穏やかな白海竜と変態ハンター   作:神無月亮

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大変長らくお待たせしました。ええ、色々と用事がありましてね。モンハンやったり、モンハンやったり、モンハンやったり。え?全部モンハンしかない?気のせいですよ、多分。
にしても、戦闘は難しいですね。闇落ちさせてボコボコにしようかとも思いましたけど、やめておきました。まだアレを明かすには早いと思いましたのでね。
さて、たらたらと前書きを垂れても、本編の出来がよくなるわけでもありません。ですので、確実に失敗したと言える出来のこれを、その余りの酷さに目を瞑りながら読んで頂けると幸いです。


第5話 魔境への一歩

朝、俺は昔からの習慣に従っていつも通りの時間に目を覚ます。樹海に居た頃も、寝坊助の爺ちゃんよりも先に起きてたっけ。

とりあえず、起き上がって、横で寝ているローラの様子を見る。彼女はまだ抱き枕を抱いて、眠っているようだ。幸せそうだし、起こさない方がいいかな…

できるだけ音を立てない様にしながら、ベッドから抜け出る。ローラは目を覚まさなかった。結構、眠りは深いみたいだ。爺ちゃんみたいだな。爺ちゃんは昼まで起きなかったけど。

なら、彼女が目を覚ます前にさっさと支度を済ませるか。まずは下着を履いてっと…次は飯だな。彼女は俺と違って毒に掛かったりするだろうし、普通にこんがり肉にしよう。えーと、肉焼きセットは…

アイテム箱をあさってアプトノスからはぎ取った生肉2つと肉焼きセットを探す。あんまり整理してない、ていうか、できないから、中はごっちゃごちゃだ。何で、これで生肉とかが無事なんだろうか?傷ついてもおかしくないはずなんだが。

なんて事を考えてると、生肉2つと肉焼きセット両方を発見。すぐに引っ張り出して、ローラの様子を見る。まだ寝ているようだった。これなら起こす前にこんがり肉を焼けるな。だけど、家の中だと煙たいだろうし、外で焼こう。

俺は家を出た。

 

 

 

家から出たので、すぐに肉焼きセットを組み立てる。そして、生肉に取っ手を着けてセット。火をつけて…

 

「肉焼き開始っと」

 

ハンター共通の鼻歌を歌いながら、取っ手を握って生肉を回す。鼻歌を最後まで終えて、2、3秒経ったら

 

「ほい完成」

 

微妙に焦げてるが、こんがり肉の出来上がり。後はこれをもう一回するだけだ。

俺はこんがり肉から取っ手を取って、ポーチに入れて、生肉を再び焼き始めた。

 

 

 

二つ焼き終わったので、家に戻る。すると、ローラは既に目を覚ましていた。生肉の臭いには反応しなくても、焼けた肉の臭いには反応するんだな。

 

「煙の臭いで起きたのよ」

 

ローラが俺の心を平然と読んで、訂正してくる。なんかさらっと読まれたな。まあいいや。自然界では行動の読み合いはよくあることだし。俺もナルガクルガ亜種とのかくれんぼで、よくそれをしていた。全部、命がけだったけどな。おかげで、ある程度は相手の行動が分かる様になってしまった。

まあ、そんなことはどうでもいいんだ。重要なことじゃあない。今は完全に起きる為に、朝食を食べるべきだ。

 

「はいはい、そういうことにしておいてやるよ」

 

というわけで、俺が過去に想いを馳せている間にベッドから出て下着を着たローラに、こんがり肉の一つを渡す。すると、彼女はそれを受け取って、不思議そうに眺め始めた。ん?こんがり肉を見たことがないのか?

 

「うまく焼けるとこうなるのね…」

 

ボソリと彼女の口から不穏な言葉が聞こえた。もしかして、ローラは料理下手なのか?まあ、最近まで生肉を食べてたんだし、おかしくねえと思うけど。でも、これから人間として生きる分、こんがり肉を作れるくらいの腕は欲しいな。

タンジアの港で肉焼きセットの使い方を習ってるかどうか分からないし、一応、肉焼きとかしたことあるか聞いてみるか。

 

「なあ、ローラ。見入ってる所悪いんだけどよ、肉を焼いたことはあるか?」

「?ええ、あるわよ。それも十回もね」

 

俺の問いに、きょとんとしながらも答えるローラ。かわいい。…とにかく、どうやら彼女は焼き肉を経験済みらしい。ということは、生焼けか、こげ肉を作ってるんだな。

 

「焼き肉セット…だったかしら?あれ、使い方が分からなかったから、全部電気で焼いたわ。炭になったけどね」

 

違った。それ以前の問題だった。こいつ、全部焼けばいいと判断している。ていうか、なぜ電気で焼いた。そして、なぜ肉焼きセットの使い方が分からなかった。あれ、火をつけて、生肉に取っ手を着けて、セットの上に置いて、回すだけだぞ。あれ?意外と複雑?

まあいいや。とにかく、クエストに行く前に彼女に焼き肉セットの使い方を覚えさせるように、村長のせがれに頼んでおこう。じゃないと、ローラにあの糞不味い携帯食料を食わせることになっちまう。

さて、そろそろ食事にありつくか。両手を胸の前に出して合わせることで、食事への感謝の祈りを捧げる。両親に躾けられた習慣の一つだ。これをやらないと、落ち着かない。

肉汁が既に大量に滴っているこんがり肉に齧り付く。結構喋ってたせいで、周囲と同じくらいの温度になってしまった。まあ、それでも熱いんだが。モガの村自体が暑いからなぁ…シュレイドとは大違いだ。

ちらりとローラを見る。既に食べ終わってた。速いなおい。よく見ると、口元に大量の肉片とかが付いている。急いで食ったみたいだな。しかし、何だろう。こうして見ると、何だか物凄く和むなぁ…

暫く眺めてると、ローラに奇妙なものを見る目を向けられた。なぜだ。

 

「怒るか、和むか、どちらかにしなさい」

 

と思ったら、聞く前に言ってくれた。でも、怒る?俺、怒ってたか?不思議に思い、首を傾げる。

すると、彼女は一瞬驚いたような顔をして、すぐに誤摩化す様に背後の景色を眺め始めた。それを皮切りに、互いに暫く沈黙する。その結果、気まずくなったので、俺も景色を眺める。モガの村は、今日も快晴みたいだ。

おっと、行けない。こんがり肉を食べ終わってなかった。速く食べ終わらなければ、狩りに行けないな。俺は急いで残りのこんがり肉を骨ごと食べた。

 

「ふぅ…食べ終わったことだし、今日の予定を確認するか。ローラ、今日俺は狩りに行くが、お前はどうするんだ?前みたいに留守番するか?」

「?ああ、それなんだけど、私も狩りに出るわ。港に行ったのは、ハンター登録するためだしね。でも、暫くはあなたと同じクエストに行けそうにないわ。あっちで初めて聞いたんだけど、ランクがあるみたい」

 

食べ終わったので、ローラにどうするか尋ねる。すると、彼女はちらりとこちらを見て、すぐに身体をこちらに向ける。そして、前半は当然の様に、後半は少々残念そうに言った。ていうか、目を伏せながら言うのをやめてくれねえかな。鼻血出そうだから。

このまま直視してると、鼻血で海が赤く染まりそうだったので、気をそらす為に、今思いついた予定を話すことにする。まあ、ローラにこの状態で狩りに行って欲しくなかったのもあるが。あの糞不味い食料を食わせるわけにはいかない。

 

「そうか。んじゃあ、ローラ。せがれにお前に肉焼きセットの使い方を教える様に頼んでおくから、俺がクエストを終えてから行ってくれ。さすがにあれを食べさせたくはない」

「残念だけど、手遅れよ。恐ろしくまずかったわ、あれ」

 

と思ったら、手遅れだった。ローラの顔を見ると、歯ぎしりしているのが分かる。相当、味が嫌いだったんだな。まあ、あれの正体は複数のモンスターの肉を混ぜた肉団子なんだし、仕方ないか。

ていうか、あれを食ったら、ゲップ攻撃を吐けたり、マヒダケとかを食べても平気になったんだが、まさかババコンガの肉を…ないか。ないよな、うん。ないと思いたい、むしろないと言ってくれ。頼む。

 

「そ、そうか。伝え忘れて悪かったな…本当に悪い」

「別にいいわよ、不味いだけだしね。ところで、せがれって誰?」

 

やめよう、あの話は忘れるんだ。これは語られちゃいけないことなんだ。でも、やっぱりとんでもないものを食わせてしまったという罪悪感は出てくるので、ローラに謝る。

彼女もこれは自分のせいだと感じているのか、あっさりと許してくれた。そして、さらりとせがれを認識してないという発言をぶちかましてもくれた。どうやら、ローラにとっては、せがれはどうでもいい存在らしい。せがれぇ…

なんか涙出てきた。せがれ、今ちゃんと紹介しておくからな。あ、口説いたら打ち殺すぞ。ナンパでも打ち殺すが。とりあえず、紹介だけはしてやるよ。それ以上は抹殺対象だけどな。

 

「ああ、せがれって言うのはな。ほら、高台の上で村の皆に指示出してる奴が居るだろ?あいつだよ」

「ああ、あいつね。薄ら覚えてるわ。薄らね」

 

つまり、はっきり覚えてないと。それはそれで、残酷だな。後で慰めておこう。ついでに、ローラに近づいたら殺すと言っておこう。うん。

 

「それで、今日の予定はこれでいいの?」

 

せがれに伝える内容を考えていたら、ローラがジト目でこちらを見ながら、そう言ってきた。狩りに行けないのが不満なのだろうか。一応、聞いておこう。

 

「なあ、不満そうだけど、早く狩りに行きたいのか?」

「いえ、そうじゃなくて、養ってもらっているような感覚が嫌いなのよ。あと、弱い奴と同じ括りにいるのが気に入らないわ」

 

ああ、要するに、自分が力不足に感じるのが嫌なのか。まあ、自然界じゃあ、強い方が勝つからなぁ…

ていうか、後半の弱い奴って、俺も入ってないか?俺はモンスターの力を使えるけど、それ以外は駆け出しだしな。樹海でナルガクルガやラージャンと戦闘を繰り広げていたけど。

 

「ふーん、そうなのか。じゃあ、俺も早く強いモンスターを狩りに行ける様にならないとな」

 

ローラの言葉にそう返事して、俺は立ち上がる。結構、長話をしてしまったな。さっさと狩りに行かねえと。ん?今なんか聞こえたような…?気のせいか?気のせいならいいんだが…一応、警戒はしておこうか。

訝しげな視線を向けてくるローラをあえて無視して、俺は装備を整え始めた。

 

 

 

孤島 BC

 

村で色々用事を済ませて、BCに到着。ここに来るまでに少し一悶着があったが、まあ、それは気にしなくていいか。うん、桟橋で転けて、運搬中のローラ用の武器や装備が詰まった箱に突っ込んで、いきなりボロボロになったことなんて気にしなくていいんだ。

微妙にげんなりしたので、気分を紛らわす為に釣り場の方を見る。釣り場では、相も変わらず、魚達が優雅に泳いでいる。少し釣りでも楽しみたいところだが…

 

「なんか聞こえるな…アオアシラの咆哮って、こんなんだったか?」

 

なんかアオアシラのとは違う鳴き声が聞こえる。それも、陸の方から。にしても、なんか聞き覚えがあるな、この鳴き声。えーと、たしか…ローラとの話を終えた直後に聞こえたような…

うーん、思い出せないけど、とにかく危険な奴がいることは分かるぞ。俺の野生の勘がこう告げている。引き返せ、恐ろしいことになると。でもまあ、会わなければ大丈夫だろうし、さっさと進もうか。

俺は支給品を漁って、エリア2に向かった。

 

 

 

エリア2

 

エリア2に到着。ただし、なんか様子がおかしい。アプトノスらしき身体が一つしか転がってないのだ。他のモンスターは一匹もいない。狩られた後か?でも、速過ぎるような…まあ、いいか。気にし過ぎても仕方ない。さっさとアオアシラを探そう。

河を伝ってエリア5に行く瞬間、何かの咆哮が聞こえた。

 

 

 

エリア5

 

エリア5に着いた途端に、再び咆哮が聞こえた。ただし、何か勝利の雄叫びのようなものだが。何か居るのか?

爺ちゃんによって倒されたナルガを食べた時に手に入れた隠密能力で、気配を悟らせない様にしながら、そっと向こうを確認する。

アオアシラが死んでいた。それも、所々を黒こげにして、全身を爪で引っ掻かれた状態で。どうやら既に狩猟された後らしい。でも、何で死んでるんだ?

なぜ死んだのか確認する為に、少し身を乗り出して、目を凝らす。すると、アオアシラが死んだ原因らしきモンスターが目に入った。

その姿は青い狼、全身が雷光で光っており、爪や牙には血が付着していた。あいつは…何だ?とにかくヤバそうな予感がするな。逃げるとするか。

すり足することで、音を立てずに移動しながら、あのモンスターがこっちにやって来ないか耳を澄ませる…必要もなかった。

 

「オオオオオオオオオオオオン!」

 

相手が突然雄叫びを上げた。このタイミングでやるということは、間違いなく気づかれたな。んじゃ、隠れてる意味もない。一気に逃げさせてもらおう。

アオアシラの素材は勿体ないが、命が無くなっちゃ意味がない。何よりも、俺はまだ死ぬわけにはいかない。まだあいつを殺していない。あいつを殺すまでは、俺は死ねない。死んでも蘇ってやる。

あの黒い龍の姿が脳裏に浮かび、俺はつい足を止める。本当は逃げなければ行けないのに、なぜだか今こっちを狙っている奴を殺さなければいけないような気がしたから。

 

「いっちょ、やってみるか…」

 

もう自分の中に、逃げようとする意志はなかった。あるのは、奴を叩き潰すという闘争本能だけ。でも、このままだと嫌な予感しかしないので、ラージャンの能力を使って電気を生成。そして、それによって一時的に身体能力を強化する。髪が逆立ってしまったが、能力を切れば戻るし、別にいいだろ。

野生の勘で相手の攻撃が来ているのが分かったので、直感に任せて左に回転する。すると、さっきまで俺がいたところに電撃を纏った拳が叩き付けられていた。あそこにいたら、死んでたな。

いつまでも冷や汗を掻いてるわけにはいかない。このまま逃げ続けていても、先に限界が来てこっちが終わるだけだ。かと言って、ヒット&アウェイも良い策ではない。この能力に制限時間はないが、代わりに反動があるからな。

なので、ごり押しで行く。敵の攻撃はかすめるレベルで避けて、自分の攻撃を全て相手の急所に叩き込む。昔の俺流の戦い方だ。

相手の右腕が振り上げられる。叩き付けられるな、これは。相手の左前足の方へと転がり、避ける。微妙に足が焦げたが、謎の回復力によって再生。

相手が振り向いて左足を振り上げる。俺はその隙をついて、一気に踏み込み、顔に拳を叩き込む。相手はカウンターを予測できていなかったのか、あっさりと倒れた。

 

「速度だけが優秀なのか?」

 

俺はあっさりと倒れたことに関してそう呟き、すぐに相手の背中に張り付く。が、

 

「うわ、何だこの虫達!?気持ち悪っ!」

 

謎の虫達のひしめき具合に思いっきり引き、すぐには詰められない距離まで離れた。いや、だって気持ち悪かったんだよ。

想像してみろよ。大量の虫達が動物の背中で所狭しとひしめき合ってんだぜ。しかも、触れた傍から上ってくるという……うっ、思い出しただけで吐き気が…

 

「うえぇ…口が酸っぱく…ん?ブゴフッ!」

 

余りの気持ち悪さに軽く吐いてると、尻尾に打ち当たった。ここ、射程内なのかよと思ったら、距離を詰められていたことに気づいた。ちくしょう、これも全てはあの虫の気持ち悪さが悪いんだ。

あの虫の余りの気持ち悪さと、それによって発生する悪影響にイライラしながら、俺は相手の姿を見据える。しかし、あいつは一体何なんだ?ドンドルマ(ようやく思い出した)でも、聞いたことがないぞ?

疑問に思いながらも、今はそれどころではないと判断し、すぐに狩りに集中する。見たところ、相手は速度を生かしたヒット&アウェイが得意なようだ。なら、それすらできない程に攻撃し続ければ良い。

絶対に敵に距離を開けさせるな。距離を開けられたら死んだと思え。いや、距離を開けられなくても死んだと思え。そうでなければ

 

「こいつには勝てない…!」

 

圧倒的格上との戦い。全身が震えるのは武者震えだろうか。それとも、確実に迫り来る死への恐怖による震えか。まあ、そんなことはどうでもいい。今は、奴を殺すことに集中するべきだ。

右手に剣を、左手に盾を構え、相手に一気に詰め寄る。相手は何かを感じ取ったのか、後ろに下がり、電気の球を二つ飛ばしてくる。だが、関係ない。

突然左へ曲がった電気の球を剣で切り裂き、相手に詰め寄る。しかし、再び二つの電気の球が飛んでくる。今度は間をすり抜けて、相手に直進する。

しかし、今度は相手は俺を飛び越して、距離を取った。

 

「くそがぁ!」

 

なかなか詰め寄れない現実に、舌打ちする。しかし、このままでは確実に負ける。なので、更に能力を引き上げることにする。生成する電力を更に上げ、筋肉を更に活性化。

視界が綺麗になる。頭が異様にすっきりする。よし、行ける。

さっきまでとは段違いの速さで相手の胸元にまで潜り込み、相手の首目がけて盾をぶん投げる。盾は何か燃えるような音を立てて、俺の手から離れ、ベコォッ!という音を立てて、相手の首に当たり、あらぬ方に吹っ飛んでいった。こりゃ、間違いなく盾は使えなくなったな。

でも、そんなことは気にしてられない。今のうちにも、相手は距離を取ろうとしているのだから。

すぐさま、左手で相手の首を掴み、手のひらに爺ちゃんの毒の棘を生やす。しかし、勢いが足りないのか刺さらなかった。くそっ!

舌打ちし、左手で相手の顔を引き寄せ、右手の剣で左目を突き刺す。そして、暴れ回るのを無理矢理押さえつけて、更に傷口を抉る。そろそろ抜くか。

 

「ん?」

 

剣を引き抜こうとすると、抜けなかった。どうやら挟まってしまったらしい。これ以上やっても抜けなさそうなので、剣を手放し、殴って更に奥に食い込ませる。

なんかパキッって音がしたから、もう一回殴ってみる。今度はバキィッという音がした。もしかして、骨が砕けてるのか?なら、このまま行けば…

 

「うおっと!」

 

考え事をしていたら、悪寒が走ったので、手を放して後ろに飛ぶ。すると、さっきまで俺がいたところに右腕のかぎ爪が通って行った。さっきまであそこにいたら、引き裂かれていたな…

しかし、距離を離されてしまった。これでは圧倒的に不利だ。隠れるものもない以上、ナルガクルガの能力は殆ど使えない。爺ちゃんの能力は近接でこそ意味がある。ラージャンの能力は現在使用中。ビームを放てるが、終了時に強制解除されるので、リスクが大き過ぎる。となれば、他のモンスターの能力で戦わなければならないな。なんかあったっけ?

そう言えば、デルクスの能力があったか。ここ、砂場じゃねえけど、行けるか?………行けない気がしてきた。これもダメだな。

………………他にも色々手を考えてみるけど、結局何の手も思いつかなかった。こうなったら、相手から近づいてくれるのを待つしかないな。

じりじり、じりじりと、すり足で左右に移動しながら、相手の動向を注視する。相手もまた警戒しているのか、こちらになかなか近づいてこない。…………待ってても、俺が死ぬだけだな。こっちから行こう。

地面に手をつき、背を弓なりにしならせる。そして、尻に意識を向け、ナルガクルガの尻尾を生やす。あ、腰装備壊れた。ていうか、篭手も壊れてる。もう装備は食って処理するか。モンスター食えるし、行けるだろ。

さて、意識を戻すか。相手は俺に尻尾が生えたことに驚いているのか、固まっている。隙だらけだな。一気に決めるか。

全身から毒の棘を生やすことで、全身を凶器に。そして、前足を後ろに振り抜き、両足で地を蹴り、相手に詰め寄る。相手はようやく戻ってきたようで、距離を離そうとしていた。

 

させねえよ?

 

相手の左前足に噛み付き、胴体を右手で押さえつけて、引きちぎる。左前足の結合部から凄まじい勢いで血が噴き出し、俺の身体に降り掛かる。しかし、装備のおかげで尻尾と頭以外は血に濡れなかった。

まあ、濡れても濡れなくてもいいんだがな。どうせ殺すし。とりあえず、もぎ取った部位を放り捨て、右手で引き寄せることで、相手のバランスを崩す。相手は踏ん張ることもできず、あっさりと倒れた。

終わりだな。もがく相手の頭の上に足を置き、全力で踏む。1秒経って行く毎にメキメキという音が相手の頭から鳴り響き、10秒くらい経ったら剣が頭を突き抜け、相手も痺れる様に震えて、すぐに動かなくなった。死んだのだ。

相手の首元に齧り付き、鱗を、毛皮を、肉を喰らう。相手の背中から大量の光達が逃げて行くのが、視界の端に映る。そういえば、こいつらを食べたことがねえな。光の一つを掴み、触れているところから来る痺れを無視して噛み砕く。

全身が熱くなり、激痛が走り始める。肉体の変異が始まったようだ。

………………っ!?

 

「ガ…ガァッ…!」

 

全身に普段よりも更に数倍強い激痛が走る。思考が痛み一色に染まり、何も考えられなくなる。時々、全身から聞こえる何かが吹き出す音が、いやに耳に響いた。

何が起こっている?分からない。なぜこんなことになっている?分からない。

錯乱した頭で必至に考えても、答えは一向に出ない。暫くもがき苦しんだ後、俺はいつの間にかできていた血の海の中に倒れ臥した。

 

 

 

古龍観測隊のレポート

 

上位個体のジンオウガを確認。レインと交戦後、絶命。

レインもまたジンオウガとの戦いで多大な損傷を負い、捕食後に力つきました。

ジンオウガとの交戦中、彼の全身には電気が迸っており、それが原因なのか、異常な速度で動き、圧倒的な力を振り回していました。なお、この間、彼の髪はかの金獅子の如く、黄金に光り輝き、全身からは棘竜らしき毒々しい棘を生やし、迅竜らしき尾が確認されました。

このことから、彼が使っていた力はモンスターの力の可能性があります。獲物を捕食するのは、その獲物の力を得て、自らを強化するためであり、今まで彼が殆どの敵の前で逃げなかったのは、己の命よりも力を強化するのを優先した為と考えられます。そして、彼がドンドルマに居た時に、たまに寝言で出てくる黒い龍が、それに強く関連していそうです。

以上、報告を終了します。

追記、戻る際に白い人影を崖の上に視認しましたが、突如発生した霧によって消えてしまいました。オオナズチがいる可能性があるため、孤島を中心に観察して行くことにします。




アオアシラ(+α)と言いましたね。あれは嘘です。
何でしょうかね、これ。書いてて全然満足できませんでした。これも全部、ジンオウガのあの速さが悪いんです。何ですか、あの速度。未だに捉えきれませんよ。一応、倒しましたけど。
そう言えば、現在のMH4Gの進行度ですが、モノブロスの緊急が出ているところです。出てからは暫くアークとゴア装備の素材を集めながら、時たま未知の樹海に探索に行っています。アークはあと角が1つあれば、全部揃いますね。逆鱗は忘れた頃にゲットしました。物欲センサー、恐るべし。今思い出しましたが、逆鱗の説明文を読み忘れてました。ちくせう。
さて、最後にレインが血塗れで倒れた理由ですが、ラージャンの能力の反動です。あれ、反動が一番大きいんですよ。
では、これにて話は終わりです。またかなり後になりそうですが、そんなのでも読んでくれれば、嬉しいです。皆様、お目汚し、失礼しました。
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