超兵器これくしょん   作:rahotu

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作戦前の準備回になります。

まあ準備と言っても(笑)の方なのですが。



南方海域編・序章
20話


朝靄も晴れぬうちから横須賀鎮守府の港でその巨体を横たえ係留されているスキズブラズニルでは、出航前の最後の物資の積み込みが行われていた。

 

大勢の妖精さん達がクレーンやフォークリフトで忙しく作業する中、焙煎は項目毎に並べられたチェックリストを片手に作業の進捗状況を調べていた。

 

また夜があける前から始められた作業は、今の時間大半の物資の積み込みが終わり、今ある分を乗せ次第、後は乗員の収容を完了次第出航するだけであった。

 

既に超兵器達は艦内ドックに収容され、外に出ている妖精さん達もこの後直ぐに乗船する予定だ。

 

このまま何もトラブルが起きなければ、予定通りに出航できる筈だ。

 

そうこうする内に、最後の物資を納めたコンテナが積み終わりそれと同時に妖精さん達の乗船が完了する。

 

そうしてタラップが外され、舫い紐が解かれると船はゆっくりと埠頭から離れ始めた。

 

「よし、積み残しや遅れた者はいないな。念の為もう一度各部署毎で点呼と搬入した資材のチェックをするように。それが完了次第しゅっ「待って〜!」⁉︎」

 

突然、声がしたかと思うと誰かがタラップを駆け上がってくる。

 

「な、馬鹿危険だ、止まれ⁉︎」

 

既にタラップは外されており、このままでは海に落ちてしまう可能性がある。

 

それを思って相手を制止しようと焙煎が相手の顔を見た時…

 

「え?」

 

見覚えのあるその顔に思わず言うべき言葉が出なかった。

 

そして勢いそのままに焙煎の胸元に飛び込む形でジャンプして来たので、思わず受け止める形になってしまい二人とも甲板に倒れこんでしまう。

 

そして焙煎には、受け止めた瞬間、嗅いだ事のある甘い匂いがした。

 

「きゃっ⁉︎」

 

「わっ」

 

焙煎を下にする形でぶつかり倒れる二人。

 

「う〜ん、いた〜い〜⁉︎」

 

「〜〜っ‼︎」

 

二人とも痛さを堪えて額を摩る。

 

周りにいた妖精さん達は一体何が何やらと呆然とし、状況がうまく掴めないでいた。

 

「あ⁉︎やっと見つけた〜」

 

聞き覚えのある声と、デジャブめいたシチュエーション。

 

焙煎はゆっくりと目を開け、自分に馬乗りになった件の人物の顔をマジマジと見た。

 

「また逢えたね、ヴァ〜イセン」

 

以前あった時と同様、シミひとつない白い肌と、エメラルドグリーンの瞳には稚気地味た輝きを宿し、亜麻色の風に靡く髪。

 

「何で、君がここに?」

 

そう、以前焙煎を情報部の手より助け出した彼女が目の前にいた。

 

 

 

 

 

 

「私本日付で経理部より配属となりました会計監査官の鏡音影子少尉です。これから宜しくね」

 

と可愛らしげなウィンクを飛ばす彼女。

 

あの後起き上がった二人は、兎に角事情を聞かねばと焙煎は自分の執務室に連れて来ていた。

 

ソファーに座らせ問いただそうとするも、焙煎の機先を制され「はい、これ」と一枚の紙を渡された。

 

渡された書類には、新しく人員が派遣される事と、今後自分達の艦隊に彼女が同行する旨が書かれていた。

 

「焙煎武衛流我中佐だ。つまり君は“鈴”と思って良いのか?」

 

焙煎は勤めて外見上の平静を装ったが、内心では動揺していた。

 

(いつかは誰かが来るとは思っていたが、まさかそれが彼女だったとは…)

 

兎角、自然に目がいってしまいがちな自分を抑えるのに苦労する焙煎。

 

しかしそれを見透かされたかの様に、鏡音は甘い声で。

 

「胸、見てますよ〜」

 

と焙煎を揶揄う。

 

「な⁉︎ちがっこれは」

 

慌てて否定するも、そうすると相手はワザと腕を組んで胸元を押し上げてみせる。

 

「うふふ、良いんですよ〜慣れてますから」

 

そうして男の反応を楽しんで悪戯っ子の様な笑みを浮かべる鏡音。

 

正直、相性が悪いと言うほかない。

 

兎に角話を戻さねばならない。

 

「その、見たのは謝る。すまなかったこの通りだ」

 

と頭を下げる焙煎、しかし帰ってきた反応は。

 

「うふふ、冗談ですよ。ヴァイセン中佐」

 

「な⁉︎」

 

と突然のことに絶句する焙煎を目の前に鏡音はいけしゃあしゃあとこう告げる。

 

「さあ、話を戻しましょう」

 

色々と問い詰めたい事が沢山あるが、それらを何とか飲み込む焙煎。

 

相手が話を切り出してくれたのだから、先ずはそちらを片付ける事にした。

 

「で会計監査官殿は一体どの様な御用事で?」

 

「今は貴方の部下ですヴァイセン中佐。鏡音、若しくは親しみを込めて影子とお呼び下さい」

 

先程の仕返しも込めて嫌味を言うが、相手はそれを平然と受け流す。

 

どうにも役者が違うと、焙煎は心の中で素直に認めた。

 

「では鏡音少尉、聞くがウチに一体“何を”しに来た」

 

「今の所は“何も”」

 

じっと相手の目を見る焙煎に、それを平気な顔で受け止める鏡音。

 

ほんの少しの間、無言になる二人。

 

「分かった、それだけ聞ければ十分だ」

 

焙煎にとって聞くべき事を聞いた、といった所だ。

 

個人的にはもう一つ聞きたい事もあるが、今は場所が悪い。

 

せめてあと一人か二人、超兵器達がいる所でないと聞けない事だ。

 

「表向きの理由は送った資材がちゃんと運用されているかの調査と、後は〜艦娘のメンタルケアとかですかね」

 

「メンタルケア?」

 

最初の理由は分かるが、最後の事についてはピンと来ない焙煎。

 

そもそも、この艦隊にメンタルケアのお世話になる様な神経の細い者はいない。

 

寧ろ平気で人の頭髪と胃を攻撃する図太い集団、それが焙煎のイメージするこの艦隊の面々だ。

 

「そう、メンタルケア。聞きましたよ〜ヴァイセン中佐は何でもご自分の艦娘に余り興味が無く放ったらかしなんだとか」

 

鏡音の非難がましい声に、焙煎は興味が無いのでは無く必要以上に関わらない様にしているだけだと言おうとし。

 

「いやウチはどちらかと言うと放任主義と言うか、アイツ等も勝手気侭と言う…」

 

しかしそれが返って相手に火をつけてしまった。

 

「だとしてもです⁉︎知っていますか、中佐が鎮守府に居ない間彼女達が何をしていたか」

 

焙煎の答えに信じられないものを見たかの様な声を挙げる鏡音。

 

先程までとは打って変わって雰囲気が真剣なものになる。

 

「いや、それはその…」

 

言葉を濁す焙煎。

 

ここ最近、アルケオプテリクスの開発と作戦の準備とで余り彼女達とはあっていなかったのだ。

 

「その様子ですと知らないみたいですね。結構噂になってますよ」

 

『やれ日がな一日間宮のテラスを占領する』

 

『間宮に入ろうとした艦娘がオーラを感じて逃げた』

 

『噂になるも、あの青葉が取材を諦めた』

 

『複数揃うと更にヤバイ。普段係留されているドックの一角の空気が重くなる、寧ろ次元が歪んでいる』等など

 

「お、おう」

 

それを聞いて流石の焙煎も事態の深刻さを受け取った。

 

そう言えば、最近艦隊の空気が悪くなっていたなと、遅まきながら気が付いた。

 

(そう言えば、ヴィルベルヴィントも同じ様な事をそれとなく伝えて来た筈だ)

 

「良いですかヴァイセン中佐。貴方はちゃんとした正規の艦娘教育を受けて来なかったとは言え、今はもう立派な『提督』なんですよ」

 

「彼女達にはちゃんと人間としての身体と心があるんです」

 

「本当にしっかり女の子として見てあげないと、そのうちそっぽを向かれちゃいますよ」

 

「いや、こっちも事情があってだな…」

 

しかし鏡音はジロリとキツイ目で見ると、有無を言わさぬ声で一言。

 

「返事は?」

 

「イ、イエスマム」

 

焙煎には全面降伏する道しか残っていなかった。

 

「ふふ〜ん、ならば宜しい」

 

鏡音は満足気に頷くと今度は口調を一転、普段通りの明るい甘い声で焙煎の手を取って立ち上がらせる。

 

「さあ、話は終わりました。それじゃ行きましょうか」

 

「え?あ、ちょっと待ってくれ。行くって何処にだ」

 

突然利き手を取られ、しかも柔らかい感触を感じて慌てる焙煎。

 

「何を言ってるんですか?新しい部下が来たんですよ。艦内を色々案内してくれるんじゃ無いんですか」

 

さも当然の事の様に言い、頭に疑問符を浮かべ小首を傾げる鏡音。

 

どうやら彼女の中では既定路線の様だ。

 

「いや、それだったら妖精さんとかに頼めば…」

 

正直に言って、焙煎は今日は色々とありすぎ精神的に疲れ切っていた。

 

本当なら今日はこのままベットに倒れこみたい位だ。

 

「私は、貴方が良いんです。それじゃダメですか?」

 

上目遣いで、エメラルドグリーンのつぶらな瞳で見つめられ、しかも腕を挟み込む様に押し付けられる柔らかい感触とで訴え掛ける鏡音。

 

潤んだ瞳からは今にも涙が溢れそうで、古今東西この手の女性の頼み抵抗出来る男は少ない。

 

そして悲しいかな焙煎は人間としても、そして男としても凡人であった。

 

「わ、分かったから。案内するよ、だから離れてくれ」

 

「ありがとうございます、か〜ん〜ちょう」

 

結局抗し切れず、折れた焙煎は何とか彼女を腕から引き剥がそうとするが、離れまいと余計に強くしがみつく鏡音。

 

しかも最後の艦長の部分は、耳元を舐めるかの様に甘く蠱惑的な響きを持って告げられる。

 

思わず、ゾクリとして利き手と反対の手で耳元を抑える焙煎。

 

そしてマジマジと彼女の顔を見て改めて思う。

 

最初会った時は掴み所のない少女然としていたが、今日会った彼女は更に色々な面を見せてくる。

 

天真爛漫のようでいて悪戯っ子の様な所もあり人を翻弄する。

 

かと思えば突然有無を言わさない態度で人を諭し、大人の女としての余裕も見せる。

 

そして最後に見せた人を誘う魔性の姿。

 

一体どれが本当の彼女なのか?

 

焙煎は益々正体が分からなくなってくる鏡音影子の存在に、新たな胃痛とストレスの元を感じつつあった。

 

こうして新たな乗員を加えた焙煎達一行は、一路針路を南に取りトラック諸島を目指す。

 

既に集結を完了している艦隊と合流し、南方反攻作戦に参加する為だ。

 

焙煎が超兵器を得てから半年が過ぎ、再び彼は南方の海に足を踏み入れようとしていた。

 

果たして今度こそ南極までたどり着けるのか?

 

それはまだ誰にも分からない…。

 

 

 

 

 

 

 

南方トラック諸島、嘗ての大戦ではここに大規模な前線拠点が置かれ、今次大戦においても西太平洋における海軍の重要拠点として整備されていた。

 

現在、南方反攻作戦に合わせ巨大な環礁内には200隻を超える艦艇が停泊している。

 

そのどれもが各地から集められた精鋭集団であり、今次作戦の鍵を握っていると言っても過言では無い陣容だ。

 

それを同泊地の司令部の窓から眺めていた古崎大将は満足気に頷いた。

 

古崎大将は50も半ばを過ぎる年齢であり、若過ぎず老い過ぎず海軍大将として脂の乗った、均衡の取れた指揮官と軍令部から見られている。

 

事実、古崎大将はこのトラック泊地を預かる司令官であると同時に、南方全域の指揮監督する立場にある。

 

言うなれば軍令部を主とする高野元帥と参謀達が大まかな方針を決める頭だとすれば、古崎大将はその手足となる立場で実質的な実働艦隊の指揮官であり、今次作戦において全艦隊の総指揮を任されていた。

 

つまり作戦の全権を委任されているのだ。

 

「ずっと前線にいて戦い続けてきたが、漸くこの日を迎えられたか」

 

古崎大将は感慨深気に瞳を閉じ、今まで散っていった部下達に思いを馳せる。

 

待ちに待ったこの時が来たのだ、その思いもひとしおだ。

 

「私としては、我々の事を軍令部が忘れないでいた事の方が重要です」

 

感傷に浸る古崎大将に水を差す様に、背後から痩身の男が冷たい声で言う。

 

「長年こちらを放ったらかしにし、挙句内部闘争にうつつを抜かす連中の為にどうして我々が戦わねば成らないのです」

 

「矢澤参謀、言葉が過ぎるぞ」

 

若干の怒気を込めた声で古崎大将は矢澤参謀を諌めるが、しかしその怒気の半分は矢澤参謀と同じ位軍令部に向けられていた。

 

「軍令部も漸く本気になったと言う事です。その半分でもこちらに回してくれればもう少し状況は変わっていたでしょうに」

 

そう言って冷笑する矢澤参謀。

 

この性格に難のある男は長年古崎大将の元で参謀をしているが、元は軍令部出身で将来を嘱望されていた身だ。

 

しかし本人の性格と他者を見下す言動から上官に嫌われ、前線へと左遷させられた。

 

しかも左遷先でも現地の提督と揉め、結局古崎大将がこの厄介者を預かる羽目になったと言う顛末だ。

 

だが流石は元エリート、その能力は本物であり苦戦が続く南方海域を古崎と共に支え続けて来た実績がある。

 

故に中々切りたくとも切れない難物、と言うのが古崎大将の偽らざる本音であった。

 

「そうそう、その軍令部から新しく増援がくる様です」

 

「なに、この時期にか?」

 

既に作戦は秒読み段階にある。

 

訓練も編成も終わり、後は「さあ行くぞ」と言う段階で軍令部から新しく増援が来るとなると古崎大将も内心軍令部は一体何を考えているんだと疑った。

 

最も疑いこそすれ、純粋に戦力が増える分にはいい事である。

 

古崎大将は深くは考えない様にしたが、しかし矢澤参謀はそこに爆弾を落とす。

 

「どうやら件の増援は軍令部の紐付きの様で。しかも高野元帥の直属らしく半ばフリーハンドも与えられているとか」

 

「な、それを早く言わんか⁉︎そんな奴が今こっちに向かってきているのか!」

 

軍令部の紐付きと言うだけでも厄ネタなのに、それに加えて高野元帥の直属ともなれば事は政治的な意味合いが大きくなる。

 

この大事な時期に、内部にそんな爆弾を抱え込むなど御免被りたい古崎大将は、一縷の望みを掛けて参謀に暗にこう尋ねた。

 

「…今からソイツを追い返す事は出来んか?」

 

「無理でしょうな。不幸な事故を装うにも件の艦隊は例の超兵器とか言うヤツらしく、これが滅法強いとか」

 

「超兵器?所詮あれはただの噂だろう、良くあるプロパガンダ部隊とは違うのか」

 

「そう言った類では無く、どうやら実力は本物の様です」

 

「なら益々厄介では無いか」

 

「でしょうな」

 

矢澤参謀にバッサリと切って捨てられ、表情が消え先程までの気分が台無しになる古崎大将。

 

南方反攻作戦は大将の心の中では早くも暗雲が垂れ込み始めていた。

 

そんな古崎大将の心を見透かした矢澤参謀は、勤めて冷静さを保って平然とこう言った。

 

「閣下、ようはその艦隊が作戦に関わらなければ良いんです」

 

「なに?出来るのか」

 

矢澤参謀の言葉に、途端に表情が戻る古崎大将。

 

「ええ、例の艦隊も含め作戦の全権はこちらが握っています。それを使えばどうとでもなりましょう」

 

「しかし、もし仮にだが。軍令部の高野元帥の権威を振りかざしてきたらどうする?」

 

「御心配には及びません。それならそうと幾らでもやり方はあります、無論私に全てを任せる事が前提ですが」

 

「分かった、貴官にこの件を一任する。だが、なるべく穏便な手段で頼むぞ」

 

「ええ、分かっておりますとも。私にお任せあれ」

 

念を押した古崎大将だが、今更になって不安に襲われる。

 

長年の付き合いから、この男が関わって波風が立たなかった試しが無いのだ。

 

しかし、今回ばかりはどうか穏便に住んでくれと願うばかりであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

3日後、例の艦隊こと焙煎達がトラック諸島に到着した。

 

そして古崎大将が警戒する焙煎はと言うと。

 

泊地が艦隊で溢れ返っていた為、環礁の外にスキズブラズニル達を停泊させ、鏡音少尉を連れ立って泊地司令部へと向かっていた。

 

その理由は司令部への挨拶と、作戦会議に参加する為であった。

 

妖精さんが操る内火艇に乗り込んだ焙煎と鏡音の二人は、環内の光景に目を奪われた。

 

「良くもまあ、これだけの艦隊を集めたものだ」

 

「壮観、とは正にこれの事だ」

 

環内に所狭しと停泊する軍艦の群、群、群。

 

まさに、浮かべる城ぞ頼みなるを地で行く光景に少なからず焙煎の心も高揚する。

 

「ええ、そうですね。なんてったって海軍の総力を結集した大作戦ですもの。これ位は当然だと思います」

 

一方鏡音少尉はと言うと興味が無いのか、平然とした態度でいる。

 

「やけに冷めているな。何かあったのか?」

 

気になった焙煎は鏡音少尉にそう尋ねた。

 

「いえ、ヴァイセン中佐の所に回された資材でどれだけの艦隊が整備できたかと思うと、つい」

 

「うぐっ⁉︎」

 

藪をつついて蛇をだした焙煎は、痛い所を突かれ思わず呻く。

 

しかし焙煎には焙煎なりに目的も理由もある。

 

言い訳がましいそれを焙煎は伝えようとするが、その前に鏡音少尉がいつもの通りの天真爛漫で悪戯っ子の様な笑みを浮かべ、逆に諭す様に言う。

 

「うふふ、今のは冗談ですけれども、でも覚悟してくださいねヴァイセン中佐」

 

「ここはもう戦場なんです。困った時に高野元帥も軍令部も頼る事は出来ません。なによりも前線を預かる指揮官と言うのは政治を嫌います。今までとは全く違った相手になりますから気を引き締めて行きましょうね」

 

いつもの少女然とした雰囲気で、しかし正しく現状を認識したその言葉を焙煎は胸に刻みつけた。

 

「ああ、分かった。少々浮かれていた様だ、ありがとう鏡音少尉」

 

「いえ、部下として当然の事をしたまでです。それにお礼の言葉よりも、こっちの方が嬉しいです」

 

そう言うや否や、鏡音はスルリと焙煎の利き手に腕を回し身体を密着させる。

 

「お、おいちょっと待て⁉︎」

 

「うふふ、い〜や〜で〜す」

 

「いや、待て⁉︎今船の上だからバランスがっ、てああもう!」

 

この後、結局バランスを安定させる為に更に身体を寄せる羽目になった焙煎と満足気な鏡音は、内火艇が桟橋に到着するまでそのままであった。

 

因みに、今回の一番の被害者は船の操船をしていた妖精さんであった。

 

この後、スキズブラズニルに戻った後二人の様子がどんなものであったかを超兵器達に報告する任務が課せられていたからだ。

 

それを思い大きくため息を漏らす妖精さん。

 

なんだかんだで艦隊で一番の苦労人は妖精さん達なのかも知れない。

 

 

 

 

 

 

 

内火艇から降りた焙煎達を待ち受けていたのは、痩身の眼光の鋭い男であった。

 

男はジロリ、と焙煎を一瞥し次いで隣にいる鏡音少尉に目を向けこう言った。

 

「ふん、戦場に女連れとはいいご身分だな焙煎中佐」

 

開口一番、そんな事を言われて(まあ言われてもしょうがないが)ムッとしようにも肩の階級章から相手が自分よりも上位にあると悟り、グッと堪える焙煎。

 

「焙煎武衛流我中佐であります。わざわざ出向いて頂き有難うございます…」

 

「ふん、貴様にでは無い。軍令部の顔を立ててやった迄だ」

 

さっきから相手の物言いや態度から如何やら、何か勘違いをしている様な気がして焙煎はそれとなく伝えようとするも。

 

その前に鏡音少尉が焙煎の小袖をちょいちょいと引き、そっと耳元に小声で相手が何者なのかを告げる。

 

「矢澤参謀よ、この泊地の基地司令古崎大将の右腕と言われているの」

 

「凄く気難しい事で有名よ」

 

しかし聞こえてしまったのか、ピクリと眉を動かした矢澤参謀は鋭い眼光を鏡音少尉に向ける。

 

「聞こえているぞ、そこの女」

 

「ふん、それと訂正するが古崎大将閣下はこの泊地のみならず南方全域を監督されているお方だ。そこらの基地司令や後方で踏ん反り返るばかりの連中とは一緒にしないで頂きたい」

 

「しかも閣下は今次作戦の全権を委任されている。軍令部でどうであったかは知らないが、此処では閣下が絶対だ。その点を履き違えないで貰いたい」

 

一方的に喋り続けた矢澤参謀は、徐に腕時計を見る。

 

「ふん、時間も惜しい。案内役を付けてやるから以後はその誘導に従う様に」

 

「会議が始まる時間になったら使いを出すからそれまで別室で待機している様に」

 

そうして顎をしゃくって見せた先に、二人の屈強な水兵が直立不動の姿勢で待ち構えていた。

 

そうして一方的に自分の要件だけを伝えた矢澤参謀は、焙煎に背を向けさっさとその場を去っていった。

 

後に残された二人は、突然嵐の様に来て去って行く矢澤参謀の後ろ姿を呆然と唯見ているしかなかった。

 

結局その後案内された部屋で焙煎達は一時間以上も待たされたが、結局使いは来る事なく唯悪戯に無為な時間が流れるばかりであった。

 

「さて、如何しましょうか?ヴァイセン中佐」

 

部屋の中には長机と椅子があるだけで窓も無く、暇を潰せそうなものは無い。

 

いい加減待つのにも飽きたのか、鏡音少尉は焙煎にそう切り出す。

 

「如何するもこうするも命令だから待つしか無い。しかし、こうも勝手が違うとは思わなかったな」

 

椅子に座り腕を組みジッと待っていた焙煎は、それに素気無く答える。

 

しかし内心では、これは身から出た錆だと思っていた。

 

今までが上手く行き過ぎていたのだ。

 

本来ならば自分はこの様な場所に居るはずが無い身の上であったのに、流れに身を任せていたらこんな所にいる。

 

そうして内火艇の上で告げられた鏡音の忠告の意味を、今は身を持って実感し続けている焙煎は頭を悩ませた。

 

「もしかしたら、このまま帰らせて貰えないかも知れないな」

 

「ええ、そうですね。お外ではさっきからずっと怖そうな人達が立って居ますし」

 

チラリと、扉の外を見る様に一瞥をくれる鏡音少尉。

 

扉の外では、此処に案内した屈強な水兵の二人が立っているのだ。

 

多分、頼んだからと言って部屋から出してくれそうな雰囲気でも無い。

 

半ば部屋に軟禁された二人であるが、それならそうと彼女には考えがあった。

 

「ねえ〜ちょっといい」

 

「ん?何だ、此処から出られる方法でも思いついたのか」

 

「うふふ、そうかもね」

 

鏡音は意味ありげな視線を焙煎に送った。

 

 

 

「ねぇ、力を抜いて?」

 

「最近イロイロ(ストレスとか)溜まってるんでしょ」

 

「大丈夫、私に任せて」

 

「うふふ、緊張しているのね。少し濡れているわ」

 

「ほら、こんなに張っちゃって。痛そう、うふふふ」

 

「ああ‼︎やっぱり、スっごくカタイ。今解してあげるから」

 

扉の前で直立不動の姿勢で立って居た屈強な水兵達は、部屋の中から聞こえてくる只ならぬ様子に、二人で顔を見合わせた。

 

部屋の中で男女が二人っきり、一体中で何が起きているのか。

 

少し興味が湧かないでも無い彼等であったが、しかし与えられた命令には忠実であった。

 

そう与えられた命令は『指示があるまで部屋から出すな』である。

 

決して中を覗くな、では無い。

 

お互いに無言で意味ありな視線を交わすと、扉をほんの少しだけ開けて二人で中を覗こうとし…。

 

「おい、そこで何をしている⁉︎」

 

突然背後から声を掛けられ、二人は慌てて振り返り敬礼し、元の直立不動の姿勢に戻るがその動きはぎこちない。

 

「お、大石大佐殿⁉︎何故こちらに…」

 

何とか話を誤魔化そうとするも、上手く言葉にならずアタフタする水兵達。

 

「聞いているのは私だ。貴様等、此処で一体何をしている。ん?部屋の中に誰かいるのか」

 

しかしそんな二人を他所に、大石大佐は僅かに開けられた扉の向こうを覗こうとする。

 

「ま、待って下さい大佐殿、今はその間が悪いと言うかダメと言うか何と言うか」

 

それを慌てて止めようとする二人だが、返ってそれが大石大佐の疑念を募らせた。

 

「ん?中に見ちゃマズイもんでもあるのか?」

 

「そもそもだが貴様等、一体誰の命令でこんな事をしている。いや待てよ、そう言えば今日の会議の席に一つ空きがあったな」

 

「大方、参謀殿に嫌われた誰かが中に入ると見たが違うか?」

 

確信を突かれて押し黙る二人。

 

その様子で「、はは〜ん」と全てを察した大石大佐は一歩踏み出す。

 

「中に入るぞ、そこを退いてくれ」

 

「大佐殿、困ります。我々は参謀閣下より部屋の中から出すなと…あっ」

 

慌てて口を塞ごうとするも、確りと聞いていた大石大佐は呆れ交じりに言った。

 

「やはり参謀殿差し金か。貴様等、士官を監禁するとどうなるか知らんとは言わせんぞ」

 

「ですが此処から出すなとの命令で…」

 

「勝手に入る分には構わんだろ。それともまだ何かあるのか?」

 

結局、屈強な水兵達はそれ以上抵抗する事は出来ず、シブシブ扉の前から立ち去るしか無かった。

 

 

 

 

一方部屋の中では一体何をしていたかと言うと…

 

「おい、こんな事をして、うっ、一体何が、面白いんだ?」

 

はぁはぁ、と男女の荒い息遣いが部屋の中に響く。

 

「うふふ、そうは言っても。体は正直ですよ」

 

潤んだ瞳で熱い吐息を漏らしながら、両手は忙しなく動いていく。

 

「さっきから、ビクンビクンと、反応して。私まで熱っちゃいそう」

 

鏡音は身体をくねくねと身悶えさせ、より一層の力を込めた。

 

「なあ?やっぱり何かおかしく無いかこれ?」

 

焙煎は首を後ろに向け、呆れ交じりにそう言った。

 

そこには身体をクネクネさせながらも、焙煎の両肩を絶妙な力加減で揉む鏡音少尉の姿があった。

 

鏡音少尉が言うイイコトとは、つまりは焙煎の肩揉みであったのだ。

 

「変じゃ無いですよ。部下が上官を労わるのは当然の事じゃないですか」

 

「近頃お疲れなのは本当の事じゃないですか」

 

「いや、そう言う事じゃなくだな。たかが肩を揉んだ位でそんな声を出さなくとも…」

 

焙煎は疑わしそうな顔で見たが、しかし不意に寂しそうな表情を鏡音は浮かべた。

 

「それに、今の内に触れ合っておきたかったし…」

 

自然と口に出たその呟きにハッとする鏡音。

 

「ん?何か言ったか」

 

しかし幸いな事に焙煎には聞こえておらず、不思議そうな様子で鏡音を見ている。

 

「うふふ、な〜んでもありません」

 

それを笑って誤魔化す鏡音だが、しかし不意に部屋の扉が開き誰かが入って来た。

 

「失礼するぞ、おい誰かそこにいるのか」

 

聞き覚えのある声に焙煎は慌てて椅子から立ち上がり、相手の顔をマジマジと見た。

 

「その声、もしや大石大佐じゃありませんか?」

 

「ん?俺の名を知っているのか。いや待てよもしかしてそこに居るのは…」

 

 

 

 

 

 

 

「まさか、お互いこんな形で再び会う事になろうとはな。俺が貴様の上司だったのは一体何年前だったかな?」

 

「まだ半年です大佐。今しかし回は助かりました、正直自分達ではどうする事も出来ませんでしたから」

 

大石大佐に向かい合う様にソファーに座っていた焙煎達は、頭を下げて彼に感謝する。

 

「気にする事は無い、元上司としてのよしみだ」と言ってトレードマークである口髭を揺らして笑う大石大佐。

 

彼はエリート海軍人と言うよりも海賊船の船長と言った方がしっくりくる風貌をしているが、これで提督適性が焙煎と同じ全く無いのだから驚きだ。

 

元々、焙煎が提督として前線に徴収される以前に勤めていた部署の責任者であり、後方勤務時代に何かと世話になった縁がある。

 

その時の事を思い出して、焙煎の口元にも自然と笑みが浮かんだ。

 

あの後、焙煎達は部屋に入ってきた大石大佐の計らいによって彼の執務室に案内され、そこで事の顛末を聞かされたのだ。

 

どうやら彼は、軍令部と前線との確執に巻き込まれてしまった様だ。

 

それに対して思う所のある焙煎であったが、大石大佐の手前それを表に出す事なく素直に謝辞を述べるにとどめた。

 

今は一通りの話も済み、さてこれからどうするかと言う段階に入った焙煎は思い出した様に隣には座っている鏡音少尉を大石大佐に紹介する。

 

「申し遅れました、隣に座って居る彼女は鏡音影子少尉と申しまして、今は私の部下として色々と手伝って貰っています」

 

焙煎に紹介された鏡音少尉はペコリと頭を下げた。

 

「御紹介に預かりました鏡音影子少尉と申します。以後お見知り置きを」

 

「大石だ、しかしこんな美人さんを部下に貰うとは正直言って羨ましいぞ。これも高野元帥閣下の差し金かな?」

 

「ま、鏡音君もコイツに愛想が尽きたらウチに来ればいい。今は何処も人出が足りんからな」

 

と口では冗談を言いながらも、探る様な目付きで鏡音を見る大石大佐だが、鏡音は困ったかの様な笑み浮かべてはぐらかす。

 

それを見て「ふむ」と顎髭に手を伸ばす大石大佐。

 

この仕草は、彼が考え事をする時に出る癖の様なものだ。

 

「取り敢えず、これからどうするかだな。矢澤参謀を敵に回したとなると十中八九古崎大将も関わって居るだろうし、このままだと下手をすれば飼い殺しだぞ焙煎」

 

顎髭を撫でながら、大石大佐はこれからの事について本題を切り出す。

 

「何か手はありますか大佐?」

 

「自分に出来る事なら何でもやるつもりです」

 

兎に角此処では手詰まりな焙煎は、大石大佐に一縷の望みを賭けていた。

 

そして大石大佐も、焙煎の事を何とか出来るのは自分しか居ないと確信していた。

 

「無い事も無いが、どうだ焙煎。もう一度俺の下で働く気は無いか」

 

だが、その提案は思った程光明にはなり得なかった。

 

「自分も出来れば大佐の元に戻れたら常々思っていましたが、生憎と今は此方も事情がありまして…」

 

大石の言葉に、明らかに失望の色を隠せない焙煎。

 

大佐と別れる前の彼であればそれで良かったが、今の彼には元の世界への帰還と言う至上の目的がある。

 

今更古巣に戻る事など出来ないのだ。

 

「いやそう言う意味じゃ無い。下に着くと言っても一時的なものだ」

 

「?と言いますと」

 

上手く話が飲み込めない焙煎に、鏡音が助け舟を出した。

 

「つまり大佐殿は我々を雇おう、そう仰っているんですよヴァイセン中佐」

 

「今中佐は微妙な立場にあります。それが影響して軍令部と現場との確執は複雑に絡み合っています」

 

「大事な作戦を前に中佐を排除したくとも出来ない。恐らく古崎大将も矢澤参謀もこの件を持て余しています」

 

「そこを敢えて大石大佐が引き取る形で問題を解決しようと言うのです。そうですよね大佐?」

 

鏡音少尉の言葉に大石大佐は大きく頷いた。

 

彼としても、大事な作戦を前に身内の不和の芽を取り除いておきたい気持ちがあったからだ。

 

「ま、話は俺の方でつけておくからお前さんは気にするな。それにお前さんの所の超兵器の噂くらい聞いている。それを見込んでこの話を持ち掛けたんだ」

 

「実を言うとこれは俺に取っても渡りに船の話なんだが、今俺は補給計画全般を取り扱っているがどうして一つ解決出来ない問題があってだな」

 

「前線までの輸送船団の護衛を行う戦力がどうしても足りん。このままだと裸で戦場に送り出す羽目になる」

 

「その護衛を我々が肩代わりすると、確かにアリですね」

 

焙煎としても大石大佐の提案には大きく頷く所があった。

 

特にこの半年間、資材関係で何かと苦労をしてきたから補給が如何に大事か身に染みていたのだ。

 

「でしたら、ヴァイセン中佐。アレが使えるのでは無いですか?」

 

「アレ、ってもしかしてアイツか⁉︎まあやれない事も無いだろうが」

 

鏡音少尉の言うアレとは、つまりスキズブラズニルの事だ。

 

確かにスキズブラズニルならばこの計画の大きな助けになる事に違い無い。

 

だがそうなると、折角溜め込んだ資材を作戦の為に又放出するハメになるのではとの不安もあった。

 

「?何だ、詳しく話を聞こうじゃ無いか」

 

しかしそんな焙煎の不安も他所に、話が見えて来ない大石大佐は焙煎に説明を求めた。

 

焙煎は言うべきか言わないべきか迷ったが、結局言う事にした。

 

これから世話に成ろうという相手に対し、隠し事をするのは信用に差し障るからだ。

 

「いやウチの船に一隻、洋上ドック艦とでも言うべき奴がいまして。一個艦隊位の補給とか修理とか色々器用なヤツなんですよ」

 

それを聞き、俄かに色めき立つ大石大佐。

 

「何だと、それをもっと早く言わんか⁉︎詳しいスペックは後にしても、こうしちゃおれん。今から計画を作り直さなければ」

 

焙煎の話を信じるのならば、現在海軍にとって致命的に欠けていた大規模洋上補給能力の問題が一挙に解決する事になる。

 

それは今次作戦に関わるのみならず、これからの海軍の戦略を根底から覆す事になるからだ。

 

「焙煎、これから忙しくなるぞ。お前にもバリバリ働いてもらう事になるから覚悟しておけよ」

 

「は、微力を尽くします」

 

この後、大石大佐の部屋を後にした焙煎達はさしたる妨害も受ける事なく内火艇に乗ってスキズブラズニルへと戻っていき。

 

大石大佐も約束を違えず、後日正式な辞令で持って焙煎達の作戦参加を認めさせ。

 

こうして南方反攻作戦の時は刻一刻と迫って行った。

 

 

 

 

焙煎達に正式な辞令が降ったその日、トラック泊地の執務室において基地司令である古崎大将は厄介事が片付いたと安堵の溜息を漏らしていた。、

 

「上手くやってくれたようだな矢澤参謀。これで後は後顧の憂も無く作戦に集中出来ると言うものだ」

 

しかし矢澤参謀はそれについて嬉しいと思ってはいなかった。

 

「果たしてそうでしょうかな?私としては上手く行き過ぎな気がしてなりません」

 

「上手く行く事の何が悪い?作戦が成功すると言う幸運の前触れとは思えないのか君は」

 

折角褒めたというのに、矢澤参謀の相変わらずの態度に古崎大将は眉をひそめた。

 

「確かに、ヤツの経歴を洗い関連人物に当たりを付けた誘導出来ました。大石大佐が思ったよりも積極的だったのは誤算でしたが、それも修正出来る範囲内で済みました。それに懸念事項であった輸送船団護衛の問題も解決済み」

 

「だったら何も問題無いじゃ無いか?君は少し作戦を前に神経が過敏なんじゃ無いか」

 

時々、この楽観的な考えを羨ましく思う矢澤参謀ではあったが、しかしそれは参謀の考えでは頭の中で無いと否定する。

 

だが、これ以上考えようも無いのも確かだった。

 

「私はもう少し作戦を詰める為これで失礼します」

 

「おおそうか?だがあまり根を詰め過ぎない様にな。作戦中に倒れられたんじゃ事だからな」

 

古崎大将は、部屋を出る矢澤参謀の背中にそう投げかけたが返事は返ってはこなかった。

 

それは、作戦開始前の最後の日の事であった。

 

 

 

 

 




次回から艦隊決戦になります。

そしてその戦いの最中に、ある因縁の決着がつくと思います。

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