咲-saki-episode タイガー&ドラゴン   作:武田兎

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引き続きもし皆さんが思いついた麻雀に使えそうな能力がなどありましたら是非教えてください。
ご感想とともにお待ちしております。


第五話 前進

晶が麻雀部に入部してから一週間が経過した。

晶の入部後、大河と辰美の二人は正直残りの部員もすぐに見つかると楽観視していたがそうそううまく事は運ばず、新しい部員を見つけることができずに今にいたっている。

 

「あー部員みつからないぁ~」

「せやな~あと二人も探さなあかんのにな…」

「「だから俺たちが!!」」

「あーいいからーいいからー」

 

その言葉を合図に群がって来るクラスの男子たちを相手にするのも面倒くさく覇気のない声で大河が答える。

 

「まあ本気で麻雀やりたい人なら私立に行っちゃうだろうしなー誰かいないかなー?」

「せやなー」

「ふふふ、お困りようですな~お二人さん」

「あ、上原さんおはよう」

 

二人でぼやいていると誰かが得意げに笑う声が聞こえてきた。声の主は大河の幼馴染で二人のクラスメイトでもある上原美香であった。

 

「おはよう十和さん、ねえ早速だけどとっておきの情報を仕入れたんだけど聞きたい?二人にとっても関係のある話なんだけど」

「え、ほんま!?それって麻雀部の、」

「いいよタツミー、ミカーがこう言う風に自慢げに話す時はろくな話じゃなんだから…昔からこうなんだよ、百目木中のデータベースかなんか知らないけど持ってくる話は大抵ただの噂とかガセばっかり!!私が今まで何度その情報に踊らされたことか…そんなガセ情報聞くなら寝てたほうがよっぽど有意義だね」

(大河ちゃんあと5分後に授業なんやけど…寝てええんか…)

 

一週間経っても部員が見つからない事プラス過去の美香とのいくつものトラブルを思い出したのか大河はふてくされて美香の話を聞こうとせずに机に突っ伏して寝る体勢に入る。

 

「あーそういうこと言うんだ~いいのかな~?せっかく麻雀部に入部してくれそうな人の情報待ってきたんだけどな~その人全国大会出場者なんだだけどな~」

「大河ちゃん…せっかく私たちの為に上原さんが仕入れてきてくれたんや…聞いてあげた方g」

「そういうことは早く言ってよ!!ぜひ教えてください!!神様、仏様、ミカー様!!」

「はやー…」

 

その言葉をを聞いた瞬間に加速装置でも使ったのかと思わせる程のスピードで机から飛び起き、先ほどの態度とは対照的にまるで神仏を拝むように美香に手を合わせる。

 

「ん~そんなににお願いされちゃあな~でもさっき大河私に結構ひどいこと言ってたよね?それに対するお詫びは何かないのかな~」

「くっ、何が望み?」

 

もともと美香がタダで情報を話してくれるとは思っていなかったが機嫌を損ねたことで代償はさらに高くなりそうだ。何を要求されるのだろう?今日の給食のデザート?いや美香のことだから1週間分くらいの給食のメニューは覚悟した方がいいかもしれない。さらば私の明日のプリンよ…

 

「察しがよくて助かるわ。そうだな~今日から給食デザート一ヶ月分でどうだ!!」

「鬼か!?あんた!!」

「嫌ならいいんだよ~別に~」

「大河ちゃん私のデザートあげるさかい、上原さんの話きこうや」

「くそーミカー…いいよもってけ泥棒!!」

「毎度~じゃあ実はね…テニス部の後輩から聞いた話なんだけど」

 

そう言うと美香は新しい麻雀部員なるやもしれない人物の情報を語りだした。

 

 

 

 

大河達のクラスの隣に位置する2-3組に在籍している栗色のロングヘアーに白いカチューシャがよく似合っている彼女は大道寺雪奈(だいどうじゆきな)、と言って文武両道、品行旺盛でクラスメイトだけではなく先生たちからの信頼も厚く優等生を絵に書いたような生徒である。

そんな彼女がいつもと同じように今晩予習するための教科書をバッグに入れ帰ろうとした直後、思いもがけない訪問者が現れた。

 

「大道寺さぁぁん!!ちょっと頼みがあるんだけどいいかな?」

「あなたは…確かとなりのクラスの大星さんと転校生の十和さんだったかしら?私に何か用?」

「ねえ大道寺さんは昔麻雀やってたんてほんま?」

「……」

「もしやってたんなら私たちと一緒n」

「やってない!!」

 

雪奈は麻雀という単語を聞くと突然黙り込み、次の瞬間バンッと大きく机を叩き怒鳴り声をあげる。その行動は普段の物静かな雪奈からは想像し難くクラス中が一瞬で静まり帰る。

 

「び、びっくりした…どったの?」

「はぁはぁ私…麻雀なんてやった事ないから…帰る」

「…ちょ、ちょっと大道寺さん…待ってや…」

 

辰美の制止の言葉も聞かずにそそくさと雪奈は教室を飛び出し下校してしまうった。

 

「どうしたんやろ…麻雀のことであれだけ怒鳴るなんて…麻雀やってへんかったのかな?」

「……」

「ん?大河ちゃんどないしたん?」

「ん?い、いやなんでもないほら今日の夕飯何かな~ってあはははは」

「?」

 

いつもの大河なら引きずってでも雪奈を入部させるか話ぐらいは聞かせようとするのに今日は黙りこくったまま追いかけようともしない。その様子に辰美は少なからず違和感を感じていたが本日はそのままお開きとなってしまい真実は解らなかった。

 

 

 

 

時間は少し戻り、晶が携帯を見ると放課後新しい部員確保に行くから晶も集合するようにという内容のメールが大河から来ており、早く家に帰って先日手に入れた大沼プロのカードの整理に取り掛かりたい気持ちを抑えながらも大河の元へと向かおうとすると後ろから急に呼び止められた。

 

「晶ちゃん一緒に帰ろうよ」

「…白兎ごめん今日から部活あるから」

「部活?それってこの前の人たちが言ってたやつ?」

 

呼び止めた人物は隣の席の千条白兎。晶がこの中学校に入学してきて初めてできた友人であり、今ではとなりの席ということもあり放課後は一緒に下校するほどの仲にまでなっている。

 

「うん…正確にはまだ部活じゃないけどね…」

「どゆこと?」

「あと二人集めないと麻雀部にならないんだって」

「ふーんなんか大変そうだね」

「で私に一人誰か部員探して来いって…ハァ…嫌だな私クラスの白兎以外の人とあんまり話してないし」

 

あと2人部員は本当に集まるのだろうかと晶は段々と疑問に思い始めていた。そもそも私に部員を探させるのが間違いなのだ。私はクラスでも白兎意外とは滅多に話さない。いや話す必要がないだけで決して話すことが嫌いなわけではないが…自分から進んで輪に入って行かないためクラスでは浮いてしまっている。そんな私に部員探しとは…それを思い、ため息をつくと白兎の口から予期せぬ言葉が出てきた

 

「じゃあさ私が四人目に立候補してもいいかな?」

「へ?…白兎麻雀できないんじゃ…?」

「うんまったく、でも面白そうだし!!それに少しでも晶ちゃん達の力になりたいなぁなんて…ダメかな?」

「うぅん…全然、これから一緒にがんばろう?」

「うん!!えへへへ、よーし、確か宮永さんだっけ?白糸台高校で1年生からレギュラー入りしてたの」

「…そうだけど?それがどうかした?」

 

どうやら麻雀ができなくても1年生からレギュラー入りを果たし白糸台高校インターハイ優勝の立役者となった宮永照は知っているらしく、その宮永照の真似をしているのか白兎は右手をぐるぐると回し始める。

 

「よーし私も宮永さんを目指すよーまずは腕を回す練習から、」

「それはしなくていい…」

 

 

麻雀部設立まで後1人……

 

 

 

 

 

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