機動武闘烈伝ダブルGガンダム   作:風雲再起

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第69話「氷の精霊!がんばれリムルル」

ガンダム長屋。「コンルノンノ!」バン!ズバシャアッ!「うまい!」「おし、まあまあだ。」「ふう・・どうかな?」
「うん、思ったよりセンスいいね。」「コンルの技をあんなに使いこなせるなんて意外だったわ。」「へへ~、実は
こんなこともあろーかとこっそり練習してたんだ。」「まあ、いつの間に。」「リムもアルカナの闘士としての自覚が
できてきてたんだね。」「ともかくこれで少し安心しました。」「とはいえ相手はあの『抜き打ちフィアー』だ。
チャンピオンは伊達や酔狂じゃなれねえ。それなりの実力は覚悟しとかないとな。」「うん・・わかってる。」
『そいつはどうかな?』はっ!ザッザッ・・「てめえは!」「・・クイック・フィアー?!」「イヤァ。」ぴっ。
「ユーが今夜のチャレンジャーかい。まさかキッドとは思わなかったぜ。」「人を外見だけで判断するとはチャンプ
らしくもないね。」「リムルル、ごあいさつを。」「うん。コンル!」ヒュイッ、ピキピキ・・「ホワット?!」
「コンルカムイ。氷の精霊よ。」ヒュー。「シャーマンとは知らなかったぜ。バット、マジックでミーのショットに
勝てるかな?」「やってみれば?・・」・・ぴくっ、パチッ!「アゥチ!・・アイスチップ?」「ユー、ルース。」
「なーんだ、早撃ちって聞いてたけど。」「DG細胞の影響で技が粗くなってますよ。」「シット・・オーライ、
トゥナイトのリアルバトルでジ・エンドにしてやるぜ。」くるっ、ザッザッ。「負け犬の遠吠えはみっともないよ。」

「・・ふうっ!」がくっ。「リム?!」「はあっ、はあっ・・緊張した。」「いい経験になったね。・・それこそが
ファイターの背負うプレッシャーだ。それを闘志に変えれたものが勝つ、そうだろナコ?」「はい。私もファイトの
前は逃げ出したくなるくらいのプレッシャーを受けます。でも・・」「でも?」「慣れてくると、それが何物にも
替えがたい高揚感になります。そう・・ファイトすることが笑っちゃうほど楽しくなるの。」「・・そういえば
ナコ姉ちゃんはファイト前に楽しそうな笑顔をよくしてるね。」「そのくらいじゃないと超一流のファイターとは
いえないさ。じっさい、ドモンさんなんか戦ってるときも楽しそうだよ。」「うん、それもよく見た。苦戦してる
ときなんか、よくニヤリと笑ってるね。」「戦いを楽しむ・・私もまだその域には達してませんね。」「そうか?」

♪ビョンビョン・・「おっと、あたしのケータイだ。」「ムックリの着メロなんてあったの?」「少数民族連合HPで
無料配布してるよ。」「・・あれ?うちはパソコン無いのに、なんでリムはよく知ってるの?」「ぎくうっ!」
「・・あ、まさかカムイの端末で!」「いやその~。」「だめじゃない、連合の支給品を私用に使っちゃ!」
「だってどうしても見たかったHPがあったの~!」「へえ・・どこの?」「真蔵にいさまのHP。」ぴぴくうっ!
「・・ブックマークは?」こく。「・・まあ、ガンダムは通信料かからないから大目にみましょう。」「いぇい。」
「おっけい、今から向かうよ。」♪ピッ。「梁山泊からだ。カムイの改造とMk-Ⅱの立ち上げが終わったって。」
「ではさっそく行ってみましょう。」「あたしのガンダムって、どんなんかなー♪」「青い塗装なのは確実だな。」

ネオ浅草・骨董茶房「五月雨亭」。スス・・「うむ、よい茶じゃ。」『あんたもそんなトシになっちゃったか。』
はっ?!「・・その声は、まさか!」ばっ!「やほ、シュウ♪」にぱっ。「アルクエイド?!いつギアナから!」
「ちょっとした観光よ。おじゃまするね。」カツカツ、すとっ。「再生後にリハビリに来てから半年ぶりだね。」
「その節は世話になった。」「技は身体がおぼえてるから、戻りも早かったね。」「・・なぜここがわかった。」
「シオンよ。シュウの性格データから行きつけ先を類推したら、確率がいちばん高かったのがここってわけ。」
「多元並行思考か。・・で、用件は。」「現キング・オブ・ハートに会いたいなって。」「ドモンになら長屋へ行けば
会えるじゃろう。」「場所が公表されてないから、案内して。」「・・会ってどうする。」「さあ・・どうしよっかな。」
「・・まあいい、孫弟子に会うのに理由もなかろう。ついてきなされ、師匠。」「アルクでいいって、シュウ。」
「ならばワシをシュウと呼ぶな。」「あ、そっか。えーと・・ヘンタイお下げぢぢい♪」「どこで聞いた、どこで!」

梁山泊ハンガー。ガガガガ!・・『うわ~・・』「どうだい、カムイ改造コンルガンダムは。」「わー、すごいすごい!」
タタタタ・・「ありゃ~、もはやカムイの原型とどめてないね・・」「む~、なんかフクザツな気分です・・」
「愛機がこうなっちゃ無理もないわな。けどカムイMk-Ⅱはちゃんとあっちに立ち上げといたよ。」「え?」ひょい。
ガガガガガ!「・・外見がどことなく違いますね。」「スカートが長くなって、中に高出力ブースター内蔵か。
そして装甲が少し厚くなって全体に太くなったな。」「カムイの弱点だった防御力の強化と、それに見合う機動力の
確保に改良の重点を置いてるからな。」「アーサ整備主任、トレース係数の低下はどのくらいですか?」「心配すんな、
10万分の1以下に抑えてる。代わりにダッシュ力を強化してるから、初代よりレスが速いと感じるはずだ。」
「そうですか・・まあ、試してみましょう。」「ならリムとスパってやりゃいい・・あれ、リムはどこいった?」
カタカタ・・「パーソナル係数アップロードよし。機体誤差校正・・よし。コンル、モビルサテライトの具合は?」
キラキラ・・「よさそうね。」「もう立ち上げ始めてるのかい?」ひょい。「うん。少しでも早く使ってみたいから。」
「ナコもマーク2の立ち上げを始めたよ。で、すぐにスパるかい?」「もちろん!」「よっしゃ、その意気だ。」

ガンダム長屋。ガラガラ。「ごめん。」「はーい。・・あら、マスター?」「ドモンはおるかな。」「はい。・・ドモン、
マスターよ。」「師匠、なにか?」「知り合いの客人を連れてきた。」「ちゃー。」ひょい。「・・師匠の彼女ですか?」
「あははっ、まあ半分当たってるかな。」「アルクエイドだ。」「ドモン・カッシュです。」「妻のレインです。」
「どうもごていねいに。けどやっぱりゲンコツで語りたいな~。」『えっ?』「・・おやりになられるのか?」
「いささか。」「師匠?」「・・うむ、すまんが相手をしてやってくれ。」「・・では、裏の空き地へ。」「どうも♪」

ザッ。「うーん、わくわく♪」「・・なんか楽しそうだな。」「だって現役のキング・オブ・ハートの技を実際に
受けてみるのはとっても楽しみだもん。」「まるでベテランファイターみたい・・」「さ、やろやろ。」ぱんぱん!
「では・・!」シャッ!「はっ!」ビュッ!「?・・!」ドン!「なっ?!」クルッ、ザザザザーッ!・・
「・・あんた、寸止めしようとしたでしょ。マスター、どういう教育してんの。たとえ親子でも対峙したならば
持てる技の全てを尽くして全力で叩きつぶす、それが最低限の礼儀でしょ。」「・・ドモン、全力でかかれ。」
「師匠?」「さもないと死ぬのはキサマだぞ。」「そのとおり。わたしもぶち殺す気でいくから。」コキコキ・・
「・・ならば遠慮なく!」ダッ!「どりゃああああーっ!」ヒュドドドドッ!「そうそう、その調子!」
スカカカカッ。「?!・・ヒットしない!」「スピード、精確さは文句なし。けどまだ動きが粗いわね。」すっ、
ぱしいっ!「なっ?!」「だからこうやって受け止められる。」くりっ、ブオンッ!「なにいっ!」ズダーン!
「手首の軽いヒネリだけで?!」「立ちなさい。もっと技を見せてほしいわ。」「・・はあっ!」グン、ダーン!
「いくぞ、超級覇王電影弾!」ギュルルルッ、ゴオオオオーッ!「まあまあか。けどこれもまだ甘いわね。」
すっ、とん。ガクン!『なあっ!』「指三本で・・止めた?!」「そんな・・バカな!」「はい次。」つん、ドン!
「ぬおおおおーっ!」ドガシャアアアーン!「軽く指で突いただけで、ドックの壁にめり込んだ!」「く・・はっ?!」
「いっくよー!」ゴオッ!「はあっ!」バリッ!ダーン!スカッ!「おっ、やればできるじゃないの。」
「どりゃあっ!」ビュッ!ゴガアッ!「直撃!」「・・そう、いまのフィーリングよ。それを忘れないで。」
「・・なにっ!」バッ!・・ザシャッ!「そんな・・蹴りを顔面で受けて平気なんて!」「わたしのツラの皮は
このくらいじゃ小揺るぎもしないわ。」すいっ、ぱっぱっ。「・・いったい何者だ。」「では聞くけど、あなたは
師匠に教わった、ならその師匠は誰に?」「?・・まさか?!」ばっ!「・・そうじゃドモン、改めて紹介しよう。
ワシの師匠にして初代キング・オブ・ハート、真祖・東方不敗アルクエイド。」ぎょっ!『真祖・東方不敗!』
「にわかには信じられないと思うから、ひとつお見せするわ。」すっ、キィィ・・「なに?・・手が・・光る!」
「ファンタズム・フィンガー!」ブオオオッ!「なにいっ、これは!」「石破天驚拳?!」ズドオオオーン!
「うおおおーっ!」ガゴオオオーンッ!・・ザパアアアーン・・「おっと、門ぶち抜いて海まで飛んじゃったか。」
「ドモン!」「死んじゃいないわ。とっさに硬気功かけてたし。よっと。」くいっ。・・ザバアッ!・・ドサッ。
「えっ?!・・どうやって?」「わたしの指は無限に届くわ。おい、生きてっか?」つんつん。「うう・・」
「うん、生きてるね。あとは寝かしときゃ大丈夫。」「これが・・真祖・東方不敗!」「思ったよりは楽しめたわ。
けどわたしと真っ当にバトりたいなら、もっともっと闘って心技体を高めなさい・・と、伝えといて。じゃあね。」
すっ、ターン・・「アルク!」『シュウ、あの店は気に入ったわ。またいつかあそこでお茶しましょ。バイ♪・・』

旧上野駅周辺。ここはガンダムの稼動試験や模擬戦闘用フィールドとして各国ファイターに開放されている。
カキーン!パキーン!「はいっ!」「うりゃあっ!」ガキイイイーン!ギリギリ・・「やるわね、リムルル!」
「ダテにお姉ちゃんたちのセコンドをつとめてきてないよ!」バッ!『そりゃあっ!』バシイイイーン!
「・・リムがここまでやるとはね。シクルゥもびっくりだろ?」グルルル・・「『太陽』の紋章はダテじゃないね。」
「リム、基本戦闘は合格点よ。そろそろコンルを使ってきなさい。」「じゃあ遠慮なしにいくよ。ウプン・オプ!」
ジャキン!「いけっ!」ヒュババババッ!「つらら槍の連射ね。はっ!」タタタタン!ドカカカカッ!ダン!
「アンヌムッペ!」ヒュゴオッ!「迎撃のカムイシトゥキ!」カキン。「氷のシールド?!はっ!」ターン!
「さすがナコ、激突直前で跳躍に切り替えたか。」「ママハハ!」ピィィィーッ!ぱしっ。「カムイムッペ!」
ドン!「対空だ!コンルノンノ!」バン!シャキィン、ゴオッ!「氷の花?!ガード!」ガキイイイーン!
「スキあり!」ターン!「まだです!カムイリュッセ!」バサアッ!「布?・・しまった、狙いが!」ズボッ!
「!」「そこまで!」ぴたあっ!「・・ふぅ~。」「あと5cmで串刺しだったね。」「やっぱナコねえは強いや・・」
「いえ、ここまでやれれば文句なしですね、姉さま。」「そうだね。リムの潜在能力は予想以上だな。あと少しで
ナコどころかあたしも越えるかもしれないよ。」「ええ。」「よしっ!これで今夜の試合、なんとかなるぞー!」

「・・うおおっ!」がばっ!「ここは?・・勝負は?!」「とうの昔に終わったわよ。結果は見てのとおり。」
「すまなんだの、ドモン。」「師匠・・彼女が?」「うむ・・ワシの師じゃ。30年前にワシは地上最強の存在の
話を聞き、それを求めてはるばるギアナ最奥地まで分け入った・・そして出会った、常識では考えられぬ力を持つ
あの方たちに。」「たち・・って、まだいるんですか!」「全部で五人・・いや、五柱というべきか。まさに神に
等しい無敵・不死身の超存在たちじゃ。」「あんなのが五人もいるのか・・」「ワシの技などあの方たちの足元にも
及ばぬ。世界最強といっても、それは普通の人間の尺度での話。もとより人を超えた存在には児戯にも等しい。」
「たしかに・・この世のものとも思えぬ強さだった。」「そうじゃドモン、強いということに頂点などありはせぬ。
じゃがそれは、言い換えればいくらでも強くなれるということじゃぞ。」「はい。自分より遥かに強い存在がある。
それこそ更なる修行の励みとなります。いつか必ずそこに行くために。」「うむ!よい答えじゃわが弟子よ。」
「でも・・あの真祖はちょっと変わってたわね。」「レイン?」「そう、闘いを純粋に楽しんでたわ。傍から見てると
まるで無邪気な子供みたいに。」「ふっ・・師の御心はきわめて純粋じゃ。あのときとまるで変わっておらん・・」

30年前、ギアナ高地。「たたたたーっ!」ドババババッ!「いいよいいよ!」ヒュヒュヒュッ!「はあっ!」
ドン!「おいしょ!」ぱしいいいーん!・・「う~ん、いいパンチ!だいぶ腕が上がったね、シュウ。」
「アルクの教えがいいからさ。」「たった数ヶ月でここまで上達するんだもん、教えがいもあるってものよ。」
「アルクエイド様、シュウジ様。お茶をお持ちしました。」「さんきゅ、ヒスイ。じゃ、一息入れよっか。」
コポコポ・・じーっ。「・・ん?翡翠さん、オレの顔に何か?」・・はっ。「い、いえ・・」「ヒスイは今まで
あんまりオトコと付き合いないから珍しいだけよ。」「そっか、こんな奥地だものな。」「コハクみたいにあちこち
出かけてもいいって言ってるのに、腰が重いのよね・・あ、いーこと思いついた。シュウ、デートしてあげて。」
『なっ?!』「い、いえ、アルクエイド様、そのようなことは。」「こーゆーのは本人同士の合意があってこそ・・」
「で、ついでにわたしも一緒に出かけると。」『・・はあ?』「お姉さま、そういうのをデートとは言いませんわ。」
「保護者同伴でデートでもないでしょうに。」ツカツカ。「あら、妹とシオン。」「ずるいですわよ、翡翠にだけ
そういうおいしいことは。」「修行は理解しますが、外の世界の情報も聞きたいものです。」「そんなもんシオンの
エーテライトで一瞬で読み取れるでしょ。」「結果でなくプロセスが大事です。」「琥珀が買ってきた衛星TVや
モバイルネット端末の情報だけでは偏りがちですし。」「・・そういえば姉さんはどこに?」『え?』きょろきょろ。
「つい今しがたまでいましたのに。」「なにやら不穏な予感をおぼえるのは気のせいでしょうか・・」タラ・・
ズズズズ・・「この震動は?」ゴバアアアッ!ズーン!『なあっ?!』「これは・・翡翠?!」『あははははー!
そのとおりです♪』バサッ!「琥珀!」「いーえ、私は琥珀ではありません。デウス・エクス・マキーネこと
りりかるアンバー!」きらーん♪「あ~、また始まった・・」「このジャイアント翡翠ちゃんでシュウジさんを
今回こそいただきますよー。」「笑止。私の冥導鎖は相手の大きさなど関係ありませんわ・・」ザワザワ・・
「よろしいでしょう。闘争をもって決着をつけるのみ。」キュィン。「どっちもがんばれー!」きゃっきゃっ♪
「シュウジ様、お茶のお代わりはいかがでしょう。」「いただくよ翡翠さん・・(超現実を逃避している二人)」

温泉旅館「夢十夜」。「ただいまー。」「どこへ行ってらしたのですの?」「もう試合見物に出発する刻限ですが。」
「ごめんごめん。シュウの弟子とちょっと遊んでたの。」「ええっ?現キング・オブ・ハート、ドモン・カッシュ
とですか?なんであたしをつれてってくれないんですか師匠!」「さっちんどうする気?」「むろん、勝負!」
「あーダメダメ。今の腕じゃ3分もたないって。」「それで、印象はいかがでしたの?」「けっこう思ったよりは
やるわね。シュウもいい弟子持ったわ。」「シュウジ様はもう弟子を持つ年齢になってしまわれたのですね・・」
「翡翠がシュウジ・クロスに好意を寄せてたのはわかってましたが、永劫を彷徨う我らに恋愛は無意味です。」
「シオン様、お言葉を返すようですが、私はシュウジ様を好いていたことを後悔しておりません。むしろ楽しく
美しい想い出として、永遠に私はそれを抱くことができます。これを幸せといわずして何でしょうか。」『お~。』
「翡翠が正しいですわね。時は過ぎゆくとも想い出は無くなりませんわ。私とて中世ヨーロッパで出会った
青年のことは忘れませんわ・・」「・・ひょっとしてラプンツェル?」「あっはー、そういうシオンさんもお部屋に
飾ってある東洋の美青年の肖像画、あれどなたです?」・・ぼっ!(真っ赤)「あ、あれは、その・・」わたわた。
「あのときも楽しかったよねー。小国の領主を押し立てて大国に立ち向かったのは。」「ええ。シオンの作戦で
敵大船団を赤壁で焼き討ちし、大逆転で勝ちましたものね。」「その後、シオン様は最後までその国に付き合い、
五丈原まで戦いぬきました。」「あ、あれは・・付き合いのケジメをちゃんとつけただけです。」「・・諸葛亮?」
「そういった想い出を増やすことも、永劫の退屈を紛らすいい手なんだよね。だから出会いは大事にしてるわ。」

深夜・旧渋谷駅廃墟。「うわ~、廃ビルがいっぱい。」「ビルを楯にすりゃ、いい戦いができるな。」「さすがクレオ、
いい所を選んでくれましたね。・・来ました。」・・ゴオオオオーッ!ズズーン!「フリーダムガンダムか。」
パシュ。「ヘイ!待たせたな。」「いーえ、ちっとも。」「このゴーストタウンをユーのツームストーンにしてやるぜ。」
「知ってる?OK牧場の戦いはいい方が勝つんだよ。」「ハッ!言ってくれるじゃねえか。ではバトル・スタート!」
「コンル・ガンダアアアームッ!」♪パチン!ギン!ドドドド・・『ガンダムファイト!レディー、ゴーッ!』
「いくぜ、ガール!ショルダーショット!」ガキン!シュドドドドッ!「おっとっと。」ささっ、ドカドカーン!
「シット、ビルの間に隠れたか。ならばいぶりだすまで。スポンソンガン!」ジャキン!「シュート!」
ドンドンドンドン!ズドドドドーン!ガラガラガラ!「DG細胞のおかげで弾切れなしだ!このビル街ごと
吹き飛ばしてやる!」ズガガガガーッ!『だからヤンキーはバカでマヌケって言われるんだよ。コンルメム!』
カチン。「足元を凍らせた?」ツルーッ!「ホワット?!」ドシャアアアーン!「あ~あ、銃の反動で後ろのビルに
逆オカマ堀りやがった。バカだね~。」ガラガラガラ!・・ドバアアアーン!「ガッデーム!どこだ!」「ここだよ。」
ぽん。「・・なにいっ!」ばっ!「ルプシ・トゥム!」キン。ドンッ!ズバアアアーン!ガラガラン!「シット!」
「うまい!マキリを氷の巨剣として腰の砲身を切り落としました!」「ちっ!ショルダーショットには間合いが
近すぎる!」バッ!「それを待ってたよ。ルプシ・クァレ!」ビュッ!「氷玉?」ボンッ!パキィィーン!
「ジーザス!」「へえ、氷の手榴弾か。あんなものまで。」ズダダダーン!「いまだ!ウプン・オプ!」ジャキン!
「狙いは肩の銃よ。いけっ!」ヒュババババッ!ドカカカカッ!「しまった!強制排除!」ババン!ガシャン!
ズガガガーン!「シィーット!」ザザザザーッ!「これでテッポウは無くなったね。ギブアップする?」
「・・ハッ、やっぱ若いぜ!」ガチャッ、ジャキン!「腕部に隠し銃?!」「サヨナーラ!」ズドドドドッ!
バコバコバコッ!ゴォォォ・・チャッ。「最後に笑ったのはミーだったな。」『・・あはははは!』ぎょっ!
「な、なに!」『あなたの次のセリフはこうよ。「なんでハチの巣になって生きてるんだ?!」・・はっ?!』
『よーく見なさい。弾の入り口のひび割れが不自然じゃない?』「?・・ミラーか!」ばっ!「コンルノンノ!」
カアッ!ドゴオオオオーン!「オマイガー!」ヒュルルル・・ドシャアアアーン!「遅いのよ、バカヤンキー。」
「サ・・サノバOッチ!」ギギギギ・・「あ、そーいう汚いことば使うんだ。ならこちらも遠慮はいらないね。
コンル!」すっ。パキパキ・・ぴたっ!「たあっ!」ドーン!「なんだ?!」「いくよーっ!ルプシカムイエムシ!
とりゃああああーっ!」ドビュウッ!「コンルを投げた?!」ゴオオオオーッ!「ノオオオオーッ!」バシイッ!
パキパキパキ・・カキン。「フリーダムが・・凍結?!」「うりゃああああーっ!」ゴオオオッ!バキイイイーン!
ズバシャアアアーン!ガラガラガラ!『おおっ!』「すげえ・・蹴り砕きやがった!」ガラガラガラ!・・カラン。
ザシャアッ!「勝負あり!大自然のおっしおきだよ!」「圧勝だなんて・・」「しかも残虐なまでの戦いぶり・・
ナコ、こりゃリムは末恐ろしい存在になるかもしれないね・・」「はい・・いずれは私たちよりも。」「ああ・・」

梁山泊・ゲストルーム。「今日はもう遅いから、ここに泊まってもいいって。」「わ~!ベッドなんて初めて!」
ぽむぽむ。「きーめた。ここで寝る♪」「もとよりそのつもりだったけど。その前におフロ入って・・あれ?」
「・・・・」「もう寝ちゃったの?」「疲れてたのさ・・本人のテンションは高くても肉体がな。あれだけの
プロファイター並、いやそれ以上のファイトをやったんだから。」「・・とうに限界を越えた闘いだったのね。」
すいっ、バサバサ。「これでよし、おやすみリムルル・・」パチッ・・「ではあたしらはリムの初陣を祝って
カンパイでもすっかね。」トクトク・・「姉さま、どこからワインなんか?」「すぐそこの自動酒屋でな。」
「未成年って前に言ったはずですけど。」「ワインは酒じゃねえよ、ヨーロッパではな。」「またへ理屈を・・
ま、ちょっとくらいなら。」コトッ。「では、我らが愛しき妹の初勝利を祝って。」「カンパイ。」スス・・
「・・はあ、おいしいワイン。」「けっこういい銘柄だからね。それにちょっぴり味付けしたし。」「味付け?」
コトッ。「リキュール・スピリタス。アルコール度は90度。」・・かあっ!「あ・・」くらっ・・ぱたり。
「ありゃ、ナコやっぱ弱かったか。あたしたちにゃちょーどいいよな、シクルゥ。ほれ飲め。」ピチャピチャ。


みなさんお待ちかね!第四回チャンピオン・少林マスターに挑むは李大広老師。
少林寺と八極拳、洗練された至高の技の応酬。
だがDG細胞の呪いがこの聖戦にも影を落とします。
暴走するフェイロン大師を止められるのは・・サイサイシー?!
次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第70話
「江湖の友よ!慟哭の梵鐘」に、レディー、ゴーッ!

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第70話「江湖の友よ!慟哭の梵鐘」

築地・蓮華寺。ネオチャイナの宿舎となっている寺である。♪ゴォォ~ン・・「はいはいはいっ!」ババババッ!
「たたたたあーっ!」ドババババッ!『はあっ!』バシイイイーン!・・タッ。「さらに腕を上げたな、鈴。」
「お兄ちゃんもさすがのクラブ・エースね。」「むう、サイサイシーもそうだが、鈴の上達ぶりはすさまじいの。」
「サイサイシー、うかうかしてると鈴に追い越されてしまうぞ。」「そうはいかねえな。妹弟子に後れをとったら
少林寺の名にキズがつくぜ。」「それは私も同じこと。李家八極拳の名にかけて、少林寺には負けられないよ。
もうすぐ決勝リーグでの戦いも近いしね。」「ああ。そのときこそ、北京での決着をつけてやるぜ!」「こっちこそ!」
「うむ、その気合が双方をさらに強くするであろう。」「よきかなよきかな・・?!」『むっ?!』『はっ?!』
ドクン!「シャッフルの紋章が!」「私のアルカナの紋章も!これは?・・」・・はっ!『・・DG反応!』
『ふふふふ・・見せてもろうたぞ。今の少林寺、そして李家八極拳の拳スジを。』「だれだ!」ババッ!・・ザッ。
『なっ!・・貴殿は!』「じっちゃんたち?」ガクガク!・・「そんな・・バカな!」「ありえんことだ!・・」
「じっちゃんたちが知ってる・・いったい?」『・・フェイロン大師!』ぎょっ!『ええっ!』「そのとおりじゃ。」
「少林寺史上最強の拳士にして第四回ガンダムファイトチャンピオンの!」「オイラの・・じいちゃん?!」
「ぬしが龍白の息子か。なるほど、よう似ておる。」「大師・・なぜ?!」「死んだはずだ、と言いたいのじゃろ。
そのとおり、ワシは50年前に天寿を全うした。孫の顔を見ることもなく・・な。」「それが・・なぜ今に!」
「おぬしらが知らぬわけでもあるまい、ダハール・ムハマンドとも立ち会ったならば。」はっ!『DG細胞!』
「そうか・・そのために墓所を暴いたのか!」「いったい誰がそんなことを!」「いと高きお方、とだけ言おう。
それよりも、そこな娘。肩慣らしに一手所望する。」びっ。『鈴を?』「ダメだ!オイラが相手する!」ばっ。
「まあよかろう。わが孫の腕を見るも一興。」「待てい、サイサイシー。」「ここは我らがつかまつる。」ザザッ。
「DG細胞に冒されし大師を葬るは少林寺師範の我らが役目。『北竜の瑞仙』、参る。」「『南虎の恵雲』、参る!」
ババッ!『はいはいはいっ!』バババババッ!「まずは準備体操か。」すっ、パパンッ!『ぐうっ?!』ガクッ!
「じっちゃんたち!」「く・・このダメージは!」ジィ~ン。「・・交差法か!」ズキズキ・・「そのとおり。
攻撃してくる手足をただ受けるのではなく攻撃する、すなわち攻防一体の技法。ぬしらはおとなしく観ておれ。」
ザッ。「・・あんた、やっぱりオイラのじっちゃんじゃねえ。」「ほう。何ゆえ。」「交差法は禁じ手とされてるはず。
それをためらいもなく使うとは、少林寺の精神を忘れてしまったとしか思えねえ!」「かもしれん。DG細胞により
ワシは戦鬼となった。前世の悟りの境地も今は虚しい、ただ今は純粋に・・戦いを娯しむことこそ望みか。」
「・・それが答えですか。」すっ。「決まりだな。」ばっ。「若者相手ならハンデもよし。二人まとめて来い。」

『そうはいかんぞい。』はっ!・・ゴオッ!ドドオオーン!『うわっ!』「これは?!」ゴォォォ・・ザッ。
「師匠!」「伝説の拳聖もDG転生すればこのザマか。達磨大師が草葉の陰で泣いておるぞ。」「・・李大広か。」
「明日のファイトを前に、わが直弟子たる鈴に目をつけるのは読めておった。ワシとて同じことをするじゃろな。」
「ちょうどいい、明日を待たずともここで勝負をつけようではないか!」ダッ!「やれやれ、こりゃ重症じゃな。」
「はあっ!」ビュオッ!「ほい。」ヒュッ、バキイッ!「ぐうっ!」「交差法!」「しかも一撃で骨を砕く威力だ!」
「驚くことではない、ぬしのやり口をお返ししただけじゃよ。」「ぐう・・」「再生するには小半時はかかろう。
それでもまだやるかの?」「・・明日会おう。」ターン・・「痛い目に会わんとわからんとは、地に堕ちたものじゃ。」
「さすが師匠。」「一撃で退けるなんて・・さすが『台北の猛虎』李先生だ。」「サイサイシー、いうまでもないが
アレはフェイロンであってフェイロンでなし。いや、タチの悪いゾンビというべきものじゃ。ゆえに・・よいな?」
「はい。こうなっては滅ぼすことこそ祖父にとっての最高の供養。少林寺総代として、先生におまかせします。」
「まかされた。・・ちなみに今夜0時、旧東宮御所跡。目立たぬように。」はっ。「・・ありがとうございます。」
「鈴、そろそろ港にワシのガンダムが届いておるはずじゃ。受け取りに行くぞ。」「はい、師匠。」シャシャッ!
「拳鬼と化した大師と老師の激突か。」「すさまじい仕合になるな・・行くか、サイサイシー。」「もちろん!」

ガンダム長屋。「たのもー!」バシーン!「げっ、また来た!」「またか?!」「まーそう嫌わんでも。」ぴらぴら。
「これで五日連続ですよ、大師匠。」「それだけドモンも修行になってるでしょ?」「そりゃそうですが・・」
「あ、それからその『大師匠』ってのもヤだな、アルクでいーよ。ところで連れがいるんだけど。」「連れ?」
「ほら、さっちん。」ざっ。・・きっ。「現キング・オブ・ハート、ドモン・カッシュさんですね!」「そうだが。」
「真祖・東方不敗が一番弟子として、一手所望!」びしっ!『弟子?!』「うん、まだ半年くらいだけどね。」
「もしあたしが勝ったら、キング・オブ・ハートの称号をいただきます!」「こりゃイキのいいヤツだな。ならば
俺が勝ったら?」「あたしを抱いていーです。」『なっ?!』「ちょ、ちょっと!妻を目の前によくもそんなこと」
「よかろう。」「ドモン?!」「それだけの覚悟で挑むということだ。その気持ちは受け止めてやらなきゃな。」
「ははぁ~、勝っても抱かない気ね。」「なんだ、それなら・・」「いや、思う存分抱かせてもらおう。」『ええっ!』
「さっちんとやら、その覚悟で全力で挑んでこい。言っておくが俺のはでかいぞ。」「・・そうなの、レイン?」
「あ~・・まあね。」ぽりぽり。「それでも戦う覚悟ありや否や!」「・・もちろんです!」「では、裏の空き地で。」

ザッ。「さあこい!」「いきます!」ダッ!「せいやあっ!」ビュン!「受け・・?!いや!」バッ!「ダック?」
ビュオンッ!プツプツッ。「髪が・・切れた!」「真空刃をまとった蹴りよ。受ければ腕がザックリだったね。」
ザッ、ドンッ!「蹴りの勢いを殺さず、後ろ蹴り上げに!」ゴオッ!「おっと!」グン!くるっ、スカッ!
ザンッ!「バク転でよけるとはまあまあね。けど。」ピリ・・タラッ。「アゴに・・傷が?」「真空の余波よ。」
ツイッ、ぺろっ。「思ったよりやるようだな。」プッ!「まだまだ小手調べだよ。」「よかろう。ならばこちらも!」
グッ、ザッ!ゴオッ!「疾い?!」「おりゃあああっ!」ドバババババッ!「はいはいはいっ!」パパパパンッ!
「腰があまい!」ザッ、パシィン!「脚払い?!きゃっ!」ダダーン!「とどめだ!」ゴオッ!「カカト落とし!」
「・・はいっ!」バン!ヒュイッ、ドコオンッ!「よしっ、よくかわした!」「反撃!」ドンッ!「ヒジ打ち!」
「はっ!」クルッ、スカッ!「転身?しまったバックを!」がしっ。「どりゃあっ!」グン!「裏投げ放し!」
「あれじゃ受け身できないわ!」「いえ。」「・・はいっ!」ギュン、ザザザーッ!「ほう、これをかわすとは。」
「空中で立て直した・・すばらしい運動神経だわ。」「だから弟子にしたわけ。」「はあっ、はあっ・・やっぱり
現役は強い。」「お前の技、それだけではないはずだ。もっと気合を入れてこないと、俺の子を宿すことになるぞ。」
「誰が!はあああーっ!」ビーン!「ハイパーモード?!」「できるか。面白い!おおおおーっ!」ビーン!
「いくぞおおおーっ!」ドンッ!「おお!」ダン!ゴオオオオオーッ!ドバギィィーン!「ああっ!」「よし。」
ゴォォォ・・「・・クロスカウンター!」「・・がはっ!」ユラ・・ドドオンッ!「ふう・・紙一重だったぞ。」
「どちらもお見事だったわ。」ぱちぱち。「いい弟子を持ったな、アルク。レイン、彼女の手当てを。」「ええ。」

パチャ・・「う・・はっ?!」がばっ。「気がついた?」「レインさん・・あっ?!」さっ。「だいじょうぶ、まだ
バージンよ。」「・・ドモンさんは?」「あれ。」「えっ?」『はああああっ!』バシイイーン!『その調子!』
ビシイイーンッ!「・・師匠と?あれだけの戦いのあとに。」「あのくらいドモンにとっちゃ準備運動よ。だいたい
最終バトルロイヤルとか連続で戦わなきゃいけないから、一戦や二戦でへばるスタミナじゃファイター失格だし。」
「・・あの、それで・・」「ドモンはあなたの身体よりアルクとのガチンコの方がお好み。生粋の格闘バカよ。」
むっ。「あたしってそんなに魅力ないんでしょうか。」「さてね・・いずれにせよ、オトすのは至難の技でしょうね。」

ネオ浅草。ザワザワ・・「へ~、いろんなお店があるのね。」「およそ850店舗が入ってるそうです。」「うわ・・」
「あっはー♪翡翠ちゃんはこういう賑やかなところは初めてですよね。」「・・こんなに人がいる所は不安です。」
「・・」きょろきょろ。「?・・ああ、レンさんも初めてなのですね。」こく。「では手をつないで行きましょう。」
「琥珀、それでおいしいお店ってどこですの?」「あ、ここですよー。『PIA・キャロット』。」「ファミレですか?」
「ネオ東京でいちばんおいしいお店なんですよー。」「料理の鉄人・琥珀が太鼓判を押すほどなら信じましょう。」
ザワザワ・・「さすが混んでますねー。予約しといて大正解。」「ご予約のアキハーシュ様ですね。こちらへ。」

パタン。「個室とは豪勢ですね。」「あの人ゴミの中ではゆっくり食事できませんし。」コンコン。「どうぞ。」ガチャ。
「いらっしゃいませ。私が担当いたしますルナです。」ぴくっ。『ルナ?』「は?・・あーっ!アキハたちじゃん!」
「なんだ、どこかで聞いた声と思ったら。」「やはり『ロスト・ワールド』でしたか。」「おひさしぶりです。」
「私はちょくちょく来てるから、おなじみさんですねー。」「・・」「おー、レンも来てたのね。元気してた?」
こくこく。「三年前からごぶさたでしたわね。」「ごめんごめん、お店の立ち上げからこっち、忙しくてさ。」
「ルナさんの店なら味は確かですね。」「ネオ東京シティに観光に来てたとはね。ところであーぱーお姫さまは?」
「ガンダム長屋に入り浸りですわ。よほど孫弟子のドモン・カッシュがお気に入りのようで。」「あー、なるほど。
たしかにアルク好みよね、彼氏は。」「ということは、純粋な朴念仁ですね。」「いいえて妙ね。さて、ご注文は?」
「ルナのおまかせでよろしいですわ。」「そうこなくっちゃ。予算2000円で満足させたげる♪」「・・安いです。」

「はいお待たせ。」コトンコトン。『おお~。』「前菜は自家製スモークサーモン、スープはモロヘイヤ、メインは
ロールチキン、デザートは三色アイスクリームよ。」「このボリュームで2000円ですの?!」「うちは素材には
金をかけず、そのぶん手をかけてるの。さ、めしあがれ。」『いただきます。』ぱく。「・・なんてコシのある
サーモンでしょうか。」「スープもおいしいですねー♪」「チキンとアスパラの組み合わせがよろしいですわ。」
「・・アイスクリームもミルクが濃くておいしいです。」「・・」はむはむ。「おいしい?レン。」こくこく。

ふたたびガンダム長屋、ナコルル家。「くか~。」「紫の姉さま、よく寝るね~。」「長期遠征の疲れがたまってた
みたいだから・・まあ安心して眠れるのはここくらいだし、好きなだけ寝かしてあげましょう。」「そうだね。」
ビシイッ!バシーン!「ドモン兄ちゃん、まだやってるね・・」「相手の女性の方は見かけない顔だったけど、
ドモンさんと互角以上に打ち合ってるなんて、誰でしょうね・・」「マスターの師匠さ。」『え?』むっくり。
「あ、起きた。」「姉さま、ご飯食べます?」「いや・・ちょっと血が騒いだんで。」スタスタ・・ガラガラ。
「どこへ?」「目を覚ましてくるのさ。」ピシャン。「・・はっ、まさか?!」「あの音に刺激されて!」ダダッ!

「とりゃあっ!」バシイイイーン!「だいぶ良くなったね!・・ん?」ツカツカ・・「あんたは・・世界?」
「ご存知とは光栄だね・・真祖・東方不敗。」「・・ドモン、ちょっとごめんね。」ザッ。「・・いいだろう。」
「起きぬけだから、本来の動きよかちょっと鈍いかもね。」「動けば良くなるでしょ。」「まあね。・・では!」
ボッ・・「消えた?」「はっ!」ボオッ・・「アルクも消えた・・」チカッ、パパパパッ。「・・始まったか。」
タタタタ・・「ドモンさん!・・あれは?」「二人の撃突光だ。常人の目に捉えられない領域で戦ってる。」
「うわ・・これが頂点のファイトなんだ。」ガキイイーン!『あっ!』ガギギギッ!「見えた!」「さすがだね。」
「あんたもね。これは楽しめるわ!」パキイイーン!シャッ!・・「また消えた!」「二人ともフルパワーで
ぶつかってる・・それだけの相手か、お互いに。」・・ザザーッ!「動きが止まった?」「はあっ、はあっ・・」
「姉さまの・・息が上がるなんて。」「はじめてみたよ・・」「人間にしちゃたいした動きね。」「・・バケモンが。」
「うん、よく言われるわ。」「そのくらいにしておけ。今のお前ではまだ勝てん。」「・・ああ、わかってるさ。
今はまだ・・ね。」「そのうちまたやろうね。」にぱっ。「姉さまが負けを認めるなんて・・いったい何者なの。」

大戦艦ヴァルハラ。「李大広。その実力はマスターアジアにも匹敵する『ネオ台湾の猛虎』。しかし今まで一度も
ガンダムファイトに参戦していません。」「主義に合わぬ、か。」「はい。八極の拳は覇道の拳にあらず、最強の敵は
己が自身。己に勝つことこそ真の勝利・・老師の言葉です。」「さすが老師や、拳の真髄をようわかっとるな。」
『そしていざ戦うとなれば、無敵の破壊力を発揮するか。』「ネオチャイナとの紛争で撃破したMSは数百機に
のぼる。しかも素手でだ。」ぱしっ。「へ~、そんなに強いんだ。」「いかに拳聖サイ・フェイロンといえども、
かなり苦戦しそう・・かな?」「ふふふ・・かなり楽しめそうな相手ではあるな。今宵がいまから待ち遠しいぞ。」
「フェイロンガンダムは完璧に仕上がってるわ。昔のまま、いえ、それ以上に高性能よ。」「感謝する、エリー殿。
ではさっそく慣らしがてら早めに出かけるとしよう。」すっ。「ご武運を。」「・・武運か。今は虚しい言葉よ・・」

「そういえば変な話を小耳にはさんだのですが・・真祖の一族が現在ネオ東京にいるそうです。」『なにっ?』
「観光にでも来てるんでしょ。気にすることもないわ。」「だが幽音、アルクエイドは動きが読めんぞ。もし今の
ファイトに乱入でもしてきたら。」「あー、それはあるかもね・・感心を別に移す手をうっとこうか。エリーちゃん、
なんか手ごろなのない?」「ヘルファイターじゃヒマつぶしにもならないわね・・あ、いーこと思いついた。たしか
ネオヴァチカンにライバルがいたよね?」ぽん。「それいいねー。さっそく法王にかけあってくるね。」シュン。
「ローマ法王と知り合いなのか?」「いちおう神さま・・ですよね。」『それはともかく、真祖と対等に渡り合う
人間が存在する方が驚きだ。』「法王庁・神罰代行機関のエース、『第七のシエル』・・そのスジでは超有名人や。
その名を聞いただけでションベンちびるテロリストやエセ教祖はごまんとおるで。」「前任者のアンデルセン神父も
凌駕する実力者らしい。」ぱしっ。「あ、師弟対決ってのも面白そうだね。」「それもよいが、立ち合ってみたいな・・」

ネオヴァチカン・神罰代行機関。「お呼びですか、司教。」「睨下から勅命が下された。」「ははっ!」すっ。
「デビル軍団の活動が極東地域で確認された。すぐに現地に飛んで状況を把握し、適切な対処を為せとの詔だ。」
「仰せのままに。・・具体的にはどの国へ?」「ネオジャパンだ。」はっ!「喜んでお受けいたします!」きらきら。
「?・・なんか嬉しそうだな。」「そりゃもう、ネオジャパンは世界第二位の消費国ですし。」「あ~・・カレーか。
追記事項だが、どうやら真祖の一族も来日しているらしい。」ぴく。「アルクエイドたちが?」「目的は不明だが、
今回の事態に関連している可能性もある。慎重に対処してくれ。」「おまかせください。神の道を外れた悪魔は
主の名のもとに殲滅しましょう。そのためにも、イスカリオテガンダムも持っていきます。」「うむ、許可する。
美しき神の国のために。」「聖霊と子の御名において。エイメン。」すっ。「さて、お店チェックしとかなきゃ♪」
パタン。・・「ふう・・睨下、シエルをネオジャパンにやるのは、ゴジラに放射能を与えるのと同じですよ・・」

その夜・旧東宮御所跡。ヒュォォォ・・「・・来たか。」ズシンズシン。パシュッ。「ほい、早かったの。」
「刻限は守る主義なだけよ。・・よいガンダムじゃな。」「バイフーガンダム。もうけっこうな古道具よの。」
ザッ。「ほう、孫たちも来たか。」「若い者のためになるようなファイトをしようぞ。」「さて、それはどうかの。」
「あれが・・フェイロンガンダム。」「まさしく昔のままじゃの。」「子供の頃に観たものとまったく同じじゃ。」
「師匠、がんばってくださーい!」「では始めるか!」ターン!パシュッ。『ガンダムファイト!レディー、ゴー!』
「聖龍矛!」ビュン!「まずはお得意の矛か。」「はいはいはいっ!」ビュンビュン!「よっとっと。」ひょいひょい。
『おおっ!』「大師の連撃をいとも簡単に見切っておる!」「李老師、齢80を過ぎてなお全盛期を維持しておるか。」
「せいっ!」ドン!「あまいの。」タン!ぱしっ!「なにっ?!」「すげえ、踏み込んで無力化させた!」
「八極拳に後退なし、ただ前進して打ち砕くのみじゃ。はっ!」ドン!「なんの!」さっ、ガキィーン!
「受けきった・・はっ?!」グン!ドオオオオーンッ!「どおおおおーっ!」ザザザザーッ!『おおーっ!』
「よしっ!受けごと吹き飛ばす師匠の豪拳!」「今度はこちらから攻めるぞ。はっ!」タン!ドン!「なにいっ?!」
ボボボボボッ!「ちいっ、後退!」ザザザザッ!「逃しはせんよ。」タタタタン!ボボボボッ!「なんて伸びのある
踏み込みだ。しかもマシンガンのような目にも止まらぬ連撃!」「もらった!はっ!」ドンッ!ドカアアアーン!
「ぬおおおおーっ!」ズガガガガーッ!ゴォォォ・・「奥義・羅漢拳。回避も防御も不能な一撃必殺の突き込みじゃ。」

「やるな・・」グググッ、ザッ!「ならばワシも全力の技で応えねばな。」「そうでなくては面白くないの。」
『・・はっ!』ビュッ!バシイイーン!「はいはいはいっ!」ババババッ!「ほいほいほいっ!」ズドドドドッ!
バシバシバシィィーン!「す・・すげえ!」「まさに頂点の激突!」「これぞ洗練されぬいた技の応酬じゃ。」
「大師もようやく本来の技を出しはじめたか。」「ほっ、やればできるではないか。」「ふふ・・それだけではないぞ。」
ババッ!ザザーッ。「間合いをとった?」「この局面で?・・大師はどういうつもりか。」「DG細胞のパワーを
見せてやろう。生前にはついぞ会得できなかったこの技を!」スゥゥゥ・・「あの動きは?」「見たことないね?」
「水のごとき流麗な動作・・まさか!」「あ・・あの禁じ手を放とうというのか!」「なんだ、じっちゃんたち?」
「少林寺に伝わる技には、何があろうと決して使ってはならぬとされる禁技がある。」「なぜならばあまりにも
強すぎ、相手を一撃で確実に殺すからじゃ。」『殺意は拳の道にあらず、単なる殺戮者に堕することじゃ!』
「み・・見て!」キィィィ・・「なんだあ?!手の中に・・光の玉が!」「やはり!・・」「あの禁技を!・・」
「ゆくぞ!少林寺禁技、滅仏弾!」カアッ!・・ズドオオオーンッ!『あああああーっ!』「あれは?!」
「まさか?!」『石破天驚拳!』ブオオオオッ!「なるほど、少林寺にも同系統の技があって当然じゃな。」
ズガアアアアアーン!『うわあっ!』ズズズズズ!「直撃・・じゃな。これでは破片も残るまい。」ゴォォォ・・

「・・師匠は?!」「あの大破壊力の前には・・ん?!」ゴォォォ・・「あれは・・まさか!」ザン!「師匠!」
『バイフーガンダム!』「なんと!・・信じられん!」「別に驚くほどのものでもないわい。迫り来る気弾を
迎撃の突きで打ち砕いただけじゃ。」「そんな・・バカな!」「なんなら再現してみようか?」フッ・・ボッ!
「なっ?!一瞬でフトコロに!」グッ!「昇龍螺旋!」ドンッ!グリッ、グィン!「なにいっ?!・・」
ドバアアアアーン!「うおおおおおーっ!」ギュルルルッ!『おおっ!』「高速回転しながら吹っ飛ばされた!」
「ふおおおおおーっ!」キィィィ・・「老師の手の中にも!」「ま・・まさか八極拳にも?」「鈴よ、よく見ておけ。
これぞ八極拳秘奥義!」カアッ!・・「極星覇神拳!」ズドオオオオーンッ!『おおおおーっ!』「これは!」
「まるでコロニー砲!」ブオオオオッ!「ぬおおおおーっ!」ズバシャアアアアーッ!【おおおおーっ!・・】
ドドドドドド!ゴォォォォ・・「・・ほうっ。」スッ・・「ど・・どうなったんだ?」「フェイロンが・・見えぬ。」
「どこへいったか?」「浄化されたよ、きれいさっぱりとな。」「・・消滅?!」「老師、今の技はもしや・・」
「そうじゃ。少林寺と同じく、八極拳にも禁じ手の二つや三つはあるわい。ただうちは使用制限がゆるめでの、
今回のように確実に葬るべき相手に対してのみ許されておる。その責はじきにあの世でとるつもりじゃよ・・」

ちょっと離れた廃ビル上。「李くん、さらに強くなったね。」「若いころから天才的な腕前でしたわね。齢を重ねて
ようやく技も神妙の域に達してきたわ。」「老師もお知り合いなんですか?」「半世紀も前ですが、お目にかかった
ことはあります。本人は覚えてはいないでしょうが。」「見どころのある人材には常に注目してチェックしてます。」
「ギアナ奥地までわざわざ訪ねてくるようなケースは珍しいですけどねー。」「あたしは迷いこんだクチだし~。」
「いえ、考えようではこれがさっちんの運命だったのかもね。じゃなきゃ自覚すらしてなかった高い格闘センスを
一生知らずに済んだかもしれないもの。」「そっか・・これがあたしの運命か。」「・・」ちろちろ。(お酒)

大戦艦ヴァルハラ。「また負けたね。」「大師でも倒せぬか。アルカナ同盟、思ったよりもやる。」「DG細胞パワーは
あんましご利益あらへんのかな。」「チャンピオンほどの技量ならば、使いこなせるとも思ったのですが。」
『力よりもむしろ心が大事なのではないだろうか。』「DG細胞で乱れた心では勝てぬ、か。ありえる。」ぱしっ。
「そういうのはよくわかんないな。もっとも『強い』という定義自体がよくわかんないけどね。」「エリーちゃん、
何か対策あるかな?」「無くはないわ。・・次の『光速のフェルナンド』に試してみましょうか。」ニイッ・・


みなさんお待ちかね!第五回チャンプ・光速の剣士に挑むは「審判の剣」ヨーコ。
エルフィールにより強化された剣撃が嵐と吹き荒れ、ついに砕け散る『最後の審判』!
だが絶対絶命でこそ燃えるのが『ソード・オブ・ジャッジメント』。
そしてついに覚醒する奇跡の神剣!吼えろ薩摩示現流最高奥義!
次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第71話
「風林火山!不滅の剣」に、レディー、ゴーッ!


第一部 第69話~第75話

第71話「風林火山!不滅の剣」

 

名出屋城・重役オフィス。「さーて・・光速のフェルナンドか。」ぴこぴこ。「ヨーコ、今夜のファイトが気になるん

だったら、仕事切り上げてスパってたら?」「・・そだね、ガンダム長屋にでも行ってみよ。」ぷっ。カラカラーン。

「ちょっと待って。その前に耳に入れておきたい情報が入ったわ。」「ナディア、なに?」「ネオヴァチカンの

特務組織『神罰代行機関』がエキスパートをネオジャパンに送りこんだらしいわ。どうやら機関のエース級ね。」

「その組織名は聞いたことがあるわね・・ここ十数年の原理主義テロの激減はその組織によるものとの噂よ。」

「で、そのエキスパートの名は?」「シスター・シエル。通称『第七のシエル』。」「あれ?それってまさか。」

「ええ、ウラル要塞戦に飛び入り参戦したあのシスターよ。余談だけど重度のカレー好き。」「あ、おもしろ。」

「どういう目的で入ったかわかる?」「可能性としてはデビル軍団、または来日中の真祖の一族がらみね。」

「あー・・たしかにカソリックの立場だと、存在そのものが認められないよね。」「宗教は融通きかないからね。」

「お、そういやその真祖が長屋に入りびたってるって話だったね。」「そう。だから警告したの・・そのシエルが

乱入してくるおそれありと。」「んー、そりゃますます面白いかも♪ぜひ激突の瞬間をチェックしなきゃ。」

ガラッ、ビュオオオオーッ!バサバサバサ!『うわわわっ!』「こらヨーコ!75階で窓を開けるな~!」

「降りるのめんどいんで。閉めといて!」ばっ!『飛び降りた!』「なんてことを!」ダダッ!「ヨーコ!」

ゴオオオオオーッ!「来い、最後の審判!」キラッ・・ゴオオオーッ!「よいしょっと。」スタッ。ヒュン!

『は~・・』「木刀に乗って飛んでるわ・・」「あそこまで使いこなせるようになったのね・・すごい。」

 

大戦艦ヴァルハラ。シュドドドッ!パラパラ・・「マドモアゼル・エルフィール、あなたを彫ってみました。」

「まあまあかな。実物はもっと可愛いけどね。」「それはもう、あなたの美しさは比べようのないものです。」

「新型レイピア『ダルタニアン』の具合はよさそうね。」「はい、これで私の剣技にもいっそう磨きがかかります。

必ずや勝利をマドモアゼルに献上いたしましょう。」「楽しみにしてるわ。あ、それとバロンシールドには新たに

『ゲオルギウス』を追加したわ。」「ありがとうございます。これで接近戦でも後れをとることはないでしょう。」

「ふふ・・この武装に竜退治の聖人の名を付けるのはなんとも皮肉ね。」「たしかに・・生前の私なら考えも

しなかったでしょう。」「DG細胞って怖いよねえ・・ま、人のこた言えないか。」すっ、ピキピキピキ・・

「疑問ですが、マドモアゼルはDG細胞の影響を受けていないとお見受けしますが?」「使役してるからね。」

「なんと?!」「私の精神力がDG細胞を凌駕し従属下に置いたの。ゆえに三大理論を自在に制御できるし、

その技術も駆使でき、なおかつデビルガンダムも意のままに操れるわ。」「・・恐るべきお方です。」ぞっ・・

 

ガンダム長屋。ガラガラ。「たのもー!・・あれ?」シーン・・「ドモンもレインもいないんだ・・ん?」ガヤガヤ。

「あ、裏の空き地か。」タタタタ・・「こんちゃー!」「おお、ヨーコか。」「いらっしゃい。」カチャカチャ。

「なんだ、みんなお昼してたのね。」ぷ~ん。「ヘッドお得意のカレーか~。」「ヨーコもよかったらどうぞ。

いっぱい作ったからじゅうぶんあるわよ。」「そんじゃご相伴にあずかりましょうか・・って、おや?」もぐもぐ。

「・・だれ?」「ん?」くるっ。「ヨーコは面識なかったな。こちらはアルクエイド、ヨーコ・クサナギだ。」

「・・ああっ!真祖・東方不敗!」「あら、知ってたの?」「ネオジャパンに来てるとは聞いてたけど・・」

「あなたはクレオんとこの『審判』ね。ウワサはかねがね聞いてるわ。」「?・・審判ってなんだ?」ぎくうっ!

「あ、それは、その・・ヨーコの仇名よ♪」わたわた。「あ、そうか。」(ほっ・・深く考えないタチでよかった)

「ならあとで一手お願いしたいな。」「いーよ。けど今はレインのカレーを愉しもうよ。」「それもそうね。」

 

カチャカチャ。「カレーといえば、知り合いにカレー中毒のヤツがいたな~。」「カレー好きは珍しくないけど?」

「レベルがちがうって。三食みんなカレー、おまけにオヤツもカレーパン。」「ほう、そりゃ徹底してるな。」

「しかもカレーは別腹とかで、一食で数十杯もおかわりするの。」「それ別腹じゃなくて、異次元腹だよ・・」

「そうそう。ホント、でかいケツまでカレー溜めじゃないかって・・?!」ビュビュッ!さっ、ガチャガチャッ!

「なんだ?!」「投剣?!」「スプーンでみんな払った?!」カラカラーン。「・・黒衣聖母。ウワサをすれば!」

ばっ!『こんなところで人外のバケモノが何をしているんですか?』カツッ。「・・ドックの上か!」ザッ!

「あれは・・修道女?」「わざわざネオジャパンまで遠距離出張ご苦労さま、シエル。」ぎょっ!「シエル?!」

「いえいえ、あなたを滅殺するためなら地獄の底まででも追いかけますよ。」ババッ!・・ザシャアッ!

「何者だ!」「ネオヴァチカンより来ましたシエル、目的のひとつはそのバケモノを滅することです。」びっ!

「そう言いつつ、いまだに達成できてないよねー。」「だから今回こそ倒しますよ、真祖・東方不敗アルクエイド。」

「食後すぐの運動は身体によくないけど、そうも言ってられないようね。」すっ・・ボオッ。「いい覚悟です。」

すっ、ジャキジャキッ!「ちょっと待った!仔細はわからんがやめろ!」「ドモン、下がってなさい。こいつは

わたしの大切な遊び相手、そしてこれはとっても楽しい遊びだから・・」キラッ。「う・・殺る気まんまんか。」

「やば・・あっ、この手がある!ヘッド。」ひそひそ・・「え?・・わかったわ。」ささっ、ぱかっ。ぷ~ん。

「では勝・・?!」ぴたっ。「あれ?・・どしたのシエル?」「・・この芳香は!」ばばっ!「そう、カレーよ。」

ちゃぽっ、ジャーッ。「うっ!・・」じゅるっ・・「ハラがへってはいくさはできぬ。バトる前に一杯どう?」

「いただきます!」ばっ!はぐはぐはぐ!「・・何が起こったんだ?」「あったく~、カレー中毒女が。」

「あ~、よかった・・ナディアに事前に聞いといて。」「無類のカレー好きって、彼女のことだったのね・・」

 

「ごちそうさまでした♪」カラッ・・「・・なんという食欲だ。」「あれだけあったカレーがあっという間に・・」

「さて、腹八分にもなったし、改めて殺りましょうか。」「ちょっと待った!」『ヨーコ?』「・・神罰代行機関

最強の『第七のシエル』、一手所望!」「へえ、なかなか骨あるじゃん。」「あ~、でもあなたと戦う理由がとんと

見当たりませんけど。」チャッ。「この刀の名を知ってる?・・『最後の審判』よ。」ぴくっ。「・・なるほど。

聖なる言葉を武器銘とするのは見過ごせませんね。」すっ・・ジャキジャキッ!「そうこなくっちゃ。」ザッ。

「黒衣聖母!」ビュバババッ!「はいっ!」ビュン!カカカカーン!「いくよ。ちぇすとおおーっ!」ドン! 

ズドシャアアアーッ!「聖書シールド!」バサササッ、バシイイーン!「荼毘浄化!」シュバババッ!「おっと!」

さっ、ボボボボーン!「おおっ!」「剣が刺さった地面が炎上?!」「・・近づかなきゃ勝機はないか。ならば!」

ダーン!「いっきに近づくまで!」「読めないとでも思いましたか?対空!」シュバババッ!「やっぱりね。」

ガクン、すとっ。スカカカカッ!「えっ?!・・しまった、フェイントの小ジャンプにひっかかった!」ダン!

「もらったあああーっ!ラスト・ジャッジメント!」ドンッ!ズバシャアアアーン!「決まったわ!」「いいえ。」

ゴォォォ・・「・・打ち消されたか。」ぬっ。「思ったよりやりますね。この『七つの大罪』までひっぱり出すことに

なるとは予想外でした。」ジャコン!「・・おや?あの腕の紋様は。」ボオオオ・・「どこかで見たような紋様ね?」

ぱんぱん。「はいはいそこまで。シエルもけっこう楽しめたでしょ。」「そうですね。」ぱっ。スウッ・・バサッ。

「へえ、あの武器は法衣だったんだ。」「聖霊魔術の物質変位法よ。法衣も聖典も次元的には同じものというわけ。」

「まあ今回はおいしいカレーに免じて、このくらいにしておきましょう。」「気にいってもらえて嬉しいわ。」

 

ガラガラ。「ほう、ドモン殿はあいかわらず鍛錬に励んでおるのう・・むっ?!」ぎょっ!「え?・・あっ!」

「シエルか!」はっ。『ンドゥールさん?』「・・しまった、ここに住んでることをすっかり忘れてました!」

「おぬしがなぜここにおる!」「いえ、その・・聖書隠れ!」バサササッ!「逃げるな!」『くわばらくわばら・・』

バサササ・・「あやつめ・・」「ンドゥールさん、彼女と知り合いか?」・・はっ。「い、いや・・なんでもない。」

「あ・・そういえば彼女の腕に浮かび上がった紋様って、ミキストリが『死の手』を使うときに浮き出る紋様と

同じものだわ。」「あ、そうか。・・ということは、彼女もアステカの秘法を?」「ちょっと待って。カソリックに

とってアステカは絶対許容できない邪教であり、その権化たるシエルが邪教の業を使うなどあり得ないよ。」

「いえ、そうともいえないわ。」『アルクエイド?』「ヴァチカンが何千年も存続しているのは、使えるものは何でも

使うだけの賢明さがあるから。最新テクノロジーはもちろん、神学・神秘学・黒魔術・精霊術・カバラ魔法数学・

そして陰陽術や道教までも導入されてたものよ。そこにアステカ秘術があっても不思議でも何でもないわ。」

「さすがによく知ってるな。」「けど、あの慌てようは尋常なものじゃなかったわ。宿敵に出会ったというより、

まるで会いたくない人に出会ってしまったみたいな・・」「本人に聞くのが早いが、あの様子では無理だな。」

「・・バカものめが。手段を選ばぬにもほどがある。よりにもよってヴァチカンの刺客になるとは・・」

 

骨董茶房『五月雨庵』。カラカラ。「いらっしゃいませ。」「五人よ。」「こちらへどうぞ。」ぞろぞろ・・すっ。

「む?待たれよ。」『ん?』くるっ。「やはり!・・お前たちか!」「マスターアジア?!」「あら、お久しぶりね

シュウジ。」「そういえばここはご贔屓の店でしたね。」「ほら翡翠ちゃん、シュウジさんですよー。」ぐいっ。

「・・翡翠。」「・・半年ぶりです、シュウジ様。」「さ、ヤボなギャラリーはあっち行きましょ♪」「それもそうね。」

「ではあちらの席へ。」「レンちゃんもこちらですよー。」「・・?」すたすた・・「琥珀め。・・元気だったか。」

「・・はい。」「ここで会うとは思いもせなんだ。・・観光か?」「そのようなものです。」「・・いや、お前たちが

動くは大きな戦いのニオイを嗅ぎつけたときじゃ。となると・・」「・・」「・・まあいい、翡翠を問い詰めても

はじまらん。リアン殿。」ぴっ。「はい、ご注文をどうぞ。」「・・ジャスミンティーを。」「かしこまりました。」

 

コトン・・「シュウジ様、前からお聞きしたかったのですが・・」「なにかな?」「・・ランタオ島で蘇生したとき、

どうして再びまた武の道にお戻りになられたのですか?もっと静かな生き方を選ぶこともできましたのに・・」

「業・・じゃな。こればかりは死んでも治らぬ。ワシもそうだが武闘家というものはつくづく損な性分でな、

楽な道を選ぼうとせん。あえて苦難の道を喜んで選ぶ・・死さえも恐れずに。」「常人の命は短いもの、それを

なぜもっと有意義なものに費やそうとしないのでしょうか・・」「ならば問う、有意義な生き方とは何か?」

「それは・・」「人それぞれじゃ。人々のために尽くす、何かを極める、家族と静かな生を過ごす、いずれも

立派で有意義な生き方じゃ。ワシの場合は武の道を歩むことじゃ。たとえそれで命が短くなろうともかまわぬ。

長さは問題ではない、大事なのはその間に何を為すかということじゃ。」「・・永劫を生きる私たちはどうすれば

いいのでしょうか。」「なに、簡単なことじゃ。気長にやればよい。」「・・気長に?」「人間の一生ではとうてい

できぬ仕事というのは確かにある。そういうことをじっくりゆっくりやればよいのではないか?」「・・たしかに。」

 

「・・色気の無い話題ばかりですわね。」「シュウジにそういう話題を望むのが無理なんです。」「スジガネ入りの

朴念仁ですからねー。でもそこがいいんですよ♪」「・・」こくこく。「たしかにサカリのついた男はイヤですね。

男はあのくらいストイックなのでちょうどいいと思います。」「さっちんに同感ですわ。そういう身持ちが固いのを

じっくりと攻略し堕とすのが醍醐味というもの・・うふふふ。」ザワザワ・・「あの・・すっごいコワいんですけど。」

「けどシュウジさんはもうよいお歳ですから、また新たな恋を捜しませんとねー。」「恋は永劫を生きるに必要な

イベントです。新たなる恋に夢中になることがさらなる明日を生きる活力となります。」「・・」こくこく。

 

その夜、神宮球場跡。オォォォ・・「廃墟のスタジアムってのはブキミだねえ・・来た。」・・ガキョンガキョン。

パシュ、タッ。「マドモアゼル・ヨーコ、あなたのようなお美しい方が相手とは光栄の至りです。今宵の月を

あなたの血でこの薔薇のように美しく染め上げてみせましょう。」「さてそれはどちらになるかねぇ・・では。」

「美しき血闘の幕を開けましょう。」『はっ!』タッ、パシュッ。ギン!『ガンダムファイト!レディー、ゴー!』

「先手必勝!」ドバアアアアーン!「土煙で目くらましとは美しくないですね・・そこです!」ヒュババババッ!

「おっとお!」キキキィン!ザザーッ!「ふうっ!・・バルカン砲なみの突きか。」「正しくはレーザーです。」

ヒュババババッ!「・・見える!」ダッ!タタタン!スカカカカッ、ジャリッ!「ちいっ!・・しかし!」ゴッ!

「もらったああああーっ!」ドン!「バロンシールド!」ヴン!バリバリバリッ!「それがどうしたあああーっ!」

ドバアアアーン!「なんとおっ!」ズダダダダーン!ゴォォォォ・・「く・・防御ごと吹き飛ばすパワーとは!」

「ビームバリアがなけりゃ決着だっんたけどね。」「やりますね・・それでこそ倒しがいがあるというもの。」

「その前に倒れるのはあんただ!」ドンッ!「バロンシールド!」ヴン!「同じ手を!」「そうですかね?

『ゲオルギオ』起動!」メキッ、ガバアッ!「なっ?ショルダーが顎に!」ガキイッ!「しまった、刀身を!」

ミキミキ・・バギイッ!「・・『最後の審判』が!」「いただきます!」シュババババッ!ズドドドドッ!

「ぐはあっ!」「ゲオルギオ・クラッシャー!」ガアッ!ガブウッ!メキメキメキ!「ぐあああああーっ!」

「いかがですか悪竜の顎の味は。それいっ!」ブン!バシイイーン!「がはあっ!」ズザザザザーッ!・・

 

「く・・」ザッザッ・・ザン。キラリ。「フィニッシュです。とても楽しかったですよ・・アデュー♪」ビュオッ!

「・・なめんな!」ギン!「はいっ!」パシーン!「真剣白刃取り?!」「胴割り!」ダン!ドゴオンッ!

「あぐっ!・・蹴り?」ガシッ!ダーン!・・「斬首落し!」ズドゴキィッ!「うがはあっ!」ババッ、ザザッ!

「はあっ、はあっ・・どうだ!」ゴォォォ・・むくっ。「・・驚きましたね、剣を失っても必殺の格闘術があるとは。

さすがウワサに聞く戦場の剣です。」ブラブラ・・「・・ゾンビ野郎が。」「おっと失礼。」クイッ、コキコキッ。

「だがあなたの圧倒的不利は変わりません。」ヒュン。「・・そうかね?」チャッ。「・・ショートソード?しかも

インパクト系とは。半分以下のリーチでどうしようというのです。」「はあああーっ!」キィィィ・・「むっ?

剣が・・光る?」「『審判の日』よ、マスターたる『審判』が命ず。今こそ砕けし同胞を取り込み本来の姿に戻れ!」

カサカサ・・「ん?何の音が・・はっ?!」ブオオオオーッ!「・・『最後の審判』の破片が!」「おおおおおおーっ!」

ピキピキピキ・・「バカな・・融合していく?!」ビキビキピキ・・ギン!「・・一本の大刀に!」「これぞ真の

『審判』の剣、轟刀・風林火山!」バオオオオッ!「このエネルギーは!」シュゥゥ・・「傷も治してくれたの?

ありがと・・じゃ、いくよ。」「まやかしがあっ!」ドビュウッ!「・・雲耀の間。」キラリ。ユラ・・スカアッ!

「なにいっ!」ギン!「もらった!」ドンッ!「薩摩示現流最高奥義・破城槌打!ちぇすとおおおーっ!」

ズドオオオオーンッ!「はがあっ!」パキイイイーン!ザシャアッ!「・・示現流が真髄『雲耀の間』、開眼せり!」

「雲間から差し込む陽光の如く速き剣スジ・・サムライ・・トレビアーン・・ぁぐっ!」ピキピキピキ・・パカッ、

ドンドンドン!ドカアアアーン!「もう一度往生しなっせ。・・あんたもさすがにてごわかったよ。」ビュン!

 

スコアボード上。「やるやる。『審判の剣』、なかなかの腕だね。」「たしかに強いですわね・・でもあの刀は?」

「『審判』の闘士が代々所有する木刀です。とはいえ同じものではなく、受け継がれるのは魂のみですが。」

「すごいな~、砕けても再生するなんて。」「一つが二つに、そしてまた一つに戻りましたか。」「刀自体ではなく

ご自身のパワーそのものが宿ったとまでは気づいてないようですねー。」「マーブル・ファンタズム(空想具現化)は

なかなか気づかないものよ。もっとも自覚しておいそれと使えるものでもないけどね。」「・・」くいくい。

「レン?・・あ、そういえばレンもわたしのマーブル・ファンタズムで生まれたんだったね。」こくこく。

 

『なるほど、こういう事が起こっていましたか。』はっ!『・・シエル!』ザザッ!「待った。・・今夜はその気は

ありません。あくまで情報収集がメインの目的です。」「介入する気ですの?」「いいえ、漁夫の利といきましょう。

異教徒同士がつぶし合うのは好都合というものです。」「代行者が手抜きをするのはあまり感心しませんが。」

「その分、あなたたちにかまいますからご安心を。」『えっ?』「どうやらあなたたちにくっついてさえいれば、

手がかりは向こうからやってくるようですから。」「迷惑です。」「それにうちではカレーは作りませんよー。」

「師匠、こんなヤツあたしが」ばん!「はがっ!」「だから勝てないっちゅーに、記憶力の無いバカ弟子ね。

ヒスイ、手当て。」「かしこまりました。」ずるずる・・「あらあら・・彼女は普通の人間だから、もうちょっと

手加減してあげませんと。」「じゅうぶんしてるわよ。じゃなきゃ三日もたないって。」「それもそうですね。」

「で、どうする気ですの?」「お部屋あります?」「・・客間がありはしますが。」「じゃ、そこでいいですよ。

よいしょ。」ぐいっ、ドサッ。「どうでも押しかける気ですね。」「明日の朝食はひとり分追加しませんとねー♪」

「いえ、食事は自分で都合しますのでおかまいなく。」「すっかりその気かい。・・たく、しょーがないなー。」

「お姉さま、よろしいんですの?」「寝首をかかれそうですが。」「このメンツじゃないない。レン。」「?・・」

すっ・・じーっ。「シエルのお目付け役、やってくれる?」ふるふる・・(イヤそう)「やっぱね・・おっ。

ヒスイ、さっちんは?」「鼻血は止まりましたが、まだピヨってます。」「あ~、ちょっとツボに入ったかな?

まーいいか、話は起きてからで間に合うし。さ、ホテルに戻るよ。」『はーい。』シャシャッ・・パラリ。

 

次の朝。「おっはよー。」ボリボリ・・『ヨーコ?』「もう起きたの?ゆうべ遅かったしバトったしで疲れてるのに。」

「なーに、あんくらいでバテてちゃファイターやれないって。それにこの子がちゃんと回復させてくれたし。」

チャッ、イィィィ・・「風林火山か・・前の『最後の審判』より大きくなったのね。」「うん。でも前より軽いよ。」

ヒュン!「そうなの?ちょっと持たせて。」「ほれ。」ひょい、ぱしっ。グン!「えっ?!」ズシイッ!「おおっと!」

『マリア?』ググググ・・「な・・なんなのこの重さ!まるでバーベルじゃない!」「え?おっかしーなー。」ひょい。

「え?」ブンブン。「あたしには麻幹のように軽いけど。」「・・どういう腕力よ。」「ああ、それはきっと呪いね。」

『呪い?』「本当のマスター以外の人に使われないよう、武器が自衛してるの。たとえば私の『ネンブツ』。

クレオ、はめてみて。」ひょい、ぱさっ。「いいの?んじゃ。」ごそごそ・・「・・あれ?小さくてはめられない・・

ナディアこんなに手ちいさかったっけ?」「大きいとはいわないけど普通よ。」ぱっ。「あ、ホントだ・・そっか、

手袋がはめられるのをイヤがってるわけか。はい、返すね。」「ゆえに武器の貸し借りはご法度よ。」キュイッ。

「そういえば次の対戦はナディアだったわね。」「ええ・・楽しいファイトになりそうね。」ゴキゴキゴキッ。

 

みなさんお待ちかね!第六回チャンプはイタリアの切り裂き魔。

ガンダリウム合金をもトウフのように切る妖刀のような蹴り技が

生身のナディアにさえも襲い掛かります。

だが今回は相手が悪すぎます。世界最高の暗殺者・魔人「ナイトメア」。

闇のバトルフィールドで悪夢を見ることになるのはいずれか?

次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第72話

「冥府魔道!悪魔と天使の間に」に、レディー、ゴーッ!

 

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第72話「冥府魔道!悪魔と天使の間に」

 

名出屋城。「さて、ビットリオ・ザ・リッパーか・・検索。」カタカタ・・ぱっ。「『ビットリオ・アルジェント。

第六回ガンダムファイト・ネオイタリア代表。元マフィアの殺し屋。ムエタイと思われる脚技を得意とし、

靴に仕込んだ刃物で判明しただけでも数十人を殺害。イタリア警察に逮捕されるも、政府との司法取引にて

ガンダムファイターとなり、その脚技で並み居る強豪を文字通り蹴散らしチャンピオンとなる。だが政府の

裏切りにより再び投獄されるも脱走、復讐に政府要人を次々と殺戮し政権を崩壊させ、最後は特殊部隊に包囲され

一斉射撃でハチの巣になって死亡。だが世論は彼を悲劇の英雄と捉え、その遺体はローマ郊外のカタコンベに

永久保存された』・・か。」ぷつっ。「偉大な殺し屋の先輩として尊敬すべきかしらね、シャドウ?」・・ボオッ。

『その必要はないだろう。資料によると根っからの殺人狂で、政府との取引きも公然と殺せるからだそうだ。』

「あら。じゃあ遠慮なくぶち殺せるわね。殺人狂なら、殺されるほうの心理も知らなくちゃ片手落ちだし。」

『ナイトメアの悪夢がまた見られそうだな。』「もちろん。相手に不足なし、パワー全開で遊ばせてもらうわ。

さてと、まずは前哨戦といきますか。」ガタッ。『来るか?』「来るわ、必ず。私の実力を見るためにね・・」

 

大戦艦ヴァルハラ。「ナディア・コープランド・・俺にふさわしい相手なのか?」「調べてみたけど、アルカナの

ダークサイドの仕事を一手に引き受ける職務にあるらしいわ。」「ほう、それは面白い。してその実力は?」

「それがまったく不明。前科はおろか経歴さえも巧妙に改ざんされてて、けっこう深くまで追ったんだけど、

わかったのはひとつの単語だけ・・ナイトメア。」「ナイトメア・・悪夢、か。」「情報が無いのはけっこう不利ね。」

「いや、術はある。無ければ作るまで。昔によくやった手だ。」「なるほど・・知り合いの暗殺組織を紹介するわ。」

 

旧上野駅。現在は広大な廃墟と化しているが、アナウンスや大勢の乗客のざわめき、電車の発着する音などが

夜な夜な聞こえるため、普段は誰も近づかない。カツーン・・カツーン・・「夜のほうがにぎやかなようね。

昼間は静かなこと・・」ぴくっ。「・・お待ちかね。」ザザザッ。「ナディア・コープランドだな。」「いいえ。」

『?!』くすっ。「ちょっとからかっただけよ。」ジャキジャキッ。「ベレッタM92Fか。装弾数も威力も文句なし。

しかもレーザーサイト付きとは、確実を期すプロのやり方ね。でもね。」ドキュドキュドキューン!ゴォォォ・・

「・・なにっ?!」カツッ。『私を殺したいなら、454カスール弾でも役不足よ。』「鎧だと!・・撃て!」

ドキュドキュドキューン!キキキィン!『いけないわね~。パニックで冷静な判断力を失うのはプロ失格よ・・』

フッ・・「消えた?!」「逃げたか!」【誰が逃げるって?かくれんぼよ。がんばって見つけてみなさい・・】

「・・二人一組で散れ。見つけたら即座に殺せ。」『うむ。』タタタタ・・ザッ。「さてさて、面白くなってきたわ。」

「ナディアとやら、なかなかできるようだな。」「賭ける?何人やられるか。」「全員だ。」「あら・・同意見なのね。」

 

タタタタ・・カラン。はっ!ズガガガガガッ!ゴォォォ・・「ちっ、ネズミか何かか。おい、あっちへ行くぞ。」

「・・・・」「?・・どうした。」ユラ・・どさっ!「なにっ?!」すっ・・ぴた。「?!」「あ、動いちゃダメよ。

いま首に当たってるのはカミソリ。ズパッと頚動脈いっちゃうわよ・・」「・・」ガクガク・・「さよなら。」

すいっ・・ピッ。「!」ビクビクウッ!「だいじょうぶ。噴出する血は手ぬぐいで吸い取ってるから・・」

ユラ・・どさっ。「スプラッタは下策なのよ。殺すときは静かにきれいに美しく・・」ぐっ。ポタポタ・・

 

「どこだ?」「あちらを捜してみよう。」「うむ。」ザッザッ・・すっ、ぐいっ!「!」「ネンブツ。」ズン!

ゴキゴキイッ!「・・なにっ?」ばっ!「おい、どこへいった!」タタタタッ、ザッ。「?!・・二つ折りに!」

すっ・・がしっ!「あ"っ?!」クイ、パシュッ!「花火屋さんで普通に売ってる爆竹。でもこうやると・・」

ぽい、ぱむっ!・・ズズゥンッ!「!・・」ぱっ、ぽわ~。・・どさっ!「OムとジェOーみたくはいかないか。」

 

ぎょっ!「今の音は?」「あっちのほうだ!」タタタタ・・「五間・・三間・・二間!」ばっ!「なにっ!」

「竹鉄砲!」パシュッ!ズドオオオーンッ!バゴオッ!「ばぐっ!」「う、わわわっ!」ズガガガガガッ!

「・・いない!」すっ・・わしっ!「なっ?!」「さあ、ちょっと見晴らしのいいとこへご案内♪」ぐいっ!

大アーケード上。ゴォォォ・・「いいながめでしょ。」「あ、わわわわ・・」「では、ばいちゃ♪」げしっ!

「わわわわっ!」トトトトッ。「やめてとめてやめてとめて!」バッ!「うわああああ~っ!・・」ゴキイッ!

 

「これであと一人だったわね・・?!」シュバアッ!「なっ!」ターン!ズバシャアッ!ガラガラガラ!

「これは・・なんて強力な衝撃波!」くるくるっ、ザシャッ!「もらった!」ジャキッ!「間に合わない!」

『エーテライト。』ピュルルルッ!ぎりぎりっ!「ながっ!」「えっ?・・あれは?」ザッ。「助太刀します。」

タン。キュィィィッ!ビーン!ざっ。「あがががが!」じたばた!「・・。」♪ピィーン。「!・・」がくっ。

ぐっ、キュィィィッ、ぱしっ。・・ドサッ!「いい腕ね・・あなたは?」「シオンと申します。」「ああ・・あの

真祖の一族の。」「たまたま観光に立ち寄ったのですが、状況を分析し判断した結果、助太刀が最適かと行動に。」

「さすが真祖の参謀ね。お礼をしたいからついてきて。」「礼などよいですが。」「等価交換が暗黒街のルールよ。

あとは・・」くるっ。「ビットリオ・アルジェント。腕試しならもうちょっと骨のあるのをよこしなさいね。

それと途中の茶々もルール違反だけど、腕のほどを垣間見れたからよしとするわ。じゃ、今晩ね。」カツカツ・・

 

シーン・・ザッ。「なかなか面白かった。」「手出ししないんじゃなかったの?」「そのつもりだったが、思わず

放ってしまった。」「あれはまずかったわね・・彼女に技を知られてしまったわよ。」「大勢に影響はないだろう。」

「あまいわ。昨今のガンダムファイターに同じ手は二度通じない。当時よりもレベルは格段に上がってるのよ。」

「軽い蹴りだけだ。あれが俺の全力ではない。」「そういう問題じゃないって・・ま、どうなっても知らないけど。」

 

30分後、名出屋城・情報局長オフィス。シャカシャカ・・コトン。「どうぞ。」「いただきます。」すっ・・くいっ。

「けっこうなお手前です。」ついっ、コトン。「へえ・・裏千家ね。お手本みたいに一分のスキもない作法よ。」

「知識としてはありましたが、実際にやるのは今回が初めてです。」「どうりでほんの少し、ぎこちないわけね。」

「・・なぜあのような挑発的な行動を?」「そうね・・基本的に揉め事が好きなのかも。」「世界有数の暗殺者、

ナイトメアの言動とも思えませんが。」「情報の解析があまいわよ。私は基本的に殺人狂だと見切れなかった?」

「単なる殺人狂だけではここまで到達できません。そう、高潔なポリシー・・いえ、美学を持たなければ。」

「誉め言葉と受け取っておくわ。・・で、日本滞在に支障はない?お礼といっちゃなんだけど、できるかぎり

便宜は図るわよ。」「では遠慮なく。ガンダムの整備拠点を置きたいのですが。」ふっ。「さすがに嗅ぎつけられたか。

BGF出場をにらんでるのね。」「そのとおりです。」「梁山泊では目立つわね・・うん、いい当てがあるわ。」

「錬金術師マルローネの魔空間ドック、ですね。」「なんだ、お見通しじゃない。もう交渉したんでしょ?」

「あっさり断られました。製造や改造は引き受けるけど、貸しドックまでやってないと。」「でしょうね。マリーは

そのへん頑固職人だから。わかった、私からうまく説得しておくわ。・・電話料金でなんとか折り合いつけるか。」

 

ガンダム長屋。ただいまお茶の時間。ドモン・半蔵夫妻とエリスとンドゥール。ナコたちと真蔵はお出かけ中。

「・・・・」「・・ンドゥールさん、悩み事があるようだが。」・・はっ。「い、いや、ちょっと考えておっただけだ。」

「よければ話してくださいませんか?一人で悩むより、みんなで考えたほうが道がみつかるかも。」「察するに彼の

尼僧に関することでござるか。」「暗黒街に名高き代行者、第七のシエル。アイドルというのは語弊があるけど、

それに近い人気者ではあるわね。」「宗教がらみでは必ず上がってくる名前です。前任者のアンデルセン神父も

かなりのものでしたが。」「その名は世界ジプシー情報網でも聞いたことがあります。原理主義者の間では悪魔の

ように恐れられているとか。」「問題はあのアステカ紋章だ。なぜンドゥールさんと同じなのか・・」「それに、

あのシエルっていわゆる西洋人じゃないわね。どことなく東洋の血・・いえ、中米の血が見てとれるわ。」

「もしや・・」「・・いかにも。シエルは私の娘だ。」ドヨッ!「やはり。」「けどどうしてカソリックに?」

「・・シエルは私と異なる道を選んだ。自らカソリックの中に入り、本当に倒すべき相手かを見きわめること、

そしてもしそうなら、内側から侵食し打倒する・・と。」「虎穴に入らずんば、か。」「ンドゥールさんはもちろん

反対したんですね。」「うむ。ミイラ取りがミイラになる可能性もあったしな。・・そして危惧は現実となった。

ミイラどころか墓守になってしまうとは・・」「どうもわからんな。そういう意図を持った者がどういう経緯で

そんなダークサイドに携わるようになったか。」「いや、拙者にはわかる気がする。暗黒面を見きわめるため

狂信者を装い、どんどん深みに入っていったのでござろう。もともとアステカの秘術を有しておったことも

一要因であるかもしれん。だが。」「いまだケツァルコトルの加護があるということは、根っから染まっては

いないということですね。」「使えるものは異教でも受け入れるカソリックの懐の深さを甘くみておった・・」

「そこにシエルさんの計算違いがあったんですね。でもそれでも今の職になじんでるようですけど?」

「もともとフレキシブルな性格だったからな、異教とはいえ自分の腕を認めてくれているので、熱心に職務を

務めているのだろう。」「それで顔を合わせたときに、お互い狼狽したのでござるな。」「で、どうなさるつもり?」

「それを考えておる・・いまさら再改宗させるは愚策、かといってこのまま放置しておくのも問題だ・・」

「これがファイターなら試合ででも決着をつけられるが、そうはいかんだろう。」「そうね・・かといって

闇ファイトは国際条約で禁止されてるし。」「バレたらどうなるんだ?」「レッドカード、出場停止処分よ。」

 

ガチャン!「たく!・・まあ電話代タダなら割りは合うか。」「と、いうわけでスジを通しました。」「はいはい。

となると、ドック増設しなきゃね。えっと・・」ごそごそ・・ぱらっ。「あった。」「・・魔法陣?」「触媒よ。」

ゴォォォ・・「ん~、このへんでいいかな?」「よくわかりませんのでおまかせします。」「じゃあここね。ドックは

6つと・・うんにゃ、ついでだから10個くらいまとめて作っとこ。」ヒュヒュッ、ぺたぺたっ。「10個と。」

すっ、ぴたっ。「手を地面に?」「・・ジェネシス!」カアッ!・・ズゴゴゴゴゴッ!「なっ!・・地面から!」

ズズズズズ!・・すっ。「はい、できあがり。建造したてのホヤホヤよーん。」「・・もしや、空想具現化?」

「企業ヒミツとゆーことでよろしく。さ、お茶にしましょ♪」スタスタ・・「解析不能な方です・・ん?」ぴたっ。

ゴォォォ・・「・・あの高層ビルは?」「ああ、あれ?マイガンダムのドックよ。」「マルローネのガンダム・・

なぜあれほどの高さが。」「・・見て、みたい?」「・・できるならば。」「じゃあちびっとだけ。」めくりっ。

「腕時計?」「ウォルサム・フリーメーソン。時価200万円・・のバッタもん。外だけ似せたお手製よ。」ピッ♪

シュイッ。「アンテナが?」「ドック開放。」・・ゴゴゴゴゴ!「・・あれが!」「錬金術師をなめんなよ♪」

 

温泉旅館「夢十夜」。ガチャ。「ただいま・・」「お帰りなさいシオン。珍しく遅くまでふらついてたものね?」

「マルローネと交渉が成立しました。ガンダムドックが使えます。」「じゃあガンダムの置き場所が決まったんだ。」

「あっはー♪さっそくお城から持ってきませんとね。」「では明日にでも・・シオン様、何かございましたか?」

『え?』「言動が少し虚ろです。普段のシオン様にはありえないことですが。」「・・未知の経験をしたもので。」

「シオンさんの未知の経験・・えっちとか?」どすどすどすっ!(黒衣聖母)「ゲスな邪推は美しくないですよ。」

「な・・なんでシエルがまだいるのよー!」どくどく!(大流血)「しょうがないじゃん。いっしょにいれば

とりあえず手は出さないって約束だし。」「・・おもいっきり剣山にされましたけど~。」だらだら。「そのくらい

手出しのうちにも入りませんわ。」「あたしは不死身じゃないです!」「だからそろそろ血止めしないとホントに

死んじゃいますよー♪」「あ・・」くらぁっ・・がしっ。「すぐに輸血・救命措置に入ります。」ずるずる・・

「で、話を戻すけど、何があったの?」「・・マルローネのガンダムを見ました。」『ほう。』「あのマルローネの

機体となれば、さぞや凝った造りでしょうね。」「どんなんですかー?同じガンダムスミスとして、とっても

興味がありますねー。」「ちなみにスミスとは達人のことです。」「・・あんなガンダムは初めて見ました。従来の

どんなガンダムとも異なる、いえ、そもそも基本コンセプト自体が間違ってます・・」「・・基本がちがう?」

「ひとつだけ言えるのは、そのガンダムでファイトはできません。しかし戦えば確実に史上最強でしょう。」

「・・よくわかりませんわね。」「軍事タイプですかねー?それならビーム兵器やなんやらで銃撃戦で」

「いえ、しいていうなら、歩く城塞・・とでも形容すべきでしょうか。」『城塞?』「空にそびえるくろがねの城♪

ですかね?」「なんでシエルが知ってんのよ。」「あら、ネオイタリアでは人気でしたよ。」「話を混ぜかえさないで

ください!・・面白そうですわね。機会があればぜひ見てみたいですわ。」「・・」ふぁぁ~。(退屈なレン)

 

深夜・高田馬場。「・・来たわね。」・・ズシンズシン、ズン。パシュ、タッ。「早かったな。」「時間厳守は業界人の

基本よ。それが名だたる『ガンダム・ザ・リッパー』ね。」「ほう・・当時の忌み名をよく知ってるな。懐かしい。」

「うちのガンダムも紹介しておくわ。」ぴっ。「む?・・おお!」ズオオオ・・「暗殺仕様・ガンダムナイトメア。

あなたの時代よりも光学迷彩の性能は向上してるから気をつけてね。」「むう・・これは楽しめそうだ。では。」

くるっ、スパッ。「始めましょうか。」ぐっ、ターン・・スパッ。『ガンダムファイト!レディー、ゴー!』

「チャージ。」グッ、ボォォォ・・「脚部が光る・・ネオイタリア伝統のサテリコン光線兵器ね。」「そのとおり。

サテリコン・スラッシャー!」シュバアッ!「よっと。」すっ、ズバシャアアアーッ!「それで?もう見切ってるわ。」

「そうかな?トーネード・ブレード!」シュババババッ!「無数のビーム刃?!着装!」【イエス・マスター。】

ジャキッ!ズバシャアアアーン!「くうっ!・・なんてパワー!」「スキあり!」ダッ!ビュッ!ドガアアアーン!

「ぐっ!」「いかに強力なメイルでも強い衝撃は通る。デッドリー・ヒール!」くるっ、ドオンッ!「がはっ!」

ズガガガガーッ!・・「く・・解除。」パシパシパシッ。むくっ・・ザン。「さすがに世界を征した蹴り技ね・・」

ツゥ・・ぷっ。「ならばこちらも現役の力をお見せするわ。」「見せてもらおうか。はっ!」シュバババッ!

「・・。」スゥ・・スカカカカッ!「光学迷彩か。ならば・・」すっ・・【無駄な動きを止めて気配を探るか・・

きわめて正解ね。】「・・そこだ!」ドンッ!ズバシャアッ!「うあっ!」ユラ・・ドドオンッ!「まっぷたつか。」

ズンズン・・ぴたっ。「これは!・・」「そのとおり、忍法・空蝉の術。」はっ!すっ・・ぴたっ。「・・やるな。

後ろをとられたか。ひとつ聞こう、なぜ声をかけた?」「これはファイトだからよ。黙って殺られちゃ無念でしょ?」

「ファイターとしては見事だが、暗殺者としては失格だな!」ダン!グン!ズバシャアッ!「なっ!・・後ろ蹴り!」

「俺の蹴りに後方は無い。即座に倒すべきだったな・・」「そうするわ。」ぎょっ!「バイアン!」キュピィン♪

ズドッ!「が!・・」・・ボオッ。「・・」「空蝉はひとつとは限らない。あなたが切ったのはどちらも代わり身よ。」

「・・見事だ。俺はもう時代遅れだな・・」「その魂は私が受け継ぎます。・・暗殺者・ナイトメアが。」ズボッ!

「安心して地獄に戻ってくださいね、偉大なる先輩・・」「ああ・・待ってるぞ・・」ユラ・・ドドオンッ!

 

「さすが世界最高の暗殺者・ナイトメアですね。」「やるわねー。ああいう相手も楽しそうね。」「うちの機関でも

ナイトメアの名は恐怖とともに語られますが、それだけの実力を確認できて満足です。」「いずれBGFとやらで

存分に闘ってみたいですわね。」「そのBGFですが、いつから始まるんですかー?」「聞いた話では現在のバトルが

一段落した時点で、公式発表するそうです。」「となると、あと3回ですね。」「今から楽しみです。」「・・。」

 

次の日、名出屋城・情報局長室。「ふあぁぁ~っ。寝不足はつらいわ・・?」♪ポーン。「どなた?」『やほ。』

「ヨーコ?どうぞ。」カチャカチャッ、パシュッ。「あいかわらず厳重な戸締りだね。」「基本よ・・で、なに?」

「いつもの昼寝。」「はいはい。縁側どうぞ。」「しっつれ~♪」ガラッ。コーン♪・・サラサラ・・「これこれ。

都会の喧騒の中の静寂空間。他の部屋じゃ雑音多いからね。」「遮蔽は完璧、戦争あっても気づかないわよ。」

「ナディアもいっしょにどう?」「仕事があるから・・なっ?!」わしっ、ぐいっ!「ボケた頭でやったって

無駄な殉職者を増やすだけでしょ。さ、寝よねよ。」「そりゃそうだけど・・たく、ヨーコにはかなわないな。」

 

コーン♪サラサラ・・・「くか~・・」「す~・・」「・・。」むくっ。じーっ・・ふっ。「寝顔は天使なんだよね・・」

 

 

みなさんお待ちかね!第七回チャンプは伝説のゲルマン忍者。

マスターアジアとの再会。あのときの約束を果たすため。

だが禁断のアブドメンビームを解き放つDG細胞。

忍びの誇りを賭けて、くノ一・楓は最強の忍に挑みます!

次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第73話

「正義は勝つ!疾風のくノ一」に、レディー、ゴーッ!

 

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第73話「正義は勝つ!疾風のくノ一」

 

ガンダム長屋・半蔵家。カタカタ・・「ありましたよ母上、ウォルフ・ハインリッヒのデータが。」「どれどれ・・

なにこれ、とおりいっぺんのプロフィールだけじゃない。もっとおいしい情報ないの?」「ならば伊賀忍群

データベースを検索してみましょう。」「そんなものがあったのか?」「真蔵が若い忍びたちと立ち上げてるとは

聞いてたけど、もう使えるの?」「膨大なデータインプットがようやく終了しましたので・・ありました。」

「どれ・・ほう、画像付きか。」「忍者もIT化してきたわね・・ん?」ぐっ。「・・マスターアジアとの関係?」

「第七回大会で接触があったようですね。」「あの大会はのちに巨大武装組織の暗躍が発覚したが、そのときの

ネオドイツ統合政府の処断は壮絶だったそうだな。」「はい。組織に加担した各国要人が次々と逮捕され、

監獄惑星タイタンに島流しにされました。そのとき活躍したのが、ウォルフ率いるゲルマン忍群です。」

「その立役者たるウォルフはのちのコロニー戦争で戦死した・・か。」「ネオイングランド軍精鋭部隊と単機で戦い、

忍法タンジンの術で自分ごと吹き飛ばしたそうです。」「むう・・忍びとして望みうる最高の散りざまでござるな。」

「あれ?それじゃどうやってDG転生させたの?」「ネオドイツ国立研究所の遺伝子サンプルが強奪されました。」

「楓、自信のほどはいかに。」「こっちもシロウトじゃないわ。第七回大会の記録はチェック済み。じゅうぶんに

自分の実力との比較はできてる・・我に勝算あり。」「母上は今も伊賀最強のくノ一『不知火の楓』です。」

「それはよく承知しておるが・・」「唯一にして最大の不覚が、このゴクツブシにのろけちゃったことかしらね~。」

 

大戦艦ヴァルハラ。「ほう、伊賀くノ一か。これは楽しみだ。」「ファイターじゃないから公表されてるデータが

ほとんど無いのよね。いろいろ調べてわかったのは、服部半蔵の妻で、18になる子供がいるということだけ。」

「となると、かなりの歳ということか。」「それがね・・これが隠し撮りした写真。」ぱっ。「む?・・人違いでは?

こんなに若くないはずだが。」「そう、どう見ても30前後。若造りなのか、それとも・・」「・・実に興味深いな。」

「カイザーの整備は終わってるわ。ご要望のものも取り付けたけど・・よくあんなもの付ける気になったわね。」

「たしかに以前の私なら見向きもしなかったろう。だが、あの時代を象徴するアレを抜かすわけにはいかぬな。」

「まあ、それなりに有効な道具ではあるけどね。」「それもある・・さて、私は人に会う予定があるので出かける。」

「なんですって?!」「こればかりはエルフィール殿であろうとも譲れぬ。そう・・約束だ。」「誰と会うのよ!」

「貴女もよく知る人物だ。では。」シュッ。「あっ!・・たく、精神力が強いのかDG細胞の支配がいまいちね~。」

 

梁山泊・ガンダムハンガー。ガガガガ!「コーガの改装は終わったぜ。」「早い・・アーサ班長、感謝します。」

「さすが実戦をくぐりぬけた腕はちがいますね。」「なーに、コンパチだったから簡単だったよ・・」ちらっ、ぽっ・・

「♪・・真蔵。」こく。「これはほんのお礼です。」すっ・・ちゅっ。「?!」かあっ!くらっ・・「おっと。」ぱしっ。

「Aだけでこんなに効くとは、自分が情けねえや・・」「僕はそういう方のほうが好きですよ。」「う・・」ぽっ。

「ふふっ、あの手で私も亭主にやられたんだっけか。まあ理性のある息子でよかったけどね。さてと。」パシュッ。

ピッピッ♪「パーソナルデータ、アップロードよし。これでコーガは私の分身・シラヌイガンダムとなったわ。」

「母上、見たところ武装がないようですけど。」「もとからないのよ。私の戦い方に武器などいらないの。さ、

レディーの着替えを見たいの?」「あ・・失礼しました。」ぽっ。くるっ。「息子に見られて困るもんじゃないけどね。

MTS起動。」ギュルルル・・ギシィッ。「ふうっ!・・主婦生活が腰まわりにちょっと付いたかな~。」むにむに。

 

茶房「五月雨亭」。コポコポ・・カタン。「・・む。」ぴくっ。「・・この気は。」カツッ。「同席してよろしいかな。」

「よかろう。」ストッ。「久しいな、シュウジ・クロス。」「ウォルフ・ハインリッヒ・・そうか、DG細胞か。」

ボオッ。「それがキング・オブ・ハートの紋章か。シュウジがそれを持つまでに・・私の目に狂いはなかった。」

「で、魔の者として転生してまで何を求める。」「私が求めたわけではないが、渡りに船だったことは事実。

シュウジ、いやさ東方不敗マスターアジア。あのときの決着をつけよう。」「望むところ。では河岸を変えようぞ。」

 

「今日は別のブティックでも覗いてみましょうか・・あら?」ガラガラ・・「あれはシュウジ、そして・・なるほど。」

キラリ。「これは面白そうですわ。見逃す手はなし・・」フッ・・すたっ。「上から追えば見失うことはないわね。」

 

旧霞ヶ関。ザッ。「ここならよかろう。では。」「始めるか。」ザザッ!「はあっ!」ダン!「むん!」バシーン!

「見事!これを受けるとは。」「むう・・DG細胞パワーも上乗せされておるか。」ジィ~ン。「こちらの番だ!

でやあああーっ!」ババババッ!「はいはいはいっ!」パパパパン!「よく受ける。だが!」ドンッ!

「むっ?!」ズドオオオーン!「むおおおおーっ!」ザザザザーッ!ゴォォォ・・「・・これほどとはな。」

「今のをまともに受けて無事とは・・やはりバケモノじゃな。」「だがお前なら倒せる・・な?」「造作もない。」

 

「ふふ・・シュウジもやるようになりましたわ。それでこそ東方不敗の名を継ぐにふさわしい腕・・」

 

ぴくっ。「どうやら余計な目があるようだな。」「気にせずともよい。身内じゃしの。」「私は気になる。そこの、

デバカメは迷惑だ。」『あら、気づかれてましたのね。』ヒュッ、すたっ。「なら堂々と観戦させていただきますわ。」

「やはりアキハか。」「シュウジ、腕を上げましたわね。師の一人として嬉しいですわ。」「ほう、ならばそなたが

伝説の真祖の一族か。これは僥倖、卒時ながら一手所望。」「なにいっ!ウォルフ、それは」「よろしいですわ。」

「おいっ!」「感謝する。」「正直、わたくしもウズウズしていたところ・・願ってもない申し出ですわ。しかも

DGファイターならお咎めなしだし。」「あっても殺る気まんまんじゃろが。ウォルフ、悪いことはいわん。

アキハだけはやめておけ。」「いざ、参る!(聞いてない)」「おいでなさい・・(聞く耳持たず)」ザワザワ・・

「はあっ!」ビュッ!「ふっ。」バシイイイーン!「直撃!」「してませんわよ。」「・・なにっ?!」ピキピキ・・

「・・赤い気壁?!」「この黒・・いえ、紅の髪より発する気がわたくしの武器ですわ。」ズォォォ・・「おおっ!

髪が真っ赤に!」「始まりおった・・アキハの真紅の地獄が。」「ではまいりますわよ。落鶴狩!」ブワアアッ!

「おっと。」トトトッ、ズドドドッ!「気の槍か。だがこの程度。連打!」ドドドッ!「檻髪。」ボオッ、パキキン!

「紅穽!」すっ、ボボボッ。「なんだ?地面に赤い円が・・」トン。ボオオーンッ!「うおおっ!」「そう、それは

気の地雷。触れれば赤死気が噴出し、気力を奪いますわ。」「むう・・これが真祖の一族の力か。」「いいえ、

こんなものじゃないですわよ。本当の力とは・・」ゴオオオオ!「いかん!アキハめ、あの技を使う気か!」

「赤死気・冥導波!」ズゴゴゴオオオーッ!「なんと?!巨大な気の嵐!」「これでおしまいですわ!」

「滅殺・マスターブリンガー!」ヒュゴオオオーッ!「はっ?」「なに?・・シュウジ?!」ゴオオオオーッ!

「むうううーっ!」ゴォォォ・・「ふう・・勝負あった。これくらいにしておけ、アキハ。」「そうですわね、少し

熱くなりすぎたようですわ。」スゥゥ・・「シュウジ、止めた代償におつきあいねがいますわ。」「しかたなかろう。

ウォルフ、これで失礼する。」「あ、ああ・・」「ではいきましょうか。」「うむ・・ウォルフ、何をする気が知らぬが、

迷わず成仏せいよ。」ザッザッ・・『 荷物持ちよろしくね。』『だろうと思ったわい。』「・・恐るべし、真祖の一族。」

 

旧浅草・雷門前。「寅さんの故郷も今は廃墟か・・」「復興の手もいまだ及ばず・・来おったぞ。」・・シャッ。

「カイザーガンダム、見参。」「ようこそ、伝説の忍者チャンプ。」「そなたが服部楓か。」「いいえ、いくさ場では

こう呼んでいただきたいですわ・・伊賀最強のくノ一『不知火』と。」「ふっ、よい名と気迫だ。ならばいくぞ後輩。」

「胸をお借りいたしますわ、大先輩・・では!」シャシャッ!スパッ。『ガンダムファイト!レディー、ゴー!』

シャシャシャッ!「メッサーグランツ!」ヒュバババッ!「おぼろ分身。」ユラッ・・スカカカッ。「消えたか・・!」

ボオッ。「はあっ!」「抜刀!」シャッ!カキイイーン!ギギギギ!「・・素手だと?」「伊賀忍法・鉄甲手。

特殊な鍛錬によって手足を強靭な武器と化す秘術よ。」「なるほど、無武装なわけだ・・だが!」キィン!

ばばっ!「それでは刀と比べてリーチも足りるまい!」ビュッ!「不知火の名の由来をご存知?」フッ・・スカッ。

「なっ?・・ぐっ!」ドオンッ!・・ボオッ。「それはね、見切りが得意だから・・」ぐっ、ズボッ。・・ドサアッ!

 

「意外とあっさり決まったの。さすが楓・・むっ!」「はっ!」ばばっ!ビュッ!スカッ!「・・確かによくかわす。」

ユラァ・・「バカな?!」「胴体を貫いたはず・・DG細胞か!」ピキピキ・・「そのとおり。よっていかなる攻撃も

通じぬぞ。そして!」バシャッ!「ビーム砲だと?」ボボボォッ!「くっ!」パシパシッ!「・・なんともない?」

「さあ、もう一度打ってみろ。」「・・じゃ、遠慮なく!」ダッ!「・・いかん、誘いに乗るな!」ドオンッ!

「ふっ。」グシャアッ!「なっ!・・」「やはり!・・」ピキピキピキッ!「うああああーっ!」ガクッ!

「腕が砕けたフィードバックの味はいかがかな?」「く・・アブドメンビーム!」「そのとおり。第七回大会で

猛威をふるった禁断の兵器だ。」「むう・・あれを受けてはいかな楓の技とて、脆くなった装甲が耐えられるはずも

ない。忍びに卑劣は無いが、まさかあのウォルフが使うとは!」「・・DG細胞ってコワいよね。」ググッ・・ザッ!

「そのダメージでまだ立つか。だが勝ち目のない戦いは忍び失格だぞ。」「そのとおり・・勝ち目があるからよ。」

「もはや鉄甲手の使えぬ貴様にどんな手がある!とどめだ!」ビュオッ!「・・!」フッ・・がしっ!

「なにっ?背後を!」「とおっ!」グン!「なあっ!・・」ズドオオオーン!「おおっ!ジャーマンスープレックス!」

「これなら装甲は関係ないでしょ?」くるっ、ザザッ。「楓、DGファイターはその程度では倒せぬぞ。」

「わかってる。よいしょっと!」グッ!「なにっ!」グワアッ!「せーの!」ダーン!・・「あの技は!」

「ひーっさつ!ワンハンド・マッスルスパーク!」ズドオオオーン!「うがはあっ!」ゴキゴキィッ!

「片手なぶん、かえって破壊力は増してるわ・・成仏。」ぱっ、ユラ・・ドドオンッ!「決まった、な・・楓、

始末を。」「はい、あなた。ナパーム爆雷。」ぽい、ボオオオーン!メラメラメラ!「南無・・」すっ・・

 

雷門上。「『正義の不知火』・・まさかプロレス技とはね。」「プロレス技は意外と有効ですよ。普通は受け身を

とれるよう放ちますが、ちょっといじればすぐ殺人技になります。」「プロレスラーは受け身が大事というのが

よくわかりましたわ。」「これで残るエターナル・チャンピオンは二人ですね。」「あれ?ひとりじゃないんですか?」

「Gの狙撃者の勘定のことですね。」「なにをいまさら。正体バレバレじゃないですかー。」「そうなんですか?」

「最強の三連覇チャンプを抜かすわけないでしょ。でも・・」「なぜGの狙撃者などと名乗っているか、ですね。」

「前回大会でグランドガンダムもろとも爆死したはずですわね。」「・・はたしてあれは本人だったのでしょうか。」

「・・?」くい。「ん?レン、なに?」すっ。「・・あっ、あそこに誰かいますわよ。」「一人・・いえ、二人。

一人は車椅子のようですね。」「・・そうか、なるほどね。」「やっぱり二人ペアじゃないとウソですよねー。」

 

「・・ふふふふ。あのウォルフすら敗れたか。」「アルカナ同盟、けっこう強いですわね。」「ならばこそ面白い。

ではヴァルハラへ戻ろう。」「はい、あなた。」カラカラ・・『「皇帝の鉄槌」、いや、クワトロ・アレクサンドラ。

あのときの決着をつけようぞ・・』「そうですね・・なにせあなたが初めて敗れた相手ですから・・』

 

ガンダム長屋。・・シュタッ。「お帰りなさい。」「うむ。」「ただいま。あー疲れた。ひさびさに身体を動かしたわ。」

「お風呂とご飯、どちらも用意してありますよ。」「じゃ、お風呂。」「ではワシは先に食事を済ませ・・なにっ?!」

ぬぎぬぎ。「ちょっ、母上!」「なに?」「着替えは脱衣所でせぬか!」「いーじゃん、家族だし。それにここなら

洗濯機まで直行よん。」ばさばさっ。「そんじゃ♪」パタン。「・・ファイトのせいか、性格が結婚前に戻ったか。」

「母上って、あんなんだったんですか?」「うむ、きわめてませててな。それで・・」「13でボクを産んだと。

よく問題になりませんでしたね。」「なったとも。だが本人のたっての希望もあって、そのまま結婚したわけだ。」

「中絶されなくてよかった。」「そんなことしたら、ワシが楓に殺されておるわ。」「親の教訓は学びませんとね・・」

 

 

みなさんお待ちかね!ネオロシアの悲劇の英雄がよみがえります。

コマンドサンボひとつで世界の頂点に立った若者とその壮絶な最期。

ナスターシャは英雄への敬意を胸に、リングに立ちます。

そう、英雄の名を汚さぬため、自らの手で葬る決意に満ちて。

次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第74話

「ダスビダーニャ!眠れ同志よ」に、レディー、ゴーッ!

 

 

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第74話「ダスビダーニャ!眠れ同志よ」

 

海賊戦艦ゴルビーⅣ。「・・ネオロシアの英雄か。」「スキレイ・ジリノスフ。さすがに俺も知っている。いや、

ネオロシアに生まれた者なら誰でもだ。」「小学校の教科書に載ってるくらいだものね。マルクス・レーニン・

スターリンを知らぬ世代でも、その名だけは知っているわ。」「短く、だが劇的な人生だったからな・・だが

ナスターシャ、リングに上がればそういうことはどうでもいいことだ。あるのは目の前の相手と自分のみだ。」

「わかってるわ。それに・・英雄だからこそ、私はDG転生など認めない。彼の名誉と誇りを守るためにも、

必ず葬ってみせる!」ぱしっ!「うむ、その意気だ。では始めるぞ。」「ええ。」すっ、がしっ!メキメキ・・

「さすがね・・」「力ではない。全ては身体の柔らかさと体軸の回転にサンボの奥義はある。こうだ。」

クリッ、グン!「なっ!」ブオッ!ダダーン!「くうっ!」「わかったと思うが、今の投げはまったく力を

使っていない。いや、使う必要はない。次はやってみせろ。」がしっ!「手首と・・回転!」クリッ、グン!

「相手の力だけを利用しろ。」「こう!」ブオオオッ!ズドオオオーン!「みごとだ。次は関節技の練習だ。」

 

大戦艦ヴァルハラ。「なんだ、俺の相手は女かよ。」「ただの女じゃないわ。ナスターシャ・ガルスキー。

現役の女宇宙海賊。土星シンジケートと単独で互角に渡り合う女丈夫よ。また旦那は現ブラック・ジョーカー。

まさに太陽系最強の夫婦善哉ね。」「なんだそりゃ。ま、そこまでいうなら、ちょっくら挨拶でもしてくるか。」

「殴り込みの間違いじゃないの?」「闘うに値しないなら、そうなるかもな。んじゃ、行ってくら。」つかつか。

「ちょっと待ちなさいよ!責任者の私も行くから。」「デートなら歓迎だぜ。ちょっと外見年齢に問題あるがな。」

「これでもわたしはハタチよ!」「そうか?なら栄養がみんな脳みそに行っちまったようだな。」むかあっ!

「ぶっ殺すぞてめえ!」「いっぺん死んだけど?」「もう一回死んでこい!いけ、デスアーミィ!」ズシーン!

「おっ、ザクかい?にしては赤くねえな。」「いつの話よ!攻撃開始!」ズシンズシン!「へへっ・・!」シャッ。

がしっ。「せーの!」グン!ズドシャアアアーン!「なっ?!・・ぶん投げた!」「まだまだ。」ぐっ。「よいしょ。」

ボキッ!「右足もいっとくか。」ゴキイッ!「仕上げは頭だな。」がしっ、グン!ゴキゴキイッ!「おしまい。」

「・・いとも簡単に関節を。」「なーに、タイミングさえ合えば子供でもできるさ。」「・・さすがチャンプね。」

「すぐに戻ってくるさ。晩メシを作って待っててくれな♪」ぽっ・・ぶるぶるぶる!「な、何様のつもりよ・・」

 

ネオ浅草。「あっはー♪お買いものおかいもの~♪」「・・姉さん、街中ではっちゃけないでください。」

「だって翡翠ちゃん、姉妹仲良くお買い物ですよー。これがはっちゃけずにいられますかー♪」「・・で、何を

買うのでしたっけ。」「そりゃもちろん、怪しいクスリのお材料ですよー。」「怪しいクスリって何ですか・・」

「さあ、マリーちゃんのお店へれっつ・・」ぴたっ。「・・姉さん?」・・カツカツ。すっ。「ちょいとそこゆく

おにーさん。」ぴたっ。「オレのことか?」「あなたひょっとしてDGファイターですよね、ですよね!」ずいっ!

「ま、まあそうだけどよ・・」たじっ。「お願いぷりーづ♪ レッツ・バトル!」「はあ?」「姉さん?!」

「あっはー♪ ここんとこヒマなので身体がなまってたんですよー。DGファイターなら遠慮なし全力フルパワーで

バトれますからねー。」「・・おい、なんだこりゃ?」「・・特別天然記念物みたいなものですので、どうぞ穏便に。」

「ま、いーけどよ・・けどやるなら骨や関節が痛くても泣くなよ。」ぴっ。「それはこちらのセリフですよー♪」

 

丸の内廃墟。ザッ。「ここらでいいんじゃねえか。」「そうですねー。では・・」きらーん。フッ・・「なに?」

ボオッ!「うおっ!」ヒュッ!「ちいっ!」グン!バリリリッ!タタタン!ザザザーッ!「おしかったですねー♪」

「・・ホウキだと?」「ただの竹ボウキありまセーン。先端を鋭利にしてるので、スダレ切りになりますよー。」

「・・それ以前に、どこに愛用のホウキを携帯していたのかが問題ですが。」「翡翠ちゃん、そんなこまかいことは

どうでもいいって教えましたよー。」「今はじめて聞きました。」「へっ、ただのヘンなお嬢さんでないってことか。

だが俺のスピードを捉えきれるかな?」シャッ!・・ガキイッ!「とったぜ!・・なに?」ちくちく。「いたたた!」

ばっ!「な、なんでサボテンが?」『琥珀忍法・変わり身サボテンの術ですよー♪』ぎくっ!「ど、どこに?」

「ここですよー。」はっ!「・・上だと!」バサササッ!「いつの間にマントを?」「あっはー♪爆撃ですよー。」

ヒュルルル・・ドカドカドカーン!「ちいっ!」バサササッ、コン、ぱしっ。「秘剣・伯耆安綱!」チキッ、

シュピィィーン!「仕込み?!」・・パチン。「・・決まりましたね。」「あー楽しかった。行きましょ翡翠ちゃん♪」

「はい姉さん。」つかつか。「・・あ、おい、待て!」「・・あ、忘れてましたー。あなたもう死んでるアルよ♪」

「なにをバカな・・?!」バシュウウーッ!「なにっ!」「袈裟懸けの一閃です。ただし、切りきってはいないので

自己修復は可能です。」「お相手してくれたお礼ですよー。」「今夜のファイトには間に合いますのでご安心を。」

カツカツ・・「くっ!・・名前だけでも教えておけ。」『初代ブラック・ジョーカーの琥珀さんでーす。』『同じく

初代クラブ・エース、翡翠・・』「・・ドジったな。あの真祖の一族だったとはな・・命があっただけいいか。」

 

ガンダム長屋。「たのもう。」「はーい。・・あら、ナスターシャ。」「スパーリングを頼みたい。」「あいにくドモンは

出かけてるけど・・」「いや、私が求めてるのはレイン、お前だ。」ビュン。「えっ?」「そう、『破滅の流星』の

実力こそ、今の私に必要なものだ。」「・・いいでしょう。」・・ギン!「『静かなる隠者』ならば相手にとって

不足なし。ひさびさに思う存分、やらせてもらいましょうか。」「ふふ・・いい目だ。で、どこでやる?」

「裏の空き地じゃ狭すぎるわね・・ついてきて。」ターン・・スタッ。「ほう・・いつの間にあれだけの軽気功を。

ま、私も人のことはいえないが。」シャッ!・・タン。「ちゃんと鍛えてたのね。」「自覚くらいはしている。」

 

六本木。ヒュン・・ドガアアアーン!「くっ!」ザザーッ!「どうしたの?あなたの実力はその程度なの?」

「まだまだ。思ったより強いのでちょっとびっくりしただけだ!」ダッ!「いくぞ、ディザ・スター!」ゴオッ!

「どうぞいらっしゃい、サイレント・ハーミット!」『はああああーっ!』カアッ!・・ズガガガガーン!

 

某所・・ピクン。「姫、いかがなされました?」「・・ファイブカードの闘気を感じます。どうやら『隠者』が

目覚めたかと。」こく。「・・・・」シャッ、パサパサッ。「『星』と『隠者』ですか・・すごい組み合わせですね。」

「アルカナの戦士たちも順調に立ち上がってきてます・・そろそろ私たちも潮時ですか。」「ご無理をなさらずに。

いまだ姫がお立ちになる時節ではございませぬ。」「まもなく始まるBGFにより、デビル軍団に対抗できるだけの

量と質が整います。そのときこそ。」「・・・・」「はい・・正直、私は飽いています。」すっ、カツカツ・・バタン。

ゴォォォ・・「この塔で雌伏することに。そしてこのような過剰な警備に。」ワァワァ・・「とはいえ、十二神将を

責めるつもりはありません。彼らはよく務めをはたしてくれています。ただ・・」すっ。「まだ自分で自分を

制御できる自信がないのは事実です。」キィィィ・・キュドオオオーン!・・カアッ!ズズズズ・・「こうして

たまに溜まった力を解放せねば、暴発しそうなくらいに・・」「あと一歩です。いま少しのご辛抱を・・」

 

ガンダム長屋・夕刻。ガラガラ。「ただいま・・」「レイン、どこへ・・?!」ヨロヨロ・・「遅くなったわ・・

すぐに晩御飯にするか・・」グラッ・・「レイン!」がしっ!「・・これはいったい?!」「ふ・・ちょっと

アツくなりすぎちゃった・・」「このダメージは・・サブミッション?待ってろ、例の薬を付けてやる。」

ぬりぬり・・シュゥゥ~。「すごい・・腫れた関節がみるみる治っていく。」「・・さすがマリーの霊薬ね。」

むくっ。「レイン、いったい何があったんだ。」「・・悪いけど、今はまだ話せないの。でもいずれは・・」

「・・わかった。レインを信じよう。」「そんなに遠くないわ・・すぐ、そう・・すぐだから。」「すぐ?・・」

 

その夜・旧明治神宮。ゴォォォ・・「・・きたか。」・・ズシーン。「コサックガンダム・・」パシュッ、たっ。

「あんたがオレの相手かい。」「ええ・・『極光のスキレイ』。」ふっ。「なつかしいな・・その名で呼ばれたのは。」

「ネオロシアに生を受けたものとして、あなたの伝説を守ります。」「いいだろう、それだけの腕があるならばな。」

「まいります!ガンダアアアームッ!」パチン!ギン!ドドドド・・「おお、いいガンダムだねえ。燃えるぜ。」

『ガンダムファイト!レディー、ゴー!』「いきなりいってみようかい。」シャッ!・・がしっ!「右腕いただき!」

グン!するっ。「なにっ?」ぐいっ、ゴキイッ!「ちっ!」バン!ザザザーッ!・・「いい動きだねえ・・まったく

見えなかったぜ。」ぶらぶら・・「左手首、いただきました。」「あ、これか。よいしょっと。」ぐりっ、コキン!

ぶんぶん。「こういうときにDG細胞って便利だよな。」「・・自己修復機能。」「悪く思うなよ、それもこれも

ファイトを楽しむためだからよ。」「別に。・・頚骨を砕けばいいこと。」「そういうこった・・お互いにな。」

ジリッ・・ダッ!「上はもらうぜ!」「そうはいかん!」バン!「うおっとお!」ダダーン!・・ドン!

「いててて・・飛び箱の要領で突き落としか。やるやる。」「マウントポジションはもらったよ。」「そうかな?」

グン!「なにっ?!」がしいっ!ギリギリ・・「く・・レッグシザーズ!」「ちょーっとポジションが上過ぎたな。

よっと!」グイッ!「フットをとらせるか!」グン!「やっぱ浮いたな・・待ってたぜ!」グイン!バシーン!

「ぐっ!・・」「よっこらせ!」がしっ!「まだ!」ガクン!ギリギリ・・「腕ひしぎを止めたのは見事だぜ。

だが全体重をかけてるオレを、腕だけで支えきれるかい?」グググ・・「・・私とて、伊達にアルカナの紋章を

有しているわけではない!はああああーっ!」ギーン!「なんだ?!・・ガンダムが金色に!」ギギギギ・・

「・・そんな、バカな!」ふわっ・・「おおおおおーっ!」ダン!「オレを腕に巻いたまま・・立ちやがった!」

「でええええーいっ!」ブン!ズドオオオオーン!「ぐおはあっ!」ばばっ、ガキイッ!「ぐうっ!・・」

「・・ダスビダーニャ、タワリシチ(さらば同志)。・・はあっ!」ゴキイッ!「が!・・スパシーバ(ありがとう)。」

ハッ?!ピッ。・・ぱたり。「・・やはり。」すっ・・コトッ。「同志よ・・あなたは最後まで英雄でした・・」

 

代々木競技場頂上。「激しいグラウンドの攻防だったわね。」「立ち技主体のガンダムファイトでは珍しいですわ。」

「昨今のガンダムは多重関節の高度化が進み、生身にかぎりなく近い自由度を持つものがあると聞きます。

コサックはその初期のもので、対する『隠者』のガンダムは装甲を犠牲にしてもフレキシビリティ重視の設計です。」

「たしかにグラウンドでは装甲なんか無意味かもしれないね。」「そういえば私たちのガンダムも装甲は薄いです。」

「そうでもないですよー。装甲を部分的に集中してますから、そこで銃撃なんかを受ければだいじょーぶ。」

「それ以前にあなたたちは直撃など食らわないでしょうに。」『たしかに。』「シエルのイスカリオテは厚そうね?」

「いえいえ、チョバム式なので実際はハリボテですよ。」「スペーサーは軽合金ですか。」「いいえ、詩篇です。」

ヒュー。「アストラル面の防御でもあるわけか。どうりで攻撃が効きにくいと思った。」「詩篇って・・紙一枚で

どうして止まるんですか?」「試してみます?」ぴらっ。「この紙を打ち抜いてみてください。」「本気で当てるよ。

せーの!」ビュッ!バシイイイーン!「ええっ?!」ピタッ。「そんな?!・・ぶら下げてるだけの紙なのに!」

「ネオヴァチカン聖遺物管理局第三課『マタイ』製ですね。」「よくご存知で。法儀処理された詩篇はいかなる

物理・化学・光学・霊的攻撃をも緩衝します。たとえ核でも、これでくるんでしまえば爆発しても安全です。」

「あっはー♪まるで文車妖姫の紙業みたいですねー。」「いずれまた稀購本の仕入れに行きましょう。」

「素朴な疑問です。それだけの技術を有するネオヴァチカンが、なぜ毎回予選で敗退なのでしょうか。」

「もっぱら人材の問題ですね。深い信仰を代表の第一資格としたため、実力は二の次になってしまいました。」

「ダメじゃん。シエルとか代表になったら?いいとこまでいくかもよ。」ふっ。「第一資格でもう落選ですよ。」

 

ゴルビーⅣ・露天甲板。ヒュォォォ・・「・・」「冥福を祈るのはよいことだ。」「あんた・・」「一介のストリート

チルドレンから場末のサンボ道場で天性を発揮し、たちまち全国制覇。ついに国の代表としてガンダムファイトに

出場し、みごと優勝・・だが。」「それまでの激闘の日々で心身はボロボロになっており、最後の勝利宣言を受けた

ときには・・」「赤の広場にその姿の銅像があるな・・手を上げたままでの大往生。」「彼を拾って育て上げた

コーチの最期も壮絶だったわ。クレムリン霊廟に納められた遺体の前から動こうとせず、そのまま凍死・・

実の子以上に愛してたのね。」「まさに生きがいだったのだろう・・遺体は?」「DG細胞浄化措置をしてから、

ネオロシア政府に渡したわ。公式には無事に発見されたということで。」「隣で眠るコーチも安心しただろう。」

「・・もし、あんたが死んだら私は」「子供たちがいる。」はっ。「俺も同じだ。子供たちのために。」ぽい、ぱしっ。

「ウォッカね。グラスは?」「いるのか?」ポン、ぐいっ。「そうね。」ポン。「子供たちのために。」ぐいーっ。

 

みなさんお待ちかね!最後のエターナル・チャンピオンは仮面の男、Gの狙撃者。

異形のゴルゴダガンダムでクワトロ大佐に襲い掛かります。

その強大な相手に対し、大佐はついに禁断の銃の封印を解除。

「魔神将軍」の本領を発揮し、万全の状態でライバルを迎え撃ちます。

大手町コンクリートジャングルの闇を裂く銃声。死闘の決着はいかに?

次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第75話

「吼えろマグナム!まぼろしの市街戦」に、レディー、ゴーッ!

 

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第75話「吼えろマグナム!まぼろしの市街戦」

 

名出屋城。「さて・・エターナル・チャンピオンも最後の一人ですね。」「そーだね。」ズズ~。「宇治か。さすがに

いい葉使ってるね。」「ゆーちょーに番茶すすってる場合じゃないでしょ、大佐。」「だって初めてじゃないもの。」

『え?』「ほら、ヨーコさんゆってたじゃん。ネオスイスのアレで。」「・・あー、思い出した。35話のときか。」

『話数を出すな~!』「ということは、Gの狙撃者ってやっぱアレ?」「そんなん当たり前でしょ。なにを

いまさらわかんないフリしてんだか。」「かつて勝った相手なので余裕なんですね。」「余裕は無いさ。なにせテキは

リベンジに燃えてるだろうし、バックにデビル軍団の超技術力もある。楽には勝たせてくれないだろうね。」

「それでも勝算はある・・と。」「うん。こっちも前と同じじゃ失礼だし、限定解除の完全モードで迎え撃とう。」

「『皇帝の鉄槌』の全力モードですか・・」ぞっ・・「どっちかというと、魔神将軍のほうかな・・じゃ、今夜。」

カツカツ・・パシュッ。『・・・・』「・・ナディア、クワトロ大佐の異名『魔神将軍』の由来は何なの?」

「・・一つだけ信憑性のある説があるわ。マチルダ、ペンタゴン第一級機密ファイル#666を。」「あ、はい。」

ぱっ。「これは?」「DIA(国防情報局)の調査結果よ。あまりにも奇怪な内容なので永久封印されたの・・」

「・・『クワトロ・アレクサンドラ: 4327年、辺境より入隊。数年で頭角を表し、大元帥直属の親衛隊長に昇格、

『魔神将軍』の称号を得る。4531年、政府の陰謀によりセブル疑惑の嫌疑を掛けられるも、自ら辞表を提出。

大元帥の紹介でNATOに転職・・』・・なにこれ?」「年号がめちゃくちゃだわ。」「辺境?大元帥?セブル疑惑?

まったく理解できない。」「それにもしこの年号を信じるにしても、200年以上も生きてることになるよ。」

「ゆったでしょ、奇怪な内容だって。」「これを事実とするなら・・大佐は別世界から来たことになるわね。」

『クレオ?』「さすが・・そう、大佐はこの世界の外、いえ、私たちと歴史の異なる世界から来た異界人よ。」

「・・まさか、並行世界?」「いや、そんな生易しいもんじゃないね。こちらとはまったく異なる世界だけど、

なおこの世界とも密接な関係を持ってる。NATOにあっさり入れたのがその証拠よ。」「じゃあ・・どこ?」

「あと二人、私たちは同じような人間を知ってるわ・・過去を持たず、不思議な力を持つ謎の人物を。」

「・・マルローネ!」「あと一人は・・ルナ?!」「『完全なる世界』ルナさんも経歴がたしかに無いです・・」

「ルナは李老師の紹介があったから信用してたけどね・・多い、あまりにも多すぎるわ。」「そのとおり。でもね、

太古から頻繁に現界と接触してきた異界がひとつだけあるわ。」「・・魔神将軍、錬金術師・・まさか?」

 

ファミレ「PIA・キャラット」。「へえ、ついに魔神将軍のご出馬というわけね。こりゃ必見だ。」「残念ながら

非公開バトルなんだな。」「・・ホントにそう思ってる?」「ん?・・ああ、そういうことか。」「こちらでは

やってなくても『あちら』では実況生中継。毎回、楽しませてもらってるわ。」「となると、恥ずかしい戦いは

見せられないなあ。実家の連中も観てるだろうし。」「・・使うの?あれを。」「しかないね。相手が相手だし。」

「お待たせしましたー。チョコパフェでございます。」「これこれ。」「・・名だたる魔神将軍がパフェねえ。」

「人の好みでしょ、ほっといて。」ぱくぱく。「はあ・・校長先生やカオス少佐さまが見たら嘆くだろうなあ・・」

ぴくっ。すいっ、パシッ!チュィーン!「えっ?狙撃!」「おしい。そのお盆、貸りるね。」さっ。パシパシパシッ!

チュチュチュィーン!「お盆ではじいた!」「正確には角度をつけて逸らしたのさ。これがいわゆる避弾径始。」

「さすが魔神将軍。全員、厳戒体勢!」『はい店長!』バサッ!ジャキジャキッ!「ほう、完全武装ウエイトレスか。

ルナも好きだね。」「お客さま、避難誘導いたしまーす!」「第二班は避難ルート確保!」「てごろな狙撃銃ない?」

「これでよろしければ。」バッ、チャキッ。「M16A2か。ま、この際ぜいたくはいえんな。」シャキン、チャッ。

「おやつ中に撃つなんて、英国紳士が聞いてあきれるよ。」ドキューン!・・ちゃっ。「こんなもんかな。」

「もう撃ってこない?」「たぶんね、銃口にぶちこんだから。」そーっ・・「・・どこから?」「向こうに見える

ビルの15階から。」「およそ400mか・・よし。」シャッ。「ルナ?」『営業妨害は誰だろうと許さないの・・』

「・・あーあ、ルナを怒らせちまった。今夜ちゃんと来れるのかな?・・あ、請求書はクレオ宛てにね。」

 

カラカラ・・「ふふふ・・さすがにいい腕だ。」「愛用の銃が壊されましたね。」「なんの、代替はいくらでもある。

挨拶代にはよかろう・・む?」ぴくっ。『あんたがGの狙撃者かい。』ザッ。「・・ウエイトレス?」「誰だろうが

うちの店にタマぶちこんどいて、ただで帰れると思わないでよ。」「ほほう、今どき気風のよいウエイトレスだ。

墓碑銘を聞いておこう。」「アルカナ同盟『パーフェクト・ワールド』のルナ。」ぎょっ!「せ・・世界?!」

さっ。ゴロロロ・・「空が・・曇った?」「・・いかん!」「ドラゴニック・サンダー!」ピシャアアアーン!

ズドドドーン!「一千万ボルト。骨すら残らないよ・・普通は。」ズズズズ・・「・・雷撃とは、恐るべき技だ。」

「やっぱりフィールド装備してたわね。」「あなた、予備の銃です。」さっ、チャッ。ドキューン!バシッ!

「心臓的中・・む?」ポトッ。「・・つぶれた弾丸?!」「龍の鱗は銃弾など通しはしないわ。」めくりっ。

キラキラ・・「!・・ウロコが!」「貴様・・人間ではないな。」「だからなに?この状況ではどうでもいいことよ。」

すっ、ゴロゴロ・・「次の雷撃は一億ボルト。はたして防ぎきれるかしら?ヴリトラ・ライトニング!」ぐっ!

ぱしっ。「え?」「はいそこまで。」「・・大佐?!」「そのくらいで勘弁しろな。今夜のお楽しみもあるしね。」

「・・まあ、魔神将軍がそういうならね。」すっ。ゴロゴロゴロ・・「というわけで、このツケは今夜に回すから。」

「クワトロ・・久しいな。」「ハナから当てる気がないのはわかってたけど、撃ちこんだ場所がよくないよ。」

チャッ。「ならばここならいいというわけだ。」「いいけどね。」カキッ、ボシュッ!・・「?!・・不発だと!」

「手出しいいってのに。」『お客は守るのが商売人ですよ。』ざっ。「!・・マルローネ!」「・・地獄の錬金術士か。」

「あなた、ここはひとまず。」「うむ、ゲンが悪いようだ。」カチャッ、シュゴオオオーッ!『今宵また会おう。』

「やれやれ・・難儀なヤツだ。」「にして楽しそうですね。」「まあな。・・で、例の件だが。」「持ってきましたよ。」

チャッ。「この銃は?」「俺の愛銃『エンペラー』だ。」ぎょっ!「・・魔神将軍の大魔銃『エンペラー』!」

「うちで一時預かりしてたのよ。」「さすがにこれじゃないとね。」すっ、ギュルルルルッ!シュゥゥゥ~・・

「・・左腕と同化した。」「ちょうどいいや、ひさびさに試し撃ちといこうか。」すっ。ボオッ、ジャキンッ!

「左手に拳銃が現出?」「ナディアのソウルエッジと同様に、エンペラーも生命体よ。いわば生きている銃。」

「あの廃ビルかな。」ドキューン!・・ズガアアアアーン!「拳銃弾でビルが大爆発?!」「爆霊弾頭だからね。

次はと、」ジャキーン!「超大型ライフルに!」「地上物はまずいな。えっと・・あれ。」ググッ、ズドオオオーン!

ブオオッ!『くっ!』「・・なんて衝撃余波!」「空へ向けて撃ったけど、何を?・・あ。」パァァァァ・・

「衛星軌道上のネオアメリカの核ミサイル衛星。シャイアンは今ごろ大騒ぎだろうね。」「すご・・」「さすが・・」

 

大戦艦エゼキエル。「で、逃げ帰ってきたわけね。」「ほんの挨拶だ、今宵が本番ということ。」「ならいいけど。

最強のエターナル・チャンピオンのお手並み拝見というところね。」「ゴルゴダの具合は?」「できてるわ。」

パパッ。ゴォォォ・・「さすがエルフィール、申し分ない。」「でもホントに足無くていいの?」「格闘戦まで

もつれこむ心配はないだろう。万が一そうなっても、ゴルゴダなら距離をとれる。」「たしかに必要以上の推力は

あるけどね。主武装の銃はご希望どおりAPFSDS弾。たとえビルを楯にしようがぶち抜いて直撃とれるわよ。」

「市街戦はこれでなければな。」「東京復興局が喜ぶでしょうね・・で、ホントに奥さんも搭乗するの?」

「はい、私は彼の足ですから。」「意気が合えば一人よりは速いでしょうね。まあ有終の美でも飾ってね。」

「・・エルフィール、今回の件、ハナから勝つ気がなかったな。」ふっ。「まあね・・本来の目的は別にあるわ。」

「DG細胞の実戦データ取り、ですね。」「最高の素体で貴重なデータが取れたわ。よって今回の目的はいちおう

達成、あとはお好きにどうぞ。ゴルゴダは骨折りのお礼よ。」「ふっ、まあよかろう。楽しませてもらおうか。」

 

同ラウンジ。「幽音、今回の仕儀はどういうことか。」「なんのこと?」「DG細胞のデータ取りだけのために、

これほどの手間をかけたとは思えません。」『それ以前に幽音がこのバカげた計画を認めたことが不可解だ。』

「いかにチャンプとはいえ過去のもの、当時より進歩した現在のスタイルに追随できるわけもない。」ぱしっ。

「その合わせこみに必要な時間すら無かったよね。たしかにDG細胞である程度はカバーできるだろうけど、」

「強さとはパワーだけやない、総合力や。かえって本来の技の精妙さを失わせたマイナス面も多かったで。」

「でも、おもしろかったでしょ。」『?!』「・・幽音、もしや。」「理由は簡単、おもしろそうだったからだよ。」

『・・・・』「今夜のファイトも楽しくなりそう・・さて、次の遊びを考えとかないとね~。刹那ちゃん、

例のBGFの状況は?」ぎょっ!「そこまでご存知ですか・・はい、水面下で各コロニー国家との交渉および

出場選手の選定は順調なようです。」「ふふっ、クレオパトラもいい舞台を用意してくれてるね。」「では、やはり。」

「もちろん。こちらも楽しませてもらおうよ。そういやタイタンにヒマそうな連中がいたね。」『?・・ああ~。』

 

その夜、大手町コンクリートジャングル。ゴォォォ・・「やなとこだねえ・・戦略爆撃された都市を思い出すよ。」

ゴゴゴゴ・・「おでましか。」ゴオオオオーッ!・・パシュ。「コクピット内からで失礼する。」「いいさ。脚無しとは

面白いガンダムだね。」「今の私にふさわしいさ・・いくぞ、魔神将軍。」「どっからでも来いや、チャップマン。」

『ガンダムファイト!レディー、ゴー!』「マノン。」「はいあなた、戦闘機動!」ゴオオオーッ!「おっ、速い。」

「はっ!」ドキューン!「よっと。」すっ、チュィーン。「そこだね。」ドキュン!「当たらぬ。」ヒュッ、バコッ!

「ビルの陰に入ったか。」「ふふ・・ゴルゴダの恐ろしさを見せてやろう。」ジャキッ。ピピピピ・・ピィン♪

ドキューン!バゴバゴバゴッ!「・・なんだ?」ゴゴゴゴ・・バゴオッ!「うおっとお!」グン!チュィーン!

「あっぶな~。この貫通力・・装弾筒付有翼徹甲弾、しかもかなりの強装薬だな。よっぽど頑丈な造りじゃないと

数発でぶっ壊れるぞ。」「これと同等かそれ以上の弾でないと反撃できぬぞ!」ドキュドキュン!バコバコバコッ!

「別にそんなもん必要ないよ。だってさ・・」さっ、ドキュン!ヒュヒュン、「なにっ!」「回避!」ギュィン!

チュィーン!「ふう・・窓を抜くとは、なんというヤツだ。」「たしかにビルに窓はつきもの、でも倒壊した数基の

ビルのランダムな配置の窓を精確に・・これが魔神将軍。」「こうでなくては。グレネード!」グッ、シュドッ!

「あの発射音は・・いけね。」ダダッ!ヒュルルル・・ドオオオーン!「よいしょ!」ババッ、ザザザーッ!

「ナパーム榴弾か。こんがりウェルダンにされるとこだったな。」「・・かわしたか。」「あなた、ここは危険です。」

「うむ、移動しよう。」ゴオオオーッ!「・・マノン、ジャンプだ!」「えっ?・・はい!」ドン!チュィーン!

「アンブッシュ?!」「動きを先読みされておったか。だが!」ジャキッ!「ナパームグレネード連射!」

ボンボンボン!ドドドドドーン!「これでどこにいようが火ダルマだ!」『そうでもないけど?』ぎょっ!

「い、今の声は?!」「レーダーに反応ないわ?」『だからここだって。』グン。「えっ?・・真下!」ばっ!

ぶらーん。「やれやれ、空中に手がかりがあって助かったよ。」「いつの間にワイヤーを・・」「バーニヤ使って

余剰重量を感じさせないようにするのがコツだね。」「この距離なら外さぬ!」ジャキッ!「そりゃこっちのセリフ。

よっと。」グィーン。「ちっ、死角に!」「こっちにとっては死角じゃないんだなこれが。」ドキューン!ビシッ!

ボンッ!ガクン!「メインバーニア損傷!ホバリングできない!」「・・全バーニアカットだ、踏みつぶせ!」

フッ・・ゴオオオオーッ!「なにっ?よっと!」ガシッ!ゴオオオオーッ!「おいおいおい、ムチャするなー。」

「これで逃げられまい。着地までに決着だ!」ジャキッ。「あまいね。」・・ボゴッ!「なにいっ!くっ!」さっ、

チュィーン!「スキあり。」バン!・・ザシャアッ!ゴオオオオーッ!「高度20m、逆噴射します!」「いかん!」

「えっ?」「サイドバーニア!」ドン!ガクン!チュィーン!「弾道?!」「いいカンだね、さすがチャップマン。」

ザザザーッ!「・・逆噴射のスキを狙ってたのね。」「油断ならぬヤツ・・」「ふむ、うまくビルの陰に隠れたね。

そろそろ攻勢に転じてみようかな。エンペラー、バスターモード。」ジャキーン!ジャキイッ!♪ピピピピ・・

「直撃させないよーに・・」ドゴオオオーン!ボコボコボコッ!「・・なにいっ?!」・・ボゴオオオーン!

「きゃあっ!」「バカな、バスターだと!」「もう一発。」ドゴオオオーン!「見えぬのは不利か・・出るぞ!」

ゴオオオーッ!「はいそこまで。」チャキッ。「なっ!」「えっ?!」ぬっ。「ここに出るよう誘導してたわけ。」

「く・・」「そろそろしまいにしようや。疲れてきたし。」「・・ならば撃て。」「あなた?!」「うん、そうする。」

ドキューン!ゴォォォ・・「・・なぜ外した。」「もうすぐ楽しいことが始まる。そのときあんたがいてくれなきゃ

おもしろくないから。」チャッ。くるっ、ガキョンガキョン・・「・・!」チャッ。「あなた!」「・・卑怯者と

呼ばれようとかまわぬ。これはケジメだ!」ドキューン!ドキュン!チュィーン!「なにいっ!」「・・弾丸を

弾丸で?しかも顔も向けず腋の下からのメクラ撃ち!」「やると思った。ちなみに撃ち止めにしといたから。」

「?・・なあっ!」ぎょっ!「銃口に!今の弾を・・」「じゃあな。」ガクガク・・「これが・・魔神将軍・・」

 

大戦艦ヴァルハラ。「・・で、戻ってきたか。」「言い訳はせぬ。いかようにも罰は受けよう。」「いかがします、

幽音さま。」「別に。」『えっ?』「相手が悪すぎるよ。もし闇シャッフルを当てても似たような結果だったろうね。」

『いかにも。魔神将軍と対等に戦っただけ賞賛に値する。』「ゲッツにそこまで言わせるんか、あの大佐はんは。」

「アルカナ同盟にも恐ろしい奴がいるものだ。」ぱしっ。「こりゃこっちも気合入れてかからないとね。」

「エリーちゃん、ヘルファイターの仕上がりはどう?」「仕込みは上々、例の大会には間に合うわよ。」

 

名出屋城。「・・始まるわ。」『番組の途中ですがここで臨時ニュースです。ただいまよりガンダムファイト

実行委員長・ネオチャイナ総師さまの緊急発表があります。』ガヤガヤ・・『全世界の諸君。昨今の世界状勢に

鑑み、私はここに実行員会の名のもとに、第14回ガンダムファイト決勝リーグの中断を宣言する。』オオッ!

ガヤガヤガヤ!『その理由は、かのDG細胞を有するテロ組織の出現により、決勝大会でDG汚染がふたたび

起きる可能性が高くなったからだ。もし各国代表が汚染されることになれば、ガンダムファイトの意義は喪失し、

世界は混乱するだろう。そのような事態を避けるため、断腸の思いで中断を決定したのである。むろんDG汚染の

危険性が無くなった時点で、決勝大会は再開する。』ガヤガヤ!『その代わりに、当委員会は覇権とはまったく

無関係な大会を企画した。プロアマ無差別のバーニング・ガンダムファイト!』オオッ!『この場を借りて

全世界に呼びかけたい。来たれツワモノども!流派も国籍も性別も不問、我こそはと思うものはリングに立ち

己が武技を世界に示せ!すでに数人の決勝ファイターから参戦の内諾を得ておる。そう、それら世界最強の

ファイターたちへの挑戦も可能だ!武を極める者で、この好機を逃す手はない!連絡は下のテロップまで・・』

「始まるね、史上最大のガンダムファイトが。」「そう・・そしてそこはデビル軍団との戦場にもなるわ。」

「この挑戦に敵は必ず乗ってくる。ナディア、例の調査は?」「潜在的に高い戦闘力を有する人材に招待状を

送ったわ。武闘家だけでなく、軍人・スポーツ選手・殺し屋・学生までもね。」「いざとなればあたしたちの

四軍団も投入するから、参加者不足の心配はいらないわよ。」「人材ストックは充分、あとは組み合わせね。

マチルダが対戦プログラムを用意してあるわ。」「参加者のデータから独自にレーティングを付け、あまり

ムチャな対戦をさせないようにしてます。もっとも、下克上の希望があればそれを優先しますけどー。」

 

温泉旅館「夢十夜」。「いよいよね。シオン、出場手続きは?」「とうに『悪魔』に申請済みです。登録完了。」

「琥珀、ガンダムは?」「あっはー♪、みんな整備カンペキですよー。」「量産型サポートクルーを付けてます。」

「残るは対戦相手ですわね。」「妹、そんなのきまってるじゃん。・・後輩たちをちょっと揉んであげましょ。」

「私も参加しましょう。」『シエル?』「この大会、明らかにデビル軍団に対する誘いです。ならば対戦相手に

敵が当たる可能性もある・・情報収集の絶好の機会です。」「実は単に、堂々と暴れたいだけだったりしてー。」

ドカドカドカッ!(黒衣聖母)「これだから異教徒は・・(でも図星)」「・・?(不思議そう)」つんつん。

 

みなさんお待ちかね!

プロアマ無差別のバーニングガンダムファイト開催!

アルカナの戦士も全員集合。シャッフルも当然参加。

そして記念すべき第一試合はドモン対アルクエイド!

次回、機動武闘烈伝ダブルGガンダム第二部

「バーニングガンダムファイト激闘編」第一話

「開催!バーニングガンダムファイト」へ、レディー、ゴー!

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