-艦これ- 超々々々弩級戦艦白石です! All the world's a stage 作:うかた
空母戦は、夜戦が過ぎてからですね。
そもそも、ミッドウェー島は一つの島ではない。
よく誤解されているようだが、馬蹄型に連なる島々によって構成されている地名である。
その中で最大のものがサンド島、イースタン島の二つである。
サンド島には航空基地があり、イースタン島には地上部隊の基地がある。
ミッドウェー島守備隊は、レーダーでとらえた日本の攻撃隊を迎撃するべく、上空に戦闘機を飛ばした。
かなり大きい飛行場を持ったサンド島から、次々と戦闘機が飛び立ってゆく。
一方、地上勤務の整備兵たちも、戦闘機に乗れない爆撃機や雷撃機の搭乗員たちと協力して、使えない爆撃機等を防空壕へと隠し、人間も避難する。
しかし、守備隊としているのは旧式な上に様々な機体で、しかも搭乗員の腕もいいわけではない。精強を誇る日本の攻撃隊から、飛行場を守り通すのは至難の技だろう。
しかし、やらざるを得ないのである。
『赤城』『加賀』の艦載機を中心とするミッドウェー攻撃隊は、ミッドウェー島が見え始めたところでいくつかの隊に分かれた。
「手筈通り、敵戦闘機の囮は俺たちでやる」
「了解、任せた」
辺りを見回していた戦闘機の搭乗員が、大声で叫んだ。
「敵機見ゆ!」
サンド島の上空に向かって移動している途中にも、目標とする飛行場から次々と敵機が飛び上がっている……が、あまりうまい操縦ができている機体は見られない。
さらに言えば、数もそれほど多いわけではないようだ。
この攻撃隊を率いている『赤城』の隊長、村田重治少佐は囮役を率いている。
サンド島の飛行場をすべて破壊し、今夜隣のともども強襲揚陸する予定の地上部隊の支援ためである。
ここで多くの機体や人材を失うべきではないため、二手に分かれるというこの作戦には隊内でもかなりの議論が交わされた。
しかし、敵の航空機そのものや人材があまりいいものではないという報告を受けた村田は、囮作戦を決行した。
すなわちサンド島の北方から村田率いる囮部隊が攻撃することで敵の戦闘機を引き付ける。
そのために計七十四機の攻撃隊のうち、零式艦戦三十七機がしめているうちの二十七機、九九式艦爆の二十機を使っている。
村田は、九九式艦爆に乗り、囮部隊を率いている。
『敵機を抜きますか?』
「目標は滑走路だ。一時的に麻痺させて、今日中は発着艦できなくさせるだけで良いと聞いているだろう!」
『り、了解しました!』
前へと出ようとする零戦機を抑え、一気に近づく。
かなりの高度から接近していたが、流石に時間がかかりすぎたのか。自分たちと同じ高度まで接近されてしまったようだ。
気の早い人物がいたのか、或いは技術不足か。
何条かの光が煌めき、機銃の音が聞こえた。
高速で近づいてくる敵機を見ながら、急降下でかわそうとする。
爆弾を積んでいたりする分、戦闘機よりも早く降下することが出来るからだ。
同じ選択肢を選んだ味方と機体を並べ、サンド島の上空へと至る。
と同時に、レーダーに捕捉されないように低空で飛んでいた本命の部隊が、島の稜線の向こうから無傷で姿を現した。
慌てふためいているのか、地上では豆粒よりも小さい人間が走り回っている。
対空機銃からの攻撃があるが、一足先に到着した零戦機によって攻撃されているようで、激しいというほどではない。
目標の滑走路は、目の前だった。
空母『赤城』の艦橋で、南雲は飛行場爆撃隊からの報告を待っていた。
送ることのできた艦爆機はそれなりに多いものの、巨大な飛行場のうちに入るこの飛行場を一度の攻撃で無力化できるか不安だったのである。
「ミッドウェー飛行場攻撃部隊より入電!『ワレ飛行場ノ撃破ニ成功ス』です!!」
「よし!」
思わず叫んだ南雲だったが、司令官である身としては今回の戦いを大きなところから見なくてはならない。
「攻撃隊を収容したのち、空母を攻撃するか?先ほど空母発見の報が寄せられたが」
「いいえ、今から攻撃隊を発艦させていると夜中での帰還になりますので、やめておいた方がいいかと」
隣にいた源田実参謀長から、南雲の質問に対して即座に答えが返ってくる。
実質的にこの艦隊の指揮を執っている彼は、かなり大がかりな作戦を作り上げたようである。
南雲としては、その作戦が成功するように祈るばかりであった。
来週もテスト週間なので更新できるか分かりません。