魔砲艦グラーフ・ツェッペリン。「司令、タイタン軌道に定位しました。」「アガルタ航宙管制局、いぜん応答なし。」
「こりゃーやられたかな?」「ドローンを出そう。ミステル隊・葦屋愛子少尉に出動指令。アガルタ全域偵察を。」
『インヤンガンダム射出!』シュパッ!「仕事やで、式神『目々連』!急々如律令!」バサッ!シュパパパパッ!
「おおっ?!」「目が付いた紙じゃと?」「どんな狭いところにも入り込み、見たものを送ってきてくれる。」パチン♪
ぱぱぱぱっ。「無数の映像が?」「すごいの~。・・む?」「老師は気づかれたか。」「あたしもさ・・無人か。」
『こちら愛子、見えてまっか?誰もおらへんで。』「見えている。・・まさにゴーストタウンだな。さて何があったか。」
「だいたい想像はつくけどね・・」「想像で軍は動かせない。必要なのは正確な情報だ。モココ・アンダルシア少尉を。」
『ヘーイ、お呼びでスーカ?』「アガルタの空間記憶再生を指令する。」『ラジャー。マンボガンダム、リフトオフ!」
シュパーン!「空間記憶とは?」「霊的空間はそこで起こった衝撃的なシーンを記憶する。まれに電磁波が強い場では
自動再生されることもあるが、それを自在に再生できるのはブードゥーのマンボ(司祭)であるモココ少尉だけだ。」
「アッガルター上空ホールド。コール・フィールドメモリー。」♪トンタタトンタタトンタタ・・「始まったな。」
「空間記憶再生開始。受信映像を表示します。」ぱっ。「・・なんだ?」「おおぜいの人々がフラフラと歩いておるの。」
「ゾンビか?・・いや、目の光は生者のそれか。」「まるでハメルンの笛吹きだね・・」「それじゃ。催眠誘導じゃ。」
「向かっている方向を解析せよ。」「センタービルです。」「ネオナチス大本営か・・ふみこたん、これはまずいよ。」
「うむ・・すでに大本営はデビル軍団に占拠されてるな。」「降りるよ。こうなったらゾンビ兵にされる前に市民を
救出するっきゃない。」「このシーンは何日前だ。」「およそ五日前。」「それならまだ間に合うかもしれんの。」
「了解した、うちもできるかぎり協力しよう。ミステル全機出動、およびヴィルヴェルヴィント降下指令。制空権と
誘導ルートを確保せよ。さらに二人の援護に武装兵を二人付けよう。」「護衛だぁ?いらねえよ。」「それなりに腕の立つ
二人だ。ジャマにはならん。」「せっかくの好意じゃ、受けておこうぞ。」「しゃーねえな・・後方限定だかんな。」
降下シャトル。「あんたらが護衛かい。」カツッ。「由美子・ミリガン軍曹です。」「セラス・ヴィットーリオ軍曹です。」
?くんくん・・「シクルゥ、どした?」「セラスとかいうのを嗅いでおるの。」かふかふ。「!・・(ちょっとシクルゥ!
そんなとこ・・)」「こらこらこら、オマタに鼻つっこんじゃダメだよ。」ぐいっ。「たく~、発情期かな?ごめんね。」
「いえ、だいじょうぶであります。(あー、ビビった・・)」「そのうち足でコスるかもしれんぞい。」「やられたよ、
何度もさ。洗濯タイヘンだったんだから・・ところでさ、そのでっかい荷物はなんだい?」「はっ、デスアーミィとの交戦も
想定されるので対MS兵器を持参しました。」ガチャッ。「ふ~ん・・頼りにしてるよ。」「はっ。(ほっ・・)」・・ふっ。
アガルタ中央通り。シーン・・「うわ~、マジでゴーストシティだ・・」「誰もいない大都市とはブキミじゃの。」
「とにかくセンタービルに行こうや。じゃねえと何も始まらねえや。」「そうじゃの。さて行こうか。」『ははっ。』
カツカツ・・ぴたっ。「ストップ。・・お迎えみたいだね。」「はて、この気は・・」すっ。「久しいな、ご両人。」
「十傑集筆頭、混世魔王・樊瑞?!」チャッ!ぱしっ!「待て!・・敵意はねえよ。」「状況を説明してくれぬか。」
「うむ。・・ネオナチスはもはや瓦解した。我らも最後まで抵抗したが、デビル軍団の圧倒的な力の前には蟷螂の斧・・
今や組織自体を乗っ取られ、我らは慈悲で生かされておるに過ぎぬ。・・いや、歯牙にもかけられていないのが現実だ。
それが証拠に、こうやって自由に出歩いても何も制限はない。」「だったらコロニー連合とかに助けを・・あ、ダメか。」
「誇り高き十傑集が救助を求めるなぞ、死んでもできぬの。」ふっ。「連中はそこまで呼んでおるのだ。だからこそ
こうやって飼い殺しにされておる。」「この街の惨状は?」「エルフィールの仕業よ。フェロモンを強化した誘導ガスで
数十万の全市民を地下大空洞へ誘い込み・・そこで何が行われているか、言わずともわかろうが。」「・・ゾンビ兵か。」
「救いがありとせば、女子供はあとまわしにされておる。それを助けるならば、まだ時間はある。」「状況了解。ならば
乗り込んでいって救出しようぜ。」「信じるのですか?!」「罠という可能性も!」「あたしは信じる。他はともかく、
樊瑞のおっさんだけはウソはつかねえ。」「樊瑞は弱き者を助けてくれと言っておるのじゃ。それに偽りはない。」
「ならばなぜ自分たちで!」「できねえんだよ。考えてもみろ、今まで世界制覇に邁進してきたネオナチスの大幹部が
今さら人命救助なんて、いくらなんでも虫が良すぎるよ。」「そう、我らは悪のまま滅びるが運命。ここでそれを翻せば
自分自身さえも軽蔑する。」「難儀なことじゃの。・・ほれ、道を開けよ。これから忙しいでの。」すっ・・「頼む。」
センタービル玄関。ガーッ。・・シーン・・「・・。」くいっ。カツカツ・・「・・散れ!」ババッ!ズガガガガガッ!
ズダダッ!「一斉射とはハデなお迎えだね。」「こうでなくてはのう。おぬしら、援護射撃を頼むぞ。」『ははっ!』
バッ!グラタタタタッ!「いくぜシクルゥ!」シュッ・・ぱっ。『なっ?!』「おせえ!メルシキテ!」ヒュッ!・・
ズバババーン!「右翼はつぶしたぜ、老師!」「左翼はまかせんかい。ほいっと。」ふわっ、トッ。タタタタ・・
『?!・・壁を垂直に走ってくる!』グラタタタッ!「よっと。」トン。チュンチュンチュン!ふわ~っ。『上?!』
「いまじゃ!」ドキュドキューン!『ぐわっ!』『しまった、上半身を曝してしまったか!・・はっ?!』すとっ。
『頭の上に!』「ふん!」ガゴオッ!『ぐうっ!』トン・・すたっ。「奥義・砕岩蝶。豪拳ばかりが八極拳ではないぞ。」
「まずは第一ステージクリアと。」「ステージボスがおらんとはクソゲーじゃの・・おお、見事な射撃じゃったぞ。」
タタタ・・「お褒めに預かり光栄です。」「うまく誘い出してくださったおかげです。」「使えるってのは本当だね。」
地下階最下層。「隊長、エレベーターが。」ルルルル・・「射撃用意。到着と同時に一斉射撃だ。」・・ポーン♪「撃て!」
グラタタタタッ!ドキュドキュドキューン!「撃ち方やめ!」・・ガーッ。『いない?!』「天井だ!」グラタタタタッ!
チュンチュンチュン!「天井へ逃げたつもりだろうが、これでハチの巣だな・・確認せよ。」ささっ、ガチャッ。・・
『・・いません!』「なに?」・・ズバドシュズバアアーン!『ぐはあっ!』「なんだ?!」ばっ!「・・なあっ!」
パチン。・・ドサドサドサッ!「一秒で十人。新記録じゃないけどね。」「世界!どうやって?!」「エレベーターで。」
「だが・・確かに・・」「いたよ。気づかなかったかい?」・・はっ!「そうか!時間を」・・ブシャアアアーッ!
「そのとおり。・・今みたいにね。」がくっ、どさっ!「忘れていた・・世界の能力を・・時を・・駆ける・・」かく・・
「さて、居残り組を呼ばなきゃね。」ガンガーン!・・ルルルル。ポーン♪「最下層でございまーす♪」「ご苦労さん。」
十傑集指令室。オォォン・・「あーらら、ここもがらんどうか。」「まあ無理もないのう。」「十傑集はいったい?」
「さーてね。タイタンのあちこちに分散してんじゃないの。」「そのセンじゃの。懊悩としてる様が目に映るようじゃ。」
「考えてみれば可哀想かもしれませんね。」「それはともかく、こっからは敵もハンパじゃねえ。あんたらもそろそろ
本気モード入れよ・・なあ、婦警。」ぎくうっ!「その大砲を準備しといてくれの、ほっほっほっ。」「・・」ばさっ。
「・・どのへんからバレてた?」『最初っから。』「だあああ~っ!だからイヤだってゆったのよ~!」ダンダン!
「婦警はいいとして、あんたは?」「どうせカーン卿の手の者じゃろうが、婦警とは別の意味で変な気を持っておるの。」
「・・」ばさっ。「由美子・マリガン。所属は特に言及する必要はないですね。」「ここで死ぬ・・からかい?」ニッ。
「・・・・」キラッ。・・ぞくうっ!「シクルゥ!」「むっ!」ばばっ!ボゴオッ!「床が?!」「なんじゃ?!」
「うわ・・『由美江』が出た。」「何のからくりか知らねえが!」シャッ!「操ってる本人を倒せばいいんだろ!」
「たしかにそうですけどね。」ふっ。・・ボゴワッ!「なっ!・・」ドゴオオオーン!「ぐはあっ!」ズダダダーン!
「世界!」オン!「ぐ・・ガハッ!」「世界が・・はじかれた!」「ふふふふ・・大金星、かしら♪」「・・なるほどの。」
たっ。「婦警とやら、よければ世界を看ておいてくれ。」「は、はい。」「次は老師ですか。また金星をいただきますね。」
「若いもんは敬老精神を持たんとの・・」すっ・・「目を?・・視覚に頼らないのは妙案だけど、さてどうなるかしら・・」
「・・・・」すうっ・・すっ・・すいっ・・「・・なに?」「へえ・・さすがはネオ台湾の虎。よく避けれますね。でも
避けるだけでは話になりませんよ。」「これからじゃよ。」ヒュルッ。「えっ?」「ほいっと!」・・ゴシャアッ!
「なに?!・・壁がへこんだ!」「くっ!・・」グラッ。「予想どおりダメージはフィードバックされるようじゃの。」
「・・そうか、わかったよ。」ググッ・・「まだ起きたら!」「自己治癒に専念してただけさ・・からくりが見えたよ。」
「一種の念動力じゃの、いや、精神エネルギー塊というべきか。」「バカな・・『由美江』に攻撃は無意味なはず・・」
「まさに空を相手にするようなもんじゃからな。けどの、実体化する一瞬、すなわち攻撃時は透明な固体になるんじゃ。」
「ドライアイスならつかめるし砕けもするってわけだな。」「・・さすがはアルカナの上位戦士ですね。けど!」ギン!
「八極拳奥義・独角槍撃!」ビュッ!ズバシャアアッ!・・「・・うああああーっ!」ブシャアアアアーッ!ゴロゴロ!
「由美子の右腕が・・裂けた!」「さすが老師。相手のパワーを利用し、ガンダリウム合金をも穿つ貫手で引き裂いた。
ありゃ死ぬほど痛いぜ・・」「あぐうううっ!」ビクッ!ビクッ!すっ・・「鎮気功。」キィィィ・・「・・痛みが?」
「つづいて太陽掌じゃ。」サァァァ・・「えっ?・・傷が・・ふさがる?!」すいっ・・「これで完治じゃ。」
「・・なぜ?」「勝負が終われば敵も味方もない、ただ江湖の友じゃよ。ほっほっほっ。」くるっ、すたすた・・
「さて、行こうかの。世界も治ったじゃろ。」「よっと。・・なんとかね。」オン。「婦警、由美子をよろしくな。」
「は、はい。」「先に地上へ戻っておけ。ここから先は地獄よりひどいところじゃろうから。」「あ、でも・・」
「由美子とやら、久々に楽しめたよ。いいウォームアップにもなったし。」「そいじゃ、運があったらまた会おうの。」
カツカツ・・「・・由美子、どうする?」「・・しばらく考えさせて。」「あ、うん・・」「江湖の・・友か・・」
降下シャフト。ゴォォォ・・「地獄への階段ってか。」「♪Stairway to Hellじゃの。」「なんで老師が知ってんだよ。」
ぴく。・・「来るこたねえんだよ。」くるっ。「こっちも仕事でさ~。」「あなた達の監視がまだ残ってますから。」
「まあええじゃろ。若い娘がおると華やぐしの。」「・・老師、誰か忘れてない?」「はて、風呂上りにスッポンポンで
大股で出てくる有り難みのない誰かさんか?」オンオン。「こんのジジイ~・・(--メ」『ぷくくくっ。』
カンカン・・「なるほどね・・このシャフト周りが市民の収容所になってるんだ。」「生命維持カプセルの中か。」
「婦警、通信機。」「あ、はい。」ピッ♪「こちら世界、市民を発見したよ。ビーコンを置くから救助チームをよこせ。
避難用の大型艦は?・・近くにいた『嵐の艦隊』に応援を要請した?・・十万人でも運べる?そりゃ好都合。」
ピッ♪「聞いたとおり、ここは任せてよさそうだ。」「『嵐の艦隊』って、ウワサに聞いた民間の艦隊だよね。」
「ええ。アレクサンドラグループ商社部門が擁する自警艦隊。太陽系のあちこちに配置され、宇宙航路を守る大艦隊よ。」
「コロニー連合軍の補佐的役割もしておると聞く。もちろん連合からそれなりの手当は出とるんじゃろうが。」
「いわばレンタル艦隊だね。まあ一日200円ってわけにはいかねえだろうけど。」「そりゃ新作落ちだってば。」
地下大空洞。ドクンドクン・・「これが・・デビル大神殿。」「前とちがう・・」「惑星同化が進んでやがるな。」
グルルル・・「デビルガンダムがおらんぞい。」『もういないわよ。』はっ。カツカツ・・カツッ。「エルフィール。」
「主は進化の次の段階に入ったわ。よって初期形態を維持する必要はないの。」「タイタンへの同化を本格的に始めたか。」
「幽音と闇シャッフルは?」「外出中。留守番は私だけ。」「・・不用心だね。シクルゥ!」シャッ!・・バキイッ!
コロコロ・・『あっ!』「やっぱな。」「人形じゃったか。」【本体さらすほどバカじゃないわ。せっかくの再訪問だし、
少しは接待いたしましょう。】ギン!・・ズシンズシン!「デスアーミィ?!」「ちとデザインが異なるようじゃが。」
【新作の空間戦仕様・デスペーシィよ。性能はお試しあれ♪】「いいだろ、試食させてもらおうじゃねえか。」チャッ。
「お二人は観戦しとれ。」すっ。「シクルゥ!」たっ、シャッ!ターン!「カントシキテ!」ダン!ズバシャアアアーン!
軽気功じゃ。」ターン!・・すとっ、タタタタ・・「コクピットはここじゃな。」ぴた。「浄霊掌。」ズン!・・ぴたっ。
ユラ・・ドドーン!「ゾンビは成仏させるにかぎるの。」【やるやる~。こっちもがんばって増援出さなきゃね。】
ズシンズシン!「まだあんなに?」「・・セラス、どうする?」「・・こうなったらトコトン付き合おうじゃないのさ。」
ぐいっ。「アトレイデス、Fire!」ズドオオオーン!バコオッ、ドカアアアーン!「しょうがないか・・由美江、出番よ。」
キラッ。ドオンッ!メキメキ・・グシャアッ! 「由美江にかかればMSとてプラモと同じ、簡単に踏みつぶせるわよ・・」
シャフト・収容所。ゴォォーン・・ドドーン・・「下はハデにやってるぜ。」「急いで市民を退避させましょう。」
「こら数が多すぎるで。移動させるだけで三日はかかるで。」「そんな悠長にやってる余裕はありませんね・・」
「何かいい手ないかなー?」「あるよ!」『ハナちゃん?』「これってみんな半分死んでるのと同じだよね?」
「仮死状態だからそうデスネ。」「だったら死人を行進させることができる人がいるじゃん!」『・・葉月ちゃん!』
バササッ!♪チンドンシャーン!「さあみんな、出発しんこー!」ぴょんぴょん。「なるほど、キョンシーですか。」
「やけどな・・」ザッ!ザッ!ザッ!「数万体のキョンシー大行進・・壮観だね。」「うんうん。これであっという間に
避難できるね。」「オー!ミーもゾンビー操れるのすっかりフォゲットしてまシータ!」『死んでねえって。』
魔砲艦グラーフ・ツェッペリン。「救出作業はどうか。」「強襲揚陸艦ダイダロス、一万人収容完了。一時避難先の
連合エウロパ基地、受け入れ準備進行中。」「機動艦隊司令・リューディア閣下から入電。」「メインに。」ぱっ。
『おひさしぶりです、ふみこさん。』「今回は助かった、礼を言う。」『連合軍とうちの仲ですから。それにしても
これだけDG侵食が進んでいるというのに、連合安保理事会は静観の構えなのでしょうか?』「いつもの温度差さ。
地政学的にもタイタンは孤立地で、資源は堀り尽くされ、奪還のメリットはない。表向きは市民が人質にされてるので
手が出せないというところだが、いざとなれば連合保有のコロニー砲群『ナバロン』で星ごと消せる・・その程度の認識だ。」
『愚かな・・デビルガンダムをあまく見過ぎです。』「同感だ。DG細胞の恐ろしさは内側から侵食することにある。
常任理事国にも汚染が密かに進んでいるという未確認情報もあながちデマともいえん。」『連合の鈍感さは60年前と
なんら変わってないようね・・DG細胞は核よりも脅威だという認識が薄すぎるわ。』「ジカに食らわないとわからんさ。」
『でもふみこさんは動きましたね。』「ネオナチスには因縁があったし、『ルフトバッフェ』は便宜上コロニー連合軍に
属しているが、実質は私の私設軍。長期契約している傭兵だ。各国の利害に関係なく動けるので重宝されてる。それに
契約外の行動には干渉できないしな。」『うまい立場ですね。・・救出船団、まもなく離脱するわ。』「了解した。」
ドガシャアアアーン!「ちいっ!次から次に現れやがる!」「これでは物量に呑み込まれるぞい。」「アトレイデス、弾切れ!」
「はあっ、はあっ・・こちらも精神力がガス欠寸前です。」ピピッ♪「通信?」カチャッ。『救出作業完了。』
「待ってた!みんな、トンズラだ!」ダダッ!【デスペーシィ、追撃よ。生きて地上へ出さないでね。きゃははははっ!】
カンカンカン・・「・・きた!」・・ゴオオオーッ!「スラスター使うなんて反則ぅ!」「・・みんなかたまって!」
「何する気かの?」ささっ。「こうするんです。由美江!」グン!ゴオオオオーッ!「おおっ?!急上昇!」「そうか、
由美江とやらが押し上げてくれてるんだな。」「うまい応用じゃの。」「シャフトを抜けます。」ヒュッ!・・すたっ。
「エレベーターホールまで走れ!」タタタタ!「来おったぞ!」・・ドガアアアーン!ガラガラガラ!・・ギン!
ドン!グワラガラガラガラ!「通路を削りながら来る!」「由美江、足止め!」・・グシャアッ!ドガガガガーッ!
「時間稼げた!老師、エレベーターを!」「ほいっと。」ドン!ボゴワッ!「エレベーターのケーブルにつかまれ!」
がしがしっ。「いくぜ!」ザン!チュィーン!ゴオオオオオーッ!「うひゃああああーっ!」「これでイッキに地上だ!」
ボコォン!ガラガラーン!タタタタッ。・・ズズズズズ。ドガアアアーン!「もう追いついてきおったか!」「外へ!」
センタービル玄関口。「たいちょー、接近警報!」「来たか・・総員、攻撃用意!」「おっけー!」「わかりましたー!」
・・ガシャアアアーン!ダダダダッ!『あとよろしく!』「了解した。任務ごくろうさま。」・・ドガアアアーン!
「キース!」「戦術魔射・ビッグショット!」キィィィ・・ズドオオオオーン!ボゴオオオオーン!「3体串刺し!」
「いくよサリア!」「はいアイリせんぱい!マジックハンマー!」「戦術魔拳・微塵掌破!」ヒュルッ、ドオンッ!
「戦術魔槌・達磨落ですー!」ブン!バガアアアーン!・・ズズズズ!「倒れますよー!」「全員退避!」ゴゴゴゴゴ!
ドガガガガガーッ!「センタービルが!」「うまく出口を塞いだな。」「いやはや、なんとも荒っぽいのう。」
「・・これで終わったんでしょうか?」「ホントにそう思うかい?」「・・いいえ。」「あたしもさ・・」グルルル・・
魔砲艦グラーフ・ツェッペリン。「連合軍は動かねえだと?!」「今回のはネオナチスの単独犯行であり、それも阻止された。
これ以上の駐留は必要なし、という公式見解だ。タイタンは封鎖、調査団による検証が済むまで降下禁止となる。」
「・・あきれたの。」「ウラはこうだろう・・もしDG細胞の痕跡でも残っていれば、それが欲しい国はいくらでもある。」
「力ボケどもが!」「准将はいかがなさるか?」「タイタンがこれで終わりとはカケラも思っていない。ただ第一幕が済み、
第二幕までのしばしの幕間・・幕が開けば、また来ればいい。」「・・だな。それまで幕の内でも食ってようや。」
「あのー、私たちはどうなるんでしょうか?」「とりあえず『斧』に帰りたいんですけど。」「心配ない。どのみち
本艦は『斧』で補給を行う予定だ。」『よかった~。』「寄るのか・・大領主にあいさつしとくのもいいかもな。」オン。
「それにしても気になるのは、幽音と闇シャッフルが不在だったことじゃの・・いったいどこへ何をしに?」
ネオギリシャ・パルテノンの丘。ザッ・・「ここか、英雄の墓は。」「第一回チャンピオン、ヘローダ・ディオニソスの
遺体が永久保存されています。」「ではさっそく仕事にかかろうか。巨人剣ベルゼルガ!」ブォン!ズバアアアーン!
グラ・・ドドオン!「へえ、よく保存されてるね。」「冷凍睡眠技術を応用しているからな。」ぱしっ。「では・・?」
バサ・・バサバサバサ!「扇?」バサバサバサ・・シュタッ。「やほー!奇遇だねえ!」『カモメール・セリザ?!』
「あたしもいっしょだよ。」♪チリーン。「幽音!・・なぜここに?」「カーモちゃんと他をまわってたんだよ。」
「あと『Gの狙撃者』も別クチでやってるよー。こっちの仕事は終わったから、合流ってわけ。」「終わった・・?」
「もうヴァルハラに収容してるよ。しばらく熟成が必要だけどね。」「『エターナル・チャンピオン』が・・」
みなさんお待ちかね!二年前の話です。
アレンビーが配属されたのは隊員のいない新設部隊。
さっそく隊員候補を探して、アレンビーは大忙しです。
空軍・海軍・陸軍、そして特殊部隊。
そこで出会う異才を放つ落ちこぼれたち。
次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第58話
「外伝 -ワルキューレの伝説」に、レディー、ゴーッ!
第58話「外伝 -ワルキューレの伝説」
2年前、ネオスウェーデン軍総司令部。カツッ。「准将、アレンビー・ビアズリー中尉、お呼びにより参上しました。」
「うむ。今回のガンダムファイト、よく頑張ってくれた。それに加え、続くデビルガンダム戦役での健闘、見事であった。
ネオスウェーデンの国名を高めた事、感謝するぞ。」「ありがとうございます。」「そこで辞令だ。2階級特進で少佐に
任ずる。それと、1つ部隊を任せようと思う。」「・・え、わたしが部隊を?」「と言っても、戦技研究開発隊だ。」
「・・そんな部隊ありましたか?」「ふふ・・出来たばっかりだ。それに別に君に全て押しつけるつもりはないぞ。
クワトロ大佐を長に、君が副長だ。」「クワトロ大佐?あの若年寄・・あ、失礼しました。」「兵にはそう言われとるようだが、
あれで結構やり手だぞ。」「はあ・・で、隊員は?」「まだ君一人だ。」ずるっ。「・・ここでキレていいですか?」
「待てまて、司令部を潰滅されては困る。隊員候補はもう選定してある。リストは大佐から受け取ってくれ。」「はあ・・」
「・・もう1つ、君に謝らなければならん事がある・・」「・・バーサーカーシステムですか。」「うむ。あれは重大な
過ちだった。先のGF国際会議で、私は全面禁止の動議を提示し、満場一致で可決された。」「・・そうですか。」
「その代わり、ネオジャパンの技術協力により、ハイパーシステムの開発の目途がたった。」「ハイパーモード!」
「次のガンダムには搭載できるだろう。・・実はその開発もその部署に任せようと思っておる。」「わたしは先の大会で
ゴッドを知っています。必ずや完成させてみせます。」「頼むぞ。部隊はC棟第三ブロックにある。」「早速行ってみます。」
カッ!くるっ、バタン。・・「・・賽は投げられた。魔神将軍、よろしく頼みます・・彼女は我が国の宝ですから。」
「戦技研究隊・・ここか。」ガラガラ。「失礼します!・・へ?」コトコト・・シャシャシャ。「・・茶室?」スゥ・・
コトン。「少佐も一杯どうかな?」くるっ。「あ、いえ、大佐。」「そうか、正座は苦手だよな。それと大佐じゃなく
『隊長』って呼んでくれる?」「・・はい、隊長。」「じゃあ番茶でも入れよう。これなら作法はいらないし。」
コポコポ・・「で、何から話す?」「この隊の任務がよくわからないんですが・・」「新兵器の開発と実用化、あるいは
メーカーの試験機の評価と改良・・てとこかな。」「実戦部隊ではないんですね。」「いや、ある意味では毎日が実戦だな。
よくわからんモノを相手にする、な。」「はあ・・」「心配するなって。ガンダムだってその範疇に入る。改造に改良、
新システムや新武装の実戦テストなど、ある意味やりたい放題できるんだよ。」「なるほど・・ピッタリかもしれません。」
「それでと、さっそくの仕事で悪いが、このリストにある兵士を見てきてくれ。」バサッ。「拝見します。」ぱらぱら。
「・・四軍から一人づつ、ですか?」「陸海空、それに特殊部隊。兵器全般をサポートするには、それぞれの軍と兵器に
精通したメンバーが必要だろ。」「たしかに・・さっそく会ってきます。」「誰にするか、目利きはまかせるからね。」
空軍基地。ゴォォォ・・「う~ん、どれもいまいちだな~。次はと・・?」・・ゴオオオーッ!「うおっとお!」
ドオオオオーン!・・「な・・なによあの戦闘機!ぶつかるかと思ったじゃない!・・え?」ゴォォォ・・
「うわー・・もうあんな高度に。」ヒュルルル・・「あれ?・・失速?!」グルグルグル・・「フラットスピン?!
いけない、完全に操縦不能に!」・・ヒュィィィーン。ドンッ!「エンジン再点火?!」ドオオオーン!・・
「・・なんてパイロットよ。エンストした機体をいとも簡単に再生させるなんて・・着陸するわね。」ゴォォォ・・
ガンルーム。「さっきのパイロット、いるかな?」『アリシア少尉、なんだあの操縦は!きさま新品の機体を壊す気か!』
『あの程度で壊れる機体ならドッグファイトの役に立ちませんよ!それに新型機はデザインミスだらけですぐにスピン
起こすんです。あれは戦闘機じゃなくて空飛ぶカンオケです!メーカーからのリベートがあたしらの保険金ですか!』
『キサマ!上官に向かって・・』『空では階級なんか何の役にも立たないよ!フライト経験もないヤツをあたしは
上官とは認めない!辞職します!』バタン!カツカツ。「ちょい待ち。」「なによ!」ばっ!「・・あれ?どっかで・・
ああっ!ガンダムファイターのアレンビーさん!」「知ってた?」「そりゃもう!ファイトはぜんぶ観てました!
仕事のときは留守録かけても!」「なら話が早いわ。・・あたしんとこに来ない?」「・・聞かせてください。」
海軍基地。ザァァ~ン・・「やっぱコイツだよな~。コイツ欲しいけど、来てくれるかな?工房にいるって聞いたけど。」
ジジジジ!「いたいた・・あの~、もしもし。」『ん?』くるっ。ジジジジ!「あちあちあちっ!」『あ、失礼。』
パチッ。カチャッ。「どなたですか?」「アレンビー・ビアズリーよ。アニー・オンディーヌ少尉ね。」キラリ。
「少佐どの?!」ザッ!「失礼しました。いかなるご用件で?」「海戦兵器全般、および機械・電子・システム工学の
エキスパート。SQ400の頭脳は、もし大学へ行けば間違いなくノーベル科学賞授賞者と言われた・・なぜ海軍に?」
「兵器メカニズムが大好きなんです。」「才能の浪費、はっきりいえばムダ使いとは思わないの?」「見解の相違です。
自分で自分の生き方を決めただけです。誰にも文句は言わせません。」「この成績ならさらに上の階級も狙えるわね。
その気になれば海軍大将でも・・優秀すぎるってのも考えものね。」ぴくっ。「・・」「経歴には書いてないけど、
ちょっとその辺インタビューしたらすぐにわかったわ・・あなた、このままだと一生この工房で飼い殺しよ。いいの?」
「・・ここが私の居場所ですから。」「そうかしら?この工作機械もほとんど中古品ね。・・ね、もっと設備の充実した、
もっといえばどんな設備でも自分で揃えられる職場に移らない?」「えっ?・・そんな好条件の職場が?」「そうよ。」
「じゃあ、NC工作機とか電子顕微鏡とかも買っていいんですね?!」「いいんじゃない?」「じゃあじゃあ、クラス1の
クリーンルームとか放射性物質作業室とか粒子加速器とかも!」「あう・・よくわかんないけど、なんとかなるかも。」
「行きます!どんな安月給でもボーナス無くてもかまいません!」「まあまあ、そういうのはちゃんと出すから。たぶん。」
陸軍基地。「えーと、機甲師団はと・・演習中か。」ゴゴゴゴ・・「おー、さすが整然としたフォーメーションね・・
あれ?」ドドドドド!「・・なにあの戦車?!なんちゅうスピードよ!」ドンドンドン!「主砲を速射?まさか!」
ドドドドーン!・・「・・あのスピードで全弾的中!バケモンみたいな戦車ね・・そうか、あれがウワサの・・」
「ばかもーん!キサマ、チームワークを何と心得ておる!戦争は一人ではできんのだぞ!」「私が突出して敵陣形を
混乱させれば、それだけこちらの被害は少なくなります!」「そういう問題ではない!いいか、ワシは部下は誰も
犠牲にしたくないのだ。たとえお前でも!」「いいえ、私だからこそ囮となれるんです。」「レイよ・・ワシの親族で
あることを気にしておるのか。」「・・」「・・わかった。キサマを部隊から外す。もう突貫娘の面倒は見れん。」
「・・かしこまりました。失礼します。」カッ。くるっ、カツカツ・・「レイ・・」「・・さよなら、叔父様。」
バタン。・・♪ピイッ!「ん?・・」「ねーちゃん、いい腕してるね。うちに来ない?」「・・アレンビー少佐?!」
「そうよ、レイ・サラマンドラ少尉。どうやらリストラされたようね・・その腕、うちで生かしてみない?」
「職務内容によります。」「じゃあお話しましょう。カモン♪」ぴっ。カツカツ・・「・・。」カツッ、カツカツ・・
特殊部隊キャンプ。「ここで最後ね。射撃場だって聞いたけど・・」ドキューン!・・「あっちか。さてと・・」
ドキュドキューン!ビシビシッ!ぱちぱちぱち。「・・ん?」カチャッ。「ハンドガンで200m二発をブルズアイ。
それだけの腕を持ってるのは四軍にもいないわ。」「・・アレンビー少佐。」「マコ・トライデント少尉ね。
それちょっと貸して。」「・・。」ぽい、スチャッ。ジャッ!「4発プラス1ね。」ジャキーン!ちゃっ。
「動標的、1秒。ブルズアイは2インチ。」「えっ?!」「マーク!」シャッ!ドドドドキュゥゥーン!・・
「返すわ。薬室に一発残すのはマナーよね。」チャッ。ルルルル・・「・・ピンポイントに四中?!」「じゃあね。」
「待ってください!」ぴたっ。「・・この腕、身に付けたい?」ちらっ。「・・はい。」ぴらっ。「移籍届を書いて。」
数日後。ガヤガヤ・・「では立ち上げ式を始めるぞ。」『はい!』「全員、気をつけ!」ザッ!「敬礼!」カツッ!
「点呼。」「アリシア・シルバームーン少尉!」「アニー・オンディーヌ少尉。」「レイ・サラマンドラ少尉!」
「マコ・トライデント少尉。」「アレンビー・ビアズリー少佐。」「クワトロ・アレクサンドラ大佐。以上6名で
戦技開発研究隊、コードネーム『ワルキューレ』を発足する。」『ワルキューレ隊、がんばっていきましょい!』
「立ち上げ式を終了する。」がくがくっ。『は、はや・・』「形式主義はこれから忘れてくれや。枠にとらわれない
柔軟な思考こそ、俺たちに必要なものだ。さ、お待ちかねの討ち入り宴会だ。業務中なんで酒はいちおうカンベンな。」
「それじゃソフトドリンクで。」コポコポ・・「みんなコップを持ったな。では乾杯。」『カンパーイ!』カチカチン♪
「次は自己紹介といくか。俺はクワトロ・アレクサンドラ。」「・・アレクサンドラ?どっかで聞いた・・まさか?!」
「もしかせんでも、あのアレクサンドラグループの創設者は俺の親父だ。」『ええーっ!』「じゃ、大富豪の御曹子!」
「残念でした。親父に勘当されちゃったので、お金持ちではありませんよ。」どがしゃあっ!「あら、そーですか・・」
「うちの家風でな、親のスネをかじらず自活させ、独立心と金銭感覚を身につけさせるんだ。」「きびしい家ですね。」
「ついでに世襲も嫌ってて、クレオパトラに譲ったのさ。俺ももちろん大賛成だ。」「一代で築き上げた会社をですか?」
「ウチの会社じゃないよ。社員みんなの会社だろ。」『・・ああ。』「そういう考え方ができるのはすごいですね・・」
「もと空軍のアリシア・シルバームーンでーす。得意技は根来月光流暗器術。趣味は飛行機を飛ばすことでーす。」
「聞いたことあるわ。通称『航空力学の破壊天使』。実験機でガス漏れで米空母に緊急着艦したのはもはや伝説ね。」
「あー、あれ。知ってるしってる。それから修理と給油後に、無理矢理カタパルトに結わえつけて射出させたって。」
「米海軍の皆さん、常識外のことで目が点になったそうですね。」「ホント常識外れね・・根来月光流暗器術ってなに?」
「暗殺術です。武器はこの三日月刀。」チャッ。「うわ、ブーメランみたいな刀。」「こうやって使うんですよ。」
ヒュバッ!ヒュルルルル・・「戻ってきた?!」ぱしっ!「ほらね。」ピキ・・ころん。「銅像の首を落とすなって。」
「もと海軍のアニー・オンディーヌです。得意技は壱岐水軍流水術、趣味はメカいじりとスキューバダイビングです。」
「海軍きっての天才士官。さすがに知ってるわ。」「開発された兵器のおかげで、戦力が20%は向上したって聞いたけど。」
「海軍もバカよね~。こんな人材腐らせようなんて。」「優秀すぎるのはかえって避けられるのさ。うちは大歓迎だが。」
「で、水軍流水術って?」「実家に伝わる水を使う武術です。」「水?・・どんなの?」すっ、「飛沫弾。」シュパッ!
バコバコッ!『おおっ!』「銅像に弾痕が?」「水の弾丸です。」「すご!・・」「あーあ、標的になっちまったか。」
「もと陸軍機甲部隊のレイ・サラマンドラ。得意技は風魔流爆炎術、趣味はいろんな乗り物を操縦することです。」
「これは知ってる。ウワサの『タンクガール』ね。」「戦車を改造しまくって、時速200kmも出るようにしたって?」
「ポイント装甲にして、ガンダムの動力炉つけたの。それに加速用のロケットモーターも。」「まるでドラッグカーね。」
「くわえて操縦と砲撃の腕も神業だと資料にはあったな。」「見たみた。まさか一人で操縦と砲撃をしてたとはね。
ところで風魔流爆炎術って、爆弾でも投げるの?」「似たようなものですね。爆裂焼球。」ドヒュッ!・・ドカーン!
『おおっ!』「おいおい、銅像はコナゴナかい・・」「すごい・・これなら丸腰でも戦車だって倒せそうね。」
「もと特殊部隊、マコ・トライデント。得意技はパルテノン流雷電闘術、趣味は銃のコレクションと射撃です。」
『ああっ!』「なに?」「・・伝説の『地獄からの帰還兵』!」「私も聞いたことがあるわ・・『緑の魔女』って。」
「私は別の名前で知ってるわ。・・『ピンホール・スナイパー』。狙撃をやらせればヨーロッパ一の腕前だって。」
「・・そのどれも公認してないわ。」「それって知らないけど?」『・・えっ?!』「少佐、知らないんですか?」
「ぜんぜん。」「あの時期は少佐は決勝リーグだったから無理もないさ。」「よかった・・」『えっ?』「私のことを
知らない人がいてくれた、それだけで来た甲斐がありました・・」「・・疲れてたのね。なんか知らんけど、ここなら
少しは安らぐことを期待するわ。」ぽん。「・・はい。」にこっ。「ところでそのパルテノンなんたらって、なに?」
「電気を武器とする格闘技で、古代ギリシャ時代から密かに伝わった幻の武術です。うちの実家が代々継承してきました。」
「古代ギリシャにスタンガンでもあったかなー?」「100万ボルトの電圧を発生させるこの特殊ライデン筒を使うの。」
すっ、カラン。「へ?・・単三乾電池くらいの大きさ・・これで100万ボルト?」「実家に伝わる秘伝の製法で作るんです。」
「以前に陸軍の技術廠が分析しようとして、コンピュータが暴走して大騒ぎになったってさ。なんでも情報量が多すぎて、
処理能力がパンクしたとか。それからは1個1万ドルで買い上げ、参謀本部の非常電源に使われてる。5年は保つそうだ。」
「自分で言うのもなんだけど、すごいメンツが集まっちゃったね~。」「うんにゃ、実は予想どおりの顔ぶれなんだな。」
『えっ?』「ちょっと見せたいものがある。・・これだ。」ぐっ、ボオッ。『・・ああっ!』「そ、その紋章は!」
「『皇帝』だよ。名称は『ハンマー・オブ・エンペラー』、皇帝の鉄槌。」『・・・・』「少佐。」「は、はい?!」
「そっちのも見せたら。」『・・えっ?!』「・・はい。」ぐっ、ボオッ。『アレンビー少佐にも!』「『魔術師』か。」
「はい・・『スプレンディッド・マジシャン』。華麗なる魔術師。」「ということだ。・・四人もな。」ぎょっ!
「ま、まさか、みんな?!」「・・そのとおりです。」ぐっ、ボオッ。「アリシアに・・『月』!」「血塗られた月、
『ブラッディ・ムーン』。」「しょうがないですね・・」ぐっ、ボオッ。「アニーにも?!・・『節制』の紋章!」
「『テンパランス・ラ・メール』。海の節制。」「こういうことだったのね・・」ぐっ、ボオッ。「レイのは・・『力』!」
「爆炎の力、『ブレージング・ストレングス』。」「こんなにいたとはね・・」ぐっ、ボオッ。「マコは・・『塔』。」
「『タワー・オブ・サンダー』、落雷の塔です。」「皇帝のフルハウスが!・・」「そう、これは必然の出会いなのさ。
アルカナ同盟のことは知ってるか?」こく。「実家で聞きました。」「まさかこんなに近くにいたとは意外でしたが。」
「紋章の導きだな。少佐はどこで?」「ホルバイン中将が退任されるときに概要は聞かされました。そういえば、そのとき
アレクサンドラグループの話もあったような。」「グループこそアルカナ同盟のまとめ役を担ってるんだ。世界じゅうから
情報を集め、資格者を捜し、能力を調べる・・いざというとき召集できるように。」「・・そのときとは何ですか?」
「いま時分でいうと、デビルガンダムだ。」『デビルガンダム?!』「まさか!こないだのデビルコロニー戦で・・」
「DG細胞が絶滅したと、本気で思ってるのか?」「・・思いません。」「そういうことだ。DG細胞はABC兵器以上の
恐るべき兵器に成り得るということが実証されたわけだ。そう、現在の国家間の均衡を瓦解させるだけのパワーだ。」
「でもシャッフル同盟がそういう役割をしていたのではないんですか?」「表向きはな。実際はアルカナ同盟が影から
シャッフル同盟の補佐をしていたらしい。もちろん一般に知られずに。知っているのはごく一部の関係者だけだ。」
「アルカナ同盟の他のメンバーは?」「グループにいるものが数人、各国でも何人かが確認されつつある。そのうち
顔を合わせることもあるだろうな・・おっと、もうひとつ大事なメンバーについても教えておこう。・・『姫』だ。」
『姫?』「正式名称で言い換えよう。・・バベルの女帝。」『なあっ!』ガタガタッ!「アルカナ同盟の真の盟主!」
「実在するんですか?!」「伝説だとばっかり思ってたのに!」「そのパワーは小宇宙に匹敵するといわれ、同盟でも
誰もかなわないと聞きましたが。」「それに加えて、最強の『三つの護衛団』が常に身辺を守っているとかも。」
「実在するよ。そのうちお目通りさせてやるからな・・いや、ついでだからここにご静養に招待しちまおうかな。」
「さてこれからの業務予定だが、各人へガンダムを引き渡すぞ。」『ガンダム?!』「新兵器の実働テストベッドとして、
各メンバーに所有してもらう。少佐のノーベルが基本形で、ミッションに応じた派生型だ。詳しくはこの資料を。」
ばさばさ。「・・高機動仕様・ガンダムアルテミスかー。」「殲滅戦仕様ガンダムマーズ・・特に武装は無いんですね。」
「それはそれぞれで付けてもらうから。」「電子戦仕様ガンダムマーキュリー・・たしかに電装系は充実させてますね。」
「隠密戦仕様・ジュピターガンダムか・・何を付けようかな。」「あたしのは格闘戦仕様・ノーベルガンダムVか。
現行機の改良バージョンなら、完熟は早そうね。」「んじゃ、12番ドックへ行こうや。そこで受け取って、調整作業だ。」
キューン、ガガガ・・「ワルキューレ隊、ガンダムを受け取りに参りました。」「いつでも起動できるよう準備は完了
してます。こちらへどうぞ。」カツカツ・・「ほう、これですか。」「いい出来ですよ。ノーベルのノウハウが役に立ちました。」
ゴォォォ・・『うわぁ・・』「ガンダム5機も並ぶとさすがに壮観ね・・ん?どしたの、みんな。」じぃ~ん・・
「・・嬉しくて、言葉が出ないんです・・」「憧れのガンダム、ついに乗れる日が来た・・」「世界最高の機動兵器体系、
ガンダム・・技術畑の私にも、夢のまた夢でした・・」「・・死にそこなった甲斐があった。これに乗れるんなら・・」
「こいつらはこれから、もう一人のお前達になる・・ま、長い付き合いになるだろうから『よろしく』って言ってやれ・・」
「たいちょー、またそーいうしんみりしたこと言ったら・・」「・・グスングスン。」「ヒック、グスグス・・」「ウェ~ン・・」
「ほーら、泣かせちゃった。」「これが見たくて狙ったのさ♪」「ヤな性格・・ま、あたしも最初はそうだったし。」
「あれ?聞いた話じゃ『こんなハズかしいガンダムはイヤー!』って、暴れたんじゃ?」「う"。・・だってさ、じっさい
ノーベルって前代未聞のデザインだったし。」「ネーデルやマーメイドやスカルに比べりゃマシだろ。」「対象が悪すぎ!」
「じゃあ初期調整作業に入るよ。MTSは少佐以外は初体験だよね?」『はい。』「少佐、注意事項があれば今のうち。」
「そうね・・バーベル持ち上げるつもりで、しっかり踏んばること。」『・・はい?』「すぐにわかるから。」
「では搭乗。」『はい!』タタッ、スパスパッ。「MTS起動。」『・・うわあああーっ!』『きゃあああーっ!』
「おーおー、吠えとるほえとる。」『最初は腰が定まらないからね~。』「さすがに少佐は鼻唄まじりだな・・」
「・・おーし、今日はこれまで。大体いいだろう。後は明後日にしよう。」「あさって?明日はどうするんです?」
「俺と少佐はやるよ。他の連中は・・」『ゼイゼイ・・』「少佐は忘れた?初めてガンダムに乗った時のこと。」
「・・あ~、そーでしたね。明日1日は使いもんになりませんね・・」「そゆこと。筋肉痛と偏頭痛で寝込む・・な、
こりゃ。」「さあさ、今日はおしまいよ。明日は休んでいーから。」『は~い・・』「お、そうだ。みんな今夜は
仮眠室で寝ろや。それなら明日の状況にも対応できるだろう。」「あ、それ名案ですね。夕食は出前でとればいいし。」
仮眠室。ばさばさ・・どさっ。「あ~、疲れた・・」「おフロがキモチよかった~・・」「こんなに体力使ったの、
実家からこっちに来て以来・・」「ひさしぶり・・この疲労感。」「しかしなんでネオスウェーデン軍の仮眠室が
畳とお布団なんだ?隊長のシュミかな・・おや。」『す~・・』『く~・・』「あっという間にまあ・・寝よ。」
ばさっ。「あ・・これけっこういいかも。おフトンの適度な重さが・・キモチ・・いいわ・・すぴ~・・」
次の朝。『・・う~。』『あう~・・』「・・ん?」ばさっ。「おはよ。みんな、具合はどう?」「・・動けません・・」
「頭痛と筋肉痛で・・」「少しでも動いたら死にそうです・・」「体力には自信あったのに・・ふだん使わない筋肉が・・」
「まあ、あたしも最初はそーだったわ。大丈夫、身体と脳が新しい環境に対応しきれなくて抗議してるだけ。1日寝てれば
馴染むわよ。」トントン。「はーい。」ガチャ。「おっす、これ。」「ああ、わざわざすみません隊長。」「いやいや、
俺も経験者だからな。ほんじゃ。」パタン。「隊長の差し入れの朝食よ。ハンバーガーと牛乳。」『すみませ~ん。』
「はい口開けて。ほれストローくわえて。」ぱく。チュー。「・・ああ、おいしい。」「少し元気が戻ったみたい・・」
「おトイレは1人で行ける?」「・・それくらいは何とか。」「じゃ、お昼にご飯持ってまた来るからね。」バタン。
「・・リーダー、優しいね・・」「あの方といられるなら、幸せよね・・」「・・すぐに良くなりますから。」
オフィス。「どーだった?」「思ったよりいーですね。あの調子なら、夕方には復活するでしょう。」「そりゃ良かった。
で、今日はこれからどーしようか?」「フィールドに出ちゃったら、何かあった時に困りますからデスクワークですかね。」
「じゃあアルカナ同盟の話でもしてやろう。どこまで知ってる?」「昨日のでほとんどですね。」「では同盟内のことから。
同盟のメンバーは大きく4つに分けられてる。まず『ファイブカード』。シャッフル同盟に相当する最強の5人だ。」
「5人・・紋章は?」「『星』、『隠者』、『戦車』、『法皇』・・そして『魔術師』。」ぎょっ!「・・あたし?」
「うん。」「・・えええ~っ!あたしそんなグループなん?!ちーとも知らんかった~!」「なんで関西弁なんだ?
とにかくそういうつもりでよろしく。」「はう~・・責任重大。・・ところで他のファイブカードは?」「えっとね、
『戦車』と『法皇』は判明してるな。」「あ~、よかった・・だれ?」「『戦車』はアイヌ、『法皇』はネオ台湾に。」
「ふ~ん・・会ってみたいな。」「そのうち会えるさ。さて次は『女帝のフォアカード』だ。」ぴく。「女帝って・・
バベルの?」「いや、いま一人の『女帝』だ。『姫』の代行としてアルカナを取り仕切るいわば司令塔の役割だな。
その補佐として『女教皇』、『審判』、『悪魔』、『運命の車輪』の4人がいる。」「へえ・・その5人はどこに?」
「アレクサンドラグループにいる。『女帝』はまだ合流したてなので、あとの4人が教育中だ。」「うわ、しんどそ・・」
そのころニューヨーク。「ふわぁぁぁ~っ。」「・・そこまでおもいっきりアクビされると、怒る気も失せるわね。」
「だぁって経済学ってタイクツなんだもん~。」「基本よ基本!これ知らないとグループ経営なんか出来ないって!」
「へいへい。」ぴこぴこ。「返事は『はい』!」「は~い。」「・・ヨーコ、たっち。」ぺん。「まかしなって。
さてクレオ、ゲームの時間よ。」ピピピッ♪ぱっ。「ん?・・『大都会』?」「都市開発TRPG。無人の荒野に都市を造る
シミュレーションよ。」「へえ~、おもしろそう。やってみよ。」「まず資金はこれだけ。増やすにはビルを建てて
企業を興し、商売をして利益を得ることが基本。応用はいろいろあるわよ。」「うわ、これだけで・・やったろーじゃん。」
「・・さすがヨーコ、経営の基本をゲームの形で教えてるわ。」「クレオみたいなタイプは詰め込みは受け付けないのよ。
ああやって楽しみながら自発的に覚えさせるのが早道ね。」「そっか・・シルビアもやるわね。あっという間にゲームの
プログラムを組むなんて。」「あのくらいの基本プログラムは10分もあれば余裕よ。ミソはゲームマスターである
ヨーコの条件づけと判定。」「・・ほら、社員教育費ケチるから、信用落ちたよ。10億の損失。」「あいた~!」
「で、次が『皇帝のフルハウス』だ。」「皇帝?大佐ですね。」「いわば集団戦闘部隊だ。ファイブカードは各個が
独自に動くが、フルハウスは部隊で動く。」「なるほど・・それがあの4人なんですね。」「もちろん個々の能力も大事だ。
そのへんを少佐に鍛えてもらいたい。」「了解しました。いかなる状況でも最大の能力を発揮できるよう訓練させます。」
「最後に『ワイルドカーズ』について触れておこう。残りの7人は特にグループとしてのまとまりはない。だがその実力は
それぞれがファイブカードに匹敵するものも多い。」「残り・・『太陽』『死神』『吊られた男』『正義』『恋人たち』、
そして・・『世界』と『愚者』、ですか。最後の二つがクセモノですね。」「そのとおりだ。『世界』はアルカナ最強の
戦士、そして『愚者』はアルカナの外から見守る別格の存在だ。」「『世界』か・・誰なのか判明してますか?」
「幸いにもな。以前に会ったけど、やっぱすごいわ。若いのに眼光がもう達人の領域だったな。」「へえ・・」
ネオ北海道・カムイコタン。「姉さま、姉さまー。」「ナコおねえちゃん、紫のねえさま、どこにもいないよ。」
「もうすぐ夕食なのに、どこいったのかしら・・」ガサッ。「あ、シクルゥ。姉さまは?」くいっ。『えっ?・・』
ガサガサ!「どっこいしょ!」ドサッ!『うわっ!』「・・人間?」ガサガサ。「この辺を荒らしてた密猟者さ。」
「姉さま。」「リム、駐在さん呼んできな。」「は、はーい!」タタタ・・「・・殺してます?」「半殺しだけどね。
鉄砲撃ってきたから。」・・タタタタ。「おー、またお手柄じゃのう。」「駐在さんの手柄にすりゃいいって。」
三ヶ月後、武闘場。「そーれ!」バシッ!「うわっ!・・参りました!」「なかなか動きが良くなってきたわよ。火炎球は
発動が遅いから、通常技からキャンセルかけて打つこと。すぐに読まれてツブされちゃうよ。」「ありがとうございました。」
「次、アリシア。」「はい!」「さあ、うってきなさい。」「ムーンカッター!」ヒュルルッ!「狙いがあまい!」パシッ!
「うそ!受け止めるなんて!」「アマチュアならともかく、プロには止まってるも同然よ。こう使うのよ!」ヒュッ!
ブオオオオーッ!「ひえ~っ!剣圧がまるで違う~!」バシーン!「おっ、よく受け止めたじゃない。」ジィィーン・・
「こ・・こわかった~。」「そのくらいの迫力がないと相手は当たってくれないわよ。次は変化技を使ってきなさい。」
「たあっ!」ヒュルヒュル・・「・・アッパーか。」グン!「やっぱり。」スッ・・ヒュウ・・「・・身を反らせただけで
かわすなんて・・」「変化が単純で、すぐ見切れるわ。あなたの技量ならもっと複雑な変化がつけられる筈よ。」
「おーおー、みんながんばっとるな。・・少佐、ちょっと。」ちょいちょい。「はい。・・じゃ、練習してて。」
『はーい。』「大佐、なにか?」「ちょっと込み入った話でな。とりあえずカフェテリアで話そうや。」「?・・はい。」
カフェテリア。「ハイパーシステムの事なんだが、ネオジャパンのレイン・カッシュ女史から連絡があった。」「レイン?!」
「来週のGF技術会議でデータを渡すから、ぜひ出席してくれとさ。アニーと一緒に行ってくれ。」「レインが窓口なんだ!」
「少佐ならレイン女史とつきあいがあるし、話しやすいだろう。細かい技術面はアニーが話す。いい?」「はい!」
「それともう1つ・・まだ公式ではないが、第14回大会が2年早まるらしい。」ぴくっ。「・・噂は本当だったんですね。」
「主権国がいないと、いろんな意味で不都合があるらしい。・・そこでだ、会議が済んだら、帰国しなくていいからしばらく
旅をしてこい。」「・・えっ?」「費用はうちで出す。・・さらなるレベルアップを願っての武者修行だ。」「という事は・・」
「そう、2年後の代表はお前さんだよ。世界で腕をみがいてこい。」すいっ。「この国際クレジットカード、好きに使っていい。
ギアナでもヒマラヤでも行ってこい。そして大会半年前になったら帰ってこい。それまでにはハイパーシステムも完成してる。」
「・・隊長。」「お前さんはデスクワークよりもそっちの方が似合ってる。・・これも任務と思え。」「はい、必ずやさらに
強くなって帰ってきます。」「おし。4人を鍛えるのは俺にまかせておけ。帰ってきたらビックリさせてやろう。」
ネオジャパン・東京シティー、GF国際技術会議。ガヤガヤ・・「アレンビー!久しぶりね。」「レイン!おひさ~。
紹介するわ。あたしの部下のアニー。技術担当よ。」「へえ、あなたも部下も持つようになったんだ。すっかりベテランね。
アニーさん、こんにちは。」「・・は、はじめまして。」「アニー、なに赤くなってんの?」「いえ、あの、・・レインさん!」
「はい?」「サイン下さい!」ズデーン!「・・アタタ、なんなのいきなり。」「わたし、レインさんの大ファンなんです!
たった一人でゴッドを優勝へと導き、なおかつ自らガンダムに乗って闘う!そして何よりあの最終拳!一年の間、
感動しまくりでした!」「わ、私も熱烈なファンに会えて嬉しいわ。サインくらいならお安い御用よ。」サラサラッ。
「へえ・・レイン、うまいね。」「結構あるのよ、こーゆーシチュエーション。あとで一緒に記念写真も取る?」
「光栄です!一生の宝物にします!」「レイン・・慣れてるね。」「まーね。アイドル気分も悪くないわよ。」
喫茶室。「ギアナの暮らしはどう?」「平和そのもの。シャッフルの仲間たちや知り合いのファイターが頻繁に訪ねてくるから
けっこう賑やかだし。」「今度あたしも行ってみるか。」「連絡ちょうだいね。ギアナ名物・大ナマズのお刺し身を作って
待ってるから。五、六人のファイターが常にキャンプをしてるから、対戦相手には事欠かないわよ。」「ドモンは元気?
結婚式以来会ってないけど。」「あいかわらずの挌闘バカ。でも、だいぶ人間ができてきたみたいよ。ときどきキュンと
なるような優しさもあるし。」「幸せそうで何よりだわ。・・子供は?」「あのオクテにどうしろと?」「まぁねぇ・・」
ぱさっ。じーっ・・「アニーも何か聞いてみたら?」「え?・・あ、はい。この回路の構成が理解しづらいんですけど。」
「どれ?・・ああ、これはMTSからのフィードバック信号を変換して、動力系に・・」「あ、チョコパフェもうひとつ。」
羽田空港。ゴォォォ・・「アニー、それじゃここで別れるわ。みんなによろしく。」「行ってしまうんですね。・・どこへ?」
「まずはギアナにでも行ってみる。そっから先は強い奴の噂を求めて、足の向くまま気の向くまま・・たまに連絡いれるわ。」
「絶対ですよ。」「じゃーね。」くるっ、カツカツ・・♪何も恐れず闘え、ガンダム~「リーダー、あなたこそ真の戦乙女です・・」
そして1年半。・・ガラガラ。「ただいま~。」『リ、リーダー!』「やっ、元気してた?」「それはこっちのセリフですよ!
半年も音信不通で、みんな心配してたんですよ!」「いや~、ゴメンゴメン。ちょっと連絡のとれない所にいたもんだから。」
「今どきそんな所があるんですか?」「雷王星。」『!・・』「太陽系第十番惑星・・そんな僻地で何してたんです?」
「何って修行に決まってるじゃない。あそこは居るだけで鍛練になるし、雑音もないし。「たしか気温80度、湿度100%、
酸素濃度は地球の半分、重力は・・5倍よね。・・そんな激烈な環境に半年も居たんですか・・」「テラフォーメーションが
終わったばかりで、コロニー連合のモニターロボットがいるだけ。静かでよかったわ。」「どうやって生活してたんですか!」
「もう動植物が自生してたから。マコくらいのサバイバル知識があれば、自給自足は可能よ。」「まあ、そーですけど・・」
「おかげで地球に帰ったら体の軽いこと。ほれ。」ヒュッ!『えっ?!』ストン。「この椅子に座るのも久しぶりね。」
ゆさゆさ。「・・なんてスピードと身軽さ・・」「入口からここまで8メートル・・助走もなしに。」「まるでバッタ・・」
「リーダー、さらに強くなったみたいですね。」キラリ。・・ふっ。「試してみる?あなた達の成長も見たいし・・隊長は?」
「午後までお留守です。」「丁度いいわ。久々に一汗かきましょう。」「ガンダムはいつでも使えるようにしてます。」
演習場。「さーて、誰からくる?」「はーい、アリシア、アルテミス行きまーす。」「おーし、来なさい。」「はあっ!」
ビュオオオッ!「おおっ、凄まじい剣圧ね!おっと!」ズババーン!「衝撃波で地面が砕けるか。アリシア、見事な成長よ。」
「まだまだこれから!幻月の舞!」ブワッ!「ほう・・分身か。」「16枚全て避けきれます?・・いきますよ!」
シュババババッ!「ふ・・はぁっ!」ダッ!「えっ?こちらへダッシュ!」ギュン!「思った通りホーミングか・・だが!」
タン!シュィン・・「アリシアを飛び越して・・消えた?!」「ど、どこ?」「ここよ。」グッ。「くっ?!・・」
「これで一捻りすれば・・」ミシッ・・「・・参りました。」ぱっ。「見事よ。よくぞここまで成長したわね。・・ほら。」
くるっ。『・・ああっ!』「背中に1本刺さってる!」「避けきれなかったの。」「すぐに治療します!」「薬箱を!」
「いらないいらない。・・っ!」グッ、ズボッ!カラカラーン。「はぁぁぁ・・」シュゥゥゥ・・「ええっ?!」
「傷口が・・ふさがっていく?!」シュン・・「・・跡形もなく。」「・・信じられない。」「これが修行の成果その1、
自己治癒力の恣意的加速よ。よほどの重傷じゃないかぎり、ものの数秒で治癒できるファイブカードの固有能力。」
「さて、次いこか。」「アニー、マーキュリー参ります。」「水術か・・久々にシャワーでも浴びようかしら。」
「水龍槍!」シュバッ!「よっと。」ズバーン!「超水圧の槍ね。当たったら戦車でもブチぬけそう。」「凍結連弾!」
ババババッ!「おおおっ!当たったら、凍り、ついちゃう!・・数が、多いから、避けるのが、大変だ・・ぞっと!」
ひょいひょい。「全部避けるなんて・・」「なかなかいいよ。さあ大技いらっしゃい!」「では奥義!絶対零度激流砲!」
ゴゴゴォッ!「避けるのは・・不可能。ならば!」ぐっ、ボン!『なに?!』ゴオオオ!「ノーベルの手に・・炎が!」
「バーニング・フィンガー!」ドン!ズバシャアアアーン!「絶対零度の大津波を真正面から!」「どっせーい!」
ドバアアアアーン!「信じられない!突破した!」「もらったあああーっ!」ガキィーン!「きゃあっ!・・参りました。」
「リーダー・・今のは?」「修行の成果その2、紅蓮の拳『バーニング・フィンガー』。あたし独自に開発した技よ。」
「さて次は?」「レイ、マーズ行きます。」「ちょーどいいわ。暖めてちょーだい。」「ヤケドするくらい熱くしてあげますよ。」
「ふふ、望むところよ。」ボン!「火輪曼荼羅!」ズバババッ!「おわたたたっ!まるでバルカン砲ね!」スカカカッ!
「よけますね・・さすが。爆炎弾!」カッ!ズドオオオオーン!「おお!一瞬で打ち出すなんて!」ゴオオオオーッ!
「よいしょ!」くいっ、スカッ!・・ドカアアアーン!「なっ?!」「ブリッジで避けたなんて!」「よいしょ!」グン!
すたっ。「うわ、あっぶなかった~。直撃受けたら火ダルマだったわ・・いいわよ、レイ。」「では、とっておきの・・」
「お~、わくわく。」「大焦熱弾!」バドオオオーン!「きゃー!ステキー!」ドカアアアアーン!『直撃?!』
『リーダー!』「ほーい。」ドテテテッ!「・・あいたたた。」「腰打った~。」「500万度の焦熱弾の直撃受けて・・何で?」
「誰がまともに食らうもんです、か。ちゃんとバーニング・フィンガーで砕き散らしたわよ。まだやる?」「も、もういいです。」
「さ~て・・マコ、お待たせ。」くるっ。「待ってましたよ、この時を・・」ぺきぺき。「あなたがメインイベント。
こっちのウォームアップはOKよ。」「じゃ、やりますか。」「久々に電気マッサージをしてちょうだい。」すっ。
「リーダーの教えてくれた雷神拳、その身でたっぷり味わってください。」さっ。「・・リーダーとマコが本気だ!」
「マコは昔から格闘は強かった・・同じマーシャルアーツの達人としての、ライバル意識ね・・」「リーダーも、マコは
本気で掛からないといけないとわかってる・・だからああやって正式なファイティングスタイルをとったのね・・」
ヒュゥゥ・・「例のやつ、いっぺんやってみる?」「いいですね。では!」『ガンダムファイト!レディー、ゴーッ!』
「 ライトニングラッシュ!」ズドドドドッ!バリバリバリッ!「とととっ!チボデーなみの連打ね。しかも電撃まで。
雷のパンチか。」「サンダーキック!」カッ!ズガァンッ!バリバリバリ!「くうっ!・・なんてパワーとスピード!」
「どうしましたリーダー、動きが甘いですよ!」「ちょっと様子見よ。・・はあっ!」ドン!「リーダーの回し蹴り!」
「ボルテックディフェンス!」バシィィーン!「くうっ、電撃ガードとは!」「スキあり!」ガシッ!「しまった、後ろを!」
「サンダーブレイク!」ズババババババッ!「うわああああーっ!」「1千万ボルトの電撃です。いかなガンダムといえども、
耐えられないはず!」「・・はああああーっ!」ピカアッ!ズバアアアーン!「うわっ!・・なに?!」ゴオオオオ!
「ノーベルが・・黄金に!」「・・ハイパーモード?!そんな?システムはまだ搭載してないのにどうやって!」
びしぃっ!「マコ、強くなったね・・ならば、あたしも本気でいくよ!」すっ、ボオン!「今度は両手に爆炎が!」
「ぶぁーくさつ!」ギン!「バーニングゥ、フィンガァァァーッ!」ズゴゴゴゴッ!「このプレッシャーは?!・・
奥義、エレクトリッガー!」カアッ!ズバシャアアアーッ!「マコの超必殺技!1億ボルトの雷撃よ!」「はあっ!」
シャッ!・・ズガガガガーッ!「なっ?・・ノーベルが消えた!」「こっちよ!」はっ!ばっ!「・・頭上?!」
ゴオオオオーッ!「もらったあああーっ!ノーベル・ダイナマイト!』ガキイイイーン!「うわあああーっ!」
「そんな?!ジュピターの真上から頭部をつかんだ!」「ブラスト・エンドッ!」カッ!ズガアアアアーン!『やった!』
「あれがリーダーの新必殺技!」「相手の頭上に片手倒立して倒す・・素晴らしい技だわ。」「よっと。」グン、ザシャッ。
ゴォォォ・・「・・これがファイブカード、『華麗なる魔術師』の・・力!」ユラ・・ドドオオオオーン!・・
パシュッ。「マコ、だいじょーぶ?」「・・あんまし大丈夫じゃないです。」「初めて食らった方の感想を聞きたいわ。」
「超人的な跳躍力とスピードでジャンプし、直上の死角から襲う。もしあらかじめ知っていたとしても、回避は困難です。
対抗策としては、消えた瞬間に高加速ダッシュで逃げることくらいですが・・通常の反応速度ではまず不可能です。」
「そういうこと。あと考えられる手は、相討ち覚悟のカウンター狙いくらいね。これも反応速度勝負にはちがいないけど。」
「これならばシャッフル同盟には後れはとることはないでしょう。いい技です。」「じゃ、ジュピターの修理しよっか。」
整備ハンガー。ガガガガ・・「おっす、帰ってたか。」「あ、大佐。ただいま戻りました。」「さっそくやり合ったな。
仔細はオフィスでアニーに聞いた。」「みんな成長してて安心しました。」「少佐が留守の間にもいろいろあってな。
神選組との共同防諜作戦やら何やらかにやら。」「へえ、また呼んだんですか。」「なにせうちの情報を欲しがる連中は
いっぱいいるからね。各国軍事情報部・非合法組織・その他もろもろ。」「どうりでみんな腕が上がったわけですね。」
「お前さんもハデな修行をしたもんだな。いろんな噂を耳にしたぞ。」「ありゃ、届いてましたか。」「この1年半で
壊滅させたギャング組織が12。返り討ちにした殺し屋が23人・・よくもまあ生きて戻ってきたもんだ。」
「でも勉強になりました。世界にはとてつもない強い人がまだまだいました・・」「うん。ファイターとしては
表に出てこないが、絶大な力を持つ者は山ほどいる。我々の知ってる世界はごく一部だ。」「それを自分の体で
理解しました。・・私なんてまだまだヒヨッ子です。」「それがわかっただけでも、成果はあったな。」「はい。」
「それでと、昼メシなんだが生還祝いに高級ステーキ肉を買ってきた。いま連中が料理してる。」「おっ、やったね♪」
ばくっ、もぐもぐ。「うーん、ステーキなんて1年ぶりだわ。」「リーダー、雷王星では何食べてたんですか?」
「たしかあそこは動植物もたいしたものはいないはずですけど。」「その気になれば何でも食えるものよ。おかげで
妙にパワー付いたし。たとえばこのナイフを・・」くいっ、グルグルグル・・『うわ~・・』「ねじっちゃった・・」
「あー、地衣類を食ってたな。漢方薬効で筋力が強化されたか。」「煮付けるとけっこうおいしかったですよ。」
「食べて強くなれるっていいなー。」「なら食べてみる?」『えっ?』ごそごそ、コトン。「このビンに詰めてるから。」
キュポン。「じゃ、ちょっとだけ。」くいっ、ぺちゃっ。「・・なんかノリの佃煮みたいね。」「はい召し上がれ。」
『いただきます。』ぱくっ。・・「・・どう?」『・・ぶっ!』ダダダダ!・・『オエエエエエーッ!』「・・あれ?」
「ちと辛すぎるな。この臭みも慣れんと無理ないぞ。」「そうですか?こんなにおいしいのに。」くいっ、もぐもぐ。
「うぐ・・練りワサビ一本食べた気分・・」「口の感覚がない~。」「向こう三日は何を食べても味がしない・・」
「よくこんなの食べれますね・・」「慣れよ慣れ。高温多湿の雷王星ならこれで暑さもふっとぶわ。」『そりゃそーだ。』
「さて、午後の業務を始めるぞ。」「午後の予定は・・ノーベルVへのハイパーシステムの取り付けです。」「完成したのね。」
「ゴッドの初期バージョンよりも高性能ですよ。バーサーカーモードの3倍以上のブーストが持続して可能です。」
ジーッ。カンカン・・「取り付け完了しました。」「オッケ、調整に入るか。少佐、乗ってちょーだい。」「はい。」
「・・でもな、今更このシステム必要なのか、アニー?」「ハイパーシステムは別にハイパーモードを発動させる
ものではないですよ。ハイパーモードの持続と増幅がどっちかと言うとメインの役割です。」「そーか・・じゃ、
ファイターがハイパーモードを自分で発動させられるくらいじゃないと・・」「役に立ちませんです。午前の訓練で
リーダーにその資格があるってはっきりしたのは良かったです。」「だな。」「ハイパーモードを発動させて下さい。」
「オッケ。はああああっ!」ビーン!「ハイパーモード確認。ゲイン値良好です。」「第13極パラメータ不安定です。・・
補正完了、安定しました。」「第20から45極、問題ありません。」「ブースト率、150%突破。まだ上がります。」
「全極値、安定してます。」「350%到達。設計値を越えました!」「ここからが問題よ・・ブースト開始!」ギーン!
「機体温度、上昇してますがまだ大丈夫です。」「動力炉ストレス、設計限界まで余裕があります。」「あと少し・・」
「・・500%に到達!」「機体ストレス、許容範囲内!」「全極、安定!」「動力系、問題なし!」「成功よ!少佐、
状況を教えてください。」「すごい、すごいよ!力がどんどん湧いてくる!体が全てエネルギーになったみたい!」
「よーし、ベッドテストは成功だ。フィールドテストに入るぞ。」『了解!』「少佐、フィールドへ出てくれ。」「はい。」
「ターゲットを出すぞ。」ズズズ・・ズーン!「ファントマ?!」「無人操縦だ、手加減はせんでいいぞ。」「はい!」
「では、ミサイル発射。」ピピッ♪ばかっ、キュドドドドッ!「回避!」シュルルッ・・ドドドドーン!「お見事。
次はジャイアントアームだ。」グイン!ゴオッ!「うおっとお!」さっ、ドガアアアーン!「くうっ!」ビリビリビリ!
ザザザーッ!・・「・・ふう、さすが重モビルアーマー。すごいパワーだわ。」「踏み潰してみようか。」グワアッ!
「はあっ!」ガシイイイイーンッ!ググググ・・「・・はあああーっ!」ギーン!「ハイパーモード発動確認!」
「でりゃあああっ!」グン!「すごっ!ファントマ片足だけで持ち上げた!」「フロント・スープレックス!」
ズガシャアアーン!「やった!」「おおおおーっ!」ダンッ!シュィッ・・『・・消えた?!』・・はっ!「真上よ!」
『・・ええっ!』ばっ!「いつの間に?!」「いくよ。バーニング・フィンガああああーっ!」ゴオオオオーッ!
「ジャイアントアームで反撃だ。」ブオオッ!「うりゃああああーっ!」ドガシャアアーン!「アームを粉砕?!」
「そんなもので止められるか!ノーベル・ダイナマイトっ!」ズドオオオーン!「装甲をぶち抜いた?!なんて威力!」
「ぶぅわーくさつっ!」カアッ!ズガガガアアアアーン!『うわ~・・』「まずは大成功だな。少佐、具合はどう?」
『きわめて順調。悪影響はいまのところは感じません。」「大会までまだ半年もある。それまでに仕上げようや。」
みなさんお待ちかね!今日もワルキューレ達はマジメにお仕事。
試験飛行に射撃テスト。不意のお客もなんのその。
次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第59話
「外伝:ワルキューレの平穏な一日」に、レディー、ゴーッ!
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第59話 「外伝:ワルキューレの平穏な一日」
♪ジリリリ・・ネオスウェーデン軍女子寮の朝は早い。・・はずだが、「ぐ~」「すぴ~」「すやすや・・」「ンゴ~」
起床ベルで起きるような繊細な神経を持つ者は1人もいない。困った上層部の打った手は・・ビーッ!『敵襲!』ビクッ!
『バトルステーション!』バサバサッ!ドカドカドカッ!「敵はどこ!」「あたしのバズーカ取って!」ガチャガチャ!
「おばちゃん、9mmパラ3箱ちょーだい!」「対MS強装弾10箱!」「まいどあり。」・・たばこ屋か、おい。(-;;
女子寮の部屋は1人に1部屋(約六畳)、和室タイプも人気がある。家賃は各人の自己負担(でもかなりお安め)の
寮と言うよりアパートである。基地内なので安全で通勤時間もゼロなので、ほとんどの女性兵士はここに住んでいる。
共同洗面所。ジャバジャバ。「おっはよ~。」のてのて・・ぼりぼり。『おはようございます、アレンビー少佐。』
アレンビーはこの寮では最上級士官。普通は佐官ともなると、もっと上等なマンションとか一軒家とかに移るものだが、
単に便利だというだけでいまだに寮に住んでるのだ・・もっとも、本人がズボラだからというのが一番の理由だが。
「ふぁ~、ゆんべちょっとゲームやり過ぎた・・寝たの三時だもん。」ぐしぐし。「リーダー、ホントにゲーム好きですね。」
「1年以上やってなかったから、面白そうなソフトがたまっちゃってて。」「睡眠不足で機械いじるとケガしますよ。」
「どわぃじょーぶ。業務に響くようじゃ、プロ失格よ。」「耳が痛いな~。」「朝ゴハン済む頃には、エンジンかかってるわよ。
ふわぁ~。」「ひょっとしてニセ警報の時も寝てたんですか?」ガシュガシュ・・「げーぼー?あにぞえ?」『・・』
食堂は好きなオカズを取っていくカフェテリア式。もちろん無料。味は悪くなく、安くてたくさん食べられる。
ガヤガヤ・・「ズズ~・・ぷはーっ。この朝のコーヒーの為に生きてんな~。」「アリシア、おっさんくさ~。」
「あ、少佐、こっちへ来ませんか。」「お邪魔しちゃっていーかな?」『どーぞ。』「あら、ご飯とミソ汁、生卵ですか。」
「前回大会でおぼえちゃってさ。けっこー体にいいのよ。」「何でスウェーデン軍の食堂に和食のメニューがあるの?」
「でもネオ香港でしたよね。」「よくドモンのところでご飯食べてたから。」『・・ええっ!ドモン・カッシュ?!』
ガタガタッ!「少佐、キング・オブ・ハートとお知り合いなんですか?!」「知り合いどころか。同じ釜の飯を食べて
いっしょに寝たことも~♪」『キャアアア~ッ♪』「あ、でもレインもいっしょだったけどね。」ずどどどどっ!
8時半。業務開始時間である。基地内にあるオフィス(プレハブ・自然空調)に集合。ガラガラ。『おはようございまーす。』
「おいっす。」クワトロ大佐は7時半には来て、メールチェックや業務の準備をしている。(でも朝の一番茶が最優先)
「では朝礼を始めようか。午前中の予定だが、少佐とアリシアは空軍の新型戦闘機の実地テスト、俺が管制をする。
他3人は陸軍用の新型対空戦車の改良評価だ。」『了解しました!』「では業務開始・・の前に一服させてくれな。」
滑走路。ヒュィィーン・・「じゃ、2人共準備よろし?」『パイロット、アリシア、レディー。』『コパイ、アレンビー、
レディー。』「進路クリア。テイクオフ。」『テイクオフ!』ヒュィィーン!ドドドドド!ゴオオオォォォォ・・
『まずは最高スピードテスト。目いっぱいいったれや。』「はい。アリシア、フルスロットル。アフターバーナー、オン。」
「ラジャー。せーの!」ドキュゥゥーン!・・ガタガタガタッ!「・・音速突破。」シーン・・「・・マッハ3.5到達。」
『おし。亜音速に戻して、空戦テスト。』「少佐、どのレベルでいきます?」「アリシアに任せるわ。」「・・へっへっへっ。
その言葉、後悔しないでくださいよ。」「・・なぬ?」「けっこうきついのでアゴ引いててくださいね。せーの!」グン!
ギュイイーン!「どわあああーっ!」「まずは木の葉落とし~。」ガクン!ヒュルルル・・ビーッビーッ!「失速警報、
うるさい!」ガン!シーン・・「ああっ!壊しちゃったの?」「自分で失速させてるのにうっとーしいから。」ヒュルルル・・
「高度3000。」「ギアダウン。」ガーッ、ガクン!「安定した?」「よっと。」クイッ、「ギアアップ、出力40%で上昇。」
ゴオオオオーッ!「状態回復・・すごいテクニックね。」「次はインメルマンターン。ほれっ!」ギュイイイーン!
「くうううーっ!(5G)」ゴォォォ・・キイイイーン!「下方開花いきますよー。よっと!」グオオオオーッ!「いいっ!」
「2000・・1000・・500!」グン!ガガガガッ!「250・・ひゃくうううーっ!!」「だいじょーブイ!」ゴオオオオオーッ!
「はあっ、はあっ・・地面にオカマ掘るかと思った。」「いっぺん洗濯物ひっかけたことありましたけど。」「啓徳空港かい。
ガスきびしいからそろそろ戻るよ。」「ラジャー。」ギュルルル!「意味のないバレルロールするんじゃな~い!」
ヒューン・・「ごくろーさん。少佐、気分は?」「・・ちょっと失礼します。」タタタタ・・「・・やっぱゲロったか。」
「みんなの初回みたいにコクピットがゲロまみれにならないだけたいしたものですよ。」「あんときはすごかったよな~。
レイなんかあとの掃除でもらってたし。」「空軍じゃ日常茶飯事ですよ。軍用機がゲロ臭いのは公然のヒ・ミ・ツ♪」
「・・う"~、出たでた・・アリシア、よくあんた平気ね・・(真っ青)」「こいつの三半規管は特別製だもの。飛行機に
乗るために生まれてきたような奴だから。」「これでも今日は少し控えめだったんですよ。」「あれでかぁ?!」
「で、どーだった?この機の具合は。」「ちょーっと主翼バランスが良くないですね~。あと0.3度下げめにすると、
旋回性能と安定性のバランスがいいです。」「少佐、機体強度はどうだった?」「垂直尾翼の根元が相当キてますね。
溶接が甘いようです。」「そうか。さっそく空軍に打診しておこう。これから少佐と俺は対空戦車の方へ行ってみる。
アリシアは一息入れたら評価レポート書いて。」「はーい。」「さ、陸戦演習フィールドへ行ってみよう。」「はい。」
ブオオオーッ・・「お~、やってるやってる。」「あ、隊長、少佐。」「アニー、調子はどう?」「給弾メカに不具合が
みつかりました。100発に1回の確率でジャムるようです。今、手直ししてテストしてるところです。」ギュラララッ!
「・・えらくブン回してるな。レイか?操縦は。」「はい。マコちゃんが砲手してます。・・標的いきます。」シュパッ。
ヒューン・・ブオオオーッ!ぱりーん!「お~、いい腕だ。」「標的って、クレー?」「無人機も最近は高いのだ。ちゃんと
実機並みの高度とスピードはあるよ。」「でも、あんな小さな標的よく当てるわね。」ブオオオーッ!ぱりぱりーん!
「マコの射撃術はヨーロッパ1さ。ブルズアイ・レコードは1026m。」「うわ・・520mのあたしじゃ勝負にならんわ。」
「でもホーガンズ・アレイでは大佐は別として、少佐がマコちゃん押さえてトップですよ。」「マコは長距離狙撃のクセが
抜けんのか、狙いすぎるんだな。それでタイミングを逸しての減点が多いんだ。」「カンで撃つあたしとは全然逆ね。」
「ろくに狙ってないのに中距離射撃をブルズアイなんだよな。」「少佐は銃を手の延長として一体化してるのが秘訣ですね。
武闘家はあらゆる武器を使いこなしますから、銃も例外ではないんです。」「だが、よそみ撃ちはあまり感心せんぞ。」
「顔向けるヒマが惜しいもんで。」「それでちゃんとイノセント(市民標的。当てると失格)撃ち分けてるのがすごいです。」
「はーい、おしまい。あとは午後。二人ともお疲れさま。」ギュラララ・・キキイッ。バタバタン。ばっ、ザシャッ。
じろじろ。「・・ちょっと足回りが重いかな。」「同感。・・ギア比をあと2つほど上げたほうがいいみたいね。」
「あとで替えてみるわ・・隊長、終わりました。」「具合はどう?」「ちょっと旋回性能が鈍いですね。あとでミッションを
少しいじってみます。」「ジャムは直りました。レーダー連動射撃も特に問題ありません。」「おし。昼メシにしようや。」
「今日の弁当当番はアニーだったっけ。」「イワシづくし弁当よ。」「アニーの回はいつも魚料理のお弁当なのよね。」
昼食はオフィスで。もぐもぐ。「イワシハンバーグって、けっこうおいしいわね。」「いやいや、やっぱ基本の焼き魚ね。
この頭からかじれるのが最高!」ばりばり!「よっと・・」ちょいちょい。「レイ、イワシは骨まで食べれるってば。」
「小骨が苦手なのよね・・小さいころに喉に刺さったのがトラウマってて。」「シッポから食べると刺さりやすいのよ。」
「そうなの?アニー。」「魚の骨は頭からシッポへ流れてるから、頭から食べれば先端が内側へ折り込まれて安全なの。」
かぷっ、ばりばり。「さすがに魚を食べ慣れてるアニーは食べ方がうまいな。それに比べて・・」ボロボロ。(散乱)
「はい少佐、ティッシュ。」ばさっ。「あ、ヒザにカケラ落ちてる。」ひょいひょい、ぱくぱく。「お子様ですか・・」
「で、午後からちょっと来客があるぞ。」「誰です?」「バベルの女帝。」ブーッ!『なんですってえ!』「な、なんで
そんな大物がいきなりアポなしで?!」「前々から話はあったのさ。空気のいいネオスウェーデンで静養させようって。」
「・・どこかお身体が?」「どっちかというと心の病気だけどな。だいぶ良くなってきたんで少し外出させようかと。」
「でもそういう大事なことはもっと早く言ってくれないと!」「こっちもいろいろ準備というものがあるんですから。」
「ぎりぎりまで伏せておくのが機密上いいんでな。それに準備は俺のほうでしといたよ。アニー、三日前に注文したよね?」
「ああ・・それでですか。」「なに?」「今日に合わせてフグ料理セットとバルト海シーフードコースをストックホルムの
実家傘下の料亭に仕出し注文を頼まれてたの。接待用とは聞いてたけどまさか・・」「接待は俺がするから心配すんな。
みんなは最初に顔出してくれるだけでいいから。」「そうはいかないでしょ。」「アルカナの盟主をお迎えするのに私たち
フルハウスが手を抜いてどうするんですか。」「なんなりと手伝わさせてください。」「めったにない賓客ですしね。」
「・・わかった。これが予定表だ。」ばさばさ。「ふむふむ・・あれ?大佐、なんでコピーがきっちり五部あるんです?」
『あ。』「さあな、たまたま刷りすぎただけだ。」「・・このタヌキオヤジは~。最初っからこの展開を予測してたな。」
午後・第二演習場。「ここに来るんですか?」「人目が無いしな・・予定時間だ。」・・ゴゴゴゴ。『・・なに?』
ズゴゴゴゴ!『なっ!』「地底から・・建物が?!」ズズズズ・・「・・円形神殿?」「いーや、てっぺんだけだよ。」
「・・てっぺんって、どういう意味ですか?」「おっと、お出ましだ。全員整列!」ザッ!・・パシュッ。カツカツ・・
(・・女の子?)(えらく小柄な子ね・・)(あれがそうなのかな?)「ようこそネオスウェーデンへ。」カッ。
「大佐、ご招待を感謝します。姫も楽しみにしておりました。」(姫?・・それじゃ。)「みなさん、いいですよ。」
ばさあっ。スゥゥゥ・・(?!・・魔女?)(とんがり帽とマントだ~・・)くるっ。「・・・・」『ささ、姫さま。』
カツカツ・・すっ。(・・サングラスの少女?)くいっ。さんさん・・「・・太陽・・自然の空気・・一年ぶりです。」
「姫、サングラスはまだ外さないでくださいね。」「・・・・」こく。「黄昏に慣れた目に陽光は毒でございますゆえ。」
「はい、しばらく慣らしましょう。」(最後に執事が?)(どうやら三番目がそうみたいね・・)(変な一向ね・・)
「姫、歓迎します。」「『皇帝』、二・三日お世話になります。」すっ。「では紹介します。こちらが私の部下たちです。」
『ようこそ!』ザッ。「皇帝のフルハウス、そしてファイブカード『華麗なる魔術師』ことアレンビー・ビアズリーですね。
お話は大佐からよくお聞きしております。私は『バベルの女帝』こと姫路琴音。」オォォォ・・はっ!(この気は?!)
(な・・なんて巨大な気。)(こんな小さい身体で・・これが女帝。)「そしてこちらが私を守ってくださる三人です。」
「聖闘士エクストリームです。」「・・・・」「こちらは聖魔導士クルス様、わたくし聖獣士セバスチャンでございます。」
『・・三つの護衛団!』「古来より光となり、影となりて女帝を擁護する最強の三人・・」「ではまずこちらへどうぞ。」
ゲストハウス。「こちらでお泊まりください。」「なかなか良い家ですね。」「居住性はもちろんですが、セキュリティも
よく考えられていますね。」コンコン。「壁の中にはガンダリウム合金がインサートされてて、ミサイルの直撃くらいは
じゅうぶんに耐えられるようです。」「・・・・」こく。「いかにも。これなら安心して姫も休まれることでしょう。」
(大佐、そんなにヤバいんですか?)(姫を狙う輩はネオナチスを筆頭に、それこそ星の数ほどいるからな。)
「外はバルト海なんですね。」「海岸にちょっとした趣向を用意してありますので、どうぞ。」「ではそちらへ。」
海岸。ザザーン・・「海も一年ぶり・・」すーっ・・ふーっ・・「・・気力が満ちるようです。」「こちらに軽食とお茶を
用意してあります。」「はい・・あれ?」『らっしゃーい。』「うわー、海の家です。」「ほう、よい趣向ですな。」
「かき氷はさすがに寒いから無いですけど、焼きハマグリに焼きサザエ、ウニ丼・いくら丼にカレーライスもありますよ。」
「では焼き貝を。」「ウニ丼ください。」「・・・・」「クルス様はカレーライスがご所望だそうです。ちなみにわたくしは
焼き牡蠣をば。」「ありあたんしたー。」ジジジジ・・「こういう雰囲気で食べるのはとても良いですね。」にこにこ。
『おお・・』「姫が・・喜んでます!」「・・」こく。「笑顔を見るのは何ヶ月ぶりですか・・来て本当に良かったですぞ。」
(大佐・・どういうことです?)(さっき言ったろ。心の病だったって。)「・・両親をデビルガンダムに殺されたのです。」
はっ!「・・まさか心を?!」こく。「私はサイキッカーですから・・あのとき以来、私は心を閉ざしていました。」
「無理もないです。目の前で両親を殺されては・・」「問題はそのあとです・・ショックを受けたことで私は覚醒した。
それも最悪の形で・・」はっ!「!・・」『姫!』「それ以上は!」「気をお静めください!」「・・大丈夫です。
もう事実を受け入れることができるようになりましたから・・」ぶるぶる・・『・・・・』「おいたわしや・・」
『・・?』「大佐、どういう・・?!」ぴた。「ストップ。この件はこれまでだ・・あとで話してやるさ。」
「・・?!」ぴくっ。「姫、なにか?」「・・敵です。」はっ!「これだけ隠しても嗅ぎつけるか。敵ながらたいしたもんだ。」
「沖合2500m、深度50・・機種はネオナチスの水陸両用MSゼーレヴェ。」「・・透視能力?」「迎撃よ!ガンダムを」
「いえ、ここは私たちに任せてください。」「・・」こく。「姫を狙う不遜な輩、天誅を下してやりましょうぞ。」ぴしっ。
「上部ミサイルハッチを開けました。ミサイル射出・・」・・ザパアアアーッ!シュゴオオオーッ!『トマホーク?!』
「通常弾頭でもここらへん一帯が吹っ飛ぶわ!」「その心配はありません。・・はあっ!」カッ!ドオオオオーンッ!
「エネルギー拳?!」バシャアアアーッ!・・「トマホークが消滅!」「聖闘士エクストリームのマルドゥーク聖拳です。」
「な・・あのパンチはチボデー・クロケット以上だわ。しかも・・」タラ・・「そうだ、まだ全力を出しきってないぞ。」
ちゃぽん。「$)*+*>(霊子魚雷)。」シュン。シュゴオオオーッ!・・「クルス様の手から何かが海中に?」ゴォォォ・・
ドドドオオオーン!「3機轟沈ですね。」ぶい。「・・まさか、魔法?」こく。「聖魔導士クルス様の戦闘魔法です。」
ザバアアアーッ!ガシャン!「一機上陸したわ!」「わたくしの出番でございますな。ふんぬうううーっ!」ドロドロ・・
グーン!ビシイッ!『デュワッ!』「なっ?!・・セバスチャンさんがウルトラマンに!」「聖獣士セバスチャンはいかなる
形態もとれる不定形生命体です。どうやら特撮関係がお好みのようですが。」『ヘアッ!』バキイイーン!ズザザザーッ!
「でもあれってザラブ星人のニセウルトラマンじゃん。眼じり吊りあがってるし。」「アリシアよくわかるわね~。」
『ふむ、少々飽きましたな。ならば次を試してみましょう。』グニュ~・・ビシッ!『・・でっかい球?』「あれも怪獣?」
ブオオオオーッ!「ゼーレヴェのバルカン砲が!」ゴロゴロゴロ。チュインチュイン!「ころがって跳弾させてる?!」
「・・あっ、わかった!大怪球グローバーよ!」「・・知ってる?」「知らない。」「さすが特撮マニアのアリシアだ。」
ゴロゴロゴロ!グシャアッ!ゴロゴロ・・「あーらら、MSがぺったんこ。」グニュ~・・すっ。「失礼いたしました。」
「沖にまだ潜水母艦がいますね・・巡航ミサイルとか撃つと面倒なので、拿捕しましょう。」「拿捕って・・どうやって?」
「・・」キィィィ・・ゴバアアアアーッ!『なあっ?!』「大型潜水艦が・・空中に?」「姫のサイコキネシスです。」
「念動力であれだけの質量のものを?!」「・・」こく。「バベルの女帝の力はかのほどに絶大なのでございます。」
キィィィ・・スーッ・・ズズーン。「ふう・・これで陸に上がったカッパです。」「おっし。みんな、乗組員を逮捕だ。」
夕刻・ゲストハウス。「ではネオナチスの潜水母艦および搭載MSの確保を祝って。」『カンパーイ!』カチンカチン!
「アニー、海軍がぜひとも引き取らせてほしいと言ってきてるんだが。」「潜水母艦はダメです。ゼーレヴェだけならいいです。」
「アニー前からマイ艦艇欲しがってたもんね~。」「それに潜水母艦ならうちでも使いでがあるしね。」「まあいいだろう。」
「大佐、今日は実に楽しかったです。」「それは何より光栄の至り。明日はご希望でした磯釣りにご案内いたします。」
「でも姫が磯釣りが趣味と聞いて驚きましたね。」「これでも昔は『城ヶ島の女天狗』と呼ばれてたんですよ。」
「クルス様、魔法ってどんなのがあるんですか?」「・・」すっ。「一升ビン?」ぽん。ぐいっ。「おおっ!ラッパ飲み!」
くりっ、ドドドドドーッ!・・ぽん。『うわ~・・』「数秒で一升あけちゃった・・」すっ。「まさか・・もう一本?!」
ドドドドーッ!『ひえ~・・』「クルス様は酒豪でして、オヤツに三升はいっております。」「魔法使いって・・すごい。」
夜も更け、全員撤収。ザクザク・・「すまんな、遅くまでつきあわせて。」「いえ、タダめしタダ酒だったんで文句ないです。」
「でもバベルの女帝があんな少女だったとは意外でした。」「外見だけはね。」『少佐?』「・・あたしはゾッとしたよ。
姫は恐ろしいほど微妙なバランスで力を使いこなしてる・・ひとつ間違えば核兵器以上の破壊をもたらす超パワーをね。」
「少佐のいうとおりだ。・・姫は自分でも制御しきれないほど巨大なポテンシャルパワーを有している。事実、暴走はあった。」
「さっきの件ですね。」「東京はデビルガンダムによって潰滅した・・公式にはそうなってる。」『・・公式には?』
「真実はこうだ。・・デビルガンダム出現、デスアーミィの侵略までは事実だ。だが・・」「・・まさか?!」「そんな!」
「そのとおり。・・東京を潰滅させたのは暴走した姫のパワーだ。東京全域が灰燼と化し死者・行方不明者推定40万人。
デスアーミィの大半は消滅、デビルガンダムもかなりの損傷で二次進化が大幅に遅くなったのさ・・」『・・・・』
「核兵器の安全装置を常に持たされてるようなものね・・」「それがどれほどの重圧か容易に想像つくだろう。」こく。
「だからこそ、こういう場を設けてあげたのさ・・あ、明日は俺だけでいいから。みんなは本業しといてくれ。」
「猪牙舟の船頭やらせてください。」「この辺のポイントはよく知ってます。」「釣ったサカナをさばくのまかせてください。」
「そして料理はおまかせあれ。」「・・よろしく。少佐はどうする?」「ノーベルで後方護衛なら。」「それでいいよ。」
みなさんお待ちかね!太古の魔剣が復活します!
絶海の孤島、イースター島でジャッジメントとナイトメアが激突します!
はたして二つの魔剣の闘いの決着は?
次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第60話
「復活!大魔剣ソウルエッジ」に、レディー、ゴーッ!
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第60話「復活!大魔剣ソウルエッジ」
名出屋城・ナディアのオフィス。キュッキュッ・・ちゃっ。「ふむ・・『バイアン』の手入れよし。次は『ネンブツ』の
油磨きね。」キュッ。「オイルは・・これこれ。最高級の鯨脳油。」コトン。「あ、残り少ないわね。あとでマリーの
店で買ってこなくちゃ・・?!」♪ピィン!よろっ、ゴトン!コポコポ・・「・・この感覚は・・彼が・・呼んでる・・」
「Atelier de Maire」。カラーン♪「いらっしゃー・・オーナー?」「マリー、情報が欲しいの。ソウルエッジはどこ?」
ぴくっ。「・・単刀直入ですね。高いですよ。」「言い値でいいわ。」「・・まあオーナーですからオマケしときましょう。
イースター島です。」「わかった・・同行して。」「店閉めてけってんですか。」ドン。「休業手当。これで足りる?」
「やれやれ・・出発は?」「明朝8時、厚木のチャーター機。」「時間までには行きますよ。・・さて、旅支度だ。」
名出屋城ペントハウス。『イースター島?!』「そういうわけで明日から数日間、有休をもらうわ。」「いきなりね。」
「まあ無理ないかな。大魔剣ソウルエッジはナディアの分身みたいなもんでしょ?」「そう・・前世の私、つまり先代
『悪魔』が所有していた大魔剣。」「マチルダ、データベース。」「検索・・大魔剣ソウルエッジ。1万年の昔、超文明が
造りあげた史上最強・最悪の剣。その力で創造主たる文明を滅ぼし、八千年前にはムー大陸を太平洋に沈めた。その後、
アルカナの戦士が剣との壮絶な闘いの末、剣を服従させ、世界に平和をもたらした・・以上です。」「滅びの魔剣か・・」
「先代『悪魔』の死去とともに剣は永き眠りについたわ・・世界の危機が迫る時、再び甦ると言う予言と共に。」
「ついに・・その時が。」「たしかに幽音とデビルタイタンが暗躍する今こそ、ふさわしい時期ともいえるわね。」
「よし。私たちも同行しましょう。」「取りに行くだけなら私とマリーでじゅうぶんよ。」「そんなに簡単にいくかね。」
ぴく。「ヨーコ、どういうこと?」「情報局長ともあろうものが迂闊じゃない?この記事。」ばさっ。「世界各地で
ガンダムファイト歴代チャンピオンの墓が荒らされ、永久保存されてた遺体が奪われる事件が頻発してるわ。これがどういう
意味かわからないナディアでもないでしょ。」こく。「DG細胞による死者再生・・幽音の仕業ね。」「ならばこそ、
二人だけってのは危険よ。みんなで行けば、大抵の事態には対処できるわ。」「・・ありがとう、みんな。」
「さっそく旅仕度よ。各人、業務の引き継ぎを急いで。マチルダ、有休のとりまとめを。」『おっけい。』タタッ。
大戦艦ヴァルハラ。エルフィールが建造したデビル軍団の旗艦である。「大魔剣ソウルエッジ、ついに目覚めるのね。」
「幽音、阻止せずともよいのか?」「アルカナ同盟、とりわけ『女帝のフォアカード』の戦力増強になりますが。」
「いいんじゃない?ただでさえフォアカードはアルカナ一弱いから、少々のパワーアップくらいさせてあげれば。」
「寛大なことだな。」ぱしっ。「でも形のうえでも刺客を出すのが礼儀というものじゃないかな~。」『燕雲のいうとおり、
向こうさんもそれなりに覚悟してるだろうしな。』「なるほど、一理あるね。エリーちゃん、何かいいものある?」
「新型の隠密仕様デスアーミィを試してみたいけど。」「いいね。じゃあイースター島へ何体かお中元に発送して。」
一日後、イースター島。ザパーン。「うわ~・・四方が水平線。」「まさに絶海の孤島ね。」「今は無人島なのね。」
「20年前から住民はいません。生命反応は鳥くらいです。」「世界遺産の保存にはかえってそのほうがいいかもね。」
「道もなくなってるよ。」「マチルダ、最新の島の地図を。」「はい。ホログラム・アイ投影。」ピカッ。ヴン・・
「最新衛星像を基に作製したものです。」「マリー、わかる?」「えーと・・ここですね。『海を見る巨人』。」
「素朴な疑問なんだけど、なんでマリーが知ってるんだい?」「商売がら、いろんな情報が入ってきますから。」
「にしてもナディアさえ知らない封印の場所までね・・」「だからこそ、マリーは絶対に手放せない人材なのよ。」
「それなら契約料の値上げ要求しよっかな~。」「こらこら、テナント代をタダにしてあげてまだ不満なの?」
「インフラの基本料金はダメっすか?」「こいつは~・・わかった。使用分は払うのなら。」「あとで書面でね♪」
ブロロロ・・「すごい荒れようね・・ホントに20年からこっち誰も通ってないんだ。」「あの丘を越えて・・あそこ!」
キキィッ。タタッ。「これです。海を向いていないはずのモアイの中で、ただ一体海を向いている像。」ぴっ。
「この下に・・」「いえ、正確には」コンコン。「・・中?」「ヨーコさん、出番ですよ。」「ほいきた。最後の審判!」
ビュン!ダーン!「ちぇすとおおおおーっ!」ズバシャアアアーン!ザシャッ!・・ピキピキピキッ!パリイイイーン!
「モアイが一刀両断!」「あ・・あれ!」ズオオオオ!「あれが・・大魔剣ソウルエッジ?!」ヒュルヒュル・・
「うわ・・無数の触手が生えて動いてるわ。」「生きてる剣とでもいうの?」「刃渡りおよそ5m。剣だとすれば、地獄の
巨大な悪魔が持つのがふさわしいかもね・・ナディア。」こく。・・ザッ。オオオオ!「私はここよ。さあ、私の元へ帰って
おいで、可愛い子よ・・」・・ビュルルルッ!『あっ!』ビキビキビキ!「ナディアが触手に!」「・・剣に喰われる!」
「ちょい待ち!あれはあれでいいんです。」『マルローネ?』「『悪魔』とソウルエッジは一心同体。あれは喰われてるんじゃ
なくて、融合しているんです。」「でもさ・・あ。」ビキビキ・・シュン。「・・融合完了。お帰りなさい。」すっ、キラリ。
「そのブレスレットが?」「そう、待機形態よ。」【なかなかオシャレだろ?】『・・えっ?』「いまの声・・だれ?」
「ソウルエッジよ。」『ええっ?!』「しゃべるの?!しかも日本語で!」【知識を共有させていただいたから、マスターと
同等の語学力はある。】「うわ~・・ホントにしゃべってる。」「ナディアの腹話術じゃないの~?」「まあ失礼な。」
『だったらステレオで話せるわけないでしょ。』「あらホントだ。」「けっこーお茶目な魔剣ね・・主人似かしら。」
「じゃ、みんなを紹介するね。・・」【・・おお、それが「最後の審判」と「審判の日」。思い出しますぞ。かつて
その二刀と剣を交えた事を。・・久々に体を動かしてみたくなった。】「朝のラジオ体操代わりにいっちょやる?
お相手するわよ。」【それは有り難い。マスター、試合の許可を。】「いいわよ。私も一度ヨーコとはやってみたかったの・・」
キラリ。「先代はともかく、ナディア剣術できたっけ?」「柳生新陰流の免状はとってるわよ。」「おや、いつの間に。」
「出でよ、ソウルエッジ!」さっ。【イエッサー!】ガガガガッ!ジャキーン!「ブレスレットが一瞬に大魔剣に変わった!」
「おーし、子供たち。最高の相手だ、気合入れていくよ!」ブン!オオオオ!「二人とも存分にやりなさい。ただし、命に
関わるような状況になったら私が止めます。それでは!」すっ、パチン!『ガンダアアアームッ!』ギン!ドドドド・・
「あれ?・・ガンダム持ってきてましたっけ?」「マチルダ、それは言っちゃいけないお約束よ。」「はあ・・?」
『はあっ!』ターン!スパッ!ギュウウウ~ッ・・ビシッ!「いくよ、ジャッジメント!」「ナイトメア、仕事開始!」
【これが今の機装鎧か。うむ、面白い!】ビュルルルッ、ジャキーン!「ソウルエッジが巨大化してナイトメアに!」
『ガンダムファイト!レディー、ゴー!』「いきなりラスト・ジャッジメント!」ドオンッ!「はあっ!」バギィィン!
【見事な剣風。いきますぞ、マスター!】ダン!「兜割り!」ブオッ!「うおっとお!」ガキイイイーン!ズゥン!
「くっ!さすがに重い・・でもね!」ギギギ・・シュルッ。「あっ?!」「ヨーコが転身で流した!」「横車!」ブン!
「古柔術よ!後頭部への回し裏拳!」ガキーン!「・・なにっ?!」「ナイトメアの背部に・・シールド?!」「白浪!」
ドン!「くうっ!」ザザザーッ!・・「・・柳生流小具足術か。」「ソウルエッジが消えてます!」「まさか・・変型?」
「ソウルエッジは万能武具、剣にもなれば盾にもなるわ。」パシパシパシッ、シャキーン!「一瞬で巨剣に戻った!」
「なるほど・・楽しませてくれるじゃん。はっ!」ダッ!「迎撃!」ブオッ!「滑床!」さっ、キィン!シュイッ!「なっ?」
『剣が滑った?』「絶妙な角度での受けで斬撃のベクトルを逸らせるとは、さすがヨーコさん。」「スキあり!鎧抜き!」
ゴッ!「横蹴り?ソウルエッジアーマー!」シャキン!「それがどうした!」ガキーン!「うりゃあっ!」グン!・・
ドバアアアーン!「きゃあっ!」ブオッ!ドガガガガーッ!・・「鎧ごとぶっとばした!」「く・・なんて威力なの。」
「鎧ごしにダメージを与える蹴り技だからね。」「さすがヨーコね・・」【「審判」の剣士、これほどやるとは。マスター、
これは全力でかかりませぬと。】「そのつもり・・いくわよ!」ダン!「斬馬撃!」ブオオオッ!「横殴りの一閃!」
「あの勢いはガードごとぶった切るわ!」「ちいっ!」ガキイイイーン!『やられた!・・?!』ギギギギ!「止めた?!」
「あっ!・・二刀で十字受け!」「へへ・・一本じゃ力負けするんで、『審判の日』も総動員さね・・はっ!」ギャリリリッ!
「はさんだまま突進!」「あの体勢じゃナディアは対処できない!」「もらったあっ!」ビュッ!「ソウルエッジ、収納!」
シュン!パシーン!『なっ!・・真剣白刃取り!』「杭突!」ダン!「熊狩!」ダン!ガキイッ!「ヒザ蹴りが激突!」
『くっ!・・』ババッ!「・・やるねえ。」ズキズキ・・「そちらもね・・」ググ・・「双方とも膝の骨にヒビ入ったわね。」
「クレオ、もう止めないと!」「いえ。・・まだ勝負はついてない。」「これ以上は長引かせられないか・・はあああーっ!」
ビーン!「ハイパーモード!」「次で決めましょう。・・はっ!」ビーン!「ナイトメアも!」「次で・・決まる!」
『・・はあっ!』ダン!「ファイナル・ジャッジメント!」ズバシャアアアーッ!「黒い断頭台!」キュバアッ!バシイイーン!
『おりゃああああっ!』「ふ・・二つの剣の」「剣気が」「ぶつかってる!」ドドドドド!「・・ちいっ!」ググググッ!
「・・ジャッジメントが押されてる!」「ソウルエッジの魔力だけ、ナイトメアに分があります。」「ぅぅぅぅりゃあああっ!」
ドン!「ジャッジメント・デイ!」「ヨーコが勝負に出た!」「力負けしてるのを悟って、一気に勝負を賭けたのね!」
「おりゃああああっ!」「・・『ネンブツ』!」ゴキゴキッ、ゴオッ!ズドオンッ!ゴキイッ!『・・ええっ?!』
「二人とも空を?・・いえ!」ユラッ・・ボオッ。「あれは・・デスアーミィ!」「しかも2体・・いつの間に!」
「ナディアも気づいてた?」ゴリッ!「こんな稚拙な光学迷彩で漁夫の利を得ようなんて虫が良すぎるわよ。」グシャアッ!
ドドーン!「まだいるね。」「水を差してくれたぶん、お返ししてやりましょう。」「そいじゃ。」「仕事開始。」
ババッ!「そこ!」バキイイイーン!・・メシャッ!「空間の歪みが大きすぎるよ。そっちも!」ドン!ボコオオオーン!
「光学迷彩のお手本を見せてあげるわ・・』フッ・・ズドオッ!ボオッ・・ドドーン!「ほら、わからないでしょ?」
ボボオッ。「さすがに解除したか。あと6体。」「ヨーコ、ここは任せてくれない?」「いいんじゃない。お手並み拝見。」
ドドドド!「ソウルエッジ、限定解除よ。」【イエッサー。】チャッ。ゴオッ!「はあっ!」ブォン!ズバシャアッ!
「うわ、まっぷたつ。」「突き!」ドン!ズドッ!・・グワッ!「もう一体が後ろから!」「あまい!」ギュイーン!
ズドオッ!「剣が・・伸びた!」・・シュン。どさどさっ!「ソウルエッジは伸縮自在よ。それに・・」ゴオオーッ!
「背後から2体!」ズドドドドッ!「?・・いくつもの刃が!」「自在に変形し、いかなる方向でも攻撃できるの。」
グッ、シュイン。・・ドドドーン!【死人兵か。吸うべき魂も無い連中だ。】「つまらないものを切らせたわね。」
「あれ?あと一体いたはずだけど・・あっ!」ボオッ!「いけない!みんなよけて!」『・・あっ!』グワアッ!
「間に合わない!」「・・。」キラリ。ぴたっ!「・・えっ?」「なに?」・・ボゴワァァン!「そんな?!」
「デスアーミィが自爆?!」グラッ・・ドドーン!「いまのは?・・」「誰も攻撃してないのに・・なぜ?」ザザーン・・
帰りの飛行機。ゴォォォ・・「いやー、めっさ疲れた。」「ほんと。久々にいい運動したわ。」「あんな剛剣、受けたの
久しぶりだから筋肉痛になっちゃったよ。」コキコキ。「でも、刀たちが治してくれるんでしょ?」「それがさ~、さっきの
闘いで消耗しきっちゃって、こっちまで回ってこないのよ。・・まあ、日本に帰るまでには回復すると思うけどね。」
「そんなに疲れたの?」「さすが大魔剣、受け止めるだけで相当の気力がいるわ・・でも、最後のあれはいったい。」
「それよ。・・誰も何もしてないのに。」「イースター島の謎・・かな。」「そういうことにしときましょうか・・」
「あれ?あのブレスレットは?」「マチルダに貸してるわ。遊んでくれてるの。」「?・・どういう遊びだ?ちょっち見物。」
キャビン。カタカタカタ。【ほう、これがコンピューターというものか。なかなか面白いぞ。】「タイピングうまいですね。」
ピルピル・・「触手を指代わりとはねえ・・」「器用なものね。でもキー打つより直接コネクトしたほうがいいんじゃない?」
【ここに繋げばいいのか?】ピュルルッ、ズボッ。【・・ほう、これはよい。情報がどんどん入ってくる。】「へえ~。あの
ピーガーがわかるんだ。」【からくりが理解できれば難しくはない。】「シルビア、あれできる?」「音だけじゃ無理ですって。」
「あ、あたしわかりますけど。」『マチルダはできて当前!』「・・ブレスレットよりケータイになってもらうべきかしら。」
「マルローネ、そういやこの剣なに食べるの?」「あるじの栄養をもらってるはずですよ。」『なに?』「・・マチルダ?」
「?・・あーっ!腕に融合してる!」【嬢ちゃんの記憶量はすごいの~。勉強になるぞ。】「とってとって~!」ぶんぶん!
「肉付きの面かい。」「もう戻りなさい。」【そうだな。】ビュルルルッ!ビチビチビチ!「あ、とれた。」シュン。
「・・ひょっとしてナディアの腕にも?」「同化してるわよ。」ぐっ、メリメリ・・『あー!コワいから剥がないで!』
(・・ひさしいな、ソウルエッジ。)(テレパシー?・・貴殿は?)(忘れたとはつれないな、初代の所有者を。)
(・・まさか、グランドマスター!・・いや、先ほどのあれがそうだったか。)(そういうことだ・・くれぐれも。)
(かしこまりました。沈黙を守ります。)(それでよい。何かあればいつでも相談にのろう。)(感謝の極み。)
みなさんお待ちかね!フルハウスにでっかいプレゼント。
そしていよいよウラル要塞と決戦です!
発進せよ梁山泊!ネオナチス機動師団を叩け!
次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第61話
「ウラル要塞攻略戦シリーズ:完成!万能要塞艦・梁山泊 」に、レディー、ゴーッ!
第61話「ウラル要塞攻略戦シリーズ 1. 完成!万能要塞艦・梁山泊」
ワルキューレ隊オフィス。「いきなりだが、引越しするぞ。」ドンガラガッシャーン!「・・どーした?」
「アイタタ・・ホントいきなり何を言いだすんですか!」「ちゃんと理由くらい説明してください!」
「まさか悪事の数々が露見して解体ですか?」「新しいオフィスが出来たんで、そっちに引越すだけだけど。」
「あ、な~んだ。」「引越すのはオフィスだけじゃないぞ。お前らの家財道具もまとめておけ。4日後だ。」
『ええっ?!』「そんなやぶからぼうに!」「引越し屋なら斡旋するぞ。」「そういう問題じゃなくて!」
「いったいどこへ引っ越そうってんですか?!」「見せた方が早いか。みんな、ついといで。」がたっ。
『??』「どこいくんですか?」「第18ドックだ。」「あそこはたしか・・」「立ち入り禁止だったよね・・」
第18ドック。ゴゴゴゴゴゴ・・「これが新オフィスだ。」『・・(OoO)』「こ、これって?!」「宇宙戦艦?」
「ちょっと違うな。モビルスーツ母艦『梁山泊』だ。宇宙はもちろん、重力圏内での作戦行動も可能。
アリシア風に言えば、万能要塞戦艦とでもいうべきかな。」「す・・すごーい!」「・・つまり、この部隊に
組み込まれる・・って解釈していいんですか?」「いや、これはウチの船だよ。司令はオレ。」『えーっ!』
「ああ・・以前にクレオが言ってた『でっかいプレゼント』って、このことだったんですね。」「そのとおり。
ウラルを相手にするには、このくらいの拠点は必要だろ。」「なるほど・・」「さあ、艦内を見学しようか。」
ゴォォォ・・「ここがガンダムデッキ。最大30機のガンダムを運用・収納できる。」「・・広いわぁ。普通の
MS母艦の3倍以上ある。」「今はウチの5機だけだから、ちょっと持て余すかな。」「広い分にはいいさ。」
「しつも~ん。乗るのは私達だけですか?こんなデカイふね、5人じゃ動かすの無理だと思います。」「いい質問だ。
もちろん運用クルーも乗る。あちこち手を回してかき集めた腕ききばかりだ・・おっと、さっそくいるいる。」
「・・おっ、クワトロ司令と戦女神たちじゃん。」「・・子供?」「なんだとてめえ!アーサは立派な成人女性だ!」
『女の子?』「子は余計だ!」「整備長のアーサ・ケイトだ。これでもお前たちより年上だぞ。」「まあよろしくな。」
「でも・・ホント、ちっちゃ~。」「145cmくらい?」「マコちゃんの胸までしかないよ。」「神選組の紗乃ほどじゃ
ないけどね。」ぴくっ。「あんた、紗乃を知ってんのか?」「何回かいっしょに仕事したわ。」「そっか・・おし、
あんたは気に入った。」ぽん。(腰)「その背で紗乃とうまくやってたなら信頼できるよ。」「そんなもんかな・・」
「とにかくガンダムの整備はアーサにまかしときな。ばっちりすっきり整備してやるぜ。」『おねがいしまーす。』
コツコツ・・「ここが生活ブロックだ。どーだ、今の宿舎より広いだろ。」『うわ~・・』「ひと部屋で3LDKも!」
「完全空調、バストイレ付きか~。」「こっちに和室まであるわ。」「そしてこっちが商店街だ。」『おお~。』
「コンビニ・ゲーセン・本屋やブティックまである!しかも全部無人店!」「クルーだけだから必要ないし。」
「でもメンテとかは人手がいりますよね。」「それが彼女の仕事さ。」『えっ?』キュッキュッ。「♪おそうじおそうじ
楽しいな♪」「モメンちゃーん。」「はい?・・あ、司令閣下。」「紹介しよう。生活主任のモメン・サナーダだ。」
「ようこそ梁山泊商店街『雪花村』へ。」「変換が違うけど、いい名でしょ。」「水滸伝知ってる人じゃないと~。」
「わたしの任務はクルーの皆さんが艦内で快適に暮らせるようにすることです。足りないものがあれば、いつでも
申しつけてください。」『よろしく。』ぴっ。「ではわたしはまだお掃除が残ってますので。」「お勤めご苦労さん。」
キュッキュッ。「きれい好きなんですね。」つるっ!どてーん!「あいたたた・・」「コケ症なとこあるけどな。」
「ここがブリッジ。今ブリッジクルーが調整作業をしている。」「・・司令、ようこそ。」すうっ・・『・・なっ?!』
「十二単?!」「な、なんで平安貴族が戦艦に?」「艦長の綸子・クロード。父方がネオジャパンの皇族なんだ。」
「だからって・・」「艦長席まで畳敷きと衝立と御簾にしなくても・・」「これじゃまるまる源氏物語よね。」
「ちょっと変わりものだが、戦艦指揮の腕は折り紙付きだ。コロニー連合宇宙軍の駆逐艦『雅風』の前の艦長さ。」
ぎょっ!「ええっ!『雅風』って・・あの伝説の不沈艦!」「アニー知ってるの?」「知ってるもなにも、数々の
激戦で、ただ一人の死傷者も出さずに生き延びた強運艦よ。『雅風は沈まず』・・」「その強運にあやかったのも
あるが、何より不沈の秘密である綸子の技量だよ。」「・・私は誰も死なせません。生かして家族のもとに返すのが
艦長の責任・・」きらっ。『うっ!』「・・すごい眼の光。」「これぞ死生眼。・・生死を超越した者の眼だ。」
「こちらが砲術長のシルク・フィッシャーくん。」「あ、どうも。」『・・今度は巫女さん?』「シルクくんは砲撃の
エキスパートだ。霊感体質で、どんな標的でも精確に射抜くことができる。」「仲良くしてる霊さんたちが教えて
くれるんですよ。」「へえ・・それで巫女なんだ。」「ん?・・アリシア中尉、すごいの背負ってますね・・」
「えっ?・・なに?」「とても強力で狂暴な霊です。普通の人ならとうの昔に霊障で死んでるはずですが・・ああ。」
「なんかわかった?」「血筋、ですね。憑依霊の怨念さえ力に変える、すさまじい霊的体質のおかげで・・」
「・・そうかもね。」「アリシアの怨霊を霊視するなんて・・」「なかなかの霊能者というのは間違いないわね。」
「ときにその鉄棒は?」「わたし愛用の霊銃『正則』です。」ちゃっ。「・・これ、火縄銃?ちょっと持たせて。」
「いいですよマコ中尉。」ひょい、ぱしっ。ずしいっ!「おおっと!・・なんて重さ!」「装弾状態で20キロです。」
ぐぐぐっ・・「うわ・・構えることもできない!」「この重さがいいんですよ。」ひょい、びしいっ!『すご・・』
「こちら航海長のサラサ・マクラーレンくん。」「ようこそわたくしの艦へ。歓迎いたしますわ。」「・・サラサさん、
艦長は私・・」ぼそっ。「そうともいいますわね。でも、艦の命運はわたくしのナビひとつにかかっている。つまり
わたくしこそ艦を代表するにふさわしい」「艦長は・・わ・た・し。」ずずずいっ!「・・そ、それはともかく
この梁山泊はご覧のような巨艦ですから、自在に動かすにはかなりの技量が必要ですわ。ゆえにわたくしと艦長が
一心同体となってこそ、はじめて魂が入るのですわ。」「・・よろしい。」『はあ・・』「艦長と航海長がこれじゃ
心配だね・・」「心配ないって。戦闘時にはピッタリ息の合う名コンビだ。」「綸子さんとはまま意見の対立も
ありますが、艦を思う気持ちは同じですわ。」「・・意見は違うほどいいです。選択肢はひとつじゃない・・」
「で、こちらが操艦担当のビロード・ガルスキーさんですわ。」「はじめまして。」『えっ?・・ガルスキー?』
「ひょっとして・・」「アルゴ・ガルスキーは叔父にあたります。」『出た、親族ネタ・・』「でも叔父さんが
海賊だと、いろいろ大変じゃ?」「昔はさすがに隠してましたが、今は叔父はネオロシアの英雄ですから。」
「ビロードさんはとっても操艦が上手ですの。あのコレヒドール暗礁宙域を傷ひとつ付けず突破できますわ。」
「あそこは大小さまざまな石が浮かんでて、無傷で抜けるのはまず不可能とまでいわれてるわ・・すごいのね。」
「いわゆる車輌感覚が鋭いんだな。cm単位で艦を操れる。月のフォン・ブラウン商船学校を最優秀で卒業。
在学中から目をつけといて、すぐに引き抜いたんだ。」「こんな立派な艦を任されるなら、志願してでも。」
「最後にオペレーターコンビ、レーダー長のラーシャと通信長のサティンだ。」「よろしく。」「どうもですぅ。」
「ラーシャは獣なみの危機感知能力があり、レーダー圏外のものまで探知できる。」「サイキック・・ですか?」
「そこまで明確ではないですね。でも敵意を抱くものに対してはハナが効きます。」「頼りになる艦の目ね。」
「サティンも特殊能力者だ。ちょっとやってみれ。」【こんなカンジですよー。】『・・ええっ?!』「・・頭の中で
聞こえた!」「これ・・テレパシー?」「そのとおり、テレパスだ。しかも目指した複数の相手に送ることができる。」
【ECMなんかで通信状態が悪いときでも、これなら明瞭に伝わりますよ。それに映像とかも送れるんです。】
「・・うわ、作戦チャートが頭の中に!」「しかも動画で!」【人間インターネットとでも思ってくださいね。】
「さて、艦長。例の話といくか。」「はい・・サティンさん、例のイメージを。」「全員に脳内発送しまーす。」
『・・これは!』「そう、皆さんお馴染みのネオナチス、ウラル要塞だ。」「・・ついに最終攻略戦なんですね。」
「作戦開始は一週間後。作戦概要を説明しよう。」「考えてくだされば、そのとおりに動画に置き換えます。」
「まず第1段階・・」「・・なるほど、タマネギの皮を1枚づつ剥いていくように・・」「包囲網を縮めていき・・」
「最後に中枢にとどめをさす・・」「面白いじゃない。」「以上だ。帰って引越し準備に入るぞ。」『了解!』
大戦艦ヴァルハラ。「要塞母艦『梁山泊』か。なかなかシャレたハコを造るもんだね。」「あたしのヴァルハラに
比べりゃウサギ小屋ね。」「どうする?いちおう手を打っておくべきだと思うが。」「廃物処理をしてくれるんなら、
手間を省いてあげましょ。エリーちゃん、DG十傑集に情報をまわして。」「りょーかい、そこを経由してウラルね。」
「そのとおり。十傑集からの情報なら動くでしょう。」「噛み合わせる・・いい手だ。」ぱしっ。「高みの見物だね。」
「ついでにもう一手打っとこうかな。ちょっと行ってくるね。」シュッ・・「テレポート?」『いったいどこへ・・』
魔砲艦「グラーフ・ツェッペリン」。「・・幽音、なにか?」チリーン♪「情報を持ってきたよ、ふみこさん。」
「・・ほう、魔神将軍がついに動くか。」「そういうこと・・どうする?」「木星までのヒマつぶしにはいいな。
よし、その話、乗ろう。」「フルハウスだけでも負けないにしても、物量的にかなり手間どりそうだからね。
ところで世界と愚者は?」「バイトがてら、うちの連中と『斧』の二人を鍛えてもらってる。おかげで戦闘力が
だいぶレベルアップできたよ。」「その成果を活かすにも、もってこいか。」「そういうことだ。ミュンヒハウゼン!」
ボオッ。「はい、お嬢さま。」「ミステルおよびヴィルヴェルヴィント、長距離出撃指令だ。」「ははっ。ただちに。」
梁山泊。「・・発進準備。」「レーダークリア。」「衛星リンク良好です。」「動力系再点検よろしいですわ。」
「各火器フル装填できてます。照準系校正済み。」「発進準備完了。・・司令。」ちらっ。「さて、いこうか。」
「・・メインエンジン起動。」「起動。」ガキン。・・ギュイイイーン!「エンジン出力50%、発進よろし!」
「ガントリー解除ですわ!」「・・梁山泊、発進。」ズズズズズ!「高度200、水平飛行に移ります。」「よっしゃ。」
「クワトロ大佐、コロニー連合空軍『ルフトバッフェ』司令・ゲーリング准将から入電です。」「ほい、出して。」
ぱっ。『ほう、なかなかきれいな艦だな。』「ふみこたんの船に比べりゃ白河夜舟だけどね。」『うまいな。それに
ブリッジクルーの人選は大佐のシュミかな?』「作者のシュミだろ。」『はははは、ちがいない。ときにウラルと
戦端を開くのなら、まぜてもらいたいと思ってな。』「来てくれるとうれしいね。正直、うちだけじゃけっこう
手間ヒマかかりそうだし。」『決まりだな。うちの魔女たちと嵐を送ろう。メシはうまいの食わせてやってくれ。』
「イキのいい魚を用意しておきましょ。」『ならば連中の士気も上がるだろう。では3時間後に。』ぷつっ・・
「・・司令の思惑どおりですね。」「おそらくウラルにも情報はいってるだろうな。ラーシャ、どう読んだ?」
「准将に敵意は感じられません。とりあえず背中を刺される心配はなさそうです。」「でも准将って敵に通じて
いるのでしょ?そんなのを本艦に入れるのは・・」「サラサ、敵にもいろいろあるのさ。今のところは共通の
障害であるウラル要塞を倒すことで一致してる。それでいんじゃない。」「・・でも、納得いきませんわ。」
「・・ときには敵の駒も使う。いずれ敵対するにせよ、すべては今を勝ちぬいてからのこと・・」「たしかに・・」
「モメンちゃん、いる?」『はーい。』「お客さん10人前、部屋とメシの手配よろしく。」『まいどありー!』
ハンガー。ワルキューレたちは各ガンダムを整備中。『ええっ?!』「ミステルとヴィルヴェルヴィントが?」
「おう、もうすぐ到着だってよ。これでこの閑古鳥が鳴いてたハンガーも、ちったあニギヤカになるね。」
「これは頼もしい援軍が来てくれたわ。」「これでガンダムが16機か。ウラルの戦力を考えると、これくらいは
欲しかったものね。」「あたしたち6機だけじゃ手が回らない心配があったけど、これで少しは解消されるね。」
「でも・・ちょっと不満かな。」「アリシアの気持ちもわからないではないけど、これは戦争だよ。勝ち残るために
プライドは敵にぶつけようよ。」「・・うん、そうする。忘れろとか置いとけとかより、そっちがいいよね。」
『は~・・』「マコ、いいこというわね。」「ソルジャーは士気が落ちたら墓場へ直行だからね・・何度も見たわ。」
「アーサも忙しくなるぞー。ミステルの機体には興味あったから、この機会にじっくりいじらせてもらおっと。」
そして数時間後。『ミステル着艦します。クルーはハンガーに退避してください。』「おーし、みんな下がれ!
ボルターし損ねて巻き込まれても知らねえぞ!」ドカドカドカッ!『グライドスロープ良好。そのまま。』
キィィーン・・ジャキーン!ズズーン!・・「なるほど、ガンダムに変型して着艦なら間違いねえわな。
ハンガーへ誘導するよ!」さっ。こく。ズシンズシン。「こちら甲板、ネクストはクリアー。」『ラジャー。』
ブリッジ。「ミステル全6機、着艦終了。」「次は陸戦隊だな。」『こちらグレイ・リーダー。』「通信です。」
『会合地点到達。艦長へ乗艦を要請します。』「・・パーミッション、グランテッド。ビロードさん、高度15。」
「よーそろ。」「会合予定地点にガンダム4機確認しました。」「よろしい・・第三ハッチ開放。」「役者がそろったな。
モメンちゃん、まずは寝床へご案内だ。隊長会見は落ち着いてからということでひとつよろしく。」『了解です。』
生活ブロック。ガヤガヤ。「こちらが皆さんのお部屋でーす。ひとり一部屋づつありますよ。」「こりゃすげえ。」
「ツェッペリンではチームごとのタコ部屋だったもんね。」「久々にプライベートがゆっくり満喫できるねー。」
「3LDKもあるんやな。・・おっ、冷蔵庫に冷えたコーラみっけ♪」「まるで高級ホテルなみの施設ですね。」
「ハナちゃん、この部屋ホワット?」「そこは和室だよ。」「オー、ワビサビのメディテーションルームね!」
「俺はブリッジに上がって大佐に挨拶してくる。みんなは休んでてくれ。」「アイリ、艦内探検に行くか?」
「おっ、それいいねー。サリアも来る?」「わたしはベッドでゴロゴロして鋭気を養ってますからー。」
ブリッジ。「よく来てくれた、感謝する。」ぴっ。「あんないい部屋をあてがってくれるんなら、バリバリ働くぜ。」
「うちも士気が高い。さすが大佐、兵の活かし方をよく心得ておられる。」「なに、寝ることと食うことをちゃんと
満足させてやればいいだけで、難しいこっちゃないよ。」「そこまで考えて設備を充実させるのは難しいけどな。」
「いちおう二人にはこれからの作戦要綱を説明しとこう。」・・「・・おもしれえじゃん。」「いい作戦です。」
「では18:00から歓迎会兼討ち入り会をラウンジでおこなう。ディナーもたっぷり用意してあるから。」
ラウンジ。ガヤガヤ・・「よく来てくれたね、みんな!」「アリシア中尉のエア・ショーがまた見たくなってね。」
「ハナちゃんもがんばって腕を上げてきましたー!」「今回のビッグ・バトルは腕試しにちょうどええしな。」
「ウラル山脈要塞かー。資料映像では単なる山なんだけどね。」「中には無数の兵器が詰まった大要塞ですよ。」
「オー、それはオープンするのが楽しみデース。」「その前にいろいろ剥かなきゃならん皮があるけどな。」
【コンコン・・では皆さん、これより梁山泊・ルフトバッフェ連合軍のウラル山脈要塞討ち入りパーティーを
始めます・・サラサさん。】【では艦長に代わりまして、わたくしが乾杯の音頭をとらせていただきますわ。
連合軍の勝利と皆さんの無事を祈って。】さっ。【サラサさん、お待ちになって・・】【はららら~!・・艦長、
なにごとですの!】【・・せっかくですから、アレで乾杯しましょう。】【?・・ああ、なるほど。たしかに
そちらの方がふさわしいですわね。それでは改めて!】さっ。【ガンダムファイト!】『レディー、ゴーッ!』
『おお~っ!』「お寿司~!しかもいいネタばっか!」「生ガキに焼きハマグリもあるじゃんか!泣かせるねえ!」
「ふえ~ん!カツオのたたきもあるですー!」「どんどん作りますから、バンバン食べてくださいねー!」
「モメンくんだっけ。そんなこと言うとこいつら底なしだぞ。」「だいじょうぶですよ。よいしょ。」ドーン!
「おおっと!」ぽんぽん。「これだけ素材のストックありますから。」「はあ・・これはおそれいりました。」
ガヤガヤ・・ぴくっ!「これは?!」「ラーシャ?」「しっ・・見えた。MS母艦を感知。北東に120kmの位置。」
『なっ?!』「シルクさん、視覚的確認を・・」「霊さんを物見に出します・・確認!一個大隊用の大型です!」
「やっぱ嗅ぎつけたな。エンカウントは?」「飛行タイプMSメッサーの先制攻撃がおよそ約30分後です。」
「サラサさん。」「心得てますわ。警報!」ビーッ!ビーッ!【マイクを失礼。・・敵機動部隊が接近中ですわ。】
ザワッ!【血祭りに上げてさしあげましょう。第一級戦闘態勢、バトルステーション!】『おおっ!』ドドドド!
『大佐!』ドカドカッ!「アルテミスはミステルと航空迎撃、その他はヴィルヴェルヴィントと陸戦だ。」
『了解、出撃します!』「の前に・・モメンちゃん。」カラカラ。「はーい、出陣の水盃です。どうぞ。」ガヤガヤ。
「たいちょ、なにこれ?」「ネオジャパンの戦国時代の慣習だ。飲み干して盃を割ることで戦勝を祈願する。」
「へえ~、変わった風習だね。」「いくさへの気合いを入れる大事な儀式やで。」「俺は好きだな、こういうのは。」
「では諸君、長い戦いの始まりだ。勝って生き残ろう・・お互いに。」『おう!』ぐいっ。・・パリパリィーン!
『モビルスーツデッキ、ハッチオープン。第一から第五カタパルト準備完了。アーサ班長は射出指示位置へ!』
「露払いはアルテミスだよ。スチーム圧再確認!・・ゴー!」さっ。「アリシア、アルテミス、いきまーす!」
ドオオオーン!・・「・・おーし、第一シャトル戻せ!ブラストバリア収納、イザナギ射出位置へ!続いて
第二から第五まとめて射出だ!」さっ。「ジークフリート、ウォーロック、いくぜ!」「ドゥレミィ、ウィッチ、
いきます!」「愛子、インヤン、いくで!」「葉月、フーシン、いきますぅ!」「オンブー、カルナック、いきます。」
ドドドドオオオーン!・・「・・ふえ~、4機まとめてだと迫力あんな。あと一機、もういいかい?」「レディ!」
「射出だ!急いでぶっとんでけー!」さっ。「華那、イザナギ、いっちゃいまーす!」ドオオオーン!・・
「よーし、次は陸戦部隊だ。発進命令までにカタパルトと蒸気圧の再点検と射出準備、急げ!」『おおっ!』
航空部隊。ゴォォォ・・【こちら「千里眼」、ボギー感知。方位21.3、距離2万。エンカウントまで3分。機種は
MSメッサー、30機。】「アルテミス了解。こちらもレーダー感あり。」「まず出鼻をくじくぞ。愛子!」「はいな!
式神ミサイル、一斉射!」シュドドドドッ!・・「式神が誘導してくれるきに、フェニックスよかよう当たるで。」
パパパパッ・・「ビンゴ!8機とったで!」「やるぅ!」「そんじゃセメントに入るぜえ!Dフォーメーションで散開!」
『ラジャー!』ゴオオオオーッ!・・キュイイイーン!「そこもらった!バールカンッ!」ブオオオオーッ!
ビシビシッ、ガガーン!「航空型MSは装甲薄いから60mmでもハチの巣ね。」ズガガガガッ!「当たるか!」
ビュオオーッ!「10枚翼はダテじゃないわよ。紅月!」シャン!ズバシャアッ!・・ガガーン!「ふたつめ!」
「バスターワンド!」ビュン!「エロイムエッサイム、紅蓮の雲よ敵を焼け!ナパーム・クラウド!」ドンッ!
ヒュルルル・・ポーン!モクモク・・「爆発!」カッ!ドグオオオオーン!ゴォォォ・・「3機まとめて焼滅!」
「いくで、めっさうっとうしい連中が。呪符ビット!急々如律令!」すっ、キュバババババッ!「いてこませ!」
ヒュヒュッ!ぺたぺたっ。ボンボン!ゴォォォ・・「エアインテーク詰まったら、そらエンストして墜落やな~。」
「羅盤に反応。真下に地の竜脈・・使えます!」ぱん!「地の竜よ、怒りの槍を放ちて悪を討て。棘槍連峰!」
ゴゴゴゴ・・キュドドドドッ!ドカドカドカッ!ズガガガーン!「岩製の地対空ミサイル、どうでしょうか?」
シュゴオオオーッ!「熱誘導ミサイル多数接近。カバラ演算機『スカラベ』起動。」カタカタ・・「叡智の法程式
『トト』、因果応報の解法。」シュルルル・・「そう、撃つべきは放ちたる己が自身です。」ドガガガガーン!
「シャーマニック・コンガ!」♪トンタタトンタタ!ビリビリビリ・・「レゾナンス・クラッシャー!HEY!」
♪トン!グシャアッ!「HEYHEY!」♪トトン!グシャグシャッ!「これ固有振動数共鳴破壊。オーケイ?」
「バスター・ワンド、神の祝詞を受けよ。由良由良都古留部!」キィィィ・・「クサナギ・ソード!」シャン!
「燕刎ね!とりゃあっ!」シャン!スパアッ!「千早打ち!いっけええーっ!」シュパパパーン!ズパパパッ!
「うわっ、すご!・・ハナちゃんいつの間にあんな技を。」「女子三日会わざれば括目して見よ!なんてね。」
「お嬢たちに負けてられねえな。我は放つ、豪雨の飛礫!」キュバババッ!ドカカカカッ、ズガガガガーン!
「我は呼ぶ、鋼の飛蝗!」・・ワアアアアーン!バリバリバリ!「アポカリプスはそんな先じゃねえぜ。」
「敵航空部隊、40%に減少。」「敵主力部隊接近。機種は標準型ユーゲント60、重攻撃型ヤクトパンテル30。」
「・・お毒味ね。」「うちの実力を見るだけの小手調べ編成ですわね。」「・・シルクさん、方位270に偵察霊を
送ってください。」『えっ?』「・・これは陽動。切り札は手薄な左翼にいるはずです。」はっ!「了解です!」
「迎撃部隊の射出は見合わせますか?」「・・いえ、万が一のときは速度のあるアルテミスを回しましょう。」
『陸戦隊、射出開始してください。』「ラジャー。第一波、一斉にいくぜ!」さっ。「アニー、マーキュリー、
いきます!」「レイ、マーズ、いくわよ!」「マコ、ジュピター、いくよ!」「キース、マウザー、いくぜ!」
「アイリ、ブリッツ、いっちゃうぞ!」ドオオオオオーン!・・「フル射出は効くう~!・・第二波準備急げ!」
ヒュゥゥゥ・・ザシャアアアアーッ!「着地クリア。」「ブリッジ、隊長たちは?」『ただいま射出されました。』
「おいアイリ、よけといたほうがいいんじゃねえか?」「あ・・賛成!」ドスドス。「アイリさん、なにか?」
「みんなも逃げといたほうがいいよー。」「なんのこっちゃ?・・ん?」「第二波ね。」・・ゴオオオオーッ!
「・・どいてくださあああ~い!」『え?・・!』ぎょっ!「突っ込んでくる!」どんがらがっしゃ~ん!
『うわわわっ!』ゴォォォ・・むくっ。「あいたたた・・サリア、クロイツ、ただいまとーちゃくです!」
ザシャアアアーッ!・・「そういやサリアは重力圏射出訓練をまだ受けてなかったな。」「おーおー、またハデに
地面をえぐったもんだ。」ゴォォォ・・「ほんじゃ作戦に入るよ。カウント、3、2、1。」『マーク!』ダッ!
「キース、援護射撃だ!」「了解!戦術魔射・スプラッシュグレネード!」グラタタタタ!ヒュルルル・・
「ブレイク!」キュババババッ!ドカカカカッ、ズガガガガーン!「どうだい、まとめて12機轟沈だぜ!」
「戦術魔砲・ホライズンドロウアー!」キィィィ・・ズドオオオーン!「掃射!」ググッ!キュドドドッ!
「うわ・・ものすご!」「敵機が次々と射線に呑まれていく!」「だから、あいつとだけはケンカするなよ。」
ゴォォォ・・ちゃっ。「一個中隊、20機撃破完了。」「ひゅ~、文字どおり地平線を描いちまったぜー。」
「アイリ、やれ!」「りょーかい!」「みんな通常通信を切れ。もう使えんぞ。」『えっ?』「戦術魔拳・磁乱気功!
はああああーっ!」ゴゴゴゴ・・「はっ!」ドオオオオーン!バリバリバリ!『うわっ!』「通信出力・・オフ!」
【ほらいわんこっちゃない。】「えっ?・・この声は?」【サティンちゃんのテレパス中継だよ。】【これなら通信が
オシャカになっても使えるしな。】【なるほど、磁場を撹乱したんですね。】【ぶっ壊すだけじゃないのよん♪】
【敵さんは連係を分断されて大混乱だ。いまのうちに突っこんで各個撃破するぞ。】【一番乗りですー!】ゴオッ!
「マジックハンマー『ノートゥング』!」むくむくっ。ダーン!「戦術魔槌・天空太鼓ですー!半径300m!」
ブン!ドオンッ!ビリビリビリ!・・グシャグシャグシャッ!・・ザシャッ!「ぜんぶで8機ペシャンコです。」
ブリッジ。「・・ハデにやってますね。」「現在、敵の戦力は65%まで減少。航空兵力はほとんど壊滅です。」
「・・ラーシャさん。」ちらっ。「・・いますね左翼に。かなり遠い・・近づいてきます。」「・・シルクさん。」
「・・見えた!サティンちゃん、イメージ転送!」「はい、きましたー!」『・・これは!』「知ってますわ!
ザメルの流れをくむ重砲撃戦MSドーラ!」チカッ。ぴくうっ!「総員何かにつかまって!緊急回避!」
ガラガラガラ!『おととととっ!』ヒュン!・・ドドオオオーン!「うわっ!あっぶな~。ギリギリかすめた。」
「・・シルクさん。」「わかってます。主砲起動!」グィィーン・・「方位273.554・距離35633。」ガコン。
「さらに微調・・」ルルルル・・「・・ここ!」ぴたっ。ぐっ。「一斉射!」カキッ。ドグオオオオーン!
グラグラッ!「な、なんですのこの反動は!」「火薬式実体弾砲ですから。」「いまどき?せめてメガ粒子砲とか
なぜもっとハイカラなものでないですの?」「最近は対光熱学兵器防御装備が発展してて、効きがいまいちです。
かえって旧式な実体弾のほうが有効なんですよ。」「たしかに本艦もビームフィールドを装備してますしね。」
「でも射程とか命中率とかいろいろ問題あるのではないですこと?」「射程は問題じゃないです。要は当たる距離で
撃てばいいんですから。それに有翼自己誘導砲弾なので命中率は良くなってますよ。」「着弾。・・外れました。」
「あれ?」「ほらみなさい。」「・・的が小さすぎます。サティンさん、アルテミスに迎撃指令。」「りょーかい!」
「・・了解。こちらはあと数機を片付けるだけなので、そちらに行きます。」ドオンッ!ゴオオオオーッ!・・
「ドーラか・・資料では見たけど。」ゴォォォ・・「あれか・・まるで横綱ね。」ガコン、シュドドドドッ!
「地対空ミサイル?また親のカタキみたいにいっぱい!パワーダイブ!」ドオンッ!ゴオオオオーッ!
「そうそう、しっかりついてきなさい!」ヒュルルル・・「高度500・300・・いま!」グン!ドオオオオーン!
ヒュルルル・・ドカドカドカーン!「ドーラにお返し!・・ありゃ、やっぱ効いてない。さっすが重MS。」
カタカタカタ・・ブオオオオーッ!「うおっとお!」チュンチュンチュン!「頭部六連装対空バルカンとはね!
超低空飛行・土煙隠れ!」ドオオオーン!ブオオッ!・・??「こっちよ、ウドの大木!」ヒュッ、スパアアーン!
「頭部ユニット切断!これで手はなくなったわね。そろそろとどめるわよ!はああああーっ!」ギーン!
「根来月光流暗殺術奥義・十六夜朧月!」ヒュパッ!・・シュパアアアアーン!ゴオオオオッ!ザキザキザキィッ!
「帰巣!」ヒュルルルル・・パシーン!「あなたはもう死んでいる・・」・・ズルッ、ガラガラガラン!・・
「風魔爆炎闘術奥義・轟炎乱舞!」「壱岐水軍流水術奥義・激流斬!」「パルテノン雷電闘術奥義・ゴッドサンダー!」
ズガガガガーン!ゴォォォ・・「敵機、全撃破。」「はい、ごくろうさん。大本営、こちらは状況終了だけど。」
【敵奇襲部隊も殲滅しました。これより回収に向かいます。約5分。】「了解。・・嵐もがんばってくれたな。」
「ワルキューレ隊もさすがですね。」「そのうち対戦とかしてみると面白いかもな。」「キース、それナイス!」
「隊長、どうでしょうかー?」「俺も賛成だが、向こうさんの都合があるしな。」「あー、いいんじゃない?
うちとしてもレベルアップの役に立つし。みんなどうかな?」「やってみましょうか。」「世界最強の陸軍といわれた
ヴィルヴェルヴィント、相手にとって不足なし。」「もしもしアリシア、聞いてた?」【やってやろーじゃん!】
【ちょーっと待った!】『ん?』【私たちを】【忘れてもろたら!】【だめですよー。】【そんな楽しそうなこと】
【ミーたちもエントリーね!】【三つどもえでいってみよー!】・・キィィーン!「おっと、ミステルを忘れてたな。」
みなさんお待ちかね!大空に闘いの炎が燃えます。
ルフトバッフェ飛行要塞ブリュンヒルデの黒い影!
死の大天使・アルテミスが蒼穹の戦場を舞います!
次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第62話
「ウラル要塞攻略戦シリーズ:燃える大空!暁の航空決戦」に、レディー、ゴーッ!