穏やかな白海竜と変態ハンター   作:神無月亮

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遅くなりました。神無月亮です。投稿遅れて、ごめんなさい。捕獲にモンスターを乱入させようか迷いに迷いましてね…結局、乱入させないことにしました。
それでですね…また投稿が遅れそうです。ええ、また1からなので。とりあえず、次回はアオアシラ(+α)の狩猟になります。ローラと二人?いえ、ローラは★1からですので、次回も一人です。はい。
さて、それでは皆さん。失敗してしまった感が半端がない作品に仕上がってますが、どうぞこの世界をお楽しみください。あと、ローラの出番があまりなくてごめんなさい。


第4話 盾

波のざわめき、人々の賑わい。既に聞き慣れた音だ。ああ、朝が来たんだな。

ゆっくりと目を開け、起き上がる。ローラはいない。彼女は船に乗って、タンジアの港に行ってしまった。短くても、あと1日はいないだろう。

寝ぼけ眼を擦り、体を伸ばす。つまり、いつも通りの一日。何も変わらない、何の変哲もない一日。ドンドンマに居た時も、こんな生活を送っていた。……………送ってたか?何気にここで生活してる方が落ち着いてる気がする。

そう……例えば、あのホm……うっ、頭が…!俺の頭が思い出すことを拒否している…!一体、何が…!

 

「おーい、レイン。目を覚ましたか?」

 

謎の頭痛に見舞われ、頭を抱えていると、モーニングコール兼ね村長が入ってくる。その手には幾つかの魚。これはあれか。見舞いという……うっ、頭が!頭が何かを激しく拒絶している…!そう、あれは…

 

『じゅるり』

 

まだハンターになる前…ある男と二人…

 

「うわあああああああああああああああああああああああ!!」

「どうした、レイン!?どうしたんだ!?」

 

尻と頭がいてえええええええええええ!!特に尻がいてええええええええ!!うがあああああああああああ!!

痛みから逃れようと、俺は全身を激しく動かしてもがく。けれど、痛みは一向に引かず、むしろ尻がベッドに当たる度に痛みが増した。なぜだ!?

 

「何だ!?尻が痛いのか!?尻の古傷が開いたのか!?」

 

突然もがき出した俺に混乱している村長の姿が目に入る。けれど、今はそれを気にしている暇はなかった。何たって、頭と尻が激しい痛みに襲われているのだ。そっちの方に意識が強制的に向けられて、結果として思考が痛み一色に染められる。

暫くもがいていると、何かを振り上げている村長の姿が目に入った。その顔はもの凄くやりたくなさそうで、しかし強い決意に満ちていた。一体、何を…?村長の予期せぬ行動に、痛みを一瞬だけ忘れる。

村長が何かを俺目がけて振り下ろす。俺にはそれがゆっくりと飛来してくる岩の様に見えて…

強い衝撃と共に、俺は意識を失った。

 

 

 

「で、一日中眠ってたと」

「そういうことだな」

 

翌朝、俺は看板娘のアイシャに昨日の出来事を話していた。頭に巨大なたんこぶを携えて。今も地味に痛くて、集中できない。

このたんこぶは、昨日村長に殴られた時にできたもので、どういうわけか未だに真っ赤に輝いている。どんだけ強く殴られたんだろうか。家にあったテーブルが粉々になっていたから、相当な力で殴られたんだろうが…ていうか、鈍器がテーブルだったというのが驚きだった。てっきり、ハンマーかと。

それにしても、俺は一体なぜ村長に殴られたんだろうか。何かから逃げようと、激しくもがいていたような気がするんだが…うーん、思い出せない。ていうか、思い出しては行けないような気がする。一体、何があったんだろうか…

まあ、いいか。忘れるってことは、どうでもいいことなんだろ。さっさとクエストに行こう。

 

「おい、アイシャ。俺でも受けれるクエストを出してくれ」

「ほいほいっと!どうぞ!」

 

俺の注文に、アイシャが待ってましたと言わんばかりに幾つかのクエスト資料を取り出す。俺はそれを一枚ずつ確認して行く。ふむふむ、狩猟…と捕獲…捕獲は面倒そうだな…でも、やらなければ行けない気がする…

 

「よし、決めた。アイシャ、船の出港手配を頼む。アオアシラを生け捕ってくるからな」

「はい!頑張ってくださいね!」

 

契約金を支払い、クエスト受注のはんこを押してもらい、俺は船着き場へと向かう。未だに帰って来てないローラのことが気がかりだが、彼女なら大丈夫だろうという謎の信頼によって、気にしないことにした。

 

 

 

孤島 BC

 

波のざわめき、木々のざわめき。ここでは人の声の代わりに、モンスターたちの声があちこちから響き渡る。何やら聞き覚えのない声があったが、あの声がアオアシラの声だろうか?

よくわからないが、とりあえず、言ってみよう。鳴き声は会った時に分かるはずだ。何たって、大型モンスターは俺たちを発見した時には、必ず咆哮を上げるんだからな。ハプル?あいつはこっちに気づく前にぼこったから、ノーカン。

あ、今回からは、兜は持ってこないことにした。その理由は……単純に邪魔だから。いや、だって兜って凄く持ちにくいし。だからもう要らねえかなと思って、

でも、まずは支給品漁りだな。回復はあればある程にいい。罠も…うん。あればある程にいいな。特に捕獲は狩猟とは違って、生かした状態でなければならないはずだから、相当難易度が上がるはずだ。となると、今回の武器である片手剣のボーンククリは失敗だったなぁ…弱らせ過ぎて、出血死させてしまい、クエスト失敗なんて笑えない。

気が重くなるが、解決策はある。要は出血死させなければいいのだ。となれば、剣は不要。盾だけを装備しよう。そうすれば、実質的に打撃武器だ。

 

「ハンマーみたいにはできないが、俺の戦闘スタイル的にはむしろ身軽な方がいいし、問題ないな」

 

というわけで、早速、剣をしまって盾を右手に装備。これで、捕獲の成功率が上がったはずだ。まあ、少し程度だろうが。だけど、何も対策しないよりかはマシ。俺はそう思い、エリア2へと向かった。

 

 

 

エリア2

 

一歩踏みしめる毎に川の水が流れる音が大きくなる。そして、それに混じる何かの足音。何かを舐め回しているような音だ。どうやら、相手は食事中らしい。

音の発生源の方を見ると、青い毛皮が見えた。そして、その端からはちらちらと黄金の粘液、蜂蜜が飛び散っている。見ないモンスターだけど、あれがアオアシラか?随分と汚い食べ方をするな…犬食いする俺が言えた義理じゃねえけど。

とりあえず、ペイントボールでマーキングしておくか。匂いで辿ろうにも、蜂蜜の匂いで誤摩化されそうだからな。というわけで、左手にペイントボールを持って、投げつける。結構、離れてるが、問題ないだろ。この前、ハプルを吹っ飛ばしたし。

俺の予想通り、ペイントボールはアオアシラの背中に付着し、自然界では非常に目立つピンク色の液体で毛皮の一部を染めた。これで見つけるのが容易になったな。さて、後は一気に決めるか。

右手の盾を構えて、一気に距離を詰める。アオアシラはそんなのにも全く気にせず、蜂蜜を舐めている。舐めてやがる、二重の意味で。

相手にされない方が楽なのは理解しているが、それでも腹が立ったので、微妙に揺れている尻を強く蹴り上げる。様々なモンスターの筋力を手に入れている俺の蹴りは、人より少し大きい程度のモンスターなら楽々と吹っ飛ばす。そして、今回もそうだった。

アオアシラの身体は軽々と宙を舞い、そしてすぐに地に落ちて転げる。2回転くらいすると、背中が壁に打ち当たって止まった。相手は上下逆さまなので、見てるとなんか笑えてくる。しかも、相手は全く動かず、口をあんぐりと開けている。あ、やべぇ吹き出しそう。

このままじゃ全く狩りに集中できないので、身体を横に倒してみる。すると、さっきまでの大人しさが嘘の様に暴れ出した。何だろう、さっきのを見てるせいで、凄く笑えてくる。あ、起き上がった。

アオアシラはさっきので怒ったのか、息を吸い込んで咆哮してくる。そして、俺はその息を吸う動作が更に壷に入り、抱腹絶倒する。結果、俺はさっきの仕返しとばかりに咆哮で吹き飛ばされる。

 

「ゴッ!ガッ!ガフッ!」

 

2、3回顔を地面に打ち付けて、俺は起き上がる。たんこぶも地面に当たったので、めっちゃ痛い。ちくしょう、笑ってたせいで痛い目にあった。訓練所のおっさんが笑う門には福来たると言ってたけど、絶対嘘だろ!

再び腹が立ってきたので、容赦せずに攻めることにする。右手の盾を転げている間に近づいてきたアオアシラの頭に投げつける。直撃。突然の攻撃に相手は反応できず、後ろに倒れる。そして、その隙に起き上がり、相手の真上にジャンプ。右手で拳を作り、重力に従ってアオアシラの腹に拳を叩き込む。相手が起き上がろうとしたせいで少しずれたが、まあ、問題ない。

そのままマウントポジションを取って、左手で顔面を掴み、顔面パンチ連打。殴るたびに重い音がし、骨を砕く感触を感じる。そのうち、ミンチになりそうだ。まあ、いいか。生かして捕まえればいいんだし。

暫く殴り続けてると、相手が動かなくなった。死んだかと思ったが、まだ鼓動と息を感じるので、気絶したようだ。だけど、なんか死にそうなので、そろそろ捕獲に移ることにする。罠はあまり使いたくないんだがなぁ…俺も引っかかるし。

アオアシラの身体から降りて、シビレ罠を取り出す。そして、地面にシビレ罠を設置して、すぐにその場から離れる。すると、その次の瞬間に、微弱な電気の網がアオアシラの周囲に発生し、捕縛した。

 

「よし、後は捕獲用麻酔玉を投げるだけだな」

 

シビレ罠の効果は長くて30秒と短いので、すぐに動かないと行けない。なので、俺も即行で捕獲用麻酔玉に持ち変えて、ニ、三発アオアシラに投げつける。なんかゴスゥという音が鳴ったけど、多分大丈夫だろう。口から血を吐いてるのが見えるけど、大丈夫だろう!

 

「ま、まあ、ともかくクエストは達成したんだ。だったら、問題ないよな?」

 

うん、捕獲は成功しているんだ。なら、途中で死んでも失敗にならないはず。よくわからないが。でも、捕獲対象が喰われて失敗したなんて話もあるからな…一応、ギルドの連中がやってくるまで防衛するか。

となれば、盾と剣を持って……ん?盾どこに行った?アオアシラの頭目がけてぶん投げたのは覚えてるが……そういえば、盾が落ちる音は聞こえなかったな。ということは…

 

「遠くに飛んで行ったな」

 

俺の耳が拾えない程に遠くに。さて、困ったな。このままだと攻撃された時に防げない。あの顎野郎の様にパリィすればいいんだろうけど、まだ慣れてねえしな…いつも回避してたし。

しかし、今から盾を取りに行こうにもなぁ…その間にアオアシラを食べられても困る。となると、ここに残って剣だけで防衛することになるんだが…行けるか?防衛はあまり得意じゃねえんだが…いつも殲滅ばっかりやってたし。

でも、やらなきゃいけねえんだよな。仕方ねえ、やってやるか。アオアシラの傍にどっしりと腰を下ろし、敵が来るのを待ち構える。さあ、来い。来た瞬間、俺の飯にしてやる。

待ち構えて少し経つと、俺の腹がグゥ〜と鳴った。俺の身体はモンスターの身体能力などを手に入れている代わりに、そいつらの燃費の悪さも手に入れてるのだ。小型モンスターを喰えば少し楽になるんだが…

ちらりとアオアシラの方を見る。いいよな?つまみ食いしても大丈夫だよな?あ、やべ。よだれ出てきた。いや、ダメだ。つまみ食いしてクエスト失敗とか笑えない。ここは我慢するんだ。

誘惑に負けそうなので、無理矢理前を向いて大型モンスターが来るのを待つ。そして、足音に集中できる様に目を閉じ、耳に意識を向ける。今のところ、大きなモンスターの足音はなし。このままなら、特に問題なく終わりだな。

30秒経っても大きな足音は聞こえない。何やら波をかき分けるような音が聞こえたが、特に影響はないだろう。そして、足音の代わりに、ガラガラという車輪を回す音が近づいてきた。ギルドの使いが来たか。

目を開け、車輪の音がする方へ目を向ける。予想通り、荷車を引いたアイルーたちがやってきた。あれにアオアシラを乗せるのだろう。となれば、手伝いたいところなんだが…罠に引っかかるからな…ここは傍観することにする。

アオアシラの傍から離れ、捕獲したモンスターを一生懸命に荷車に乗せるアイルーたちの姿を眺める。普段は見てると癒されるのだが、腹が減ってる今に見ると、何というか苛つきと美味そうだなぁという感想が出てくる。このままじゃ食べてしまいそうだな。携帯食料を食べるか。

ポーチから携帯食料を取り出し、口に放り込む。あまり腹は膨れなかったが、一応足しにはなった。これでアイルーたちを襲うようなことはないだろう。そのまま、アイルーたちをぼーっと眺めてクエストは終了した。特に乱入もない、珍しく普通のクエストだった。

 

 

 

村に戻ると、交易船の姿があった。ということは、船長たちも戻ってきてるんだな。ローラは帰ってきてるか分からないけど、帰ってきてる方が嬉しいから、確認の為にすぐに家に入ろう。村の所々が焼けこげてるけど、住人たちはいつも通り過ごしてるから問題ないだろ。

 

「待て、レイン!早まるな!」

「待つゼヨ、レイン!早まるんじゃないゼヨ!」

 

船着き場からダッシュで家に向かって、いざ帰宅、しようとしたら切羽詰まった村長と船長に止められた。え?何だ一体?後ろを振り返ると、ボロボロの二人が必死の形相で俺の装備を掴んでいた。どうしたんだ一体。

 

「どうしたんだよ、そんな顔して。つーか、何があったんだよ?」

 

ローラが帰ってきてるか異常に気になったのと、何やら聞かないと恐ろしいことになりそうだと感じたので、二人にどうしたのか聞く。すると、二人はお前という奴はみたいな顔して、こっちを見てきた。え?俺なんかした?

 

「はぁ…気づいてないのなら仕方ない。いいか、レイン。今ローラはお前の家の中に居る」

「お、帰ってきてたのか!」

「ああ。ただし、怒り狂ってる状態でな」

 

俺が何も理解してないのを読み取った二人が溜め息を吐き、そして村長が説明を始める。どうやらローラは帰ってきてるらしい。ただし、怒り狂ってる状態で。なぜ怒ってるんだ。

ただ家に入っては行けない理由はわかった。彼女の怒りに触れない様にするためだろう。実際、ローラの電撃は俺が気絶するくらいに強い。そんなのが村の中で放たれたら、未曾有の大災害になるんだろう。それなら納得できる。

でも、なぜローラは怒ってるんだ?解決できるのなら、解決したいが。

 

「そして、その原因というのが…村に着いた途端にローラちゃんの頭に落ちた盾ゼヨ」

 

と思ってると、船長がその怒った原因を教えてくれた。でも、盾?なぜローラの頭に盾が落ちたんだ?うーん、これと言って心当たりは……あ、もしかしてあの時の…

 

「二人とも、俺その盾知ってるわ。俺がアオアシラ目がけて投げた時のだ」

「お前という奴は、何ということをしてくれてるんだ!」

「ローラちゃんが言ってた嗅いだことのある臭いというのは、お前の臭いかゼヨ!?」

 

俺の言葉に二人が猛烈に反応する。そして、それによって瞬時に悟る。ここでローラが暴れて、その跡が、村の所々にある焼け焦げた跡や、ボロボロになった村長たちなのだろう。

そして、恐ろしいことに彼らはあくまで巻き込まれたもの……ということは、原因である俺は……あ、やべえ。俺殺されるわ。捕まったら永遠に電撃を受け続けるわ。よし、今すぐ逃げよガシィッ!

 

「へ?」

 

逃げようとした途端に後ろから伸びてきた手に首根っこを掴まれ、すぐに家の中に引き込まれる。引き込まれる直前の村長たちの冥福を祈るような顔が、なぜか目に焼き付いた。

引き込まれた先に待っていたのは、愛しい人の抱擁。ただし、寒気がするバージョン。いや、だって既にバチバチ言ってるんだよ。ちらちらと青い電光のようなものが見えるんだよ。これ、どう見てもチャージ完了してるよな?どう見ても、俺を殺す気だよな?

 

「あ、あー、ローラ?いや、あれはだな…偶然、お前の頭に落ちてきただけであって…わざとやったわけじゃ…」

「へぇ〜、ハンターたちの間では仲間に危害を加えることを全て、偶然で片付けるのね」

 

弁解する俺に返ってきたのは、静かに、しかし聞いてるだけで底冷えするようなローラの声。見上げれば、彼女の口元は笑ってるが、目は笑ってない。冷徹に、俺を見下している。

ぶわっと全身から冷や汗が吹き出す。多分、今の状況は、俺の人生の中で一番の危機的状況だと思う。つーか、誰だローラにそんなことを教えやがった奴は。一瞬、あるハンターの姿が脳裏に浮かび、すぐにローラの締め付けで現実に引き戻される。他の女を思い返すななってことだな。あいつ、男だけど。

まあ、とりあえず、今の彼女に【偶然】という言葉は使わない方がいいのは分かった。となれば、それ以外の言葉で彼女を説得するしかない。

 

「い、いや、そうじゃなくてだな?あの、その、狩ってる最中の流れ弾というか何というか…」

「流れ弾にしては出来過ぎだとは思わない?」

 

あ、悪化した。どうやら、流れ弾もダメらしい。だとしたら、どうすればいいんだろうか。あれか?物で釣るか?確か教官が女を落ち着けるのには物を贈るのが一番だと言ってたはず。よし、これで行くか。

 

「と、ところで、ローラ。何か欲しい物とかあるか?」

「欲しいもの?そうね…」

 

お、食いついた。電光も収まってきてるし、離してくれたし、このままなら行けるか?やはり、教官の言うことは間違ってなかったんだな!一部を除いて!

にしても、ローラの姿もぼろぼろだな。所々に切り傷や打撲があるし、今着てる下着も破けそうだ。見てると、痛々しくて適わない。

 

「とりあえず、傷薬かなにかないかしら?」

 

彼女のきょとんとした顔での言葉に、俺は泣いて回復薬を渡した。彼女の余りの痛々しさに、我慢できなかったんだよ。

 

「ありがとう」

 

ローラは俺から回復薬を受け取ると、それを飲む。すると、見る見るうちに彼女の全身の傷が治って行った。…俺も回復薬を飲めば良かったかもしれない。そうすれば、たんこぶが治ったかもしれなかったのに。

ま、まあ、ともかくこれで彼女の怒りは収まっただろう。後は思い出させない様に誘導するだけだ。でないと、死ぬ。俺が。

 

「あら、レイン。その傷はどうしたの?」

 

と思ったら、彼女の方から話を出してくれた。でも、傷の話なんだな。話の最中に、盾によってできた傷のことを思い出してブチ切れないか怖い。言葉選びは慎重にしよう。

 

「あ、あー、たんこぶ…はベッドから落ちてしまった時にな……それ以外は捕獲中にできた傷だ」

「そう…あなたも回復薬を飲んだら?」

「お、おう、そうさせてもらうぜ」

 

俺の返答に彼女は同情する様に(いや、本当に同情してるんだろうが。さっきまで同じ状態だったから)目を伏せると、すぐに回復薬を飲むことを提案してくる。俺もついさっきまでそれを思っていた為に、同意してすぐに飲む。家で飲む回復薬の味は、普段よりも甘かった。

とりあえず、今の彼女はさっきのが嘘の様に落ち着いてるようだ。痛みで苛ついてたのだろうか?それなら、この態度の軟化も納得できるな。恐らく生存本能が刺激されて、痛みに過敏になっていたんだろう。俺も傷ついてたときはよく苛ついてた。………ん?ていうことは、アオアシラと戦ってる時に俺が苛つきまくってたのは……

うん、これ以上考えるのはやめにしよう。じゃないと、罪悪感で死にそうだ。そうだ、眠ろう!眠れば忘れられるはず!となれば

 

「そ、それじゃあ、眠るか」

「?そうね、眠りましょう。私も疲れたし」

 

俺は首を傾げながらも俺の提案に同意するローラの横を通り、アイテム箱の前に立って、ごそごそと音を立てて装備を脱ぎ出す。すると、その少し後に背後でもごそごそという音がし始めた。どうやらローラが脱ぎ始めたらしい。まあ、うん。ぼろくなったもんな。使えなくなったんだもんな。仕方ないよな。

装備を脱ぎ終わった俺はアイテム箱に入れる。そして、いざ寝ようとした時に、ローラから待ったが掛けられた。

 

「なぜ服を脱がないの?」

 

いや、男女が同じ屋根の下で全裸はまずいだろ。え?男として見てない?それはそれで悲しい。とりあえず、無視してベッドに入る。

 

「むっ」

 

すると、ローラは気に入らなかったのかそんな声を出して、俺をベッドから引っ張り出した。それによって頭を床に打ち付ける俺。リノブロスを食べてなかったら、再びたんこぶができてた。

とりあえず、非難の目でローラを睨むと、彼女はぷいっと目を逸らした。様子から察するに、反省する気はないようだ。でも、可愛いから許す。とにかく、どうやら彼女は俺が下着を履いてることが気に入らないらしい。となれば、俺が下着を脱げばいいんだが…うん。これは俺とローラが眠る為に必要なことなんだ。不可抗力なんだ。だからだな…決して不純なことを考えている訳ではなくて…

 

「いいから、脱ぎなさい」

 

とかだらだらといつまでも思考してたら、ローラによって脱がされた。そして、それによって彼女の前に躍り出る例のアレ。あ、そう言えば、ローラって男に触られただけで赤面するほどに初心だから…

再び全身から冷や汗が流れ出る。このままじゃ、再び電撃が放たれる…!

だけど、俺が予想してた事態にはならなかった。何と彼女は普通にスルーして、ベッドの中に潜って、眠り始めたのだ。で、それに対して俺は…

 

(何の反応も示さないだと…!?それはそれで来るもんがあるぞ…!?)

 

ショックを受けていた。俺で言うのもなんだが、どっちだよ。




紅衣の男…何者なんだ…?
はい、モンハンwiki見て色々想像を働かせている神無月亮です。うん、マジで何者なんですか彼。謎過ぎるんですが。中二脳が活性化するんですが…もうあれですよ?ミラボレアスと関係ありそうだから、重要人物に指定しますよ?ラsドゴォッ!
誰かに後ろから殴られて頭が痛いです、はい。さて、これで話は終わりです。
皆さん、この作品を読んでくれてありがとうございました。次回もまた、読んでいただけると幸いです。そして、お気に入り登録してくれた皆様、本当にありがとうございます。これからも、皆様のお眼鏡に適う様に頑張りますので、今後も宜しくお願いします。それでは。
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