-艦これ- 超々々々弩級戦艦白石です! All the world's a stage 作:うかた
更新します。
トラック泊地
「提督!!敵艦隊が……あれ?」
空軍から敵艦隊発見の報を受けた陽炎が、執務室へ飛び込んできた。
第十六駆逐隊が帰投し一度提督へ報告を終えた陽炎が、ドック入りした長月を見舞っている時に空軍の士官から、提督への連絡を受け取った。
その内容は、泊地北方で特別艦隊と第二水雷船隊が戦っている箇所、そこから更に北方に敵艦隊発見したという物だ。
なぜか執務室にいるはずの提督に連絡がつかないため、緊急として陽炎に連絡をしたようだ。
第十四駆逐隊以外全ての艦隊が出払っているため、一応秘書艦になれたのは陽炎だけである。
陽炎には佐世保で秘書艦をした経験のあるため、問題なくこなせる自信はあったが、提督と連絡がつかなくなったのは、横須賀で一度あったのみである。
その時は鎮守府自体か爆撃されたため、いやな予感がした。
食堂を見て提督がいないことを確認し、そして慌てて執務室に飛び込んでみれば提督は不在である。
「これはやばい、敵前逃亡か、よりによって自分が秘書艦の時に」と少々エゴを混ぜた冷や汗をかく陽炎だったが、机の上に紙があるのに気づいた。
提督より
貴官或いは貴艦へ
緊急時以外はこの書類は開かないように
と書かれてあった。
もちろん緊急事態な為、ためらわず折り畳まれた書類を開く。
辞表届けのような形をしていたため、本当に辞表届けならどんな手を使っても探し出してやる。と考えながら
(本土で妖精が人間と協力して作ったテレビは、最前線であるトラック泊地でも見られていた)
開いたそれには、たった一文と一つの無線回線の番号が書いてあった。
海軍の無線信号は一通り知っている筈の陽炎は、しかし、この回線は知らなかった。
(これは……秘匿回線?一体どういうことよ?)
そして書かれてあった一文は、こういう物だった。
現在北方の海域に向かっている提督と連絡を取れます。
今度こそ、陽炎は思考を放棄した。
二、三度読み返してから、思わず叫んだ。
「えぇーーーーーっ!?」
トラック泊地北方、特別艦隊、第二水雷船隊
「流石に……強いですね」
タ級一隻が大破したため戦闘についていけず落後しており、さらに、今まさに魚雷がヲ級を撃沈したところである。
しかしその代償は大きく、
浜風、不知火、涼風、弥生が大破或いは中破し、戦線から離脱している。
現在は白石、信濃、吹雪、睦月、神通、黒潮の六隻で戦闘中だが、駆逐艦全員と白石が魚雷を撃ち尽くしていた。
既に両艦隊は駆逐艦の射程に入っている。
その距離からの砲撃だと、着弾は非常に近く、威力も高くなっている。
後方にいる信濃はともかく、着弾の激しさはとんでもなく、安定性の高いはずの白石でさえ至近弾でぐらぐらと揺れるほどである。
「全主砲放て!」
白石の砲弾が、タ級の主砲を一門押し潰す。
同時にレ級が放った砲弾が、白石を掠めていく。
戦況は膠着している。
艦娘側は、深海棲艦の砲弾は高い練度によってかわし続けているが、駆逐艦や軽巡洋艦の主砲ではいまいち決定打に欠けている。
強力な白石の主砲はタ級を狙ってはいるものの、レ級からの妨害のせいで命中弾がなかなか出ない。
深海棲艦からしても、砲撃はかわされ、旗艦であるレ級は戦艦で遊んでいてなかなか指示を出さない。
航空戦は、空軍は航続距離の問題で帰投し、しかしヲ級が大破しているために信濃の航空隊が支えきっている。
こちらも硬直中である。
そんな状況が続く中で、このままでは自分達が不利だと考えた神通が、一応特別艦隊の旗艦をしている白石に通達。
「みなさん続いて!」
「にゃしいぃぃぃ!」
「はあああぁぁぁ!」
「ほないきまーす!」
神通を先頭に睦月、吹雪、黒潮の順に突撃を行った。
既に非常に近いところからさらに接近するというわけで、文字通りの肉薄攻撃である。
もちろん、ただでさえ強力な砲撃は威力を増し、被弾すれば間違いなく大破するだろう。
「食らええぇぇぇ!」
白石はわずかに下がり、レ級を引きつけながら支援砲撃を行う。
レ級は何故か白石を狙い続けているが、最高速度が30ノットを超える白石が相手では追いつけていないのだ。
距離が縮まらず、命中率は大きく下がっているため、今のところレ級は脅威にはなっていない。
そうこうしている間に、レ級を除いたタ級とレ級の二隻に、水雷戦隊がたどり着いた。
これからもちょくちょく更新するつもりなので、よろしくお願いします!