~スバル~
父さんとギン姉へ。
お元気ですか?スバルです。
私とティアの2人が機動六課の所属になって2週間になります。
「おはようございます」
「おはようー」
「おはよう……」
本出動はまだなくて、同期の陸上フォワード4人は朝から晩までずっと訓練漬け。しかもまだ一番最初の第一段階です。
「おはよう!フリード」
「キュク~」
部隊の戦技教官……なのはさんの訓練はかなり厳しいんですが、しっかりついていけば、もっともっと強くなれそうな気がします。
当分の間は24時間勤務なので、前みたいにちょくちょく帰ったりは出来ないんですが……母さんの命日には、お休みを貰って帰ろうと思います。
「……あ!」
「おはようございます!」
「おはよう!よーし、今日もやるぞ~!!」
「「お~!」」
「朝っぱらから元気ね……」
じゃあ、またメールしますね。
スバルより。
~晴也~
ミッドチルダ、首都のクラナガン。
その一角のレストランで、俺は昼食をがっついていた。
色んな世界を歩き、そして何とか食事にありついてきた訳だが……こういう店で食べるとやたらと安心する。
何だろう、安定した味、と言うか。
(しかしキミは、本当に美味そうに食べるんだな)
今は俺の身体の中で傍観しているだけのゲシュペンストが声を掛けてくる。
(まあな。こういう大都会は久々だし、そういう影響もあるんだろうけど。でもこの店、本当に美味いぞ。お前もそう思うだろ?)
同じく俺も、テレパシー……念話と言うらしい……で返す。
口に出すと、1人で喋る変な人、というレッテルが貼られる。それは避けたい。
(ん……まぁ、共有してる味覚によると美味いのだろうが……「食べる」、という行為を、ずっと前からワタシはただの生存手段として捉える様になっていたからな。良く解らん)
念話で伝えてくるゲシュペンストの声に、苦笑の様子が感じられる。
(……なあ、お前は何でそんな事になっちゃってるんだ?今までの話を聞いてる限り、お前って「元」人間なんじゃ?)
(……鋭いな、キミは)
(いや、鋭い、というか……雰囲気がさ、どことなく人間臭い様に思う、というか)
俺の言葉に、向こうは一瞬沈黙。
(……ふふ。ワタシが人間臭い、と来たか。初めてだよ、こんな状態になってから、そんな事を言われたのは)
(そうなのか?)
(ああ。大抵はワタシに取り憑かれた者はワタシに対して良くない印象しか持っていなかった。まあ、突然身体を乗っ取られたら無理も無いかもしれんがな)
あ、自覚はあったのか。
ならもうちょっとやり方はあったんじゃ……。
(……色々事情があるのでね。そこ等辺の話は、また今度だ)
丁度食い終わったし、良いタイミングか。
会計を払い、外へ出る。
ぐーっと背伸びをし、暫くの間、充足感に満たされながらノンビリと歩く。
「っとと」
「げぼがらごはうあっ!?」
だから、だろうか。
周囲への注意が散漫になり、運悪くフードを被った緑の髪の女性と衝突してしまった。
……してしまった、んだが……何だ、あの声。
そんなに強くぶつかってはない……よな?
近付いてみれば。
「……ば、馬鹿な……あっしはあなた様の右腕だった筈……」
……何呟いてんだこの人は?
というか、それ駄目駄目な台詞だろ……。
だが、その直後には!と彼女は目を見開くと、身軽な動きで起き上がった。
「いや~、ついすっかりいつもの癖が出ちゃったでやんす。危ない危ない」
……さっきのを癖と言うのか、この女。一体どんな日常生活送ってるんだ。
「……あー、大丈夫?」
「大丈夫大丈夫!あっしはこういう生命力が取り柄でやんすから!ただ、良く死にかけるけどな!」
生命力に関わる程強くぶつかってない筈なんだが。
後、ラストについては胸を張っちゃいけないと思うんだが。
「じゃ、あっしはこれで風の様に去るでやーんす!」
意気揚々と彼女は歩き去っていった。
一人称が「あっし」、語尾に「やんす」……。
駄目だ、新機軸過ぎるだろ。何なんだあの人。
(世の中とは、本当に広いものだ……)
しみじみと言うゲシュペンストに、両手を上げて賛成したい気分で一杯だった。
~真吾~
丁度訓練……なのはによるシュートイベーションが終わり、俺達に集合がかかっていた。
俺も参加してました。なのはと一緒に、魔力弾を撃ち込んで新人フォワード達を追い回す役。
ディヴァインコロナは駄目だと言われたので、リブレイドで地道に。
「さて、みんなもチーム戦にだいぶ慣れてきたね」
「「「「ありがとうございます!」」」」
「ティアナの指揮も筋が通ってきたよ……指揮官訓練、受けてみる?」
「い、いや……あの、戦闘訓練だけでいっぱいいっぱいです」
そんな会話が行われる中。
……なんか、焦げ臭い様な……。
あ。
「スバル!?ローラー、ローラー!」
「あーあ……」
ティアナと俺が目を向けた先……つまり、スバルのローラーが、煙を出していた。
「あ!うわやば!?……あっちゃ~……しまった~無茶させちゃった~」
それを見て、なのははティアナにも質問。
「ティアナのアンカーガンも結構厳しい?」
「あ、はい……騙し騙しです」
それを聞いて、なのはは顎に手をやって、呟く。
「……皆、訓練にも慣れてきたし、そろそろ実戦用の新デバイスに切り替えかなぁ?」
「あ、完成したんだ?」
俺の言葉に、うん、と彼女は頷く。
「真吾君のも、色々向上してるよ。まあ、詳しくは後のお楽しみ」
微笑みながら、軽くウィンクするなのは。
可愛いなオイ。少しドキッとしたのは内緒だ。
新デバイスと聞いて、スバルを中心に新人フォワード陣がはしゃぎ出す。ティアナもスバルに対して呆れた様な様子を見せながらも嬉しそうだ。
うーむ。
「キャンサー」(仮)に、一体どんな機能が付くんだろう?
……楽しみだ。
という訳で、訓練……というか寧ろ晴也とゲシュペンストのターン。
こいつらの日常を描写しときたかった。
後、とうとうアリアンロッドからもとうとう参戦!
ふはは、まさかこいつが出てくるとは……いや、こいつなら誰かが想像してたかもなー(笑)
ま、こいつが出てきたのは、そこはそれ伏線です。
……多分。
感想やアドバイスお待ちしております。
……真吾のデバイス名どうしよう。