-艦これ- 超々々々弩級戦艦白石です! All the world's a stage 作:うかた
雲龍さーん、もうそろそろ出てきてもいい頃だと思うんですよ(血涙)。
そうして結局、部屋には私たち二人になってしまった。
さっきの会話中、信濃は一切話そうとはしなかった。
大丈夫なのか……。
「信濃、大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です。いくら呼んでも起きない白石さんを心配していたら金剛さんと殴り合っていたから怒っているなんて事はありませんよ?」
即答だった。
怒ってないのなら声に含まれている殺気は何なのだろうか。
おそらく、これがフラグシップ級の出すオーラのようなものなのだと思った。
心配は完全に杞憂に終わったが、心配の対象が私自身に移ったことに関しては、私は困ってもいいと思う。
「あれは単純に、金剛に対して恐怖しただけです」
「へぇー、そうですか。私が白石さんが死んでしまわないかといくら恐怖したかお分かりですか?」
「すみません、それほどに心配させてしまって」
「全く……。今回だけは許してあげますから」
ため息をつき、怒りを解いた。
これで私も生き残れるだろう。
「ありがとうございます」
「ただし、もしも次同じようなことがあれば、あの猫を飼っている場所に送りますからね」
「!!」
あの猫とは、出撃中に艦娘の意識が飛び、気が付いたら出撃した鎮守府や泊地の目の前にいるという怪現象を引き起こす悪魔だ。
艦娘たちは、それを見ただけで卒倒しそうな恐怖を感じるらしい。
未だに遭遇したことはないが、深海棲艦よりも恐ろしい恐怖の象徴として、艦娘たちの脳に刻まれている。
そんな忌まわしいものを飼っているような場所があったとは……!
もはやこの世の地獄と言っても間違いではないだろう。
「二度としません」
「よろしい」
私は、二度と危ない橋を渡ることはするまいと、心に刻んだのだった。
「そういえば提督が、白石さんにイチイチサンマルに提督室に来なさいと伝えてくれと、頼まれていました」
と信濃に言われ、私は道を間違えながらも辿り着いた。
艦娘用防水時計(若干の対砲対炎機能付き)によると、今の時刻はイチイチニイナナ。
かなりギリギリだったが、何とか辿り着くことが出来た。
木製の扉をノックすると、すぐに
「入っていいぞ」
と返ってきた。
「失礼します」
扉を開けて中に入ると、少し広い部屋の中には華美ではない提督用の机、左右の壁には天井まである本棚が置いてあり、ところどころから資料らしきものがはみ出しているのが見えた。
提督の机の傍には、秘書艦用の机と椅子があった。
秘書艦は、今はいないようだ。
「特殊攻撃艦、白石です。提督の指揮する隊で戦えることを、光栄に思います」
「トラック泊地の提督だ。君のような艦がここで戦ってくれることはとても嬉しい。よろしく頼む」
提督がまじめそうな声を上げ……たかと思うと、急に机に突っ伏した。
「すまん、処理しなきゃいけない情報が多すぎてだな。もう白石にセクハラする気力も無いんだ」
「それは喜ばしいことです」
「詳しい話はまた明日だな」
「提督はなぜ海に浮いてたのでしょうか」
「話聞けよ……」
何も問題なさそうなので、答えろと促す。
「はぁ、艤装って知ってるよな?」
「艦娘の常識です。艦娘が海に浮くための装備で、一人ひとり違う形をしています。姉妹艦だとかなり似ているものもあります」
「百点だ。だが、あの艤装は実は、一般人でも使えるんだ」
「そうなのですか。提督があれをつけていたから浮けていたのですね」
「そのとおりだ。以上」
無理やり話を終わらそうとするので、素顔を見てやろうと近寄る。
提督は机に突っ伏したままだが、帽子を取ったらどんな顔をするのだろうか。
少しわくわくしながら、提督まで後数歩というところで近づいた。
更新遅くなりました、すみません。
次は状況説明パートですね、数日お待ちください。
予備の文章がなくなりました、更新遅くなるやもしれぬのです。
……中間テスト?知らない子ですね……。