機動武闘烈伝ダブルGガンダム   作:風雲再起

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第40話 マリア頭取の戦略な一日

アレクサンドラグループ商社部門。グループの要であるこの部門は、全世界に数万の事業所を持ち、総社員数は
推定百万人ともいわれる。全世界流通の80%を支配するといわれる超巨大組織である。その中枢は総合流通センター。
ドーム球場十個分の容積をもつ十角形の巨大ビル、通称「オクタゴン」。その中心部に総合頭取室はある。
『う~ん・・これでどーだ!』「ダーメ。・・ほら。」『ゲゲッ!その手があったかぁーっ!』「これで96勝2分けね。」
『なんでやねん・・なんでウルコンのアタシが人間に勝てんねん。ペンタゴンもクレムリンもケチョンケチョンに
負かしたことあんのに。』「なんでこのモードだと関西弁なの?・・2分けしただけ大したものよ。今までだと「孔明」が
一回引き分けただけだから。」『ドゲッ!あのネオチャイナの非ノイマン式八門遁甲型戦略電脳に!あのオッサンにだけは
ウチも一目置いとんのや・・マリアやっぱバケモンや。』「まあ、マチルダもだいぶスジが良くなってきてるから、あと
2~3回すれば勝てるかもね。」『う~ん・・よし!武者修行してくるわ!新しい戦法覚えて、今度こそ勝つからねー!』
プツン!「がんばってね・・マチルダ、あなたはクレオの次に手強い相手よ。」「頭取に勝てるの、会長だけですものね。」
「そういうアネットも一度私に勝ってるじゃない。さすが私の参謀よ。」「ありゃマグレですよ。」「マグレも実力のうちよ。
でもクレオは戦略とか全然意識せずにやっててあれだけ強いの。さすがは『女帝』の紋章はダテじゃないわ・・」
「はい・・あそこまでいくと、ほとんど超能力です。」「その点だけに関しては『姫』より上なんだけどね。」むっ。
「頭取!『姫』を引き合いにするのは不敬です!」「はいはい。・・そういやアネットは『姫』と面識あったのよね。」
「『姫』はまさに女神です。清く美しい・・あの方のためなら全てを捧げても悔いはありません。」きらきら。
「・・そーいやメルヘンシュミだったか。まあ百合までいってないからいいけど・・」「なにかいいました?」

「さて、今のシミュレーションは使えそう?」「プロジェクト51342、第三フェイズにピッタリです。」「そう・・
今の事情を知らない人が見たら何と思うかしらね?」「新手のウォーシミュレーションと見れたらマシな方です。
ほとんどの人は理解不可能ですよ。」「そーね。・・次のプログラムは?」「アジア向け輸出戦略です。どこの戦略AIと
コンタクトします?」「「孔明」はこないだスネちゃったから、しばらくほとぼりを冷ますべきね・・ネオジャパンの
「五十六」にしましょう。」「はい・・アクセス・・コネクト。」『おおマリア殿。おひさしぶりですな。』
「元帥もお元気そうで。うちのマチルダがご迷惑をかけてるそうですが・・」『いやいや、あの子は賢い良い子じゃ。
わしをおじいちゃんと呼んでくれるのが嬉しくてな。リアルワールドの話もよくしてくれるし、ヒマな年寄りには
良い話し相手じゃ。』「恐れ入ります。またお相手を願いたいのですが。」『お前さんの持ちこんでくるプログラムは
なかなかコってて面白いでな。軍のバカどもではあれほどのものはよう作りよらんので、使わん回路がサビちまうぞい。
どれ、見せてみい。』「プログラムをアップロードします。」『・・ふむ。今回もなかなか変わった設定じゃの。
どれ、戦略回路に磨きを入れてやってみようかの。』「お手やわらかに・・」『それはこっちのセリフじゃよ・・』

「・・ふーっ。なんとか勝てた。」『む~ん、あそこにああいう伏兵がおったとはな。いや惜しかったわい。』
「強くなりましたね、元帥。あやうく負けるかと思いました。」『お前さんのおかげじゃよ。だいぶ勉強させて
もろうたでな。』「状況の本質を見抜く目はさすがです。ナオチャイナの「孔明」の奇策にも手こずりましたが・・」
『あやつは策士じゃからの。だが、兵を駒としか見ておらん。それでは土壇場で策に溺れる。一つ一つの役割を
最大限活用すれば、おのずと答えは出るものじゃ。柔軟こそ強靭なのじゃよ。』「私も肝に銘じます・・同じ多くの
人を統べるものとして。」『では、また面白いのがあったら持ってきてくれ。楽しみにしてるでな。』プツン。
「あ~、疲れた・・元帥との勝負は気が抜けないわ・・」「最小損害で最大効果を狙ってくるのがすごいですね。
たとえ負けても紙一重ですし。」「ゼロが全てかのデジタル的思考じゃないからね・・そういう考え方しかしない
相手だったら、絶対負けないんだけど。」「西欧的なデジタル思考じゃ、元帥には絶対勝てない・・いえ、そもそも
勝利の定義なんてされていないから、甚大な損害を代償に勝っても、負けたほうが余力を残してることもある・・
恐ろしいですね。」「そこが日本的思考のスゴイところ。花を持たせて本質をとる・・事象なんて一義的なものじゃ
ないからね。そもそも勝利とは何なのか、敗北とは何なのか・・そこまで考えさせられるわ。」「そういった皮相的な
思考を捨てて、無欲で挑んでくる者・・最強の相手ですね。」「そのことが判らずに戦うと、たとえ勝っても必ず
大事なものを失う・・太平洋戦争、ベトナム、湾岸、ユーゴスラビア・・勝利なんて無に等しいかもね・・」
「そのことが少しでも判った人がガンダムファイトを作った・・そう感じるんですけど。」「いい線ね。確かに
ガンダムファイトは60年もかかったけど、理想の状態に落ち着きつつある。特にドモン・カッシュの功績は大きいわ。
彼こそ世界を変えつつある。・・もっとも、本人は意識してないみたいだけどね。」「そこがいいんですよ。」「かもね。」

ネオ浅草「Atelier de Marie」。「くしょん!」「ドモンさんカゼですか?」「いや・・ここしばらくは病気ひとつ
したことがないが。」「そういう人に限っていきなりやられますからお気をつけて。で、今日はなにかお入り用で?」
「俺の刀を見てくれ。」チャリッ。「拝見。」チキッ、ズズズ・・「・・なるほど。」「砥がなくていい。錆落としできるか?」
「・・お断りしましょう。この刀はこうあるのが正しい姿なんです。」「ほう・・聞こう。」「知ってのとおり刀は人を
斬るための殺人武器です。それを魂だの命だのと重宝がるのは賢しい自慰に過ぎません。でも・・この刀は人を斬れない。
いえ、斬らないためにこうやって錆びさせておくのを前提に作られてます・・その意味はおわかりでしょう。」
「ああ。並みの者にはそれは単なるナマクラだということだ。だが・・」「そうです。持つ者が持てば、この刀はまさに
聖剣にも妖刀にもなります。そしてその下地は錆の下に隠されているんです。」「だいたい予想どおりの答えだな。
ダメモトで聞いた甲斐があった。」「技術的なことも言いましょう。その錆は下地の金属を外気から遮蔽する役割も
あります。使用時にはそのまま投入すれば、斬れば斬るほど切れ味がよくなります。」「わかった、心がけよう。」ばさっ。
「ちょーっと待った!せっかくだからお茶しません?どうせヒマだし、キング・オブ・ハートにはいろいろ聞いて
みたいこともあるので。」「ん?・・いいだろう、俺もヒマだ。」「よかった。すぐにお茶入れますね♪」ばたばた。

ズズ~・・「へえ・・前回大会はいろんなことがあったんですね。TVだけではわからないものです。」「無理もない。
ファイトの前後の事情まではさすがに報道しないしな。」「そこが一番おもしろいんですけどね。」「まったくだ。」
「ギアナ決戦のくだりですけど・・実は見てたんです。」「なに?地獄の釜の中のようだったあの地にいたのか。」
「ホントの地獄の釜はあんなもんじゃないですけどね・・」「ん?」「いえ。・・で、シュバルツさんに出会ったの。
大ケガしてたので持ってた薬草で治療してあげました。」「そうか・・それで兄さんは間に合ったのか。そのとき
顔は見たのか?」「ばっちり。でも知らなきゃ意味ありませんけどね。」「?・・ああ、そういうことだな。」ふっ。
♪カラーン。「ごめんくださー・・あらドモン?」「レインさん、いらっしゃいませー。」「おお、レインか。」
「ちょうどいいわ。マリー、ちょっと相談があるんだけど。ドモンも聞いて。」ばさばさ。「ゴッドの設計図か?」
「ゴッドのバージョンアップ案なの。まずここが・・」・・『おお~。』「どう思う?」「ふむ・・ギミックが少し
増えるけど、重量は逆に軽減される・・いい手だと思います。」「なるほど・・これなら俺もなじみやすいな。」
「これとこの部品、こちらで用立てられる?」「え~と・・」ピッピッピ♪「このくらいですね。」「・・さすがに
メーカーより割高ね。」「それだけの品質と寿命は保証します。長い目でみれば結果としてお安くなるはずです。」
「それもそうね・・よし、のった。」「では全額前金で。」「アレクサンドラカードでいい?」「受け付けてますよ。」
シャッ、ピピピピッ♪・・ジィ~、バリッ。「金額の確認サインを。」サラサラ・・「出来上がりは来週の今日です。
ケータイで納品時間の確認をとりますから。」「了解。大手に頼むといつ納品されるのかわからないことが多いから
助かるわ。」「聞いた話だが、どの国もガンダム専用パーツの確保に苦労しているらしいな。」「大手メーカーは
純正品は早いけど、オーダーメイドは苦手ですからね。だからうちみたいな中小が入り込む余地があるんです。」
「だがこの小さな店のどこでガンダム製作をしてるんだ?」「ちゃんと大型工房がありますよ、すぐ近くに。」
「えっ?・・近くってここはショッピングモールのど真ん中よ。」「周辺にもそれらしい建物は見たおぼえがないな。」
「見てみます?」すっ、つかつか。ギギィ~。「こっちです。」「・・見てみよっか。」「後学のためにもいいだろう。」

ゴォォォ・・『うわ・・』「ドアの向こうが広大な空間とはな・・」「今のひょっとして、どこでもドアだったの?」
「いいえ、ここはまぎれもなく店の裏手ですよ。ただ位相はちょっとちがいますけど。」「・・まさか、亜空間?」
「なんだ?レイン。」「現実空間の狭間にある別空間のこと。詳しくは統一場がどうのこうのとややこしいから、
単に異次元空間と解釈していいわ。」「それでもわからん。」「あそこがガンダムの製作工房、こっちが演習場です。」
「ほう・・ん?いくつかドアが並んでるな。」「倉庫や保管所の並びです。ここなら置き場所には困りませんから。」
「・・空間工法。コロニー工学のひとつだけど、まだ理論段階さえ至ってないはずよね。」「現代科学では、です。
古代にはあたりまえに使われてましたけどね。」「ああ・・師匠に聞かされた壷中天とかいうやつか。」『おお!』
「なんだ?」「・・ドモンが珍しくものを知ってると思って。」「まさかドモンさんの口からその単語が出るとは。」
「古典だけは師匠が教えてくれてた。易筋経や奥義書を読むのに必要だったからな。」「脳まで筋肉でもなかったのね。」

電脳空間・ネオジャパン軍サーバー。『たのもーっ!』『どーれ。・・おお、マチルダ譲ちゃんか。なにごとかな?』
ネオジャパン戦略電脳『五十六』のサイバーイメージは初老の軍人である。『こんにちは、五十六おじーちゃん。
いきなりですがアタシを弟子にしてください!』『おやおや、ホントにいきなりじゃの。どういう仕儀かの?』
『実は・・』『ほう・・マリアに勝ちたいか。だがワシのAIスペックはマチルダより低いが、それでもよいのか?』
『戦略にハードスペックは関係ないと思います。大事なのはアーキテクチャとプログラムではないでしょうか。』
『それも少しちがうがの・・よかろう、ならばここは特別集中講義といこうか。』『ありがとうございます!』

『では問う。用兵で最も基本になることは何じゃと思う?』『兵力です。戦力は多ければ多いほど有利です。』
『じゃが圧倒的な兵力を有したアメリカはベトナムで勝てなかったのう・・なぜじゃ?』『ベトコンのゲリラ戦法に
ハマったから・・ですか?』『もっと基本的なことじゃ。・・簡単に言うと、戦略目的を見失ったからじゃ。
ではベトナムにおける勝利条件を定義してみなさい。』『・・定義できません。極論ならばベトコンを全て排除する
ことですが・・現実的に不可能です。』『そうじゃ。明確な目的を持たずに戦争を始めてしまったのが発端じゃ。
くわえて兵の犠牲が多かった。戦死者および行方不明者数は第二次大戦を上回るほどじゃ。戦略が迷走していては
前線の兵はたまったものではない。行き当たりばったりの戦闘で心身ともに疲弊していった・・』『それを反省して
湾岸からは徹底した爆撃をしてから地上侵攻するようになりましたね。』『誘導爆弾などとほざいとるが、実際は
無差別爆撃じゃよ。公表されるのはたまさかうまく的中したものだけ、あとは周辺にボコボコ落ちとるわい。
ユーゴもアフガンもそうじゃ。あんなやり方をしとるから世界からそっぽを向かれるんじゃ。』『たしかに・・』
『では戦略の良い例も出そう。第二次大戦、北欧戦線じゃ。』『中欧やロシア戦線とちがって、あまり注目されない
戦線ですね。』『それもそのはず、米ソがその潜在実力に恐れをなして意図的に隠蔽しておるのじゃ。スカンジナビア
半島は戦略的にも攻めにくく守りやすい。そう、半島全体が巨大な自然の要害なのじゃ。くわえて兵の質もある。』
『兵の・・質?』『北欧諸国は民の国防意識が高く、全国民をあげて防衛に当たったのじゃ。志願とか徴兵とかいう
レベルのはるか上じゃな。』『いわば義勇兵ですね。たしかに士気は高いでしょうが、訓練されてない兵では・・』
『戦略もそれを補ったのじゃ。最小損失で最大効果。北欧側の戦死者は驚くほど少なく、ソ連併合は阻止しえた。』
『いろんな条件が有利に運んだんですね。』『じゃが最も大切なのは兵の士気じゃ。一兵たりともおろそかにしない・・
これは現代でも北欧やイスラエルなどがそうじゃ。小国はすべてが限られておるからの。それを補うため兵器群も
生存性を第一に独自の進化を遂げておる。』『わかってきました・・勝利定義の明確化と生きる用兵、ですね。』

フォアカード邸宅。チュンチュン・・「ん~・・」「マチルダ、なに読んでるの?」ひょい。「・・あ、ヨーコ。」
「えーと・・『孫子』?」「戦略の勉強をしてたんです。・・質問があるんですけど。」「あたしで答えられることなら。」
「・・勝利って何ですか?」「・・いきなり難しい質問ね。そうね・・そんなものないんじゃないかな?」「・・ない?」
「言いかたをかえると・・それは自分で勝手に設定してるもので、本質的なものじゃない。ただ一面を見て、勝手にそう
納得してるだけ。」「・・勝利は一義的なものじゃない。」「敗北も同じ事。全てを失うことが敗北ならば、敗者はこの世に
存在しないということよ。そんな事はありえない。じっさい、ドイツも日本もいまだ存在してるしね。」「あ・・」
「よく言うよね。『虚を捨てて実を取る』って。これこそ戦略の奥義じゃないかな。これならたとえ表面的には負けても
内実はぜんぜん逆。むかしにいいこと言った人がいたね。『うまく負ける』って。」「うまく・・負ける・・」

数日後、オクタゴン頭取室。『たのもー。』ぱっ。「あらマチルダいらっしゃい。」『勝負ねがいます。』「いいわよ。
アネット、シミュレーションの準備を。」「わかりました。」「で、何か勝算でもできた?」『いーえ、今回は純粋に闘いを
楽しみに来たの。勝敗はどうでもいいわ。』ぴくっ。「・・マチルダ、あなた・・」『さて、楽しみましょうか。』

『第三ユニット後退。』「ろくに戦ってないのにもう逃げるの?ならお言葉にあまえて追撃させてもらうわよ。
第八で敵第三を追撃開始。」『第五、敵第三の背後より攻撃。第七は左側面より。第三は転進して再度攻撃。』
「なっ?!伏兵がいたの!・・第一部隊、救援に急行。」『第五、戦闘離脱し転進、敵第一要撃体勢を整える。』
「距離が遠いからのんびり準備してるわね。でも第一と第五の戦力差は3倍。援軍は第八で押さえられてるから
望めないわよ。」『・・第一、敵第八の背後より攻撃。』「なあっ!いつの間に敵本隊があんな近いところに!」
『最初からずっとそこにいましたよ。気づかなかっただけです。』「・・まさか本陣がすぐ目の前にあったなんて。
こんな戦術聞いたことないわよ。」『第三戦線到達。包囲攻撃開始。』「・・これまでね。降服するわ。」どさっ。
『ふう・・いつバレるか冷や汗ものだったけどね。』「敵本陣は最深部にあり・・これが定石。でも考えてみれば
定石なんて誰が決めたものでもないわね。」『定義とは自分自身の定義にほかならない。ならばその枠を踏み越えれば
新たな視界が広がるね。』ぽん。「お見事!まさにそれが戦略の奥義のひとつよ。」『ありあたんしたー!』ぷつっ。
「アネット、どうだった?」「いままでの中で最高の試合でした。ここまでくると芸術の域に達してますね。」
「ええ。マチルダもやるようになったわ。そのうち私も窓際かな~。」「そうなったらグループ自体つぶれてますって。」

しかし・・パチン。「げえっ?!クレオそれちょっと待って!」「だめだめ。三度も待ってあげたじゃない。」ぱたぱた。
「え~ん。なんでクレオはあたしの予想しない手ばっかし打つのよ~。」「いくらシミュレーションしてもムダムダ。
マチルダに読まれるほどあまい手は打たないって。」「こんなムチャクチャな手でどうしてクレオは勝てるんだよ~!」
「あらあら、また負けそうね。」「マチルダは数百手先でも読めるはずなのにね。」「無理もないわ。だってクレオは
将棋の定石なんか知らないもの。駒の動かし方と勝利条件おぼえただけだし。」「クレオの知能訓練にいいかもと
ナディアとあたしが教えたんだけどね・・あそこまでやるとは恐れ入ったわ。」「そういやマリアは一度もクレオと
将棋したことないわね。」「逃げてるのよ。カンだけで勝つクレオとやったら、アイデンティティ崩壊しそうだから。」
「でも・・ナディアさ~。将棋盤と駒はともかく、浴衣に縁台にウチワ、ブタさん線香までどっから・・(^^;;」
「う~ん、やっぱ焼きトウモロコシかスイカも付けるべきだったわ。」「ここいちおうリビングなんですけど・・」
「う~・・こうだ!」パチン!「詰み♪」パチン!「うがああああーっ!なんで勝てないのよ~!」バーン!
「あ、やば。」さっ、ピッピッピッ♪「・・管理室?・・あ、やっぱし。すぐに緊急冷却装置を。・・よろしく。」ピッ♪
「なに?シルビア。」「本社のマチルダ本体管理室。予想どおり温度が上昇してたわ。あやうく落ちるとこだった。」

みなさんお待ちかね!女帝とフォアカードは再び来日。
ドモンの刀に秘められたドラマ、そして始まる海辺の決闘!
ヨーコの渾心の一撃がゴッドフィンガーを砕く!
次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第41話
「サムライ日本!八号台場の決闘」に、レディー、ゴーッ!

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第41話「サムライ日本!八号台場の決闘」

羽田国際空港。キュィィーン・・パシュ。「ん~、やっと着いた。」「SSTでもニューヨークから六時間。日本は遠いね。」
「おやっさんもひさびさの祖国でしょ?」「もう5年も戻ってませんでした。ま、戻る気もなかったですけどね。」
「わ~、ここがサムライとニンジャとヒッサツの国、日本ね!」「ちょっと待て!ナディア、マチルダに何見せたの?」
「参考にと思って、私のライブラリーフィルム。」「全部チャンバラと必殺でしょーが!アメリカ行くのに西部劇で
教えるのと同じよ。」「あれれ?なんでみんなチョンマゲとカブキじゃないの?」きょろきょろ。「・・手遅れみたいよ。」
「ボンドの方がよかったかな?」「それだって充分古いわよ。」「さて、さっさと名出屋城のペントハウスに荷物置いて
あちこち行こ。仕事は夕方からだったよね。」「そうですけど・・クレオは時差ボケ知らずね。」「それが取り得でしょ。」

銀座三越前会場。ガキーン!ズバーン!「お~、やってるやってる!」「わ~!モノホンのガンダムファイトだ!」
「マンダラ対ルンピニーね。」「あっ、座頭市ガンダム!」「ありゃマンダラ。たしかに似てるけど・・」「じゃ、あっちの
黒子みたいなのは?」「レフェリーのハイマスターガンダム。・・でもあれで紅白の旗もたせたらホント黒子よね。」
ドン!ダッ!『おおっ!』ズガアアアーン!・・ドドーン!『勝負あり!マンダラガンダム!』ワアアアーッ!
『おお~っ!』パチパチパチ!「やっぱTVで観るのとは段違いね!」「さすがはキラルさん、剣がまた冴えたわね。」
「足なんか飾りだってえのはホントだね。社長、ジャッジメントああいう風にしてみませんかね?」「やだ。」
「さ、今日の試合はおしまい。私たちはこれから少数民族連合で会議があるけど、事務的な話だからヨーコたち技術屋は
別行動してもいいわよ。」「そだね。じゃ、あちこちまわってみようか、おやっさん。」「いいですぜ。」「あたしもー!」
「マチルダも?」「そうね、マチルダはいろいろもの珍しいだろうし、いいんじゃない?」「おっけい。一緒に行こう。」

「Atelier de Marie」。カラーン♪「こんちは。」「いらっしゃいま・・ヨーコさん!いつ日本へ来られたんですか?」
「ついさっき。ザルツブルグ以来ね。こないだの来日では来るヒマなかったけど。」「ういっす。」「こんにちはー。」
「紹介するよ。こっちがうちの技術長、そして秘書のマチルダ。こちらが天才エンジニアのマルローネよ。」
「はじめまして。お噂はかねがね。」「・・ほう、こりゃあすげえ。」『え?』「あんたの手さ。こんな精巧な芸術品は
はじめて見たぜ。この手ならあの品質もわからあ。」「ふふっ、おやっさんらしい挨拶だね。」「・・ヨーコさん、
マルローネさんは手だけじゃありません。」「なに?マチルダ。」「マルローネさんはいかなる人種にも該当しません。
あたしは全世界の民族的特徴を検索できますが・・そのどれとも適合しないんです。」「さすがはサイバノイドね。」
『サイバノイド?』「アンドロイドは独立個体、サイボーグは論外だし、かといってレプリカントともいえないわ。
残るは電脳人類・・サイバノイドと呼ぶしかないでしょ?」「ほう・・」「ひと目でマチルダの本質を見抜くなんて・・」
「ぶしつけですが、あなたはいったい誰なんです?」「あたし?あたしはマルローネ。それ以外の何者でもないわ。」
「・・ない?!ネットのどこにもマルローネさんの記録がない!」「んな簡単に見つかるわけないって。だいたい
捜すところがちがうって。」「・・どこなんです?」「あなたの知らない世界・・なーんてね。」「こりゃクセ者だぜ。」
「あう~!あたしに検索できないことがあるなんてショック~!」「世の中広いってこと。人生勉強しなさいね♪」
「まあいいじゃん。マルローネはこうしてここにいるんだから。」「そういうアバウトなヨーコさんが大好きよ。」
「ときにガンダムを作ってると聞いたが、見せてくれねえか?」「いいですよ。先客いますけど。」「先客?」

ゴォォォ・・「あう~!またあたしの解析できない空間が~!」「かなりデカルチャしてるマチルダはほっといて、
あれがガンダム工房ね。」「たしかに先客がいやすぜ。」カチャカチャ。「あれ?・・あれはまさか。」「ん?・・ヨーコ?」
カシャ。「ヘッド?!なんでここに?」「ゴッドのパーツ合わせにね。また日本に来たの?」「いろいろ忙しくてね。
紹介するわ、こちら・・」「・・ああ、昨年の技術セミナーで!」「憶えていてくれやしたか、あの講演。」「はい。
『人とマシンの交流』・・感銘いたしましたので、よく憶えています。」「で、あれがその結晶、マチルダよ。」ひょい。
『なんでこんな空間が存在するの~!』「え・・人間にしか見えない?!あなたたち、スゴイもの作ったのね・・」
「ちょっと今は世界の広さを身に染みて感じてるとこだけどね。」『プラズマよ、これはプラズマで説明できるの~!』
「新パーツの具合はどうです?」「さすがマルローネ、微調整の必要もないくらいピッタリよ。」「バッチリですね。」
「ほう・・これがゴッド!確かに傑作だ・・今は亡きミカムラ博士の遺作か・・」「えっ?・・父をご存知ですか?」
「あの方はマン=マシンインターフェイスの権威だった。あっしも何度か教えを乞うたことがありやす。あの事件さえ
なければ・・惜しい方を亡くしたもんだ。」「あたしも就職してからお会いしたわ・・とてもいい方だったのにね。」
「カッシュ博士が改良したと聞きやしたが、ほとんどオリジナルに手を加えていやせんね。」「はい。おじさまも
親友の形見をあまりいじりたくないと言って、最小限の改良ですませたんです。」「いいキカイだぜ・・これを見ると
あの方の心情がわかりますぜ。おそらく・・自分のやったことに罪の意識があったんでやしょう。ならばこそ、せめて
ガンダムだけは最高のものを渡してやりたい。それが少しでも自分のできる償い・・こいつからそう感じやす。」

「レイン、どうだ?」「ドモンさん。自主トレ終わりましたか?」「ああ。あのゴーレムは手ごたえあっていい・・
おっと、他の客もいたか。」「ドモンさん。おひさ~。」「ああ、レインのマブダチの・・ん?」カタカタ・・「・・あれ?」
カタカタ・・「俺の刀が反応してる・・?」「あたしの子供たちも・・」「ドモンの刀とヨーコの木刀が・・共鳴してる?」
はっ!「こ、こりゃあ・・ドモンさん、その刀、見せてくれねえか?」「ん?いいけど・・」「これは・・まさか!」
「おやっさん、何か知ってる?」「・・老師の指導であっしが打った刀・・ちょいと柄を外してみていいですかい?」
「銘を見るんだな。いいぜ。」「すまねえ・・」コン。クイ、スウ・・「やっぱり!これはあっしの打った『斬れずの太刀』!」
「えっ?!」「おやっさんが?!」「この刀をどこで?」「その刀はシュバルツ・・いや、兄さんからもらった刀。
最初から錆びてたが、大木をも真っ二つにできた不思議な刀だ。」「そうでやしたか・・この刀は刃で斬る刀じゃない。
ふさわしくない者にはナマクラだが、ふさわしい者が使うと信じられないくらいよく斬れる・・そして所有者を
鍛えてくれる・・そう教えられて打ちやした。」「その通りだ・・俺はその刀のおかげで強くなれた。じいさんの打った
刀だったのか・・その刀、返してもいいが。」「それには及びやせん。キング・オブ・ハートが使ってくれてるとなれば、
作者として本懐でさ。大事にしてやってくださいや。」チャッ。「預からせてもらう。作者に会えて、俺もうれしい。」
「それで子供たちが反応したのね・・」くるっ。「ヨーコ・・一手お手合せ願えないか。この刀が闘いたがっている、
その木刀と。」「ドモン!なんてこと・・」スッ。「・・ヨーコ?まさか!」「いいね・・あたしもあんたとは闘って
みたかった・・ガンダムを使う?」「持っているのか・・よし、ファイトだ。レイン、実行委員会に上申してくれ。」
「そんなの許可されるわけないじゃない。」「いいえ、方法はあります。」「マチルダ?」「ガンダムファイト国際条約
補則第12項・練習試合の規定。両者合意のもとならば、委員会の定める条件を満たした場での公式練習試合を許可する。」
「そんな条項あったの?」「委員会への申請をきちんとすれば何も問題はありません。」「それでいこう。」「委員会には
あたしのほうがコネあるからこっちで手続きするわ。マチルダ、必要書類をそろえて。」「ただちに始めます。」

名出屋城。『ええっ?!』「キング・オブ・ハートと練習試合だって?」「ヨーコ、無断でなんてことするのよ!」
「止めてもムダだよ。あたしはやりたい。」「クレオ、そんなの認めないわよね。」「いいんじゃない?」『ええっ?』
「今回の来日はアルカナの集結ポイントをここに定めたことで、司令塔たる私たちが常駐するためということは
おぼえてるよね。」「この名出屋城もそのためにニューヨーク本社以上の機能を持たせて建造しましたからね。」
「敵はネオナチス、いえ、その黒幕であろう破壊神・幽音のデビル軍団よ。死闘は必至でしょう。」『・・』ゴク・・
「だから私たちもある程度は闘えるようにならないと、これからは苦しくなる。そのことはみんなわかってるわね。」
「それはそうですが・・」「ナディア、練習試合の規定が今まで適用されなかった理由は?」「サバイバルイレブンでは
会えばファイトなので必要がなかったから。また決勝リーグに入っても、ローテーションが短くガンダムの整備で
手いっぱいで、有名無実化してたのが現実です。」「ならば使ってあげましょう。せっかく追加された新規定だし。
マチルダ、書類を。」「はーい。」バサッ。「マリア、総師さまのところに行くわよ。」「もう、強引なんだから・・」

ガンダム長屋。プルルル♪「あ、ケータイだ・・はい、レインです。・・ヨーコ?・・許可が下りたの?・・はい、
ゴッドの運用費はそちらで?それは願ってもないけど・・はい、七時に第三会場ね。わかった・・じゃ。」ピッ♪
「ドモン、聞いたとおりよ。」「わかった。では五時半に出よう。」「・・ドモン、気をつけて。ヨーコの刀、ただの
木刀じゃないわ。」「わかってる・・俺の刀と同質の気を感じる。」「昔ヨーコはあの木刀でダンプを一撃で破壊したわ・・」

名出屋城地下。キューン!ガガガ・・「いつの間にガンダムドックなんて・・」「本来は駐車場にするつもりだったけど、
ネオジャパン政府がエコ・シティ宣言しちゃったから遊んでたのを急いで大改装したの。ちょうどここをアルカナの
集結地にしたことだし、ドックは必要でしょ。」「おやっさんを伴ったのは整備面のサポートのためでもあるわけ。」
「社長、ジャッジメントは順調ですぜ。」「空輸でのガタが少なくてよかったわ。」「ガウ空爆を二機も調達して輸送
したんだもの。着地で痛んだ厚木の滑走路の修繕費まで出して、これで壊れてたらシャレにならないわよ。」

「Atelier de Marie」。「というわけだけど、中継ないけどどうする?」『それはぜひ観たいわね。マリー、なんとか
できないかしら。』「まあ、やれというならやるつもりだったし。よいしょ。」ひょい。『やる気まんまんじゃない。
お手製カメラまで準備して。』「実況もやるからちゃんと枠を空けといてね。」『TV局への手配はバッチリよ。じゃ、
映像を待ってるわ。』「おまかせ、ミュー。放送料はいつものように口座に振り込んどいて。」『おっけい。』ピッ♪
「さってと、独占中継といきますか。とその前に・・」ピッピッピ♪「あ、オーナー?そう。お願いひとつ。」

八号台場・第三会場。ザザァ・・「いい夕日だね・・さて。」くるっ。「来たわよ。」ザッ。ヒュゥゥゥ・・「来た。」
「レイン、サポートクレーンに。」「アマチュアだと思って手を・・いえ、無用の心配ね。手加減なんて器用なこと
ドモンにできるわけないし。」「ふっ、わかってるじゃないか。」「おもいっきりぶちのめしちゃって。」「そのつもりだ。」
「ヨーコ、ジャッジメントに乗って。」「ちょい待ち。その前にやることがある。」ザッザッ・・「あ、ヨーコ!」
「闘う者の礼儀でさ。いわば相撲の仕切りだな。」「ん?・・ほう、いいだろう。レイン、コールド・スタートでいくぞ。」
『ひさびさね。準備しておくわ。』ザッザッ・・「ドモンさんも?」「さすがだぜ。ちゃんとわかるんだねえ・・」
ザッザッ・・ザッ。ヒュゥゥゥ・・「この時をずっと夢見てた・・キング・オブ・ハートと対峙する日を。」ゴゴゴゴ・・
「いい気だ・・剣をかなりやると聞いてはいたが。」ゴォォォ・・ザパーン!『ガンダアアアームッ!』パチン!
ギン!ドドドド!『はあっ!』ターン!・・スパッ!ギュルルルル・・ビシイッ!「おおおーっ!」「はあああーっ!」
『ガンダムファイト!レディー、ゴー!』ドン!「ちぇすとおおおーっ!」「ゴッドスラッシュ!」ガキイイーン!
ビリビリビリ!「うおっ!・・何て重い一撃だ。ならば!」ドンッ!ガキイイイーン!「くうっ!・・さすが!」
『おおりゃああーっ!』ガキイイイーン!バキイイーン!「・・ヨーコがドモンと互角以上に闘ってる!」『はあっ!』
バキイイイーン!「ヴァールカンっ!」ブオオオオーッ!「はいはいはいはいっ!」キキキキン!パラパラ・・
「ラスト・ジャッジメント!」ドオンッ!「なんとおっ!」ガキイイイーン!グン!「なにっ?!」ドバアアアアーン!
「うおおおおーっ!」ズガガガガーッ!シュゥゥ・・「ふう・・なんて剣圧だ。俺がここまで押されるとは。はあっ!」
「なんのおっ!」ガキイイイーン!オォォォ・・「楽しいかい、『最後の審判』。あたしも最高に楽しいさ!」カッ!
「こっ、こりゃすげえ・・双方ともすさまじい気迫だ!」「これが真剣勝負・・魂まで震えるような・・」ガクガク・・
「・・何だかこっちまで熱くなってきた・・」「やはり・・本物が最高・・」「まさに二人は・・サムライ・・」

『おりゃあっ!』ガギーン!ギギギギ!「これほどの腕が野に埋もれていたとは!」「最高の相手だよ、あんたは!」
「では、俺も全力を出させてもらう!」バン!「鍔ぜりあいからブレイクした!」「・・くるか!」「はぁああっ!」
ビーン!『ゴッドがハイパーモード!』「ヨーコを認めたんだわ!」「吼えろ最後の審判!」オォォォーッ!ビーン!
「ジャッジメントも!」「できるとはな・・おもしろい!」「さあ、やろうか!」「おおっ!俺のこの手が真っ赤に燃える!」
ジャキッ!「勝利をつかめと、轟き叫ぶぅ!」ギン!「ぶぁーくねつ!ゴッドォ、フィンガァァァーッ!」ドオンッ!
ゴオオオオーッ!「砕け!ファイナル・ジャッジメント!」ズドオオオオーン!バシイイイイーン!『うわっ!』
「こっ!こりゃあすさまじいエネルギーの激突だ!」「エネルギー計測不能!これは・・戦術核以上です!」ガガガガ!
『うおおおおーっ!』ギギギギ・・「・・うりゃああああーっ!」グググッ、バキイイイーン!「ぐうっ!」『おおっ!』
「ゴッドフィンガーが・・砕け散った!」「勝った?」「いや、まだだ!」ギン!「肉を切らせて骨を断つ!」カアッ!
「はっ?!しまった!」ゴオッ!「ゴッドエクリプス!」ドバアアアアーン!「うわあああーっ!」ズダダーン!
ゴォォォ・・「左の・・エクリプス!」「右手を捨ててカウンターに賭けたのね・・さすがはキング・オブ・ハート!」

パシュ、スタッ。タタタタ・・「おい、生きてるか?」コンコン。『死んだ~。』「だいじょうぶみたいだな。」パシュ。
「・・まだ寝てるのか?」「余韻に浸ってるの・・生まれてはじめての最高の勝負に。」「「俺のゴッドフィンガーを
砕いたのは、ヨーコで二人めだ。自慢していいぞ。」「・・あの一瞬は一生忘れない。」「ああ・・俺も満足だ。」

「ふ~、いい試合だった・・これで中継を終わります。」ピロロロ♪「はいもしもーし・・ミュー?どうだった?・・
おっけい。あたしの情報によれば女帝とフォアカードはみんな試合予定があるらしいけど・・あ、やっぱし欲しい?
んじゃまた中継するから。・・はい、はい。」ピッ♪「あたしゃ報道屋じゃないんだけどね・・ま、観戦がてらかな。」

みなさんお待ちかね!半蔵にファイトを申し込むナディア!
廃虚の半蔵門に、闇の戦士たちの闘志が激突する!
勝つのは忍者か仕置人か?
次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第42話
「暗闘!影の戦士たち」に、レディー、ゴーッ!


第一部 第41話~第48話

第42話「暗闘!影の戦士たち」

 

ガンダム長屋・服部家。ガラガラ。「ごめんください。」「はーい・・あら、たしかフォアカードのナディアさん?」

「はい。ご主人おられます?少々お話があるんですが・・」「あ、はい。・・あなた、ナディアさんですよ。」

『む?あまり面識はないが・・』すっ。「半蔵だが、何用でござる?」「・・ひさしぶりね。一年前のコルシカ以来かしら?」

「む?なんの・・」・・はっ!「お!お前は!」「・・あっ!まさかあなたは!」「やっと思い出してくれたみたいね。」

「憶えているわ・・あの悪夢の光景。」「ちょっと調子に乗り過ぎて、殺しすぎたかしら?」「いや・・あのファミリーは

ああなって当然のことをしていた・・責めるつもりはない。しかし・・一人で150人を・・」「私たちも抹殺の任を

うけて潜入したけど・・着いたときにはあなたがほとんど片づけていたわね・・」「あの光景・・ドンの背後に影のよう

に現れ、延髄に針の一刺し・・恐ろしく、美しい姿だった・・」「でも、あの直後、生き残りのギャングが私の後ろから

撃とうとして、それを半蔵さんの手裏剣が倒してくれた。だから私はまだ生きている。私にとっては恩人よ・・」

 

「お茶をどうぞ。」コトン。「どうも。」スス・・「・・やっぱり日本茶が最高ね。」「で・・何用か。あいさつだけとは

思えんが・・」「・・実はね、お手合せ願いたいの。はっきりいうと、私とガンダムファイトしてほしいの。」

『ファイト?』「ナイトメアのセリフとも思えんが・・」「そっちじゃないわ。フォアカード「悪魔」のナディアとして

お願いしてるの。」「理由を聞かせてもらおうか。なにゆえ直接闘うことのないフォアカードが闘いたがるのか。」

「・・先日、「審判」がゴッドと練習試合したのは知ってるよね?」「ああ・・激戦だったそうだな。ゴッドフィンガーが

砕かれたらしいが・・」「それよ。あの瞬間、私たちは変質した。心に武闘家としての火がついた・・と言えば

笑うかしら?」「・・いや。拙者も同じ経験がある。前回大会の激闘、そしてデビルガンダムとの超ガンダムファイト。

魂が沸騰したわ。そして、今大会開催の報せを聞いて、拙者は職を辞して旧知のネオサンマリノの代表となった。

無性にガンダムファイトがしたくなったのだ。勝敗はどうでもいい。おのが技量をもって世界の強者と闘いたい・・

ただそれだけだった。」「・・私の言いたいこと、全部言ってくれたわね。」「よくわかった。拙者はお受けしてもよい。・・

ただ・・」「『女帝』と実行員会の承認は得ているわ。」「ならばよかろう。拙者が初陣の相手に選ばれたのは光栄のかぎり。

存分にお相手いたそうぞ。」「よろしく。・・時刻は今夜零時、場所は山手線内無人地区、旧半蔵門前廃墟・・」

「了解した。ではそのときに。」「それでお礼といっちゃなんだけど、コーガ用のオプション装備を進呈したいんです。」

「オプションですか?」「飛行ユニットですが。」『おお~。』「太っ腹でござるな。」「いえ、そんなに高くないけどね。

近くの店に頼んであるからいっしょに取りに来てください。」「うむ。・・近くの店?」「そんな店ありましたっけ?」

 

「Atelier de Marie」。カラーン♪「いらっしゃいませ~。へえ、オーナーと半蔵さんとは珍しい組み合わせですね。」

「むう・・ここがウワサの錬金術師の店か。」「マルローネ、頼んでおいたものできてる?」「できてますよ。簡単だったし。」

「?・・飛行ユニットが簡単とは?」「どっこいしょ。」どさっ!「・・これだけか?」「圧縮してますから。こっちが

使用説明書。」ぺらっ。「??」「だから安いっていったでしょ。」「ステルス性能がピカイチなのは保証しますよ。」

 

そのころ、衛星タイタン首都・アガルタ。星自体が巨大な監獄であるタイタンの外界への唯一の窓口である。

官憲の街なので治安は良好のはずだが、実際は汚職とワイロの横行で非合法組織の巣窟となっており、平穏そうな

外見とは裏腹に、影では暗闘・死闘が日常茶飯事となっている・・ズバアッ!「ぐわっ!」バキイッ!「おごっ!」

どさどさっ。「ちっ、またチンピラか。」「どうやらよい話は期待できんのう。地道に探すしか・・?!」ばっ!

ゴゴゴゴ・・「やっと見つけたぞ・・世界と愚者。」「フハハハハ。主よ感謝いたします。」「3対2はちょっちヒキョー?

あ、そのオオカミも勘定すりゃいーか。」ガルルル・・「三人・・けど。」「・・こやつら、人ではない。」ニイッ。

「よくわかったな。」「わが主の聖なる生贄になるがよい。」シャリン!「あいさつ抜きだけど、いいよね。おぼえても

すぐにいらなくなるし。」ぬうっ。「!・・なんてえ銃だい。」「全長3mはあるのう。まるで槍じゃ。」「婦警、撃て。」「Ya!」

ズドオオオーン!『おっと!』ババッ!ゴオッ!・・ドカアアアーン!ザシャッ!「手持ちのバスターランチャーかい!」

「巨銃アトレイデス。ガンダムだって一撃で葬れるわ。」「当たれば、じゃよ。」「そのとおりだ。・・あとはまかせろ。」

ヒュバッ!・・ザッザッ・・ザザザザッ!「シイッ!」シュバババッ!「当たるかい。」すっ・・トカカカカッ!

チャキッ。「そこだ。」ドオンッ!「よっと。」くい、チュィーン!「ほう、これを避けるか・・さすが世界。」

「銃弾くらいじゃあたしは捕らえられないよ。そして!」フッ・・ばっ!「え?」「大砲ねーちゃん、もらったよ!」

シャッ!「うわわっ!」さっ、カィーン!「?!・・この反応速度は!シクルゥ!」ゴルルル!シャッ!「うりゃっ!」

ブン!バシイイーン!キャイン!「なっ?!・・大砲をあんなに軽く振り回すなんて!」「あっぶなかった~。」

 

「シイッ!」ゴオッ!「ほっ、銃剣とは味な得物を使うの。」すっ、ぴたぴたっ!「なに?!・・指ではさんで止めた!」

「ほれ。」くい、パキーン!「!」「もらうぞい!」ドン!すっ、パシイッ!「ぬっ?」「なんじゃと?」シュゥゥ・・

「神父、私に殺らせろ。」「ちっ・・」ぐいっ、メキメキ・・「くっ!・・このパワーは!」「ご老体、そろそろ逝くか?・・

む?!」ババッ!「このヤロウ!」ゴッ!ズバアアアーンッ!・・ボトッ!ささっ。「ひゅう、サンクスじゃ。」

「腕を切られたか・・」ドロッ、グニュ~・・ズズズズ。「なにっ?」「なんと!腕が奇怪な生き物に変形?!」

ズルルルッ、ぴょん。ドロッ、ビチャッ!・・シュン。わきわき。「腕に戻った・・まさか自己再生と増殖?!」

「じゃがDG反応がない・・なぜじゃ。」「ちがうな。我らは『ヘル・シング』。」「地獄から来たもの?・・」タラ・・

「殺るぞ。」チャッ。「シイッ!」「Ya!」ドオンッ!シュバババッ!ズドオオオーン!ドカカカカッ!ズドドドドーッ!

「なんだ、意外とカンタンだったね。」チャッ。「しょせんアルカナもこの程度か。」「・・いや、まだまだ遊べそうだ。」

『なに?』ばっ!ゴォォォ・・「・・いない?!」「逃げられただと?」「不利とみて退却か。あざやかな引き際だ。」

「なるほど・・まだ楽しめるってことね。」「フハハハ、強い敵こそ主への最高の供物だ。」「最高の獲物だな。」ニイッ。

 

少し離れたビルの上・・「世界と愚者を退けましたね。」「一応の戦果ね。逃がしたのはまあしょうがないか。」

「行方をつきとめますか?」「その必要はないでしょう。いずれ重要拠点に姿を見せるわ。ところで・・」くるっ。

「ご感想は?エルフィール・クロウリー。」「さすがはDG細胞研究の権威、Dr.ハインケルの作品というところね。

でも完全体が一つだけで、あとの二人は三大理論が不完全というのはちょっとつらいかな。」「あの二人は死体に

処置を施して蘇生させた基礎試験体だ。それでもあれだけの能力を出せる。」「でも『ヘル・シング』細胞はまだまだ

不安定なんでしょ。適合する人体を探すなんてことも現実は難しい。ならば現行のDG細胞で生体を使うのが実際的よ。」

「たしかにね・・まあ、それぞれの道を歩みましょう。」「でもヘルファイター改良の参考にはなったわ。ありがと。」

「いいわ、こちらも貴重な実戦データがとれたから・・ねえ、『自己進化』を強化したヘルファイターを開発してるって

聞いたけど。」「まだ形にもなってないわ。そちらと同じく、まだまだかかるってこと。」「自己進化の強化?・・!」

ぴくっ。「五人・・武装してます。」・・ザザッ。「察するところ、十傑集の手先かしら。」『錬金術師エルフィール。

第三帝国を私物化せんとする企み、ここで潰える。』「由美子、帰ろ。まきぞえはごめんだわ。」「同感ですね。」

ジャキジャキッ!「あら。」「もうまきこまれたみたいでしたね・・どうします?」「エリー、火の粉は払っていい?」

「聞くまでもないでしょ。」「だろうね。・・お願い、『由美江』。」「・・おっけい。」ギラッ!『?!・・ぐはあっ!』

バゴオッ!『がはっ!』ブシャアッ!「あららら・・あっという間に。」ドサドサッ!『な・・なにが?』ググッ・・

「さすがは『由美江』ね。」『由美江?・・ぐうっ!』メリメリメリ・・ブギイッ!「・・ふう、おしまい。」すっ。

「『由美江』・・ウワサには聞いてたけど、すごいものね。」「エリーさんには見えましたか?」「ちょっとだけね・・

背後霊とでもいうのかしら。」「いいえ、もう一人の私です。性格はちょっと過激で残虐ですけどね。」にこっ。

 

「なんとか振り切ったようじゃの。」「ふう、なんちゅう連中だ。シクルゥも打ち身程度でよく済んだよ。」オン。

「じゃがあの再生能力・・いや、あやつは全身が生きておる。」「物体Xかよ・・デビルガンダムみたいなやつだね。」

「そこじゃ。あれは間違いなくDG細胞の系列のはず、なのになぜDG反応を感じなかったか・・」「・・あのさ、

DGには自己進化というのがあるよね。それってDG反応をなくす進化ってのもあるんじゃ?」「・・ありえるの。

そしてそれでもっと恐ろしい可能性を思いついたぞい・・」「・・DG細胞は人間体にも進化しうる。」「うむ・・」

 

その夜、半蔵門前廃墟。ヒュゥゥ・・「夜風が気持ちいいわ・・これぞ闇に生きる者の特権ね。」・・ぴくっ。

「来たわね。」ゴォォォ・・ヒュッ、ザシャアッ!『コーガガンダムただいま参上。』パシュ、タン!・・すたっ。

「飛行ユニット『影凧』の調子は上々のようですね。」「うむ。まさか巨大凧とは思わなかったが、なかなか良い。

なにより静粛性とステルス性が完璧でござる。」「気に入ってもらえて嬉しいわ。」「ときに貴殿のガンダムは?」

「あら、見えない?」くい。「なに?・・むうっ!」ズォォォ・・「光学迷彩・・しかもなんという隠蔽度か。」

「暗殺仕様だもの、たとえ隣にあっても気づかれないほどのステルス性は基本よ。では・・」「やろうか!」

ターン!・・スパッ!ギュルルル・・ギシイッ!「はぁぁぁ・・」スゥゥゥ・・「臨兵闘者皆陣烈在前!」

『ガンダムファイト!レディー、ゴー!』「猿舞!」ボン!「消えた・・どこ?」・・パッ。「もらう!」ズバアッ!

ボシュッ・・「むっ?変わり身か!」『いつまでもボケっと立ってるもんですか。では我らにふさわしく静かに・・』

「よかろう。それこそ我らが世界だ。むん!」ボッ。・・シュッ。キーン!カカカッ・・カキーン!・・

 

クレオたちは少し離れて各ガンダムでモニターしている。「マリア、ナイトメアの戦況は?」「それがまったく不明。

各種センサーとスパイ衛星まで駆使してるけど、なにも感知できないわ。」「シルビアは?」「いまマチルダが思いついて

ナイトメアのサポートAIの位置をGPSで検索中よ。」「出ました。マップに投影します。」ぱっ。「うわ・・速い。」

「この複雑な地形をよくもまああれだけ素早く動けるものね。生身だって骨が折れるのに。」「・・ヨーコ、ナディアは

もしかして彼女自身かなりのプロフェッショナルなの?」「そりゃあ情報局長でもあるし、それなりに能力はあっても

不思議じゃないでしょ。」「そういう意味じゃなくて、シュミと仕事が一致してるんじゃないかってことだけど。」

「まさか~。いくら何でも殺し屋ってことはないでしょ。考えすぎ。時代劇ヲタクがちょっと嵩じてるだけだって。」

「そうかしら・・」「ナディアは私たちの中でも一番遅く合流したっけね、たしか。」「あれ?そうだったの?」

「クレオはまだそのときはいなかったか。」「前会長がどこからかつれてきたのよね。経緯も経歴も知らないけど。」

「んなもんどうでもいいじゃん。あたしゃ知りたいとも思わない。大事なのは過去じゃなくて今のナディアだから・・」

 

『はあっ!』キィン!がしっ!「えっ?」ダーン!・・「モズ落とし!」「しまった!」ヒューン・・ズドオオオーン!

シュタッ。「決まったはず・・むっ?」・・ググッ。「あいた~、秘孔打ちは間に合ったけど、コブになったわ。」

「・・そうか。肉体を瞬時に鋼鉄と化す秘孔があったな。」「その通りよ。そしてこんな秘孔もね。」ドスッ。ギーン!

「なんと?ハイパーモードだと!」ググッ・・ギシイッ!シュッ・・「消えた?・・はっ?!」・・ボオッ!ゴオッ!

ドギュッ!「ぐはっ!・・なんという速さ・・」ゴキゴキッ!「制御中枢破壊完了・・えっ?!」ガラガラ・・

「廃ビルの鉄筋?!・・変わり身!」『ここでござる。』はっ。・・ぎょっ!「・・ナイトメアの肩で倒立?!」

「封じ手、毒龍!」ぽろぽろっ、ビシビシビシッ!「磁力吸着爆雷?しまった!」カッ!・・ズドドドーン!

ヒュルッ、スタッ。「化かし合いなら拙者のほうが一枚上手でござる・・さらに精進されよ。」ズズーン!・・

 

パシュ。「ナディア、生きてる?」「あたた・・なんとか。」「ナイトメアはズタボロだね~。ま、整備ドックがあるから

なんとかしましょう。」「あ~あ、負けちゃったか・・ま、いいや。楽しかったし。」ぽん、ズキッ!「あいたたた!」

「あらあら、でっかいコブ。湿布あるけど?」「いいわ・・バイアン。」キラッ、ぷす。ドロッ・・「ティッシュある?」

「ほれ。」ぽさっ。「そんなことしたら悪化するわよ。」「マルローネの傷薬をつけときゃ数秒で直るからだいじょうぶ。」

「なかなか楽しい勝負でござった。さすがはナイ」がばっ!『ムゴムゴ!』「半蔵さん、レディーのコクピットを覗くの

エチケットに反してるって。あとでちゃんとあいさつさせるからひとますバック。」ずるずる。(さんきゅ、ヨーコ。)

 

名出屋城、ナディアの私室。「ふう、いい汗かいた・・ん?」チカチカ。「メール着信?」ピッ♪「世界から・・?!」

ピピピッ♪・・ぱっ。『局長?そちらは深夜でしょうに。』「部長、すぐにDG細胞に関するあらゆる情報を集めて。

特に開発に関わった者のリストと経歴と現状を。」『了解しました。でも急になぜです?』「その中に必ずDG細胞に

手を加えた人物がいる。そう、全てを知ってる者しかこんなことはできない・・デビルガンダムの人間体なんて。」

 

翌日。『リストができました。』「・・主任研究者のライゾウ博士は除外ね。博士の助手、Dr.ハインケル・・彼女だけ

現所在が不明ね。」『不確定な情報はありますが、信頼度が低いので載せませんでした。』「いちおう聞いておくわ。」

『木星圏で目撃されたとのことです。』ぴくっ。「木星圏・・ひっかかるわね、そのセンは。」『どういうことです?』

「DG研究にはかなりの設備が必要よ。いまどきそれと知って設備をそろえてくれるのは・・」『ネオナチスなどの

巨大犯罪組織や巨大企業というとこですかね。』「そして木星にはメタンハイドレート採掘の大企業があるわ。」はっ!

『カーン財閥ですか!』「そう、また出たわ。先の神父の件もある・・外惑星大領主カーン卿、いったい何を・・?」

 

木星大気圏上層、都市戦艦『斧』。「インテグラ卿、またお願いがあるんだけど。」「なんなりと、幽音さま。」

「ここで公会議を開催したいんだけどいいかな?」ぎょっ!「公会議ですと!・・闇シャッフルと我ら十二使徒が

一同に会する大会議をここで・・身に余る光栄であります!」「ここならコロニー連合もバベルも目が届かないからね。」

「はっ。して、日取りは?」「そうだね・・一ヶ月後。」「ウォルター。」「かしこまりました。準備に入りましょう。」

 

みなさんお待ちかね!シルビアの標的はナコルル!

電子の魔術に翻弄されるカムイ!魔女のトリックを打ち破れるか?

勝利のカギはサポートクルーだ!

次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第43話

「幻影の車輪!電子の魔女の挑戦」に、レディー、ゴーッ!

 

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第43話「幻影の車輪!電子の魔女の挑戦」

 

ガンダム長屋の朝は早い・・といっても、夜明けと共に起きるのはナコルルだけだが(笑)。チュンチュン・・

「おはよう小鳥さんたち。今日もいい天気ね♪」小鳥に話しかけるのは美少女がやればメルヘンだが、それでも

人目があるとこだと白くない救急車を呼ばれかねないので、良い子はマネしないでね♪「誰かなんか言いました?」

 

ヒュルヒュル・・「ん?・・なに?」ゴオオオッ!「きゃっ!」パシイッ!「ふう・・刀輪?だれ!こんなあぶないもの

投げたのは!」『さすがは『戦車』ね。まあ、傷つけるつもりもなかったけど。』すっ。「あなたは・・フォアカードの。」

「『運命の車輪』のシルビアよ。」「朝も早くからご苦労ですね。」「この時間ならあなたが必ず起きてると聞いてね・・

ま、ちょっと眠いのはたしかね。ふわぁぁ~。」「おかげでこっちはしっかり目が覚めました。で、ご用件は?」

「挑戦状・・と受け取ってちょうだい。私はあなたとファイトがしたい。」「最近、フォアカードが次々とファイターに

練習試合を挑んでいるという噂は聞いてます・・フォアカードはアルカナの指令塔。直接戦うことはない・・伝承では

そうなってますけど?」「時代は変わるわ。今『愚者』がタイタンで『世界』と共に活動しているようにね・・私たちも

ある程度の実力をつけないと、今度の敵とは戦えない・・『女帝』はそう言ってるわ。」「・・わからないでもないです。」

「もっとも、「審判」とキング・オブ・ハートの試合を見てしまったのが引き金ね。あれで私たちは変質した。」

「それが良いことなのかどうかは私にはわかりません。でも、その気持ちは尊重したいです。・・なぜ私ですか?」

「アルカナ最強のファイブカードの一人・・だからかな?」「・・勝てると思ってるんですか?それがわかってて。」

「ナコルルの言葉とも思えないわね。勝敗はどうでもいい、ただ全力で闘えればそれでいい・・あなたの名言よ。」

「・・わかりました。お相手しましょう。」「時間は今夜9時。場所は皇居跡。」「では・・今夜。」ヒュッ。パシッ。

「確かに返答、受け取ったわ。・・ひとつ教えておきましょう。この刀輪が私の武器。対抗策を考えておくことね。」

「いい武器ですね・・少し切れたわ。」ペロッ・・キラッ。「?!・・この雰囲気は!」ぞくうっ!ゴォォォ・・ぽん!

「はっ?!・・ドモンさん?」きょとん。「何か外でものすごい気を感じたので起きてきたが、どうやら正解だったな。

そこのあんた、知らないだろうがナコルルは自分の血を舐めると戦鬼になる。そうなったら俺でも歯止めがきかん。

あと数秒遅かったらズタズタにされてたぞ。」「・・・・じゃ、また。」くるっ。「はい・・また。」ザッザッ・・

 

ピルルル♪ピッ♪「はいはい、アレンビーよん・・ナコ?めずらしいね・・え?スパーリングしてほしいって?」

『アレンビーさん、たしかビームリングを使ってましたよね。』「そうだけど・・え?午後から?いいけど・・」ピッ♪

「・・珍しく煮詰まってたね。羽田にアニーを迎えに行っても間に合うか。里帰りの乗り換えは明日だそうだしね。」

 

名出屋城、ソフトウェア事業部長室。「う~ん、イリュージョンの電子戦装備をどう生かすか・・マチルダ、なにが

できるかシミュレーションしてくれた?」「終わってます。ジャマーはレーダー使ってないので使いようがありません。

ミサイルスチーラーもママハハは誘導兵器じゃないのでダメ。それ以前に夜戦ではママハハはほとんど使われません。」

「トリ目だからね・・他には?」「ダミービットもレーダー撹乱用なので無用です。」「ダミービット・・」ピン♪

「ビットにホログラムプロジェクターつけられる?」「はい、オプションパーツはありますけど、どうしますか?」

「ちょっち分身の術でもやってみようかなって。」「あ、なるほど・・3D高解像度のを取り付けておきます。」

「あとはハックシステムだけど、これをプログラムして。」ピッ♪「・・へ~。こういう使い方もあるんですね。」

「手品はいかにうまく錯覚させるかよ。そしてそれを気づかせないこと・・これならまず気づかないでしょうね。」

 

羽田国際空港・到着ラウンジ。ガヤガヤ・・「・・あ、こっちこっち!」カラカラ。「少佐、お迎えすみません。」

「いいって。さ、荷物持つわ。」ひょい。「あの、それ車ついてますけど。」「これならトレーニングにもなるから。」

「でも少佐のグラサン姿ってはじめて見ました。」「ここじゃ有名人だから顔を隠さないとおちおち歩けやしないわ。」

カツカツ・・「モノレールじゃないんですか?」「行くのお台場だったよね?なら車のほうがてっとり早いって。」

「車って・・持ってましたっけ?」「これ。」どん。「・・コアランダー?しかもこれ旧ボルトのじゃないですか。」

「ナスターシャに借りたのよ。これなら二人乗りだし荷物も積めるわ。よいしょ。」どさっ。「さすがロシア製・・」

ヒュィィ・・「ビクトールエンジンよし。ふっふっふ・・ゴーッ!」ドン!ゴオオオーッ!「きゃあああーっ!」

 

お台場。・・ゴオオオオーッ!キキキイイイーッ!ヒュゥゥゥ・・「着いたわよ・・ん?」「あわあわあわ・・」

「時差ボケ?」「・・な、なんて運転するんですか!死ぬかと思いましたよ~!」「生きてるからいいじゃん。で、

ここでいいの?」「え?・・あ、はい。ここで妹と待ち合わせです。」「アニーの妹ね・・見てみたいけど、残念ながら

あたしも用事があるんでこれで。」「ありがとうございました。」「じゃ、まったね~。」ゴオオオオーッ!キキイイーッ!

「うわ・・よくあんな荒っぽい運転で事故らないものね。てゆーか、よく免許が下りたわね・・くわばらくわばら。」

 

ガンダム長屋。「アレンビーさん、おそいですね・・」・・どんがらがっしゃーん!「ええっ?!」ズ・・ズズズズ・・

「裏口が・・開く?」ぬっ。「おまたせ~。」ぼろっ。「どうしたんですかアレンビーさん?ボロボロですけど。」

「いやははは、ちょーっとブレーキとアクセルを間違えてね。あ、コアランダーはさすがロシア製で傷ひとつ

ついてないから、たぶん。」「はあ・・とにかく、スパーリングお願いします。」「おっけー。フープだったよね。」

 

品川・マンション『ラ・クンパルシータ』。ガチャ。どかどか。「どうぞ、アニー姉さん。」「悪いわね泊めてもらって。」

「乗り継ぎでホテル代をムダにすることないですよ。」「へえ~、けっこういい部屋ね・・渚の会社って儲かってるの?」

「まずまずですね。まあ食費はかなり浮いてるのもありますし。」「そっか、実家から送ってくる魚を心得のある社員が

料理してるって言ってたわね。」「今日は姉さんが来るので調理しておいてもらったんですよ。」ガサガサ、コトコトン。

「おっ、鯵ね。」「タタキと焼きとダンゴ揚げ。姉さんの好物のサツマ汁もあります。」「それそれ。熱いご飯にかけて

食べると最高!」プルルル♪「ん?・・ケータイ?」ピッ♪「はい。はいそうですけど・・えっ?ナコルルさん?」

『はじめまして。アレンビーさんに聞いたんです、日本に来てるって。実は大事なお願いがあるんですが・・』

「・・シルビアさんと今夜ファイト?!」「え?」「はい、私でお役に立てるなら・・え?・・いいんですか?・・

なるほど・・やりましょう。では7時半に長屋で。」ピッ♪「何かありましたか?」「夜遊びのお誘いがね・・」

 

皇居跡。サァァァ・・「呪い桜の桜吹雪・・美しいです。」『デビルガンダム襲撃で死んだ人の死体を滋養に、けっして

散らない呪い桜・・この舞台にふさわしいわ。』はっ。ズーン。「来ましたね。」パシュ、シュタッ。「早かったわね。」

「待ち合わせには遅れないように早めに来てますので。」「サポートのリムルルちゃんもいっしょなのね。」ちらっ。

「・・・・」「はい。では始めましょう!」ターン!「おっけい!」ターン!スパッ!ギュルルル・・ギシイッ!

『ガンダムファイト!レディー、ゴー!』「フォーチュナ!」シュバッ!「はいっ!」スカッ!「アンヌムッペ!」

ドン!「武器を投げたらスキだらけ!」「そうかしら?」はっ。・・ヒュルルルッ!「なっ?!戻ってきた!」

バン!スカッ!ヒュルルル・・パシッ。「この刀輪は誘導兵器よ。予想しなかったの?」「予想はしてた・・でも

あんなに速いとは・・」「それっ!」シュパッ!「はいっ!」キィン!「ママハハ!」ピキイッ!「アンベヤトロ!」

ゴッ!ピィーッ!「あまい。オービタルリング!」ヒュルルルッ!パシイイーン!ピイッ!「刀輪を周りで回転させて

ガード?」「この刀輪は攻防一体。ビーム兵器でさえ破れないわ。」「ならば直接攻撃あるのみ!」「こっちが先よ。

デスホイール!」キュルルッ、ゴゴゴゴッ!「刀輪に乗ってダッシュ?・・速い!」「よけないと交通事故よ!」

「くっ!」タン!「よけたわね・・待ってた!」キィン!ヒュン!「刀輪をサイドキックで飛ばした?!しまった、

体勢がまだ!」ズバアッ!「くうっ!」ヒュルルル・・パシッ。「もう一回!デスホイール!」ゴゴゴゴッ!

「・・これだ!カムイリュッセ!」バサアッ!ポーン!・・「クロスで弾かれた?!」「いま!レラムッペ!」ダン!

ズバババーン!「うわっ!」ダダーン!・・「やるわね・・さすがはファイブカード。ならばダミービット放出!」

シュパパパパッ!「ビット兵器?」「イリュージョンシャドウ!」パパパパッ!「分身?・・まさかこんな手が!」

『どれが本物かわかる?』「・・見分けがつかない。」『フォーチュナ!』シュババッ!「一斉に?・・こっち!」

バッ!スカッ!『いいカンね。でもいつまでもつかしら?』「くっ・・」【月影を見るの。本体以外に影はないわ。】

『えっ?!』はっ!「そうか・・見切った!そこです、アンヌムッペ!」ドン!ズバアアアーン!「うあっ!」

「ママハハ、分身を!」ピィーッ!ゴオッ!ズガガガガーン!ゴォォォ・・「・・よくわかったわね。ではこれはどう?

ダークネス・イリュージョン!」「!・・」さっ。シーン・・「・・なにも起きない?」「それっ!」シュパッ!

「もう見切ってます。」ヒョイ。・・ザキイッ!「うあっ!・・なに?・・よけたはず!」「もういっちょ!」ビュッ!

「防御!」さっ。ザガガッ!「あぐっ!・・なぜ?なぜ当たるの?!」「これぞ闇の幻影。逃げることはできないわ。」

「ならば攻撃あるのみ。アンヌムッペ!」ドン!「ふっ。」スカッ。「なあっ?」ザザーッ!「・・直撃だったはず?!」

「どこを狙ってるの?」ヒュバッ!ザガアッ!「ううっ!・・このままでは負ける・・」【バルカンを撃ってみて。】

「えっ?・・はい。バルカン!」ブオオオオーッ!チュンチュンチュン!「あっ!全然違うところに着弾してる!」

【その角度!その角度だけ攻撃線をずらせて。】「やってみる。アンヌムッペ!」「何度やっても」ズバアアアーン!

「なっ?!」「当たった!でもなぜ?」【イリュージョンはカムイのシステムをハックして、実景とモニター画面を

ほんの少しずらせていたのよ。】「そんな手を?!」【ほんの数度なので、わかりにくかったの。高度な電子戦法よ。

いま修正するわ・・はい、これでいいわ。】「ありがとう。カムイたちよ、私に光を!」ビーン!「ハイパーモード?!」

「はあっ!」ドン!「速い!・・迎撃!」シュバッ!「・・これ!」シャッ!キィン!くるっ、スカッ!「なあっ!

刀輪の側面をはじいて中をくぐり抜けた!」「奥義!エレルシカムイリュッセ!」ズババババーン!「きゃあああっ!」

「とおおおーっ!」バシイイイーン!ダダダーン!「勝負あり!カムイガンダム!」「大自然のおしおきです。」バサッ。

 

「ま・・負けた・・もう少しだったのに・・」「はい、危ないところでした。あのトリックが見破れなかったら・・」

「それよ・・リムルルが電子戦に詳しかったなんて、思わなかったわ。」「・・ふふっ、うちのリムルルは電子戦と

電子レンジの区別もつきませんよ。」「ええっ?でもあんなに的確に・・」「ごくろうさま。助かりました。」くるっ。

「いいえ、楽しませていただきました。」バサッ。「・・リムルルじゃない?!・・アニー!」「シルビアさんが

電子戦のエキスパートと聞いて、臨時サポートをお願いしたんです。必ずなにか仕掛けてくると思ったので。」

「でもダークネスイリュージョンのトリックを解明するのには苦労しました。さすがに『電子の魔女』のアダ名は

ダテじゃないですね。」「『電子の妖精』がいると知ってたら、別の手考えてたわよ・・頭脳戦でも負けてたか。」

「でも、もしアニーさんがいなかったら・・ゾッとします。」「ふふっ、それ聞いて満足したわ・・楽しかったわよ。」

 

「さすがは『世界』の妹ね。見事だったわ。」ツカツカ・・「クレオ・・まだ続ける気ですか?この練習試合。」

「まだマリアと私が残ってるわ。」「そう・・相手に選ばれる人が楽しみですね。」「もう決めてるわ。マリアは『魔術師』、

私は・・『星』。」「ええっ!アレンビーさんはわかるけど・・レインさん?!」「私は『星』の実力を見ていない・・

だからよ。」「それを見るのは命がけになりますよ。なぜ『破滅の流星』と呼ばれるか知ってますか?かつて姉さまに

聞きました・・アルカナ第二位というのは正しくない。自分だったら闘うなんて論外とまで・・」「世界が・・」

「とにかく『星』だけはやめてください。ファイブカードは他にもいます。」「だからこそよ。『女帝』として『星』の

実力をこの身で知っておくことは必要よ・・それは自分への試練でもある。」「ふう・・ならもう説得しません。」

 

「ところでさ、前から気になってたんだけど、」「はい?」「『世界』の本名、聞いたことないんだけど。」ぎくうっ!

「う"っ!私の口からは絶対言えません!姉さまに殺されてしまう・・」「そんなに脅えなくても・・やっぱダメ?」

「ダメですだめです!こればかりは口が裂けても!」「う~ん・・ルルがつくってのは想像できるんだけど。」

「え~と・・あっ!ありました!」「マチルダ?データベースにあったの?」「はい。幸い情報部データベースに・・

え?・・きゃははははっ!」「ど、どーしたの?なんでいきなり・・」「うぷぷっ。クレオ、耳貸して。あのね・・」

「え?・・ぷっ!あははははーっ!そんなカワイイ名前なの?!」「姉さま心底その名前を嫌ってますから・・」ぽりぽり。

 

タイタン。「へっくしょん!」ザザッ!「なんでここでクシャミなんじゃ。」オン。「っきしょーめ、こんちくしょ。」

ジリッ・・「右から三番目!いの一番に死にたいかい?」ビクウッ!ザザッ!「こやつらDG細胞の下僕じゃな。

さて、いかに料理するかのう。」「自己再生できないほどしばきたおすっきゃないでしょ。」オン。「そうじゃの。」

『かかれ!』ダダッ!「せーの!」ドバアアアーン!「よいしょ!」ドカアアアーン!『ぐはあああーっ!』

 

「乱入しないの?」「ここは観戦といこう。」「あのような愚劣な連中と徒党を組むなど主が許さぬ。」「まあいいけど。

おっ、また五人ぶっとんだ。」「はははは、これは楽しいぞ。」「フハハハ。それでこそ聖餐にふさわしい良い羊だ。」

「・・あのさ、連中ってたった二人と一匹でタイタンに乗り込んできたんだよね。」『むっ?』「・・すごいな。

カッコいいよね。あたしもあんなになりたかったな・・もう死んじゃったからダメだけど。」『・・・・』

「それは違います、迷える子羊よ。」「えっ?・・神父?」「あなたは甦ったのです、偉大なる主の力で。ならば

その命をどう使うかはあなた次第。そしてその選択こそ主の御心なのです。」「自分しだい・・か。」「ふっ、珍しく

神父らしいことを言う。」チャキッ、ドオンッ!「なにっ?」「なにを?!」「ザコは嫌いだ。」ドンドオンッ!

「・・あのような連中を主はお認めにならんな、たしかに。」シャリーン!「シイイッ!」シュババババッ!

「あーあ、しーらないっと。・・同じアホなら踊りましょと。」ぬうっ。チャキッ、「せーの!」ズドオオオオーン!

 

ボコボコオッ!「なに?!」オン!ザキザキザキイッ!「なんと?」ドシャアアアアーッ!『ぎゃあああーっ!』

ゴォォォ・・「・・全滅?この攻撃は!」「ん?・・あそこじゃ。」びっ。「あいつら・・」・・ニイッ。くるっ。

ぶい。くるっ。シュッ。(十字)くるっ・・「敵に塩かのう。」「そんな上等な連中かねえ・・」ゴォォォ・・

 

品川・マンション「ラ・クンパルシータ」。ピンポーン♪【ただいま。】「あ、姉さん。おかえりなさい。」カチャ。

「あ~疲れた。時差が抜けきってないのにちょっとオーバーワークかな。」どさっ。「でも楽しかったようですね。」

「まあね・・あ、これおみやげ。」ガサッ。「なんですか?・・あっ、シャケだ~。」「手伝ってくれたお礼だって。」

「さっそく料理しましょう。・・あっ!」「なに?」「・・これ鮭児です!」「ええっ?!・・あっ、ホントだ!」

「さしもの私たちも鮭児は食べたことありませんね。」「幻の鮭だからね・・」「・・なに考えてるかわかります。」

「実家に連絡よ。タキをたたき起こして。」「今の時間ならまだ起きてるはずですね。ネットアクセス。」ピッ♪

ぱっ。【あら、姉さんたち。こんばんは。】「いつもお魚ありがとうね。」「タキ、少数民族連合との提携は計画にある?」

【水産資源とは関係ないけど?】「これ。」ぬっ。【鮭児?!・・ああ、なるほど!】「水野水産は北欧サーモンしか

扱ってなかったよね。でも国産なら流通も簡素で、うまくブランド化すれば・・」【いい商いになりそうね。】

 

みなさんお待ちかね!マリアはかつてのライバル、アレンビーを指名!

五年ぶりの東京ドーム決戦!巨大タツマキがノーベルを襲う!

だが、アレンビーの技量は想像を絶していた!

次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第44話

「天地鳴動!嵐の決戦」に、レディー、ゴーッ!

 

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第44話「天地鳴動!嵐の決戦」

 

ガンダム長屋。「はいっ!」「それっ!」「ほいさ!」『そりゃーっ!』ビシーン!「精がでるわね、アレンビー。」

ぴくっ。「ん?・・マリア!」「お?クレオのとこの。」「ちょっとお話があるんだけど、いいかしら?」「・・うん。

ドモン、今日はこれで・・」「あ、ああ。」「ごめん・・じゃ!」タタタタ・・「・・いま二人の間にすさまじい闘気が

走ったな・・」ばさっ。つかつか・・「ん?」ぴたっ。ドロロロロ・・「遠雷か・・夜には荒れそうだな。」

 

近くの路地。「次はあたし・・ってわけだ。」「そう。・・私とね。」ふっ。「懐かしいね・・5年ぶりかな?」

「あの時、私はマーシャルアーツ世界大会で3年連続優勝をしていた・・でも、四連覇を阻む者が現れた。

それが若干15歳のあなただった。決勝戦で対峙した私たちは歴史に残る大バトルを繰り広げ・・私が敗れた。」

「その意趣返し?・・いえ、あなたはそんな人じゃない。」「どうせ闘うなら、あなたがいい・・そう思っただけ。」

「あなたはあたしの憧れの人だった・・嵐のマリア・・でも、あなたはあのあと足を洗い、アレクサンドラグループへ

行ってしまった・・もうあたしと対等に闘える相手はいなくなった・・さびしかったわ。」「5年前の私とは違うわよ。

今の私の相棒はこれ、『ストームブリンガー』。」オォォォ・・「・・すごい霊気ね。あなたの闘気と呼応して増幅されてる・・

この嵐もそのせいね。」「ダテに私がフォアカードの頭をはってないことを教えてあげる・・今夜10時、旧東京ドーム。

5年前と同じ場所で。」「いいね・・嬉しいよ。あなたと再び闘えるなんて。」「じゃ、待ってるわ・・」すっ、ツカツカ・・

ゴロゴロゴロ・・「雷鳴か・・いい夜になるね。あたしたちの闘いにふさわしい、激しい嵐の夜に・・」シュッ・・

 

名出屋城、重役オフィス。五人とも仕事中。カタカタ・・トントントントン・・「・・?」トントントントン・・

「・・(むっ。)」たっ。わしっ。「?!・・」ふるふる・・「・・!」すとっ。トントントントン・・いらいら。

「マリア、落ち着かないなら仕事切り上げて身体でも動かしてたら?」「・・・・」トントントントン・・「・・マリア?」

「・・・・」トントントントン・・「・・ヨーコ。」「おっけい。」ぬぎっ。すぱあああーん!「あいた!・・なに?!」

「なにじゃないって。ここ一時間も同じポーズで万年筆でトントントントン。つきあうこっちがたまらないわよ。」

「え・・あ、ごめん。」「今夜の試合で頭いっぱいなのはわかるけど、それなら無理して仕事せずに、部屋で寝てるなり

ジムで身体動かしてたら?」「そうね・・フロ入ってくるわ。」すっ。「あ、それもいいわね。」「マリアらしいわ・・」

 

重役専用浴場。カコーン・・ザザァ・・「・・・・」ぷくぷく・・ちゃぽん!「ぶっ!・・アヒル隊長?」ぷかぷか。

「たく、やっぱり湯船の中でもこれなんだから。」ぺたぺた。ザザァァ・・「クレオ?」「聞いたげるから話してみたら?

フロの中のことだし、水に流すから。」「ふふっ・・そうね。溜めこむより吐き出したほうがスッキリするかも。」

「・・五年前、私は有頂天だった。三連覇をしたことで天狗になってたのね。それからロクに練習もせず、

CMやらイベントやらに出ずっぱりだった。それでも地方大会で負けなかったから、ますます尊大になったわ・・」

「そして次の世界大会をむかえたわけだ。」「決勝までは鼻唄まじりで進んだわ。もはや世界に私の敵はいない・・

決勝の相手のチビも眼中になかった。」「アレンビー・ビアズリー・・秒殺の妖精。」「その異名を試合開始後、数秒で

思い知ったわ・・見えない、動きも攻撃もまったく。まるで旋風・・防御するので精一杯だった。」「目がさめた?」

「さめたさめた。一年ぶりに血が沸騰したわ。同時に冷静になった・・そしたら彼女の動きが少しづつ見えてきた。」

「反撃の開始ね。」「向こうがスピードなら、こちらは体格を生かしてのパワー戦。ミドルキックとニーを中心に

低空戦闘体勢に切り替えたことで互角になった。あとはスタミナ勝負・・と思ったとき、意識が飛んだ。」ぷくぷく。

「以前にビデオで見たわ・・芸術的な延髄斬り。」「気がついたのは救急車の中だったわ・・そして負けを悟った。」

「直後に引退したのはなぜ?」「アレンビーとの戦いで私は全てを出しきった。最高のファイトをやってしまった上は、

もうこの世界に身を置く理由はない・・就職もあったしね。」「それから五年・・心境の変化というのを聞きたいわ。」

「ガンダムファイトで元気に闘ってるアレンビーを見て、ふたたび血が燃えたのは事実よ。けど今はもう大企業の重役、

そんな勝手ができるはずもない・・と思ってた。ならばこそ今回のチャンスは外せない。いつかこの日が来ることを

信じて、鍛錬を欠かさなかった甲斐があったわ。」ぐっ、ミキィッ。「太すぎず細すぎず、ムチのような筋肉・・まさに

武闘家のボディね。」「不安がありとせば、経験差かな。五年のブランクは小さくない、いえ、致命的かも・・」

「それを埋め合わせるためのストームブリンガーでしょ。あれがあれば互角以上にはやれるんじゃない?」

「練習はしたけど、いざ実戦となると勝手がちがってくるでしょうね・・そこもある。」「それこそ練習の成果を発揮

すべきときじゃない。マリア、悪い意味で頭で考えるクセがつきすぎ。少しはケ・セラセラの面もなくちゃ。」

「クレオはいっつもそれでしょうが。その分私が頭使ってるのよ。」「あらそーだっけ?」ぺろっ。「ふふっ・・」

 

海賊戦艦ゴルビーⅢ。ブロロロ・・キキイッ。「むっ?昔のランダーか。」「アレンビーか?」シュタッ。「こんちは。」

「愛用してもらってるようだな。」「ちょっと燃費は悪いけど、頑丈だしパワーもあるしで重宝させてもらってるわ。」

「で、今日も何かかっぱらいに来たの?」「そゆこと。実は・・」「・・ほう、それは面白い。ナスターシャ。」

「いいだろう、そのくらいのものなら作ってやろう。だが条件がある。」パシッ。「今夜の試合を観戦したいが。」

「じゃ、ついでだからあたしのサポートクルーになってくれない?」「それは妙案。」「たまにはクレーン上もいいか。」

「決まりね。」「よーし!子分ども、作業開始だ!簡単なものだ、ちゃっちゃと仕上げろ!」パシッ!『へーい!』

 

その夜、東京ドーム廃墟。オォォォン・・「兵どもが夢のあと・・か。プロ野球もコロニーに上がっちゃったしね。」

「阪神だけは二年前から甲子園に戻ってきている。」「コロニーの人工重力に慣れた他球団にはきついロードだろうな。」

「野球はやっぱり地に足をつけてやらなきゃね・・そう、人間も。」「うむ。結局は人のパワーは地球から得られるもの。

その地球を捨てるなど愚の骨頂。」「コロニー育ちのモヤシ連中にはわかるまい、地に根づきし者の強さは・・むっ。」

ズシンズシン・・パシュ。「早かったのね。」「ちょっと思い出にふけりたかったからね。」「・・アルゴ・ガルスキー?」

「臨時サポートクルーよ。」「聞いてないわよ。それにこのファイトは」ぽん。「まあいいんじゃない?」「クレオ?」

「アルゴさんたちなら口の堅さは一級品よ。それにこれは公式練習試合、隠すものは何もないわ。」「そうだけど・・」

「・・サポートクルーにクレオパトラまで来てるとはな。」「役者がそろってるわね・・これは楽しめそうだわ。」

 

『ガンダムファイト!レディー、ゴー!』「ブレインウェイン!」ブン!ブオオオーッ!「真空波か。はいっ!」スカッ!

「連打!」ドババババーッ!「よっとっと。」スカカカカッ!「こんなの、キラルの次元刀に比べたらそよ風よ。」

「ならこれはどう!クレストX!」シュババババーッ!「X字の真空刃・・ノーベル・フラフープ!」シュバッ!

バキイイイーン!「相殺した?」「スキあり!ブーストダッシュ!」ゴオオオーッ!「リーチはこちらがあるわ!」

「それはどうかしら?」すっ、ジャラララーン!「なっ?!」ブン!バキイイイーン!「くうっ!」ザザザーッ!

「よくトンファーで受けたわね。」グイッ、ジャラララッ!ぱしっ。「・・ビーム万力鎖?」「エモノ持ってると

わかってて、何の準備もしてないほど甘くないってこと。ビームリボンじゃ力負けするしね。」「なるほどね・・」

「いくよ!」ダダッ!「突進?・・迎撃のブレインウェイン!」シュバアッ!「かかった!」ザシャッ!ダッ!

スカッ!「フェイント?!」「そこ!」ジャラララッ!ヒュン!「まだっ!」カィィン!「それそれそれーっ!」

ヒュンヒュンヒュン!「なんて回転の速さ・・はっ?この使い方は!」「そのとおり。中国の九節鞭!」タン!

ヒュバババッ!「うわっ!」タタタンッ、ザザーッ!「間合いが次々に変わる・・真空刃を放つスキがとれない!」

「やるわね、アレンビー。」ピシッ。「うむ、すばらしい格闘センスだ。いつの間に九節鞭の技を会得したのか。」

「さあどうする!」ヒュンヒュンヒュン!「・・見切った!」ビュッ!ジャラララッ!「からめとった!よっと!」

グン!・・ガシャーン!「これでエモノはなくなったわ・・えっ?!」ゴオッ!「防御がスキだらけよ!」

バゴオオオーン!「ぶはあっ!」ズダダダダーン!「武器に頼るあたしじゃない。これからが本当の闘いよ!」

ヒュッ!「ダッシュエルボー!」ゴッ!「防御!」さっ、ガキイイイーン!「くううーっ!」ザザザーッ!

「せいっ!」ドドドドドッ!「ガード!」ガキガキガキーン!「ストームブリンガーを砕けるとでも・・?!」

「やかましい!」ドン!ドガキイイーン!「うぐはあっ!」ドガガガガーッ!「こ・・これはすさまじい!」

「ガードを通してダメージを与える・・力というものの本当の使い方を理解していなければできん芸当だ。」

「たしかにいい武器だけど、あたしは武器を倒すんじゃない、その使い手を倒すのよ。勘違いしないように!」

 

ググッ・・「・・それでこそ我がライバルよ。では見せてあげましょう・・私の新たな力を!」ゴゴゴゴ・・

「これは?!」「むう・・トンファーに闘気が凝集していく!」「ストームブリンガー。この名の由来、その身をもって

知りなさい!」ゴオオオオオ!「・・風がトンファーにからみつく?!」「凶風・ドラゴンストーム!」ドン!

ドゴゴゴゴゴーッ!「なっ!・・大タツマキ!」グオオオオーッ!「くっ!・・ここもあぶないぞ!」がばっ!

「・・あんた?」「伏せてろ。俺が押さえている。」「けどあんたは?!」「俺は闘いをみとどける。」ぐいっ。

「やばっ!」ドスッ!グン!「くううううーっ!」ズズズズッ・・「ビームリボンの柄が・・抜ける!」ズボッ!

「うわああああーっ!」ゴオオオオオーッ!「軽量級とはいえガンダムを巻き上げる烈風とは!」・・ズダダーン!

「ふふっ・・神の怒りの手、思い知ったかし・・なっ?!」グググ・・「ふ・・ふふふ、なかなかやるじゃない・・

いまのはチョット痛かったわよ・・いしょっと!」ザン!「ふん!」パンパーン!「ふっ!・・気合いおっけい!」

「あ・・あれを食らって立つなんて・・」「この程度でノックアウトしてたらサバイバルイレブンは三日で終わるわ。

世界レベルの技ってのはね・・はあっ!」ギーン!「は・・ハイパーモード!」「ぶぁーくさつっ!」ギン!

「バァァーニングゥッ!フィンガアアアアーッ!」ドン!「くっ!ドラゴンストーム!」ドゴゴゴゴーッ!

「それがどうした!おおりゃあああーっ!」ズバアアアアーン!「タツマキにまっすぐ突っこんだ?」

『このパワー、あたしがもらったあっ!』ゴオオオオオーッ!「そんな?!風を利用して高空に駆けのぼるなんて!」

ゴォォォ・・「バーニア・フルブースト!」ドオンッ!ゴオオオオオオーッ!「パワーダイブ!・・逃げられない!」

「おおおおおーっ!ノーベルダイナマイト・ドラグーン!」ガキイイイーン!「きゃあっ!」グン!ズドオオオーン!

『うわっ!』ゴォォォ・・「・・トレーシィが地面に突き刺さってる!」「勝負あり!ノーベルガンダムV!」

 

パシュ。「ほーい、生きてる?」「・・何とかね。頭が吹っ飛んだかと思ったわよ・・あいたたた。」「5年もさぼってた

わりには、よくがんばったじゃない。」「あなたとやるとなって必死にリハビリしたけど、やはり致命的な経験差ね。」

「思ったよりなまってなくて安心したわ。あとは経験を積んでいけば、もっといい勝負ができるでしょうね。」

「・・やってみせるわ。少なくともあなたの足を引っぱらないくらいは。」「できるさ、マリアだもの。」ふっ。

「さすがはファイブカード『華麗なる魔術師』ね。最高のパフォーマンスだったわ。」「あとはクレオだけだけど、

あんたもやるの?」「もちろん。・・相手は『破滅の流星』。」ぎょっ!「なっ!・・なに考えてんのよアンタは!

『星』とやりあうなんて自殺行為よ!」「アルカナの『司令塔』として、未知の力は知っておくべきでしょ。」

「知らないよ・・命取りになっても。」「覚悟のうえ。たとえそうなっても後悔しない・・得られるものは大きいし。」

 

タイタン首都・アガルタ繁華街。ザワザワ・・「そろそろメシでも食うかね、老師。」「そうじゃの・・むっ?」ぴたっ。

「ほう・・」「こんなところで出会うとは主のご加護か。」「わんばんこー。」「ありゃりゃ・・ここじゃとばっちりが

きびしいね。」ガルルル・・「私たちは気にならん。」ジャキッ!「主の使命を果たすに場所は選ばず。」シャリン!

「いずれ滅びゆく街だし、いいんじゃない?」ブン!「しゃーねえな。」ザッ。「ハラが減ってのいくさはきついの。」

『うわー!』ぱたぱた。『ん?』「おっきいテッポウ!」「こっちのおねえちゃんのテッポウもすごいよ!」「子供か・・」

「かっこいいイヌさん!」クゥ。(困ってる)「神父さま、どうしてカタナを持ってるの?」キャッキャッ。

「・・興が削がれた。」チャッ。「闘争の雰囲気ではないな。」すっ。「そうだね。・・これからメシだけど、どう?」

ニヤッ。「よかろう、付き合おう。」「最後の晩餐もまたよし。」「こっちもメシどきだったしね。」「呉越同舟もよかろう。」

 

市内最高級レストラン。「うわ~。」「個室とは豪勢な。」「シクルゥ同伴だとこれしかないしね。」オン。「どうせなら

人数も多いほうが楽しいしのう。」「恵みは分かちあうべし。主の教えに適ってはいるな。」「お待たせしました。」

『おお~。』「すっごいごちそう!」「さって、食べようかね。」「では食前の祈りを。」「こういうとこだけ神父らしい。」

「主よ、今日の糧を感謝します。エイメン。」『いただきます。』カチャカチャ。「ほれシクルゥ。」ぽい、ぱくっ。

「ときに調査の進み具合はどうかな?」「もうちょっとってとこかな。ネオナチの大本営は判明したけど、黒幕の中枢が

この辺とだけしかわかってないね。」「大本営ってどこなの?」ばん。「ここよ。この高層ビル。」「ククク・・さすがだ。

知っててわざと乗り込むとはな。」「連中としては目障りじゃろうが、まさか正面から来るとは予想外じゃったろう。」

ちらっ。「それで外に完全武装兵ご一行さまがお待ちかねなのね。料理に毒も盛られてるし。」「行きつけの店で買った

免疫マイクロマシンを飲んでるから、フグ肝だろうがトリカブトだろうが食っても平気さ。」「我らもそもそも毒は

無意味だしな。」「だが主の恵みたる糧に毒を盛るとは邪教徒めが。」「すまんの、巻き込んだようで。」「確信犯じゃん。」

「ふふ・・こうなった以上、一宿一飯の恩義には報いないとな。」「邪なる神、デビルガンダムの顔も見てみたいか。」

「あんたらとはここでのコトが片付いたら、ちゃんと相手するから。」「この騒ぎでは落ち着いて死合えんしのう。」

「それもよかろう。・・ここの勘定はワリカンでいこう。」ちゃっ、ドキュドキュドキュン!ボコボコボコン!

『ぐはっ!』「主いわく、払いは折半で。シイッ!」シュバアアアアアッ!・・どさどさどさっ!「六人だ。」

「やるやる~。壁越しできっちり半分やっつけたね。」「こちらも負けておれんの。」すっ、ぴたっ。「・・覇!」

ドオンッ!ボコオッ!グシャアッ!『ぎゃあっ!』「すごっ!発勁で壁をまるごと押し抜いてつぶしちゃった!」

「婦警も勘定を済ませろ。」「Ya!」ダダッ。ドカドカドカ!「やっぱ後方部隊がいたね。アトレイデス、ファイア!」

ドオオオオーン!ドカアアアーン!『うぎゃあっ!』「あ~あ、外壁までぶち抜いちゃって。シクルゥ、清算だよ!」

オン!ダダッ!『撃てうて!』ドガガガガッ!ボボッ・・ばっ!『当たらない?!』「メルシキテ!」ドンッ!

ズバシャアアアーン!『うわあああああーっ!』ザザッ・・どさどさどさっ!「一閃で一小隊を殲滅・・さすが世界。」

「では経営主にクレームつけに行こうかね。」「違法添加物は罪が重いぞ。」「我が神の罰、たっぷり味あわせてやろう。」

 

みなさんお待ちかね!クレオの相手はなんとレイン!

いまこそ、「破滅の流星」が覚醒する!その技量は暴風の破壊力!

容赦ない怒涛の攻撃にクレオは打開策はあるのか?

そして佳境を迎えるタイタンの戦いの行方は?

次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第45話

「覚醒!狂戦士・レイン」に、レディー、ゴーッ!

 

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第45話 「覚醒!狂戦士・レイン」

 

ガンダム長屋。ガラガラ。「ごめんくださーい。」「はーい。・・おっ、クレオ?」「レインさんはいらっしゃいますか?」

「表のスーパーに行ってる。すぐ戻ってくるから上がって待っててくれ。」「はい、お邪魔します。」キュッ、コトッ。

「茶でも入れよう。」「あ、おかまいなく・・えっ?」コトコト・・「・・茶席?」「レインの薦めで始めたんだ。

気を静め、意識を集中させるのになかなかいい。」すっ、トクトク・・コトン。すっ、シャシャシャシャ・・

「・・流れるような自然で、いっさいムダのない動き・・さすがキング・オブ・ハートですね。」「裏千家をやってる

レインに言わせれば、まだまだ固いそうだ。・・どうぞ。」すっ。「いただきます。」すっ、くいっ・・「・・にが。」

「ははははは。素直でいいことだ。」「ドモンさんと茶道というのはちょっと意外でしたが。」「いや、そうでもない。

作法を厳格に守り、なおかつ茶を楽しむことは武道に通じるところがある。厳しい修行の末に開眼するようにな。

そうなると闘いを楽しめるようになる・・勝敗はその結果に過ぎず、大事なのは楽しいファイトをすることだ。」

「・・そうですね。そういう闘いこそ観客の感動を呼ぶ。それが人の業を克服する最良の道・・かもしれません。」

「わかってるじゃないか。それなら安心だ、レインと闘わせても。」はっ。「・・なぜそれを?」「簡単な推理だ。

ヨーコを皮切りに、おたくの幹部連中が次々と練習試合と称してファイトをしているのは俺の耳にも入ってる。

そして第五の試合・・すなわちクレオがここに来たということは。」「・・この試合、承認していただけますか?」

「わかってると思うが、レインはファイターではなくサポートクルーだ。国際条約に抵触しないのか?」「その逆です。

ファイターでなければ国際条約は適用されません・・すなわち。」「場所の確保と関係機関の了解があれば、野試合は

できるということだな。」「そういうことです・・そしてその二つとも根回しは終わってます。あと残るは・・」

「本人の了解だけか。」「いちおう旦那さまに仁義を切るのが礼儀でしょう。」「・・わかった。一つだけ条件がある。」

「条件?」「そのファイトは俺も見たいが、レインは嫌がるだろう・・何か手を打ってほしい。」「おまかせください。」

 

ガラガラ。「ただいま。・・お客さん?」「おお、クレオが来てるぞ。」「クレオ?・・なんでまた?」「今ドモンさんと

相談してたとこなの、練習試合のこと。」「練習試合?・・あ、ああ、そんなこと言ってたわね。」「俺はかまわんぞ。

黙ってやるならともかく、クレオは俺に仁義を切ってきた。スジは通ってる。」「・・いいの?」「いつもアレンビーと

やってるのと同じだろ。ま、軽くやってこい。」「とゆーわけで、スジは通したわ。受けてくれる?」「でも・・」

「俺は留守番してる。アマチュア同士のファイトは観られたもんじゃないだろうしな。」「そう?・・受けましょう。」

「さて、俺はちょっと出かけてくる。夕飯までには帰ってくるから、細かいことは当事者同士で詰めてくれ。」ばさっ。

「どこへ行くの?」・・ふっ。「ちょっと浮気をしにな。」「カレンダーはちゃんと確認しなさいよ。」「ああ。」パタン。

「・・マジで?」「ジョークよ。ドモンは女性口説くよりクマと格闘するほうが好きな人種だし。」「いえてる・・」

「でもまさかドモンから攻めるとは思いもしなかったわ。」「将を得んと欲すれば馬を射よ。兵法の基本でしょ。」

「外堀埋められたんじゃ、打って出るしかないわね・・けど、やるからには私も手加減はしないわよ。」「承知の上。」

 

「Atelier de Marie」。コポコポ・・「で、家を追い出されたわけですか?」「俺がいたんじゃ自由に話せないだろうし。」

「ですね。かといってここでヒマつぶしされると商売のジャマですが。」「ここのどこに客が?」カンコカンコ~・・

「ヒトが一番気にしてることをまああっさりと・・ヤな客だな~。」「でも茶は出してくれるんだな。」ズズ~。

「レインさんはお得意さんですから、その七光りですよ。冷やかしオンリーのドモンさんにじゃないです。」

「なんなら手伝ってもいいが。」「間に合ってます。いまんとこ欲しいのは彼氏くらいです。」「ほう・・となるとだ、

知り合いで彼女いないヤツいたかな?・・あ、師匠か。」「ジジ専のシュミはありません!」「参考までに好みは?」

「そうですね・・ドモンさんみたいな強いけど子供っぽい人かな。」「なるほど。それは光栄だ。」「・・あ、そーだ。

ツケ払いしてもらわなきゃね。」「なにかツケてたか?」「ここんとこのお茶代。」「あいにく持ち合わせはないが。」

「じゃあ身体で払っていただきましょう。」「力仕事なら。」「もっと簡単なことよ・・」すっ・・「・・いいだろう。」

すっ・・『・・・・』・・すっ。「ふぅ・・準備中にしなきゃ。」「もう遅いから店じまいだろ。」「それでいこう。」

 

「・・ちょっと待ってて。いいもの見せるわ。」ガラガラ・・「えーと、どこに置いたっけ・・あ、あったあった。」

ガサガサ。「うわ、ホコリだらけ。クレオ、はたき取って。」「これ?」ぱしっ。ぱんぱんぱん!「すっごいホコリ!」

もわぁぁ・・「細長い・・箱?」「5年ほど開けなかったからね。」シュルッ、ぱかっ。ごそごそ・・すっ。「これよ。」

シュルシュルッ。「・・弓?」「霊弓『流星』・・」オォォォ・・「この霊気は・・」「十年前、アトゥール老師は私の

ところも訪れて、この弓の造りかたを教えてくれた・・もっとも、高校を卒業すると同時に封印したけどね。」

「なぜ封印を?」「私はこの弓で全国制覇をなしとげた・・でも、それでは飽き足りず、族として多くの人をも傷つけて

しまった・・まだ精神が充分育っていなかったのね。・・そして、人を助ける医師の道を選び、弓を封印したの・・いつか

使いこなせる時がくるまで・・」グッ。ゴォォォ・・「霊気が・・ふくれあがる・・」「クレオ、私をその気にさせて

くれたわね・・いまこそ私は『破滅の流星』としての力を開放するわ・・」ゴゴゴゴゴ・・「これが・・『星』の気。」

 

「ん・・」「・・さて、そろそろ帰らないとな。」「・・またツケ払いしてくれる?」「分割払いはできるか?」

「長期ローンがオススメよ♪」「利子が高そうだが、返せるときにはまとめて返そう。」「まいどあり~。」パタン。

「・・さてと、サンプルもらったからさっそく製造しなきゃ。」とろっ・・ぺろっ。「ん、いいホムンクルスになるわ。」

 

ガンダム長屋。ガラガラ。「ただいま。クレオは帰ったようだな。」「ええ、今夜九時に旧都庁前だって。・・?!」

ぱたぱた。くんくん。「どうした?」「・・いえ、なんかいい匂いがしたような気がしたけど、気のせいかしら。」

「ああ、そりゃ『Atelier de Marie』でごちそうになったミスティカティーの香りだな。」「ああ・・あそこの。

またゴーレムで稽古してたのね。」「アルゴ以上に頑丈で練習しがいがあるからな。」「晩御飯できてるわよ。」

 

コポコポ・・「・・細胞分裂開始。個体形成まで・・3,2,1。」・・ザバアァァァッ!「ふう。・・はじめまちて。」

「マリーしゃま、造ってくれてありがとございまつ。」わらわら。「えっと、ひいふう・・七体ね。せいれーつ!」

てこてこてこ!ぴしっ。「みんな、知識はおっけい?」『おっけいでつ!』『あっちに食事があるからまず食べて、

それからお仕事よ。」『りょーかい!』ざっざっざっ!「よしよし、見込みどおり。いい従業員になりそうね。」

 

ガンダム長屋、午後八時。「じゃ、ドモン。行ってくるね。」「ああ。全力でやってこい。俺のようにな・・ファイト。」

「うん。・・ファイト。」ガラガラ・・パタン。「・・行ったぞ、マチルダ。」「はーい。すぐにセットしまーす。」ひょい。

カチャカチャ・・「これで各ガンダムのモニター映像を見れるのか。」「ネットを通して受け取るんです。でも、なんで

直接見にいかないんですか?」「もし俺が見てることに気づかれたら、レインは本気を出さない・・だからさ。」

「ふ~ん・・はい、セット完了。」ピッピッ♪「音声は出ませんので、わたしが編集と解説をします。」「よろしくな。」

 

旧新宿都庁前。ゴォォォ・・ザッ。「2年前のまま・・復興の手はまだ及んでないのね。」「銀座から徐々に再建はしてる

けど、ここまでくるにはあと数年はかかるでしょうね。」「いまのところ銀座有楽町周辺だけだしね・・始めましょうか。」

「レフェリーは私、ヨーコが務めます。両者、構え!」グッ。「・・始め!」『ガンダムファイト!レディー、ゴー!』

「カードビット!」シャシャシャッ!「カード型のビットか・・薄いだけに厄介ね。」「全方位攻撃、避けきれるかしら?

いけっ!」キュキュキュッ!「ふっ・・はいっ!」ヒュッ、パパパパッ!「なっ?!全て指で挟みとるなんて!」

「ふふ・・うちの亭主はマシンガンの一斉射の弾丸をも挟みとるのよ。こんなノロイの、チョロイもんよ。」「くっ・・」

「どうせなら、このくらい!」シャッ!「はっ!」カカカッ!「まだまだ。トリックシュート!」シャッ!「一枚くらい。」

スパッ!「えっ?2枚になった!くっ!」シュピイッ!「ちっ!・・少しかすめたか。」「スキあり!」タタタタン!

「タンブリング?」ゴオッ!バシイイイーン!「くうっ!・・意外とやるわね。」「運動神経なら自信あるから。」

「思ったより楽しめそうね・・ライジング・アロー!」ジャキン!「スパイラルシュート!」シャァァァァッ!

「ラセン状の軌道・・迎撃、バルカンアロー!」シャバババババッ!「な、何て速い連射!」スパパパーン!

「カードを全部射抜いた!」「お返しよ。リフレクトアロー!」シュバッ!「?・・どこを狙ってるの?」キィン!

「えっ?!矢が瓦礫で反射した!」ドスッ!「くっ!・・」「ギャラクシーの腕に直撃!・・ヘッド、なんて技を。」

「私の矢はどの角度からでも襲撃できるわ。」「・・ならば、矢を打たせるスキと間合いを与えなければ!」ダッ!

「接近戦ね・・あまい!スターレイン!」グッ、シュバッ!「真上に?」スパアアアーン!キュキュキュッ!

「そんな!」「ビームアローが破裂して放射状に!」ズドドドドドッ!「わああああっ!」ゴオオオ・・「す・・すごい!

ライジングを中心に半径200メートルがジュウタン爆撃みたいにハチの巣に!」「直撃は五本、致命傷はなさそうね。」

 

「ま・・まだ!まだ・・やれる!」グググッ!・・「ほう・・見事な闘志ね。あなたもファイターとして目覚めつつ

あるようね。・・では私も全力で応えてあげる!」ズオオオッ!「ら、ライジングが!」「ハイパー・・モード!」

シュイン。「な・・なんて巨大なビームアロー!」ギリギリギリ!「『破滅の流星』、いまこそその身で確かめなさい。

必殺必中!ディザスター・アロー!」ズドオオオーン!「矢が巨大な火の玉・・いえ、流星に!・・クレオ!」

「逃げない・・たとえ命尽きようとも真正面から戦う!」シャリッ!「奥義!ギャラクシーシュート!」シュパパパッ!

「無数のカードを放射状に!」ゴオオオオーッ!キュキュキュキュッ!ズバッシャアアアーン!ズガガガガーン!

「うわああああーっ!」ズダダダーン!「暴発がギャラクシーに近すぎた!・・勝負あり、ライジングガンダム改!」

「ディザスターアローのパワーを相殺し、ついでに私にも一発当てるとはね・・やるわね、クレオ・・」キラッ。

「えっ?・・ライジングの肩にカードが!」グッ、ズボッ。「あと少し正確だったら、首を刈られてたとこよ・・」

 

パシュ。「ふーっ、これで練習試合シリーズはおしまい。みんなに迷惑かけちゃったね。」「ううん、そうでもないわ。

みんないつもと一味違うファイトで、それなりに勉強になったみたいよ。ドモンは新しい必殺技の研究を始めたし、

半蔵さんもなにやら考えてる。ナコちゃんは新しい分野の本を読んでるし、アレンビーも新必殺技のヒントを

つかんだみたい。私もカンを戻せたし、けっしてムダにはなってないわ。」「そういってもらえると嬉しいわ。」

「クレオたちも闘いの呼吸というものが少しはわかったんじゃない?こういうのは経験積むしか方法がないからね。」

「経験か・・そういう意味でアルカナみんなが経験を積めるような場が必要かもね。」「多くのメンバーが決勝リーグに

いるとはいえ、それ以外のメンバーはそういう機会が少ないのは事実ね。」「うん・・何か良い手を考えておくわ。」

 

タイタン、首都アガルタ。ビーッ!ビーッ!『戦闘体勢!敵が大本営内に突入!十傑集および武装戦闘員は戦闘態勢!』

ドカドカドカッ!・・ユラッ。『はっ?!』ジャキジャキッ!『そこの男、銃を捨てろ!』「ククク・・はいそうですかと

従うヤツがいるのか?」『撃て!』グラタタタタタ!ズドドドドドッ!ゴオオオ・・ぬっ。『・・効いてない?!』

「私を倒したければ、銀の弾丸でも用意することだな。シャカール!」ドドドオンッ!バコバコバコッ!『ぐわあっ!』

『三発で十数人が?!なんて威力の銃だ!』「50口径重装薬、劣化カリフォルニウム弾頭だ。モビルスーツさえ一発で

スクラップにする。」ズシッ!『あ・・あんなバケモノ銃を片手で。』『通路の角に隠れろ!』ザザザッ!「ムダなことを。」

ドドオンッ!ボコボコッ!『ぎゃあっ!』『バカな・・角を貫通するとは・・』ガクッ。「曲がり角は注意することだ。」

 

カツカツ・・「例え茨の道であろうと主は我とともにあり。我が痛みは主の痛み、我が涙は主の涙。」・・ドカドカッ!

『侵入者発見!攻撃!』ズドドドドッ!チュンチュンチュン!「きさまら邪教徒に主の恵みを授かった俺は倒せん。」

シャリン!「シィィィィ!」ゴオオオオーッ!『な、なぜ倒れん!』シュバアッ!ザキザキイッ!『ぎゃあっ!』

「フハハハハ!バビロンの娼婦は滅びよ!シイッ!」ビュババババッ!ドスドスドスッ!「主よ、生け贄を捧げます。」

 

ドカドカドカ!・・ザッ。『?・・そこの女、止まれ!』ジャキジャキッ!「は、はーい!参りましただ!」しゅたっ。

『?・・なんだ、お掃除おばさんか。』「い、いったいぜんたい何事だべ?」『この長い包みは?』「へえ、あっちまで

運べとおおせつかったもんで。」『ジャマだからどこかに隠れてろ。行くぞ。』ドカドカドカ。「・・バーカ。」シュルッ。

ぬうっ。「アトレイデス、ファイア!」ズドオオオオーン!ボコボコボコオオオーン!『ぐぎゃああああっ!』

「Yeah!一網打尽とはこのことね。」ぐっ、ばさあっ!「よいしょと。さって次は美人秘書にでも化けよっかな~♪」

 

ズズゥゥ・・ン・・「派手にやっているようだな。」「敵は五名。うち二人が『世界』と『愚者』だ。」「あとの三人は?」

「一人はわかった。アンデルセン神父だ。」「それは変だ。神父は半年前に殺されたと聞いたことがある。」「・・」

「いずれにせよレッド、ヒッツカラルド、十条寺、セルバンテスが要撃に出た。詳しい情報はおって入るだろう。」

『その必要はないね。』『・・なにっ?!』シャッ、シュタッ。「なぜならあたしがここにいるからさ。」「・・世界!」

「あんたが十傑集筆頭、混世魔王・樊瑞だね。ひとつだけ聞きたいんだけど。」「・・言ってみよ。」「デビルガンダムは?」

「知ったことではない!」「・・ふ~ん。そういうこと。残月さんは?」「他の奴に聞け。」「カワラザキのおっさん。」

「答えると思うか?」「幽鬼のダンナ。」「聞いたところで生きては戻さぬぞ。」「怒鬼のあんちゃん?」「・・」ちゃきっ。

「アルベルトのダンナ。」「これは我らの問題だ。キサマはここで死ねばよい!しゃあああっ!」シュバアアッ!

「問題ありということじゃな。」シュッ。「なにっ?!」ドオンッ!パキィィィン!「ぬおおおおーっ!」ザザザーッ!

「・・愚者か!」「台北の白虎、李大広老師!」「ひさしぶりじゃの樊瑞。托塔天王が草葉の陰で泣いておるぞ。」

「遅かったじゃねえの。」「ちょっと遊びすぎたの。」グルルル・・「二人と一匹で我ら六人を相手にしようというのか。」

「ああ、できるともさ・・」ユラッ・・『この気は!・・』ゴォォォ・・「十傑集がなんだって?デビルガンダム一匹に

手こずるようじゃ、その名は返上したほうがいいんじゃないかい。」はっ。「・・なぜそう思う。」「簡単なことじゃ。

タイタンに来てからこっち、なぜ十傑集がワシらを襲ってこなかった?」「くるのは武装兵士かDGゾンビばっか。

手抜きじゃなきゃ、やる気なしとしか考えようがないけど。」「・・」「つまり、あたしらに関わってるヒマがないほど

大本営の内情は火の車ということ。ちがう?」『・・』「なんならワシらがひっかきまわしてやってもよいぞ。」

「なにをキサマら・・樊瑞?」すっ。「・・よかろう。デビルガンダムはここの地下20階にいる。行くがよい。」

「素直なおじさまって好きよ♪ さ、行こうか。」「うむ。会うのが楽しみじゃの。」オン。『あっ!』「方々、動くな!」

シュッ・・「樊瑞、なぜ教えた。」「あそこはもはや地獄の惨状だぞ。生きて帰れるわけもない。」「それに得体の知れない

敵もうじゃうじゃおる・・デビルガンダムを守るどもが。」「忘れたのか?レッドもヒッツも十条寺もセルバンテスも

あそこへ行ってからおかしくなった。」「DG細胞に冒されている可能性が大だ。」「連中は紋章を持っていなかったからだ。

だがあの二人はちがう・・意外と面白い展開になるかもしれぬぞ。」「脅威がそこにあるとわかってて、手出しできぬ

もどかしさを破ってくれるならそれもよかろう。」シュボッ。スパ~・・「・・変な話だが、頼むぞ。世界と愚者。」

 

シャシャシャッ!「敵はどこへ行った!」『レッドさま、地下に向かったようです!』「地下とな?・・もしやして

デビル大帝の聖堂か。」「行かせてなるものか。オレの指で止めてみせよう。」「幻獣が臭いを捉えた。急ぐぞ!」

 

みなさんお待ちかね!なんとマスターアジアがヨーコに挑戦状!

三日後のチャレンジマッチに向けて、ヨーコは猛特訓!

この巨大な試練を乗り切れるのか?

次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第46話

「バーニングハート!ヨーコ最大の挑戦」に、レディー、ゴーッ!

 

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第46話「バーニングハート!ヨーコ最大の挑戦」

 

名出屋城、会長オフィス。バーン!「たのもう!」「あらマスターアジア。珍しいですね。」「クレオパトラ。

ワシがここへ来たからには、用件は言わずともわかるであろうが!」「練習試合の件ですね。」「そうだ!いかに

ガンダムファイトの大スポンサーとはいえ、身勝手な行動目に余る!聞けば5回も闇試合を行ったそうではないか。」

「ヤミとは失礼な。練習試合として委員会に正式に承認され、記録も提出してあります。」「知っておる。事前に

確認してきた。・・なぜワシを通さなんだ。それが聞きたいのだ。」「マスターは公式試合のレフェリーとしての権限をもつ。

練習試合までその守備範囲に入るとは思わなかった・・それだけです。」「ふん、一応スジは通っておるな・・まあいい、

済んだことだ。だが、これからはワシの耳にも入るようにしてもらいたい。」「もう練習試合の予定はありませんけど。」

「いや、まだ一つ残っておる。・・ワシとの練習試合だ。」「マスターが?・・これは予想もしない申し出ですね。」

「記録を見てな・・常のファイトにない面白さがあった。特にあのヨーコとかいう女御・・面白い。ゴッドフィンガーを

砕くほどの豪剣。ファイターでないのが惜しいぞ。・・ぜひワシと手合せ願いたい。」「わかりました。ヨーコに打診して

おきます。返答は今日じゅうに。」「よい返事を期待しとるぞ・・では。」「ドアの修理費はあとで請求書送りますから。」

 

共同オフィス。「えーっ?!マスターアジアがあたしに挑戦状を!」「そうよ・・しかもあのジジイ、ちゃっかり委員会に

手を回して、三日後にエキジビションマッチとして公式に開催するそうよ。」「ちょ、ちょっと、それじゃ・・」

「そう。数十万、いえ、視聴者も入れると数百億人の観衆の前で闘うのよ、ファイターとして。」「あ・・頭が・・

吐き気してきた・・クレオいいの?あたしがこんなに目立って!」「さいわいアルカナの事は知られてない。実力のある

アマチュアにマスターが胸を貸すという形になってるわ。グループの宣伝にもなるし。マチルダ、経済効果試算を。」

「はい、え~と、わたしのシミュレーションですと、ゴッドフィンガーを砕いたという評判を流すことにより、観客は

40万人の満員御礼、視聴率は88%。約120億人が見ることになります。これはグループの広告費10年分の効果に相当し、

それによる総収益増加額は最低でも20兆ドルになりまーす。」「お、おええええ~っ!」「わーっ!バケツバケツ!」

ダバダバ・・「ゲホゲホ!あ・・あたしヤダ!そ~んなところ出てったら、キンチョーのあまり脳の血管切れちゃう!」

「ここまで聞いてイヤはないでしょ!」「グループの明るい未来のため、社員のため、ボーナスのためよ!」

「あなたの尊い犠牲はムダにはしないわ。笑って玉砕してきてね♪」「みんな勝手なことをいうんじゃな~い!!」

 

名出屋城地下・ガンダムドック。「おやっさん、あたしどーしよう・・会社のため、みんなのためになるのはよっく

わかるんだけど・・」「・・自分のため、でいいじゃねえか。」「えっ?」「マスターアジアと手合せできる・・しかも

向こうから挑戦してきたとありゃ、武闘家としてこれほどの名誉はねえ。それ以外のことはどうでもいいんじゃ?」

はっ!「そ・・そうよね!なにも悩むことないんだ。あたしはあたし自身のために闘えばそれでいいんだ!」

「吹っ切れたな。それでこそ社長だ!」「そうとなれば!・・クレオーっ!あたし受けるよ、このファイト!」

 

ガンダム長屋。ガラガラ!「たのもーっ!レイン、ダンナ貸して!」「あっ、ヨーコ!ニュースで聞いたわよ。マスターと

ファイトするんですって?」「もう宣伝始めてんの?ナディアめ、早手回しね。」「テレビじゃ大さわぎだぞ。いわく、

『マスターからの挑戦状!ゴッドフィンガーを砕いた女!』ってな。」「あ~あ、ナディアがお得意のプロパガンダを

始めやがったな。」「で、特訓をしたいわけだな。よし、スパーリングの相手は引き受けよう。」「私が強化プログラムを

組んであげるわ。マスター相手ならキツイほうがいいでしょ。ビシビシいくわよ!」「よろしくお願いしまーす!」

 

名出屋城。「で、ヨーコは特訓に入ったわけね。」「レインの用意した特訓メニューを見たけど・・すっごいハードで

ロッキーでも逃げ出しそうな内容よ・・これ。」ばさっ。「どれどれ・・げっ!ホントにこれ三日でやるの!」

「これ・・特訓というより拷問ね。」「フツーの人間なら死ぬわよ、これ・・」「・・記録撮ったら映画にできそうね。」

「マチルダがついてるわ。彼女の目は高品位デジタルカメラだから、ばっちりくっきり記録されるわ。」「さすが。」

 

大手町廃虚。「いい?マスターは素手でモビルスーツをぶち倒すバケモノじじい。よって中途半端な特訓はするだけムダ。

まずは廃ビル百本砕き、始め!」「おりゃあああーっ!」ズドオオオーン!ズガガーン!「おそい!もっとペース上げて!」

「とりゃあああーっ!」ドガガガガッ!ガラガラガラ!「その調子。あと80本を10分以内で!」「おっけい!」

 

「次は主武器であるマスタークロス対策。ナコちゃんよろしく。」「はい。カムイリュッセ!」バサアッ!

「それそれそれーっ!」ババババッ!「刀を巻きこまれたらおしまい。クロスを切り裂くタイミングをつかんで!」

「そりゃっ!」ビュッ!ボスッ!「力みすぎ。切れてないわよ!草を刈るように優しくしかも素早く!」

 

「次は連撃対策。ドモン、鈴ちゃん!」『そおりゃーっ!』ババババッ!「二人の同時攻撃をかわしきり、反撃よ!」

「ととととっ、おりゃっ!」『はっ!』スカッ!「ダメダメ!モーションを読まれてる。もっと鋭く!」

 

「よーし、今日はこんなもんね。」「はあっ、はあっ・・」「初日はこんなもんだな。」「さ、長屋までランニングよ。

アルゴよろしく!」「むう。」ズシイッ!「おおおっ!」「アルゴをかついでウサギ飛び。スタート!」タッタッタッ。

「ぜっぜっぜっ・・」「腰はなかなか強いみたいね。」「レインを背負った方が訓練になるんじゃないのか?」バキッ!

 

ガンダム長屋。「あ"~・・きっつ。」「よくがんばったわね。夕食にしましょ。」「クレオからの差し入れだ。特上寿司

食い放題!」ババン!「むう、うまそうだ。」「さ、しっかり食べて明日に備えましょ。明日はチボデー、ジョルジュ、

サイサイシーが特別トレーナーを務めてくれるそうよ。」「でも・・なんでみんなあたしに協力してくれるの?」

「お前ならやれるかもしれない・・そう思った。」「ええ。私みたいにマグレでなく、実力で勝てる・・そう思います。」

「私もまだ果たしてない打倒マスター、ヨーコさんならきっとできます。」「みんな・・ありがとう。」「ドンドン食べてね。

足りなくなったら、いくらでも出前してくれるって。」「おかわり。」『アルゴ、早っ!』「十貫くらいでは。」ズズ~。

 

「では二日目のメニュー。まずはクロスと脚の同時攻撃。サイサイシーよろしく!」「あいさ。フェイロンフラッグ!」

バサッ!「おあたたたた!」ババババッ!「はいはいはい!」「いい調子よ。加えてパンチ。チボデーよろしく!」

「オッケー。ウララララ!」ババババッ!「三つの攻撃を全てかわしきるのよ!」「おおおーっととととっ!」

 

「次は十二王方牌大車併対策。ジョルジュよろしく!」「かしこまりました。ローゼスビット!」ブワアッ!

「ビットを全て回避もしくは打ち落とすのよ。」「たたたたっ、それっ!」バシバシッ!「うまいうまい、その調子。

ジョルジュ、ちょっとキツイのあげて。」「いきますよ。ローゼスハリケーン!」ゴオオオッ!「ちいいいいーっ!」

 

「よーし、今日はこれまで!」「ゼイゼイ・・」「さ、帰って晩御飯にしましょ。」「オイラがスタミナつく四川料理を

作ってやるよ。」「あ・・ありがとう・・みんな。」「気にすんな。アマチュアがマスターを倒す・・おもしれえじゃねえか。」

「マスターがどんな顔して敗れるか、楽しみです。」「今日はアルゴいないから、ふつうに歩いて帰っていいわよ。」

「あれ?レインねーちゃんがいるじゃん。」ゴン!「あいて~!」「そりゃ殴られるわな。」「レディーに失礼ですよ。」

 

「いよいよ最終日よ。まずは超級覇王電影弾。ドモン!」「いくぞ!はああああーっ!」ギュルギュル・・ドーン!

「突きで中心を貫くのよ。それ以外に道はないわ!」「とおっ!」ドンッ!バシイイイーン!「うわあああーっ!」

ズダダダーン!「狙いが甘い!もう一回!」ゴオオオオーッ!「くっ・・見てちゃ外れる。カンで射抜くのみ!」

 

「次は石波天驚拳。またまたドモン!」「おおりゃああああーっ!」ズドオオオオーン!「くっ!」チャキッ。

ズズウウウウーン!「うわああああーっ!」ドガシャアアアーン!「受けるだけじゃ力負けするわ。撃墜する気で!」

 

「滅殺マスターブリンガー。ンドゥールさん、よろしく!」「私の手が触れたら負けと思え。いくぞ!」ズズズズ!

「くうっ!・・なんて気を放つ手なの!」「これでもマスターに比べれば、そよ風のようなものだ。ほれいっ!」

ゴオッ!「はっ!」タン!ザザザーッ。「下がっちゃ意味ないわよ。紙一重で見切ってカウンターを狙わなきゃ!」

 

「最後よ。新必殺技「ジャッジメント・デイ」の訓練、始め!」「はぁぁぁ・・っ!」ダン!ズドオオオオーン!

『おおっ!』「すごい!・・わずかな動きで廃ビル五本が!」「見事な気の使い方だ。いわゆる発勁に通じるな。」

 

「これで全て終了!」「はあっ!」ガクッ!「よくやった!」「うむ、この三日間でみちがえるように強くなったぞ。」

「これならマスターにも後れをとらないわ。明日の試合、がんばんなさい。」「みんな・・ありが・・と・・」ドサッ。

「よいしょっと。さ、帰ろう。」「長屋に着くころには気づくでしょ。」「懸命な人の姿こそ美しい・・よい経験であった。」

 

名出屋城。「終ったか・・すさまじい特訓だったわね。」「あそこまでしないとマスターにはとうてい勝てないのね・・」

「普通の人なら十回はあの世行きね。」「・・技術長は?」「ここ三日間ジャッジメントに取りつきっぱなしです。

食事も寝るのもドック内。」「二人ともがんばってるのね・・マリア、陣中見舞い、届けた?」「手配はバッチリ。」

 

地下ガンダムドック。カンカン。ガガガガ・・『お~い、おやっさん!』「なんだ?・・おっ、マルローネじゃねえか。」

「はろー。クレオに頼まれて手伝いに来たのよ。」「そいつぁ助かる。ちっと手こずってるとこがあってな。」

「どれどれ・・うわ、思いきったチューニングしてますね。」「一撃入魂仕様とでもいうか、後のことは考えてねえ。」

「・・ああ、ここのバランスが二律背反してるんですね。」「いい手あるかい?」「う~ん・・こういう手はどうです?」

カタカタカタ・・「ほう・・そいつぁ盲点だ。」「普通は誰も考えない手法ですが、だからこそ裏ワザなんです。」

「さすがだねぇ・・この年になっても勉強ができるとはありがたいこった。」「それがおやっさんのえらいとこですよ。」

 

ガヤガヤ・・「ん?長屋がにぎやかだな。」「おっ、帰ってきたぞ!」オオーッ!「なっ?裏の空き地がパーティ会場に

なっちゃってる!」『それではこれよりヨーコさんの壮行会を始めまーす!』パチパチパチ!「これ・・決勝出場の

全ファイターとクルーじゃない。アレンビー、なにごと?」「クレオの差し金よ。そしてみんなノってきたの。」

『では最初に、この三日間の荒行を克服したヨーコさんのあいさつ!』パチパチパチ!「え?壇上に?」『ほらほら。』

「えー、・・言葉が見つからない・・みなさんのおかげで、なんとか恥ずかしくない闘いができそうです。ほんとうに

ありがとうございました!」「がんばれよー!」「勝てなくてもいいから負けるなよ!」『では恒例の音頭もよろしく。』

「音頭?」こしょこしょ。「ああ・・なるほど。では!」ぐっ。「ガンダムファイト!」『レディィーッ、ゴーッ!』

 

ワイワイ。「なかなかいい体格だ。ファイターとしても申し分ない。」「光栄です、ミスター・ガルーダ。」「ヨーコさんは

薩摩示現流を能くするそうですが、一の太刀に全てを賭ける必殺剣と聞きましたが?」「はい、ハンスさん。でも私は

まだまだその域には達してません。」「貴殿ならいずれは出来る。いや、今でも自覚していないだけかもしれぬな。」

「過大評価ですよ、キラルさん。」「いや、私もそう思う。君の潜在能力は君が知っている以上にありそうだ。」

「大人気ね、ヨーコ。」「ああ。人当たりも良いしな。」「うむ。何より真っ直ぐな性分が好感を持てる。」「教えがいの

ある方とはそうそういないものですが、マドモアゼル・ヨーコはその稀少な例でした。」「こればかりはジョルジュに

同感だぜ。ヨーコ、けっこういいとこまでいくかもしれねえな。」「ホントにマスターを倒しちゃったりして。」

「もしヨーコがガンダムファイトに出場してたら・・決勝リーグまで勝ち残ったかもな。」『・・ああ。』「惜しい・・

あれほどの才能が在野とは。」「とはいえサバイバルイレブンならともかく、決勝リーグには途中参戦はできません。」

「こまかいこと言わずに出してやってもいいんじゃねえか?」「問題はだ、誰がそれを認められるかなんだけどね・・」

 

「さてみなさま。本日の第三試合、事前にお伝えしましたように、ガンダムハイマスターとアマチュアのヨーコ選手の

ガンダムジャッジメントのエキジビションマッチです・・が、ご覧ください、この大観衆!」ワァァーッ!

「公式試合以上の満員札止め!それもそのはず、このヨーコ選手、野試合でゴッドフィンガーを砕いた実力をもつ

未知の強豪。しかもマスターから挑戦状を叩きつけたという異常事態です!あっ、どうやらチャレンジャーサイドの

入場のようです!」ザッ!ザッ!ザッ!「な!なんと、決勝出場の全ガンダムが入場してきました!そして、」ザザッ!

「入場門前に2列に整列!ガンダムの道を作りました。そのガンダムロードをジャッジメントが入場してきます!」

ザシャアッ!「・・この闘い、あたしは負けない!みんなの心に答えるために!」ザッザッザッ!ワアアアアーッ!

「ものすごい大歓声!いままさにガンダムの歴史に新たなる一ページが刻まれようとしています!・・そして!」

ヒヒヒーン!「ガンダムハイマスター、いつものように風雲再起に乗っての入場です!」「ふん!」ダッ!スタッ。

「ふん、えらいお祭り騒ぎだわい。まあ、これくらいの方がワシも気合いが入るというもの・・む。」オォォォ・・

「・・ヨーコ、その気、かなりのもの。ワシの目に狂いはなかった。」「みんなの心があたしを強くしてくれた。

だからこそ、この勝負には負けない!」「いい気迫だ!久々に胸が踊るわ!」「サブレフェリーのデス13が位置につきます。

そしてガンダムたちはレフリングゾーンの両側に立ち並び、ファイトをみつめます。いよいよ試合開始です!」

 

「両者、構え!」グッ。ピタッ。「・・始め!」『ガンダムファイト!レディー、ゴーッ!』「龍布!そりゃあっ!」

シュバババッ!「はあっ!」シュバッ!パラパラ・・「ほう、木刀でワシの布を寸断するか。ならば!」シュルルッ、

ビシイッ!「おおっと、マスタークロスが棒状に変化しました!」「わが長棍術、受けてみせよ!」ヒュンヒュン!

「なんの!」キキキキン!「ちぇすとおおおーっ!」「なんの!」さっ、ガキイイイーン!「マスター、受けました!」

「ふふふ・・なにっ?!」グン!「小具足術・稲妻返し!でりゃあああーっ!」バキイイイーン!「ぬおおおおーっ!」

ズザザザザーッ!「なんと?!受けられたところを軸に柄で回転アッパーカット!」「ふぅ・・はあっ!」チャキッ。

「ふ・・ふふふ。まさに戦場の剣法。こうでなくては!むん。」ズオオオオ・・「十二王方牌・大車併!」シュバアッ!

「ラスト・ジャッジメント!」ズバーン!「やるな、剣風で蹴散らしたか。ならばこれはどうじゃ!」ギュオオオッ!

「いくぞ!超級覇王電影弾!」ドオオオオーン!「・・!」チャキッ。「ジャッジメント、真っ正面で正眼の構えです!」

「ほう、おもしろい!」ゴオオオオオッ!「突きいいいーっ!」ドンッ!ズドオオオーン!「うがあああっ!」

ズガガガガーッ!・・「・・はあっ。」すっ。「く・・その攻略法を実践できる腕までとは!」グググッ!・・ピシイッ!

「ハイマスターの眉間に・・ヒビが!」「うふう!・・これは全力で当たらねば失礼になるな。はあああーっ!」

ゴゴゴゴゴ・・「・・来るか!」チャッ。「流派!・・東方不敗が最終奥義!」ドドドドド!「石破!天驚拳!」カアッ!

ズドオオオオーン!「出たあああーっ!伝家の宝刀、石破天驚拳!」「吼えろ最後の審判!」オオーン!ビイイーン!

「ファイナル・ジャッジメント!どりゃあああーっ!」ズバアアアアーン!「やはり斬ったか・・だが!」ドン!

「スキありーっ!滅殺、マスターブリンガー!」ゴオオオッ!「終わりだ!」フッ!スカッ!「なんとおっ?!」

「ジャッジメント・デイ!」ズドォンッ!「うっ!・・」シーン・・ドドドドドドッ!「うばあああああっ!」

ズドオオオオーン!ガガガガッ、ズダダダーン!ゴォォォ・・「往生しなっせ。」「勝負あり!ガンダムジャッジメント!」

ウワァァァーッ!「な・・なんとすさまじい闘いでしょう!最後は全パワーをこめた壮絶なドス突きでマスターは轟沈!

まさに大砲の破壊力!ヨーコ選手、巨大な壁を今まさに自らの力で打ち砕きました!」ヨーコ!ヨーコ!ヨーコ!

 

パシュ。「マスター、生きてますか?」「・・ふふ、今のはかなりこたえたぞ・・だが満足じゃ。大いに満足であった。」

「マスター・・」「ちょっと・・手を貸してくれ。一人では・・起きれんわい。」すっ・・「はい。・・」がしっ。

ワアアアーッ!「観客が・・」「お前の勝利を称えておるのじゃ。さあ凱歌をあげよ!お前のガンダム道の始まりを

高々と示すのだ!」「はい!ご指南、ありがとうございました!」ばっ!ヨーコ!ヨーコ!ヨーコ!ヨーコ!・・

 

その夜、ガンダム長屋。わいわい。『それでは二日続けてではありますが、今宵はヨーコさんの勝利祝賀パーティ!』

オオオオオーッ!『まずは主催でありヨーコさんの上司でもあるクレオパトラ会長のごあいさつ!』パチパチパチ!

『コンコン♪ あーあー。・・一番、越冬つばめ。』ぬどどどどーっ!『あいたたた・・会長、ボケがきついです。』

『ちょっとした前置きよ。皆さんのご助力のおかげで、ヨーコはついにあのヘンタイお下げじじいを退治できました。』

ワハハハハ!パチパチパチ!『よってこれを祝すとともに、皆さんへの感謝をこめて宴を持たせていただきます。

みなさん本当にありがとうございました。』パチパチパチ!『では乾杯の音頭は主任コーチであるレインさんに!』

『ではみなさん。この勝利を祝し、またみなさんの健闘を祈って!』『カンパーイ!』「まてーい!」『えっ?!』

ヒヒヒーン!パカッパカッパカッ!「師匠?」「その乾杯しばし待て!その前に重大発表がある!」『重大発表?』

「ヨーコ、こちらへ。」「は、はい?」つかつか。「これを受け取るがよい。」すっ、ばさっ。「?・・これは!」

「ガンダムファイト実行委員会特別通達!ヨーコ・クサナギ。無所属扱いにて決勝リーグへの途中参加を許可する!」

オオッ!「えっ?・・ええーっ!クレオ、どーしよどーしよ!」あたふた。「どうどう。・・じゃ、会長命令よ。

がんばってきなさい!」ばん!「あいた!」「どうじゃレイン、これぞ乾杯に価するものだ!」「おっけい♪じゃあ、

もっとめでたいヨーコの決勝リーグ参戦を祝して!」『かんぱーい!』カチンカチンぱりーん!(割ったのがいる)

 

木星上層圏・都市戦艦「斧」。「なんだと?三人が裏切っただと!」「Dr.ハインケルの報告を要約するとそうなります。」

「ふ~ん。どこでおかしくなったんだろ?」「た、ただちに対処いたします幽音さま。ウォルター、直接連絡はつくか。」

「その必要はございません。」さっ。「・・電話?」「たったいま『やつ』からかかってきました。どうぞ。」ばっ!

『わが主よ、元気か?』「キサマどういうつもりだ!」『何の話だ?ネオナチにたかるネズミの駆除なら順調だ。』

「ならばなぜ世界たちと行動を共にしている!」『ネオナチに害する組織を排除するという目的が一致したからだ。』

「なに?・・」『そうだ、デビルガンダムとその配下だ。依頼内容に矛盾はないぞ、クククク・・』「キサマ!・・」

「ぷっ、あはははははっ!」「幽音さま?」「なるほど依頼どおりだね、間違ってないよ。」「だがデビルガンダムは

幽音さまの」「いいのいいの。あ、そのまま続けていいよ。思うぞんぶん暴れちゃって。」『クライアントのお許しは

いただけたようだな。我が主、指示を。』「・・任務を続行せよ。」『了解した。・・』プツッ・・「・・あのバカが!」

グググッ、バギイッ!「あはははは!まあまあ押さえて。小ジワが増えるよ、インテグラ。」ぽんぽん。「しかし!」

「あの程度の敵にやられるほど弱くはないよ、うちは。」はっ。「・・闇シャッフル。」「そう・・ちょっと見ものだね。」

 

みなさんお待ちかね!いよいよタイタンの戦いは佳境に。

『HELL-THING』三人衆を助っ人に加え、世界と愚者はデビル軍団中枢へ!

DG十傑集の追撃、ヘルファイターの迎撃、そして現れる闇シャッフル!

超巨大デビルガンダムの目前で繰り広げられる激闘の行方は?

次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第47話

「妖戦!呪われし惑星」に、レディー、ゴーッ!




第47話「妖戦!呪われし惑星」

タイタン・ネオナチ大本営地下。シャシャシャシャ・・「・・むっ?」スッ・・「十傑集、ヒッツカラルドか。」
「何者だ。」「特に名はない。さほど必要性も感じないしな。」「名のない男か・・ならば消えても問題ないな。」
パチン♪ズバアッ!・・どさっ。「何をしに出てきたのか知らんが、拍子抜けだな。」【これがウワサの真空刃か。】
「・・なにっ?!」【だがこの程度では私は滅ぼせない。】「まっぷたつになって・・生きてる?!」【見せてやろう。
地獄より来たるもの(HELL-THING)の戦い方を。】ズズズズ!「なんだと?!死体が・・怪物に!」ザワザワザワ!
「バケモノが!」パチパチン!バサバサッ!・・シュゥ。「真空刃が・・効かない?!」ズズズズ・・ゴルルル!
「うわあっ!」ゴボオッ!【シャカール。】ドオンッ!ボグオッ!「ぐわっ!・・右腕が!」ズズズズ・・シュウ。
「これでソロだな。」「・・クククク、そう思うか?」「む?」パキパキパキッ!シュン。わきわき。「元通りだ。」
「ほう、キサマもバケモノか。これは楽しい。」「デビルガンダムの加護を受けた私は不死身だ!」パチパチン!
ズバババッ!「救えぬ奴だ。DG細胞などという古道具で不死身とは笑わせる。ではしばし遊んでやろう。」

シャシャシャシャ・・ぴくっ!「殺気なり!」ヒュババババッ!「ぬん!」タン!ドカカカカッ!「何奴なり。」
カツカツ・・「・・神父?」「十条寺・・道教が道士。邪教徒を滅すは神の使命。」シャリン!「狂信の徒なりか。
ならばうぬが神に会わせてやるが慈悲。」♪チリン・・ボコボコオッ!オオオオ!「リビングデッドか。くだらん。」
「いけい我が腐敗の軍団よ!」♪チリン!ザッザッザッ!「迷える魂を救うも我が使命。シィッ!」ゴオッ!
ヒュッ、ズパアアアーン!「フハハハハ!」ザキザキイッ!「きわめて疾し!」「それいっ!」ビュッ!ズバアッ!
オオオオ!・・どさどさどさっ!「シイッ!」ヒュババババッ!ドスドスドスッ!・・ニヤリ。「斯様な銃剣ごときで
倒せる我とでも思うが浅薄。」ぐっ、ズル~ッ!カラカラーン。「なるほど、すこしは娯しめそうだ。」シャリン!

シャシャシャ・・すっ。「ぬう?」タタッ。「・・女?」「ちぃーす。あなたがマスク・ザ・レッドさんね。」「何者だ。」
「婦警さんでーす。タイホしちゃうぞ♪」「のけい。さもなくば斬り捨てて通るのみ。」「できればね。」・・ぬうっ。
「アトレイデス!」ドコオオオオーン!「オボロ回避!」ボォッ・・ドカアアアーン!「あや~、ミスっちった。」
ゴオッ!「死ねい!」ビュッ!カィィーン!「・・なんだと!」「あら残念でした。ほれ。」ピン。バチイイイーン!
「ぬおおおおーっ!」ズダダダダーッ!「くっ!・・指一本で拙者がはじき飛ばされた?!」「あたしのデコピンは
その気ならマグナム弾なみの威力よん♪」ちょいちょい。「それにあの巨砲を麻幹のように・・バケモノか。」
ぴく。「・・うら若き乙女に向かってバケモノよばわりとは失礼なヤツ。ちょっと怒ったぞ~。」ごそごそ、すっ。
「・・ビー玉?」「ほいっと。」ピン。ゴオッ!「なにっ?!」バコオオオーン!「ちっ、またハズレか。」パチン!
トロッ・・「・・み、見えん!」「あたりまえ。初速マッハ超えてるしー。かすっただけで皮膚がはぜるって。」

タタタタ・・ぴくっ、ぴたっ。「シクルゥ?・・敵か。」「一人ではないの。いや・・人ではなさそうじゃ。」さっ。
『見つけたぞ侵入者。』カツッ。「十傑集、幻惑のセルバンテスかい。」「知っていてもらえたとは光栄だ。ならば私の
能力も知っているな。」「幻獣使いじゃったかの。」「そのとおり。そして君たちはすでにその顎の中にいる。」「跳べ!」
ダン!ガチイイイーン!ゴロゴロッ、すたっ。「あっぶね~。廊下に擬態してたとは。」「幻獣『家主』じゃな。
建物に寄生し住人を食らう。いわゆる幽霊屋敷の何割かは『家主』と聞く。」「そう。ここら一帯は『家主』の領地だぞ。」
「そうかい。・・はっ!」シャッ、ガスウッ!グオオオオオーッ!・・「ならこれで倒産ってことだな。」グッ、ズポッ。
「さすがは『世界』、『家主』の中枢を精確に貫くとは。」「この程度でアルカナに勝とうと思うのが間違いじゃよ。」
「さて次はどんな怪物を見せてくれるのかな?」「行けいキマイラ!」バサアッ!ヒュッ、ドドーン!ゴルルル!
「合成獣キマイラか。」くいくい。「ん?・・シクルゥ?」オン。「・・自分の番だって?いいだろ、やってみな。」
チャッ、ぱくっ。「マキリを咥えさせた?」すっ。「サイズが三倍ほど不利じゃな。」「シクルゥには問題じゃないさ。」
ゴルルル!ダダダダッ!「・・!」シャッ!バシィィィーン!・・タタッ。・・ポトッ。ぴちぴち。ゴオオオオッ!
「尻尾の毒蛇が!」「シクルゥ、遊んでんじゃねえよ。」「さっさと片づけてくれぬとのう。」こく。シャシャッ!
ゴオッ!くいっ、ザキイイイイーッ!・・ドボアッ!「お~、タテ一文字に切腹だ。」「あれは死ぬほど痛いぞ。」
どさあっ!ぴくぴく・・「ほれ死んだ。」「ねえ、もーちょっとホネのあるかいじゅー出してくんなきゃ。」「くっ!・・」
【退きなさい十傑集。】『?!』「エルフィール様?」【あとはこちらで対応します。】「・・ははっ。」シャッ!・・
「あ、おいちょっと待て!今の声は誰だ!」「エルフィール・・知らんの。」「DG十傑集が従う女性・・か。」くるっ。

ゴォォォ・・「・・来たわね。」・・シャシャッ。「ようこそ、パーフェクト・ワールドとクレバー・フール。」
「あんたがエルフィール?」「見たところ若そうな女人じゃが。」「エルフィール・クロウリーとお見知りおきを。
まずはほんの挨拶まで。」パチン♪・・ザザッ!「へえ・・どっかで見た顔が多いね。」「こやつらタイタン刑務所に
収監されておった悪の武術家どもじゃ。」「おかげで材料には事欠かなかったわ。」「材料?・・はっ?!」ピカッ!
「アルカナの紋章が反応しておる?」ピカッ!「・・でめえ、まさか!」「そう、彼らはDG細胞で強化された
不死身の武闘家軍団。名づけて『ヘルファイター』。実戦テストのお相手をお願いするわ。」「そうかい。」さっ。ダダッ!
「老師、いちおう断っとくけど。」「わかっておる。この場合やむをえまい。」「シクルゥ、殺るよ!」オン!シャアッ!
「カムイリュッセ!」ぐっ、バサアッ!キュルルルッ!『むうっ!前が見えん!』「ほいっ!」グン!ゴキゴキイッ!
「ほっ、なかなかの荒業じゃの。」「死ねい!」ゴオッ!「よっと。」ぱしっ。すっ、「砲掌!」ドオンッ!「ごはあっ!」
ブオオオッ!『うわあっ!』ドガシャアアアーン!「どうじゃ人間砲弾は。これ一撃でかるく五人は倒せるぞい。」
『ぐほおっ!』「頚骨破砕。」くいっ、シュルルルッ、ばさっ。・・ドサアッ!「首の骨まで自己修復しねえだろ。」
ガウッ!タタタタッ、シュバァッ!「ぐはっ!」ザキイッ!「おごっ!」「いいよシクルゥ。あとで骨付きカルビだ!」
「あらら、さすがというべきかしら・・ま、しょうがないか。」パチン♪ザッ。サササ・・「撤退か?」「早いの。」
「これ以上浪費するわけにいかないからね。」ズズズズ・・「隠し扉?」「この面はクリアよ。どうぞ次のステージへ。」
「いーや、まだステージボスがいるね!」シャッ!スカアッ!「なにいっ?!」タタッ。「ホログラムじゃ!」
【うふふっ、よく出来てるでしょ。ホンモノはちゃんと安全なところにいるわ。】「ちっ!・・行くっきゃないか。」
【参考までに。次がボスステージだからがんばってね♪】「うるせえ!」シャッ!パリィィーン!スゥゥッ・・
【きゃはははは!・・】「・・なんちゅう邪悪なおなごじゃ。」「どうやらデビル軍団の上部組織が見えてきたね・・」
タタタタ・・「おっ、来たね。」「さっきの女の声はなんだ?」「あの連中が素直に従うとはな。」「おかげでムダな手間を
かけずに来れたけど。」「実物・・というか、姿は見たよ。」「ハタチくらいかの、きれいなお嬢さんじゃがな・・」
「ああ・・眼の光が常人のものじゃなかった。ありゃ人の心をカケラも持たねえバケモノだ。」「それは面白い。」
「悪魔か。聖なる血が騒ぐぞ。」「でも・・この先には人ですらない巨大なバケモノがいるのよね。」「そうじゃの・・」
ゴォォォ・・「征くか。」「よっしゃ。」オン。「主よ、ご加護を。」シュッ。「難儀じゃのう。」「けっこー楽しみかも♪」

『・・ほう、来るか。』『世界と愚者、そして「HELL-THING」の三体です。』『幽音も面白い趣向をこらしてくれるな。』
『こら同士討ちっちゅーんやろか。』『そのようなバケモノどもと同士とは心外な。』パシッ。『究極のバケモノを背にして
言うセリフじゃないよ。』オォォォ・・『ふふっ、たしかに。・・さて、ひさびさの上客だ。大歓迎させていただこう。』

タタタ・・ザザッ!『これは!』ゴォォォ・・「地下にこんな広大な空間が・・」「暗黒の大聖堂というわけか。」
「いや、魔王の神殿だ。」「うわ~、あっちが見えやしない。」ぴくっ、グルルル!「む?・・奥に何かおるぞい。」
ゴォォォ・・「あれは・・?!」「むう!」「主よ!」「な、なにあれー!」オオオオ!「デビルガンダムじゃ!」
「あれが!・・なんてぇデカさだい!」「モビルアーマー、いや、そんななまやさしいスケールではないか。」
「まさに・・大魔王!」「むう・・これは最悪の事態じゃぞ。」「老師、なに?」「デビルコロニーは覚えとるな。
デビルガンダムはあらゆるものを融合し進化する・・たとえ惑星までも。」ぎょっ!『まさかこのタイタンを!』
『そのとおり。』はっ!『デビルガンダムはいままさに成長しつつある・・デビルタイタンにな。』ドクン!
「くっ!・・アルカナの紋章が!」「この反応は・・まさか!」「・・あそこに誰かいる!」「五人・・いや六人。」
ゴゴゴゴゴ・・すっ、ボボオッ!「手に紋章が?!」「あれは・・シャッフルの紋章!」「・・そういうことかい。」
「おるとは予想しとったが、まさか遭遇するとはの・・」「聞いたことがある。戦いの秩序を司るのはシャッフル同盟、
だが戦いそのものをもたらす者がいる・・その名を闇シャッフル同盟。」「そう・・もう一つの最強武闘家集団。」
「ブラック・ジョーカー、レディ・楊や。」さっ。「クィーン・ザ・スペード、如月刹那です。」すっ、シュイン!
『ジャック・イン・ザ・ダイヤ、ゲッツ。』ぐっ、ブオン!「クラブ・エース。」パチン。「李酔龍と李燕雲だよ。」
「そしてキング・オブ・ハート、拳士狼。」ズオオオ・・「・・なんてプレッシャーだい。」「さすがというべきか。」
「ようこそデビルタイタンが中枢へ。パーフェクト・ワールドとクレバー・フール、そして『HELL-THING』の三体。」
「ほう、私たちまで知れてたか。」「主は試練を与えたもうた。」「ど、ドロップアウトします。ファイナルアンサー!」

ゴゴゴゴ・・「幽音はどこだい?」「会ってどうする。」「悪い子は躾けなくちゃね。」「ふふっ、それをしようという方は
有史以来始めてではないでしょうか。」「かもしれんのう。」「残念やけど不在や。行き先はそちらのお三人はんのほうが
よう知っとるはずやが?」『えっ?』くるっ。「たしかにな。」「主は安全な場所におわす。」「さすがに言えないけどね。」
「・・ま、いーか。あんたら六人をぶち倒せばイヤでも顔出すだろうよ。」ポキポキ。『そうこなくては面白くない。』
「ときにあんたらはどうするんじゃ?」「別にここで降りてもいいぜ。」「誰が。こんな楽しそうな相手を望んでいた。」
「邪教徒に背を向けるなど主が許しても私自身が許さぬな。」「降りたいけど・・ダメっぽいので開き直ります。」
「五対六か、バランスはよくない。」ぱしっ。「シクルゥ入れればちょうどさ。」グルル・・「あ、その手があったね。」
「それじゃあ・・」「やろう。」ザザザザッ!「でかいのは私が引き受けよう。」「李兄妹は私だ。」「えーとえーと、
じゃ、そこのお嬢さん!」「ほっ、ワシはババを引くかのう。」「おいおい、あたしゃ御大将が相手かよ。」オン。

『巨人剣ベルゼルガ!』ブオン!「ほう、名前どおり巨きな剣だ。シャカール。」ドオンッ!ピキィーン!「?!」
『スキあり!』ゴオッ!ズバアッ!・・ボトッ!「・・最新鋭戦車の正面装甲も貫くシャカールの弾丸を通さぬ鎧が
あったとはな。」『むっ?!』ザザッ。「起きろ、右腕。」ピクッ・・ビチビチビチ!『なんと!』キィキィキィ!
『腕が・・奇怪な生き物に!』「腕だけではない。」ブバアッ!『おおっ!』ピルピルピル!『なんだ・・こいつは!』
ブオン!ザバアッ!【形の無いものを切れはせぬ。】ビチビチビチッ!『うおおおっ!鎧の隙間に!』【こんな無骨な
鎧よりも、私の肉鎧がいいだろう・・もっとも、中身は消化されるがな。】『セパレート!』バババン!ガラガラーン!
「むん!」わしっ!バリバリバリッ!「でえいっ!」ブン!ビシャアッ!「はあっ、はあっ!・・バケモノが。」
ビチビチビチ・・シュン。「よくいわれる。生身でもさして変わらん筋肉だな。」ニイッ。「・・まさにHELL-THING。」

「美しい。天使のような兄妹だが、中身は悪魔の申し子か。」「さすが神父、言うことがちがう。」ぱしっ。「それなら
エクソシズム見せてくれる?」「いいともお嬢ちゃん。もっとも、私の悪魔払いはちょっと荒っぽいがね。」シャリン!
「シイッ!」シュバババッ!「むん!」ドドドン!パリパリーン!カラカラン!「ほう、気を弾丸とするとは。」
「それだけじゃないよ。」すっ・・ぴたっ。「むっ?」「エイメン。」・・すっ。ユラ・・どさあっ!「あっけないね。」
「燕雲の毒死掌にかかれば巨象とて即死だ。」ぱしっ。『・・ならば私は象より上ということだな。』はっ?!
ドン!シュバババッ!ドカカカカッ!「くっ!」「あっぶなーい!」キラリ。「全て紙一重でかわすとはさすがだ。」
ユラ・・ザン!「・・なんで?なんで生きてるの!」「ありえぬ。たしかに心臓は止まったはずだ。」「そのとおりだ。
だが神のご加護を賜った私に悪魔の業は無力!」シャリーン!「指弾!」ドドドン!ボコボコボコッ!ザザーッ!
「・・クハハハハ!効かぬ、効かぬぞ!」「バカな?!」「直撃なのに!」シュゥゥゥ・・「!・・自己修復機能!」
「ヘルファイターにしては強すぎるよ。」「そう、我らは『HELL-THING』。神に仕える聖騎士だ。」シャリーン!

ザザッ。「ヤットウ使いのお嬢様か。」「いきます。」シャッ!「よっと!」カイーン!「はいはいはいっ!」ビュビュッ!
「ほいほいほいっ!」カキカキカキーン!「せーの!」ブオン!「はっ?!」さっ。「あ、それあまい。」ガイーン!
グン!「なっ?!」ドバアアアアーン!「きゃあっ!」クルッ、ザザザーッ!・・「・・くっ、なんて膂力なの。」
「この間合い、いっただき!」ジャキン!「アトレイデス、Fire!」ズドオオオオーン!「はっ!」ターン!スカッ!
「お~、すごい跳躍力。」「神鳴剣!」ゴオッ!ぱしっ。「・・えっ?!」ぐいっ、だきっ!「は、放せ!・・?」
じ~。「ムネもまだまだ発展途上か。ま、若いし明日があるって♪」むかっ。(図星)「おおきなお世話です!」

「ほう、あの三人けっこう強いのう。」「まだまだやな。もっと修行せんと。」「ならレディも腕のほどを見てやろうぞ。」
「お願いするで。」「ほっ!」パン!「・・」「ほほほっ!」パパパパン!すっ。「さすが老師や、みんな受けられたわ。」
「予備動作なしの見えないパンチか。なかなかの技量じゃが、まだムダな動きが多いのう。手本はこうじゃ。」ドン!
「ぐっ?!・・」ドドドドッ!「み・・見えん!」「力がまだ入りすぎなんじゃよ。」ドン!「くうっ!」ザザーッ!
「顔は外しておいたぞい。わしゃフェミニストでの。」「ふう・・台北の白虎、これほどとは!」「もうちょっとやるかの?」

「ありゃあんたらが弱いんじゃない。あたしらとあの連中が強すぎるだけさ。」「十傑集よりも上ならばそうだろう。」
「さって、こっちもやろうか。」「うむ。」ザッ。・・『・・はっ!』ダッ!「せいっ!」ゴオッ!「ふっ。」ユラ・・
スカッ!「・・そこだ!」ダン!ドゴオッ!「ぐはっ!・・」「いかに速くとも間合いは同じ、すなわち制空圏内!
ならば迎撃は可能!」「・・なんてね♪』ユラッ・・「なにっ?・・はっ?!」ばっ!ゴオッ!「むん!」バシイイーン!
「へえ、よく受けたね。」シュッ。「むう・・なんという速く鋭い蹴り。」ジィ~ン・・「もっと速くしようか?シクルゥ!」
オン!ささっ。シュタッ。「いくよ!」シャアッ!「なんと!」ゴオオオオ!「み・・見えぬ、動きが!」ばばっ!
『そろそろいくよ!』「・・!」すっ、バキーン!「なっ!」キャイイーン!ズザザザザーッ!「・・シクルゥ!」
「舐めすぎだ。動きのパターンを先読みすればたやすい。」「・・キング・オブ・ハートはダテじゃないようだね。」
「ではこちらからもいくぞ。」シャッ!ドドドドドッ!「これしき!」スススッ、スカカカッ!「むん!」ダン!
「ちっ!」タン!『でやあああーっ!』バシイイイーン!・・ザシャアッ!くるっ。「・・やるな。」タラ・・
「あんたもね。」ツツ・・「そろそろ本気入れるかね。」ついっ、ぺろっ。ピチャ・・プッ!「・・むうっ?!」
ゴゴゴゴゴ・・「この気は!」「うちの妹と同じクセでね。血をなめるとバーサークするのさ・・」「・・世界!」

チリーン♪『そのへんでいいんじゃない?』はっ!「今の声は?!」「デビルガンダムの上よ。」すっ。『幽音!』
「世界のおねえちゃん、このへんでそろそろ退いてくれないかな。今はまだその時期じゃないし。」「あんたの辞書に
『時期』って言葉があるとは意外だね。」「おとなしく退いてれれば手間かからなくて済むんだけどな。」「たまには
手間をかけないとね。そう・・こいつを創らせたときみたいに。」オォォォ・・「ああ、この子。ネオナチスが細胞増殖
させてくれたから簡単だったよ。」「欲ボケどもの手にはおえんわい。」「だから本来の所有者であるあたしが引き継いだの。
最大限に活用するために。」「ククッ、活用か。ものは言いようだな。」「主は悪魔をも手なづけるということか。」
「さしもの十傑集も、闇シャッフルと幽音さまの最強タッグじゃ相手が悪すぎ~。」「みごとな漁夫の利、じゃな。」
「もうひとつ。・・コクピットには誰が?」「見せてあげて。」ぽん。メリメリメリッ!「・・なっ!」「これは!」
オオオオ!「フューラーとその愛人。見事な悪のツープラトンでしょ。」「男女融合か。なるほど強大なわけだ。」
「むむう・・まさに悪魔の申し子。」「うげ・・なにこの悪気と狂気は。」「永劫の痛みと苦しみの無言の絶叫と呪詛。
この負のエネルギーがデビルガンダムを進化させるの。」「・・たしかDG細胞の当初のコンセプトは世界浄化だったね。」
「そうじゃ。負のエネルギーを無限に喰らい浄化する永久機関、それがアルティメット細胞の本来の役割じゃったが・・」
「人を取り込みエネルギー源とする不死身の怪物に変貌してしまった・・いえ、予定どおりにというべきだね。」ふっ。
「・・それじゃ最初から?!」「なるほど、人に天敵を創らせることで自らの影を消し去る巧妙な策じゃの。」
「えげつないねえ・・!」フッ・・「あれ?」・・ババッ!「お仕置きだよ!」ドン!バキイイイーン!「ぐはあっ!」
『世界が!』「勇気は認めるけどね。」ヒュゥゥゥ・・シャッ!どさっ!ザザーッ!「シクルゥ、よう受け止めたぞい。」
「く・・バリヤーがあったとは・・」「次元障壁はたとえ核でも破れないよ。残念でした、またどうぞ。」パチン♪
キィィィ・・「なっ?!」「結界じゃ!」「ふりだしへ戻る、ってね。」『てめえ!・・』『やれやれ・・』フッ・・
「世界と老師が・・消えた?!」「遠くへ強制テレポートさせたんだよ。戻ってくるのがちょっと大変なくらいね。」
「さて、『HELL-THING』の三人はどうする?」「クライアントの意見を聞こう。」「ごくろうさま。木星に戻っていいよ。」
「だそうだ。神父、婦警、帰るぞ。」「なかなかに楽しい仕事であった。」「インテグラ様、けっこう怒ってるだろな~。」
ゾロゾロ。「キング、このまま帰すのか?」「幽音、よいか?」「だめだよ。あの三人はあたしの『十二使徒』だから。」
ぎょっ!『十二使徒?!』「さらに言うなら、みんなも木星へ行って。そこで公会議を開催するよ。」『公会議だと!』
「みんなはオブザーバーで出てもらうわ。ま、慰安旅行くらいの気持ちでいいから。」「『斧』じゃ慰安にならんわ。」
「けど十二使徒は完全には揃っていないと聞きましたが。」「寝てるのはおいおい起こすから。とりあえず起きてる
使徒だけで会議をするよ。エリーちゃん、足を。」すっ・・「やっと出番ね。大戦艦ヴァルハラ、発進準備おっけい。」

シュン。「・・ここは?」ザワザワ。「はて、この街は見覚えがあるぞい。」オンオン!「なんだいシクルゥ・・上?」
くいっ。ぎょっ!「・・老師、あれ!」「・・地球?!ではここは!」「月面のフォン・ブラウン・シティか!」
「なんと・・月まで飛ばされたか。恐るべしは幽音の超能力じゃな。」「・・ここにはコロニー連合本部があったね。」
くるっ。「老師、連合本部に行くよ。」「うむ。戻る手を考えぬとの。」「それに・・助っ人も。」「当てはあるのかの?」
「ああ・・前にやり合ったやつがね。たしかここに住んでるはず。・・ネオナチスがらみだし、動いてくれるだろ。」
『明日のガンダムファイト第一試合は注目の好カード、カムイガンダム対ボルトガンダムマキシマです。』「なに?」
ぴたっ。「やっとるのう・・世界?」グルルル・・「・・ナコ、負けんじゃねえぞ。あたしもまだ負けてねえから。」

みなさんお待ちかね!
ナコルルの次の相手は強敵中の強敵、アルゴ・ガルスキー!
パワー・経験とも圧倒的に上のボルトにどう挑むか?
やむなくナコルルは、自ら封じた必殺の剣技を発動するのです!
そしてリベンジを図る世界と老師の助っ人とは?
次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第48話
「カムイ無拍子!禁じられた剣」に、レディー、ゴーッ!

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第48話「カムイ無拍子!禁じられた剣」

ガンダム長屋。「はいっ!とおっ!」シャシャッ!「はぁぁ・・」ググッ。「・・たあっ!」ビュン!ビシイッ!
「・・」すっ。「はあっ、はあっ・・」「ナコちゃん、だいぶ煮詰まってるわね。」「無理もない。明日の対戦相手は
あのアルゴだ。俺でもああなる・・」「お姉ちゃん・・」「ナコルルはアルゴさんの力におびえています。だからこそ
あのように激しいトレーニングで不安を紛らわせようとしているのですね。でも・・」「あんなトレーニングでは
かえって体調を崩すな・・ショック治療がいいか。レイン、あれを見せてやったらどうだ。」「えっ?・・あれって?」
「ほら、あのギアナの。」「ああ・・でもかえってヘコますことにならないかしら。」「それはやってみないとわからん。」
「・・やってみましょうか。ナコちゃん!」「?・・レインさん、なにか?」「ちょっといいもの見せてあげるわ。」

一号室・居間。「ビデオですか?」「前回のサバイバルイレブンでのボルト対ドラゴン戦の記録だ。まあ見てくれ。」
カチャッ、ぱっ。「ギアナ高地での非公式ファイト。これは世界放送されなかった貴重なもので、ドモンの宝物なの。」
「・・なんて見切りなの。まさに紙一重。」「ドラゴンの攻撃を軽々とかわしてます。」「けどサイサイシーも負けてない。」
「あっ!ドラゴンがハンマーを!」「ドライバーショット?そして旗で反射した!」「ボルトの右腕が封じられた!」
「ここからよ、アルゴの真の恐ろしさは・・」『・・なあっ!』「自分で・・腕をひきちぎった!」「・・おええっ!」
「はいバケツよ、リムルルちゃん。」どん。「げえええーっ!」「な・・なんて人なの・・」「自分の腕をひきちぎる・・
これがどんなに苛烈なことか、ガンダムファイターならわかるはずだ。」「生身の腕をひきちぎるのと同じ・・ですか。」
「・・できない。私にはここまでできません!」「勝利にかける執念・・何度見ても背筋が震えてくる壮絶さだ。」
「いい、ナコちゃん。これを見せたのはあなたを脅えさせるためじゃない。腕や足の一本や二本くれてやる覚悟でないと、
アルゴには絶対勝てない・・それを教えるため。現にうちの亭主もこれまでアルゴとは2回やって、2回とも片腕
奪われてるわ。」ガクガク・・「その恐怖を闘志の燃料とするんだ。そうじゃないと、アルゴとはいいファイトはできん。」
「は・・はい・・」ふら・・ガラガラ、パタン。・・「ショックがきつすぎたかしら。」「・・真蔵。」「わかってます。」

二号室。そーっ。(・・お姉ちゃん、寝込んでる。)(フトンを頭からかぶってますね・・おびえてるとも思えないが。)
(考え事するときのスタイルだね。前にもあったよ。)(あまり賛成できかねるスタイルだな・・よし、ここは。)
「・・・・」「決まりましたか?」はっ!くるっ。「!・・真蔵さん!」「やあ。」「えっ?!いつの間にフトンの中に!」
ばたばた!「どうどう、おちついて。今の君ならば忍者じゃなくても気づかなかったさ。」「・・そうですか。」
「内に秘めるより、はきだしたほうがスッキリするんじゃないかな。」「でも・・あ。」ぎゅっ。「ボクではだめかい?」
「そ、そんなことないです・・」どきどき。「何も言葉にする必要はない。発散する方法はいくらでもあるさ・・」

一号室。ズズ~。「で、リムちゃんは追い出されたわけね。」「ここから先はオトナの時間だってさ。」ぷんぷん。
「今のナコルルには一番の薬かもしれないな。」「あたしだって真蔵にいさまにドーキンしてほしいぴょん。」
『おいおい。(^^;;』「ハラ立つからお茶菓子食いまくりだぴょん!」ばりばり!「・・太るわよ。」ぼそっ。
『・・あん。』ぴくうっ!『あ・・そこいいです。』ぴくくくうっ!・・こくこく。ささささっ・・『・・(一_一手』
『もっと・・あ、そこ・・』『ここかい?』『あ・・いい・・』(真蔵くん、やるわね・・)(ナコルルもなかなか
艶っぽい声だな・・)『あん!そこダメ!』『ああ、ここだね。』『ああああっ!・・』(・・あ、ハナヂ出ちゃった。)
『・・真蔵さん、マッサージうまいんですね。』『足のツボはけっこう効くんだよ。』どんがらがっしゃーん!
「あいたたた・・なんてお約束な。」「たしかに足のツボを押すとああなるが・・」「・・期待して損したぴょん。」

海賊戦艦ゴルビーⅢ。「父ちゃん、明日はナコおねえちゃんとファイトなの?」「うむ。」「う~ん・・とーちゃん、
どうしても勝たなきゃダメ?」「ん?」「だってさ、ナコおねえちゃん優しいしきれいだし。負けたらかわいそう。」
「言いたいことはわかるぞ。しかしだ、わざと負けるというのはやってはいけないことだ。」「どうして?」「それは
相手を弱いときめつけるとっても悪いことなんだ。ナコお姉ちゃんは強い。だからそんなことしたら怒っちゃうぞ。」
「そっか~。ナコおねえちゃんは強いから、わざと負けてあげるのは悪いことなんだね。」「なんとなくわかった。」
「全力で闘った上での勝ち負けなら、どちらでもいいんだ。大事なのは満足のいくファイトをすることなんだ。」
『わかった、とーちゃん。』「じゃあ明日は力いっぱい闘えばそれでいいんだね。」「よしよし、みんないい子だ。」
「あんた、ボルトの整備が終わったわ。」だあ。「では乗り込んでチューニングを始めよう。」ぬうっ。ドスドス。
「サーシャ、ユーリーをたのめるかい?」「まかせて、かーちゃん。」だあ。「ユーリー、お姉ちゃんと遊ぼうね。」
カツカツ・・「幼稚園の先生とかけっこういいかもね。」「子を正しく育てるのは親の責任だ。人任せはいかん。」
「最近はそれさえできないバカ親が多いからね。」「ナスターシャも兼業主婦ながらよくやっている。感心するぞ。」
「あんたと部下たちがいるから両立できてるのよ。子育てに熱心な亭主でよかったわ。」「家族は俺の生きがいだ。」
「・・あの子たちは恵まれてる。このまま素直に育ってほしい・・」「それは俺の願いでもある。」「・・そうだね。」
ガガガガガ!キューン・・「ハンマーの改良は?」「思ったより難しかったのでマルローネの知恵を買ったの。」
「ほう、買ったか。」「常連さんだし簡単だからと安くしてくれたけどね。おかげで予定以上のものになったわ。」
「そうか。・・カムイは速い。今までの闘い方では太刀打ちできんだろう。ならばこそ、俺の闘い方に革命を加える。」
「シャッフルの紋章に甘えず、常に進化し続ける・・それでこそあんたよ。」「シャッフルならばこそ、当然だ。」

月面、フォン・ブラウン・シティ、世界コロニー連合本部。「・・。」ぴく。「待ってたわ、世界。」・・シュッ。
「さすがだねぇ。」「お邪魔するぞい。」「李大広老師、ご高名はかねがね。」「こちらこそじゃ。・・コロニー連合軍、
魔導空軍『ルフトバッフェ』総司令、ふみこ・オデッサ・ゲーリング准将。」すっ。「オデッサでよろしいです。」
「ワシより『年上』じゃから礼は尽くさぬとな。」「そうかい?あたしゃいつもどおりでいいかい、ふみこたん♪」
ぴくっ。「その呼び方はやめろ。」「外見年齢どおりでいいじゃん。」「・・用件はタイタンのことか。」「知ってるなら
話がはやい。手ぇ貸してくれ。ダメなら足でもいい。」「へえ・・傍若無人の君が助っ人を求めるとは貴重な経験ね。」
「窮したときは藁をもつかむさ。」「素直でいい。・・確認する、敵は樊瑞たちではないのだな。」「・・幽音だよ。」
「ふっ、あの子もイタズラ好きなのは昔から変わらないねえ。される人類にとっては迷惑このうえないけど。」
「第二次大戦で遊んだあんたもね。よくコロニー連合軍の重鎮になれたもんだ。」「相手を知ってるからこそよ。」
「聞いた話では十傑集とは因縁があるそうじゃが。」ふっ。「因縁どころか・・「もと」十傑集だったわ。」「なにっ?!
そりゃ初耳だぞ。」「言ったおぼえはないからな。いずれにせよ遠い昔の話だ・・」「タイタンの事件は『いま』だよ。」
「わかっている。ならばこそ協力させてもらおう。かつての職場がデビルガンダムに食い尽くされるなど傍観できぬ。
ミュンヒハウゼン!」・・すっ。「お呼びで、お嬢様。」「我が魔砲艦『グラーフ・ツェッペリン』の発進準備を。」
「かしこまりました。」パチン♪・・ドドドドド!「お~。」「超巨大飛行船型の宇宙戦艦じゃの。」「ただちに出撃する。」

メインスタジアム。ワーワー!「うっわー、すごい観客!」「いつにもまして満員御礼ね。」「まあ無理もないかな。
なにせ金星ゲッターのお姉ちゃんばーさすブラック・ジョーカーのビッグカードだもん!みんな期待してるのよ、
お姉ちゃんの次の金星を!」ぐぐっ!「あ、あの、リムルル?(^^;;」「お姉ちゃん!」ばんっ!「はいいっ!」
「こうなったらシャッフル同盟に5タコかますべし!お姉ちゃんならできる。コーチのあたしが保証する!」
「いつからコーチになったの?」「たったいま。」じぇい。「サングラス?」「チボデーギャルズのおねえちゃんたちの
お下がり。」「あなたまたねだったわね!」「あたし可愛いからちょっと甘えたらくれたの♪お金持ちだし、いーじゃん。」
「リムルルが悪い子になっていく~。」「ふっ、人は成長するものなのよ・・」「そういう成長はいけません。」ぽくっ。

ズシン!「・・ボルトガンダム。」ごくっ・・ぶんぶん!「恐れちゃいけない。それじゃ負けちゃう・・勝つのよ。」
「ドモンに土をつけたその実力、味あわせてもらおう。」「両者、始め!」『ガンダムファイト!レディー、ゴー!』
「むん!」ゴゴゴゴッ!「は、速い!あの巨体で!」「どりゃーっ!」ブオッ!「うわっ!」さっ、スカッ!・・ドンッ!
「ぶっ!・・」ザザザザーッ!「・・かすめただけで衝撃波に叩かれる張り手?!」「そこだ!」ガキイッ!「ぐうっ!」
メキメキ・・「ベアハッグ!・・なんて力・・」「この程度なのか?」「・・たあっ!」ガキーン!「むうっ!」ガクッ。
パッ。「はあっ、はあっ・・」「こめかみにはさみ肘打ち・・やるな。」「何とか・・脱出できた・・」「そうでなくては。
グラビトン・ハンマー!」ドオンッ!「はあっ!」さっ。「いま!」ダッ!「チェーンをつなぐまでボルトは無防備。
いましか反撃のチャンスはない!」「そうかな?」さっ、ドオンッ!「なっ?!右肩にもハンマーが!くっ!」さっ、
ボゴオッ!ゴキッ!「くうっ!・・肩が!」「ビームチェーン!」ジャラララッ、ジャキジャキーン!「グラビトン・
デュアルハンマー!」ブンブンブン!「・・二つのハンマーをつないだことで、旋回安定度が改善されてる!」
「うおおおおっ!」ブオン!「回避!・・はっ?!」ザッ。(・・回避先に二発めが来る!)「ならば!」ばっ!
ガキイイイーン!「回避しなかったか・・しかも。」「はあっ、はあっ・・」ググッ・・「まさか受け止めるとはな。」
「・・勝機!」ぱっ、ドスン!タン!タタタタ・・「なっ?!チェーンの上を!」「アンヌムッペ!」ドン!「まだだ!」
ブオン!「二発めのハンマー・・ママハハ!」ピキイッ!バサバサッ!「たあっ!」ターン!はしっ!・・スカッ!
「鷹につかまって回避?!」「もらいます!カムイムッペ!」ドン!「むん!」ドスウッ!「なっ?!左腕に刺して
止めるなんて!」「どおりゃあーっ!」ズガアアアーン!「ぐぶっ!」・・ズダダーン!「く・・ガハッ!・・」タラッ。
「アバラ4枚・・でも!」きっ!「そのケガでまだやるか。その闘志は誉めておこう。」「・・」ピチャッ・・カッ!
ゴオッ!「むっ?!・・カムイの気質が変わった!」「長引かせては勝てない・・あの手を使うしかない。自ら封じた
あの剣を!・・カムイたちよ、私に光を!」ビーン!「ハイパーモードか。」「ふーっ・・」スゥ・・「自然体・・」
ユラ・・「む?・・姿がゆらぐ。」ユラユラ・・「来るか!・・動きが読めぬ?」フッ・・「?!・・消滅した!」
『カムイ・・無拍子。』はっ!「上か!」「ごめんなさい・・」ドスゥッ!「ぐっ!・・」「やった、お姉ちゃん!
ボルトの脳天くし刺しだよ!」「そこまで!勝負」・・カッ!「・・なにっ?!」「・・はっ?!」ゴゴゴゴ・・
「ぅぅぅぅ・・うおおおおおおーっ!」ブン!ドオオオオオーン!「なっ!大陸撃沈弾を自分の足元に打った!」
ドドドドドドッ!ドカアアアアアーン!「うわああああーっ!」「ぬおおおおーっ!」ズダダダアアアーン!
ゴォォォォ・・「ぐぅ・・」ぴくっ、ぴくっ・・「これ・・が・・ブラック・ジョーカーの・・かはっ!」ガクッ・・
「救急班急げ!両者とも危篤じゃ!」ピーポーピーポー!「相打ち覚悟とは・・おそるべし、アルゴ・ガルスキー!」

トロヤ小惑星帯、「グラーフ・ツェッペリン」。「ああいう引き分けの仕方があったか。」「ムチャするのう・・む?」
「・・・・」「・・世界?」「・・あ、なに?」「考えごとをしておったのか?」「いやね、ナコもブラック・ジョーカーに
刺し違えさせるくらい強くなったんだなあって。」「とんでもない姉妹だな。」「・・あたしだけでよかったのにさ。」
ぴく。「世界、それはちがうぞ。闘うことより待つほうがもっと苦しいということだ。少しでも君の助力になればと、
彼女たちもがんばっているのではないか?」「・・コタンで平和に暮らしてくれてた方があたしは安心だってーの。」
「向こうはそうは思っていない。だいたい家族が最前線にいて平和なんてあるのかね。」「・・それでもさ。」
ふっ。「やはり君は本当は優しいんだな、ニポルル。」ぶち。シャキッ!「次にその名で呼んだら殺すよ・・」
「なら君も言い方を改めたらどうだ?」「・・勝手にしな、ふみこたん。」すっ。「これで契約成立だな。」

ネオジャパン病院。「もう!なんてムチャするのよアルゴは!」ぷんぷん。「医者が怒ってどうする、レイン。」
「これが怒らずにいられますか!いい、打った当人のほうがダメージでかいのよ!こんなことやってたら、いくら
医者がいてもおっつかないわよ!」「だが師匠の太陽掌とマルローネの薬で全治三日だろ?」「そういう問題じゃない!」
『シーッ!』「あ・・」「・・病院のロビーでは静かにな。」「あーハラたつ。医者としてあんな戦闘スタイルは許せない。
文句はいっぱいあるけど、ケガ人相手に爆発するほどバカじゃないわ。だったら手近なドモンしかいないでしょ。」
「あとでアルゴに言っておいてやるさ・・さて、見舞いといこうか。」「病室で酒盛りはご法度だからよろしく。」

病室。「なんて人なの・・あそこから相討ちにもちこむなんて・・」「少し力が残っていたのでな・・どう使うか少し
考えたのだが。」「次からはご自分のダメージも計算に入れてください。」「そうだな。しかし・・あの技、美しかった。
なんという技だ?」「・・カムイ無拍子。あまりにも強力なので、自ら封じ手としていましたが・・使うしか勝機は
ありませんでした。」「それを使わせたことで、よしとしよう。・・いいファイトだったな。」「ありがとうございます。」
バタン。「見舞いに来たぞ。」「ドモンか。」「わざわざすみません。」ぱたぱた。「お姉ちゃん、これレインさんから。」
「・・シト(餅)?」「この前に教えてもらったとおりに作ったそうだ。アルゴも。」「いただこう。」ぱく。x4
『・・ぶはあああーっ!』ボオオオーッ!「はあああーっ!お水おみず!」「なにこれ?すっごい辛い!ゲホゲホ!」
「そんなに辛いか?(バカ舌のドモン)」「・・無理もない。元になってるのは青トウガラシだ。常人ではきつかろう。」
「あ"~、舌がマヒしちゃった・・」「まだピリピリするよ~。」「大人の味か。」「そういうことだ。」もぐもぐ。

みなさんお待ちかね!ナディアの生活スタイルはコテコテの和式。
日本人も顔負けのジャパネスク。タニマチだってしてるのよ。
この日本支社は私のお城!全て私の思うがままよ。
次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第49話
「ナディアのジャパネスクな一日」に、レディー、ゴーッ!
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