!「転輪肘!」
「いけない!」「アームホイップからエルボーにつなげる高等技、決まったら致命傷や!」「・・なんの!」
グィン!ガキイッ!「・・ドラゴントンファーをクサビに?!」「逆転の・・」ダン!ギュン!「なあっ?!」
「ドラゴントンファーをまるで鉄棒のように?」「こないな応用が・・」グィン!「パージ!」ババン!「外した?」
ギャルルッ!「二回半ひねり・・あれはもしや!」「ムーンサルトや!」「月面宙返り落とし!」ズダダーン!
「がはあっ!」ババッ、ザザーッ。・・「ふうっ!・・斉派太極拳だけが技じゃないよ。」ユラ・・ドドーン。
『ああっ!』「もう決まっちまったのか?」「予想外に強いぜ、妹ちゃん。」「・・いえ。」『ニコル?』
「よく見てください、レフェリーはまだテンカウント中で、KO宣言しようとしません。」「・・そういえば。」
「なんでだ?」「それは簡単ですよ。ルナマリアはまだ負けていないからです。」「けど会長、あれじゃ・・ん?」
ぴくっ。「おっ・・あんにゃろ、カウントギリギリまで休んでやがる。」「この激戦で、たいした余裕です。」
「セブン、エイト、ナ」ばっ。「セーフ。」「ハルピュア、カウント9でどうにか立ちました。」「いんや、あら充分
余裕をもって立っとる。カウント中にダメージ回復しよったか。」「・・やっぱり、あんまり効いてなかったね。」
「いやいや、けっこーあぶなかったわ。」コキコキ。「まあ、主武器を封じただけでもよしとしとこうか。」はっ。
「・・最初からそれが狙いで。」「そう・・お楽しみはこれからよ!」ダッ!シャシャシャッ!「なっ?!・・疾い!」
「ハルピュア、ものすごいスピードで疾走!」「な・・なんやあの走行スピードは?アクチュエータの限界以上や!」
「くっ!・・これほど速いとは。」「さあ、そろそろいくよ。」ヒュイッ、ぴた。「・・え?」「激掌!」カッ!
バゴオオオーン!「がはあっ!」ズガガガガーッ!・・「密着させた掌底から強大な気を撃ちよった!大ダメージや!」
「セイバーの胸部が、まるで重砲の直撃を受けたようにグシャグシャに!」「・・あら肋骨の二・三本じゃきかんで。」
「ぐ・・ガハッ!」ボタボタッ。「・・肋骨6本、右肺・・脾臓破裂・・ふうっ・・」キィィィ・・「・・気功よし。」
「気功による応急手当でも、今のダメージはリカバーしきれないはず・・でも。」ユラ・・ザン!「まだまだ!」
「ふっ・・それでこそわが妹『明鈴葬送』よ。ならば!」ばっ!キィィィ・・「!・・あれは斉派太極拳奥義。」
「そのとおり。宇宙戦艦すら一撃で粉砕する、これが!」キイイイ!「太極覇道砲!」カッ!・・ドグオオオオーン!
『うわあああっ!』「こ・・これは!」「石破天驚拳以上の気弾や!」ブオオオオッ!「・・セイバー、動きません?」
「足がすくんだかや?」「・・斉派太極拳奥義・吸気大法。」すっ・・ぴたあっ!『止めた?!』「はぁぁぁ・・」
ギュイイイーッ!「な、なに?」「気弾が・・縮んでいく?」シュゥゥゥ・・「・・消えた?」「ふうっ・・ありがと
お姉ちゃん、おかげで完治したよ。」「・・まさか?!」「わかったで。・・セイバーは気弾を吸収同化したんや。」
「ええっ?!・・そんなことできるの?」「むろん簡単やない。が、攻撃やろうが治癒やろうが、同じ生体エネルギー、
やってできんこたないで。」「・・そうか、これがメイリンの学んだ防手奥義!」「闘いは攻撃だけじゃない、むしろ
相手の最大攻撃を打ち消すことで!」ドン!「はっ?!」「大きな隙が生まれる!」ガシッ!「正面からつかんだ!」
「はあっ!」グン!「ブレーンバスター?・・いや!」ギュン、ガギィッ!「ぐあっ!」「斉派太極拳奥義・蓬莱架橋!
はあああーっ!」ダーン!・・ダダアアーン!バギボギイッ!「がはっ!」「・・アルゼンチン・バックブリーカー!」
「しかもジャンプでダメージ倍増や!」「これは私のオリジナル。伝統を守るだけじゃなく、新たな技を生み出すのも、
高位拳士の義務だよ・・」ぱっ、ズルル・・ドドーン・・「勝負あり、ドラゴンセイバー!」「まず一勝!」びっ!
タタタタ・・「おいルナマリア、生きてるか!」パシュッ。「・・あいたたた。コシおもいっきり伸びたわ。」
「おー、やっぱ元気だ。まあこの超合金オンナが、このくらいでくたばるタマか。」「なんだとてめえ!」がしっ!
メキメキ!「いででで!・・でもキモチいーかも♪」「・・え?」「スーツの感触がなんともいいねえ~。」
「!・・この・・フェチが!」どばしいいいーん!「うんうん、ディアッガの気持ちもわからんでもないか。」
「ある意味、丸出しよりもエロいですからね。」「そう、これがワビサビというものなのだよ。(すぐに復活)」
「コイツらは~・・」「まあまあ、まだ一試合あります。」「そっか、次は会長でしたね。」「まかせてください。」
ツカツカ。「!・・メイリン。」「・・ふっふっふ、あたしの勝ちいい~っ!」ぶいっ!「あんたね!いつから斉派は
プロレスになったのよ!」ちっちっち。「アタマ古いな~。そんなんじゃ日進月歩の近代格闘シーンに乗り遅れるよ。
使える技に流派なし。あの流派東方不敗だって、それでユーラシア最強の座にあるんだから。」「そのとおりですよ。」
「会長?」「伝統にすがる流派に未来なし。基本精神を保ちつつ最新技術をも取り込むことは、技術界でも常識です。」
「う・・そりゃあ・・ね。」「・・そのラクス会長の流派は?」「流派東方不敗。」「な・・なんですって!」
一時間後「エターナル」。「ラクス会長が・・」「流派東方不敗・・いうまでもなく、強敵中の強敵やな。」
「ミーア、そういうわけだから、じゅうぶんに気をつけて。」「んー、何をどう気をつければいいんですかねー?」
「それは・・」「まー、いつもどおりでえんやないか?いまさらジタバタしても、どもならんわ。」『しゃちょー!』
「あ、そーだ。また長屋へお昼呼ばれに行こっと♪」「あー、そらええな。ついでにスパっとくとえーわ。」
「いってきまーす。」トントントン・・「・・本末転倒。」「・・いや、ミーアはこれでいいのかもしれない。」
「アスラン?」「鉄壁の平常心・・それがミーアの強さかも。」「ちょっとちゃうな。あの娘は思考回路が常人以上に
シンプルなだけや。」「・・バカ?」「いや。・・漏尽だ。」「え?」「ほっ、ようそないな難しい言葉知っとるな。」
「禅宗は興味あるので。・・瑣末な物事に拘らず、ただ流れゆく雲の如く自由な精神・・悟りの一種ともいえる。」
「俗世間にまみれたワテらでは、とうてい到達不可能な境地や。やがミーアならば・・」「・・たしかに。」
メビウス重工裏手の海岸。ザザーン・・「・・ミーアか。出雲流舞闘術、とても楽しみです。」スッ・・♪ポロポロン。
ザワザワザワ。「流派東方不敗・妖琴掌、あなたの葬送曲・・『霊喰餌』を奏でましょう。」♪ジャラン!ドォンッ!
ドパアアアーン!「リングで思う存分舞いなさい、私の伴奏で・・死の舞闘(ダンス・マカブル)を。」サァァァ・・
君たちに最新情報を公開しよう。
トレードファイト第二戦、セレブ女社長 Vs 銭金アイドル。
だがこの試合、互いの強力奥義が相打つ壮絶な展開に。
ベアトリーチェの死のメロディと、キャンベルのバトルダンスの血の競演。
まったく相容れぬ二人が、言葉ではなく舞と琴で語り合う。
次回、バーニングガンダムファイト激闘編 第31話
「ラクス対ミーア!鋼鉄のライブ」へ、バーニング・ガンダムファイト!レディー、ゴー!!
これが勝利のカギだ!(出雲舞闘術奥義・虹渡り)