機動武闘烈伝ダブルGガンダム   作:風雲再起

2 / 27
「さてみなさん、今日のお話はちょっと視点を変えて、サポートクルーの目から見てみましょう。
ネオフランスはガンダムロイヤルローズとネオドイツはガンダムデス13のカード。主役はマリアルイゼ姫です。
なんとネオフランス王女でありながら、彼女はローズのメカニックチーフであります。前回大会で刺激を受け、
この二年間でメカニックとしての猛勉強をしたのです。もっとも、直接の教師はレイモンド氏ですが。
どうやら姫はこの方面に隠れた才能があったらしくメキメキと腕を上げ、念願叶ってチームの一員になりました。
とはいえメカニックだけではなく、ネオフランス王女としての公務もありますから、芸能人なみのハードな
スケジュールをがんばってこなしています。これもやはり愛する人のため、それひとすじゆえでしょう。」

「それでは!ガンダムファイト!レディィィーッ、ゴオオーッ!」

第十二話「私のローズ!奮闘プリンセス」

ヨーロッパ一、二をあらそう大貴族、サンド家とシュトラウス家。両家の対戦は社交界のトップニュースである。
試合前日、シュトラウス家主催によるパーティーが開かれ、ネオフランス王女マリアルイゼも久々にドレス姿で
出席した。準備で忙しいジョルジュの代理でもある。ガヤガヤ・・「これは姫様、お久しぶりでございます。」
「ヴァーミリオン・シュトラウス卿。ファイトの方も順調に勝ち星をあげているそうですね。さすがです。」
「お誉めに預かり、恐悦至極にございます。」「ジョルジュは明日に向けてまだ調整をしておりますので、
わたくしが代理で参加いたしました。これも卿とのファイトに全力を注ぐためと、ご容赦くださいませ。」
「ファイターがファイトに全力を傾注するのは当然のことです。正直、試合前日に失礼ではと思ったのですが。」
「いいえ、だいじょうぶです。ガンダムローズに関しては、わたくしがいつでも使えるよう整備しておりますので。」
「・・姫様がサポートクルーとして参加しておられるのは存じておりましたが、まさかメカニックとしてとは・・
意外です。」「リングの上では、実力のみが全て。身分など何の役にもたちません。だからこそ、わたくしも
一メカニックとして、ジョルジュが全てを出しきれるよう、全力でサポートするのです。・・明日はお覚悟を。」
ヴァーミリオンは、姫の瞳に燃える炎を見た。それはファイターをも凌駕する熱き闘志の炎であることを・・
「ファイターとクルーは一心同体・・それがロイヤルローズの強さの秘密ですね。不肖ヴァーミリオン、姫様の
その思いを無駄にせぬよう、明日の試合、全てをもって相手をさせていただきます。」「よしなに・・」

キーン!カキーン!「レイモンド、もう一本!」「はっ!次はからめ手でまいります!」ビュッ!「せいっ!」
キキキーン!「まだまだ!」ジョルジュとレイモンドはローズのドックで深夜のトレーニングを続けていた。
ガラガラ・・「ただいま~。」「ん?・・姫さま、お帰りなさい。」ツカツカ・・「あ~、もーいや。こーんな
暑苦しいドレスを着て、何時間も作り笑いしてるなんて。私はファッションモデルではありませんですわ。」
「まあ、王家の者としてはこれも・・」「わかってます。ちょっと愚痴っただけです。さて、シャワー浴びてから
ローズの最終点検をしておきますわ。」ばさっ。「姫さま、でもここ2日ほど徹夜続きではございませんか?」
「大丈夫です。車で30分ほど熟睡しましたから。明日のファイトが終われば、向こう一週間は予定がないので、
一日寝かせてもらいますわ。ジョルジュこそ、明日に備えて早く休んでください。」バタン。シャァァァ・・
「・・レイモンド、姫さまは本当に大丈夫なのか?」「はい、すさまじい気迫ですので、ファイトが終わるまでは
何とか・・わたくしが手伝おうとしたら、邪魔者扱いです・・」「うむ・・私もこないだスパナを投げつけられた。
整備中の姫さまは修羅のような気迫だ・・」『レイモンド~!バスタオル~!』「あ、ただいままいります!」

深夜・・カタカタカタ・・「・・あれ?第三アクチュエータのレスポンスが遅いわ・・新品パーツだから調整が
不十分なのね。これじゃトレースとずれる・・再調整しなきゃ。」『マリアルイゼ様、そろそろお休みください。』
「レイモンド、あとちょっとで終わりますから、先に休んでください。」『・・お手伝いいたしましょうか?』
「いえ、ほんとにすぐですから。」『そうですか・・それでは失礼いたします。』「ええ、おやすみなさい・・
さて、さっさと再調整しよ。」カタカタ・・「・・げっ、接続不良?!たく、これだから未慣らし部品は~!」

そして次の朝。トントン。「姫さま、そろそろ・・おや?」カツカツ。「おはようございますジョルジュ様。」
「レイモンド、姫さまはもう起きられたのか?」「いえ、今朝はまだお目にかかっておりませんが・・もしや?!」
「まさか・・ドックに?」「姫さま、失礼いたします。」ガチャ。「・・やはり!お寝巻きは昨夜のままです!」
ガラガラ・・「姫さま、おられますか?・・いない。」「コクピットでは?」カンカン・・そっ。「・・やはり。」
「スー・・スー・・」(徹夜で整備しておられたのですな・・)(それでそのまま寝てしまったのですね・・
いい顔してますね。)(まことに・・オイルとグリスで汚れてようが、これ以上ない最高の寝顔でございます。)
(ああ・・でも堅い床ではいかにも寝苦しそうです。)(では何か枕になるものを。)(いえ、これでいいでしょう。)
そっ・・すっ。(ヒザ枕でございますか。)にこにこ。「う・・ん・・ジョルジュ、勝つのよ、ローズと共に・・」
「必ず勝ちます。姫さまのために・・」「よろしい・・」にこっ。(レイモンド、しばらくこのまま・・)
(わかりました。目覚めのコーヒーと朝食を用意しておきましょう。)(着替えと湯も。)(かしこまりました。)

ほどなく・・「・・あ、やだ、わたくし寝ちゃってたんですか?・・え?・・ジョルジュ!」「おはようございます。」
「これは?・・ヒザ枕?!」かあっ。「い、いつからです?」「ざっと10分くらいです。(ホントは一時間)」
「もう!なんで起こしてくれなかったのよ!」「姫さまの寝顔があまりにも可愛いもので、ついつい見とれて
時を忘れてしまいました。」「(真っ赤・・)・・ま、まあいいですわ。いま何時ですの?」「えーと、10時です。」
「ええっ?!試合開始まであと3時間じゃないですか!急ぎませんと!」「会場まで30分もあれば着きます。
まだまだ余裕ですよ。」「でも早く会場に行って始動点検とかちゃんとしておきませんと!」「では聞きますが、
ローズの調子に不安でも?」「ありません!わたくしのローズはカンペキです!」「では姫さまを信じます。」
「も、もう起きます。」「そうですか?まだこうしていたかったのですが、残念です。」すっ、くいっ。
「レイモンド、姫さまのお起きです。」「まずおフロへどうぞ。」「・・そういえば昨夜から着たきりスズメでした。」
くんくん。「・・うっ!オイルと体臭が混ざってヘンな臭いになってる~!」「私は好きですよ、その香りは。」
「げっ!・・ジョルジュ・・もしかしてヘンなシュミありません?(一_一;」「ないない、ありませんってば。」
「ベトベトのドロドロでプンプンなのがそそるとか・・」「どこでそういうのをおぼえてくるんですか~!」
「ああ、わたくしも結婚のあかつきにはいろんな趣向をこらさなければなりませんのね・・今からいろいろ
考えておきましょう♪」わくわく。「レイモンド・・」「はっ、便所スリッパでございます。」すぱあああーん!
「あいた~!」「お目がさめましたか?」・・ぱちくり。「・・あらやだ、急ぎませんと。」ぱたぱた・・
「レイモンド・・姫は最近とみに耳年増が進行していないか?」「は・・どうやらギアナ合同合宿のとき、
他国のサポートクルーにいろいろ教わったようで・・いろいろな意味で。」「アレンビーかチボデーギャルズ
あたりでしょう。女性はひとつ部屋で寝てましたし。」「でも・・楽しゅうございましたな。」「ああ・・」

ベルリン・旧議事堂前広場特設リング。ワーワー!「すごい観客の数ですね。」「ヨーロッパじゅうから
観戦に集まっておるようですな。」「観客が多ければそれだけファイトにも力が入るというものです。」
「ジョルジュ、ローズの調子はカンペキですわ。がんばってくださいね。」「では行ってまいります。」
ぐっ、「えっ?む!・・」「おっと、ハンカチを・・」ぱさっ。(目隠し)「・・ふぅ。」「これで元気百倍です。」
「・・これで負けたら許しませんわ。」ふら・・「そのときはお詫びのキスを。」「ばか・・」「では!」

「これよりガンダムデス13対ガンダムロイヤルローズ。両者、中央へ!」ザッ。「ジョルジュ・ド・サンド。
この日を楽しみにしてました。」「ヴァーミリオン・シュトラウス・・騎士の誇りにかけて!」『正々堂々!』
「はじめ!」『ガンダムファイト!レディー、ゴー!』「死神の霧!」シュゥゥゥ・・「こんな霧など!
いけ、ローゼスビット!」キュキュキュッ!「全方位にビーム発射!」シュババババーッ!・・ピン!
キラッ。「そこだ!シュバリエサーベル!」シュバッ!ザガアッ!『なにっ?!・・そうか、ビットを
ソナー代わりにしたのか。」スゥ。「アクティブ・クロークだけでしたか。おしい。」「バトルモード!」
ガシャン!「いくぞジョルジュ!」ヴオン!ダッ!「こい!ヴァーミリオン!」シャッ!ガキイイーン!
「地獄輪舞曲!」シュバババッ!「回転連斬!くっ!」キキキーン!「クレッセントシュート!」シュバッ!
ザガガガーッ!「衝撃刃か!クロスシールド!」バキイイイーン!「そこです!スカーレットニードル!」
シュバッ!「なんの!サバト・クレッシェンド!」ビュオッ!ガキイイーン!「でりゃあああーっ!」ブン!
ドカアアアーン!「ぐうっ!蹴りとは!」ザザザザーッ!「いくぞ、ローゼスビット!」シュバババッ!
「しまった、この間合いは!」「血に染まれ!バンパイア・ローズ!」キュキュキュッ!ドガガガガッ!
「ぐわあっ!ビットが突き刺さるとは?!」「バンパイア・ローズの砲身はドリル状になってます。
すなわち装甲を貫き直接ビームを射ち込む!」カアッ!ドドドドン!「ぐうっ!こんなもの!」ブン!
ズバババッ!「斬りおとせる数ではない!」キュバババッ!ドカドカドカッ!「うわぁぁぁっ!」
「バラの赤は血の色・・美しき最後を。」すっ・・「爆滅!ローゼス・インフェルノ!」パチン!ドドドドーン!
「うおおおおおーっ!」ゴォォォ・・ユラッ・・ドドーン!「勝負あり!ガンダムロイヤルローズ!」
「やりましたわ!」「見事な勝利でございます!」「レイモンド!勝ったのよ、わたしたちのガンダムが!」
「はい!わたくしたちのガンダムが!」ちゅっ。「おほっ!執事生活40年、これに勝る光栄はございません!」

「・・負けたよ。お前にというより、姫さまにな・・」「そうです。ローズの力は私だけでなく、レイモンド、
そして姫さまがあればこそ。三人の魂がこもっているからこそ、全ての力を出しきれるのです。」「三対一では、
勝負は決まっていた・・これがガンダムファイトなのだな。」「まさに。私にその事を教えてくれたのは、
あそこで喜んでいてくれる二人なのです・・」『バンザーイ!バンザーイ!』「・・うらやましいぞ。」ふっ。

飛行船ダモクレス。「レイモンド、姫さまは?」「見ておりません。はて、ローズの整備は終わったはずですが。」
「まさか・・また?」カツカツ・・シュッ。「・・コクピットが開いてるな。」「まさかまたあの中で?」
そっ・・「・・おや?いませんね。」「ここではないとすると、いったいどこへ?」ひくひく・・「ん?・・
このニオイは・・もしや。」さっ。パシュ。(・・いました、ランダーのコクピットに。)(そんなところに?)
「ス~・・ス~・・」(シートを倒してよく寝てます。)(整備で疲れてここでバタンキューだったのでしょう。
ベッドにお連れしますか?)(いえ、起こすのはかわいそうです。・・食事と濡れタオルを置いておきましょう。)
「ジョルジュ・・」ぎくっ。「ん~・・」(寝言のようですな。)「もう・・激しいんだからジョルジュったら・・」
(なっ?!)「もう一回?うふふ、いいですわよ。思うぞんぶん$$$$$$$$(以下ヤバいので省略)」
(ななななっ?!)(ほうほう、良い夢を見ておられるようですな♪)(し、しかし・・)「あん♪そこは・・
そんなに*******(激ヤバなので削除)」(こらこらこら!)(まあ夢のことですから穏便に穏便に。)
(し、しかしこれでは私が!・・ん?)すっ・・「うんっ♪・・」(れ、レイモンド!これ以上いては危険です!)
(同感です!さっさと退散いたしましょう!)ささささっ!『あ、あぶなかった・・』「見てはいけないものを
垣間見るところでした・・」「ま、まあ姫も思春期ですから・・」「濡れタオルですが。」「多めに置いておきます。」

みなさんお待ちかね!鈴麗はいよいよマスターに挑戦!
勝てなくても、絶対負けはしない!決意を胸にリングへ上がる!
この巨大な壁を打ち破ることができるのでしょうか!
次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第13話
「負けるもんか!鈴麗、マスターに挑む」に、レディー、ゴーッ!

**********************************

「さてみなさん、今日のカードはガンダムハイマスター対アルトロンガンダム。そう、ガンダムファイターの
最高峰ともいえる優勝経験者と新人ファイターのファイトです。このカード、どうも腑に落ちない方も
いるかと思います。決勝リーグならともかく、サバイバルイレブンでこれほどレーティング差のある対戦が
行われるものなのでしょうか?これは横綱に幕下が挑むのと変わりません。はっきりいえば無茶なカードです。
実はこれにはちょっと特殊な事情が背景にあります・・まずはだまって以下の会話をお聞きください。」

「なに?ワシに新人をぶつけるだと?」「はい、マスターアジア。この対戦、ぜひとも受けていただきたいのです。」
「理由を聞こう。なぜにそのような無謀なカードが必要なのか。ナディア殿には再生時に保護してもらった恩義は
あるが、それはそれ、これはこれだ。」「説明します。・・早急なレベルアップには強敵にぶつけるのが一番。
二人にはいまそれが必要なのです。」「・・ファイブカードか。他の三人は?」「一人にはもう必要ありませんし、
あとの二人はそもそもファイターではありません。」「なるほど・・たしかにその二人はファイターであるが、
まだまだ経験不足じゃな。」「それにこれは私の独断ではありません・・「女帝」の意思です。」「なんと?!
まさかバベルの・・」「いえ、その代理たる「エンプレス・オブ・ギャラクシー」からですが、その言葉は
「バベルの女帝」のものと同一です。」「わかった・・だが手加減はできぬぞ。」「してもらっては困ります。
思う存分たたきのめしてください・・そうでなければ意味がありません。」「・・よかろう。そういうことなら。」

「また聞きなれない単語が出てきましたね。状況を少し整理してみましょう。たびたび出没するナディアと
呼ばれる人物はどうやら「アルカナ」と呼ばれる存在の使者のようです。その関係者としてクレオパトラ・
マリア・シルビア・ヨーコなる人物がからんでいます。「アルカナ」の頂点には「バベルの女帝」と呼ばれる
謎の存在、その直下にあるらしい「銀河の女帝」・・前述の五人はその配下のようです。いえ、そのうちの
誰かが「女帝」本人なのか?そして「ファイブカード」と呼ばれる存在・・どうやら孫鈴麗とナコルルは
その存在にからんでいるようです。しかし、残りの三人・・一人は「魔術師」でしょうが、あと二人、
ファイターではない人物とは・・?まだ情報が足りません。全貌が見えるまではいま少しかかりそうです。」

「それでは!ガンダムファイト!レディーッ、ゴーッ!」

第十三話「負けるもんか!鈴麗、マスターに挑む」

ネオジャパン東京シティ。「決勝の地・・ここでマスターと闘うのね。」ガヤガヤ・・「デビルガンダムに破壊
されたって聞いたけど、かなり復興してるみたいね・・うわ。」ぴたっ。ゴゴゴゴゴ・・「でっかいビル~。
これがシティマップにあったアレクサンドラグループ東京支社ビルね。となると、ここがネオ浅草モールか。」
ガヤガヤ。「他に行くとこもなし、ちょっとひやかしてみようかな。腹ごしらえもしないとね。」カッ。

ゴォォォ・・「うわ~・・西太平洋最大のショッピングセンターというのはホントね。まるで街がひとつ
スッポリ入ってるみたい。」ガヤガヤ。「あ、ガイドマップみっけ。台湾語版・・あった。」シュッ、ガサガサ。
「ここは・・一丁目か。距離移動は中央の動く歩道で・・レストラン街はあっちね。」タタッ、ルルルル・・
きょろきょろ。「右も左もお店がズラリ・・目移りしちゃうな。」「このモールは品揃えが広いですからね。」
「え?」「一般的なものから最高級品まで、ニーズに合わせて選べるようになってます。」「・・ヴァーム?!
ど、どうしてここに?!」「私は公式サブレフェリーですよ。誰がマスターと鈴のレフリングをするんです?」
「あ、なるほど・・いきなり現れるんだもん、びっくりした~。」「偶然姿をみかけたもので。ホテルは?」
「ネオ東京ホテルよ。」「え?ビジネスホテルですか?」「だって安いもん。寝るだけならじゅうぶんよ。」
「それはいけません。国の代表たるファイターが木賃宿に泊まるなど言語道断です。」「でも国がとってくれた
とこだし。」「総督に抗議の電話をかけましょう。みみっちい。」さっ。「ちょっと待て~!コトを荒立てないで。
安いとこでいいって言ったの私だし。」「ガンダムファイト国際条約第六条、ファイターは国の代表として
その威厳と名誉を汚してはならない。お忘れですか?」「いやそのくらいのことで汚れるもんじゃ・・」
「僕の滞在先に移します。キャンセルとリザーブおよび荷物の移送は手配しましょう。」「どのホテルよ?」
「ホテルネオジャパン・スィートルームです。」「ええ~っ?!あの最高級ホテル!一泊ウン十万円よ!」
「国の代表、いわば国賓です。これでもヌルいくらいです。」「あ~、某外相の気持ちがよっくわかった・・」
「改訂版ともなると、時事ネタも更新しなくてはね。」「何話あると思ってんの?地獄みるわよ、作者。」びっ。

三丁目ファミレ「PIA・キャロット」。「こんな低俗なところでお昼ですか?」「これが普通なの!ヴァームも
下々の生活に触れといたほうが勉強になるわよ。」「それはそうですが・・ディナーは奮発しましょう。」
「お決まりですか?」「あ、はい。ハンバーグ定食で。」「僕はスキヤキ定食を。」「かしこまりました。」ぺこっ。
「ほう・・見事な礼ですね。」「日本は礼の国、サービスは自然なもの。チップは丁重に断られるわよ。」
「サービスは「売る」のが世界の常識ですからね・・上流階級では執事は日本人が最高というのが定説です。」
「給料じゃないからね・・礼儀は損得を超越した「人道」だとも聞くわ。」「人の道・・すばらしい思想です。」
「お待たせしました。」コトンコトン。「注文は以上でおそろいですか?」「はい、ありがとう。」「ごゆっくり。」
「?・・給仕にお礼を?」「礼儀は互いに交わすものでしょ、どんな立場でも。」「・・勉強になります。」

どがしゃああーん!「なに?」「なにごとです?」「あほ!ここはピンサロじゃねーんだ!ウチの店員のケツ
なでるたぁなにごとだ!」「そ、それが客に対する」「あんたみたいなのは客じゃねえんだよ!ゼニいらねえから
二度と来るな!他のお客さまのジャマだから出ていきな!」「て、店長を呼べ!ウエイトレス風情じゃ話に」
「あたしが店長だ!」ドン!「それにいまなんつった?・・風情とこられちゃあ、沽券にかかわるねえ・・」
ゴゴゴゴ・・「ちっ!」チャキッ!「チャカ?なら遠慮はいらねえな。」ヒュッ!「なっ?!」ドゴオオオーン!
「ぶひゃあっ!」ギュルルルッ、ドシャッ!オオッ!「ウエイトレスをなめないで♪」ぱしっ。ぱちぱちぱち!
「いいぞ店長!」「さすがルナさん!」「いやいや、どーもども。皆さん、状況は終了しましたのでごゆっくり。」
わしっ。ずるずる・・「ちっ、サタデーナイトかい。銃口つぶしてキッズのオミヤゲにしかなんないねえ・・
あ、そのへんに塩撒いといて。マリーは呼んだ?」「はい、すぐ来るそうです。」「いくらになっかな~♪」

ワイワイ。「ひさびさに見たな~、店長の立ち回り。」「運がよかったわ。ああルナさま♪」「やっぱ最高っす!」
『・・(o_o)』「に、日本は礼の国じゃあ?・・」「ま、まあ無礼なのには容赦ないのかも・・でも。」キラッ。
「すごい腕ですね・・あのウェイトレス。」「相手に撃つヒマも与えない間合いの詰めと速攻・・プロ級ね。」
ぱんぱん。「よしと。あ、他にご注文はございませんか?」「あの・・さっきのは?」「すみません。たまに
ああいうのが来るんです。お客さまにご迷惑をおかけする前にお引き取りしてもらうようにしてるんです。」
「お引取りって・・」「銃を持ってたようですが、警察に?」「いいえ。知り合いに引き取ってもらってます。」
『・・引き取ってもらってる?』「だいじょうぶです。「二度と」姿はみせないそうですので・・」にこっ。

茶房「五月雨亭」。チョロチョロ・・コーン♪「BGMとはいえ、良いものじゃ。のう、キョ・・いやシャドウ。」
「うむ。ナディアにひっぱってこられたが、良い店だ。」「さても・・貴殿とも妙な縁じゃのう。」ふっ。
「そうですな・・私とてこのようにマスターと茶を飲むことがあるとは夢にも思いませんでした。」コトン。
「全てはあのときからじゃ・・そう、世界はあのとき変わった。」「共に生まれ変わった身、一からやり直せと
神がくださった機会。二度とあのようなことは起こすまい・・」「うむ・・ワシもそのために全てを賭す。」
カラカラ。「いらっしゃいませ。お二人ですか?」「はい・・おや?」「むっ?鈴麗とヴァーミリオンではないか。」
「マスターアジア?!」「これはマスター、こちらにおられたとは。おひとりですか?」「いや・・ん?」シーン・・
「いつの間に・・まずは一人じゃ。よければこちらへ。」「で、でも・・」「ほらほら、せっかくのお誘いですから。」

かちかち。「あ、明日は、よろしく、お願いします!」「うわははは!そう緊張せんでもよいぞ。」「は、はい!」
「そなたのファイトは毎回楽しく見せてもろうておる・・さすが李の弟子じゃ。」はっ。「師匠をご存知ですか?」
「武闘家で知らぬヤツはモグリじゃ。そなたはおぼえとらんだろうが、六年ほど前に見学もさせてもろうた。」
「・・私が十歳のとき?」「あの時ワシはそなたの演武を見て、これは歴代一の大器になると思うたが、まさか
ガンダムファイターにまで登りつめるとはのう・・」「師匠の教えの賜物です。」「それに加えてそなたの素質。
聞けば「玉山の鬼」まで撃退したそうではないか。」ぴく。「・・恐ろしい敵でした。相手が退いてくれなければ
最後に倒れてたのは・・」「退いたということは、実力を認められたからじゃ。」「・・玉山の鬼ってなんですか?」
「おお、西洋人のヴァームは知らないじゃろう。数十人の完全武装兵を屠り、喰ってしもうた鬼のことじゃよ。」
「・・オニ?それは伝説上の」「もちろん正体は別のものじゃろう。だがその破壊力は鬼と呼ぶにふさわしい。」
「いえ・・あれは間違いなく「鬼」でした。」『鈴?』「人の姿をして人にあらざるもの・・それが「鬼」。」
「人にあらざるもの・・」「たしかに痕はつけましたが、私も大出血で追撃できる余裕はありませんでした・・」
「どんな姿をしていたのです?」「見た目は普通の人間よ。でも・・」「でも?」「能力と・・「眼」がちがう。」
「ふむ・・それで新人ながらあれほど場慣れしておったのか。そんなのを相手にしとれば、まず当然じゃの。」
「でもマスターにくらべれば。」「いや。場数もそうじゃが、大事なのは何を学んだかじゃ。そうでなければ
幾万闘おうとも無意味。」「・・ゆえにただ一度のものでも、それで開眼することもあるということですね。」
「そうじゃ。鈴、明日はそのつもりでかかってこい。さもなくばリングの露と消ゆるぞ。」「・・はい!」

御徒町・ネオジャパンTV。『ええっ?!』「明日のファイトは中継なしですか?!」「どういうことですの、
犬神ディレクター!」「それはな、ネオ台湾TVが今回の放送権を持ってるからだ。すでに来日して放送準備に
入っているそうだ。」「自国のファイトやから自国のTV局が入るのは当然や。それは問題やない・・けどな。」
「地元のあたしらがどうして中継できねえんだよ!」バン!「そうよそうよ!地元のTV局がしめだされるなんて
聞いたことないよ!」「納得のいく説明を聞かせてください、ディレクター。」「それについては私が説明するわ。」
シュッ。『あやめプロデューサー?』「まず第一にこれはネオジャパン代表のファイトではないということ。
自国のものだったら当然うちが放送するわ。でもアルトロンはネオ台湾代表、マスターはプライベート参加よ。
これを放送する意義はない・・とのスポンサーの意向よ。」「ははん、視聴率がとれんっちゅーわけやな。」
「ぶっちゃけた話、それね。マスターと新人じゃ勝負みえてるから、同時刻の定番バラエティーほど視聴率
とれないって判断がホンネでしょうね・・」「・・あやめさんも不服そうですね。」「報道の意地というやつが
あるからね・・必死に闘ってるファイターに対する冒涜よ、これは。視聴率の亡者どもめが・・」ギリッ。
『・・』「・・紅蘭、明日行くよ。」「どこへやアイリス?」「なにボケてんの!スタジアムに取材に行くの!
地元TVが撮らなくてどうすんのよ。」「ニュース用ならアナウンサーいらんやろ。アイリスだけで行きい。」
「だれがニュース用ですって?ナマに決まってるじゃない。」『ええっ?!』「でもその時間帯はバラエティーが
ありますわ。」「割り込ませるの!」「それはスポンサーが許さないわ。」「バラエティーで入り中(業界用語:
飛び入り中継)が入るのは普通のことでしょ?」・・はっ!『それだ!』「それでいこうぜ!」「あやめさん?」
「その手があったか・・よし、構成にウラからねじこんで、試合開始時間に入り中が入るようにしてみせるわ。」
「そうと決まれば。」きっ。「すみれとカンナは放送計画、さくらと紅蘭で原稿のたたき台、アイリスとマリアで
スタジアムの下見に行ってくれ。俺とプロデューサーはこれから編成局にねじこみに行く。」『はい!』

次の日、銀座通り仮設スタジアム。「あら、お客さん少ないな~。ネオ台湾からの応援団がちょっぴりか。」
「どうせワシの圧勝だとふんで、足を運ばんのじゃろう。」「マスター?・・ま、たまには静かでいいかもね。」
「今回は決勝リーグ用スタジアムのコケラ落としの意味もあるのでここになったが、やはり台北でやったほうが
よかったかもしれんな。」「真新しいスタジアムで一番にやれるんです。光栄に思ってます。」「そうか・・では
そろそろ時間じゃ。リングで会おうぞ。」「はい、マスター・・ぜったいに負けませんから。」「その意気じゃ。」

『レフェリーが入ったよ!』「おっし!全カメラ映像順調!マリア、そっちは?」『二カメいつでもよし。』
「さくらさん、準備は?」『いつでもオッケー!』『ばっちり実況するで!』「そのまま。いま臨時が入る。」
『・・あ、ただいま新設の銀座通りスタジアムからコケラ落としの中継が入っております。』「キュー!」
「はい、こちら決勝リーグに備えて新設された三つのスタジアムのひとつ、銀座通りスタジアムです。
ただいま記念すべきコケラ落としの第一試合、アルトロンガンダム対ガンダムハイマスターの試合がまさに
始まろうとしています。」「ファイトはすぐに済むやろうから、このまま中継しまっせ。なに、マスターと
新人やったら一分そこそこやろ。」「現地のさくらさんと紅蘭さん、それではそのまま実況してください。」
『やったぜ!』『うまくいきましたわね。』『こちらあやめ。視聴率3%上昇したわ。CMは試合終了まで遅らせるわ。』

『ガンダムファイト!レディー、ゴー!』「先手必勝!」ダッ!「若いな。来なさい!」「龍牙連打!」ババババッ!
パパパパン!「ほう、疾い。踏み込みも申し分なし。突きの一つ一つもおろそかにしておらぬな。わしでも
よけ損ねれば危ないぞ。」ダン!「頂心肘!」ドン!「おっと!」パシイイーン!「止められた?!」
「八極拳が極意、頂心肘。完全に会得しておるな。おもしろい、おもしろいぞ!ではいくぞ、龍布打!」
シュバッ!バシイイーン!「くっ!・・はあっ!」ダーン!「跳んだ?」「天龍雷撃!」ドン!「ほう、
頭上からの突きか。ならば!」グン!「昇龍脚!」ガキイイーン!「登り蹴りでガード?!・・まずい!空中で
止まってしまうと!」「スキあり!飛燕連撃!」ダン!ズガガガガッ!ボコボコボコッ!「くううっ!」
「なかなかいい攻撃だが、わしには役不足!十二王方牌・大車併!」シュゥゥゥ・・ドン!シュババババッ!
「唸れ双龍!旋風撃!」ギュルルルッ!ズバババーン!「なんと!双拳で蹴散らしおった!」「いけーっ!」
「特攻じゃと?!」ズゴゴゴッ!ズドオオオーン!「ぐわっ!」ザザザザーッ!「はっ!」ターン!・・
ザシャアッ!「十二王方牌、破れたり!」ビシイッ!「なるほど・・たしかにこれは面白い相手じゃのう。」

調整車。「マスターと互角以上に闘ってやがる・・」「これはとんでもない特ダネですわ。」「さくら、紅蘭!
実況をもっと熱くしろ!」『なんということでしょう!新人ファイターがマスターと互角に闘っています!』
『単なるエキジビションマッチか思たら、こいつはごっつうおもろいファイトをおがましてもろたで!』
『視聴率が30%を突破したわ!そのまま続けて!CMはテロップに切り替える。時間ぜんぶ使ってもいいわ!』

「ふ・・ふはははは!娘っ子となめてかかったつもりはないが、これほどまで強いとは!ならば!」
ギュォォォッ!「超級!覇王!電影弾!」ドオオオーン!「来る!・・はぁぁぁ・・」ズズズズ・・
「動かぬ?・・まさか!」ゴゴゴゴッ!「・・そこです!猛虎爪点撃!」シュッ!ビシッ!ガクン!
「ば・・ばかな!指一本で止めおった!」「はぁぁあああっ!昇龍撃!」ドオンッ!バゴオオオーン!
「どわあああっ!」ギュルルルッ、ズガガガガーッ!「ぐぉぉぉ・・ま、また破りおった!やはりわしの
見込んだとおり、お前は最高の武闘家になりつつある!」「幾多の世界の強い相手との闘い、そして拳を通じての
語らいが私を強くしてくれた!そしてこの闘いでも、私は一つ強くなってみせる!」「その意気、見事だ!ならば
わが最終奥義をもって、その清き魂に答えようぞ!いくぞ!」「おうっ!」ビーン!「流派!東方不敗が最終奥義!
石破、天驚拳!うりゃあっ!」カアッ!ドオオオオーン!「八極拳最高奥義!猛虎、龍撃弾!」ズドオオオーン!
ドガアアアアーン!「ぬぅぅぅーっ!」「おぉぉぉぉーっ!」「やるな。だがまだ修行が足りん、そりゃあっ!」
ドン!「くうっ!・・これがキング・オブ・ハートの力!・・」ググググ・・ズバアアアーン!「うわあああっ!」
ズガガガガーッ!ゴォォォ・・「なかなかよくやったぞ。ほめてやろう・・ぬっ?!」ぴくうっ!ばっ!
グググッ・・「ま・・まだ立てるか!」「ま・・まだ・・負けてません・・まだ・・闘えます・・」「・・そうか。
龍撃弾で天驚拳の威力を相殺したのか。だが、それでも相当のダメージのはずじゃ・・レフェリー、TKOを宣言せよ。」
「・・できません。まだアルトロンに闘志が残っているかぎり。」「・・そうじゃの。ワシが間違っておった。」
「ま・・まだ・・勝負は・・」ヨロッ・・ズン!「・・わかった。その闘志に報いよう!ワシの新必殺技で!」
ズズズズ・・「う・・うおおおおっ!」ダッ!「滅殺!マスターブリンガー!」ガシイイイーン!ギュウウウーン!
「ああああっ!あぁぁぁ・・」・・ガクッ。「・・エネルギー残量ゼロじゃ。」パッ。グラ・・ズズーン!

タタタ・・バシュ。「鈴よ!しっかりせい!終わったぞ!」「東方・・先生・・」「お前はよくやった。
ひさびさにわしも充実した闘いができた。」「ありがとう・・ございま・・」ぱたっ・・「今は休め。・・そして
再び立ちあがるのだ。より強い武闘家となって!」「マスター・・ありがとうございました。」「ヴァームか。
丁度よい。一つ技を教えてやろう。」「技・・ですか?」「よいか、技というものは相手を倒すだけではない。
人を活かす技もあるのじゃ。」キィィィ・・「マスターの手に・・光が?」「流派東方不敗・裏奥義、活人太陽掌!」
カッ!「これは?!マスターの手の光が鈴の身体に吸いこまれる!」シュゥゥゥ・・「傷が・・塞がる?!」
「ん・・あれ?どうなったの?」きょとん。「鈴、身体はなんとも?」「・・うん、あれだけズタボロにされたのに
どうして無傷なんだろ?」「かくかくしかじか。」「活人拳・・さすが流派東方不敗です。」「年頃の娘をキズ物で
帰したら、老師がこわいからのう、うわはははは!」「スーツはキズだらけですけどね。」「・・あっ!こら!
そーゆーことは早く言いなさいよ!」ばっ!「うむ、ピンクか。若いの~。」「・・このスケベぢぢい!」
どかあああーん!「のわあああーっ!・・」・・キラッ。「まったく。」ぱんぱん。「・・いま勝ちましたね。」

TVネオジャパン。『かんぱーい!』カチンカチン!「瞬間最大視聴率80%!特にあのチラリが効いたね~。」
「ビデオ撮ってなくて地団太ふんだ方、何十万人いますでしょ?」「奇襲入り中作戦は大成功だったね。」
「アイリスのプロ魂がこの奇跡を実現させたこと、忘れたらあかんで。」「いえいえ、それほどのものよ。」
「犬神さん、でもいまごろあやめさんはスポンサーにお叱りを受けてるんですよね・・」「心配するな、さくら。
あやめさんはしたたかで図太いから、文句など馬耳東風さ。」「誰が馬の耳に念仏ですって?」『・・うわっ!』
「みんな、いいニュースと悪いニュースがあるわ。」「どっちからでも。」「じゃ悪いほう。報道部は解散よ。」
『ええっ!』「それって・・リストラ?」「退職金の計算しなくちゃ。」「再就職~。オージンジだっけ?」
「話は最後まで聞かんかい!いわゆる組織改変というやつよ。この人手不足のご時世にあなたたちみたいな
優秀な人材を手放すわけないでしょ。」「性格は人事項目に入っとらんしな。」「で、ここからがいいニュース。
私たち・・私も含めてね・・は新部署へそっくり移動することになったわ。」「南鳥島支局でっか?」
「なんやのそれわ。部署名は「第十四回大会報道チーム」。」『・・それじゃ!』「そう、ガンダムファイト専門の
報道チームよ。」『いやったー!』「今回のでガンダムファイトはドル箱だってやっと認識されたの。スポンサーも
買い手市場の状態よ。バンバン制作費使ってもだいじょうぶよ。」「おっし!それならさっそく討ち入り宴会だ!」
「やはり高級料亭でパーッと」すぱあああーん!「いきなり使途不明金を出すな!居酒屋にしときなさい。」

みなさんお待ちかね!またもマスターに挑戦者あり!
大自然の加護を受けた少女が鷹をお供に闘いを挑みます。
そしてついに東方不敗が地に伏す歴史的瞬間がくるのか!
次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第14話
「大金星!東方不敗の敗北」に、レディー、ゴーッ!


第一部 第12話~第22話

**************************************************

 

「さてみなさん、今日のカードがサバイバルイレブンの最終試合となります。カムイガンダム対ガンダム

ハイマスター。そう、前回につづきマスターが新人を相手にするのです。場所は同じくネオ東京シティー、

決勝リーグ会場となる八号台場海上スタジアムです。さて、今回も謎の会話から聞いていただきましょう。」

 

「いかがでした?「法皇」は。」「うむ、思ったより面白いものであった。さすがはファイブカードの一角。」

「次の相手はさらに楽しくなるでしょう・・「戦車」ですから。」「・・潜在能力ではファイブカード筆頭の

「星」をも凌駕し、アルカナ最強の「世界」に匹敵するという「戦車」・・ふふふ、これは手ごわいのう。」

「事前に会ってみます?」「もう来ておるのか。」「はい。二日後のファイトに備え、自主トレに入ってます。」

 

「さて、また新しい情報がありました。「星」と「世界」・・この二人がアルカナでも上位の存在のようです。

それが誰なのかはいまだ不明です。もう皆さんもお気づきのことかと思いますが、アルカナの「紋章」は

どうやらタロットのシンボルで表現されているようです。すなわち大アルカナの22枚。シャッフル同盟が

小アルカナが起源のトランブのシンボルで表現されていたのをおぼえてますね。あれと同様な関係かと。

となると・・少なくとも22人のメンバーがいるということになります。いえ、先の話では「女帝」は二人

いるようですので、ひょっとするとそれ以上なのかもしれません・・それらはいずれ語られるでしょう。」

 

「では私も本日の運勢をタロットカードで占ってみましょう・・引いたカードは「天の戦車」です。」

 

「それでは!ガンダムファイト!レディーッ、ゴーッ!」

 

第十四話「大金星!東方不敗の敗北」

 

ネオ東京シティ。デビルガンダムによる破壊の傷はいまだ癒えず、江東区から中央区にかけての地域を中心に

復興は進んでいるが、山手線から西は廃墟のままである。特に新宿・渋谷・港区・千代田方面の変貌はすさまじく、

あらゆる所が奇怪で不可思議な地勢を成し、超常・異常現象の頻発で復興の手も拒まれ、もはや人智の及ばない

広大な無人地帯となっている。ゆえに人々はネオ東京シティをまた別の名で呼ぶ・・「魔界都市・東京」と。

 

旧皇居緑地帯。ここは都心部でも数少ない豊富な緑が残っている。もちろん人の手が入らぬため、さながら

原生林の様相を呈している(皇族はネオジャパンコロニー)・・ザザザザッ!「はいっ!」ターン!シュバッ!

「ママハハ!」ピキイッ!バサバサバサッ!「とおっ!」がしっ。「カムイムッペ!」ドンッ!・・ザシャアッ!

「はあぁぁぁ・・よし。」すっ。「今日の自主トレはこのくらいにしましょう・・?!」カラン、パシッ!

『おっと。』ぱしっ!・・スゥ。「見学なら堂々とお願いします、半蔵さん。」「忍びの者ゆえ、失礼つかまつった

ナコルル殿。小石を蹴りとばすタイミングとスピード、お見事でござる。ワールドカップも夢ではないかと。」

「何のご用ですか?」「見学と・・護衛でござる。」「護衛・・?!」タン!・・ドスドスッ!「投げナイフ?!」

ザザッ!・・(・・いったい何者です?)(民族主義者の刺客でござる。少数民族が注目されては都合の悪い連中は

世界じゅうにごまんといるらしい。)(純血主義者ですか・・くだらないことを。)(逃げるもよし、または・・)

(戦います。降りかかる火の粉は払わなくては。)(助太刀いたす。)ザザッ!『出たぞ!』グラタタタタッ!

「カムイリュッセ!」バサアッ!パシパシパシッ!『やったか?』ヒラヒラ・・『・・布だけ?!』「そこです!」

シャッ!「アンヌムッペ!」ズバアアアーン!『ぐはあっ!』どさっ!『そっちか!』チャッ、「そうはいかせぬ。」

がしっ、ダーン!『なっ?!』「モズ落とし!」ドグシャアッ!『ぎゃぶっ!』『またやられたぞ!』『そっちだ!』

ザザザッ!ザシャアッ!『あっ?!』「ここにかたまってましたね・・アペフチカムイリュッセ!」ゴオオオッ!

ドバアアアアーン!『うぐはああーっ!』・・ドサドサドサッ!「これで終わりです。」パチン。「お見事でござる。」

 

ネオ浅草・茶房「五月雨亭」。カコーン・・「明後日はいよいよマスターとの戦いでござるな。」「はい。もちろん

勝てるとは思いませんが、勝つつもりで全力で挑みます。」「それでこそ。しかし・・おとといの孫鈴麗に続き

ナコルル殿が指名されたのはいったい・・」「理由はわかりません。が、ファイターの最高峰であるキング・オブ・

ハートと拳を交えられる最高の名誉、これを逃すはファイター失格です。」「だがナコルル殿は少数民族代表、

もし頭部を破壊され失格になれば・・」「私の腕はその程度だった・・ならばこれ以上先へ行っても無意味です。」

「・・わかった。カムイが貴殿とともにあるように。」「May the Kamui be with youですね、ウフフッ。」

カラカラ。「いらっしゃいませー。」「いつもの。」「かしこまりました、マスター。」『えっ?・・あっ!』

「ん?ほう・・またここでか。」「マスターアジア・・」「なんと東方不敗とここで出くわすとは・・」

「まあそう嫌うな。ファイトは明後日じゃ。ご一緒してよろしいか?」「ど、どうぞ。」ガタッ。「すまんの。」

 

コポコポ・・「そうか・・世の中には愚かな連中がまだまだ多いのう。」「ホトケは丁重に葬ってござる。」

「あの近辺には死体がゴロゴロしておるので問題なかろう。聞いた話ではあそこの草木たちはそれを糧にして

生きているという。」「桜の木はたしかに多いですけど・・(^^;」「マスター、拙者の見立てではナコルル殿は

かなりの腕、ゆめゆめ油断なされなきよう。」「半蔵、なぜにキサマがナコルルの肩をもつ?」「男として、いや

義父として当然でござる。」「私はまだ決めてません!勝手に義父にならないでください!」「うわはははは!

で、総領はどういう男かの。」「これでござる。」すっ、ぱさっ。『・・あれ?』「たしかに綺麗じゃが・・」

「・・どなたですか?この女性。」「む?・・ああっ!」ばっ!「こ、これは失礼、写真を間違えたでござる。」

「もしかして女房どのか?」「あ、なるほど。ステキな奥様ですね~。」「息子のはこちらでござった。」ぱさ。

「ほう・・これは美形。」「そうですかぁ?なんかヤサ男風ですけど~。(美的基準がちょっとズレてる)」

「伊賀忍群筆頭若頭をつとめておる。心技体そろっておるぞ。」「体毛薄そうだし・・(やっぱズレてる)」

 

ネオ浅草。説明してなかったが、この巨大ショッピングセンターは銀座五~八丁目(晴海通り~新橋駅前、

中央通り~昭和通りに囲まれた一帯)が丸ごとそう。松坂屋の位置には68階建ての超高層ビルが立つ。

ガヤガヤ・・「アレクサンドラグループ日本支社ビルか~・・」「支社でこのでかさじゃからの。NYの本社も

摩天楼まるごとそうじゃった。」「マスターは行かれたことがござるか?」「うむ・・少し前にの。」

「この超巨大ショッピングセンターもグループが復興のシンボルとして建てたそうですね。」「左様、なぜか

グループ首脳陣に日本びいきがいて、復興プランに乗り気でネオジャパン政府をも説得したらしいでござる。」

「東京だけじゃないわ。」『・・えっ?!』「ネオ香港や各国首都にもうちのグループの手はのびてるわ。」

「ナディアさん?!」「いつからそこに?」「気配もせなんだぞ・・あいかわらず恐ろしいヤツよ。」『えっ?』

「マスター・・ナディアさんとお知り合いなんですか?」「くされ縁とでもいうのかの。」「ふふっ、そうですね。

せっかくですから皆さんを私のビルにご招待しましょう。」『・・ええっ?!』「と、いうことは・・?!」

「そう、私はアレクサンドラグループ日本支局長も兼任してるの。だからこれは私のお城みたいなものね。」

 

67階・応接室。「うわ~・・すごい眺め。」「ここは最上階ではござらぬな。」「最上階は私たちのプライベート

ルーム。お客さんは上げられません、きたなくてね。」「私・・たち?」「知ってのとおり、私はグループの筆頭

ではないの。私とあと三人、同等の重役がいて、その上に・・」「クレオパトラ・アレクサンドラでござるか。」

「そう、会長がいるの。」「アレクサンドラグループはガンダムファイトのスタジアム施設事業でファイトを

後援しておる。いわばガンダムファイトの大スポンサーじゃ。コロニー連合およびガンダムファイト実行委員会

にも絶大な発言力を有する。」「新聞で見たことあります。人類史上最大の経済組織だって。」「というよりも、

もはや国家というべきでござろう・・全世界流通の60%を占有、また軍事兵器こそ作ってはおらぬが、重工業・

軽工業・はてはITやサービス業に至るまで絶大なシェアを占める・・ウワサでは軍隊まで所有しておるとか。」

「自営警備組織と呼んでくださいね。」「ふふ・・あの規模で自営とは笑わせる。」「ああ・・あの忍者集団が。」

 

「ところでナコルルは今夜の宿は?」「連合東京支部の仮眠室をお借りすることになってます。」『なに?』

「木賃宿はいくらでもあるのになにゆえ?」「滞在費の節約です。少数民族の仲間たちがカンパしてくれたもの

ですから、おろそかには使えません。使わずに済むとこはそうしてます。」「・・いまどき感心な娘じゃのう。」

「・・いい案があるわ。ナコルル、選手村に入りなさい。」「選手村・・ですか?」「そんなものがござったか。」

「ちょうどできたばかりよ。いまのところ入居登録をしてるのはカッシュ夫妻とンドゥールさんだけ。まだ

空きがあるからいまのうちよ。」「条件あります?」「はい。」ぱさっ。「・・家賃はなし、光熱費と水道基本料も

なしですか?!」「使用料と受信料はさすがに自前だけどね。」「ほう、風呂・トイレ付きの二間。台所のみ

共用でござるか。」「安いアパートなみじゃのう。これでは先進国のファイターは狭すぎて入るまい。」

「だからこれは人件費にお金をかけられない中小国代表のために建てられたの。簡素ながらガンダムドックも

付いてるわ。」「これならいいですね。入ります。」「拙者も入居いたそう。」「半蔵もか?」「ネオサンマリノも

小国ゆえ。それに食客の身なれば、さして負担はかけられまい。」「決まりね。じゃ、契約書にサインを。」

 

八丁堀。「えーと、このへんですね・・」「それらしい施設は見当たらぬが。」「・・あ、このスーパーの右の

路地を入ったとこですね・・ええっ?!」「なんでござる・・む?スーパーの右手は少数民族連合東京支部?」

「こんなところにあったんだ・・あとで挨拶しておきましょう。」「では路地へ・・かなりせまいのう。」

「先は開けてますね・・あれ?」すっ。「・・プレハブ家屋の長屋?」「どうやらこれが選手村のようですね。」

「なるほど、安いわけでござる。・・拙者は4号でござるな。」「私は2号です。ではあとで。」「うむ。」

 

ガラガラ。「ここか~・・土間があるのね。」カラン。すたすた・・「お風呂・・よし。お手洗い・・よし。

あ、荷物もう搬入してあるのね。」がさがさ。「おフトンは六畳間に敷いて・・っと。洗面具はお風呂に・・

食器と調理器具は共同台所ね。」どたばた。「はいおしまい。荷物あまり無いから早かった~。」ばたん。

「気持ちいいな~・・タタミの上に寝転がるなんてひさしぶり・・」とろん・・「すー・・すー・・」

「さて、整理も済んだことだしナコルル殿をさそって夕食にでも。」つかつか・・ぴたっ。「・・寝息か。」

くるっ。「・・無理もない。あの小さな身体でたった一人でサバイバルイレブンを戦いぬいてきたのだ。

心身ともに疲れはて、ボロボロであろう・・今はしばしの安らぎを破るは無作法なり・・」キラッ・・

 

次の朝。チュンチュン・・「・・ん?!」がばっ!「しまった~・・あのまま寝ちゃった。・・ん?」くんくん。

「これは・・お味噌汁の匂い?」『ナコルルどの。起きられたか。』「半蔵さん?」『朝餉ができてござる。顔を

洗ってこられよ。』「え?・・は、はい。」たたっ。じーっ・・「・・うわ~、ひどい寝グセ。」ばしゃばしゃ。

ガラガラ。「おはようございます半蔵さ・・?!」「よき朝でござるぞ。・・なにか?」「ぷぷっ!・・あの、

忍者服にピヨピヨエプロンって・・あははははーっ!」「コーディネートはカンペキでござろう。」

 

コトコトン。「うわ~・・根深汁にハゼの煮付け、それにおしたしまで。半蔵さんって、お料理も上手なんですね。」

「忍びたるもの自炊は基本技能でござる。くわえて拙者は江戸時代の料理を愛好しておる。ささ、めしあがれ。」

「いただきます。」カチャカチャ。「飯も汁もたんとあるゆえ、どんどんお代わりするがよい。夕べから何も

食べておらぬしの。もちろん拙者も食う。」ぱんぱん。「・・うわっ!山盛りですね。」「これがうまいのだ。」

 

『・・あ、ドモン。ここよここ。』『一号室だったな。』「どなたか来られたようですね。」「声からしてドモン・

カッシュ殿とレイン夫人でござるな。」「現キング・オブ・ハートの・・大先輩方にごあいさつに行かなくちゃ。」

ガラガラ。「あら?先客がいたのね。」「はじめまして。私は少数民族連合代表のナコルルと申します。」ぺこ。

「拙者ネオサンマリノ代表・服部半蔵。以後よしなに。」すっ。「これはごていねいに。こちらが主人の

ドモン・カッシュ。私はレインです。」すっ。「当分はここに厄介になる。近所づきあい、よろしくな。」

すぱーん!「失礼。亭主は格闘バカなもので、あいさつとか苦手なの。」「いえ、じゅうぶんです・・(^^;」

「あいたた・・そういえば明日のサバイバルイレブン最終戦で師匠と闘うのはたしか・・」「はい、私です。」

「ええっ?!マスターの相手だからどんな屈強なファイターかと思ったけど・・」「いや・・ちがうぞレイン。

この子は見た目は華奢だが、とんでもない潜在戦闘力を秘めてる。」「ドモン?」「数多くの強豪と拳を交えてきた

俺にはわかる・・全身、指の先まで気が満ちあふれている。それも澄みきった透明なまでの気がな・・」

「いえ、それほどのものでは・・」「むう、さすがキング・オブ・ハート。ひと目でナコルル殿の本質を見切った。」

「珍しいわ・・ドモンがこれほど人を誉めるのは。」「だが、師匠と相対するにはいま少し経験が必要だな。」

「・・はい。」「・・レイン、引越しはしばらく休憩だ。」「ドモン・・まさか!」「俺が稽古をつけてやろう。」

「なんと!」「ムチャよ!ドモン手加減できないのに!」すっ。『・・ナコルル?』「・・お願いします!」

 

選手村の裏手には小学校のグラウンドくらいの広さの空き地がある。両脇はガンダムドック、突き当たりは

大型の門が付いた高い壁になっているので、外部から覗くことはできない。「こんな空き地があるのね・・」

「家屋とドックの寸法差から生じた空き地のようでござる。簡単なトレーニングには有用でござるな。」

ザッ。「得物のマキリは使ってもいいぞ。」「いえ、素手の方に剣は抜きません。」さっ。「ではいくぞ!」ダッ!

ヒュッ!「一瞬に間合いを詰めた!疾い!」ゴオッ!「ぬうっ!地をえぐるようなアッパー!」「はいっ!」

グン!「なにっ?!」「バク転でアッパーをかわした!」ヒュッ!「蹴りでアッパーのカウンターでござる!」

「十字受け!」ガキイッ!ヒュルッ。「なにっ?!」くるっ、スタッ。「回転を止められたかと思いきや、

あっさりあきらめて体勢を整えることに切り換えた・・これはてごわい。」「次は私からいきます。はっ!」

シャッ!「疾い!」ビュッ!「回し蹴り?防御!」さっ。「はあっ!」グンッ!ズドオオオーン!『おおっ!』

「ぬおおおおーっ!」ザザザザーッ!・・「な・・なんて重い蹴りだ!」ジーン・・「見事・・蹴りに全体重と

腰の捻りの遠心加速力、そして蹴り直後の充分な残心・・それが蹴りの破壊力を数十倍にも上げておる。」

「すばらしい格闘センスだわ・・」「これほどやるとはな。どうやら手加減無用のようだ。」すっ。シャッ!

「とおおおおーっ!」ババババッ!パシパシパシッ!「くっ!技の切れが上がってる!」「せいっ!」ビュッ!

バシイイイーン!「きゃっ!」「ガードを跳ね上げたわ!」「もらった!」ビュッ!「そこまで!」ピタアッ!

「・・えっ?」「瞬発力は見事だ。だがパワー戦に持ち込まれるとこういうふうに防御を崩される。攻撃は

正面から受けず、足を使って回りこめ。そうすれば今のラッシュも余裕でかわせ、カウンターが決められる。」

「・・ありがとうございました。」「師匠の技は強力だ・・まともに打ち合っては勝機はない。最小限の回避で

ワンチャンスを狙え。そして流れを変えたらヒマを与えず攻めまくれ。そうすればいいファイトができるだろう。」

「はい!」「いい稽古になりもうしたな。」「じゃ、お昼は引越しそばでもご馳走しましょう。」「かたじけない。」

 

一号室。つるるるっ。「蕎麦かと思いきや、うどんとは意外。」「つゆが関西風ですね。」「関東の蕎麦はつゆが

濃すぎて口に合わないので。」「レインさん、関西ですか?」「淡路の出よ。」「俺もそうだ。」「ドモン殿もか?」

「あの辺はそばよりもうどんが主だったな。」「讃岐はお隣ですよね。」「そう。朝昼晩、おやつでも食べたものね。」

「拙者も伊賀の出だが、あの辺は米よりうどんが主食とも聞く。」「だから鉄道駅でもいわゆる「立ち食いそば」は

無くて、「立ち食いうどん」なのよね。」「へえ~、そこまで普及してるんですね。」「うどんは見た目は柔らかいが、

中はコシがある。いわば柔にして靭・・決して剛ではないが、折れず砕けず、流すのみ。」「・・柔にして靭。」

じーっ・・「ナコルル、置くと伸びるぞ。」「・・」つるるるっ、もぐもぐ・・「・・かなりコシがありますね。」

 

次の日。八号台場海上スタジアム。つーっ・・とろっ。「マキリ、よし。」「指が切れたでござる。血が。」

「薄く切っただけです。自然に塞がります。」ぺろっ。「・・儀式か?」「そんなものです。闘いの前にこうやって

自分の血を味わうことで、気後れを防ぐようにしてます。」「なるほど・・たとえ流血しようと、一瞬たりとも

動揺しないためのまじないでござるな。」ビーッ!「時間です。」すっ。「武運を祈る。」「いってきます!」ダッ!

 

観客席。「せっかくのコケラ落としなのにお客さん少ないのね。」「決勝リーグの開会式は三日後だ。観客もまだ

来日してないんだろう。」「そうね・・でも地元の人たちでも来ればいいのに。国の代表じゃないとはいえ、

ネオジャパン出身者の試合なのにね。」「それはちがいます。」『えっ?』くるっ。「ナコルルは少数民族の出身なので

そうとは認識されてないのです・・実に腹立たしいことですが、これはどこの国にもみられる傾向です。」

「あんたは?」「申し遅れました。ナディア・コープランド。ネオアメリカから来ました。」「それにしては

顔立ちが東欧系だな。」「日本語もネイティヴのように流暢ね。」「ドモンさん、この勝負どう見ます?」

「・・知ってて声をかけたか。あんた、ただ者じゃないな。」「それはいずれ・・いかに?」「・・この試合、

波乱があるかもしれん。ナコルルの潜在能力にはすさまじいものがある・・いかに師匠とてひとつ誤れば。」

「さすがですね・・直に拳を交えたことでわかったのですね。」「どうしてそれを?あのときはヤジ馬も誰も

いなかったのに・・」「さて・・そろそろ試合が始まりますね。詳しい話はあとで・・レインさん。」「・・?」

 

「両者、中央へ!」ザッ。「ふふふ・・見せてもらうぞその潜在能力。」「お願いします!」「・・始め!」

『ガンダムファイト!レディー、ゴー!』「いっきに決めるぞ!龍布打!」ビュッ!「ママハハ!」ターン!

ピキイッ!バサバサッ!パシッ。シュパッ!「鷹につかまって回避?!」「カムイムッペ!」ドン!「速い!」

「だがあれでは対空技のいいエジキだ!」「うりゃあっ!」ゴオッ!「かかりました!」ガクン、すっ。すかっ!

『なにいっ!』「フェイントですって?!」「うまい!ボディがガラ空きだ!」「そこ!」ビュッ!ズバアアアーン!

「ぬおっ!」バババッ!スタッ。「くっ、さすがマスター・・最小限のダメージで間合いをとられました。」

バヂバヂ・・「胴一枚か・・わしとしたことが。これは油断できぬのう。」「はっ!」シャッ!「それはあまいぞ!」

ビュオッ!タン!トン。「なんとおっ!」「師匠の蹴りの勢いに乗って上昇?!なんて身の軽さだ!」ゴオッ!

「まだじゃ!擺蓮脚!」ビュッ!バキイイーン!「くうっ!」「昇り蹴りでブレイクしたわ!」「もらうぞ!」

ターン!「うりゃりゃりゃーっ!」ドドドドッ!バキバキバキイッ!「きゃあああっ!」「いかん!やはり

防御の脆さが!」「うらあっ!」ドバアアアーン!「ぶはああああーっ!」ドガガガガーッ!「やられたわ!」

 

すたっ。「終わったの。」くるっ。「ま・・まだです!」ググッ・・ザン!「・・ほう、あれで立てるとはな。」

「柔らかく、しかして靭・・固いものは砕けるけど、柔らかいものは曲がって戻るだけです。」「それがわかって

おるか・・それこそ武道の極意がひとつぞ。ではワシもそれに恥じない技で応じよう。十二王方牌、大車併!」

ドン!ゴゴゴゴーッ!「カムイリュッセ!」バサアッ!「ビームクロスですって?!」ズボボボボッ!

「おおっ!十二王方牌をつつみ込んで防いだ!」「そんな手があったかあっ!」「いきなさい!」バサッ!

ゴゴゴゴッ!『あれは?!』「カムイガンダムの分身に変わったわ!」「なにいっ?!」ズガガガガガッ!

「ぬおおおおーっ!まさか返し技とは!」ザザザザーッ!・・「こうなれば全力勝負あるのみ!超級!」

「なにっ?!」「覇王!」「まさかあの技を?」「電影弾!」ゴオオオオーッ!「いくぞ!」ドドドドドッ!

「あれは回避も防御も不能だ!」「一点を突く戦法も剣技のナコルルじゃ無理よ!」「さて・・どう受けるの?」

ドドドドド!「カムイリュッセ!」バサアッ!「あまい、あまいぞ!そのような布くらいで止められるものか!」

「止めるんじゃありません。こうするんです!」バサッ!「なにいっ?!」ギュルルルーッ!『なんと!』

「クロスで坂を作って、電影弾を打ち上げた?!」「こんな手があったか!」「アンベヤトロ!」ピイッ!

ゴオオオーッ!ズバアアアアーン!「ぐわああっ!鷹があっ!」・・ダダーン!ゴォォォ・・「ぐうっ!・・」

ググッ・・ザシャッ!「これほどまでにやるとはのう・・だがワシもキング・オブ・ハートを背負う者。

そう簡単には勝たせてやらんぞ!ふおおおっ!」ビーン!「これは、なに?!」「マスターがハイパーモードに!」

「これは!・・師匠はナコルルを一級の闘士と認めたんだ!」「その気高き技に免じ、最終奥義で葬ってやろう!」

ゴゴゴゴゴ!「ファイターとして最高の誉れです。お受けします!」ゴゴゴゴ・・カッ!「・・石破!天驚拳!」

ドバアアアアーン!「これで決まったな。」「けっこう健闘したのにね。」「さて・・それはどうでしょう?」

ゴゴゴゴゴッ!「・・」・・ぴくっ、キラッ。「見えた!アンヌムッペ!」ドン!「突進技だと!」「ムチャよ!」

「狙いはそこです!」グッ、シュバアアアアーッ!スカッ!『ば、ばかな!』「天驚拳の下を地面すれすれに

くぐり抜けた!」ヒュッ!「そんなバカな?!」ギン!「勝負!エレルシカムイリュッセ!」バサアッ!

シュババババッ!ドガガガガガッ!「ぬおおおおっ!」「一閃!とおおおーっ!」ドン!ズバアアアアーン!・・

「ふ・・ふふふ。これほどとはのう・・さすがは「天の戦」・・ぐおっ!」ユラ・・ズズズーン!・・

「・・ふう。」すっ、パチン。・・「ありがとうございました。」ぺこっ。「し・・勝負あり!カムイガンダム!」

 

『・・・・』「師匠が・・完敗?!」「す・・すごいわ!」「まさか勝つなんて・・ん?」タタタタ・・

「ナコルルどの!大金星ぞ!」「半蔵さん?」ぐいっ!「わっ!」「すごい、すごいぞ!東方不敗を破るとは!」

「あ、ちょっと、やだ、降ろしてくださーい!」「降ろすものか!拙者一人でも胴上げさせてもらうぞ!」

「そいつは俺にも分けてほしいな。」ぽん。「ドモンどの?」「大金星ですもの。みんなでお祝いしなくちゃ。」

「それでは皆で!」『おう!せーの!』ぽーん!「きゃあっ!」『わっしょいわっしょい!』ぽーん!ぽーん!

「ちょ、ちょっと高度が高すぎます~!」「うわはははは!これは一本とられたわい!」「師匠?」くるっ。

「上げたとこでやめるのはお約束すぎます~!」ひゅぅぅぅ・・『あ。』「ほいさ。」がしっ!「・・マスター?」

「羽のように軽いの。これならあの身軽さも納得じゃ、うわはははは!」「は・・はあ。勝ってしまいました。」

「ドモン、見たかいまのを!どうだ、見事な負け方だったであろうが!ナコルル殿、よくぞこの東方不敗を

負かしてくれた!感謝するぞ!うはははははっ!」「・・どうしてそんなに嬉しいんですか?」「わしはこの日を

心待ちにしておったのだ。不敗神話などというくだらんものを打ち砕いてくれる者を!」「なるほど。常勝とは

それ自体が枷となるものでござる。先々代チャンピオンのチャップマンがその例。勝ちつづけることの重圧から

ドーピングに走り、卑劣な手段さえ惜しまなかった・・勝利への妄執に憑りつかれた修羅に堕ちたのでござる。」

「そうじゃ。いずれワシもそうなるところであった。それを救ってくれたのがナコルルなのじゃ!ワシはこれで

自らを呪縛していたものから解放されたのだ!実にいい気分だ!」「敗北なくして進歩はない・・そうですね。」

「その通り!これでわしはまた新たな勝利を求め、自分を磨くことができる!感謝するぞ!わははははっ!」

「・・師匠も苦しんでいたんだな。」「ドモンも同じ徹を踏まず、たまには負けることね。」「おいおいレイン。」

 

「さて、ナコルル殿!」「は、はい!」「勝利の雄叫びをあげよ!この東方不敗マスターアジアが許す。

なんの遠慮がいるものか!」「え・・でも、私、こういうことに慣れてないので・・」あせあせ。

「ええい、まだるっこしい!もう一度胴上げじゃ!それっ!」ぽーん!「はわわっ!」「さあみんなでやるんじゃ!」

『おおーっ!そーれ!わっしょいわっしょい!』ぽーん!「あ、やだ、どこ触ってるんですか!そこはダメ~!」

 

その夜、選手村の広場。ガヤガヤ・・「お~、けっこう集まってきたな。」「そろそろサバイバルイレブンを

生き残ったファイターが来日しはじめたのね。」「ヘイ、ドモン!」『ハーイ!レイン!』「チボデーか。」

「みんなも元気してた?」「衛星中継で観てたぜ。すげえ新人が現れたもんだな。」「ああ。俺たちもうかうか

してると、足元をすくわれるぞ。」「ねえねえ、今のうちにサインもらっとこうか?」「あ、それいいかも。

すっごいプレミアムつきそうだし。」「んじゃ、ちょっと行ってくるわ。こういうのはバニーにおまかせ♪」

ズシーン!「ん?・・アルゴか。」「ドモン・・来たぞ。」「ああ、待ってた。」すっ。「・・うむ。」がしっ。

「今回は新人も目白押しらしいな、レイン。」パシッ。「そうね、ナスターシャ。情報によると・・ほら、

あそこの子とか。」「・・とても強そうにはみえんが。」「ところがサバイバルイレブンの戦歴は全勝無敗。

強豪とは当たってないからまだ何ともいえないけど。」「ほう・・ネオトルコ代表か。チェックしておこう。」

 

コンコン。『あーあー。ではまだ来日しておらぬファイターもおるようじゃが、ナコルルの大金星祝賀および

ちょっと気の早い決勝リーグ討ち入り宴会を始めるぞ。今回はこちらのナディア・コープランド殿が快く

主催してくれた。ではひとこと。』ぱちぱちぱち!『ガンダムファイターおよびサポートクルーのみなさん。

アレクサンドラグループを代表して皆さんを歓迎いたします。今宵は決勝大会に備えて、英気を養ってください。

そして今回の主賓はマスターアジアに土をつけるという大金星をとったナコルル!さ、カンパイの音頭よ。』

ぱちぱちぱち!『えっと・・あの・・その・・(上がってる)みなさん、がんばりましょう。かんぱい。』

カンパーイ!カチンカチン!ワイワイ!「ムッシュ・ドモン。」「おっ、ジョルジュか。間に合ったな。」

「なかなか楽しい決勝大会になりそうですね。」「いや・・俺たちにとっては厳しい大会になるな。」

「ほう。なにゆえに?」「感じないか?・・最近どうも紋章がうずく。」「・・やはりあなたもそうでしたか。」

「うむ・・何かとんでもない事が裏で進行しているようだ。」ぬっ。「アルゴはさすがに鋭いな・・」

 

「レインさん、ナスターシャさん。」「えっ?えーと、たしかナディアさん。」「なにか?」「少々内密なお話が

ありますので、ちょっとよろしいですか?」「・・用件によるな。」「はい・・アルカナについて。」ぎくっ!

「あなたは?!」「やはりその件か。しかし・・そうするとレインも?!」「そうです。・・こちらへ。」こく。

 

一号室。ヒソヒソ・・「・・ではそのときにまた。」「できればあり得ないでほしいが。」「ひとつだけ確認して

おきたいことがあるわ・・この件はもちろん。」「他言無用です。たとえ夫にでも。」「・・わかったわ。」

「いまひとつ。22人は揃っているのか?」「いえ、「吊られた男」「正義」「恋人たち」「死神」がまだ特定されて

いません。ワイルドカーズはバラバラなのが手間取っている原因です。」「「世界」「太陽」「愚者」はすでに?」

「はい。既に協力いただいてます。」「・・バベルの女帝は?」「現在はまだ時機ではありませんから・・」

 

みなさんお待ちかね!いよいよ始まる決勝リーグ!

ネオジャパン東京シティーに世界の強豪が集まります!

開会式に臨む16体のガンダムたち!

次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第15話

「東京シティー決勝リーグ開会式」に、レディー、ゴーッ!

 

**************************

 

「さてみなさん、お待たせしました。いよいよ第十四回ガンダムファイト決勝リーグの開催です・・が、

ここで私から重大なお知らせがあります。第十三回大会から引き継ぐ形で私が前説を務めてまいりましたが、

これより先は新たな、そして壮大な機動武闘烈伝が幕を開けます。その意味もこめて私はこれを機会に身を引き、

あとは若い者たちに引き継ぐことにしましょう。とはいえ、次回予告はしばらく続けてほしいとの要望なので、

そちらでお会いしましょう。では最後に、恒例のアレをもって閉めたいと思います。それでは!」バサッ!

 

「ガンダムファイト決勝リーグ!レディー、ゴーッ!」

 

第15話「東京シティー決勝リーグ開会式」

 

「さあ!全世界のみなさん、お待たせしました!サバイバルイレブンの期間を終わり、このネオジャパン

東京シティーに世界の強豪が集結します!これからの実況は、わたくしことネオジャパンTV所属、

神宮寺さくらがお届けします。カメラマンは私のベストパートナー、カメラビットを使わせれば世界一の

ネオチャイナTV出身の李紅蘭!ほれ、あいさつして。」「ニイハオ!コロニーのとっちゃん、見とるか~?」

すぱーん!「誰がシロートしろと言ったか!」「アイヤ~、ええやんか、ちょっとくらい!」「もうええわ!・・

オホン、そして放送は私たちの愛機、」「放送仕様ガンダム3号、「三笠」からお送りしまっせ。こいつは

胸部がまるごと放送席になっとって、右にガンダム操縦およびアナウンサーのさくらはん、左に本体カメラと

カメラビット管制と解説をするウチが乗っとりま。真ん中の補助席はゲスト用や。」「頭部は複合メインカメラ、

両肩に高感度メインマイク、そして両腕にセットされた機動カメラで基本映像を構成します。さらに多数の

カメラビットを駆使して、迫力の近接映像もお送りします。」「もちろん世界同時中継や。再放送もするで。」

 

「では羽田空港へ行ってみましょう。どんどん世界各国のガンダムが入国してきます。おっ、あそこに見えるは

ネオフランスの飛行船!そして、ネオチャイナ・ファイアードラゴンガンダムの姿も見えます。何やら税関で

トラブってる模様です。」「どーせ中華の材料をしこたま持ちこんで、検疫でヤな顔されとんのやろ。」

「よく知ってるわね~。・・あ、同郷か。」「あ・・そう、そや。サイサイシーは近所やったから・・」「・・?」

 

「次は晴海埠頭や。」「お~、いますいます!あれはノーベルV!そして、アルトロン、カムイと綺麗どころが

そろってます。お?ファイターの娘たちが何やらオシャベリしてる模様です。」「ちょいと聞き耳たててみよか。」

「できるの?そんなこと。」「この高性能超指向性マイクで・・キャッチ!」『えーと、この店おいしいんだって。』

『「PIAキャロット」?ああ、そこ行きました。たしかにおいしいですよ。』『私のオススメは「コタン」です。』

『ここ?・・アイヌ料理店?』『ヘルシーでナチュラルでいいですよ。』「・・さくらはん、メモるなや。」

 

「さて、今度は選手村の方に行ってみましょう。」「選手村?そんなもんあったか?」「あるって聞いたけど・・

え?はい。・・紅蘭、パンで撮影しちゃダメだってデスクが言ってきたわ。」「・・あ、プライバシー問題やね。」

「そーだって。・・え?こんな所にあるの?!」「映像でお見せできないのが残念やね。・・ほう、こりゃあ

ご近所さまでも気づかんわ。」「アップはかまわないって。・・まるでプレハブの長屋ね。」「こんなチンケな宿舎、

入るヤツおんのか?」「・・あっ、ドモンさん発見!」「レイン夫人もおるで。引越しの最中みたいやね。」

「なーる。ライジング使って家具を搬入してるわ。」「あれならラクチンやね。」「あとは・・半蔵さんもいた!」

「ンドゥールのオッチャンもおる!」「あとは・・あれ?あそこの屋根に止まってるのママハハじゃない?」

「あ、ホンマや。ナコルルもここに入るんか。」「えーと・・資本に余裕の無いとこばかりなのね。」

「そらそーや。選手村は本来はそのためにあるんや。しかしネオジャパンはケチくさいな~。もうちょっと

マシなハコ作れんかったんか?」「データ検索・・大国は自前で調達できることと、ガンダムドックが意外と

建造費かかったんで、そのシワ寄せだそうよ。」「選手村までウサギ小屋やと、世界の笑いもんやで。」

 

「さて次は会場をご案内しましょう。まずはメインスタジアムは旧東京ディズニーランド。シンデレラ城を

バックに、この広大な埋め立て地全体がバトルフィールドになってます。」「第二会場は海上リングや。

八号お台場が目印や。」「第三会場は市街地リング。旧銀座三越前。」「そして、こっちの沿岸が新市街地や。

あの大きなお城を模した高層ビルがランドマークやね。」「あれはたしかガンダムファイトの大スポンサー、

アレクサンドラグループの日本支社ね。下は巨大ショッピングモールになってます。」「ネオ浅草と言われる

純和風モールや。うちらもお世話になっとります。」「でも、なんで名出屋城って俗称なの?」「知らんで。」

 

選手村。「ふ~やれやれ。搬入終わり。」「だから俺も手伝うというに。」「ドモンは雑だから建物壊したり

お隣さんに迷惑かけたりするからダメよ。」「ンドゥール殿、お手伝いしようか?」「ご好意ありがたいが、

もう終わりましたぞ。静かでなかなか良い所ですな。」「うむ。都会のど真ん中とは思えぬ落ち着きようだ。」

「ただいま。」「あ、おかえりナコちゃん。」「これでいちおう全員そろったな。レイン、連絡事項があったな?」

「あ、そうそう。みなさん聞いてください。実行委員会からの要請で、この選手村の管理運営責任者を決めて

ほしいということです。各種連絡や設備管理維持の窓口的な役割です。」「客観的にみて、レインさんが最適と

思いますけど。」「異存ござらぬ。」「それが最善かと。」「レイン、いいか?」「そうくると思ってましたが、いちおう

皆さんの承認を得たかったので。設備上の問題などは私に話してください。まとめて委員会に上げますから。」

「はい、提案です。」「はいナコちゃん。」「みんなで座れる大きなテーブルがあるといいと思います。さすがに

屋内は難しいので、共同炊事場のそばに野外でいいですけど。」『おお、それは名案。』「それナイスね。委員会に

上げてはみるけど、予算が出るの待ってるの考えると、自作したほうが早いかもね・・」「ファイトが始まれば

ダメージ装甲板などの廃材が出る。それを使えばいいんじゃないか?」「あ、それいいかもしれませんね。」

「ではおいおい造っていくことにしましょう。もうひとつ連絡事項です。明日の開会式の次第について・・」

 

アレクサンドラグループ日本支社ビル、支社長室。ピピピッ♪「はい、ナディアです。」ぱっ。『順調のようね。』

「羽田国際空港に続々と観光客が到着してるわ。東京港もシャトルでいっぱい。」『宿泊施設のキャパは?』

「計算どおり満室率は78%でコントロールできてるわ。多少の飛びこみでも対応おっけい。」『さすがね。それと

開会式の代理出席よろしくね。』「総師さまはクレオに会えなくて残念みたいよ。」『あ~、やっぱりね・・

どうしても都合悪くてさ。』「・・スクランブル難度調整。」ピピピピッ♪「これでどんな手でも盗聴できないわ。」

『ネオナチスの動きは?』「陰でゴソゴソやってる最中ですね。ウラル山脈要塞には衛星を張りつけてます。」

『問題はいつ動くか、よね。』「はい・・フルハウスにも一報入れますか?」『いえ、しばらく様子をみましょう。』

 

次の日。ワーワー!「全世界のみなさん、いよいよ開会式が始まります!まずは選手入場!」ドドン!ドドドドン!

「勇壮な輪島太鼓をBGMに、前回優勝のゴッドを先頭に、シャッフル同盟がまずは現れました!前回大会に

使用したガンダムをベースに、さらに強化改良を施したその姿は、まさに現代の円卓の騎士たち!」ワーッ!

「そして続くは、連続出場を果たしたツワモノたちや!マンダラ、ポセイドン、そして・・大歓声に迎えられ、

ノーベルVを筆頭にアルトロン、カムイと華の女性ファイターたち!」「・・おや?見慣れない女性型ガンダムが

いますけど。」「・・ああ、あれはネオトルコのガンダムミストラルや。あんまり有名ではないが、実力は

クロウト受けしとるそうや。」「あらそう。そして、初出場選手が続きます。帝王ルンピニー、死神デス13、

呪術師ミキストリ、忍びのコーガ。以上15機!」「ちょい待ち!大物が残ってるで!」「あ、そうでした!・・おっ!」

ヒヒヒーン!パカッパカッパカッ。「この方を忘れてはいけません!大会公式レフェリーにしてファイターの

東方不敗マスターアジア!愛馬、風雲再起に乗っての颯爽たる入場です!」「ふん!」ババッ!・・ザシャアッ!

 

「まずはネオジャパンのカラト首相のあいさつ・・え?CM?」「あんな退屈な演説とばしても別にかまへんわ。」

「まあね。・・フンフン・・え?映像入る?・・オホン。次は実行委員長でもあるネオチャイナ総師のお言葉です・・

(ちょっと紅蘭!4カメ引いてって!)」「やかまし!総師さまの有り難いお言葉や!静聴せい!」「オフレコ!・・

これだからネオチャイナは。・・終ったようです。次はレフェリーからの決勝リーグのルール説明です。」

「ではマスターの罵声に代わって、視聴者のみなさんにはウチが説明しましょ。試合は一日三試合。それぞれの

会場で行われます。」「どーして同時にやらないの?」「機会均等。全てのカードをちゃんと生放送するためや。」

「なるほど。」「もう一つ、会場整備の時間が欲しいからや。前回のネオ香港でのドタバタを忘れたんかい。」

「ああ。会場が荒れまくって、対戦スケジュールがグチャグチャになったよね。」「そのあげく、タッグマッチ

なんぞという有り様や。その時の反省やね。」「それで今回は決勝リーグの期間が半年もあるのね。」「これなら

最低でも各ガンダムは中三日はとれて、ファイターもガンダムも万全の状態で試合に臨めるという、有り難い

改定案や。」「なーる。で、最終バトルロイヤルは?」「リーグ戦の上位十機が進出。バトルフィールドは山手線内

特設巨大リングや。障害物が多いんで、立体的な闘いが楽しめるで。」「それは半年後が楽しみね。さて、恒例の

模範演武の時間が来たようです。今回演武を務めるは、ファイアードラゴンガンダムとアルトロンガンダム!」

 

「いくぞ、鈴!」ばばっ!「おう!お兄ちゃん!」バン!バリバリバリッ!『はあああああーっ!』ばばっ!

『まばゆきは、月の光・日の光。正しい心の名のもとに、我らまばゆい拳風連!』ドバアアーン!ボオオオッ!

「二匹の龍が放った炎がシンデレラ城の聖火台に聖火を点火しました。次は選手宣誓!」ワアアアアーッ!

『宣誓!我々ガンダムファイターは国の代表として、または己が技量にかけて、正々堂々と闘うことをここに

誓う!』「つづいて実行委員長ネオチャイナ総師による開会宣言!」「ははーっ!」「紅蘭!カメラカメラ!」

『これより第十四回ガンダムファイト決勝大会の開会を宣言する!大会旗掲揚および大会歌斉唱!』

 

♪燃やせ その瞳に点した炎に命を賭けて

♪誰かがお前を呼んでいる 勝利をつかむまで

♪熱き その身体に流れる血潮に心を委ね

♪愛のために死ねる朝を捜しているのか

♪傷つき倒れた身体を夕日が染めあげて

♪悲しみさえもいつか勇気に変わるだろう

♪立ち上がれ 何もおそれずに

♪空が燃える 世界が叫びを挙げる

♪嗚呼 ガンダム

 

♪燃やせ その瞳に点した炎が世界を変える

♪誰かがお前を呼んでいる 勝利をつかむまで

♪熱き その身体に流れる血潮に心を委ね

♪愛のために死ねる朝を捜しているのか

♪お前の流した涙は夜空の星になる

♪流れる時のなかで全ては夢になる

♪闘いは明日も続くだろう

♪胸の中で誰かが叫びを挙げる

♪嗚呼 ガンダム

 

「これで開会式の中継を終わります。」「明日からの決勝リーグを楽しんでや。ほな最後はアレで締めよか!」

「それではみなさんごいっしょに!」『ガンダムファイト!レディー、ゴーッ!』

 

みなさんお待ちかね!ゴッドの相手はミキストリ!

あの恐るべき死の手をかわせるのか!

ドモンの右手は真っ赤に燃えて、ついに新必殺技が発動します!

次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第16話

「死の手をかわせ!炸裂ゴッドエクリプス」に、レディー、ゴーッ!

 

***********************************************************************

 

第16話「死の手をかわせ!炸裂ゴッドエクリプス」

 

「う~ん・・今度の相手はあの呪術師か・・どう闘うか・・」「ドモン、どうしたの?」「レインか。明日の

ファイトの作戦を考えていたんだ。」「そうね・・たしかに闘いにくい相手よね。・・要は相手に触らせなければ

いいんじゃない?」「簡単に言ってくれるな。鬼ごっこじゃないだぞ・・そうか!その手がある!」「えっ?」

「ちょっと出かけるぞ。レインもつきあうか?」「もちろん!で、どこへ?」「商店街。なるべく人が多いところだ。」

「?・・お買い物?それとも食事?」「どっちでもOKだ。そこで特訓するぞ。」「何の?・・あ!そうか!」

 

ガヤガヤ・・「へえ・・こんな所があるんだ。」「ネオ浅草ショッピングモール。一度来てみたかったのよ。」

「ここなら特訓相手には事欠かないな。レイン、始めてくれ。」「オッケ・・あっ!ドモン・カッシュだー!」

『なに?キング・オブ・ハートの?』『あ!ホントだ!』『サイン下さい!』『握手して!』ドドドドドッ!

「おお、きたきた。それっ!」シュシュシュッ!『あれ?』『おや?』『こっちだ!』ワアワア!

「ふむ、こりゃーいい特訓になるわね。」『あのー。』「ん?」『レインおねえさま!サインを!』「えっ?!」

『一緒にプリクラとって~!』キャアキャア!「げっ、忘れてた!私も有名人だったんだ!」ピューッ!

 

カラーン♪「いらっしゃいませ~。」「はあっ、はあっ・・ここでしばらくほとぼりをさましましょ・・ん?」

きょろきょろ。「・・このお店はなに?」「ようこそ「Atelier de Marie」へ。」「えと・・あの、ここは何の

お店ですか?」「ん~、ざっくばらんにいえばよろず屋ですね。」「よろず屋?・・あ、なるほど。いろんな

商品が置いてあるわね。ちょっと見させてもらっていいですか?」「どうぞどうぞ。」カツカツ・・

「へえ~・・珍しいものがいっぱい。」「他では扱ってないモノがほとんどです。」「おもしろ~い・・あれ?」

キラッ。「きれいな石ね・・」すっ、ピカッ!「わっ!・・びっくりした~。触ろうと思ったらいきなり

光るんですもの。」「・・失礼ですが、お客さん、左手をみせてもらえませんか?」「えっ?・・いいですけど。」

すっ。「失礼。・・」じーっ・・「よければお名前を聞かせてください。」「レイン・ミカ・・いえ、カッシュよ。」

「ああ・・キング・オブ・ハートの。私は当店の店主、マルローネ・パラケルススです。ぶしつけですが、

レインさんは「アルカナ」ですか?」ぎょっ!「・・アルカナって?」「この石はGストーンというきわめて

珍しい鉱石です・・アルカナの紋章に反応して光るんです。」「・・紋章?」さっ、すっ。ピカアッ!・・

「そして発光色の違いで紋章の素性もわかります・・「星」ですね。」「・・あなたはいったい何者なの?」

「アルケミスト、錬金術師です。加えてアルカナ同盟とも関係をもってます。」「ああ・・ナディアさんの。」

「ま、大家さんですね。」「ちょうどいいわ・・アルケミストならいろんなことに詳しいはずよね。教えて、

アルカナ同盟のことを。」「説明受けてないんですか?」「概要程度は。でもそれだけじゃ納得いかないの・・」

「・・いいでしょう。話せば長くなりますので、お茶がてらお話ししましょう。ミスティカ・ティーですが。」

 

コポコポ・・コトン。「・・アルカナ同盟の発祥は遥か古代、ムウ大陸文明時代までも遡ります。およそ1万年。」

「1万年・・」「ムウ帝国には女帝バベル直属の戦士団がありました。22人の選び抜かれた戦士、そして五人の

精鋭で構成された親衛隊・・もうわかりますよね?」「・・シャッフル同盟。」こく。「そして22人の部隊こそ

アルカナ同盟の起源です。」「紋章とはなんなの?」「紋章はいわば守護霊です。歴代継承者の魂が顕在化したものと

考えていいでしょう。」「これが・・魂。」すっ、キィィィ・・「いつごろ覚醒しました?」「2年前・・かしら。

デビルガンダムに取り込まれた後だったわ。もっとも、私に何らかの力があるって気づいたのはもっと前だけど。」

「それはディザ・スター、「破滅の流星」の紋章です。伝承では「星」は「世界」に次ぐアルカナ第二位の

実力者とされてます。」「「世界」・・誰か知ってるの?」「ええ・・いずれ姿を見せるでしょう。近いうちに・・」

 

「長々とお邪魔しちゃったわね。」「お客さん少ないんでヒマでしたから。・・あ、ちょっとみてもらいたいものが

あるんですけど。」ごそごそ・・コトン。「・・薬?」「アルテナの傷薬です。効果は・・」キラッ。スパッ!

「あっ!」「つ・・」「なんてことを!・・かなり深い傷よ、病院で縫わなきゃ!」「その必要はありません。」

ついっ、ぬりぬり・・シュゥゥゥ・・「そんな?!・・みるみるうちに傷が消えていく!」「これが効能です。

たしかレインさんはガンダムファイトのオフィシャルドクターの一人ですよね。」「そうだけど・・」

「これ使ってみません?一個5万円ですが。」「・・高いだけの価値はあるわね。薬品類の経費は実行委員会で

もってくれるし・・わかった、使わせてもらうわ。とりあえず半ダースちょうだい。」「まいどあり~。」

 

選手村。ガラガラ。「ただいま。」「レイン、遅かったな。」「ちょっと薬の買出しもしてたから。」「そうか、

明日からはファイトだから薬品は必要だな。」「そういうこと。で、どうだったの?」「だいたいコツはつかんだ。

あとは本番だな。」「なんとかなりそうね。じゃ、晩ゴハン作るわ。」パタパタ。ガラガラ。「ああ、半蔵さんが

肉味噌を分けてくれた。共同冷蔵庫に入ってるそうだ。」『えーと・・あ、これね。オカズ一品たすかったわ。』

 

名出屋城、支社長室。『支社長、レイン・カッシュから清算書が来ました。』「そういうのは通常どおりに

経理処理すればいいでしょ。なぜこちらまで上げるの?」『請求額が多すぎるんです。医薬部外品に30万円は

どう考えても異常です。』「書面を見せて。」ぱっ。「たしかに・・添付された領収書は?」『こちらです。』

ぱっ。「「Atelier de Marie」・・かまわないわ、この店なら。経理受付けリストに登録して。」『わかりました。』

ぷつっ。・・「マルローネとレインさんが接触したか・・説明する手間が省けたかもしれないわね。」ふっ。

 

さて、試合当日。「ンドゥールさんよ、お初にお目にかかる。」「そなたがキング・オブ・ハートのドモン殿か。

何の恨みもないが、勝負は手加減いたしませぬぞ。」「その通り。でなきゃ、昨日の特訓がムダになっちまう。」

「特訓?・・何かは知らぬが、私の手はガード不能ですぞ。」「やってみるさ。いくぞ!」「おう!」

『ガンダムファイト!レディー、ゴー!』「もらう!」ゴオッ!「・・」「?・・なぜ動かぬ・・ままよ!」

グワッ!スッ・・スカッ。「な?消えた?!」「こっちだ。」「なに!・・いつの間に右へ?はっ!」ブン!

スカッ。「ば、ばかな!また消えた!」「後ろだ。」「ふおっ!」ゴッ!「カンガルーキックか。だが!」スッ。

スカッ!「また!・・そうか、高速移動による分身か。ならば!」バッ!「死の旋風!」ゴゴゴゴッ!

「ほう。手を広げて大回転か。」「これならば、どこへいこうと捕まえてみせる!」ババババッ!「なんだと!

全てまぼろしか!」「スキあり!」バッ!「正面!つかまえた!」ゴッ!フッ。「はぁっ!・・下?!」ヌッ。

「しまった!」「瞬殺!ゴッドエクリプス!」カアッ!ドバアアアアーン!「うおぉぉぉぉっ!」ボオオーン!

ギュルルルッ、ズダダダーン!・・「なんと疾い・・技・・」がくっ。「勝負あり!ゴッドガンダムグレート!」

 

パシュ。「おい、生きてるか?」「な・・なぜだ、なぜつかめなっかった。」「昨日おれは街に出て、人ごみを

うろついた。当然、通行人が俺を見つけて触ろうとする。あらゆる方向から、予測できないタイミングで。

それを全てかわしきる。けっこう大変だが、なんとかできるようになった。それまで何枚サインを書かされたか・・

苦労したよ。」「・・そうか、見切られれば我が技とて無力。さすがはキング・オブ・ハート。私の完敗だ。」

「いや、最後の攻撃は冷や汗ものだった。千分の一秒エクリプスに入るのが遅れたら、やられたのは俺の

ほうだろうな。」「そうか・・負けたというのに、この清々しい気分は。」すっ。「貴公との闘いで、私は目が覚めた。

おのれの力に溺れ、技を磨くことを忘れていたのだ。」「確かにあんたの能力は恐ろしかったが、それを生かす

技の切れはなかった・・あんたの技には迷いがあった。」「そうだ・・祖先の復讐だけで闘ってきた私には、

おのれを磨く心が欠けていた。武闘家としての自分を見失っていたのだ。・・それが私の心の迷いであった。

敗れた今こそ悟った。もう復讐などというくだらぬ心は捨てよう。純粋に武闘家として、おのれを磨く。

ドモン殿。感謝いたしますぞ。よくぞ私の心の目を開かせてくれた。」「わかるよ。俺も以前は似たようなもの

だったからな・・助けになれたなら、俺も嬉しい。」「これがガンダムファイトなのだな・・はじめて知った。」

 

選手村。トントン。「どうぞ。」ガラガラ。「ンドゥールさん、お昼ごいっしょしません?おにぎり作り過ぎちゃって、

二人でも食べきれそうにないんですよ。」「レインどの・・わかった、すぐに行こう。」「裏の空き地です。」

ワイワイ。「おお、ナコルルどのに半蔵どのも。」「あ、ンドゥールさん。」「ささ、こちらへ。ついでなので

皆でさらににぎり飯を作り足し、シートを広げて宴会にしたのでござる。」「今日は日も暖かいしな。」

「ふふっ、なんかピクニックみたいでワクワクしちゃうわ。」「たまにはこういうのもいいですね。」

「さて、闇鍋ならぬ闇おにぎり、仕上げはいかに?」ばさっ!『おお~。』「三者三様でおもしろいな。」

「こちらの三角がレインさん、まん丸なのが半蔵さん、海苔で巻き込んだのが私のです。」「ではもらおうか。

まずはレインのだな。」ひょい、ぱく。「・・ほう、カラシ明太子か。うまい。」「では拙者はナコ殿のを。」

ぱく。「おお、定番の焼きシャケでござる。」「それじゃ私は半蔵さんの。」ぱく。「・・うん、小松菜ね。」

「ンドゥールさんもどうぞ。」「では・・」ぱく。もぐもぐ・・じわっ。『えっ?』「トウガラシ直撃ですか?」

「い、いや・・こんな楽しい食事は生まれて初めてなもので。」「・・レイン、お茶。」「あ、はいはい。」

コポコポ。「ほら。」すっ。「にぎり飯にお茶は欠かせないぞ。」「かたじけない・・」ズズ~。『・・(^_^)』

「ドモンさん、そういえばあの技はなんですか?」「ん?あれか。瞬殺ゴッドエクリプス。今回みたいなきわどい

勝負用の技さ。最近のファイターは気合を溜めてるヒマもくれない素早いのが多いからな。予備動作なしで出せて

しかも充分な破壊力を追求したら、ああなった。」「爆熱ゴッドフィンガーの応用でござるな。だがあの技は

直撃せぬとかなり威力を減ずるとみたが。」「そう、だから超接近戦限定の技だ。確実にヒットさせるためにな。」

 

みなさんお待ちかね!シャッフル合同の勉強会!てごわい新人を分析します。

しかし、そこで見つかった奇怪な事実!タロットの紋章、消された記録、

青ざめるレインとナスターシャ!いったい何が始まるのか?!

いよいよ巨大な運命の波が見えてきました!

次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第17話

「新たなる謎!重き紋章」に、レディー、ゴーッ!

 

******************************************************

 

第17話「新たなる謎!重き紋章」

 

ホテルアメリカン・ロイヤルスィート。「ではこれより明日の対アルトロンガンダム戦における対策会議を始めるわ。」

「おいシャーリー、改まって何の話かと思えば、そんな事かよ。」「相手が相手よ。あのマスターアジアも苦戦した

ほどのファイター。情報を知っておいた方がいいでしょ?」「まあ・・そりゃそうだが。ところで、なんでドモンとレイン、

ジョルジュとチャイニーズ、ついでにアルゴとナスターシャまでいるんだ!シャッフルみんな集めてどーすんだよ!」

「バニーが口滑らせちゃって。みんな参加したいといいだしたのよ。」「俺たちも鈴麗の情報には興味があってね。

押しかけさせてもらったのさ。」「特にチャイニーズ!お前の義理の妹だろうが!サバイバルイレブンで一度対戦

までしてるのに、なんでここにいるんだ!」「ヒマだったから。おいらもみんなも今日はファイトがないんだよ。」

「じゃあ、実際に闘ったおめえの印象をまず聞こうか。」「結論からいうと、とんでもない強敵だね。あの八極拳の

速さと鋭さは本物だね。チボデーのあんちゃんのパンチといい勝負だよ。」「今サイサイシーの言った通りよ。

このビデオを見て。アルトロンの主武器のドラゴンファング、ドラゴンほどのリーチはないけど、この素早い

踏み込みが充分過ぎるほどカバーしてるわ。これにより、実際のリーチの1.5倍強の射程距離を稼いでいる。

そしてこの突きのスピード。マックスターの0.2秒に対して、0.17秒。」「これは速いですね。」「射程距離も考えると、

まともに打ち合ったらこちらのパンチが届かないうちに決定打をくらうことになるわ。」「ちょっと待て。

その伸縮アームを引き戻す速さはどうなんだ?」「これまた0.14秒と速いわ。チボデーの今の質問は、突きをかわした

スキに内懐に飛び込むことを考えての質問だと思うけど、それも難しいわ。このアームは展張式で、三つの二重間接で

自在に曲がるわ。実際、このビデオにもある通り、後頭部から牙を立てられたり、アームで巻かれて動きを封じられ、

とどめをさされた相手もいるわ。」「これはてごわい・・完全に結界になっている。」「亭主のいうとおりね。」

 

「さて、ファイターの方はバニーが調べてくれたわ。」「二日前に街でチンピラとケンカしたときの記録よ。」

ジィィ・・「なんてぇ突きだ。技を出す瞬間がまったく見えねえ!」「突きと同時に体も相当の速さで移動してるな・・

リーチと破壊力、同時に稼げる。これが八極拳の極意である猛虎の踏み込みか・・」「極端な話、5メートル向こうの

相手にもヒットさせることが可能よ。」「まるで飛び道具じゃねえか・・ん?右手に何か見えたぞ。巻き戻してくれ・・

そう、そこで止めて。・・なんだこれ?」『んん?・・』「まさか・・紋章ですか?」「おいらたちみたいな?」

「・・なんかタロットカードのように見えるな。キャス、お前こういうの詳しかったよな。」「どれ・・これは

「法皇」のカードみたいね。」「そういえば・・」「サイサイシー。何か思い当たることでも?」「・・小さいころ、

何回か見たことある。稽古をしていたとき、何かの拍子に現れていたよな。誰も信じないんで、黙ってたんだが・・」

「・・ちょっと待って!同じようなの、見たことある!確かあれは・・そう、このビデオ。」「ノーベル対カムイか?」

「こっちの、オンボードカメラの映像で・・あった!」「こ、これは!アレンビーとナコルルにも似たような紋章が!」

「これは・・アレンビーのは「魔術師」、ナコルルのは「戦車」よ。」「いったいなんだこれは・・レイン、どうした?」

ガクガク・・「い、いえ、何でもないわ・・」「ナスターシャ、顔が真っ青だが・・」「・・そう、そうだったの・・」

「シャッフル以外にも、こういう事ってあるのか・・?」「と・・とにかくこれが何か調べてみるわ。ジャネット、

CIAデータバンクで検索して。」「おっけい。パスワード・・アクセス。」「アクセス許可をもらっているのか?」

「国の代表ということで特別許可をもらってるの。かなりのセキュリティレベルまでアクセスできるのよ・・出た。

シャッフル同盟・・あるわ。関連事項・・えっ?なに?」「どうした。」「・・記録が削除された形跡があるわ!」

『なに!』「こんなバカな!このデータバンクは絶対に侵入できないよう、要塞並みのプロテクトがかけてあるのよ!

いったいどこの誰が・・」「それができるとなると、かなりの腕のハッカーか、または・・」「国家自身・・?」

 

ニューヨーク。『間に合った?』「おっけい。アルカナの項目はきれいさっぱり削除したわ。しかしうかつだったわね。」

「まさかCIAデータバンクの隅っこに消し忘れがあったとはね。灯台もと暗しというやつね。」「ナディアの通報で

発見できて助かったわ。」『シャッフル同盟が寄り集まってるので、聞き耳を立ててて正解だったわ。幸いにも

レインさんもナスターシャさんも事前の説明が済んでたので、口をつぐんでくれてたしね。』「まさにすべりこみね。

で、これでファイブカードがお互いに認識しあったわけだけど、どうする?」「・・顔合わせさせるべきでしょうね。

ナディア、セットアップしてくれる?」『わかったわ。今日じゅうにもコンタクトをとれるように手配するわ。』

 

ブルルル・・「あ、メールね。」さっ、ピッ♪【ナディアです。会議は終わったようですので、ちょっと打ち合わせを

したいんですけど。】ぎくっ!(どこで見てたの・・)カチカチカチ・・【監視してたの?】【仕事のうちです。

で、これで五人ともわかりましたね?】【ええ・・】【いい機会ですので、一度会合を持ちたいと思います。

全員に連絡お願いできるでしょうか?場所と時間はこちらでセットしますが。】【・・料亭でお願いね。】

「ナスターシャ。」「なんだ?レイン。」「ちょっとこれ・・」「・・そうか、わかった。都合をつけよう。」

 

某中級ホテル。プルルル♪「はーい、アレンビーよん。・・レイン?・・えっ?!・・そう・・わかった。」

選手村。『ナコちゃん、ちょっといい?』「はい、レインさん。」ガラガラ。「なんでしょうか?」「実はね・・」

ホテルネオジャパン。ピピピ♪「ニイハオ、鈴麗です。ナコルルさん?・・あ、はい。だいじょうぶです。」

「・・ドモン、今夜ちょっとナコちゃんとお出かけしてくるけど、いい?」「何かあるのか?」「女性でちょっと

寄り合いがあるの。」「いいだろう。晩はひさびさに自分で作ろうか。」「ごめんなさいね。」「たまにはいいさ。」

 

ネオ浅草・高級料亭。「そう・・やっぱりみんな生まれたときから・・」「ドモンの初めて見たとき、心臓が

止まりそうになったわ・・」「ファイブカードがそろうとは・・」「二千五百年ぶりですか・・」「「星」が私。

「隠者」が・・」「どうりで、ウォルターガンダムを・・」「「女帝」から何か?・・」「いえ・・でも時間の問題ね・・」

「フォアカードも、いずれ・・」「「皇帝」のフルハウスも・・」「「世界」は・・」「いったい、何が始まるの?・・」

「・・まだ、その時ではない・・」「しばらく、静かにしてましょう・・」「でも時代が私たちをも必要としている・・」

「そう。はるか彼方から、途方もないウェンカムイの気配が・・」「でも・・紋章が・・重い・・」『・・・・』

 

「レイン、どうしたんだ?今朝から何か変だが・・」「そ・・そんなことないわ。ねえ、アレンビー。」「そ、そうよ。

さあ、チボデーと鈴ちゃんの試合、見にいこ!」「そうそう。遅れちゃうわよ!」「あ、ああ・・何か変だな・・?」

 

「ナスターシャ。」「・・あ、あんた・・」「・・昨夜なにがあった?ずっと考えこんでるようだが・・」「あの・・」

「・・お前が言えないのなら、それだけの理由があるのだろう。なら、聞くまい。言えるようになってからでいい。

それよりも、同じ悩みを分かち合える者がいるか?・・一人で悩むのは、辛いぞ・・」「・・そうね。その時が

来たら、必ず話すわ・・」「・・それでいい。」「さあ、チボデー戦の観戦にいきましょう。」「うむ。」

 

控室。コンコン。「鈴、いるか?」「・・あ、お兄ちゃん。」「なんか元気ないな。何かあったのか?」

「い、いえ・・」「・・どうしたんだ、お前らしくないぞ。そんな顔じゃチボデーのあんちゃんに勝てっこないぞ。

兄ちゃんに、鈴の強いとこ見せてくれ!昔の稽古のときみたいに、お前の紋章を輝かせてみせろ!」ぎょっ!

「お!お兄ちゃん!知ってたの?!」「知らいでか。何年一緒に育ったと思ってるんだ!さあ、兄ちゃんの

クラブ・エースの輝きを分けてやる。負けるなよ!」ギン!「・・わかった!私、やってみせる!」すっく。

「ようやく本当のお前に戻ったな!その意気だ!」「よーし!いっくぞぉーっ!」

 

観客席。「ナコ殿。」「・・あ、半蔵さん。」「・・今朝から妙に思いつめておるようだが、何があったのか?」

「いえ・・ちょっと考えごとをしてたので。」「・・なにかは知らぬが、ナコ殿らしくありませぬぞ。そなたに

そのような愁い顔は似合わぬ。温かな笑顔、そして闘っているときの鋭い眼差しこそ、ナコ殿の魅力。拙者はそんな

ナコ殿に惚れ、息子の嫁にと決めたのでござる。」「だから勝手に決めないでください!・・あ。」「ふはははは!

その元気があればだいじょうぶだな。」「もう~・・ふふっ。」「それだ。その明るい笑顔こそ本当のそなただ。」

「そうですね。始まってもないことを思い悩んでもしょうがないですね。」「さあ、試合を見ようぞ!」「はい!」

 

「チボデー兄ちゃん、ぶっ飛ばしてあげる!」びしいっ!「おお、イキがいいねえ。よっしゃ!」シュシュッ!

『ガンダムファイト!レディー、ゴー!』「先手必勝!」ダダダン!「おおっ?!」「龍牙連打!」ズガガガッ!

「シット、すげえパワーだ!ヘビー級でもこれほどのパンチを持つ奴は少ねえ!」「な・・なんてパワーなの!

マックスターのガードが外れていく!」『あぶないチボデー!』「はあっ!」ズガアアアーン!「ぶぅわっ!」

「すごい!ガードの緩みに強引にねじこんだ!」「ガードを破壊する拳か・・てごわい。」「や・・やるねぇ。

世界タイトルマッチ戦より燃えるぜ!ウララララーッ!」ダダダッ!ドドドドッ!「くっ!さすが世界チャンプの連打!

よけきれない!」「うりゃああーっ!」「はあっ!」ビシッ!バキイイーン!・・『と、トリプルクロスカウンター!』

「だがリーチはアルトロンの方が長い!」「・・ぐはっ!」ユラッ・・ズズーン!「ダウンだ!」「カウントが入るぞ!」

「ワン・・ツー・・」「立て!チボデー!」「そうだ!こんなので終わるな!」「シャッフルの紋章にかけて、立て!」

「・・そうとも、俺はクイーン・ザ・スペード!まだまだ終わらねえ!」ググッ・・ズン!「カウント9で立った!」

「なかなかやってくれるじゃねえか・・ならば見せてやろう、俺の最強パンチを!おおおおーっ!」ビーン!

「ならば私も!はぁぁぁーっ!」ビーン!「二人が同時にハイパーモードに入った!」「これで・・決まる!」

「猛虎!龍撃弾!」ドオオオーン!「撃滅!アトミックパーンチ!」ズドオオオーン!バシイイイーン!

「・・互角か!」「いや、チボデーの方がパワーが上だ!」「・・はああああっ!」ダダダン!「おりゃあああっ!」

ズバアアーン!「なに?アルトロンが突進した!」「そうか!アトミックパンチのパワーを相殺して」『その穴から!』

「ジーザス?!」「双龍乱舞!うおおおおっ!」ズガガガガガッ!「ぐわああああっ!」「はあっ!」ズドオオオオン!

「ノオオオオーッ!」・・ズダダダダーン!ゴォォォ・・『チボデー!』「な・・なんと!乱舞を仕掛けた!」

「自分の最高奥義を捨て技にするとは!」「勝負あり!アルトロンガンダム!」「り・・鈴!やったーっ!やったぞーっ!」

ダダッ!「お兄ちゃん?勝った、勝ったよーっ!」「・・見事だぜ。完敗だ。チャイニーズ、えらい妹を持っちまったな、

俺たちはよ。」「よくやった、よくやったぞ鈴!大金星だ!」「やった、やったよお兄ちゃん!」ワアアアーッ!

「見事な試合だったの、ドモン。」「師匠?・・はい、たしかに。」「双方とも全力を出し切っての見事なファイトで

あった。しかも鈴麗は前回の敗北を確実におのれの力にしおった。そう、武闘家たるもの、負けることを恐れてはいかん。

むしろ敗北からこそ新たな道が開けるもの。鈴麗はそのことを自分の力で示したのだ。これは素晴らしいこと!」

「今日の敗北を明日の勝利の糧にするということですね。」「そしてなにより大事なのは、いかなるときも前向きに

考えることじゃ。それが基本!」『・・そうね。常に前向きに全力で。私たちも大きなことを教わったわ・・』

 

みなさんお待ちかね!オフの日を楽しく過ごすファイターたち。

でもそこでも形を変えてファイトは続きます。

熱き女の闘いのゴングがいま鳴ります!

次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第18話

「番外編!Gギャルズ・バトルロイヤルinアマンド」に、レディー、ゴーッ!

 

*********************************************

 

第18話「Gギャルズ・バトルロイヤルinアマンド」

 

「アマンド」。知らない人はいない老舗のパーラーである。コロニーに上がっていたが、ガンダムファイト景気で

復興にはずみのついた新東京シティーのネオ浅草へ帰ってきたのである。某大企業の押しもあったらしい。

オフの日。サイサイシーはセシルと鈴麗に引っぱられてアマンドへ。ヴァーミリオンも一緒である。

「おいら、甘いものは苦手なんだけど・・」「だいじょーぶ。そんな人のためのメニューもあるから。」「そうそう。

それに今日はヴァームのおごりだって。バンバン食べちゃうぞ!」「おいおい鈴、そしたらまーたお腹の肉が厚くなって、

ヴァームの兄ちゃんに嫌われるぞ。」「コロコロした鈴さんもまた可愛いかな?」「ダメダメ!そんな事いったら、

鈴のやつ歯止めがきかなくなるんだから!」「ふふふ、もう遅いんだから。」「まあまあ。・・あ、あそこね。」

 

チリン。「いらっしゃいませ?。」「・・カップルか女性連ればっか。・・あれ?」「なんか、見馴れた人たちが

いるようですよ。」「げげっ!ドモンのアニキとレインねーちゃん!」「ジョルジュ殿とマリアルイゼ姫!」

「チボデー兄ちゃんと四人のおねえちゃんたち!」「アルゴさんとナスターシャさんまで!」「おお、お前たちも

来たのか。」「どーしてシャッフルはこういつも一緒なんだよ?!」「俺たちもひっぱりこまれたのさ。」

「今日はGF記念フルーツケーキ大食い大会があるんだと。」「えっ?・・そうか。セシル、知ってたな!」

「あはは、バレちゃった。」「なんせタダでおいしいフルーツケーキがいっぱい食べられるもんでね。」

「それでですか。」「それはともかく、何でレインねーちゃんやナスターシャねーちゃんまでいるの?」「甘いわね。

女ってのは、いくつになってもこーゆーものとは縁が切れないのよ。」「底なしのターシャと言われたパワー、

久々に出してみるか・・」「ナスターシャ、目の色が違うぞ・・」「レイン、少しは年を・・」バキッ!

「何かおっしゃいました?あ・な・た?」「・・いえ、何でもないス。がんばってくらさい・・」「よし。」

「姫さまのような方がこのような・・」ガン!「ジョルジュ、食い気に身分は関係なくてよ。」「・・わかりました。

でも、スパナはご勘弁を・・」「けっ、もう尻に敷かれてら。お前たちはこーゆーの得意だよな。」『もちろん!』

 

チリン。「お客さま、ペットの持ちこみはちょっと・・」『ん?・・あっ!半蔵さんとナコルル!』

「あら、みなさんも。・・ママハハ、表で待っててね。」「クゥ。」「半蔵さんね、連れてきたのは!」「うむ。

美味い洋菓子がいっぱい食えると聞いたので、ナコルル殿をさそったのだ。」「あ?あ、結局いつものメンバーが

揃っちゃった。」「こうなると、腐れ縁だな。・・ん?誰か忘れてるよーな・・?」「そう・・ね?」

 

「さてみなさま、ついに来ましたレディースバトルロイヤル!司会と実況はおなじみわたくしこと神宮寺さくら。

そしてカメラマンは、」「全世界50億のファンのみんな!李紅蘭や!」バキッ!「そんなにいるか!」「アイヤ?、

サバ読んだだけやないか!」「そりゃクジラよ!」「・・お約束のドツキ漫才ね。」「オホン。そして今回は三笠は

大きすぎて持ちこめないため、」「ウチの愛機、光武の出番や。」ジャキッ。「おっと、紅蘭手製のスーパーカメラ!」

「十万馬力。七つの能力搭載や。見よ!超小型CCDカメラビットも付属しとるで!」ヒュンヒュン・・ガン!

「いでっ!・・こ?らん?!」「あ、はは・・制御の手がちょっと滑っただけや。」「霊剣・荒鷹!」チャキッ!

「そこへなおれーい!今日という今日こそ成敗してくれる!」「ひえーっ!かんにんや~!」ドタバタ!

「ええーい!漫才するのか司会進行するのか、はっきりせい!」「はっ!・・失礼しました。では解説の先生を

ご紹介します。おなじみ、東方不敗マスターアジア先生!」「うむ。」「次は出場選手!総勢20人の食欲自慢の

女性たち!招待選手として、ガンダムファイターとクルーのレディーたちもいらっしゃいます。それでは!

ケーキファイト、レディー・・」「ちょっと待った!」ヒュッ!スタッ!『ア、アレンビー!』「そーか。どーも

誰かいないと思ったら。」「最近ナコちゃんや鈴ちゃんに押されて、カゲうすいもんね。」「人が気にしてること

いわないで!今日こそあたしがGガン2のメインヒロインだということを証明してみせるわ!」「そう言って

成功した例、ほとんどないんだけど。」「あ?ん!ハンス、みんながいち”めるよ?!」「僕がいるじゃないか。」

「ハンス・・」「アレンビー・・」「あの?、バックに花バラまいて、二人だけの世界作らないでほしいんですけど・・」

 

「・・さてと。どうやら選手がでそろったよーです。では、レディー、ゴー!」『アグアグアグアグ!』

「おおっとぉ!序盤からいきなりのハイペース!これでは脱落者が早い段階で出るぞぉ!」「これはちょいと

飛ばしすぎやな。シロートさんは保たんで!」「東方先生、序盤の展開についていかがですか?」

「うむ。やはりこういうのは育ちが出るというか・・」『うるさい!おさげじじい!』ガン!「東方先生ダウン!

アマンドは女の食い意地無法地帯と化しました!」「す・・すごい気迫だ!」「俺たちのファイトなみだな・・」

 

「さて、各選手10個めをクリアー。この時点での脱落者は、」「シロートさんは全滅やね。やっぱプロのペースに

はめられたらおしまいやな。」「サポートクルーはまだもってるようですね。」「そりゃー、サバイバルイレブンで

世界中飛び回ってたんや。体力と精神力はそこらへんのカタギの連中とはケタが違うで。」

「紅蘭・・あなた解説者に向いてるわ。・・え?はい。紅蘭、大神デスクからの指示。解説もやれって。」

「へ?・・やりぃ!おっしゃ、ドンドン何でも聞いたってや!」「サブカメラマンをよこすって。」「誰や?」

「アイリス。」「ゲッ!そらあかん!あのコは」「な?に?」ポン。「・・ゲゲッ!アイリス、いつの間に!」

「私がサイキッカーだってこと忘れた?テレポートしてきたのよ。」「相変わらず非常識なやっちゃな・・

まあええわ。ほれ、光武。大事に使ったってや。」「もちろん。ビット制御は私の方が上よ。」「へえへえ、

サイキッカーにはかなわんわ。」「では紹介しましょう。第二カメラマンをつとめるは、」「ネオフランスTV出身、

アイリス・シャトーブリアンで?す。アイリスって呼んでね。」「舌かみそーな名前だからね・・さて、実況に

戻りましょう。現在20個目をクリアー。おっ!ここでリタイアが出ました!」「もうダメ~。」「セシルちゃんです!

やはりカタギに一番近い彼女です!」「まあ初心者にしては上出来や。」「ほらセシル、ウーロン茶だ。」

「むぐ・・うぶっ!」「わーっ!バケツバケツ!」「おっ、ちゃーんす!」「こら、アイリス!お茶の間にそんなの

流しちゃダメ!」「え~?いい絵なのに~。」「放送コードに引っかかるわよ!・・おっ!今度はマリアルイゼだ!」

「う”~・・」「無理しすぎですよ・・はい、ホットティー。」「これで二人めか。経験値の少ない方からやね。」

「でも・・ナコルルって、あんな小さな体のどこにあんなに入るわけ?」「う?ん、わからん。何か秘密が

ありそうや・・」「え?」「どーしたの?アイリス。」「・・気のせいかな?今ナコルルさんの手が四本に見えたんだ

けど・・」「そないな・・あっ!わかったで!」ダダッ!「半蔵さんや!」バサッ!「不覚!気取られたか!」

「ナコルル、反則負け!」「しくじったか・・しかし、美味い菓子でござった。」「ママハハにもおみやげに買って

帰りましょう。」「お茶でござる。かくなる上は決着を見届けようぞ。」「あ、どうも。」「半蔵はん甘党やったんやな。」

 

「いま25個をクリアー。しかし、すごいのはレインさんとナスターシャさん。全然ペースが落ちません!

アレンビーも必死に食い下がっています。」「う?ん。やっぱ年の功やな。・・おっと、またリタイアが出たで!」

「鈴麗ちゃんだ!27個でした。」「はい鈴さん。チンタオビールですよ。」「ちょう待ち!鈴ちゃんは16や。

お酒はあかん!」「・・これ、ノンアルコールですけど。」「へ?ちょいと・・ゴク・・ほんまや。味はビールやが、

アルコール入っとらんわ。」「よくがんばりましたね。帰りにネオ浅草でゴディバでも買って帰りましょう。」

「ご、ごでぃばぁ!」ピクッ!『わたしたちも~。』「え?・・うわっ!」『わたしたちも、ゴディバ欲しい~。』

「わ・・わかりました!みなさんにもお送りしますから、そんな恨めしそうな顔で迫らないでください!」

『絶対よ~。約束破ったら、一生呪ってやる~。』「・・ねえ。さくら、紅蘭。なんであなたたちまで・・」

「・・え?いや~、体が勝手に反応して。」「そ、そや。女の哀しい性やね。」「仕事に戻りましょう。デスク、

カンカンよ。」『は、はい!』バタバタ!「何でアイリスは反応せんかったん?」「あたし辛党だもん。」

「・・うーむ、女の執念とは恐ろしい・・おや?ナコ殿はどうされた?」「ごでぃばって何ですか?」

「お・・おお。知らぬのか。知らなければ、それでよいのだ。」「?」「あら、ゴディバならうちに・・ムグ!」

「姫さま、そういう事は言わぬが花なのです。」

 

「今30個をクリアー。チボデーギャルズ、そろそろ限界のようです!」『もうダメ~。バケモンだわ、この三人~。』

「ダウンタウン出身のハングリーパワーでも、やっぱ歴戦練磨のあの三人には及ばなんだか。」「どういう練磨よ。」

「たく、しょーがねえな。ほれ、アメリカンコーヒーでも飲んで落ち着け。」『ゴクゴク・・あ~しんど。』

「さあ残るは三人。誰に軍配があがるのか!」「ちょいとドモンはん。レインはん、何であんなに入りますねん?」

「あれは一種のブラックホールだ。次から次へと異次元へと消えていくのだろう・・」ガン!「うわっ!あぶな~。

ドモンはんもKOや。」「あれま・・ただいま35個。あっ!ナスターシャさんが!」「む、無念!これまでだ・・」

「ほれウオッカだ。甘党でもないのに無理しおって・・」「昔のパワーが出なかった・・」「それだけ出れば充分だ。」

 

「ついに残るは二人!勝つのはどっちだ!」「この人だけには絶対負けない!」「私も!前回あれだけ苦労して得た

トップの座、むざむざ渡したりしない!」「このままでは勝負がつかへん!どっちも死ぬまでやるで。」

「しかたありません、ここで打ち切り!賞品のアマンド招待券一年分は、半年分ずつさしあげます。」ぱちぱちぱち!

「な?んだ、もうおしまい?」「まだまだいけたのに、ねえ。」「ね、アレンビー。タダ券もらったことだし、

口直しにジャイアントパフェでも食べない?」「あ、それいい。ついでにミルクセーキもさ。」きゃいきゃい。

「ば・・バケモンや、この二人・・」「聞いてる方が気持ち悪い・・では、中継を終わります。」

 

「あ”あ”あ”?っ!」「どうした、レイン!」「5キロも増えてる?!」「・・そりゃそーだろ。あんなに食べちゃ。」

「こ・・これは乙女の大ピーンチ!」「誰だ、それ?」バキッ!「もしもし、アレンビー?・・あなたも!・・そう、

これから付きあって!」ガチャン!「あいてて・・お、おい!どこへ行く!」「ちょっと運動してくるわ。

いらっしゃい、ライジングガンダァーム!」パチン。ギン!ドドド・・「何で運動にガンダムがいるんだ!」

「ノーベルとスパーリングしてくるわ。5本もファイトすれば、元に戻るわよ!いけ!ライジング!」ドーン!

 

その後、数日して、ヴァームから女性陣(アナウンサー含)全員にヴァームからゴディバチョコの詰め合わせが

送られた。なぜかナコルルももらってしまい、「なにかしら?・・あら、かわいらしいチョコレート。・・おいしい。

ママハハも食べなさい。」「クゥ。」「あとでお礼をしとかないとね。サッチポロにしましょ。」・・

「ナコルルさんからお礼返し?」「昨日はおいしいチョコをありがとうございました。これはほんのお礼です。」

「何て礼儀正しい方だ・・これは?」「コタンから送ってきたサッチポロ。干しイクラです。」「これは珍しい。

あなたに送ったことだけは、よかったようです。」「ママハハが喜んでました。」「え?」「私は2つほど。あとは

ママハハにみんなあげちゃいました。」ニコニコ。「は・・はぁ・・(あれ高いんですけど・・)」ヒクヒク・・

 

さて、対照的なのがGF放送スタッフルーム。通称「花組」は、あいも変わらず修羅場であった。「ちょっと、

すみれ!それは私へのプレゼントよ!」「いーじゃない、ひとつくらい!」「ああっ!カンナはん、何で三つも

取るんや!」「いーじゃんか。こんなにあるんだから。」「・・」「ん?マリアはん、なんや?」「・・」

「わ・・わかった!どーぞ、取ったってや。」「・・ありがとう。」「ふーっ。マリアはんのあの目にはかなわんわ・・」

「・・大神デスク、苦労しますね・・」「アイリス・・頭痛薬と胃薬、とってくれ・・」

 

みなさんお待ちかね!いよいよ来ました運命の日!

ドモンとアレンビーが激突します!不吉な予感に震えるレイン!

はたしてこの死闘の決着やいかに!

次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第19話

「この命尽きるまで!愛と青春の決戦」に、レディー、ゴーッ!

 

*******************************************************

 

第19話 この命尽きるまで!愛と青春の決戦

 

虎ノ門廃墟。「でやあああーっ!」ビュッ!バシイイイーン!「まだモーションが大きいぞアレンビー!蹴りは

もっとコンパクトに、鞭のように!」「しゃあっ!」シュバババッ!パパパパン!「そうだ、連打はヘソで

コントロールするんだ!決して手足の制御を怠るな!」「とりゃあっ!」ドオンッ!バキイイイーン!

「うおおおおーっ!」ザザザーッ!はっ。「・・ハンス!」「だいじょうぶだ・・今の蹴りは見事だったぞ。」

ズキズキ・・「・・受けた手が腫れ上がってるじゃない!」「骨まではいってないさ。」「・・少し休憩にしましょ。」

すとっ。「いよいよ明日だな。」「ええ・・前のときはバーサーカーシステムでケチがついたけど、今回こそ・・!」

「ドモンさんはアレンビーの恩師みたいなものだったな。」「ならばこそ全力で闘うの。それが最高の恩返しよ。

そう・・自分に決着をつけるためにも。」「・・まだ振り切れてないんだね。」「正直なところ、ね・・悪いけど。」

「いいさ。誰もがいつかは乗り越えなければならないものだ。そしてそれを乗り越えることで人は成長するのさ。」

「・・そう、そうだね。」すっ。「次は廃ビル相手に打ち込みしてくるわ。ハンスは見ててね。」「ああ。」タッ。

(そう・・今度こそ、ドモンへの想いに決着をつける。自分に初めて青春を、そして闘うことの素晴らしさを

教えてくれ、拳で語ることで多くの友もできた。初恋、三角関係、そして決別。全てドモンと会えたから。

恩師であり、ライバルであり、兄であり、父であり、そして恋人だった彼と、決着をつける時!)ダン!

「とおおおおーっ!」ゴオッ!ドガアアアアーン!ガラガラガラ!「はいはいはいはいっ!」ズガガガガッ!

バカバカバカーン!「すごい・・巨大なコンクリート塊を次々と!これが今のアレンビーの気迫か。」・・ふっ。

「・・僕はあれほど想われる男になれるんだろうか。・・いや、よそう。僕は僕だ、ドモンさんじゃない。」

 

ガンダム長屋。「・・明日か。」「・・ドモン、明日のアレンビーとのファイトだけど。」「・・何だレイン?なにか

心配事でもあるのか?」「いえ、なぜかとっても不安なの。どちらかの命に関わる結果になるような気がして・・」

「そうか・・レイン、一つはっきり言っておく。何が起こっても動じるなよ。今のレインの予感、あながち外れては

いない。今のアレンビーは・・強い。前のバーサーカー状態のとき以上の強さを発揮できるだろう。ゴッドの

ハイパーモードでも勝てるかどうか・・わからん。」「それじゃ・・」「そう、ヘタに手加減なんかしたら、こっちが

命を落とすハメになるかもしれん。・・この試合、類を見ない壮絶なものとなるだろう・・心しておけ。」

「そんな・・アレンビーは私たちの妹みたいなものよ?それを!」「だからこそ!・・リングの上では容赦はない。

おそらくアレンビーも全力でぶつかってくる。手加減する余裕など・・ありはしない。」「じゃあ・・死闘・・」

「ファイターの宿命だ。最も愛する者ゆえに、全力で打ち砕く・・かつての師匠がそうだったようにな。」

「でもドモンはそれを乗り越えて強くなったのよね・・」「そうだ。・・同じことを俺はアレンビーに課す。

それが彼女に対する俺の最高の礼儀だ。」「わかるけど・・わかるけど・・」「しっかりみとどけてくれ、レイン。

どんな結末になろうとも悔やまない・・そういう試合にしたい。」「・・わかったわ。どんな結果になろうとも。」

 

名出屋城、支社長室。「明日の第一試合、注目の一戦ですね、マスター。」「うむ。・・だがいささか不安がある。」

「どういうことです?」「おそらくあの二人のことじゃ、とことんまで闘うじゃろう。そうなるとレフェリーは

もはや無用、ただ見てることしかできぬ。」「ダブルノックダウンですか?」「それで済めばまだよい。だが

最悪の結果もあり得るのじゃ、今回ばかりは・・」「・・まさか。ガンダムのサバイバビリティはレギュレーションで

厳格に決められてるはずです。」「それが絶対安全だと誰が保証できる?」「・・」「いざというとき、ワシはどう

仕切ればいいか・・難しいのう。」「リングの上ではマスターが法律です。・・なんとか収拾をお願いします。」

 

「Atelier de Marie」。「・・というわけじゃ。」「なるほど。レフェリーも難儀な稼業ですね。・・どうぞ。」

コポコポ。「すまぬ・・うむ、やはりマリーのミスティカティーはうまいの。」「ここ茶店じゃないんですけど。」

「たびたび茶のみ話につき合わせてすまんの。」「もうあきらめてますよ。こっちもヒマつぶしにいいですし。」

「ふははは。・・で、相談なんじゃが。」「マスターブリンガーの強化ですね。」「さすが察しがいいのう。もともと

ハイマスターを造ってもろうたのはここじゃしな。」「ちょっとシミュレーションしてみますね。よっと。」ゴトッ。

ぱかっ。カタカタカタ・・「ゴッドとノーベルの戦闘放出エネルギー・・30%増し・・なんとかなりそうですね。」

「そうか。」「でもキャパはもうギリギリですね。かなり大きめにみてますが、それでも実際にはどこまで数値が

跳ね上がるか予想できません。あとはマスターの気力に委ねることになりますが。」「かまわん、見込みがあるなら。」

「わかりました。明日の六時までに仕上げておきますので取りに来てください。」「うむ。よろしく頼むぞ。」

 

そして当日。ザワザワ・・「会場もさすがにざわついておるのう・・そろそろ時間か。両者、中央へ!」

「アレンビー、がんばれ!」「まあ見てて、ハンス!」「ドモン、気をつけて!」「いってくる、レイン!」ザン!

「ドモン!ついにこの日がきたね。」「ああ・・ついにきた!」「両者、始め!」『ガンダムファイト!レディー、ゴー!』

『おりゃあああっ!』バババキーン!『それっ!』バシーン!「さすがね、ドモン!」「アレンビーもさらに疾くなった!」

「しゃあっ!」シュバッ!「とっ!・・たあっ!」ヒュッ!「回転前蹴り?!はあっ!」クルクルッ、ザシャアッ!

「あれは!」「すごい!・・どちらも舞うがごときハイレベルな技の応酬!」「むう・・これはもはやガンダムの

運動性をも凌駕した動きぞ!」『たたたたーっ!』シュババババッ!「なに?この感動は・・これは・・美?」

「そうだ・・これこそ闘いという名の美。真の達人が相打つときのみにこそ見られる芸術ともいえる闘いの美学!」

「う~む・・見事だ!ドモンとアレンビーは素晴らしい武闘家となった!このわしまで見とれてしまうほどの美しさ。

これぞ真の闘いぞ!」『たああああっ!』バシイイイーン!・・ザシャアッ!・・ワアアアーッ!パチパチパチ!

「観客が拍手を?」「こんな光景は初めてだ!」「観客さえ感動する・・これぞ本当のガンダムファイトじゃ!」

 

「そろそろ、決めどきね!」「おう!俺とお前は拳の兄妹。お前が燃えれば俺も炎となる。いくぞ、わが愛しき妹よ!」

ジィ~ン・・「そう・・この瞬間のためにわたしはここにある!いくよ、わたしの愛と青春の全てをこめて!」

『はあああーっ!』ビーン!「同時にハイパーモードに入った!」「俺のこの手が真っ赤に燃える!」カアッ!

「勝利をつかめと轟き叫ぶ!」ボオッ!『ぶぁーくね(さ)つ!』ドン!『ゴッド(バーニング)・フィンガァァァッ!』

ドンッ!「同時につっこんだ!」フッ!・・「・・上か!」「ノーベル・ダイナマイト!」ゴオオオーッ!「させん!」

ブワッ!ガシイイーン!「同時にヒットした!」『ヒート、エンドッ!』カアッ!・・ズガガガアアアーン!

 

ゴォォォォ・・「どうなったの?!」「いったい・・おお!」「立っておる!二人とも・・むうっ!右腕が!」

ボトン!ドサアッ!「そうか!お互いに頭部への直撃をかわしたのか。だが右肩で炸裂したのだな・・」

「な・・なかなかの威力だ。」「さすが・・ご本家ね。」『でも!まだ闘える!』ダッ!「ゴッドフィンガー!」

「バーニングフィンガー!」「左が!」「まだやるの!」『おりゃあああーっ!』ガシイイーン!ズガガアアアーン!

ドサドサアッ!「なっ!・・今度は左腕が!」「な・・なんてこと・・」「なんという!・・すさまじい死闘!」

「ふ・・両腕とも・・」「なくなっちゃった・・」「だが!」ドン!「けどね!」ドン!『終わってないんだよ!』

バキイイイーン!『バールカンッ!』ブオオオオーッ!ビシビシビシッ!「龍尾脚!」「スパイラルキック!」

ブン!バシイイイーン!「ま、まだやるというのかこの二人は!」「これは・・もはやファイトではない!」

「おねがいもうやめてーっ!マスター、止めてください!」「ま・・待てい!やめい!」『勝負!』ドオオオーン!

「特攻する気か!いかん!」ババッ!ダッ!「止めてみせる!」『うおおおおーっ!』「はあっ!」ガシイイーン!

ギギギギッ!「うおおおっ!なんのこれしき!滅殺!ダブルマスターブリンガァァァーッ!」ズキュウウーン!

ブオオオオオーッ!『うわっ!』「ハイマスターのウイングからすさまじい光の奔流が!」「・・いけない!

ハイマスターの機体に亀裂が!」ピキピキピキッ!「二人のパワーを吸収しきれないんだわ!」ガガガガッ!

「もってくれハイマスター!うおおおおーっ!」バシイイイーン!『うわあああっ!』ズダダーン!ゴォォォ・・

「ぶおっ!・・はあっ、はあっ、・・止まったか。」「し、師匠・・」「マスター・・?」「ええい、二人とも落ち着けい!

この勝負これまでとする!これ以上は双方の命に関わる。わしは二人も素晴らしい武闘家を失いたくない。全ての責は

わしが負う。双方、引き分けとする!よいな・・」「・・はい。ご裁定に従います・・」「わたしも異存ありません・・」

 

「ううっ!」ガクッ!「師匠!」パシュ!「マスター!」タタッ!パシュ!「・・これは!」バヂバヂバヂ!

「コクピットがボロボロに!」「アレンビー、師匠を!」「ええ!」グッ。『よいしょ!』グイッ。「師匠!」

「だ、大丈夫だ・・だが、かなりきつかったぞ。お前たちを止めるのは・・」「マスター・・」「いい試合だったぞ、

二人とも。さすがはわが弟子、そしてわしの見こんだ娘よ。」『レフリング、ありがとうございました!』ザッ。

ワアアアーッ!パチパチパチ!「すばらしいファイトだったよ、アレンビー・・」「ドモン・・よかった。」

 

「Atelier de Marie」。「あらら~、やっぱキャパが足りなかったのね。」♪ジリリリン。「はい、もしもーし。」

『ナディアよ。マリー、試合は見てた?』「いちおうは。ハイマスターの予備機ですか?」『いえ、第二試合以降は

サブレフェリーのヴァーミリオンさんにやってもらおうと思うんだけど。』「それがいいですね。じゃあ予備機は

明日までに用意しときます。」『よろしくね。マスターには連絡しておくわ。』チン。「さてと、お仕事だ。」

 

数日後。「ドモーン!レイーン!」「あらアレンビー。ハンスくんも。」「これからパーラーへ行くの。いっしょにどう?」

「俺は甘いものはちょっと・・」「僕もなんですけど・・」「いーでしょ。ね、いこ。」「行きましょうよ、ドモン。」

「しょうがないな~。」「ところでアレンビー、ハンス君、もう味見した?」「そこ!そこんとこを是非その道の

センパイのレインに聞きたいんだけど。」「なんなら私がお毒味したげよか?年下も悪くないわね~。」「ダメダメ!

ハンスに年上のヒトはまだ難易度が高いわよ。ドモンと交換なら、考えないでもないけど?」「・・こりゃ、

お前さんも尻にしかれるな。」「そんな気がしますね。」「でさ、オトコってのは・・」「ふんふん、なるほど・・」

 

みなさんお待ちかね!闘うだけがファイトじゃない!

熱い炎を撒き散らし、世界の料理の鉄人が集います!

料理で頂点を極めるのはいったい誰か!

次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第20話

「番外:お料理ファイト!」に、レディー、ゴーッ!

 




第20話 番外:お料理ファイト!

「私の記憶が正しければ、第十四回ガンダムファイトには多くの国の代表が集まる。ゆえにファイトだけでは
もったいないというもの。そこで私たちガンダムファイト放送スタッフは考えました。料理。各国の代表により、
自慢の郷土料理を競ってみてはどうかと。さっそく各国に打診したところ、快く了解してもらえました。そして
ここに実現しました。第一回、料理ファイト国際大会!」(料理の鉄人テーマ曲)

「それでは出場選手を紹介しましょう。まずは本場フランス代表、マリアルイゼ姫!この日のためにレイモンド
さんに特訓を受けたフランス料理の腕前はいかに?そして次はアメリカ代表、チボデーギャルズ!ケイジャン・
クレオール何でもござれのパワフルなチームです。そして、ロシア料理のナスターシャさん!寒い国の料理と
海賊で培った腕はかなりホットでしょう。期待できます。次は本場台湾から、鈴麗ちゃん!兄である中華の鉄人
サイサイシーの薫陶はどうか?そして、謎多きアイヌ料理のナコルルさん!大自然の恵みを生かした料理とは
どんなものか?そして、北欧の雄、アレンビーさん!北欧料理の神髄を見せてくれるか?次は中米から、
ンドゥールさん!古代アステカ料理とは?失われた歴史の扉が開きます!最後にわが日本代表、レインさん!
メカニック、ドクター、主婦と何でもこなすスーパーレディー。料理も大得意で、ギアナ高地では相当の修行を
積んだとのことです。」

「あ、申し遅れました。司会と実況は、わたくし神宮寺さくらと、」「ニイハオ!李紅蘭が」『お届けしまっせ!』
バキッ!「アイヤ~、なんでドツくねん!」「思わず関西弁が写っちゃったじゃない!」「そーゆーさくらはんは
仙台やろが!どーがね、ざいぎんは。」「いやー、だいへんだべ。あざもばよがら・・って!」「ほれみ。東北弁
つかっちょる。」チャキ。「死にたいよーね、紅蘭・・」「し・・仕事しよか。」

「あれ?カメラマンは?」「となりにおるやんけ。」「え?」「・・」「ゲゲッ!マリアさん!」「・・」
「あ~、びっくりした・・気配がうすくて、黙ってるんだもの。」「ウチはやかましーカメラマンやさかい。
マリアはん一番カメラマン向きかもな。」「え~、紹介しましょう。ネオロシアTV所属、マリア・タチアナさん
です。・・マリアさん、あいさつをどうぞ。」「・・よろしく。」「相変わらず無口なお方やな~。アルゴの
オッチャンの親戚ちゃうか。」「まさか。」「・・おじさん。」『え"っ。』

「それでは、審査員のみなさんをご紹介しましょう。審査員長は、おなじみマスターアジア先生。」「うむ。」
「そして、ネオチャイナの鉄人、サイサイシーはん。」「おう。」「食通のジョルジュ様とヴァーミリオン様。」
『よろしく。』「そして、庶民代表のドモンはん。」「おう!キングオブハートの名にかけて!」『やかましい!』

「まずはわたくしです。」「うむ、フランス料理か。」「鱒のプロバンス風ですわ。」「見た目は悪くないが・・」
『いただきます。』ぱく。・・「こ、これは?!」「・・姫さま、塩と砂糖、逆ですよ。」「げげっ!くそまず~!」
「そーか?俺には丁度いいが。」もぐもぐ。「ドモン!お前はどんな味覚をしとるんじゃ!」「食わないんなら
俺がもらうぞ。」「うれしいですわ!気に入ってくださって。」『こいつだけじゃ!』

『次はわたしたちよ!』「ほう、海産物のゴッタ煮スープですか。」「たいてい大味なアメリカ料理のなかでも、
一番味のあるやつを出してきましたね。いい作戦です。」「どれ・・ほう!いけるな。」「うん、おいしいですよ・・
あれ?この肉は・・まさか、」『そう!スタミナのつく、アリゲーター!』バターン!「あれま。ヴァームはん、
卒倒しよった。」「なんで?・・あ!ヴァーム様、爬虫類が苦手なんだ。」「な~んやワニくらいで。ウチなんか
小さいころ、マムシ食っとったわ。」「わたし、イナゴ。」「・・トカゲ。」『え?』

「次は私だ!」「お約束のボルシチや。」「いい匂い・・お?マリアさん?」スッ・・「ん?なんだ?」「・・一口。」
「・・いいでしょう。」スス・・「・・おいしい。」ニコッ。「ま!マリアはんが!」「笑ったわ!初めて見た!」
「あなた・・気にいったわ。ときどき船へいらっしゃい。」「はい・・」スッ・・「カメラに戻った・・」

「次はわたし!」「おお、チャーハンか。これを出してくるとは、相当自信があるな。」「オイラの仕込みだからね・・
ぐっ!か、かれ~っ!鈴!なに入れた!」「四川風にしようと思って、カラシにワサビ、マスタードもいれちった。」
「入れすぎだ!口から火吐くじゃないか!」「うん!うまい!」『お前の意見は論外!』「えい、鍋を貸せ!
兄ちゃんが手本を見せてやる!」「おお、サイサイシーがキレよった!こと料理にはうるさいよって。」ジャンジャン!
「見事なナベさばきです!火力も充分!さすが!」「これが本当のチャーハンだ!」『うまいぞおおおーっ!』

「次は私です。」「アイヌ料理か・・何じゃこの白いスープは?」「クンクン・・これは酒粕やね。確かアイヌには
醤油がないよって。」「香ばしいわね~。なんかお腹減ってきちゃった。」「鮭と山菜の煮込みです。どうぞ。」
「え?いいの!いただきま~す。・・うん!おいしい~!」「え~、食事中のさくらはんに代わって、ウチが
実況しまひょ。どうやら審査員にもウケてるみたいでんな。」「なんか一杯やりたくなったわい。」「これどうぞ。
熊焼酎です。」「おお、丁度いい。・・うむ!旨い!効きそうな酒じゃ!」「たしかに!・・ナコルル、あとで一本
分けてくれないか?」「拙者も。」「おれも。」「こら!所帯持ちが集まってなにをしとる!」「オレは四人相手
だから・・」「オイラも。」『まだ早い!』「僕も一本・・」「アレンビーは濃そうだからな~。」「誰か呼んだ?」
「超強力な熊のキモ酒もありますよ。」『それくれ!』「一回一杯までですよ~。鼻血出ますよ~。」
「ちょっと舐めてみよか?・・チョビ・・くぅーっ!か、体が熱い!」「ちょっと紅蘭、だいじょーぶ?」
「さ、さくらはん!」ガバッ!「きゃぁぁぁっ!」バキーン!「げぼっ!・・あ、あれ?ウチは何を?」
「紅蘭・・そーゆーシュミだったのね・・」「へ?・・なんのこっちゃ。」「バカ・・」「どれ・・ううっ!」
「ジョルジュ!飲んじまったのか!」「ひ、姫さま。ちょっと・・」「なんですの?」『わーっ!やめろ!
マリアルイゼはまだ15だぞ!』「水かけろ、水!」サバーッ!「あ、あれ?・・何でズブ濡れに?」
「こりゃ、アブナイ酒だわ・・」「ちっ、もう少しだったのに・・」『姫さま!』

「次はあたしね!」バン!「あ・・アレンビーさん、その缶詰はまさか・・」「決まってるじゃない。
スウェーデンの名物料理といえば、」『わーっ!ここで開けるなーっ!』「ど、どうしたんだ?ジョルジュに
ヴァーム、ハンスまで。」「ヨーロッパの者なら誰もが知っています!あの缶詰がどんなに恐ろしいものか!」
「そうです!スウェーデンの生んだ恐怖の料理、発酵ニシン!」「あの缶パンパンにふくらんでますよね!
あれは発酵ガスによるもの!」「ヘタに室内で開けようものなら、このスタジオ、永久封鎖になってしまいます!」
「それだけじゃない!ここにいる人全員、今着てる服は廃棄処分するしかなくなります!」「・・まるでサ(ピー)
やな。」「それ以上!ほとんど放射能に匹敵します!」「だいじょーぶ!こんな事もあろうかと気密箱もって
きてるわ。」「・・ますます毒ガス処理じみてきたやね。」「せーの、それっ!」シュバーッ!「わーっ!
透明なケースが一瞬に白く濁った!」「これはスゴイのう・・おお、噴出が収まった。」「カキカキッ・・と。
はい開いた。・・さ、どーぞ。」プ~ン。「た、たまらん腐敗臭や!」「こんなゾンビのサシミみたいなの、ホントに
食べられるの~!お、オエエ・・」「・・いい匂いだな。どれ、一つ・・」「でっ!・・ドモンはん・・」
「パク。モグモグ・・うん!程よく腐っててうまい!」「でしょ。このくらいが一番おいしいのよ。」
「・・ホントか?では、勇気を出して・・パク。・・う、うまいぞ!」「なんだかな~。では、オイラも・・
ムグ。・・こ!これは・・こんな味が存在するなんて!」「ナットー食ってるなら、わかるはずよ。」
「たしかに納豆は発酵食品ですが・・」「けっこーおいしいのよ。あたしも毎朝食べてるわ。トーフとか。
ダイエットにもいいしね。」ピク。「ちょっとアレンビー、それどこで売ってる?」「どういう風に食べたら
おいしいの?」「チボデーギャルズ、何やらヒソヒソ始めおったな。」「洋の東西を問わず、女性共通の悩みですね。」
「だからさ、グリーンペッパーとソイソースとジンジャーで・・」『ふんふん・・』

「次はわたしである!」「ンドゥールか。でもなんでまた?」「アステカ文明の素晴らしさを世に知らしめるには
よいかと思っての。」「ま、たしかに古代文明の料理てのは珍しいわな。・・なんやこれ?」「いわゆるモツ煮である。」
「意外とまともやな・・こらうまいで!道頓堀で食ったモツ煮より味が深いわ!」「紅蘭・・あなたホントに
中国人?」「子供時代は大阪にいたんや。」「あ~、それで・・」「うん。内臓料理は敬遠されがちですが、実は一番
おいしいんですよ。」「まさに。イメージ的によくないものがあるが、栄養満点。肉食獣は獲物の内臓から食うのが
なによりの証拠じゃ。」「おお、みなさん認めてくれるか!嬉しいぞ。」「でさ、これ何の内臓?」「これである。」
スッ。『さ!猿~!』「ちがう!ナマケモノである。」『似たようなもんだ!』「は、初めて食ったわ、あんなもん。」
「食べる前でよかった・・」

「やっと私の出番ね!」「最後はレインはん。で、どんな料理でっか?」「純和風でいくわ。はいこれ。」
「ほう!フグでんな。」「フグ刺し、フグ鍋・・フグづくしね。」「うむ!さすがにフグじゃ。上品な味だわい。」
「さすがの私も食べるのは初めてです。なかなか旨いものですね。」「レインの得意料理さ。俺はたまに食ってる
から、お前ら食っていいぞ。」「知らんかったわ。レインはん、免許もってんのやな。」「免許?何それ?」『え?』
「いやほら、フグの料理免許・・」「いるの?」『えっ?』「ジョーダンこいてから。免許ないとフグは市場で
買えまへん。」「だってこれ、昨日ランダーで瀬戸内海へ出かけて釣ってきたのよ。」「え?・・ということは、
無免許?」「・・この鍋に入ってるこれ、まさか・・」「フグの筋子だけど?」『・・ドヒャーッ!』「い、医者を!」
「解毒剤を!」「は~い、ここにあるわよ。」キラッ。「れ、レインさん!その手回しのよさは・・」「謀りおったな!」
「あら?ツベコベ言うと、解毒剤注射したげないわよ。」「わ、わかった!頼むから早く注射を!」「おねがいらから・・
ああっ!」「そろそろ効いてきたよーね。早くしないと手遅れになるわよ~。」「は!はやく!」「は~い。これで
タップリ注射が楽しめるわ。ウフフフフ。」モグモグ・・「ど、ドモン!何を食っとる!」「みんな食わないみたいなんで、
俺が食ってるんです。」「そ、それは猛毒ぞ!」「何いってるんです?こんなにおいしいのに。」「こ・・こやつ免疫が
できておる!」「以前はちょっと手足が痺れたりしたけど、そのたびにレインが何やら注射してくれたんで。」

「あ~らら、集団予防接種みたいになっちゃったわね。・・紅蘭、だいじょーぶ?」「ハアハア・・大丈夫なわけ
あらへん!あやうくテッポーで死ぬとこやったわ。」「解説しましょう。関西ではフグのことを鉄砲といいます。
そのココロは、」「当たったら死ぬ!・・ってノンキに解説こいてる状況か!レインはん見たれや。あの注射
するときの嬉しそーなこと。」「これがやりたくて狙ったのね・・ドモンさんなんか、最高のギニーピッグよね。」
「おそらく免疫できちまったんで、欲求不満が溜まってたんやな。」「マッドドクター・・今度からレインさんに
ご馳走してもらうときは、注意しましょ。」「そーやな。今度は毒キノコを使うてくるかもしれへん・・」

「・・ナコルルさん。」「はい。姫さま何か?」「さっきのお酒、分けてほしいんですけど。」「姫さま未成年でしょ。」
「わたくしではありません。今夜ジョルジュに呑ませて・・ウフフ・・」「ひ・・姫さま、レインさんと同じ目・・」

みなさんお待ちかね!二体の巨神が激突します!
カムイとゴッドの天地を揺るがす闘い!スタジアムを精霊の光が包み、
大自然の力と仲間の祈りがカムイを奇跡のハイパーモードに!
次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第21話
「神々の聖戦!ゴッド対カムイ」に、レディー、ゴーッ!

***********

第21話 神々の聖戦!ゴッド対カムイ

チュンチュン・・「おはようございます、レインさん。」「あ、おはようナコちゃん。・・ついにこの日がきたわね。」
「今日はいよいよドモンさんとの試合です。よろしくお願いします。」「ええ。マスターさえ後れをとったあなたの
実力、うちのバカ亭主に思いしらせてあげなさい。コテンパンにのしちゃっていいわよ。うふふふっ。」
「はい!そうさせてもらいます。」「その意気。そうじゃないと、うちの非常識男には敵わないわよ。」
「おいおいレイン、さっきから聞いてるとえらい言われようだな。」ガラガラ・「あ、ドモンさん。今日はよろしく
お願いします。」「ああ。こちらこそお手柔らかに願いたいな。」「いえ、全力で闘わせてもらいます。」「そうだな。
俺も全力で応えよう。それが礼儀というもの。」「はい!それでは試合会場で。」「ああ・・そこでまた会おう。」

「・・ふう。とはいえ、やっぱり緊張するな・・」ガラガラ・・「はい、どなた?・・り、リムルル!」「姉さま・・」
「コタンから応援に来てくれたのね。」「姉さま、今日の試合、命を賭けて挑むんでしょ・・」「・・カムイたちの
声を聞いたのね・・」「私、姉さまのように立派な巫女になるためにがんばってきました。その姉さまが全てを
賭けて闘おうとしてるのに、コタンでTVなんか見てられない!今日から私がサポートにつきます。そして、姉さまが
無事に戻ってくるよう、カムイたちに祈ります。」「ありがとう・・あなたが見守っていてくれるなら、私はより強く
なれます。」「妹御だけではないぞ。そなたを見守っていてくれるのは。」「・・半蔵さん・・」「これを見よ!
忍法、雲外鏡!」シュウウ・・パッ。「霧のスクリーン・・こ!これは!」「そうだ。今この時、全世界で、そなたの
少数民族の仲間たちがそれぞれの神に祈りを捧げておる。ネイティブ・アメリカン、マサイ、雲南、アポリジニ、
エスキモー、ジプシー・・そなたの勝利を願って!」「・・私は幸せです。こんなに多くの人たちに見守られて。
みんなのために、いえ、自分のためにも、私は全てをもって闘います!」「姉さま!」「うむ!その闘気、見事なり!
それならば、たとえキングオブハートにさえ、後れはとるまい!」「さあ、出陣よ!ママハハ、リムルル!」ダッ!

「さあ今日の第一試合は全世界注目のカード、ゴッド対カムイです。あのマスターアジアに初めて土をつけたカムイ、
はたしてその弟子たるもう一人のキングオブハート相手にどういった闘いを見せてくれるのでしょうか!
そしてご覧ください、カムイ側応援スタンドを!」オオーッ!ドンドンドン!「ものすごい数の部族が集まっています!
世界にこれほど多彩な民族がいたとは知りませんでした。そしてそれぞれの儀式で必勝祈願の祈りを捧げているのです。
全世界の部族でも同時に儀式が取り行なわれているそうです。まさに八百万の神々がカムイを応援しているのです!」

「聞こえる・・みんなの声が。見ててね、私の闘いを!」「さて・・やろうか!」『ガンダムファイト!レディー、ゴー!』
「アンヌムッペ!」ドン!「速い!だが甘い!」ガシッ!「それっ!」ポーン!「勢いを利用した投げ!でも!」
クルッ。タン!「レラムッペ!」ブオッ!「なに!いかん、背後から!」「もらったわ!」「なんの!はっ!」ダン!
「さ、逆立ち?!」「天地逆転蹴!」バシーン!「蹴りで防がれた!」スタッ。「なんて技を・・さすがはキング・
オブ・ハート!」「これからだ!ゴッドスラッシュ!」ビン!シュバババッ!「衝撃波!ママハハ!」ターン!
ハシッ!「カムイムッペ!」ドン!「上から?!ゴッドフィールド・ダーッシュ!」ドン!『とおーっ!』
カキイイーン!『それっ!』バシイイイーン!『うぐっ!』・・ザシャアッ!ガクッ。「・・同じく追い蹴りを出すとは。」
「やはりゴッド。一筋縄ではいかない・・」「バールカン!」ドドドドッ!「そんなもの!当たらない・・えっ?!」
「スキあり!とおーっ!」ゴッ!「フェイント!でも、アンベヤトロ!」ピイッ!ビュッ!「なにっ?!鷹が!」
ボオオオオーン!「うおおおおーっ!」ダダーン!ググッ・・「つ・・強い!師匠が不覚をとるわけだ・・はっ?!」
ブワアッ!「とどめ!」「なんの!」ボオッ!「ゴッドエクリプス!」ドバアアアーン!「きゃあああっ!」ズダダーン!
「浅いか!だがダメージは充分!」「く・・」「ダウンカウント!ワン!ツー!・・」「ダウンです!レフェリーの
カウントがはいります。果たしてテンカウント内に立ち上がれるのでしょうか!」「姉さま!・・だめだ、気絶してる!」

『・・ナコルル。』『・・だれ?私を呼ぶのは・・ここは・・?』『ここはカムイの領域。』『・・あなたは?』
『私はあなたがいつも祈ってくれている、カムイヌプリのカムイ。』はっ!『か、カムイヌプリさま!』
『あなたはいま、生と死の狭間にあるカムイの領域にある。戻ろうと思えばすぐに戻れます。』『試合は・・』
『外界の時は止まっています。まだ終ってはいません。でも、今戻ってもゴッドに勝つのは難しい。そこで、これを
持っていきなさい。』『これは・・ハイパーモードの光と同じ・・』『これを取り込むことにより、ハイパーモードに
達することができます。これはあなたの大勢の仲間の祈りの心の結晶。さあ、全てと一つになるのです!』『はい!・・
感じる、みんなの心を・・力が・・みなぎる!』『いきなさい。闘いはこれからです!』『はい!いきます!』ヒュッ。

「ファイブ・・シックス・・」「姉さま!こんなので終わる姉さまじゃないよね!」『ナコルルー!立ってくれー!』
ドンドンドン!「す・・すさまじい声援とドラムの轟きです!だが、無情にもカウントは続きます・・ああっ!」
「ナイン・・おおっ!」ググッ・・ザン!「立った、カムイが立ちました!」「あれで立ったか・・浅かったとはいえ
相当のダメージのはず・・なに?!」ゴオッ・・「な、なんだ?!」ゴオッ・・ザワザワ。『あれは・・オーロラ?』
「何が起こったのでしょう?スタジアム上空にオーロラが発生!・・衛星画像?・・なっ!なんですかこれは!
全世界からこのネオジャパン、いや、まさにこのスタジアムにオーロラが押し寄せています!・・ああっ!」
「カムイたちよ!私に光を!」バアアアーン!「うわっ!・・こ、これは!」ゴオオオオ!『ハイパーモード!』
「つ・・ついに到達したか!ならば!」ビーン!「ゴッドもハイパーモード!」「もっと気合をいれて応援だ!
ナコルルに我らの力を!」『おおーっ!』ドドドドド!「ものすごい気迫の応援です!各部族の祈りの歌と
ドラムが混然一体となり、原始のリズムとなっています!そのリズムに同調して、カムイの輝きがますます
強くなります!」『おおりゃーっ!』ガキイイイーン!バキイイイーン!「ぐはあっ!ち・・違う!このパワーと
スピード、ケタ違いに!」「うおおおおーっ!」ドバアアアーン!「どおおおーっ!」ダダーン!「なんとおっ!
ドモンがあれほど吹き飛ばされるとは・・カムイはボルト級のパワーを発揮できるのか!」「こ・・これはまずい!
この気迫・・圧倒されそうだ!一気に決めるしかない!」ビシッ!「流派・東方不敗が最終奥義!」キィィィ・・
「ぶああーくねつ!石破天驚・ゴッドフィンガァァァーッ!」ドドオオオーン!『あれは!』ワアアアーッ!
「なんと!ドモンが、あれを使うまでに追い詰められるとは!」「今のカムイに勝てる技はこれしかない!」
「・・回避できない!」ピイッ!バサササッ!「えっ?!」「なにっ?!鷹が!」「ま、ママハハ!だめ!」
ズバシャアアーッ!ピイイイーッ!「天驚拳を身を呈して止めた!」「ママハハ!」『今だ!いくんだナコルル!』
「えっ?・・ママハハ?!」『勝利の道は・・僕が開く!』ズガガガガーン!「いやあああああーっ!」
ダッ!「アペフチカムイリュッセ!うわああああーっ!」ドガガガガガッ!「うおおおおっ!」ズバシャアアッ!
「どおおおおーっ!」ズガガガガーッ!シュゥゥゥ・・「しょ、勝負あり!カムイガンダム!」『勝った!でも!』

「ママハハ!」ダッ!「どこ!どこなの!」ガラン!「・・いた!ママハハ!」ピィ・・「なんてことを・・
ママハハァ~ッ!」「まだ間に合うかもしれん!」ダダッ!「ドモンさん?」「流派東方不敗裏奥義、太陽掌!」
カッ!「・・ああ!傷が治っていく!」「・・だ、だめだ!俺の力だけでは!ナコルル、お前の力も貸してくれ!」
「はい!ママハハのためなら!」バッ!「私も!幼なじみのママハハのために!」「リムルル!」ババッ!
「わしも力を貸そう。立派な鷹じゃ、死なせるは惜しい!」ババッ!「師匠!よし、これだけそろえば!」
『はあああーっ!』カアッ!「・・うまくいくぞ!」「よしっ!命が戻ってきた!」ピイイーッ!バサバサッ!
「ママハハ!よかった、ほんとうによかった!」「ふう。なんとかなったか。・・ナコルルとママハハ、二人あわせて
カムイガンダム。そのことが判ってなかったのが俺の敗因だ。」「はい・・私自身、判っていなかった気がします。
でも、ママハハと共にあってこそ私は闘えることが、今日はっきりと判りました。」「それがこの闘いでナコルルが得た
最大のものだな。」「はい!」「・・でと。まだ気づいてないようだが、俺に勝ったんだぞ。ほれ、肩車してやるから
応援団にアピールしないか。」ヒョイ。「え?・・あ、そうでした!」ワアアアーッ!「ママハハ、私たちの勝利よ!」
ピイピイッ!バサバサッ!『そうだ、僕とナコルル、二人の勝利だ!』「うむ!すばらしい名勝負であった!」

「なんという光景でしょう!己が身を盾にしてナコルルに勝利をもたらし、そしてその勇者の魂を呼び戻す
敵味方を越えた祈り!もはや勝敗などどうでもいいこと!これぞガンダムファイト、これぞ魂の闘いです!
我々はこの闘い、神々の聖なる闘いの神話として、永く語り伝えていくことでしょう。・・ああ!」
サアアアアーッ!オオッ!「・・虹です!いまスタジアムの上空に巨大な美しい虹がかかりました!まるで
天の神々も祝福してくれているようです!」「これは・・すごい!」「このような美しい虹は初めて見るぞ。」
『ナコルル、すばらしい闘いでした。カムイたちも満足しています。そのお礼に虹を送りましょう。私たちは
いつでもあなた達を見守っています。』「ありがとうございますカムイヌプリさま。ママハハと二人でこれからも
がんばります!」「・・ん?なんか言ったか、ナコルル?」「あ、いえ、ちょっと・・ウフフッ。」「?」

みなさんお待ちかね!Gガンギャルのお部屋訪問!
タダモノでない女性たちのタダモノでないお部屋の数々!謎のガンダム長屋!
あの人この人いろんな秘密!バニーと紅蘭のダブルツッコミコンビが行きます!
次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第22話
「番外:バニーのGガンギャルズお部屋訪問」に、レディー、ゴーッ!
**************

第22話 番外:バニーのGガンギャルズお部屋訪問

「みなさんこんばんわ。「GFジャーナル」の時間です。今夜の特集はGFギャルズのお部屋訪問。もはや世界的
スターといってもいいGFギャルズ。その魅力の一端をお部屋を見せてもらうことでかいま見ようという企画です。
レポーターはネオアメリカの情報屋、バニー・ヒギンズさんにお願いしました。では現場のバニーさん、どうぞ。」

「はーい。世界十億の私のファンの皆様、お待たせしました!今回私はレポーターとなり、私のライバルたちの
お部屋を襲ってみます。カメラマン兼ツッコミはみなさんおなじみ、」「ニイハオ!李紅蘭や!いや~バニーはん、
ウチとよう似とるな~。」「そーね。他人とは思えないわ。」「これからも長いつきあいをよろしゅうに。あこれ、
名刺どす。」バキッ!「アイヤ~!・・さ、さくらはん?!」『なに営業やってんのよ!しかも京都弁で!』
「?・・さくらはん、スタジオでっしゃろ。なんでウチをしばけるんや?」『ふっ、甘いわね。こんなことも
あろうかと、カメラビットに細工しといたのよ。』「あっ!3番ビットに別付けリモコンがついとる!・・ここまで
やるけ、フツー!」『お約束はちゃんとやんないと、ファンがうるさいからね。』「・・あの~、もしもし・・」
「え?・・おお、そやった!仕事せんと!」「漫才キャスターコンビ・・テレビで見たまんまね、あなたたち。」

「オホン。では最初にわたしたちネオアメリカ宿舎からご案内します。この高級ホテルのペントハウスがそーです!
どーです広いでしょう!」「うわー、こんな豪華な部屋に滞在しとんのや。さすがネオアメリカ、お金持ちやな~!」
「それぞれが個室を持ってます。こちらはリーダーのシャーリーのお部屋。きれいに整頓されてます。こっちが
キャス。いろんな部品がころがってます。」「さすがメカニックや。」「こっちがジャネット。コンピューターが
いっぱいあります。」「う~む。さっぱりわからん。」「あたしだってわからないもん。」「あんた情報屋やろが。」

「そしてここが私のへ・・やばっ!」ばばっ!「どしたん?はよ見せてーな。」「ち、ちょっと今はダメ・・」
「なにいうてんねん。自分とこだけ見せんのはヒキョーやで。ほれ、どきゃ。」「だ、ダメだってば!」バタン。
「・・なるほど。洗濯物が散らかっとるな。そして・・ほお、これはええ本を・・」「だからダメだって・・」
「ふむふむ・・さすがアメリカ、無修正や。丸太んぼうやな。」「ち、ちょっと!」「なあ、一冊もろてええ?」

「さ・・さて、次いきましょう。ネオジャパンですが・・なんでカメラ回してないの?」「なんでもプライバシー
保護っちゅーことで、詳しい場所は放送できんらしいんや。」「なるほど・・え?ここ入るの?・・こんな路地裏に・・
ええっ?ここ?!」「はい。こっから画はいるで。」「な・・なんなのここは・・ビルの谷間にプレハブ小屋が・・」
「説明しまひょ。ここが公立選手村、通称「ガンダム長屋」や。」「せ、選手村?どうみてもバラックだけど・・」

ガラガラ。「あらバニー、いらっしゃい。」「レイン?ホントにこんな所に住んでるの?」「今回は無所属扱いなんで、
滞在費まで余裕がなかったの。それに、ホテルはみんなベッドでしょ。ドモンがベッドはダメなのよ。」
「はあ・・とにかく、内部を見せてください。」「はいどうぞ。」「・・え?これだけ?」「うわ~、四畳半二間や。
うちのアパートよか小さいわ・・」「でもお風呂場は結構大きいのよ。ゆったり入れるんで、たすかるわ。」
「さすが日本人・・私の個室より小さいのに。」「ギアナの家も似たようなもんよ。二人なら充分だわ。」

「え~、いきなりのカルチャーショックでしたが・・次はナコルルちゃんね。え?お隣さん?」ガラガラ。
「あ、バニーさん。」「ナコルル、あなたもこの長屋なの?」「はい。ここ安いんですよ~。お向かいが半蔵さんで、
そのお隣がンドゥールさんです。」「どーしてこう実力派のファイターはビンボくさい人が多いのよ~!」
「小さい国はガンダムの維持費で精いっぱいで、人件費まで余裕がないですから。」「・・そーか。苦労してるのね。」
「いいえ、コタンのチセとあまり変わりませんから。妹と二人だけなら充分です。」「そう・・ところで妹さんは?」
「ドモンさん、ママハハとお出かけです。」「あらま、人気あるのね~。」「姉の私がいうのもなんですけど、
リムルルは可愛いですからね。」「オジサンたちに大人気か・・ま、わかるけど。では、内部を見せてください。」
「はい、どうぞ。」「・・え?なに?」「どうしました?」「・・ない!なんにもない!テレビも化粧台も!」
「ちゃぶ台とザブトンくらいはありますよ。」「TV見いへんの?」「はい。見たくなったら、お隣さんで見させて
もらってます。」「お化粧は?」「したことないです。」「スッピンでその綺麗さ・・う、うらやましい。」
「お洗濯どうしてんのや?」「お風呂で一緒に洗って絞って、裏に干してます。」「タンスは?」「バッグに詰めて
きた衣類だけですから。」「オフの時はどうしてんの?」「裏の広場でトレーニングしたり、お隣さんと街に出たり
してます。」「い、いまどき珍しい清貧さや・・バニーはん、なに泣いてんの?」「クスン・・昔のビンボーだった
ころ思い出しちゃった・・」「・・そーか。元ダウンタウン出身やったんやな・・」「私なんかまだ恵まれてます。
世界の仲間には一日一回食べられるかどうかという人がまだまだたくさんいます・・」「・・えらいで。」

「・・どや?立ち直ったか?」「・・うん、やる。え~、次は・・海賊船?!」「ナスターシャはんのとこやな。」
「あそーか。・・この空き地ね。いた!でっかい宇宙船!」「なんせボルト積んどるからな。ドクロの旗がカッコ
いいやね。」「おお。バニー、いらっしゃい。」「お邪魔しまーす。おっきな船ですね~。」「いわば私の空飛ぶ
大邸宅だな。」「たしかに・・こちらがナスターシャさんのお部屋ですか。」「びっくりしないように。」
「なにがでっか?・・うわっ!すごいヌイグルミの数!」「これが私のコレクションだ。」「意外でした・・こんな
趣味があるなんて。・・あれ?なんか妙な・・」「変なヌイグルミばっかやな~。こりゃ既製品やないで。」
「全部私のお手製だ。」『ええーっ!』「でも、500個以上はあるで!」「正確にいうと、583個だな。」
「そ、そんなに・・器用なんですね。」「ありゃ?この赤いドーナツ、なんや?」「赤血球のヌイグルミだ。」
「なんやそれ・・このフリルがピラピラついとんのは?」「カツオノエボシ。毒クラゲだ。」「ほえ・・ほんまに
おもろいもんばっかやな・・」「みやげにこれをやろう。」「・・なんやこれ?」「黒い玉に・・モールの鎖・・
まさか?」「そう。グラビトンハンマーだ。」ズデデーン!「アタタ・・ほな、ありがとうもろときます・・」

「さて次は・・アレンビーか。」「このフツーのホテルやね。・・1313号室?」「やるわね・・いかにもヘソまがりの
彼女らしいわ。」「はーい、いらっしゃ・・な!なんなのその黒いのは!」「この謎は本放送を見てもらったら
わかるから。」「内部を見させてくんなまし。」「はい、どーぞ。」「・・なんやこれ、ゴミ集積場?えらい
散らかりようやな。」「そう?どこに何があるかは判ってるけど。」「はあ、あなたらしいというか・・」
「ハンスはんよく何もいわへんな~。」「やーだ、彼氏を自分の部屋へいれるのは、あのときだけよ。」
『・・ま、まあそうね・・女性としては。』「それにフツーそーいうのは、彼氏の部屋でしょ?」
「・・そ、そうやね。」「こりゃハンスくん、結婚してから苦労しそうね・・」「人のことは言えないと思うけど・・」

「はい、つぎ行きまひょ。」「今度は・・鈴麗ちゃんね。・・この中級ホテルか・・」「あ、いらっしゃい。」
「おじゃましまーす。・・ほっ、やっとまともな部屋に会えた。」「・・いや、甘いで。ほれ、足元見てみい。」
「・・あれ?ジュータンがない・・」「それに・・これや。」「これは・・同じ靴が何十足も!」
「どういうこっちゃ?」「私、八極拳を使うので、すり足で素早く歩くクセがついちゃって、二日で靴に穴が
開いちゃうんで。」「グラインダーみたいな娘やな・・あ、それでジュータンが・・」「そう。摩擦で炎上して
ボヤ騒ぎになっちゃったの。」「火打ち石か、あんたは!」「あれ?このテレビ、リモコンないのね?」「いまどき
めずらしな。いちいち手で変えなあかんのか。」「こうするんですよ。」シュッ。パッ。『え?あ?』
「い、いまなにがあったんや?」「チャンネルがいきなり変わった・・どうして?」「もう一回。」シュッ。パッ。
「み、見えへん!」「イスを立って、テレビに来て、チャンネル変えて、イスに戻るのが・・見えない!」
「ちょう待ち!カメラ再生・・スローモーション・・あ、ほんまに動いとる・・時間は・・0.16秒?!」
「さ、三メートルはあるのに!」「ね?いらないでしょ?」「・・加速装置もっとんのか、この娘は・・」

「さてと、サイボーグ009娘の次は・・セシルちゃんね。」「やっとカタギか。今度は安心やね。」「そーね。・・
このお寺か。」「あ、いらっしゃいませ。」「おじゃましまっせ~。・・さほどは大きくない部屋やね。」
「このにじり口みたいなドアはなに?」「そこからガンダムドックへ行けるんです。」「はあ、合理的やね・・
しっかし本が多いな~。」「ネオチャイナの技術は西洋とだいぶ違うんで、まだまだ勉強しなければ。」
「えらいわ~。・・紅蘭、これ読める?」「ん・・げっ!こんな難しい本読んどんのか!」「なによ、あなた
ネイティブでしょ。」「確かに母国語やけど、こんな学者しか読まんような難しいのは、原語人でもかなわんで!
例えば、あんた虚数理論の学術書の英語版、よう読むか?」「う・・それは・・」「やろ。それと同じや。それに
ざっと見渡してみれば、それの数十倍も難しい本ばかりや。」「はあ・・こりゃドラゴンが強いわけだわ。」
「確かに難しいですけど、やってみると面白いですよ。いろいろ知らなかったこともあって、勉強になります。」

「あ~、知恵熱出てきたわ・・」「同感。次が最後ね。」「マリアルイゼ姫やね。」「え~と・・ローズのドックに?」
「あら、いらっしゃいませ。」「・・誰や?」「・・あ!姫さまだ!」「・・ほんまや!なんでそんなツナギ着とんのや!」
「私はメカニックですよ。まさかドレス着て整備はしませんわ。」「それはそうやが・・」「なんか違和感あるよね・・」
「丁度一段落ついたところですわ。さ、こちらへ。」「ドックの隣り?・・わっ!」「な、なんやこの宮殿は・・」
「ここがネオフランスの宿舎ですわ。」『姫さま。お仕事ご苦労様でございます。』「・・なんだなんだ!」「うわー・・
衛士の行列や・・」「こちらが私の部屋です。」「ど、どーも・・はぁ!」「ヅカで見たベルバラそのまんまや・・」
「こ・・こんな生活をしてる人が本当にいるなんて・・」「でしょ。私だってこんなチャラチャラした生活はイヤよ。
ローズの整備をしたり、みなさんと一緒のときの方がずっと充実してるわ。」「はあ・・立場によってそれぞれ悩みは
あるもんやね・・」「カゴの鳥だって、おもいっきり大空を飛びたい・・私にとってその機会はガンダムファイトだけ。
だからこそ私はこれに青春を刻み込んでいるの!」「わかる!わかるよ!わたしたちサポートクルーは直接闘っては
いないけど、ファイターとガンダムのサポートをすることで一緒に闘ってるもおなじこと!姫さま、いえ、
マリアルイゼ!お互い悔いのないように魂を、青春を賭けよう!」「はい!バニーさん!」「お~、ええ感じで
まとまったな。では、これで中継を終わりまっせ。・・二人ともええ加減にしとかんと、そっちのシュミに見られるで・・」

後日談・・この放送を見て、ナコルルの質素な生活に感動した視聴者から、多数の寄付金と物資が寄せられた。
だがナコルルはそれを全て連合に収め、お礼状を全ての寄付者に書きつつ今まで通りの質素な暮らしを続けている・・

みなさんお待ちかね!服部家の一族が大集合!
ガンダム長屋は朝から大騒ぎ。黄色い声が響きます。
その騒動に隠された計画とは?レインの暗躍が始まります!
次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第23話
「忍びの一族!服部家のお見合い大作戦」に、レディー、ゴーッ!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。