払暁。半蔵は布団で寝ている・・シュッ!ドドドッ!突如どこからともなく飛来した手裏剣が布団を串刺しにする!
そして現れる黒い影二つ。「・・ちがう!」「甘いな、まだまだ。」ボオッ。天井から湧き出る半蔵。「さすがです。
気配は消したつもりでしたが・・」「ならば、家の外にいるときから消すべきだ。わしはすぐに目が覚めたぞ。」
「あなた、お久しぶりです。」「楓・・そなたには苦労をかけてすまぬ。わしの我侭につきあわせて・・」「いいえ。
ファイトの時のあなたは今までで一番輝いています。」「それに、父上の心は里の者もよく理解しております。
旧態化、形骸化しつつあった忍道に新たな風を吹き込む・・数々の達人と手合せすることにより、技を磨き、
生み出すことこそ、父上の真意。」「・・そんな上等なものではない。そもそも、日の当たる場所へ出ること自体、
忍び失格だ・・」「そのような秘密主義が忍道をこれだけ弱体化させた・・私はそう信じております。」「・・真蔵、
その言葉、伊賀忍法2千年の歴史に一石を投じるものぞ・・判っておるのか。」「はい。私ごときの一石で揺らぐ
ものなら、それだけのものです。」「・・よくぞ言った。では親子共々、外道の忍道をゆこうかの。」「忍びは外道。
外道の外道は正道ともいえます。」「ふははは!違いない。」「二人だけではいかせませんよ。私もお供します。」
「さて・・そろそろ夜が明けるか・・今日は対ローズ戦か。」「真蔵ともども、サポート席で応援しますわ。」
「うむ。そなた達が見ているとなれば気合が入る。存分に技量を出しつくそうぞ。新たな技も披露せねばな・・」
朝。「おはようございます。」「おはよう・・あら?あなたはもしや・・」「はい。半蔵の妻、楓と申します。」
「は、はあ・・(うっわー、すっごい美人・・)」「レインさんですね、お噂はかねがね・・あの、サインもらえ
ませんか?里の若い者にお願いされてしまって。」「は・・はあ。私ごときのでよければ。」「おはようございます。」
「あ、おはようナコちゃん。」「・・え?半蔵さんの奥方さま!(すごくきれいな方・・)」「ナコルルさんですね。
主人はいつも貴方の話しかしないんですよ。もうベタ誉めで。そうそう、真蔵も来てるんですよ。%&=“&¥!」
「な、なんですかいまの?」「忍び独特の発声法です。1キロ先まで届いて、普通の人には聞こえないんですよ。」
「お呼びですか、母上。」シュッ。「あ、ホントに届いてる・・」「紹介するわ・・」「父がいつもお世話になって
いるそうで。」『い、いえ・・』(うっく!・・いい男。よだれが出ちゃいそう・・)(はあ・・この方がいつも
言ってた真蔵さん。写真よりずっとカッコいい・・ちょっと心が)「今日は父の対ローズ戦の応援に来たんです。」
『じゃ、じゃあ一緒に観戦しませんか?』ナコルルはともかく、レインまでが。「いえ、母と一緒にサポート席で
応援しますので。」ボン。「あ~、真蔵。それはよい。サポート席は楓だけで充分だ。お前はご婦人方をエスコート
しなさい。」「そうですよ。男子たるもの、女性を大事にせねば。」「・・はい。そうおっしゃるならば。」
『やったーっ!』「・・何か今日は表が賑やかだな~。ふわわ~。」
一号室。「ドーモーン。」「なんだレイン、ウキウキして。」「今日ちょっとナコちゃんとおでかけしてくるから。」
「・・別にかまわんが。・・ははぁ、また悪いクセが出たな。まあいいだろ。楽しんでこい。」「いってきま~す。」
二号室。「お姉ちゃん、わたしも行く~!」「今回ばかりはカンベンして~。」「?・・ははぁ、わかった。」
「な、なにがよ。」「い~え、なんでもない。いいよ。がんばってね。」「?・・なにが?」「いいからいいから。
じゃ、ドモン兄ちゃんと遊ぼっと。」「・・まあいいけど。じゃ、行ってきます~。」「いってらっしゃーい。・・
さてと。わたしもドモン兄ちゃんとデートすっかな?ロリコンじゃないから安心だしね。」ぺろっ。
銀座。「ねえ、どうしてサングラスと帽子なの?今日は曇りなのに。」「それもいいけど、もったいないですよ~。」
「理由ありなんです。」『とっちゃえ!』「あ、ダメですよ!」『キャーッ!いい男!』「な、なに、なんなの?」
「レコード出てます?」「ファンクラブあります?」「写真集出てます?」「逃げますよ!」ピューッ!
『あ、待って~!ステキなお方!』・・「ハァハァ・・なんとかまいたみたいね。」「街中でヘタに顔出すと
こうなるんですよ・・だから」「わかった・・私が悪かったわ・・」「美形なのも大変ですね~。」「忍びの仕事に
はもってこいなんですけど・・」「そーよね。その顔でお願いされたら、女なら何でも喋っちゃうでしょうね・・」
ガヤガヤ・・「今日は空いてるわね~。この関係者席はともかく、一般席は・・」「父はそれほど有名でもないし、
ずば抜けて強くもないですから。来てるのはジョルジュファンの女性がほとんど。一般でもこれは消化試合としか
見なされていないようですし。」「それはヒドイですよ。ファイターは一生懸命闘ってるのに!」
「僕もそう思います。だからこそ、今日父が勝てば、そんな人たちを見返せるんです。」「しっかり応援しましょう。
ジョルジュさんもお友達だけど、今回ばかりは泣いてもらいましょう!」「はい、ナコルルさん。」
(ふ~ん、いい調子じゃない。私が遣り手ババァの役をするまでもないかも・・)
「レインさん、うまくやってくれてるようですね。」「さすがはレイン殿。お前のわずかなサインでよく察して
くれたものだ。」「そこは妻同士。通じるものがあります。」「まあ、あっちは任せといて・・楓、今日は結婚記念日
だったな。」「あら、憶えていてくれたんですね。」「プレゼントがある・・このファイトの勝利!」ぐっ!
「最高のプレゼントですわ。ありがたく頂戴します。」「では、参る!」シュン!・・シュタッ。
『ガンダムファイト!レディー、ゴー!』「爆炎龍・改!」ボボォッ!「こんなもの、飛び越せばいいこと!」
ヒョイ。「甘い!改と言った!」ボォォッ!「なに?!炎が戻ってくる!」「スキあり!」ダッ!ズバッ!
「くうっ!しまった!」「よし!父上が先手を取った!」「リーチはこっちが上だ!そりゃーっ!」シュッ!
ドスッ!ボン!「むっ、変わり身?!・・どっちだ!上か下か・・」「地!」パッ。ズバッ!「うあっ!足が!」
ガキイッ!「モズ落とし!」ダアアアーン!「よーし!決まる!」ヒュウウウーン!「なんの!」シャッ!
ザシャッ!グーン・・「なんと、サーベルの弾力で!」「スキあり!ブレイク!」ガキイイーン!「くっ!」
ザザザーッ!「父上のモズ落としが!」「破られた?!」「・・さすがはジャック・イン・ダイヤ!」
「今だ!ローゼスビット!」キュキュキュッ!「いけない!あれは防げない!」「血に染まれ!バンパイアローズ!」
シャアアアッ!「爆炎微塵隠れ!」カッ!ドカアアアーン!「なに?!ビットを巻き込んで自爆だと?!」
ゴォォォ・・「・・ば、ばかな!ビットの残骸だけ・・そうか!」ボコッ!「もらった!」「後ろの地面から!」
ターン・・ぱしっ。「ローズの頭上に倒立?・・なに!」「お返しでござる。」パラパラ、パシパシパシッ。
「これは?・・磁力吸着指向性爆弾!」「封じ手、毒龍!」カッ!ズドドドーン!「うわあああーっ!」ダダーン!
「勝負あり!コーガガンダム!」「この技は・・ローゼスインフェルノ?!」「いかにも。・・ヒントを感謝する。」
「やった!父上が勝った!」「ええ!大金星です!」・・「あなた。お見事でした。」「うむ。久々に気合が入ったぞ。」
「・・あの二人も、仲良くなったみたいですね。」「うむ・・一石二鳥・・かな。ふふふ・・」
「・・あれ?レインさんは?」「どこへ・・あ、手紙だ・・『急用を思い出したので帰ります。真蔵くん、
ナコちゃんのエスコートよろしく。』・・だって。」「レインさんたら・・」「ではしっかりエスコートしましょう。」
「ただいま。」「早かったな。」「あ、お帰りなさーい。」「リムルルちゃん来てたのね。」「試合見せてもらって
ました~。」「どうやら、二人ともうまくいってるようだな。」「・・なんだ。知ってたの。」「俺も地獄耳でな。
朝の会話は全部聞こえてた。そこにレインのお節介やきを考えれば、答えは簡単だ。」「はいはい、大正解。
さすがはドモンね。」「そんなの私だって察してました~。これがお見合いだってこと、気づいてないの当人たち
くらいでしょ。」「ああ見えて真蔵くん、結構オクテみたいだからね~。色恋沙汰は苦手みたいよ。女性に対する
マナーはちゃんとしてるけど。」「さすがに男を見る目は確かだな。」「誰かさんのおかげで、いろんな経験させられ
たからね。」「ふ~ん。やっぱドモン兄ちゃん、サイテーだった?」「そうだな。俺は最低だったからな・・昔は。」
「試合は見てたが・・手強くなったな、コーガは。」「ええ。闘うたびに強くなってる。あれが忍びの恐ろしい
ところね。」「4日後の試合、楽しみだな・・」(・・ゴク。これがプロの気迫・・寝転がってるドモン兄ちゃんと、
化粧台に座ってるレイン姉ちゃん・・何気ないようで、すごい闘気が噴きだしてる・・まるで今闘ってるみたい・・
さすがはキング・オブ・ハートと・・)きっ!(ドキッ!・・レイン、読んでる・・)
ガラガラ。「ごめんください。」「あらナコちゃん。リムちゃん来てるわよ。」「あの~、レインさん。」「なに?」
「・・お化粧の仕方、教えてもらえませんか?」「え・・よろしい!やっとあなたもその気になったのね。
さあこっちへいらっしゃい。私がナコちゃんに一番合ったメイクを伝授したげる。リムちゃんも見ておくといいわ。
将来必要になるから。」「はーい。」「・・ほう。レイン、メーキャップでも商売できるな。」「こんなの女性には
基本よ。でさ、もともと肌がきれいなんだから・・」「ルージュはあまりきつくないこれを・・」
ガラガラ。「こんばんわ~。」「ちゃーす。」「ああ、ドモンさんにレインさん、主人の祝勝会を始めますよ。」
「あれ?ンドゥールさんは?」「何でも、古代文明研究学会で発表があるそうだ。」「はあ・・意外と多忙なのね、
あの人。」『こんばんわ~。』「ナコさんリムさん、ようこそ。」『お邪魔しま~す。』「あ・・ナコルルさん。」
「真蔵・・さん。」「きれい・・ですね。」「私がお化粧教えてあげたの。どう?ますます綺麗になったでしょ?」
「え・・ええ。見違えるようです。」「そんな・・」「ホラホラ、二人とも何赤くなってんの。さ、若い者はこっち。」
「オヤジはこっち。カミさんとリムちゃんはこっちだな。」「では半蔵さんの大金星を祝って」『カンパーイ!』
「そうそう。ジョルジュから内祝いが届いてるぞ。」「なんと?」「別に驚くことじゃありませんよ。ジョルジュは
強い相手は素直に賞賛するだけの器がありますから。・・でもさすがに直接渡すのは気恥ずかしいんでしょうね。
うち経由にしたんですから・・はいこれ。ボルドー高級ワイン。」「これは有り難い。今度礼を言わぬとな。」
「こちらがママハハ君ですね。ちょっとお話していいですか?」「ママハハとお話できるんですか?!」
「僕も小さい頃から伊賀の山奥で育ちましたから、動物たちが友達だったんです。たいていの動物とは話せますよ。
&%$#$%?」ピィ。ピピィ。「ナコルルをよろしく・・だって。」「すっごーい!ホント、ママハハ?」ピィ。
「僕も忍犬と育ちまして。」「忍犬?・・忍術とか使えるんですか?」「もちろんです。名は「暁」といいます。」
「「暁」・・いい名前ですね~。ぜひ会ってみたいです~。」「今度上京するとき、連れてきましょう。」
楽しそうに談笑する二人に、こっそりVサインを交わす二組の夫婦プラス1であった。
「ところで・・この期に及んでも頭巾をとらないんだな、半蔵さん。」「この人は家族の前でも滅多に素顔を見せた
ことがないんですよ。」「こうなると病気だな。」「ホントですよ・・この際、ひんむいちゃいましょうか!」グワッ!
「こ、こら、楓!やめんか!」どたばた!「あなた観念なさい!」「やめろって!・・あっ!」スポッ!
『・・カッコイイ~!』「す・・すてきなロマンスグレイ、男らしい渋い顔立ち、そして何より右目の刀傷・・
中年の魅力プンプンだわ~。」「息子から逆算はしていたが・・予想以上だ!」「はぁ~ん・・」ぱたっ。
「おいレイン、何を気絶してんだ!」「私も慣れるまでこうだったから。」「だからやめろといったのに・・」
「あ~あ、・・ん?ナコルルさん、どうしました?」ぽ~っ・・「・・お、お父様と呼ばせてください!」『ええっ?!』
「おお!ついに願いが叶った!うむ、お父さんと呼んでくれていいんだよ!」「ノるんじゃありません、あなた!」
ガボッ!(頭巾かぶせた)・・はっ。「・・あ、あれ?私は何を・・?」「まったく罪作りなんだから・・」
「やったのはお前だろーが。」「リムルル、コンルを呼んでレインさんの頭を。」「はい。コンル!」ピキイイーン。
「ほいっと。これでOK。」「な・・なんだこれ?」「コンルカムイ。氷の精霊です。」「精霊って・・」そっ・・
ピキピキ。「うわっ!冷たい・・」「簡単にいうとリムルル専用のクーラーですね。」「ビールもよく冷えますよー。」
すぱあああーん!「あいたー!」「こらリムルル。またこっそり買って飲んだでしょ!」「どきっ!」「まったく・・
小さいころから晩酌の付き合いしてたもんだから、すっかりお酒好きになっちゃって。」「ああ、あるある。
真蔵も小さいころからいろいろ飲んでたしな。」「そりゃ毒ですよ、父上。」『・・やっぱ忍者だ。(-_-;;』
みなさんお待ちかね!ガンダム長屋は今日も平和。
ファイトのない日はデートだ、スパーリングだ!
半蔵パパは右往左往。ドモンは鈴と鍛練だ。
次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第24話
「ガンダム長屋の平穏な一日」に、レディー、ゴーッ!
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第24話 ガンダム長屋の平穏な一日
『おはよーございます。』ガンダム長屋(正式名称「公立GF選手村」)の朝は女性たちのあいさつで始まる。
ぺたぺた。「これでよしと。」この長屋の管理を任されているレインの元には、実行委員会から対戦スケジュールの
予定表と変更情報および伝達事項のFAXが送られてくる。それを共同炊事場わきの掲示板に貼るのがレインの
朝一番の仕事である。「えーと・・今朝はこれだけね。これでよし。さて、朝ごはんを作りましょ。」
朝食の支度を共同炊事場でしながら、井戸端会議が始まる。「昨日のコーガ戦、ハードだったわ~。ドモンも珍しく
朝寝してるし。」「うちの主人もです。新必殺技のモズ落とし・颯が効かなかったのがよっぽどショックだった
みたいです。」「ああ。あのダッシュモズですね。あれが決まったときは終わったかと思ったんですけど・・」
「まさかゴッドが起き上がってくるとはね~。びっくりしちゃった。」「「あれで起きるとはバケモノか・・」って
主人も驚いてました。」「それで直後のゴッドフィンガーをモロに食らっちゃったのね。」「でもドモン兄ちゃん、
あの後コンルで首を冷やしてくれって言ってきましたよ。なんぼかダメージはあったみたい。」「そうそう。
そこで例のアルテナの傷薬が役立ったの。あれって外傷だけじゃなく打ち身や捻挫、骨折にまで効くって
聞いてたので、半信半疑で試したらおどろき。みるみるうちに腫れが引いちゃったの。」『へえ~。』
「高いだけの効能があるんですね。」「それ以上よ。ケガが絶えないファイターには宝物みたいなものね。」
「でもあれって医薬部外品よね?」「あんなの医薬品にされたら医者は商売あがったりになるわ。高いのは
それだけの意味があるってマルローネのいうとおりね。」「ウチじゃ買えないね~。」「あ、だいじょうぶよ。
私はオフィシャルドクターだから、ファイターの治療目的なら塗ってあげられるわよ。」「・・お姉ちゃん、
その店にムネが大きくなるクスリあるといいね。」ぱこーん♪(おタマ)「どういう意味よ。」『あははははっ!』
ちなみに朝食のメニューは統一されており、各自持ち回りでおかずやみそ汁を分担して作り、各所帯に小分けして
持っていく方式をとっている。「早く大テーブルを作らないと、毎朝これはタイヘンね。」「そうね・・でもまだ
いい廃装甲板が出ないから、もうちょっと待ってね。」「これは朝の運動代わりにいい面もありますけどね。」
「ドモーン、ご飯よ。」「おお。フトンは上げておいたぞ。」「どれどれ・・あ~、畳み方がやっぱ雑ね~。」
「あなた、真蔵、フトン上げてくれました?」「うむ。かまわんぞ。」「母上、暁のごはんは?」「こっちにあるわ。」
ワンワン。先日に真蔵が伊賀へいったん帰省したおり、忍犬・暁をつれてきているのである。
「ンドゥールさん、どーぞー。」「おお、いつもすみませぬな。」「いいんですよ。男一人では大変でしょうから。」
「はいママハハ、朝ごはんよ。」ピイピイ。メニューは暁と同じ切り落としの端肉である。<スーパーでもらえる
そんなこんなで朝食になる。『いただきまーす!』『カムイよ、今日の糧に感謝します。』「うむ。・・いただこう。」
「ドモン、5日後のデス13戦、予定どおり銀座で第2試合よ。」「そうか。今日の対戦を観ておかないとな。」
「あなた、4日後のボルトマキシマ戦、海上リングに変更になりました。」「ほう。久々に水術が使えるな。」
「父上の得意技、水龍砲ですね。」「しかしボルト相手に効くかのう?」「足元を砕くという手もあるかと。」
「ナコルル殿、あさっての試合、よろしくお願いしますぞ。」「はい。いい試合にしましょう。」「姉さま、真蔵兄さまが
必ず応援に行くって言ってましたよ。」「おお、これで私の勝ちはなくなったな。」「そ、そんなことないですよ~。」
後片付けののち、しばしの憩いのひととき。女性陣は朝のワイドショーを見ながらお化粧の時間である。
ガラガラ。「たのもー。」「あら鈴ちゃん。またスパーリングに来たの?」「はい。明日のノーベル戦に向けて、
調子を整えとこうと思って。」「いいわよ。ドモーン、鈴ちゃんが遊びたいって!」『トイレ済んだらすぐ行くよ~。』
稽古熱心な孫鈴麗はサイサイシーの紹介でたびたび朝練に来ている。もちろん長屋の住人もキング・オブ・ハートの
胸を借りれる絶好の機会を最大限に活用しており、ドモン自身も練習相手に事欠かないので大歓迎である。
「ナコルルさん、今日は天気もいいから海浜公園にでかけませんか?リムちゃんとママハハくん、そしてうちの
暁も一緒に。」「は、はい。行こうリムルル、ママハハ。」「お姉ちゃん、それあたしのクツ。」「あ、あれ?」
「こらあなた!まーた二人のあとを尾けようとしてるでしょ!」「い、いや、若さ故の早まったことをしないか
心配で・・」「昔のあなたじゃあるまいし。真蔵は幸いあなたに似なくてオクテだから、心配することないわよ。」
「し、しかし・・」「それに何でリムルルちゃんが一緒だと思ってるんですか。あの子が二人の間をうまく調整
してくれる制御棒になってるんですよ。リムちゃん、ああみえてお姉さん以上に賢明なところあるんですから。
はいこれ。」ドン。ぱかっ。「モバイルPC?」「いいかげんパソコンを覚えてください。現代の忍者にサイバー
技能は必須ですよ。」「こういうのは真蔵にまかせてあるので・・」「棟梁がなまけてどうすんですか!あの子なんて
世界じゅうの政府機関への侵入を鼻歌混じりでやっちゃいますよ。」「時代を感じるのう・・そういえば真蔵に
新たな仕事が入ったと聞くが。」「今回こちらへ来たのもその関係がひとつです。いつどこでクライアントと
会ってるのかまではさすがに知りませんけど。」「仕事は肉親にも知られないようにするルールだからの。
しかしだ・・」「ええ・・真蔵のなにげない所作からみても、かなり大きな仕事のようですね。」「楓にもわかるか。」
「親ですから。・・でも子供が大きな仕事をこなせるようになるのは嬉しいことです。」「そうだな・・」
プルルル。「もしもし、ンドゥールです。」『OO病院です。実は先生のお力をお借りしたい患者がいまして・・』
「・・脳腫瘍ですか。確かに外科手術は難しいですな。判りました。私の力がお役に立てるなら・・いやいや、
謝礼は些少でよろしい。・・では。」チン・・「これでまた一つの命が救える。供養ができる・・」
裏の空き地は軽いスパーリングや組み手にはじゅうぶんな広さがあり、長屋の住人の自主トレ場となっている。
「はいはいはいっ!」ズドドドドッ!「まだまだ!」パパパパン!「とおっ!」ダン!ドンッ!「よしっ!」
パシイイイーン!「今の突きはいいぞ。踏み込みも鋭い。」「でもドモンさんに受けられてるのでまだまだです。」
「それがわかってるならいい。・・俺の防御を打ち抜くだけの攻撃を本番では期待しよう。」「必ず!」
「そろそろお昼よ、戻ってらっしゃーい!」「おお、もうそんな時間か。」「鈴ちゃんもどうぞ。あなたの分も
用意してるから。」「あ、すみませーん。」「ほう、けんちんうどんか。」「楓さんに山菜ダシを教えてもらったの。」
「伊賀は山国なので、山菜ダシをよく使うんです。」「うわ~、きれいなスープ。」「灰汁抜きにコツがいるけどね。」
お昼は全員が揃わないことが多いので、在宅所帯だけ相談して作るようにしている。これも経費節約になる。
ずるるる~っ。「で、どう?アレンビーへの対抗策はできた?」「はい。ノーベルの機動性を逆手にとればチャンスが
つかめそうです。」「だがバーニングフィンガーは強力だぞ。」「ノーベルダイナマイト破りの秘策があります。」
「真蔵たちは戻らぬのか。」「ええ、外食にすると言ってたわ。」「あの姉妹は自然派だがファーストフードで
だいじょうぶなのか?」「好き嫌いはないようですし、なにより真蔵がちゃんと店を選びますって。」
「そうだな。きゃつも自然派であった。」「納豆と明太子が大好物なんて、いまどき珍しい子ですものね。」
ネオ浅草「PIA・キャロット」。『いらっしゃいませー。』「三人と二匹です。」「かしこまりました。ペット席へ。」
「ここってペット同伴いいんですか?!」「最近はこういう店があるんですよ。」「ファミレも進化したんだね。」
「さ、好きなのを選んで・・いえ、僕に選ばせてください。」「どうしてです?」「まかせたら安いものを選んで
しまうでしょ。」「あ・・(図星)」「ここは僕のおごりですから。」「それは悪いです。」「デートでは男性が払うのが
マナーと義務です。」「・・おまかせします。」つん。(リム、なんでさっきから黙ってるの?)(ここはうかつに
口出ししないのがいいの。)(・・知恵が回るわね。)(処世術がシュミだからね。)(・・肉親として頼もしいわ。)
食後。「さて、新聞でも読むか。」「ネットニュース全盛のこの時世に新聞ですか?」バサバサ。「ネオジャパンは
ネットニュースよりも新聞を好むのよ。表のスーパーですぐに手に入るし。」「意外とIT後進国なんですね。」
「ネオ台湾では英語が主体で、だんだんと母国語がすたれてるそうだけど、ネオジャパンは日本語がいまだに
根強いわ。英語アレルギーってのもあるわね。」「いまどき珍しい単一民族文化圏国家ですものね。」「もっとも、
コロニーではかなり言語が荒れてるわね。地べたじゃないと退化するという説も、実感としてわかるわ・・」
「おっと、午後いちの第二試合がそろそろ始まるな。よっと。」スタスタ・・プチッ、ヴン・・「リモコンは?」
「ドモンが叩き壊しちゃったの。」「反応が遅いからだ。やはり自らの手で操作する手間を惜しんではいかん。」
「そっとでいいというのに、力いっぱいボタンを叩くんですもの。・・ほら。」ぽかっ・・「あら~・・指が
貫通しちゃったんですね・・(^^;;」「もろい造りだ。」「ドモンの指拳は戦車の装甲だってぶち抜くでしょ!」
「第二試合はルンピニー対デス13か・・おお、第一試合はチボデーとキラルだったか。」「ビデオに撮っといたわ。
掃除しながら見てたけど、けっこー危なかったわよ、チボデー。」「じゃ、この試合が済んでから見てみるか・・
ガルーダ相手じゃきついかな、ヴァームは?」「ダメなんじゃない。」「おいおい、フィアンセの言うセリフじゃないぞ。」
「ファイターとしての客観的感想よ。」「応援に行かなくていいの?」「気が散るから来るなって。」「ほう・・意外と
けじめはつけるタイプなんだな。」「まあそのへんのギャップがカッコいいのよね~♪」『はいはいごちそうさま。』
「試合開始だ。・・お約束の死の霧か。」「あ~らら、回し蹴りで吹き散らされちゃった。」「アクティブクロークを
展開して、戦闘態勢になったか。」「ハッタリかましてる割りには攻撃が地味なのよね~。」「・・なに?あの動きは。
鎌を回し始めたわ。」「ん?・・なんだ?」「・・あっ?!ルンピニーが無防備で前に出る!」「なんで?!」
「あっ!・・あっさり首を落とされちゃった・・」「・・なんなのいったい?」「あれは・・催眠術だ。」『えっ?!』
「ヴァームめ、いつの間にあんな恐ろしい技を・・」「あ、ああ~・・あれか。」「なんだ?」「こないだヴァームが
言ってた。新しい技をつかんだって。その名は「フルムーンレクイエム」。」『フルムーンレクイエム・・』
「満月の鎮魂歌・・いい名前ね。」「あの円を描く動作で催眠状態に落とし、無防備になったところを仕留める・・
防御は不可能だ。」「目をつぶれば?」「あの状態で視覚を遮断することは自殺行為。それこそデスの思うツボだろうな。」
「まるでメデューサね・・でもキラルとかには通用しないんじゃ?」「いや、キラルなどは心眼で相手の動きを見る。
あの動作自体が催眠状態にするんだから同じことだ。」「これは・・次の対戦、気を引き締めていかないとね・・」
ピピピッ♪「携帯?・・はい、服部真蔵です。・・いまから?・・わかりました。」ピッ♪「すみませんが急に
仕事が入りました。」「いいですよ。私たちは戻りますのでお仕事がんばってください。」「いってらっしゃーい。」
「では失礼します。」シュッ・・「・・あっという間に姿を消しちゃった?」「やはり優秀な忍者なんですね。」
『ただいまー。』ピイピイ。オンオン。「お、戻ったようでござるな。」「あれ、真蔵は?」「急にお仕事とかで。」
「あなた・・」「うむ・・」「あの・・真蔵さんのお仕事って・・」「いや、拙者らもよく知らぬのだ。」
名出屋城、支社長室。『・・クリムゾン、参上。』シュタッ。「デート中にごめんなさいね。」「クライアントの
要求には最大限に応える主義ですから。」「これを。」バサッ。パシッ。「候補者リストですね。」パラパラ・・
「世界中から選びぬいた七人。いずれも潜在運動能力AAAの持ち主、背景はクリアー。」「資質は申し分ない。
あとは訓練で強化すればいいです。」「本拠は海浜公園地下に建造中よ。今朝にさっそく見に来てたわね。」
「ふふ・・そこまでお見通しですか。」「市内主要ポイントには「タウン」の眼があるからね。」「それに加えて
強行偵察部隊の必要性ですか。」「そう。敵地に乗りこみ情報を得て生還する・・それは正面から戦うよりも
よほど困難なことだけど、成功すれば敵の重要情報を得られると同時に敵方に動揺を招くわ。また逃げる偵察員を
追撃することで敵陣形を混乱させるという効果もあるしね。」「しかしそれを成し遂げるにはスピードに特化した
ガンダムと超人的な運動能力を備えた乗り手が必要です。」「それが葉隠部隊・・不戦にして最強の偵察部隊よ。」
ガンダム長屋。「さ~て、第三試合はと・・おお、ポセイドンとドラゴンか。」「へえ、兄妹対決じゃない。
サイサイシー、勝てるかしら?」「意地でも勝つだろう、あいつなら。」「でも海上リングよ。ポセイドン圧倒的に有利よ。」
「こ・・これはお兄ちゃんの大ピーンチ!応援に行かなくては!」「でも今からだと着いたごろには終わってるぞ。」
「ごめんください。」ガラガラ。「は~い。あ、ヴァームくん。」「あ、フロントの伝言見たのね。」「そのとおりです。」
「あっ、丁度いいわ。ヴァーム、車よね?」「はい。裏にありますが。」「お兄ちゃんの応援に行くところだったの。
さ、いこいこ!ほら、ドモン兄ちゃんもレイン姉も!」『え?いくの?』「とーぜん!ほらほら急いで!」
「これは・・小さい車だな。」「ロータス・スーパー7ね。」「さ、乗ってのって。」「乗れって・・」「どこに?」
「すみませんがラゲッジスペースとロールバーでなんとかしてください。」『よいしょ。』ごそごそ・・
「ではいきます。」ブロン!ブロロロロッ!『うわわわわっ!速い!』キキキイイイーッ!「きゃあああーっ!」
「ただいま。」「戻ったか、真蔵。」「おかえりなさい。」「お隣りもでかけたようだし、今日は久々に外食といくか。」
「いいですね。例の居酒屋がいいんじゃない?」「うむ。二人も誘うか?」「そうですね。僕が呼んできます。」
サクサク・・「おお、ンドゥール殿。」「みなさんお出かけですか。」「これより夕食だが、いかがかなご一緒に。」
「いえ、私は済ませてきたところで。」「それは残念。では。」「さて・・論文の執筆を仕上げるとするか。
明日はファイトに備えて、鍛練と休息をとろう・・」バタン。そして長屋に日が落ちる・・
みなさんお待ちかね!ナコルルが出場辞退?!
悩むナコルル、励ます仲間たち!
そして心を決める!巨大な運命の歯車は動きはじめた!
次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第25話
「出場辞退?戦士の友情」に、レディー、ゴーッ!
******************
第25話 出場辞退?戦士の友情
少数民族連合日本支部東京支局。ごくありふれた2階建ての事務所である。しかし、この裏手にガンダム長屋が
あることを知る人は少ない・・「支部長、お呼びですか。」「おおナコルル、よくぞ来た。まあ座ってくれ。」
「はい、失礼します。」「今日来てもらったのは他でもない、一度礼を言っておきたくての。」「は?・・でも長老・・
いえ、支部長・・」「その支部長というのは二人のときはやめておくれ。コタンでのように、エモニでよい。」
「はい・・」「お前の活躍のおかげで世界の仲間の知名度も上がり、コタンの観光収入も前年度の5倍に跳ね上がったと
いう報告も来ておる。そしてなにより、みなが生きる勇気と自信をもってくれたことがわしには一番嬉しい。
全てお前の健闘のおかげじゃ。」「ああ・・本来闘いを好まぬ私でしたが、みんなの事を思って必死に闘ってきた甲斐が
ありました。」「それだけではない。二人のキングオブハートからの勝利は、お前が思っている以上の影響を与えておる。」
「え?」「各国の少数民族及び先住民族に対する政策が見直される動きが出てきたのだ。そして、我らへのいわれない
差別や虐待の急激な減少。むしろ同じ人間として同等に認識する傾向が強まっておる。各地の仲間からそういった報告が
来ておるぞ、お前への感謝のことばと共に。そう、お前こそ我らの歴史を塗り替えつつあるのだ。」「・・よかった・・
本当に出てよかった。」「そこでじゃ・・当初の目標以上の成果はもう出ておる。・・そろそろ潮時かもしれん。」「・・え?」
「今朝、連合最高会議で了承を得た。・・お前さえよければ、ここで辞退してもよいと・・」「・・エモニ・・」
「わしも辛かった・・いかに仲間のためとはいえ、自分の孫娘に修羅の道を歩ませるのは。だがもうよい、もう充分だ・・」
「・・しばらく考えさせてください。あさっての対アルトロン戦までに答えを出します。」「・・わしも戦士だった。
お前の気持ちも判らんではない。・・ゆっくり考えるがよい。」「はい・・失礼します。」
「・・どうしよう・・」「どうしました、ナコルルさん?」「あ、真蔵さん・・」「・・どうやら、僕よりも
父やドモンさんに相談したほうがいいようですね。」「え?なぜ判るんです?!」「僕の職業を忘れましたか?
連合の動きくらいすぐ耳に入ってきます。そこへあなたが呼ばれ、その顔で帰ってくれば、答えは明白です。」
「・・さすが伊賀忍者ですね。」「そしてその悩みは僕ではまだ助けになり得ない・・同じファイターでないと。」
「・・そうします。ご忠告、ありがとうございます。」「父はドモンさんのところでTVゲームをしてます。明後日の
対戦までには心を決めるべきでしょう・・その状態で鈴麗さんと闘うのは失礼以外のなにものでもありません。」
「・・そうですね。・・ときどきあなたの職業が憎らしくなります。」「僕もです。一番合わない職かもしれません・・」
ガラガラ。「こんにちは。」「あら、ナコちゃん。」ビシバシ!「ボディがあまい!いけっ、葵ちゃん!」「なんの!
電波ウェブでござる!」バリバリバリッ!「しまったあっ!16hitか!」「ふはははは!るりOりの精神電波は
無敵でござる!」「ならば次は綾Oさんだ!」「格闘系キャラばかりでござるな。次は真・琴Oちゃんを使おう。」
「・・なんのゲームをしてるんですか。(-_-;;」「え~と・・(^^;;サムOピじゃないのはたしかね。」
「おお、ナコルル殿。」「よう。・・どうした?暗い顔して。」「実は・・みなさんにご相談したいことが・・」
「・・ふ~む、難しいのう・・」「で、自分では答えが出ないわけだ・・わかるぜ。」「そうです・・まったく
答えが出てきません・・」「・・レイン、カムイはあと誰と対戦が残ってるかわかるか?」「ダイアグラムを見てみるわ・・
あと8戦ね。」「よし、その8人に俺と半蔵さんで連絡を取る。ナコルルと対戦したいかどうか。」「なるほど・・相手の
意見を聞くか。妙策だの。」「ナコルル、その意見を参考にすれば、自らの答えが出せる・・はずだ。」「・・そうします。」
次の日早朝。「7人と連絡が取れた。答えは全員イエスだ。そのうち何人かは・・」ババーン!「ナコちゃん!」
「ちょっと、ナコ!」「ナコルルよ!」「・・ナコルル。」「ヘイ!ナコルル!」「ナコルルさん!」「おいおいナコルル!」
「・・みんな来ちまったか。」「みなさん!」
「ナコちゃん!私、明日の試合楽しみにしてたのよ!ねえ、闘おうよ!」「鈴ちゃん・・」
「ナコ!あたしとの再戦ほうりだす気?許さないわよ!」「アレンビーさん・・」
「わしもじゃ!サバイバルイレブンのお返しをせねば、腹の虫が収まらぬわ!」「東方先生・・」
「おれも、お前とは闘ってみたい。」「アルゴさん・・」
「オレもだ!ドモンとマスターを叩きのめした程のヤロー。ファイトが燃えてるんだ!」「チボデーさん・・」
「そうです!私も是非あなたと闘ってみたいのです。辞退などしないでください!」「ジョルジュさん・・」
「オイラだって!どっちかの祝勝会で料理ご馳走してやりたいんだからさ!」「サイサイシーさん・・」
『さあ、闘おう!ナコルル!』「これで決まったな。」「・・みなさん、私は自分のことばかり考えてて、みなさんの
気持ちを慮ろうともしませんでした。でも、こうしてみなさんの気持ちが判ったことで、私の心は決まりました。
みなさん全員と闘わせていただきます。今まで私は世界の仲間のために闘ってきました。しかしこれからはみなさんの
ため、いえ、自分自身のために闘います。みなさん全員を打ち破る覚悟で!」『よし!その意気だ!』「そうと決まれば
再起祝いじゃ!宴会の準備をせい!」『おおーっ!』「・・師匠、今日の試合は?」「・・おお!忘れとった!
こらアレンビー、ジョルジュ!お前ら今日試合だろうが!」『・・ああっ!忘れてた!』「まずい、こんな時間か!
急いで行くぞ!」「やっばー!あたし第一試合だ!」「第二試合ならばまだ間に合います!」ドドドドド!・・
そのころ、第一試合会場。ザワザワ・・「う~む、遅い。アレンビーはともかく、レフェリーまでも遅刻とは・・」
「どーせ長屋で話しこんでるんでしょ・・ん?・・真蔵からの遠話です。丸く収まったそうよ。」「それは良かった・・
おお、来たぞ。」ドスドス!「お待たせ~!」「遅くなってすまぬ!・・ではさっそく、両者、中央へ!」ザッ!
「はあっ、はあっ・・」「息が整うまで待ってもよいが。」「ちょっとしたウォーミングアップよ。気にしないで。」
「では始めるとするか!」「すーっ・・はあっ!おうさ!」「始め!」『ガンダムファイト!レディー、ゴーッ!』
連合支部。「おおナコルル、早かったな・・で?」「はい。辞退はしません。最後まで闘います。」「・・やはりな。
これを見せよう。」ピッ♪ぱっ。「こ・・これは!」ガガガガガ!「カムイガンダムマークⅡ。バージョンアップ型だ。
いまだ建造中だが最終バトルまでには完成するだろう。」「・・あれ?もう一機ありますが・・」「あれはマークⅢ。
「世界」のガンダムじゃ。」「姉さまの・・それでは!」「そう・・ついに動き始めたのだよ。アルカナが。」「・・ついに!」
「しばらくしたら「皇帝のフルハウス」と「女帝のフォアカード」が来日する。その時全ては明らかになるじゃろう。」
「・・アルカナが集結する・・五千年ぶりに・・」「われら連合は同盟のサポートをするよう、「女帝」から多大な
援助をもらっておる。紋章の所有者はわれら先住民族から出る確率が高いのも理由の一つじゃ。まさか三人の孫娘が
全員所有者だとは、さすがのわしも驚いたが・・」「・・ワイルドカーズのまだ確定していないメンバーは?」
「「吊られた男」「正義」「恋人たち」「死神」。だが・・意外と近くにおるとわしは感じる。」「・・私もです。」
「おっと、大事なものを渡さなくては・・これじゃ。」カチャ。「これは、ガンダムのミッションディスク・・」
「この中には今までのカムイの戦闘データを基にしたバージョンアッププログラムが入っておる。これをカムイに
インストールすれば、カムイのポテンシャルパラメータを最大限引き出すことができる。総合で1.5倍くらいの
パワーアップに相当する。明鏡止水を極めし今のお前なら使いこなせるじゃろう。存分にやってくるがよい。」
「はい!ありがとうございます。」「ママハハも頼むぞ。ナコルルをしっかりサポートしてやってくれ。」ピイ!
そして次の日。ワアアアアーッ!「ナコちゃん・・この日を待ってた!」「全力でいくよ、鈴ちゃん!」「始め!」
『ガンダムファイト!レディー、ゴーッ!』「おりゃあああっ!」ドドドドッ!「遅いわ!」パパパパッ!
「全部よけた?!・・さすがは「戦車」!」「今の私にはこの程度の連撃、止まってるに等しい。もっと気合を
いれてきなさい、「法皇」!」「言ったな!そのへらず口、ぶっ潰してやる!」「その意気!でないと大ケガするわよ!」
「おおりゃあーっ!」「とおーっ!」バキイイイーン!ガキイイイーン!『たたたたあああーっ!』バキバキバキッ!
関係者用観覧席。「す・・すごい!今日の二人は・・」「双方ともすさまじい気合だ。空気がピリピリしてやがる・・」
「特にカムイの動きは見違えるようだ・・ふっ切れたな、ナコルル。」「ああは言ったものの・・前言を撤回したく
なりそうです。この動きをやられると、かなり苦戦しそうですね。」「まったく・・すごいぜ、二人とも。」
「とおっ!」ターン!・・「飛んだ?」「天龍雷撃!」ドンッ!シュバアッ!「ドラゴンアームが真上から!」
「あまい!レラシゥ!」ピイイイーッ!バサバサバサッ!ビュオオオオーッ!「ママハハが旋風を?うわっ!
バランスが!」グラッ。「レラムッペ!」ゴオッ!『おおっ!』ズバアアアーン!「ちいっ!なんて速さ!」
「シチカプ・エトゥ!」ピイイイーッ!「ママハハが?!」ワシッ!「あいたたた!」バサバサバサッ!ふわっ。
「も、持ち上げられる?!モビルホークにこんな力が!」「落とせ!」ぱっ。ゴオオオーッ!「天龍雷撃!」
ドンッ!シュバババッ、ドオオオーン!「地面を突いた?!」「はいっ!」クルクルッ・・スタッ。「うしろ?!」
「もらった!」シュババババッ!ガギギイイッ!「あうっ!」「アルトロンのドラゴンアームが巻きついた!」
ギリギリ!「しまった・・絞め技とは!」「ぶん殴るだけが八極拳じゃないよ。これぞ龍身砕山!」メキメキ・・
「くっ!・・なんて力・・」「山をも粉砕する龍の力。さあ、気を失うまで絞めてあげる!」「・・ま・・」
「おっと、ママハハは使わせない!」さっ。「盾になってもらうよ。さあどう抜ける、ナコルル!」「く・・」
「い・・いかん!完全に決まっている!」「いや、ひとつだけ脱出の手はある。・・ナコルルがそれに気づくか・・」
ギギギギ・・メキメキ・・「そろそろ装甲が限界ね。さあもう一息!」「・・ママハハ!」ピイイイーッ!わしっ!
「えっ?・・自分をつかませた?!」バサバサバサッ!・・ふわっ。「うわっ!二体ともども持ち上げるなんて!」
『おお~っ!』「ガンダム二体ぶんの重量を持ち上げるとは!」「なんというパワーだ・・」「・・今よ!」ぱっ。
ヒュウウウウーン!「ま、まずい!こっちが頭一つ突出している!くそ、離れるしか!」ギュルッ!「ゆるんだ!
ママハハ!」ピイッ!バサササッ、わしっ!「なに?!・・自分の足を!」「裏カムイムッペ!」ドンッ!
「うわっ!空中で!」ズガガガガッ!「わあああっ!」・・ズダダーン!ゴォォォ・・「や・・やるぅ・・」
「一気に決める!カムイたちよ、私に光を!」ギーン!「ハイパーモード?ならばこちらも!はああああーっ!」
ギーン!「両者同時にハイパーモードに入った!」「これで・・決まる!」「この一撃は無敵なり。立ちはだかる
いかなるものも打ち砕き、勝利を呼ぶ雄叫びなり!」ボオオッ!「カムイヌプリの名のもとに、あまたのカムイよ
我に宿りて翼となれ!」「八極拳最高奥義!」カアッ!・・「猛虎!龍・撃・だああああーん!」ズドオオオーン!
「秘奥義、レラカムイリュッセ!」ピイッ!バサササッ、ガシン!『なっ?!・・ママハハと合体!』バサアッ!
ドカアアアアーン!『うわあっ!』「直撃!勝ったよ!」ゴォォォ・・ズボオッ!「いいえ、まだです!」「なっ!」
バサササッ!「カムイが・・飛んでる!」ボン!ゴオオオオーッ!「全身にオーラが!」「まさか・・体当たり!」
「おりゃあああーっ!」ドゴオオオオーン!「うわああああーっ!」・・ズダダダーン!ゴォォォォ・・バサアッ!
「ありがとう、ママハハ。」ピイッ!「あれがカムイの真の姿・・?」「まるで・・天使。」「勝負あり!カムイガンダム!」
「りーんちゃん、だいじょーぶ?」「あいたた・・大丈夫じゃないやい!あ~んなスゴイ技あったなんて、聞いてないよ!」
「あら、言いませんでしたっけ?・・フフッ。」「・・いい笑顔。負けて気持ちいいっての、判った気がする。」
「あの絞め技が決まったときにはダメかと思ったんですけど、やってみるもんですね。」「それよ。ママハハがあんなに
力持ちだとは思わなかったわよ。」「私もです。でもやっぱりママハハ「おもて~!」って言ってたみたいですけど。」
「どっちが?」「さあ?」「こりゃママハハにご馳走しなきゃね。今日一番の功労者だもの。」「そーですね。」
「僕がもちましょう。鈴さんも。」ザッ。「あ・・これが噂の真蔵さん?」「な・・なんのウワサですか!」
「あ~ら、真っ赤になってムキになるとは・・ちまたで有名よ。ナコにいい男ができたって。」「そ、そんなんじゃ・・」
「ふむふむ、確かにナコにはピッタリよね。」「ちょ、ちょっと!」「だいじょーぶ。私にゃヴァームがいるから
とりゃーしないわよ。ちょっと支度してくるね~。」「・・面白い人ですね。」「もう・・鈴ちゃんたら・・」
「・・女性陣み~んな連れてきたわよ。ヴァームもいるから心配なし!」「うわ~、いいオトコ。」「う~ん。
浮気しちゃおうかしら。」「いじいじ。」「・・鈴ちゃん・・」「シッシッシ・・まあ、負けた腹いせとでも
思ってちょーだい。」「え、あの、ちょっと・・爆煙隠れ!」ボーン!もくもく・・『あれ?どこよ~!』
「ナコルルさん、失礼。」「え?あん!」ヒョイ。「・・軽いんですね。ママハハ、逃げるぞ!」シュッ!「え、あの、その・・
(真蔵さんにダッコされてる・・力強いんだ・・)」「・・ふむ。うまく逃げたようね。」「作戦成功・・ですね。」
「あの二人はオクテだから、こうでもしないとね。みんなも協力ありがと!」『いつでもまっかせなさい!』
「さて、私たちも反省会でもしよーか。ね、ヴァーム。」「そうですね。いい店を見つけましたよ。」「いいわね~、
若い子たちは初々しくて。」「レイン、オバハンくさいこと言わないで。」「あなたたちもそろそろよ。」『は~あ・・』
みなさんお待ちかね!風雲再起が長屋へ入り、ママハハと大ゲンカ!
しこりはスッキリ取るに限る!かくて始まる動物ファイト!
空を制するママハハか、陸の王者風雲再起か!
次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第26話
「スペシャルマッチ!動物ファイト」に、レディー、ゴーッ!
第26話 スペシャルマッチ!動物ファイト
ガラガラ。「失礼する。」「はーい・・マスター?!」「レイン殿。ドモンはおるかな?」「は、はい。ドモン!
マスターよ!」「師匠?!珍しいですね、ここへ来るとは。」「うむ。・・ちょっと相談したいことがあってな。」
「風雲再起が元気がない?」「サバイバルイレブンの時は世界中駆け回っておったのだが、決勝大会に入ってから、
あまり動くことがなくなったのでな。わしもレフェリーが忙しくて、あまりかまってやれなんだ・・」
「馬にとっては駆け回ることが生きがいですものね。」「そこで相談だが、この長屋に置かせてもらえまいか?」『え?』
「ここなら常に誰かしらおるし、裏の広場で走り回るにも不自由せん。お前らなら気心も知れておろうし。
幸い空室があるので、そこを馬小屋に改造すれば充分に住める。」「私たちはもともと一緒に住んでたので構いませんが、
他の住民の同意を得ないと・・」「うむ、もっともだな。」「まあ大丈夫だと思いますよ。自然派ばかりですから。」
「・・というわけで、皆の意見を聞きたいんだか。」「服部家は馬と一緒に住んでおりましたので、問題ないですぞ。」
「わが集落も同様。かまいませぬぞ。」「コタンでは馬どころかウサギにキタキツネ、熊までいますから、まったく
問題ありません。」「大体予想通りの反応だな。」「では、お世話になる。」「我らにとっては動物も人もかわりませぬ。」
「うちの暁やママハハくんにも友達ができますし。」「ええ。にぎやかになっていいですね。」「礼をいうぞ。」
名出屋城。「五号室を動物小屋に改造ですか?」「責任はワシがもつ。どのみちこれ以上の入居者が望めぬならば
かまわぬではないか。」「たしかに二部屋空きはありますけど・・ま、遊ばせとくよりマシでしょう。認可します。
業者の斡旋もしましょうか。」「いや、長屋の連中が総出でかたしてくれておる。」「内装はどうするの?」
「ガンダムドックの空きスペースに分割して置いておくそうだ。予備にもなるとか。」「生活力のある人たち・・」
トンカン。「ドモン、力まかせにバラさないでよ。」「畳はいったん干してからしまいますね。」「うんしょっと。」
「フロ場は水飲み場に転用すべきだろう。」「ここの桟はママハハ用に残しておきましょ。」「暁の寝床はここですね。」
「軒が馬にはちと低いか・・屋根のここを少し曲げて伸ばすか。むん!」ギニュ~!「・・よし、こんなものか。」
「レイン、外した桟はどこに?」「コーガのドックに入れてね。」「壁パネルはカムイのドックでござるな。」
ヒヒーン。カッポカッポ。「あ、師匠。」「風雲再起を連れてきたぞ。」ブルルル。「よいか、今日からここが
お前の家じゃ。」「また俺たちが面倒みさせてもらうぞ。」「つきあい長かったものね。」ヒヒーン。
だが次の日・・ヒヒヒーン!ピイ!ピイピイ!「何の騒ぎだ!」「風雲再起とママハハがケンカしてます!」
「こらやめろ!」「やめなさいママハハ!」「駄目だ!二匹とも興奮状態で手がつけられん!」ワン!ワワン!
ピタッ。「おお、暁の一声で収まったぞ。さすが動物同士。」「いったい何が原因だ?」「聞いてみましょう・・」
ヒヒン。ピイピイ。「なるほど・・どうやらどちらが強いかで口論になったようです。」「うーむ、自然界は我ら以上に
階級差が厳しいからのう。」「こうなった以上、何らかの形で決着をつけないと長くシコリとして残ります。」
「でも、実際にケンカすれば、どっちも大ケガしちゃうし・・」オンオン。「えっ、何だって?・・ガンダムファイトで
勝負をつけろと暁が提案してます!」『なんだって!』ヒヒーン。ピイピイ。オンオン。「あらら・・二匹ともそれで
合意しちゃいました。我々にお膳立てをしてくれと言ってます。」「これはえらい事になったぞ・・師匠を呼ぼう。」
「う~む・・そういう事態になったか。」「どうしましょう?確かにガンダムファイトなら最小限のダメージで
済みますけど・・」「・・よし。ここは二匹に存分に闘わせてやろうぞ。さいわい明日の第三試合が双方の整備が
間に合わずキャンセルになったので、会場は空いておる。そこを使えるよう委員会に掛け合ってくる。なに、
エキジビションマッチとして説得するわい。」「レフェリーはどうします?まさかマスターがするわけには・・」
「ちゃんと最適のレフェリーが居るではないか。のう、暁。」オン。「え?でも暁はガンダムを・・」「いえ・・
あるんです、モビルドッグが。」『え?』「父の出場が決まった時にサポートメカとして出す予定だったんですが、
ネオサンマリノの予算不足でお蔵入りになってたんです。整備はしてますので、いつでも動かせます。」
「というわけじゃ。真蔵どのはモビルドッグに同乗して、暁のサポート兼通訳をしてくだされ。」「わかりました。」
「それにしても・・こら風雲再起、お前ママハハにケンカ売ったな!最近自分が闘ってないものだから!」
ヒヒン?「とぼけるな!お前がママハハをうらやましがってるのは先刻承知!」「あ~、それでですか・・」
「うむ。迷惑かけてすまんが、一つ稽古をつけてやってくれ。」ヒヒン。「ぷっくく。風雲再起もおじぎしてますよ。」
ピイピイ。ヒヒン。「へえ・・ママハハが今言ったのは、「しょうがないから手合せしてやろう。正直、ナコルル抜きで
自分の実力を確かめてみたかった。」・・とのことです。」「ほう・・やっぱりこいつらも我らと同じなのだな。」
名出屋城。「パワー・・失礼、モビルアニマル同士のガンダムファイトですか。」「会場を遊ばせておくくらいなら
有益に使うべきだと思うが?」「それはそうですが・・わかりました。私は実行委員会から運営責任を委任されて
ますから、なんとかしましょう。」「感謝する、ミス・ナディア。」「ミスはいらないわ・・まずは総師様ね。」
カチャ。ピピピッ。「・・総師様、ナディアです。実は・・はい、そうです。前例はありませんが集客率の良いものに
なるかと・・はい。ではそのように。」チン。「実行委員長・総師様の承認が下りました。実施に動いてください。」
「ではさっそく準備にかかろうぞ。。」「会場の手配とアナウンスは私のほうでやりますので。」「よろしく。」
浜松町・TVネオジャパン。『動物ファイト?!』「オーナーからの直々の指示よ。すぐに報道にかかって。」バサバサ。
「これが試合のデータよ。」「・・明日の第三試合?!急すぎます!」「六時半のニュースがギリギリの線ですね・・」
「あと20分しかないですわ。」「こりゃ急いで原稿上げねえとな。」「アイリス、コックリさんプログラムや!」
「まかせて!」ピッ。「臨時ニュースです・・」ピピピピピッ。『おお~!』「ひとりでに原稿ができていきますわ!」
「アイリスのテレパシーを受けて自動的に文章に起こすプログラムか・・はじめて見る。」「・・終わり!プリント!」
シャシャシャッ!バサバサッ!「メイクに行きます!」「カンナ、急いでバンクでインポーズ造りですわ。」「おお!」
「マリアはん、アイリス、カメラタイミングの打ち合わせやるで。」「わかった。」「さあ忙しくなったよ!」ダダッ!
「さて皆さま、昨夜の臨時ニュースでお伝えした通り、今日の第三試合はスペシャルマッチ、風雲再起対ママハハを
お送りします。普段はファイトの脇役として日の当たらない動物たちに、ついに晴れの桧舞台が訪れたのです。
実況はおなじみわたくし神宮寺さくらと、」「ニイハオ!世界のアイドル李紅蘭でっせ!」バキッ!「いつからアイドルに
なったのよ、あんたわ!」「アイヤ~、でもファンレターはウチの方が多いで。「バカさくらにイジメられてかわいそう」
とか、「丸メガネがカワイイ」とか。」「・・たしかに私んとこには抗議のおハガキ多いけどさ。でも、私だって好きで
ツッコミやってるんじゃないのよ。お仕事だから、心の中で「ゴメンネ」といいつつドツイてるのよ・・それを・・
ヒドイ、みんな・・シクシク。」「おっと!風雲再起の入場でっせ!」「だーっ!人の話を聞けーい!」ブン!
ゴオオオ~ン♪「・・♀⊿〆♂∞♯%!」「そうそうフェイントは食いまへん。今日は金ダライをもってきたさかい、
デフェンスはバッチリ。さて、七転八倒しとるさくらはんは放っといて、実況をつづけまひょか。」
パカッパカッ。ヒヒヒーン(ガンダァーム)!・・シャルルルーン!「おっとぉ!風雲再起のコールに応えて
ガメラの回転ジェット形態みたいなUFOが出現!」パカッパカッ!ヒヒーン!ダーン!・・スパッ。
「そして大きくジャンプした風雲再起を吸い込んだで!」ジャキン!ビシビシッ!「そして四肢を展開して
モビルホース形態に!そーとー入れこんどるみたいや。一方・・」バサアアーッ!「ママハハも来よった!
空からの入場や!」ピィーッ(ガンダァーム)!キラッ・・ヒュウウウーン!「小型ジェット機?!」バサササッ!
ピイイーッ!・・スパッ!「ママハハを収納!」バサササッ!シャキーン!「翼を伸ばし、爪を展開して
モビルホークに変形や!こっちもやる気マンマンでっせ!」オォーン!ザザッ。「レフェリーを務めるモビルドッグ暁が
レフェリングゾーンに登場。いよいよ試合開始です!」「おお、さくらはん復帰しよったな。」「ちょっと痛かったわ。」
「ほえ・・金ダライに拳の跡がくっきりついとる・・あぶな~。」「これでも北辰一刀流免許皆伝、ついでに藤林流
小具足術師範だからね。自然石くらい正拳で砕けるわ。」「まあウチも陳家大極拳で岩くらい発勁で砕くけどな。」
「未来世紀の女性たるもの、免許皆伝の一つや二つは基本よね。」「そーや。このせちがらい世相で頼るべきは
己れの技量だけやもんな~。」「武闘戦国時代だもんね・・さて、いよいよ試合開始です!」オオォォーン!
『(ガンダムファイト!レディー、ゴーッ!)』ピィーッ!バサバサッ!ビュウオオーッ!「先手を打ったのはママハハ!
翼をはばたくと小型の竜巻が生まれました!」ヒヒーン!バシイイーン!「風雲再起、ユニコーンホーンで蹴散らした!」
ヒヒーン!ゴオッ!パカッパカッ!「飛んだ?!いえ、空中を駆けてる!」「ヒヅメの音は気にせんといてや♪」
ピイイーッ!バサバサッ!「ママハハ、風雲再起の突進攻撃を難なくかわした!」キキイーッ!「・・急停止?」
ゴッ!パッカアアアーン!キョーッ!「な、なんと強烈な後足蹴り!ママハハ、フェイントにかかってモロにくらって
しまいました!」「う~む、賢い馬やな~。ウチも欲しいな~。」くるくるっ、バサササッ!「ママハハ、何とか空中で
立て直しました。そして反撃!」ピイイーッ!ボオッ!ゴオオオオーッ!「大気との摩擦で炎の鳥となりました!」
「大技出しよった!」ヒヒーン!ダッ!パカッパカッ!ボオオオーン!「おお!風雲再起も炎の馬となって突撃!」
ガキイイイーン!「アイヤーッ!ものすごい音や!」パキイイイーン!「・・ああっ!ママハハの嘴と風雲再起の角が
砕けた!」・・カラカラーン!「互角の勝負やったんや・・」「だが双方とも戦意は衰えていない様子!」
サポートクレーン。「むう!・・風雲再起があれほど苦戦するとは。」「ママハハ・・がんばって。」「こうなれば!
風雲再起、回転ジェットじゃ!」ヒヒーン!ガシャガシャン!ヒュルルルッ!「おお!ペデスタルモードに変形しての
高速回転!」シュイイイイーン!「あのまま突撃する気や!」「いけない・・ママハハ、アグレッシブモード!」
ピィーッ!ジャキジャキン!ドオンッ!・・ブオオオオーッ!「ママハハもジェット形態に変わって、さらに機体が
エネルギーフィールドに覆われた!」「次で決まるで!」ゴオオオオーッ!「激突コースに入った!どっちが勝つのか!」
カッ!・・ズドオオオオーン!ゴオオオオーッ!「うわっ!すさまじい衝撃波が荒れ狂いました!」「こらスゴイわ!・・
どないなった?」ゴォォォ・・「・・双方ダウン?!」ワオーン(相討ち)!「この勝負、引き分けです!」
タタタ・・パシュ。「ママハハ、生きてる?!」「風雲再起、大丈夫か!」・・ヒヒーン!ピィーッ!『おお!』
「両者とも無事です!元気にコクピットから出てきました。そして・・?」バサササッ。パカッパカッパカッ!
「ママハハを背中に乗せて風雲再起がフィールドを走る?!」「・・ノーサイドランや!双方とも力を出しつくしての
満足いくファイトやった証や!」ワアアアーッ!パチパチパチ!「どうやら納得いったようだな、二匹とも。」
「よかった。・・でも、一つ不思議なのは、あの二人あれだけ対立してるのに、なぜ暁には何も言わないんでしょう?」
「簡単ですよ。暁にはかなわないからです。」『え?』「つまり、あの二匹は実力が伯仲してたからこうなったんです。
でも暁には一目置いている・・暁の提案をあっさり受け入れたのも、その理由からです。」「これはナンバー2決定戦
だったのじゃな・・」「だがこれでもう二度と諍いは起きないでしょう。双方とも実力を認めあったし、なにより暁の
定めた野生の掟は絶対です。」「うむ・・そうじゃの。」「自然は私たち人間の世界以上に厳しいのです・・」
「みんな~、お昼ですよ~。」ヒヒーン。ピィ。オンオン。「風雲再起、あんたはどうしてお肉を食べたがるの?
はいママハハ。」ぽい。バサササッ!わしっ。カツカツ・・「暁はこっちだよ。」ドサッ。ハッハッ。ガフガフ。
「風雲再起には大きなニンジンあるよ~。ほれ。」カプッ。モグモグ・・「すっかり仲良くなったようね、あの三匹。」
「はい。ヒマさえあれば広場で遊んでます。寝る時も馬小屋で一緒です。」「リムルルくんもよくめんどう見ますし。」
『・・あっ!こら暁!あたしの足でコスるんじゃな~い!・・うわっ!・・やられた~。』『あらら・・(^^;;』
みなさんお待ちかね!なんとサイサイシーが無名のファイターに秒殺!
ネオトルコの可憐な踊り子に秘められた執念と秘密とは?
今、友情で結ばれた風の戦士の超スピードバトルが始まる!
次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第27話
「拳の絆!秒殺の踊り子」に、レディー、ゴーッ!
****************************************************
第27話 拳の絆!秒殺の踊り子
「なんだと!サイサイシーが無名のファイターに敗れただと?!」「ええ!いまテレビで大騒ぎになってるわ!」
「どこのどいつだ・・えっ?ネオトルコのガンダムミストラル?聞いたことないぞ。」「初出場選手みたいよ・・え?
ファイターは女性よ!」「またか!」「名前はエリス。17歳だって。」「流派は?」「データにないわ。」
「録画を見てみるか・・えらく華奢なガンダムだな。」「・・え?いま何が起こったの?ドラゴンがいきなりダウン!」
「・・なんてスピードだ・・俺の目でも捕捉するのは難しいぞ・・」「あっ!ものすごい連続技!」「あのサイサイシーが
防御も回避もできないとは!」「終っちゃった・・32秒?!」「前回のノーベルより早いのか!まさに秒殺だな・・」
「まさか、バーサーカー?」「いや、あれは実力だ。繰り出す技のひとつひとつに魂がこもってる・・というより執念か?」
ピーッ♪「あ、ファックスだ・・えっ?新入居者が来るって!」「なんで今ごろ。」「え~と・・あら、野宿してたのを
警察に補導されたんだって。」「そんなに貧乏なのがいたのか・・」「・・え!名前はエリス!あの娘よ!」「なにっ?」
数時間後・・ガラガラ。「ごめんください。こちら長屋の管理人さんのとこですか?」「はーい。あ、あなたは・・」
「エリスと申します。今度こちらにお世話になります。」「はい。あなたの部屋は6号室よ・・あら?荷物そのバッグだけ?」
「はい。」「おフトンは?」「・・ありません。」ひくひく・・「・・ちょっとあなた、こっちへいらっしゃい。」くんくん。
「ここ三日ほどオフロ入ってないわね。香水でごまかしてるけど・・」「・・はい・・」「ご飯は?・・ちゃんと食べて
ないみたいね。その様子だと、相当ヒドイ生活してたのね・・」「・・」「着替え出して、オフロ入ってらっしゃい。
その間に何か作ってあげる。いろいろ理由ありみたいだけど、その事情はそのとき聞くわ。おフトンも貸したげる。」
「え?でも・・」「しのごの言うのは入ってから!」「は、はい!」「出たな、レインの世話好きが。しばらく任せるか。」
「・・そうなの。ジプシーの踊り子だったのをスカウトされたのね。」「ネオトルコにもいい目を持ってるのがいたもんだ。
で、試合ごとに賞金がでるのか・・」「でも、自分の生活費を切りつめてまで送金をするなんて・・」
「一座の十人の子供たちに、少しでもいい暮らしをさせてやりたくて・・」「それはわかるけど・・あなた17でしょ?
人生で一番輝くときじゃない。そんなときにこんな生活してちゃいけないわよ。さ、荷物から洗濯物出して。うちの
ついでに洗ってあげるから。」「は、はい。」ごそごそ・・ちらっ。「・・あれ?その可愛いドレスは?」「舞台衣装です。
オフのときには街頭で踊って稼いでますので。」「・・ふむ。」ピン♪「ドモン、ちょっとご近所に声かけてくれない?」
「ん?・・あ、なるほど。よいしょ。」「そういうこと。・・エリスちゃん、ちょっとお仕事の支度して。」「はい?」
「入居記念にひとつ踊ってみせて。いまお客さんかき集めてくるから。」「は・・はい。」『おーい、みんな。・・』
裏の空き地。タタタンタタンタン♪「むう・・見事な舞なり!」「ホントに。コタンのイオマンテを思い出します。」
ターン!シュシュッ!『おおっ!』「なんて素早い動きなの!一流の忍びでもああは・・」「むう。プロの武闘家でも
こうは動けんぞ。」「あれ師匠、来てたんですか?」「風雲再起の様子を見にきたところをナコルルに引っぱられたのだ。
だが、よいものを見せてもらったぞ。」「動作の切れもすばらしい。かつて神に捧げられた舞とはこういうものだったの
かもしれん。」「舞と武術は本質的には同じものじゃ。いや、舞そのものが武術の起源ともいえるな。」『なるほど・・』
ペコッ。『ブラボーッ!』パチパチパチ!「こんなすごい踊りは初めて見たよ~!」「人間の極限に迫るスピードと軽さ・・
これぞ眼福というものです。」「そういうことで新入りのエリスちゃんをよろしくね、みなさん。」『いらっしゃい!』
「・・わたしちょっと連合へ行ってきます。」「ナコルルさん、どうしました?」「あの娘・・私たちの仲間です。」タタタ・・
ドモン家。「はい、エリスちゃん。今の踊りの報酬よ。」「えっ?・・こんなに!こんなにいっぱいもらえません!」
「いいえ。あなたはちゃんと仕事をした、しかもいい仕事をね。これはそれに対する正当な報酬。これはビジネスよ。」
「あ・・ありがとう・・ございます・・」「それで生活用品を整えなさい。いい、自分のために使うのよ。」「はい!」
「さあ、おもてのスーパーで一緒にお買い物しましょ。共用冷蔵庫は業務用の大きいやつだから、あなたの食料も入れて
おけるわ。まあスーパーと向かいのコンビニが冷蔵庫代りになってるけどね。じゃ、ちょっと行ってくるわ。」
「ああ。・・さすがはレイン、みごとに仕切ったな。ああいう形でもないと受け取れないと見抜いての見事な策だ。」
エリスの部屋。「洗面用具はこっち、お化粧道具はこっち。えっと、レインさんに借りたお布団は押し入れと・・」
ガラガラ。「エリスさん、ちょっといいですか?」「あ、はい。ナコルルさん、何か?」「連合事務所まで来てください。
あなたの一座と連絡がとれました。」「えっ!・・は、はい、行きます!」「路地を出てすぐ左の事務所です。」
少数民族連合事務所、TV会議室。『エリス姉ちゃーん!』「みんな・・元気そうね。」『エリスや、お前の送金のおかげで
子供たちにまともなものを食べさせることができるようになったよ。ありがとう。』「座長・・」『でもね、もういいのよ。
連合から助成金が出るようになったのよ。もう苦しい思いをして送金しなくてもいいのよ。』「おばさま・・」
『お前のことじゃ。自分の食いぶちまで切りつめて送金していると思うた。むしろわしらがお前を心配しとったよ・・』
『でも連絡のとりようがなかった・・こうして連合の移動テレビ電話のおかげでやっと連絡がとれたの・・よかった・・』
隣りのTV会議室。「ネオトルコ支部長。ご無理を聞いていただき感謝します。」『なんの、我らが英雄の頼みとあらば。
それに実は私もかつてあの座長には恩があったので、丁度よいきっかけであった。』「これからはエリス自身に賞金が
いくよう手配してくださいませんか?」『すぐに政府にかけあおう。エリスの事は知っていたが、そこまで自己犠牲
だったとは・・だが、なぜに貴方がそこまで手を尽くすのか?』「仲間ですから・・少数民族の、そしてアルカナの・・」
次の朝。「というわけで、何も心配はいりませんから。」「何から何まですみません。」「はい、これはあなたの
クレジットカード。連合バンクにあなたの口座ができてて、ドラゴン戦の賞金はもう入金してるそうです。」
「・・なぜ私にここまでしてくださるんですか?」「仲間だから・・いろんな意味での。例えば・・」ぐっ、ボオッ!
「こ!これは・・」「そう。私は「戦車」。そしてあなたは・・」「・・「恋人たち」です。」ぐっ、ボオッ・・
「やっぱり。あなたの踊りを見てピンときました。あんな動きの出来るのは世界にも一人しかいません。」
「他のメンバーは?」「いっぱいいます。たとえば・・「星」。」・・はっ!「・・そうか!レインさんが・・」
「大当たり。「女帝」と「皇帝」もじきにやってきます。それぞれのチームを率いて。」「そんなに判明してたんですね・・」
「もうすぐ大きな動きが始まります。それまでこの決勝リーグで研鑚をつみましょう。」「はい!あ・・次は!」
「そう、私と。あなたがいままでの状態だったら闘う気になれなかったけど、これで私自身もスッキリしたから・・
覚悟してね。」「はい!ファイブカードと手合せできるなんて夢のようです!全力でいかせてもらいます!」
ガラガラ。「おっはよー!」「あら?・・あ、サイサイシーさん。」「エリスがここに入ったって聞いたもんだから、
入居祝いに料理でも作ってやろうと思ってね。まあ、オイラを負かしたヤツに敬意を表するって意味もあるけどね。
台所借りるよ!」タタッ!・・『おねーちゃんおっはよー!』どげしいっ!『二度もやられるもんですか!』
「クスッ。ああいう人たちです。」「リングを離れれば仲間・・そうなんですね。」「そう。前回の世界ガンダム連合を
見たでしょ。あれこそ拳の絆。リングに上がればそれこそ死力を尽くして闘うからこそ、その繋がりは血よりも濃い・・
あなたにもわかってくるわ。」『ここはオイラがやるからレインねえちゃんは食器たのむね。』『朝からちゅーかぁ?』
『朝中華はダイエット食だって。あっさりめでサラサラっと。』ジャンジャン!『そのラー油の多さはなんなのよ!』
ガヤガヤ・・「十人と三匹か。よくも大所帯になったもんだ。」「テーブルを大きく作っといて正解でしたね。」
「ジャンクの装甲板でこしらえたんだが、けっこううまく作れたな。」「ビームソードで日曜大工ねえ・・ドモンにしては
ていねいな仕事よね。」「ほーれ、海鮮炒飯と冷菜盆だよ!」ドン!「おお、これはおいしそうだ。」「味付けはアッサリめ
にしてるから。それと眠気ざましの麻婆豆腐もあるよ!」『いただきまーす。』「どれまずは麻婆豆腐から・・」ぱく。
つーん!「ん~!辛くて鼻が抜けちゃった!お姉ちゃん、ティッシュちょーだい!」「あらら、涙出てるわよ。どれ、私も・・」
ぱく。・・かあああーっ!「あはーっ!・・はあっ!これ一発で目さめるわ!」「お姉ちゃん薄味派でしょ。よけいに
きついんじゃない?」「この炒飯、おいしい。」「ほう、クラゲと棒々鶏でござるな。」「サイサイシーって四川?」
「今日の第二試合は注目のカード、カムイ対ミストラルです。いずれも強豪から金星をあげている実力派女性ファイター。
特にこの闘い、両者のスタイルから超スピードバトルが予想されるため、われわれ放送スタッフも高速機動タイプの
カメラビットを準備しました。そしてこれを操る機動カメラマンは二人。紹介しましょう!」「カムイ側は李紅蘭が
担当しまっせ!」「ミストラル側はわたしアイリスで~す。」「この強力コンビの送る映像を瞬時に編集するのは!」
「は~い。ネオジャパンTVのディレクター、神崎すみれで~す。」「同じくTV琉球からの助っ人、閃光の編集屋、
霧島カンナでっす!」「いい、カンナ。私のジャマだけはしないでね。」「なんだと!いっつもジャマしてんのはそっち
だろーが!」「なによ!」「なにさ!」バチバチ!「あの二人ホンマに仲悪いな~。」「けどいざ本番となったら絶妙の
チームワークを発揮するのよね。」「そして不動のメインカメラマンはおなじみ沈黙のマリアさん!」「・・」こく。
「さて・・いよいよファイトね。楽しみにしてたわ!」「私も。全力でいきますよ!」「そのとおり!自然の怒りを
受けなさい!」チャッ!「エリスだって、負けないモン!」チャッ!「こらこら今から入れこむではない。
両者、構え!」グッ。「・・始め!」『ガンダムファイト!レディー、ゴーッ!』ヒュッ!『とおーっ!』カキーン!
「しゃっ!」「はいっ!」キキーン!カキーン!『なああっ?!』「み・・見えない!カムイもミストラルも!」
「速すぎて残像も残らへん!」「どちらも静止してるときがないよー!」「空気を裂く音と剣のスパークしか常人には
感知できませんですわ。」「こらアイリス!カメラをうろうろさせんじゃねえ!画が決まらねえだろうが!」
「そんなこといったって~!」「・・紅蘭、アイリス。全カメラを固定。会場全体をカバーできるよう配置して。」
「マリアはん?」「すみれとカンナに。ちょっと技術いるけどこういうことできる?・・」・・「・・なるほど!」
「ちょっと難しいけどやってみせますですわ。わたくしはミストラルを。」「あたいがカムイを追えばいいんだな。」
「・・26番!27から31まで連続で!」「43か!44から51まで!」「見える!・・いけますわ!」「なるほどね。
横じゃなく縦でとらえりゃ見逃しはしねえ。そこから時間差でつなげば連続動画になるってわけだ。」
「見えるで!これで戦況がわかる!」「コツがわかってきたよ。単位じゃなくユニットで配置すればいいんだね。」
「視聴者の皆様、見えますでしょうか。ご覧の通りの想像を超えたハイスピードバトルです!もはやこれはガンダムの
動きではありません!まさに極限の疾風怒涛!スタジアムには猛烈で颯爽たる春一番が吹き荒れております!」
「・・さくらさんの実況、だんだんフルダチナイズされてません?」「よくわからんがすごい、てことだな。」
キーン!カキーン!シャシャシャッ!「さすがは「恋人たち」・・アルカナ最速のスプリンターだけあるわ。」
「これが「戦車」の力・・私に匹敵するスピードに加えての瞬発パワー。ならば!」シャッ!ガガガッ!
「くうっ!・・スネにヒザ蹴り!」ガクッ!「足が止まった!いま!」シャッ、バキイイイーン!「きゃあっ!」
「ミストラルのすさまじい飛び回し蹴りがカムイのテンプルを直撃!」「はあっ!」ガキッ!シュパアアーン!
「くはあっ!・・」・・ダダーン!「ツインダークでかき切るように胴を!」「カムイは大ダメージや!」「とどめ!」
ゴオッ!「・・!」カッ!バンッ!くるっ、ダン!「えっ?!」ドガアアアーン!「きゃあああーっ!」ダダーン!
『すごい!』「ダウンから体を跳ね上げての対空昇り蹴り?!」「はあっ、はあっ・・とっさだった。」ググッ・・
ザン!「カムイよ、私に光を!」ギーン!「ハイパーモード!」「これがウワサの!・・負けないモン!はあっ!」
ギーン!『なにっ!』「ミストラルもハイパーモードになれるの?!」「そう・・アルカナならばできるはずです!」
ダッ!「カムイ、突進!」「・・ミストラルは動かんで?!」「もらうわ!」ゴオッ!「・・いま!」シュッ!
「消えた?!・・はっ!」「上ですわ!」「もらった!」ドガガガガッ!「うわあっ!」「フレンチキッス!」
ドガアアアーン!「きゃあああーっ!」ズダダダーン!「決まった!ミストラルの閃光のような乱舞連撃です!」
「この勝負、引き分け!」『ええっ?!・・あっ!』「ミストラルの頭部に!」「・・ビームマキリが刺さってるよ!」
「さすが・・「戦車」・・あの一瞬に・・くはあっ。」ズズーン・・「なんて・・決着!」「まさに死闘やったんや・・」
ピーポーピーポー!「ファイターを救助して!」「ハッチ強制解除よ!(女性救護班)」バシュ!「ドクターを!」
タタタッ!「どっちがダメージ大きいの?」「ナコルルさんです。内出血多数!」「データを見せて。・・いけない、
内臓破裂の可能性があるわ。すぐに処置室に運んで!」「・・レインさん、だいじょうぶです・・」ぐぐっ・・
「意識がある?・・静かにしてなさい。」「・・んっ!」サァァァ・・「・・この光は?」「・・バカな?!データが
正常に戻っていきます!」「そんな?!」・・はっ!「まさか内気功?!」「いえ・・カムイの加護です。」すっ・・
「立った?!」「信じられない・・」「レインさん。」・・こく。「みんな、エリスのほうにいって。」『は、はい。』
「人払いよし。・・これがファイブカードの力なのね。」「はい。ファイブカードが最強と呼ばれる理由のひとつが
この自己治癒能力です。このくらいのダメージならば自分で治せます・・レインさんも持ってるはずです。」
「・・自覚したことはないけどね。シャッフル同盟のみんなもそういう能力があるようね。・・ドモンがあれだけ
ムチャやって病院送りのひとつもないのは不思議だったけど、こういうことなら納得いくわ。」「それ以前にそれだけの
ダメージを食らわない技量もありますけどね。」「なるほど。・・さて、エリスちゃんのほうを診てくるわ。」
名出屋城、支社長室。「あれが「風の恋人たち」ね、シャドウ。」「うむ。ようやくロスト・ナンバーズのひとつが
見つかったということだ。」「まさか代表で出てたとはね。・・残るは「死神」、「吊られた男」、そして「正義」・・
情報局の名にかけて、必ず見つけてみせるわ。」「そう・・此度のように、案外近くにいるのかもしれんな。」
「「世界」と「愚者」が早くに発見できてたのがせめてもね・・しかも「二人」づつ。」「ふふ・・そうだな。」
世界某所・・『すさまじい決着でしたが、両ファイターとも元気な姿でコクピットから出てきました。いまお互いに
全力を尽くし合った二人が、固い握手をしています。』ワーワー!「ふふっ、ナコもやるようになったね、シクルゥ。」
グルルル。「あんたもひさびさに会いたいかい。・・よし、ちょっと顔を見にいってみようか。」ガウガウ。
カツカツ・・ぴたっ。「・・いるね。」グルルル・・「五人か・・ふっ。」フウッ・・『・・ぐはあっ!』ドサドサッ。
「秘密警察の連中だね。」ごそごそ・・「おー、あるある。いつもおこづかいありがと。またいっぱい持ってきてね♪」
カツカツ・・「な・・なんて悪党だ・・」「だからイヤだと言ったんだ・・」「けど・・いつ、どうやって五人を同時に・・?」
「攻撃されたことさえ・・わからなかったなんて・・」「恐るべしは・・「完全なる世界」・・」ガクッ・・
みなさんお待ちかね!ガンダム長屋に警戒警報発令!
やってくるのはゴジラもビビるもう一人のナコルル!
狼をお供にアレンビーと壮絶なバトルをくりひろげます!
次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第28話
「ナコが二人?おてんば姉さんがやってきた」に、レディー、ゴーッ!
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第28話 ナコが二人?おてんば姉さんがやってきた
プルルル♪「はい、ナコルルです。・・エモニ?・・ええーっ!!」「どーしたの、お姉ちゃん!」「た・・たいへんよ・・
姉さんがこちらへ来るって!」「ゲゲッ!紫の姉さまが!」「すぐにご近所へ緊急警報よ!」「うん!急がなくちゃ!」
「ナコルルの双子の姉さん?そんな人がいたの。」「姉はわたしと正反対で、すごい活発な性格でした。14歳のとき
「巫女は窮屈だから、やだ!」って、狼のシクルゥと一緒に旅に出たんです。」「へえ、14で自立しちゃったんだ。」
「問題はそこからです。持ち前のおてんばで世界中でトラブルをおこし、姉によって壊滅させられた武装組織は
20以上。損害額は国家予算に匹敵します。」「な、なんなのそれわ・・」「非常識な強さに裏打ちされた正義感。
それはいいんですけど、目的と手段が途中で入れ替わっちゃって、いつもやり過ぎちゃうんです。」「あ~、いるいる。
そゆの・・」「連合でも第一級要注意人物に指定されてまして、常に動向をモニターしてます。その監視センターから
速報が入ったんです。」「ま、まるで台風みたいな方ですね。」「それ以上です!等身大のゴジラです、姉は!」
「だ~れがゴジラだって?」『え"?・・』そろ~っ・・『・・きゃあああーっ!姉さん!』「まったく。黙って聞いてりゃ
人を水爆大怪獣みたいに言ってからに。」「あ・・あはっ♪久しぶりです、姉さま。」「ちょいと近くまで来たんで、
寄ってみたのよ。結構がんばってるようね。武勇伝はわたしの耳にも届いてるわ。わたしも姉として鼻が高いわよ。」
「へえ。ホントにナコそっくりだ。でも、パープルを基調としたシックな民族服と日焼けした褐色の肌、なにより
カミソリのような鋭い目付きで、別人にしか見えんな・・」「あんただれ?」「あ、紹介します・・」
「へえ、あんたがあのキング・オブ・ハート。・・ほいっ!」ビュッ!「はっ!」パシイイーン!「ね、姉さん!」
「ふふ・・さすが。充分手加減はしたけど、普通なら直撃よ。」「これで手加減だと・・装甲でもブチ抜くぞ、この蹴りは。」
「強がりを言わないのね・・気にいったわ。」スッ。「・・とはいえ、今のフットガードはかなりのものね。・・足がまだ
痺れてるわ。」ジ~ン・・「こっちも足にジンときてる。おあいこだな・・久々にいい蹴りを見た。」「ありがと。」
「でと、こっちの服部真蔵さんがナコの彼氏?」「そ、そんなこと言ってません!」「すぐわかるって。伊達に双子
やってないわよ。・・ふ~ん。」つい。「なにか?」「・・なかなかのものね。ナコ、あんたにしては上出来じゃん。」
「姉さま!」「でも・・あんたどこかで会わなかった?」「さて、どうでしたか。」「ん~・・たしかにどこかで
会った記憶があるんだな。この顔でおぼえてないはずないんだけど・・シクルゥ、わかる?」ザッ。グルルル・・
「・・おぼえてる気はするけど、はっきりしないそうですね。」ひゅ~♪「シクルゥと話せるヤツを久しぶりにみたよ。」
「ナーコちゃん!あっそぼ・・ゲゲッ!あ、あんたは!」「あら、アレンビー。久しぶりね。」「よくもそんな口が
きけたもんね!一年前の恨み、忘れてないわよ!」「?・・え~と・・あ、ロシアマフィア一緒にぶっ潰したときね。」
「あんたが無理矢理まきこんだんでしょーが!しかも最後にはボスのお宝ぜんぶせしめてドロン。あの後KGBに
追っかけられて大変だったのよ!」「まあ、わたしのフトコロは暖かくなったからいいじゃない。わたしは気にして
ないから。」「こーいう奴だコイツは!あのときの恨み、晴らさせてもらうよ!いざ、勝負!」「あら面白い。
あんたとは一辺サシでやってみたかったのよ・・」「ち、ちょっと待ってください!姉さんもアレンビーさんも!」
「ナコ?・・あ、そーか。姉さんだったね。」「こんな所でベアナックルやったら大ケガします!それに長屋まで
巻き込んじゃいます!」「ならどうするの?わたしはこのケンカ買いたいのよ。」「・・ガンダムファイトは
どうでしょうか?」「真蔵さん?!」「たしか明日はノーベル対カムイ。その試合にお姉さんが代わって出場すると
いうことでは?」「異議あり。わたしの相棒のシクルゥはどうなるの?」「うちのモビルドッグを改造して
モビルウルフにすればいいんです。」「・・名案ね。わたしはこの話、乗るわ。アレンビーは?」「ふむ。ナコとは
最終バトルロイヤルでまたやるつもりだから・・いいわね。乗った!」「さて、ナコは?」「私はかまいません。
その方がケガをすることは少ないですから。」「決まりね。連合にはわたしから仁義をきるわ。ナコとリムは
カムイとサポートメカの私たち用の改造と調整を頼むわね。わたしもあとで合わせこみするわ。」『はい!』
「とゆーわけで、明日を楽しみにしてるわよ、アレンビー。」「こちらこそ。ウフフ、面白くなってきた~。」
ネオ浅草「PIA・キャロット」。「ひさしぶりだね、ルナ。」「あんたもますます体育会系の色になったね~。」
「ほっとけ。・・で、「女帝」のほうの動きは?」「こっちには「悪魔」が居座って、代理でいろいろ仕切ってるわ。
女帝を含む四人もまもなく来日するみたい。」「あちゃ~・・こりゃさっさとトンズラこいたほうがいいね。」
「あいさつくらいしたらどうなの?」「やなこった。むこうさんが挨拶に来るなら別だけどね。」「相変わらずね。
ま、頼まれると断れない性分もあるかな・・ふふっ。」「・・この店はアルコールないのかい?」「ないない。
そういうのは別んとこ行ってね。ルートビールならおごるけど♪」「ちっ。・・それでもいいや。」「健全にね♪」
夕方。どさっ。「いや~、今日はいろいろあって疲れた!ナコ、ビールない?」「姉さま、未成年でしょ。」
「聞いてみただけよ・・ねえ、あの人、ナコのこと、どう思ってる?」「え?・・そんなこと、わかりません・・」
「そーか。ナコは男性経験ないからね~。聞いたわたしが悪かった。」「姉さまは?」「ふふっ、知りたい?」
「い・・いえ・・」「・・いい、あの人逃がしちゃダメよ。あんな男、そうそういないから。」「・・姉さま・・」
「安心したよ。あの泣き虫ナコがこんなにたくましくなってて、ちゃんと彼氏までいるとはね・・それに比べて、
あたしゃ進歩してないな・・いったいこの三年間、あたしゃ何やってたんだろ・・」「・・姉さま・・」
「スー・・スー・・」「・・おフトンかけないと、カゼひきますよ・・」ガラッ。「モビルウルフの改造および
シクルゥの合わせこみ済んだよ~!」「シーッ。ご苦労さま。ご飯もオフロもできてるわよ。」「紫の姉さま、
もう寝ちゃったの?」「安心したのよ・・こんなに無防備で眠れる場所なんてなかっただろうし。」「・・そうだね。」
深夜。「・・ん~っ!・・」ごろごろ。ごすっ!「いたっ!・・もう~、落ち着いて寝れないよ~。」「そういえば
姉さま、寝相が悪かったわね・・四畳半へ避難しよか。」「さんせー。」そーっ・・わしっ!「えっ?!」「む~・・」
ぐいっ!ぎゅっ。「ふみゅ!・・つかまっちゃった。」「・・がんばってね♪」ぱしっ。「リムのはくじょーもの~!」
「さて、今日のノーベル対カムイ、注目の一戦・・ですが、いつもと様子が違います。カムイのサポートメカが
ママハハではなく、モビルウルフのシクルゥになってます!情報によると、ナコルル選手の姉がスポット参戦してる
そうで、ノーベル側も承知の上とのことです。ナコルル選手の姉とは、どういったファイトを見せてくれるのでしょうか?」
ゴォォォ・・「・・ナコ、あんたがどうしてファイトをやめないのか、こうしてみて少し判った気がするよ。」「はい?」
「この雰囲気・・緊張感・・こりゃクセになるね。」にやっ。「・・はい!(^_^)」「両者、中央へ!」ザン!
「さて始めようか、アレンビー。」ぺきぺき。「見せてもらうわよ、あんたの力!」「構えい!・・始め!」
観客席。「いよいよか・・」「?・・ドモン、なに青い顔してるの?」「昨日の蹴りで判った・・アレンビーでは
逆立ちしても勝てないぞ。」「!・・そりゃあ・・ね・・」すっ・・ちらっ。「何者だ・・あいつは・・」
『ガンダムファイト!レディー、ゴーッ!』「アンヌムッペ!」ドン!「ナコと同じ技か!」ガシッ!「そーれ!」
ポーン!「投げか!けどね!」クルッ、スタン。「・・なにっ?!」ゴッ!「スパイラルレインボー!」ゴオオッ!
「突進技かい!カムイリュッセ!」バサアッ!バシイイーン!「止められた?!」バサササ・・「・・いない?」
はっ!「・・上!」「もらったよ!」ゴオッ!「甘い!ヘブンライズ!」ババッ!バシーン!「排蓮脚?!やるじゃない!」
「ノーベルフラフープ!」シュバアッ!「狙いが甘い!」すっ、スカッ!「甘いのはそっちよ!」・・ヒュルルルッ!
「えっ?!・・戻ってくる!」グラッ。「スキあり!」ダッ!「しまった!」「エンジェルストライク!」ドガガガッ!
「うわっ!」ダダーン!・・「・・ちいっ!ちいと手を抜きすぎたかね。」「ナコと同じ技はもう見切ってるよ!」
「なら、わたし本来のやり方でいくかね!シクルゥ!」オォーン。ささっ。「はっ!」スタッ。「シクルゥの背に乗った・・
そうよ、それがあなた本来のスタイル!」「メルシキテ!」ダッ!「おっと!」ひょい、スカッ!「あまいよ!」ダン!
「なっ?!」ズバアッ!「うわっ!・・通過した後ろから分離するなんて!」「カントシキテ!」ポーン。「ジャンプ?・・
これはカムイムッペと同じ!」ドン!「やっぱり!上空で分離ダッシュ!」ガシイイーン!「!・・受け止めた?!」
「どっせーい!」ブワッ!ダダーン!「くぅっ!・・あの体勢から背負い投げ!・・やるじゃない!」ぐっ、シュタッ。
「受け身は取れないはずなのに・・さすがね。」「アレンビーも前より腕を上げたね。」「はるばる雷王星にこもった
わけじゃないわよ。・・はあああーっ!」ビーン!「ハイパーモードか・・おおおおっ!」ビーン!「あんたも?!
いや、むしろ当然か。」「次で決めようや!」「おう!あたしのこの手が真っ赤に燃える!」ボオッ!「ほう・・」
「勝利をつかめと轟き叫ぶ!ぶぁーくさつ!」ギン!「バーニングゥ、フィンガァァァーッ!」ゴオオオーッ!
「来るか!」すっ。ヒュルッ・・「・・上!」「もらうわ!ノーベル・ダイナマイト!」ゴオオオーッ!「・・ふっ。
シクルゥ!」オオーン!ダダッ!シュタッ。「ヌベキカムイシキテ!」ドン!シャアッ!「なっ?!シクルゥを踏み台に
大ジャンプ?!」「対空ってのはこうするんだよ!」ズババババッ!「きゃあああっ!」「とどめ!」バサアッ!
バシイイイーン!「うわああっ!」・・ズダダーン!「かはあっ!・・」ゴォォォ・・「勝負あり!カムイガンダム!」
「・・楽しかったよ。久しぶりにいい勝負ができたわ。」「あいたた・・やっぱ負けたか。さすがは「世界」。」
「知っててなお挑むとはね・・」「知ってたからこそ。やっぱ強い奴との闘いはいいもんだわ。勝っても負けても。」
「そうかもね。わたしも久方ぶりに全力勝負ができたわ・・ありがと。」「もうすぐ「皇帝」と「女帝」がここへ
来るけど・・」「関係ないね。わたしはわたしの生きたいように生きる。例え「女帝」でもわたしは縛れないわ。」
「それでこその「世界」よ。そっちの方は私達ファイブカードに任せて。」「気が向いたら手伝うよ・・じゃ、また。」
「ふう。久々にいい汗かいた・・ナコ、ガンダム返すね。」「お互い、スッキリしたようですね。」「まーね。・・
わたしもファイターになろうかな?やたら暴れまわるより面白いかも。」「東方先生が言ってました・・ガンダム
ファイトはそういうものだと。」ぴく。「あのジジイ、まだ元気みたいね・・」「ご存知でした?」「ちょいと前に
ネオメキシコの軍事政権を一緒に壊滅させたわ。あのジジイ、「リハビリにちょうどいいわい!」とかいって、
素手でモビルスーツ破壊しまくってたものね。」「は・・はあ。(^^;;」「いっぺんやってみたいな・・先代の
キング・オブ・ハートとは・・」「次は東方先生とですけど・・」「おお、わしはやってみたいわい!」ズシン!
「ガンダムハイマスター?!」パシュ。すたっ。「久しいの、世界。」「あらじいさま、まだギックリ腰にはなって
いないみたいね。」「あの時よりお前のことは忘れられんかった。・・ナコルルの姉とはな。世界は狭いのう・・」
「ホント・・いっちょやる?ナコに負けてるようじゃ、わたし相手はちょっと骨よ。」「言ってくれるわい。
将軍の貯めこんだ財宝をみんな持ち逃げしおって・・」「誰も報酬払ってくれるわけでなし、必要なくなったところから
もらうのがスジってもんよ。」「分け前まで持っていきおって!タダ働きだったわい!」「アンタが破壊活動に夢中に
なってるからよ。」「とにかく、あのときのオトシマエをつけたい!四日後の試合、楽しみにしとるぞ・・」くるっ。
「引退宣言の文面、考えときなさいよ。」「・・とんでもない人たち。(^^;;」「とゆーわけで、ナコ、しばらく
居候させてもらうね。」「え?ええ、それはかまいませんが・・」「やっぱし・・こうなる予感はしてたんだ。」
ガンダム長屋・夕食時。シャキシャキ。「ん~。ひさびさのルイベはおいしいね~。」「コタンに戻る気ありません?」
「やだ。あそこは平和すぎて退屈だもん・・まあ、イオマンテの時くらいは骨休めに里帰りしてもいいかな・・」
「よかった・・じゃ、年に一度くらいは会えますね。」「なんかさ、遠い異国にいると不思議と懐かしくなるのよね~。
離れてわかる里の恩・・てやつかな。」「わかります・・私もサバイバルイレブンの時はそうでしたから。」
「・・ね、ひさしぶりに三人でムックリやろうか。」「あ、いいですね。リム、私の取って。」「はーい。」
♪ビョンビョン・・「お?あれは・・」「ああ・・民族楽器のムックリね。ナコちゃんとこの・・三重奏か。」
♪ビョンビョン・・「・・いい音。トルコの荒野をゆく風のよう・・」「・・うむ、古代の息吹が聞こえる・・」
♪ビョンビョン・・「・・伊賀の山を吹き抜ける涼風だな・・」「はい・・」「ええ・・」♪ビョンビョン・・
ピィ・・ クーン・・ ブルル・・ 風の唄が長屋をゆっくりと流れていく・・ ♪ビョンビョン・・
みなさんお待ちかね!アレンビーの部下たちが来日!
とんでもない部下たちにアレンビーもキリキリまい!
しかし、運命の波はいよいよ迫ってくるのです!
次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第29話
「百花繚乱!来日ワルキューレ隊」に、レディー、ゴーッ!
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第29話 百花繚乱!来日ワルキューレ隊
ネオスウェーデン軍・戦技開発研究隊。アレンビーの所属する部隊である。隊員は隊長であるクワトロ大佐、
テストパイロットのアリシア少尉(サブリーダー)、開発主任アニー少尉、テストドライバーのレイ少尉、
テストガンナーのマコ少尉。アレンビーは副隊長で少佐だが、現在はガンダムファイトに出場していて留守である。
主として新兵器の開発や試験評価を任務とする部隊であるが、非常時には各隊員が所有するガンダムに搭乗し、
特殊部隊として活躍する。実力は四軍一だが、傍若無人と凶悪さでも悪名を馳せており、上層部の嫌われもの。
関係者は憎悪と畏怖を込めて、この隊を「ワルキューレ隊」、または「独立愚連隊」と呼ぶ・・
オフィス。「お~い、みんな集まってくれ。」『はーい。』わらわら。「いいニュースと悪いニュースがあるんだが。」
「どっちからでもどーぞ。」「じゃ、悪いほう。先日君たちの出した長期有給休暇願い、ものの見事に却下された。」
『え~!なんで~!』「当然でしょ。アニー以外の者は使い切ってるだろーが。」「でも人事データバンク操作して・・
あっ!」「ボロが出たな。最後にセーブし忘れたんだろ。」「し、しまった・・」「まあいいだろ。人事部は気づいてない
みたいだし。担当者が「いい度胸だ」って笑ってたぞ。」「あのヤロー、今度シメたる・・」「証拠は残すなよ。次。
かねてより懸案の部内旅行、正式に認可された。」「昨年みたいにバルト海沿岸巡りなんてヤですよ。」「いや、今回は
もちっと遠い。ネオジャパンだ。」「え?・・ということは!」「そう。ガンダムファイト決勝大会観戦ツアーだ。」
『やったーっ!』「喜ぶのは早いぞ。足代は自前な。」『・・へ?』「つまり、運賃浮かして滞在費に上乗せすっから、
足は自分で用意するわけ。これで辻褄合わせてやっと許可されたんだ。」『なるほど。』「・・一ついい手があります。」
「はい、アニーくん。」「空軍から依頼されてる弾道輸送機、実地テストがまだでしたよね。それのデータ取りつつ飛べば、
4時間くらいで到着します。」「名案。異議は?」『ありませ~ん。』「ではフライトプランと実験計画書の作成にかかれ。
出発は明日の午後9時。到着は現地時間で午前8時くらい。書類を手配し終えたら、旅支度と昼寝をしておけ。
時差ボケがきついぞ。解散。」『了解!』ドカドカッ!「・・これでよしと。ニューヨークに電話しておくか。」
羽田国際空港。ゴォォォ・・「こちら管制塔。XXA-7、第53ハンガーに駐機してください。」『了解。どーもね~。』
「あれがウワサのワルキューレか・・」「逆噴射装置も無い軍用機で、減速パラも出さずに見事に降りるもんだ。」
「失速ギリギリだもんな・・以前に空軍テスト機が故障して、空母に緊急着艦したらしいぞ。」「おいおい・・」
「そして修理後にカタパルトに無理矢理ひっかけさせて射出させたとさ。」「空軍機で?!ば、バケモンだな・・」
都内某ホテル。「1313号室・・ここか。」「さすがリーダー。好きでこういうのするからね~。」「・・磁力ロックか。」
カチャカチャ、ピッ。「さすがレイね。泥棒で食べていけるわ。」「金庫破りと言ってよ・・せーの、」バタン!
『リーダー!・・あれ?』ゴチャァァ・・「・・ここ、ゴミ捨て場?」「なわけないよね・・すっごい散らかりよう。」
「まるで爆弾テロにやられたおもちゃ売り場ね・・」モソ・・モソモソ・・「え?何か動いてる!」バサァ!
「だ~れ~?」『ギョエエエ~ッ!出た、妖怪ゴミ女!』「・・ん?そのハモリは・・あんた達、来てたの・・」
「もうお昼前ですよ~。まだ寝てたんですか?」「ふわ~、オフの日は好きなだけ寝てんのよ・・」
「あ~あ、パンティー1枚で・・あんたには乙女の恥じらいとゆーものがないんか!」「なにそれ?目覚しにシャワー
浴びてくるわ。一緒にお昼食べにいきましょ・・隊長は?」「羽田で別れました。熱海へ行くそうです。」
「まだ30前だってのに温泉マニアなんて、オジンくさいシュミね~。とにかくチョット待っててね。ふわわ~。」
ぶおりぶおり。「お尻かきかき・・いいトシの女性のすることじゃないわね。」「いいトシだからでしょ。」ビュッ!
ぱこーん!「あいた!・・風呂桶?」『聞こえてるわよ。』シャァァァ・・「ケロヨン・・なんでホテルに?(^^;;」
とある回転すし屋。ばくばくがつがつ!『・・(・O・)』「次はトロと納豆巻き。」ひょいひょい、ばくばく!
「リーダーよく食べますね・・これで30皿目ですよ。」「そんだけ食べてて、どーしてこのプロポーションが
維持できるんだか。」「なにいってんの。あなた達だって、ガンダム乗った後はガンガン食べてたじゃない。」
「MTSは一回やると4~5キロは軽く落ちますからね。」「でも訓練ばかりだもんね。ネオナチスとバトるのも先だし。」
「すぐにいやでもバトることになるわよ。」『え?』「隊長に聞いてないの?明後日に「女帝」が来日するって。」
『ええっ?!』「聞いてません!」「あのオヤジ、こーゆー魂胆があったのか・・」「いつものことよ。ギリギリまで
大事なことを言わないんだから。」「でも・・すぐって?」「あたし独自のルートで入った情報によれば、ネオナチスの
活動の準備が整ったみたいよ。」『・・ついに。』「おそらくヨーロッパからウラルにかけてのエリアが戦場になるわね。」
「・・そうか。それで隊長、最近コソコソやってたのね・・」「あたし達ファイブカードは決勝大会で動けない。
だから、あなた達が主役よ。」『・・わかりました。』「今の話は聞かなかったことにしといて・・あさってまでは。」
「さ~てと、試合でも見にいくか。・・どしたの?みんな顔色悪いよ。」どよ~ん・・「あんな事聞いちゃったんで・・」
「観光気分吹っ飛んじゃった・・」「・・やっぱ言わない方が良かったかな。隊長もその辺を考えたんでしょうね。」
「・・そうですね。」「え~い!どーせすぐに忙しくなるんだ!今のうちに遊んじゃおう!」「おっアリシア、よく言った!
そのくらいの気持ちでいーのよ!」「・・そうね。アリシアが正しいわ。」「ちまちま考えるなんて、わたし達には
似合わないよね!」「さっすがサブリーダー!決める所はキメる!」「ネオナチスがなんだっつーのよ!ワルキューレの
恐ろしさをタップリ味あわせてからきっちり地獄へ蹴落としてやるわよ!」「ちょ、アリシア!声がデカイ!」
会場前。「今日の第三試合はこの会場ね。」「予定では・・おお、ゴッド対マンダラじゃない!」「これで通算3回めの
顔合わせか。」「さ、あたしと一緒なら関係者専用席のかぶりつきで見られるわよ。」「関係者が身内にいるといいわ~。」
「・・え~と、空席はと・・あら、サイサイシーじゃない。」「よお、アレンビー。」「あんたもドモンの試合見にきたの?」
「ああ、次はマンダラだしね・・その娘たちは?」「ネオスウェーデンから来たあたしの部下たち・・てっ!」ドカッ!
『わあ!ホンモノのサイサイシーだあ!』「なんだなんだ?!」「わたし前回の対ゴッド戦のビデオまだ持ってます!
感動的なファイトでした!」「サインください!」「一緒に写真とって!」「あ、あの、ちょっと!」「あ~らら、やっぱ
こいつらミーハーでやんの・・」キャアキャア!「あ、アレンビー!何とかして!」「他人のフリ・・(-_-;;」
「フニャ~・・」「ほら、キスマークよく拭いときなさい。そのまま帰ったらセシルに殺されるわよ。」「ふわ~い・・」
「おっ、レフェリーの登場ね!」「ホンモノのハイマスターだぁ!」「そろそろ開始時間ね。」『せーの、シショーッ!』
ズデーン!「な・・なんなのその声援は!」「だってこーいえば絶対こっちを見てくれるって「GF裏ガイドブック」に
書いてあったもん。」「どんな本じゃ!・・あ、マスターコケてる・・」「あ、そーだ。これ用意しなくちゃ。」「アニー、
こんなとこまでご愛用のポケットスパコン持ってきてるの?」「陸軍依頼の戦力分析プログラムの試験運用です。
このCCDで捕らえた兵器の戦力を自動分析するんです。」「スカウターみたいね。」「ゴッドガンダムグレートよ!」
「金剛マンダラガンダムもよ!」『キャーッ!』『ドモンさま~!』『キラルさま~!』「あんたら何でもいーのね・・」
「勝負あり!ゴッドガンダムグレート!」「いや~、激戦だった!」「思わず手に汗握っちゃった。」「やっぱ生に勝るもの
はないわね~。」「ああ・・機体のきしむ音、バルカンの咆哮、ビームソードの空気分子を焼くオゾンのにおい・・
感動だわ~。」「・・変なものに感動するのね・・」「あっ!ファイターが出てきた!あ~ん!手をふってくれたわ!」
「あたしによ。ドモン、目はいいからね。」「そういえば少佐はキング・オブ・ハートの愛人でしたね。」すかーん!
「だ、だれが愛人よ、だれが!」「?・・なんかおかしいですね?図星を刺されたような・・」(ぐ・・鋭い。)
「でもよアレンビー。ゴッドも片腕切り落とされてるけど・・来るんじゃないか?」「そう。そろそろ・・来た!」
ゴォォォ・・ドドドドッ!「きたきた!レインねーちゃんが!」「ドモンが気づいた!逃げはじめた!」
「でもレインねーちゃんの方が速い!」「おっ、レインが指パッチンして・・」『ガンダアアアームッ!』
ゴオオオーッ!「ライジングガンダムだ!」『待ちなさい!ドモーン!』ドスドス!「いや~、やっぱこれがないとね。」
「ゴッド戦のお楽しみだもんね。」ワハハハ!パチパチパチ!『いいぞいいぞーっ!』「ほら、観客も大喜び。」
「あれ?バグったかな?」「ん?どーしたの、アニー。」「あのライジングの戦闘指数、ゴッドと同等かそれ以上って
分析結果が出たんですけど・・そんなわけないですよね。」「!・・ちょっとみんな・・」くいっ。『・・?』
「アレンビー、帰んのか?」「お先に失礼~。・・ほら。」こく。『それじゃ~。』「ああ、またな。」いそいそ・・
会場裏。「・・ここならいいわね。みんな、言い忘れてたけど、レインさんは「星」よ。」『ええっ!』
「アニーの分析機は正しいわ。彼女こそ・・」「アルカナ第二位の戦士・・」「そう。そして「隠者」もいるわ。」
「「隠者」まで・・」「あと判明してないのは「死神」と「吊られた男」と「正義」・・」「「恋人たち」もよ。」
「いえ、それはこないだ特定できたわ。」「あと3人か・・」「その3人もここにいる公算が高いわ。」「「愚者」は
番外として、21人全部が集結する可能性が出てきた・・」「これは・・ネオナチス以外にもうひとつ大きい要素が・・」
「ありえる。・・あたしのカンが正しければ・・デビルガンダム。」『なんですって!』「「戦車」のナコルルが言ってた・・
邪悪な女性の気配がするって。」「女性・・」「知っての通り、デビルガンダムの力を最大限に発揮させるのは女性。
善良なレインでさえ、あそこまで成長させたのよ。・・もし、その女性がデビルガンダムと同じ邪悪性をもっていると
したら・・」「・・デビルコロニー以上の怪物になりますね。」「・・そんなのに勝てるんでしょうか?」『・・・・』
「なによなによ!そんなこといま悩んでもしょうがないわよ!」『・・えっ?』「推測だけでそんなに暗くなっちゃって。
何の解決にもならないわよ!悩んで何かが解決するなら世界は平和よ!悩むヒマがあったら別なことしようよ!」
「そ・・そーね!今日はアリシアに教えられることが多いわ。」「デビルガンダム、じょーとーじゃない!
アルカナみんながそろえば、デビルの二つや三つポポイのポイよ!」「わかった!わかったからそんなに叫ばないでよ!」
「アリシアは戦闘時には別人のようになるものね・・」「まさに戦鬼・・「血塗られた月」の紋章にふさわしいわ。」
「はいみなさま。ここが有力ファイターが多数住んでいる公立選手村、通称ガンダム長屋でございます。」『ありゃ~・・』
「プレハブの長屋と、その後ろのガンダムドック群・・まるでドカタ小屋ね・・」「繁華街の裏手にこんな所がある
なんて・・」「けっこう盲点でしょ。プライバシー保護には最適よ。」「そーね・・表からは建物に隠れて見えないし、」
「横も工事現場に見えるドック群でカバー。」「裏手は高い壁と通用門。」「知らないと絶対わからないよね。」
「発見確率は百万分の一だそうよ・・あ、ナコだ!」「あら、アレンビーさん。」『ホンモノのナコルルさんだー!』
「あ、こら、ちょっと!」ドドドドドッ!「サインください!」「一緒に写真とって!」「な、なんですか?!」
「なにごとじゃ、この騒ぎは。」『え・・キャーッ!シショー!』「さ、最悪・・」「その声は・・ああ、今日の試合の!」
「ホンモノのマスターだぁ!」「オヒゲに触らせて!」「な、なんじゃ、こら!お前らに師匠と呼ばれる筋合いはない!
こら、やめんか!」「ナコ・・最近マスター機嫌悪いね。」「こないだうちの姉さんにボロ負けしてから・・」「ああ・・
あんな負け方したんじゃ、腹もたつわね~。」「ブリンガーでカムイの胸つかんじゃって「なにすんだこのジジイ!」
でしたからね~。」「その後のセリフが致命傷だったわ・・「つかむほど無いじゃないか!」」「あれで怒りのスーパーモード。
あとは目を覆わんばかりの修羅場でした・・」「気の毒に・・」「こら!やめ~い!女はきらいじゃ~!」
ガラガラ。「なんだ?」「なんなの?」「何事でござるか?」「なんでしょう?」「なんでしょうか?」「騒がしい!
執筆の邪魔だ!」「なんだ?」「やけににぎやかね?」ヒヒン?ピイ?オン?『わあーっ!有名ファイターがいっぱい!』
「あらら~、みんな出てきちゃった・・逃げよーかしら、もう。」「アレンビー?」ぎくうっ!「なんだこの連中は?」
「へえ、アレンビー部下がいたんだ。」「みんなミーハーでさ~。」「レインさん、お久しぶりです。」「アニー。一年前の
ガンダム技術会議以来ね。」「あのときのデータでうちでもハイパーシステムを完成させることができました。」
「お役に立ててよかったわ・・ドモン!なーに鼻の下のばしてんの!」「ドモンさ~ん。明日デートして~。」
「ンドゥールさん、サインください!」「え?私にか?・・初めてだな・・よろしい。」「いーじゃない、真蔵さん
ちょっと貸してよ。」「ダメです!真蔵さんは・・」「ナコルルさんの?」「・・と、とにかくダメです!」
「も~、こんなんばっかし。唯一まともなのは・・」「で、ゴッドエクリプスの原理は?」「それはちょっと・・」
「こいつも別な意味でまともじゃない~!どーしてこんなんばっか集まったんだろ?」「類は友を呼ぶってやつだな。」
「ドモンにそれを言われたくないわよ!」ワイワイキャアキャア!『ふふふ・・「皇帝のフルハウス」到着だな。』
「なに?」ぴくっ。「ドモン、どしたの?」「・・いや、気のせいか。」(しかし・・今の気配、たしかどこかで・・)
名出屋城。「大佐、遠路はるばるようこそ。」「それほど遠くもなかったけどね。」「女帝はもうすぐ来日します。
それまではゆっくり観光でもしててください。」「もとよりそのつもりで早めに来たのさ。部下のご機嫌取りにもね。」
「ふふ・・楽しそうですね。」「手のかかる娘が五人もいるからね。」「その年齢差では妹じゃないですか?」
「やめてくれ。俺はむちむちが好みさ。」「私みたいな?」「・・どこが?」「・・(-_-メ」「おっと冗談だ。」
「・・では私もいったん戻ってきます。探し人があるので。」「こっちに来たときにおさえときゃよかったのにな。」
「入れ違いだったのよ。私もちょっと出かけてたし。」「・・なるほど。決定的な証拠が上がったな。」「そのとおり。」
みなさんお待ちかね!この世に不思議のタネはつきまじ。
風呂場の影、深夜の木魚、動く無人のガンダム・・
厳選した不思議な話をお届けします。
次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第30話
「番外:ガンダムであった怖い話」に、レディー、ゴーッ!
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第30話 番外:ガンダムであった怖い話
「みなさま、こんばんは。「GFジャーナル」の時間です。今夜の特集は「ガンダムであった怖い話」です。この大会、
様々なドラマや人間模様がくりひろげられています。その幾多のエピソードの中から、奇妙な話、不思議な話を
ピックアップし、関係者による再現ドラマでお送りします。どうか電気を消してご覧ください・・フフフ・・」
第一話:オフロ場の人影
チャポーン・・「フンフフン、いいお湯。ゴッドの整備したあとのオフロは最高ね・・?!」ぴくうっ!「だれ!」
フッ・・「・・あれ?誰もいない。・・変ね、たしかに誰かの気配がしたのに。気のせい・・にしては・・?」
『レイン、入るぞ。』「どうぞ。」カラカラ。ぴちゃぴちゃ。ザパーン!ザブゥ・・チャポーン。「ふう・・いい湯だ。」
長屋のフロは通常の家風呂よりかなり大きく作られてるので、二人でも悠々と入れるのである。
「ねえドモン、さっきオフロ覗いた?」「いや。なにが悲しゅーて、いっしょに入るカミサンの入浴姿を覗かにゃ
ならんのだ。」「あ、それもそうね・・じゃあやっぱり。」「おいまさか・・デバガメか?」「たしかじゃないけど。」
「ふむ・・妙な気配は感じなかったけどな。」「そうなのよ・・でもなにかひっかかるの。誰かに見られてるって。」
「俺以外のヤツには見させたくないな・・さて、洗うか。」ザバーッ。「流しっこしましょ♪」「前からか?」
炊事場前。「レインさんもですか?私たちも・・」「ナコちゃんリムちゃんエリスちゃんも?」「やっぱり誰かが
いるような気がするんです・・」「あら、みなさんどうしました?」「あ、楓さん。かくかくしかじかなんですけど。」
「そうですか?私はそんな気は感じませんけど。」「ベテランくノ一の楓さんが感じないのはおかしいですね。」
「う~ん・・ちょっとオフロ場前を見せてもらえます?」「いいですけど・・」・・「・・これは?」「なにか?」
すっ・・ぱかっ。『あっ!』「壁にのぞき穴が!」「見事な細工ね。蓋を戻せばシロウトにはまず気づかれないわ。」
「いったい誰が?」「・・みんな、あとはまかせてくれない?必ず犯人はつかまえるから。」キラッ。『・・はい。』
カコーン・・(前回は気どられたが、今度こそ・・)ピッ。「ん?」ドカアアアーン!「どわあああーっ!」
「地雷火に引っかかった!」ドカドカッ!「かすみ網!」バアアアーッ!バサッ!ギューン!「くくっ、不覚!」
『半蔵さん?!』「やっぱり・・伊賀流のからくりだったのでもしやと思ったけど・・あ~な~た~!」
「ま、待て、これには事情が!」「どんな事情だろうと、妻子ある身でこのようなデバガメする理由にはなりません!」
「聞くまでもないわ!私たちの生写真、ネオ浅草のブルセラショップに売ってるのドモンに確認してもらったわ。
一枚一万円ですって。安くみられたもんね!」「レインさんレインさん、論点がズレてますよ・・(^^;;」
「オホン。とーにかく、バレた以上は・・」「大自然のお仕置きです!」チャキッ。「お仕置きだよ!」キラッ。
「さ~て、どんなお仕置きがいいかしら?」「せっかく馬がいるんだから、馬裂きは?」「縛りつけてママハハに
つつかせる!」「コンルで冷凍刑!」「爆熱ゴッドフィンガーでこんがりミディアムってのは?」わいわい。
「どれにします?選択の自由くらいはあげますよ。」「どれもいやだーっ!」『じゃ、フルコース!』
「あーあ、父上もこづかい稼ぎならもっとマシなことすればいいのに。「まあな。真蔵・・これ。」すっ。「何です?・・
こ!これは・・」「ネガとプリントは全部押収して焼却したが、一枚だけ残しておいた。お前にいいだろと思ってな。」
「・・このこと、内密に。」「もちろん。俺もちょっと稼がせてもらったしな。」「え?」「それほどヤバくないものだけ
残して、ファンショップに生写真として売ったのさ。」「・・ドモンさんもけっこうやりますね。」「処世術さ。」
「レイン、お待たせ。」「来たぞ、レイン。」「アレンビーにナスターシャ。じゃ、バイトよろしく。」『おっけい!』
「ノーベルリボン!」パシイイイーン!「ほらほら!」ビシバシ!「どおおおーっ!」「う~ん、さすがに二人の
打ち込みは堂に入ってるわ。」「でもこれって逆効果になりません?(^^;;」「ああ、あっちのほうですね。」
「女王さまとお呼び!だよね。」「忍びは拷問に耐えるため多少なりともそういうケがあるのは否定しないけど・・」
パシィン!ビシバシッ!「おおお~っ!これはなかなかよく効くぞ~!もっとだもっと!」「ダメだこりゃ・・」
第二話:お寺にて
深夜。カリカリ・・「う~ん、どーして漢字って難しいんだろ・・意味はイメージできるんだけど、読み方がね~。」
トントン。『セシル、一息いれたら。夜食のチャーハン作ってきたぞ。』「あ、ありがとう。」ガラガラ。「ほれ。」
「うわ~、おいしそう。いただきまーす。」もぐもぐ。「ここはホントに静かなお寺ね。物音ひとつしないし。」
「今夜は風がないし、街の喧騒も森が吸ってくれるしね。」「おじいさん達は?」「もう寝てると思うけど。」
♪チーン・・ポクポクポク・・「・・あれ?こんな夜中にお勤め?・・変だな・・」「今は・・深夜の0時よ。」
「いったい誰だろ?」「ここのご住職さんかな?」「いや、住職は今日は高野山へ出張していないはず・・
じっちゃん達か?」「ね、ちょっと確かめにいかない?」「・・うん。ちょっとだけ・・」すっ・・
ソロソロ・・(本堂に明かりがついてる・・人影が見える・・あれ?)スゥ・・(明かりが消えた・・)(きっと
お勤め終ったのよ。)(部屋へ戻るか。)♪チーン・・ポクポクポク・・(・・え?今度は明かりも点けないで・・)
(一体だれなんだ?)(ちょっと覗いてみよう・・)すっ・・「・・だれもいない・・」「あれ?木魚の音も消えた・・」
「・・戻りましょう。」♪チーン・・びくっ!ポクポク・・「まただ・・」「いったいなんなんだよ・・」
「もしかしてこれは・・」「セシル、なにか心当たりが?」「檀家の人が亡くなったとき、その仏さまがお寺でお勤めを
してから成仏するって話があるわ。」「・・そ、それって、もしかして、ゆゆ幽霊?」「そうとも言うわね。」
「ひえええーっ!おいらオバケだけはダメなんだよ~!」「あらあら。クラブ・エースにも意外な弱点があったものね。」
「セシルは平気なのかよ~。」「私はファンタジーやホラーは大好き。オバケはお友達ね。見てみたいくらいだわ。」
「セシル~、今夜一緒に寝てくれよ~。オイラひとりじゃ怖くて寝られないよ~。」「いーわよ、怖がりさん。」くすっ。
「・・どうやらうまくいったようじゃの、瑞山。」「いかにも恵雲。これで少しは二人の仲が進展するじゃろ。」
「わしらも早く孫の顔が見たいからの・・」「これこれ、それはまだ早すぎるぞ。」「そもさん。失敬失敬。」
第三話:白い恋人たち
ガンダムドック。キューン!ガガガガ!「ドモン、右腕の装甲は終わったわ。」「MTSの微調ももうすぐ終わるぞ。」
「・・あれ?ドモン、あそこ・・」「ん、なんだ?」「あそこよあそこ。」「・・ドックの壁に何か貼ってあるな・・」
「写真・・みたいね。」「どれ、ゴッドのカメラで見てみよう・・メイン、ズーム・・カムイガンダムの写真?」
「なんであんな所に・・いつ、誰が?」「わからん・・だが。」「・・なに?」「・・あそこまでどうやって登る?」
カムイガンダムのドック。「・・あれ?リムルル、カムイの頭に花束くっつけてるけど、な~に?」「知らないよ。」
「ファンの仕業にしては、ここに入りこめるわけないし・・変ね・・」「・・あれ?お姉ちゃん、昨日カムイはずっと
ここにいたよね。」「どうしたの?」「昨日の朝にキレイに洗っておいた足が少し汚れてるの・・まるで歩いたみたいに・・」
共同テーブル。「変ね・・カムイも動いた形跡があるの・・」「も・・って、じゃ、ゴッドも?」「ええ。脚は昨日たしかに
洗ったんだけど・・」・・タタタタ。「お姉ちゃん!わかった!」「なにが?」「確かにカムイは外へ出てる!ドックの
メインドアの開閉記録が残ってるよ!・・そして・・」「・・どうしたの?」「コクピットハッチの作動記録がないの・・」
『・・えっ?』「・・それって、カムイは無人だった・・ってこと?」「そう考えるしか・・ないみたい。」
「・・レイン、うちの記録も同じ結果だ。」「ゴッドとカムイが無人のまま動いて・・帰ってきたということですか?」
「ドアの開閉時間からすると・・午前2時から4時までの間ね。」「二時間か・・それ以前に、ガンダムが動けば
かなりの音がするはずだが・・」「昨夜は風が強かったから、かき消された可能性が高いわ。」「・・レインさん、
一つ提案があるんですけど、カムイとゴッドの足についてるもの、分析できますか?」「ええ。できると思うわ・・
まてよ、あの香りは・・」「そう。かすかですが・・潮の香りがするんです・・」「潮・・か・・」
ゴッドのドック。脇に作業台があり、回路修復用の電子顕微鏡(スペクトル分析機能付)などが設置されている。
「・・珪素は当然として、塩素とナトリウムが多いわね。・・どうやら海の砂のようね、どちらの砂も。」
「海・・か。ちょっと風雲再起でひとっ走り行ってくる。」「わたしも行きます。」「じゃあ裏門を開けるわ。」
「よし!風雲再起!」パチン!ヒヒーン!パカッパカッパカッ! 「それっ!」さっ。「はいっ!」ひょい。
「ハイヨ!」ヒヒーン!パカッパカッパカッ!「この辺で砂浜のあるところは?」「海浜公園です。」「そこへ!」
海浜公園。ザザーン・・「どうどう。・・間違いない。」「足跡が残ってる・・確かに二体ぶん!」「・・この足跡の
付きかたからみて・・こりゃデートだな。」「ホント、二つの足跡が平行してる。」「・・おや?この花のところ・・」
「・・あっ!この花はカムイの頭部についてたものと同じだわ。」「ゴッドの指の跡だな。ゴッドフィンガーの
エネルギー放出口のトレッドがある。」「・・デート・・ねえ・・」「あまり認めたくない事実ではあるが・・」
「・・確認したぞ。間違いなく二体は夜明けのデートをしてる。」「デート?!」「そうとしか思えん。・・だが、
どうして無人で・・」「・・ひとつだけ説明できる可能性があるわ。ガンダムには自己教育型のサポートAIが搭載
されてる。」「ああ。MTSを使わなくても、基本的な動作は・・そうか!」「そう。このAIは使いこむほどパターンは
多様化していく。ましてやガンダムほどのAIになると、ケタ違いの情報量があるわ。その過程で何らかのきっかけで
意志が発生しても不思議じゃないわ。」「・・そうか。最近は自意識をもつAIがあるという話はなんかで読んだな・・」
「各国の戦略AIや大企業の中枢AIなんかでは、かなりあるそうよ。ましてや・・」「ガンダムほどのシステムならば、
何の不思議もないか・・」「でも、どうしましょう?私たちは彼ら・・いえ、彼女に対してどうしてあげれば・・」
「ゴッドスラッシュ!」ザン!「はーいドモン、きれいに切ってね。余計なとこまで穴開けないように!」
「なるほど。ドック間の壁を切り取って、いつでも会えるようにしてあげるんですね。」「あとでシャッターは付けるから、
女の子のプライバシーは守れるわよ。」「・・おっ!ゴッドのディスプレイになにか出たぞ!・・「アリガトウ」だと!」
「えっ!・・カムイもです!」「半信半疑だったが・・こういうことってあるんだな・・」「カムイ、マニトウ、付喪神・・
形は違えど同じ思想です・・」「万物に宿る魂か・・俺たちもこれからはこいつらをただの機械と思っちゃいけないな。」
第四話:笑う海賊
酒場にて。「なあ、アルゴよ。ど~してお前さんはそう無表情なんだよ~。」「からむな、チボデー。」「俺の3倍は
飲んでるはずなのに、顔色ひとつ変わりゃしねえ。俺たちの間ではそれでもいいが、子供の情操教育にはちょ~っと
問題あると思うぞ。」「ど、どういうことだ!」「ほう。子供の事になると動揺するな。・・情操ってのはな、親を見て
習うもんだ。お前さんいっつも怒ってるような顔してっだろ。たまにはニッコリ子供に笑顔でも見せてやれ。」
「・・お前のいう通りかもしれん。努力しよう・・ラムをもう一本くれ。」「水割りのグロックでたのまあ。」
ゴルビーⅢ。「・・あんた、鏡見ながらなにしてんの?」「うむ・・ナスターシャ、よくわからんのだが、笑顔とは
こういうものか?」くるっ。「・・プッ!アハハハハハッ!」「なにかおかしいか?」「アハハハハッ!」「よくわからんが、
良さそうだな・・早速見せてこよう。」「だ、だめ、あんた、その顔は・・アハハハ、とまんな~い!」
「・・セルゲイ。」「へい、大将。・・?!」びくうっ!「な、何かあっしに落ち度でも・・」「いや・・なぜ?」
「だ、だって・・そんなに顔引きつらせて・・」「・・これが笑顔に見えんか?」「大将、それは「笑顔」じゃなくって
「ブキミな顔」ってゆーんです!そんなの子供たちに見せたらヒキツケ起こしちゃいます!あっしだって夢に見そうで・・」
「・・それでナスターシャが大笑いしてたのか。」「と、とにかく、その顔はいけません!ささ、元に戻してください!」
「・・う~む。難しいものだな・・」『とうちゃーん!あそぼ!』とてとて。「おお、サーシャにユーリーに
ボルシニコフにウラジミール。よーし、遊ぼう。」『わーい!』「さて、何をして遊ぼうかな?」「あんた、その顔よ。」
「ん?・・ナスターシャ、なにがだ?」「その顔があんたの本当の自然な笑顔よ。」「・・そうか。」『かーちゃんも
いっしょに遊ぼ!』「そうだね。」「・・ナスターシャもいい笑顔だ。」「ふふっ、こういうときのとっておきよ。」
みなさんお待ちかね!ついに運命の歯車が動きだしました!
世界から集結した21人のタロットの紋章の戦士!
そして巨大組織「アルカナ同盟」がいよいよ動きだします!
次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第31話
「集結!21人の戦士たち」に、レディー、ゴーッ!
第31話 集結!21人の戦士たち
ニューヨーク・スラム街。「やれやれ・・シケたギャング団だったね~。たったの700万ドルか。これじゃ鼻紙代にも
ならないよな、シクルゥ。」ワン。・・ぴくっ。ピタッ。「・・そろそろ出てきたらどう?ここなら人目もないわ。」
『・・さすが「世界」ですね。』スッ・・「・・「悪魔」か。」「「女帝」の使いで来ました。お会いしたいそうです。」
「やだね。自分で行く気はないよ。用があるなら、そっちから出向くのが礼儀ってもんだろが。」『その通りよ。だから
こうして来てるわよ。』スッ。「な!・・おいおい、こんなヤバイ場所に来るこたねーのに・・」「私にとってここは故郷
みたいなもんよ。それに・・」スッ。「ちゃんとフォアカードがついててくれるもの。」「出たな・・金魚のフンどもが。」
「ウフフ・・いえてる。」「たしかに。うまいわね・・」「さすがに口が悪いわね・・妹さんとは大違いだね。」
「うるせ!お前・・「審判」か。フォアカード1の暴れ者。」「そーよ。・・いっちょやる?」ヒュン。オォォ・・
「霊刀「最後の審判」か・・いいね。」「やめなさい、ヨーコ。今はその時ではないわ。「世界」も。」「・・そうね。
ここでやりあったら、この一帯は廃虚になっちゃうわね。」「同感。」「さてと・・話題はなんなの?」「ネオナチスと
デビルガンダムの関係・・どう?」「・・面白そうね。」「お願いしたいのは・・」「・・いいよ、片手間さ。」
ガンダム長屋。チュンチュン・・「んぁぁぁ・・気持ちいい朝。さてと、ドモン起こさ・・」ヒュン!「はっ!」ピシッ!
「・・もういないか。」シーン・・ぴらっ。「「星」のカード・・ついに来たのね・・「女帝」!」グシャ!
ナコルル家。「リムルル、朝よ。」「ふわぁぁ・・おはよ、お姉ちゃ・・」ヒュヒュン!『はっ!』パシパシッ!「どこから?」
「・・いなくなったね。」ぴらっ。「・・「戦車」と」「「太陽」のカード・・姉さま。」「そう。来たわ。」すっ。
エリス家。シュッシュッ。「♪わたしのダークはよく切れる~・・ふむ、こんなもんかな?」ヒュッ!プス。「あれ?・・」
きょろきょろ。「・・」ぐっ、すぽっ。「「恋人たち」・・か。もうちょっと砥ごう。」シュッシュッ・・
ホテル・アレンビーの部屋。「スピ~・・」ヒュン!「ほい。」ピシッ。「ん~?・・「魔術師」か・・ぐ~・・」
廃墟・孫鈴麗は朝錬中。「はっ!ほっ!」バババッ!「とりゃーっ!」バゴオオオーン!「よし。調子は上々」ヒュン!
「はいさ。」ピシッ。ぴらっ。「・・「法皇」ね・・はあああーっ!龍撃破!」バガアアーン!パラパラ・・「召集令状か・・」
ゴルビーⅢ。キューン!ガガガガ!「ベーリング、ボルトの関節をチェックして。」「はい、姐さん。」ヒュン!
「ん?」ピタッ。ぴらっ。「・・「隠者」か。」ガラーン!「こらそこ!注意しなさい!」ピシィッ!「す、すいやせ~ん!」
ホテル・クワトロの部屋のリビング。「はーい。ホカ弁で朝食買ってきたわ。」「おお、すまんな。」「な~んか空しいものが
あるんですけど。どーしてホテルのモーニングにしないの?」「高いでしょ。それに毎日同じで飽きちゃうし。」
「日本のホカ弁は安くておかずのバリエーションがあって、おいしいもんね~。」「なんか出張費を浮かしてる
サラリーマンみたいね・・(実話)」「隊長はお握り弁当でしたね。アリシアがトンカツ弁当で・・あれ?」ぴらっ。
「なにこれ?」「ん?・・カードか。」「いつの間に・・」「ちょっと貸せ。」パラパラ・・「5枚あるな。・・それっ!」
シャシャッ!『はっ!』パパッ!「「月」と」「「節制」。」「次!」シャシャッ!『はいっ!』パパッ。「「力」と」「「塔」。」
「そして「皇帝」。・・さてと、朝めし食おうや。お茶いれるよ。」『はーい。』「レイはカラアゲ弁当よね。はい。」
羽田国際空港。キーン・・「やれやれ、やっと日本に着いたか。」「ヘリが来てます。ナディアも。」「先乗りごくろーさま。
令状はオッケ?」「今朝のうちに全員へ回しました。けっこー強行軍でしたけど。」「フェイントのパーティーと会議室の
手配は?」「全部完了。連合の大会議室が借りれました。」「昨日着いて、もう?・・さすがね。」「そうでもないわ。
パーティーは支社の大広間だし、料理はネオ浅草からの仕出し。招待状の宛名書きは総務部がしてくれたし、連合は
一発OK。ものの数時間よ。むしろ今朝の郵便屋の方が一人でしなきゃなんないから大変だったわよ。」「ごくろーさま。
さ、名出屋城にさっさと入って、一休みしましょ。」『はい。』「あたしが操縦するわ。よっと。」ババババ・・
ガンダム長屋。「ドモン、パーティーの招待状が来たわ。」「パーティー?なんだそりゃ。」「ガンダムファイトの
大スポンサー、アレクサンドラグループの会長の懇親会だって。」「会長って確か・・女性だったよな。」「そう、
クレオパトラ会長。まだ17歳なのに世界経済をほとんど支配している現代の女王・・いえ、女帝ね。」「それはまた
凄いのから招待されたもんだな。」「行ってきたら?相手が相手だけに、ご馳走いっぱい出るみたいよ。」「レインは
行かないのか?」「私はヤボ用があるから、ちょっと遅れていくわ。料理、キープしといてね。」「わかった。早く来いよ。」
名出屋城・レセプションホール。ガヤガヤ・・「ここか。・・お~、いるいる。・・おや?アルゴは一人なのか?」
「ナスターシャは少し遅れて来るそうだ。」「・・女性ファイターどもも来てないな。」「めかしこんでるんじゃないか?」
「セシル、マリアルイゼ、チボデーギャルズはいるな・・」『みなさまにお知らせします。主催のクレオパトラ会長は
重要会議が少々長びいておりますので、予定より遅れてご来場なさるようです。どうかお先にお楽しみください。』
連合事務所大会議室。ザワザワ・・「クレオパトラ、全員そろいました。」「ではまずは自己紹介をしましょう。
私は「銀河の女帝」のクレオパトラ。」ザワ・・「フォアカード、「嵐の女教皇」のマリア。」「「轟く運命の車輪」の
シルビア。」「「夢幻の悪魔」のナディア。」「「審判の剣」のヨーコ。」ザワザワ・・『女帝のフォアカードだ・・』
「ではみなさんもよろしく・・席順にどうぞ。」「ファイブカード、「破滅の流星」のレイン。」「「華麗なる魔術師」の
アレンビー。」「「天の戦車」のナコルル。」「「猛き法皇」の鈴麗。」「「静かなる隠者」のナスターシャ。」ザワザワ・・
『ファイブカードが揃ってる・・』『アルカナ最強チームが・・』『これはものすごいことになりそうね・・』
「フルハウス、「血塗られた月」のアリシア。」「「節制の海」のアニー。」「「爆炎の力」のレイ。」「「落雷の塔」のマコ。」
「「皇帝の鉄槌」のクワトロ。」『皇帝のフルハウス・・』『いずれも戦鬼と呼ばれる戦場の死の女神たち・・』
「ワイルドカーズ、「風の恋人たち」のエリス。」「「凍てつく太陽」のリムルル。」「以上、17名。「夜霧の死神」、
「吊られた男の影」、「正義の不知火」はまだ特定されません。」「「完全なる世界」は既に行動に入ってもらってます。
「賢明なる愚者」は番外ですので呼んでません。」「判明したのは19人・・いえ、いま一人の「愚者」で20人ね。」
「アルカナのみなさまに集まっていただいたのは、私たちを覚醒させた危機の手がかりが判明したからです。ナディア、
例の資料を。」「はい。」カチ。ぱっ。「みなさんネオナチスの名前はご存知かと思います。テロ事件などで頻繁に
TVで紹介されていますし。現在、地上で最大の規模を誇る巨大武装組織・・それがいよいよ本格的な活動を始める
段階にきたようです。一国に匹敵する軍事力をこのウラル山脈要塞に集結させつつあります。」『ウラル要塞?』
「ここはナスターシャさんのほうが詳しいでしょう。」「そうだ・・ネオナチは地上の荒廃のスキをつき、ネオロシアから
ウラル山脈を合法的に買収したのだ・・もちろん傀儡組織を通じてだが。」ギリ・・「真相がわかっているはずの
ネオロシア政府は何も言わん・・大祖国戦争の誇りを忘れた金の亡者どもが!」バキイッ!「そしてネオナチは山脈を
掘り抜き、内部を巨大要塞としたのです。私有地なので、どの国も表向きに手が出せませんが・・ナディア。」
「もちろん何カ国かは秘密工作員を送りこみました。しかし・・結果は薩摩飛脚でした。」「片道キップということ。」
「それからはスパイ衛星・偵察機・そして外周部での諜報活動からの情報だけですが、それらを整理することで
恐るべき状況が判明しました・・これです。」ぱっ。『・・なんだ?』「細胞・・ですか?」「・・なっ!」ガタッ!
「さすがにレインさんにはわかりましたね。」「レイン、なんなの?」ガクガク・・「・・DG細胞!」『ええっ!』
「そう、デビルガンダム細胞です。ネオナチはこれを入手しました。」「DG細胞はWHO(世界保健機関)によって
完璧に駆逐されたはずなのに!」「表向きは、です。どうやらネオトルコのサンプルが密かに横領されたようです。」
「・・で、それがウラルに。」「いえ・・さすがにネオナチもバカじゃありません。DG反応が検出されればコロニー
国家連合軍の総攻撃を受けることくらいはわかっています。「世界」にはそこを詰めてもらってます。」「少なくとも
地球上と各国コロニー、そして内惑星系はシロ。残るは外惑星系です。」「ネオナチスとDG細胞・・目的はなんだ?」
「総統の復活と、エヴァ・ブラウンを核にしてのデビルガンダムの完全復活による第三帝国の再興でしょう。」ドヨッ!
「まさか!死体も残ってないはずですよ。」「遺伝子工学があるわ・・ジーンデータが残っていれば再生は可能よ。
ましてや第三帝国は大戦中にすでにそれらを開発していた・・DG細胞があればコトはもっと簡単になるはずよ。」
「とにかく、一刻も早く中枢部を発見しないと・・」「主権国が不在の今、ネオナチスは活動を始める絶好のチャンス。
各国首脳も困ってるわ。」「だからこそ私たちがいるのよ。国家に縛られない組織として。」「多少のドタバタは各国は
黙認してくれる算段になってます。」「なら安心して闘えるな。敵の地上戦力の掃討は俺たちフルハウスが引き受けた。
戦争のプロだしな。」「もう少ししたら、大きいプレゼントができるからね。」「・・あれか。」「何ですか、隊長?」
「今はまだ言えん。その時になったら教えるよ。」「ま~たそうやって隠したがるんだから・・いいけどね。」
「さて・・残るは未確認の3人だけど・・」「・・心当たりがあるわ。」『えっ?』「レインさん、ホントですか?」
「カード名だけではわかんなかったけど、通り名を聞いてピンときたの。」「通り名?え~と、「夜霧の死神」・・あっ!」
「「吊られた男の影」・・そうか!」「ね?鈴ちゃん、確認して。そちらは・・ナコちゃん、いい?」『はい!』
「ちょっと途中であるところに寄って、判別アイテムを借りてくるからそれでわかるはずよ。」「判別アイテム?」
「では、お願いします・・これで解散しましょう。すぐに懇親会の方へ行ってくださいね。ご馳走ありますから。」
ザワザワ・・「・・動きだしたね、クレオ。」「ええ・・ヨーコ。いよいよこれからが始まりよ。長い壮絶な戦いの・・」
「ネオナチとデビルガンダム・・相手にとって不足はないさ。」「それだけならね・・」「?・・ああ、幽音か。」
「今回は彼女の影がちらつくの。・・姫に早く復帰してもらわないと。」「幽音なら不足どころじゃないね・・
連中も呼ぼうか?」「いえ、十二神将は姫の警護という大事な役割が最優先よ。」「マリアの兵団は宇宙航路警備で
てんてこまいだしね・・シルビアの「五本指」は?」「ヨーロッパで諜報活動中よ。今はまだだめね。」
「クレオ、マチルダからの最新情報です。」バサッ。「・・最後の三人?」「さっきのがヒントになってナディアと
データをあたり直して、やっとわかりました。」「・・なるほど、灯台もと暗しね。」「情報局の黒星ね、これは。」
「まあしょうがないって。レインはしょっちゅう顔を合わせてるから感じとれたんだろうね。」「なるほど・・」
「クレオ、急いで。もう宴もたけなわよ。」「料理残ってるかな?」「量はじゅうぶんに用意してあるけどね。」
♪カラーン。「もう閉店ですよ~。・・レインさん?」「マルローネ、例のGストーン貸してほしいんだけど。」
「いやです。商売ものですから。」「女帝の指示よ。」「あたしゃアルカナじゃありませんから・・もしかして
レセプション会場で?」「そうだけど?」「・・よし。貸しましょう。ただし!」「ただし?」「折り詰めよろしく♪」
「・・ああ!わかったわ。まかせて、でっかい折り詰め持ってくるから。」「楽しみにしてますよ~。」
ガヤガヤ・・「・・お、レイン、来たか。」「お待たせ。料理とっといてくれた?」「こんなにあるんだ。俺たちでも
食いきれなかったぞ。」「まあ、キャビアがあるじゃない!おっ、フォアグラとトリュフも!」「高級なものには
目ざといな。・・ナコルルたちも来てるぞ。」「ナコちゃん、こっちこっち。」ぶんぶん。「あ、レインさん。」
「遅くなったわ。」すっ、「間に合ってよかったですね。」ぱし。・・こく。「鈴ちゃんにもよろしく。」「はい。」
「半蔵さん、ちょっといいですか?」「む?何か用かな。」「こちらへ・・失礼します。」すっ、ピカッ!
「黒い輝き・・やはり「吊られた男」。」「うむ・・楓、ちょっと。」「はい?・・なに?」すっ、ピカッ!
「楓さんも?!黄色は・・「正義」!」「・・ついにわかっちゃったのね。」「こちらは気づいてはいたが、あいにく
忍びはこんな事は言い出せない稼業なのでな。」「女帝がお待ちです。」『・・わかった。』
ガヤガヤ・・「えーと・・いた。」「ナコちゃん?」すっ・・ぱし。こく。「終わったらレインさんへ。」「うん。」
「ヴァーム、前から気になってたんだけど・・」「何ですか?」「なぜあなたのガンダムは死神なの?騎士のあなたが
あんな不吉なデザインのガンダムに乗ってるの違和感を感じてたんだけど・・」「・・理由がありまして。」
「これじゃない?」さっ。ピカッ!「蒼ざめた輝き・・「死神」ね。」・・ふっ。「はい。「夜霧の死神」・・もっと早く
気づかれると思いましたが。」「まさかとは思ったけどね・・女帝の召集がかかったわ。」「わかりました。行きましょう。」
『みなさま、主催のクレオパトラ会長がお見えになりました。』オオッ!パチパチパチ!「あれがクレオパトラか・・」
「輝くような金髪に褐色の肌、それでいて顔立ちは東洋系で目鼻は東欧系・・不思議な方ですね、ジョルジュ。」
「聞いた話ではさまざまな民族の血が混じったハイブリッドとか。まさに世界企業の頂点にふさわしい方です。」
『それではクレオパトラ会長のごあいさつです!』パチパチパチ!『ファイターおよびサポートクルーの皆さん、
いつもすばらしいファイトをありがとうございます。もともとガンダムファイトは国家間戦争の代替行為として
発祥したものですが、現在は世界最大のイベントとして定着し、その内容・質とも変化してきました。特にもっとも
大きく影響を与えた二人のファイターに私たちは感謝しなくてはなりません。彼らのおかげでガンダムファイトは
その精神を浄化され、力と技が相打つ純粋な武闘大会的なものとなったのです。そう、みなさま誰もが知っている
二人のキング・オブ・ハート、東方不敗マスターアジアとドモン・カッシュさんです!壇上にどうぞ!」『えっ?』
ワアアアーッ!パチパチパチ!「ほらドモン、行きなさいって。」「お、おう。」「ふふふ・・クレオめ。」つかつか。
『それではちょっと遅まきですが、乾杯の音頭をお二人のアレでとっていただきましょう。』おおお~っ。
「なんだって?」「なんじゃと?」『アレがこの場にはいちばんふさわしいと思いますので。ではよろしく!』
パチパチパチ!「師匠・・ここでやるんですか?」「上がった以上、しょうがないのう・・いくぞドモン!」「おう!」
『流派!』「東方不敗は!」「王者の風よ!」「全新!」「系裂!」『天破侠乱!』『見よ!東方は赤く燃えている!」
カンパーイ!カチンカチンカチン!ぐーっ・・パチパチパチ!『ありがとうございました。わたくしの挨拶も
これをもって終わらせていただきます。では皆様、ごゆっくりお楽しみください!』パチパチパチ!
「へえ・・とうとうグループの名を持ち出さなかったわね。」「型破りな挨拶だったな・・若いのに見事だ。」
「オイラたちと変わらないくらいなのに、すげえな~。」「とってもタイヘンなお仕事だというのは想像できるわね。」
「見たか恵雲、あの会長の気を。」「うむ・・なんという気じゃ。まさに王者の風。」「左様、真の王者の気じゃ・・」
「立派になったものね、あのクレオが。」「ホントね。ブロンクスの女神が今や大企業の会長・・まさにこれこそ
アメリカンドリームね。」「昔はよくいっしょに遊んだものよね~。」「今となってはなつかしいわ。」「そうか・・
おめえらは知り合いだったな。」「クレオはあの頃から他の子とは一線を画してたわ。どんな悪党もクレオにだけは
手を出せなかった。」「へえ・・」「気品、というやつかもね。それでいつしか「ブロンクスの女神」と呼ばれる
ようになったわけ。」「誰にでも優しく、場を明るくする天賦の才能が、荒くれどもには心の聖域だったのよね。」
「そういや一度カフェのバイト紹介したら、三日でクビになったよね。客が恐縮してしまうって理由で。」
「そりゃすげえ。で、前会長の遺言でシンデレラかよ。」「どこでどうやって調べたのかみんな不思議がったけど、
似合わないというヤツは一人もいなかった・・むしろ当然だって。」「現にクレオが就任してから、業績が急激に
アップしたものね。」「それはあの四人の取り巻きの功績も大きいわ。」「みんなけっこう若そうじゃねえか。」
「人呼んで「女帝のフォアカード」。世界からえり抜かれたトップエリートの四人ね。」「まずいちばん背の高い
フランス人がマリア・フォーセット。通商部のヘッドでフォアカードの筆頭よ。」「次のポニーのロシア人が
シルビア・ミハイロフ。コンピューターの天才でソフトウェア事業部のチーフ。」「筋肉質の日系美人がハードウェア
事業部の長、ヨーコ・クサナギ。国際的に著名なエンジニアでもあるわ。」「最後に東欧系のミステリアスな美女が
アミューズメント事業部の責任者、ナディア・コープランド。ウワサではグループのダーク・ビジネスの専門家らしいわ。」
「最後のねえちゃんはここいらでよく見かけるな。」「ここの日本支社長だし、実行委員会の窓口でもあるからね。」
ガヤガヤ・・「クレオパトラ、「死神」です。」「ヴァーミリオンさんが・・そうか、実に簡単な謎かけだったのね。」
「かえって見逃してたわ・・情報局の失態ね。」「こちらが「吊られた男」と「正義」です。」「半蔵さんと楓夫人?
灯台もと暗し・・「影」で気づくべきだったわね。」「無理もござらん。われら一族は経歴を秘しておるからな。」
「では、お話します。今の状況を・・」「・・ふむ、ネオナチスか。」「大物ですね。」「ネオドイツのツラ汚しどもが・・」
「今のネオナチは国際組織。ドイツは始まりにすぎなかったのよ。」「ヒトラー自身が元々アーリア人ではなかったしね。」
「・・ん?姉さま、シクルゥの匂いがする。」「え?・・ホント。じゃ!」「よお!元気?」がばっ!『姉さま?!』
「どーやら間にあったみたいね。どーれ、食わせてもらおうかね。」「どこへ行ってたんですか?」「あちこち。
今回は主に南米ね。ほれ、シクルゥ。お前の好物のキャビアだよ。」「クゥ。」「おや?・・戻ってきてたのね、「世界」。」
「よお。依頼の件はつかんできたよ。土星圏でほぼ確定。タイタンだろうね。」「さすが。うちの情報局かたなしね。」
「あたしのやり方はちょいと手荒いけどね。」「で、どうするの?」「明日にでもタイタンへ飛ぶわ。できれば
「愚者」の老師もいると楽なんだけど・・」「あら・・あなたらしくもないわね、応援を欲しがるとは・・」
「それだけ相手がデカイってこと。あたしゃ死にたくないんでね。」「わかったわ。李老師には連絡しておくわ。
すぐに後を追ってもらうから。」「よろしく。今夜はいっぱい食わせてもらうわ。」「どーぞ、お好きなだけ。」
「おっ、ドン・ペルニョンか。さすがにいい酒あるわ~。」ゴクゴク・・「・・ブランデーのラッパ飲み・・バケモン。」
「おっ、お前来ておったのか!」「あらじいさま。ケガの具合はどう?」「おかげで三日も入院したぞ。体がなまって
リハビリが大変じゃったぞ。」「それはそれは。あ、こっちがクレオパトラよ。」「さきほど壇上で会うたわい。」
「東方先生、すばらしいレフリング、感謝しております。おかげで今大会ほど秩序のとれたものはありません。」
「うむ。このわしが目を光らせておるからには、ルール違反など許さぬ。この決勝、無事に進行させてみようぞ。」
「よろしくお願いします。ときにハイマスターの調子はいかがですか?」「うむ。・・あのマルローネとやら、若いのに
なかなかの腕じゃのう。前のマスター以上によう動いてくれおる。」「ハンドメイドなので割高でしたが、それだけの
価値はあるようですね。」「うむ。マスターブリンガーの技術など、感心するばかりじゃ。・・いったい何者じゃ?」
「私はよく知りません。もともとはナディアのつてですから・・」「よい人脈を持っておるのう、ナディアは。」
「ヨーコ、知り合いにあいさつしてこなくていいの?」「日を改めてね。・・このカッコウじゃ恥ずかしくて。」
「ふふっ、ラフなのが好みなヨーコらしいわ。」「フォーマルは性分に合わないの。きゅうくつでさ~。」
「女性陣はさすがにおめかししてるけど、ファイター連中は普段着のままね。」「服装は自由と招待状に書いたからね。」
「なんだ、それならあたしも着替えて・・」「ダメよヨーコ。今は公人なんだから。」「はいはい・・」
帰り道。「やーれやれ、疲れた・・盛大なパーティーだったな。」「こうして、いっぱい折詰めももらったし。」
「ママハハたちにもいいおみやげになります。」「ナコ姉さん、また旅に出るの?」「ああ。あたしゃエトランゼ。
旅が生きがいなのよ。」「いつか本格的に手合せ願いたいもんだな。」「わたしも一度やってみたいな。コテンパンに
したげるよ。」「ああ、その時が楽しみだ。」「ふふ・・あんた、気に入ったよ。あのジジイなんかよりもね・・」
「ドモン、先に戻ってて。私はちょっと寄るとこあるから。」「付き合うが、どこだ?」「・・わかった、こっちよ。」
「それじゃ私たちは先に長屋へ戻ってますから。」「・・あたしも付き合うか。」「姉さま?」「ちょっとした興味さ。」
「Atelier de Marie」。♪カラーン。「遅くなったわ。借りてたこれと折り詰めね。」「どうも~。・・あれ?お連れさんが
いるんですね。」「ほう・・こんな店があったのか。」「いよっ。しばらくぶりだねマルローネ。」「ああっ?!あんた
生きてたの!」『えっ?』「あたしが簡単にくたばるタマだと思う?」「・・思わない。」オウオウ。「シクルゥも元気そうね。」
「あら、知り合いなの?」「昔なじみでね。」「くされ縁というべきでしょ。あんたのせいで大赤字だったんだから。」
「その代わりに地元のギャングをつぶしてやったでしょ。」「乱入してきただけでしょ!あまつさえお宝みんなせしめて
さっさと逃げちゃうから、後始末が大変だったのよ。」「悪いね~、横取りしたようで。」「しっかり横取りだって!
あれから差し向けた殺し屋をみんな返り討ちにしてくれたので、前金で大赤字よ。」「ああ、ありゃあんただったのか。
道理でいっぱい持ってると思った。ありがとね♪」「前金までせしめたのね!・・やっぱ私自身で倒すべきね。」
「人任せはいけねえよな・・あんたとはいっぺんやってみたいと思ってたよ」ザッ。ゴゴゴゴ・・「一触即発・・」
カチャ。「メリケンサックか。どれ・・」ちゃき。「?・・あっ!それはダメです!」「なに?」シュッ、ドオンッ!
『うわっ!』どかああああーん!パラパラ・・「な・・なんだ今のは?!」「あ~あ・・壁に大穴開いちゃった。」
「それは拳の威力を数千倍に高める「プレミアム・ハート」です。うちの中でジャブだからこの程度で済んだけど、
ドモンさんが全力で打ったら東京は消滅しますよ!」「これはすまん。」「ドモンたら!・・修理代はうちで出すわ。」
「それには及びません・・ほら。」『え?・・』シュゥゥゥ・・「・・バカな?!穴がひとりでに塞がっていく!」
「うちは自己再生機能がありますから。」「・・あんた、何者だ?」「錬金術士・マルローネよ。」「アタマに「地獄の」と
マクラを忘れちゃいけないね。」ワン。「うっさいわね。」「地獄の錬金術士か・・」「クセ者なのはたしかだけどね。」
「で、ケンカはどうする?」「ん~・・シラけたからやめた。考えてみればあんたに渡ったほうが有益かもね。」
「?・・どういう意味なの?」「それはね・・むぐっ!」がばっ!「なんでもねえって!・・(真っ赤)」「・・?」
みなさんお待ちかね!キング・オブ・ハートに挑む鈴!
ネオ台湾から師匠が駆けつけ、八極拳秘奥義を伝授します!
そのすさまじい威力に崩れ落ちるドモン!はたして立ちあがれるのか!
次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第32話
「免許皆伝!鈴麗最大の闘い」に、レディー、ゴーッ!
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第32話 免許皆伝!鈴麗最大の闘い
鈴の滞在ホテル。「明日はいよいよドモンさんとのファイトか・・気が高ぶって眠れそうもないな・・」ピンポーン♪
「は~い。・・こんな時間に誰だろ?」ちらっ。『わしじゃわしじゃ。』「し、師匠?!」カチャ。「夜分遅く失礼するよ。」
「師匠、いつ日本へ?」「ついさっきじゃ。道が混んでてタクシーではらちがあかんので、走ってきたわい。」
「空港から20キロはあるのに・・さすが師匠ですね。」「なに、いよいよお前がキングオブハートと闘うと聞いてな、
これを見逃すは一生の悔いと思うてあわててやってきたのじゃ。」「わざわざ、ありがとうございます。」「一つやり忘れた
こともあっての。ちょっと稽古せんか?お前のことじゃ興奮して寝られんのじゃろう。一汗かこうぞ。」「はい!」
ホテル屋上。「さてと・・これより八極拳秘奥義を伝授する。心して受けよ!」ギン!「はい!」『おりゃああーっ!』
ドンッ!カッ!ズドオオオンッ!「がはっ!」「これぞ猛虎硬爬山!山をも砕く無敵の拳じゃ!」「たしか・・に・・
お受け・・がふっ!」ボタボタッ!・・ドサッ。「アバラ3枚に脾臓破裂か。むん!気功治療!」キィィィ・・
「今夜中には治る。ゆっくり休むがよい。・・ちと荒っぽかったが、これが奥義伝授に一番早い手なのじゃ。」
朝。「ん・・あれ?ベッドの上だ・・」「おお、目がさめたか。朝食を用意しといたぞ。」「あ、師匠。すみま・・へ?」
ドドン。「超特大ビフテキ?!」「昨夜で相当体力を消耗しとるはずじゃ。そのくらい食わんと、体がもたんぞ。」
グ~。「あ・・」「ほっほっほ、体は正直じゃな。さ、食うがよい。」「じゃ、いただきま~す。」ぱくぱく。
「で、鈴よ。今日の試合、勝ち負けは気にするな。キング・オブ・ハートの胸を借りるつもりで全力でやればそれでよい。
昨夜伝授した技を決められれば充分。」「はい。」コトン。「ほれ、わし特製の野菜ジュースじゃ。様々な野菜と薬草、
漢方が入っておる。味はお前の口に合うよう調整しとる。」グーッ・・「?!・・プハ~ッ。・・師匠、お酒入れましたね。
それもかなり強力なの・・」「消化促進じゃ。それで夕方まで爆睡して、スタミナを温存しておけ。ちゃんとそれまでに
スッキリ起きれるよう計算してあるわい。」「ふぁ~い、おやすみなさ・・」ぱたっ。「スースー・・。」「これで起きた
ときにはギンギンじゃ。もっとも、男だったらヤバイ方にいっちまうので使えん手じゃがのう・・ほっほっほ。」
名出屋城。「ようこそおいでくださいました、老師。」「「女帝」の頼みとあらば無碍にするわけにもいかんじゃろ。
まあもののついでもあったしの。」「事情はEメールでお知らせしたとおりですが・・」「あの「世界」がのう・・
敵はそこまででかいということか。」「ネオナチス十傑集くらいでビビるとも思えませんが。」「いや・・おそらく
黒幕はそんなものではあるまい。」「・・幽音と闇シャッフル。」「そんなところじゃろうな。ならばワシと
二人がかりというのも納得がいく。」「たしかに・・「世界」もなんとなくそれを察知したのかもしれません。」
「できればもう一人の「世界」も連れていきたいところじゃがのう・・」「それは無理です。彼女はカタギですし。」
「ほっ、あれでカタギとは笑わせる。・・どれ、昼飯がてら顔でも見てこようかの。」「噛みつかれないように・・」
ネオ浅草三丁目、ファミレ「PIA・キャロット」。『いらっしゃいませ~!』「ひとりじゃ。それとルナはおるかの?」
「ご指名ありがとうございまーす。・・ありゃ、老師じゃない。」「ひさしぶりじゃの。」「ネオ台湾からようこそ。
やっぱ鈴ちゃんの応援?」「そんなとこじゃ。ハンバーグ定食を。」さらさら。「ほい。」ヒュッ。・・カラーン。
「知っとるか?「パーフェクト・ワールド」が旅立ったの。」「ああ・・老師まで出張るとはそうとうヤバいのね。」
「これは推測じゃが、十傑集より厄介なのが相手かもしれん。」「いずれにせよ、あたしは行く気はないからね。
この店をきりもりする方がよっぽど大事さ。」「惜しいの~、それだけの腕があるというに。」「ほっとけ。」
午後二時。「・・ぶぁーっ!」「おや?ちと起きるのが早いの・・計算ミスったかの?」「あーっ!体が燃える!早く、
はやく闘いたーい!」「フロに入って体を冷やしてこい。今からそんなに入れこんどったら試合開始までもたんぞ。」
「はーい!」ドタタ・・ジューッ!「漢方の配合が甘かったかの・・」『ドモ~ン!絶対、ぜ~ったい、ぶっ倒してやる~!』
「効きすぎたのう・・ま、いいか。」『うりゃあっ!』バゴオオーン!「風呂場のタイルに当たるでない!」
控室。「ドモン、鈴ちゃんには絶対油断しちゃダメよ。」「わかってる・・つもりだが・・ん?」「ちとよいかな。」
「師匠、何か?」「うむ・・いやな噂を聞いての。昨夜鈴は李大広老師から秘奥義を伝授されたらしい。」
「李大広老師といえば・・」「そう。かつての中台戦争のおり、人民解放軍のモビルスーツ500機を素手で破壊した
伝説の拳聖。わしも一度手合わせして、アバラを5枚砕かれた・・」「師匠が・・」「その老師が全てを伝授したとなると・・
ドモン、今日の試合、死闘になるぞ。どちらか、いや、双方ともCIC送りになるかもしれん。」「・・」「わしは救急車を
二台待機させておく。心してかかれ。」バタン。「・・レイン、救急治療の準備をしておけ。どちらが勝ってもお前の腕が
必要になるだろう。」「え・・はい!」「鈴麗・・存分にやろうぜ・・」ギュッ・・「ドモンが・・ひさびさに燃えてる。」
ワーッ!ザッ!「これより第三試合、ゴッドガンダムグレート対アルトロンガンダム!両者、中央へ!」ザッ!
「ドモン兄ちゃん、いえ、キング・オブ・ハート!ぶっ倒してあげる!」「おう!どこからでもこい、鈴!」
『ガンダムファイト!レディー、ゴーッ!』ダンッ!「うおりゃあああっ!」ガガガガッ!「くっ!・・すごい速さと
パワーだ!チボデーを軽く上回っている!」「ドモン!だめよガードに回っちゃ!ガードの上から削られるわ!」
「だ・・だが、反撃のスキがない!」「おおりゃあああっ!」ドガアアアーン!「うおおおおーっ!」ズザザザーッ!
「ガードごと吹っ飛ばされた?!なんてパワーなの!」「チボデーのスピードとアルゴのパワー・なんてやつだ!」
「逆転の手がかりは・・」・・はっ!「これだわ!ドモン、アルトロンの攻撃線を!」「攻撃線?・・そうか!」
「いくぞーっ!」フッ。「えっ?・・ゴッドが消えた!」バキッ!「ぶっ!・・右!」フッ。「また消えた・・どこ!」
バガッ!「うわっ!・・後ろとは!」「いかん!鈴、間合いをとれ!」「ちいいいーっ!」ザザザーッ!「むう・・
さすがはキング・オブ・ハートじゃ。八極拳の弱点に気づきおった・・」「弱点?」「八極拳は直線の動き。線上に
あるものは全て打ち砕くが・・」「・・そうか!円の動き!」「そうじゃ。奴はお前の攻撃線を見切り、円の動きで
回りこんでおる。並みの武闘家ではできぬ見事なフットワークじゃ。」「なら・・打つ手は一つ!」「やってみい!」
「おりゃーっ!」フッ。「・・こっち!」ダン!グン!「なっ?!急ターン!」バキイイイーン!「うおっ!」
ざざざざーっ!「・・さすがに気づいたか!」「こっちもバカじゃないからね。」「ならば、分身殺法ゴッドシャドー!」
バアアアアーッ!「分身か・・ならば。」スゥ・・「動きを止め、気を読みに入ったか・・さすがだ。」「・・こっち!」
ダンッ!シュッ!「あまい!・・もらった!ゴッドエクリプス!」ボン!ブオオオッ!「それよ!」スカッ!・・
「消えた?!」「ダッキングよ!」「猛虎硬爬山!」ズドオオオーン!「おごっ!」「見事じゃ、まともに入った!」
「これぞ八極拳秘奥義!」「・・カウンターの肘打ちとは・・がはっ!」ユラ・・ズズーン・・「ドモン!・・いけない、
アバラ8枚もやられてる!これ以上は・・レフェリー!ギブア・・」「まだだ!」はっ!「レイン・・まだだ!」
ググググッ!「ドモン!・・意識があるなんて?!」「お・・俺はキング・オブ・ハート!この紋章にかけて・・まだだ!」
グググ・・ザン!「な・・なんて人なの!あれだけのダメージを受けてなお立つの!」「鈴よ、よく見ておけ。これぞ
最高の武闘家の姿ぞ。さあ最大の敬意をこめて最高奥義で倒すのじゃ!」「はい!・・はあああーっ!」ギーン!
「ハイパーモード?!」「レイン、止めるなよ・・俺はまだ燃え尽きては・・いないっ!」ギーン!「ゴッドも!」
「鈴麗!お前の強さ、その技量、この俺の身体に刻んだ!俺は嬉しいぞ。お前のような武闘家と拳を交えられたことは、
最高の喜びだ!」びしいっ!ジ~ン・・「・・光栄です。私もこの闘い、一生忘れはしない。ならばこそ、我が八極拳が
最高奥義で応じます!」カアッ!「よかろう!俺の拳が真っ赤に燃える!」ジャキッ!「勝利をつかめと轟き叫ぶ!」
ボオッ!「猛虎!龍!撃!弾!」ドオオオオーン!「石破!天!驚!拳!」ドオオオオーン!バシイイイーン!
「・・おおりゃあああーっ!」ダダダダッ!「アルトロンが突進!チボデーがやられたあの技ね!」ズバアアアーン!
「天驚拳を抜けた!」ゴオッ!「勝った!双龍乱舞!」カアッ!「猛虎硬爬山!」ズドオオオオーン!「・・がはっ!」
「な!なんじゃと?!ゴッドが猛虎硬爬山を!」「これぞ流派東方不敗の奥義、水影心!わが流派に型はない。むしろ
他流派から有効な技を取り入れ己がものとする!ましてや自らの体に刻みこまれた技は瞬時に己れのものとなる!
猛虎硬爬山、最後に出すべきだったな・・」すっ。「お・・見事・・」ユラ・・ズズウウウーン!「勝負あり!
ゴッドガンダムグレート!」「レイン!鈴に応急処置を!」「はい!・・ドモンは?」「俺は・・あとで・・いい・・
がはっ!」ユラ・・ズシイイイーン!「!・・ドモン!」「ああ・・あれはかなりきつかったぜ・・いい技だ。」
「救急班、急げ!・・いい試合だったな、老師。」「東方の。いい弟子を持ったの。」「おぬしこそ。よくぞ鈴を
あそこまで育てた。」「才能と努力じゃな。」「・・そろそろ潮時ではないか?」「うむ・・そうじゃの。頃合かもしれん。」
「さて、太陽掌でもかけてやるかの二人に。」「わしも気功を施してやるに、治りは早いじゃろうて。」
次の日、ネオジャパン病院。「しっかし二人ともバケモノね~。いくら師匠たちの治療があったとはいえ、一晩で骨が
くっついちゃうんだから。」「でも、まだ痛いぞ・・アイテテ。」「そーよね・・アテテ。」「そりゃ身体にムリがくるわよ。
ま、二日も寝てれば大丈夫よ。」「ほっほっほ、けっこうキツかったようじゃの。」キイッ。「あ、師匠・・アイテテ。」
「あ~、そのままでよい。鈴よ、よくやった。キング・オブ・ハート相手にここまでやれれば申し分なしじゃ。」
「ありがとうございます。」「そこでじゃ、これを受け取るがよい。」ぱらっ。「これは?・・免許皆伝状?!」
「お前はこれより八極拳最高位「神龍」じゃ。」「・・でも、私は・・」「ネオドイツのシュトラウス家じゃな。」
「えっ?なんで知ってるんです?!」「弟子のことくらいお見通しじゃて。よいよい、免許皆伝を渡すのはお前にだけ
ではない。ま、卒業証書とでも思って気軽に受け取ってくれ。」「・・はい。謹んでお受けします。」すっ・・
「お前がここまで育ってくれて、わしも本懐じゃ。これからは女の幸せを極めるがよい。のう、ヴァーミリオン殿。」
「はい。お預かりします。」カツッ。「ぶ、ヴァーム!・・来てたの?」「老師に今まで会うことを止められてたんです。
「鈴はいま武闘家として一番大事な瞬間。それが終れば好きにしてよい」とね。」「そうだったの・・」「ま、何にせよ
めでたいことだ。」「ドモン殿、鈴に良い勉強をさせてもろうた。感謝いたしますぞ。」「けっこう痛い授業料だったがね。」
病院ロビー。「老師・・もしかして貴方は・・」「・・「死神」よ、やっとわしの正体に気づいたか?いかにもわしが
番外の「賢明なる愚者」、クレバー・フールじゃ。」「やっぱり・・でもどうして「愚者」は番外なのですか?」
「「愚者」は始まり、創世の象徴・・わしの使命は若きアルカナの戦士を育てること、いわばトレーナーじゃな。
裏方であり、表に立つことはないのう。」「「女帝」は知っておられるのですか?」「今朝会うてきた。・・わしはこれより
タイタンへ飛ぶ。「世界」が手こずっておるようなのでな・・」「「世界」が・・事はかなり進行しているんですね。」
「うむ。かなりの所まで来ておるようじゃ・・その時は近い。「法皇」を頼むぞ。」「はい。この「死神」の紋章にかけて・・」
病室。「さあ、二人ともお注射の時間よ♪」ドン!「なあっ?!」「レイン!な、なんだそのバカでかい注射器は!」
「細胞再生促進剤に決まってるじゃない。さあオシリ出しなさい♪おもいっきりぶっ刺してあげるから。」きらーん。
「レ、レインさん、目が据わってますけど・・」「うふふふふ♪」じりっ・・『・・ギョエエエエ~ッ!!』
みなさんお待ちかね!今日は仕事はお休みだ!
パチンコ、ビデオ屋あさり、長屋でダンス!
MTS購入を賛成するマリアの真意は?
次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第33話
「クレオパトラの東京ダイアリー」に、レディー、ゴーッ!