Fate/Zero~絶望を切り裂く閃光~   作:スペル

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お待たせしました!!
漸く凛との会話です
上手く文章にできた自信はないのですが、出来る限り頑張りました

楽しんでもらえたら、嬉しいです!!


第十五話 小さな強さ(ゆうき)

崩れ落ちる天井と迫る海魔を前に凛は…

 

――――あ、死ぬんだ私

 

涙が流れ、悲鳴がこぼれる。しかし冷静な部分が淡々とその事実を認める。そんな矛盾した中で確かに見る。赤い髪を揺らし、自分たちの目の前に降りかかる絶望を斬り裂かんとする閃光の姿を。

 

「あっ」

 

「吹き飛べ!!」

 

振り上げられるユキヒメから放たれる純白の光の波が、瓦礫を海魔を吹き飛ばす。その光に目を瞑った凛が目を開ければ――――

 

「綺麗」

 

満点の星空に立つ赤い髪の戦士に注がれる純白の光の残滓。その光景は美しく凛の脳裏に焼き付いた。

凛が目を奪われている中、レイジは辺りを見渡す。

 

「よし。全員無事みてぇだな」

 

その場にいる子供たちを見渡し、無事を確認し、安堵の息をこぼす。

 

「さて、さっさと協会に連絡入れて、こっちに来てもらうか」

 

「ダメ!!」

 

「へ?」

 

何気なく呟やいたレイジの言葉に凛は焦ったように声を発する。不意の声にレイジの視線が凛へと向く。

 

――――なんか、似てないか、あの子

 

あの時はキャスターとそのマスターに意識を向けていて気が付かなかったが、事がひと段落付き、改めて見ると、己のマスターとどことない面影を感じる。ある憶測が浮かび上がるが、レイジはそれをあり得ないと振り払い叫んだ凛と目線を合わせる。

 

「ダメって言われてもな。心配しなくても、別に悪い事は起きないよ。ただ、君たちを元の場所に戻すだけだから」

 

「ダメったら絶対にダメ!!」

――――お父様に怒られる

 

自分は嘘をついて此処に来たのだ。協会に来られたら、自分が此処にいることがばれてしまう。そんな事になれば、お父様に怒られる。下手をしたら、期待を裏切り失望されるかもしれない。

それだけは絶対に避けなければならない。そうでなければ、あの子に顔向けができない。

 

余りに切羽つまったような言葉にレイジはどうしたもんかと悩む。そんなやむレイジの耳元に

 

《はあ~。お前は本当に鈍いな》

 

自分の相棒の声が聞こえる。その声に焦って周りを見るが、どうやら気が付いた様子はない。どうやら、聞こえない様に工夫している様だ。そのことに安どの息を漏らす。いきなりどこからともなく声が聞こえ、あまつさえ刀がしゃべったとなれば、何も知らない子供は混乱必至だろう。

 

――――いきなりなんだよ、ユキヒメ

 

《バカはお前は!!目の前の少女から魔力を感じないのか》

 

相棒に言われて改めてレイジは、目の前の少女に意識を向ける。確かに僅かながら魔力を感じる。

つまり、彼女が魔術師であることを示す。そしてその事実は、先ほどの憶測を再び浮かび上がらせる。

 

「なあ、君って何て名前なんだ?」

 

そのレイジの指摘に凛は、口を塞ぐ。先ほどの事を見るに今、目の前にいるのは、話に聞いていたサーヴァントと呼ばれる存在なのだろう。そんな存在に自分の名前を告げれば、どうなるかは、想像に難しくない。ゆえに言いよどむ。

そんな姿を見たレイジは、ため息を吐く。そして自分の後ろにある瓦礫を指さす。

 

「俺は今から協会に連絡を入れる。ばれたくないなら、あそこに隠れてな」

 

「え?」

 

「いいから、隠れてろよ」

 

それだけ告げるとレイジは簡易的な結界を場に張り、その場から離れる。暫く唖然としていた凛だが、既にその言葉を信じるほかなく、急ぎ早に瓦礫の影に隠れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

光る街の影。路地裏へと通じるその場所の入り口でレイジは、空を見上げながら使者が来るのを待っている。考えるのは、先ほどの少女。

 

――――まさかな

 

しかし考えれば考えるほどに濃厚になていく。

 

――――やっぱ聞くしかねぇか

 

ある意味で覚悟を決めたレイジは、その迫る足音に反応する。視線を向ければ、シンプンの姿をした二人の男性の姿。

それを確認したレイジは、二人を背にその場所まで案内する。

 

「それでは我々は、一度協会に戻ります」

 

「おう、子供たちの事任せたぜ」

 

車に子供たちを乗せた聖職者の言葉にレイジはひと段落といったように呟く。

 

「少し、お伺いしたいのですが」

 

「あん?なんだよ」

 

「あなたほどの存在ならば、子供さえ見捨てれば、討てたのでは…」

 

「俺に見捨てろってか」

 

その言葉に二人は一瞬意識を手放しかける。それほどまでの圧を感じる。

 

「腐っても俺は救済者(セイヴァー)だ。それが救える奴らを救わねぇなんてありえねえだろ」

 

最早意識を保つのすらギリギリのライン。そんな二人にレイジは重く告げる。

 

「今度俺にそのセリフを言ってみろ。それは俺に対する敵対宣言だ。誰が相手だろうが、絶対に倒す。わかったら、さっさと行け」

 

冷たく普段のレイジからは考えれないほどに冷たい言葉。それだけに彼の逆鱗に触れたのだと二人は察する。そして早々に言葉通り立ち去る。

車が去る姿を見送りながら、レイジは改めて魔術師という存在に嫌悪を覚える。

 

「さて、もう行ったから。出てきていいぜ」

 

軽く息を吐き、気分を落ち着かせたレイジは隠れている存在に声をかける。その声に反応して陰から凛が顔を出す。

 

「どうして私を匿ったの?」

 

「うん?」

 

物陰から現れた凛は単純な疑問を口にする。別に隠す必要などなかったはずなのに、むしろ隠すどころか殺されてもおかしくはなかった。それなのに目の前の存在は自分をかばった。

凛の言葉にレイジは、さも当然というの様に――――

 

「だって、ばれたくなかったんだろ」

 

「へ?」

 

言われた言葉を凛は一瞬理解できなかった。

 

「まあ、聞きたいこともあるけどさ…君はさ、助けるためにあの場所にいたんだろ。だったらさ、俺と君は仲間だろ?仲間の願いを聞かない奴なんていないよ」

 

徐々に理解できるその言葉の意味に凛はひとまずよかったと安堵をこぼす。それでも目の前の存在への警戒を解かない。

そんな凛の気配を察しているレイジは、苦笑をこぼす。

 

「さて、君はこの街から早く出ような。此処は、君にとっては危険すぎる」

 

「…わかってるわよ」

 

話題を変える様に呟かれたレイジの言葉に、凛は悔しそうに呟く。結局自分は何もできなかった。助けるつもりが逆に助けられた。

 

――――やっぱり私は、まだ全然ダメなんだ

 

失意の感情。幼いながらも賢いがゆえに悟ってしまう現実。無力さを悔やむ自分と、今までの努力を全て無駄だと言わんばかりの現象。幼い凛の心が沈んでいく。普段ならばあり得ないが、それほどまでに垣間見た存在は強烈だった。一目その存在を見た時、才能があるがゆえにその鱗片を感じ取ってしまった。目の前で自分たちを背にする存在が光ならば、言いようもないほどの深く淀んだ闇。無意識の恐怖。それが引き金となり、凛の心を落とす。

下を向き、無機質なコンクリートだけを移していた凛の視界が――――

 

「きゃっ!?」

 

突如として星空へと変わった。しばしの混乱のち、自分が抱きかかえられている事に気が付く。俗にいうお姫様抱っこの形で、レイジが空へと飛んだ。

今も一定の速度でビルの屋上を蹴り、街の空を駆ける。

 

「駅まで送るぜ。そこからなら、帰れるよな?」

 

本当はついていきたいんだけどな。と言葉を続けながらレイジは、凛に目的地を告げる。告げられた凛は小さい声で「わかった」とつぶやく。

時間にすれば、数秒の沈黙。そしてそれを破るように――――

 

「君の行動は…」

 

レイジがゆっくりと話し始める。

 

「上手く言えば『勇気ある行動』悪く言えば『無謀な蛮勇』だな」

 

淡々と告げられる現実に凛は唇を噛む。湧き上がる怒りとそのあとに押し寄せる諦めの感情。そうだ、自分は何もできなかった。自分が何もしなくてもきっと友人は彼が救っただろう。自分の行動は、全く意味のない無意味なもの。

必死にこらえるのは流れ落ちようとする涙のためか、それとも―――

 

「だから、その小さくて尊い強さ(ゆうき)を忘れないでくれよ」

 

「え?」

 

何かに堪えていた凛の耳に届いた優しい言葉。

 

「それはさ、誰もが持ってるわけじゃないんだよ。それに持っていたとしても、成長するたびに失われもする(・・・・・・)

 

そう語るレイジの言葉は、優しくどこか願うような声音が籠っている。

 

「確かにその強さ(ゆうき)は、君を弱くするかもしれない。でもな…その誰かのために動ける強さ(ゆうき)は、いつかきっと…誰かのためになるし。君の為になると思う」

 

話される声音は、優しく凛の心の中に浸透していく。

 

「そんな強さ(ゆうき)を意味のない物と、捨てないでくれよ。それは本当に尊い物なんだからさ」

 

「……ふんだっ!当然じゃない。絶対に忘れないわよ!!」

 

優しく軽く撫でられ、不思議と沈んでいた心が浮上していく。どこか願うような豹所を見て、凛はその願いを聞き入れようと思った。確かに難しいかもしれないが、それでもその願いを彼が言った強さ(ゆうき)をもって成長したいと、自分が思った。

 

「心配されなくても、私はぜっっったいに変わらないんだから」

 

真っすぐと見つめて指さし宣言する凛。その姿に一瞬呆けた顔をしたレイジだが、次の瞬間には笑みを浮かべる。

 

「そっか、君がそういうなら安心だな」

 

「当然でしょ」

 

その笑みにつられ凛もまた年相応の笑みを浮かべる。

 

「着いたな」

 

共に笑みを浮かべ終えると同時に、駅前にたどり着く。その場で凛を降ろすレイジ。

 

「此処から先は大丈夫だな」

 

「ええ」

 

レイジの言葉に凛は小さく頷く。

 

「ねぇ…」

 

少しの恥じらいをもって凛が小さな声で何をを聞こうとした瞬間――――

 

「凛!!」

 

「お母さま!!」

 

己の母の声が聞こえ、その方向を見る。そこには慌てた表情の母親葵の姿。娘の無事を確認した葵は凛に抱き着く。

 

「よかった。無事で本当によかった」

 

「お母さま」

 

涙を流しながら安堵の声をこぼす葵に凛は何も言えずに好きなようにさせた。

その中で――――

 

「あれ?」

 

凛はレイジの姿がいつの前にか消えている事に気が付く。

 

――――名前まだ聞いてなかったのに

 

少しの失意を覚えながらも、凛は葵と共に冬木の地を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛がその場から去るのをしっかりと見届けたレイジゆっくりと息を吐く。

 

「やっぱ、桜のお姉さんだったか」

 

《ふむ。桜とはだいぶ対照的だったが、考えるにいい姉妹だったのだろうな》

 

「戻してやりたいな」

 

《そうだな》

 

一瞬の沈黙。そして二人は決意を新たにする。

 

「さて、帰るか。桜が待ってる」

 

《ああ》

 

そう言って二人はその場を後にし、桜の待つ場所へと駆ける。

そしてあともう少しでたどり着くといった場所で――――

 

「あ?」

 

「げぇ!!」

 

「おお、セイヴァーではないか!!」

 

ライダーと会合した。




如何でしたでしょうか?

凛への言葉
上手く伝わったでしょうか?
こういう時、上手く文にできないのが凄くもどかしいですね

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