-艦これ- 超々々々弩級戦艦白石です! All the world's a stage 作:うかた
これからは大体三日おきか四日おきに投稿になるかと思います。
安定して書けるようになれば、もっと文字数は上がると思いますが……。
しばらくお待ちください。
しかし、(ある意味当然のような気がしないでも無いが)そう簡単に泊地へ移動できるわけでもなく、私たちは軽空母ヌ級エリートによって率いられた深海凄艦の艦隊に襲われていた。
他にはヌ級がもう一隻に軽巡ホ級一隻に駆逐イ級二隻、それに輸送ワ級一隻の、資材輸送用の部隊に運悪くぶつかってしまったようだった。
信濃を旗艦として、私と二人で応戦している。
「っく、最後の零式艦戦52型部隊、発艦します!!」
「三式弾装填、放てっ!」
お互いに不意を突かれた形になったこの戦いは、私の砲撃でイ級の片方を撃沈、ホ級を小破させた直後に、編成を整えた敵の艦載機数十機に襲われ、今のところ信濃は小破、私は中破している。
信濃に搭載されていた艦載機はすでに半数は撃ち落され、私は六発しかなかった三式弾の、四発目を撃った。
対空砲も、殆ど全てが敵機の爆撃で破損してしまっている。
あまりにも私たちの錬度が低すぎることと、エリートのヌ級の艦載機が強いことが大きな原因だ。
私の撃った三式弾は、ヌ級から放たれたばかりの艦載機が空戦域に入る前にほとんどを撃ち落した。
しかし、残った敵機は空戦域をくぐりぬけ、一機が私たちの真上から爆弾を落とす。
「敵機直上、回避!!」
信濃にも私の声が聞こえたらしく、すぐに右へと回避した。
しかし、爆発した破片が飛び散り、私の対空砲が全損してしまった。
「信濃さん、大丈夫ですか?!」
「はい!大丈夫です!!」
どうやら信濃にもダメージはなかったらしい。
私がほっとして向き直ろうとすると、離れてもらっているこちら側の輸送艦数隻、その向こう側に小さな黒い点が見えた。
「まさか……!!」
通常弾を主砲に装填しながら、私は目を凝らす。
すると、黒い点からさらに小さい何かが、空に放たれたのが見えた。
「左手に空母および艦載機の影あり!!」
「なっ……!……敵味方識別用の信号を!!」
信濃にしたがって、艦影に向かって信号を打つ。
しかし、何の反応も返ってこない。
「おそらく敵艦です!」
「……!!」
信濃の動揺が私にも伝わってくる。
今相手にしている輸送部隊くらいなら、まだ何とかなる。
しかし、艦載機を積んだ空母が迫ってきていて、おそらく他にも五隻率いていることを考えると、ここはもはや死地だ。
信濃や輸送船団の人員とともに、暗い海の底に沈むことになる。
果たして、このまま死んでしまうことが正しいのだろうか?
「まさか、配属された泊地を見ることもなく――」
「白石さん!諦めてはいけません!!」
信濃の叫びが、私の決意を固めた。
彼女は、この世界に、人類にとって必要な人物であると。
「信濃、重要な話があります!」
「なんですか!?」
近寄ってきた信濃に、彼女には聞こえないように小さな声で謝る。
「すみません……!!」
「話とは――」
すぐ傍から話し掛けてきた信濃は、それから先の言葉を紡げなかった。
「うぐっ!!」
私の主砲を振り回し、信濃の頭へとぶつける。
信濃は低く呻いて、倒れた。
信濃を抱き止め、頭上を見回す。
幸いなことに、新手の艦載機が私たちを攻撃するまでには少しかかりそうだ。
急いで味方の輸送艦の元に向かい、信濃を担いだまま甲板に上がる。
私の動きを見ていたのか、輸送部隊を率いていた男がすぐ後に甲板に現れた。
「大丈夫ですか!?」
「いいえ、今のままでは私たちは死にます」
簡潔に事実を伝える。
一瞬だけ絶望の表情を見せた男だったが、すぐに決意の表情へと変わった。
しかし、私は彼が何かを言うよりも前に話しかけた。
「信濃をお願いします。私はこれから突撃し、なるべく離れたところへと移動します」
「……それでは、あなたは……!!」
「大丈夫です。私よりも信濃のほうが役に立ちます」
有無を言わせずに信濃を押し付けると、甲板から飛び降りる。
艤装はうまく動く。
まだ主砲も健在だ。
魚雷も残っている。
一瞬補給艦を、信濃を振り返り、そして敵のほうを向く。
「ここからの私は、手ごわいですよ!!」
五十一センチ連装砲の射程圏内の敵に向かって、攻撃を開始する。
敵の艦載機によって次々とダメージを食らうが、信濃の艦載機と私自身の速さのおかげで致命弾は避けている。
残った敵のイ級とホ級に向かって主砲を一斉射、さらに距離をつめてから再装填。
今度はヌ級に向かって三式弾を撃つ。
口の中にあった艦載機に引火したのか、片方のヌ級が爆発し炎上、そのあおりを受けてもう片方も被弾したようだ。
「よし、これなら……!!」
わずかな希望を抱き、敵の新手の部隊に向かって突撃しようとした瞬間
私の足元で魚雷が爆発した。
「…………?」
近くにいたイ級とホ級はすべて撃破したはず。
なのになぜ……。
私の疑問は、海水の隙間から見えた赤い光で解決した。
敵の潜水艦、そのフラグシップ級から放たれた魚雷が私を吹き飛ばしたのだ。
大きく体勢を崩し、しかし無事だった主砲でどうにか攻撃しようとした私の上で、敵の艦載機が急降下した。
その姿を捉えた私は、つぶやいた。
「……信濃、生きてください……」
死を覚悟した私の目の前で、敵の艦載機から爆弾が投下されようとするのが見えた。
日本の北西、オホーツク海辺りが深海棲艦のいる「第一海域」が、今現在の最前線で、日本の戦力の四割近くが投入されています。
日本海の深海棲艦は駆逐されており、今は安全な状態です。
太平洋が東方海域、フィリピン沖辺りが南方海域、タイ沖の海域が西方海域で、北海道以北の北方海域は既にアメリカと共同で深海棲艦の戦力のかなりを削っています。
トラック伯地は、南の敵深海凄間と戦っており、資材の補給艦の護衛などが主目的な場所です。
北、南、西、東の鎮守府や泊地で主要な戦力を四等分しており、それぞれが相対する海域で戦闘を行っています。
補佐役の泊地や基地がいくつかあり、そこでは駆逐艦などが主に活躍しています。