Fate/Zero~絶望を切り裂く閃光~   作:スペル

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F/Gで10連ガチャを何度か回しているのですが、出て来るのはほとんど概念武装
そして…何度目だよ兄貴キャスター
ああ、フレンドの皆さんが腹ペコ王や慢心王を使っている事を見ると、本当に羨ましい
というか、基本的にフレンドの皆さんのリーダーが羨ましい…

そして遂に第一戦が終了
第三話から続いていましたが、漸く終わった
本当にいろいろ起き過ぎだろ

楽しんでくれたら嬉しいです



第九話 騎士道

時間は少々遡り、バーサーカーとレイジの一騎打ち。

ランサーのマスターケイネスは、怒り震えていた。理由は言うまでもなく、先ほどのライダーの発言だ。ケイネス自身英雄という存在に敬意を払ってはいるが、サーヴァントととは所詮座の記録を持つ、従者に過ぎないと考えているため存在そのものを下に見ている。

その自分よりも下だと決めつけた存在に、お前は臆病者だと断言されたのだ。天才として魔術師として順風満帆に生きてきたケイネスにとっては、我慢できる物ではない。

そんな彼の怒りを吹き飛ばす光景が目に広がる。黄金の波紋から生まれる破壊の一撃を躱し、閃光の様に迫る姿。それは間違なく神話の一幕のような光景。

 

「何だこれは…」

 

認めたくない、それでも認めなければいけない。自分が呼び出したランサー(ディルムッド)よりも、あのセイヴァーなるサーヴァントの方が強いと。しかしそれはあくまでもステータスの身の話。神代の時代遥か格上とも牙を交えねばならぬ英雄たちからすれば、格上にすら届く己の刃を持つのだ。だが、ケイネスはそれを信じれない。

 

湧き上がる感情に理性が呑まれそうになる中で、戦況が変わる。セイバーを狙っていたバーサーカーの間にセイヴァーが乱入して代わりに戦っている。しかもそのさなかに見せた、バーサーカーの能力を拒んだ力。ますますケイネスの焦りが憤りが膨れ上がる。

ふと、その中で名案がケイネスに浮かび上がる。

即座、ケイネスはその指令をランサーへと伝える。

 

『ランサーよ』

 

「主ッ!!」

 

戦況を見守っていたランサーにマスターの声が響く。

 

『今すぐ、バーサーカーと共闘しセイヴァーを倒せ。あのセイヴァーたるイレギュラーは危険だ』

 

告げられた命令にランサーは息を呑む。彼の本心を言えば、セイヴァーとは一対一で戦いたい相手である。先の三つ巴で得た満足感や高揚感、そしてセイバーとバーサーカーの戦いに割入った姿。どれもが彼の騎士道精神を揺さぶる。だからこそ、セイヴァーとは一対一での勝負を望んでいる。

 

「お持ちください、主よ。セイヴァーは必ずや、このディルムッド・オディナが誇りに掛け討ち払って見せます。故に、この場はあの狂犬目を…」

 

『何をしている。その誇りとやらを今見せろと言っているのだ』

 

「主よ…どうかお考えを…」

 

ランサーの決死の想い。されど、その声はケイネスには届かない。

 

―――何が誇りだ‥‥忌々しい。たかが従者の立場でこの私に意見するなど

 

ケイネスの視線が、己が甲に刻まれた奇跡令呪に向けられる。

 

―――まさかこれほど早く、これほどつまらん事で使う羽目になるとは‥‥全く忌々しい

 

『令呪を持って命じる』

 

「主よ…!!」

 

ケイネスの言葉に、ランサーは己の声が届かぬことに悲しみながらも、最後まで問いかけ続ける。

しかし、それすらケイネスは一蹴する。

 

『バーサーカーを援護しセイヴァーを‥‥‥殺せ』

 

瞬間、赤い閃光が場を奔った。直後、ランサーがゆっくりとレイジたちに迫る。

ケイネスは、己の決断を最高だと判断するだろう。そしてそれは切嗣も同じだろう。だからこそ気がつけない。その命令は如何に英雄たちの侮蔑を買うのか、如何にかの騎士の誇りをプライドを壊すのか…

 

 

 

ランサーの顔を一目見て全てを察した。だってその表情が全てを物語っているのだから。不甲斐ない己への怒り、自分を信じてくれない主への忠義ゆえの苦しみ、そして自分が認めた相手に対する非礼に対するモノ。

故にレイジは少なくとも、自分に感じている非礼の縛りからだけでも救いたいと思ったからこそ、そう告げた。

 

 

不甲斐なかった、赦せなかった、なぜだと叫びたかった。その戦場には、向かい合うのではなく、肩を並べたかった。赦してくれなどと思いもしない。拒む魂とは対照的に、身体は動いて行く。そしてそのたびに何かにひびが入る音が聞こえる。

だからこそ、その言葉を聞き救われた気がした。赦す訳でもなく、咎める訳でもなく、ただ自分をその瞳に少し救われた。不思議と、ひび割れる音が止まった。

 

 

 

迫るのは、暴拳と赤い長槍。対するレイジは、迫る圧を前に臆することなく前に踏み込む。金属音を鳴り響かせるのは、拳と刀。拮抗は一瞬、弾き飛ばされたのはバーサーカー。驚愕したように吠える狂戦士から視界を外し、己の死角から迫る槍の一撃を交わす。

人数で敗けている以上、最も避けねばならいのは、囲まれる事。敵の一人以上に常に死角に居られること。

その事を理解しているからこそ、レイジは走る。

それを追うように、狂気がの嵐が、望まぬ敵意が迫る。受けはしない、放たれる攻撃を往なし次を見据える。そうする事で人数の不利を補うが…

 

「チィ‥」

 

左右から挟むように放たれた槍の二撃。往なすのは不可能だと判断し、上へと逃げるが、既に狂気が牙を覗かせている。頭上より感じる圧と、下より迫る一突き。判断の時間など無い中で、レイジの本能は最適を選択、そして本能に身を任せレイジが動く。身体をコマのように回し、遠心力を上乗せした一撃をバーサーカーの一撃にぶつける。

ぶつかり合う両者。ギチギチと鈍い音をたてながら、変化が起きる。

 

■■■(アアア)ッ?」

 

「なめるなッ!!」

 

純白の光を放ちながら、レイジの一撃が、バーサーカーの一撃を打ち破り、そのまま下に叩き付ける。

 

「ッ!」

 

迫る黒き鎧を見たランサーは、即座にその場から離脱。獣のうめき声と共に轟音が鳴り響く。

そして息つく暇なく、レイジが拳を構え落下する。閃光の墜落と評せる速度で落下に、更なる獣の苦痛の吠えが響く。

 

剣を交えた騎士王は、戦況を見守り続けた大王は、矛を交えた騎士は、その一撃の威力と速さを持って理解する。セイヴァーたる彼は、実力を尻上がりに上げて来るタイプであると。

その証拠に、徐々に彼らの目ですら捉えきれないまでに上がってきている。

 

「少しは効いたか」

 

煙を見守る中で呟くが、即座にそれが間違いだと悟る。感じる敵意がまるで弱まっていない。

 

――――あの蟲の記憶が確かなら、余りバーサーカーに負担を掛ける訳にはいかないが、そうなるとランサーの攻撃が厄介だな‥‥どうする

 

思考する中でも意識は、敵へと向ける。故に、二騎が駆けてくることも察しているが…

 

――――クソッ‥‥手が定まらねえ

 

迷いながらも攻撃を躱し、己が一撃を閃光として振るうが、迷い敵を見据えぬ剣では敵は倒せない。その証拠に、一撃は容易に躱される。

そしてその一撃が故に、ランサーの顔は曇り、刀剣がまるで責める様に純白の光を放つ。

 

――――‥‥わかってる。迷ってたら、何も救えないだろ

 

戒める様な純白の光からの想いを察して、迷いを打消し己が相棒に告げる。その答えを聞き、光は安心したように穏やかになる。

 

――――とりあえず、ランサーを先に…

 

狙いを定め、決意を新たなにした直後、雷光が再び戦場を奔る。

 

「これは…!!」

 

OOOLalalalala(オオオラララララ)ッ!!」

 

「ハッア!!」

 

狂気を押しつぶしのは、雷を纏いし神牛の戦車、敵意を弾くは、不可視の風の斬撃。

 

「イスカンダル、アルトリア?」

 

乱入して来た存在にレイジは目を見張るが…

 

「!! バーサーカーは」

 

「ほう。どうして、なかなか根性がある奴だな」

 

地面に一撃の傷跡を残す、ライダーの一撃。されどバーサーカーは生存している。しかし、積み重なったダメージにとどめを刺す形となったのか、黒い霧と共に姿を消す。

即座にレイジは、辺りの魂を感知するが、場に魔力があれ過ぎ、上手く感知する事が出来ない。

 

「セイバー、すまない」

 

「気にするな。同じ騎士として、貴方を止めない訳にはいかない」

 

「そう事だ、ランサーよ」

 

当初二人は、レイジの言葉を聞き、静観を選択していたが、戦いのさなかに見せたレイジの表情が、二人に乱入を決意させた。あの戦いを穢させない為に、騎士の誇りを失わせない為に、何より地獄を地獄としない為に。

 

「とまあ、見ての通りだ魔術師よ。何処から覗き見しとるか判らんが、下種な手口で騎士の戦いに水を差すのではない。即刻ランサーを退かせよ。なお、これ以上続けると云うのでの在れば、余とセイバーは‥‥セイヴァーに加勢する」

 

その宣言と同時、高貴なる騎士王と世界を征服せんとした大王は神牛に騎乗し、レイジの隣に並び立つ。

 

「三人がかりで貴様のサーヴァントを潰しに掛かるが…どうするね?」

 

慈悲深く、そして不敵告げる。直後、再び何処からか歯ぎしりする音がきこえる。

 

『撤退しろ、ランサー。‥‥今宵は此処までだ』

 

「…‥感謝する、征服王」

 

「なに、戦場の華は愛でる質でな」

 

ランサーの言葉にライダーは笑みで返す。そしてランサーはセイヴァーを見据る。見据えられたレイジは、笑みを浮かべ告げる。

 

「今度は一対一(サシ)で戦おうな」

 

「…‥‥必ず」

 

レイジの言葉にディルムッドは笑みを浮かべ返す。そして霧となり姿を消す。

静寂が支配する。

 

「助かった。借りは返す」

 

「気にするでないわ。言ったであろう、戦場の華を愛でるのが質じゃとな」

 

「こちらもだ。この借りを返そうと思うならば、再び剣を交わらせて貰えれば十分だ」

 

「アンタらとは長い付き合いになりそうだ」

 

「ふむ、確かにな。次に相見えるならば、再び血を熱く高ぶろうではないか。坊主、お前は何か気の利いた言葉はないのか」

 

「イスカンダル、お前のマスター気絶してるぜ」

 

「全く…もう少し何とかならんものか」

 

「いやいや、唯のマスターにしては上出来だろ」

 

「まあそれもそうかの」

 

「またな」

 

「ふむ」

 

互いに笑みと決意を交わす。

 

「さらばだ」

 

雷光と轟音をたてながら、ライダーは戦場を後にする。

 

「ふう。それじゃあ、俺も帰るとするか。それじゃあな。次はアンタとも一対一(サシ)で戦いてえな、セイバー(アルトリア)

 

「ああ、望むところだ」

 

二人もまた決意を交わす。誓いを立てたレイジは、静かに倉庫街を後にする。これから先牙を交える敵の強さを魂に刻みながら。

 

 

 

 

レイジは人気(ひとけ)のない場所に来ると、己が刀剣を召喚する。

 

「やっぱ、強かったな。お前もそう思うだろ、ユキヒメ」

 

レイジの声に呼応する様に、刀剣が輝き光の粒子となり姿を変える。

 

「確かに、あの場所に出揃った誰もが、英雄と呼ばれるに相応しい者達だ」

 

光が形作ったのは、巫女服と黒いドレスを合わせたような服を纏い、肩まで切りそろえられた艶のある黒髪を紫色のリボンでまとめた美少女。

 

「しかし、マスターと呼ばれる者達は全くもって気に食わん!!一体騎士達の誇りを何だと思っているのだ!!」

 

誰もが美しいと思える笑みを浮かべたと思えば、怒りに顔を染める。

 

「わあっ。落ち着けユキヒメ。気持ちはわかるけど、そいつらに怒ったって仕方がないだろ」

 

「確かにそうだが‥‥」

 

レイジの言葉にユキヒメは、渋々と納得する。

 

「ともかく、今はそれよりも…」

 

「わかっている。サクラのことだな」

 

「ああ、それで作戦があるんだけど」

 

レイジの言葉を聞いたユキヒメは、笑みを浮かべいい案だと告げる。

 

彼女こそレイジにのみ担い手になる事を許された霊刀。この世界において、第三魔法に部類される存在。

世界を救いし、霊刀の名は『ユキヒメ』

 

レイジは、駆け足で桜のいる場所に帰る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その場所は薄暗くむせ返るような血の匂いで包まれている。

 

「おお、おお‥‥‥麗しの聖処女ジャンヌ(・・・・)ッ!!」

 

地獄の再現といえる場所に不気味なローブを身に付けた一人の男がいる。目の前にある水晶を見ながら、狂気に満ちた歓喜の声を上げている。

 

「旦那‥?」

 

そのわきに控える一人の優男が引き気味に問う。それほどまでのおかしいのだ。

 

「運命の乙女が…神に見放された聖女が…復活なされた!!」

 

水晶を指さされ、優男は指さす場所を見る。そこに映りこんだのは、凛とした騎士王アルトリア・ペンドラゴンが映りこんでいる。

 

「麗しの聖処女よ‥‥すぐにでもお迎えにまえります」

 

栄えある戦場の影で、狂気が蠢く。

牙剥くまで残り僅か…‥




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