Fate/Zero~絶望を切り裂く閃光~   作:スペル

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お待たせしました!!
今回は桜中心の物語です
なんか雑になった気がするので、違和感とかあったら教えてください

八月中に更新したかったのですが、無理でした・・・畜生
楽しんでもらえたら、嬉しいです!!


第十七話 つかの間の平穏

夜に交わした約束。そこから僅かに時間が経ち、朝。レイジとユキヒメは、桜を連れ商店街を歩いている。

 

「ふわぁ~~」

 

「あくびをするな。みっともない!!」

 

桜と手をつなぎながら歩くレイジは、空いた手で軽く口を覆いながらあくびをこぼす。そんなレイジの姿にユキヒメが注意を促す。夜にユキヒメから忠言を貰ったレイジだが、案の定というべきか、約束の時間ギリギリまで寝てしまっていたのだ。そこからは桜がよく聞く売り買い言葉の口喧嘩。

煩わしいと思うはずの平穏な光景。二度と手にすることができないと思っていたその光景を、誰よりも身近に聞き、僅かに桜の心の奥底に何かが疼く。

 

「うん?どうしたサクラ」

 

無意識にレイジの方を見つめていた桜。それを疑問に思いレイジが桜に問う。その言葉で自分がレイジを見つめている事に気が付き、恥ずかしくなったのか慌てて顔を逸らす。

 

「???」

 

「お前の間抜け顔に呆れていたのではないか」

 

サクラの硬度に疑問を持ったレイジの耳にユキヒメの容赦ない言葉が届く。

 

「なっ!サクラはそんな奴じゃねえよ!!」

 

「ふん。如何にサクラが優しいとしても、相手がお前ではな」

 

「どういう意味だよ!!」

 

「言葉通りの意味だ」

 

最初の言葉を皮切りにレイジとユキヒメは、口喧嘩を始める。その光景はレイジが来てからというもの桜が、十回以上見慣れたもの。ほんの少し前の自分なら煩わしいと感じたはずなのに、今の桜にとってはある意味で日常の象徴と化している。だからだろうか、二人の喧嘩を見ていると、どこか安心して笑みが無意識にこぼれる。

 

「見ろ!!サクラだって、お前のくだらない言い訳に呆れて笑っているぞ!!」

 

「いや絶対、お前の石頭な言い訳に笑ってるんだよ!!」

 

「なっ!誰が石頭だ!!誰が!!」

 

「お前以外にいないだろう!!」

 

サクラの笑顔から再び口喧嘩の熱が過熱する。まだ午前とはいえ、周りには人がいる。かなりの音量で口喧嘩する二人に、視線が集まる。普段なら、集まる視線に恥ずかしい想いをするはずなのに、不思議と桜はその口喧嘩をしばらく見て見たいと思った。

微かに根付く温かな記憶。自分の手を取り小走りに先を進む、大好きな姉の背。それとは違い、自分の隣を歩く大きな二つの人物。その二人に双方の手を握られ、同じ歩幅で歩いている。手から伝わる温かさ。少し高いとこから聞こえる二人の口論。最悪の変化から、続けて起きた変化。時間にしてみれば、二、三日の筈だが、もっと長いようにすら感じている。

 

「さて、このまま買い物も悪くないが…せっかく朝早くから出かけるのだ、少し散歩してから向かうというのはどうだろうか?」

 

「おっ!いいんじゃねぇか」

 

久しぶりに見る人の営みの景観に視線を左右に寄せていた桜の姿をみたユキヒメはふとそんな提案を告げ、レイジもその意見に同意する。

突然の提案に桜は「えっ?」と驚き、自分のせいで予定が狂うのではと顔を俯かせる。

 

「ごめんな…」

 

そう思ったからこそ、その言葉がこぼれようとするが―――――

 

「謝らなくていいぞ」

 

レイジがこぼれるよりも早く否定する。

 

「でも…」

 

「いいか、サクラ」

 

それでも気負う様子を見せる桜。そんな姿にレイジは、目線を桜と合わせ、頭にポスと手を置く。

 

「自分のやりたい事とか想いは口に出さなきゃ、誰にも分んねぇんだぜ。俺たちはお前に喜んでほしいし、楽しんでほしい。だから、わがまま言っていいんだぜ」

 

ワシャワシャと桜の髪を撫でながらレイジは明るく優しく告げる。そしてそんなレイジの言葉に続く様に――――

 

「そうだぞ、サクラ。お主は優しいからな。周りを気遣い、自分の意見を言えないなんて事が多いのだろうが、私たちに遠慮する必要などないぞ。迷惑とも思わん」

 

ユキヒメがレイジと同じく視線を合わせ、頭に手を置きながら優しく告げる。二人の言葉と温かさが心地よく、僅かな勇気を桜に与える。

 

「えっと…公園に、行ってみたい…です」

 

消えそうなほど小さな声。しかし確かに発せられた言葉にレイジとユキヒメは笑みを浮かべる。

 

「よし!じゃあ、公園に行くか」

 

「ふむ。では、そこで昼ご飯を食べるとしよう。今朝に作ったパンも持ってきている事だしな」

 

「おっ!それいいな」

 

「何を言っているレイジ?寝坊して手伝わなかったおまえの分はないぞ?」

 

「はっ!それはひどいぞ、ユキヒメ!!」

 

「ふん。知った事ではないな。私とサクラ二人で食べような」

 

何度目かもわからない口論を始める二人。その姿に桜はあたふたと困惑しながらも、ぎゅっと胸のあたりで手を強く握り――――

 

「あっあの、私の分のパンあげるから…喧嘩はやめて……ください!!」

 

少し語気を強めて告げる。突然の桜の言葉にレイジとユキヒメは口論を止め、互いの視線を合わせる。そして互いにクスと笑みを浮かべる。

 

「ありがとうな、サクラ」

 

「甘やかす必要などないのだぞ。よくアルティナを怒らせて、飯を抜かされていたからな」

 

そこからまた口論が始まるが、完全にレイジに部が悪く、しばらくして土下座で謝罪し頼み込む形で決着した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

着いた公園は、遊具が少ない広場のような場所。草花が生え緑豊かな場所。既に何人かの子供たちがサッカーなどをして遊んでいる。その一角にシートを敷き、レイジたちは昼食をとっている。

 

「美味い。サクラ、また腕を上げたんじゃないか?」

 

「当然だ。誰が教えていると思っている」

 

「少なくともお前だけじゃないだろう」

 

サンドイッチを口に運びながらユキヒメの言葉に反応するレイジ。桜は褒められたのが嬉しいのか、僅かに頬を朱色に染めている。

僅かに顔を出す桜の人間性を視界の端に収めながら、二人は口論の中でも笑みを浮かべる。失われていたものが、僅かだが戻ってきている。その事実がたまらなく安心する。

 

「だが、サクラの腕前ならば、すぐにでもお前の腕を超えそうだな」

 

「いーや!先に越されるのは、お前だろ!!」

 

「ほう。それはあれか。…私の腕はお前に劣ると言いたいのか?」

 

「そう言ったんだよ」

 

黙々とパンを食べる桜をしり目に口論を続ける二人。その雲行きが、徐々に険しさを増してゆく。

 

「嘘だな。以前にやった、食べ比べでは私が勝っていたではないか。アミルやエアリィにネリスも私の方が美味しいと言っていたではないか」

 

「そのすぐ後の食べ比べじゃあ、俺の勝だったはずだ。アルティナもエルミナもミスティもローゼリンデも俺の方が美味しいって言ってたの忘れたか」

 

「だが、リックに一番褒められた回数が多いのは私だぞ」

 

「サクヤさんに褒められた回数なら俺の方が多い」

 

まさに平行線の会話。互いに引く気のないのは明らかだ。しかしそんな二人のに――――

 

「あ、あの~」

 

桜の声が届く。瞬間、二人は口論を止めて桜の方に視線を向ける。向けられた桜は、恥ずかしそうにしながらも一言だけ小さく告げる。

 

「レイジさんたちのお友達の話が聴きたい…です」

 

それは二人と出会った時からの疑問だった。会話の中から出てくる多くの名前。そしてその時の二人の表情が興味を持たせる。最初はなぜ?としか思わなかったが、徐々にそれが興味へと変わった。それが何を意味するかは桜自身にはわからない。しかし、その言葉にレイジとユキヒメは嬉しそうな笑みを浮かべる。

 

「ああ、いいぜ。いくらだって話してやるさ」

 

「話題は尽きないからな」

 

嬉しそうに二人は話す。不器用なパン職人の青年の話。その青年の幼馴染である少女三人の話。自分を鍛えてくれた美しい女性の話。個性的な面々をまとめ上げ自分に体術を教えてくれた男の話。気ままな猫のような少女の話。やさしさを素直に出せない少女の話。おっちょこちょいだけど勇気ある少女の話。我儘だけど優しい少女の話。優しく素直な少女の話など、自分たちが語れるだけ多くを桜に語る二人。その話を桜はただ黙って聞いている。話を聞いている中で桜は、レイジたちが話す友人が本当に大切なんだと理解する。幼いながらに理解するだけの何かを、その話から感じる桜。だからこそ――――

 

「会ってみたいな」

 

そう思っても不思議ではないのかもしれない。その言葉に二人は一瞬、虚を突かれたような顔をするが、すぐに笑みを浮かべ―――

 

「いつか紹介するぜ」

 

「ああ、きっと会わせよう」

 

約束するように小指を前に出す。それを見た桜は僅かに嬉しそうにすると恐る恐るといった感じで自分も小指を出す。

 

「「「指切りげんまん」」」

 

約束を交わした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

約束を交わし、シートなどを片付けるレイジたち。その中で桜は少し離れたところで遊んでいる子供たちの集団に目をやる。男女混じって楽しそうにサッカーをしている。

 

「混ざりたいなら、行ってきても構わんぞ」

 

桜の目線に気が付いたのかユキヒメが告げるが、桜は恥ずかしがって何も言わない。仕方ないかと思っていると、レイジの足元にサッカーボールが転がってくる。

 

「すみませーん!ボール取ってくださーい!」

 

ボールを拾ったレイジの前に赤髪の少年が駆けよってくる。

 

「ほらよ」

 

「ありがとうございます」

 

レイジはボールを少年に返す。ボールを渡された少年は頭を下げ、礼を述べる。そして元居た場所に戻ろうとしたところで、桜と視線が合う。視線が合った桜は慌てて視線を逸らす。視線を逸らされた少年は、少し考える素振りを見せると桜の方に近づき、手を差し伸べ――――

 

「一緒に遊ぼうぜ!!」

 

「え…?」

 

桜を誘う。差し出された手を見る桜。そしてもう一度少年の方に視線を向ける。向けられた少年は満面の笑顔を見せる。オロオロと困惑していると、その背をユキヒメとレイジが優しく押す。その動作に桜の中で行動が決まる。そしてゆっくりと差し出された手を握る。

 

「うん」

 

「そっか!じゃあ、行こうぜ」

 

桜の返事を聞いた少年は桜の手を引っ張って集団の中にかけていく。その姿を二人は嬉しそうに見ている。少年少女たちは「遅いぞー士郎」「その子誰ー?」と桜の事を歓迎している様だ。

その後、レイジとユキヒメは、おっかなびっくり遊ぶ桜の様子を優しく見守っていた。

 

時間にすれば三時間ほどだろうか。子供たちはおやつの時間だと言わんばかりに別れの言葉を告げて公園から去ってゆく。そしてそれは桜も例外ではなく、レイジとユキヒメの元に戻ってくる。

 

「楽しかったか」

 

「…はい」

 

レイジの言葉に桜は少し間を置きながらも肯定を示す。その言葉にユキヒメは「よかったな」と笑みを浮かべる。

 

「じゃあ、買い物に行くか」

 

「ああ、夕ご飯の材料やらを買わねばならんからな」

 

そう言って二人は桜の手を取り歩き出す。その背から――――

 

「またな――――!!」

 

桜を誘ってくれた少年の声が届く。その言葉に桜は恥ずかしながらも手を振り返す。その姿が微笑ましく、二人は外に出してよかったと改めて思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

買い物を済ませ、三人が両手にスーパーの袋などを持ちながら帰路に着いている。

 

「いや~今日は楽しかったな」

 

「意外な穴場な場所も見つかり、実に有意義だったな」

 

レイジとユキヒメは満足といった表情で帰っている。言葉は発しないが、桜も同じではないだろうと思っている。

やはり自分達だけでは戻るのに時間がかかるが、外からの新しい刺激はとても桜にとっては大切だと実感する。今日だけでも桜の中には新しいいな蘇るような刺激があったはずだ。一生懸命にスーパーの袋を満ちながら歩く桜を見ながらレイジとユキヒメはそう思う。

視線を下に向けていたからだろうか。もしくは桜に意識を向け過ぎていたからだろうか。レイジとユキヒメの二人は、普段なら絶対に犯さないミスを犯す。

 

「…あって!!?」

 

前を見ずに下にいる桜を見ていたためだろうか、前方で立ち話をしていた二人組の片割れにぶつかってしまう。

 

「何をしておるのだ…全く。うちのバカが失礼した。すまない」

 

「大丈夫ですか?」

 

前方不注意のレイジに呆れを見せるユキヒメはレイジのぶつかった相手に謝罪をするが、次の瞬間目驚きの表情を見せる。

ぶつかられた方は、声を聞いて初めてぶつかられた事に気が付いたようにこちらを向く。

 

「いや、気にせんで…うん?おおっ!セイヴァーではないか!!昨日ぶりではないか」

 

「うん?あ、ライダー!!」

 

「うげぇ、セイヴァー」

 

そこにいたのは昨夜の夜にぶつかり合ったライダー従者の姿。

 

「貴様とは何かと縁があるな」

 

「確かにな昨日の今日で会うとはな」

 

起き上がりながらレイジはライダーの言葉に同意する。

 

「おお、そうだセイヴァーよ。今日の夜お主暇か?」

 

「あん?特に予定なんてものは決めてないが…」

 

「それは行幸。いや、何。セイバーが城を持っていると聞いたのでな…酒宴を開かうかと思ってな。お主もどうだ?」

 

立ち上がったレイジに向け、イスカンダルは提案を持ち掛ける。その提案にウェイバーは「おぉい!!マジかよ!!」と驚きの声を上げる。そしてイスカンダルの言葉に、レイジは瞳を細める。ユキヒメは桜と共に少し離れた場所で様子を見る。

 

「ただの酒宴の訳ねぇよな?何を考えてるんだ…」

 

言葉を僅かに強めての問い。その問いにイスカンダルは笑みをもって返す。

 

「おうともよ!此度の聖杯戦争には余以外にも『王』が参戦しておる。ならば、武だけでは器は計れんというもの。さすれば、互いの腹の内を見せ合えば、おのずと聖杯を得るにふさわしい者がわかるというものだ!!」

 

「俺は王じゃねぇぞ。そこに居合わせていいのか?」

 

イスカンダルの言葉にレイジは単純な疑問を口にする。

 

「構わん。競い合うのは何も王としての器だけではないからのう。それで…どうだ?」

 

レイジの疑問にイスカンダルは気にしない。むしろドンとこいだと告げる。そして顔を近づけつつレイジに問う。

しばし思考するレイジだが、答えは決まっている。

 

「わかった受ける。場所は、セイバーの城でいいんだな?」

 

「おう!酒もこちらで見繕うゆえにお主は何も持ってこんでいいぞ」

 

「わかった。じゃあ、また夜にな」

 

それだけ告げてレイジとイスカンダルは別れる。

 

その後桜に先ほどの二人の説明(誤魔化し)をしながら帰路に着いた。




如何でしょうか?
上手く桜の心情とかを察してもらえるように描けていたらいいのですが

話は変わりますが、FGの水着ガチャどうでしたか?
自分は四回10連して、マリーさん(術)一体だけでした・・・・・弓トリアと弓アン&メアリー欲しかったな~~

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