-艦これ- 超々々々弩級戦艦白石です! All the world's a stage 作:うかた
失踪しかけていたのかもしれない……!?
艦上戦闘機『陣風』と中島知久平
第二次世界大戦 水無島沖海戦
この戦いは結局、その後の大日本帝国とアメリカとの戦力比を大きく変えることとなった。
アメリカは航空母艦(以下空母と略す)サラトガを接触時点で失い、大規模な防空作戦のために残り三隻の空母を集めた結果 、返って空母艦隊に攻撃が集中したためにホーネットを撃沈され、ヨークタウンが中破、更には曳航されて帰還しようとしていた空母エンタープライズが潜水艦伊号168によって沈められた。
アメリカにとっては、攻撃が空母に集中したために周囲を固めていた重巡洋艦以下の防空艦隊には被害は殆どでなかったのが不幸中の幸いであったのかもしれない。少なくとも、戦艦『大和』を旗艦とした第二艦隊は敵戦艦部隊には突っ込むことはなかったため、戦艦中心の砲撃艦隊は丸ごと残っていたのである。
大艦巨砲主義であった大日本帝国ならばここから戦艦艦隊を敵の根拠地に向かわせでもしたのかもしれないが、アメリカの海軍艦隊は、かつて航弐の世界であったように、あまりにも危険な博打を打たず、ハワイ島の防衛は陸軍の航空隊に任せることになった。新しい空母が完成する時のために温存することに決定したのである。
航弐海軍少佐はこの功績をもって中佐へと昇進、南雲中将を失った機動部隊は新たに山口多聞を機動部隊総司令官に任命し(先任将校が複数いるなかで、これは異例な抜擢であったが、航弐を引き入れたことと後半の戦いで実質的には彼が指揮を執っていたことが決め手となったらしい)その内の指揮官の大部分を変えた。
しかし、その中に航弐の姿は無かった。
「そして、これが新型戦闘機『陣風』の設計図ですか」
「ああ、中島さんならお分かりになるかと」
「はい。零式艦上戦闘機の性能をいかしつつ無理のない構造ですね。あなたがこれを考えたのですか?」
そして、航弐海軍中佐は、中島飛行機という軍需会社を訪れていた。
そこで見せていたのは、未来で零式艦上戦闘機の最高verを戦後数十年後にとある航空力学の専門家が引いた物だった。
詳細を記憶していた航弐が、この世界で使うために改めて設計図を引き直した『陣風』を、中島飛行機に持ち込み、最初に会った人物のされるがままに反応しているといつの間にか、社長である中島知久平の前に引きずり出されていた。
ちなみに中島知久平は、かの鳩山一郎と立憲政友会総裁の座を競いあった大人物である。中佐という肩書きでさえも小さなものであるが、『陣風』の設計図は航弐の読み通り、彼の注目を浴びる手段の「半分」としては有効だったようである。
「半分は自分が。残りの半分は、友人が」
「是非とも紹介していただきたいのですが」
「申し訳ないが、連絡がとれない」
本当のところは、この時代では実現不可能だったところに修正を加えただけなのだが、一応最上級の極秘情報であるためにそれを言うわけにもいかなかったため、何とかして言い逃れる。
「そうですか。それは悔やまれますね。ところで、あなたの名前が新聞に出ていましたね。流石は『第二の山本五十六』さんです」
「いえいえ、まだまだ若輩者です」
そして残りの半分が、その人気である。
海軍の首脳部の中で、彼を崇め奉ることで南雲忠一以下第一機動部隊首脳部の死を覆い隠そうとしているのだ。
しかしその状況は航弐にとっても都合がよかったため、半ば受け入れている。
「ともかく、これはこちらで預からさせていただいてもよろしいでしょうか」
「はい、量産できるようでしたら、ご連絡をください」
「分かりました。朗報をご期待下さい。それと、今は大演習を行っているのではないのですか?」
「ああ、それですか。一応自分の必要な勝利は得たので、この先二日間は自由なんですよ」
これからはある程度は早く投稿できるかと思います。
今度の期末試験が終われば……!!